JPWO2013054576A1 - 加工廃液処理装置及び加工廃液処理方法 - Google Patents
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Abstract
加工液の導電率を所定の範囲内に維持することができる加工廃液処理装置及び加工廃液処理方法を提供する。加工装置1へ加工液を供給し、使用済みの加工液を加工装置1へ再度供給する。使用済みの加工液をイオン交換するイオン交換手段18と、使用済みの加工液の循環経路におけるイオン交換手段18の手前に、前記加工液の導電率を計測する導電率計測手段20とを有する。制御手段30は、導電率計測手段20で計測された導電率が所定範囲内であるか否かを判断し、導電率が所定範囲外であると判断した場合に、イオン交換手段18への経路を開く指示を送出する。
Description
本発明は、装置内を循環する加工液の導電率を一定範囲内に維持する加工廃液処理装置及び加工廃液処理方法に関する。
半導体デバイスを製造する場合、分割予定ラインで格子状に区分けされた、略円盤形状の半導体ウエハの表面の複数の領域に、IC、LSI等のデバイスを形成する。そして、分割予定ラインに沿って、ダイサー等により半導体ウエハを切削加工することにより、個々の半導体デバイスを製造している。
分割予定ラインに沿って切削加工する場合、加工用のブレードに加工液を供給する。ブレードによる切削加工により、加工液に切削屑が混入するとともに半導体ウエハのLi等がイオンとして溶出し、半導体ウエハの電極、パターン表面等が溶出するおそれがあった。
そこで、例えば特許文献1には、廃液収容タンク、清水貯水タンク、精密なフィルタ、イオン交換樹脂、ポンプ等で構成される加工廃液処理装置が開示されている。特許文献1に開示されている加工廃液処理装置では、使用済みの加工液をイオン交換樹脂に通過させることにより、純水レベルにまで精製して再利用することができる。したがって、清水貯水タンクには不純物が混入していない精製された加工液が貯留され、加工液を一定以上の品質に維持することができる。
また、特許文献2では、純水に二酸化炭素を混入することにより、加工水の比抵抗値を所定の値に維持することができる加工水比抵抗値コントロールシステムが開示されている。
特許文献1に開示してある加工廃液処理装置は、使用済みの加工液を常にイオン交換樹脂に通過させている。したがって、加工液の導電率はほぼ0になる。加工液の導電率がほぼ0の状態で切削した場合、半導体ウエハ等の被切削物の電極、パターン表面等に腐食が生じるおそれがあるという問題点があった。
また、特許文献2に開示してある加工水比抵抗値コントロールシステムは、加工水の比抵抗値を所定の値に維持することはできる。しかし、使用済みの加工水を再利用する場合、加工水の比抵抗値を上げることはできても下げることはできない。したがって、比抵抗値の逆数である導電率を下げるようにしか制御することができず、半導体ウエハ等の被切削物の電極、パターン表面等に腐食が生じる可能性を低減することはできない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、加工液の導電率を所定の範囲内に維持することができる加工廃液処理装置及び加工廃液処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る加工廃液処理装置は、加工装置へ加工液を供給し、使用済みの加工液を前記加工装置へ再度供給する加工廃液処理装置であって、使用済みの加工液をイオン交換するイオン交換手段と、使用済みの加工液の循環経路における前記イオン交換手段の手前に、前記加工液の導電率を計測する導電率計測手段とを有し、計測された導電率が所定範囲内であるか否かを判断し、前記導電率が所定範囲外であると判断した場合に、前記イオン交換手段への経路を開く指示を送出する制御手段を備えることを特徴とする。
上記構成では、使用済みの加工液をイオン交換するイオン交換手段と、使用済みの加工液の循環経路におけるイオン交換手段の手前に、加工液の導電率を計測する導電率計測手段とを有する。計測された導電率が所定範囲外であると判断した場合に、イオン交換手段への経路を開く指示を送出するので、計測された導電率が所定範囲外であると判断した場合にのみイオン交換をすることができる。したがって、加工液の導電率が0にまで下がることを未然に回避することができ、半導体ウエハ等の被切削物の電極、パターン表面等に腐食が生じるのを未然に防止することが可能となる。
