JPWO2013054603A1 - 偽造防止印刷物 - Google Patents
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Abstract
Description
まず、本発明の着想について、図1を用いて説明する。図1(a)は、同一の矩形内に規則的(画線幅と画線ピッチが同一)な盛り上がりを有する画線Lを10度ずつ傾けて、0度から90度までの角度で配置した印刷物Pである。この印刷物Pの画線Lは、画線幅を0.16mm、画線ピッチを0.25mm及び画線の高さを0.03mmとする。また、本発明の画線Lの角度θ1は、図1に示すように、X軸を基準(角度0度)としたときの角度をいう。
次に、図3を用いて本発明の画線構成を説明する。図3は、本発明における潜像凹版1の断面図であり、紙等の基材に対して、盛り上がりを有する画線Lを凹版印刷、スクリーン印刷又は発泡印刷等により形成する。画線Lの高さは、0.01mm未満であると所定の観察方向から印刷物Pを視認した場合、画線Lの影で非画線NLを隠ぺいするための観察角度θ2が極めて小さくなり、潜像画像の視認性が劣ることとなる。そのため、画線Lの高さは、0.01mm以上とすることが好ましく、0.02〜0.10mmの範囲とすることが更に好ましい範囲である。また、画線Lは、同一ピッチ及び同一の画線幅により規則的に配置する必要があり、画線Lの画線幅LWは、0.05〜0.3mmとすることができ、好ましくは、0.1〜0.2mmである。さらに、画線Lの画線ピッチLPは、0.1〜0.6mmとすることができ、好ましくは、0.2〜0.3mmである。ただし、非画線NLの画線幅NLWが0.02mm未満では、印刷時に画線詰りや拭き残り等の印刷トラブルが発生しやすいため、非画線NLの画線幅NLWは、0.02mm以上とすることが望ましい。よって、本発明の潜像凹版1は、前述の画線幅、画線ピッチ及び画線高さを適宜組み合わせて設計することができる。
次に、本発明の第1の実施の形態の印刷物Pにおける潜像凹版1の構成を説明する。図4に第1の実施の形態の潜像凹版1の構成を示しており、潜像部を形成する第1の面Aと第2の面Bと背景部Cとで構成することが第1の実施の形態における1つ目の特徴である。図5は、図4の矩形内を拡大した図であり、第1の面Aに画線aLを、第2の面Bに画線bLを、背景部Cに画線cLを規則的に配置する。このとき、画線aLの画線幅aW、画線bLの画線幅bW及び画線cLの画線幅cWは同一である。また、画線aLの画線ピッチaP、画線bLの画線ピッチbP及び画線cLの画線ピッチcPは同一である。さらに、画線aL、画線bL及び画線cLの画線高さも同一である。
例えば、表1は、第1の実施の形態における潜像凹版1の第1の面A、第2の面B及び背景部Cの代表的な画線の角度を示したものである。第1の面A、第2の面B及び背景部Cの夫々の画線角度を45度ずつ異ならせれば、表2の所定の観察方向から視認した場合に、各領域において大きな濃度差を視認することができるため、好適な組み合わせである。なお、水準1及び水準2は、第1の面Aの画線角度を45度としたものであり、水準3及び4は、背景部Cの画線角度を45度としたものであり、水準5及び6は、第2の面Bの画線角度を45度に固定し、その他の領域の画線角度を0度又は90度で設けている。ただし、各領域の画線角度は、必ずしも45度ずつ異ならせる必要はなく、印刷物のグラデーションを確認しながら、適宜、設計すれば良い。
次に、第2の面Bの構成について、図6を用いて説明する。図6(a)〜(c)は、第1の面Aに対して外側に第2の面Bを設けており、図6(a)は右上方向、図6(b)は右下方向、図6(c)は上方向に第2の面Bを設けている。一方、図6(d)は、第1の面Aの内側に第2の面Bを設けており、これらの構成から第1の面A及び第2の面Bの配置を適宜選択すれば良いし、それ以外の配置であっても良い。
