JPWO2013054471A1 - 焼結原料の造粒方法 - Google Patents

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Abstract

この焼結原料の造粒方法は、回転駆動する鉛直中心軸にスクリュー翼を備えた円筒容器からなる粉砕部と、重力および遠心力の作用により分級する分級部と、分級部で分級したアンダーフローを粉砕部の円筒容器に循環させる循環部と、を有する竪型粉砕機を用いて鉄鉱石を湿式粉砕し、この湿式粉砕してなる鉄鉱石スラリーを焼結原料の全部または一部に添加して造粒することを含む。この方法で造粒された焼結原料を用いることにより、ペレットフィードといった特定銘柄の高品位な微粉鉄鉱石を多量に配合し、焼結原料の微粉比率が増加する場合であっても、充填層の通気性を確保でき、焼結鉱の生産性を安価に維持することができる。

Description

本発明は、高炉で使用される焼結鉱を製造する際の焼結原料の造粒方法に関し、特に、焼結原料として難造粒性の微粉鉄鉱石の配合比率を増加させる場合でも、焼結鉱の生産性を安価に維持することができる焼結原料の造粒方法に関する。
一般に、高炉で鉄源として使用される焼結鉱は、次のようにして製造される。種々の銘柄の鉄鉱石と、石灰石などの副原料と、粉コークスなどの炭材と、返鉱(焼結された原料である焼結ケーキを破砕し、篩にかけて、篩下として得られる粒子)を予め定められた比率で配合して焼結原料とし、この焼結原料に水分を添加し、混合、調湿および造粒処理を施す。これにより、焼結原料は、3〜5mm程度の比較的大きな粒子を核とし、この核粒子の周囲を、核粒子よりも細かくて「付着粉」と呼ばれる1mm以下の粒子が取り巻いた、擬似的な粒子(以下、「擬似粒子」とも言う)に造粒される。
造粒された焼結原料は、焼結機のパレット上に装入され、パレット上で焼結原料充填層(以下、単に「充填層」とも言う)を形成する。充填層は、焼結機の点火炉でその上部表面に着火され、これにより、充填層内に存在する炭材の燃焼が開始し、炭材の燃焼部分は燃焼帯を形成する。燃焼帯は、充填層が下方から吸引されているため、充填層の上部から下部に向かって次第に移行する。燃焼帯では、燃焼熱によって周囲の擬似粒子が昇温されて部分的に溶融し、その融液により擬似粒子間が架橋されて焼結する。これにより、充填層は最終的に焼結ケーキとなる。焼結ケーキは、焼結機から排鉱され、クラッシャーにより破砕され、篩で整粒され、篩上が焼結鉱となり、篩下は返鉱として焼結原料に戻される。
ところで、焼結鉱の鉄品位は高炉の操業成績に深く係わり、さらに、環境保全の観点から高炉で排出されるCO2量の削減が強く求められる状況からして、高品位な焼結鉱を製造することは重要である。しかし、近年、焼結原料としての高品位な粉鉄鉱石は枯渇してきている。このような状況から、焼結鉱の鉄品位を維持するためには、高品位な粉鉄鉱石の代わりに高品位な微粉鉄鉱石を多量に使用するのが今後の焼結鉱の製造形態であると予想される。
ここでいう高品位な微粉鉄鉱石とは、JIS(Japanese Industrial Standards) M 8716に規定される鉄鉱石の粒度分布測定法に基づき、篩目が250μmの篩で篩ったときの篩下(粒子径が250μm以下)の比率が80質量%以上であって、T.Fe(全鉄)が60質量%以上である鉄鉱石のことを指す。具体的な例としては選鉱処理により鉄品位を向上させたペレットフィード鉄鉱石が挙げられる。このような高品位な微粉鉄鉱石は、以下では、単に、「ペレットフィード」ともいう。
しかし、焼結鉱の製造において、ペレットフィードの使用量を単純に多くすると、焼結原料の微粉比率が増加し、擬似粒子を焼結機のパレットに装入する際に充填層に形成される空隙が、造粒されることなくそのまま残存した微粉で閉塞されるので、充填層の通気性が阻害される。その結果、燃焼帯が上部から下部に向かって移行する速度である焼成速度が低下し、焼結鉱の生産性が悪化する。
従来、焼結原料における微粉比率の増加に伴う生産性の悪化に対しては、例えば下記の非特許文献1に記述されるように、生石灰の添加で対応している。しかし、同文献に記述される通り、生石灰による付着粉の着粉率向上効果は、生石灰の配合率が2質量%までは顕著であるが、それを超えて配合しても殆ど変化しない。また、生石灰は、工業的に石灰石を900℃以上に加熱することで生産されるため、製造に高エネルギーを必要とし、コストが高い。そのため、生石灰の使用量はできる限り抑制するのが望ましい。
そこで、焼結原料における微粉比率の増加に対応し、生石灰によらない、または生石灰の使用量を抑制する技術の開発が行われている。その具体的な技術は、例えば下記の特許文献1〜5に提案されている。
