JPWO2013057969A1 - 走行計画作成装置および自動列車運転装置 - Google Patents

走行計画作成装置および自動列車運転装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、目標走行時間を守りつつ、消費エネルギ量が小さい走行パターンを作成する、走行計画作成装置を提供する。走行計画作成装置51は、記憶部14に保持された路線条件、列車性能、走行条件を使用して、走行指示から走行区間を走行する走行パターンをその走行時間と消費エネルギ量とともに作成する走行シミュレーション部15と、繰り返し処理される基準走行パターンの初期値として最速走行パターンを設定する初期走行パターン設定部16と、走行時間が少し長くなるが消費エネルギ量が小さくなるように基準走行パターンを変更する複数の走行指示案を作成する走行指示案作成部17と、複数の走行指示案の中で消費エネルギ量削減効果が最大である最適走行パターンを選択する最適走行パターン選択部19と、最適走行パターンの走行時間が目標走行時間と同等になるまで、基準走行パターンを更新する基準走行パターン更新部22とを備える。

Description

この発明は、列車の位置ごとの速度や加減速状態で表される走行計画を作成する走行計画作成装置ならびに列車を自動運転する自動列車運転装置に関するものである。
一般的に列車の走行計画は、設計者が経験則に基づいて机上で作成するため、走行計画の消費エネルギ量や乗り心地などの性能は設計者に依存し、必ずしも最適化されたものではなかった。また、走行計画はオフラインで設計されるため、運行中にダイヤ乱れなどで余裕時間が短くなった場合や、乗客が多くて設計性能通りの加減速度が発揮できない場合などには、その走行計画に従った走行が不可能であった。このような問題を解決し、自動的に最適な走行計画を作成する方法が複数提案されている。
まず走行シミュレータと上限速度設定手段によって目標走行時間を満たした走行計画を作成し、さらにノッチ切替パラメータ調整手段によって、乗り心地と省エネを考慮した走行計画を作成する手法が提案されている(特許文献1)。
また、駅間を最速で走行する走行パターンをシミュレータで作成し、それを複数の部分に分割し、それぞれに惰行区間を少しずつ加えていくことによって、目標走行時間を満たした走行パターンを作成する手法が提案されている(特許文献2)。
駅間走行時間が一定の場合、一般に列車の消費エネルギ量が最小となる走り方は、加速、定速、惰行、減速の順に変化するパターンをとることが知られている。
特許第3198170号公報(第1−2頁、第1図) 特許第3881302号公報(第1−2頁、第8図)
特許文献1では、先に最高速度を調整して目標走行時間だけを考慮した走行計画を作成し、それをベースに消費エネルギ量や乗り心地を改善する調整を行う。この方法では、最高速度を先に決めるので探索範囲が限定されるため、消費エネルギ量が最小になる理想的なパターンよりも最高速度が低い解に陥りやすく、消費エネルギ量低減が不十分である。また、惰行を考慮していないことによっても、消費エネルギ量低減が不十分である。
また特許文献2の方法では、惰行によって消費エネルギと走行時間の調整を行っているが、定速走行の速度を調整することを考慮していない。そのため、目標走行時間が十分大きく駅間距離が長い場合には、文献2の方法では駅間で停止してしまうような走行計画を作成する場合がある。また、惰行区間を追加する場所が、ブレーキ開始点付近に限定されている。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、目標走行時間を守り消費エネルギ量が小さい走行計画を作成できる走行計画作成装置を提供することを目的とする。
また、目標走行時間を守り消費エネルギ量が小さくなるように自動で列車を運行できる列車自動運転装置を提供することを目的とする。
この発明に係る走行計画作成装置は、路線条件、列車性能、走行計画を作成する対象の走行区間と目標走行時間を少なくとも含む走行条件を保持する記憶部と、前記記憶部に保持された路線条件、列車性能、走行条件を使用して、走行指示から前記走行区間を走行する走行パターンを、その走行時間と消費エネルギ量とともに作成する走行シミュレーション部と、基準走行パターンに初期値を設定する初期走行パターン設定部と、前記基準走行パターンに対応する基準走行指示から、走行時間が長くなるが消費エネルギ量が小さくなるように前記基準走行指示を変更した複数の走行指示案を作成する走行指示案作成部と、複数の前記走行指示案のそれぞれに対応する複数の前記走行パターンを、前記走行シミュレーション部を用いて作成するシミュレーション起動部と、複数の前記走行パターンの中から、前記基準走行パターンに対して消費エネルギ量削減効果が最大となる前記走行パターンである最適走行パターンを選択する最適走行パターン選択部と、前記目標走行時間を含む所定の時間範囲内に前記最適走行パターンの走行時間が存在するかどうかを判断する評価部と、前記所定の時間範囲内に存在する場合に、前記最適走行パターンまたは前記最適走行パターンに対応する走行指示の何れかまたは両方を出力する出力部と、前記最適走行パターンの走行時間が前記所定の時間範囲の下限値よりも小さい場合に、前記最適走行パターンを前記基準走行パターンに設定する基準走行パターン更新部と、前記基準走行パターンが設定された場合に、前記走行指示案作成部を起動する走行指示案作成起動部とを備えたものである。
この発明に係る自動列車運転装置は、走行計画作成装置と、現在の列車の位置と速度を特定する現在位置取得部と、ATC装置から現在の制限速度である現在制限速度を取得する現在制限速度取得部と、列車の現在位置から決まる走行区間が設定された前記走行条件に対して、前記走行計画作成装置を起動し、作成された走行計画と前記現在制限速度にしたがって列車を走行させる走行指令を作成する走行指令演算部とを備えたものである。
この発明に係る走行計画作成装置によれば、目標走行時間を守り消費エネルギ量が小さい走行計画を作成できる。
この発明に係る自動列車運転装置によれば、目標走行時間を守り消費エネルギ量が小さくなるように自動で列車を運行できる。
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置で走行計画を作成する処理を説明するフローチャートである。 走行区間を最も速く走行する最速走行パターンを例により説明するとともに、制限速度と最高速度の関係を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置で作成される走行指示の変更案を例により説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置で作成される走行指示案の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置で算出される評価指標値の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置で作成される走行指示の変更案を別の例により説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置で作成される走行指示の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置で作成される走行指示案を別の例により説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置において繰り返し処理で作成される走行パターンを例により説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置において急な下り勾配の区間に惰行区間を設定することによる消費エネルギ量の削減効果を例により説明する図である。 