本実施形態の電力管理システムは、図1に示すように、電源(本実施形態では、商用交流電源)70から所定場所(本実施形態では、需要家1)に配電線60を通じて供給される電力量を計測する電力メータ20から電力量を含む検針データを収集する。なお、電源70は、商用交流電源に限定されない。また、所定場所は、需要家1に限定されない。
本実施形態の電力管理システムは、子機(通信機器)10と、上位装置40と、通信端末(保守端末)50と、を備える。
子機10は、電力メータ20から電力量を含む検針データを取得するように構成される。具体的には、子機10は、図3に示すように、第1のインターフェイス部11と、第2のインターフェイス部12と、第3のインターフェイス部13と、メータインターフェイス部(図示せず)と、制御部100と、を有する。
第1のインターフェイス部11は、上位装置40との通信に用いられる。つまり、第1のインターフェイス部11は、上位装置40と通信を行うように構成される。本実施形態では、第1のインターフェイス部11は、配電線60を介して上位装置40に接続される。第1のインターフェイス部11は、配電線60を通じて上位装置40と電力線搬送通信を行うように構成される。第1のインターフェイス部11は、たとえば、上位装置40と通信を行うために必要なハードウェアおよびソフトウェアで実現される。
第2のインターフェイス部12は、所定場所(需要家1)に設置される電気機器31との通信に用いられる。つまり、第2のインターフェイス部12は、電気機器31と通信を行うように構成される。第2のインターフェイス部12は、たとえば、電気機器31と通信を行うために必要なハードウェアおよびソフトウェアで実現される。
なお、電気機器31は、必ずしも、所定場所に固定的に設置されている必要はない。電気機器31は、持ち運び可能に所定場所に設置されてもよく、要は所定場所で使用できればよい。
第3のインターフェイス部13は、通信端末50との通信に用いられる。つまり、第3のインターフェイス部13は、通信端末50と通信を行うように構成される。本実施形態では、第3のインターフェイス部13は、電波を利用する無線通信を通信端末50と行うように構成される。第3のインターフェイス部13は、たとえば、通信端末50と通信を行うために必要なハードウェアおよびソフトウェアで実現される。
メータインターフェイス部は、電力メータ20との通信に用いられる。つまり、メータインターフェイス部は、電力メータ20と通信を行うように構成される。たとえば、メータインターフェイス部は、赤外線を伝送媒体として電力メータ20と近距離の通信を行うように構成される。メータインターフェイス部は、たとえば、電力メータ20と通信を行うために必要なハードウェアおよびソフトウェアで実現される。
制御部100は、電力メータ20から検針データを取得する機能を有する。特に、制御部100は、メータインターフェイス部により電力メータ20と通信して、電力メータ20から検針データを取得するように構成される。さらに、制御部100は、第1のインターフェイス部11を制御して検針データを上位装置40に送信する機能と、第3のインターフェイス部13を制御して検針データを通信端末50に送信する機能と、を有する。
本実施形態では、電気機器31は、配電線60に接続される。電力メータ20は、配電線60において電源70と電気機器31との間に介在されている。したがって、図1に示すように、配電線60は、電力メータ20と電源70との間の配電線(第1配電線)61と、電力メータ20と電気機器31との間の配電線(第2配電線)62と、を含む。
また、電力メータ20は、電源70からの電力を所定場所(需要家1)に適した電力に調整するトランス(降圧トランス)T1を介して電源70に接続される。したがって、配電線60(第1配電線61)は、電源70とトランスT1との間の配電線(第1線路)611と、トランスT1と電力メータ20との間の配電線(第2線路)612と、を含む。
上位装置40は、第1配電線61、特に、第1配電線61の第2線路612に接続されている。上位装置40は、配電線60(第2線路612)に接続される親機41と、親機41に接続される上位サーバ42と、を備える。
親機41は、子機10から検針データを取得する機能と、子機10から取得した検針データを上位サーバ42に送信する機能と、を有する。
上位サーバ42は、親機41から受信した検針データを記憶するように構成される。
通信端末50は、子機10から検針データを取得する機能と、電気機器31と通信する機能と、を有する。
以下、本実施形態の電力管理システムについてさらに詳細に説明する。以下に説明する電力管理システムは、図1に示すように、需要家1で使用した電力量を計測する電力メータ20と、電力メータ20に付設された子機10とを備える。なお、「子機10が電力メータ20に付設される」とは、子機10が電力メータ20とともに単一の装置を構成するように設置されることを意味する。子機10は、電力メータ20と筐体を共用していることが好ましいが、電力メータ20とは別の筐体に設けられていてもよい。
以下では、需要家1が集合住宅の各住戸である場合について例示するが、この例に限らず、需要家1はたとえば戸建て住宅、事務所、工場などであってもよい。
電力メータ20は、上流側に降圧トランスT1の二次側の配電線(第2線路)612が接続され、下流側に需要家1に設けた分電盤30への配電線(第2配電線)62が接続される。
降圧トランスT1は、商用電力を受電する建物の規模に応じて設置場所が異なる。降圧トランスT1は、戸建て住宅に対しては、柱上、地上、地中などに配置され、集合住宅では、電気室や柱上などに配置される。分電盤30の下流側の配電線(第2配電線)62には、需要家1が利用する電気機器31が接続される。
子機10は、電力メータ20に近接して配置され、たとえば、赤外線を伝送媒体として近距離の通信を行い、電力メータ20が計測した電力量を含む検針データを取得する。子機10は、電力メータ20から取得した検針データを上位装置40に伝送する機能と、需要家1で利用される電気機器のうち通信機能を備える電気機器31と通信を行う機能と、後述する保守端末(通信端末)50との間で通信を行う機能とを有する。
つまり、子機10は、上位装置40との間の第1の通信路L1と、電気機器との間の第2の通信路L21,L22と、保守端末50との間の第3の通信路L3との3種類の通信路を通して他装置と通信を行う。子機10の構成および通信路L1,L21,L22,L3については後述する。
上位装置40は、降圧トランスT1に隣接して配置され第1の通信路L1を通して子機10と通信を行う親機41と、親機41との間に形成された伝送路L4を通して親機41と通信を行う上位サーバ42とを備える。
上位サーバ42は、管理範囲内の需要家1から検針データを取得するサーバコンピュータであって、電力会社、または電気料金の徴収や需要家1の電力量の集計を電力会社に代わって行うサービス代行会社などが運営する。
親機41は、1以上の需要家1に設けられた子機10から第1の通信路L1を通して需要家1ごとの検針データを収集する。また、親機41は、1以上の子機10から収集した検針データを一括して上位サーバ42に伝送する。すなわち、親機41は、第1の通信路L1を通して通信を直接またはマルチホップ通信などによって行うことが可能な管理下の子機10が取得した検針データをとりまとめ、上位サーバ42に複数の需要家1の検針データを一括または個別のデータを複数個に分けて送信する。
一方、子機10と通信を行う電気機器31は、表示器を備える第1の機器311と、他装置との通信により動作や設定の変更要求を受ける機能を有した第2の機器312との少なくとも一方を含む。第1の機器311および第2の機器312と子機10との間には、通信を中継する第3の機器313が設けられていてもよい。つまり、電気機器31は、第1の機器311、第2の機器312、第1の機器311と第3の機器313との組合せ、第2の機器312と第3の機器313との組合せと、すべての組合せとのいずれかの構成になる。