図7は、第1の実施の形態の潜像凹版1を設けた印刷物Pである。一般的に、印刷物Pを視認する場合、印刷された図柄を上に向け、対向して観察する場合が多い。よって、潜像凹版1を最初に観察する方向(主観察方向という。)は、観察方向S2の場合が多い。そのため、観察方向S2で視認した場合に、最も潜像画像及び影画像の視認性が高い構成が望ましい。具体的には、主観察方向における潜像画像と影画像の視認性が高い構成は、図6(a)のように、第1の面Aの斜め上方向に第2の面Bを設けることと、表1の水準1及び水準3のように、第2の面Bの画線角度を0度と黒色に視認させることである。この理由は、影画像の特徴として、物体の後方に黒く位置することで潜像画像が強調されやすくなるからである。したがって、主観察方向で視認した場合に、潜像画像に対して影画像を後方に黒く視認することができる構成とすることが望ましい。ただし、主観察方向には個人差があるため、第2の面Bの構成は適宜調整すれば良い。
次に、本発明の第2の実施の形態における潜像凹版1の構成を説明する。図8は、第2の実施の形態における潜像凹版1の構成を示しており、潜像部Aと背景部Cとで構成し、さらに、潜像部Aの領域を複数に分割することで、潜像部A内にグラデーションを形成することが第2の実施の形態の特徴である。図9は、図8の矩形内を拡大した図であり、潜像部Aは、横方向に上から第1の領域1A、第2の領域2A、第3の領域3A及び第4の領域4Aの4つの領域を設けている。また、第1の領域1Aにおける画線1aL、第2の領域2Aにおける画線2aL、第3の領域3Aにおける画線3aL、第4の領域における画線4aL及び背景部Cにおける画線cLを規則的に配置する。このとき、画線1aLの画線幅1aW、画線2aLの画線幅2aW、画線3aLの画線幅3aW、画線4aLの画線幅4aW及び画線cLの画線幅cWは、同一である。また、画線1aLの画線ピッチ1aP、画線2aLの画線ピッチ2aP、画線3aLの画線ピッチ3aP、画線4aLの画線ピッチ4aP及び画線cLの画線ピッチcPも同一である。さらに、画線1aL、画線2aL、画線3aL、画線4aL及び画線cLの画線高さも同一である。
表3は、本発明の潜像凹版1の潜像部Aに4つの領域を設け、各領域に配置する画線角度を変化させた一例である。水準1及び水準2は、潜像部Aの各領域の画線角度を22.5度ずつ異ならせている。また、水準3及び水準4は、潜像部Aの各領域の画線角度を15度ずつ異ならせており、効果的なグラデーションにするには、各画線角度を一定角度以上異ならせることが重要である。ただし、各領域の画線角度を、必ずしも一定角度ずつ異ならせる必要はなく、印刷物Pのグラデーションを確認しながら、適宜、設計すれば良い。なお、表3の水準3、水準4において示されたように、潜像部A内の複数の領域に形成されるそれぞれの画線方向の角度が45度以内で形成され、背景部C内の複数の領域に形成されるそれぞれの画線方向の角度が45度以内で形成されてもよい。
また、水準1及び水準2は、グラデーション効果が高い(諧調性が高い)一例である。具体的には、潜像部Aの画線角度を0〜67.5度の範囲で22.5度ずつ異ならせて構成するので、第1の観察方向と第2の観察方向では、67.5%の範囲で22.5%ずつの濃度差が段階的に視認されるため、グラデーション効果が高くなる。なお、潜像部Aと背景部Cとの画線角度を22.5度ずつ異ならせ、潜像画像と背景画像の濃度差も22.5%のため、夫々の画像の識別性も高い。したがって、潜像部Aの各領域と背景部Bとの夫々の領域の画線角度を20度以上とすることで、潜像画像と背景画像を識別することができる。なお、各領域の画線角度の差を20度未満とした場合でも、当然、グラデーション効果を得ることができる。
