JP5843600B2 - 次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法 - Google Patents

次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法 Download PDF

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次亜塩素酸ナトリウムと酸と希釈水とを含んで生成する次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を処理対象水に注入する次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法に関する。
処理対象水に消毒又は酸化のため次亜塩素酸ナトリウムを原液で注入すると、次亜塩素酸ナトリウムの自己分解により生成する酸素ガスが注入配管の特に継手部分でエアーロックし、注入量低下や無注入等の注入障害が発生する不具合があった。また、処理対象水に次亜塩素酸ナトリウムを原液で注入すると、処理対象水量に対して次亜塩素酸ナトリウム量が非常に少ないため、処理対象水に注入したとき混合不良が発生する不具合があった。
上述の不具合を防止する方法として、次亜塩素酸ナトリウムを浄水等の希釈水で希釈し生成された次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を処理対象水に注入する方法がある。図4は、貯蔵槽101からの流量が注入制御装置105で制御されて流入した原液の次亜塩素酸ナトリウムと希釈水とをインゼクタ103で減圧混合することで次亜塩素酸ナトリウムを希釈し、生成された次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を処理対象水に注入する生成注入方法を示している。また、図5は、希釈水が搬送されている希釈水搬送管104に、貯蔵槽101より注入ポンプ102で搬送された原液の次亜塩素酸ナトリウムを注入して次亜塩素酸ナトリウムを希釈し、生成された次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を処理対象水に注入する生成注入方法を示している。
上述の次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法は、いずれの方法でも希釈水中の硬度成分(カルシウム、マグネシウム)と次亜塩素酸ナトリウム中のアルカリ成分が反応し、下記式に示すカルシウムスケール(炭酸カルシウム)及びマグネシウムスケール(炭酸マグネシウム)が次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液中に生成されてインゼクタ及び配管の内面に付着し、インゼクタ及び配管の狭窄・閉塞等による注入障害が発生する不具合があった。

Ca(HCO(硬度成分)+2NaOH(次亜塩素酸ナトリウム中のアルカリ成分)→CaCO(カルシウムスケール)+NaCO+2H
Mg(HCO(硬度成分)+2NaOH(次亜塩素酸ナトリウム中のアルカリ成分)→MgCO(マグネシウムスケール)+NaCO+2H
次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液中にスケール生成が抑制される方法として、次亜塩素酸ナトリウムに対し希釈水の水量を非常に多くし希釈倍率を上げることが一般に行われている。図6に示す通り、スケール析出率を5%以下にするためには、次亜塩素酸ナトリウム注入量に対し200倍以上の希釈水が必要となるため、希釈水供給設備が大掛かりとなり設備費及び維持管理費が増大するとの不具合があった。
別の次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液中にスケール生成が抑制される方法として、図7に示すとおり、イオン交換樹脂を用いた軟水化装置110で、希釈水よりスケールの主要成分となる硬度成分を除去した軟水を希釈水搬送管104に流通させ、そこに貯蔵槽101より注入ポンプ102で搬送された原液の次亜塩素酸ナトリウムを注入して希釈し、生成された次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を処理対象水に注入する生成注入方法がある。スケール生成は大きく抑制されるが、軟水化装置110に使用されているイオン交換樹脂は、樹脂再生装置111において頻繁に飽和食塩水を用いて再生を行う必要があり、軟水化装置110、樹脂再生装置111等の設備費の増大及びそれらの設備について煩雑な維持管理を行う為の維持管理費の増大という不具合があった。
また、下記特許文献1には、酸と次亜塩素酸ナトリウムを希釈水で希釈して生成された次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液において、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液中に殺菌力が高い次亜塩素酸を高濃度に含有させるため、pH計測手段で計測した次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液のpH値に基づき次亜塩素酸ナトリウムと酸の供給量を制御し、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液のpH値をpH5付近に調製することが提案されている。次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液のpH値をpH7以下とすることでスケール生成は抑制されるが、pH計測手段等の計測機器を用いるので設備費や維持管理費が増大するとの不具合があった。更に、アルカリ溶液である次亜塩素酸ナトリウムに酸を混合して生成された次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液のpH値をpH5付近にするには酸の使用量が多くなり、またpH5付近とすることで危険な塩素ガスが発生する不具合もあった。
