JP5294199B2 - 真偽判別可能な情報担持体 - Google Patents

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Description

本発明は、偽造防止効果を必要とするセキュリティ印刷物である銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、カード、通行券等の貴重印刷物の分野において、特に、観察角度の変化によって視認できる画像が変化する効果を付与した偽造防止用又は真偽判別用の情報担持体にかかわるものである。
近年、セキュリティを要する貴重印刷物等には、新しい意匠性を持ち、偽造防止効果の高い偽造防止要素及び印刷技術が望まれている。このため、干渉マイカ、酸化フレークマイカ、顔料コートアルミニウムフレーク、光学的変化フレーク等の特殊な光反射性粉体をインキや塗料に配合することで、観察角度によって色彩変化を生じさせるカラーフリップフロップ性に優れた印刷物又は観察角度によって画像が変化するホログラム等の光学的なセキュリティ要素を貼付したものが多く存在するようになった。
前述のような光学的な変化を示す偽造防止印刷物は、一般的に高価で特殊な装置及び材料を必要とするため、付加的な製造工程が必要になり、コスト的にも負荷が高くなるといった問題があった。
そこで、本出願人は、以上のような問題点を解決するために、一般的で、かつ、比較的安価な材料及び簡単な印刷手段を使用し、特定の観察角度において、人の目に認識される情報が、観察角度を変化させることによって、全く別の情報に変化する偽造防止用情報担持体に係る発明を出願している(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1による偽造防止用情報担持体は、汎用の安価なアルミニウム粉末又は真鍮粉末を成分とした市販の銀色又は金色インキを用いて、一般的な印刷手段により、ホログラム的な効果を呈するセキュリティ画像を直接的に印刷物の基材に付与する構成を特徴とし、コストパフォーマンス並びに機械的な流通強度が優れた偽造防止及び真偽判別印刷物である。
この特許文献1で開示された偽造防止用情報担持体は、一つ目の効果として、基材上に適切な面積の疎密差を持つ二つの光輝性材料層により第1の画像が形成されているとき、拡散光が支配的な観察領域においては、二つの光輝性材料層の両者から観察者の目に到達する反射光量が互いに小さくなるため、第1の画像を容易に認識することが可能になる。一方、正反射光が支配的な観察角度領域では、二つの光輝性材料層の両者から観察者の目に到達する反射光量が共に極端に大きくなるため、この観察条件下では第1の画像を視認することが難しくなる。
さらに、特許文献1で開示された偽造防止用情報担持体は、二つ目の効果として、前述した面積率の極めて密な光輝性材料層に形成された第1の画像と、その光輝性材料に比較して可視光吸収性の高い色材料を用いて形成された面積率の極めて疎な色材料層を重ねた層による第2の画像は、拡散光が支配的な観察角度領域において、観察者の目に到達する反射光量が互いに小さくなるため、構成成分は異なっているにもかかわらず、二つの層からの色調及び明るさの差を視認することが難しく、同じ程度の刺激として人の目に観察されるため第2の画像は視認できない。
一方、正反射光が支配的な観察角度領域では、光輝性材料のみの層から観察者の目に到達する反射光量は極端に大きくなるのに対して、可視光吸収性の高い色材料を光輝性材料層に重ねた層から観察者の目に到達する反射光量は相対的に小さくなるため、反射光量の差による色調差によって、第2の画像を容易に視認することが可能になる。
また、本出願人は、平面配向性パール顔料を用いた盛り上がりのある画線を形成し、背景画像部とメッセージ画像部で画線角度を異なる構成とすることで、斜めから観察した場合にのみ、メッセージ画像部がポジからネガへ、又はネガからポジへ、変化して出現する効果を有する真偽判別可能な印刷物に関わる発明を出願している(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
特許文献2及び特許文献3で開示された真偽判別可能な印刷物は、基材の表面に盛り上がりのある画線構造によって、背景画像とメッセージ画像が形成され、かつ、背景画像の画線パターンとメッセージ画像の画線パターンは、異なる角度で形成されるために、拡散反射光が支配的な角度領域においては、前述のメッセージ画像が肉眼にほとんど視認されず、拡散反射光から正反射光が支配的な角度領域に変化するに従って、盛り上がりを有する背景画像とメッセージ画像が、入射光に対してそれぞれ異なった光の反射を成す構造となることから、前述のメッセージ画像がネガ画像又はポジ画像として視認される効果を有する。
特許第3398758号公報 特許第3718712号公報 特開2008−120078号公報
しかしながら、特許文献1による発明は、二つの効果を重ね合わせることで、拡散光が支配的な観察角度領域においては第1の画像が視認でき、正反射光が支配的な観察角度領域においては第2の画像を確認できる偽造防止情報担持体を形成できるが、第1の画像を構成している光輝性材料層と、第2の画像を構成している色材料層を、同一ピッチで精密に刷り合わせる必要がある。したがって、第1の画像と第2の画像の刷り合わせを、常に適正な精度に管理しながら製造することが必要である。
また、特許文献1記載の偽造防止情報担持体を形成するためには、第1の画像を構成する光輝性材料層と、第2の画像を構成している色材料層が、拡散光が支配的な観察角度領域において同色(近似色)に見えるような適切な面積の疎密差を見極めなければならない。それには、可視光吸収性の高い色材料の色彩の種類と面積率を何通りにも変えて印刷し、第1の画像から第2の画像へ最適なスイッチ性が得られるような、可視光吸収性の高い色材料の色彩と面積率を見極めるまでに、多大な労力を必要とする。