一方、水準3及び水準4は、潜像画像と背景画像との識別性が高く、潜像画像のグラデーションも視認することができる一例である。具体的には、潜像部Aと背景部Cとの画線角度に45度の差異を設けることで、第1と第2の観察方向では、45%の濃度差が得られる。さらに、潜像部Aの画線角度を0〜45度の範囲で15度ずつ異ならせて構成することで、第1の観察方向と第2の観察方向では、45%の範囲で15%ずつの濃度差を段階的に視認することができるため、グラデーションを有する画像として視認することができる。したがって、潜像部Aと背景部Cの一方に画線角度0度、他方に画線角度90度を設け、かつ、潜像部Aの領域の画線角度を45度以内で段階的に変化させることで、潜像画像と背景画像との識別性が高く、潜像画像のグラデーションも視認することができる構成である。
また、図8と図9では、各画線を直線で示したが、点線、破線、二重線、波線、ジグザク線及び曲線等で構成しても構わない。さらに、表3及び表4では、潜像部Aを4分割した例で示したが、2分割以上であれば良い。ただし、効果的なグラデーションを視認するためには、3分割以上が好ましい。また、背景部Cも分割して画線角度を変更しても良い。
次に、潜像部A及び背景部Cの構成について図10を用いて説明する。図10(a)〜(c)は、潜像部Aを分割した例を示しており、図10(d)〜(f)は、背景部Cを分割した例を示している。図10(a)〜(f)は、潜像部A及び背景部Cを分割する一例であるが、縦方向に分割する構成、横方向に分割する構成又は斜め方向に分割する構成等とすることができ、適宜分割する範囲を選択すれば良い。なお、図10(a)〜(c)の潜像部Aの構成と、図10(d)〜(f)の背景部Cの構成を組み合わせても良い。ここで、潜像部A及び背景部Cの領域分けについて、潜像部A及び/又は背景部Cにおける複数の分割された領域を三つの領域に分割した例で説明したが、各々の領域を分割する数は、2以上であれば任意の分割数とすることができる。三つ以上の領域に分割することで、潜像部A及び/又は背景部Cにおいて、明確なグラデーションが視認されることから、本発明の好ましい形態である。
図11は、第2の実施の形態の潜像凹版1を設けた印刷物Pを示したものである。一般的に、印刷物Pを視認する場合、印刷した図柄を上に向け、対向して観察する場合が多い。よって、潜像凹版1を最初に観察する方向(主観察方向という。)は、観察方向S2の場合が多い。そのため、観察方向S2で視認した場合に、最も潜像画像のグラデーション効果の高い構成が望ましい。具体的には、図10(a)のように、潜像部Aに対して横方向に領域を分割することと、表1の水準1及び水準3のように、潜像部Aを分割した最上部の領域の画線角度を0度とすることである。理由は、観察方向S2から視認した場合、最も視認しやすい黒色を遠い位置に配置することで、グラデーションが一層視認しやすくなるからである。したがって、主観察方向で視認した場合、潜像画像のグラデーションは、後方側に黒色、手前側に白色のグラデーションとして視認することができる。
P、P’ 印刷物
A、A’ 潜像部、第1の面
B 影部、第2の面
C、C’ 背景部
D カムフラージュ部
U、U’ 真上からの観察方向
N、N’ 斜め上からの観察方向
S1、S2、S1’、S2’ 印刷物に対し斜め上方向からY軸方向での観察方向
S3、S4、S3’、S4’ 印刷物に対し斜め上方向からX軸方向での観察方向
S5、S6、S5’、S6’ 印刷物に対し斜め上方向から斜め方向での観察方向
S7、S8、S7’、S8’ 印刷物に対し斜め上方向から斜め方向での観察方向
aL、1aL、2aL、3aL、4aL、aL’ 潜像部又は第1の面の画線
bL、1bL、2bL、3bL、 第2の面の画線
cL、1cL、2cL、3cL、4cL、cL’ 背景部の画線
aW、1aW、2aW、3aW、4aW、aW’ 潜像部又は第1の面の画線幅
bW 第2の面の画線幅
cW 背景部の画線幅
ap、1aP、2aP、3aP、4aP、aP’ 潜像部又は第2の面の画線ピッチ
bP 第2の面の画線ピッチ
cP、cP’ 背景部の画線ピッチ
L 画線
LW 画線幅
LP 画線ピッチ
NL 非画線
NLW 非画線部の画線幅
θ1、θ2 角度
1A、1B、1C 第1の領域
2A、2B、2C 第2の領域
3A、3B、3C 第3の領域
4A、4C 第4の領域