更に、下記特許文献2には、カルシウムスケールの生成度合いを示すランゲリア指数は、指数0よりプラス値の場合にスケール生成の可能性が大きくなることを利用し、pH計測手段にて計測した酸が混合されている次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液のpH値からランゲリア指数を算出し、算出されたランゲリア指数がプラス値である場合に軟水化装置を用いて次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を軟水化し、又は次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液にスケール分散剤を注入し、スケール生成を抑制することが提案されている。しかし、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液のpH値を計測するための計測機器及び希釈水を軟水化するための軟水化装置等が必要となるので設備費や維持管理費が増大し、又はスケール分散剤を注入するので飲料水として不適切な薬品が混入することになる等の不具合があった。
特開2010−162476 特開2008−149226
本発明は上述の不具合点を解決するためになされたものであって、その目的とするとこは、スケール生成を抑制するための酸が混合されて生成された次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を処理対象水に消毒又は酸化のため注入する次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法において、処理対象水に注入する次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液中に混合される酸の必要量を実測値に基づくことなく簡易な方法で算出できる次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法を提供することである。
別の目的は、希釈水の水量及び水質を考慮することなく次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を生成することができる次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法は、次亜塩素酸ナトリウムと酸と希釈水とを含む次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を生成し注入する次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法において、計装機器は、前記次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入される前又は注入された後の処理対象水を消毒又は酸化するのに必要な単位時間あたりの前記次亜塩素酸ナトリウムの所定注入量を制御装置が算出できる前記処理対象水の流量・水質についての計測項目を計測し、前記制御装置は、前記処理対象水を計測した前記計装機器からの前記計測項目の計測値を受信し、前記計測値を基に前記処理対象水に注入する前記次亜塩素酸ナトリウムの単位時間当たりの所定注入量を算出し、算出された前記次亜塩素酸ナトリウムの前記所定注入量及び前記次亜塩素酸ナトリウムに含有されているアルカリ成分を基に、前記次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液中にスケール生成が抑制されるレベルである定のランゲリア指数に調整するために必要とされる前記酸の単位時間当たりの算出必要量を算出し、前記算出必要量の前記酸を事前に設定されている単位時間当たりの設定量の前記希釈水に注入混合し、前記酸が注入混合された前記希釈水に前記所定注入量の前記次亜塩素酸ナトリウムを注入混合して前記次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を生成し、生成された前記次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を前記処理対象水に注入することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に係る次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法は、請求項1に記載の次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法において、前記所定のランゲリア指数は、ランゲリア指数が指数2.2以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に係る次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法は、請求項1又は2に記載の次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法において、前記酸は、硫酸、塩酸、炭酸の内のいずれかであることを特徴とするものである。
