JPWO2013146540A1 - エタノールの生産方法 - Google Patents

エタノールの生産方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2013146540A1
JPWO2013146540A1 JP2014507798A JP2014507798A JPWO2013146540A1 JP WO2013146540 A1 JPWO2013146540 A1 JP WO2013146540A1 JP 2014507798 A JP2014507798 A JP 2014507798A JP 2014507798 A JP2014507798 A JP 2014507798A JP WO2013146540 A1 JPWO2013146540 A1 JP WO2013146540A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yeast
fermentation
ethanol
mass
enzyme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014507798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6174569B2 (ja
Inventor
野田 秀夫
秀夫 野田
真司 ▲濱▼
真司 ▲濱▼
伸行 倉谷
伸行 倉谷
近藤 昭彦
昭彦 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Chemical Engineering Co Ltd
Original Assignee
Kansai Chemical Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Chemical Engineering Co Ltd filed Critical Kansai Chemical Engineering Co Ltd
Publication of JPWO2013146540A1 publication Critical patent/JPWO2013146540A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6174569B2 publication Critical patent/JP6174569B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/02Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
    • C12P7/04Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic
    • C12P7/06Ethanol, i.e. non-beverage
    • C12P7/08Ethanol, i.e. non-beverage produced as by-product or from waste or cellulosic material substrate
    • C12P7/10Ethanol, i.e. non-beverage produced as by-product or from waste or cellulosic material substrate substrate containing cellulosic material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/02Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
    • C12P7/04Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic
    • C12P7/06Ethanol, i.e. non-beverage
    • C12P7/14Multiple stages of fermentation; Multiple types of microorganisms or re-use of microorganisms
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

Landscapes

  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

酵母を用いて、リグノセルロース系バイオマスから低コストでエタノールを生産する方法を提供する。本発明のリグノセルロース系バイオマスからのエタノールの生産方法は、(1)リグノセルロース系バイオマスを前処理する工程、(2)工程(1)で得られたセルロース画分をセルロース加水分解酵素で処理する工程、(3)工程(2)で得られた糖化バイオマスと酵母とを混合してエタノール発酵する工程、および(4)工程(3)で得られた発酵物を固液分離する工程を含み、工程(1)、(2)、(3)および(4)からなるサイクルを2回以上繰り返し、そして工程(4)で得られた酵母を、次のサイクルの工程(3)の酵母の全部または一部として用いる。

