本開示は、アンテナ装置と、当該アンテナ装置を備えた無線通信装置と、当該無線通信装置を備えた電子機器とに関する。
地上デジタルテレビジョン放送の放送信号などの放送信号を受信する無線通信装置と、受信された放送信号を表示する表示装置とを備えた携帯型の電子機器が普及してきている。このような電子機器において、高感度の受信を実現するための方法として、複数のアンテナ素子で受信した受信信号を同相合成する合成ダイバーシティ方式等のアダプティブ制御が用いられている。また、アダプティブ制御を行うためには、複数のアンテナを電子機器の筐体の内側又は外側に設ける必要があるが、複数のアンテナの形状及び配置方法について、様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−281906号公報
特許第3618621号公報
特開2011−151658号公報
米国特許第6686886号明細書
一般に、テレビジョン放送受信装置などの電子機器では、所望の比帯域幅は約40%であり、非常に広帯域のアンテナ装置を必要とする。しかしながら、このような電子機器においては、電子機器の小型化に伴いアンテナを電子機器内の回路基板の接地導体又はシールド板などの導体の近傍に配置せざるを得ないことが多い。この場合、各アンテナの利得が低下することがある。また、このような電子機器においては、様々な方向に対して受信感度が高いことが好ましい。しかしながら、電子機器のアンテナ装置の利得を様々な方向において高めるために同一の周波数帯域の電波を用いる複数のアンテナを用いると、アンテナ間の電磁的な結合に起因して、各アンテナにおいて他のアンテナからの信号混入が発生し、各アンテナを用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することがある。
本開示は、以上の問題点を解決し、複数のアンテナを備えかつ利得の低下を防止できるアンテナ装置と、当該アンテナ装置を備えた無線通信装置と、当該無線通信装置を備えた電子機器とを提供する。
本開示に係るアンテナ装置は、所定の第1の方向に実質的に平行に形成され、接地導体の第1の縁端部に設けられた第1の給電点から給電される第1の放射アンテナ素子を備えた第1のアンテナと、第1の方向と異なる所定の第2の方向に実質的に平行に形成され、接地導体の第2の縁端部に設けられた第2の給電点から給電される第2の放射アンテナ素子を備えた第2のアンテナと、第2の方向に実質的に平行に形成され、接地導体の第2の縁端部に設けられた第3の給電点から給電される第3の放射アンテナ素子を備えた第3のアンテナと、第1の方向に実質的に平行に形成され、接地導体の第3の縁端部に設けられた第4の給電点から給電される第4の放射アンテナ素子を備えた第4のアンテナとを備えたアンテナ装置であって、第1及び第4のアンテナは、接地導体上の所定の対称線に対して対称に設けられ、第2及び第3のアンテナは、第2及び第3の給電点が所定の距離だけ離隔するように、対称線に対して対称に並置されたことを特徴とする。
本開示に係るアンテナ装置は、利得の低下を防止できる。
本開示の実施の形態1に係る電子機器100の斜視図である。
図1の電子機器100に設けられるアンテナ1,2,3,4及び図1のLCDパネル101の接地導体102を示す平面図である。
図2のアンテナ1の平面図である。
図2のアンテナ2の平面図である。
図2のアンテナ3の平面図である。
図2のアンテナ4の平面図である。
図2のアンテナ1の垂直偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ2の垂直偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ3の垂直偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ4の垂直偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ1の水平偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ2の水平偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ3の水平偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ4の水平偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ1,2,3,4の放射特性を示す表グラフである。
図1の電子機器100の構成を示すブロック図である。
本開示の実施の形態1の変形例に係るアンテナ装置を示す平面図である。
図17のアンテナ2Aの平面図である。
図17のアンテナ3Aの平面図である。
図17のアンテナ1A,2A,3A,4Aの放射特性を示すグラフである。
本開示の実施の形態2に係るアンテナ装置の平面図である。
本開示の実施の形態3に係るアンテナ装置の平面図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
図1は、本開示の実施の形態1に係る電子機器100の斜視図であり、図16は、図1の電子機器100の構成を示すブロック図である。また、図2は、図1の電子機器100に設けられるアンテナ1,2,3,4及び図1の液晶ディスプレイパネル(以下、LCD(Liquid Crystal Display)パネルという。)の接地導体102を示す平面図である。さらに、図3、図4、図5及び図6はそれぞれ、図2のアンテナ1、2、3及び4の平面図である。
図1、図2及び図16において、本実施の形態に係る電子機器100は、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯(473MHz〜767MHz)の電波を受信するための携帯型のテレビジョン放送受信装置であって、LCDパネル101と、無線通信装置105とを備えて構成される。また、無線通信装置105は、アンテナ1,2,3,4及び接地導体102を備えたアンテナ装置と、誘電体基板10,20,30,40と、無線通信回路104とを備えて構成される。ここで、図1に示すように、LCDパネル101は電子機器100の前面に設けられ、電子機器100は、LCDパネル101が水平面に対して実質的に垂直になるように設置される。
さらに、電子機器100の内部には、電子機器100全体を制御するためのメイン回路基板(図示せず。)が組み込まれる。具体的には、メイン回路基板は、例えばプリント配線基板であって、メイン回路基板上の各回路に電源電圧を供給する電源回路と、チューナを備えた無線通信回路104と、駆動回路とを備える。ここで、無線通信回路105は、アンテナ1〜4にそれぞれ接続された無線受信回路を含み、当該無線受信回路からの4つの受信信号に対して偏波ダイバーシティ処理を行い、各受信信号を信号対雑音比に比例した重みを用いて重み付けして1つの受信信号に合成し、合成後の受信信号に含まれる映像信号及び音声信号を出力する。また、駆動回路は、LCDパネル101を駆動して、チューナからの映像信号に対して所定の画像処理を行ってLCDパネル101に画像を表示する。さらに、電子機器100には、無線通信回路104からの音声信号に対して所定の処理を行ってスピーカに出力する音声処理回路、映像信号及び音声信号のための記録装置及び再生装置、及び上述したメイン回路基板などの部品から発生する熱を低減するための放熱用金属部材などの部品を内蔵する。
図2において、LCDパネル101の接地導体102は例えば矩形形状を有する導体板であって、上側の縁端部102aと、縁端部102aに直交する右側の縁端部102bと、縁端部102aに直交する左側の縁端部102cとを有する。また、誘電体基板10は縁端部102bに固定され、誘電体基板20及び30は縁端部102aに並置されて固定され、誘電体基板40は縁端部102cに固定される。さらに、誘電体基板10,20,30,40は、例えばプリント配線基板であって、それぞれ接地導体102の表面に平行な同一の面内に固定されている。また、アンテナ1は縁端部102bに設けられ、アンテナ2は縁端部102aの右半分の領域に設けられ、アンテナ3は縁端部102aの左半分の領域に設けられ、アンテナ4は縁端部102cに設けられる。なお、図2において右方向をX軸方向といい、上方向をY軸方向という。さらに、X軸方向と反対方向を−X軸方向といい、Y軸と反対方向を−Y軸方向という。Y軸方向はX軸方向に実質的に直交する。
詳細後述するように、本実施の形態に係るアンテナ装置は、
(a)Y軸方向に実質的に平行に形成され、接地導体102の縁端部102bに設けられた給電点14から給電される放射アンテナ素子13を備えたアンテナ1と、
(b)X軸方向に実質的に平行に形成され、接地導体102の縁端部102aに設けられた給電点24から給電される放射アンテナ素子23を備えたアンテナ2と、
(c)X方向に実質的に平行に形成され、接地導体102の縁端部102aに設けられた給電点34から給電される放射アンテナ素子33を備えたアンテナ3と、
(d)Y軸方向に実質的に平行に形成され、接地導体102の縁端部102cに設けられた給電点44から給電される放射アンテナ素子43を備えたアンテナ4とを備えて構成される。
ここで、本実施の形態に係るアンテナ装置は、アンテナ1及び4が、接地導体102上の対称線103(中心垂直線)に対して左右対称に設けられ、アンテナ2及び3が、給電点24及び34が所定の距離だけ離隔するように、対称線103に対して対称に並置されたことを特徴とする。対称線103は、例えば矩形形状の導体板である接地導体102の長手方向を二分し、当該導体板の重量中心Wを通過する対称線である。ここで、対称線103は縁端部102aを二分する点102apを通過する。
図3において、アンテナ1を、誘電体基板10の左側の縁端部上の一点を座標原点O1とするX1−Y1座標系を用いて以下説明し、誘電体基板10の左側の縁端部に沿った図3の上方向への軸をY1軸とし、座標原点O1から図3の右方向への軸をX1軸とする。ここで、X1軸方向と反対方向を−X1軸方向といい、Y1軸と反対方向を−Y1軸方向という。なお、Y1軸は縁端部102bに平行である。
図3において、アンテナ1は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子11と、接地アンテナ素子12と、放射アンテナ素子13と、座標原点O1上の給電点14とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子11と、接地アンテナ素子12と、放射アンテナ素子13とは、誘電体基板10に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板10の裏面には接地導体は形成されていない。
図3において、給電アンテナ素子11は、給電点14に接続された一端と、放射アンテナ素子13の接続点13aに接続される他端とを有する。給電アンテナ素子11は、給電点14から放射アンテナ素子13と接続される他端まで実質的にX1軸方向に延在する。
また、図3において、放射アンテナ素子13は、接続点13aにおいて互いに接続された素子部分13A及び13Bから構成される。また、素子部分13Aの一端は接続点13aに接続され、素子部分13Aの他端は開放端13bである。素子部分13Aは、接続点13aから誘電体基板10の縁端部に沿って実質的に−Y1軸方向に延在した後、−X1軸方向に延在するように形成されている。
また、素子部分13Bは、接続点13aに接続された一端から、接地アンテナ素子12の一端に接続された他端13cまで、誘電体基板10の縁端部に沿って実質的にY1軸方向に延在している。さらに、図3において、接地アンテナ素子12は、素子部分13Bの他端13cに接続された一端から誘電体基板10の縁端部に沿って実質的に−X1軸方向に延在し、接地アンテナ素子12の他端12aは、縁端部102bに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ1は、接地導体102に接続された一端12aを有する接地アンテナ素子12と、接地導体102の縁端部102bに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子12の他端に接続された一端13cと開放端13bとを有する放射アンテナ素子13と、給電点14と放射アンテナ素子13上の接続点13aとを接続する給電アンテナ素子11とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ1は、第1〜第3の放射素子を含む。ここで、図3に示すように、第1の放射素子は、給電点14から給電アンテナ素子11と、接続点13aと、素子部分13Aとを介して放射アンテナ素子13の開放端13bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第1の放射素子の電気長は波長λ1の1/4波長であるλ1/4に設定され、第1の放射素子は波長λ1に対応する共振周波数f1で共振し、共振周波数f1を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第2の放射素子は、給電点14から給電アンテナ素子11と、接続点13aと、素子部分13Bと、接地アンテナ素子12とを介して接地アンテナ素子12の他端12aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第2の放射素子の電気長は波長λ2の1/2波長であるλ2/2に設定され、第2の放射素子は波長λ2に対応する共振周波数f2で共振し、共振周波数f2を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図3において、第3の放射素子は、放射アンテナ素子13の開放端13bから、素子部分13A,13Bを介して放射アンテナ素子13の他端13cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第3の放射素子は、給電アンテナ素子11を給電線路として接続点13aで給電されて励振される。また、第3の放射素子の電気長は波長λ3の1/4波長であるλ3/4に設定され、第3の放射素子は波長λ3に対応する共振周波数f3で共振し、共振周波数f3を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ1は、X1軸方向に平行な垂直偏波の電波を受信する。アンテナ1により電波を受信するとき、アンテナ1によって受信された受信信号は給電点14及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図4において、アンテナ2を、誘電体基板20の下側の縁端部上の一点を座標原点O2とするX2−Y2座標系を用いて以下説明し、誘電体基板20の下側の縁端部に沿った図4の右方向への軸をX2軸とし、座標原点O2から図4の上方向への軸をY2軸とする。ここで、X2軸方向と反対方向を−X2軸方向といい、Y2軸と反対方向を−Y2軸方向という。なお、X2軸は縁端部102aに平行である。
図4において、アンテナ2は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子21と、接地アンテナ素子22と、放射アンテナ素子23と、座標原点O2上の給電点24とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子21と、接地アンテナ素子22と、放射アンテナ素子23とは、誘電体基板20に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板20の裏面には接地導体は形成されていない。
図4において、給電アンテナ素子21は、給電点24に接続された一端と、放射アンテナ素子23の接続点23aに接続される他端とを有する。給電アンテナ素子21は、給電点24から放射アンテナ素子23と接続される他端まで実質的にY2軸方向に延在する。
また、図4において、放射アンテナ素子23は、接続点23aにおいて互いに接続された素子部分23A及び23Bから構成される。素子部分23Aは、接続点23aに接続された一端から、接地アンテナ素子22の一端に接続された他端23cまで、誘電体基板20の縁端部に沿って実質的にX2軸方向に延在している。また、素子部分23Bの一端は接続点23aに接続され、素子部分23Bの他端は開放端23bである。素子部分23Bは、接続点23aから誘電体基板10の縁端部に沿って実質的に−X2軸方向に延在した後、−Y2軸方向に延在するように形成されている。
さらに、接地アンテナ素子22は、素子部分23Aの他端23cに接続された一端から誘電体基板20の縁端部に沿って実質的に−Y2軸方向に延在した後、誘電体基板20の縁端部に沿って実質的に−X2軸方向に延在し、接地アンテナ素子22の他端22aは、縁端部102bに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ2は、接地導体102に接続された一端22aを有する接地アンテナ素子22と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子22の他端に接続された一端23cと解放端23bとを有する放射アンテナ素子23と、給電点24と放射アンテナ素子23上の接続点23aとを接続する給電アンテナ素子21とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ2は、第4〜第6の放射素子を含む。ここで、図4に示すように、第4の放射素子は、給電点24から給電アンテナ素子21と、接続点23aと、素子部分23Bとを介して放射アンテナ素子23の開放端23bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第4の放射素子の電気長は波長λ4の1/4波長であるλ4/4に設定され、第4の放射素子は波長λ4に対応する共振周波数f4で共振し、共振周波数f4を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第5の放射素子は、給電点24から給電アンテナ素子21と、素子部分23Aと、接地アンテナ素子22とを介して接地アンテナ素子22の他端22aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第5の放射素子の電気長は波長λ5の1/2波長であるλ5/2に設定され、第5の放射素子は波長λ5に対応する共振周波数f5で共振し、共振周波数f5を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図4において、第6の放射素子は、放射アンテナ素子23の開放端23bから、素子部分23B,23Aを介して放射アンテナ素子23の他端23cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第6の放射素子は、給電アンテナ素子21を給電線路として接続点23aで給電されて励振される。また、第6の放射素子の電気長は波長λ6の1/4波長であるλ6/4に設定され、第6の放射素子は波長λ6に対応する共振周波数f6で共振し、共振周波数f6を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ2は、Y2軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ2により電波を受信するとき、アンテナ2によって受信された受信信号は給電点24及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図5において、アンテナ3を、誘電体基板30の下側の縁端部上の一点を座標原点O3とするX3−Y3座標系を用いて以下説明し、誘電体基板30の下側の縁端部に沿った図5の右方向への軸をX3軸とし、座標原点O3から図5の上方向への軸をY3軸とする。ここで、X3軸方向と反対方向を−X3軸方向といい、Y3軸と反対方向を−Y3軸方向という。なお、X3軸は縁端部102aに平行である。
図5において、アンテナ3は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子31と、接地アンテナ素子32と、放射アンテナ素子33と、座標原点O3上の給電点34とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子31と、接地アンテナ素子32と、放射アンテナ素子33とは、誘電体基板30に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板30の裏面には接地導体は形成されていない。
図5において、給電アンテナ素子31は、給電点34に接続された一端と、放射アンテナ素子33の接続点33aに接続される他端とを有する。給電アンテナ素子31は、給電点34から放射アンテナ素子33と接続される他端まで実質的にY3軸方向に延在する。
図5において、放射アンテナ素子33は、接続点33aにおいて互いに接続された素子部分33A及び33Bから構成される。また、素子部分33Aは、接続点33aに接続された一端から、接地アンテナ素子32の一端に接続された他端33bまで、誘電体基板30の縁端部に沿って実質的に−X3軸方向に延在している。また、素子部分33Bの一端は接続点33aに接続され、素子部分33Bの他端は開放端33cである。素子部分33Bは、接続点33aから誘電体基板30の縁端部に沿って実質的にX3軸方向に延在した後、−Y3軸方向に延在するように形成されている。
さらに、図5において、接地アンテナ素子32は、素子部分33Aの他端33bに接続された一端から誘電体基板10の縁端部に沿って実質的に−Y3軸方向に延在した後、誘電体基板30の縁端部に沿って実質的にX3軸方向に延在し、接地アンテナ素子32の他端32aは、縁端部102cに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ3は、接地導体102に接続された一端32aを有する接地アンテナ素子32と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子32の他端に接続された一端33bと開放端33cとを有する放射アンテナ素子33と、給電点34と放射アンテナ素子33上の接続点33aとを接続する給電アンテナ素子31とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ3は、第7〜第9の放射素子を含む。ここで、図5に示すように、第7の放射素子は、給電点34から給電アンテナ素子31と、接続点33aと、素子部分33Bとを介して放射アンテナ素子33の開放端33cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第7の放射素子の電気長は波長λ7の1/4波長であるλ7/4に設定され、第7の放射素子は波長λ7に対応する共振周波数f7で共振し、共振周波数f7を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第8の放射素子は、給電点34から給電アンテナ素子31と、素子部分33Aと、接地アンテナ素子32とを介して接地アンテナ素子32の他端32aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第8の放射素子の電気長は波長λ8の1/2波長であるλ8/2に設定され、第8の放射素子は波長λ8に対応する共振周波数f8で共振し、共振周波数f8を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図5において、第9の放射素子は、放射アンテナ素子33の開放端33cから、素子部分33B,33Aを介して放射アンテナ素子33の他端33bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第9の放射素子は、給電アンテナ素子31を給電線路として接続点33aで給電されて励振される。また、第9の放射素子の電気長は波長λ9の1/4波長であるλ9/4に設定され、第9の放射素子は波長λ9に対応する共振周波数f9で共振し、共振周波数f9を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ3は、Y3軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ3により電波を受信するとき、アンテナ3によって受信された受信信号は給電点34及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図6において、アンテナ4を、誘電体基板40の右側の縁端部上の一点を座標原点O4とするX4−Y4座標系を用いて以下説明し、誘電体基板40の右側の縁端部に沿った図6の上方向への軸をY4軸とし、座標原点O4から図6の右方向への軸をX4軸とする。ここで、X4軸方向と反対方向を−X4軸方向といい、Y4軸と反対方向を−Y4軸方向という。なお、Y4軸は縁端部102cに平行である。