上記構成を備えた本発明の次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法によれば、スケール生成が抑制される酸の必要量は、制御装置が、前記処理対象水を計測する計装機器からの計測値を受信し、前記計測値を基に前記処理対象水を消毒又は酸化するため必要とされる次亜塩素酸ナトリウムの単位時間当たりの所定注入量を算出し、次亜塩素酸ナトリウムの前記所定注入量及び前記次亜塩素酸ナトリウムに含有されているアルカリ成分を基に次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を所定のpH値若しくはランゲリア指数に調整するために必要とされる前記酸の単位時間当たりの算出必要量を算出するので、酸の過剰注入を防止することができると共に、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液のpH値が著しく低下するのを防止し、危険な塩素ガスの発生を防止することができると共に、酸の使用量の削減を図ることができる。
上記構成を備えた本発明の次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法によれば、スケール生成が抑制される酸の必要量は、制御装置が、前記処理対象水を計測する計装機器からの計測値を受信し、前記計測値を基に前記処理対象水を消毒又は酸化するため必要とされる次亜塩素酸ナトリウムの単位時間当たりの所定注入量を算出し、次亜塩素酸ナトリウムの前記所定注入量及び前記次亜塩素酸ナトリウムに含有されているアルカリ成分を基に次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を所定のpH値若しくはランゲリア指数に調整するために必要とされる前記酸の単位時間当たりの算出必要量を算出するので、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液のpH値を計測するpH計や電気伝導率計等の水質計器が不要となり、設備建設費を低減することがきると共に、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液のpH値を計測する水質計器の校正等の維持管理が不要となり維持管理費を低減することができる。
更に、制御装置が算出した所定注入量の次亜塩素酸ナトリウムと算出必要量の酸とを事前に設定されている単位時間当たりの設定量の希釈水で希釈するので、次亜塩素酸ナトリウムの単位時間当たりの所定注入量が変動しても希釈水は事前に設定されている単位時間当たりの設定量を変更しないときは一定であるので、生成作業を簡素化することができる。また大量の希釈水で希釈しないので希釈水量を削減することができ、希釈水供給設備を小型とすることができる。更に、希釈水中のアルカリ成分に比べて次亜塩素酸ナトリウム中のアルカリ成分の占める割合が遥かに大きいので、希釈水の水質が硬水であるか軟水であるかを考慮する必要がなく、軟水化装置を不要とすることができる。
更に、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液中でスケール生成が抑制される所定のpH値をpH9.6以下とし、若しくはランゲリア指数を指数2.2以下としているので、酸の算出必要量をより一層減少することができると共に、pH7以上とすることで危険な塩素ガスの発生を未然に防止することができる。
更に、注入する酸は、硫酸、塩酸、炭酸の内のいずれかを用いることができるので、コストや水質、用途によって使用する酸を任意に選定することができる。
本発明に係る次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法の概略説明図 スケール析出率とpH値又はランゲリア指数との関係を示すグラフ 別の本発明に係る次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法の概略説明図 従来1の次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法の概略説明図 従来2の次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法の概略説明図 スケール析出率と次亜塩素酸ナトリウム希釈倍率との関係を示すグラフ 従来3の次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法の概略説明図
以下に図面を参照して、この発明に係る次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法について、例示して説明する。
実施例1
図1は、本発明1に係る次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法を示す概略説明図である。
図中、10は原液である次亜塩素酸ナトリウムを貯蔵する次亜塩素酸ナトリウム貯蔵槽である。原液の次亜塩素酸ナトリウムは、注入ポンプ12により次亜塩素酸ナトリウム貯蔵槽10から次亜塩素酸ナトリウム搬送管11を経由し、注入点21で後述する希釈水搬送管20に流入して混合される。次亜塩素酸ナトリウムの注入量は、処理対象水を消毒又は酸化するために必要とされる単位時間当たりの所定注入量であり、処理対象水の水質の変化に対応して後述する計装機器50にて計測された計測値を基に後述する制御装置40により算出される。
希釈水搬送管20には、酸の混合された浄水等の希釈水が事前に設定されている単位時間当たりの設定量で均等に常時流通している。希釈水の水質は、硬水であっても、軟水であっても良い。希釈水の単位時間あたりの設定量は、希釈する次亜塩素酸ナトリウムを水処理施設に注入する場合に混合不良にならない水量とし、水処理施設の大きさ、使用できる水量等を考慮して制御装置40で事前に設定される。