また、本発明に係る加工廃液処理装置は、前記加工装置は、ダイシング装置であり、使用済みの加工液を貯留するタンクと、該タンク内に貯留された加工液を前記イオン交換手段へ送出するポンプと、前記タンクと前記イオン交換手段との間に設けてある、前記加工液の経路を開閉するバルブとを備え、前記制御手段は、前記導電率が所定範囲外であると判断した場合に、前記バルブを開き、前記ポンプを駆動する指示を送出することが好ましい。
上記構成では、導電率が所定範囲外であると判断した場合に、バルブを開き、ポンプを駆動させることにより、導電率が所定範囲外であると判断した場合にのみイオン交換をすることができる。したがって、加工液の導電率が0にまで下がることを未然に回避することができ、半導体ウエハ等の被切削物の電極、パターン表面等に腐食が生じるのを未然に防止することが可能となる。
次に、上記目的を達成するために本発明に係る加工廃液処理方法は、加工装置へ加工液を供給し、使用済みの加工液を前記加工装置へ再度供給する加工廃液処理装置で実行することが可能な加工廃液処理方法であって、使用済みの加工液の導電率を計測する工程と、計測された導電率が所定範囲内であるか否かを判断する工程と、計測された導電率が所定範囲外であると判断した場合に、使用済みの加工液のイオン交換を開始する工程と、計測された導電率が所定範囲内であると判断した場合に、使用済みの加工液のイオン交換を中止する工程とを含むことを特徴とする。
上記構成では、使用済みの加工液の導電率を計測し、計測された導電率が所定範囲内であるか否かを判断する。計測された導電率が所定範囲外であると判断した場合に、使用済みの加工液のイオン交換を開始し、計測された導電率が所定範囲内であると判断した場合に、使用済みの加工液のイオン交換を中止する。これにより、計測された導電率が所定範囲外であると判断した場合にのみイオン交換をすることができるので、加工液の導電率が0にまで下がることを未然に回避することができ、半導体ウエハ等の被切削物の電極、パターン表面等に腐食が生じるのを未然に防止することが可能となる。
上記構成によれば、使用済みの加工液をイオン交換するイオン交換手段と、使用済みの加工液の循環経路におけるイオン交換手段の手前に、加工液の導電率を計測する導電率計測手段とを有する。計測された導電率が所定範囲外であると判断した場合に、イオン交換手段への経路を開く指示を送出するので、計測された導電率が所定範囲外であると判断した場合にのみイオン交換をすることができる。したがって、加工液の導電率が0にまで下がることを未然に回避することができ、半導体ウエハ等の被切削物の電極、パターン表面等に腐食が生じるのを未然に防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態における加工廃液処理装置について、図面を用いて具体的に説明する。以下の実施の形態は、請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、実施の形態の中で説明されている特徴的事項の組み合わせの全てが解決手段の必須事項であるとは限らないことは言うまでもない。
図4は、従来の加工廃液処理装置の構成を示す模式図である。図4に示すように、従来の加工廃液処理装置は、複数のダイシング装置(加工装置)1に加工液を供給する供給経路11及び供給ポンプ12を備えている。なお、加工液は、ダイシング時に発生する熱量、摩擦等を低減することができれば特に限定されるものではないが、例えば純水に溶媒として脂肪族多価アルコールを添加したものを用いれば良い。
ダイシング装置1では、ダイサー等により半導体ウエハを切削加工する。切削屑等が含まれた使用済みの加工液は、排出経路13を通って原水槽14に貯留される。原水槽14に貯留された使用済みの加工液はそのまま廃棄して、供給タンク15からダイシング装置(加工装置)1へ新たに加工液を供給しても良いし、加工廃液循環装置により再利用しても良い。
使用済みの加工液を再利用する場合、原水槽14に貯留された使用済みの加工液を原水ポンプ16で汲み上げてフィルタ装置17へ送出する。フィルタ装置17として、例えば中空糸膜等のフィルタを用いることで、使用済みの加工液に含まれる切削屑等の不純物を排除することができる。