第3の機器313には、第1の機器311あるいは第2の機器312と子機10との間の通信の中継のみを行う中継器32と、分電盤30に付設され主幹回路や分岐回路の使用電力を計測する機能に中継の機能を付加した電力計測ユニット33とがある。
第1の機器311は、種々の情報を表示する表示器3111と、他装置との間で電波を伝送媒体とする双方向の無線通信を行う無線インターフェイス部3112とを備える。表示器3111は、子機10から取得した検針データ、分電盤30に付設された電力計測ユニット33から取得した電力量、第2の機器312の動作状態や設定内容などを表示する。
また、第1の機器311は、必要に応じて、表示器3111に表示される内容の選択や他装置に対する指示を行うために操作部を備えていることが好ましい。第1の機器311としては、専用の構成のほか、適宜のインターフェイス装置とともにテレビジョン受像機を流用したり、いわゆるタブレット端末やスマートフォンを流用したりすることが可能である。
第2の機器312は、機器として期待される機能を提供する機能部3121と、他装置との間で電波を伝送媒体に用いた双方向の無線通信を行う無線インターフェイス部3122とを備える。第2の機器312は、無線インターフェイス部3122を通して、他装置から動作や設定の変更要求を受けるだけではなく、動作状態を他装置に通知する機能も有している。
中継器32は、図示例において、電波を伝送媒体に用いて無線通信を行う無線インターフェイス部(以下、必要に応じて「インターフェイス部」を「I/F」と記載する)321と、配電線を伝送媒体に用いて電力線搬送通信を行うPLCI/F322とを備える。また、中継器32は、無線I/F321とPLCI/F322との間で、データを相互に変換する機能を有する。
電力計測ユニット33は、分電盤30において主幹回路および分岐回路の使用電力を計測し、計測結果を第1の機器311に表示させ、また、計測結果を第2の機器312の動作に反映させることが可能である。電力計測ユニット33は、子機10を通して上位装置40あるいは保守端末50に対して計測結果を伝送する機能を有していてもよい。
中継器32は、第1の機器311との間で、電波を伝送媒体とする通信路L23を通して双方向の無線通信を行う。また、電力計測ユニット33は、第1の機器311と第2の機器312との少なくとも一方との間で、電波を伝送媒体とする通信路L23を通して双方向の無線通信を行う。
中継器32および電力計測ユニット33は、上述のように、子機10との間で通信する機能を有する。中継器32および電力計測ユニット33と子機10との間の通信には、配電線を伝送媒体とする通信路L21を用いる双方向の電力線搬送通信と、電波を伝送媒体とする通信路L22を用いる双方向の無線通信との少なくとも一方を用いる。
中継器32と電力計測ユニット33とは、子機10との間で電力線搬送通信を行う場合、PLCI/F322,331を備え、子機10との間で無線通信を行う場合、無線I/F321,333を備える。電力線搬送通信と無線通信とは単独で用いるほか、併用することも可能である。
図1に示していないが、第1の機器311は第2の機器312との通信を行うように構成してもよい。この構成では、第1の機器311は、子機10と通信するとともに、第2の機器312と通信を行うことによって、いわゆるHEMS(Home Energy Management System)コントローラとして機能する。
ところで、子機10は、上位装置40と第1の通信路L1を通して通信するための第1のI/F11と、電気機器31と第2の通信路L21,L22を通して通信するための第2のI/F12とを備える。また、子機10は、保守端末50と第3の通信路L3を通して通信するための第3のI/F13を備え、第1のI/F11、第2のI/F12、第3のI/F13を統括して制御する制御部100を備える。
第1のI/F11と第2のI/F12と第3のI/F13とは、それぞれヘッダとペイロードとトレーラとからなるパケットを授受する。ヘッダは、第1の通信路L1、第2の通信路L2、第3の通信路L3のそれぞれに設定されるチャネルを識別する情報を含む。
子機10は、プログラムに従って動作するプロセッサを備えたマイコンのようなデバイスと、インターフェイス部を構成するデバイスとを主要なハードウェア要素とする。プログラムは、以下に説明する機能を実現するようにマイコンを制御する。
本実施形態において、第1の通信路L1は電力線搬送通信のために配電線60(第1配電線61の第2線路612)を伝送媒体に用い、第3の通信路L3は無線通信を行うために電波を伝送媒体に用いる。すなわち、第1のインターフェイス部11は、第1配電線61(特に第2線路612)を通じて上位装置40と接続され、第1配電線61(特に第2線路612)を通じて上位装置40と電力線搬送通信を行うように構成される。また、第3のインターフェイス部13は、電波を利用する無線通信を通信端末50と行うように構成される。
子機10は、電気機器31との間では、配電線60(第2配電線62)を伝送媒体とする電力線搬送通信または電波を伝送媒体とする無線通信とのいずれかを用いる。したがって、第2のI/F12は、無線通信を行う通信路L21に対応する仕様と、電力線搬送通信を行う通信路L22に対応する仕様との少なくとも一方が用いられる。本実施形態では、第2のインターフェイス部12は、第2配電線62を通じて電気機器31と電力線搬送通信を行う機能と、電波を利用する無線通信(第2無線通信)を電気機器31と行う機能と、を有する。
保守端末(通信端末)50は、子機10との間で通信を行うことにより検針データを取得する機能を有する。
また、保守端末50は、子機10を通して需要家1が利用する電気機器31と通信する機能を有していてもよい。この場合、保守端末50は、電気機器31に対する指示を子機10に送信し、子機10を通して電気機器31の設定の変更や動作の指示を行う。
また、保守端末50を用いて、子機10に設定されたパラメータの変更を行ったり、宅内への電力供給の停止の指示を行ったりしてもよい。子機10のパラメータは、たとえば、検針データを取得する時間間隔、無線通信における送信出力や受信感度、変調方式、周波数などがある。
なお、無線通信を行う場合、たとえば、920MHz帯で20mW以下の特定小電力無線局の仕様を採用すればよいが、WiFi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの他の方式を採用することも可能である。第2の通信路L21と第3の通信路L3とに用いる無線通信の方式(周波数、変調方式、タイムスロットなど)を共通とすれば、無線I/F321,332の仕様を第3のI/Fと共通化することが可能になる。 一方、第2の通信路L21と第3の通信路L3とに用いる無線通信の方式を異ならせておけば、子機10と保守端末50との間の通信が子機10と電気機器31との間の通信と干渉せず、それぞれの通信路L21,L3における通信速度が確保しやすくなる。
なお、異なる通信路で使用する変調方式が異なっていても同じチャネルが使用されていると干渉を生じる可能性があるが、変調方式が異なれば伝送速度や通信品質に差が生じるから、干渉を回避できる可能性が高くなる。
ここに、通信路には情報を伝送する周波数がチャネルとして割り当てられる。また、タイムスロットは通信期間を複数に分割した時間帯であり、タイムスロットも通信用のチャネルとして利用される。通信路ごとに異なるチャネルが割り当てられていれば、異なる通信路の間で互いに干渉することなく情報が伝送される。つまり、チャネルは、周波数、タイムスロット、または、周波数とタイムスロットの組み合わせであってよい。
上述した構成によれば、子機10と上位装置40との通信が成功しなかった場合でも、保守端末50を用いることにより需要家1ごとに検針データを収集することが可能になる。