特許文献2記載の真偽判別可能な印刷物は、斜めから観察した場合に、メッセージ部が光の入射角度に応じてネガ画像からポジ画像又はポジ画像からネガ画像に変化して出現するものの、真上から観察した場合には、メッセージ画像が認識できないだけでなく、メッセージ画像以外の有意画像を認識させることもできない。すなわち、二つの異なる画像をスイッチさせることは不可能であった。
また、特許文献3記載の真偽判別可能な印刷物において、特許文献2の印刷物の構造を用いて、観察者にメッセージ画像と相関のない有意画像を視認させるためには、盛り上がりを有する画線を印刷する前に、あらかじめL*a*b*表色系でL*が90以上の印刷画像となるような低濃度のインキで第1の画像を形成しておく必要があった。また、前記の低濃度の第1の画像と盛り上がりを有する画線によるメッセージ画像を鮮明にスイッチさせるために、メッセージ画像が視認される観察領域において第1の画像が視認されてはならず、そのためには、第1の画像は、明度が高い(淡い)画像とする必要があり、第1の画像の視認性を低く抑える必要があった。
本発明は、人の目に認識される画像情報が、観察角度を変化させることによって、別の画像情報に変化するため、目視で容易に真偽判別が可能であり、カラー複写機では再現不可能な真偽判別可能な情報担持体を提供するものである。
本発明の情報担持体は、基材と、前記基材上の一表面の印刷画像領域に、前記基材と異なる色を有する光輝性材料によって形成された第1の印刷画像と、前記印刷画像領域全面にカラーフリップフロップ性を備えた材料を含む透明性材料によって形成された第2の印刷画像を備え、前記第1の印刷画像の上に前記第2の印刷画像を形成した情報担持体であって、前記第2の画像が、画像部を構成する画線群と背景部を構成する画線群の二つの画線群から構成されており、前記二つの画線群は、それぞれ盛り上がりのある画線で構成されており、一方の画線群は、第1の方向に配置された複数の画線から成っており、他方の画線群は、前記第1の方向とは5°以上角度が異なる第2の方向に配置された複数の画線から成ることを特徴とする情報担持体である。
基材と、前記基材上の一表面の印刷画像領域に、前記基材と異なる色を有する光輝性材料によって形成された第1の印刷画像と、前記印刷画像領域全面にカラーフリップフロップ性を備えた材料を含む透明性材料によって形成された第2の印刷画像を備え、前記第1の印刷画像の上に前記第2の印刷画像を形成した情報担持体であって、前記第2の画像は、画像部を構成する少なくとも一つ以上の画線群と、背景部を構成する少なくとも一つ以上の画線群の、少なくとも二つ以上の画線群から構成されており、前記少なくとも二つ以上の画線群は、それぞれ盛り上がりのある画線で構成されており、前記第2の画像に含まれるすべての画線群の画線の方向が、各画線群同士、各々少なくとも5°以上角度が異なっていることを特徴とする情報担持体である。
本発明の情報担持体は、前記第1の画像が、面積率50%以上100%以下の範囲で形成されていることを特徴とする。
本発明の情報担持体は、前記第1の画像の最大面積率と最小面積率の差が10%以上50%以下であることを特徴とする。
本発明の情報担持体は、前記第1の画像が、面積率50%〜100%の範囲内で階調表現された多階調画像であることを特徴とする。
本発明の情報担持体は、前記第2の画像が、画線幅30μm〜1000μmの範囲で形成されていることを特徴とする。
本発明の情報担持体は、前記第2の画像が、盛り上がりのある画線で形成されており、前記盛り上がりのある画線の高さが、10μm〜150μmの範囲であることを特徴とする。
本発明の情報担持体は、前記第2の画像が、網点面積率50%以上で前記第1の画像の上に積層されていることを特徴とする。
本発明の情報担持体は、前記第2の画像を構成するカラーフリップフロップ性を備えた材料を含む透明性材料が印刷用インキであり、前記カラーフリップフロップ性を備えた材料が、虹彩色パール顔料、鱗片状顔料、鱗片状マイカ顔料、鱗片状金属顔料、ガラスフレーク顔料、コレステリック液晶顔料の少なくとも一つを含むことを特徴とする。
本発明の情報担持体は、前記印刷用インキに含まれる虹彩色パール顔料、鱗片状顔料、鱗片状マイカ顔料、鱗片状金属顔料、ガラスフレーク顔料、コレステリック液晶顔料の配向性を向上させるために、顔料表面に撥水性及び撥油性を持たせる表面処理が施されていることを特徴とする。
本発明は、以上の構成であることから次の効果が生じる。
本発明の偽造防止用情報担持体を可視光下で観察した場合、拡散反射光が支配的な観察角度領域では、画線の太細や画線の疎密による面積率の差異で形成された第1の画像のみが視認でき、正反射光と拡散反射光が混在する観察角度領域では第1の画像上に虹彩色パールインキを含む透明な材料で重ねて形成された第2の画像のみが視認できる。
本発明における真偽判別可能な情報担持体は、メタリックインキとカラーフリップフロップ性を備えた透明なインキで印刷して画像を形成することから、正反射光と拡散反射光が混在する観察角度領域から正反射光が支配的な観察角度領域において虹彩色パール顔料の干渉による極めて大きな色相変化が生じることから、観察される潜像画像にも鮮やかな色相を付与することが可能となった。カラーフリップフロップ性とは、一般的なグロスインキや金インキ、銀インキ等が有する、光を反射した場合に明度のみが変化する明暗フリップフロップ性とは異なり、光を反射した場合に明度だけでなく、色相や彩度が大きく変化する効果のことである。