アナログATCを採用している路線での制限速度と走行パターンの関係を例により説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る走行計画作成装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る走行計画作成装置で走行計画を作成する処理を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係る自動列車運転装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態5に係る自動列車運転装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置の構成を示すブロック図である。以降の図において、同一の符号を付したものは、同一または相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することである。さらに、明細書全文に表れている構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
図1を用いて、実施の形態1に係る走行計画作成装置の構成を説明する。走行計画作成装置は、路線情報入力部11、列車性能入力部12、走行条件入力部13、記憶部14、走行パターン作成部15、初期走行パターン設定部16、走行指示案作成部17、シミュレーション起動部18、最適走行パターン選択部19、評価部20、出力部21、基準走行パターン更新部22、刻み幅変更部23、走行指示案作成起動部24を備える。
路線情報入力部11は、勾配、カーブの位置とその曲率半径、制限速度などの列車が走行する路線に関するデータである路線条件の入力を受け付ける。列車性能入力部12は、列車重量、列車長、加速性能、減速性能、空気抵抗、モータ効率などの列車に関するデータである列車性能の入力を受け付ける。なお、1両編成でも列車である。走行条件入力部13は、走行計画を作成する対象の区間である走行区間の開始点と終了点、その両点間の目標走行時間や、走行区間に含まれる区間に設定されている臨時の制限速度に関する情報のデータなどである走行条件の入力を受け付ける。なお、目標走行時間は一般的にダイヤ上の駅間走行時間から余裕時間を引いた値であらわされる。列車自動運転のために使用される走行計画を作成する場合などでは、ダイヤの乱れ具合などに応じて目標走行時間を適宜設定してもよい。
路線情報入力部11により入力された路線条件、列車性能入力部12により入力された列車性能、走行条件入力部13により入力された走行条件は、記憶部14に他の処理部が参照できるように保持される。
この実施の形態では、路線情報入力部11、列車性能入力部12および走行条件入力部13を備えているが、それらはなくてもよい。路線条件、列車性能、走行計画を作成する対象の走行区間と目標走行時間を少なくとも含む走行条件を保持する記憶部14が有れば、この発明を実施できる。路線情報入力部11、列車性能入力部12および走行条件入力部13の中で、何れか1個または2個の入力部を備えるようにしてもよい。
走行シミュレーション部である走行パターン作成部15は、記憶部14に保持された路線条件、列車性能、走行条件を使用して、勾配などの路線条件と列車性能を考慮して、走行条件で指定された走行区間の開始位置(開始点)から停止目標位置(終了点)までの間をなるべく短い時間で走行するような走行パターンを、その走行時間と消費エネルギ量とともにシミュレーション等により作成する。本明細書では、電車を対象とするので、消費エネルギ量を消費電力量と書く場合もある。ディーゼルエンジンなどの内燃機関により動力を発生する場合でも、その列車性能として燃費などの必要なデータが記憶部14に格納されており、走行パターン作成部15はそれらのデータを使用して走行パターンを作成する。
走行指示とは、走行区間中のある区間(例えば位置P1からP2の間という指定された区間)ごとに決められる、消費エネルギ量が少なくなるような走行方法に関する指示のことである。走行指示の集合も、走行指示と呼ぶ。この実施の形態では、1個の走行指示は、ある区間で惰行を指定する、もしくはある区間の最高速度を本来の最高速度よりも小さく抑制するものである。走行パターンとは指定した走行指示に沿って走行した場合の、列車の位置と速度の関係を表したものである。なお、惰行を指示されている区間であっても、制限速度や停止目標位置での停止を守るために減速が必要な場合は、減速を優先する。
この実施の形態では、走行区間を最速で走行する最速走行パターンを最初に求めて、少しずつ走行時間が長くなるが消費エネルギ量が少なくなるように、走行パターンを修正することを繰り返す。繰り返しの各回で、修正される前の走行パターンを基準走行パターンと呼ぶ。初期走行パターン設定部16は、走行指示が全く無い状態で走行パターン作成部15を実行して最速走行パターンを求め、基準走行パターンの初期値として設定する。
走行指示案作成部17は、基準走行パターンに対応する基準走行指示から、走行時間が長くなるが消費エネルギ量が小さくなるように基準走行指示の一部を変更した複数の走行指示案を作成する。走行指示案作成部17は、基準走行指示では惰行区間ではない区間に新たに1個の惰行区間を追加する惰行追加部25、基準走行指示に含まれる1個の惰行区間を、走行区間の開始位置に近い側に長くする惰行延長部26、ある区間の最高速度を基準走行指示での値よりも小さく設定する最高速度抑制部27を有する。なお、基準走行指示に最高速度を抑制する走行指示がない区間では、制限速度から後述するルールで求めた最高速度を、その区間での基準走行指示での最高速度とする。
惰行区間の追加または延長、あるいは最高速度を低くすることで消費エネルギ量が低減できる理由を簡単に説明する。惰行とは、走行するために動力を使用していない状態である。平地であれば空気抵抗や車輪とレールの間の摩擦などにより、惰行中の列車の速度はしだいに低下する。平地や上り勾配での定速区間では速度が低下しないように動力を使用しているので、定速区間を惰行区間に変更すると、消費エネルギ量は低減できる。最高速度を低くすると、最高速度までに加速するのに要する消費エネルギ量を低減できる。
シミュレーション起動部18は、走行指示案作成部17で作成された複数の走行指示案のそれぞれを1個ずつ走行パターン作成部15に与えて走行パターンを作成する。作成された走行パターンは、走行指示案に対応させて管理される。なお、走行パターン作成部15では、走行パターンとともに、その走行パターンでの走行時間と消費電力量も求める。
最適走行パターン選択部19は、シミュレーション起動部18により作成された複数の走行パターンの中で、基準走行パターンに対して消費エネルギ量削減効果(後述)が最も大きいものを最適走行パターンとして選択する。
評価部20は、目標走行時間を含む所定の時間範囲内に最適走行パターンの走行時間が存在するかどうかを判断する。目標走行時間が幅を持って与えられる場合は、目標走行時間として規定される範囲が、目標走行時間を含む所定の時間範囲である。目標走行時間が1個の値である場合は、列車運行で許容される走行時間の誤差の大きさや、計算誤差などを考慮して、目標走行時間を含み目標走行時間から所定時間だけ短い時間から所定時間だけ長い範囲を所定の時間範囲とする。ここで、時間を短くする側と長くする側での所定時間は、同じでも異なってもよい。