また、図2に示すように、子機10と上位装置40との間の通信の伝送媒体が配電線60(第2線路612)であり、子機10と保守端末50との間の通信の伝送媒体が電波であるから、子機10を設置するにあたり、需要家1には特段の施工を必要としない。
子機10と電気機器31との間の通信に用いる第2の通信路L2は、電波を伝送媒体とする通信路L21と、配電線(第2配電線62)を伝送媒体とする通信路L22とから選択されるから、この通信路L2も特段の施工を必要としない。
すなわち、電力メータ20に、子機10を追加するだけで、上位装置40との通信機能と電気機器31との通信機能とを備えたいわゆるスマートメータを構成することが可能であり、子機10を設置する施工が簡単であるから、スマートメータを容易に実現できる。つまり、スマートメータは、電力メータ20と、子機(通信機器)10と、で構成される。
このように、子機10を取り付けることによってスマートメータを実現するから、子機10の仕様の変更が容易であり、機能の拡張性を確保することができる。たとえば、検針データの取得以外にも、必要があれば、子機10にエネルギーマネージメントシステムの構成要素となる機能を搭載して、需要家1が利用する電気機器31の使用電力の抑制に利用することも可能になる。
しかも、子機10は、保守端末50との通信が可能であり、保守端末50は、検針データを取得するだけではなく、子機10のパラメータの変更や電気機器31に対する指示を行うことなどが可能である。このように、保守端末50を用いて子機10のパラメータが変更可能であるから、子機10を設置している現場の環境に応じて通信が適正化されるように、パラメータを調節することができる。さらに、保守端末50は、需要家1が利用する電気機器31に対する指示を可能にしているから、現場に応じた適正な通信を行うための調節などが可能になる。
子機10と電気機器31との間の通信に電力線搬送通信を採用する場合には、電力メータ20あるいは開閉器(需要家1への電力供給を入切する装置)にフィルタを設け、第1の通信路L1の通信と第2の通信路L22の通信とを遮断することが好ましい。フィルタを用いることにより、需要家1において子機10と電気機器31との間の通信は個人情報に相当するから、フィルタを用いて情報漏洩を防止することにより、個人情報を保護することもできる。
ところで、上位装置40が1台以上の子機10を識別するために、子機10は識別情報を備えている必要がある。この識別情報は、子機10が上位装置40と通信するためのアドレス、子機10に固有に設定された製番、通信可能な子機10に設定されるMACアドレスなどから選択される。識別情報は、上位装置40の管理下の子機10においてユニークに設定されていればよく、より具体的には、親機41の管理下の子機10においてユニークであればよい。子機10の制御部100は、図3に示すように、識別情報を保持する識別情報保持部101を備える。すなわち、制御部100は、子機10に固有の識別情報を記憶する識別情報保持部101を備える。たとえば、制御部100は、上位装置40から識別情報を受け取ると、受け取った識別情報を識別情報保持部101に記憶させるように構成される。
以下では、親機41が管理下の子機10に対して通信用のアドレスを発行し、このアドレスを識別情報に用いる場合を例として説明する。
つまり、子機10がAルート通信(電力メータ20と電力会社との間の情報の提供ルートでの通信)で用いるアドレスは親機41が発行する。この例では、親機41は、子機10からアドレス要求を受信したことを契機としてアドレスを発行し、アドレス要求を行った子機10にアドレスを通知する。また、親機41は、アドレス要求を受信した順に子機10へのアドレスを発行し、アドレスには発行順を表す整数値が用いられる。
図4は、集合住宅の住戸にそれぞれ子機10が配置された例を示しており、子機10の右側に記載した数値は親機41が発行したアドレスを表している。図4に示すマス目は、住戸の区切りを模式的に示しており、マス目内に示した「−−号室」は住戸番号を表している。この構成例では、親機41は集合住宅の建物に1台設けられ、集合住宅の住戸にそれぞれ配置された子機10から検針データを収集することになる。
上述したように、親機41は、アドレス要求を受信した順で子機10にアドレスを付与しているから、図4に例示しているように、住戸番号が表す住戸の物理的位置と、子機10のアドレスとの間には関係性がない。このように、アドレスに住戸番号との関係性を要求しなければ、子機10にアドレスを付与する作業が簡単になるから、システムの導入が促進されやすくなる。
ところで、子機10は、自家の電気機器31とは通信するが、隣家の電気機器31とは通信しないように、通信範囲が制限されていなければならない。また、子機10が保守端末50と通信している期間には、保守端末50が他の子機10と通信しないように、子機10と保守端末50との通信範囲は制限されていなければならない。通信範囲を制限する技術は、通信範囲で用いるチャネルを定める技術、送信側の出力電力と受信側の受信感度との一方を調節する技術、通信範囲で用いる暗号鍵を配布する技術などが知られている。
通信範囲の制限は、本実施形態のように、第2のI/F12と第3のI/F13とが電波を伝送媒体に用いる場合だけではなく、配電線を伝送媒体に用いる電力線搬送通信技術においても必要になる場合がある。以下では、チャネルを定める技術について説明し、次に出力電力と受信感度との少なくとも一方を調節する技術について説明する。
子機10は、あらかじめ用意されている選択範囲の複数個のチャネルの中から第2のI/F12および第3のI/F13で使用するチャネルを選択する。ただし、第3のI/F13は、常時は使用されないから、すべての子機10において第3のI/F13が同じチャネルを使用し、第3のI/F13が使用されていないときに、このチャネルを第2のI/F12で使用可能にしておくことが望ましい。
チャネルは、周波数とタイムスロットとの少なくとも一方により定められる。つまり、子機10は、第2のI/F12と第3のI/F13とが使用するチャネルとして、複数種類の周波数と、複数種類のタイムスロットと、複数種類の周波数および複数種類のタイムスロットの組合せとのいずれかを選択範囲のパラメータとして定めている。
子機10は、あらかじめ用意された選択範囲の複数個のチャネルから自機で使用するチャネルを選択するチャネル選択部102を備える。すなわち、図3に示すように、子機10の制御部100は、無線通信(第3のインターフェイス部13による無線通信)に使用される通信チャネル(第1通信チャネル)を複数のチャネルから選択するチャネル選択部102を備える。また、チャネル選択部102は、第2無線通信(第2のインターフェイス部12による無線通信)に使用される通信チャネル(第2通信チャネル)を指定するように構成される。本実施形態では、チャネル選択部102は、同じチャネルを第1通信チャネルおよび第2通信チャネルとして選択する。
本実施形態におけるチャネルは、上述した選択範囲のパラメータに対応付けた0以上の整数値が用いられる。チャネルを表す形式は問わないが、整数値を用いることにより、チャネルを簡便に指定することができる。
子機10は、使用するチャネルを決定する前に、チャネルを暫定的に設定する前処理を行い、前処理で設定したチャネルで通信を行う場合の干渉を評価した後、評価結果により必要に応じてチャネルを変更する後処理を行う。すなわち、子機10は、前処理によりチャネル(以下、「初期チャネル」という)を暫定的に設定し、後処理により干渉が生じないように初期チャネルを適宜に変更するという2段階の処理を行う。
そのため、子機10は、暫定的に設定した初期チャネルを使用する場合の干渉の程度を評価する干渉評価部103と、干渉の可能性があるときにチャネル選択部102に対してチャネルの変更を指示する変更指示部104とを備える。すなわち、図3に示すように、子機10の制御部100は、干渉評価部103と、変更指示部104と、を備える。