特許文献1には、造粒性の劣る鉄系原料として集塵ダスト、砂鉄、マラマンバ鉱石、およびペレットフィードのうちの少なくとも一種を全焼結原料中に30質量%以上配合し、その鉄系原料に界面活性剤を含有する水分を添加して、他の焼結原料と共に造粒する焼結鉱の製造方法が記載されている。この方法によれば、上記した造粒性の劣る鉄系原料粒子の濡れ性が改善され、その結果として、焼結鉱の造粒および生産性が改善されるとしている。
しかし、界面活性剤は上記の生石灰と同様に高価であり、ペレットフィードを多量に配合した場合、界面活性剤の使用量も必然的に多くなる。このため、特許文献1に記載された方法では、ペレットフィードの多量配合による微粉比率の増加への対応を安価に達成することは困難である。
特許文献2には、生石灰を湿式粉砕して製造した消石灰スラリーを、造粒機内の焼結原料に噴霧して添加する焼結原料の造粒方法が記載されている。この方法によれば、生石灰を乾式粉砕して添加するよりも焼結鉱の生産性が向上するとしている。
しかし、消石灰スラリーの原料は生石灰であるため、特許文献2に記載された方法でペレットフィードを多量に配合した場合、消石灰スラリー、ひいては生石灰の使用量も必然的に多くなり、コストの悪化は避けられない。
特許文献3には、焼結原料の一部を予め造粒する選択造粒工程において、ポリアクリル酸などの高分子化合物、および炭酸カルシウムなどの平均粒径が200μm以下の微粒子のうちの少なくとも一方を添加して、難造粒性のマラマンバ鉱石やペレットフィードなどを造粒し、その後に、残りの焼結原料と混合する焼結原料の造粒方法が記載されている。
しかし、高分子化合物や炭酸カルシウムは上記の生石灰と同様に高価であり、特許文献3に記載された方法でペレットフィードを多量に配合した場合、コストの悪化は避けられない。
特許文献4には、焼結原料粒子に、バインダーとして平均粒径が10μm以下の鉄鉱石超微粉を2〜15質量%の範囲内で添加混合し、その原料粒子を成形する方法が記載されている。この方法では、平均粒径が10μm以下の鉄鉱石超微粉として、単に鉄鉱石の山元において発生する選鉱残渣である尾鉱を用いるとしている。
しかし、尾鉱は山元で発生するものであるため、バインダーとして必要な量を如何に安定して供給できるか不明である。また、尾鉱の他に鉄鉱石超微粉を得る具体的な方法も不明である。これらのことから、特許文献4に記載された方法は実現性に乏しい。
特許文献5には、鉄鉱石を含む焼結原料をローラープレス破砕機で圧縮破砕した後、ポリアクリル酸系の分散剤を添加して造粒する焼結原料の造粒方法が記載されている。この方法では、焼結原料をローラープレス破砕機で処理することにより、バインダーである粒度45μm以下の超微粒子を大量に得ることができ、造粒時に擬似粒子化を効率良く行えるとともに、造粒物の強度が向上するとしている。
しかし、特許文献5に記載された方法では、ローラープレス破砕機で乾式粉砕した超微粒子を、ポリアクリル酸系の分散剤を添加することで水中に分散させており、分散剤の使用によるコスト悪化が避けられず、更なる改善の余地がある。
特開2004−183031号公報 特開昭62−56533号公報 特開2005−097686号公報 特開2009−144240号公報 特開2007−162127号公報
佐藤武夫、外4名、「浮選」、1985年、Vol.32、No.2、p.84−90
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ペレットフィードといった特定銘柄の高品位な微粉鉄鉱石を多量に配合し、焼結原料の微粉比率が増加する場合であっても、充填層の通気性を確保でき、焼結鉱の生産性を安価に維持することができる焼結原料の造粒方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の焼結原料の造粒方法は、鉄鉱石、炭材、副原料および返鉱を配合して焼結原料とし、当該焼結原料を混合、調湿および造粒処理するに際して、回転駆動する鉛直中心軸にスクリュー翼を備えた円筒容器からなる粉砕部と、重力および遠心力の作用により分級する分級部と、分級部で分級したアンダーフローを粉砕部の円筒容器に循環させる循環部と、を有する竪型粉砕機を用いて鉄鉱石を湿式粉砕し、この湿式粉砕してなる鉄鉱石スラリーを焼結原料の全部または一部に添加して造粒することを特徴とする。
この造粒方法において、前記焼結原料は、粒子径250μm以下の比率が80質量%以上であってT.Fe(全鉄)を60質量%以上含有する特定銘柄の微粉鉄鉱石を、少なくとも全焼結原料中に13.20質量%よりも高く20.00質量%以下で含有しており、この焼結原料の全部、またはこの焼結原料の一部であって当該微粉鉄鉱石を50質量%以上含む部分に、前記鉄鉱石スラリー中の鉄鉱石のうちで粒子径が10μm以下である極微粒子の量が、前記微粉鉄鉱石1.0質量%に対して0.01質量%以上となるように、前記鉄鉱石スラリーを添加して造粒することが好ましい。