評価部20は、最適走行パターンの走行時間が目標走行時間を含む所定の時間範囲の下限値以上であり上限値以下である場合に、最適走行パターンの走行時間が所定の時間範囲内に存在すると判断する。そうでない場合は、最適走行パターンの走行時間が所定の時間範囲内に存在しないと判断する。
出力部21は、最適走行パターンの走行時間が目標走行時間を含む所定の時間範囲内に存在する場合に、最適走行パターンと対応する走行指示のどちらかまたは両方を外部に出力する。出力される最適走行パターンまたは走行指示が、この走行計画作成装置が作成した走行計画である。
基準走行パターン更新部22は、最適走行パターンをさらに変更して走行計画を求められるように、最適走行パターンを基準走行パターンに設定する。
刻み幅変更部23は、走行指示案作成部17が基準走行指示の一部を変更して走行指示案を作成する際に変更の大きさを決める刻み幅を、変更する。
走行指示案作成起動部24は、基準走行パターンが設定された場合、あるいは刻み幅変更部23により刻み幅が変更された場合に、走行指示案作成部17を起動する。
次に、実施の形態1の走行計画作成装置が走行計画を作成する際の詳細動作を、図2のフローチャートを用いて説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置で走行計画を作成する処理を説明するフローチャートである。
まず、初期走行パターン設定部16は、走行指示が全く無い状態で走行パターン作成部15を実行して、走行区間の開始点から終了点までを最も速く走行する最速走行パターンを作成し、その走行時間と消費電力量を算出する(STEP101)。なお、開始点と終了点での速度も指定して、最速走行パターンを求める。列車が停車する駅の間を走行区間とする場合には、開始点と終了点での速度はゼロになる。列車が通過する駅が開始点または終了点になる場合は、通過する駅に対応する地点での速度はゼロでない指定された速度になる。
図3は、走行区間を最も速く走行する最速走行パターンを例により説明するとともに、制限速度と最高速度の関係を説明する図である。図3において縦軸が列車速度、横軸が基準点からの距離である。基準点は、路線ごとに適当な位置に決められる。走行パターンは、加速モード、定速モード、惰行モード、減速モードの4種類のモードの区間の組み合わせで表現できる。
図3には制限速度と最高速度の関係も示しているので、制限速度から最高速度を求めるルールについて説明する。一般的に制限速度に対して列車は一定の速度マージン分だけ低い速度で走行するので、最高速度は制限速度よりも速度マージン分だけ小さくなる。制限速度が低く変化する地点では、距離マージンだけ手前から後の区間の低い制限速度から速度マージンを引いた速度を最高速度にする。制限速度が高く変化する地点では、列車末尾がその地点を越えさらに距離マージンを過ぎてから加速可能であるので、その地点を過ぎて列車の長さに距離マージンを加えた距離までは、前の区間の最高速度のままとする。
このような制限速度から最高速度への変換は、走行パターン作成部15が行う。あらかじめ最高速度を求めておき、最速走行パターンを求める際の走行指示として与えるようにしてもよい。
なお、制限速度とは、路線条件にある制限速度または走行条件にある臨時の制限速度のどちらかより小さい速度を意味する。
次に、この最速走行パターンを走行指示案作成部17で走行指示案を作成するために使用する基準走行パターンと定める。また、何も走行指示が無い状態を基準走行指示と定める(STEP102)。
次に、基準走行パターンが設定されたことを検出して、走行指示案作成起動部24が走行指示案作成部17を起動する。走行指示案作成部17は、走行時間が基準走行パターンより少しだけ長くなり、かつ消費エネルギ量が減ることが期待されるような走行指示案を、基準走行指示をベースにして、一部の走行指示を変更するあるいは新たな走行指示を追加するなど変更して、複数作成する(STEP103)。
図4、図5、図7から図9を使用して、この発明に係る走行計画作成装置で走行指示案をどのように作成するかを説明する。図4は、この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置で作成される走行指示の変更案を例により説明する図である。図4に示された基準走行パターンから作成された走行指示案を図5に示す。なお、図4の基準走行パターンは最速走行パターンであり、基準走行指示には何も設定されていない。図5の走行指示案1から5は、図4の案1から5にそれぞれ対応している。
また、後述するようにして図5の案1が選択されて、案1にしたがって変更された基準走行パターンから作成される走行指示案を説明する図を、図7に示す。図7の走行指示案が作成される時点での基準走行指示を図8に示す。図8に示す基準走行指示は、図5の案1である。図7に示された基準走行パターンから作成された走行指示案を図9に示す。図9では上段が1回目のループの処理により既に決定した基準走行指示であり、下段が新たに追加された走行指示である。図9の走行指示案1から5は、図7の案1から5にそれぞれ対応している。
走行指示案作成部17は、惰行追加部25、惰行延長部26、最高速度抑制部27を有する。それぞれの処理部が、走行指示案を作成する方法について説明する。
(1)惰行追加部25による処理
以下に示す惰行追加ルールどれかに該当する箇所に、惰行区間を追加する。
惰行追加ルール1:定速から減速への切り替え点に対して、距離ΔS1手前の地点から惰行区間を追加する。図4に示す案1と案2、および図7に示す案2が、惰行追加ルール1により作成される走行指示案である。
惰行追加ルール2:加速から減速への切り替え点に対して、距離ΔS2手前の地点から惰行区間を追加する。
惰行追加ルール3:勾配の絶対値が所定値(例えば、10パーミル)以上の下り勾配にある、加速から定速への切り替え点に対して、距離ΔS3手前の地点から惰行区間を追加する。ここで、勾配の絶対値が所定値以上の下り勾配を「急な下り勾配」と呼ぶ。図4に示す案3、および図7に示す案1が、惰行追加ルール3により作成される走行指示案である。急な下り勾配と判断するための所定値は、惰行で加速できる下り勾配の大きさ以上になるように決める。
上記のΔS1、ΔS2、ΔS3の各値は、例えば30mとする。
惰行追加ルール3では、惰行区間の最初から加速できるように、加速区間の終了地点からその前の所定距離の地点までの区間の勾配が急な下り勾配である必要がある。当該所定距離は、列車長を考慮して適切に決める。なお、加速区間の終了地点は惰行区間の開始地点でもある。また、惰行により必要な加速ができるように、加速区間の終了地点からその後の所定距離までの区間の勾配も急な下り勾配である必要がある。当該所定距離は、惰行区間に変更する前における距離ΔS3の加速区間で加速される速度差などを考慮して適切に決める。区間の中で勾配が変化する場合には、平均勾配をその区間の勾配として定めるとよい。メジアンなど別の求め方により、区間の勾配を決めてもよい。
なお、惰行追加ルール1と惰行追加ルール2では、惰行区間の終了地点は、各切り替え点の先にある最高速度の切り替え点とする。惰行追加ルール3では、惰行区間の終了地点は、各切り替え点の先にある下り勾配の終了点とする。あるいは、ルールごとに、ΔSn(n=1,2,3)の所定倍(例えば、5倍)の距離だけ各切り替え点よりも先にある地点を、惰行区間の終了地点としてもよい。
(2)惰行延長部26による処理
基準走行指示にある惰行区間を、その開始地点が距離ΔS4手前の地点になるように変更(延長)する。図7に示す案3が、惰行延長部26により作成される走行指示案である。