本発明は、第2の画像を透明な材料で形成することから、特許文献1記載の発明のように、光輝性材料層と色材料層が、拡散光が支配的な観察角度領域において同色(近似色)に見えるような適切な面積の疎密差の条件を見極める作業を必要としないため、比較的容易に画線設計ができる。また、第1の画像の面積率の疎密差と、第2の画像の面積率の疎密さのピッチを精密に刷り合わせる必要がないため、容易に製造できる。
本発明は、第2の画像を透明な材料で形成することから、特許文献1記載の発明のように、拡散光が支配的な観察角度領域における第1の画像の観察において、第2の画像が若干見えてしまうこともなく、正反射光と拡散反射光が混在する観察角度領域においては印刷された第1の画像から印刷された第2の画像へ明瞭に画像がスイッチする。
また、本発明と同じような印刷画像のスイッチ効果を得られる情報担持体として特許文献3があり、第1の画像がL*a*b*表色系でL*が90以上の淡い印刷画像であれば、正反射光と拡散反射光が混在する観察角度領域において第2の印刷画像が支配的に視認されるが、本発明の構成では、第1の印刷画像は、正反射光と拡散反射光が混在する観察角度領域の観察に近づくにつれて自ら消失するので、第1の画像がL*a*b*表色系でL*が90以上である必要がなく、第1の画像が従来より濃い印刷画像で構成されていたとしても、印刷画像のスイッチ効果は失われることがない。このことは、第1の画像がより鮮明に視認されることを特徴とする。
したがって、本発明は、人の目に認識される画像情報が、観察角度を変化させることによって、別の画像情報に変化するため、目視で容易に真偽判別が可能であり、カラー複写機では再現不可能な真偽判別可能な情報担持体を提供できる。
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな形態が実施可能である。
図1は、本発明の情報担持体(1)を示す図であり、白色用紙等の基材(2)の表面に印刷画像領域(図では六角形の領域)を設け、印刷画像領域の全面に光輝性材料によって図2に示す第1の画像(4)が形成され、印刷画像領域の第1の画像(4)上に虹彩色パール顔料を含む透明インキによって図3に示す第2の画像(5)が積層されて印刷画像(3)が形成されており、観察する角度を変化させることによって印刷画像(3)が変化する情報担持体(1)である。
情報担持体(1)の印刷画像(3)が、観察する角度によって変化する原理を説明するにあたり、まずは、第1の画像(4)のみが印刷された情報担持体、第2の画像(5)のみが印刷された情報担持体について、視認する観察角度領域による画像の変化を簡単に説明する。
(観察角度領域の定義)
図7は、情報担持体(1)と、光源(10)と、観察者の視点(11)の位置関係を示す図である。例えば、情報担持体(1)の印刷画像(3)側表面に対し、−45°から光が入射したときに、観察する視点の角度を−20°〜80°まで変化させると、観察角度領域は、拡散光領域から正反射光領域となり、また、拡散光領域となる。
そこで、本明細書においては、受光角度−20°〜−10°の拡散反射光が支配的な観察角度領域を「観察角度A」、受光角度45°±5°の正反射光が支配的な観察角度領域を「観察角度C」、受光角度10°〜40°及び50°〜80°の拡散反射光と正反射光が混在する観察角度領域を「観察角度B」と定義する。それぞれの観察角度領域を模式的に図に示すと図7の通りとなる。
基材(2)は、白色用紙に限定するものではなく、上質紙、コート紙、プラスチックカード等の印刷画像を担持できる平面を有していればよい。
本明細書では、基材上の一定面積の印刷画像に、第1の画像(4)及び第2の画像(5)を形成する工程において、下地を被覆しうる割合を%で表した条件を面積率として説明する。
図2は、第1の画像(4)であり、基材(2)である白色用紙上の印刷画像(3)の領域に、光輝性材料で形成されており、一般的なUV乾燥型オフセットインキである金属光沢インキ「T&K TOKA UV NO3 シルバー」を用いてUV乾燥方式のウェットオフセット印刷で形成する。
第1の画像(4)は、画像部(6)と背景部(7)とで構成されており、画像部(6)は、網点面積率100%、背景部(7)は、網点面積率50%で形成され、画像部(6)と背景部(7)の網点面積率の差異を設けることで「鳳凰」画像(商標登録番号:3042101号)を形成している。
第1の印刷画像で用いられる光輝性材料は、前述の金属光沢インキに限定されるものではなく、銀色、青味金色或いは赤味金色を示すアルミニウム粉末、銅粉末、亜鉛粉、錫粉、リン化鉄などを成分とするいずれかの光輝性材料を含むインキであればよい。
前述の光輝性材料で形成された第1の画像(4)のみを観察角度Aで観察した場合、図2に示すような面積率の差異で形成された光沢感のない「灰色の鳳凰」画像が視認されるが、観察する角度を観察角度Aから観察角度Bへ変化させると、「鳳凰」画像は消失しはじめ、観察角度Cで観察した場合には図4に示すような「銀色の六角形」画像となる。以上のように、本来第1の画像の消失効果が高い観察角度領域は、観察角度Cであるが、観察角度Bにおいても正反射光が存在していることから同様に第1の画像の消失効果を得ることができる。我々が生活する世界においては、単一方向から光が入射することはほとんどなく、あらゆる方向からの強弱様々な正反射光が画像に入射することとなるため、この傾向はより顕著となる。