実施例4は、本発明の潜像凹版1を観察方向Uである、すなわち、真上から観察したときの第1の面Aと第2の面Bをカムフラージュさせるための構成を備えた一例である。なお、実施例4は、実施例1の変形例であるため、同一な構成は省略し、異なる構成のみ説明する。図15に示すとおり、実施例1の構成に加えて、第1の面A、第2の面B及び背景部Cに、カムフラージュ部Dを設けて、カムフラージュ部D内の画線のみ画線幅を0.18mmとした。この構成によって、潜像凹版1を真上から観察したときに、「星」のカムフラージュ画像を視認することができ、第1の面Aと第2の面Bのカムフラージュ性を向上することができた。また、所定の観察方向での視認状態は、図12と同様の効果が得られ、高度な真偽判別を行うことができた。なお、カムフラージュ部D内の画線幅を他の画線より太くする例で説明したが、単位面積当たりの面積率が異なれば、画線aL、画線bL及び画線cLに対して、細くしても同様の効果を得ることができる。このように、潜像部及び背景部、あるいは潜像部又は背景部に形成された画線の少なくとも一部の単位長さ当たりの面積率を異ならせて配置することで、カムフラージュ画像を形成してもよい。
【実施例5】
実施例5は、図6(b)に示すように、第2の面Bを第1の面Aの右下方向に設けた一例である。なお、実施例5は、実施例1の変形例であるため、同一な構成は省略し、異なる構成のみ説明する。例えば、図16に示すように、第1の面Aに隣接して第2の面Bを右下に設けている。次に、図17に示すように、所定の観察方向での視認状態は、図12と比較して分かるとおり、潜像画像に対する影画像の位置が変化しているが、全ての観察方向において異なる視認濃度の潜像画像及び/又は影画像を視認することができるため、高度な真偽判別を行うことができた。
【実施例6】
実施例6は、実施例2の変形例であり、実施例2の1つの画線の角度を90度から180度の範囲とした例である。具体的には、図18に示すように、画線aLの画線角度を135度としたものである。なお、所定の観察方向から視認した場合は、図12と同様な効果が得られ、高度な真偽版別を行うことができた。なお、各実施例の潜像凹版1を真上から観察したときには、潜像画像及び影画像は視認することができない。
【実施例7】
この結果、第1の観察方向(S2)及び第2の観察方向(S3)から観察した場合、グラデーション効果の高い潜像画像を奥行き感のあるように視認することができるため、より潜像画像の視認性が向上した。また、第1の観察方向(S2)は、主観察方向を含むため、より効果的な構成である。一方、第3の観察方向(S5)及び第4の観察方向(S7)では、潜像画像の一部がグラデーションを有する画像として視認される。したがって、第1の観察方向、第2の観察方向、第3の観察方向及び第4の観察方向では、潜像画像のグラデーションが異なるため、高度な真偽判別を行うことができる。なお、図19(a)〜図19(d)は、所定の観察方向に対して、一方の観察方向を示したが、他方の観察方向(例えば、S2に対してS1)でも、画像の向きは逆になるが、同様のグラデーションを有する潜像画像を視認することができる。また、各実施例の潜像凹版1を観察方向Uである、すなわち、真上から観察した際の可視画像には、潜像画像が視認されない。
【実施例8】
実施例9は、潜像凹版1を有する印刷物Pを観察方向Uである、すなわち、真上から観察したときの潜像部Aのカムフラージュ性を向上させた一例である。なお、実施例9は、実施例7の変形例であるため、同一な構成は省略し、異なる構成のみ説明する。図21に示すとおり、実施例7の構成に加えて、潜像部Aと背景部Cにカムフラージュ部Dを設け、カムフラージュ部D内の画線のみ画線幅を0.18mmとした。この構成によって、潜像凹版1を真上から観察したときに、「星」のカムフラージュ画像を視認することができ、潜像部Aのカムフラージュ性が向上した。なお、所定の観察方向での視認状態は、図19と同様な効果が得られ、高度な真偽判別を行うことができた。なお、カムフラージュ部D内の画線幅:潜像部A及び背景部Cの画線幅=1:±1.1〜±1.4が望ましい。