ΔS4の値は、例えば30mとする。延長する惰行区間がどのルールにより追加されたものであるかを考慮して、そのルールに応じてΔS4を異なる値にしてもよい。急な下り勾配にある惰行区間では、延長した惰行区間の前の所定距離の地点までの区間の勾配が急な下り勾配に該当するかどうかをチェックし、該当しない場合は、該当するように延長する惰行区間の長さを短くしてもよい。
(3)最高速度抑制部27による処理
図4および図7に示したように、最高速度の変化点ごとに区間を分割する(区間A,B,C)。ここで、開始点および終了点の走行区間ではない側(即ち、走行区間の外側)の区間は最高速度がゼロであるとして取り扱う。ここで、最高速度が上に凸になっている区間、すなわち両側に隣接する区間よりも最高速度が高い区間を、最高速度抑制区間に選定する。そして、その区間の最高速度をΔVだけ低くした値を、その区間の新しい最高速度として指定する。ΔVは例えば1km/hとする。
なお、基準走行パターンを変更するループを何回も回ったために、複数の惰行区間が重複または連続する場合は、それらを1つにまとめてよい。さらに、最高速度抑制の結果、隣の区間の最高速度と一致した場合は、それらを合併して一つの区間とする。
次に、シミュレーション起動部18が複数の走行指示案のそれぞれを1個ずつ走行パターン作成部15に与えて走行パターンを作成し、その走行時間と消費エネルギ量を算出する(STEP104)。
次に、最適走行パターン選択部19が、各走行パターンに対して、基準走行パターンと比べての消費エネルギ量削減効果を表す評価指標eを算出し、それが最良なものを選定する(STEP105)。
評価指標eは、例えば式(1)のように定める。
Figure 2013057969
本式において、Eは該当走行パターンの消費エネルギ量、Eは基準走行パターンの消費エネルギ量、Tは該当走行パターンの走行時間、Tは基準走行パターンの走行時間、を表す。式(1)は、消費エネルギ量削減効果を計算する式である。消費エネルギ量削減効果とは、単位量の走行時間の増加に対して消費エネルギ量がどれだけ低下するかを表現する指標である。評価指標eは大きいほど、走行指示案として望ましいことになる。
図5に示す各走行指示案に対して計算された走行時間と消費エネルギ量および評価指標eの算出結果を図6に示す。図6の場合では、評価指標eを比較すると、走行指示案1番が最大であるため、最適走行パターン選択部19は走行指示案1番に対応する走行パターンを最適走行パターンとして選択する。
次に、評価部20では最適走行パターンの走行時間と、記憶部14に保持された目標走行時間を比較する(STEP106)。
目標走行時間を含む所定の時間範囲内に最適走行パターンの走行時間が存在する場合には、その時点での最適走行パターンが最終的な結果であるので、最適走行パターンまたは前記最適走行パターンに対応する走行指示の何れかまたは両方を出力部21が出力して(STEP107)、終了する。ここで、目標走行時間を含む所定の時間範囲内に最適走行パターンの走行時間が存在する場合を、「最適走行パターンの走行時間が目標走行時間と同等である」ということにする。
最適走行パターンの走行時間が目標走行時間と同等でなく、目標走行時間の方が大きい場合、すなわち目標走行時間の所定の時間範囲の下限値よりも最適走行パターンの走行時間が小さい場合には、基準走行パターン更新部22が最適走行パターンを新たな基準走行パターンに設定する。さらに、基準走行パターンが設定されたことを検出した走行指示案作成起動部24が走行指示案作成部17を起動して、STEP103に戻る(STEP108)。
最適走行パターンの走行時間が目標走行時間と同等でなく、目標走行時間の方が小さい場合、すなわち目標走行時間の所定の時間範囲の上限値よりも最適走行パターンの走行時間が大きい場合には、基準走行指示を変更して走行指示案を作成する際に変更の大きさを決める刻み幅であるΔSn、ΔVを、刻み幅変更部23が小さくする。さらに、刻み幅が変更されたことを検出した走行指示案作成起動部24が走行指示案作成部17を起動して、STEP103へ戻る(STEP109)。これは、惰行の追加や最高速度の抑制を過大に行った結果、走行時間が目標走行時間の所定の時間範囲の上限値を超えてしまった場合に、元に戻すための処理である。なお、刻み幅を最初から十分に小さくしていれば、STEP109の処理および刻み幅変更部は不要である。
以上のように、最適走行パターンの走行時間が目標走行時間と同等になるまで、前回のループでの最適走行パターンを基準走行パターンに設定する処理を繰り返す。この時のループ処理の具体的な一例を図10に示す。図10は、この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置において繰り返し処理で作成される走行パターンを例により説明する図である。
ループ1回目は、前述のように図6に基づき案1から案5のうち評価指標eが最大である案1が採用されて、案1に対応する走行パターンが次の回での基準走行パターンになる。その後ループ2回目からループ5回目を経て、最適走行パターンの走行時間が目標走行時間と同等になるループ6回目で走行計画を決定した。
このように、処理ループを回して、ループの各回で消費エネルギ量削減効果が最大の走行指示案を採用するので、少しずつ走行時間を目標走行時間に近づけながら消費エネルギ量をできるだけ減らすことができる。目標走行時間を満たすように最高速度の抑制量だけを先に決めるようなことがないので、最高速度を低く設定しすぎることがない。その結果、目標走行時間を満たしつつ、消費エネルギ量が小さくなるような走行パターンを算出することができる。また、目標走行時間に十分な余裕があり、惰行区間を追加する処理だけでは走行区間の途中で列車が停止するような場合にも、最高速度を適切に低くして、走行区間の途中で列車を停止させることなく、目標走行時間を満たし、消費エネルギ量が小さい走行パターンを作成できる。
さらに、急な下り勾配で惰行により加速することも考慮しているので、急な下り勾配での惰行による加速を考慮しない場合よりも消費エネルギ量削減効果を大きくできる。
図11は、この発明の実施の形態1に係る走行計画作成装置において急な下り勾配の区間に惰行区間を設定することによる消費エネルギ量の削減効果を例により説明する図である。図11の曲線Lは、最大速度を抑制するとともに、惰行を減速開始点の前および急な下り勾配区間に設定した場合に得られる走行パターンを示す。図11の曲線Mは、最大速度を抑制するとともに、惰行を減速開始点の前のみに設定した場合に得られる走行パターンを示す。
曲線Lでは、下り坂勾配でPoint1から惰行により加速している。曲線Lでは、曲線Mと比較して、力行による加速区間およびその後の定速区間が短くなっている。曲線Lの場合の消費エネルギ量は6.7kWhであり、曲線Mの場合の7.1kWhより低い。このように急な下り勾配で惰行させることも考慮することで、考慮しない場合と比較して、消費エネルギ量がより少ない走行計画が作成できる。
なお、急な下り勾配が存在しない路線では、急な下り勾配で惰行により加速すること(惰行追加ルール3)を考慮しないようにしてもよい。
なお、刻み幅ΔSn、ΔVの値は、小さくするほど走行計画の精度が向上するが、演算時間が増加する。このため、走行計画作成装置が有するCPUのスペックや演算目標時間、要求精度に応じて調整する。
なお、以上の例においては、走行区間の開始点と終了点においてそれぞれ速度をゼロとしているが、速度はゼロでなくてもよい。これにより、次駅が通過駅であった場合の目標通過時刻を守った走行計画を作成できる。列車の運行時に、その時点での列車の位置と速度から次駅までの走行計画を作成することなどもできる。