ここでいう特定銘柄の微粉鉄鉱石は、例えば、高品位な南米産のペレットフィードが該当する。
本発明の焼結原料の造粒方法によれば、竪型粉砕機を用いて鉄鉱石を湿式粉砕し、これにより得られた10μm以下の鉄鉱石の極微粒子が懸濁しているスラリーを、造粒のバインダーとして焼結原料に添加することで、高品質の微粉鉄鉱石としてペレットフィードを多量に配合しても焼結生産性を維持することができる。
図1は、ペレットフィードおよび粉鉄鉱石の粒度分布をそれぞれ示す図である。 図2は、粉砕機で粉砕された鉄鉱石の走査電子顕微鏡(SEM)による観察写真である。 図3は、本発明の焼結原料の造粒方法で鉄鉱石スラリーを製造するために用いるタワーミルの全体構成を示す模式図である。 図4は、極微粒子の添加比率を変更して製造した粗大擬似粒子の圧壊強度試験結果を示す図である。 図5は、本発明の実施例における造粒系統の構成を示す図である。 図6は、鍋焼結試験による焼結鉱の生産率の評価結果を示す図である。
以下に、本発明の焼結原料の造粒方法について、本発明を完成するに至った経緯、および本発明の好ましい態様を説明する。
まず、本発明者らは、粒子径が10μm以下の鉄鉱石の極微粒子(以下、単に「極微粒子」とも言う)が、造粒におけるバインダーとなるという知見に着目した。極微粒子が造粒においてバインダーとして働く詳細なメカニズムは、以下の通りである。
焼結原料の造粒では、3〜5mm程度の比較的大きな粒子を核とし、この核粒子の周囲を、核粒子よりも細かくて付着粉と呼ばれる1mm以下の粒子が取り巻いて、擬似粒子を形成する。核粒子と付着粉とを結合するバインダーの役目を担うのは、添加された水分(以下、「添加水分」とも言う)であり、この添加水分は混合・攪拌・造粒の過程で核粒子と付着粉との間に入り込んで両者を結合する。
一方、焼結原料に含まれる粒子径が10μm以下の極微粒子は、添加水分中に懸濁した場合に水と共に自由に移動することができるので、添加水分と一緒に核粒子と付着粉との間に入り込む。こうして、極微粒子が核粒子と付着粉との間を埋めて架橋を形成するので、擬似粒子の強度が増加するのである。
このメカニズムによる強度上昇は、核粒子と付着粉とからなる擬似粒子だけでなく、核粒子を含まずに全量が1mm以下の粒子からなる擬似粒子(以下、「P型擬似粒子」と言う)においても発現すると推察される。ただし、このようなP型擬似粒子の製造では、バインダーである極微粒子も大量に必要となること、P型擬似粒子が通常の擬似粒子と比べて焼結機のパレット上に装入した際の衝撃で崩壊しやすいことなどを鑑みると、核粒子と付着粉とからなる擬似粒子の造粒に極微粒子を添加するのがより望ましい。
ここで、本発明者らは、ペレットフィードの性状を調査したところ、ペレットフィードは、粒子径が250μm以下の粒子を80質量%以上含む微粉原料である一方、10μm以下の極微粒子をほとんど含んでいないことを突き止めた。ペレットフィードは、山元で選鉱処理、具体的には粉砕、磨鉱、水洗、浮選などの処理を行って鉄品位を向上させており、その過程で極微粒子が取り除かれているためである。
従って、ペレットフィードの配合によって造粒性が悪化し得る。具体的には、擬似粒子を焼結機のパレット上に装入する際に充填層に形成される空隙が、造粒されることなくそのまま残存した微粉で閉塞され、充填層の通気性が阻害される。その原因は、ペレットフィードにはバインダーとなる極微粒子が不足するところが大きいことによる。
図1は、ペレットフィード(PF.A)および粉鉄鉱石3銘柄(SF.A、SF.B、SF.C)の粒度分布をそれぞれ示す図である。粒度分布は、粒子径が250μmを超える粒子については、JIS M 8716に規定される鉄鉱石の湿式篩い分け法で測定し、粒子径が250μm以下の粒子については、湿式篩い分け法による測定で発生した250μm以下の粒子を含有する分別水を回収し、この分別水をJIS R 1629で規定されるレーザー回折・散乱法で測定した。
図1に示すように、PF.Aは、10μmより大きく250μm以下の粒子を88.2%含んでいるが、10μm以下の極微粒子は0.1%とほとんど含んでいない。一方、粉鉄鉱石はいずれも、10μmより大きく250μm以下の粒子の含有率は10〜20%程度でPF.Aと比べて少ないにもかかわらず10μm以下の極微粒子を10〜15%程度含んでいる。
また下記表1にPF.Aの成分を示す。T.Feを60%以上含んでおり、高品位である。
Figure 2013054471
以上のことから、高品位の微粉鉄鉱石であるペレットフィードを多量に配合する場合であっても、10μm以下の極微粒子を添加してバインダーとすることで、充填層の通気性を確保でき、焼結鉱の生産性を維持できるとの考えに至った。
また、上述した極微粒子のバインダー効果の発現メカニズムを鑑みるに、極微粒子は、添加水分と良く混ざり合っていることが重要であると言える。