これは、光輝性材料を用いることによって、基材に対する面積率の異なる、すなわち、基材上に適切な面積率の疎密差を持つ二つの光輝性材料層が形成されているとき、拡散光領域(観察角度A)においては、適切な面積率の疎密差を持つ画像部と背景部の二つの光輝性材料層の両者から観察者の目に到達する反射光量は、互いに小さくなるため、視覚的に、面積率の疎密差によるところの色調差すなわち濃淡差を容易に認識することが可能になる。一方、正反射光領域(観察角度C)では、二つの光輝性材料層には、面積率の疎密差が存在しているにも関わらず、二つの光輝性材料層の両者から観察者の目に到達する反射光量が共に極端に大きくなるため、面積率の疎密差によるところの色調差、すなわち、濃淡差を視認することが難しくなると言う効果による。
次に、図3に示す第2の画像(5)のみを、基材(2)である白色用紙上の印刷画像(3)の領域に印刷した場合について説明する。
第2の画像(5)は、カラーフリップフロップ性を備えた透明インキで形成されており、表1に示す虹彩色パール顔料を含む透明インキを用いてUV乾燥方式のスクリーン印刷で形成した。表1の虹彩色パール顔料は、拡散光領域(観察角度A)では無色透明だが、正反射光領域(観察角度C)や拡散反射光と正反射光が混ざり合った観察角度領域(観察角度B)で観察すると金色の干渉色を発現する顔料を選択している。
Figure 0005294199
第2の画像(5)は、画像部(8)を構成する画線群と、背景部(9)を構成する画線群から成っており、画線幅は同一だが、画像部(8)と背景部(9)で画線の配線角度が90°異なっており、画像部(8)と背景部(9)の配線角度の差異を設けることで、「印字入り鳳凰」画像を形成している。画像部(8)と背景部(9)のいずれも画線幅0.3mmの画線をピッチ0.4mmで連続して配置し、面積率75%の画像を構成している。この第2の画像(5)を形成する画線の高さは、約10μmである。
前述のカラーフリップフロップ性を備えた透明インキで形成された第2の画像(5)のみを観察角度Aで観察した場合、透明であるため図5に示すように視認されないが、拡散反射光と正反射光が混ざり合った観察角度領域(観察角度B)で情報担持体(1)の印刷画像(3)を観察した場合、図6に示すように、第2の画像(5)が図6(a)又は図6(b)のように、ネガからポジ又はポジからネガに濃淡反転しながら「印字入り鳳凰」画像が視認される。図6(a)及び図6(b)において黒色で示している部分は、実際には虹彩色パールの干渉色である金色で視認され、白色で示している部分は、下地の色が視認される。
第2の画像(5)の画像部(8)と背景部(9)がネガポジ反転して視認される原理を、図8を用いて説明する。図8(a)は、基材(2)上に虹彩色パール顔料を含んだ透明インキによって、盛り上がりのある横方向画線(13)と縦方向画線(14)を形成し、左側に光源(10)を置いたときの平面図である。図8(b)は、図8(a)の横方向画線(13)のDD´間の断面図であり、図8(c)は、図8(a)の縦方向画線(14)のEE´間の断面図である。
図8(a)の盛り上がりのある横方向画線(13)は、光源(10)から差し込む入射光と同一方向の画線であるため、図8(b)の断面図に示すように、光源(10)の入射角度を−45°とした場合、観察者(11)の観察角度が45°のときに正反射光領域の観察(観察角度C)となり、パール顔料の干渉色が最も強く視認され、観察角度を変化させると干渉色の視認性は低下し、拡散反射光の観察領域(観察角度A)ではパール顔料の干渉色は発現せず、インキ自体は透明なので消失する。
それに対し、図8(a)の盛り上がりのある縦方向画線(14)は、図8(c)の断面図に示すように、光源(10)から差し込む入射光と直交する画線であるため、拡大すると、かまぼこ状の立体構造であり、光源(10)の入射角度を−45°とした場合、観察者(11)の観察角度が高い角度のときには、aの部分でパール顔料の干渉色が発現し、観察者(11)の観察角度が45°付近のときには、bの部分でパール顔料の干渉色が発現し、観察者(11)の観察角度が低い角度のときには、cの部分でパール顔料の干渉色が発現する。縦方向画線(14)がbの部分でパール顔料の干渉色を発現しているときは、同一基材上にある横方向画線(13)もパール顔料の干渉色を発現しているため、縦方向画線と横方向画線の差異は判別できないが、aの部分やcの部分で干渉色が発現しているときには、画線の方向によって作られた潜像画像を視認することができる。
つまり、光源(10)の方向と直交する縦方向画線(14)では、色彩の変化が連続的に発生し、また、横方向画線(13)と縦方向画線(14)では、同じ観察角度からの観察であっても干渉色の強さが異なったり、干渉色の発現及び消失のタイミングがずれたりするため、横方向画線(13)と縦方向画線(14)は、拡散反射光と正反射光が混在する観察角度領域(観察角度B)において、ネガからポジ又はポジからネガに濃淡反転して視認される効果がある。
ここで、横方向画線(13)と縦方向画線(14)のように、カラープリップフロップ性を備えた透明インキで形成されていること及び画線の方向が異なることによって、観察角度Aでは画像が消失し、観察角度Bでは2つの画線がネガからポジ又はポジからネガに濃淡反転して視認される効果を得るためには、2つの画線の画線幅は、例えば30〜1000μmの範囲にあることが好ましく、更に60〜400μmの範囲が好ましい。
本発明の情報担持体(1)は、基材(2)である白色用紙上の印刷画像(3)の領域に、第1の画像(4)を金属光沢インキ「T&K TOKA UV NO3 シルバー」を用いてウェットオフセット印刷方式で形成したのち、第1の画像(4)の上に、第2の画像(5)を表1に示した虹彩色パール顔料を含む透明インキを用いて、UV乾燥型スクリーン印刷方式で重ねて形成したものである。