使用済みの加工液は、切削加工時に半導体ウエハ等の被切削物のLi等がLi+ イオンとして溶出しており、導電率が高くなっている。そこで、フィルタ装置17で不純物を排除した使用済みの加工液を、イオン交換装置18に通過させること(イオン交換)により、加工液の導電率を下げている。
イオン交換後の加工液は、バッファタンク19に一旦貯留され、供給タンク15内の加工液の残量に応じて供給タンク15へと供給される。
しかし、使用済みの加工液は常にイオン交換をすることになるので、導電率は限りなく0に近づく。加工液の導電率が0に近い状態で切削加工した場合、半導体ウエハ等の被切削物の電極、パターン表面等に腐食が生じるおそれがある。
そこで、本実施の形態に係る加工廃液処理装置では、使用済みの加工液の導電率を計測して、計測した導電率に応じてイオン交換するか否かを制御するようにしてある。図1は、本発明の実施の形態に係る加工廃液処理装置の構成を示す模式図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る加工廃液処理装置は、複数のダイシング装置(加工装置)1に加工液を供給する供給経路11及び供給ポンプ12を備えている。
ダイシング装置1では、ダイサー等により半導体ウエハを切削加工する。切削屑等が含まれた使用済みの加工液は、排出経路13を通って原水槽14に貯留される。原水槽14に貯留された使用済みの加工液は、原水ポンプ16で汲み上げられ、フィルタ装置17へ送出される。フィルタ装置17として、例えば中空糸膜等のフィルタを用いることで、使用済みの加工液に含まれる切削屑等の不純物を排除することができる。
フィルタ装置17で不純物を排除した使用済みの加工液は、バッファタンク(タンク)19に一旦貯留される。バッファタンク19内には、加工液の導電率を計測する導電率計(導電率計測手段)20を備えている。
制御装置(制御手段)30は、導電率計20で計測した値(導電率)を検出信号として取得して、使用済みの加工液の導電率が所定範囲内であるか否かを判断する。制御装置30は、使用済みの加工液の導電率が所定範囲外であると判断した場合には、導電率を調整するべく、バッファタンク19とイオン交換装置18との間に設けられた電磁開閉弁(バルブ)32を開いてポンプ31を駆動させ、使用済みの加工液をイオン交換装置(イオン交換手段)18へ供給する。イオン交換装置18に通過させることにより、加工液の導電率を下げることができる。
図2は、本発明の実施の形態に係る加工廃液処理装置の制御装置30の構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御装置30はコンピュータによって構成されており、少なくとも制御プログラムに従って演算処理するCPU301、制御プログラム等を記憶するメモリ302、記憶装置303、入力インタフェース304、及び出力インタフェース305を備えている。
入力インタフェース304には、導電率計20、入力装置306等からの検出信号、入力信号が入力される。出力インタフェース305からは、供給ポンプ12、原水ポンプ16の他、イオン交換装置18へ使用済みの加工液を供給するポンプ31、イオン交換装置18への経路を開閉する電磁開閉弁32へ制御信号を出力する。
図3は、本発明の実施の形態に係る加工廃液処理装置の制御装置30のCPU301の処理手順を示すフローチャートである。図3において、制御装置30のCPU301は、導電率計20から、計測された導電率を検出信号として取得し(ステップS301)、取得した導電率が所定範囲内であるか否かを判断する(ステップS302)。
導電率の所定範囲は、特に限定されるものではないが、例えば10μS/cm〜500μS/cmの範囲であることが好ましい。
CPU301が、取得した導電率が所定範囲外であると判断した場合(ステップS302:NO)、CPU301は、ポンプ31を駆動し、電磁開閉弁32を開く指示信号を送信し(ステップS303)、イオン交換を開始する。CPU301が、取得した導電率が所定範囲内であると判断した場合(ステップS302:YES)、CPU301は、ポンプ31を停止し、電磁開閉弁32を閉じる指示信号を送信し(ステップS304)、イオン交換を中止する。