また、図3などでは、制限速度が低下する区間に入る前に列車速度を落とすことを前提としている。一方で、保安信号システムにアナログATC(Automatic Train Control)を採用している路線では、その地点における制限速度が地上側からレール経由で与えられ、その情報を受けた時に制限速度を超過していれば、列車速度が制限速度よりもマージン分だけ低い速度以下になるまで減速を行う。図12は、アナログATCを採用している路線での制限速度と走行パターンの関係を例により説明する図である。
アナログATCを採用している路線での走行パターンでは、制限速度を超えてから減速を開始する。したがって、図12の制限速度が低くなるPoint1で、制限速度を超えてから減速を開始することが許容される。すなわち、制限速度を一時的に超過することを前提として走行パターンを作成する。加速に関しては、制限速度が高くなるPoint2から、加速するような走行パターンを作成する。
このようなアナログATCを採用している路線においても、本実施の形態で示した走行計画作成装置を適用可能である。
なお、最初に最速走行パターンを作成してそれを基準走行パターンの初期値とするかわりに、予め用意した走行パターンを基準走行パターンの初期値としてもよい。これによって、演算ループ回数を減らし、演算時間を短縮することができる。その場合には、走行指示も予め用意しておいてもよいし、用意した走行パターンからそれに対応する走行指示を求めてもよい。また、走行指示を与えて、与えられた走行指示をシミュレーションして走行パターンを求め、求めた走行パターンを基準走行パターンの初期値にしてもよい。
この実施の形態では、走行指示として、惰行区間の追加または延長、最高速度抑制を考慮する。加速時または減速時の走行パターンを変化させるような走行指示も考慮するようにしてもよい。
走行指示案を作成する際に使用する、走行指示の変更の大きさを決める刻み幅は、各走行指示案での走行時間の増加量がほぼ同じになるように決めることが、望ましい。その理由は、どの指示案が選択されたとしても、繰り返し回数がほぼ同じになるからである。そのためには、走行指示案を変更するルールごとに刻み幅を決めたが、ルールが適用される箇所ごとに刻み幅を変化させてもよい。走行指示案に対して走行パターンとその走行時間を計算しているので、基準走行パターンに対する走行時間の増加量が大きすぎるまたは小さすぎる走行指示案では刻み幅を小さくまたは大きく変更して走行パターンを再作成するようにしてもよい。再作成は、選択された走行指示案だけにして、他については次回のループ処理からにしてもよい。
また、ループ処理の各回での最適走行パターンの走行時間と目標走行時間の差に応じて、差が大きい場合は、刻み幅を大きく、小さい場合は刻み幅を小さく設定するようにしてもよい。そうすることにより、要求精度を満たした上で、最初から小さい刻み幅で一定とした場合よりも、ループの繰り返し回数ひいては演算時間を短くできる。例えば、最速走行パターンと目標走行時間の差(初期時間差と呼ぶ)で、ループ処理の各回での最適走行パターンの走行時間と目標走行時間の差(残時間差と呼ぶ)を割った値である残時間差率(=残時間差/初期時間差)に対して、以下のように決めてもよい。(1)残時間差率が0.25未満では、刻み幅=Δ、(2)残時間差率が0.25以上かつ0.5未満では、刻み幅=2Δ、(3)残時間差率が0.5以上では、刻み幅=4Δ。このようにすると、最初からΔの刻み幅とした場合と比較して約半分の繰り返し回数で、ほぼ同じ走行パターンが得られる。
最適走行パターンを選択する評価指標は、消費エネルギ量に関するものだけでなく、乗り心地も考慮するようにしてもよい。
列車性能入力部12に入力される列車性能は、設計値ではなく過去の走行履歴をもとに推定した値を用いてもよい。これによって、列車性能が設計値からずれていた場合や、経年変化によって列車性能が変動した場合にも適切に対応できる。また、乗車率を加味した列車性能を入力してもよい。
この実施の形態では、走行計画作成装置を構成する処理部を、1つの処理部が1つの機能を実現するように分けている。複数の機能を1つの処理部で実現してもよい。例えば、初期走行パターン設定部16、基準走行パターン更新部22、および刻み幅変更部23が、走行指示案作成部17を起動するようにしてもよい。その場合には、走行指示案作成起動部24が不要になり、走行指示案作成起動部の機能も、初期走行パターン設定部、基準走行パターン更新部、および刻み幅変更部が実現することになる。最適走行パターン選択部と評価部の機能を1個の処理部が実現してもよい。
路線条件、列車性能および走行条件を、それぞれ別の入力部を使用して入力したが、1個の入力部を使用して入力するようにしてもよい。
以上のことは、他の実施の形態でもあてはまる。
実施の形態2.
実施の形態1においては、目標走行時間を守った走行計画を作成する上で、消費エネルギ量の削減だけを考慮していたが、さらに乗り心地を考慮してもよい。この実施の形態2では、消費エネルギ量の削減に加えて乗り心地も考慮して走行計画を作成する走行計画作成装置の構成を説明する。
実施の形態2に係る走行計画作成装置の構成を説明するブロック図を、図13に示す。実施の形態1の場合の図1と比較して、乗り心地評価部28が追加になり、初期走行パターン設定部16A、シミュレーション起動部18A、最適走行パターン選択部19Aが変更になっている。乗り心地評価部28は、走行パターンの乗り心地を評価して、その指標値である乗り心地指標値を生成する。初期走行パターン設定部16Aとシミュレーション起動部18Aは、走行パターン作成部15を起動した後に、作成した走行パターンに乗り心地評価部28を適用して乗り心地指標値を生成する。最適走行パターン選択部19Aは、乗り心地評価部28が生成した乗り心地指標値と消費エネルギ量削減効果に基づいてそれらを総合的に判断して、最適走行パターンを選択する。
この発明の実施の形態2に係る走行計画作成装置で走行計画を作成する処理を説明するフローチャートを、図14に示す。実施の形態1の場合の図2と比較して、STEP101A、STEP104A、STEP105Aの動作を変更している。
走行パターン作成部15が乗り心地指標値を計算するようにしてもよい。その場合には、走行パターン作成部が乗り心地評価部でもあることになる。
STEP101Aでは、初期走行パターン設定部16Aが作成した最速走行パターンに乗り心地評価部28を起動して、その乗り心地指標値を求める。STEP104Aでは、シミュレーション起動部18Aが、走行パターン作成部15が作成した各走行パターンに対して、乗り心地評価部28を起動して、乗り心地指標値を求める。乗り心地指標値としては、単純には走行モードの切り替え回数や、基準値以上のジャークの発生回数から算出できる。この実施の形態では、加速モード、定速モード、走行モード、惰行モードの間でのモードの切り替え回数から乗り心地指標値を算出する。
STEP105Aにおいて、乗り心地指標値と消費エネルギ量削減効果を総合的に評価する評価指標値を算出して、その評価指標値に基づいて最適走行パターンを選択する。
実施の形態2において、最適走行パターンを選択するための評価指標eを例えば式(2)のように定める。
Figure 2013057969
ここで、Cは走行モードの切り替え回数である。1/Cが乗り心地指標値である。走行モードの切り替えが少ないほど乗り心地指標値は大きくなる。αは省エネと乗り心地の重みづけを調整する係数である。αが大きいほど、乗り心地の重みが大きくなる。STEP105Aでは、式(2)で表現された評価指標eが最大になる走行パターンを最適走行パターンに選択する。
乗り心地指標値と消費エネルギ量削減効果に基づきそれらを総合して判断するものであれば、評価指標はどのようなものでもよい。
以上の構成によれば、消費エネルギ量を削減しつつ乗り心地もよい走行計画を作成できるようになる。
実施の形態3.