第1の印刷画像(4)と第2の印刷画像(5)が視認又は消失する効果を個別に表すと、図9のようになる。第1の画像は、図7の観察角度Aにおいては、画像部(6)と背景部(7)の面積率の差によって「灰色の鳳凰」画像が視認され、観察角度Bにおいては、「銀色の六角形」画像となるのに対し、第2の画像(5)は、観察角度Aにおいては、透明であるため「下地の基材色」が視認され、観察角度Bにおいては、画像部(8)と背景部(9)の面積率の差によって「金色の印字入り鳳凰」画像が視認される。よって、第1の印刷画像(4)の上に、第2の印刷画像(5)を重ねて本発明の情報担持体(1)を作製した場合、観察角度Aにおいては、第1の印刷画像(4)である「灰色の鳳凰」画像が視認され、観察角度Bにおいては、第2の印刷画像(5)である「金色の印字入り鳳凰」画像が視認されることとなる。
第1の画像(4)を形成する画像部(6)と背景部(7)の面積率の差が適切でない場合、拡散光領域(観察角度A)の観察において、第1の画像(4)の画像部(6)と背景部(7)が目視上での見分けが困難となったり、拡散反射光と正反射光が混在する領域(観察角度B)の観察において、第1の画像(4)が第2の画像(5)とまざりあって出現することから、第1の画像(4)と第2の画像(5)の明瞭なスイッチ効果を実現するためには、使用するインキに応じて、第1の画像(4)を適切な面積率の範囲で画像部(6)と背景部(7)で差異を設けて形成する必要がある。
これは、情報担持体(1)の印刷画像(3)を、図10(a)に示す金属光沢インキ面積率100%の画像の上に、虹彩色パール顔料を含む透明インキが画線幅0.3mmの画線をピッチ0.4mmの縦方向万線で重なって形成された画像要素1と、図10(b)に示す金属光沢インキ面積率50%の画像の上に、虹彩色パール顔料を含む透明インキが画線幅0.3mmの画線をピッチ0.4mmの縦方向万線で重なって形成された画像要素2と、図10(c)に示す金属光沢インキ面積率50%の画像の上に、虹彩色パール顔料を含む透明インキが画線幅0.3mmの画線をピッチ0.4mmの横方向万線で重なって形成された画像要素3と、図10(d)に示す金属光沢インキ面積率100%の画像の上に、虹彩色パール顔料を含む透明インキが画線幅0.3mmの画線をピッチ0.4mmの横方向万線で重なって形成された画像要素4と、四つの画像領域に分割し、画像要素1を基準にした場合の、図7に示した拡散光領域を示す観察角度A及び拡散反射光と正反射光が混在する観察角度領域を示す観察角度B、並びに正反射光領域を示す観察角度Cにおける各画像要素の色差ΔEを示す図11から説明することができる。
画像要素1から画像要素4と同一の層構造を成す50mm×50mmの四つの測定用パッチを作製し、各画像要素に対して45°の光源10から光を照射し、受光角度−20°〜80°におけるL*a*b*を測定し、画像要素1を基準としたときの画像要素2、画像要素3、画像要素4の色差ΔEを比較したグラフが、図11の折れ線(12−2)、折れ線(12−3)、折れ線(12−4)である。測定装置は、変角分光測色システムGCMS−4型〔村上色彩技術研究所製〕を使用して測定した。
図11において、ΔEの値が小さいほど画像要素1と見分け難いため、目視上、画像要素1と同じ画像と視認され、ΔEの値が大きいほど画像要素1と見分け易くなるため、目視上、画像要素1とは異なる画像と視認されることを示している。画像要素2を示すデータは折れ線(12−2)であり、画像要素3を示すデータは折れ線(12−3)であり、画像要素4を示すデータは折れ線(12−4)である。
(観察角度Aの観察)
図11の色差ΔEのグラフの観察角度A(受光角度−20°〜−10°の拡散光領域)においては、基準となる画像要素1に対して、画像要素2を示すデータである折れ線(12−2)及び画像要素3を示すデータである折れ線(12−3)の数値はΔEが5程度であり、画像要素4を示すデータである折れ線(12−4)の数値はΔEが1以下である。よって、画像要素1と画像要素4は、上層の虹彩色パール顔料を含む透明インキの面積率差異に関係なく、金属光沢インキ面積率100%の第1の画像(4)の画像部(6)として同程度に視認されるのに対し、画像要素2と画像要素3は、上層の虹彩色パール顔料を含む透明インキの面積率差異に関係なく、金属光沢インキ面積率50%の第1の画像(4)の背景部(7)として同程度に視認されることがわかる。
(観察角度Bの観察)
図11の色差ΔEのグラフの観察角度B(拡散反射光と正反射光が混ざり合った観察角度領域:受光角度10°〜40°及び50°〜90°)においては、基準となる画像要素1に対して、画像要素3を示すデータである折れ線(12−3)及び画像要素4を示すデータである折れ線(12−4)の数値は、画像要素2を示すデータである折れ線(12−2)の数値を大きく上回っており、特に観察角度30°及び60°においては、ΔEで50以上大きな値となっている。また、この観察角度Bにおいて画像要素3を示すデータである折れ線(12−3)及び画像要素4を示すデータである折れ線(12−4)の数値は、ほとんど同じ値となっている。このことから、観察角度領域Bにおいては画像要素3と画像要素4は、下層の金属光沢インキ面積率の面積率の差異に関係なく、上層の虹彩色パール顔料を含む透明インキの画線角度が横方向である第2の画像(5)の画像部(8)として視認されるのに対し、画像要素1と画像要素2は、下層の金属光沢インキ面積率の面積率の差異に関係なく上層の虹彩色パール顔料を含む透明インキの画線角度が縦方向である第2の画像(5)の背景部(9)として視認されることがわかる。
すなわち、情報担持体(1)は、四つの画像要素によって図2及び図3に示すような二つの画像が形成されており、具体的には、第1の画像(4)は、画像要素1と画像要素4から成る画像部(6)と、画像要素2と画像要素3から成る背景部(7)から構成され、観察角度Aにおいては、画像要素1と画像要素4が画像部(6)として同程度に視認されるのに対し、画像要素2と画像要素3は、異なる色として視認されることから背景部(7)として視認される。
