JPWO2013108705A1 - 微小可動機構及び可変容量コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】大きな可変範囲を有する微小可動機構及び可変容量コンデンサを提供することを目的としている。【解決手段】本発明の微小可動機構1は、固定部10に対して間隔を設けて配置された第1の可動部20と、第1の連結部21に連結されたリンク部40と、第2の連結部31を備える第2の可動部30と、支点部50と、を有し、リンク部40は支点部50を支点として回動可能に設けられ、第1の連結部21と支点部50との距離よりも、第2の連結部31と支点部50との距離が長くなる位置に設けられた、ことを特徴とする。【選択図】 図1
Description
本発明は、微小可動機構及び可変容量コンデンサに関し、特に、大きな可変範囲を有する微小可動機構及び可変容量コンデンサに関する。
微小可動機構を用いた可変容量コンデンサは、携帯電話に搭載する回路部品の点数を削減して小型化に寄与することが期待されて、開発が進められている。
このような可変容量コンデンサは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)と呼ばれる微小デバイス技術によって大量生産することが可能である。MEMSは小型化に適していて、大量生産すれば比較的安価な製品にすることができるので、携帯機器の小型化や高性能化に寄与することが期待される。さらに、携帯電話に使用されている周波数帯域は700MHz〜2.5GHz等の広い帯域であるため、最小の電気容量に対して最大の電気容量が10倍程度の可変比を有する可変容量コンデンサが要望されている。
たとえば、特許文献1に開示されているように、支持部と、支持部から延在して設けられた梁で中央部が保持された可動部と、を有する微小可動機構を利用し、支持部に設けられた固定電極と、固定電極に対向する可動部と、によって、可変容量コンデンサの電極が構成された。可動部の変位によって電極間距離が変わるので、可変容量コンデンサの電気容量を可変にできる。
図11に示すように、従来の可変容量コンデンサ102には、従来の微小可動機構101が利用された。従来の微小可動機構101は、可動部120の中央部の2箇所に梁150が固定されて、可動部120は梁150のねじれによって回転可能になっている。支持部110(固定部)には、固定電極として駆動電極111と検出電極112とが、可動部120に対向して設けられている。
この微小可動機構101において、駆動電極111(第1の固定電極)に電圧を印加すると、電圧が印加された駆動電極111と、可動部120と、の間に電位差が発生して、静電力(クーロン力)を生じる。この静電力によって可動部120が梁150を回転軸として回転するので、電気容量を検出する検出電極112(第2の固定電極)と可動部120との対向する部分の電極間距離が変化する。
このとき、静電力と、梁150のねじれに対する材料力学的な復元力と、が均衡した位置まで変位して、検出電極112と可動部120との電気容量が変化する。駆動電極111に印加する電圧値によって、復元力と均衡している変位位置を変化させて、所望の電気容量に調整することができる。ただし、可動部120と駆動電極111との可変範囲を静電力の無い状態の3分の1以上に大きく変化させようとすると、静電力と復元力との均衡を保つことができない。これはプルイン効果と呼ばれる現象で、静電駆動方式における制御可能な可変範囲に制限を与えている。
このような可変容量コンデンサ102の可変比は、検出電極112と可動部120との実効電極間距離の、制御可能な可変範囲における最小値と最大値との比率以内に制限される。ここで、図11の可動部120は梁150を回転軸として傾くので、平行平板に近似したときの電極間距離を実効電極間距離と定義した。可変比を大きくするためには、可動部120と検出電極112との実効電極間距離の可変範囲を大きくしなければならない。
ここで、可動部120と駆動電極111との間に電位差が印加されていない位置を初期状態と定義する。可変範囲を大きくする方法として、初期状態において可動部120と駆動電極111との実効電極間距離を大きくすると、必要な静電力を発生させるための駆動電圧が大きくなってしまう。そこで、図11に示すように、駆動電極111の位置と比較して、検出電極112を梁150からX2方向に離して配置しなければならなかった。しかしながら、大きな可変範囲を得るためには、検出電極112と梁150との配置を離さなければならないので、全体の寸法が大きくなってしまう。
このように、従来の微小可動機構では、可変範囲を大きくすることが実用上困難であった。そのため、大きな可変範囲を有する可変容量コンデンサは実現されていなかった。
本発明は上記課題を解決するためのものであり、特に、大きな可変範囲を有する微小可動機構及び可変容量コンデンサを提供することを目的とする。
本発明の微小可動機構は、固定部に対して間隔を設けて配置された第1の可動部と、前記第1の可動部に設けられた第1の連結部に連結されたリンク部と、前記リンク部に連結された第2の連結部を備える第2の可動部と、前記第1の連結部と前記第2の連結部の間に位置し、前記リンク部に設けられた支点部と、を有し、前記リンク部は、前記第1の可動部が前記固定部に接近するとき前記第2の可動部が前記固定部から離れるように、前記支点部を支点として回動可能に設けられ、前記支点部は、前記第1の連結部と前記支点部との距離よりも、前記第2の連結部と前記支点部との距離が長くなる位置に設けられた、ことを特徴とする。