前述したように、特許文献3では炭酸カルシウムなどを、特許文献4では尾鉱を、特許文献5ではローラープレスを用いて粉砕した鉄鉱石を、それぞれ極微粒子を含有するバインダーとして用いている。しかし、これらの方法による場合に、極微粒子をバインダーとして十分な効果を発揮させるには、例えば高分子の分散剤を添加するなどして、極微粒子を水中に良く分散させて懸濁させる工程が不可欠になると推察される。
そこで、本発明者らは、極微粒子の添加形態として、鉄鉱石の極微粒子を水中に懸濁させたスラリー(以下、「鉄鉱石スラリー」とも言う)を予め製造し、この鉄鉱石スラリーを焼結原料に添加する形態が安価にバインダー効果を得られる最良のものであると判断した。
鉄鉱石スラリーの製造方法は、湿式粉砕が良い。これにより、鉄鉱石の粉砕と、粉砕した鉄鉱石の極微粒子の水中への懸濁を同時に行うことができ、分散剤を添加せずとも極微粒子と水とが良く混ざり合った状態となる。乾式粉砕の場合は、粉砕により得られた極微粒子をさらに水中に懸濁させるために混錬・捏和工程が別途必要となる。
以上より、粉鉄鉱石を湿式粉砕により粉砕し、粉砕により得られた10μm以下の鉄鉱石の極微粒子が懸濁しているスラリーを焼結原料に添加することにより、ペレットフィードを多量に配合し、焼結原料の微粉比率が増加する場合であっても、充填層の通気性を確保でき、焼結鉱の生産性を安価に維持することができることを見出した。
1.粉砕機で粉砕されてなる鉄鉱石粒子の性状
図2は、粉砕機で粉砕された鉄鉱石の走査電子顕微鏡(SEM)による観察写真である。同図(a)および(b)は、前記特許文献5に記載されているボールミルによって粉砕した場合を、同図(c)および(d)は、同文献に記載されているローラープレスによって粉砕した場合を、それぞれ比較例として示している。同図(e)および(f)は、本発明例として、後述するタワーミルによって粉砕した場合を示している。それぞれの倍率は、図2(a)、(c)および(e)が500倍であり、図2(b)、(d)および(f)が3000倍である。
図3は、本発明の焼結原料の造粒方法で鉄鉱石スラリーを製造するために用いるタワーミルの全体構成を示す模式図である。同図に示すように、タワーミル1は、竪型の湿式粉砕機であり、大きくは、粉砕部と、分級部と、循環部とから構成される。粉砕部は、回転駆動する鉛直中心軸2に二重螺旋状のスクリュー翼3を備えた円筒容器4からなり、円筒容器4内には、粉砕媒体として鉄球が装入される。分級部は、円筒容器4の上部側面に接続された水簸槽5、および水簸槽5に接続されたサイクロン分級装置6からなる。循環部は、水簸槽5の下部から循環ポンプ7を経て円筒容器4の下部へ繋がる配管8、およびサイクロン分級装置6の下部から水簸槽5の上部に繋がる配管9からなる。
粉砕対象である鉄鉱石は、水と共に円筒容器4の上部から投入される。投入された鉄鉱石は円筒容器4の下部に落下し、円筒容器4内の鉄球と共に、鉛直中心軸2の回転駆動に伴うスクリュー翼3の回転によって円周方向に回転する運動、スクリュー翼3によって持ち上げられて上方に巻き上げられる運動、および自重によって下方に落下する運動を繰り返す。これらの複合的な運動により、鉄鉱石同士あるいは鉄鉱石と鉄球との間に剪断力や圧縮力が作用し、鉄鉱石が粉砕(破砕)される。
円筒容器4内において、鉄鉱石は、粉砕が進行して粒度が次第に小さくなり、自重によって水中を落下する速度よりもスクリュー翼3の回転によって上方に巻き上げられる速度が大きくなると、円筒容器4内に満たされている水に懸濁してスラリー状になり、円筒容器4の上部側面の水簸槽5に流れ込む。
水簸槽5に流れ込んだ鉄鉱石スラリーは、重力の作用によって粗分級される。このとき、分級された粗粒の鉄鉱石スラリーは、アンダーフロー(図3中の「U/F」参照)として水簸槽5の下部から配管8へ流れ込み、循環ポンプ7を経て円筒容器4の下部に戻されて再度粉砕される。一方、細粒の鉄鉱石スラリーは、オーバーフロー(図3中の「O/F」参照)としてサイクロン分級装置6へ流れ込む。
サイクロン分級装置6に流れ込んだ鉄鉱石スラリーは、遠心力の作用によってさらに細かく分級される。このとき、分級された粗粒の鉄鉱石スラリーは、アンダーフロー(図3中の「U/F」参照)として配管9を通じて水簸槽5の上部へ戻され、一方、細粒の鉄鉱石スラリーは、オーバーフロー(図3中の「O/F」参照)としてタワーミル1の系外に排出される。そして、系外に排出された鉄鉱石スラリーの分、新たに鉄鉱石と水が円筒容器4に投入される。また、粉砕媒体である鉄球は徐々に摩耗するため、適宜、鉄鉱石と共に円筒容器4に投入されて補充される。
以上のプロセスにより、タワーミル1は、造粒におけるバインダーとなる鉄鉱石の極微粒子を、水中に懸濁したスラリーとして連続的に供給することが可能である。ここで、水簸槽5とサイクロン分級装置6との間などの各装置間や、サイクロン分級装置6からのオーバーフローの出口には、投入量と排出量とのバランスをとるために、鉄鉱石スラリーを一時的に貯めておくスラリータンクを設置してもよい。