図6において、アンテナ4は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子41と、接地アンテナ素子42と、放射アンテナ素子43と、座標原点O4上の給電点44とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子41と、接地アンテナ素子42と、放射アンテナ素子43とは、誘電体基板40に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板40の裏面には接地導体は形成されていない。
図6において、給電アンテナ素子41は、給電点44に接続された一端と、放射アンテナ素子43の接続点43aに接続される他端とを有する。給電アンテナ素子41は、給電点44から放射アンテナ素子43と接続される他端まで実質的に−X4軸方向に延在する。
また、図6において、放射アンテナ素子43は、接続点43aにおいて互いに接続された素子部分43A及び43Bから構成される。また、素子部分43Aの一端は接続点43aに接続され、素子部分43Aの他端は開放端43bである。素子部分43Aは、接続点43aから誘電体基板40の縁端部に沿って実質的に−Y4軸方向に延在した後、X4軸方向に延在するように形成されている。
また、素子部分43Bは、接続点43aに接続された一端から、接地アンテナ素子42の一端に接続された他端43cまで、誘電体基板40の縁端部に沿って実質的にY4軸方向に延在している。さらに、図6において、接地アンテナ素子42は、素子部分43Bの他端43cに接続された一端から誘電体基板40の縁端部に沿って実質的にX4軸方向に延在し、接地アンテナ素子42の他端42aは、縁端部102cに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ4は、接地導体102に接続された一端42aを有する接地アンテナ素子42と、接地導体102の縁端部102cに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子42の他端に接続された一端43cと開放端43bとを有する放射アンテナ素子43と、給電点44と放射アンテナ素子43上の接続点43aとを接続する給電アンテナ素子41とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ4は、第10〜第12の放射素子を含む。ここで、図6に示すように、第10の放射素子は、給電点44から給電アンテナ素子41と、接続点43aと、素子部分43Aとを介して放射アンテナ素子43の開放端43bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第10の放射素子の電気長は波長λ10の1/4波長であるλ10/4に設定され、第10の放射素子は波長λ10に対応する共振周波数f10で共振し、共振周波数f10を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第11の放射素子は、給電点44から給電アンテナ素子41と、接続点43aと、素子部分43Bと、接地アンテナ素子42とを介して接地アンテナ素子42の他端42aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第11の放射素子の電気長は波長λ11の1/2波長であるλ11/2に設定され、第11の放射素子は波長λ11に対応する共振周波数f11で共振し、共振周波数f11を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図6において、第12の放射素子は、放射アンテナ素子43の開放端43bから、素子部分43A,43Bを介して放射アンテナ素子43の他端43cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第12の放射素子は、給電アンテナ素子41を給電線路として接続点43aで給電されて励振される。また、第12の放射素子の電気長は波長λ12の1/4波長であるλ12/4に設定され、第12の放射素子は波長λ12に対応する共振周波数f12で共振し、共振周波数f12を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ4は、X4軸方向に平行な水平偏波の電波を受信する。アンテナ4により電波を受信するとき、アンテナ4によって受信された受信信号は給電点44及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図7〜図10はそれぞれ、図2のアンテナ1〜4の垂直偏波の電波の指向特性を示すグラフである。また、図11〜図14は、図2のアンテナ1〜4の水平偏波の電波の指向特性を示すグラフである。図7及び図10に示すように、アンテナ1及びアンテナ4の垂直偏波の電波の指向特性は、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯全体において実質的に無指向である。
図15は、図2のアンテナ1、2、3、4の放射特性を示すグラフである。図15に示すように、各アンテナ1,2,3,4の全方位における平均利得の地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯での平均値は、−7dBd以上になった。
本実施の形態に係るアンテナ装置によれば、アンテナ1と2とは互いに隣接して設けられる。ここで、アンテナ1は水平偏波の電波を受信する一方、アンテナ2は垂直偏波の電波を受信するので、アンテナ1の受信動作に伴うグランド電流の向きと、アンテナ2の受信動作に伴うグランド電流の向きとは、互いに直交する。従って、アンテナ1と2との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、他方のアンテナからの信号混入が発生し、アンテナ1及び2を用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することを防止できる。
また、アンテナ2と3とは、縁端部102aに互いに隣接して設けられるが、アンテナ2の給電点24とアンテナ3の給電点34とが所定の距離だけ離隔するように、対称線103に対して対称に接地導体102に対して並置されるので、アンテナ2と3との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、他方のアンテナからの信号混入が発生し、アンテナ2及び3を用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することを防止できる。
さらに、アンテナ3は垂直偏波の電波を受信する一方、アンテナ4は水平偏波の電波を受信するので、アンテナ3の受信動作に伴うグランド電流の向きと、アンテナ4の受信動作に伴うグランド電流の向きとは、互いに直交する。従って、アンテナ3と4との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、他方のアンテナからの信号混入が発生し、アンテナ3及び4を用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することを防止できる。
本実施の形態によれば、4つのアンテナ1〜4を接地導体102の近傍に設けることができるので、従来技術に比較して電子機器100を小型化できる。また、4つのアンテナ1〜4を備えたアンテナ装置を格納するためのアンテナ筐体を、電子機器100の本体筐体の他に設ける必要がないので、従来技術に比較して安価で耐水性に優れている。
なお、本実施の形態において、接地導体102を4つのアンテナ1〜4のための接地導体として用いたが、本開示はこれに限られず、電子機器100のシールド板などの電子機器100の導体板を4つのアンテナ1〜4のための接地導体として用いてもよい。また、接地導体102は矩形形状を有していたが、本開示はこれに限られず、任意の形状を有していてもよい。
また、本実施の形態において、放射アンテナ素子13及び43はY軸方向に実質的に平行に形成された。さらに、放射アンテナ素子23及び33は、Y軸方向に実質的に直交するX軸方向に実質的に平行に形成された。しかしながら、本開示はこれに限られない。放射アンテナ素子13及び43は所定の第1の方向に実質的に平行に形成され、放射アンテナ素子23及び33は第1の方向と異なる第2の方向に実質的に平行に形成されればよい。これにより、隣接するアンテナ1及び2で受信される電波の偏波方向を異ならせることができるので、アンテナ1と2との間のアイソレーションをとれる。また、隣接するアンテナ3及び4で受信される電波の偏波方向を異ならせることができるので、アンテナ3と4との間のアイソレーションをとれる。なお、第2の方向が第1の方向に実質的に直交するとき、アンテナ1と2との間のアイソレーションを最も大きくでき、アンテナ3と4との間のアイソレーションを最も大きくできる。
(実施の形態1の変形例)
図17は、本開示の実施の形態1の変形例に係るアンテナ装置を示す平面図である。図18は、図17のアンテナ2Aの平面図であり、図19は、図17のアンテナ3Aの平面図である。また、図17、図18、図19において、図2、図4、図5と同じ構成要素に対しては、同符号を付与し、説明を省略する。なお、図17において右方向をX軸方向といい、上方向をY軸方向という。さらに、X軸方向と反対方向を−X軸方向といい、Y軸と反対方向を−Y軸方向という。図17において、本変形例に係るアンテナ装置は、実施の形態1に係るアンテナ装置(図2参照。)に比較して、アンテナ1,2,3,4に代えてアンテナ1A,2A,3A,4Aを備えた点が異なる。以下、実施の形態1との相違点のみを説明する。
図17において、アンテナ1A及び4Aは、接地導体102上の対称線103に対して左右対称に設けられ、アンテナ2A及び3Aは、給電点24及び34が所定の距離だけ離隔するように、対称線103に対して対称に並置される。
アンテナ1Aは、アンテナ1に比較して、給電アンテナ素子11に代えて給電アンテナ素子15を備え、放射アンテナ素子13に対する給電位置が接続点13aよりY1軸方向に設けられた点が異なる。すなわち、Y1軸方向を外側方向といい、−Y1軸方向を内側方向という場合、放射アンテナ素子13に対する給電位置は、接地導体102の縁端部102bにおいて、実施の形態1に比較して、内側方向に移動している。アンテナ1Aの給電アンテナ素子15の一端は給電点14に接続され、給電アンテナ素子15は給電点14からX1軸方向に延在した後、Y1軸方向に延在し、さらにX1軸方向に延在した後、放射アンテナ素子13の所定の接続点13dに接続されている。以上説明したように構成されたアンテナ1Aは、アンテナ1と同様に動作する。
アンテナ2Aは、アンテナ2に比較して、給電アンテナ素子41に代えて給電アンテナ素子45を備え、放射アンテナ素子43に対する給電位置が接続点43aよりY4軸方向に設けられた点が異なる。すなわち、Y4軸方向を外側方向といい、−Y4軸方向を内側方向という場合、放射アンテナ素子43に対する給電位置は、接地導体102の縁端部102cにおいて、実施の形態1に比較して、接地導体102の縁端部102c上の内側方向に移動している。アンテナ2Aの給電アンテナ素子45の一端は給電点44に接続され、給電アンテナ素子45は給電点44から−X4軸方向に延在した後、Y4軸方向に延在し、さらに−X4軸方向に延在した後、放射アンテナ素子43の所定の接続点43dに接続されている。以上説明したように構成されたアンテナ4Aは、アンテナ4と同様に動作する。
図18において、アンテナ2Aは逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子25と、接地アンテナ素子27と、放射アンテナ素子26と、給電点24とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子25と、接地アンテナ素子27と、放射アンテナ素子26とは、誘電体基板20に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板20の裏面には接地導体は形成されていない。また、アンテナ2Aの給電位置(接続点26a)は、図2のアンテナ2の給電位置(接続点23a)と比較して、対称線103に対して外側方向に設けられる。
図18において、アンテナ2Aの給電アンテナ素子25の一端は給電点24に接続され、給電アンテナ素子25は給電点24からY2軸方向に延在した後、X2軸方向に延在し、誘電体基板20の縁端部までY2軸方向に延在した後、放射アンテナ素子26の所定の接続点26aに接続されている。
図18において、放射アンテナ素子26は、接続点26aにおいて互いに接続された素子部分26A及び26Bから構成される。素子部分26Aは、接続点26aに接続された一端から、接地アンテナ素子27の一端に接続された他端26cまで、誘電体基板20の縁端部に沿って実質的に−X2軸方向に延在している。素子部分26Bは、接続点26aから誘電体基板20の縁端部に沿って実質的にX2軸方向に延在した後、−Y2軸方向に延在するように形成されている。素子部分26Bの一端は接続点26aに接続され、素子部分26Bの他端は開放端26bである。
さらに、接地アンテナ素子27は、素子部分26Aの他端26cに接続された一端から誘電体基板20の縁端部に沿って実質的に−Y2軸方向に延在し、接地アンテナ素子27の他端26aは、縁端部102aに接続されて接地されている。
上述したように、本実施の形態のアンテナ2Aは、接地導体102に接続された一端26aを有する接地アンテナ素子27と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子27の他端に接続された一端26cと開放端26bとを有する放射アンテナ素子26と、給電点24と放射アンテナ素子26上の接続点26aとを接続する給電アンテナ素子25とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ2Aは、第13〜第15の放射素子を含む。ここで、第13の放射素子は、給電点24から給電アンテナ素子25と、接続点26aと、素子部分26Bとを介して放射アンテナ素子26の開放端26bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第13の放射素子の電気長は波長λ13の1/4波長であるλ13/4に設定され、第13の放射素子は波長λ13に対応する共振周波数f13で共振し、共振周波数f13を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第14の放射素子は、給電点24から給電アンテナ素子25と、素子部分26Aと、接地アンテナ素子27とを介して接地アンテナ素子27の他端27aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第14の放射素子の電気長は波長λ14の1/2波長であるλ14/2に設定され、第14の放射素子は波長λ14に対応する共振周波数f14で共振し、共振周波数f14を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図18において、第15の放射素子は、放射アンテナ素子26の開放端26bから、素子部分26B,26Aを介して放射アンテナ素子26の他端26cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第15の放射素子は、給電アンテナ素子25を給電線路として接続点26aで給電されて励振される。また、第15の放射素子の電気長は波長λ15の1/4波長であるλ15/4に設定され、第15の放射素子は波長λ15に対応する共振周波数f15で共振し、共振周波数f15を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ2Aは、Y2軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ2Aにより電波を受信するとき、アンテナ2Aによって受信された受信信号は給電点24及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図19において、アンテナ3Aは逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子35と、接地アンテナ素子37と、放射アンテナ素子36と、給電点34とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子35と、接地アンテナ素子37と、放射アンテナ素子36とは、誘電体基板30に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板30の裏面には接地導体は形成されていない。また、アンテナ3Aの給電位置(接続点36a)は、図2のアンテナ3の給電位置(接続点33a)と比較して、対称線103に対して外側方向に設けられる。
給電アンテナ素子35の一端は給電点34に接続され、給電アンテナ素子35は給電点34からY3軸方向に延在した後、−X3軸方向に延在し、誘電体基板30の縁端部までY3軸方向に延在した後、放射アンテナ素子36の所定の接続点36aに接続されている。
図19において、放射アンテナ素子36は、接続点36aにおいて互いに接続された素子部分36A及び36Bから構成される。また、素子部分36Bの一端は接続点36aに接続され、素子部分36Bの他端は開放端36bである。素子部分36Bは、接続点36aから誘電体基板30の縁端部に沿って実質的に−X3軸方向に延在した後、−Y3軸方向に延在するように形成されている。また、素子部分36Aは、接続点36aに接続された一端から、接地アンテナ素子37の一端に接続された他端36cまで、誘電体基板30の縁端部に沿って実質的にX3軸方向に延在している。
さらに、図19において、接地アンテナ素子37は、素子部分36Bの他端36cに接続された一端から誘電体基板30の縁端部に沿って実質的に−Y3軸方向に延在し、接地アンテナ素子37の他端37aは、縁端部102aに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ3Aは、接地導体102に接続された一端37aを有する接地アンテナ素子37と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子37の他端に接続された一端36cと開放端36bとを有する放射アンテナ素子36と、給電点34と放射アンテナ素子36上の接続点36aとを接続する給電アンテナ素子35とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ3Aは、第16〜第18の放射素子を含む。ここで、図19に示すように、第16の放射素子は、給電点34から給電アンテナ素子35と、接続点36aと、素子部分36Bとを介して放射アンテナ素子36の開放端36bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第16の放射素子の電気長は波長λ16の1/4波長であるλ16/4に設定され、第16の放射素子は波長λ16に対応する共振周波数f16で共振し、共振周波数f16を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第17の放射素子は、給電点34から給電アンテナ素子35と、素子部分36Aと、接地アンテナ素子37とを介して接地アンテナ素子37の他端37aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第17の放射素子の電気長は波長λ17の1/2波長であるλ17/2に設定され、第17の放射素子は波長λ17に対応する共振周波数f17で共振し、共振周波数f17を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図19において、第18の放射素子は、放射アンテナ素子36の開放端36bから、素子部分36B,36Aを介して放射アンテナ素子36の他端36cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第18の放射素子は、給電アンテナ素子35を給電線路として接続点36aで給電されて励振される。また、第18の放射素子の電気長は波長λ18の1/4波長であるλ18/4に設定され、第18の放射素子は波長λ18に対応する共振周波数f18で共振し、共振周波数f18を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ3Aは、Y3軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ3Aにより電波を受信するとき、アンテナ3Aによって受信された受信信号は給電点34及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図20は図17のアンテナ1A,2A,3A,4Aの放射特性を示すグラフである。図20に示すように、各アンテナ1A,2A,3A,4Aの全方位における平均利得の地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯での平均値は、−7dBd以上になった。
本変形例に係るアンテナ装置によれば、アンテナ1Aと2Aとは互いに隣接して設けられる。ここで、アンテナ1Aは水平偏波の電波を受信する一方、アンテナ2Aは垂直偏波の電波を受信するので、アンテナ1Aの受信動作に伴うグランド電流の向きと、アンテナ2Aの受信動作に伴うグランド電流の向きとは、互いに直交する。従って、アンテナ1Aと2Aとの間のアイソレーションを大きくとれる。従って、他方のアンテナからの信号混入が発生し、アンテナ1A及び2Aを用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することを防止できる。
また、アンテナ2Aと3Aとは、縁端部102aに互いに隣接して設けられるが、アンテナ2Aの給電点24とアンテナ3Aの給電点34とが所定の距離だけ離隔するように、接地導体102に対して並置されるので、アンテナ2Aと3Aとの間のアイソレーションを大きくとれる。従って、他方のアンテナからの信号混入が発生し、アンテナ2及び3を用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することを防止できる。
さらに、アンテナ3Aは垂直偏波の電波を受信する一方、アンテナ4Aは水平偏波の電波を受信するので、アンテナ3Aの受信動作に伴うグランド電流の向きと、アンテナ4Aの受信動作に伴うグランド電流の向きとは、互いに直交する。従って、アンテナ3Aと4Aとの間のアイソレーションを大きくとれる。従って、他方のアンテナからの信号混入が発生し、アンテナ3A及び4Aを用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することを防止できる。
本変形例によれば、4つのアンテナ1A〜4Aを接地導体102の近傍に設けることができるので、従来技術に比較して電子機器100を小型化できる。また、4つのアンテナ1A〜4Aを備えたアンテナ装置を格納するためのアンテナ筐体を、電子機器100の本体筐体の他に設ける必要がないので、従来技術に比較して安価で耐水性に優れている。
なお、本実施の形態において、接地導体102を4つのアンテナ1A〜4Aのための接地導体として用いたが、本開示はこれに限られず、電子機器100のシールド板などの電子機器100の導体板を4つのアンテナ1A〜4Aのための接地導体として用いてもよい。また、接地導体102は矩形形状を有していたが、本開示はこれに限られず、任意の形状を有していてもよい。
また、本実施の形態において、放射アンテナ素子13及び43はY軸方向に実質的に平行に形成された。さらに、放射アンテナ素子26及び36は、Y軸方向に実質的に直交するX軸方向に実質的に平行に形成された。しかしながら、本開示はこれに限られない。放射アンテナ素子13及び43は所定の第1の方向に実質的に平行に形成され、放射アンテナ素子26及び36は第1の方向と異なる第2の方向に実質的に平行に形成されればよい。これにより、隣接するアンテナ1A及び2Aで受信される電波の偏波方向を異ならせることができるので、アンテナ1Aと2Aとの間のアイソレーションをとれる。また、隣接するアンテナ3A及び4Aで受信される電波の偏波方向を異ならせることができるので、アンテナ3Aと4Aとの間のアイソレーションをとれる。なお、第2の方向が第1の方向に実質的に直交するとき、アンテナ1Aと2Aとの間のアイソレーションを最も大きくでき、アンテナ3Aと4Aとの間のアイソレーションを最も大きくできる。
(実施の形態2)