こうすれば、第1の可動部と第2の可動部とはリンク部にそれぞれ連結されて、リンク部に設けた支点部を支点とした変位が可能になるので、第1の連結部とリンク部の支点位置との距離に対して、第2の連結部とリンク部の支点位置との距離を、相対的に変えることによって、変位量を大きくすることができる。第1の可動部に設けられた第1の連結部と支点部との距離(L1)よりも、第2の可動部に設けられた第2の連結部と支点部との距離(L2)が長いので、支点部を支点とした回動動作による変位量は、第1の可動部の変位量(ΔD1)よりも第2の可動部の変位量(ΔD2)が大きい。すなわち、初期状態での第2の可動部と固定部との間隔(D2)から、最大位置(ΔD2+D2)までを可変範囲とすることができる。
したがって、本発明の微小可動機構は、大きな可変範囲を有する。
さらに、前記第2の可動部は、可動方向に垂直な平面領域を有していることが好適である。可動方向に垂直な平面領域が傾くことなく平行に変位するので、平面領域を平面鏡や平板電極として種々のデバイスに応用可能である。これにより、平面領域を光の反射面として利用すれば、大きな可変範囲を有するミラー・デバイスを構成することができる。また、平面領域を電極面として可変容量コンデンサに用いることができる。
本発明の可変容量コンデンサは、前記第2の可動部が可動方向に垂直な平面領域を有して、前記平面領域に平行に変位する微小可動機構を備えるとともに、前記第1の可動部は第1の可動電極を有し、前記第2の可動部は第2の可動電極を有し、前記固定部は前記第1の可動電極に対向する第1の固定電極を有するとともに、前記第2の可動電極に対向する第2の固定電極を有し、前記第1の可動電極と前記第1の固定電極との間に電位差が印加されていない初期状態を基準にして、前記第1の可動電極と前記第1の固定電極との間に印加された電位差によって、前記第1の可動電極が前記第1の固定電極に接近し、前記第2の可動電極と前記第2の固定電極との間に形成された電気容量を変化させる、ことを特徴とする。
こうすれば、可動状態における第1の可動電極と第1の固定電極との電極間距離(A1)に対して、可動状態における第2の可動電極と第2の固定電極との電極間距離(A2)が大きく変化する。ここで、電位差が印加されていない位置を初期状態の位置と定義して、初期状態での第1の可動電極と第1の固定電極との電極間距離(D1’)を用いると、A1の最大は(ΔD1+D1’)である。なお、初期状態は、加速度等の外力を与えていない状態であることも含んでいる。同様に、初期状態での第2の可動電極と第2の固定電極との電極間距離(D2’)を用いて、A2の最大は(ΔD2+D2’)である。ΔD1よりΔD2が大きいので、A1よりA2を大きくできる。
したがって、本発明の可変容量コンデンサは、大きな可変範囲を有する。
前記初期状態において、前記第1の可動電極と前記第1の固定電極との電極間距離に比べて、前記第2の可動電極と前記第2の固定電極との電極間距離が狭められて配置されたことが好ましい。すなわち、D1’>D2’となるように配置された。こうすれば、初期状態での第2の可動電極と第2の固定電極との電極間距離(D2’)に対して、可動状態における第2の可動電極と第2の固定電極との電極間距離(A2)の最大値の相対比率を大きくすることができる。したがって、制御可能な可変範囲に対して、大きな可変比の可変容量コンデンサを実現できる。
前記固定部において、前記第1の固定電極よりも前記第2の固定電極が突出するように配置されたことが実際的である。このような態様は容易に製作することができる。したがって、制御可能な可変範囲に対して、大きな可変比の可変容量コンデンサを容易に実現できる。
前記微小可動機構はストッパを有し、前記ストッパによって、前記第1の可動電極が前記第1の固定電極に接近できる可動距離が、前記初期状態における前記第1の可動電極と前記第1の固定電極との電極間距離の3分の1以下に制限されていることが好適である。この値が3分の1以上であると、静電力が復元力を上回るプルイン効果によって、復元力だけで初期状態に戻ることができなくなる。該ストッパは、第1の可動部、第1の可動部と対向する固定部、第1の可動電極、第1の固定電極、第2の可動部、第2の可動部と対向する固定部、第2の可動電極、第2の固定電極、に設けることができる。前記いずれかの部材の1箇所に該ストッパを設けていればよいが、複数の部材に分割して設けることもできる。また、複数箇所に設けてもよい。ストッパによって、第1の可動部の変位量(ΔD1)が初期状態での第1の可動電極と第1の固定電極との電極間距離(D1’)の3分の1以下に制限されるので、プルイン効果を防止できる。
本発明によれば、第1の可動部と固定部との間隔の変位量に対して、第2の可動部と固定部との間隔の変位量が大きいので、大きな可変範囲を有する微小可動機構を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、分かりやすいように、図面の寸法を適宜変更している。
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を示す分解斜視図であり、図2は第1の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を説明する平面図である。
図1は第1の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を示す分解斜視図であり、図2は第1の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を説明する平面図である。