Description

本発明は、エタノールの生産方法に関する。より詳細には、バイオマスからのエタノールの生産方法に関する。
近年、化石燃料の枯渇が危惧される中、その代替燃料の開発が進められている。中でもバイオマスに由来するバイオエタノールが注目されている。バイオマスは、再生可能な資源であり、地球上に大量に存在し、そして使用しても大気中の二酸化炭素が増えず(カーボンニュートラル)、地球温暖化防止に寄与することができるからである。
しかし、現在、生産されているバイオエタノールは、主にトウモロコシやサトウキビを原料としており、食糧との競合が問題となっている。このため、将来的には、食糧と競合しない稲ワラ、麦ワラ、廃材などのリグノセルロース系バイオマスを原料とするバイオエタノールの生産が求められる。
リグノセルロース系バイオマスは、主にセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの3種類の成分から構成される。このうちセルロースは、加水分解によりグルコースまで分解(糖化)されると、グルコースを資化することができる酵母サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などによるエタノール発酵に利用することができる。
セルロースを加水分解するには、通常、セルラーゼなどのセルロース加水分解酵素が用いられるが、酵素のセルロースへの作用を容易にするために、酵素反応の前にセルロースをバイオマスから分離し、露出させるための前処理が行われる。従来、前処理法としては、水熱分解法、酸処理法、アルカリ処理法が知られている。酸処理法としては、高温(200℃以上)で希酸を用いる方法と、濃硫酸などを用いる方法とが知られている。しかし、水熱分解法や酸処理法は、過激な条件下でセルロースを部分分解するため、過分解物(副生成物)を生じ、グルコース収率(糖化率)が低いことや、エタノール発酵を阻害する物質をも生じ得ることが問題である。
リグノセルロース系バイオマスの前処理物は酵素処理に供される。酵素処理では、前処理物を構成するセルロース成分やヘミセルロース成分を加水分解し、オリゴ糖や単糖を生成する。しかしながら、糖化に使用する市販の酵素の力価が低いことにより十分な糖化には酵素を大量に必要とするため、コストが高くなるという問題がある。
一方、セルロース、ヘミセルロースなどを本来資化することができない酵母サッカロマイセス・セレビシエなどを、生物工学的手法を用いて改変することにより、バイオマスの前処理物から直接エタノールを生産させる試みがなされている。このような生物工学的手法として細胞表層提示技術が利用されている。例えば、セルロースを加水分解する酵素群、すなわちエンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、β−グルコシダーゼなどを表層提示した酵母が、細胞表層提示技術によって作製されている(特許文献1)。
国際公開第2010/032762号
工業上の実用性を鑑みると、上記方法を組み合わせることでエタノールの生産性を向上させるための検討が必要である。特に、酵素処理法によりリグノセルロース系バイオマス前処理物の糖化を一定程度進めつつ、セルロース加水分解酵素群を細胞表層提示した酵母を用いてエタノール発酵させる方法が有力技術として検討されている。しかし、この方法では、1回の発酵ごとに酵母を調製および添加する必要があり、酵母の培養コストがエタノール製造コストに大きく影響を及ぼす。
本発明は、酵母を用いて、リグノセルロース系バイオマスから低コストでエタノールを生産する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、固液分離工程の組み合わせを用いて、発酵終了後の発酵物を再利用可能な酵母を効率よく分離することによって、リグノセルロース系バイオマスから低コストでエタノールを生産することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、リグノセルロース系バイオマスからのエタノールの生産方法を提供し、該方法は、(1)リグノセルロース系バイオマスを前処理する工程、(2)工程(1)で得られたセルロース画分をセルロース加水分解酵素で処理する工程、(3)工程(2)で得られた糖化バイオマスと酵母とを混合してエタノール発酵する工程、および(4)工程(3)で得られた発酵物を固液分離する工程を含み、工程(1)、(2)、(3)および(4)からなるサイクルを2回以上繰り返し、そして工程(4)で得られた酵母を、次のサイクルの工程(3)の酵母の全部または一部として用いる。
1つの実施態様では、上記工程(4)は、(a)発酵物の5質量%から30質量%の固体部を除去する工程、および(b)工程(a)で得られた残部の5質量%から30質量%の固体部を回収する工程を含む。
1つの実施態様では、上記発酵物中の酵母の菌体濃度は、10個/mL以上である。
1つの実施態様では、上記酵母が、フェルラ酸エステラーゼ、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、およびペクチナーゼからなる群より選択される1または2種の酵素を発現するように形質転換された酵母である。
1つの実施態様では、上記酵素が、表層提示されている。
さらに、本発明は、リグノセルロース系バイオマスからのエタノールの生産のための、酵母を含有する組成物を提供し、上記酵母が、フェルラ酸エステラーゼ、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、およびペクチナーゼからなる群より選択される1または2種の酵素を発現するように形質転換されている。
1つの実施態様では、上記酵素が、表層提示されている。
本発明の方法によれば、リグノセルロース系バイオマスのエタノール発酵物から比重の大きい残渣を除去した後の、酵母を含む一定量の残渣を次のサイクルの発酵に用いることによって、酵母の菌体濃度を10個/mL〜10個/mL程度から10個/mL以上までの一定範囲に維持しながら、新たに酵母を供給することなく長期にわたって発酵を繰り返すことが可能になる。酵母は絶えず増殖を繰り返すため、鮮度が低下するという問題も生じない。新たに酵母を調製するためのコストを削減することができるため、低コストでエタノールを生産することができる。また、比重の大きい残渣による発酵阻害も抑制することができる。
稲ワラを原料として、酵母を繰返し再利用してエタノール発酵を行った場合の発酵液中のエタノール濃度および酵母の菌体濃度の経時変化を示すグラフである。 稲ワラを原料として、酵母を繰返し再利用してエタノール発酵を行った場合の発酵液中のエタノール濃度の経時変化を示すグラフである。 バガスを原料として、酵母を繰返し再利用してエタノール発酵を行った場合の発酵液中のエタノール濃度の経時変化を示すグラフである。 ネピアグラスを原料として、酵母を繰返し再利用してエタノール発酵を行った場合の発酵液中のエタノール濃度の経時変化を示すグラフである。 バガスを原料として、FaeA形質転換酵母を繰返し再利用してエタノール発酵を行った場合の発酵液中のエタノール濃度および酵母の菌体濃度の経時変化を示すグラフである。 バガスを原料として、FaeA形質転換酵母を繰返し再利用してエタノール発酵を行った場合の発酵液中のエタノール濃度および酵母の菌体濃度の経時変化を示すグラフである。
本発明のリグノセルロース系バイオマスからのエタノールの生産方法は、(1)リグノセルロース系バイオマスを前処理する工程、(2)工程(1)で得られたセルロース画分をセルロース加水分解酵素で処理する工程、(3)工程(2)で得られた糖化バイオマスと酵母とを混合してエタノール発酵する工程、および(4)工程(3)で得られた発酵物を固液分離する工程を含む。
(1)リグノセルロース系バイオマスの前処理(工程(1))
バイオマスとは、生物資源に由来する糖質材料をいう。例えば、トウモロコシなどから得られるデンプン、サトウキビなどから得られる糖蜜(廃糖蜜)が挙げられる。リグノセルロース系バイオマスとは、主にセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの3種類の成分から構成されるバイオマスをいう。このうち、セルロースは、β−1,4−グルコシド結合によりグルコピラノース(グルコース)が連なった繊維状高分子であり、加水分解されて得られるグルコースが酵母などの発酵基質として利用される。
リグノセルロース系バイオマスの利用は、食糧と競合しない点で好ましい。リグノセルロース系バイオマスとしては、コメ、ムギ、トウモロコシ、サトウキビ、木材(パルプ)、ネピアグラス、などの生物材料の処理に際して生じる廃棄物などが挙げられる。例えば、稲ワラ、麦ワラ、バガス(サトウキビ搾汁後の残渣)、廃材が挙げられる。
前処理とは、例えば、セルロースをグルコースまで加水分解するために、セルラーゼなどのセルロース加水分解酵素で処理する前に、酵素のセルロースへの作用を容易にするために、酵素反応の前にセルロースをバイオマスから分離し、露出させる処理をいう。前処理法としては、特に限定されない。例えば、水熱分解法ならびに圧搾および蒸煮方法が挙げられる。
水熱分解法では、例えば、リグノセルロース系バイオマスを、必要に応じて粉砕し、例えば、約20質量%(乾燥質量)の含量となるように水と混合し、この混合物を熱処理する。熱処理は、120℃〜300℃、好ましくは150℃〜280℃、より好ましくは180℃〜250℃にて、15秒間〜1時間行われる。処理温度および時間は用いるバイオマスによって変動し得、処理温度の上昇は処理時間を短縮し得る。なお、熱処理中に加圧してもよい。