図21は、本開示の実施の形態2に係るアンテナ装置の平面図である。本実施の形態に係るアンテナ装置は、実施の形態1に係るアンテナ装置に比較して、アンテナ1、2、3、4に代えてアンテナ201、202、203、204を備えた点が異なる。以下、実施の形態1との間の相違点のみを説明する。なお、図21において右方向をX軸方向といい、上方向をY軸方向という。さらに、X軸方向と反対方向を−X軸方向といい、Y軸と反対方向を−Y軸方向という。
図21において、誘電体基板110,120,130は、例えばプリント配線基板であって、それぞれ接地導体102の表面に平行な同一の面内に固定されている。アンテナ201は縁端部102aの右半分の領域に設けられ、アンテナ202は縁端部102aの左半分の領域に設けられ、アンテナ203は縁端部102bに設けられる。
図21において、アンテナ204はモノポールアンテナであって、放射アンテナ素子と、縁端部102aの左端部に設けられた給電点149とを備えて構成される。アンテナ204の放射アンテナ素子は、電子機器100から突出するように、縁端部102aに実質的に平行な方向(図21の左方向。)に延在する。放射アンテナ素子の電気長は、波長λmの1/4波長であるλm/4に設定されており、波長λmに対応する所定の周波数fmを有する水平偏波の電波を受信する。アンテナ204により電波を受信するとき、アンテナ204によって受信された受信信号は給電点149及び給電ケーブルを介して無線通信回路104に出力される。また、アンテナ204の受信動作に伴って発生するグランド電流は、接地導体102に流れる。
図21において、アンテナ201は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子111と、接地アンテナ素子112と、放射アンテナ素子113,114と、縁端部102aに設けられた給電点119とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子111と、接地アンテナ素子112と、放射アンテナ素子113,114とは、誘電体基板110に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板110の裏面には接地導体は形成されていない。
図21において、給電アンテナ素子111は、接続点111aにおいて互いに接続された素子部分111A及び111Bから構成される。素子部分111Aの一端は給電点119に接続され、素子部分111Aは給電点119からY軸方向に延在した後、接続点111aに接続されている。また、素子部分111Bは、接続点111aから誘電体基板110の縁端部までY軸方向に延在した後、放射アンテナ素子113の所定の接続点113aに接続されている。放射アンテナ素子114は、接続点111aから−X軸方向に延在した後、誘電体基板110の縁端部までY軸方向に延在し、放射アンテナ素子113の所定の接続点113bに接続されている。
また、図21において、放射アンテナ素子113は、素子部分113A,113B及び113Cから構成される。ここで、素子部分113Aと113Bとは接続点113bにおいて互いに接続され、素子部分113Bと113Cとは接続点113aにおいて互いに接続されている。素子部分113Bは、接続点113aから接続点113bまで、誘電体基板110の縁端部に沿って−X軸方向に実質的に平行に形成されている。
また、図21において、素子部分113Aの一端は接続点113bに接続され、素子部分113Aの他端は開放端113cである。ここで、素子部分113Aは、接続点113bから誘電体基板110の縁端部に沿って実質的に−X軸方向に延在している。さらに、素子部分113Cは、接続点113aに接続された一端から、接地アンテナ素子112の一端に接続された他端113dまで、誘電体基板110の縁端部に沿って実質的にX軸方向に延在している。さらに、図21において、接地アンテナ素子112は、素子部分113Cの他端113dに接続された一端から誘電体基板10の縁端部に沿って実質的に−Y軸方向に延在し、接地アンテナ素子112の他端112aは縁端部102aに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ201は、接地導体102に接続された一端112aを有する接地アンテナ素子112と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子112の他端に接続された一端113dを有する放射アンテナ素子113と、給電点119と放射アンテナ素子113上の接続点113aとを接続する給電アンテナ素子111と、給電アンテナ素子111上の接続点111aと放射アンテナ素子113上の接続点113bとを接続する放射アンテナ素子114とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ201は、第19〜第22の放射素子を含む。ここで、図21に示すように、第19の放射素子は、給電点119から給電アンテナ素子111と、素子部分113Bと、素子部分113Aとを介して放射アンテナ素子113の開放端113cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第19の放射素子の電気長は波長λ19の1/4波長であるλ19/4に設定され、第19の放射素子は波長λ19に対応する共振周波数f19で共振し、共振周波数f19を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第20の放射素子は、給電点119から給電アンテナ素子111と、素子部分113Cと、接地アンテナ素子112とを介して接地アンテナ素子112の他端112aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第20の放射素子の電気長は波長λ20の1/4波長であるλ20/4に設定され、第20の放射素子は波長λ20に対応する共振周波数f20で共振し、共振周波数f20を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図21において、第21の放射素子は、放射アンテナ素子113の開放端113cから、素子部分113A,113B,113Cを介して放射アンテナ素子113の他端113dまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第21の放射素子は、給電アンテナ素子111を給電線路として接続点113aで給電されて励振される。また、第21の放射素子の電気長は波長λ21の1/2波長であるλ21/2に設定され、第3の放射素子は波長λ21に対応する共振周波数f21で共振し、共振周波数f21を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第22の放射素子は、給電点119から素子部分111Aと、放射アンテナ素子114と、素子部分113Aとを介して放射アンテナ素子113の開放端113cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第22の放射素子の電気長は波長λ22の1/4波長であるλ22/4に設定され、第22の放射素子は波長λ22に対応する共振周波数f22で共振し、共振周波数f22を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ201は、Y軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ201により電波を受信するとき、アンテナ201によって受信された受信信号は給電点119及び給電ケーブルを介して無線通信回路104に出力される。また、アンテナ201の受信動作に伴って発生するグランド電流は、接地導体102に流れる。また、放射アンテナ素子114を備えるため、共振周波数ff19,f20,f21をそれぞれ有する無線信号に加えて、共振周波数f22を有する無線信号を受信できる。
図21において、アンテナ201はT型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子121と、放射アンテナ素子122,123と、結合容量Cと、縁端部102aに設けられた給電点129とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子121と、放射アンテナ素子122,123とは、誘電体基板120に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板120の裏面には接地導体は形成されていない。
図21において、給電アンテナ素子121の一端は給電点129に接続され、給電アンテナ素子121は給電点129からY軸方向に延在し、給電アンテナ素子121の他端である開放端121aは放射アンテナ素子122の一端122aと放射アンテナ素子123の一端123aとの接続点に容量結合するように近接して形成されている。ここで、給電アンテナ素子121の開放端121aと、放射アンテナ素子122及び123の各一端122a,123bの接続点との間に、結合容量Cが発生する。また、放射アンテナ素子122は、一端122aから開放端122bまで、誘電体基板120の縁端部に沿って−X軸方向に実質的に平行に形成されている。さらに、放射アンテナ素子123は、一端123aから開放端123bまで、誘電体基板120の縁端部に沿ってX軸方向に実質的に平行に形成されている。
上述したように、アンテナ201は、給電点129に接続された一端を有する給電アンテナ素子121と、接地導体1102の縁端部1102aに実質的に平行となるように形成された放射アンテナ素子122,123とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子121の他端である開放端121aは、開放端121aと、放射アンテナ素子122及び123の各一端122a,123bの接続点との間に結合容量Cが発生するように形成されている。
以上説明したように構成されたアンテナ201は、第23〜第25の放射素子を含む。ここで、図21に示すように、第23の放射素子は、給電点129から給電アンテナ素子121と、結合容量Cと、放射アンテナ素子122とを介して放射アンテナ素子122の開放端122bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第23の放射素子の電気長は波長λ23の1/4波長より長いα+λ23/4に設定され、第23の放射素子は波長λ23に対応する共振周波数f23で共振し、共振周波数f23を有する無線周波数の無線信号を受信できる。なお、電気長αは、例えばλ23/20からλ23/10までの電気長に設定される。
また、第24の放射素子は、給電点129から給電アンテナ素子121と、結合容量Cと、放射アンテナ素子123とを介して放射アンテナ素子123の開放端123bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第24の放射素子の電気長は波長λ24の1/4波長より長いβ+λ24/4に設定され、第24の放射素子は波長λ24に対応する共振周波数f24で共振し、共振周波数f24を有する無線周波数の無線信号を受信できる。なお、電気長βは、例えばλ24/20からλ24/10までの電気長に設定される。
さらに、図21において、第25の放射素子は、放射アンテナ素子122の開放端122bから、放射アンテナ素子122と、放射アンテナ素子122,123の各一端122a,123aと、放射アンテナ素子123とを介して放射アンテナ素子123の開放端123bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成され導体装荷モノポールアンテナである。第25の放射素子は、給電アンテナ素子121及び結合容量Cを給電線路として放射アンテナ素子122及び123の各一端122a,123bの接続点で給電されて励振される。また、第25の放射素子の電気長は波長λ25の1/2波長であるλ25/2に設定され、第25の放射素子は波長λ25に対応する共振周波数f25で共振し、共振周波数f25を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ201は、Y軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ201により電波を受信するとき、アンテナ201によって受信された受信信号は給電点129及び給電ケーブルを介して無線通信回路104に出力される。このとき、第25の放射素子の受信動作に伴って、接地導体102にはグランド電流は流れない。また、第23の放射素子の電気長を波長λ23の1/4波長より長いα+λ23/4に設定したので、第23の放射素子の電気長を波長λ23の1/4波長であるλ23/4に設定した場合に比較して、第23の放射素子の受信動作に伴って接地導体102に流れるグランド電流の電流量を低減できる。さらに、第24の放射素子の電気長を波長λ24の1/4波長より長いα+λ24/4に設定したので、第24の放射素子の電気長を波長λ24の1/4波長であるλ24/4に設定した場合に比較して、第24の放射素子の受信動作に伴って接地導体102に流れるグランド電流の電流量を低減できる。
さらに、結合容量Cにより、アンテナ202の受信時に励振される放射波の位相は、他のアンテナ201,203,204の受信時に励振される放射波の各位相からずれる。このため、アンテナ202と、他のアンテナ201,203,204とが電磁的に結合することを防止できる。
図21において、アンテナ203は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子131と、接地アンテナ素子132と、放射アンテナ素子133,134と、縁端部102bに設けられた給電点139とを備えて構成される。ここで、各放射アンテナ素子131〜137は、誘電体基板130に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板130の裏面には接地導体は形成されていない。
図21において、放射アンテナ素子131は、接続点131aにおいて互いに接続された素子部分131A及び131Bから構成される。素子部分131Aの一端は給電点139に接続され、素子部分131Aは給電点139からX軸方向に延在した後、素子部分131Aの他端は接続点131aに接続されている。また、素子部分131Bは、接続点131aから誘電体基板110の縁端部までX軸方向に延在した後、放射アンテナ素子133の所定の接続点133aに接続されている。放射アンテナ素子134は、接続点131aから実質的に−Y軸方向に延在した後、放射アンテナ素子133の所定の接続点133bに接続されている。
また、図21において、放射アンテナ素子133は、素子部分133A,133B及び133Cから構成される。ここで、素子部分133Aと133Bとは接続点133bにおいて互いに接続され、素子部分133Bと113Cとは接続点133aにおいて互いに接続されている。素子部分133Bは、接続点133aから接続点133bまで、誘電体基板110の縁端部に沿って−Y軸方向に実質的に平行に形成されている。
また、図21において、素子部分133Aの一端は接続点133bに接続され、素子部分133Aの他端は開放端133cである。ここで、素子部分133Aは、接続点133bから誘電体基板110の縁端部に沿って−X軸方向に延在している。さらに、素子部分133Cは、接続点133aに接続された一端から、接地アンテナ素子132の一端に接続された他端133dまで、誘電体基板110の縁端部に沿って実質的にY軸方向に延在している。さらに、図21において、接地アンテナ素子132は、放射アンテナ素子133の他端133dに接続された一端から誘電体基板110の縁端部に沿って−X軸方向に延在し、接地アンテナ素子132の他端132aは縁端部102bに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ203は、接地導体102に接続された一端132aを有する接地アンテナ素子132と、接地導体1102の縁端部1102bに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子132の他端に接続された一端を有する放射アンテナ素子133と、給電点139と放射アンテナ素子133上の接続点133aとを接続する給電アンテナ素子131と、給電アンテナ素子131上の接続点131aと放射アンテナ素子133上の接続点133bとを接続する放射アンテナ素子134とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ203は、第27〜第30の放射素子を含む。ここで、図21に示すように、第27の放射素子は、給電点139から給電アンテナ素子131と、素子部分133Bと、素子部分133Aとを介して放射アンテナ素子133の開放端133cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第27の放射素子の電気長は波長λ27の1/4波長であるλ27/4に設定され、第27の放射素子は波長λ27に対応する共振周波数f27で共振し、共振周波数f27を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第28の放射素子は、給電点139から給電アンテナ素子131と、素子部分133Cと、接地アンテナ素子132とを介して接地アンテナ素子132の他端132aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第28の放射素子の電気長は波長λ28の1/4波長であるλ28/4に設定され、第28の放射素子は波長λ28に対応する共振周波数f28で共振し、共振周波数f28を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図21において、第29の放射素子は、放射アンテナ素子133の開放端113cから、素子部分133A,133B,133Cを介して放射アンテナ素子133の他端133dまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第29の放射素子は、給電アンテナ素子131を給電線路として接続点133aで給電されて励振される。また、第29の放射素子の電気長は波長λ29の1/2波長であるλ29/2に設定され、第29の放射素子は波長λ29に対応する共振周波数f29で共振し、共振周波数f29を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第30の放射素子は、給電点139から素子部分131Aと、放射アンテナ素子134と、素子部分133Aとを介して放射アンテナ素子133の開放端133cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第30の放射素子の電気長は波長λ30の1/4波長であるλ30/4に設定され、第30の放射素子は波長λ30に対応する共振周波数f30で共振し、共振周波数f30を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ203は、X軸方向に平行な偏波方向を有する水平偏波の電波を受信する。アンテナ203により電波を受信するとき、アンテナ203によって受信された受信信号は給電点139及び給電ケーブルを介して無線通信回路104に出力される。また、アンテナ203の受信動作に伴って発生するグランド電流は、接地導体102に流れる。また、放射アンテナ素子134を備えるため、共振周波数f27,f28,f29をそれぞれ有する無線信号に加えて、共振周波数f30を有する無線信号を受信できる。
本実施の形態に係るアンテナ装置によれば、アンテナ201及び202は互いに隣接して設けられる。ここで、アンテナ201は接地導体102に接地アンテナ素子112を介して接続されているので、アンテナ201によって電波を受信するとき、当該受信に伴って接地導体102にグランド電流が流れる。一方、アンテナ201によって電波を受信するとき、第23〜第25の放射素子のうちそれぞれモノポールアンテナである第23及び第24の放射素子の受信動作に伴って接地導体102にグランド電流が流れる。しかしながら、第23の放射素子の電気長をα+λ23/4に設定し、第24の放射素子の電気長をβ+λ24/4に設定したので、第23及び第24の放射素子が電気長λ23/4及びλ24/4をそれぞれ有する場合より、グランド電流が低減される。このため、このため、アンテナ201と202との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、実質的に、アンテナ201と202の利得が低下することを防止できる。
また、アンテナ201は結合容量Cを有して構成されているので、アンテナ201の受信時に励振される放射波の位相は、他のアンテナ201,203,204の受信時に励振される放射波の各位相からずれる。このため、アンテナ201が結合容量Cを有していない場合に比較して、アンテナ201と、他のアンテナ201,203,204との間のアイソレーションを大きくとれる。
さらに、アンテナ201と203とは、互いに隣接して設けられ、アンテナ201は垂直偏波の電波を受信する一方、アンテナ203は水平偏波の電波を受信するので、アンテナ201の受信動作に伴うグランド電流の向きと、アンテナ203の受信動作に伴うグランド電流の向きとは、互いに直交する。従って、アンテナ201と203との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、実質的に、アンテナ201と203の利得が低下することを防止できる。
またさらに、アンテナ201は垂直偏波の電波を受信する一方、アンテナ204は水平偏波の電波を受信するので、アンテナ201及び204が同一の偏波の電波を受信する場合に比較して、アンテナ201と204との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、実質的に、アンテナ201と204の利得が低下することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、アンテナ201〜204を接地導体102の近傍に設けることができるので、従来技術に比較して電子機器100を小型化できる。また、アンテナ201〜204を備えたアンテナ装置を格納するためのアンテナ筐体を、電子機器100の本体筐体の他に設ける必要がないので、従来技術に比較して安価で耐水性に優れている。
なお、本実施の形態において、接地導体102をアンテナ201及び203のための接地導体として用いたが、本開示はこれに限られず、電子機器のシールド板などの電子機器の導体板をアンテナ201及び203のための接地導体として用いてもよい。また、本実施の形態において、接地導体102は矩形形状を有していたが、本開示はこれに限られず、任意の形状を有していてもよい。
(実施の形態3)
図22は、本開示の実施の形態3に係るアンテナ装置の平面図である。本実施の形態に係るアンテナ装置は、実施の形態1に係るアンテナ装置に比較して、アンテナ1、2、3、4に代えてアンテナ301、302、303、304を備えた点が異なる。以下、実施の形態1との間の相違点のみを説明する。なお、図22において右方向をX軸方向といい、上方向をY軸方向という。さらに、X軸方向と反対方向を−X軸方向といい、Y軸と反対方向を−Y軸方向という。
図22において、誘電体基板310,320,330は、例えばプリント配線基板であって、それぞれ接地導体102の表面に平行な同一の面内に固定されている。また、アンテナ401は縁端部102bに設けられ、アンテナ402は縁端部102aの右半分の領域に設けられ、アンテナ403は縁端部102aの左半分の領域に設けられる。アンテナ4は接地導体102の左上角部に設けられる。さらに、接地導体102の右下端部102sの裏側にスピーカ(図示せず。)が設けられ、接地導体102の左側に操作パネル(図示せず。)が設けられる。
図22において、アンテナ404はモノポールアンテナであって、放射アンテナ素子と、縁端部102aの左端部に設けられた給電点349とを備えて構成される。放射アンテナ素子は、電子機器100から突出するように−X軸方向に延在する。放射アンテナ素子の電気長は、波長λmの1/4波長であるλm/4に設定されており、波長λmに対応する所定の周波数fmを有する水平偏波の電波を受信する。アンテナ404により電波を受信するとき、アンテナ440によって受信された受信信号は給電点349及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図22において、アンテナ401は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子311と、接地アンテナ素子312と、放射アンテナ素子313,314と、円端部102bに設けられた給電点319とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子311と、接地アンテナ素子312と、放射アンテナ素子313,314とは、誘電体基板310に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板310の裏面には接地導体は形成されていない。