一方、第2の画像(5)は、画像要素3と画像要素4から成る第2の画像(5)の画像部(8)と、画像要素1と画像要素2から成る第2の画像(5)の背景部(9)から構成され、観察角度Bにおいては、画像要素1と画像要素2が同程度に視認されるのに対し、画像要素3と画像要素4は、異なる色として視認されることから、第2の画像(5)として視認されるのである。よって、本発明の情報担持体(1)は、四つの画像要素の観察角度領域における視認性がそれぞれ異なるため、観察角度によって画像が変化するものであり、観察角度Aにおいては第一の画像が、観察角度Bにおいては第二の画像が、観察者には支配的に視認されるものである。
図12は、本発明の情報担持体(1)を、通常のオフィスに準じる多光源下の観察環境で目視上の第1の画像(4)と第2の画像(5)のスイッチ効果を確認した結果である。図12(a)は、本発明の情報担持体(1)を天井の照明にかざさない状態で観察した場合の目視される画像を図示したものであり、第1の画像(4)は、「灰色の鳳凰」画像としてはっきりと認識できた。図12(b)及び図12(c)は、本発明の情報担持体(1)を、天井の照明にかざした状態で、印刷画像(3)が拡散反射光と正反射光が混在する領域における観察状況を作り出した場合に目視される画像を図示したものであり、第2の画像(5)のみが、画像部(8)と背景部(9)でパールの干渉色に濃淡が生じた状態で認識でき、かつ、この第2の画像(5)は入射光の角度の変化に伴って、ゆるやかに濃淡が反転することが確認できた。図12(b)及び図12(c)における黒色の部分は、実際には虹彩色パール顔料の干渉色である金色で視認される部分であり、白色の部分は金属光沢インキの色である淡い灰色で視認される部分である。以上の結果から、本発明の情報担持体(1)が、観察角度の違いに応じて第1の画像(4)と第2の画像(5)の明瞭なスイッチ効果を発揮することが確認できるとともに、第2の画像(5)については、パールの干渉色で表現されることも確認できた。
第2の画像(4)を形成するために使用するパール顔料については、無色又は基材色であれば、虹彩色パール顔料、鱗片状顔料、鱗片状マイカ、鱗片状金属顔料、ガラスフレーク顔料、コレステリック液晶顔料等を用いても良い。パール顔料の粒子の大きさは、使用する印刷方式に応じて選択するものであるが、好ましくは1〜50μmであって、平均粒径は5〜15μm程度がより好ましい。このように、いずれのパール顔料を用いても良いが、より鱗片状顔料の配向性(リーフィング効果)を向上させるためには、10μm〜150μmの盛り上がりを有する画像の表面で顔料が配向するような処理を施すことが好ましい。具体的には、例えば特開2001−106937号公報に記載されたような撥水及び撥油性処理等の顔料の表面処理を行うことで、印刷部の画線表面で顔料を配向させることができ、正反射光によるパールの干渉色をより鮮やかに出現させることが可能となる。
また、本実施の形態においては、高い色彩変化の効果を引き出すために、比較的粒子径の大きなパール顔料を使用したことから、スクリーン印刷方式で第2の画像を形成しているが、第2の画像は、充分なパール効果を有し、画像化できることを条件として、フレキソ印刷方式やグラビア印刷方式、凹版印刷方式等でも実施可能である。また、第1の画像は、オフセット印刷方式で形成しているが、フレキソ印刷方式やグラビア印刷方式、凹版印刷方式等でも実施可能である。
図13は、本発明の実施例1における情報担持体(1´)を示した図である。
本実施例においては、第2の画像を単純な二値画像ではなく、表現豊かな多階調画像にする例について説明する。
図14に示す第1の画像(4´)と図15に示した第2の画像(5´)を用いて、情報担持体(1´)の印刷画像(3´)を形成する。第1の画像(4´)の各面積率は、「日本」の文字を形成する画像部(6´)の面積率を100%とし、背景部(7´)の面積率は50%とし、構成する光輝性材料については、最良の形態で使用したインキと同一の金属光沢インキ「T&K TOKA UV NO3 シルバー」を用いた。
図15に示す第2の画像(5´)は、桜画像部(8´−1、8´−2、8´−3、)及びそれ以外の背景部(9´)のすべてピッチ0.4mmで0.3mmの画線幅の画線を連続して配しているが、背景部(9´)の画線角度が90°であるのに対して、桜画像部(8´−1、8´−2、8´−3、)については画線角度0°の領域(8´−1)及び画線角度30°の領域(8´−2)並びに画線角度60°の領域(8´−3)で形成している。表2に示す配合の虹彩色パール顔料を含んだ透明インキで、同様に第1の画像(4´)上に重ねてUV乾燥型スクリーン印刷方式で形成した。
Figure 0005294199
本実施例において、形成した情報担持体(1´)の目視での効果について、図16を用いて説明する。図16(a)は、観察角度Aで情報担持体(1´)の印刷画像(3´)を観察した場合に、目視上で視認される画像であり、第1の画像(4´)は、金属光沢インキで形成されていることから、灰色の「日本」の文字画像として第1の画像(4´)が図16(a)のように視認される。図16(b)及び図16(c)は、観察角度Bで情報担持体(1´)の印刷画像(3´)を観察した場合に、目視上視認される第2の画像(4´)の画像である。第2の画像の桜の絵を成す画像部(8´−1、8´−2、8´−3)はそれぞれ画線角度が異なっていることから、入射光に対して光を反射する反射光量に差異が生じ、虹彩色パールの干渉色である赤色の濃淡が生じる。よって、画線角度の異なりに応じた階調で表現された第2の画像(4´)が視認される。
