JPWO2013111294A1 - 半導体装置およびそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

半導体装置(10)の導通損失とリカバリ損失とを抑制するため、半導体装置(10)は、半導体基板であるn型ドリフト層(11)と、半導体基板の表面に設けられたアノード領域であるp型領域(12)およびn型領域(13)と、半導体基板の裏面に設けられたカソード領域である高濃度n型領域(15)と、アノード電極(1)とを設けた。この半導体基板の表面には、p型領域(12)とn型領域(13)とが隣接した構成を備え、p型領域(12)はアノード電極(1)に接続され、n型領域(13)は、スイッチ(14)を介してアノード電極(1)に接続される。このスイッチ(14)の制御端子には、制御部(40)が接続されている。半導体装置(10)が導通状態に於いて、制御部(40)は、スイッチ(14)の制御端子に高周波数のパルスを出力し、スイッチ(14)をオン・オフさせる。

Description

本発明は、半導体装置、および、それを用いた電力変換装置に関するものである。本発明は特に、エアコンや電子レンジなどの小電力機器と、鉄道や製鉄所のインバータなどの大電力機器とに用いられる電力変換装置と、当該電力変換装置に用いられる半導体装置に関するものである。
近年、省エネルギーの電力変換装置や新エネルギーの電力変換装置には、多くのインバータやコンバータが使われている。しかし、低炭素社会を実現するには、それら電力変換装置の格段の普及が不可欠である。
図13は、電力変換装置(インバータ)を示す回路図である。
インバータ500は、モータ950の回転速度を可変制御し、省エネルギーを実現するものである。
インバータ500は、モータ950の回転速度を可変制御するため、電源960から供給される電気エネルギーを、パワー半導体の一種であるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)700u1〜700w2を使って、所望の周波数の交流に変える。インバータ500は、プラス側の電源端子900とマイナス側の電源端子901との間に接続されたU相スイッチングレッグ、V相スイッチングレッグ、および、W相スイッチングレッグを有している。U相スイッチングレッグは、モータ950にU相910uの信号を出力する。V相スイッチングレッグは、モータ950にV相910vの信号を出力する。W相スイッチングレッグは、モータ950にW相910wの信号を出力する。
U相スイッチングレッグは、上アームのIGBT700u1およびフライホイールダイオード600u1と、下アームのIGBT700u2およびフライホイールダイオード600u2と、を備えている。IGBT700u1のコレクタ端子は、プラス側の電源端子900に接続されている。IGBT700u1のエミッタ端子は、IGBT700u2のコレクタ端子に接続されている。IGBT700u2のエミッタ端子は、マイナス側の電源端子901に接続されている。IGBT700u1には、フライホイールダイオード600u1が逆方向に並列接続されている。IGBT700u2には、フライホイールダイオード600u2が逆方向に並列接続されている。
IGBT700u1のゲート端子には、ゲート回路800u1の出力が接続されている。IGBT700u2のゲート端子には、ゲート回路800u2の出力が接続されている。
IGBT700u1のエミッタ端子とIGBT700u2のコレクタ端子とが接続されているノードから、U相910uが出力されている。
V相スイッチングレッグは、U相スイッチングレッグと同様に、上アームのIGBT700v1およびフライホイールダイオード600v1と、下アームのIGBT700v2およびフライホイールダイオード600v2と、を備えている。
IGBT700v1のコレクタ端子は、プラス側の電源端子900に接続されている。IGBT700v1のエミッタ端子は、IGBT700v2のコレクタ端子に接続されている。IGBT700v2のエミッタ端子は、マイナス側の電源端子901に接続されている。IGBT700v1には、フライホイールダイオード600v1が逆方向に並列接続されている。IGBT700v2には、フライホイールダイオード600v2が逆方向に並列接続されている。
IGBT700v1のゲート端子には、ゲート回路800v1の出力が接続されている。IGBT700v2のゲート端子には、ゲート回路800v2の出力が接続されている。
IGBT700v1のエミッタ端子とIGBT700v2のコレクタ端子とが接続されているノードから、V相910vが出力されている。
W相スイッチングレッグは、U相スイッチングレッグと同様に、上アームのIGBT700w1およびフライホイールダイオード600w1と、下アームのIGBT700w2およびフライホイールダイオード600w2と、を備えている。
IGBT700w1のコレクタ端子は、プラス側の電源端子900に接続されている。IGBT700w1のエミッタ端子は、IGBT700w2のコレクタ端子に接続されている。IGBT700w2のエミッタ端子は、マイナス側の電源端子901に接続されている。IGBT700w1には、フライホイールダイオード600w1が逆方向に並列接続されている。IGBT700w2には、フライホイールダイオード600w2が逆方向に並列接続されている。
IGBT700w1のゲート端子には、ゲート回路800w1の出力が接続されている。IGBT700w2のゲート端子には、ゲート回路800w2の出力が接続されている。
IGBT700w1のエミッタ端子とIGBT700w2のコレクタ端子とが接続されているノードから、W相910wが出力されている。
以下IGBT700u1,700u2,700v1,700v2,700w1,700w2を特に区別しないときには、単にIGBT700と記載する。フライホイールダイオード600u1,600u2,600v1,600v2,600w1,600w2を特に区別しないときには、単にフライホイールダイオード600と記載する。
モータ950は、3相モータであり、U相910u、V相910v、および、W相910wの入力端子を備えている。
U相スイッチングレッグは、ゲート回路800u2がIGBT700u2をオフした状態に於いて、ゲート回路800u1がIGBT700u1をオンすると、IGBT700u1からモータ950のU相910uに正電流が流れ、ゲート回路800u1がIGBT700u1をオフすると、U相910uには電流が流れなくなる。
U相スイッチングレッグは、例えば、ゲート回路800u1がPWM(Pulse Width Modulation)信号をIGBT700u1のゲート端子に印加すると、そのPWM信号のデューティに応じた正電流がU相910uに流れる。
U相スイッチングレッグは、ゲート回路800u1がIGBT700u1をオフした状態で、ゲート回路800u2がIGBT700u2をオンすると、モータ950のU相910uからIGBT700u2に負電流が流れ、ゲート回路800u2がIGBT700u2をオフすると、U相910uには電流が流れなくなる。U相スイッチングレッグは、同様に、ゲート回路800u2がPWM信号をIGBT700u2のゲート端子に印加すると、そのPWM信号のデューティに応じた負電流がU相910uに流れる。このような制御を繰り返すことにより、所望の周波数の交流電流をモータ950に流すことができる。
V相スイッチングレッグも、U相スイッチングレッグと同様に制御して、V相910vに電流を流すことができる。W相スイッチングレッグも、U相スイッチングレッグと同様に制御して、W相910wに電流を流すことができる。
フライホイールダイオード600u1は、例えば上アームのIGBT700u1がオフした場合、そのIGBT700u1に流れていた電流を、下アームのIGBT700u2に逆方向に並列接続されたフライホイールダイオード600u2に転流する。これにより、フライホイールダイオード600u1,600u2は、モータ950のコイル(不図示)に蓄えられていた電磁エネルギーを放出する。
そののち、再び上アームのIGBT700u1をオンすると、下アームのフライホイールダイオード600u2が非導通状態となり、上アームのIGBT700u1を介してモータ950に電力が供給される。IGBT700u1,700u2およびフライホイールダイオード600u1,600u2は、導通状態に於いて導通損失が発生し、スイッチングの際にスイッチング損失が発生する。
IGBT700v1,700v2およびフライホイールダイオード600v1,600v2も同様である。IGBT700w1,700w2およびフライホイールダイオード600w1,600w2も同様である。