図22において、給電アンテナ素子311は、給電点319に接続された一端と、放射アンテナ素子313の所定の接続点313aに接続された分岐部311Cを含む他端とを有する。給電アンテナ素子311は、給電点319から分岐部311Cまで実質的にX軸方向に延在する。ここで、分岐部311Cは、給電アンテナ素子311の一端側から接続点313aに向かって広くなるように設定された幅を有する。
また、図22において、放射アンテナ素子313は、接続点313aにおいて互いに接続された素子部分313A及び313Bから構成される。また、素子部分313Aの一端は接続点313aに接続され、素子部分313Aの他端は開放端313bである。素子部分313Aは、接続点313aから誘電体基板310の縁端部に沿って実質的に−Y軸方向に延在している。また、素子部分313Bは、接続点313aに接続された一端から、接地アンテナ素子312の一端に接続された他端313cまで、誘電体基板310の縁端部に沿って実質的にY軸方向に延在している。さらに、図22において、接地アンテナ素子312は、素子部分313Bの他端313cに接続された一端から誘電体基板310の縁端部に沿って実質的に−X軸方向に延在し、接地アンテナ素子312の他端312aは、縁端部102bに接続されて接地されている。
図22において、放射アンテナ素子314の一端は分岐部311Cに接続され、放射アンテナ素子314の他端は開放端314aである。放射アンテナ素子314は分岐部311Cから実質的に−Y軸方向に延在している。また、放射アンテナ素子314は、素子部分313Aと電磁的に結合して動作するように、素子部分313Aに実質的に平行に形成される。
上述したように、アンテナ401は、接地導体102に接続された一端312aを有する接地アンテナ素子312と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子312の他端に接続された一端313cと開放端313bとを有する放射アンテナ素子313と、給電点319と放射アンテナ素子313上の接続点313aとを接続する給電アンテナ素子311と、放射アンテナ素子314とを備えて構成される。ここで、放射アンテナ素子314は、分岐部311Cに接続された一端と開放端314aとを有し、素子部分313Aに電磁的に結合するように形成される。
以上説明したように構成されたアンテナ401は、第30〜第34の放射素子を含む。ここで、図22に示すように、第30の放射素子は、給電点319から給電アンテナ素子311と、接続点313aと、素子部分313Aとを介して放射アンテナ素子313の開放端313bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第1の放射素子の電気長は波長λ30の1/4波長であるλ30/4に設定され、第30の放射素子は波長λ30に対応する共振周波数f30で共振し、共振周波数f30を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第31の放射素子は、給電点319から給電アンテナ素子311と、接続点313aと、素子部分313Bと、接地アンテナ素子312とを介して接地アンテナ素子312の他端312aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第31の放射素子の電気長は波長λ31の1/4波長であるλ31/4に設定され、第31の放射素子は波長λ31に対応する共振周波数f31で共振し、共振周波数f31を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図22において、第32の放射素子は、放射アンテナ素子313の開放端313bから、素子部分313A,313Bを介して放射アンテナ素子313の他端313cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第32の放射素子は、給電アンテナ素子311を給電線路として接続点313aで給電されて励振される。また、第32の放射素子の電気長は波長λ32の1/2波長であるλ32/2に設定され、第3の放射素子は波長λ32に対応する共振周波数f32で共振し、共振周波数f32を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第33の放射素子は、給電点319から給電アンテナ素子311と、放射アンテナ素子314とを介して放射アンテナ素子314の開放端314aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第33の放射素子の電気長は波長λ33の1/4波長であるλ33/4に設定され、第33の放射素子は波長λ33に対応する共振周波数f33で共振し、共振周波数f33を有する無線周波数の無線信号を受信できる。なお、波長λ33は波長λ30と異なる。
さらに、図22において、第30の放射素子と第33の放射素子とは互いに電磁的に結合して第34の放射素子として動作する。ここで、第34の放射素子は、波長λ34に対応する共振周波数f34で共振し、共振周波数f30とf33との間の共振周波数f34を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ401は、X軸方向に平行な垂直偏波の電波を受信する。アンテナ401により電波を受信するとき、アンテナ401によって受信された受信信号は給電点319及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。また、放射アンテナ素子314を備えるため、共振周波数f30,f31,f32をそれぞれ有する無線信号に加えて、共振周波数f33及びf34をそれぞれ有する無線信号を受信でき、従来技術に係る逆F型アンテナに比較して広い帯域幅を有する。
一般に、2つの放射素子により1つの帯域を構成するとき、2つの放射阻止の各共振周波数の差が比較的大きいと、帯域内にヌル点(反共振点)が発生する可能性がある。本実施の形態の場合、アンテナ401に流れる電流の経路を分岐部311Cにおいて分岐させて第30〜第34の放射素子をそれぞれ動作させるため、反共振がおきてアンテナ401の利得の周波数特性においてヌル点が生じる。本実施の形態によれば、分岐部311Cを、給電アンテナ素子311の一端側から接続点313aに向かって広くなるように設定された幅を有するように構成したので、広帯域化を図ることができる。さらに、分岐部311Cのインダクタンスを小さくしてヌル点の周波数を上げ、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯の外に移動させることができる。
図22において、アンテナ402は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子321と、接地アンテナ素子322と、放射アンテナ素子323,324と、縁端部102aに設けられた給電点329とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子321と、接地アンテナ素子322と、放射アンテナ素子323,324とは、誘電体基板320に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板320の裏面には接地導体は形成されていない。
図22において、給電アンテナ素子321の一端は給電点329に接続され、給電アンテナ素子321は給電点329からY軸方向に延在し、給電アンテナ素子321の他端は放射アンテナ素子323の接続点323aに接続されている。ここで、給電アンテナ素子321の他端は、分岐部321Cを含む。分岐部321Cは、給電アンテナ素子321の給電点329に接続された一端側から接続点323aに向かって広くなるように設定された幅を有する。放射アンテナ素子324は、分岐部321Cから−X軸方向に延在した後、誘電体基板320の縁端部までY軸方向に延在し、放射アンテナ素子323の所定の接続点323bに接続されている。
また、図22において、放射アンテナ素子323は、素子部分323A,323B及び323Cから構成される。ここで、素子部分323Aと323Bとは接続点323bにおいて互いに接続され、素子部分323Bと323Cとは接続点323aにおいて互いに接続されている。素子部分323Bは、接続点323aから接続点323bまで、誘電体基板320の縁端部に沿って−X軸方向に実質的に平行に形成されている。
また、図22において、素子部分323Aの一端は接続点323bに接続され、素子部分323Aの他端は開放端323cである。さらに、素子部分323Cは、接続点323aに接続された一端から、接地アンテナ素子322の一端に接続された他端323dまで、誘電体基板320の縁端部に沿って実質的にX軸方向に延在している。さらに、図22において、接地アンテナ素子322は、素子部分323Cの他端323dに接続された一端から誘電体基板320の縁端部に沿って実質的に−Y軸方向に延在し、接地アンテナ素子322の他端322aは縁端部102aに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ402は、接地導体102に接続された一端322aを有する接地アンテナ素子322と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子322の他端に接続された一端323dを有する放射アンテナ素子323と、給電点329と放射アンテナ素子323上の接続点323aとを接続する給電アンテナ素子321と、給電アンテナ素子321上の接続点321aと放射アンテナ素子323上の接続点323bとを接続する放射アンテナ素子324とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ402は、第35〜第38の放射素子を含む。ここで、図22に示すように、第6の放射素子は、給電点329から給電アンテナ素子321と、素子部分323Bと、素子部分323Aとを介して放射アンテナ素子323の開放端323cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第35の放射素子の電気長は波長λ35の1/4波長であるλ35/4に設定され、第35の放射素子は波長λ35に対応する共振周波数f35で共振し、共振周波数f35を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第36の放射素子は、給電点329から給電アンテナ素子321と、素子部分323Cと、接地アンテナ素子322とを介して接地アンテナ素子322の他端322aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第36の放射素子の電気長は波長λ36の1/4波長であるλ36/4に設定され、第36の放射素子は波長λ36に対応する共振周波数f36で共振し、共振周波数f36を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図22において、第37の放射素子は、放射アンテナ素子323の開放端323cから、素子部分323A,323B,323Cを介して放射アンテナ素子323の他端323dまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第37の放射素子は、給電アンテナ素子321を給電線路として接続点323aで給電されて励振される。また、第37の放射素子の電気長は波長λ37の1/2波長であるλ37/2に設定され、第37の放射素子は波長λ37に対応する共振周波数f37で共振し、共振周波数f37を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第38の放射素子は、給電点329から素子部分321Aと、放射アンテナ素子324と、素子部分323Aとを介して放射アンテナ素子323の開放端323cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第38の放射素子の電気長は波長λ38の1/4波長であるλ38/4に設定され、第38の放射素子は波長λ38に対応する共振周波数f38で共振し、共振周波数f38を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ402は、Y軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ402により電波を受信するとき、アンテナ402によって受信された受信信号は給電点329及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。また、放射アンテナ素子324を備えるため、共振周波数f35,f36,f37をそれぞれ有する無線信号に加えて、共振周波数f38を有する無線信号を受信でき、従来技術に係る逆F型アンテナに比較して広い帯域幅を有する。
また、アンテナ402に流れる電流の経路を分岐部321Cにおいて分岐させて第35〜第38の放射素子をそれぞれ動作させるため、反共振がおきてアンテナ402の利得の周波数特性においてヌル点が生じる。本実施の形態によれば、分岐部321Cを、給電アンテナ素子321の一端側から接続点323aに向かって広くなるように設定された幅を有するように構成したので、広帯域化を図ることができる。さらに、分岐部321Cのインダクタンスを小さくしてヌル点の周波数を上げ、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯の外に移動させることができる。
図22において、アンテナ403は変形逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子331と、インピーダンス調整素子332と、放射アンテナ素子323と、縁端部102aに設けられた給電点339とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子331と、インピーダンス調整素子332と、放射アンテナ素子333とは、誘電体基板330に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板330の裏面には接地導体は形成されていない。
図22において、給電アンテナ素子331の一端は給電点339に接続され、給電アンテナ素子331は誘電体基板330の縁端部までY軸方向に延在した後、放射アンテナ素子333の所定の接続点333aに接続されている。また、インピーダンス調整素子332は、接続点333aに接続された一端と、接地導体102aに接続された他端332aとを有する。インピーダンス調整素子332は、接続点333aから、X軸方向と−Y軸方向との間の所定の方向に延在した後、接地導体102aに接続される。
また、図22において、放射アンテナ素子333は、接続点333aにおいて互いに接続された素子部分333A及び333Bから構成される。素子部分333Aは、接続点333aに接続された一端から開放端333cである他端まで、誘電体基板330の縁端部に沿って実質的に−X軸方向に延在している。素子部分333Bは、接続点333aに接続された一端から、開放端333bである他端まで、誘電体基板330の縁端部に沿って実質的にX軸方向に延在している。
以上説明したように構成されたアンテナ403は、第39〜第41の放射素子を含む。ここで、図22に示すように、第39の放射素子は、給電点339から、給電アンテナ素子331と、素子部分333Aとを介して放射アンテナ素子333の開放端333cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第39の放射素子の電気長は波長λ39の1/4波長であるλ39/4に設定され、第39の放射素子は波長λ39に対応する共振周波数f39で共振し、共振周波数f39を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第40の放射素子は、給電点339から、給電アンテナ素子331と、素子部分333Bとを介して放射アンテナ素子333の開放端333bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第40の放射素子の電気長は波長λ40の1/4波長であるλ40/4に設定され、第40の放射素子は波長λ40に対応する共振周波数f40で共振し、共振周波数f40を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、第41の放射素子は、放射アンテナ素子333の開放端333cから素子部分333Aと333Bとを介して開放端333bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第41の放射素子は、給電アンテナ素子431を給電線路として接続点433aで給電されて励振される。また、第41の放射素子の電気長は波長λ41の1/2波長であるλ41/2に設定され、第141の放射素子は波長λ41に対応する共振周波数f41で共振し、共振周波数f41を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ403は、Y軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ403により電波を受信するとき、アンテナ403によって受信された受信信号は給電点339及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。インピーダンス調整素子332は接地導体102に接続されているが、上述した第39〜第41の放射素子による電波の放射には寄与しない。このため、アンテナ403により電波を受信するとき、接地導体102にグランド電流は流れない。
本実施の形態によれば、アンテナ401と402とは互いに隣接して設けられる。ここで、アンテナ401は水平偏波の電波を受信する一方、アンテナ402は垂直偏波の電波を受信するので、アンテナ401の受信動作に伴うグランド電流の向きと、アンテナ402の受信動作に伴うグランド電流の向きとは、互いに直交する。従って、アンテナ401と2との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、実質的に、アンテナ401と402の利得が低下することを防止できる。
また、アンテナ402による電波の受信時には接地導体102にグランド電流が流れるが、アンテナ402による電波の受信時には接地導体102にグランド電流は流れない。このため、アンテナ402と403との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、実質的に、アンテナ402と403の利得が低下することを防止できる。
さらに、アンテナ403は垂直偏波の電波を受信する一方、アンテナ404は水平偏波の電波を受信するので、アンテナ403及び404が同一の偏波の電波を受信する場合に比較して、アンテナ403と404との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、実質的に、アンテナ403と404の利得が低下することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、アンテナ401〜404を接地導体102及びスピーカ102sの近傍に設けることができるので、従来技術に比較して電子機器100を小型化できる。また、アンテナ401〜404を備えたアンテナ装置を格納するためのアンテナ筐体を、電子機器100の本体筐体の他に設ける必要がないので、従来技術に比較して安価で耐水性に優れている。
なお、本実施の形態において、接地導体102をアンテナ401〜403のための接地導体として用いたが、本開示はこれに限られず、電子機器のシールド板などの電子機器の導体板をアンテナ401〜403のための接地導体として用いてもよい。また、本実施の形態において、接地導体102は矩形形状を有していたが、本開示はこれに限られず、任意の形状を有していてもよい。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上述した各実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術はこれに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加又は省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上述した各実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
上記各実施の形態及び変形例において、誘電体基板10,20,30,40,110,120,130,310,320,330を、それぞれ接地導体102に平行な同一の面内に固定したが、本開示はこれに限られず、各誘電体基板、それぞれ接地導体102に平行な互いに異なる面内に固定してもよい。
また、上記各実施の形態及び変形例において、4つのアンテナを備えたアンテナ装置は、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯の電波を無線受信したが、本開示はこれに限られず、無線通信回路104からの無線信号を無線送信してもよい。
さらに、上記各実施の形態及び変形において、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯の電波を受信するための携帯型のテレビジョン放送受信装置である電子機器100を例に挙げて本開示を説明したが、本開示はこれに限られず、上述したアンテナ装置と、当該アンテナ装置を用いて無線信号を送受信する無線通信回路104と備えた無線通信装置105に適用できる。
また、本開示は、上述した無線通信装置と、当該無線通信装置によって受信された無線信号に含まれる映像信号を表示する表示装置とを備えた携帯電話機などの電子機器に適用できる。
また、上記各実施の形態及び変形において、アンテナ1〜4、1A〜4A、201、203、401、402は逆F型アンテナであったが、本開示はこれに限定されるものではない。
また、実施の形態2のアンテナ構成を実施の形態1のアンテナに適用してもよい。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
従って、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
以上説明したように、本開示に係るアンテナ装置、無線通信装置及び電子機器は、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯の電波を受信するための携帯型のテレビジョン放送受信装置に適用可能である。また、当該アンテナ装置を用いて無線信号を送受信する無線通信回路と備えた無線通信装置や、無線通信装置と、当該無線通信装置によって受信された無線信号に含まれる映像信号を表示する表示装置とを備えた携帯電話機などの電子機器等に適用可能である。
1、2、3、4、1A、2A、3A、4A アンテナ
10、20、30、40 誘電体基板
11、15、21、25、31、35、41、45 給電アンテナ素子
12、22、27、32、37、42 接地アンテナ素子
13、23、26、33、36、43 放射アンテナ素子
14、24、34、44 給電点
100 電子機器
101 LCDパネル
102 接地導体
103 対称線
本開示は、アンテナ装置と、当該アンテナ装置を備えた無線通信装置と、当該無線通信装置を備えた電子機器とに関する。
地上デジタルテレビジョン放送の放送信号などの放送信号を受信する無線通信装置と、受信された放送信号を表示する表示装置とを備えた携帯型の電子機器が普及してきている。このような電子機器において、高感度の受信を実現するための方法として、複数のアンテナ素子で受信した受信信号を同相合成する合成ダイバーシティ方式等のアダプティブ制御が用いられている。また、アダプティブ制御を行うためには、複数のアンテナを電子機器の筐体の内側又は外側に設ける必要があるが、複数のアンテナの形状及び配置方法について、様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−281906号公報
特許第3618621号公報
特開2011−151658号公報
米国特許第6686886号明細書