図1に示すように、微小可動機構1は、固定部10と、第1の可動部20と、第1の連結部21に連結されたリンク部40と、第2の連結部31を備える第2の可動部30と、支点部50と、を有している。図1ではリンク部40が2箇所に配置されている。リンク部40は支点部50を支点として回動可能に設けられ、支点部50は接合支持部15a、15bに支持されることによって、第1の可動部20と第2の可動部30とが固定部10に対して間隔を設けて配置された。また、第1の補助リンク部42が第2の可動部30の第3の連結部32に連結されている。第1の補助リンク部42はリンク部40の回動に同期して動作し、リンク部40と第1の補助リンク部42との動作によって、可動部30はZ1−Z2方向に変位する。
図3は第1の可動部20及び第2の可動部30の動作を説明する模式図であって、図2のIII−III線に沿って切断した断面図である。図3(a)は外力が与えられていない初期状態の模式図であり、図3(b)は外力により変位した状態の模式図である。
図3(a)に示すように、第1の可動部20は、固定部10と対向する面に第1の可動電極25を有している。第2の可動部30は、固定部10と対向する面に第2の可動電極35を有している。なお、第1の可動部20は導電性材料であり、第1の可動部20の材料が第1の可動電極25として機能している。同様に、第2の可動部30は導電性材料であり、第2の可動部30の材料が第2の可動電極35として機能している。固定部10には、可変容量コンデンサ2を構成する第1の可動電極25を接近させるための第1の固定電極11を有し、第1の可動電極25と第1の固定電極11との間に電位差を印加するための配線(図示していない)が接続されている。また、第2の可動電極35に対向する第2の固定電極12を有し、第2の可動電極35と第2の固定電極12との間に形成された電気容量を外部に取り出すための配線(図示していない)が接続されている。可変容量コンデンサ2は、第1の可動電極25と第1の固定電極11との間に印加した電位差によって、第2の可動電極35と第2の固定電極12との間に形成された電気容量を変化させることができる。以下の説明では、第1の可動電極25と第1の固定電極11とを、駆動電極と呼ぶことにする。また、第2の可動電極35と第2の固定電極12とを、容量電極と呼ぶことにする。
このとき、容量電極が平行平板を形成するように対向面が平面に形成されている。容量電極の対向面は、可動方向であるZ1−Z2方向に垂直な平面領域を有し、平面領域に平行に変位する。Z1−Z2方向の可変範囲のいずれの位置においても、容量電極は平行平板の状態を維持している。なお、ここで言う「平行平板」とはコンデンサの物理的原理を表わす表現であり、厳密な平行状態に限定されない。
第1の可動部20及び第2の可動部30は微小であり、たとえば、第1の可動部20のX1−X2方向の長さは1mm以下であり、Y1−Y2方向の長さは0.8mm以下である。さらに、厚み寸法は0.1mm以下である。
第1の可動部20と第2の可動部30とが変位したとき、第1の連結部21、第2の連結部31、第3の連結部32、及び支点部50、52は、ねじれ変形する。このねじれ変形は弾性変形であって、ねじれ変形に対して元に戻ろうとする復元力を有している。
なお、図1〜図3では、本発明を説明するために必要な部分のみを示しているが、固定部10は外周部に配線を外部に取り出すためのパッド電極部を有し、また微小可動機構1を保護するための保護部で覆われていることが実用的である。さらに、可変容量コンデンサ2の電気容量を制御する制御部が接続されて、駆動電極に静電力を発生させるための電位差が制御部から供給される。
こうすれば、微小可動機構1に生じる静電力と復元力との均衡によって変位量を制御することができる。図1に示すように、第1の可動部20が固定部10に近づく方向に(Z2方向に)変位したとき、第2の可動部30は固定部10から離れる方向に(Z1方向に)変位する。図2に示すように、第1の連結部21と支点部50との距離(L1)よりも、第2の連結部31と支点部50との距離(L2)が長くなる位置に、支点部50を設けている。支点部50は接合支持部15aに支持されて、リンク部40の回動動作の回転中心として作用する。したがって、L1とL2との比率に比例して、第1の可動部20の変位量に対する第2の可動部30の変位量が大きくなる。図2から分かるように、2箇所に設けられたリンク部40は点対称に配置されている。
第1の補助リンク部42は、第2の連結部31と支点部50との距離(L2)と同じ長さになるように、第3の連結部32と支点部52との距離が設定されている。これにより、リンク部40の動作に連動して、第1の補助リンク部42は動作する。
図3(a)、(b)を参照して、第1の可動部20及び第2の可動部30の動作について説明する。
図2に示すように、第1の連結部21と支点部50との距離(L1)よりも第2の連結部31と支点部50との距離(L2)が長い。ここで、電位差が印加されていない位置を初期状態の位置と定義して、支点部50を支点とした回動動作による変位量を、第1の可動部20の変位量(ΔD1)と、第2の可動部30の変位量(ΔD2)と定義する。なお、初期状態は、加速度等の外力を与えていない状態であることも含んでいる。この場合、第1の可動部20の変位量(ΔD1)に対して第2の可動部30の変位量(ΔD2)のほうが大きい。このため、回動動作時に、第1の可動部20(第1の可動電極25)と第1の固定電極11との(駆動電極の)電極間距離(A1)に対して、第2の可動部30(第2の可動電極35)と第2の固定電極12との(容量電極の)電極間距離(A2)が大きく変化する。初期状態での駆動電極の電極間距離(D1’)を用いると、A1は(ΔD1+D1’)である。同様に、初期状態での容量電極の電極間距離(D2’)を用いると、A2は(ΔD2+D2’)である。図3(a)、(b)に示すように、初期状態での駆動電極の電極間距離(D1’)に対する変位状態での電極間距離(A1)の比率に比べて、初期状態での容量電極の電極間距離(D2’)に対する変位状態での電極間距離(A2)の比率を大きくすることができる。