したがって、インバータ500を小形化・高効率化するには、IGBT700の導通損失およびスイッチング損失を低減させることが必要であり、フライホイールダイオード600の導通損失およびスイッチング損失を低減させることも必要である。
非特許文献1,2には、フライホイールダイオード600の導通損失を低減する目的で、アノード電極1側からパルスによってホールを注入する方法(以下、パルスホール注入)が記載されている。
図14(a)〜(c)は、比較例に於けるダイオードの構成と動作を示す図である。以下、図14を用いて、パルスホール注入によってダイオード10Zの導通損失が低減する理由を説明する。
図14(a)は、比較例に於けるダイオードの構成を示す図である。
比較例の半導体装置であるダイオード10Zは、n型ドリフト層11である半導体基板と、p型領域12と、n型領域13と、スイッチ14,14iと、高濃度n型領域15と、制御部40iを備えている。n型ドリフト層11に示されている「n−」は、半導体中の不純物濃度が低いことを示している。
ダイオード10Zは、アノード電極1からカソード電極2の方向に電圧が印加されたとき、順方向電流を流すものである。
n型ドリフト層11は、ダイオード10Zの半導体基板である。
半導体基板の表面(第1表面)には、アノード領域であるp型領域12とn型領域13とが隣接した構成が設けられている。p型領域12は、スイッチ14iを介してアノード電極1に接続されている。n型領域13は、スイッチ14を介してアノード電極1に接続されている。
半導体基板の裏面(第2表面)には、カソード領域である高濃度n型領域15が設けられている。高濃度n型領域15は、カソード電極2に接続されている。
制御部40iは、アノード電極1とカソード電極2とに接続されている。更に制御部40iのPスイッチ端子は、スイッチ14iの制御端子に接続され、制御部40iのNスイッチ端子は、スイッチ14の制御端子に接続されている。制御部40iは、アノード電極1の電圧とカソード電極2の電圧とを比較することによって、ダイオード10Zの導通状態/非導通状態を検知する。ここで、ダイオード10Zの導通状態とは、アノード電極1の電圧がカソード電極2の電圧よりも高いことをいう。ダイオード10Zの非導通状態とは、アノード電極1の電圧がカソード電極2の電圧以下であることをいう。
制御部40iは、ダイオード10Zの導通状態を検知すると、Pスイッチ端子とNスイッチ端子に相補的な高周波数のパルスを出力して、当該スイッチ14,14iのオン・オフを相補的に繰り返させる。制御部40iは、ダイオード10Zの非導通状態を検知すると、Pスイッチ端子に、スイッチ14をオンさせる信号を出力する。このとき、Nスイッチ端子の出力はオン・オフ不問である。
図14(b)は、ダイオード10Zの導通状態(オン)と非導通状態(オフ)のタイミングと動作とを示す図である。
上部の「Diode Status」は、ダイオード10Zの導通状態と非導通状態とを示している。「Diode Status」に於いて、白色「ON」はダイオード10Zの導通状態を示し、灰色「OFF」は、ダイオード10Zの非導通状態を示している。
中央部の「P Switch」は、スイッチ14iのオン状態とオフ状態とを示している。「P Switch」に於いて、白色「ON」は、スイッチ14iのオン状態を示し、灰色は、スイッチ14iのオフ状態を示している。この「P Switch」は同時に、制御部40iがスイッチ14iに出力するPスイッチ端子の信号を示している。
下部の「N Switch」は、スイッチ14のオン状態とオフ状態とを示している。「N Switch」に於いて、白色は、スイッチ14のオン状態を示し、灰色は、スイッチ14のオフ状態を示し、斜めクロス模様「OFF or ON」は、スイッチ14がオン・オフ不問であることを示している。この「N Switch」は同時に、制御部40iがスイッチ14に出力するNスイッチ端子の信号を示している。横軸は、「Diode Status」、「P Switch」、および、「N Switch」に共通する時間tを示している。
制御部40iは、ダイオード10Zの導通状態に於いて、Pスイッチ端子には高周波数のパルスを出力し、Nスイッチ端子には当該パルスを反転した相補的なパルスを出力し、スイッチ14,14iのオン・オフを相補的に繰り返させる。ダイオード10Zの導通状態に於いて、当該スイッチ14,14iは、相補的にオン・オフを繰り返す。
制御部40iは、ダイオード10Zの非導通状態に於いて、Pスイッチ端子にはスイッチ14iをオンさせる信号を出力する。ダイオード10Zの非導通状態に於いて、スイッチ14iはオンする。このとき、Nスイッチ端子に出力する信号は、オン・オフ不問である。
図14(c)は、ダイオード10Zの導通状態に於いて、アノード電極1側の2つのスイッチ14,14iが相補的にオン・オフするタイミングと、アノード電極1とカソード電極2間の順方向電圧降下VF(Forward Voltage Drop)との関係を示す図である。
「P Switch ON」は、p型領域12のスイッチ14iがオン、n型領域13のスイッチ14がオフの状態を示している。「P Switch ON」に於いて、p型領域12からn型ドリフト層11(半導体基板)にホールが注入される。このとき、ダイオード10Zの順方向電圧降下VFはpn接合の拡散電圧である0.8V程度となる。
「N Switch ON」は、n型領域13のスイッチ14iがオン、p型領域12のスイッチ14がオフの状態を示している。「P Switch ON」から「N Switch ON」に切り替わると、n型ドリフト層11(半導体基板)は、残留するホールにより低い抵抗値が維持される。このとき、アノード電流の経路にはpn接合がないので、ダイオード10Zの順方向電圧降下VFは、0.2V程度まで低減される。「P Switch ON」に遷移して「N Switch ON」に切り替わったのち、再び「P Switch ON」に遷移するまでの周期は、1〜10μ秒である。すなわち、スイッチ14,14iは、1GHz〜100MHzの周波数のパルスでオン・オフされる。
比較例のダイオード10Zは、時間平均した順方向電圧降下VFが0.4Vとなり、従来のpin(p-intrinsic-n).ダイオードの順方向電圧降下VFの0.8Vと比較して、大幅に低減される。
図14(c)の「N Switch ON」に於いて、順方向電圧降下VFは、徐々に増加している。その理由は、p型領域12のスイッチ14iがオンしている期間にn型ドリフト層11(半導体基板)に注入されたホールは、高濃度n型領域15を経由してカソード電極2に抜けるためである。n型ドリフト層11(半導体基板)のホールが減少すると、当該n型ドリフト層11の抵抗は増加する。
「N Switch ON」であるn型領域13のスイッチ14のオン期間が長いと、n型ドリフト層11の抵抗が徐々に増加し、ダイオード10Zの順方向電圧降下VFは、pn接合の拡散電圧を超える虞がある。したがって、制御部40iは、ダイオード10Zの導通期間に於いて、n型領域13のスイッチ14とp型領域12のスイッチ14iとに、それぞれ2つの相補的な高周波数のパルスを出力し、相補的にオン・オフ(スイッチング)させる必要がある。
非特許文献1,2に、ダイオード10Zのスイッチ14,14iをオン・オフさせるパルスの周波数は、1MHz程度であると記載されている。
Y. Matsumoto et al.,"Challenge to the Barrier of Conduction Loss in PiN Diode toward VF<300 mV with Pulsed Carrier+ Injection Concept",Proc.IEEE ISPSD'10, June 2010.,pp.119-122, Y. Matsumoto et al.,"Ultra Low Loss Trench Gate PCI-PiN Diode with VF<350 mV", Proc. IEEE ISPSD’11, May 2011.,pp.84-87
非特許文献1,2に記載の技術は、n型領域13のスイッチ14とp型領域12のスイッチ14iの2個が必要である。これらのスイッチ14,14iの付加に伴い、半導体装置および、それを用いた電力変換装置の実装面積とコストとが増加する。また、非特許文献1,2に記載の技術は、2つのスイッチを制御する必要があるので、制御回路が複雑になる虞がある。
そこで、本発明は、半導体装置の導通損失とリカバリ損失とを抑制することを目的とする。
前記した課題を解決するため、本発明の半導体装置は、以下のように構成した。