一般に、テレビジョン放送受信装置などの電子機器では、所望の比帯域幅は約40%であり、非常に広帯域のアンテナ装置を必要とする。しかしながら、このような電子機器においては、電子機器の小型化に伴いアンテナを電子機器内の回路基板の接地導体又はシールド板などの導体の近傍に配置せざるを得ないことが多い。この場合、各アンテナの利得が低下することがある。また、このような電子機器においては、様々な方向に対して受信感度が高いことが好ましい。しかしながら、電子機器のアンテナ装置の利得を様々な方向において高めるために同一の周波数帯域の電波を用いる複数のアンテナを用いると、アンテナ間の電磁的な結合に起因して、各アンテナにおいて他のアンテナからの信号混入が発生し、各アンテナを用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することがある。
本開示は、以上の問題点を解決し、複数のアンテナを備えかつ利得の低下を防止できるアンテナ装置と、当該アンテナ装置を備えた無線通信装置と、当該無線通信装置を備えた電子機器とを提供する。
本開示に係るアンテナ装置は、所定の第1の方向に実質的に平行に形成され、接地導体の第1の縁端部に設けられた第1の給電点から給電される第1の放射アンテナ素子を備えた第1のアンテナと、第1の方向と異なる所定の第2の方向に実質的に平行に形成され、接地導体の第2の縁端部に設けられた第2の給電点から給電される第2の放射アンテナ素子を備えた第2のアンテナと、第2の方向に実質的に平行に形成され、接地導体の第2の縁端部に設けられた第3の給電点から給電される第3の放射アンテナ素子を備えた第3のアンテナと、第1の方向に実質的に平行に形成され、接地導体の第3の縁端部に設けられた第4の給電点から給電される第4の放射アンテナ素子を備えた第4のアンテナとを備えたアンテナ装置であって、第1及び第4のアンテナは、接地導体上の所定の対称線に対して対称に設けられ、第2及び第3のアンテナは、第2及び第3の給電点が所定の距離だけ離隔するように、対称線に対して対称に並置されたことを特徴とする。
本開示に係るアンテナ装置は、利得の低下を防止できる。
本開示の実施の形態1に係る電子機器100の斜視図である。
図1の電子機器100に設けられるアンテナ1,2,3,4及び図1のLCDパネル101の接地導体102を示す平面図である。
図2のアンテナ1の平面図である。
図2のアンテナ2の平面図である。
図2のアンテナ3の平面図である。
図2のアンテナ4の平面図である。
図2のアンテナ1の垂直偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ2の垂直偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ3の垂直偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ4の垂直偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ1の水平偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ2の水平偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ3の水平偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ4の水平偏波の電波の指向特性を示すグラフである。
図2のアンテナ1,2,3,4の放射特性を示すグラフである。
図1の電子機器100の構成を示すブロック図である。
本開示の実施の形態1の変形例に係るアンテナ装置を示す平面図である。
図17のアンテナ2Aの平面図である。
図17のアンテナ3Aの平面図である。
図17のアンテナ1A,2A,3A,4Aの放射特性を示すグラフである。
本開示の実施の形態2に係るアンテナ装置の平面図である。
本開示の実施の形態3に係るアンテナ装置の平面図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
図1は、本開示の実施の形態1に係る電子機器100の斜視図であり、図16は、図1の電子機器100の構成を示すブロック図である。また、図2は、図1の電子機器100に設けられるアンテナ1,2,3,4及び図1の液晶ディスプレイパネル(以下、LCD(Liquid Crystal Display)パネルという。)の接地導体102を示す平面図である。さらに、図3、図4、図5及び図6はそれぞれ、図2のアンテナ1、2、3及び4の平面図である。
図1、図2及び図16において、本実施の形態に係る電子機器100は、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯(473MHz〜767MHz)の電波を受信するための携帯型のテレビジョン放送受信装置であって、LCDパネル101と、無線通信装置105とを備えて構成される。また、無線通信装置105は、アンテナ1,2,3,4及び接地導体102を備えたアンテナ装置と、誘電体基板10,20,30,40と、無線通信回路104とを備えて構成される。ここで、図1に示すように、LCDパネル101は電子機器100の前面に設けられ、電子機器100は、LCDパネル101が水平面に対して実質的に垂直になるように設置される。
さらに、電子機器100の内部には、電子機器100全体を制御するためのメイン回路基板(図示せず。)が組み込まれる。具体的には、メイン回路基板は、例えばプリント配線基板であって、メイン回路基板上の各回路に電源電圧を供給する電源回路と、チューナを備えた無線通信回路104と、駆動回路とを備える。ここで、無線通信回路105は、アンテナ1〜4にそれぞれ接続された無線受信回路を含み、当該無線受信回路からの4つの受信信号に対して偏波ダイバーシティ処理を行い、各受信信号を信号対雑音比に比例した重みを用いて重み付けして1つの受信信号に合成し、合成後の受信信号に含まれる映像信号及び音声信号を出力する。また、駆動回路は、LCDパネル101を駆動して、チューナからの映像信号に対して所定の画像処理を行ってLCDパネル101に画像を表示する。さらに、電子機器100には、無線通信回路104からの音声信号に対して所定の処理を行ってスピーカに出力する音声処理回路、映像信号及び音声信号のための記録装置及び再生装置、及び上述したメイン回路基板などの部品から発生する熱を低減するための放熱用金属部材などの部品を内蔵する。
図2において、LCDパネル101の接地導体102は例えば矩形形状を有する導体板であって、上側の縁端部102aと、縁端部102aに直交する右側の縁端部102bと、縁端部102aに直交する左側の縁端部102cとを有する。また、誘電体基板10は縁端部102bに固定され、誘電体基板20及び30は縁端部102aに並置されて固定され、誘電体基板40は縁端部102cに固定される。さらに、誘電体基板10,20,30,40は、例えばプリント配線基板であって、それぞれ接地導体102の表面に平行な同一の面内に固定されている。また、アンテナ1は縁端部102bに設けられ、アンテナ2は縁端部102aの右半分の領域に設けられ、アンテナ3は縁端部102aの左半分の領域に設けられ、アンテナ4は縁端部102cに設けられる。なお、図2において右方向をX軸方向といい、上方向をY軸方向という。さらに、X軸方向と反対方向を−X軸方向といい、Y軸と反対方向を−Y軸方向という。Y軸方向はX軸方向に実質的に直交する。
詳細後述するように、本実施の形態に係るアンテナ装置は、
(a)Y軸方向に実質的に平行に形成され、接地導体102の縁端部102bに設けられた給電点14から給電される放射アンテナ素子13を備えたアンテナ1と、
(b)X軸方向に実質的に平行に形成され、接地導体102の縁端部102aに設けられた給電点24から給電される放射アンテナ素子23を備えたアンテナ2と、
(c)X方向に実質的に平行に形成され、接地導体102の縁端部102aに設けられた給電点34から給電される放射アンテナ素子33を備えたアンテナ3と、
(d)Y軸方向に実質的に平行に形成され、接地導体102の縁端部102cに設けられた給電点44から給電される放射アンテナ素子43を備えたアンテナ4とを備えて構成される。
ここで、本実施の形態に係るアンテナ装置は、アンテナ1及び4が、接地導体102上の対称線103(中心垂直線)に対して左右対称に設けられ、アンテナ2及び3が、給電点24及び34が所定の距離だけ離隔するように、対称線103に対して対称に並置されたことを特徴とする。対称線103は、例えば矩形形状の導体板である接地導体102の長手方向を二分し、当該導体板の重量中心Wを通過する対称線である。ここで、対称線103は縁端部102aを二分する点102apを通過する。
図3において、アンテナ1を、誘電体基板10の左側の縁端部上の一点を座標原点O1とするX1−Y1座標系を用いて以下説明し、誘電体基板10の左側の縁端部に沿った図3の上方向への軸をY1軸とし、座標原点O1から図3の右方向への軸をX1軸とする。ここで、X1軸方向と反対方向を−X1軸方向といい、Y1軸と反対方向を−Y1軸方向という。なお、Y1軸は縁端部102bに平行である。
図3において、アンテナ1は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子11と、接地アンテナ素子12と、放射アンテナ素子13と、座標原点O1上の給電点14とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子11と、接地アンテナ素子12と、放射アンテナ素子13とは、誘電体基板10に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板10の裏面には接地導体は形成されていない。
図3において、給電アンテナ素子11は、給電点14に接続された一端と、放射アンテナ素子13の接続点13aに接続される他端とを有する。給電アンテナ素子11は、給電点14から放射アンテナ素子13と接続される他端まで実質的にX1軸方向に延在する。
また、図3において、放射アンテナ素子13は、接続点13aにおいて互いに接続された素子部分13A及び13Bから構成される。また、素子部分13Aの一端は接続点13aに接続され、素子部分13Aの他端は開放端13bである。素子部分13Aは、接続点13aから誘電体基板10の縁端部に沿って実質的に−Y1軸方向に延在した後、−X1軸方向に延在するように形成されている。
また、素子部分13Bは、接続点13aに接続された一端から、接地アンテナ素子12の一端に接続された他端13cまで、誘電体基板10の縁端部に沿って実質的にY1軸方向に延在している。さらに、図3において、接地アンテナ素子12は、素子部分13Bの他端13cに接続された一端から誘電体基板10の縁端部に沿って実質的に−X1軸方向に延在し、接地アンテナ素子12の他端12aは、縁端部102bに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ1は、接地導体102に接続された一端12aを有する接地アンテナ素子12と、接地導体102の縁端部102bに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子12の他端に接続された一端13cと開放端13bとを有する放射アンテナ素子13と、給電点14と放射アンテナ素子13上の接続点13aとを接続する給電アンテナ素子11とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ1は、第1〜第3の放射素子を含む。ここで、図3に示すように、第1の放射素子は、給電点14から給電アンテナ素子11と、接続点13aと、素子部分13Aとを介して放射アンテナ素子13の開放端13bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第1の放射素子の電気長は波長λ1の1/4波長であるλ1/4に設定され、第1の放射素子は波長λ1に対応する共振周波数f1で共振し、共振周波数f1を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第2の放射素子は、給電点14から給電アンテナ素子11と、接続点13aと、素子部分13Bと、接地アンテナ素子12とを介して接地アンテナ素子12の他端12aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第2の放射素子の電気長は波長λ2の1/2波長であるλ2/2に設定され、第2の放射素子は波長λ2に対応する共振周波数f2で共振し、共振周波数f2を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図3において、第3の放射素子は、放射アンテナ素子13の開放端13bから、素子部分13A,13Bを介して放射アンテナ素子13の他端13cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第3の放射素子は、給電アンテナ素子11を給電線路として接続点13aで給電されて励振される。また、第3の放射素子の電気長は波長λ3の1/4波長であるλ3/4に設定され、第3の放射素子は波長λ3に対応する共振周波数f3で共振し、共振周波数f3を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ1は、X1軸方向に平行な垂直偏波の電波を受信する。アンテナ1により電波を受信するとき、アンテナ1によって受信された受信信号は給電点14及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図4において、アンテナ2を、誘電体基板20の下側の縁端部上の一点を座標原点O2とするX2−Y2座標系を用いて以下説明し、誘電体基板20の下側の縁端部に沿った図4の右方向への軸をX2軸とし、座標原点O2から図4の上方向への軸をY2軸とする。ここで、X2軸方向と反対方向を−X2軸方向といい、Y2軸と反対方向を−Y2軸方向という。なお、X2軸は縁端部102aに平行である。
図4において、アンテナ2は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子21と、接地アンテナ素子22と、放射アンテナ素子23と、座標原点O2上の給電点24とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子21と、接地アンテナ素子22と、放射アンテナ素子23とは、誘電体基板20に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板20の裏面には接地導体は形成されていない。
図4において、給電アンテナ素子21は、給電点24に接続された一端と、放射アンテナ素子23の接続点23aに接続される他端とを有する。給電アンテナ素子21は、給電点24から放射アンテナ素子23と接続される他端まで実質的にY2軸方向に延在する。
また、図4において、放射アンテナ素子23は、接続点23aにおいて互いに接続された素子部分23A及び23Bから構成される。素子部分23Aは、接続点23aに接続された一端から、接地アンテナ素子22の一端に接続された他端23cまで、誘電体基板20の縁端部に沿って実質的にX2軸方向に延在している。また、素子部分23Bの一端は接続点23aに接続され、素子部分23Bの他端は開放端23bである。素子部分23Bは、接続点23aから誘電体基板10の縁端部に沿って実質的に−X2軸方向に延在した後、−Y2軸方向に延在するように形成されている。
さらに、接地アンテナ素子22は、素子部分23Aの他端23cに接続された一端から誘電体基板20の縁端部に沿って実質的に−Y2軸方向に延在した後、誘電体基板20の縁端部に沿って実質的に−X2軸方向に延在し、接地アンテナ素子22の他端22aは、縁端部102bに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ2は、接地導体102に接続された一端22aを有する接地アンテナ素子22と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子22の他端に接続された一端23cと解放端23bとを有する放射アンテナ素子23と、給電点24と放射アンテナ素子23上の接続点23aとを接続する給電アンテナ素子21とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ2は、第4〜第6の放射素子を含む。ここで、図4に示すように、第4の放射素子は、給電点24から給電アンテナ素子21と、接続点23aと、素子部分23Bとを介して放射アンテナ素子23の開放端23bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第4の放射素子の電気長は波長λ4の1/4波長であるλ4/4に設定され、第4の放射素子は波長λ4に対応する共振周波数f4で共振し、共振周波数f4を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第5の放射素子は、給電点24から給電アンテナ素子21と、素子部分23Aと、接地アンテナ素子22とを介して接地アンテナ素子22の他端22aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第5の放射素子の電気長は波長λ5の1/2波長であるλ5/2に設定され、第5の放射素子は波長λ5に対応する共振周波数f5で共振し、共振周波数f5を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図4において、第6の放射素子は、放射アンテナ素子23の開放端23bから、素子部分23B,23Aを介して放射アンテナ素子23の他端23cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第6の放射素子は、給電アンテナ素子21を給電線路として接続点23aで給電されて励振される。また、第6の放射素子の電気長は波長λ6の1/4波長であるλ6/4に設定され、第6の放射素子は波長λ6に対応する共振周波数f6で共振し、共振周波数f6を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ2は、Y2軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ2により電波を受信するとき、アンテナ2によって受信された受信信号は給電点24及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図5において、アンテナ3を、誘電体基板30の下側の縁端部上の一点を座標原点O3とするX3−Y3座標系を用いて以下説明し、誘電体基板30の下側の縁端部に沿った図5の右方向への軸をX3軸とし、座標原点O3から図5の上方向への軸をY3軸とする。ここで、X3軸方向と反対方向を−X3軸方向といい、Y3軸と反対方向を−Y3軸方向という。なお、X3軸は縁端部102aに平行である。
図5において、アンテナ3は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子31と、接地アンテナ素子32と、放射アンテナ素子33と、座標原点O3上の給電点34とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子31と、接地アンテナ素子32と、放射アンテナ素子33とは、誘電体基板30に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板30の裏面には接地導体は形成されていない。
図5において、給電アンテナ素子31は、給電点34に接続された一端と、放射アンテナ素子33の接続点33aに接続される他端とを有する。給電アンテナ素子31は、給電点34から放射アンテナ素子33と接続される他端まで実質的にY3軸方向に延在する。
図5において、放射アンテナ素子33は、接続点33aにおいて互いに接続された素子部分33A及び33Bから構成される。また、素子部分33Aは、接続点33aに接続された一端から、接地アンテナ素子32の一端に接続された他端33bまで、誘電体基板30の縁端部に沿って実質的に−X3軸方向に延在している。また、素子部分33Bの一端は接続点33aに接続され、素子部分33Bの他端は開放端33cである。素子部分33Bは、接続点33aから誘電体基板30の縁端部に沿って実質的にX3軸方向に延在した後、−Y3軸方向に延在するように形成されている。
さらに、図5において、接地アンテナ素子32は、素子部分33Aの他端33bに接続された一端から誘電体基板10の縁端部に沿って実質的に−Y3軸方向に延在した後、誘電体基板30の縁端部に沿って実質的にX3軸方向に延在し、接地アンテナ素子32の他端32aは、縁端部102cに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ3は、接地導体102に接続された一端32aを有する接地アンテナ素子32と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子32の他端に接続された一端33bと開放端33cとを有する放射アンテナ素子33と、給電点34と放射アンテナ素子33上の接続点33aとを接続する給電アンテナ素子31とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ3は、第7〜第9の放射素子を含む。ここで、図5に示すように、第7の放射素子は、給電点34から給電アンテナ素子31と、接続点33aと、素子部分33Bとを介して放射アンテナ素子33の開放端33cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第7の放射素子の電気長は波長λ7の1/4波長であるλ7/4に設定され、第7の放射素子は波長λ7に対応する共振周波数f7で共振し、共振周波数f7を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第8の放射素子は、給電点34から給電アンテナ素子31と、素子部分33Aと、接地アンテナ素子32とを介して接地アンテナ素子32の他端32aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第8の放射素子の電気長は波長λ8の1/2波長であるλ8/2に設定され、第8の放射素子は波長λ8に対応する共振周波数f8で共振し、共振周波数f8を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図5において、第9の放射素子は、放射アンテナ素子33の開放端33cから、素子部分33B,33Aを介して放射アンテナ素子33の他端33bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第9の放射素子は、給電アンテナ素子31を給電線路として接続点33aで給電されて励振される。また、第9の放射素子の電気長は波長λ9の1/4波長であるλ9/4に設定され、第9の放射素子は波長λ9に対応する共振周波数f9で共振し、共振周波数f9を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ3は、Y3軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ3により電波を受信するとき、アンテナ3によって受信された受信信号は給電点34及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図6において、アンテナ4を、誘電体基板40の右側の縁端部上の一点を座標原点O4とするX4−Y4座標系を用いて以下説明し、誘電体基板40の右側の縁端部に沿った図6の上方向への軸をY4軸とし、座標原点O4から図6の右方向への軸をX4軸とする。ここで、X4軸方向と反対方向を−X4軸方向といい、Y4軸と反対方向を−Y4軸方向という。なお、Y4軸は縁端部102cに平行である。
図6において、アンテナ4は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子41と、接地アンテナ素子42と、放射アンテナ素子43と、座標原点O4上の給電点44とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子41と、接地アンテナ素子42と、放射アンテナ素子43とは、誘電体基板40に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板40の裏面には接地導体は形成されていない。
図6において、給電アンテナ素子41は、給電点44に接続された一端と、放射アンテナ素子43の接続点43aに接続される他端とを有する。給電アンテナ素子41は、給電点44から放射アンテナ素子43と接続される他端まで実質的に−X4軸方向に延在する。
また、図6において、放射アンテナ素子43は、接続点43aにおいて互いに接続された素子部分43A及び43Bから構成される。また、素子部分43Aの一端は接続点43aに接続され、素子部分43Aの他端は開放端43bである。素子部分43Aは、接続点43aから誘電体基板40の縁端部に沿って実質的に−Y4軸方向に延在した後、X4軸方向に延在するように形成されている。