第1の可動部20と第2の可動部30とはリンク部40にそれぞれ連結されて、リンク部40に設けられた支点部50を支点とした変位が可能になるので、第1の連結部21と第2の連結部31とでリンク部40の支点位置との距離を相対的に変えることによって、変位量を自在に変えることができる。このとき、第1の可動部20と第2の可動部30と間のスペースは可動に必要なクリアランス程度で十分であり、支点位置との距離を変えるときにデッドスペースが増加してしまうこともない。これにより、固定部10に設ける第1の固定電極11と第2の固定電極12との電極間距離を大きくする必要がないので、全体の寸法は変わらない。したがって、全体の寸法を大きくしなくても、可変比を大きくすることが可能になる。
コンデンサの電気容量は、平行平板電極の電極面積に比較して電極間距離が小さいときは、理想の平行平板電極での計算式で近似できる。すなわち、電極面積と電極間の誘電率とに比例し、電極間距離に反比例する。したがって、可変容量コンデンサ2の電気容量は容量電極の電極間距離が最小のときに最大であり、電極間距離が最大のときに最小である。また、可変容量コンデンサ2の可変比は電極間距離の最小と最大との比率に等しい。
たとえば、容量電極の電極間距離が1μm〜2μmの可変範囲で、電極面積が0.01mm2の真空誘電率を仮定すれば、約0.9pF〜0.45pFの電気容量になる。また、この場合の可変比は2である。
比較例として、容量電極と駆動電極とが、一体に可動する平行平板電極の単純構造を仮定する。初期状態の駆動電極の電極間距離2μmで、電極間距離が狭まる方向に動作させようとする場合、プルイン効果のために、制御可能な可変範囲は約0.67μmで、同じ電極間距離の容量電極での可変比は1.3程度である。そこで、プルイン効果を防止するため、初期状態の電極間距離の1/3以下の可変範囲になるように、駆動電極の電極間距離を初期状態で3μm以上に拡げて配置しておけば、可変範囲を1μmとすることができる。しかし、初期状態の電極間距離3μmに対する静電力を発生させるために必要な電位差を印加しなければならないので、静電駆動に必要な制御電圧が大きくなってしまう。一方、従来の可変容量コンデンサ102で電極間距離を2μmと仮定すれば、駆動電極111の電極面積範囲でプルイン効果を防止して、検出電極112の可変範囲を1μmとするためには、検出電極112と梁150の距離を、駆動電極111と梁150の距離の2倍程度になるように配置しなければならない。さらに、電極間距離を1μmと仮定すれば、その距離を3〜4倍程度に延ばさなければならず、実用的な大きさではない。
本実施形態によれば、初期状態で駆動電極の電極間距離を1μmとして、支点部50に対するL1:L2の比率を1:3になるように配置すれば、容量電極の電極間距離を1μm〜2μmの可変範囲にできる。また、L1:L2の比率を1:6になるように配置するならば、容量電極の電極間距離を1μm〜4μmの可変範囲にでき、可変比を4にできる。これらの可変容量コンデンサ2では、初期状態の駆動電極の電極間距離1μmに対する静電力を印加すればよいので、静電駆動に必要な制御電圧が、比較例に比べて低くできる。
このような微小可動機構1は以下のように製造することができる。
SOI(Silicon On Insulator)基板と呼ばれるSi基板と表面Si層との間にSiO2が形成されている基板を用い、電気接続用のコンタクトホール部を形成してから、電気接続と接合材とを兼ねる金属層を形成した。金属層を所望のパターンに加工してから、第1の可動部20、第2の可動部30、リンク部40、支点部50、接合部55、等のパターンに表面Si層を加工した。さらに、接合部55以外のパターンに残っているSiO2をエッチング除去して、接合部55だけで繋がっている状態に加工した。
これとは別に、Si基板に絶縁層と金属層を成膜して金属層を配線パターンに加工してから、SiO2を成膜して、SiO2の一部に電気接続用のコンタクトホールを形成した。配線にコンタクトホールで電気接続するとともに、SiO2から突出するように金属層を成膜して所望のパターンに加工し、電気接続を兼ねた接合支持部15a、15b、16a、16bを形成した。また、これとは別の配線にコンタクトホールで電気接続するように、金属層を成膜して所望のパターンに加工し、第1の固定電極11と第2の固定電極12とを形成した。
つぎに、SOI基板の接合部55とSi基板の接合支持部15a、15b、16a、16bとを平面視で重なるように位置合わせして、金属接合によって貼り合わせた。
第1の可動部20(第1の可動電極25)と第1の固定電極11との電極間距離(D1’)は、接合部55と接合支持部15a、15b、16a、16bとの接合によって所望の大きさに設定される。接合支持部15a、15b、16a、16bの突出量を大きくすれば、電極間距離(D1’)を大きくすることができる。
また、SOI基板のSiO2がエッチング除去されたので、第2の可動部30は第2の固定電極12から離れる方向に可動できる。この場合は、SOI基板のSiO2の厚さ(エッチングにより形成されたギャップの量)が可変範囲を制限する。あらかじめ、微小可動機構1に必要な可変範囲の大きさ以上のSiO2の厚さを有するSOI基板が使用された。なお、SOI基板からSiO2をエッチング除去する場合、第1の可動部10や第2の可動部20等の平面領域は微細な孔を設けておくことが好ましい。こうすれば、SiO2のエッチング均一性が向上する。微細な孔であれば、可変容量コンデンサとしての電気容量にほとんど影響しない。 なお、SOI基板を使用せず、他の製造方法によって製造することも可能である。