干渉評価部103は、通信チャネルに関して電波の干渉が起きるか否かを判定するように構成される。たとえば、干渉評価部103は、干渉の程度を表す評価値を求め、評価値を規定の閾値と比較することにより干渉の程度を評価する。
干渉の程度を評価する評価値は、たとえば、受信信号強度(RSSI=Received Signal Strength Indication)、周波数、タイムスロットなどが適宜に組み合わせて用いられる。受信信号強度が大きい場合は干渉が生じやすくなり、周波数差が小さい場合やタイムスロットが隣接している場合にも干渉が生じやすくなる。したがって、これらの情報を評価値として数値化することにより、干渉の程度を評価する目安が得られる。
ここでは、評価値が干渉の程度に応じて単調に増加するように定められている場合を想定する。この場合、干渉評価部103は、評価値を閾値と比較し、評価値が閾値を超えていると、干渉の程度が大きくチャネルの変更が必要であると判断する。
変更指示部104は、干渉評価部103で電波の干渉が起きると判定されるとチャネル選択部102に変更指示を与えるように構成される。たとえば、変更指示部104は、干渉評価部103がチャネルの変更が必要であると判断したとき(すなわち、評価値が閾値を超えたとき)、チャネル選択部102に対して選択したチャネルの変更を指示する。また、変更指示部104は、干渉評価部103で電波の干渉が起きると判定されなければチャネル選択部102に変更指示を与えないように構成される。たとえば、干渉評価部103において評価値が閾値以下であれば、変更指示部104は、チャネル選択部102が選択しているチャネルを通信用に用いる。
チャネル選択部102は、変更指示部104から変更指示を受け取ると、通信チャネルを変更するように構成される。
特に、チャネル選択部102は、識別情報保持部101に記憶された識別情報に基づいて複数のチャネルから通信チャネルの候補となる初期チャネルを選択するように構成される。チャネル選択部102は、変更指示部104から変更指示を受け取ると、複数のチャネルから初期チャネルと異なるチャネルを選択して通信チャネルに採用するように構成される。チャネル選択部102は、変更指示部104から変更指示を受け取らなければ、初期チャネルを通信チャネルに採用するように構成される。
以下では、図4に示した事例を用いて、子機10の動作の具体例を説明する。この動作例は一例であって、子機10の動作を限定する趣旨ではなく、他の置換可能な動作を適用してもよい。
図示例は、親機41が子機10からのアドレス要求に従って識別情報を子機10に発行した状態を示しており、子機10は、親機41が発行した識別情報を識別情報保持部101に保持している。この動作例では、チャネル選択部102は、識別情報保持部101に保持された2桁の整数値のうちの最下位桁に対応したチャネルを初期チャネルとして選択する。図示例では、「02」、「54」、……、「15」、「23」のように、親機41の管理下で発行された2桁の識別情報が設定されている。これらの識別情報は親機41が重複しないように発行しているから、親機41の管理範囲では重複しない。
一方、子機10のチャネル選択部102は、識別情報の最下位桁に一致するチャネルを初期チャネルに用いるから、図5に示すように、初期チャネルとして「0」〜「9」の1桁の数値に対応するチャネルを設定する。図4に示す例の場合、上下に隣接した102号室と202号室とには同じ初期チャネル「04」が与えられ、上下に隣接した203号室と303号室とには同じ初期チャネル「05」が与えられる。
なお、初期チャネルは、整数値で与えられた識別情報の最下位桁を用いるほか、整数値で与えられた識別情報を適宜の除数で除算した剰余を用いるなど、他の規則を適用して決定してもよい。初期チャネルに最下位桁を用いると、選択可能なチャネルの個数は10種類になるが、剰余を用いて初期チャネルを定めると、選択可能なチャネルの個数は除数の大きさで決まることになる。
上述したように、住戸の位置と子機10の識別情報との間には関係性がないから、識別情報の最下位桁のみを用いてチャネルを設定すると、隣接する住戸に設けた子機10に同じチャネルが設定されることがある。すなわち、初期チャネルは隣接した複数台の子機10において重複して設定されることがあり、初期チャネルが同じである子機10が隣接して配置されていると、通信時に干渉を生じる可能性がある。
子機10は、通信可能な範囲に存在する他の子機10に設定された初期チャネルを抽出するために、選択範囲であるすべてのチャネルについて受信信号強度を求め、受信信号強度が規定した閾値を超えるチャネルを「使用中チャネル」として記憶する。使用中チャネルを抽出する処理は、干渉評価部103が行う。使用中チャネルを抽出するには、チャネルごとに受信信号強度を求める必要があるから、干渉評価部103は、選択範囲のすべてのチャネルの受信信号強度を順に検出する。
また、使用中チャネルが同じチャネルであるときに干渉を生じる可能性があるから、干渉評価部103は、抽出した使用中チャネルのうち自機の初期チャネルと同じチャネルを用いている子機10を抽出する。ここで、子機10は、チャネルごとの受信信号強度を求める際に、他の子機10のチャネルだけではなく識別情報も併せて受信する。すなわち、干渉評価部103は、子機10がそれぞれ出力しているパケットを受信することにより受信信号強度を評価し、かつパケットのヘッダから子機10の識別情報を抽出する。したがって、子機10は、初期チャネルが同じであって、受信信号強度が閾値を超える他の子機10の識別情報を取得する。
ここに説明している例では、子機10の識別情報に整数値を用いているから、干渉評価部103は、複数台の子機10に同じ初期チャネルが設定されている場合に、識別情報の大小を用いて当該初期チャネルを使用する1台の子機10を選択する。すなわち、干渉評価部103は、同じ初期チャネルが設定され、かつ受信信号強度が閾値を超える子機10が複数台存在する場合、識別情報の大小を比較し、自機の識別情報が最小であれば、自機において初期チャネルを通信用のチャネルとして使用する。また、干渉評価部103は、自機の識別情報が最小でなければ、変更指示部104を通してチャネル選択部102にチャネルの変更を要求する。
干渉評価部103は、変更指示部104にチャネルの変更を要求する場合、まず、選択範囲であるチャネルのうち受信信号強度が、設定された判定閾値以下であるチャネルを抽出する。受信信号強度が判定閾値以下であるチャネルは、使用されていないか、使用されていても干渉が生じないと考えられるから、抽出されたチャネルを「空きチャネル」とする。干渉評価部103は、空きチャネルが抽出されると、変更指示部104に空きチャネルの情報を引き渡す。すなわち、干渉評価部103は、複数のチャネルに電波の干渉を引き起こさない空チャネルがあるか否かを判定するように構成される。干渉評価部103は、複数のチャネルに空チャネルがあれば、空きチャネルを特定する空きチャネル情報を変更指示部104に与えるように構成される。なお、空きチャネルは複数存在する場合があり、この場合、空きチャネル情報は、複数の空きチャネルのそれぞれを特定する。
変更指示部104は、空きチャネル情報で特定された空きチャネルから通信チャネルとして使用される使用空きチャネルを選択し、使用空きチャネルを指定する変更指示をチャネル選択部102に与えるように構成される。たとえば、変更指示部104は、初期チャネルに応じて定めた待機時間の後、チャネル選択部102にチャネルの変更を指示する。待機時間は、初期チャネルが小さい値であるほど短く設定する(たとえば、単位時間に初期チャネルを乗じた時間を待機時間とする)。待機時間をこのように定めることによって、異なる初期チャネルの子機10が同じ空きチャネルを同時に選択することが防止される。
チャネル選択部102は、変更指示部104から変更指示を受け取ると、変更指示で指定された使用空きチャネルを通信チャネルに採用するように構成される。