すなわち、本発明の請求項1に記載の半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板の第1表面に設けられたアノード領域と、前記半導体基板の第2表面に設けられた第1導電型のカソード領域と、アノード電極と、を備えた半導体装置であって、前記第1表面には、第1導電型アノード領域と第2導電型アノード領域とが隣接した構成を備え、前記第2導電型アノード領域は、前記アノード電極に接続され、前記第1導電型アノード領域は、スイッチを介して前記アノード電極に接続される、ことを特徴とする半導体装置である。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、半導体装置の導通損失とリカバリ損失とを抑制することができる。
第1の実施形態に於けるダイオードの断面と構成とを示す図である。 第1の実施形態に於けるダイオードの動作(1)を示す図である。 第1の実施形態に於けるダイオードの動作(2)を示す図である。 第2の実施形態に於けるダイオードの断面と構成とを示す図である。 第3の実施形態に於けるダイオードの構成と動作とを示す図である。 第4の実施形態に於けるダイオードの断面と構成とを示す図である。 第5、第6の実施形態に於けるダイオードの断面と構成とを示す図である。 第7の実施形態に於けるダイオードの断面図である。 第8の実施形態に於けるスイッチングデバイスの構造と動作を示す図である。 スイッチングデバイスのオン電圧とターンオフ損失との関係を示す図である。 第9、第10の実施形態に於けるスイッチングデバイスの断面と構成とを示す図である。 第11の実施形態に於けるスイッチングデバイスの断面図である。 電力変換装置(インバータ)を示す回路図である。 比較例に於けるダイオードの構成と動作を示す図である。
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態の構成)
図1は、第1の実施形態に於けるダイオードの断面と構成とを示す図である。
本実施形態の半導体装置であるダイオード10は、n型ドリフト層11である半導体基板と、p型領域12と、n型領域13と、スイッチ14と、高濃度n型領域15と、制御部40を備えている。n型ドリフト層11の「n−」は、半導体中の不純物濃度が低いことを示している。
ダイオード10は、アノード電極1からカソード電極2の方向に電圧が印加されたとき、順方向電流を流すものである。
n型ドリフト層11は、ダイオード10の半導体基板である。
半導体基板の表面(第1表面)には、p型領域12とn型領域13とが隣接した構成が設けられている。p型領域12とn型領域13とが隣接した構成は、「アノード領域」である。p型領域12は、アノード電極1に接続されている。n型領域13は、スイッチ14を介してアノード電極1に接続されている。
半導体基板の裏面(第2表面)には、カソード領域である高濃度n型領域15が設けられている。高濃度n型領域15は、カソード電極2に接続されている。なお、本実施形態では、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型とする。
制御部40は、アノード電極1とカソード電極2とに接続されている。更に制御部40の出力端子は、スイッチ14の制御端子に接続されている。制御部40は、アノード電極1の電圧とカソード電極2の電圧とを比較することによって、ダイオード10が導通状態/非導通状態のいずれかを検知する。ダイオード10の導通状態とは、アノード電極1の電圧がカソード電極2の電圧よりも高いことをいう。ダイオード10の非導通状態とは、アノード電極1の電圧がカソード電極2の電圧以下であることをいう。
制御部40は、ダイオード10の導通状態を検知すると、スイッチ14の制御端子に高周波数のパルスを出力して、当該スイッチ14のオン・オフを繰り返させる。制御部40は、ダイオード10の非導通状態を検知すると、スイッチ14の制御端子に、当該スイッチ14をオンさせる信号を出力する。
すなわち、制御部40は、当該ダイオード10に順方向電圧が印加されている期間に、スイッチ14がオン・オフを繰り返すように制御する。制御部40は、当該ダイオード10に逆方向電圧が印加されている期間に、スイッチ14をオンするように制御する。
本実施形態のダイオード10は、前述した非特許文献1,2に記載のダイオード10Zとは異なり、p型領域12がスイッチ14iを介さずにアノード電極1に接続されている。ダイオード10は、導通状態の際に、スイッチ14のオン・オフを繰り返すことで、前記した非特許文献1,2と同様に、順方向電圧降下VFを低減することができる。
更に、本実施形態のダイオード10は、1個のスイッチ14のみを用いている。これにより、2個のスイッチ14,14iを用いる非特許文献1,2に記載のダイオード10Zと比較して、本実施形態のダイオード10は、実装面積とコストとを低減することができる。
(第1の実施形態の動作)
図2(a),(b)は、第1の実施形態に於けるダイオードの動作(1)を示す図である。以下、図1を適宜参照してダイオード10の動作を説明する。
図2(a)は、ダイオード10の導通状態/非導通状態と、スイッチ14のオン・オフ状態とを示している。横軸は共通する時間tを示している。
上部の「Diode Status」は、ダイオード10の導通状態と非導通状態とを示している。「Diode Status」に於いて、白色「ON」は、ダイオード10の導通状態を示し、灰色「OFF」は、ダイオード10の非導通状態を示している。
下部の「Switch」は、スイッチ14のオン状態とオフ状態とを示している。「Switch」に於いて、白色「ON」は、スイッチ14のオン状態を示し、灰色「OFF」は、スイッチ14のオフ状態を示している。
ダイオード10の導通状態に於いて、スイッチ14は、高周波数のパルスによってオン・オフを繰り返す。ダイオード10は、非導通状態に遷移する直前には、スイッチ14をオフしている。ダイオード10の非導通状態に於いて、スイッチ14は、オフ状態である。
図2(b)は、アノード電極1側のスイッチ14のオン状態/オフ状態と、アノード電極1とカソード電極2間の順方向電圧降下VFの波形とを示している。図2(b)の縦軸は、順方向電圧降下VFの電圧値を示している。図2(b)の横軸は、時間を示している。
理想的には、点線Viのように、アノード電極1側のスイッチ14がオンした直後、順方向電圧降下VFが減少し、その後、徐々に増加することが望ましい、しかし、第1の実施形態のダイオード10は、本願の発明者らの実験によれば、実線Vrのように、アノード電極1側のスイッチ14がオンした直後、順方向電圧降下VFが一旦低減したのち、急峻に増加することが分かった。
図3(a),(b)は、第1の実施形態に於けるダイオードの動作(2)を示す図である。
図3(a)は、スイッチ14がオフしているときのダイオード10の内部状態を示している。
このとき、p型領域12からn型ドリフト層11(半導体基板)にホール100が注入される。n型ドリフト層11は、ホール100の注入により伝導度が変調し、抵抗値が減少する。
図3(b)は、スイッチ14がオンした直後のダイオード10の内部状態を示している。
スイッチ14がオンすると瞬時に、ホール100は、n型ドリフト層11からp型領域12を経由してアノード電極1に吐き出される。n型ドリフト層11は、ホール100が減少するので、抵抗値が急峻に増加する。これにより、図2(b)に示すように、スイッチ14のオンによる、順方向電圧降下VFの急峻な増加が発生する。
スイッチ14がオンした直後に、Vrは0.8V以下となる。したがって、本実施形態のダイオード10は、スイッチ14のオン期間にVrが常に0.8V以下となるよう、スイッチ14に高周波数のパルスを入力して動作させることにより、ダイオード10の順方向電圧降下VFを低減することができる。
更に、後記する第2〜第4の実施形態では、この急峻な増加を抑止すること記載している。
(第1の実施形態の効果)
以上説明した第1の実施形態では、次の(A),(B)のような効果がある。
(A) ダイオード10は、導通状態に於いて、スイッチ14のオン期間にVrが常に0.8V以下となるよう、スイッチ14に高周波数のパルスを入力して動作させている。これにより、ダイオード10の順方向電圧降下VFを低減することができる。
(B) ダイオード10は、1個のスイッチ14のみを用いている。これにより、ダイオード10は、2個のスイッチ14,14iを用いる非特許文献1,2に記載の技術と比較し、実装面積とコストとを低減することができる。
(第2の実施形態の構成)
図4は、第2の実施形態に於けるダイオードの断面と構成とを示す図である。
第2の実施形態に於けるダイオード10Aは、第1の実施形態のダイオード10(図1)とは異なり、p型領域12とn型ドリフト層11との界面に、n型のホールバリア層16が設けられている。ホールバリア層16の不純物濃度は、n型ドリフト層11より高く構成されている。第2の実施形態のダイオード10Aは、前記以外は、第1の実施形態のダイオード10(図1)と同様に構成されている。