なお、配線には微小可動機構1の平面位置の外側でパッド電極部が設けられ、第1の可動部20(第1の可動電極25)と第1の固定電極11とに接続されているパッド電極部に制御部が電気接続される。こうすれば、駆動電極の電極間距離(A1)は、制御部から供給された電位差による静電力で制御できる。
第1の可動部20、第2の可動部30、及びリンク部40はSiの物性値で定まる剛性を有し、印加される外力の大きさでは変形しない厚さに設けられている。一方、第1の連結部21、第2の連結部31、及び支点部50等は、弾性変形によって、ねじれ変形できるように長さと幅とが形成されている。このねじれ変形によって、静電力での変位を可能とするとともに、元に戻ろうとする復元力が発生する。ねじれ変形する上記部材の寸法は、たとえば、長さ30μm、幅1.5μm、厚さ1.5μmである。このような寸法は、Siの破壊応力に対して、ねじれ変形等の応力が十分に小さくなるように決定された。
なお、支点部50、52と接合支持部55a、55b、56a、56bとの配置位置をX1−X2方向で変えることによって、第1の連結部21と支点部50との距離(L1)と、第2の連結部31と支点部50との距離(L2)とを、変化させる場合、L1が短くなると同時にL2が長くなる。したがって、L1とL2とが等しい配置を基準にして、可変範囲の増幅率を大きく変化させることができる。
第1の可動部20、第2の可動部30、及びリンク部40等は、Siからなるので導電性を有する。なお、半導体材料であるSiは、BやP等のドーパントを含み、低抵抗化されている。したがって、とくに電極材料を付加することなく、第1の可動部20は第1の可動電極25として機能する。同様に、第2の可動部30は第2の可動電極35として機能する。第1の可動部20、第2の可動部30、リンク部40等をさらに低抵抗化させたいときは、より低抵抗の金属層を積層すればよい。
上述のように、SOI基板とSi基板とを接合した微小可動機構1の場合は、基板の熱膨張係数が同じであり、熱応力が小さい。したがって、環境温度が変化しても、変位量の変動が少ない。
<第2の実施形態>
図4は第2の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を説明する断面図である。図4(a)は外力が与えられていない初期状態の模式図であり、図4(b)は外力により変位した状態の模式図である。なお、第1の実施形態と同じものは同じ符号にしている。
図4は第2の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を説明する断面図である。図4(a)は外力が与えられていない初期状態の模式図であり、図4(b)は外力により変位した状態の模式図である。なお、第1の実施形態と同じものは同じ符号にしている。
第2の実施形態は、第1の実施形態に対して、第1の固定電極11にストッパ18が設けられ、第1の可動部20にストッパ28が設けられていることが異なる。図4(b)に示すように、第1の可動部20はストッパ18とストッパ28とが接触する位置に可変範囲が制限される。なお、可変範囲を同じにできれば、ストッパ18とストッパ28は、いずれか一方にのみ設けてもよい。
第1の可動部20の変位量(ΔD1)が、初期状態での第1の可動部20(第1の可動電極25)と第1の固定電極11との電極間距離(D1’)の3分の1以下に制限されるように、ストッパ18とストッパ28とが接触する高さに設けられていることが好ましい。ΔD1がD1’の3分の1以上であると、静電力が復元力を上回るプルイン効果によって、復元力だけで初期状態に戻ることができなくなる。D1’の3分の1以下に制限されるように、ストッパ18とストッパ28との高さを設けることによって、プルイン効果を防止することができる。
ストッパは、第1の可動部20、第1の可動部20と対向する固定部10、第1の固定電極11、第2の可動部30と対向するSOI基板のSi基板(図示しない)、第2の可動部30におけるSOI基板のSi基板(図示しない)と対向する面、に設けることができる。前記いずれかの部材の1箇所に該ストッパを設けていればよいが、図4(a)のように複数の部材に分割して設けることもできる。また、図4(a)のように複数箇所にストッパを設けてもよい。
ストッパの材料は動作時の接触に対して十分な耐性を有するものを選定すればよい。また、電極の接触が電気的に好ましくない場合は、絶縁材料を用いればよい。より好適には、電極を避けた位置に配置すればよい。
さらに、別のストッパを逆方向の変位を制限するように設けてもよい。たとえば、第2の可動部30と第2の固定電極12とのいずれかに別のストッパを設ければ、図4(a)の初期状態から、逆方向の変位を制限することができる。逆方向の変位も制限できるように微小可動機構1を構成すれば、静電力と復元力との均衡によって変位量を制御する制御方法に加えて、ストッパによって制限位置での変位量を安定的に得る制御が可能になる。たとえば、電気容量の最小値と最大値の2値で可変容量コンデンサ2を使用する用途に最適である。ストッパによって変位量が固定されるので、電気容量が安定して、制御電圧の時間変動などの誤差要因を減らすことができる。逆方向の変位を制限するストッパについても、設置箇所は技術常識を逸脱しない範囲で選択可能である。