30は、酸を貯蔵する酸貯蔵槽である。酸は、酸注入ポンプ32により酸貯蔵槽30から酸搬送管31を経由し、注入点22で均等に常時流通している希釈水に流入して混合される。酸の注入量は、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液内にスケールを発生させないために必要とされる単位時間あたりの算出必要量であり、制御装置40により算出される。酸の種類としては、処理対象水の水質等を考慮し、硫酸・塩酸・炭酸の内のいずれかが選択される
制御装置40は、処理対象水を計測した計装機器50の計測値を一定間隔で受信し、その計測値を基に処理対象水を消毒又は酸化するのに必要な次亜塩素酸ナトリウムの単位時間あたりの所定注入量を算出する。更に、制御装置40は、算出された単位時間当たりの次亜塩素酸ナトリウムの所定注入量と、その次亜塩素酸ナトリウムに含有されている既知のアルカリ成分とを基に、単位時間当たりの設定量の希釈水で希釈したとき、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液中にスケール生成が抑制されるレベルである次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液のpH値がpH9.6以下となるように、若しくはランゲリア指数が指数2.2以下となるように、単位時間当たり注入する酸の算出必要量を算出する。
50は、処理対象水を計測する計装機器である。計装機器50にて計測する処理対象水は、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入される前の処理対象水と、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入された後の処理対象水の2種類がある。従って、計装機器50は、夫々の異なる水質の処理対象水毎に応じて、いずれか一方の処理対象水に設置され、又は2種類の処理対象水の両方に設置される場合がある。計装機器50にて計測される具体的な計測項目は、夫々の異なる水質の処理対象水毎に個別に決定される。
一例を以下に説明する。制御装置40は、計装機器50にて計測された処理対象水の計測値を受信する。制御装置40は、受信した計測値を基に処理対象水を消毒又は酸化するのに必要な次亜塩素酸ナトリウムの単位時間あたりの所定注入量を算出すると共に、算出された単位時間当たりの次亜塩素酸ナトリウムの所定注入量と、その次亜塩素酸ナトリウムに含有されている既知のアルカリ成分とを基に、単位時間当たりの設定量の希釈水で希釈したとき、次亜塩素酸ナトリウム希釈溶液中にスケール生成が抑制されるレベルである次亜塩素酸ナトリウム希釈溶液のpH値がpH9.6以下となるように、若しくはランゲリア指数が指数2.2以下となるように、単位時間当たり注入する酸の算出必要量を算出する。制御装置40により算出された単位時間当たり算出必要量の酸が、事前に設定されている単位時間当たりの設定量で均等量流通している希釈水に注入混合され、酸の混合された希釈水が事前に設定されている単位時間当たりの設定量で希釈水搬送管20を均等量流通し、その希釈水搬送管20に、制御装置40により算出された単位時間あたりの所定注入量の次亜塩素酸ナトリウムが注入混合されることで次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が生成され、生成された次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液は処理対象水に注入される。
次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入された後、消毒又は酸化の効果目標値に対する調整が必要とされる場合の処理対象水については、計装機器50により流量・水質等が計測され、その計測値が制御装置40に送付される。一方、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入される前の処理対象水について、計装機器50にて計測された流量・水質等の計測値は、制御装置40に送付されている。制御装置40は、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入された後の処理対象水の計測値、及び次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入される前の処理対象水の計測値を基に、次亜塩素酸ナトリウムの所定注入量と酸の算出必要量を算出する。従って、この場合には順次繰り返し行われることになる。
尚、次亜塩素酸ナトリウム所定注入量と酸の算出必要量を制御する方法としては、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入される前の処理対象水を計測して制御する方法、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入された後の処理対象水を計測して制御する方法、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入される前の処理対象水と次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入された後の処理対象水の両方を計測して制御する方法があり、処理対象水の水質、及び処理対象水に対する消毒又は酸化の効果目標値に対する許容レベル等を考慮し、いずれの方法で制御するか任意に選定する。