図17は、本発明の実施例2における情報担持体(1´´)を示した図である。
本実施例においては、第1の画像を単純な二値画像ではなく、表現豊かな多階調画像にする例について説明する。
図18に示す第1の画像(4´´)と図19に示した第2の画像(5´´)を用いて、情報担持体(1´´)の印刷画像(3´´)を形成する。第1の画像(4´´)の各面積率は、女性の顔を形成する画像部(6´´)の面積率は65%〜100%であり、背景部(7´´)の面積率は50%である。この第1の画像(4´´)構成する光輝性材料については、金色の金属光沢インキ「T&K TOKA UV ゴールド MG(赤口)」を用いた。
図19に示す第2の画像(5´´)は、「JPN」の文字を成す画像部(8´´)及びそれ以外の背景部(9´´)のすべてピッチ0.3mmで0.2mmの画線幅の画線を連続して配している。表1に示す配合の虹彩色パール顔料を含んだ透明インキで、同様に第1の画像(4´´)上に重ねてUV乾燥型スクリーン印刷方式で形成した。
本実施例において、形成した情報担持体(1´´)の目視での効果について、図20を用いて説明する。図20(a)は、観察角度Aで情報担持体(1´´)の印刷画像(3´´´)を観察した場合に、目視上で視認される画像であり、第1の画像(4´´)は、金属光沢インキで形成されていることから、金色の女性の顔画像として第1の画像(4´´)が図20(a)のように視認される。図20(b)及び図20(c)は、観察角度Bで情報担持体(1´´)の印刷画像(3´´)を観察した場合に、目視上視認される第2の画像(4´´)の画像である。第2の画像の「JPN」の文字を成す画像部(8´´)と背景部(9´´)は画線角度が異なっていることから、虹彩色パールの干渉色である金色の濃淡が生じる。よって、観察角度Bにおいてパールの干渉色で彩られた第2の画像(4´´)が視認される。
本発明の情報担持体の印刷画像が、良好な画像のスイッチ性を得るためには、第1の画像と第2の印刷画像は、同じ印刷画像領域に積層されていることが好ましい。また、より好適には、第2の印刷画像の面積率が50%以上で第1の画像の上に積層されている場合、拡散反射光と正反射光が混在する観察角度領域において、第1の画像が完全に潜像化していなくとも、第2の画像の顕像化によって第1の画像が隠蔽されることからより好ましい。また、第1の画像が50%以上100%以下の面積率で印刷されており、より好適には、第1の画像の画像部と、背景部の面積率の差が、10%以上50%以下の条件であることが望ましい。
また、実施例2では、第1の画像の画像部を65%〜100%の範囲内で表現された階調画像としているが、画像部の領域と背景部の領域を分割する必要はなく、例えば、第1の画像全域を面積率50%〜100%の範囲で表現された階調画像としても、同様の効果が得ることができる。
本実施例では、第2の画像の領域を、画像部と背景部の二つの領域とし、画像部を構成する画線群の配線方向と、背景部を構成する画線群の配線方向との角度の差を90°としたが、これに限定されるものではなく、第2の画像が二つ以上の画像部及び/又は二つ以上の背景部からなる複数の領域を備えていたとしても、各領域の配線方向の角度差が5°以上あれば、拡散反射光と正反射光が混在する観察角度領域(観察角度B)において、各領域における干渉光の発現及び消失のタイミングがずれるため、それぞれ異なる領域として視認できる。また、第2の画像の各領域間のコントラスト差を大きくして、第2の画像の視認性を高めたい場合は、各領域の配線方向の角度差を30°以上とすることが望ましい。
本発明は、基材と異なる色を有する光輝性材料を含むインキによって形成された第1の画像が、正反射光領域の観察で潜像化する原理と、パール顔料等のカラーフリップフロップ性を備えた材料を含む透明インキの第2の画像が、拡散光領域の観察では下地の色が視認され、正反射光領域の観察で顕像化する原理とを組み合わせており、拡散反射光と正反射光が混在する観察角度領域で第1の画像が完全に潜像化していなくとも、第1の画像に積層された第2の画像が顕像化することから第1の画像がカモフラージュされ、2つの原理の相乗効果によって従来の画像がスイッチする情報担持体より画像のスイッチ性が向上した情報担持体を得ることができた。よって、少なくとも第1の画像を隠蔽するように第2の画像が積層されていればよく、例えば、第2の画像が、第1の印刷画像が印刷された印刷画像領域より大きい画像であっても、同様の効果を得ることができる。
本発明の最良の形態における情報担持体(1)を示す図である。 本発明の最良の形態における第1の画像(4)を示す図である。 本発明の最良の形態における第2の画像(5)を示す図である。 第1の画像(4)のみを印刷した情報担持体を正反射光領域(観察角度C)で観察したときの視認図である。 第2の画像(5)のみを印刷した情報担持体を拡散光領域(観察角度A)で観察したときの視認図である。 第2の画像(5)のみを印刷した情報担持体を拡散反射光と正反射光が混在する観察角度領域(観察角度B)で観察したときの視認図である。 情報担持体と光源と観察者の視点との位置関係による三つの観察領域を示す図である。 (a)は、第2の画像(5)を構成する横方向画線(13)と縦方向画線(14)の視認性を説明する拡大図である。(b)は、横方向画線(13)の破線DD´間の断面図である。(c)は、縦方向画線(14)の破線EE´間の断面図である。 本発明の最良の形態において、観察角度A及び観察角度Bにおける第1の画像(4)の観察図と第2の画像(5)の観察図を重ね合せて説明する図である。 (a)は、情報担持体(1)の印刷画像(3)を形成する四つの画像要素のうち、面積率100%の第1の画像の上に、縦方向万線からなる第2の画像が積層された画像要素1を示す。