<第3の実施形態>
図5は第3の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を示す分解斜視図である。第1の実施形態と同じ符号で示しているが、第1の実施形態と異なり、接合支持部15a、15b、16a、16bがX1−X2方向のほぼ中央に配置され、第1の連結部21の位置が図1に比べてX1−X2方向の中央寄りになっている。また、第2の補助リンク部43が設けられている。第2の補助リンク部43は、第1の連結部21と支点部50との距離(L1)と同じ長さになるように、第4の連結部23と支点部53との距離が設定されている。
図5は第3の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を示す分解斜視図である。第1の実施形態と同じ符号で示しているが、第1の実施形態と異なり、接合支持部15a、15b、16a、16bがX1−X2方向のほぼ中央に配置され、第1の連結部21の位置が図1に比べてX1−X2方向の中央寄りになっている。また、第2の補助リンク部43が設けられている。第2の補助リンク部43は、第1の連結部21と支点部50との距離(L1)と同じ長さになるように、第4の連結部23と支点部53との距離が設定されている。
第3の実施形態においても、第1の連結部21と支点部50との距離(L1)よりも第2の連結部31と支点部50との距離(L2)が長い。第1の実施形態とは異なり、支点部50の位置はほぼ固定されて、第2の連結部31と支点部50との距離(L2)は一定にしてあり、第1の連結部21と支点部50との距離(L1)によって、第2の可動部30の変位量(ΔD2)を調整した。
リンク部40を含むSOI基板は図5に示すパターン以外にも、リンク部40の全長を変えてL1とL2の比率を変えたパターンを製作することができる。一方、固定部10を含むSi基板は、リンク部40の全長を変える場合であっても、図5に示すパターンのように1種類のみ形成すればよい。L1とL2の比率を変える場合でも固定部10が同じ設計の基板で良いので、複数種類の可変容量コンデンサ2を製造することが容易になる。
接合支持部15a、15b、16a、16bがX1−X2方向のほぼ中央に配置されているので、ほぼ左右対称な構成であり、耐衝撃性に優れた可変容量コンデンサ2が得られる。
また、第2の補助リンク部43を設けている。第2の補助リンク部43を設けることにより、第1の可動部20が傾いて動作することが防止できる。第1の可動部20の傾きが防止できるので、固定部10に設ける第1の固定電極11をX1−X2方向の一方だけにしてもよい。
なお、本実施形態において、第2の実施形態のように、ストッパ18、28を設けてもよい。
<第4の実施形態> 図6は第4の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を説明する断面図である。図6(a)は外力が与えられていない初期状態の模式図であり、図6(b)は外力により変位した状態の模式図である。なお、第1の実施形態と同じものは同じ符号にしている。
第4の実施形態は、第1の実施形態に対して、第1の固定電極11が、第2の固定電極12と同一平面でなく、第1の可動部20からの距離を大きくするように設けられていることが異なる。図6(a)に示すように、第1の固定電極11よりも、第2の固定電極12が第2の可動部30に向かって突出するように配置されている。 初期状態での駆動電極の電極間距離(D1’)と、初期状態での容量電極の電極間距離(D2’)とは、D1’>D2’である。
こうすると、D1’に対する変位状態での駆動電極の電極間距離(A1)の比率に比べて、D2’に対する変位状態での容量電極の電極間距離(A2)の比率を、さらに大きくすることができる。
このような固定部10は、その製造工程において、第1の固定電極11と第2の固定電極12とを形成する前に、SiO2膜の膜厚を異ならせておけば、容易に製作することができる。 また、駆動電極の電極間距離を大きくするには、第1の可動部20の第1の固
定電極11に対向する面(第1の可動電極25の電極面)と、第2の可動部30の第2の固定電極12に対向する面(第2の可動電極35の電極面)とを同一平面でなく、異ならせてもよい。
定電極11に対向する面(第1の可動電極25の電極面)と、第2の可動部30の第2の固定電極12に対向する面(第2の可動電極35の電極面)とを同一平面でなく、異ならせてもよい。
なお、駆動電極の電極間距離を大きくすると、静電力を大きくするための電位差がより大きくできなければならない。したがって、容量電極の電極間距離を狭めるように、構成するほうが好ましい。たとえば、初期状態の第1の可動部20(第1の可動電極25)と第1の固定電極11との電極間距離を1μm、初期状態の第2の可動部30と(第2の可動電極35)と第2の固定電極12との電極間距離を0.25μm、支点50に対するL1:L2の比率を1:3になるように配置すれば、容量電極の電極間距離を0.25μm〜1.25μmの可変範囲にできる。したがって、可変容量コンデンサ2の可変比を5にできる。さらに、容量電極の電極間距離を狭めたときは、同じ電極面積での電気容量の値が大きいため、大きな電気容量の可変容量コンデンサ2を得ることができる。また、同じ電気容量の可変コンデンサ2であれば、小型化することが可能である。
ここで、D1’:D2’の比率とL1:L2の比率とは独立して変化させることが可能であり、可変比は相乗的に大きくできる。したがって、従来に比べて、大きな可変比の可変容量コンデンサ2を実現できる。