上述したチャネルの選択技術を図6にまとめて記載する。前処理として、チャネル選択部102は、整数値で与えられた子機10の識別情報から最下位桁を初期チャネルとして選択する(S11)。次に、干渉評価部103は、選択範囲のすべてのチャネルの受信信号強度を順に検出し(S12)、受信信号強度が閾値を超えるチャネルを使用中チャネルとして抽出して記憶する(S13)。次に、干渉評価部103は、使用中チャネルが初期チャネルと重複している子機10の識別情報をパケットのヘッダから抽出する(S14)。使用中チャネルが初期チャネルと一致する子機10が存在し、この子機10が干渉する場合、子機10の識別情報の大小を比較する(S15)。
ここで、自機の識別情報が最小であれば(S15:Yes)、初期チャネルを以後のチャネルとして採用する(S16)。一方、自機の識別情報が最小ではない場合(S15:No)、干渉評価部103はすべてのチャネルについて受信信号強度を評価することにより空きチャネルを抽出する(S17)。空きチャネルが抽出されると、変更指示部104は、所定の待機時間の後に(S18)、第2のI/F12が用いるチャネルを空きチャネルのうちの最小値とするようにチャネル選択部102に指示する(S19)。以上のようにして第2のI/F12が用いるチャネルがチャネル選択部102に選択されると、当該チャネルを用いて子機10の運用が開始される(S20)。
ところで、複数台の子機10に同じ初期チャネルが設定されている場合でも、これらの子機10のいずれかが出力するパケットのヘッダを他の子機10で認識できなければ、初期チャネルが重複して設定されていることは検出されない。つまり、子機10の間の物理的な距離が比較的大きい場合、子機10の間に隔壁が比較的多く存在する場合など、互いの子機10のヘッダを認識することができない程度に受信信号強度が小さければ、干渉の可能性があっても子機10の識別情報は比較されない。
言い換えると、複数台の子機10に同じ初期チャネルが設定されている場合でも、子機10が自家の電気機器31や保守端末50とは通信可能であって、他の子機10とは通信不能であれば、初期チャネルを変更せずに用いることが可能になる。
そのため、子機10の制御部100は、テスト通信を行って通信品質を評価する通信品質評価部105と、第2のI/F12と第3のI/F13との出力電力を調節する電力指示部106とを備える。
通信品質評価部105は、チャネル選択部102で選択された通信チャネル(第1通信チャネル)の通信品質を評価するように構成される。たとえば、通信品質評価部105は、チャネル選択部102で選択された通信チャネル(第1通信チャネル)を用いてテスト通信を行うことにより、通信端末50との間の通信路L3における通信品質(第1通信チャネルの通信品質)を評価するように構成される。
電力指示部106は、通信チャネル(第1通信チャネル)に対応する電波の強さを通信品質評価部105で評価された通信品質が規定条件を満たす範囲の下限値に設定するように構成される。たとえば、電力指示部106は、通信品質評価部105で評価された通信品質(通信路L3の通信品質)が規定条件を満たす範囲で第3のインターフェイス部13から出力される電波(通信チャネルに対応する電波)の強さを低下させるように構成される。
本実施形態では、通信品質評価部105は、第2通信品質評価部としても機能する。第2通信品質評価部(通信品質評価部)105は、チャネル選択部102で選択された通信チャネル(第2通信チャネル)の通信品質を評価するように構成される。たとえば、第2通信品質評価部105は、チャネル選択部102で選択された通信チャネル(第2通信チャネル)を用いてテスト通信を行うことにより、電気機器31との間の通信路L2における通信品質(第2通信チャネルの通信品質)を評価するように構成される。
また、電力指示部106は、第2電力指示部としても機能する。第2電力指示部(電力指示部)106は、第2通信チャネルに対応する電波の強さを第2通信品質評価部105で評価された通信品質が規定条件を満たす範囲の下限値に設定するように構成される。たとえば、第2電力指示部106は、第2通信品質評価部105で評価された通信品質(通信路L2の通信品質)が規定条件を満たす範囲で第2のインターフェイス部12から出力される電波(第2通信チャネルに対応する電波)の強さを低下させるように構成される。
すなわち、子機10は、親機41が発行した通信用のアドレスを取得し、初期チャネルが設定されたときに、まず、子機10が管理する自家の電気機器31および保守端末50との間でテスト通信を行う。なお、子機10に初期チャネルが設定される際には、子機10の施工者が保守端末50を携行しており、子機10の通信範囲に保守端末50が存在していることを想定している。
テスト通信を行う子機10は、パケットを送信する際の出力電力を時間経過に伴って低下させ、通信エラー率や再送率などの通信統計情報(通信品質)を計測する。さらに、この子機10は、電気機器31および保守端末50との通信品質が良好である範囲において出力電力を許容下限に達するまで低減させる。
このように子機10の出力電力を許容下限まで低下させることにより、複数台の子機10に同じ初期チャネルが設定されていても干渉が回避される。しかも、子機10は、通信品質が良好な範囲で出力電力を許容下限まで引き下げているから、自家の電気機器31および保守端末50との通信品質は維持される。
その結果、子機10が初期チャネルを変更する確率が低減され、選択可能なチャネルの個数が限られているにもかかわらず、チャネルの個数よりも多くの台数の子機10に、干渉が生じないようにチャネルを設定することが可能になる。
ところで、子機10と自家の電気機器31とは紐付け(チャネル設定)を行うことにより通信可能になる。電気機器31は、子機10との紐付けを行うためにチャネルを設定する登録モードと、設定されたチャネルを用いて動作する通常モードとの動作モードを備える。電気機器31は、登録モードにおいて、たとえば、子機10が定期的に送出するパケットを受信できるまで、時間経過に伴ってすべてのチャネルを順に選択する。
子機10が送出するパケットに電力メータ20を識別する情報が含まれ、かつ電気機器31にも施工者によって電力メータ20を識別する情報が設定されているものとする。この場合、電気機器31は、電力メータ20を識別する情報を比較することによって、自家の子機10のチャネルを選択し、その結果、子機10と電気機器31との紐付けを誤りなく行うことが可能になる。
つまり、登録モードでは、すべてのチャネルのパケットを受信するから、他家の子機10からパケットを受信することがあるが、電力メータ20を識別する情報を用いることにより、電気機器31が他家の子機10と紐付けされることが防止される。電気機器31は、チャネルの選択が終了すれば通常モードに移行し、選択したチャネルを用いて子機10と通信する。
一方、保守端末50は、たとえば、検針員が電力メータ20の検針に訪れたときに用いられ、このとき子機10と通信を行うことによって、電力量の積算値を含む検針データを取得する。したがって、子機10は、電気機器31との間だけではなく、保守端末50との間でもチャネルを設定しなければならない。
保守端末50が使用するチャネルは固定的に設定されているから、子機10において保守端末50に割り当てられたチャネルの使用が禁止されているとすれば、子機10におけるチャネルの選択範囲が狭くなる。つまり、選択可能なチャネルの個数には制限があるにもかかわらず、使用頻度の小さい保守端末50のために1つのチャネルを占有させることは、チャネルの利用効率を考慮すると好ましいことではない。
そこで、本実施形態の子機10は、第3のI/F13が保守端末50との通信を行わない期間には、保守端末50に割り当てられたチャネルを電気機器31との通信にも使用可能にしてある。保守端末50が使用するチャネルが設定されている子機10は、保守端末50の使用開始を検出すると、保守端末50にチャネルを譲り、他のチャネルを選択して使用する。