圧搾および蒸煮方法では、リグノセルロース系バイオマスの圧搾および蒸煮が行われる。圧搾および蒸煮の順番は特に限定されず、当業者によって適宜設定することができる。圧搾方法としては、特に限定されないが、例えば、油圧式圧搾機、スクリュープレス、採肉機、プレス脱水機、または遠心分離機等によりリグノセルロース系バイオマスを圧搾する方法が挙げられる。蒸煮方法としては、特に限定されないが、例えば、リグノセルロース系バイオマスを高温の水蒸気により蒸煮する方法が挙げられる。蒸煮するための条件としては、特に限定されないが、例えば、リグノセルロース系バイオマスに対して1質量%〜5質量%の硫酸を含浸させて、1.0Mpa〜1.6Mpaの圧力下、180℃〜200℃にて5分〜30分間蒸煮する条件が挙げられる。
リグノセルロース系バイオマスを前処理すると、水溶性のヘミセルロース画分と非水溶性のセルロース画分とが分離する。非水溶性のセルロース画分は、固形分として遠心分離法などにより容易に分離することができる。この工程により、リグノセルロース系バイオマスからセルロース画分を得ることができる。セルロース画分が含有する固形分としては、特に限定されないが、好ましくは、100g乾燥質量/L以上、より好ましくは、200g乾燥質量/L以上である。
(2)工程(1)で得られたセルロース画分のセルロース加水分解酵素による処理(工程(2))
セルロース加水分解酵素は、セルロースのβ−1,4−グルコシド結合を加水分解してグルコースを生成する。この過程を糖化という。セルロース加水分解酵素としては、例えば、エンドβ−1,4−グルカナーゼ(以下、単に「エンドグルカナーゼ」という)、セロビオヒドロラーゼ、およびβ−グルコシダーゼが挙げられるが、これらに限定されない。
エンドグルカナーゼは、セルラーゼと称される酵素であり、セルロースを分子内部から切断し、グルコース、セロビオース、およびセロオリゴ糖(重合度が3以上であり、そして通常、10以下であるが、これに限定されない)を生じる。エンドグルカナーゼは、非結晶化されたセルロース、可溶性セロオリゴ糖、およびカルボキシメチルセルロース(CMC)のようなセルロース誘導体などの結晶化度の低いまたは非晶性のセルロースに対する反応性が高いが、結晶構造を有するセルロースミクロフィブリルへの反応性は低い。エンドグルカナーゼは、非晶性セルロースを加水分解する酵素の一つの例である。エンドグルカナーゼとしては、例えば、トリコデルマ・リーセイ由来エンドグルカナーゼ(特に、EGII)が挙げられるが、これに限定されない。
セロビオヒドロラーゼは、セルロースの還元末端または非還元末端のいずれかから分解してセロビオースを遊離する。セロビオヒドロラーゼは、結晶構造を有するセルロースミクロフィブリルのような結晶性セルロースを分解するが、カルボキシメチルセルロース(CMC)のようなセルロース誘導体などの結晶化度の低いまたは非晶性のセルロースに対する反応性は低い。セロビオヒドロラーゼは、結晶性セルロースを加水分解する酵素の一つの例である。結晶性セルロースの分子間および分子内の密な水素結合による強固な構造に起因して、セロビオヒドロラーゼによる結晶性セルロースの加水分解は、エンドグルカナーゼによる非晶性セルロースの加水分解に比較して遅い。セロビオヒドロラーゼには2種類あり、それぞれセロビオヒドロラーゼ1およびセロビオヒドロラーゼ2と称される。セロビオヒドロラーゼとしては、例えば、トリコデルマ・リーセイ由来セロビオヒドロラーゼ(特に、CBH2)が挙げられるが、これに限定されない。
β−グルコシダーゼは、セルロースにおいては、非還元末端からグルコース単位を切り離していくエキソ型の加水分解酵素である。β−グルコシダーゼは、アグリコンまたは糖鎖とβ−D−グルコースとのβ1,4−グルコシド結合を切断し、セロビオースまたはセロオリゴ糖を加水分解してグルコースを生成する。β−グルコシダーゼは、セロビオースまたはセロオリゴ糖を加水分解する酵素の一つの例である。β−グルコシダーゼは現在、1種類知られており、β−グルコシダーゼ1と称される。β−グルコシダーゼとしては、例えば、アスペルギルス・アクレアータス由来β−グルコシダーゼ(特に、BGL1)挙げられるが、これに限定されない。
セルロース加水分解酵素製剤としては、上記セルロース加水分解酵素を含む製剤であれば、特に限定されない。市販の酵素製剤でもよいし、酵素産生微生物などを培養して調製したものでもよい。セルロース加水分解酵素の活性は、1分間にろ紙(例えば、Filter Papar:ワットマン社製No.1フィルター)から1μmolのグルコースを遊離する酵素量(1FPU)で表される。セルロース加水分解酵素の処理濃度としては、特に限定されないが、好ましくは、4FPU〜20FPU/gセルロース画分である。セルロース加水分解酵素の処理時間としては、特に限定されないが、好ましくは0.5時間〜10時間、より好ましくは0.5時間〜8時間、さらに好ましくは0.5時間〜6時間である。セルロース加水分解酵素の処理温度は、酵素が働く温度であれば、特に限定されない。好ましくは、40℃〜80℃である。
この工程により、セルロース画分から糖化バイオマスを得ることができる。糖化バイオマスとは、糖化処理して得られたバイオマスをいい、例えば、セルロースの加水分解により生成したグルコース(単糖)を主成分として含む。糖化バイオマスの形状としては、特に限定されないが、例えば、スラリー状が挙げられる。
この工程において、酵母の栄養源を添加してもよい。酵母の栄養源としては、特に限定されないが、例えば、YP(酵母エキス10g/Lおよびポリペプトン20g/Lを含有する)、コーンスティープリカー(CSL)およびこれらの組み合わせが挙げられ、好ましくは、コーンスティープリカーである。コーンスティープリカーは安価であるため、エタノール発酵に要するコストを抑えることができる。酵母の栄養源の添加量としては、特に限定されないが、例えば、YPを添加する場合、1×YPから10×YPのいずれであってもよく、酵素処理液の全体液量約48mLに対して、例えば、5mLであり、例えば、コーンスティープリカーを添加する場合、例えばセルロース画分をセルロース加水分解酵素で処理する際に調製される酵素処理液の全体液量(mL)に対してコーンスティープリカーの含有量は、例えば、0.05質量%〜2質量%であり、好ましくは、0.0625質量%〜1質量%であり、より好ましくは、0.125質量%〜0.5質量%である。酵母の栄養源を添加する時期としては、特に限定されないが、セルロース画分をセルロース加水分解酵素で処理する前または後あるいは処理の間であってもよい。
(3)工程(2)で得られた糖化バイオマスと酵母との混合によるエタノール発酵(工程(3))
酵母としては、グルコースを基質としてエタノール発酵し得る限り、特に限定されない。野生株酵母であってもよいし、形質転換酵母であってもよい。形質転換酵母は、当業者が通常用いる方法により適宜作製される。
特に限定されないが、サッカロマイセス属に属する酵母が好ましく、サッカロマイセス・セレビシエがさらに好ましい。サッカロマイセス・セレビシエの菌株としては、例えば、サッカロマイセス・セレビシエTJ14株(Moukamnerdら、Appl. Microbiol. Biotechnol.、2010年、第88巻、p.87−94)、およびサッカロマイセス・セレビシエKF−7株(Tingら、Process Biochem.、2006年、第41巻、p.909−914)が挙げられる。
形質転換酵母は、例えば、工程(2)のセルロース加水分解酵素製剤によるリグノセルロース系バイオマスの糖化を促進するための酵素を発現させた酵母であり得る。このような酵素としては、特に限定されないが、例えば、フェルラ酸エステラーゼ、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ペクチナーゼ、およびこれらの1または2種の組み合わせが挙げられる。好ましくは、フェルラ酸エステラーゼを発現するように形質転換された酵母である。
フェルラ酸エステラーゼは、フェルラ酸とグリセロールとの間でエステル化反応を生じさせる酵素をいう。フェルラ酸エステラーゼは、リグノセルロース系バイオマス中のリグニンと多糖を繋ぐフェルラ酸を加水分解する作用を示す。この作用によりリグノセルロース系バイオマスの構造が緩む(すなわち、リグノセルロース系バイオマスの構造の一部を分解する)ことにより、セルロース加水分解酵素製剤による糖化を促進することができる。フェルラ酸エステラーゼとしては、特に限定されないが、例えば、アスペルギルス属(例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger))、およびペニシリニウム属(Penicillium)(例えば、ペニシリニウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum))、およびタラモマイセス属(Talaromyces)(例えば、タラモマイセス・フニクロサス(Talaromyces funiculosus))に由来するフェルラ酸エステラーゼが挙げられる。フェルラ酸エステラーゼをコードする遺伝子として、例えば、タラモマイセス・フニクロサス由来遺伝子(FaeA:GenBank Accession Number:AJ312296)が挙げられる。
ペクチナーゼは、高等植物の細胞壁に含まれているペクチン質を分解する酵素群の総称をいう。ペクチナーゼとしては、特に限定されないが、例えば、バチルス属(Bacillus)に属する細菌類、トリコスポロン属(Tricosporon)、エンドマイセス属(Endomyces)、エンドマイコプシス属(Endomycopsis)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)、ピヒア属(Pichia)、ハンセヌラ属(Hansenula)、デバリオマイセス属(Debaryomyces)、ハンセニアスポラ属(Hanseniaspora)、トルロプシス属(Torulopsis)、カンジダ属(Candida)、およびクルイベロマイセス属(Kluyveromyces)に属する酵母類、ならびにアスペルギルス属(Aspergillus)、リゾプス属(Rhizopus)に属する糸状菌類に由来するペクチナーゼが挙げられる。