CPU301は、すべてのダイシング装置(加工装置)1における加工を終了したか否かを判断し(ステップS305)、CPU301が、まだ加工を終了していないダイシング装置1が存在すると判断した場合(ステップS305:NO)、CPU301は、処理をステップS301へ戻して、上述した処理を繰り返す。CPU301が、すべてのダイシング装置(加工装置)1における加工を終了したと判断した場合(ステップS305:YES)、CPU301は、処理を終了する。
フィルタ装置17及び/又はイオン交換装置18に通過させた加工液は、バッファタンク19に一旦貯留され、供給タンク15内の加工液の残量に応じて供給タンク15へと供給される。
以上のように本実施の形態によれば、使用済みの加工液の循環経路におけるイオン交換装置18の手前に、加工液の導電率を計測する導電率計20を有し、導電率計20で計測された導電率が所定範囲外であると判断した場合に、制御装置30は、イオン交換装置18への経路を開く指示を送出するので、計測された導電率が所定範囲外であると判断した場合にのみイオン交換をすることができる。したがって、加工液の導電率が0にまで下がることを未然に回避することができ、半導体ウエハ等の被切削物の電極、パターン表面等に腐食が生じるのを未然に防止することが可能となる。
なお、上述した実施の形態では、ステップS305にてすべてのダイシング装置(加工装置)1における加工を終了したと判断した場合に処理を終了しているが、加工を終了したと判断した場合であっても上述した処理を続行することが可能である。例えば、供給ポンプ12と原水槽14とを配管(図示せず)で連結しておき、供給ポンプ12と原水槽14との間に、加工液の経路を開閉する(電磁)開閉弁(図示せず)を設けておく。該開閉弁を開いて、加工液を供給ポンプ12、原水槽14、原水ポンプ16、フィルタ装置17、バッファタンク19、イオン交換装置18、供給タンク15と循環させながら、上述した処理を続行しても良い。
その他、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変形、置換等が可能であることは言うまでもない。
1 ダイシング装置(加工装置)
14 原水槽
17 フィルタ装置
18 イオン交換装置(イオン交換手段)
19 バッファタンク(タンク)
20 導電率計(導電率計測手段)
30 制御装置(制御手段)
31 ポンプ
32 電磁開閉弁(バルブ)
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Claims (3)
- 加工装置へ加工液を供給し、使用済みの加工液を前記加工装置へ再度供給する加工廃液処理装置であって、
使用済みの加工液をイオン交換するイオン交換手段と、
使用済みの加工液の循環経路における前記イオン交換手段の手前に、前記加工液の導電率を計測する導電率計測手段と
を有し、
計測された導電率が所定範囲内であるか否かを判断し、前記導電率が所定範囲外であると判断した場合に、前記イオン交換手段への経路を開く指示を送出する制御手段を備えることを特徴とする加工廃液処理装置。 - 前記加工装置は、ダイシング装置であり、
使用済みの加工液を貯留するタンクと、
該タンク内に貯留された加工液を前記イオン交換手段へ送出するポンプと、
前記タンクと前記イオン交換手段との間に設けてある、前記加工液の経路を開閉するバルブと
を備え、
前記制御手段は、前記導電率が所定範囲外であると判断した場合に、前記バルブを開き、前記ポンプを駆動する指示を送出することを特徴とする請求項1に記載の加工廃液処理装置。 - 加工装置へ加工液を供給し、使用済みの加工液を前記加工装置へ再度供給する加工廃液処理装置で実行することが可能な加工廃液処理方法であって、
使用済みの加工液の導電率を計測する工程と、
計測された導電率が所定範囲内であるか否かを判断する工程と、
計測された導電率が所定範囲外であると判断した場合に、使用済みの加工液のイオン交換を開始する工程と、
計測された導電率が所定範囲内であると判断した場合に、使用済みの加工液のイオン交換を中止する工程と
を含むことを特徴とする加工廃液処理方法。
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