保守端末50の使用開始は、検針員が子機10の近傍で保守端末50の動作を開始させたときに保守端末50から送出される電波を受信することにより検出する。保守端末50は、子機10の近傍で使用されるから、電界強度の大きい電波を子機10に受信させることが可能であって、子機10は第3のI/F13が受信する電波の電界強度を評価することにより、保守端末50の使用開始を検出することが可能である。また、保守端末50は、使用開始時に子機10に対して参加要求のパケットを送出し、このパケットのヘッダに含まれる保守端末50のアドレスを子機10に認識させてもよい。
保守端末50が使用するチャネルが設定されている子機10は、第3のI/F13が保守端末50の使用開始を認識すると、変更指示部104がチャネル選択部102に指示して、時間経過に伴ってすべてのチャネルを順に選択させる。
すなわち、本実施形態では、第3のインターフェイス部13は、通信端末(保守端末)50の使用が開始されたか否かを判定するように構成される。変更指示部104は、第3のインターフェイス部13で通信端末50の使用が開始されたと判定されると、通信端末50が使用するチャネルと干渉が起きないチャネルを第2通信チャネルとして指定する変更指示をチャネル選択部102に与えるように構成される。チャネル選択部102は、変更指示部104から変更指示を受け取ると、第2通信チャネルを変更指示部104で指定されたチャネルに変更するように構成される。
さらに、変更指示部104がチャネルを順に選択している期間に、干渉評価部103がチャネルごとの受信信号強度を監視する。この子機10は、受信信号強度が基準値以下であるチャネルを空きチャネルとして検出し、第2のI/F12で使用するチャネルとして空きチャネルを割り当てる。
たとえば、保守端末50が使用するチャネルが「0」である場合を想定する。ここで、図7のように、201号室の子機10の識別情報が「10」であるとすれば、識別情報の最下位桁は「0」であるから、上述の規則でチャネルを定めるとすれば、子機10において第2のI/F12で使用するチャネルも「0」に対応するチャネルになる。したがって、201号室の子機10は、保守端末50と同じチャネルを電気機器31との通信に使用していることになる。
図4に示す配置例では、チャネル「1」はどの子機10も使用しておらず、また、103号室、203号室、303号室が使用するチャネルは、201号室の子機10では受信信号強度が範囲外であることによって干渉しないと仮定する。すなわち、それぞれの子機10に図7のようにチャネルが割り当てられているとすれば、201号室の子機10における空きチャネルは、チャネル「1」、チャネル「6」、チャネル「8」、チャネル「9」の4個になる。
いま、201号室の子機10において保守端末50の使用開始が第3のI/F13で検出されたとする。このとき、この子機10の変更指示部104は、第2のI/F12で用いていたチャネル「0」の使用権を保守端末50に譲り、電気機器31との通信に用いるチャネルを空きチャネルから探索する。
この子機10の空きチャネルは、チャネル「1」、チャネル「6」、チャネル「8」、チャネル「9」の4個であるから、たとえば空きチャネルのうちの最小のチャネルを選択するという規則を採用している場合、図8のように、子機10は電気機器31と通信するためのチャネル(第2通信チャネル)をチャネル「1」に変更する。子機10がチャネルを選択する規則は適宜に設定すればよく、他の空きチャネルを選択することも可能である。
子機10は、電気機器31と通信するためのチャネルを変更するから、チャネルの変更前に電気機器31に予告通知を行って、電気機器31にもチャネルを変更するように指示する。なお、電気機器31と子機10とは紐付けを行う必要があるから、チャネルの変更を指示するために子機10が電気機器31に送信したパケットに電力メータ20を識別する情報を含めておくことにより、電気機器31は子機10が通信相手であることを確認する。
なお、子機10は、保守端末50との通信が終了し、規定した時間が経過した後、使用するチャネルを変更前のチャネルに戻す。また、子機10は、チャネルを変更する前に、電気機器31に対してチャネルの変更に関する予告通知を行う。このように、保守端末50のチャネルと同じチャネルを使用している子機10は、保守端末50と通信する際に使用するチャネルを一時的に変更する。この処理が行われることにより、子機10が使用するチャネルとして保守端末50が使用するチャネルを利用することが可能になり、子機10におけるチャネルの利用効率が高まることになる。
子機10は、自家の電気機器31および子機10の施工者が携行している保守端末50に対し、子機10が行ったテスト通信と同様のテスト通信を行うように指示することが望ましい。電気機器31および保守端末50がテスト通信を行うときには、テスト通信を指示した子機10の通信品質評価部105が電気機器31および保守端末50からの受信信号強度を監視し、また、電気機器31および保守端末50から通信品質を取得する。ここに、通信品質は、通信エラー率あるいは再送率のような通信統計情報を意味する。
子機10の通信品質評価部105は、受信信号強度と通信品質との少なくとも一方を閾値と比較して評価し、電気機器31および保守端末50に対して、出力電力を許容下限まで低減させるように指示する。このように、子機10がチャネルを設定する際に、電気機器31および保守端末50についても許容下限まで送信電力を引き下げるから、自家の電気機器31および保守端末50が他家の子機10と紐付けされる可能性が低減される。つまり、他家の子機10に対する自家の電気機器31や保守端末50の干渉を未然に回避することができる。
以上述べたように、本実施形態の電力管理システムの子機10は、需要家1で使用された電力量を計測する電力メータ20に付設され、電力メータ20が計測した電力量を含む検針データを上位装置40に伝送する機能を有した電力管理システムの子機である。子機10は、上位装置40との間で電力メータ20の上流側の配電線60を伝送媒体に用いた第1の通信路L1を通して電力線搬送通信を行う第1のインターフェイス部11と、需要家1で利用される電気機器31のうち通信機能を備える電気機器31との間で第2の通信路L2を通して通信を行う第2のインターフェイス部12と、検針データを取得する機能を有した保守端末50との間で電波を伝送媒体に用いた第3の通信路L3を通して無線通信を行う第3のインターフェイス部とを備える。
また、本実施形態の電力管理システムの子機10は、以下のようにも定義できる。すなわち、本実施形態の電力管理システムの子機10は、需要家1で使用された電力量を計測する電力メータ20に付設され、電力メータ20が計測した電力量を含む検針データを上位装置40に伝送する機能を有した電力管理システムの子機である。子機10は、上位装置40との間で電力メータ20の上流側の配電線60を伝送媒体に用いた第1の通信路L1を通して電力線搬送通信を行う第1のインターフェイス部11と、需要家1で利用される電気機器31のうち通信機能を備える電気機器31との間で第2の通信路L2を通して通信を行う第2のインターフェイス部12と、検針データを取得する機能と電気機器31への指示を送信する機能とを少なくとも有した保守端末50との間で電波を伝送媒体に用いた第3の通信路L3を通して無線通信を行う第3のインターフェイス部とを備える。
また、本実施形態の電力管理システムの子機10において、第2のインターフェイス部12は、第2の通信路L2として電力メータ20の下流側の配電線62を伝送媒体に用い、電気機器31との間で電力線搬送通信を行う。
また、本実施形態の電力管理システムの子機10において、上位装置40は、管理範囲内の需要家1から検針データを取得するサーバコンピュータである上位サーバ42と、上位サーバ42と通信を行う機能を有し1以上の需要家1から第1の通信路L1を通して収集した検針データを上位サーバ42に伝送する親機41とを備える。
また、本実施形態の電力管理システムの子機10において、第1の通信路L1は、需要家1に商用電力を供給する降圧トランスT1の二次側であって、電力メータ20の上流側の配電線60である。