β−グルコシダーゼは、上述のβ−グルコシダーゼを用いることができる。
β−ガラクトシダーゼは、ラクトースをガラクトースおよびグルコースに分解させる酵素をいう。β−ガラクトシダーゼはペクチン中のガラクタンを分解し、植物細胞壁の構造を緩める(すなわち、リグノセルロース系バイオマスの構造の一部を分解する)作用を示す。これによってリグノセルロース系バイオマスが軟化され、セルロース加水分解酵素製剤による糖化を促進することが期待される。β−ガラクトシダーゼとしては、特に限定されないが、例えば、バチルス属(Bacillus)(例えば、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans))、およびアスペルギルス属(Aspergillus)(例えば、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzoe))に由来するβ−ガラクトシダーゼが挙げられる。
上記酵素をコードする遺伝子は、例えば、それらの由来生物から調製したゲノムDNAあるいはcDNAを鋳型とし、その構造遺伝子の配列情報に基づいて作製したプライマー対を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅して取得し得る。
上記酵素は、例えば、酵母から分泌するか、または酵母表層に提示するように発現させてもよい。
本発明において、酵素を酵母の細胞表層に提示させる方法は、当業者に公知のものが採用され得、例えば、細胞表層局在タンパク質のGPIアンカー(特開平11−290078号公報)、または糖鎖結合ドメイン(国際公開第02/085935号)を利用することができる。これらの方法に用いられる細胞表層局在タンパク質としては、例えば、α−またはa−アグルチニン(酵母の凝集性タンパク質)、FLOタンパク質(例えば、FLO1、FLO2、FLO4、FLO5、FLO9、FLO10およびFLO11)、およびアルカリホスファターゼが挙げられる。
GPIアンカーを用いて酵素を細胞表層に提示する方法としては、例えば、分泌シグナル配列をコードするDNA−目的遺伝子−GPIアンカー付着認識シグナルをコードするDNAからなる組換えDNAを用いる方法が挙げられる。この組換えDNAから発現され、細胞膜外に分泌されたグルコアミラーゼはGPIアンカー付着認識シグナルを介して細胞膜のGPIアンカーと結合し得る。GPIアンカー付着認識シグナル配列としては、例えば、酵母のα−アグルチニンのC末端から数えて320アミノ酸の配列中に存在するGPIアンカー付着認識シグナル配列が利用され得る。
糖鎖結合ドメインを用いて酵素を細胞表層に提示する方法としては、例えば、酵素を細胞表層局在タンパク質(凝集機能ドメイン)のN末端側、C末端側、またはN末端側とC末端側との両方に結合させた組換えDNAを用いる方法が挙げられる。この組換えDNAから発現され、細胞膜外に分泌された酵素は糖鎖結合ドメインが有する複数の糖鎖が細胞壁中の糖鎖と相互作用を行うことによって、細胞表層に留まり得る。凝集機能ドメインとしては、例えば、レクチン、レクチン様タンパク質などの糖鎖結合部位が挙げられ、代表的には、GPIアンカータンパク質の凝集機能ドメインが挙げられる。
組換えDNAに用いられる分泌シグナル配列は、特に限定されず、酵素の分泌シグナルであってもよいし、細胞表層局在タンパク質の分泌シグナル配列であってもよいし、酵素を細胞外へ導くことができる他の分泌シグナル配列であってもよい。酵素活性に影響を及ぼさなければ、細胞表層提示後に分泌シグナル配列およびプロ配列の一部または全部がN末端に残っていてもよい。
本発明において、酵素を酵母から分泌させる方法は、例えば、上記分泌シグナル配列をコードするDNAの下流に、目的の酵素をコードする遺伝子を連結させた組換えDNAを酵母に導入することによって行われ得る。
上記組換えDNAの合成および結合は、例えば、当業者が通常用いる方法により行うことができる。
上記組換えDNAは、発現ベクターに組み込まれてもよい。このような発現ベクターは、例えば、プラスミドの形態である。例えば、酵母の2μmプラスミドの複製起点(Ori)とColE1の複製起点とを有するプラスミドが好適に用いられる。プラスミドは、プラスミドの調製および形質転換体の検出を容易にする点で、選択マーカーと大腸菌用の複製遺伝子とを有することが好ましい。選択マーカーとしては、例えば、薬剤耐性遺伝子、および栄養要求性遺伝子が挙げられる。薬剤耐性遺伝子としては、例えば、アンピシリン耐性遺伝子(Ampr)、およびカナマイシン耐性遺伝子(Kanr)が挙げられるが、特に限定されない。栄養要求性遺伝子としては、例えば、N−(5'−ホスホリボシル)アントラニル酸イソメラーゼ(TRP1)遺伝子、トリプトファンシンターゼ(TRP5)遺伝子、リンゴ酸β−イソプロピル脱水素酵素(LEU2)遺伝子、イミダゾールグリセロールリン酸脱水素酵素(HIS3)遺伝子、ヒスチジノール脱水素酵素(HIS4)遺伝子、ジヒドロオロト酸脱水素酵素(URA1)遺伝子、およびオロチジン−5−リン酸デカルボキシラーゼ(URA3)遺伝子が挙げられるが、特に限定されない。酵母用の複製遺伝子は必要に応じて選択される。
発現ベクターは、目的の酵素をコードする遺伝子を酵母で発現させるために適切なプロモーターおよびターミネーターを有することが好ましい。プロモーターおよびターミネーターとしては、例えば、GAPDH(グリセルアルデヒド3’−リン酸脱水素酵素)、PGK(ホスホグリセリン酸キナーゼ)、PYK(ピルビン酸キナーゼ)、TPI(トリオースリン酸イソメラーゼ)のプロモーターおよびターミネーターが挙げられるが、特に限定されない。これらのプロモーターとターミネーターとの間に目的の酵素をコードする遺伝子が挿入される。
酵母に組換えDNAを導入する方法は特に限定されない。例えば、酢酸リチウム法、エレクトロポレーション法、およびプロトプラスト法が挙げられる。導入された組換えDNAは、例えば、プラスミドの形態で存在してもよく、または酵母の染色体に挿入された形態あるいは酵母の染色体に相同組換えにより組み込まれた形態で存在してもよい。
組換えDNAが導入された酵母は、選択マーカーで選択され、発現された酵素の活性を測定することにより選択される。目的の酵素が細胞表層に提示されていることは、例えば、当該酵素に対する抗体を用いて確認することができる。
最初の発酵開始時の酵母の菌体濃度は、特に限定されない。好ましくは、2g〜20g湿重量/L(1×10個/mL〜1×10個/mL)程度である。酵母の培養条件は、特に限定されない。通常、グルコースを基質としてエタノール発酵する際の条件であってよい。培養温度は、例えば、30℃〜37℃である。培養pHは、例えば、4〜8である。
本発明の方法では、短時間で発酵を終了させることができるため、培養時間は、通常、2日間〜3日間である。発酵の終了は、例えば、炭酸ガスの発生量が発酵開始時の10分の1以下になったことなどを目安に判断する。
(4)工程(3)で得られた発酵物の固液分離(工程(4))
発酵終了後の発酵物は、酵母および発酵産物のエタノールのほか、原料に由来するリグニンおよび灰分などの固体も含む。すなわち、固体を含むスラリー状もまた包含される。発酵終了後の発酵物中の酵母の菌体濃度としては、特に限定されないが、例えば、最初の醗酵開始時の菌体濃度が1×10個/mL〜5×10個/mL程度の場合、1×10個/mL〜5×10個/mL、好ましくは、5×10個/mL〜5×10個/mL、より好ましくは、1×10個/mL〜5×10個/mLである。固液分離工程の組み合わせを用いて、この発酵物から酵母を効率よく回収して再利用する。固液分離工程の組み合わせとしては、特に限定されないが、好ましくは(a)発酵物の5質量%〜30質量%の固体部を除去する工程(工程(4)(a))、および(b)当該工程(4)(a)で得られた残部の5質量%〜30質量%の固体部を回収する工程(工程(4)(b))の組み合わせである。
(a)発酵物の5質量%〜30質量%の固体部を除去する工程(工程(4)(a))
この工程では、酵母を液体部に回収する。このため、工程(3)で得られた発酵物の5質量%〜30質量%、好ましくは5質量%〜20質量%の固体部を除去する。固体部を除去するための手段としては、特に限定されないが、好ましくは100G〜1000Gの遠心分離、ハイドラシーブ、およびデカンターが挙げられる。この工程で、固体部としてリグリンおよび灰分の大半が除去される。
(b)工程(4)(a)で得られた残部の5質量%〜30質量%の固体部を回収する工程(工程(4)(b))
この工程では、酵母を固体部に回収する。工程(4)(a)で得られた残部の5質量%〜30質量%、好ましくは20質量%〜30質量%の固体部を回収する。固体部を回収するための手段としては、特に限定されないが、好ましくは1200G〜5000Gの遠心分離、フィルタープレス、およびオリバーフィルターが挙げられる。この工程で、液体部として発酵産物のエタノールの大半が回収される。
工程(4)の酵母回収率は、特に限定されないが、好ましくは50%以上である。リグニンおよび灰分などの残渣帯同率は、特に限定されないが、好ましくは10%以下である。
本発明の方法では、上記工程(1)〜(4)からなるサイクルを2回以上、好ましくは6回以上繰り返す。そして、上記工程(4)で得られた酵母を、次のサイクルの工程(3)の酵母の全部または一部として利用する。次のサイクルの工程(3)で用いる酵母のうち、工程(4)で得られた酵母の割合は、50質量%〜100質量%、好ましくは80質量%〜100質量%である。