前記図2(a)、(c)、(e)に示す観察写真を比較すると、タワーミルによって粉砕された鉄鉱石は、ボールミルおよびローラープレスによって粉砕された鉄鉱石と比べ、粒子径が顕著に小さいことが分かる。上述したように、タワーミルを用いた場合、鉄鉱石は、円周方向だけでなく垂直方向にも攪拌され粉砕される。そのため、例えばタワーミル以外の代表的な湿式粉砕機であるボールミルのように、容器の回転運動に伴う円周方向の攪拌のみで粉砕される場合と比較し、粒子同士の剪断力や圧縮力が強く作用する。その結果、タワーミルによって粉砕された鉄鉱石は、他の粉砕機による場合と比較して粒子径が顕著に小さくなると推察される。
また、核粒子と付着粉との間に入り込み架橋となるという極微粒子のバインダー効果の発現メカニズムを鑑みるに、極微粒子の形状は凹凸が多い方が核粒子と付着粉との間に入り込んだ際のバインダー効果が高いと推察される。この点、前記図2(b)、(d)、(f)に示す観察写真を比較すると、タワーミルによって粉砕された鉄鉱石の表面は、ボールミルによって粉砕された鉄鉱石と比較して凹凸の多い形状をしている。
以上より、タワーミルによって粉砕された鉄鉱石スラリーは、造粒における良好なバインダーとなる性状を有していることが観察された。
2.造粒物の強度
下記表2に示す通りの割合で、高品位の微粉鉄鉱石としてペレットフィード(PF.A)を配合した焼結原料を4つ準備し、それぞれに対して比率の異なる極微粒子を添加して、直径約10mm以上の粗大擬似粒子(以下、「グリーンボール」とも言う)を製造し、105℃で2時間以上乾燥した後に、各グリーンボールの圧壊応力を測定する圧壊強度試験を行った。その際、極微粒子は、ピソライト鉱石であるSF.Aを10μm以下の極微粒子を60質量%含有する状態となるまで粉砕し、添加した。
Figure 2013054471
図4は、極微粒子の添加比率を変更して製造した粗大擬似粒子の圧壊強度試験結果を示す図である。同図に示すように、焼結原料中の高品位の微粉鉄鉱石であるペレットフィード(PF.A)45.60質量%に対し、極微粒子を0.60質量%以上添加した場合、すなわち、同ペレットフィード1.0質量%に対し、極微粒子を約0.013質量%以上添加した場合、極微粒子を添加しないものと比較して、造粒物の強度上昇が確認された。これは、極微粒子の添加に伴ってバインダー効果が発現したものと推察される。
3.鍋試験による焼結鉱生産率の評価
下記表3に示す通りに、各種銘柄の鉄鉱石、副原料、返鉱、炭材などを所定の割合で配合し、配合した焼結原料を造粒設備内に装入するとともに、造粒水、および、本発明例では鉄鉱石スラリー(極微粒子スラリー)を添加して造粒し、擬似粒子を製造した。表3において、鉄鉱石スラリーは、表2と表記を合わせるために、炭材は、焼結の実機操業における慣用的な表記法に倣い、それぞれ配合率を外数で表記した。造粒には、図5に示すような、2機のドラムミキサーからなる造粒系統A、および高速撹拌ミキサーとパンペレタイザーとからなる造粒系統Bを用いた。従来例1および2、ならびに比較例1では、造粒系統Aのみを用いて造粒した後、焼成した。一方、比較例2および3、ならびに本発明例では、表3に示す所定の焼結原料を、造粒系統AおよびBのそれぞれに装入し、造粒水、および、本発明例では鉄鉱石スラリーを、添加して造粒した後に、各造粒系統AおよびBで造粒した焼結原料を、合流して、焼成した。
Figure 2013054471
鉄鉱石スラリーは、ピソライト鉱石の銘柄の1つであるSF.Aをタワーミルによって湿式粉砕して得た。また、本発明例では、鉄鉱石スラリー全重量における鉄鉱石と水との重量比が約50:50であり、さらにその鉄鉱石中に占める10μm以下の極微粒子の比率が50質量%のものを試験に供した。
ここで、前記図3に示す竪型の湿式粉砕機(タワーミル)においては、供給する鉄鉱石の量を増加させたり鉄鉱石と共に供給する水の量を低下させたりすることで、スラリー中の鉄鉱石粒子の濃度を上昇させることが可能である。しかし、鉄鉱石粒子の濃度上昇は、破砕工程中における鉄鉱石粒子の水中での移動を阻害することにつながるので、粉砕効率の低下をもたらす。従って、効率的な粉砕を行うためには、スラリー中の粒子濃度は、25体積%以下、より好適には20体積%以下に調節する必要がある。
一方、供給する鉄鉱石の量を低下させたり鉄鉱石と共に供給する水の量を増加させたりすることで、スラリー中の鉄鉱石粒子の濃度を低下させることも可能である。しかし、鉄鉱石粒子の濃度低下も、破砕中に鉄鉱石同士あるいは鉄鉱石と粉砕媒体(鉄球)との衝突回数の低下を引き起こし、粉砕効率の低下をもたらす。従って、効率的な粉砕を行うためには、スラリー中の粒子濃度は、15体積%以上に調節する必要がある。ただし、造粒時に添加することができる水分には上限があり、限界以上の水分を添加して造粒すると原料の表面全体に水分が存在するようになって擬似粒子の強度が保てなくなる。この点を鑑みると、スラリー中の鉄鉱石粒子の濃度はできるだけ高いほうが望ましい。