(第2の実施形態の動作)
図4に基づき、図2を適宜参照して、ダイオード10Aの動作を説明する。
ホールバリア層16は、スイッチ14がオンした直後に、ホールがp型領域12を通ってアノード電極1に排出されることを抑制する。これにより、ダイオード10Aの順方向電圧降下VFは、図2(b)の実線Vrのように急峻には増加せず、図2(b)の点線Viのような理想的な波形に近づく。
これにより、第2実施形態のダイオード10Aは、順方向電圧降下VFを低減し、かつ、導通損失を低減することができる。
ダイオード10Aは、ホールバリア層16の不純物濃度が高いと、「耐圧の低下」、「p型領域12からn型ドリフト層11(半導体基板)へのホール注入量の低下」という問題が発生する。一方、ホールバリア層16は、不純物濃度が低すぎると、ホールバリアの機能(=ホールの排出の抑制)を果たさなくなる。つまり、ホールバリア層16の不純物濃度には最適な範囲がある。本願の発明者らの実験によれば、ホールバリア層16の不純物濃度ピーク値の最適範囲は、1×1016cm−3から1×1018cm−3である。
また、ホールバリア層16の厚みにも最適範囲が存在する。ダイオード10Aは、ホールバリア層16の厚みが大きすぎると、「耐圧の低下」、「p型領域12からn型ドリフト層11(半導体基板)へのホール注入量の低下」という問題が発生する。一方、ホールバリア層16は、厚みが小さすぎると、ホールバリアの機能(=ホールの排出の抑制)を果たさなくなる。本願の発明者らの実験によれば、ホールバリア層16の厚みの最適範囲は、0.2μmから2.0μmである。
(第2の実施形態の効果)
以上説明した第2の実施形態では、次の(C)のような効果がある。
(C) ダイオード10Aは、順方向電圧降下VFを低減し、かつ、導通損失を低減することができる。
(第3の実施形態の構成)
第1の実施形態のダイオード10(図1)や、第2の実施形態のダイオード10A(図4)では、逆方向の電圧が印加された状態、すなわちカソード電極2にプラス電圧が、アノード電極1にマイナス電圧が印加された状態では、スイッチ14に高電圧が印加される。よって、スイッチ14は、高耐圧のものを使用する必要がある。この課題に対処したものが、本実施形態のダイオード10Bである。
図5(a),(b)は、第3の実施形態に於けるダイオードの構成と動作とを示す図である。
図5(a)は、ダイオード10Bの断面図である。
第3の実施形態に於けるダイオード10Bの表面(第1表面)には、n型領域13とp型領域12とがn型ドリフト層11(半導体基板)で区切られ、かつ、近接している構成が設けられている。
第3の実施形態に於けるダイオード10Bは、第1の実施形態のダイオード10(図1)とは異なり、p型領域12の厚みと比較してn型領域13の厚みが薄くなるように構成されている。
第3の実施形態に於けるダイオード10Bは、前記以外は、第1の実施形態のダイオード10(図1)と同様に構成されている。
第3の実施形態に於けるダイオード10Bは、非導通状態に於いて、隣り合うp型領域12から伸びる空乏層が接触(=ピンチオフ)し、n型領域13には高電圧が印加されなくなる。これにより、スイッチ14は、耐圧が不問となり、低耐圧のものを使用することができる。
スイッチ14の耐圧が不問となったことにより、ダイオード10Bの非導通状態に於いて、スイッチ14のオン・オフは不問である。すなわち、ダイオード10Bが非導通状態に遷移する直前に於いて、スイッチ14のオン・オフは不問である。
更に、ダイオード10Bは、スイッチ14に高電圧が印加されなくなるので、スイッチ14の導通損失を低減することができる。
(第3の実施形態の動作)
第1の実施形態のダイオード10(図1)は、非導通状態に於いて、スイッチ14に高電圧が印加されるので、当該スイッチ14をオフする必要があった。そのため、ダイオード10(図1)が非導通状態に遷移する直前には、p型領域12からn型ドリフト層11(半導体基板)にホールが注入され、ダイオード10(図1)のリカバリ損失が増加する虞があった。
図5(b)は、ダイオード10Bの制御部40の動作を示す図である。
上部の「Diode Status」は、ダイオード10Bの導通状態と非導通状態とを示している。「Diode Status」に於いて、白色「ON」は、ダイオード10Bの導通状態を示し、灰色「OFF」は、ダイオード10Bの非導通状態を示している。
下部の「Switch」は、スイッチ14のオン状態とオフ状態とを示している。「Switch」に於いて、白色「ON」は、スイッチ14のオン状態を示し、灰色「OFF」は、スイッチ14のオフ状態を示し、斜めクロス模様「OFF or ON」は、スイッチ14がオン・オフ不問の状態であることを示している。当該「Switch」は同時に、制御部40がスイッチ14に出力する信号を示している。図5(b)の横軸は、共通する時間を示している。
最下部は、ダイオード10Bの導通状態(ON)に於ける「Switch」を、時間軸拡大して示している。
第3の実施形態のダイオード10Bは、第1の実施形態のダイオード10(図2(a))とは異なり、非導通状態に遷移する直前に、スイッチ14をオンしている。スイッチ14は、n型領域13をアノード電極1に短絡している。これにより、ダイオード10Bは、p型領域12からn型ドリフト層11(半導体基板)へのホール注入を抑制し、リカバリ損失を低減することができる。
(第3の実施形態の効果)
以上説明した第3の実施形態では、次の(D)〜(F)のような効果がある。
(D) ダイオード10Bは、非導通状態に於いて、隣り合うp型領域12から伸びる空乏層が接触(=ピンチオフ)し、n型領域13には高電圧が印加されなくなる。これにより、スイッチ14は、耐圧が不問となり、低耐圧のものを使用することができる。
(E) ダイオード10Bは、スイッチ14に高電圧が印加されなくなるので、スイッチ14の導通損失を低減することができる。
(F) ダイオード10Bは、p型領域12からn型ドリフト層11(半導体基板)へのホール注入を抑制し、リカバリ損失を低減することができる。
(第4の実施形態の構成)
図6は、第4の実施形態に於けるダイオードの断面と構成とを示す図である。
第4の実施形態のダイオード10Cは、第1の実施形態のダイオード10(図1)とは異なり、n型領域13とn型ドリフト層11の界面に、p型領域18を設けている。
このような構造にすることで、本実施形態のダイオード10Cは、非導通状態に於いて、p型領域18の空乏層が接触(=ピンチオフ)し、n型領域13に電圧が印加されなくなる。これにより、スイッチ14の耐圧は不問となる。
本実施形態のダイオード10Cは、第1の実施形態のダイオード10(図1)と比較して、スイッチ14の耐圧が不問となるので、スイッチ14に低耐圧のものを使用することができ、かつ、スイッチ14の導通損失が低減する。
更に、第4の実施形態のダイオード10Cは、非導通状態に遷移する直前に、スイッチ14をオンしている。これにより、ダイオード10Cは、p型領域12からn型ドリフト層11(半導体基板)へのホール注入を抑制し、リカバリ損失を低減することができる。
(第4の実施形態の効果)
以上説明した第4の実施形態では、次の(G)〜(I)のような効果がある。
(G) ダイオード10Cは、非導通状態に於いて、p型領域18の空乏層が接触(=ピンチオフ)し、n型領域13に電圧が印加されなくなる。これにより、スイッチ14の耐圧は不問となる。
(H) ダイオード10Cは、第1の実施形態のダイオード10(図1)と比較して、スイッチ14の耐圧が不問となるので、スイッチ14に低耐圧のものを使用することができ、かつ、スイッチ14の導通損失が低減する。
(I) ダイオード10Cは、非導通状態に遷移する直前に、スイッチ14をオンしている。これによりダイオード10Cは、p型領域12からn型ドリフト層11(半導体基板)へのホール注入を抑制し、リカバリ損失を低減することができる。
(第5の実施形態の構成)
図7は、第5、第6の実施形態に於けるダイオードの断面と構成とを示す図である。
図7(a)は、第5の実施形態に於けるダイオード10Dの断面と構成とを示す図である。
第5の実施形態のダイオード10Dは、第2の実施形態のダイオード10A(図4)とは異なり、スイッチ14にMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)17aを用いている。MOSFET17aのソースは、アノード電極1に接続されている。MOSFET17aのドレインは、n型領域13に接続されている。MOSFET17aは、ソースからドレインの方向に寄生ダイオードを備えている。これにより、第5の実施形態のダイオード10Dは、アノード電極1とn型領域13とに高電圧が印加される場合、すなわち、高耐圧が求められる場合にも対応することができる。