本発明の方法では、発酵に用いる酵母の新たな供給を少量に抑えることができるため、コストを低減することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1:稲ワラを用いたエタノール発酵1)
(工程1:稲ワラの水熱処理)
稲ワラを約20質量%(乾燥質量)の含量となるように水と混合し、これを水熱処理装置(三菱重工業株式会社製)に入れ、約180℃および約3MPaにて5分間〜20分間処理した。次いで、固形分を分離し、分離した固形分を発酵基質として用いた。
(工程2:酵素処理)
工程1で得られた稲ワラ水熱処理固形分を含む酵素処理液約48mLを調製した。その組成を表1に示す。
Figure 2013146540
この酵素処理液を50mL容量のプラスチック製試験管(コーニング社製)に入れ、サーモブロックローテーター(株式会社日伸理化製SN−06BN)を用いて、50℃にて35rpmの回転速度で酵素処理を行った。
(工程3:エタノール発酵1サイクル目)
発酵には、酵母サッカロマイセス・セレビシエTJ14株(Moukamnerdら、Appl.Microbiol.Biotechnol.、2010年、第88巻、p.87−94)を用いた。
上記酵母について、5mLのYPD液体培地(酵母エキス10g/L,ポリペプトン20g/L,グルコース20g/L)を含む試験官で種培養を一晩行い、次いで培養液を500mLのYPD液体培地を含むフラスコに移し、本培養を2日間行った。この培養液を遠心分離し(3000rpm,4℃,10分間)、酵母菌体を滅菌蒸留水により2度洗浄後、100g湿重量/Lの菌体濃度になるように滅菌蒸留水に懸濁した。
工程2の酵素処理開始から2時間経過後、酵素処理液48mLを80mL容量のねじ口瓶(デュラン社製)に移した。さらに、上記酵母懸濁液2mLを添加して、菌体濃度を4g湿重量/Lとした。酵母添加後、37℃にて発酵を開始した。
発酵液中に生産されたエタノール濃度を、HPLC(High performance liquid chromatographyシステム;株式会社日立ハイテクフィールディング、LaChrom Elite)により経時的に定量した。HPLCの分離用カラムにはULTRON PS−80H(信和化工株式会社,300mm(L)×8mm(ID))を用い、移動相には超純水(日本ミリポア株式会社製Milli−Qによる精製水)を用い、そして検出器には屈折率検出器を用いた。HPLCの条件は、送液量0.9mL/分およびカラム温度50℃とした。また、発酵液中の酵母の菌体濃度を、YPD寒天培地(YPD液体培地に寒天を20g/L加えたもの)に塗布して30℃にて2日間培養し、コロニー数を計測することによって経時的に定量した。
(工程4:エタノール発酵2サイクル目)
発酵開始から48時間後、発酵液を回収し、遠心分離機を用いて低回転数(100G)にて遠心分離した。20質量%の沈殿(固体部;リグニンおよび灰分を多量に含む)と80質量%の上澄み(液体部)とに分離された。次いで、上澄みを回収し、遠心分離機を用いて高回転数(1200G)にて遠心分離した。80質量%の上澄み(液体部;エタノールを含む)と20質量%の沈殿(固体部;酵母を多量に含む)とに分離された。発酵液の物質収支を表2に示す。
Figure 2013146540
次いで、沈殿を回収し、上記工程2と同様にして得られた酵素処理液48mLに添加した。酵母の菌体濃度は1.5g湿重量/L(7.6×10個/mL:エタノール発酵2サイクル目開始時)であった。酵母添加後、37℃にて上記工程3と同様にして発酵を開始した。工程3と同様にして、発酵液中のエタノール濃度および酵母の菌体濃度を経時的に定量した。エタノール発酵2サイクル目終了時における酵母の菌体濃度は6.4g湿重量/L(3.2×10個/mL)であり、発酵開始時から増加していた。
(工程5:エタノール発酵3〜6サイクル目)
上記工程4を同様にさらに4回繰り返した。発酵液中に生産されたエタノール濃度および酵母の菌体濃度を経時的に定量した結果を図1に示す。
図1から明らかなように、酵母を再利用して4〜6回発酵を繰り返しても問題なくエタノール発酵を継続することができた。別途調製した酵母を追加投入する必要はなかった。各発酵サイクル終了後の酵母を含む固体部を、次のサイクルの発酵液に対し10質量%〜20質量%の割合で投入することによって、発酵液中の酵母の菌体濃度を一定(各発酵サイクル開始時に10個/mL〜10個/mL程度および終了時に10個/mL以上)に維持しながら長期間エタノール発酵することができるとわかった。
(実施例2:稲ワラを用いたエタノール発酵2)
実施例1の工程4において、遠心分離機を用いて低回転数(100G)にて遠心分離したことに代えてハイドラシーブ(東洋スクリーン工業株式会社製;0.1mmスクリーン)を用いてろ過分離したこと以外は実施例1と同様に実験を行った。回収されたろ液(液体部)は85質量%であった。
(実施例3:稲ワラを用いたエタノール発酵3)
実施例1の工程4において、遠心分離機を用いて低回転数(100G)にて遠心分離したことに代えてマイクロセパレータ(TSK−80バスケット型遠心分離機;Σ:31m,ボウル容量:7L、ソリッドスペース:4.8L)を用いて通液量50L/Hにて遠心分離したこと、および遠心分離機を用いて高回転数(1200G)にて遠心分離したことに代えてディスク型遠心分離機(アルファ・ラバル社製LAPX404;Σ:5230m,ボウル容量:2.2L,ソリッドスペース:1.1L)を用いて通液量100L/Hにて遠心分離したこと以外は実施例1と同様に実験を行った。最初の遠心分離で回収された上澄み(液体部)は83質量%であった。2回目の遠心分離で回収された沈殿(固体部)は25質量%であった。各画分中の酵母の菌体濃度を表3に示す。
Figure 2013146540
表3から明らかなように、マイクロセパレータから回収された上澄み(液体部)中の酵母の菌体濃度は6.4×10個/mLであり、ディスク型遠心分離機から回収された上澄み(液体部)中に酵母はほとんど存在せず、沈殿(固体部)中に多量の酵母(5.7×10個/mL)が存在していた。この固体部中の酵母の菌体濃度は、図1から明らかなように、固体部を次のサイクルの発酵液に対し10質量%〜20質量%の割合で投入した場合でもエタノール発酵が可能な菌体濃度である。したがって、上記実施例の固液分離方法で分離された酵母を再利用することによって、長期間エタノール発酵することができるとわかった。
(実施例4:稲ワラを用いたエタノール発酵4)
実施例1の工程2において、5.0mLの10×YPに代えて、コーンスティープリカー(CSL)を酵素処理液の全体液量(mL)に対して0.0625質量%になるように添加して酵素処理液を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてエタノール発酵を行った。
(実施例5:稲ワラを用いたエタノール発酵5)
コーンスティープリカーを酵素処理液の全体液量(mL)に対して0.125質量%になるように添加して酵素処理液を調製したこと以外は、実施例4と同様にしてエタノール発酵を行った。発酵液中に生産されたエタノール濃度を経時的に定量した結果を図2に示す。
(実施例6:稲ワラを用いたエタノール発酵6)
コーンスティープリカーを酵素処理液の全体液量(mL)に対して0.25質量%になるように添加して酵素処理液を調製したこと以外は、実施例4と同様にしてエタノール発酵を行った。発酵液中に生産されたエタノール濃度を経時的に定量した結果を図2に示す。
(実施例7:稲ワラを用いたエタノール発酵7)
コーンスティープリカーを酵素処理液の全体液量(mL)に対して0.5質量%になるように添加して酵素処理液を調製したこと以外は、実施例4と同様にしてエタノール発酵を行った。発酵液中に生産されたエタノール濃度を経時的に定量した結果を図2に示す。
図2から明らかなように、コーンスティープリカーを酵素処理液の全体液量(mL)に対してそれぞれ0.125質量%(実施例5)、0.25質量%(実施例6)および0.5質量%(実施例7)になるように添加した場合、発酵サイクルを繰り返しても安定してエタノール発酵をすることができた。コーンスティープリカーを酵素処理液の全体液量(mL)に対して0.0625質量%(実施例4)になるように添加した場合、3回目および4回目の発酵サイクル終了後のエタノール濃度において減少がみられたものの、1回目および2回目の発酵サイクル終了後のエタノール濃度において減少はみられなかった。このことから、YPのように高価な栄養源に代えて、コーンスティープリカーのように安価な栄養源を用いても、充分にエタノール発酵が行われたことがわかる。
(実施例8:バガスを用いたエタノール発酵1)
実施例1の工程1において、原料として稲ワラに代えてバガスを用い、かつ工程2において、酵素処理液中の5.0mLの10×YPに代えて、コーンスティープリカーを酵素処理液の全体液量(mL)に対して0.25質量%になるように添加して酵素処理液を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてエタノール発酵を行った。発酵液中に生産されたエタノール濃度を経時的に定量した結果を図3に示す。
(実施例9:バガスを用いたエタノール発酵2)
コーンスティープリカーを酵素処理液の全体液量(mL)に対して0.5質量%になるように添加して酵素処理液を調製したこと以外は、実施例8と同様にしてエタノール発酵を行った。発酵液中に生産されたエタノール濃度を経時的に定量した結果を図3に示す。
(実施例10:バガスを用いたエタノール発酵3)