また、本実施形態の電力管理システムの子機10は、チャネル選択部102と、干渉評価部103と、変更指示部104と、をさらに備える。チャネル選択部102は、第2のインターフェイス部12および第3のインターフェイス部13が用いる通信用のチャネルをあらかじめ用意された選択範囲から選択するように構成される。干渉評価部103は、チャネル選択部102が選択したチャネルを用いた場合の干渉の程度を表す評価値と規定の閾値との比較により干渉の程度を評価するように構成される。変更指示部104は、評価値が閾値に対して干渉の程度が大きい側である場合にチャネル選択部102に選択したチャネルの変更を指示するように構成される。
また、本実施形態の電力管理システムの子機10は、上位装置40の管理範囲内においてユニークである識別情報を保持する識別情報保持部101をさらに備える。チャネル選択部102は、識別情報保持部101が保持している識別情報から所定の規則を用いて求めたチャネルを初期チャネルとして選択するように構成される。チャネル選択部102は、変更指示部104から変更の指示があれば初期チャネルとは異なる通信用のチャネルを選択し、変更指示部104から変更の指示がなければ初期チャネルを通信用のチャネルとして選択するように構成される。
また、本実施形態の電力管理システムの子機10において、第2のインターフェイス部12が用いているチャネルが保守端末50が用いているチャネルと等しい場合、変更指示部104は、第3のインターフェイス部13が保守端末50の使用開始を検出すると、第2のインターフェイス部12が用いるチャネルを干渉が生じない空きチャネルに一時的に変更するようにチャネル選択部102に指示するように構成される。
また、本実施形態の電力管理システムの子機10は、通信品質評価部105と、電力指示部106と、をさらに備える。通信品質評価部105は、チャネル選択部102が選択したチャネルを用いてテスト通信を行うことにより、電気機器31との間の通信路L2における通信品質を評価するように構成される。電力指示部106は、通信品質が良好な範囲で第2のインターフェイス部12の出力電力を許容下限まで引き下げるように構成される。
また、本実施形態の電力管理システムの子機10において、干渉評価部103は、選択範囲のチャネルの中から干渉が生じない空きチャネルを抽出した後に変更指示部104に空きチャネルの情報を引き渡す機能を有する。変更指示部104は、干渉評価部103から引き渡された空きチャネルの中から選択したチャネルへの変更をチャネル選択部102に指示する。
また、本実施形態の電力管理システムの子機10において、チャネル選択部102は、通信に用いる周波数を選択してもよい。また、チャネル選択部102は、通信に用いるタイムスロットを選択してもよい。また、チャネル選択部102は、通信に用いる周波数とタイムスロットとの組を選択してもよい。
また、本実施形態の電力管理システムの子機10において、識別情報保持部101が保持する識別情報は、上位装置40から割り当てられる。
換言すれば、本実施形態の電力管理システムの子機10は、以下の第1〜第12の特徴を有する。なお、第2〜第12の特徴は任意の特徴である。
第1の特徴では、子機10は、電源70から所定場所(需要家1)に配電線60を通じて供給される電力量を計測する電力メータ20から電力量を含む検針データを収集する電力管理システムの子機である。子機10は、有線インターフェイス部(第1のインターフェイス部)11と、無線インターフェイス部(第3のインターフェイス部)13と、制御部100と、を備える。有線インターフェイス部11は、配電線60を介して上位装置40に接続される。有線インターフェイス部11は、配電線60を通じて上位装置40と電力線搬送通信を行うように構成される。無線インターフェイス部13は、電波を利用する無線通信(第1無線通信)を通信端末(保守端末)50と行うように構成される。制御部100は、電力メータ20から検針データを取得する機能と、有線インターフェイス部11を制御して検針データを上位装置40に送信する機能と、無線インターフェイス部13を制御して検針データを通信端末50に送信する機能と、を備える。子機10は、さらに、追加インターフェイス部(第2のインターフェイス部)12を備える。追加インターフェイス部12は、所定場所(需要家1)に設置される電気機器31と通信を行うように構成される。
第2の特徴では、第1の特徴において、電気機器31は、配電線60に接続される。電力メータ20は、配電線60において電源70と電気機器31との間に介在される。配電線60は、電力メータ20と電源70との間の第1配電線61と、電力メータ20と電気機器31との間の第2配電線62と、を含む。上位装置40は、第1配電線61に接続される。第1のインターフェイス部11は、第1配電線61を通じて上位装置40と電力線搬送通信を行うように構成される。第2のインターフェイス部12は、第2配電線62を通じて電気機器31と電力線搬送通信を行うように構成される。
第3の特徴では、第1または第2の特徴において、電力メータ20は、電源70からの電力を所定場所(需要家1)に適した電力に調整するトランス(降圧トランス)T1を介して電源70に接続される。配電線60(第1配電線61)は、電源70とトランスT1との間の第1線路611と、トランスT1と電力メータ20との間の第2線路612と、を含む。上位装置40は、第2線路612に接続される。第1のインターフェイス部11は、第2線路612を通じて上位装置40と電力線搬送通信を行うように構成される。
第4の特徴では、第1〜第3の特徴のいずれか1つにおいて、制御部100は、チャネル選択部102と、干渉評価部103と、変更指示部104と、を備える。チャネル選択部102は、無線インターフェイス部13での無線通信(第1無線通信)に使用される通信チャネル(第1通信チャネル)を複数のチャネルから選択するように構成される。干渉評価部103は、通信チャネル(第1通信チャネル)に関して電波の干渉が起きるか否かを判定するように構成される。変更指示部104は、干渉評価部103で電波の干渉が起きると判定されるとチャネル選択部102に変更指示を与えるように構成される。チャネル選択部102は、変更指示部104から変更指示を受け取ると、通信チャネル(第1通信チャネル)を変更するように構成される。
第5の特徴では、第4の特徴において、制御部100は、子機10に固有の識別情報を記憶する識別情報保持部101を備える。チャネル選択部102は、識別情報保持部101に記憶された識別情報に基づいて複数のチャネルから通信チャネルの候補となる初期チャネルを選択するように構成される。チャネル選択部102は、変更指示部104から変更指示を受け取ると、複数のチャネルから初期チャネルと異なるチャネルを選択して通信チャネルに採用するように構成される。チャネル選択部102は、変更指示部104から変更指示を受け取らなければ、初期チャネルを通信チャネルに採用するように構成される。
第6の特徴では、第4または第5の特徴において、干渉評価部103は、複数のチャネルに電波の干渉を引き起こさない空チャネルがあるか否かを判定するように構成される。干渉評価部103は、複数のチャネルに空チャネルがあれば、空きチャネルを特定する空きチャネル情報を変更指示部104に与えるように構成される。変更指示部104は、空きチャネル情報で特定された空きチャネルから通信チャネルとして使用される使用空きチャネルを選択し、使用空きチャネルを指定する変更指示をチャネル選択部102に与えるように構成される。チャネル選択部102は、変更指示部104から変更指示を受け取ると、変更指示で指定された使用空きチャネルを通信チャネルに採用するように構成される。