尚、図2に示す通り、上述のpH値で酸の注入量を算出する場合、pH9.6以下であるとスケール析出率は10%以下となるが、pH9.3以下にするとスケール析出率は5%以下となるので、より好ましくは、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液のpH値がpH9.3以下となるように注入する酸の算出必要量を算出するのが好適である。尚、pH値を小さくするとスケール析出率は漸次低下するが、酸の使用量の減少及び塩素ガスの発生の危険性の減少を考慮すると、pH値は、pH7以上とすることが好ましい。
また、同じく図2に示す通り、ランゲリア指数で酸の注入量を算出する場合、指数2.2以下であるとスケール析出率は10%以下となるが、指数1.8以下にするとスケール析出率は5%以下となるので、より好ましくは、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液のランゲリア指数が指数1.8以下となるように注入する酸の算出必要量を算出するのが好適である。尚、ランゲリア指数を小さくするとスケール析出率は漸次低下するが、酸の使用量の減少及び塩素ガスの発生の危険性の減少を考慮すると、ランゲリア指数は、指数0以上とすることが好ましい。
以上の通り、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液に注入混合される酸の必要量は、制御装置40により算出された処理対象水の流量・水質等を計測する計装機器50の計測値を基に処理対象水を消毒又は酸化するのに必要な次亜塩素酸ナトリウムの単位時間あたりの所定注入量、及びその次亜塩素酸ナトリウムに含有されているアルカリ成分を基に、制御装置40により算出された算出必要量であるので、酸の過剰注入により次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液のpH値が著しく低下し危険な塩素ガスが発生するのを防止することが可能となる。また酸の使用量を抑制することが可能となる。
更に、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液に注入混合される酸の必要量は、制御装置40により算出された処理対象水の流量・水質等を計測する計装機器50の計測値を基に処理対象水を消毒又は酸化するのに必要な次亜塩素酸ナトリウムの単位時間あたりの所定注入量、及びその次亜塩素酸ナトリウムに含有されているアルカリ成分を基に、制御装置40により算出された算出必要量であるので、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を計測するpH計や電気伝導率計などの水質計器を不要にすることが可能となり、次亜塩素酸ナトリウム希釈搬送設備の設備建設費や維持管理費を安価にすることが可能になると共に、水質計器の校正など維持管理に掛かる手間を容易にすることが可能となる。
また、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液に注入混合される酸の必要量は、制御装置40により算出された処理対象水の流量・水質等を計測する計装機器50の計測値を基に処理対象水を消毒又は酸化するのに必要な次亜塩素酸ナトリウムの単位時間あたりの所定注入量、及びその次亜塩素酸ナトリウムに含有されているアルカリ成分を基に、制御装置40により算出された算出必要量であり、希釈水中のアルカリ成分に比較して次亜塩素酸ナトリウム中のアルカリ成分が占める割合のほうが遥かに大きいので、軟水・硬水と異なる希釈水の水質に合わせて酸の注入量を変更することが不要となり、水処理施設特有の現場ごとに異なる水質に合わせて酸の注入量を変更する煩雑な調整を不要とすることが可能となる。また、希釈倍率を考慮しないので、次亜塩素酸ナトリウムの所定注入量に対応して希釈水量をその都度変更することを不要とすることが可能となる。
また、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液に混合される酸の注入量は、制御装置40により算出された処理対象水の流量・水質等を計測する計装機器50の計測値を基に処理対象水を消毒又は酸化するのに必要な次亜塩素酸ナトリウムの単位時間あたりの所定注入量、及びその次亜塩素酸ナトリウムに含有されているアルカリ成分を基に、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液中にスケール生成が抑制される所定のpH値若しくはランゲリア指数に調整するために必要とされる酸の単位時間当たりの算出必要量として制御装置40により算出されるので、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の希釈倍率を下げてもスケール生成を抑制でき、希釈水供給設備を小型とすることが可能となり、次亜塩素酸ナトリウム希釈搬送設備の設備建設費や維持管理費を低減することが可能となる。
pH値およびランゲリア指数を調整するために注入する酸は、硫酸、塩酸、炭酸から選択することができるので、コストや水質、用途によって使用する酸を任意に選定することが可能となる。
実施例2:
図3は、本発明2に係る次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法を示す概略説明図である。実施例1と同じ番号は同一の構成を示している。以下、実施例1と異なる点を主に説明する。
図中、10は原液である次亜塩素酸ナトリウムを貯蔵する次亜塩素酸ナトリウム貯蔵槽である。原液の次亜塩素酸ナトリウムは、水圧により次亜塩素酸ナトリウム貯蔵槽10から流出し、次亜塩素酸ナトリウム搬送管11に設置されている注入制御装置13で流量が調節されて後述するインゼクタ23に流入する。
インゼクタ23は、事前に設定されている単位時間当たりの設定量で均等に常時流入する酸の混合された浄水等の希釈水と、上述した次亜塩素酸ナトリウム貯蔵槽10から流入する次亜塩素酸ナトリウムを減圧混合して次亜塩素酸ナトリウムを希釈し、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を生成する。