以上のことから、鉄鉱石スラリー中の鉄鉱石粒子の好適な濃度は、15体積%以上、25体積%以下であることが好ましい。ここで、鉄鉱石の密度は、比較的多孔質なピソライト鉱石やマラマンバ鉱石で約4g/cm3であり、比較的緻密なヘマタイト鉱石で約5g/cm3であることから、上記体積%を質量%で表すと、約41質量%以上、約63質量%以下が好適な濃度範囲であると換言できる。
上述した本発明例における鉄鉱石スラリーは、密度が約4g/cm3のSF.Aを用いたため、そのスラリー中の鉄鉱石粒子の濃度が20体積%となるように粉砕したときに、鉄鉱石と水との重量比が約50:50であった。また、鉄鉱石スラリー中の鉄鉱石粒子に占める10μm以下の極微粒子の比率は、上述したように造粒時に添加することができる水分に上限があるため、できる限り高い方が望ましい。しかし、スラリー中の鉄鉱石粒子における極微粒子の割合を上昇させると、所定粒度に到達するまで粉砕機から排出されずに循環する量が増加するので、粉砕効率や粉砕処理量が低下する。
このため、本発明例では、それらのバランスを鑑みて、鉄鉱石粒子に占める10μm以下の極微粒子の比率が50質量%の鉄鉱石スラリーを用いた。しかし、粉砕機の能力が十分高ければ、粉砕処理量を維持しつつ極微粒子の比率を上昇することが比較的容易に可能と思われる。逆に、粉砕機の能力が低く極微粒子の比率が低い鉄鉱石スラリーしか供給できなくても、ペレットフィードの配合量に応じた所定の極微粒子量を添加することが可能なら問題ないと言える。
上述の通りに製造した、従来例1〜2、比較例1〜3および本発明例の擬似粒子を、内径が300mmの焼結試験鍋に、原料層厚が500mmで重量が約60kgの規模となるように装入し、鍋焼結試験を行った。その際、鍋下圧力を20kPaとして吸引しながらLPGバーナーにより1分間着火した後、鍋下圧力を9.8kPaで一定として焼成を行い、排ガス温度が最高温度に到達してから3分後に吸引を停止し、これにより焼結ケーキを形成して焼成を完了した。焼結試験終了後、下記の手法により、焼結鉱生産率を求め、これを評価した。
焼結ケーキを直ちに焼結試験鍋から取り出し、焼結ケーキの温度が室温に低下するまで放冷した。冷却完了後に、製造された焼結ケーキを2mの高さから4回落下させた後に、篩目が5mmの篩により篩ってその篩上の質量を測定し、焼結鉱生産率を求めた。ここで、焼結鉱生産率とは、5mmの篩で篩った後の篩上の質量を、焼結機の有効面積および焼結時間で除した値を意味し、下記式(1)により算出される。このとき、鍋焼結試験の場合には、焼結機の有効面積として焼結試験鍋の横断面積を使用した。
焼結鉱生産率(ton/m2/day)=[粒径が5mm以上の焼結鉱の質量(ton)/{焼結機の有効面積(m2)×焼結時間(分)}]×60×24 ・・・(1)
[従来例1]
従来例1では、高品位の微粉鉄鉱石(ペレットフィード(PF.A))を0質量%配合し、すなわちペレットフィードを配合することなく、全焼結原料を造粒系統Aで造粒した。その後に焼結機に装入し焼成した。この場合の焼結鉱生産率を基準値(100)とし、以下では、この基準値に対する焼結鉱生産率の比(以下、「相対生産率」という)で比較し、それぞれの場合の焼結鉱生産率を評価した。
図6は、鍋焼結試験による焼結鉱の生産率の評価結果を示す図である。同図では、上記の通りに、従来例1の場合の焼結鉱生産率を基準値(100)とし、この基準値に対し、従来例2、比較例1〜3および本発明例それぞれの場合の焼結鉱生産効率を相対値で示している。
[従来例2]
従来例2では、高品位の微粉鉄鉱石(ペレットフィード(PF.A))の配合率を5.00、10.00、20.00質量%の3条件とし、全焼結原料を造粒系統Aで造粒した。その後に焼結機に装入し焼成した。従来例2の場合、ペレットフィードの配合率の上昇に伴い、相対生産率は低下した。図6に示すように、特に、ペレットフィードを20.00質量%配合した場合、相対生産率は70を下回っており、ペレットフィードの多量配合によって大幅に生産率が悪化していることが確認できた。
[比較例1]
比較例1では、高品位の微粉鉄鉱石(ペレットフィード(PF.A))の配合率を5.00、10.00、20.00質量%の3条件とし、全焼結原料を造粒系統Aで造粒する際に、バインダーとして生石灰を3.00質量%添加した。その後に焼結機に装入し焼成した。図6に示すように、比較例1の場合、生石灰の添加によって相対生産率は全体的に上昇したが、ペレットフィードを20.00質量%配合した場合は、生石灰を3.00質量%と非常に多量に添加したにもかかわらず、相対生産率は100に届かなかった。