実施の形態1ないし2においては、目標走行時間を守った走行計画を作成する上で、消費エネルギ量の削減だけ、もしくは消費エネルギ量の削減と乗り心地の両方を考慮していたが、さらに、後続列車への影響を考慮してもよい。
消費エネルギ削減のために、出発点としての駅を出発した直後から低速で走行した場合、この列車が出発駅(出発点)を完全に抜けて後続列車が駅に到着できるようになるまで時間がかかる。こうした場合、後続列車は、その駅の手前で減速を強いられるため、消費エネルギの増加や駅到着の遅延を引き起こす可能性がある。この実施の形態3では、消費エネルギ量の削減に加えて、後続列車の運行への悪影響をも考慮して走行計画を作成する走行計画作成装置の構成を説明する。
実施の形態3に係る走行計画作成装置の構成は図3と同様である。但し、最適走行パターン選択部19Aが最適走行パターンを選択する基準として用いる評価指標が、実施の形態1,2とは異なる。実施の形態3において、最適走行パターンを選択するための評価指標eは、例えば式(3)のように定めることができる。
Figure 2013057969
ここで、Dは、自列車が出発駅に影響を及ぼしうる、出発駅からの距離を表す定数である。つまり、自列車が駅を出発してから距離Dの地点を通過するまでの時間が増大しなければ、後続列車がその駅のホームに進入できる時間に遅れを生じさせず、後続列車の運行に影響を与えることがない。逆に言えば、自列車が駅を出発した直後から低速走行して距離Dの地点を通過する時間が遅れると、後続列車はその駅のホームに定刻どおりに進入できず、後続列車の運行に遅れが生じる。
Dは、例えば、自列車の最後尾が出発駅のホームから完全に進出する時点における自列車の先頭位置と、その出発駅での停車時における自列車の先頭位置との差で定められる。これは、自列車の最後尾が出発駅のホームを完全に進出すれば後続列車のホームへの進入を許可する信号システムを想定した場合の例である(多くの信号システムではこのルールが採用されている)。
またεは、後続列車への影響と省エネの重みづけを調整する係数である。最適走行パターン選択部19Aは、評価指標eが最大になる走行パターンを最適走行パターンに選択する。よって、εが小さいほど、後続列車の運行へ影響を与えない走行パターンが、優先的に選択されるようになる。つまり、εを小さくするほど、後続列車の運行への影響を抑えることが重要視されるようになる。
実施の形態3において、評価指数は、後続列車への影響と消費エネルギ量削減効果に基づきそれらを総合して判断するものであればどのようなものでもよい。
以上の構成によれば、後続列車への悪影響を抑えつつ、消費エネルギ量を削減する走行計画を作成できるようになる。
なお、最適走行パターンを選択するための評価指標は、消費エネルギ量と後続列車に対する影響に関するものだけでなく、さらに乗り心地も考慮するようにしてもよい。
実施の形態4.
この実施の形態4は、実施の形態1の走行計画作成装置を組み込んだ、自動列車運転装置に関するものである。図15に、この発明の実施の形態4に係る自動列車運転装置の構成を示すブロック図を示す。
自動列車運転装置50は、走行計画作成装置51、現在位置取得部52、現在制限速度取得部53、走行指令演算部54を有する。自動列車運転装置50は、地上子検知装置55、ATC装置56、速度センサ57、駆動装置58、ブレーキ装置59、走行条件設定部60と接続される。
説明の都合で、自動列車運転装置50の外部の装置を先に説明する。
地上子検知装置55は、路線上に設置された地上子を通過するとそれを検知し、地上子からその地点の位置情報を取得する。ATC装置56は、地上側から区間の制限速度を取得し、制限速度を超える場合には自動で減速する。速度センサ57は、列車の速度を検出する装置である。駆動装置58は、列車が加速または定速で走行するために必要な動力を発生させる装置である。ブレーキ装置59は、列車を減速させるための装置である。
走行条件設定部60では、路線の各駅間の目標走行時間や臨時に設定された制限速度といった走行条件を設定し、走行計画装置51へ入力する機能を持つ。これらの走行条件は運転士が設定してもよいし、本構成図に含まれない通信装置を介して、地上システムや車上の別システムから設定してもよい。
次に、自動列車運転装置50の内部について説明する。
走行計画作成装置51の部分では、図1と異なる部分だけを説明する。データベース61は、勾配、カーブの位置とその曲率半径、制限速度などの路線条件と、列車重量、列車長、加速性能、減速性能、空気抵抗、モータ効率などの列車性能を保持する。走行条件記憶部62は、走行計画を作成する対象の区間である走行区間の開始点と終了点、その両点間の目標走行時間や走行区間に設定されている臨時の制限速度に関する情報などのデータである走行条件を保持する。データベース61と走行条件記憶部62とを合わせたものが、実施の形態1の場合の記憶部14に相当する。データベース61と走行条件記憶部62は、自動列車運転装置50の他の処理部でも使用される。走行パターン作成部15Aは、データベース61と走行条件記憶部62を参照して、走行指示から走行パターンをシミュレーションなどにより作成する。
現在位置取得部52は、地上子検知装置55から得られる位置情報と速度センサ57から得られる速度情報の積分によって、現在の列車位置と速度を特定する。現在制限速度取得部53は、ATC装置56から得られるその時点での制限速度である現在制限速度を取得する。
走行指令演算部54は、通常は予め作成された走行計画にしたがって走行指令を作成する。ただし、走行計画で求められた速度より、ATCによる現在制限速度の方が低い場合は、ATCによる現在制限速度を守ることを優先する。作成した走行指令を駆動装置58もしくはブレーキ装置59に伝えることによって、列車は自動的に走行する。予め作成された走行計画を使用できない場合は、列車の現在の位置と速度から決まる走行区間で、目標走行時間を満たし消費エネルギ量が小さい走行計画を作成するように走行計画作成装置51を起動し、作成された走行計画にしたがって走行指令を作成する。
列車の現在の位置と速度から決まる走行区間とは、所定時間後に列車が存在する地点から所定の終了点までの走行区間である。所定時間は、走行計画作成装置51が走行計画を作成するのに要する時間よりも長い時間とする。
予め作成された走行計画を使用できない場合の例としては、先行列車の遅延のため通常時の制限速度よりもATCによる制限速度が低くなった場合、事故などにより駅ではない地点で停車した後に走行を再開する場合、遅れが発生した後に遅れを少なくするために通常よりも短い時間で走行する場合などがある。
以上の構成によれば、現在の位置および速度、目標走行時間、臨時の制限速度など走行中に動的に変化するパラメータがあっても、それに随時対応して、目標走行時間を守りつつ消費エネルギ量が小さい走行計画を自動的に作成し、それに従って自動的に走行可能である。これによって、ダイヤを守りつつ消費エネルギ量を低減した鉄道運行が実現できる。
なお、上記構成ではATC装置として、その在線位置における制限速度を伝えるアナログATC方式を前提に説明したが、その列車の停止目標位置を伝える一段ATCなどを用いてもよい。停止目標位置が列車に伝えられた場合、現在制限速度取得部53は、現在の位置から減速を開始しても停止目標位置手前に止まれる上限速度を、列車のブレーキ性能や路線条件を元に算出する。現在制限速度取得部53は、算出した上限速度を、現在制限速度として用いればよい。
なお、列車性能情報としてデータベース61に格納する値は、設計値ではなく過去の走行履歴をもとに推定した値を用いてもよい。これによって、列車性能が設計値からずれていた場合や、経年変化によって列車性能が変動した場合にも適切に対応できる。
走行条件変更部はなくてもよい。逆に、データベースに格納された路線条件と列車性能のどちらかまたは両方を変更するデータ変更部を備えてもよい。
走行計画作成装置は、乗り心地を考慮するものでもよく、目標走行時間を守り、かつ少ない消費エネルギ量で走行区間を走行する走行計画を、走行時間が長くなるが消費エネルギ量は小さくなるように、走行計画を少しずつ変更して作成するものであれば、どのようなものでもよい。
以上のことは、他の実施の形態にもあてはまる。
実施の形態5.