コーンスティープリカーを酵素処理液の全体液量(mL)に対して1質量%になるように添加して酵素処理液を調製したこと以外は、実施例8と同様にしてエタノール発酵を行った。発酵液中に生産されたエタノール濃度を経時的に定量した結果を図3に示す。
図3から明らかなように、バガスを原料として用いた場合においても、実施例4〜7と同様、コーンスティープリカーの添加により、発酵サイクルを繰り返しても安定してエタノール発酵が行われた。したがって、リグノセルロース系バイオマスの種類を問わず、安価なコーンスティープリカーを用いることによって、エタノール生産のコストを抑えることができたことがわかる。なお、稲ワラとバガスとは構成成分が異なるため、実施例4の結果と比較して、同量のコーンスティープリカーを用いてもエタノールの生産量に差異が生じたと考えられる。
(実施例11〜14:ネピアグラスを用いたエタノール発酵)
(工程1:ネピアグラスの圧搾および蒸煮)
ネピアグラスを一軸エクストルーダーによって79.7N・mの条件で圧搾して不要な液体分をあらかじめ取り除き、残渣に対して1質量%の硫酸を含浸させ、1.0Mpaの圧力下、180℃にて30分間蒸煮した。次いで、固形分を分離し、分離した固形分を発酵基質として用いた。
(工程2:酵素処理)
酵素処理液中の栄養源として、1×YP、コーンスティープリカー1.0質量%または0.1質量%(酵素処理液の全体液量に対する濃度)あるいは水を使用して、工程1で得られたネピアグラスの圧搾および蒸煮固形分を含む4種の酵素処理液約48mLをそれぞれ調製した(実施例11〜14)。その組成を表4に示す。
Figure 2013146540
これらの4種類の酵素処理液をそれぞれ50mL容量のプラスチック製試験管(コーニング社製)に入れ、サーモブロックローテーター(株式会社日伸理化製SN−06BN)を用いて、50℃にて35rpmの回転速度で酵素処理を行った。その後、実施例1の工程3〜工程5と同様にしてエタノール発酵を行った。発酵液中に生産されたエタノール濃度を経時的に定量した結果を図4に示す。
図4から明らかなように、酵素処理液中の栄養源として、1×YP(実施例11)、コーンスティープリカー1.0質量%(実施例12)ならびに0.1質量%(実施例13)および水(実施例14)のいずれを用いた場合であっても、同程度のエタノールが生産されていることがわかった。このことから、ネピアグラスを圧搾および蒸煮して得られた固形分を用いた場合、アルコール発酵の発酵サイクル毎に栄養源を添加しなくても、安定してエタノール発酵が行われたことがわかる。
(調製例1:FaeA表層提示酵母の作製)
遺伝子発現に必要なプロモーターとターミネーター、および酵母表層提示に必要なα-アグルチニン遺伝子を含むプラスミドとしてpGK406AG(特開2011−142879号公報)を用いた。FaeAをクローニングするために、タラモマイセス・フニクロサス(Talaromyces funiculosus)培養菌体からゲノムDNAを抽出した。このゲノムDNAを鋳型として、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)由来グルコアミラーゼ遺伝子の分泌シグナル配列を含むプライマーSalI−ssFaeA−Fw(配列番号1)と、プライマーSalI−FaeA−Rv(配列番号2)とを用いてPCRを行った。これにより得られた遺伝子断片をSalIで消化し、pGK406AGのSalIサイトに挿入することでプラスミドpGK406−ssFaeA−AGを構築した。
酵母に導入するベクターとして、pAUR101(タカラバイオ株式会社製)を用いた。pAUR101のSphIサイトに上記で構築したpGK406−ssFaeA−AGのpGKプロモーター、分泌シグナル配列、FaeA及びα−アグルチニンのカセットを挿入するために、pGK406−ssFaeA−AGを鋳型にしてプライマーpAuR101−SphI−Fw(配列番号3)とプライマーpAuR101−SphI−Rv(配列番号4)とを用いてPCRを行った。この遺伝子断片をSphIで切断したpAUR101にIn−Fusion HD Cloning Kit(タカラバイオ株式会社製)を用いて挿入し、FaeA酵母表層提示用プラスミドpAUR101−pGK−ssFaeA−AGを構築した。このpAUR101−pGK−ssFaeA−AGをStuIで切断後、YEAST MAKER酵母形質転換システム(Clontech Laboratories、Palo Alto、California、USA)を用い、酵母(サッカロマイセス・セレビシエTJ14株)に形質転換し、オーレオバシジンA(Aureobasidin A)耐性株を取得し、FaeA表層提示酵母を得た。得られたFaeA表層提示酵母を以下の実施例15および16に用いた。
(実施例15:FaeA表層提示酵母を用いたエタノール発酵1)
(工程1:バガスの水熱処理)
バガスを約20質量%(乾燥質量)の含量となるように水と混合し、これを水熱処理装置(三菱重工業株式会社製)に入れ、約180℃および約3MPaにて5分間〜20分間処理した。次いで、固形分を分離し、分離した固形分を発酵基質として用いた。
(工程2:酵素処理)
工程1で得られたバガス水熱処理固形分を含む酵素処理液約48mLを調製した。その組成を表5に示す。
Figure 2013146540
この酵素処理液を50mL容量のプラスチック製試験管(コーニング社製)に入れ、サーモブロックローテーター(株式会社日伸理化製SN−06BN)を用いて、50℃にて35rpmの回転速度で酵素処理を行った。
(工程3:エタノール発酵1サイクル目)
発酵には、調製例1で得られたFaeA表層提示酵母を用いた。なお、コントロールとして、酵母サッカロマイセス・セレビシエTJ14株を用いてエタノール発酵を行った。
上記酵母について、5mLのYPD液体培地(酵母エキス10g/L、ポリペプトン20g/Lおよびグルコース20g/Lを含有する液体培地)を含む試験管で種培養を一晩行い、次いで培養液を500mLのYPD液体培地を含むフラスコに移し、本培養を2日間行った。この培養液を遠心分離し(3000rpm、4℃、10分間)、沈殿した酵母菌体を滅菌蒸留水により2度洗浄した。
工程2の酵素処理開始から2時間経過後、酵素処理液48mLを80mL容量のねじ口瓶(デュラン社製)に移した。さらに、上記酵母を20g湿重量/Lとなるように添加して、37℃にて発酵を開始した。
発酵液中に生産されたエタノール濃度を、HPLC(株式会社日立ハイテクフィールディング、LaChrom Elite)により経時的に定量した。HPLCの分離用カラムにはULTRON PS−80H(信和化工株式会社,300mm(L)×8mm(ID))を用い、移動相には超純水(日本ミリポア株式会社製Milli−Qによる精製水)を用い、そして検出器には屈折率検出器を用いた。HPLCの条件は、送液量0.9mL/分およびカラム温度50℃とした。また、発酵液中の酵母の菌体濃度を、YPD寒天培地(YPD液体培地に寒天を20g/L加えたもの)に塗布して30℃にて2日間培養し、コロニー数を計測することによって経時的に定量した。
(工程4:エタノール発酵2サイクル目)
発酵開始から48時間後、発酵液を回収し、遠心分離機を用いて低回転数(100G)にて遠心分離した。20質量%の沈殿(固体部;リグニンおよび灰分を多量に含む)と80質量%の上澄み(液体部)とに分離された。次いで、上澄みを回収し、遠心分離機を用いて高回転数(1200G)にて遠心分離した。80質量%の上澄み(液体部;エタノールを含む)と20質量%の沈殿(固体部;酵母を多量に含む)とに分離した。
次いで、沈殿を回収し、上記工程2と同様にして得られた酵素処理液48mLに添加した。酵母添加後、37℃にて上記工程3と同様にして発酵を開始した。工程3と同様にして、発酵液中のエタノール濃度および酵母の菌体濃度を経時的に定量した。
(工程5:エタノール発酵3サイクル〜4サイクル目)
上記工程4を同様にさらに2回繰り返した。発酵液中に生産されたエタノール濃度およびの酵母の菌体濃度を経時的に定量した結果を図5に示す。
(実施例16:FaeA表層提示酵母を用いたエタノール発酵2)
バガスの水熱処理固形分を150g/L(乾燥重量基準)になるように添加して酵素処理液を調製(表5)したこと以外は、実施例15と同様にして、FaeA表層提示酵母およびコントロール(酵母サッカロマイセス・セレビシエTJ14株)を用いてエタノール発酵を行った。発酵液中に生産されたエタノール濃度および酵母の菌体濃度を経時的に定量した結果を図6に示す。
図5および6の結果から明らかなように、FaeA表層提示酵母を用いた場合、バガス水熱処理物を乾燥重量基準で200g/L(実施例15)および150g/L(実施例16)用いた場合のいずれにおいても、野生酵母TJ14株と比較して、より多くのエタノールが安定して生産されていたことがわかる。また、フェルラ酸エステラーゼを表層提示した酵母は、バガス水熱処理物のセルラーゼによる糖化を促進し、野生酵母TJ14株よりも高いエタノール生産量を示していたことがわかる。さらに、発酵液中の酵母の菌体濃度を一定(各発酵サイクル開始時に10個/mL〜10個/mL程度および終了時に10個/mL以上)に維持しながら長期間エタノール発酵することができたことがわかる。
本発明の方法によれば、リグノセルロース系バイオマスのエタノール発酵物から比重の大きい残渣を除去した後の、酵母を含む一定量の残渣を次のサイクルの発酵に用いることによって、酵母の菌体濃度を10個/mL〜10個/mL程度から10個/mL以上までの一定範囲に維持しながら、新たに酵母を供給することなく長期にわたって発酵を繰り返すことが可能になる。酵母は絶えず増殖を繰り返すため、鮮度が低下するという問題も生じない。新たに酵母を調製するためのコストを削減することができるため、低コストでエタノールを生産することができる。また、比重の大きい残渣による発酵阻害も抑制することができる。