また、素子部分43Bは、接続点43aに接続された一端から、接地アンテナ素子42の一端に接続された他端43cまで、誘電体基板40の縁端部に沿って実質的にY4軸方向に延在している。さらに、図6において、接地アンテナ素子42は、素子部分43Bの他端43cに接続された一端から誘電体基板40の縁端部に沿って実質的にX4軸方向に延在し、接地アンテナ素子42の他端42aは、縁端部102cに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ4は、接地導体102に接続された一端42aを有する接地アンテナ素子42と、接地導体102の縁端部102cに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子42の他端に接続された一端43cと開放端43bとを有する放射アンテナ素子43と、給電点44と放射アンテナ素子43上の接続点43aとを接続する給電アンテナ素子41とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ4は、第10〜第12の放射素子を含む。ここで、図6に示すように、第10の放射素子は、給電点44から給電アンテナ素子41と、接続点43aと、素子部分43Aとを介して放射アンテナ素子43の開放端43bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第10の放射素子の電気長は波長λ10の1/4波長であるλ10/4に設定され、第10の放射素子は波長λ10に対応する共振周波数f10で共振し、共振周波数f10を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第11の放射素子は、給電点44から給電アンテナ素子41と、接続点43aと、素子部分43Bと、接地アンテナ素子42とを介して接地アンテナ素子42の他端42aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第11の放射素子の電気長は波長λ11の1/2波長であるλ11/2に設定され、第11の放射素子は波長λ11に対応する共振周波数f11で共振し、共振周波数f11を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図6において、第12の放射素子は、放射アンテナ素子43の開放端43bから、素子部分43A,43Bを介して放射アンテナ素子43の他端43cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第12の放射素子は、給電アンテナ素子41を給電線路として接続点43aで給電されて励振される。また、第12の放射素子の電気長は波長λ12の1/4波長であるλ12/4に設定され、第12の放射素子は波長λ12に対応する共振周波数f12で共振し、共振周波数f12を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ4は、X4軸方向に平行な水平偏波の電波を受信する。アンテナ4により電波を受信するとき、アンテナ4によって受信された受信信号は給電点44及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図7〜図10はそれぞれ、図2のアンテナ1〜4の垂直偏波の電波の指向特性を示すグラフである。また、図11〜図14は、図2のアンテナ1〜4の水平偏波の電波の指向特性を示すグラフである。図7及び図10に示すように、アンテナ1及びアンテナ4の垂直偏波の電波の指向特性は、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯全体において実質的に無指向である。
図15は、図2のアンテナ1、2、3、4の放射特性を示すグラフである。図15に示すように、各アンテナ1,2,3,4の全方位における平均利得の地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯での平均値は、−7dBd以上になった。
本実施の形態に係るアンテナ装置によれば、アンテナ1と2とは互いに隣接して設けられる。ここで、アンテナ1は水平偏波の電波を受信する一方、アンテナ2は垂直偏波の電波を受信するので、アンテナ1の受信動作に伴うグランド電流の向きと、アンテナ2の受信動作に伴うグランド電流の向きとは、互いに直交する。従って、アンテナ1と2との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、他方のアンテナからの信号混入が発生し、アンテナ1及び2を用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することを防止できる。
また、アンテナ2と3とは、縁端部102aに互いに隣接して設けられるが、アンテナ2の給電点24とアンテナ3の給電点34とが所定の距離だけ離隔するように、対称線103に対して対称に接地導体102に対して並置されるので、アンテナ2と3との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、他方のアンテナからの信号混入が発生し、アンテナ2及び3を用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することを防止できる。
さらに、アンテナ3は垂直偏波の電波を受信する一方、アンテナ4は水平偏波の電波を受信するので、アンテナ3の受信動作に伴うグランド電流の向きと、アンテナ4の受信動作に伴うグランド電流の向きとは、互いに直交する。従って、アンテナ3と4との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、他方のアンテナからの信号混入が発生し、アンテナ3及び4を用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することを防止できる。
本実施の形態によれば、4つのアンテナ1〜4を接地導体102の近傍に設けることができるので、従来技術に比較して電子機器100を小型化できる。また、4つのアンテナ1〜4を備えたアンテナ装置を格納するためのアンテナ筐体を、電子機器100の本体筐体の他に設ける必要がないので、従来技術に比較して安価で耐水性に優れている。
なお、本実施の形態において、接地導体102を4つのアンテナ1〜4のための接地導体として用いたが、本開示はこれに限られず、電子機器100のシールド板などの電子機器100の導体板を4つのアンテナ1〜4のための接地導体として用いてもよい。また、接地導体102は矩形形状を有していたが、本開示はこれに限られず、任意の形状を有していてもよい。
また、本実施の形態において、放射アンテナ素子13及び43はY軸方向に実質的に平行に形成された。さらに、放射アンテナ素子23及び33は、Y軸方向に実質的に直交するX軸方向に実質的に平行に形成された。しかしながら、本開示はこれに限られない。放射アンテナ素子13及び43は所定の第1の方向に実質的に平行に形成され、放射アンテナ素子23及び33は第1の方向と異なる第2の方向に実質的に平行に形成されればよい。これにより、隣接するアンテナ1及び2で受信される電波の偏波方向を異ならせることができるので、アンテナ1と2との間のアイソレーションをとれる。また、隣接するアンテナ3及び4で受信される電波の偏波方向を異ならせることができるので、アンテナ3と4との間のアイソレーションをとれる。なお、第2の方向が第1の方向に実質的に直交するとき、アンテナ1と2との間のアイソレーションを最も大きくでき、アンテナ3と4との間のアイソレーションを最も大きくできる。
(実施の形態1の変形例)
図17は、本開示の実施の形態1の変形例に係るアンテナ装置を示す平面図である。図18は、図17のアンテナ2Aの平面図であり、図19は、図17のアンテナ3Aの平面図である。また、図17、図18、図19において、図2、図4、図5と同じ構成要素に対しては、同符号を付与し、説明を省略する。なお、図17において右方向をX軸方向といい、上方向をY軸方向という。さらに、X軸方向と反対方向を−X軸方向といい、Y軸と反対方向を−Y軸方向という。図17において、本変形例に係るアンテナ装置は、実施の形態1に係るアンテナ装置(図2参照。)に比較して、アンテナ1,2,3,4に代えてアンテナ1A,2A,3A,4Aを備えた点が異なる。以下、実施の形態1との相違点のみを説明する。
図17において、アンテナ1A及び4Aは、接地導体102上の対称線103に対して左右対称に設けられ、アンテナ2A及び3Aは、給電点24及び34が所定の距離だけ離隔するように、対称線103に対して対称に並置される。
アンテナ1Aは、アンテナ1に比較して、給電アンテナ素子11に代えて給電アンテナ素子15を備え、放射アンテナ素子13に対する給電位置が接続点13aよりY1軸方向に設けられた点が異なる。すなわち、Y1軸方向を外側方向といい、−Y1軸方向を内側方向という場合、放射アンテナ素子13に対する給電位置は、接地導体102の縁端部102bにおいて、実施の形態1に比較して、内側方向に移動している。アンテナ1Aの給電アンテナ素子15の一端は給電点14に接続され、給電アンテナ素子15は給電点14からX1軸方向に延在した後、Y1軸方向に延在し、さらにX1軸方向に延在した後、放射アンテナ素子13の所定の接続点13dに接続されている。以上説明したように構成されたアンテナ1Aは、アンテナ1と同様に動作する。
アンテナ4Aは、アンテナ4に比較して、給電アンテナ素子41に代えて給電アンテナ素子45を備え、放射アンテナ素子43に対する給電位置が接続点43aよりY4軸方向に設けられた点が異なる。すなわち、Y4軸方向を外側方向といい、−Y4軸方向を内側方向という場合、放射アンテナ素子43に対する給電位置は、接地導体102の縁端部102cにおいて、実施の形態1に比較して、接地導体102の縁端部102c上の内側方向に移動している。アンテナ4Aの給電アンテナ素子45の一端は給電点44に接続され、給電アンテナ素子45は給電点44から−X4軸方向に延在した後、Y4軸方向に延在し、さらに−X4軸方向に延在した後、放射アンテナ素子43の所定の接続点43dに接続されている。以上説明したように構成されたアンテナ4Aは、アンテナ4と同様に動作する。
図18において、アンテナ2Aは逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子25と、接地アンテナ素子27と、放射アンテナ素子26と、給電点24とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子25と、接地アンテナ素子27と、放射アンテナ素子26とは、誘電体基板20に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板20の裏面には接地導体は形成されていない。また、アンテナ2Aの給電位置(接続点26a)は、図2のアンテナ2の給電位置(接続点23a)と比較して、対称線103に対して外側方向に設けられる。
図18において、アンテナ2Aの給電アンテナ素子25の一端は給電点24に接続され、給電アンテナ素子25は給電点24からY2軸方向に延在した後、X2軸方向に延在し、誘電体基板20の縁端部までY2軸方向に延在した後、放射アンテナ素子26の所定の接続点26aに接続されている。
図18において、放射アンテナ素子26は、接続点26aにおいて互いに接続された素子部分26A及び26Bから構成される。素子部分26Aは、接続点26aに接続された一端から、接地アンテナ素子27の一端に接続された他端26cまで、誘電体基板20の縁端部に沿って実質的に−X2軸方向に延在している。素子部分26Bは、接続点26aから誘電体基板20の縁端部に沿って実質的にX2軸方向に延在した後、−Y2軸方向に延在するように形成されている。素子部分26Bの一端は接続点26aに接続され、素子部分26Bの他端は開放端26bである。
さらに、接地アンテナ素子27は、素子部分26Aの他端26cに接続された一端から誘電体基板20の縁端部に沿って実質的に−Y2軸方向に延在し、接地アンテナ素子27の他端26aは、縁端部102aに接続されて接地されている。
上述したように、本実施の形態のアンテナ2Aは、接地導体102に接続された一端27aを有する接地アンテナ素子27と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子27の他端に接続された一端26cと開放端26bとを有する放射アンテナ素子26と、給電点24と放射アンテナ素子26上の接続点26aとを接続する給電アンテナ素子25とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ2Aは、第13〜第15の放射素子を含む。ここで、第13の放射素子は、給電点24から給電アンテナ素子25と、接続点26aと、素子部分26Bとを介して放射アンテナ素子26の開放端26bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第13の放射素子の電気長は波長λ13の1/4波長であるλ13/4に設定され、第13の放射素子は波長λ13に対応する共振周波数f13で共振し、共振周波数f13を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第14の放射素子は、給電点24から給電アンテナ素子25と、素子部分26Aと、接地アンテナ素子27とを介して接地アンテナ素子27の他端27aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第14の放射素子の電気長は波長λ14の1/2波長であるλ14/2に設定され、第14の放射素子は波長λ14に対応する共振周波数f14で共振し、共振周波数f14を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図18において、第15の放射素子は、放射アンテナ素子26の開放端26bから、素子部分26B,26Aを介して放射アンテナ素子26の他端26cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第15の放射素子は、給電アンテナ素子25を給電線路として接続点26aで給電されて励振される。また、第15の放射素子の電気長は波長λ15の1/4波長であるλ15/4に設定され、第15の放射素子は波長λ15に対応する共振周波数f15で共振し、共振周波数f15を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ2Aは、Y2軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ2Aにより電波を受信するとき、アンテナ2Aによって受信された受信信号は給電点24及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図19において、アンテナ3Aは逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子35と、接地アンテナ素子37と、放射アンテナ素子36と、給電点34とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子35と、接地アンテナ素子37と、放射アンテナ素子36とは、誘電体基板30に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板30の裏面には接地導体は形成されていない。また、アンテナ3Aの給電位置(接続点36a)は、図2のアンテナ3の給電位置(接続点33a)と比較して、対称線103に対して外側方向に設けられる。
給電アンテナ素子35の一端は給電点34に接続され、給電アンテナ素子35は給電点34からY3軸方向に延在した後、−X3軸方向に延在し、誘電体基板30の縁端部までY3軸方向に延在した後、放射アンテナ素子36の所定の接続点36aに接続されている。
図19において、放射アンテナ素子36は、接続点36aにおいて互いに接続された素子部分36A及び36Bから構成される。また、素子部分36Bの一端は接続点36aに接続され、素子部分36Bの他端は開放端36bである。素子部分36Bは、接続点36aから誘電体基板30の縁端部に沿って実質的に−X3軸方向に延在した後、−Y3軸方向に延在するように形成されている。また、素子部分36Aは、接続点36aに接続された一端から、接地アンテナ素子37の一端に接続された他端36cまで、誘電体基板30の縁端部に沿って実質的にX3軸方向に延在している。
さらに、図19において、接地アンテナ素子37は、素子部分36Bの他端36cに接続された一端から誘電体基板30の縁端部に沿って実質的に−Y3軸方向に延在し、接地アンテナ素子37の他端37aは、縁端部102aに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ3Aは、接地導体102に接続された一端37aを有する接地アンテナ素子37と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子37の他端に接続された一端36cと開放端36bとを有する放射アンテナ素子36と、給電点34と放射アンテナ素子36上の接続点36aとを接続する給電アンテナ素子35とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ3Aは、第16〜第18の放射素子を含む。ここで、図19に示すように、第16の放射素子は、給電点34から給電アンテナ素子35と、接続点36aと、素子部分36Bとを介して放射アンテナ素子36の開放端36bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第16の放射素子の電気長は波長λ16の1/4波長であるλ16/4に設定され、第16の放射素子は波長λ16に対応する共振周波数f16で共振し、共振周波数f16を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第17の放射素子は、給電点34から給電アンテナ素子35と、素子部分36Aと、接地アンテナ素子37とを介して接地アンテナ素子37の他端37aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第17の放射素子の電気長は波長λ17の1/2波長であるλ17/2に設定され、第17の放射素子は波長λ17に対応する共振周波数f17で共振し、共振周波数f17を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図19において、第18の放射素子は、放射アンテナ素子36の開放端36bから、素子部分36B,36Aを介して放射アンテナ素子36の他端36cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第18の放射素子は、給電アンテナ素子35を給電線路として接続点36aで給電されて励振される。また、第18の放射素子の電気長は波長λ18の1/4波長であるλ18/4に設定され、第18の放射素子は波長λ18に対応する共振周波数f18で共振し、共振周波数f18を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ3Aは、Y3軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ3Aにより電波を受信するとき、アンテナ3Aによって受信された受信信号は給電点34及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図20は図17のアンテナ1A,2A,3A,4Aの放射特性を示すグラフである。図20に示すように、各アンテナ1A,2A,3A,4Aの全方位における平均利得の地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯での平均値は、−7dBd以上になった。
本変形例に係るアンテナ装置によれば、アンテナ1Aと2Aとは互いに隣接して設けられる。ここで、アンテナ1Aは水平偏波の電波を受信する一方、アンテナ2Aは垂直偏波の電波を受信するので、アンテナ1Aの受信動作に伴うグランド電流の向きと、アンテナ2Aの受信動作に伴うグランド電流の向きとは、互いに直交する。従って、アンテナ1Aと2Aとの間のアイソレーションを大きくとれる。従って、他方のアンテナからの信号混入が発生し、アンテナ1A及び2Aを用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することを防止できる。
また、アンテナ2Aと3Aとは、縁端部102aに互いに隣接して設けられるが、アンテナ2Aの給電点24とアンテナ3Aの給電点34とが所定の距離だけ離隔するように、接地導体102に対して並置されるので、アンテナ2Aと3Aとの間のアイソレーションを大きくとれる。従って、他方のアンテナからの信号混入が発生し、アンテナ2及び3を用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することを防止できる。
さらに、アンテナ3Aは垂直偏波の電波を受信する一方、アンテナ4Aは水平偏波の電波を受信するので、アンテナ3Aの受信動作に伴うグランド電流の向きと、アンテナ4Aの受信動作に伴うグランド電流の向きとは、互いに直交する。従って、アンテナ3Aと4Aとの間のアイソレーションを大きくとれる。従って、他方のアンテナからの信号混入が発生し、アンテナ3A及び4Aを用いて受信するときの信号対雑音比が低下し、実質的に利得が低下することを防止できる。
本変形例によれば、4つのアンテナ1A〜4Aを接地導体102の近傍に設けることができるので、従来技術に比較して電子機器100を小型化できる。また、4つのアンテナ1A〜4Aを備えたアンテナ装置を格納するためのアンテナ筐体を、電子機器100の本体筐体の他に設ける必要がないので、従来技術に比較して安価で耐水性に優れている。
なお、本実施の形態において、接地導体102を4つのアンテナ1A〜4Aのための接地導体として用いたが、本開示はこれに限られず、電子機器100のシールド板などの電子機器100の導体板を4つのアンテナ1A〜4Aのための接地導体として用いてもよい。また、接地導体102は矩形形状を有していたが、本開示はこれに限られず、任意の形状を有していてもよい。
また、本実施の形態において、放射アンテナ素子13及び43はY軸方向に実質的に平行に形成された。さらに、放射アンテナ素子26及び36は、Y軸方向に実質的に直交するX軸方向に実質的に平行に形成された。しかしながら、本開示はこれに限られない。放射アンテナ素子13及び43は所定の第1の方向に実質的に平行に形成され、放射アンテナ素子26及び36は第1の方向と異なる第2の方向に実質的に平行に形成されればよい。これにより、隣接するアンテナ1A及び2Aで受信される電波の偏波方向を異ならせることができるので、アンテナ1Aと2Aとの間のアイソレーションをとれる。また、隣接するアンテナ3A及び4Aで受信される電波の偏波方向を異ならせることができるので、アンテナ3Aと4Aとの間のアイソレーションをとれる。なお、第2の方向が第1の方向に実質的に直交するとき、アンテナ1Aと2Aとの間のアイソレーションを最も大きくでき、アンテナ3Aと4Aとの間のアイソレーションを最も大きくできる。
(実施の形態2)
図21は、本開示の実施の形態2に係るアンテナ装置の平面図である。本実施の形態に係るアンテナ装置は、実施の形態1に係るアンテナ装置に比較して、アンテナ1、2、3、4に代えてアンテナ201、202、203、204を備えた点が異なる。以下、実施の形態1との間の相違点のみを説明する。なお、図21において右方向をX軸方向といい、上方向をY軸方向という。さらに、X軸方向と反対方向を−X軸方向といい、Y軸と反対方向を−Y軸方向という。
図21において、誘電体基板110,120,130は、例えばプリント配線基板であって、それぞれ接地導体102の表面に平行な同一の面内に固定されている。アンテナ201は縁端部102aの右半分の領域に設けられ、アンテナ202は縁端部102aの左半分の領域に設けられ、アンテナ203は縁端部102bに設けられる。
図21において、アンテナ204はモノポールアンテナであって、放射アンテナ素子と、縁端部102aの左端部に設けられた給電点149とを備えて構成される。アンテナ204の放射アンテナ素子は、電子機器100から突出するように、縁端部102aに実質的に平行な方向(図21の左方向。)に延在する。放射アンテナ素子の電気長は、波長λmの1/4波長であるλm/4に設定されており、波長λmに対応する所定の周波数fmを有する水平偏波の電波を受信する。アンテナ204により電波を受信するとき、アンテナ204によって受信された受信信号は給電点149及び給電ケーブルを介して無線通信回路104に出力される。また、アンテナ204の受信動作に伴って発生するグランド電流は、接地導体102に流れる。