本実施の形態は、実施の形態2の走行計画作成装置を組み込み、消費エネルギ量削減と乗り心地の両方を考慮し、さらに走行している列車の状態や、天候などの外部環境情報も考慮して自動走行できるようにした、自動列車運転装置である。図16に、この発明の実施の形態5に係る自動列車運転装置の構成を示すブロック図を示す。
図15と比較して異なる点だけを説明する。自動列車運転装置50Bは、乗車率や駆動装置の故障などの列車状態を取得する列車状態取得部63、天候などの外部環境情報を取得する外部環境情報取得部64を有する。取得された列車状態と外部環境情報は、走行条件記憶部62Bに格納される。
走行計画作成装置51Bは、実施の形態2と同様な乗り心地評価部28、初期走行パターン設定部16A、シミュレーション起動部18Aおよび最適走行パターン選択部19Aを有する。さらに、列車状態や外部環境情報も考慮して走行パターンを作成する走行パターン作成部15Bを有する。
走行パターン作成部15Bは、乗車率に応じて列車の加速性能と減速性能を変化させる、一部の駆動装置が故障している場合には故障していない駆動装置だけを使用するなど、列車状態を考慮した列車性能を用いて走行パターンを求める。さらに、天候に応じて、例えば雨天または降雪時は線路と車輪のスリップ発生を避けるために、ブレーキ出力を小さくするなど、外部環境も考慮して走行パターンを求める。
以上の構成によれば、乗車率などの列車情報と天候などの外部環境情報も考慮して、目標走行時間を守りつつ消費エネルギ量削減効果と乗り心地を総合的に考慮して走行計画を自動的に作成し、それに従って自動的に走行可能である。これによって、ダイヤを守りつつ消費エネルギ量を低減しかつ乗り心地がよい鉄道運行が実現できる。
列車情報取得部と外部環境情報取得部のどちらかだけを備えるようにしてもよい。
以上、説明した各実施の形態の特徴を、自由に組合せて持つようなものも本発明に含まれる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
11 路線情報入力部、12 列車性能入力部、13 走行条件入力部、14 記憶部、15 走行パターン作成部、15A 走行パターン作成部、15B 走行パターン作成部、16 初期走行パターン設定部、16A 初期走行パターン設定部、17 走行指示案作成部、18 シミュレーション起動部、18A シミュレーション起動部、19 最適走行パターン選択部、19A 最適走行パターン選択部、20 評価部、21 出力部、22 基準走行パターン更新部、23 刻み幅変更部、24 走行指示案作成起動部、25 惰行追加部、26 惰行延長部、27 最高速度抑制部、28 乗り心地評価部、50 自動列車運転装置、50B 自動列車運転装置、51 走行計画作成装置、51B 走行計画作成装置、52 現在位置取得部、53 現在制限速度取得部、54 走行指令演算部、55 地上子検知装置、56 ATC装置、57 速度センサ、58 駆動装置、59 ブレーキ装置、60 走行条件設定部、61 データベース、62 走行条件記憶部、63 列車状態取得部、64 外部環境情報取得部。
この発明に係る走行計画作成装置は、路線条件、列車性能、走行計画を作成する対象の走行区間と目標走行時間を少なくとも含む走行条件を保持する記憶部と、前記記憶部に保持された路線条件、列車性能、走行条件を使用して、走行指示から列車が前記走行区間を走行する走行パターンを、その走行時間と消費エネルギ量とともに作成する走行シミュレーション部と、基準走行パターンに初期値を設定する初期走行パターン設定部と、前記基準走行パターンに対応する基準走行指示から、走行時間が長くなるが消費エネルギ量が小さくなるように前記基準走行指示を変更した複数の走行指示案を作成する走行指示案作成部と、複数の前記走行指示案のそれぞれに対応する複数の前記走行パターンを、前記走行シミュレーション部を用いて作成するシミュレーション起動部と、複数の前記走行パターンの中から、前記基準走行パターンに対して消費エネルギ量削減効果が最大となる前記走行パターンである最適走行パターンを選択する最適走行パターン選択部と、前記目標走行時間を含む所定の時間範囲内に前記最適走行パターンの走行時間が存在するかどうかを判断する評価部と、前記所定の時間範囲内に存在する場合に、前記最適走行パターンまたは前記最適走行パターンに対応する走行指示の何れかまたは両方を出力する出力部と、前記最適走行パターンの走行時間が前記所定の時間範囲の下限値よりも小さい場合に、前記最適走行パターンを前記基準走行パターンに設定する基準走行パターン更新部と、前記基準走行パターンが設定された場合に、前記走行指示案作成部を起動する走行指示案作成起動部とを備えたものである。
この発明に係る走行計画作成装置は、路線条件、列車性能、走行計画を作成する対象の走行区間と目標走行時間を少なくとも含む走行条件を保持する記憶部と、前記記憶部に保持された路線条件、列車性能、走行条件を使用して、走行指示から列車が前記走行区間を走行する走行パターンを、その走行時間と消費エネルギ量とともに作成する走行シミュレーション部と、基準走行パターンに初期値を設定する初期走行パターン設定部と、前記基準走行パターンに対応する基準走行指示から、走行時間が長くなるが消費エネルギ量が小さくなるように前記基準走行指示を変更した複数の走行指示案を作成する走行指示案作成部と、複数の前記走行指示案のそれぞれに対応する複数の前記走行パターンを、前記走行シミュレーション部を用いて作成するシミュレーション起動部と、複数の前記走行パターンの中から、前記基準走行パターンに対して消費エネルギ量削減効果が最大となる前記走行パターンである最適走行パターンを選択する最適走行パターン選択部と、前記目標走行時間を含む所定の時間範囲内に前記最適走行パターンの走行時間が存在するかどうかを判断する評価部と、前記所定の時間範囲内に存在する場合に、前記最適走行パターンまたは前記最適走行パターンに対応する走行指示の何れかまたは両方を出力する出力部と、前記最適走行パターンの走行時間が前記所定の時間範囲の下限値よりも小さい場合に、前記最適走行パターンを前記基準走行パターンに設定する基準走行パターン更新部と、前記基準走行パターンが設定された場合に、前記走行指示案作成部を起動する走行指示案作成起動部とを備え、前記走行指示案作成部(17)が、前記基準走行指示に対して、惰行区間を追加する惰行追加部(25)、どれかの惰行区間を長くする惰行延長部(26)、どれかの区間の最高速度を低下させる最高速度抑制部(27)を有し、惰行区間は、加速区間の終了地点の前後にある勾配の絶対値が所定値以上である下り勾配の区間、または減速区間の前に設定される、ものである。