【実施例10】
実施例10は、実施例7の潜像部Aと背景部Cの構成を逆にした例である。なお、実施例10は、実施例7の変形例であるため、同一な構成は省略し、異なる構成のみ説明する。実施例10は、潜像部Aの画線角度は一定であるが、背景部Cを第1の領域1C、第2の領域2C、第3の領域3C及び第4の領域4Cに分割したものであり、夫々の領域の画線の角度を異なる方向として配置したものである。具体的には、図22に示すように、各領域の画線角度は、背景部Cにおける第1の領域1Cの画線1cLが67.5度、第2の領域2Cの画線2cLが45度、第3の領域3Cの画線3cLが22.5度、第4の領域4Cの画線4cLが0度、潜像部Aにおける画線aLが90度である。この印刷物Pを所定の観察方向から視認した状態については図示しないが、図19では、潜像画像がグラデーションをなして視認することができるが、実施例10では、背景画像がグラデーションを有する画像として視認される。このため、グラデーション効果が高い背景画像を視認することができ、高度な真偽判別を行うことができた。
【実施例11】
実施例11は、図23に示すように、実施例7の潜像部Aと実施例10の背景部Cの構成を組み合わせた例である。図24に、実施例11の潜像凹版1を所定の観察方向で視認した場合に観察される潜像画像の模式図を示す。図24(a)は、第1の観察方向(S2)、図24(b)は、第2の観察方向(S3)、図24(c)は、第3の観察方向(S5)、図24(d)は、第4の観察方向(S7)から視認した場合に観察される潜像画像を示す図であり、潜像画像と背景画像の2つのグラデーションの視認濃度が逆方向で視認される。このため、更に潜像画像の視認性が向上するとともに、より高度な真偽判別を行うことができた。なお、潜像部A及び背景部C、あるいは潜像部A又は背景部Cにおける複数の分割された領域は2以上の任意の分割数でよいが、3以上であることが望ましい。
【実施例12】
実施例12は、実施例8の変形例であり、実施例8における1つの画線の角度を90度から180度の範囲とした例である。具体的には、図25に示すように、画線cLの画線角度を105度とした。なお、所定の観察方向から視認した場合は、図19と同様な効果が得られ、高度な真偽判別を行うことができた。
【実施例13】
実施例13は、実施例8の変形例であり、実施例8における2つの画線の角度を90度から180度の範囲とした例である。具体的には、図26に示すように、画線cLの画線角度を105度、画線3aLの画線角度を135度とした。なお、所定の観察方向から視認した場合は、図19と同様な効果が得られ、高度な真偽判別を行うことができた。
【実施例14】
Claims (15)
- 基材上に、盛り上がりのある画線が同一ピッチで、かつ、同一の画線幅で配置された相互に隣接する第1の面及び第2の面を含む潜像部と背景部が形成された印刷物であって、
前記第1の面は、第1の方向に沿って前記画線が配列された領域を有し、
前記第2の面は、前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って前記画線が配列された領域を有し、
前記背景部は、前記第1の方向及び前記第2の方向と異なる第3の方向に沿って前記画線が配列された領域を有し、
前記印刷物を真上から観察した場合、前記第1の面、前記第2の面及び前記背景部は、一様の画線濃度を有する可視画像として観察され、
前記印刷物を所定の角度傾けて観察した場合、前記第1の面、前記第2の面及び前記背景部の視認濃度が異なることで前記潜像部が立体的に観察されることを特徴とする偽造防止印刷物。 - 前記第1の方向、前記第2の方向及び前記第3の方向がそれぞれ相互に20度以上異なることを特徴とする請求項1記載の偽造防止印刷物。
- 前記第1の方向、前記第2の方向及び前記第3の方向から選択されるいずれか一つの方向を0度とした場合に、他のいずれか一つの方向を35〜45度、残りの方向を70〜90度で設けていることを特徴とする請求項1又は2記載の偽造防止印刷物。