図21において、アンテナ201は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子111と、接地アンテナ素子112と、放射アンテナ素子113,114と、縁端部102aに設けられた給電点119とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子111と、接地アンテナ素子112と、放射アンテナ素子113,114とは、誘電体基板110に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板110の裏面には接地導体は形成されていない。
図21において、給電アンテナ素子111は、接続点111aにおいて互いに接続された素子部分111A及び111Bから構成される。素子部分111Aの一端は給電点119に接続され、素子部分111Aは給電点119からY軸方向に延在した後、接続点111aに接続されている。また、素子部分111Bは、接続点111aから誘電体基板110の縁端部までY軸方向に延在した後、放射アンテナ素子113の所定の接続点113aに接続されている。放射アンテナ素子114は、接続点111aから−X軸方向に延在した後、誘電体基板110の縁端部までY軸方向に延在し、放射アンテナ素子113の所定の接続点113bに接続されている。
また、図21において、放射アンテナ素子113は、素子部分113A,113B及び113Cから構成される。ここで、素子部分113Aと113Bとは接続点113bにおいて互いに接続され、素子部分113Bと113Cとは接続点113aにおいて互いに接続されている。素子部分113Bは、接続点113aから接続点113bまで、誘電体基板110の縁端部に沿って−X軸方向に実質的に平行に形成されている。
また、図21において、素子部分113Aの一端は接続点113bに接続され、素子部分113Aの他端は開放端113cである。ここで、素子部分113Aは、接続点113bから誘電体基板110の縁端部に沿って実質的に−X軸方向に延在している。さらに、素子部分113Cは、接続点113aに接続された一端から、接地アンテナ素子112の一端に接続された他端113dまで、誘電体基板110の縁端部に沿って実質的にX軸方向に延在している。さらに、図21において、接地アンテナ素子112は、素子部分113Cの他端113dに接続された一端から誘電体基板10の縁端部に沿って実質的に−Y軸方向に延在し、接地アンテナ素子112の他端112aは縁端部102aに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ201は、接地導体102に接続された一端112aを有する接地アンテナ素子112と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子112の他端に接続された一端113dを有する放射アンテナ素子113と、給電点119と放射アンテナ素子113上の接続点113aとを接続する給電アンテナ素子111と、給電アンテナ素子111上の接続点111aと放射アンテナ素子113上の接続点113bとを接続する放射アンテナ素子114とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ201は、第19〜第22の放射素子を含む。ここで、図21に示すように、第19の放射素子は、給電点119から給電アンテナ素子111と、素子部分113Bと、素子部分113Aとを介して放射アンテナ素子113の開放端113cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第19の放射素子の電気長は波長λ19の1/4波長であるλ19/4に設定され、第19の放射素子は波長λ19に対応する共振周波数f19で共振し、共振周波数f19を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第20の放射素子は、給電点119から給電アンテナ素子111と、素子部分113Cと、接地アンテナ素子112とを介して接地アンテナ素子112の他端112aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第20の放射素子の電気長は波長λ20の1/4波長であるλ20/4に設定され、第20の放射素子は波長λ20に対応する共振周波数f20で共振し、共振周波数f20を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図21において、第21の放射素子は、放射アンテナ素子113の開放端113cから、素子部分113A,113B,113Cを介して放射アンテナ素子113の他端113dまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第21の放射素子は、給電アンテナ素子111を給電線路として接続点113aで給電されて励振される。また、第21の放射素子の電気長は波長λ21の1/2波長であるλ21/2に設定され、第21の放射素子は波長λ21に対応する共振周波数f21で共振し、共振周波数f21を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第22の放射素子は、給電点119から素子部分111Aと、放射アンテナ素子114と、素子部分113Aとを介して放射アンテナ素子113の開放端113cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第22の放射素子の電気長は波長λ22の1/4波長であるλ22/4に設定され、第22の放射素子は波長λ22に対応する共振周波数f22で共振し、共振周波数f22を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ201は、Y軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ201により電波を受信するとき、アンテナ201によって受信された受信信号は給電点119及び給電ケーブルを介して無線通信回路104に出力される。また、アンテナ201の受信動作に伴って発生するグランド電流は、接地導体102に流れる。また、放射アンテナ素子114を備えるため、共振周波数f19,f20,f21をそれぞれ有する無線信号に加えて、共振周波数f22を有する無線信号を受信できる。
図21において、アンテナ201はT型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子121と、放射アンテナ素子122,123と、結合容量Cと、縁端部102aに設けられた給電点129とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子121と、放射アンテナ素子122,123とは、誘電体基板120に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板120の裏面には接地導体は形成されていない。
図21において、給電アンテナ素子121の一端は給電点129に接続され、給電アンテナ素子121は給電点129からY軸方向に延在し、給電アンテナ素子121の他端である開放端121aは放射アンテナ素子122の一端122aと放射アンテナ素子123の一端123aとの接続点に容量結合するように近接して形成されている。ここで、給電アンテナ素子121の開放端121aと、放射アンテナ素子122及び123の各一端122a,123bの接続点との間に、結合容量Cが発生する。また、放射アンテナ素子122は、一端122aから開放端122bまで、誘電体基板120の縁端部に沿って−X軸方向に実質的に平行に形成されている。さらに、放射アンテナ素子123は、一端123aから開放端123bまで、誘電体基板120の縁端部に沿ってX軸方向に実質的に平行に形成されている。
上述したように、アンテナ201は、給電点129に接続された一端を有する給電アンテナ素子121と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成された放射アンテナ素子122,123とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子121の他端である開放端121aは、開放端121aと、放射アンテナ素子122及び123の各一端122a,123bの接続点との間に結合容量Cが発生するように形成されている。
以上説明したように構成されたアンテナ201は、第23〜第25の放射素子を含む。ここで、図21に示すように、第23の放射素子は、給電点129から給電アンテナ素子121と、結合容量Cと、放射アンテナ素子122とを介して放射アンテナ素子122の開放端122bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第23の放射素子の電気長は波長λ23の1/4波長より長いα+λ23/4に設定され、第23の放射素子は波長λ23に対応する共振周波数f23で共振し、共振周波数f23を有する無線周波数の無線信号を受信できる。なお、電気長αは、例えばλ23/20からλ23/10までの電気長に設定される。
また、第24の放射素子は、給電点129から給電アンテナ素子121と、結合容量Cと、放射アンテナ素子123とを介して放射アンテナ素子123の開放端123bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第24の放射素子の電気長は波長λ24の1/4波長より長いβ+λ24/4に設定され、第24の放射素子は波長λ24に対応する共振周波数f24で共振し、共振周波数f24を有する無線周波数の無線信号を受信できる。なお、電気長βは、例えばλ24/20からλ24/10までの電気長に設定される。
さらに、図21において、第25の放射素子は、放射アンテナ素子122の開放端122bから、放射アンテナ素子122と、放射アンテナ素子122,123の各一端122a,123aと、放射アンテナ素子123とを介して放射アンテナ素子123の開放端123bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成され導体装荷モノポールアンテナである。第25の放射素子は、給電アンテナ素子121及び結合容量Cを給電線路として放射アンテナ素子122及び123の各一端122a,123bの接続点で給電されて励振される。また、第25の放射素子の電気長は波長λ25の1/2波長であるλ25/2に設定され、第25の放射素子は波長λ25に対応する共振周波数f25で共振し、共振周波数f25を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ201は、Y軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ201により電波を受信するとき、アンテナ201によって受信された受信信号は給電点129及び給電ケーブルを介して無線通信回路104に出力される。このとき、第25の放射素子の受信動作に伴って、接地導体102にはグランド電流は流れない。また、第23の放射素子の電気長を波長λ23の1/4波長より長いα+λ23/4に設定したので、第23の放射素子の電気長を波長λ23の1/4波長であるλ23/4に設定した場合に比較して、第23の放射素子の受信動作に伴って接地導体102に流れるグランド電流の電流量を低減できる。さらに、第24の放射素子の電気長を波長λ24の1/4波長より長いα+λ24/4に設定したので、第24の放射素子の電気長を波長λ24の1/4波長であるλ24/4に設定した場合に比較して、第24の放射素子の受信動作に伴って接地導体102に流れるグランド電流の電流量を低減できる。
さらに、結合容量Cにより、アンテナ202の受信時に励振される放射波の位相は、他のアンテナ201,203,204の受信時に励振される放射波の各位相からずれる。このため、アンテナ202と、他のアンテナ201,203,204とが電磁的に結合することを防止できる。
図21において、アンテナ203は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子131と、接地アンテナ素子132と、放射アンテナ素子133,134と、縁端部102bに設けられた給電点139とを備えて構成される。ここで、各放射アンテナ素子131〜137は、誘電体基板130に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板130の裏面には接地導体は形成されていない。
図21において、放射アンテナ素子131は、接続点131aにおいて互いに接続された素子部分131A及び131Bから構成される。素子部分131Aの一端は給電点139に接続され、素子部分131Aは給電点139からX軸方向に延在した後、素子部分131Aの他端は接続点131aに接続されている。また、素子部分131Bは、接続点131aから誘電体基板110の縁端部までX軸方向に延在した後、放射アンテナ素子133の所定の接続点133aに接続されている。放射アンテナ素子134は、接続点131aから実質的に−Y軸方向に延在した後、放射アンテナ素子133の所定の接続点133bに接続されている。
また、図21において、放射アンテナ素子133は、素子部分133A,133B及び133Cから構成される。ここで、素子部分133Aと133Bとは接続点133bにおいて互いに接続され、素子部分133Bと113Cとは接続点133aにおいて互いに接続されている。素子部分133Bは、接続点133aから接続点133bまで、誘電体基板110の縁端部に沿って−Y軸方向に実質的に平行に形成されている。
また、図21において、素子部分133Aの一端は接続点133bに接続され、素子部分133Aの他端は開放端133cである。ここで、素子部分133Aは、接続点133bから誘電体基板110の縁端部に沿って−X軸方向に延在している。さらに、素子部分133Cは、接続点133aに接続された一端から、接地アンテナ素子132の一端に接続された他端133dまで、誘電体基板110の縁端部に沿って実質的にY軸方向に延在している。さらに、図21において、接地アンテナ素子132は、放射アンテナ素子133の他端133dに接続された一端から誘電体基板110の縁端部に沿って−X軸方向に延在し、接地アンテナ素子132の他端132aは縁端部102bに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ203は、接地導体102に接続された一端132aを有する接地アンテナ素子132と、接地導体102の縁端部102bに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子132の他端に接続された一端を有する放射アンテナ素子133と、給電点139と放射アンテナ素子133上の接続点133aとを接続する給電アンテナ素子131と、給電アンテナ素子131上の接続点131aと放射アンテナ素子133上の接続点133bとを接続する放射アンテナ素子134とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ203は、第27〜第30の放射素子を含む。ここで、図21に示すように、第27の放射素子は、給電点139から給電アンテナ素子131と、素子部分133Bと、素子部分133Aとを介して放射アンテナ素子133の開放端133cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第27の放射素子の電気長は波長λ27の1/4波長であるλ27/4に設定され、第27の放射素子は波長λ27に対応する共振周波数f27で共振し、共振周波数f27を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第28の放射素子は、給電点139から給電アンテナ素子131と、素子部分133Cと、接地アンテナ素子132とを介して接地アンテナ素子132の他端132aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第28の放射素子の電気長は波長λ28の1/4波長であるλ28/4に設定され、第28の放射素子は波長λ28に対応する共振周波数f28で共振し、共振周波数f28を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図21において、第29の放射素子は、放射アンテナ素子133の開放端113cから、素子部分133A,133B,133Cを介して放射アンテナ素子133の他端133dまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第29の放射素子は、給電アンテナ素子131を給電線路として接続点133aで給電されて励振される。また、第29の放射素子の電気長は波長λ29の1/2波長であるλ29/2に設定され、第29の放射素子は波長λ29に対応する共振周波数f29で共振し、共振周波数f29を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第30の放射素子は、給電点139から素子部分131Aと、放射アンテナ素子134と、素子部分133Aとを介して放射アンテナ素子133の開放端133cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第30の放射素子の電気長は波長λ30の1/4波長であるλ30/4に設定され、第30の放射素子は波長λ30に対応する共振周波数f30で共振し、共振周波数f30を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ203は、X軸方向に平行な偏波方向を有する水平偏波の電波を受信する。アンテナ203により電波を受信するとき、アンテナ203によって受信された受信信号は給電点139及び給電ケーブルを介して無線通信回路104に出力される。また、アンテナ203の受信動作に伴って発生するグランド電流は、接地導体102に流れる。また、放射アンテナ素子134を備えるため、共振周波数f27,f28,f29をそれぞれ有する無線信号に加えて、共振周波数f30を有する無線信号を受信できる。
本実施の形態に係るアンテナ装置によれば、アンテナ201及び202は互いに隣接して設けられる。ここで、アンテナ201は接地導体102に接地アンテナ素子112を介して接続されているので、アンテナ201によって電波を受信するとき、当該受信に伴って接地導体102にグランド電流が流れる。一方、アンテナ201によって電波を受信するとき、第23〜第25の放射素子のうちそれぞれモノポールアンテナである第23及び第24の放射素子の受信動作に伴って接地導体102にグランド電流が流れる。しかしながら、第23の放射素子の電気長をα+λ23/4に設定し、第24の放射素子の電気長をβ+λ24/4に設定したので、第23及び第24の放射素子が電気長λ23/4及びλ24/4をそれぞれ有する場合より、グランド電流が低減される。このため、このため、アンテナ201と202との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、実質的に、アンテナ201と202の利得が低下することを防止できる。
また、アンテナ201は結合容量Cを有して構成されているので、アンテナ201の受信時に励振される放射波の位相は、他のアンテナ201,203,204の受信時に励振される放射波の各位相からずれる。このため、アンテナ201が結合容量Cを有していない場合に比較して、アンテナ201と、他のアンテナ201,203,204との間のアイソレーションを大きくとれる。
さらに、アンテナ201と203とは、互いに隣接して設けられ、アンテナ201は垂直偏波の電波を受信する一方、アンテナ203は水平偏波の電波を受信するので、アンテナ201の受信動作に伴うグランド電流の向きと、アンテナ203の受信動作に伴うグランド電流の向きとは、互いに直交する。従って、アンテナ201と203との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、実質的に、アンテナ201と203の利得が低下することを防止できる。
またさらに、アンテナ201は垂直偏波の電波を受信する一方、アンテナ204は水平偏波の電波を受信するので、アンテナ201及び204が同一の偏波の電波を受信する場合に比較して、アンテナ201と204との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、実質的に、アンテナ201と204の利得が低下することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、アンテナ201〜204を接地導体102の近傍に設けることができるので、従来技術に比較して電子機器100を小型化できる。また、アンテナ201〜204を備えたアンテナ装置を格納するためのアンテナ筐体を、電子機器100の本体筐体の他に設ける必要がないので、従来技術に比較して安価で耐水性に優れている。
なお、本実施の形態において、接地導体102をアンテナ201及び203のための接地導体として用いたが、本開示はこれに限られず、電子機器のシールド板などの電子機器の導体板をアンテナ201及び203のための接地導体として用いてもよい。また、本実施の形態において、接地導体102は矩形形状を有していたが、本開示はこれに限られず、任意の形状を有していてもよい。
(実施の形態3)
図22は、本開示の実施の形態3に係るアンテナ装置の平面図である。本実施の形態に係るアンテナ装置は、実施の形態1に係るアンテナ装置に比較して、アンテナ1、2、3、4に代えてアンテナ301、302、303、304を備えた点が異なる。以下、実施の形態1との間の相違点のみを説明する。なお、図22において右方向をX軸方向といい、上方向をY軸方向という。さらに、X軸方向と反対方向を−X軸方向といい、Y軸と反対方向を−Y軸方向という。
図22において、誘電体基板310,320,330は、例えばプリント配線基板であって、それぞれ接地導体102の表面に平行な同一の面内に固定されている。また、アンテナ401は縁端部102bに設けられ、アンテナ402は縁端部102aの右半分の領域に設けられ、アンテナ403は縁端部102aの左半分の領域に設けられる。アンテナ4は接地導体102の左上角部に設けられる。さらに、接地導体102の右下端部102sの裏側にスピーカ(図示せず。)が設けられ、接地導体102の左側に操作パネル(図示せず。)が設けられる。
図22において、アンテナ404はモノポールアンテナであって、放射アンテナ素子と、縁端部102aの左端部に設けられた給電点349とを備えて構成される。放射アンテナ素子は、電子機器100から突出するように−X軸方向に延在する。放射アンテナ素子の電気長は、波長λmの1/4波長であるλm/4に設定されており、波長λmに対応する所定の周波数fmを有する水平偏波の電波を受信する。アンテナ404により電波を受信するとき、アンテナ440によって受信された受信信号は給電点349及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。
図22において、アンテナ401は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子311と、接地アンテナ素子312と、放射アンテナ素子313,314と、縁端部102bに設けられた給電点319とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子311と、接地アンテナ素子312と、放射アンテナ素子313,314とは、誘電体基板310に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板310の裏面には接地導体は形成されていない。
図22において、給電アンテナ素子311は、給電点319に接続された一端と、放射アンテナ素子313の所定の接続点313aに接続された分岐部311Cを含む他端とを有する。給電アンテナ素子311は、給電点319から分岐部311Cまで実質的にX軸方向に延在する。ここで、分岐部311Cは、給電アンテナ素子311の一端側から接続点313aに向かって広くなるように設定された幅を有する。
また、図22において、放射アンテナ素子313は、接続点313aにおいて互いに接続された素子部分313A及び313Bから構成される。また、素子部分313Aの一端は接続点313aに接続され、素子部分313Aの他端は開放端313bである。素子部分313Aは、接続点313aから誘電体基板310の縁端部に沿って実質的に−Y軸方向に延在している。また、素子部分313Bは、接続点313aに接続された一端から、接地アンテナ素子312の一端に接続された他端313cまで、誘電体基板310の縁端部に沿って実質的にY軸方向に延在している。さらに、図22において、接地アンテナ素子312は、素子部分313Bの他端313cに接続された一端から誘電体基板310の縁端部に沿って実質的に−X軸方向に延在し、接地アンテナ素子312の他端312aは、縁端部102bに接続されて接地されている。