Claims (13)

  1. 路線条件、列車性能、走行計画を作成する対象の走行区間と目標走行時間を少なくとも含む走行条件を保持する記憶部(14)と、
    前記記憶部(14)に保持された路線条件、列車性能、走行条件を使用して、走行指示から前記走行区間を走行する走行パターンを、その走行時間と消費エネルギ量とともに作成する走行シミュレーション部(15)と、
    基準走行パターンに初期値を設定する初期走行パターン設定部(16)と、
    前記基準走行パターンに対応する基準走行指示から、走行時間が長くなるが消費エネルギ量が小さくなるように前記基準走行指示を変更した複数の走行指示案を作成する走行指示案作成部(17)と、
    複数の前記走行指示案のそれぞれに対応する複数の前記走行パターンを、前記走行シミュレーション部(15)を用いて作成するシミュレーション起動部(18)と、
    シミュレーション起動部(18)が作成した複数の前記走行パターンの中から、前記基準走行パターンに対して消費エネルギ量削減効果が最大となる前記走行パターンである最適走行パターンを選択する最適走行パターン選択部(19)と、
    前記目標走行時間を含む所定の時間範囲内に前記最適走行パターンの走行時間が存在するかどうかを判断する評価部(20)と、
    前記所定の時間範囲内に存在する場合に、前記最適走行パターンまたは前記最適走行パターンに対応する走行指示の何れかまたは両方を出力する出力部(14)と、
    前記最適走行パターンの走行時間が前記所定の時間範囲の下限値よりも小さい場合に、前記最適走行パターンを前記基準走行パターンに設定する基準走行パターン更新部(22)と、
    前記基準走行パターンが設定された場合に、前記走行指示案作成部(17)を起動する走行指示案作成起動部(24)と
    を備えた走行計画作成装置。
  2. 前記走行指示案作成部(17)が、前記基準走行指示に対して、惰行区間を追加する惰行追加部(25)、どれかの惰行区間を長くする惰行延長部(26)、どれかの区間の最高速度を低下させる最高速度抑制部(27)を有することを特徴とする請求項1に記載の走行計画作成装置。
  3. 惰行区間は、加速区間の終了地点の前後にある勾配の絶対値が所定値以上である下り勾配の区間、または減速区間の前に設定されることを特徴とする請求項2に記載の走行計画作成装置。
  4. 前記最高速度抑制部(27)は、隣接する区間よりも最高速度が高い区間の最高速度を低下させることを特徴とする請求項2に記載の走行計画作成装置。
  5. 前記走行指示案作成部(17)が前記基準走行指示を変更して前記走行指示案を作成する際に変更の大きさを決める刻み幅を変更する刻み幅変更部(23)をさらに備え、
    前記最適走行パターンの走行時間が前記所定の時間範囲の下限値よりも小さい場合に、前記基準走行パターン更新部(22)が前記基準走行パターンを更新せず、前記刻み幅変更部(23)が前記刻み幅を小さく変更し、前記走行指示案作成部(17)が起動されることを特徴とする請求項1に記載の走行計画作成装置。
  6. 前記走行指示案作成部(17)が前記基準走行指示を変更して前記走行指示案を作成する際に変更の大きさを決める刻み幅を変更する刻み幅変更部(23)をさらに備え、
    前記目標走行時間と前記最適走行パターンの走行時間との差に応じて前記刻み幅変更部(23)が前記刻み幅を変更することを特徴とする請求項1に記載の走行計画作成装置。
  7. 前記初期走行パターン設定部(16)が、前記走行シミュレーション部(15)を使用して所定の走行区間を最も速く走行する最速走行パターンを求め、該最速走行パターンを前記基準走行パターンの初期値として設定することを特徴とする請求項1に記載の走行計画作成装置。
  8. 前記走行パターンの乗り心地を評価して、その指標値である乗り心地指標値を生成する乗り心地評価部(20)をさらに備え、
    前記最適走行パターン選択部(19)が、前記基準走行パターンに対する消費エネルギ量削減効果と前記乗り心地指標値とに基づいて前記最適走行パターンを選択することを特徴とする請求項1に記載の走行計画作成装置。
  9. 前記最適走行パターン選択部(19)は、走行計画を作成する対象の列車の後続列車の運行に影響を与えない走行パターンを優先的に選択することを特徴とする請求項1に記載の走行計画作成装置。
  10. 路線条件、列車性能、走行条件の何れか少なくとも1つを入力または変更する入力部を備えることを特徴とする請求項1に記載の走行計画作成装置。
  11. 請求項1に記載の走行計画作成装置(50)と、
    現在の列車の位置と速度を特定する現在位置取得部(52)と、
    ATC装置から現在の制限速度である現在制限速度を取得する現在制限速度取得部(53)と、
    列車の現在位置から決まる走行区間が設定された前記走行条件に対して、前記走行計画作成装置(50)を起動し、作成された走行計画と前記現在制限速度にしたがって列車を走行させる走行指令を作成する走行指令演算部(54)と
    を備えた自動列車運転装置。
  12. 列車の状態である列車状態を取得する列車状態取得部(63)をさらに備え、
    前記走行計画作成装置(50)が前記列車状態を考慮して前記走行計画を作成するものであることを特徴とする請求項11に記載の自動列車運転装置。
  13. 列車の外部環境に関する情報である外部環境情報を取得する外部環境情報取得部(64)をさらに備え、
    前記走行計画作成装置(50)が前記外部環境情報を考慮して前記走行計画を作成するものであることを特徴とする請求項11に記載の自動列車運転装置。
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