(b)は、情報担持体(1)の印刷画像(3)を形成する四つの画像要素のうち、面積率50%の第1の画像の上に、縦方向万線からなる第2の画像が積層された画像要素2を示す。(c)は、情報担持体(1)の印刷画像(3)を形成する四つの画像要素のうち、面積率50%の第1の画像の上に、横方向万線からなる第2の画像が積層された画像要素3を示す。(d)は、情報担持体(1)の印刷画像(3)を形成する四つの画像要素のうち、面積率100%の第1の画像の上に、横方向万線からなる第2の画像が積層された画像要素4を示す。 本発明の最良の形態において、情報担持体(1)を形成する四つの画像要素のうち、図10(a)の画像要素1を基準とした場合の画像要素2、画像要素3、画像要素4の色差ΔEの変化を示すグラフである。 (a)は、本発明の最良の形態における情報担持体(1)を観察角度Aで観察したときの視認図である。(b)及び(c)は、本発明の最良の形態における情報担持体(1)を観察角度Bで観察したときの視認図である。 本発明の実施例1における情報担持体(1´)を示す図である。 本発明の実施例1における第1の画像(4´)を示す図である。 本発明の実施例1における第2の画像(5´)を示す図である。 (a) 本発明の実施例1における情報担持体(1´)を観察角度Aで観察したときの視認図である。(b)及び(c) 本発明の実施例1における情報担持体(1´)を観察角度Bで観察したときの視認図である。 本発明の実施例2における情報担持体(1´´)を示す図である。 本発明の実施例2における第1の画像(4´´)を示す図である。 本発明の実施例2における第2の画像(5´´)を示す図である。 (a) 本発明の実施例2における情報担持体(1´´)を観察角度Aで観察したときの視認図である。(b)及び(c) 本発明の実施例2における情報担持体(1´´)を観察角度Bで観察したときの視認図である。
符号の説明
1、1´、1´´ 情報担持体
2、2´、2´´ 基材
3、3´、3´´ 印刷画像
4、4´、4´´ 第1の画像
5、5´、5´´ 第2の画像
6、6´、6´´ 第1の画像の画像部
7、7´、7´´ 第1の画像の背景部
8、8´−1、8´−2、8´−3、8´´ 第2の画像の画像部
9、9´、9´´ 第2の画像の背景部
10 光源
11 観察者
12−2 画像要素1を基準としたときの画像要素2の色差ΔEを示す折れ線
12−3 画像要素1を基準としたときの画像要素3の色差ΔEを示す折れ線
12−4 画像要素1を基準としたときの画像要素4の色差ΔEを示す折れ線
13 盛り上がりのある横方向画線
14 盛り上がりのある縦方向画線

Claims (9)

  1. 基材と、前記基材上の一表面の印刷画像領域に、前記基材と異なる色を有する光輝性材料によって形成された第1の印刷画像と、
    前記印刷画像領域全面にカラーフリップフロップ性を備えた材料を含む透明性材料によって形成された第2の印刷画像を備え、
    前記第1の印刷画像の上に前記第2の印刷画像を形成した情報担持体であって、
    前記第2の印刷画像は、画像部を構成する少なくとも一つ以上の画線群と、背景部を構成する少なくとも一つ以上の画線群の、少なくとも二つ以上の画線群から構成されており、前記少なくとも二つ以上の画線群は、それぞれ盛り上がりのある画線で構成されており、
    前記第2の印刷画像に含まれるすべての画線群の画線の方向が、各画線群同士、各々少なくとも5°以上角度が異なっていることを特徴とする情報担持体。
  2. 前記第1の印刷画像が、面積率50%以上100%以下の範囲で形成されていることを特徴とする請求項1記載の情報担持体。
  3. 前記第1の印刷画像の中の最も濃い部分と最も淡い部分の面積率の差が10%以上50%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の情報担持体。
  4. 前記第1の印刷画像が、面積率50%〜100%の範囲内で階調表現された多階調画像であることを特徴とする請求項1記載の情報担持体。
  5. 前記第2の印刷画像が、画線幅30μm〜1000μmの範囲で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の情報担持体。
  6. 前記第2の印刷画像は、盛り上がりのある画線で形成されており、前記盛り上がりのある画線の高さが、10μm〜150μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の情報担持体。
  7. 前記第2の印刷画像は、面積率50%以上で前記第1の画像の上に積層されていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の情報担持体。
  8. 前記第2の印刷画像を構成するカラーフリップフロップ性を備えた材料を含む透明性材料が印刷用インキであり、前記カラーフリップフロップ性を備えた材料が、虹彩色パール顔料、鱗片状顔料、鱗片状マイカ顔料、鱗片状金属顔料、ガラスフレーク顔料、コレステリック液晶顔料の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の情報担持体。
  9. 前記印刷用インキに含まれる虹彩色パール顔料、鱗片状顔料、鱗片状マイカ顔料、鱗片状金属顔料、ガラスフレーク顔料、コレステリック液晶顔料の配向性を向上させるために、顔料表面に撥水性及び撥油性を持たせる表面処理が施されていることを特徴とする請求項8記載の情報担持体。
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