- 前記第1の面、前記第2の面及び前記背景部の少なくともいずれか一つを複数の領域に分割し、前記複数の領域の各々に形成された前記画線を異なる角度で配置したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の偽造防止印刷物。
- 基材上に、盛り上がりのある画線が同一ピッチで、かつ、同一の画線幅で配置された潜像部と背景部を有し、前記潜像部と前記背景部に形成する画線を異なる方向に配列することで潜像画像が形成された印刷物であって、
前記潜像部及び/又は前記背景部は、複数の領域に分割され、
前記潜像部のみが分割された場合、各々の分割された領域ごとに異なる方向に前記画線が配列され、
前記背景部のみが分割された場合、各々の分割された領域ごとに異なる方向に前記画線が配列され、
前記潜像部と前記背景部の双方が分割された場合、各々の分割された領域ごとに異なる方向に前記画線が配列され、
前記印刷物を真上から観察した場合、前記潜像部と前記背景部は、一様の画線濃度を有する可視画像として観察され、
前記印刷物を所定の角度傾けて観察した場合、前記潜像部及び/又は前記背景部の分割された領域ごとに濃度が異なって観察されることを特徴とする偽造防止印刷物。 - 前記潜像部及び/又は前記背景部における複数の分割された領域が3以上であることを特徴とする請求項5記載の偽造防止印刷物。
- 前記潜像部及び/又は前記背景部内において分割された領域内に形成した前記画線方向の角度が順次同一の角度で変化していることを特徴とする請求項5又は6記載の偽造防止印刷物。
- 前記潜像部及び前記背景部に形成された前記画線方向の角度が相互に20度以上異なることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の偽造防止印刷物。
- 前記潜像部における分割された複数の領域の少なくともいずれか1つに配列された前記画線の方向と、前記背景部における分割された複数の領域の少なくともいずれか1つに配列された前記画線の方向との間には、50度以上の相対的な角度差があることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の偽造防止印刷物。
- 前記潜像部内の複数の領域に形成されるそれぞれの前記画線方向の角度は、45度以内で形成され、
前記背景部内の複数の領域に形成されるそれぞれの前記画線方向の角度は、45度以内で形成されたことを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載の偽造防止印刷物。 - 前記潜像部及び/又は前記背景部に形成された前記画線の少なくとも一部の単位長さ当たりの面積率を異ならせて配置することでカムフラージュ画像が形成されたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の偽造防止印刷物。
- 前記画線の画線幅が、0.05〜0.3mmで設けていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の偽造防止印刷物。
- 前記画線の画線ピッチが、0.1〜0.6mmで設けていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の偽造防止印刷物。
- 前記画線の画線高さが、0.02〜0.10mmで設けていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の偽造防止印刷物。
- 前記基材は、白色系の色を有し、前記画線は、黒色系のインキによって形成されたことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の偽造防止印刷物。
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