第7の特徴では、第4〜第6の特徴のいずれか1つにおいて、制御部100は、通信品質評価部105と、電力指示部106と、を備える。通信品質評価部105は、チャネル選択部102で選択された通信チャネルの通信品質を評価するように構成される。電力指示部106は、通信チャネルに対応する電波の強さを通信品質評価部105で評価された通信品質が規定条件を満たす範囲の下限値に設定するように構成される。
第8の特徴では、第4〜第7の特徴のいずれか1つにおいて、追加インターフェイス部12は、電波を利用する無線通信(第2無線通信)を電気機器31と行うように構成される。チャネル選択部102は、追加インターフェイス部12での無線通信(第2無線通信)に使用される通信チャネル(第2通信チャネル)を指定するように構成される。第3のインターフェイス部13は、通信端末50の使用が開始されたか否かを判定するように構成される。変更指示部104は、第3のインターフェイス部13で通信端末50の使用が開始されたと判定されると、通信端末50が使用するチャネルと干渉が起きないチャネルを第2通信チャネルとして指定する変更指示をチャネル選択部102に与えるように構成される。チャネル選択部102は、変更指示部104から変更指示を受け取ると、第2通信チャネルを変更指示部104で指定されたチャネルに変更するように構成される。
第9の特徴では、第8の特徴において、制御部100は、第2通信品質評価部105と、第2電力指示部106と、を備える。第2通信品質評価部105は、チャネル選択部102で選択された第2通信チャネルの通信品質を評価するように構成される。第2電力指示部106は、第2通信チャネルに対応する電波の強さを第2通信品質評価部105で評価された通信品質が規定条件を満たす範囲の下限値に設定するように構成される。
第10の特徴では、第4〜第9の特徴のいずれか1つにおいて、チャネルは、周波数、タイムスロット、または、周波数とタイムスロットの組み合わせである。
第11の特徴では、第7の特徴において、識別情報は、上位装置40から子機10に与えられる。
第12の特徴では、第1〜第11の特徴のいずれか1つにおいて、子機10は、電力メータ20に付設される。
以上述べた本実施形態の電力管理システムの子機10によれば、電力メータ20に付設される子機10が、上位装置40および保守端末50との通信の機能に加えて、需要家1が利用する電気機器31との通信の機能も備えているから、検針だけではなく、電力の管理も可能になるという利点がある。
また、本実施形態の電力管理システムは、電力メータ20で計測された電力量を含む検針データを管理範囲内の需要家1から取得する上位サーバ42と通信を行う機能を有し1以上の需要家1から収集した検針データを上位サーバ42に伝送する親機41と、電力メータ20に付設され検針データを親機41に伝送する機能を有した子機10と、子機10との間で通信を行い検針データを取得する機能を有した保守端末50とを備える。子機10は、第1のインターフェイス部11と、第2のインターフェイス部12と、第3のインターフェイス部13と、を備える。第1のインターフェイス部11は、親機41との間で電力メータ20の上流側の配電線61を伝送媒体に用いた第1の通信路L1を通して電力線搬送通信を行うように構成される。第2のインターフェイス部12は、需要家1で利用される電気機器31のうち通信機能を備える電気機器31との間で第2の通信路L2を通して通信を行うように構成される。第3のインターフェイス部13は、保守端末50との間で電波を伝送媒体に用いた第3の通信路L3を通して無線通信を行うように構成される。
換言すれば、本実施形態の電力管理システムは、以下の第13〜15の特徴を有する。なお、第14および第15の特徴は任意の特徴である。
第13の特徴では、電力管理システムは、子機10と、上位装置40と、通信端末50と、を備える。子機10は、電源70から所定場所に配電線60を通じて供給される電力量を計測する電力メータ20から電力量を含む検針データを取得するように構成される。上位装置40は、配電線60に接続され、子機10から検針データを取得するように構成される。通信端末50は、子機10から検針データを取得するように構成される。子機10は、有線インターフェイス部(第1のインターフェイス部)11と、無線インターフェイス部(第3のインターフェイス部)13と、制御部100と、を備える。有線インターフェイス部11は、配電線60を介して上位装置40に接続される。有線インターフェイス部11は、配電線60を通じて上位装置40と電力線搬送通信を行うように構成される。無線インターフェイス部13は、電波を利用する無線通信を通信端末50と行うように構成される。制御部100は、電力メータ20から検針データを取得する機能と、有線インターフェイス部11を制御して検針データを上位装置40に送信する機能と、無線インターフェイス部13を制御して検針データを通信端末50に送信する機能と、を備える。子機10は、さらに、追加インターフェイス部(第2のインターフェイス部)12を備える。追加インターフェイス部12は、所定場所に設置される電気機器31と通信を行うように構成される。
第14の特徴では、第13の特徴において、通信端末50は、電気機器31と通信する機能を有する。
第15の特徴では、第13または第14の特徴において、上位装置40は、配電線60に接続される親機41と、親機41に接続される上位サーバ42と、を備える。親機41は、子機10から検針データを取得する機能と、子機10から取得した検針データを上位サーバ42に送信する機能と、を有する。上位サーバ42は、親機41から受信した検針データを記憶するように構成される。
以上述べた本実施形態の電力管理システムによれば、電力メータ20に付設される子機10が、上位装置40および保守端末50との通信の機能に加えて、需要家1が利用する電気機器31との通信の機能も備えているから、検針だけではなく、電力の管理も可能になるという利点がある。
本発明に係る第1の形態の電力管理システムの子機は、電源から所定場所に配電線を通じて供給される電力量を計測する電力メータから前記電力量を含む検針データを収集する電力管理システムの子機である。前記子機は、有線インターフェイス部と、無線インターフェイス部と、制御部と、を備える。前記有線インターフェイス部は、前記配電線を介して前記上位装置に接続される。前記有線インターフェイス部は、前記配電線を通じて前記上位装置と電力線搬送通信を行うように構成される。前記無線インターフェイス部は、電波を利用する無線通信を通信端末と行うように構成される。前記制御部は、前記電力メータから前記検針データを取得する機能と、前記有線インターフェイス部を制御して前記検針データを前記上位装置に送信する機能と、前記無線インターフェイス部を制御して前記検針データを前記通信端末に送信する機能と、を有する。前記子機は、さらに、前記所定場所に設置される電気機器と双方向に通信を行う追加インターフェイス部を備える。
本発明に係る第13の形態の電力管理システムは、子機と、上位装置と、通信端末と、を備える。前記子機は、電源から所定場所に配電線を通じて供給される電力量を計測する電力メータから前記電力量を含む検針データを取得するように構成される。前記上位装置は、前記配電線に接続され、前記子機から前記検針データを取得するように構成される。前記通信端末は、前記子機から前記検針データを取得するように構成される。前記子機は、有線インターフェイス部と、無線インターフェイス部と、制御部と、を備える。前記有線インターフェイス部は、前記配電線を介して前記上位装置に接続される。前記有線インターフェイス部は、前記配電線を通じて前記上位装置と電力線搬送通信を行うように構成される。前記無線インターフェイス部は、電波を利用する無線通信を通信端末と行うように構成される。前記制御部は、前記電力メータから前記検針データを取得する機能と、前記有線インターフェイス部を制御して前記検針データを前記上位装置に送信する機能と、前記無線インターフェイス部を制御して前記検針データを前記通信端末に送信する機能と、を有する。前記子機は、さらに、前記所定場所に設置される電気機器と双方向に通信を行う追加インターフェイス部を備える。