第5の実施形態のダイオード10Dは、導通状態に於いて、MOSFET17aを高周波数のパルスでオン・オフすることにより、導通損失を低減することができる。
(第5の実施形態の効果)
以上説明した第5の実施形態では、次の(J),(K)のような効果がある。
(J) MOSFET17aは、アノード電極1とn型領域13とに高電圧が印加される場合、すなわち、高耐圧が求められる場合にも対応することができる。
(K) ダイオード10Dは、導通状態に於いて、MOSFET17aを高周波数のパルスでオン・オフすることにより、導通損失を低減することができる。
(第6の実施形態の構成)
図7(b)は、第6の実施形態に於けるダイオード10Eの断面と構成とを示す図である。
第6の実施形態のダイオード10Eが、第5の実施形態のダイオード10D(図7(a))とは異なり、MOSFET17bのソースとドレインとが逆に接続されている。MOSFET17bのドレインは、アノード電極1に接続されている。MOSFET17bのドレインは、n型領域13に接続されている。MOSFET17aは、ソースからドレインの方向に寄生ダイオードを備えている。
第3の実施形態で述べたように、p型領域12の厚みとn型領域13の厚みを最適化することで、MOSFET17bの耐圧が不問となる。この場合、本実施形態のダイオード10Eのように、MOSFET17bのドレインをアノード電極1に接続し、MOSFET17bのソースをn型領域13に接続することができる。
第6の実施形態のダイオード10Eは、導通状態に於いて、MOSFET17bを高周波数のパルスでオン・オフすることにより、導通損失を低減することができる。
更に、ダイオード10Eは、非導通状態に遷移する直前に、MOSFET17bをオンすることで、アノード電極1からn型ドリフト層11(半導体基板)へのホール注入を抑制し、リカバリ損失を低減することができる。
(第6の実施形態の効果)
以上説明した第6の実施形態では、次の(L),(M)のような効果がある。
(L) ダイオード10Eは、導通状態に於いて、MOSFET17bを高周波数のパルスでオン・オフすることにより、導通損失を低減することができる。
(M) ダイオード10Eは、非導通状態に遷移する直前に、MOSFET17bをオンすることで、アノード電極1からn型ドリフト層11(半導体基板)へのホール注入を抑制し、リカバリ損失を低減することができる。
(第7の実施形態の構成)
図8は、第7の実施形態に於けるダイオードの断面図である。
第7実施形態に於けるダイオード10Fは、第1の実施形態のダイオード10(図1)に加えて更に、第2ゲート電極19および第2ゲート絶縁膜20を備えたMOSゲート22と、アノード電極21と、絶縁層23とを備えている。
ダイオード10Fの半導体基板の表面には、ホールバリア層16と、当該ホールバリア層16の外側に設けられたp型領域12と、ホールバリア層16およびp型領域12を貫通して半導体基板に達するトレンチに設けられたMOSゲート22と、p型領域12の表面かつMOSゲート22に接する部位に設けられたn型領域13と、p型領域12およびn型領域13に接するアノード電極21と、p型領域12およびn型領域13が隣接する部位以外を電気的に絶縁する絶縁層23とが設けられている。
このMOSゲート22の第2ゲート電極19は、第2ゲート絶縁膜20によって、半導体基板、p型領域12、n型領域13から絶縁されている。
ダイオード10Fは更に、順方向電圧が印加されている期間に、第2ゲート電極19に対してオン信号とオフ信号とを繰り返し出力する制御部40を設けている。
これにより、前記した第5の実施形態に於けるMOSFET17aが、ダイオード10Fと同じ半導体基板に内蔵された構成が実現できる。図示しない制御部40が、第2ゲート電極19に、アノード電極21よりも高い電圧を印加することで、p型領域12と第2ゲート絶縁膜20の界面がn型に反転し、アノード電極21とn型ドリフト層11が短絡される。図示しない制御部40が、第2ゲート電極19に、アノード電極21と等しい電圧、または、アノード電極21よりも低い電圧を印加することで、n型反転層が消失し、アノード電極21は、p型領域12を介してn型ドリフト層11に接続される。
第7の実施形態のダイオード10Fは、導通状態に於いて、MOSFET17aを高周波数のパルスでオン・オフすることで、導通損失を低減することができる。
更に、ダイオード10Fは、非導通状態に遷移する直前に、MOSFET17aをオンすることで、アノード電極21からn型ドリフト層11(半導体基板)へのホールの注入を抑制し、リカバリ損失を低減することができる。
更に、第7の実施形態のダイオード10Fは、MOSFET17aがダイオード10Fと同じ基板に内蔵されている。これにより、ダイオード10Fは、外付けのスイッチ14が不要となり、小形化することができる。
(第7の実施形態の効果)
以上説明した第7の実施形態では、第5の実施形態の効果に加えて更に、次の(N)のような効果がある。
(N) ダイオード10Fは、MOSFET17aがダイオード10Fと同じ基板に内蔵されている。これにより、ダイオード10Fは、外付けのスイッチ14が不要となり、小形化することができる。
(第8の実施形態の構成)
第1の実施形態から第7の実施形態で述べたように、ダイオード10〜10Fのアノード電極1側にn型領域13とp型領域12を隣接して設け、p型領域12はアノード電極1と短絡し、n型領域13はスイッチ14を介してアノード電極1に接続している。ダイオード10〜10Fは、導通状態に於いて、スイッチ14を高周波数のパルスでオン・オフすることにより、順方向電圧降下VFを低減している。ダイオード10〜10Fは、リカバリする直前にスイッチ14をオンすることで、リカバリ損失を低減する。
第8の実施形態は、本発明をスイッチングデバイスに適用したものである。
図9(a),(b)は、第8の実施形態に於けるスイッチングデバイスの構造と動作を示す図である。
図9(a)は、第8の実施形態に於けるスイッチングデバイス30の断面と構造とを示す図である。
例えば、IGBTであるスイッチングデバイス30(半導体装置)は、半導体基板の表面(第1表面)に、第1導電型であるp型チャネル領域31と、第2導電型であるn型ソース領域32と、エミッタ電極33と、ゲート電極34およびゲート絶縁膜35を備えたMOSゲート37と、絶縁層38とを設けている。スイッチングデバイス30は、半導体基板の裏面(第2表面)に、第1導電型であるp型領域12と、第2導電型であるn型領域13と、第1導電型であるホールバリア層16と、スイッチ14と、制御部40Gとを設けている。ゲート電極34への入力信号は、制御部40Gへの入力信号4と同一である。スイッチングデバイス30は、エミッタ電極33とコレクタ電極3との間に電圧が印加されたとき、ゲート電極34への入力信号によって、導通状態と非導通状態とを切り替えるものである。
スイッチングデバイス30は、半導体基板の表面(第1表面)に、p型チャネル領域31と、p型チャネル領域31を貫通して半導体基板に達するトレンチに設けられたMOSゲート37と、p型チャネル領域31の表面かつMOSゲート37に接する部位に設けられたn型ソース領域32と、p型チャネル領域31およびn型ソース領域32に接するエミッタ電極33と、p型チャネル領域31およびn型ソース領域32が隣接する部位以外を電気的に絶縁する絶縁層38とが設けられている。
制御部40Gは、エミッタ電極33からコレクタ電極3に向けて電流が流れている期間に、スイッチ14がオン・オフを繰り返すように制御するものである。入力信号4は、制御部40Gに入力されていると共に、ゲート電極34にも入力される。
このMOSゲート37のゲート電極34は、ゲート絶縁膜35によって、半導体基板、p型領域12、および、n型領域13から絶縁されている。
スイッチングデバイス30の半導体基板の裏面(第2表面)は、第2の実施形態のダイオード10A(図4)の表面と同様に構成されている。すなわち、この半導体基板の裏面には、p型領域12とn型領域13とが隣接した構成が設けられている。p型領域12とn型ドリフト層11との界面に、n型のホールバリア層16が設けられている。このホールバリア層16の不純物濃度は、n型ドリフト層11より高い。
p型領域12は、コレクタ電極3に接続されている。n型領域13は、スイッチ14を介してコレクタ電極3に接続されている。このスイッチ14の制御端子には、制御部40Gの出力端子が接続されている。
(第8の実施形態の動作)