一例を以下に説明する。制御装置40は、計装機器50にて計測された処理対象水の計測値を受信する。制御装置40は、受信した計測値を基に処理対象水を消毒又は酸化するのに必要な次亜塩素酸ナトリウムの単位時間あたりの所定注入量を算出すると共に、算出された単位時間当たりの次亜塩素酸ナトリウムの所定注入量と、その次亜塩素酸ナトリウムに含有されている既知のアルカリ成分とを基に、単位時間当たりの設定量の希釈水で希釈したとき、次亜塩素酸ナトリウム希釈溶液中にスケール生成が抑制されるレベルである次亜塩素酸ナトリウム希釈溶液のpH値がpH9.6以下となるように、若しくはランゲリア指数が指数2.2以下となるように、単位時間当たり注入する酸の算出必要量を算出する。制御装置40により算出された単位時間当たり算出必要量の酸が、事前に設定されている単位時間当たりの設定量で均等量流通している希釈水に注入混合され、次いで、インゼクタ23に流入した酸が混合された事前に設定されている単位時間当たりの設定量の希釈水と、制御装置40により算出された単位時間あたりの所定注入量の次亜塩素酸ナトリウムとが減圧混合されて次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が生成され、生成された次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液は処理対象水に注入される。
次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入された後、消毒又は酸化の効果目標値に対する調整が必要とされる場合の処理対象水については、計装機器50により流量・水質等が計測され、その計測値が制御装置40に送付される。一方、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入される前の処理対象水について、計装機器50にて計測された流量・水質等の計測値は、制御装置40に送付されている。制御装置40は、次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入された後の処理対象水の計測値、及び次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入される前の処理対象水の計測値を基に、次亜塩素酸ナトリウムの所定注入量と酸の算出必要量を算出する。従って、この場合には順次繰り返し行われることになる。
尚、上述の実施形態の説明において、希釈水に酸を注入混合した後、原液の次亜塩素酸ナトリウムを注入混合したが、逆に原液の次亜塩素酸ナトリウムを希釈水に注入混合後、酸を注入混合してもよいことは言うまでもない。
10 次亜塩素酸ナトリウム貯蔵槽
11 次亜塩素酸ナトリウム搬送管
12 注入ポンプ
13 注入制御装置
20 希釈水搬送管
21,22 注入点
23 インゼクタ
30 酸貯蔵槽
31 酸搬送管
32 酸注入ポンプ
40 制御装置
50 計装機器


Claims (3)

  1. 次亜塩素酸ナトリウムと酸と希釈水とを含む次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を生成し注入する次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法において、
    計装機器は、前記次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液が注入される前又は注入された後の処理対象水を消毒又は酸化するのに必要な単位時間あたりの前記次亜塩素酸ナトリウムの所定注入量を制御装置が算出できる前記処理対象水の流量・水質についての計測項目を計測し、
    前記制御装置は、前記処理対象水を計測した前記計装機器からの前記計測項目の計測値を受信し、前記計測値を基に前記処理対象水に注入する前記次亜塩素酸ナトリウムの単位時間当たりの所定注入量を算出し、算出された前記次亜塩素酸ナトリウムの前記所定注入量及び前記次亜塩素酸ナトリウムに含有されているアルカリ成分を基に、前記次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液中にスケール生成が抑制されるレベルである定のランゲリア指数に調整するために必要とされる前記酸の単位時間当たりの算出必要量を算出し、
    前記算出必要量の前記酸を事前に設定されている単位時間当たりの設定量の前記希釈水に注入混合し、前記酸が注入混合された前記希釈水に前記所定注入量の前記次亜塩素酸ナトリウムを注入混合して前記次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を生成し、
    生成された前記次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液を前記処理対象水に注入することを特徴とする次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法。
  2. 前記所定のランゲリア指数は、ランゲリア指数が指数2.2以下であることを特徴とする請求項1に記載の次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法。
  3. 前記酸は、硫酸、塩酸、炭酸の内のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の次亜塩素酸ナトリウム希釈水溶液の生成注入方法。
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