本実施形態は、第2の実施形態で説明したストッパ18、28が設けられた構成や、第3の実施形態で説明した第2の補助リンク部43が設けられた構成と組み合わせることができる。
<第5の実施形態>
図7は第5の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を説明する断面図であり、初期状態の模式図である。図7において、図1〜図5では省略された保護部60を模式的に示している。
図7は第5の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を説明する断面図であり、初期状態の模式図である。図7において、図1〜図5では省略された保護部60を模式的に示している。
保護部60には第1の可動部20と対向する第3の固定電極61が設けられている。他の構成は第1の実施形態と同様であり、第1の実施形態と同じものは同じ符号にしている。なお、図7を見易くするため、保護部60における接合支持部15b、16bに相当する部材は図示しない。
第1の可動部20は第3の固定電極61と対向する第3の可動電極26として機能する。第3の可動電極26と第3の固定電極61との電位差を与えると、静電力で近づく方向に駆動することができる。したがって、第1の可動部20(第1の可動電極25)と第1の固定電極11との電位差による静電力に対して、反対方向に変位させようとする静電力であり、復元力だけで均衡させるよりも変位のバランスを安定させることができる。また、可変容量コンデンサ2の電気容量を任意の設定値に切り替える速度を早めることができる。
<第6の実施形態>
図8は第6の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を説明する断面図であり、初期状態の模式図である。図7と同様、図8において、図1〜図5では省略された保護部60を模式的に示している。
図8は第6の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を説明する断面図であり、初期状態の模式図である。図7と同様、図8において、図1〜図5では省略された保護部60を模式的に示している。
本実施形態では、保護部60の第2の可動部30と対向する面に、第2の固定電極12が設けられている。第1の実施形態と同様に、第2の可動電極35と第2の固定電極12とが平行平板を形成するように対向面が平面に形成されている。第1の実施形態と同様に、第1の可動部20(第1の可動電極25)と第1の固定電極11との電位差による静電力で、第1の可動部20(第1の可動電極25)と第1の固定電極11との電極間距離が近づくとき、第2の可動部30と固定部10との距離は離れるように動作する。しかしながら、本実施形態の第2の可動部30は、固定部10との対向面とは異なる面が第2の可動電極面35として、第2の固定電極12との電気容量を構成するので、第2の可動電極面35と第2の固定電極12との電極間距離は近づく方向に動作する。
したがって、この場合も、可変容量コンデンサ2として機能する。
<第7の実施形態>
図9は、第7の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を示す分解斜視図である。なお、第1の実施形態と同じものは同じ符号にしている。
図9は、第7の実施形態の微小可動機構1及び可変容量コンデンサ2を示す分解斜視図である。なお、第1の実施形態と同じものは同じ符号にしている。
第7の実施形態は、第1の実施形態に対して、第2の固定電極12として分割電極12a、12bの2個に分割されて設けられていることが異なる。
分割電極12a、12bは、それぞれ、第2の可動部30(第2の可動電極35)との容量電極を構成し、図示しない配線に接続されている。このとき、分割電極12aと分割電極12bとで構成される容量電極において、第2の可動部30(第2の可動電極35)が中間電極となって、2つのコンデンサを直列接続した可変容量コンデンサ2として機能させることができる。
こうすると、直列接続の電気容量は約半分に減少するが、配線を低抵抗化できるので、可変容量コンデンサ2の寄生抵抗を低減することができる。また、可変容量コンデンサ2の寄生インダクタンスを低減することができる。したがって、高周波回路用途に適した可変容量コンデンサ2を実現することができる。
<第8の実施形態>
図10は、第8の実施形態の微小可動機構1及びミラー・デバイス3を説明する断面図である。図10(a)は外力が与えられていない初期状態の模式図であり、図10(b)は外力により変位した状態の模式図である。なお、第1の実施形態と同じものは同じ符号にしている。
図10は、第8の実施形態の微小可動機構1及びミラー・デバイス3を説明する断面図である。図10(a)は外力が与えられていない初期状態の模式図であり、図10(b)は外力により変位した状態の模式図である。なお、第1の実施形態と同じものは同じ符号にしている。
第8の実施形態は、第1の実施形態に対して、第2の固定電極12を設けていないことが異なる。さらに、第2の可動部30はミラー面30aを有し、ミラー面30aは固定部10と対向する面とは異なる面に設けられている。
こうすれば、ミラー面30aを光学的に応用する装置に適用できる。とくに、平面鏡となるようにミラー面30aを形成して、光の反射面として利用すれば、大きな可変範囲を有するミラー・デバイス3を構成することができる。また、可変方向がZ1−Z2方向であり、ミラー面30aの傾きを抑制できる。したがって、Z1−Z2方向の光路長を可変に制御する光学装置に応用することができる。
本発明は、第1の実施形態〜第8の実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