Claims (7)

  1. リグノセルロース系バイオマスからのエタノールの生産方法であって、
    (1)リグノセルロース系バイオマスを前処理する工程、
    (2)工程(1)で得られたセルロース画分をセルロース加水分解酵素で処理する工程、
    (3)工程(2)で得られた糖化バイオマスと酵母とを混合してエタノール発酵する工程、および
    (4)工程(3)で得られた発酵物を固液分離する工程
    を含み、
    工程(1)、(2)、(3)および(4)からなるサイクルを2回以上繰り返し、そして
    工程(4)で得られた酵母を、次のサイクルの工程(3)の酵母の全部または一部として用いる、方法。
  2. 前記工程(4)が、
    (a)前記発酵物の5質量%から30質量%の固体部を除去する工程、および
    (b)工程(a)で得られた残部の5質量%から30質量%の固体部を回収する工程
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記発酵物中の酵母の菌体濃度が、10個/mL以上である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記酵母が、フェルラ酸エステラーゼ、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、およびペクチナーゼからなる群より選択される1または2種の酵素を発現するように形質転換された酵母である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記酵素が、表層提示されている、請求項4に記載の方法。
  6. リグノセルロース系バイオマスからのエタノールの生産のための、酵母を含有する組成物であって、
    該酵母が、フェルラ酸エステラーゼ、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、およびペクチナーゼからなる群より選択される1または2種の酵素を発現するように形質転換されている、組成物。
  7. 前記酵素が、表層提示されている、請求項6に記載の組成物。
JP2014507798A 2012-03-26 2013-03-21 エタノールの生産方法 Active JP6174569B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012069285 2012-03-26
JP2012069285 2012-03-26
PCT/JP2013/058106 WO2013146540A1 (ja) 2012-03-26 2013-03-21 エタノールの生産方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2013146540A1 true JPWO2013146540A1 (ja) 2015-12-14
JP6174569B2 JP6174569B2 (ja) 2017-08-02