[比較例2]
比較例2では、高品位の微粉鉄鉱石(ペレットフィード(PF.A))を合計で13.20質量%配合して造粒した。すなわち、造粒系統Bでペレットフィードを9.35質量%含む全焼結原料の20.00質量%を造粒し、造粒系統Aでペレットフィードを3.85質量%含む全焼結原料の残り80.00質量%を造粒した。その際、生石灰を合計で1.80質量%添加した。その後に造粒系統Aおよび造粒系統Bの両者を混合して焼結機に装入し焼成した。図6に示すように、比較例2の結果から、ペレットフィードを13.20質量%配合するまでは、相対生産率を従来例1と同等に維持することが確認できた。
[比較例3]
比較例3では、高品位の微粉鉄鉱石(ペレットフィード(PF.A))を合計で20.00質量%配合して造粒した。すなわち、造粒系統Bでペレットフィードを9.35質量%含む全焼結原料の20.00質量%を造粒し、造粒系統Aでペレットフィードを10.65質量%含む全焼結原料の残り80.00質量%を造粒した。その際、生石灰を合計で1.80質量%添加した。その後に造粒系統Aおよび造粒系統Bの両者を混合して焼結機に装入し焼成した。図6に示すように、比較例3の結果から、ペレットフィードを20.00質量%まで配合した場合は、造粒系統Bを併用し、かつ生石灰を合計で1.80質量%添加しても、相対生産率は約84%までしか届かないことが確認できた。
[本発明例]
本発明例では、高品位の微粉鉄鉱石(ペレットフィード(PF.A))を合計で20.00%配合して造粒した。すなわち、造粒系統Bでペレットフィードを14.00質量%(造粒系統Bの焼結原料中の70質量%)含む全焼結原料の20.00質量%を造粒し、造粒系統Aでペレットフィードを6.00質量%含む全焼結原料の残り80.00質量%を造粒した。その際、生石灰を合計で1.80質量%添加した。さらに、造粒系統Bで鉄鉱石スラリーを添加した。すなわち、この例では、焼結原料の一部であって微粉鉄鉱石を50質量%以上含む部分に、鉄鉱石スラリーを添加した。このとき、鉄鉱石スラリーは、当該鉄鉱石スラリー中の水分を除く鉄鉱石の重量が、全焼結原料に対し0.40質量%となるように添加した。上述の通り、鉄鉱石スラリーにおける鉄鉱石中の極微粒子の比率は50質量%であるため、配合した焼結原料中のペレットフィード1.0質量%あたり、10μm以下の極微粒子は0.01質量%添加したことになる。図6に示すように、本発明例の場合、鉄鉱石スラリーの添加により、ペレットフィードを20.00質量%配合しても、相対生産率を従来例1と同等に維持することができた。
すなわち、本発明例の場合においては、比較例1〜3の場合では相対生産率が低下した、ペレットフィードの配合率が13.20質量%より高い範囲においても、ペレットフィード1.0質量%に対し鉄鉱石スラリー中の極微粒子が0.01質量%以上となるように、鉄鉱石スラリーを添加することによって、ペレットフィードを20.00質量%まで配合しても焼結鉱の生産率を維持できることがわかった。
また、実際の焼結操業においては、返鉱を炭材と同様に外数で表した、いわゆる新原料の量を100質量%として表した新原料ベースの配合率が良く用いられる。新原料ベースの配合率で考えた場合、本発明例によってペレットフィードを25質量%まで配合しても生産率が維持されると言える。
以上の知見から、本発明の焼結原料の造粒方法は、上述の通り、回転駆動する鉛直中心軸にスクリュー翼を備えた円筒容器からなる粉砕部と、重力および遠心力の作用により分級する分級部と、分級部で分級したアンダーフローを粉砕部の円筒容器に循環させる循環部と、を有する竪型粉砕機を用いて鉄鉱石を湿式粉砕し、この湿式粉砕してなる鉄鉱石スラリーを焼結原料の全部または一部に添加して造粒することを特徴とする。
この場合、前記焼結原料は、粒子径250μm以下の比率が80質量%以上であってT.Fe(全鉄)を60質量%以上含有する特定銘柄の微粉鉄鉱石(例:ペレットフィード)を、少なくとも全焼結原料中に13.20質量%よりも高く20.00質量%以下で含有しており、この焼結原料の全部または一部に、前記鉄鉱石スラリー中の鉄鉱石のうちで粒子径が10μm以下である極微粒子の量が、前記微粉鉄鉱石1.0質量%に対して0.01質量%以上となるように、前記鉄鉱石スラリーを添加して造粒することが好ましい。
以下に、本発明の造粒方法を採用した焼結鉱の製造の概要を示す。例えば、焼結原料は、高品質の微粉鉄鉱石として多量のペレットフィードを含む鉄鉱石、副原料、返鉱、炭材などの原料から構成され、造粒系統A、造粒系統B、および破砕系統の三系統に分割される。造粒系統Aの原料は、ドラムミキサーからなる造粒機により造粒されて擬似粒子とされる。造粒系統Bの原料は、高速攪拌ミキサーにより混合調湿された後、パンペレタイザーにより造粒されて粗大擬似粒子とされる。