図22において、放射アンテナ素子314の一端は分岐部311Cに接続され、放射アンテナ素子314の他端は開放端314aである。放射アンテナ素子314は分岐部311Cから実質的に−Y軸方向に延在している。また、放射アンテナ素子314は、素子部分313Aと電磁的に結合して動作するように、素子部分313Aに実質的に平行に形成される。
上述したように、アンテナ401は、接地導体102に接続された一端312aを有する接地アンテナ素子312と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子312の他端に接続された一端313cと開放端313bとを有する放射アンテナ素子313と、給電点319と放射アンテナ素子313上の接続点313aとを接続する給電アンテナ素子311と、放射アンテナ素子314とを備えて構成される。ここで、放射アンテナ素子314は、分岐部311Cに接続された一端と開放端314aとを有し、素子部分313Aに電磁的に結合するように形成される。
以上説明したように構成されたアンテナ401は、第30〜第34の放射素子を含む。ここで、図22に示すように、第30の放射素子は、給電点319から給電アンテナ素子311と、接続点313aと、素子部分313Aとを介して放射アンテナ素子313の開放端313bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第1の放射素子の電気長は波長λ30の1/4波長であるλ30/4に設定され、第30の放射素子は波長λ30に対応する共振周波数f30で共振し、共振周波数f30を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第31の放射素子は、給電点319から給電アンテナ素子311と、接続点313aと、素子部分313Bと、接地アンテナ素子312とを介して接地アンテナ素子312の他端312aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第31の放射素子の電気長は波長λ31の1/4波長であるλ31/4に設定され、第31の放射素子は波長λ31に対応する共振周波数f31で共振し、共振周波数f31を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図22において、第32の放射素子は、放射アンテナ素子313の開放端313bから、素子部分313A,313Bを介して放射アンテナ素子313の他端313cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第32の放射素子は、給電アンテナ素子311を給電線路として接続点313aで給電されて励振される。また、第32の放射素子の電気長は波長λ32の1/2波長であるλ32/2に設定され、第32の放射素子は波長λ32に対応する共振周波数f32で共振し、共振周波数f32を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第33の放射素子は、給電点319から給電アンテナ素子311と、放射アンテナ素子314とを介して放射アンテナ素子314の開放端314aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第33の放射素子の電気長は波長λ33の1/4波長であるλ33/4に設定され、第33の放射素子は波長λ33に対応する共振周波数f33で共振し、共振周波数f33を有する無線周波数の無線信号を受信できる。なお、波長λ33は波長λ30と異なる。
さらに、図22において、第30の放射素子と第33の放射素子とは互いに電磁的に結合して第34の放射素子として動作する。ここで、第34の放射素子は、波長λ34に対応する共振周波数f34で共振し、共振周波数f30とf33との間の共振周波数f34を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ401は、X軸方向に平行な垂直偏波の電波を受信する。アンテナ401により電波を受信するとき、アンテナ401によって受信された受信信号は給電点319及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。また、放射アンテナ素子314を備えるため、共振周波数f30,f31,f32をそれぞれ有する無線信号に加えて、共振周波数f33及びf34をそれぞれ有する無線信号を受信でき、従来技術に係る逆F型アンテナに比較して広い帯域幅を有する。
一般に、2つの放射素子により1つの帯域を構成するとき、2つの放射阻止の各共振周波数の差が比較的大きいと、帯域内にヌル点(反共振点)が発生する可能性がある。本実施の形態の場合、アンテナ401に流れる電流の経路を分岐部311Cにおいて分岐させて第30〜第34の放射素子をそれぞれ動作させるため、反共振がおきてアンテナ401の利得の周波数特性においてヌル点が生じる。本実施の形態によれば、分岐部311Cを、給電アンテナ素子311の一端側から接続点313aに向かって広くなるように設定された幅を有するように構成したので、広帯域化を図ることができる。さらに、分岐部311Cのインダクタンスを小さくしてヌル点の周波数を上げ、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯の外に移動させることができる。
図22において、アンテナ402は逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子321と、接地アンテナ素子322と、放射アンテナ素子323,324と、縁端部102aに設けられた給電点329とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子321と、接地アンテナ素子322と、放射アンテナ素子323,324とは、誘電体基板320に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板320の裏面には接地導体は形成されていない。
図22において、給電アンテナ素子321の一端は給電点329に接続され、給電アンテナ素子321は給電点329からY軸方向に延在し、給電アンテナ素子321の他端は放射アンテナ素子323の接続点323aに接続されている。ここで、給電アンテナ素子321の他端は、分岐部321Cを含む。分岐部321Cは、給電アンテナ素子321の給電点329に接続された一端側から接続点323aに向かって広くなるように設定された幅を有する。放射アンテナ素子324は、分岐部321Cから−X軸方向に延在した後、誘電体基板320の縁端部までY軸方向に延在し、放射アンテナ素子323の所定の接続点323bに接続されている。
また、図22において、放射アンテナ素子323は、素子部分323A,323B及び323Cから構成される。ここで、素子部分323Aと323Bとは接続点323bにおいて互いに接続され、素子部分323Bと323Cとは接続点323aにおいて互いに接続されている。素子部分323Bは、接続点323aから接続点323bまで、誘電体基板320の縁端部に沿って−X軸方向に実質的に平行に形成されている。
また、図22において、素子部分323Aの一端は接続点323bに接続され、素子部分323Aの他端は開放端323cである。さらに、素子部分323Cは、接続点323aに接続された一端から、接地アンテナ素子322の一端に接続された他端323dまで、誘電体基板320の縁端部に沿って実質的にX軸方向に延在している。さらに、図22において、接地アンテナ素子322は、素子部分323Cの他端323dに接続された一端から誘電体基板320の縁端部に沿って実質的に−Y軸方向に延在し、接地アンテナ素子322の他端322aは縁端部102aに接続されて接地されている。
上述したように、アンテナ402は、接地導体102に接続された一端322aを有する接地アンテナ素子322と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成され、接地アンテナ素子322の他端に接続された一端323dを有する放射アンテナ素子323と、給電点329と放射アンテナ素子323上の接続点323aとを接続する給電アンテナ素子321と、給電アンテナ素子321上の接続点321aと放射アンテナ素子323上の接続点323bとを接続する放射アンテナ素子324とを備えて構成される。
以上説明したように構成されたアンテナ402は、第35〜第38の放射素子を含む。ここで、図22に示すように、第35の放射素子は、給電点329から給電アンテナ素子321と、素子部分323Bと、素子部分323Aとを介して放射アンテナ素子323の開放端323cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第35の放射素子の電気長は波長λ35の1/4波長であるλ35/4に設定され、第35の放射素子は波長λ35に対応する共振周波数f35で共振し、共振周波数f35を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第36の放射素子は、給電点329から給電アンテナ素子321と、素子部分323Cと、接地アンテナ素子322とを介して接地アンテナ素子322の他端322aまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたループアンテナである。第36の放射素子の電気長は波長λ36の1/4波長であるλ36/4に設定され、第36の放射素子は波長λ36に対応する共振周波数f36で共振し、共振周波数f36を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、図22において、第37の放射素子は、放射アンテナ素子323の開放端323cから、素子部分323A,323B,323Cを介して放射アンテナ素子323の他端323dまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第37の放射素子は、給電アンテナ素子321を給電線路として接続点323aで給電されて励振される。また、第37の放射素子の電気長は波長λ37の1/2波長であるλ37/2に設定され、第37の放射素子は波長λ37に対応する共振周波数f37で共振し、共振周波数f37を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第38の放射素子は、給電点329から素子部分321Aと、放射アンテナ素子324と、素子部分323Aとを介して放射アンテナ素子323の開放端323cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第38の放射素子の電気長は波長λ38の1/4波長であるλ38/4に設定され、第38の放射素子は波長λ38に対応する共振周波数f38で共振し、共振周波数f38を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ402は、Y軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ402により電波を受信するとき、アンテナ402によって受信された受信信号は給電点329及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。また、放射アンテナ素子324を備えるため、共振周波数f35,f36,f37をそれぞれ有する無線信号に加えて、共振周波数f38を有する無線信号を受信でき、従来技術に係る逆F型アンテナに比較して広い帯域幅を有する。
また、アンテナ402に流れる電流の経路を分岐部321Cにおいて分岐させて第35〜第38の放射素子をそれぞれ動作させるため、反共振がおきてアンテナ402の利得の周波数特性においてヌル点が生じる。本実施の形態によれば、分岐部321Cを、給電アンテナ素子321の一端側から接続点323aに向かって広くなるように設定された幅を有するように構成したので、広帯域化を図ることができる。さらに、分岐部321Cのインダクタンスを小さくしてヌル点の周波数を上げ、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯の外に移動させることができる。
図22において、アンテナ403は変形逆F型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子331と、インピーダンス調整素子332と、放射アンテナ素子323と、縁端部102aに設けられた給電点339とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子331と、インピーダンス調整素子332と、放射アンテナ素子333とは、誘電体基板330に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板330の裏面には接地導体は形成されていない。
図22において、給電アンテナ素子331の一端は給電点339に接続され、給電アンテナ素子331は誘電体基板330の縁端部までY軸方向に延在した後、放射アンテナ素子333の所定の接続点333aに接続されている。また、インピーダンス調整素子332は、接続点333aに接続された一端と、接地導体102aに接続された他端332aとを有する。インピーダンス調整素子332は、接続点333aから、X軸方向と−Y軸方向との間の所定の方向に延在した後、接地導体102aに接続される。
また、図22において、放射アンテナ素子333は、接続点333aにおいて互いに接続された素子部分333A及び333Bから構成される。素子部分333Aは、接続点333aに接続された一端から開放端333cである他端まで、誘電体基板330の縁端部に沿って実質的に−X軸方向に延在している。素子部分333Bは、接続点333aに接続された一端から、開放端333bである他端まで、誘電体基板330の縁端部に沿って実質的にX軸方向に延在している。
以上説明したように構成されたアンテナ403は、第39〜第41の放射素子を含む。ここで、図22に示すように、第39の放射素子は、給電点339から、給電アンテナ素子331と、素子部分333Aとを介して放射アンテナ素子333の開放端333cまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第39の放射素子の電気長は波長λ39の1/4波長であるλ39/4に設定され、第39の放射素子は波長λ39に対応する共振周波数f39で共振し、共振周波数f39を有する無線周波数の無線信号を受信できる。また、第40の放射素子は、給電点339から、給電アンテナ素子331と、素子部分333Bとを介して放射アンテナ素子333の開放端333bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第40の放射素子の電気長は波長λ40の1/4波長であるλ40/4に設定され、第40の放射素子は波長λ40に対応する共振周波数f40で共振し、共振周波数f40を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
さらに、第41の放射素子は、放射アンテナ素子333の開放端333cから素子部分333Aと333Bとを介して開放端333bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成された導体装荷モノポールアンテナである。第41の放射素子は、給電アンテナ素子431を給電線路として接続点433aで給電されて励振される。また、第41の放射素子の電気長は波長λ41の1/2波長であるλ41/2に設定され、第141の放射素子は波長λ41に対応する共振周波数f41で共振し、共振周波数f41を有する無線周波数の無線信号を受信できる。
以上説明したように構成されたアンテナ403は、Y軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ403により電波を受信するとき、アンテナ403によって受信された受信信号は給電点339及び給電ケーブルを介して、無線通信回路104に出力される。インピーダンス調整素子332は接地導体102に接続されているが、上述した第39〜第41の放射素子による電波の放射には寄与しない。このため、アンテナ403により電波を受信するとき、接地導体102にグランド電流は流れない。
本実施の形態によれば、アンテナ401と402とは互いに隣接して設けられる。ここで、アンテナ401は水平偏波の電波を受信する一方、アンテナ402は垂直偏波の電波を受信するので、アンテナ401の受信動作に伴うグランド電流の向きと、アンテナ402の受信動作に伴うグランド電流の向きとは、互いに直交する。従って、アンテナ401と402との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、実質的に、アンテナ401と402の利得が低下することを防止できる。
また、アンテナ402による電波の受信時には接地導体102にグランド電流が流れるが、アンテナ403による電波の受信時には接地導体102にグランド電流は流れない。このため、アンテナ402と403との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、実質的に、アンテナ402と403の利得が低下することを防止できる。
さらに、アンテナ403は垂直偏波の電波を受信する一方、アンテナ404は水平偏波の電波を受信するので、アンテナ403及び404が同一の偏波の電波を受信する場合に比較して、アンテナ403と404との間のアイソレーションを大きくとれる。従って、実質的に、アンテナ403と404の利得が低下することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、アンテナ401〜404を接地導体102及びスピーカ102sの近傍に設けることができるので、従来技術に比較して電子機器100を小型化できる。また、アンテナ401〜404を備えたアンテナ装置を格納するためのアンテナ筐体を、電子機器100の本体筐体の他に設ける必要がないので、従来技術に比較して安価で耐水性に優れている。
なお、本実施の形態において、接地導体102をアンテナ401〜403のための接地導体として用いたが、本開示はこれに限られず、電子機器のシールド板などの電子機器の導体板をアンテナ401〜403のための接地導体として用いてもよい。また、本実施の形態において、接地導体102は矩形形状を有していたが、本開示はこれに限られず、任意の形状を有していてもよい。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上述した各実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術はこれに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加又は省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上述した各実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
上記各実施の形態及び変形例において、誘電体基板10,20,30,40,110,120,130,310,320,330を、それぞれ接地導体102に平行な同一の面内に固定したが、本開示はこれに限られず、各誘電体基板、それぞれ接地導体102に平行な互いに異なる面内に固定してもよい。
また、上記各実施の形態及び変形例において、4つのアンテナを備えたアンテナ装置は、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯の電波を無線受信したが、本開示はこれに限られず、無線通信回路104からの無線信号を無線送信してもよい。
さらに、上記各実施の形態及び変形において、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯の電波を受信するための携帯型のテレビジョン放送受信装置である電子機器100を例に挙げて本開示を説明したが、本開示はこれに限られず、上述したアンテナ装置と、当該アンテナ装置を用いて無線信号を送受信する無線通信回路104と備えた無線通信装置105に適用できる。
また、本開示は、上述した無線通信装置と、当該無線通信装置によって受信された無線信号に含まれる映像信号を表示する表示装置とを備えた携帯電話機などの電子機器に適用できる。
また、上記各実施の形態及び変形において、アンテナ1〜4、1A〜4A、201、203、401、402は逆F型アンテナであったが、本開示はこれに限定されるものではない。
また、実施の形態2のアンテナ構成を実施の形態1のアンテナに適用してもよい。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
従って、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
以上説明したように、本開示に係るアンテナ装置、無線通信装置及び電子機器は、地上デジタルテレビジョン放送の周波数帯の電波を受信するための携帯型のテレビジョン放送受信装置に適用可能である。また、当該アンテナ装置を用いて無線信号を送受信する無線通信回路と備えた無線通信装置や、無線通信装置と、当該無線通信装置によって受信された無線信号に含まれる映像信号を表示する表示装置とを備えた携帯電話機などの電子機器等に適用可能である。
1、2、3、4、1A、2A、3A、4A アンテナ
10、20、30、40 誘電体基板
11、15、21、25、31、35、41、45 給電アンテナ素子
12、22、27、32、37、42 接地アンテナ素子
13、23、26、33、36、43 放射アンテナ素子
14、24、34、44 給電点
100 電子機器
101 LCDパネル
102 接地導体
103 対称線
図21において、アンテナ202はT型アンテナであって、接地導体102と、給電アンテナ素子121と、放射アンテナ素子122,123と、結合容量Cと、縁端部102aに設けられた給電点129とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子121と、放射アンテナ素子122,123とは、誘電体基板120に形成された銅又は銀などの導体箔にてなる。なお、誘電体基板120の裏面には接地導体は形成されていない。
上述したように、アンテナ202は、給電点129に接続された一端を有する給電アンテナ素子121と、接地導体102の縁端部102aに実質的に平行となるように形成された放射アンテナ素子122,123とを備えて構成される。ここで、給電アンテナ素子121の他端である開放端121aは、開放端121aと、放射アンテナ素子122及び123の各一端122a,123bの接続点との間に結合容量Cが発生するように形成されている。
以上説明したように構成されたアンテナ202は、第23〜第25の放射素子を含む。ここで、図21に示すように、第23の放射素子は、給電点129から給電アンテナ素子121と、結合容量Cと、放射アンテナ素子122とを介して放射アンテナ素子122の開放端122bまでの部分を含む放射アンテナ素子を備えて構成されたモノポールアンテナである。第23の放射素子の電気長は波長λ23の1/4波長より長いα+λ23/4に設定され、第23の放射素子は波長λ23に対応する共振周波数f23で共振し、共振周波数f23を有する無線周波数の無線信号を受信できる。なお、電気長αは、例えばλ23/20からλ23/10までの電気長に設定される。
以上説明したように構成されたアンテナ202は、Y軸方向に平行な偏波方向を有する垂直偏波の電波を受信する。アンテナ202により電波を受信するとき、アンテナ202によって受信された受信信号は給電点129及び給電ケーブルを介して無線通信回路104に出力される。このとき、第25の放射素子の受信動作に伴って、接地導体102にはグランド電流は流れない。また、第23の放射素子の電気長を波長λ23の1/4波長より長いα+λ23/4に設定したので、第23の放射素子の電気長を波長λ23の1/4波長であるλ23/4に設定した場合に比較して、第23の放射素子の受信動作に伴って接地導体102に流れるグランド電流の電流量を低減できる。さらに、第24の放射素子の電気長を波長λ24の1/4波長より長いα+λ24/4に設定したので、第24の放射素子の電気長を波長λ24の1/4波長であるλ24/4に設定した場合に比較して、第24の放射素子の受信動作に伴って接地導体102に流れるグランド電流の電流量を低減できる。