可変容量コンデンサ2において、可動距離の大きいほうを容量電極に用いれば、上述のように可変比を大きくできる。一方、第1の可動部20(第1の可動電極25)と第2の可動部30(第2の可動電極35)との機能を入れ替えることが可能である。この場合、容量電極の可動距離は小さくなるが、可動範囲の中で精密制御が可能になる。したがって、可変範囲が小さくても精密な電気容量を制御する使用方法に適している。また、微小可動機構1の他製品への応用においても、第1の可動部20と第2の可動部30との機能を入れ替えることができる。
以上では、駆動電圧の印加により第1の可動部20(第1の可動電極25)と第1の固定電極11との間に静電力を発生させ、該静電力によって駆動電極の電極間距離を変化させる実施形態を説明したが、平行平板電極に限定されるものではない。櫛歯電極と呼ばれる電極形状で静電力を発生させてもよい。
また、静電力による駆動方式以外に、駆動電圧の印加により磁力または圧電力を生じさせて変位させる態様にも、本発明を適用することによって、大きな可変範囲を実現することが可能である。
1 微小可動機構
2 可変容量コンデンサ
3 ミラー・デバイス
10 固定部
11 第1の固定電極
12 第2の固定電極
15a、15b、16a、16b 接合支持部
18、28 ストッパ
20 第1の可動部
25 第1の可動電極
26 第3の可動電極
21 第1の連結部
23 第4の連結部
30 第2の可動部
30a ミラー面
31 第2の連結部
32 第3の連結部
35 第2の可動電極40 リンク部
41 補助リンク接続部
42 第1の補助リンク部
43 第2の補助リンク部
50、52、53 支点部
55a、55b、56a、56b 接合部
60 保護部
61 第3の固定電極
101 従来の微小可動機構
102 従来の可変容量コンデンサ
110 支持部
111 駆動電極
112 検出電極
120 可動部
150 梁
L1 第1の連結部21と支点部50との距離
L2 第2の連結部31と支点部50との距離
2 可変容量コンデンサ
3 ミラー・デバイス
10 固定部
11 第1の固定電極
12 第2の固定電極
15a、15b、16a、16b 接合支持部
18、28 ストッパ
20 第1の可動部
25 第1の可動電極
26 第3の可動電極
21 第1の連結部
23 第4の連結部
30 第2の可動部
30a ミラー面
31 第2の連結部
32 第3の連結部
35 第2の可動電極40 リンク部
41 補助リンク接続部
42 第1の補助リンク部
43 第2の補助リンク部
50、52、53 支点部
55a、55b、56a、56b 接合部
60 保護部
61 第3の固定電極
101 従来の微小可動機構
102 従来の可変容量コンデンサ
110 支持部
111 駆動電極
112 検出電極
120 可動部
150 梁
L1 第1の連結部21と支点部50との距離
L2 第2の連結部31と支点部50との距離
Claims (6)
- 固定部に対して間隔を設けて配置された第1の可動部と、
前記第1の可動部に設けられた第1の連結部に連結されたリンク部と、
前記リンク部に連結された第2の連結部を備える第2の可動部と、
前記第1の連結部と前記第2の連結部の間に位置し、前記リンク部に設けられた支点部と、
を有し、
前記リンク部は、前記第1の可動部が前記固定部に接近するとき前記第2の可動部が前記固定部から離れるように、前記支点部を支点として回動可能に設けられ、
前記支点部は、前記第1の連結部と前記支点部との距離よりも、前記第2の連結部と前記支点部との距離が長くなる位置に設けられた、
ことを特徴とする微小可動機構。 - 前記第2の可動部は、可動方向に垂直な平面領域を有していることを特徴とする請求項1に記載の微小可動機構。
- 請求項2に記載の微小可動機構を備えるとともに、
前記第1の可動部は第1の可動電極を有し、
前記第2の可動部は第2の可動電極を有し、
前記固定部は前記第1の可動電極に対向する第1の固定電極を有するとともに、前記第2の可動電極に対向する第2の固定電極を有し、
前記第1の可動電極と前記第1の固定電極との間に電位差が印加されていない初期状態を基準にして、前記第1の可動電極と前記第1の固定電極との間に印加された電位差によって、前記第1の可動電極が前記第1の固定電極に接近し、前記第2の可動電極と前記第2の固定電極との間に形成された電気容量を変化させる、
ことを特徴とする可変容量コンデンサ。 - 前記初期状態において、前記第1の可動電極と前記第1の固定電極との電極間距離に比べて、前記第2の可動電極と前記第2の固定電極との電極間距離が狭められて配置されたことを特徴とする請求項3に記載の可変容量コンデンサ。
- 前記固定部において、前記第1の固定電極よりも前記第2の固定電極が突出するように配置されたことを特徴とする請求項4に記載の可変容量コンデンサ。
- 前記微小可動機構はストッパを有し、
前記ストッパによって、前記第1の可動電極が前記第1の固定電極に接近できる可動距離が、前記初期状態における前記第1の可動電極と前記第1の固定電極との電極間距離の3分の1以下に制限されている、
ことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の可変容量コンデンサ。
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A761 | Written withdrawal of application |
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