ここで、破砕系統の原料は、予め、竪型粉砕機であるタワーミルを用いた湿式粉砕によって水と共に粉砕混合され、鉄鉱石スラリーとされる。破砕系統で製造された鉄鉱石スラリーは、造粒系統Bの造粒にあたり、造粒系統Bの原料と共に高速撹拌ミキサーに添加され、造粒系統Bの原料が造粒される際のバインダーとなる。各々の造粒系統の造粒によって製造された擬似粒子は、サージホッパーに装入される過程で混合され、さらに、ロールフィーダにより切り出される過程、および焼結機のパレット上に落下堆積して焼結原料充填層を形成する過程で混合される。
このようにして形成された焼結原料充填層は、点火炉でその上部表面に着火され、給鉱部から排鉱部へと移動する間に下方からの空気吸引により、充填層の上部から下部まで順次焼成される。焼成後の焼結ケーキは、焼結機の排鉱部から排鉱され、クラッシャーにより破砕され、クーラーにより冷却された後、篩により整粒されて高炉に搬送される。
本発明では、焼結原料に添加する鉄鉱石スラリーを製造する手法として湿式粉砕を採用しているが、これは以下の理由による。上述の通り、極微粒子のバインダー効果の発現メカニズム上、極微粒子は、添加水分と良く混ざり合っていることが要求される。この点、湿式粉砕は、鉄鉱石を粉砕し、粉砕した極微粒子の水中への懸濁を分散剤等の使用なしに実現できることから、その要求を満たす優れた手法である。
また、湿式粉砕には、竪型粉砕機であるタワーミルを用いる。上述の通り、タワーミルは、円周方向と垂直方向の複合的な撹拌によって大きい粉砕力を作用させることが可能であり、バインダー性状に優れる凹凸の多い形状を持つ極微粒子を製造することができるからである。
本発明の焼結原料の造粒方法によれば、ペレットフィードといった特定銘柄の高品位な微粉鉄鉱石を多量に配合し、焼結原料の微粉比率が増加する場合であっても、充填層の通気性を確保でき、焼結鉱の生産性を安価に維持することができる。したがって、本発明は、高品位な粉鉄鉱石の枯渇にも対応できる技術として極めて有用である。
1:タワーミル(竪型粉砕機)、 2:鉛直中心軸、
3:スクリュー翼、 4:円筒容器、 5:水簸槽、
6:サイクロン分級装置、 7:循環ポンプ、 8:配管、
9:配管
上記の目的を達成するため、本発明の焼結原料の造粒方法は、鉄鉱石、炭材、副原料および返鉱からなる焼結原料であって粒子径250μm以下の比率が80質量%以上であってT.Fe(全鉄)を60質量%以上含有する特定銘柄の微粉鉄鉱石を全焼結原料中に13.20質量%よりも高く20.00質量%以下で含有する焼結原料を、二分して、当該二分された焼結原料を、それぞれ、互いに異なる造粒系統で混合、調湿および造粒処理し、造粒された各焼結原料を合流して焼成するに際して、使用する前記微粉鉄鉱石全量の50質量%以上を含む方の造粒系統の焼結原料に、鉄鉱石を湿式粉砕してなる鉄鉱石スラリーを添加して造粒し、前記鉄鉱石スラリーは、回転駆動する鉛直中心軸にスクリュー翼を備えた円筒容器からなる粉砕部と、重力および遠心力の作用により分級する分級部と、分級部で分級したアンダーフローを粉砕部の円筒容器に循環させる循環部と、を有する竪型粉砕機を用いて製造されることを特徴とする。
この造粒方法の前記鉄鉱石スラリーの添加において、前記鉄鉱石スラリー中の粒子径が10μm以下である極微粒子の量が、前記微粉鉄鉱石1.0質量%に対して0.01質量%以上となるように、前記鉄鉱石スラリーを添することが好ましい。

Claims (2)

  1. 鉄鉱石、炭材、副原料および返鉱を配合して焼結原料とし、当該焼結原料を混合、調湿および造粒処理するに際して、
    回転駆動する鉛直中心軸にスクリュー翼を備えた円筒容器からなる粉砕部と、重力および遠心力の作用により分級する分級部と、分級部で分級したアンダーフローを粉砕部の円筒容器に循環させる循環部と、を有する竪型粉砕機を用いて鉄鉱石を湿式粉砕し、この湿式粉砕してなる鉄鉱石スラリーを焼結原料の全部または一部に添加して造粒することを特徴とする焼結原料の造粒方法。
  2. 前記焼結原料は、粒子径250μm以下の比率が80質量%以上であってT.Fe(全鉄)を60質量%以上含有する特定銘柄の微粉鉄鉱石を、少なくとも全焼結原料中に13.20質量%よりも高く20.00質量%以下で含有しており、
    この焼結原料の全部、またはこの焼結原料の一部であって当該微粉鉄鉱石を50質量%以上含む部分に、前記鉄鉱石スラリー中の鉄鉱石のうちで粒子径が10μm以下である極微粒子の量が、前記微粉鉄鉱石1.0質量%に対して0.01質量%以上となるように、前記鉄鉱石スラリーを添加して造粒することを特徴とする請求項1に記載の焼結原料の造粒方法。
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