Family

ID=49259796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014507798A Active JP6174569B2 (ja) 2012-03-26 2013-03-21 エタノールの生産方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9580729B2 (ja)
JP (1) JP6174569B2 (ja)
IN (1) IN2014DN07894A (ja)
MY (1) MY167584A (ja)
WO (1) WO2013146540A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106604998B (zh) 2014-10-16 2021-03-30 玛拉可再生能源公司 重复补料分批培养方法
JPWO2018207889A1 (ja) * 2017-05-11 2020-05-14 関西化学機械製作株式会社 α−ガラクトシダーゼ表層提示微生物およびその使用
EP3530743A1 (en) 2018-02-21 2019-08-28 Cambridge Glycoscience Ltd Method of production
JP7374991B2 (ja) 2018-08-15 2023-11-07 ケンブリッジ グリコサイエンス エルティーディー 新規組成物、それらの使用、およびそれらの形成方法
CN114727642A (zh) 2019-08-16 2022-07-08 剑桥糖质科学有限公司 处理生物质以生产寡糖的方法和相关组合物
US11198881B2 (en) * 2019-11-29 2021-12-14 Lallemand Hungary Liquidity Management Llc Yeast expressing heterologous glucoamylase
JP2023506464A (ja) 2019-12-12 2023-02-16 ケンブリッジ グリコサイエンス エルティーディー 低糖の多相食料品

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5739786A (en) * 1980-06-27 1982-03-05 Ag Patents Ltd Fermenting method and apparatus
JP2004520058A (ja) * 2001-02-26 2004-07-08 バイオヴェロップ インターナショナル ベー.ヴェー. 穀物のふすまの分画方法
JP2007523646A (ja) * 2004-02-06 2007-08-23 ノボザイムス,インコーポレイティド セルロース分解増強活性を有するポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチド
JP2010017084A (ja) * 2008-07-08 2010-01-28 Oji Paper Co Ltd 糖化発酵システム
WO2010032762A1 (ja) * 2008-09-17 2010-03-25 関西化学機械製作株式会社 セルロース加水分解力強化酵母の作製および使用
JP2010536389A (ja) * 2007-08-27 2010-12-02 アイオジェン エナジー コーポレイション 前処理されたリグノセルロース原料から発酵産物を製造する方法
JP2011041493A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Oji Paper Co Ltd 木質系バイオマスからのエタノール製造方法
JP2011092041A (ja) * 2009-10-28 2011-05-12 Kansai Chemical Engineering Co Ltd エタノール生産微生物の連続培養発酵装置
JP2011152079A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Oji Paper Co Ltd セルロース系バイオマスの糖化発酵システム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5424202A (en) * 1988-08-31 1995-06-13 The University Of Florida Ethanol production by recombinant hosts
JPH11290078A (ja) 1998-04-09 1999-10-26 Kansai Kagaku Kikai Seisaku Kk 細胞表層にリパーゼを有する酵母並びにその利用
US7709033B2 (en) 2001-02-26 2010-05-04 Biovelop International B.V. Process for the fractionation of cereal brans
ATE416192T1 (de) 2001-04-19 2008-12-15 Kansai Chem Eng Protein, das sich an die zelloberflächenschichten bindet, und dessen verwendung
CN102066409A (zh) * 2008-04-17 2011-05-18 诺维信公司 具有阿魏酸酯酶活性的多肽和编码该多肽的多核苷酸
JP2011142879A (ja) 2010-01-15 2011-07-28 Bio−energy株式会社 セルロースの糖化力が増強された酵母

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5739786A (en) * 1980-06-27 1982-03-05 Ag Patents Ltd Fermenting method and apparatus
JP2004520058A (ja) * 2001-02-26 2004-07-08 バイオヴェロップ インターナショナル ベー.ヴェー. 穀物のふすまの分画方法
JP2007523646A (ja) * 2004-02-06 2007-08-23 ノボザイムス,インコーポレイティド セルロース分解増強活性を有するポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチド
JP2010536389A (ja) * 2007-08-27 2010-12-02 アイオジェン エナジー コーポレイション 前処理されたリグノセルロース原料から発酵産物を製造する方法
JP2010017084A (ja) * 2008-07-08 2010-01-28 Oji Paper Co Ltd 糖化発酵システム
WO2010032762A1 (ja) * 2008-09-17 2010-03-25 関西化学機械製作株式会社 セルロース加水分解力強化酵母の作製および使用
JP2011041493A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Oji Paper Co Ltd 木質系バイオマスからのエタノール製造方法
JP2011092041A (ja) * 2009-10-28 2011-05-12 Kansai Chemical Engineering Co Ltd エタノール生産微生物の連続培養発酵装置
JP2011152079A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Oji Paper Co Ltd セルロース系バイオマスの糖化発酵システム

Also Published As

Publication number Publication date
IN2014DN07894A (ja) 2015-04-24
US9580729B2 (en) 2017-02-28
US20150037858A1 (en) 2015-02-05
MY167584A (en) 2018-09-20
WO2013146540A1 (ja) 2013-10-03
JP6174569B2 (ja) 2017-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6174569B2 (ja) エタノールの生産方法
RU2508403C2 (ru) Способ получения спирта в контексте биорафинирования
US11155848B2 (en) Method of producing sugar liquid
JPWO2012118171A1 (ja) 糖液の製造方法
JP5752049B2 (ja) エタノールの製造方法
WO2015033948A1 (ja) エタノールの製造方法
JP2011152079A (ja) セルロース系バイオマスの糖化発酵システム
Siamphan et al. Production of D-galacturonic acid from pomelo peel using the crude enzyme from recombinant Trichoderma reesei expressing a heterologous exopolygalacturonase gene
JP5616226B2 (ja) セルロース加水分解力強化酵母の作製および使用
Agrawal et al. Designing microbial cellulases using genetic engineering approach: A promising strategy towards zero-waste cellulosic biorefinery
JP2011010597A (ja) 糖及び糖の製造方法、並びにエタノールの製造方法及び乳酸の製造方法
JP7289480B2 (ja) セルラーゼ剤の製造方法ならびに当該セルラーゼ剤を用いた糖化発酵産物の製造方法
WO2017037745A1 (en) An integrated process for production of carbohydratases, ethanol, and xylitol using an isolated candida strain
JP2012139211A (ja) エタノールの生産方法
JP2021036840A (ja) エタノールの製造方法
JP2015167480A (ja) リグノセルロース含有バイオマスの酵素糖化処理方法
CA2987494C (en) Process for the hydrolysis of biomass
WO2022028929A1 (fr) Procédé de production d'alcool par hydrolyse enzymatique et fermentation de biomasse lignocellulosique
EP4320259A1 (en) Process for the preparation of a sugar product and a fermentation product
WO2019219804A1 (en) Process for producing a polypeptide
WO2019185681A1 (en) Enzyme composition
JP2018174770A (ja) 前処理済みの植物性バイオマスから発酵処理物を製造するための方法
CA3026325A1 (en) Seed train for large scale enzyme production

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160113

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6174569

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250