ゲート電極34にプラス電圧を印加することで、p型チャネル領域31とゲート絶縁膜35との界面にn型反転層が形成され、スイッチングデバイス30は導通状態となる。制御部40Gには、ゲート電極34と共通する入力信号4が入力され、スイッチングデバイス30の導通状態を検出する。
制御部40Gは、プラス電圧の入力信号4が入力された際には、コレクタ電極3側のスイッチ14を、高周波数のパルスでオン・オフさせる。これにより、前記した第1の実施形態から第7の実施形態に於けるダイオード10〜10Fと同様のメカニズムによって、スイッチングデバイス30のオン電圧を低減することができる。
第3の実施形態と第4の実施形態で述べたように、ダイオード10B,10Cの非導通状態、すなわち、ダイオード10B,10Cに逆方向の電圧が印加されている状態に於いて、アノード電極1側のスイッチ14に、高電圧が印加されないようにするには、p型領域12によってn型領域13をピンチオフするなどの対策が必要であった。
一方、スイッチングデバイス30のコレクタ電極3側のスイッチ14は、オフ時も高電圧が印加されない。これにより、スイッチ14の耐圧は不問となる。すなわち、スイッチングデバイス30の非導通状態に於いて、スイッチ14はオンとオフのどちらでもよい。そのため、スイッチングデバイス30は、非導通状態に遷移する直前に於いて、スイッチ14のオン・オフの制約はない。スイッチングデバイス30がターンオフ(非導通状態に遷移)する直前に、コレクタ電極3側のスイッチ14をオンすることで、裏面のp型領域12(コレクタ)からn型ドリフト層11(半導体基板)へのホール注入が抑制されるので、ターンオフ損失が低減される。
図9(b)は、第8の実施形態に於けるコレクタ電極3側のスイッチ14のON/OFFタイミングを示す図である。
上部の「Switching Device」は、スイッチングデバイス30の導通状態と非導通状態とを示している。「Switching Device」に於いて、白色「ON」は、スイッチングデバイス30の導通状態を示し、灰色「OFF」は、スイッチングデバイス30の非導通状態を示している。
下部の「Collector Side Switch」は、コレクタ電極3側スイッチ14のオン状態とオフ状態とを示している。「Collector Side Switch」に於いて、白色「ON」は、コレクタ電極3側スイッチ14のオン状態を示し、灰色「OFF」は、コレクタ電極3側スイッチ14のオフ状態を示し、斜めクロス模様「OFF or ON」は、コレクタ電極3側スイッチ14がオン・オフ不問であることを示している。「Collector Side Switch」は、同時に、制御部40Gがコレクタ電極3側スイッチ14に出力する信号を示している。最下部は、スイッチングデバイス30の導通状態に於ける「Collector Side Switch」を、時間軸拡大して示している。
スイッチングデバイス30の導通状態に於いて、制御部40は、コレクタ電極3側スイッチ14を高周波数のパルスでオン・オフさせる。
コレクタ電極3側のスイッチ14のオン状態に於いて、n型ドリフト層11(半導体基板)へホール注入されないか、または、ホール注入が抑制される。
コレクタ電極3側のスイッチ14のオフ状態に於いて、n型ドリフト層11(半導体基板)へホールが注入される。なお、スイッチングデバイス30の非導通状態に於いて、コレクタ電極3側のスイッチ14は、オン・オフ不問である。
スイッチングデバイス30は、非導通状態に遷移する直前に、コレクタ電極3側のスイッチ14をオンする。これにより、スイッチングデバイス30は、n型ドリフト層11(半導体基板)へのホール注入を抑制し、ターンオフ損失を低減することができる。
図10は、スイッチングデバイスのオン電圧とターンオフ損失との関係を示す図である。図10の横軸は、スイッチングデバイス30のオン電圧Vce(sat)を示しているこのオン電圧Vceは、コレクタ?エミッタ間の飽和電圧(Saturation Voltage)でもある。図10の縦軸は、スイッチングデバイス30のターンオフ損失Eoff[mJ]を示している。
曲線300は、例えばIGBTであるスイッチングデバイス30の製造の際に、当該IGBT裏面からP層にホールを注入したときの、オン電圧とターンオフ損失との関係を示している。点200は、第8の実施形態のスイッチングデバイス30(図9)に於ける、オン電圧とターンオフ損失との関係を示している。
矢印301に示すように、IGBTの製造の際、当該IGBTの裏面からのホール注入を促進すると(例えば、p型エミッタの不純物濃度を増加させるなど)、オン電圧Vceは低下するが、ターンオフ損失Eoffは増加する。
また、矢印302に示すように、IGBTの製造の際、当該IGBTの裏面からのホール注入を抑制すると(例えば、p型エミッタの不純物濃度を低減させるなど)、オン電圧Vceは増加するが、ターンオフ損失Eoffは低下する。つまり、IGBTのオン電圧Vceとターンオフ損失Eoffとは、p型エミッタの不純物濃度をパラメータとするトレードオフの関係を有している。
第8の実施形態のスイッチングデバイス30(図9)は、導通状態に於いて、スイッチ14を高周波数のパルスで繰り返しオン・オフさせている。この高周波数のパルスにより、スイッチングデバイス30は、n型ドリフト層11(半導体基板)にホールを注入している。これにより、オン電圧Vceを、IGBTの限界である拡散電圧(0.8V程度)より小さくすることができる。
更に、スイッチングデバイス30は、ターンオフ(非導通状態に遷移)する直前に、コレクタ電極3側スイッチ14をオンすることで、n型ドリフト層11(半導体基板)へのホール注入を抑制し、ターンオフ損失Eoffを低減することができる。
(第8の実施形態の効果)
以上説明した第8の実施形態では、次の(O),(P)のような効果がある。
(O) スイッチングデバイス30が導通状態に於いて、高周波数のパルスによって、n型ドリフト層11(半導体基板)にホールを注入している。これにより、オン電圧Vceを、IGBTの限界である拡散電圧(0.8V程度)より小さくすることができる。
(P) 更に、スイッチングデバイス30は、ターンオフ(非導通状態に遷移)する直前に、コレクタ電極3側スイッチ14をオンすることで、n型ドリフト層11(半導体基板)へのホール注入を抑制し、ターンオフ損失Eoffを低減することができる。
(第9の実施形態の構成)
図11(a),(b)は、第9、第10の実施形態に於けるスイッチングデバイスの断面と構成とを示す図である。
図11(a)は、第9の実施形態に於けるスイッチングデバイス30Hの断面と構成とを示す図である。
第9の実施形態のスイッチングデバイス30Hは、第8の実施形態のスイッチングデバイス30(図9)に於けるコレクタ電極3側のスイッチ14として、MOSFET17aを用いている。MOSFET17aのソースは、コレクタ電極3に接続されている。MOSFET17aのドレインは、n型領域13に接続されている。
スイッチングデバイス30Hが導通状態に於いて、制御部40Gは、MOSFET17aを高周波数のパルスでオン・オフしている。これにより、スイッチングデバイス30Hのオン電圧を低減することができる。
更に、スイッチングデバイス30Hがターンオフする直前に、MOSFET17aをオンすることで、スイッチングデバイス30Hのターンオフ損失を低減することができる。
(第9の実施形態の効果)
以上説明した第9の実施形態では、次の(Q),(R)のような効果がある。
(Q) スイッチングデバイス30Hが導通状態に於いて、制御部40Gは、MOSFET17aを高周波数のパルスでオン・オフしている。これにより、スイッチングデバイス30Hのオン電圧を低減することができる。
(R) スイッチングデバイス30Hがターンオフする直前に、MOSFET17aをオンすることで、スイッチングデバイス30Hのターンオフ損失を低減することができる。
(第10の実施形態の構成)
図11(b)は、第10の実施形態に於けるスイッチングデバイス30Iの断面と構成とを示す図である。
第10の実施形態のスイッチングデバイス30Iは、第9の実施形態のスイッチングデバイス30H(図11(a))とは異なり、MOSFET17bのソースとドレインとが逆に接続されている。
第9の実施形態で述べたように、スイッチングデバイス30Iのコレクタ電極3側のスイッチは、耐圧が不問なので、MOSFET17bの接続の向きは不問となる。
第10の実施形態のスイッチングデバイス30Iは、導通状態に於いて、MOSFET17bを高周波数のパルスでオン・オフすることで、当該スイッチングデバイス30Iのオン電圧を低減することができる。
スイッチングデバイス30Iが非導通状態に遷移する直前に、MOSFET17bをオンすることで、スイッチングデバイス30Iのターンオフ損失を低減することができる。
(第10の実施形態の効果)
以上説明した第10の実施形態では、次の(S),(T)のような効果がある。
(S) スイッチングデバイス30Iは、導通状態に於いて、MOSFET17bを高周波数のパルスでオン・オフしている。これにより、スイッチングデバイス30Iのオン電圧を低減することができる。
(T) スイッチングデバイス30Iがターンオフする直前に、MOSFET17bをオンすることで、スイッチングデバイス30Iのターンオフ損失を低減できる。
(第11の実施形態の構成)
図12は、第11の実施形態に於けるスイッチングデバイスの断面図である。
本実施形態のスイッチングデバイス30Jは、第9の実施形態のスイッチングデバイス30H(図11(a))とは異なり、コレクタ電極36側スイッチ(MOSFET)を、当該スイッチングデバイス30Jと同じ半導体基板に内蔵している。
スイッチングデバイス30Jは、半導体基板の表面(第1表面)に、p型チャネル領域31と、このp型チャネル領域31を貫通し、半導体基板に達するトレンチに設けられ、ゲート絶縁膜35によって半導体基板およびp型チャネル領域31と絶縁されているゲート電極34と、p型チャネル領域31の表面かつゲート絶縁膜35に接する部位に設けられた第1導電型のエミッタ領域であるn型ソース領域32と、p型チャネル領域31およびn型ソース領域32に接するエミッタ電極33とを設けている。
スイッチングデバイス30Jは、半導体基板の裏面(第2表面)に、第2導電型の第2チャネル領域であるp型領域12と、p型領域12を貫通して半導体基板に達する第2トレンチに設けられ、第2ゲート絶縁膜20によって半導体基板およびp型領域12と絶縁されている第2ゲート電極19と、p型領域12の表面の一部に第2ゲート絶縁膜20に接して設けられた第1導電型のコレクタ領域であるn型領域13と、p型領域12およびn型領域13に接するコレクタ電極36とを設けている。
スイッチングデバイス30Jは、p型領域12と半導体基板との界面にn型のホールバリア層16を設けている。ホールバリア層16の不純物濃度は、半導体基板のn型ドリフト層11の不純物濃度よりも高い。
スイッチングデバイス30Jは更に、エミッタ電極33からコレクタ電極36に向けて電流が流れている期間に、第2ゲート電極19に対してオン信号とオフ信号とを繰り返し出力して制御する制御部40G(不図示)を備えている。
半導体基板表面(エミッタ側)のゲート電極34は、コレクタ電流をオン・オフする役割を担っている。半導体基板裏面(コレクタ電極3側)の第2ゲート電極19は、n型ドリフト層11(半導体基板)へのホールの注入量を制御する役割を担っている。
第11の実施形態のスイッチングデバイス30Jは、コレクタ電極36側スイッチ(MOSFET)を、半導体基板に内蔵している。これにより、外付けのスイッチ14が不要となり、半導体装置、および、当該半導体装置を用いた電力変換装置(インバータ)を小形化することができる。
スイッチングデバイス30Jの導通状態に於いて、制御部40G(不図示)は、第2ゲート電極19に高周波数のパルスを出力して、コレクタ電極36側スイッチ(MOSFET)をオン・オフしている。これにより、スイッチングデバイス30Jは、オン電圧を低減することができる。
スイッチングデバイス30Jが非導通状態に遷移する直前に、図示しない制御部40Gは、第2ゲート電極19に電圧を印加して、コレクタ電極36側スイッチ(MOSFET)をオンしている。これにより、スイッチングデバイス30Jは、ターンオフ損失を低減できる。
(第11の実施形態の効果)
以上説明した第11の実施形態では、次の(U)〜(W)のような効果がある。
(U) コレクタ電極36側スイッチ(MOSFET)を、半導体基板に内蔵することで、外付けのスイッチが不要となり、半導体装置および、当該半導体装置を用いた電力変換装置を小形化することができる。
(V) スイッチングデバイス30Jの導通状態に於いて、制御部40G(不図示)は、第2ゲート電極19に高周波数のパルスを出力して、コレクタ電極36側スイッチ(MOSFET)をオン・オフしている。これにより、スイッチングデバイス30Jは、オン電圧を低減することができる。
(W) スイッチングデバイス30Jが非導通状態に遷移する直前に、図示しない制御部40Gは、第2ゲート電極19に電圧を印加して、コレクタ電極36側スイッチ(MOSFET)をオンしている。これにより、スイッチングデバイス30Jは、ターンオフ損失を低減できる。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(h)のようなものがある。
(a) 図13に示す電力変換装置であるインバータ500は、IGBT700に、第8〜11の実施形態のスイッチングデバイス30〜30Jを用いてもよい。これにより、インバータ500に於けるIGBT700の損失が低減され、インバータ500の低損失化、小形化が可能となる。
(b) 図13に示す電力変換装置であるインバータ500は、フライホイールダイオード600に、第1〜7の実施形態のダイオード10〜10Fを用いてもよい。これにより、インバータ500に於けるフライホイールダイオード600の損失が低減され、インバータ500の低損失化、小形化が可能となる。
(c) 図13のインバータ500の構成は一例であって、例えば、スイッチング素子にダイオードが逆並列接続された上アームと、スイッチング素子にダイオードが逆並列接続された下アームとが直列に接続されているスイッチングレッグが、交流出力の相数と同数だけ結合された電力変換装置(インバータ)であってもよい。
(d) 直流を交流に変換する電力変換装置(インバータ)に限られず、交流を直流に変換するコンバータ(電力変換装置)が、第8〜11の実施形態のスイッチングデバイス30〜30Jを用いてもよい。
(e) 更に、交流を直流に変換するコンバータ(電力変換装置)が、第1〜7の実施形態のダイオード10〜10Fを用いてもよい。
(f) 第1〜第7の実施形態のスイッチ14は、n型チャネルMOSFETである。しかし、これに限られず、スイッチ14は、p型チャネルのMOSFETであってもよい。
(g) 第1〜第11の実施形態では、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としている。しかし、これに限られず、半導体装置は、第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としてもよい。
(h) 第3の実施形態のダイオード10B(図5)は、p型領域12の厚みと比較してn型領域13の厚みが薄くなるように構成されている。しかし、これに限られず、第3の実施形態の構成に加えて、p型領域12の幅と比較してn型領域13の幅が狭くなるように構成してもよい。これにより、非導通状態に於いて、隣り合うp型領域12から伸びる空乏層が接触しやすくなり、n型領域13には高電圧が印加されなくなる。したがって、スイッチ14は、更に低耐圧のものを使用することができる。
1 アノード電極
2 カソード電極
3 コレクタ電極
10〜10F ダイオード(半導体装置)
11 n型ドリフト層(半導体基板)
12 p型領域(第2導電型アノード領域、第2導電型のチャネル領域、第2導電型コレクタ領域)
13 n型領域(第1導電型アノード領域、第1導電型コレクタ領域)
14,14i スイッチ
15 高濃度n型領域(第1導電型のカソード領域)
16 ホールバリア層(第1導電型ホールバリア層)
17 MOSFET
18 p型領域
19 第2ゲート電極
20 第2ゲート絶縁膜
21 アノード電極
30〜30J スイッチングデバイス(半導体装置)
31 p型チャネル領域(第2導電型のチャネル領域)
32 n型ソース領域(第1導電型のエミッタ領域)
33 エミッタ電極
34 ゲート電極
35 ゲート絶縁膜
36 コレクタ電極
100 ホール
500 インバータ(電力変換装置)
600 フライホイールダイオード
700 IGBT
800 ゲート回路
900 プラス側の電源端子
901 マイナス側の電源端子
910u U相
910v V相
910w W相
950 モータ
960 電源

Claims (21)

  1. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板の第1表面に設けられたアノード領域と、
    前記半導体基板の第2表面に設けられた第1導電型のカソード領域と、
    アノード電極と、
    を備えた半導体装置であって、
    前記第1表面には、第1導電型アノード領域と第2導電型アノード領域とが隣接した構成を備え、
    前記第2導電型アノード領域は、前記アノード電極に接続され、
    前記第1導電型アノード領域は、スイッチを介して前記アノード電極に接続される、
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第2導電型アノード領域と前記半導体基板との界面に、第1導電型ホールバリア層を設け、
    前記第1導電型ホールバリア層の不純物濃度は、前記半導体基板の不純物濃度よりも高い、
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の半導体装置。
  3. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板の第1表面に設けられたアノード領域と、
    前記半導体基板の第2表面に設けられた第1導電型のカソード領域と、
    アノード電極と、
    を備えた半導体装置であって、
    前記第1表面には、第1導電型アノード領域と第2導電型アノード領域とが当該半導体基板の第1導電体で区切られ、かつ、近接している構成が設けられ、
    前記第1導電型アノード領域は、前記第2導電型アノード領域より薄く、かつ、スイッチを介して前記アノード電極に接続され、
    前記第2導電型アノード領域は、前記アノード電極に接続される、
    ことを特徴とする半導体装置。
  4. 前記第1導電型アノード領域と前記半導体基板の界面に、第2導電型層を設けた、
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の半導体装置。
  5. 請求の範囲第1項に記載の半導体装置は更に、
    当該半導体装置に順方向電圧が印加されている期間に、前記スイッチがオン・オフを繰り返すように制御する制御部を備えた、
    ことを特徴とする半導体装置。
  6. 前記制御部は、当該半導体装置に逆方向電圧が印加されている期間に、前記スイッチをオンするように制御する、
    ことを特徴とする請求の範囲第5項に記載の半導体装置。
  7. 前記スイッチは、MOSFETである、
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の半導体装置。
  8. 第1導電型の半導体基板を備えた半導体装置であって、
    前記半導体基板の第1表面には、
    第2導電型のチャネル領域と、
    前記チャネル領域を貫通して前記半導体基板に達するトレンチに設けられ、ゲート絶縁膜によって前記半導体基板および前記チャネル領域と絶縁されているゲート電極と、
    前記チャネル領域の表面かつ前記ゲート絶縁膜に接する部位に設けられた第1導電型のアノード領域と、
    前記チャネル領域および前記アノード領域に接するアノード電極と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  9. 請求の範囲第8項に記載の半導体装置は更に、
    当該半導体装置に順方向電圧が印加されている期間に、前記ゲート電極に対してオン信号とオフ信号とを繰り返し出力する制御部を備えた、
    ことを特徴とする半導体装置。
  10. 請求の範囲第8項に記載の半導体装置は更に、
    当該半導体装置に逆方向電圧が印加されている期間に、前記ゲート電極に対してオン信号を出力する制御部を備えた、
    ことを特徴とする半導体装置。
  11. 第1導電型の半導体基板を備えた半導体装置であって、
    前記半導体基板の第1表面には、
    第2導電型のチャネル領域と、
    前記チャネル領域を貫通して前記半導体基板に達するトレンチに設けられ、ゲート絶縁膜によって前記半導体基板および前記チャネル領域と絶縁されているゲート電極と、
    前記チャネル領域の表面かつ前記ゲート絶縁膜に接する部位に設けられた第1導電型のエミッタ領域と、
    前記チャネル領域および当該エミッタ領域に接するエミッタ電極と、を備え、
    前記半導体基板の第2表面には、
    第1導電型コレクタ領域と第2導電型コレクタ領域とが隣接した構成を備え、
    前記第2導電型コレクタ領域は、コレクタ電極に接続され、
    前記第1導電型コレクタ領域は、スイッチを介して前記コレクタ電極に接続される、
    ことを特徴とする半導体装置。
  12. 前記第2導電型コレクタ領域と前記半導体基板との界面に、第1導電型ホールバリア層を設け、前記第1導電型ホールバリア層の不純物濃度は、前記半導体基板の不純物濃度より高い、
    ことを特徴とする請求の範囲第11項に記載の半導体装置。
  13. 請求の範囲第11項に記載の半導体装置は更に、
    前記半導体装置の前記エミッタ電極から前記コレクタ電極に向けて電流が流れている期間に、前記スイッチがオン・オフを繰り返すように制御する制御部を備えた、
    ことを特徴とする半導体装置。
  14. 前記制御部は、前記半導体装置の前記エミッタ電極から前記コレクタ電極に向けて電流が流れていない期間に、前記スイッチをオンするように制御する、
    ことを特徴とする請求の範囲第13項に記載の半導体装置。
  15. 前記スイッチがMOSFETである、
    ことを特徴とする請求の範囲第11項に記載の半導体装置。
  16. 第1導電型の半導体基板を備えた半導体装置であって、
    前記半導体基板の第1表面には、
    第2導電型のチャネル領域と、
    前記チャネル領域を貫通し、前記半導体基板に達するトレンチに設けられ、ゲート絶縁膜によって前記半導体基板および前記チャネル領域と絶縁されているゲート電極と、
    前記チャネル領域の表面かつ前記ゲート絶縁膜に接する部位に設けられた第1導電型のエミッタ領域と、
    前記チャネル領域および前記エミッタ領域に接するエミッタ電極と、を備え、
    前記半導体基板の第2表面には、
    第2導電型の第2チャネル領域と、
    前記第2チャネル領域を貫通し、前記半導体基板に達する第2トレンチに設けられ、第2ゲート絶縁膜によって前記半導体基板および前記第2チャネル領域と絶縁されている第2ゲート電極と、
    前記第2チャネル領域の表面の一部に前記第2ゲート絶縁膜に接して設けられた第1導電型のコレクタ領域と、
    前記第2チャネル領域および前記コレクタ領域に接するコレクタ電極と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  17. 前記第2チャネル領域と前記半導体基板との界面に、第1導電型ホールバリア層を設け、
    前記第1導電型ホールバリア層の不純物濃度は、前記半導体基板の不純物濃度よりも高い、
    ことを特徴とする請求の範囲第16項に記載の半導体装置。
  18. 請求の範囲第16項に記載の半導体装置は更に、
    前記半導体装置の前記エミッタ電極から前記コレクタ電極に向けて電流が流れている期間に、前記第2ゲート電極に対してオン信号とオフ信号とを繰り返し出力して制御する制御部を備えた、
    ことを特徴とする半導体装置。
  19. 前記制御部は、当該半導体装置の前記エミッタ電極から前記コレクタ電極に向けて電流が流れていない期間に、前記第2ゲート電極に対してオン信号を出力する、
    ことを特徴とする請求の範囲第18項に記載の半導体装置。
  20. 一対の直流端子に印加された直流電圧を交流に変換し、交流の相数と同数の交流端子に出力する電力変換装置であって、
    当該電力変換装置は、
    前記一対の直流端子間に接続された、前記交流の相数と同数の電力変換単位を備え、
    前記電力変換単位はそれぞれ、スイッチング素子と逆極性のダイオードとの並列回路を2個直列接続し、当該並列回路同士の接続ノードから前記交流端子に交流電力を出力し、
    前記ダイオードは、請求の範囲第1項ないし請求の範囲第10項のいずれか1項に記載の半導体装置である、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  21. 一対の直流端子に印加された直流電圧を交流に変換し、交流の相数と同数の交流端子に出力する電力変換装置であって、
    当該電力変換装置は、
    前記一対の直流端子間に接続された、前記交流の相数と同数の電力変換単位を備え、
    前記電力変換単位はそれぞれ、スイッチング素子と逆極性のダイオードとの並列回路を2個直列接続し、当該並列回路同士の接続ノードから前記交流端子に交流電力を出力し、
    前記スイッチング素子は、請求の範囲第11項ないし請求の範囲第19項のいずれか1項に記載の半導体装置である、
    ことを特徴とする電力変換装置。
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