一般に、高炉製鉄法の主原料として用いられる焼結鉱は、以下のように製造される。
先ず、焼結原料の主原料となる約10mm以下の鉄鉱石粉、焼結返鉱、焼結篩下粉、製鉄ダスト(製鉄ダスト、製鋼ダスト、スケール等)などからなるその他鉄含有原料、石灰石、ドロマイト、転炉スラグ、蛇紋岩、珪石、かんらん岩などの副原料、コークス粉、無煙炭などの炭材を配合後、ドラムミキサー、ペレタイザー等の造粒機で適量水分となるように水分添加量を調節しながら混合、造粒を行い、焼結原料を擬似粒子化した後、焼結機に装入し焼成する。焼成後の焼結ケーキは、解砕、整粒して、所定粒径の焼結鉱となる。
なお、所定粒径より粒径の小さい焼結鉱や、高炉までの搬送中に崩壊して生じた焼結粉は、それぞれ、焼結返鉱、焼結篩下粉と呼ばれ、焼結原料に配合する鉄含有原料として使用される。
ここで、通常の焼結原料を造粒して得られる擬似粒子は、主に、粒径0.5mm以下の微粉粒子が粒径1〜3mmの核粒子に付着した構造となっており、焼結原料をこのような擬似粒子とすることにより、焼結機内の焼結原料充填層(焼結ベッド)中の微粉粒子による通気性の悪化を抑制し、焼結機の生産性の向上を図ることができる。
また、近年、鉄資源の有効利用の点から、焼結用原料として、ペレット用微粉鉄鉱石(ペレットフィード)、マラマンバ鉱石などの微粉割合が高い焼結用粉鉄鉱石、さらに、製鉄プロセスで発生する製鉄ダストを多く配合することが行なわれている。
このような微粉鉄鉱石の割合が高い焼結原料を造粒するために、従来から、焼結原料に生石灰などの造粒剤を添加し、混練機(ミキサー)で混合した後、ドラムミキサー、さらには、ドラムミキサーに較べて造粒能力が高いディスクペレタイザーなどの、造粒能力が高い造粒機を用いて造粒する方法が行なわれている。
この造粒方法により得られる微粉割合が高い焼結原料からなるペレット状の造粒物は、比較的密度が高い造粒物となるため、通常の焼結機を用いて焼成する際に、造粒物内部への酸素の拡散が阻害され、内部の炭材の燃焼が遅れる。
このため、上記造粒方法(1次造粒)により、炭材および生石灰の含有割合を比較的少なく制限したペレット状の造粒物を得た後、さらに、炭材および生石灰(CaO含有副原料)を添加して、ドラムミキサーまたはディスクペレタイザーによる2次造粒により、前記造粒物表面に、炭材およびCaO含有副原料を外装し、通常の焼結機を用いて焼成する際に、造粒物表面での炭材の燃焼性を高め、還元性に優れたカルシウムフェライト主体の結合相を生成させる方法も提案されている(例えば、非特許文献1、特許文献5〜7、参照)。
焼結原料の造粒処理工程では、焼結原料中の微粉粒子を核粒子の周りに付着させる度合い、つまり、焼結原料の擬似粒化性を向上させるとともに、造粒で得られた擬似粒子が、焼結機までの搬送中および焼結ベッドにおいて崩壊し難い擬似粒子の強度を有すること等が求められる。また、一般に、このような焼結原料の擬似粒化性や擬似粒子の強度(崩壊し難さ)は、焼結原料の配合原料の性状や粒度構成、特に、焼結原料の主要部分を占める鉄鉱石の性状や粒度構成によって大きく左右されることが知られている。
一方、焼結原料の主要原料である鉄鉱石は、成分、特性が多種多様な銘柄の鉄鉱石が世界に存在し、一般的に、これらの複数銘柄の鉄鉱石を鉄含有原料として焼結原料中に配合して使用している。このような鉄鉱石のうち、これまで焼結原料として多く使用されてきた良質なヘマタイト鉱石は、世界の鉄鉱石資源をみても枯渇の方向にあり、現状の生産が続くと、主要鉱山は、近年中にも掘り尽くされてしまうと予測されており、これに替わる銘柄の鉄鉱石の利用が望まれている。
このような中で、近年、将来の主要な焼結用鉄鉱石として、良質なヘマタイト鉱石に比べて、安価でかつ資源的にも豊富なマラマンバ鉱石、高燐ブロックマン鉱石などが、焼結原料として注目されている。
マラマンバ鉱石とは、豪州のマラマンバ鉄鉱床から産出する鉄鉱石の総称であり、ゲーサイト(Fe2O3・H2O)とマータイト(マグネタイト結晶形状を有するFe2O3)を主要鉄鉱物とし、表1に示す産地銘柄名(通称名)で、ウェストアンジェラス鉱が、その代表的な鉄鉱石である。
ブロックマン鉱石とは、豪州のブロックマン鉄鉱床から産出する鉄鉱石の総称であり、ヘマタイトを主要鉄鉱物とし、表1に示す産地銘柄名(通称名)でハマスレイ鉱、ニューマン鉱、および、HIB鉱などが、その代表的な鉄鉱石である。HIB鉱などは、Pが0.07質量%以上と高いので、高燐ブロックマン鉱石と呼び、ハマスレイ鉱、ニューマン鉱、および、HIP鉱などは、Pが0.07質量%未満と比較的低いので低燐ブロックマン鉱石と呼び、両者を区別している。
表1に、日本国内で焼結用原料として使用している代表的な鉄鉱石の化学的および物理的な特徴を示す。豪州のマラマンバ鉱石(産地銘柄:ウエストアンジュラス)と、豪州の低燐ブロックマン鉱石(産地銘柄:ハマスレイ、Mt.ニューマン)、および、高燐ブロックマン鉱石(産地銘柄:HIB)は、0.25mm以下の微粉部分が多い粒度分布を有するとともに、融点の高い脈石成分であるAl2O3の含有量が高く、結晶水も比較的高いため、造粒性と焼結性が悪い鉄鉱石として知られている。また、これらの鉄鉱石中の結晶水(CW)の含有量が高い理由は、主要鉄鉱物として、ゲーサイト(FeO・OH)を多く含有することに起因する。
これらのマラマンバ鉱石および高燐ブロックマン鉱石は、資源的に安定供給が可能で、かつ、安価な鉄鉱石であるため、焼結原料への適用が検討され、現在、一部使用されている。また、近年、マラマンバ鉱石、低燐ブロックマン鉱石、および、高燐ブロックマン鉱石を含有するブレンド鉱石であるピルバラブレンド鉱石の採掘量が増加し、将来的に、焼結原料として適用することが検討されている。
しかし、上記マラマンバ鉱石およびブロックマン鉱石、および、これらの鉄鉱石を含有するピルバラブレンド鉱石などのブレンド鉱石は、0.25mm以下の微粉が多い粒度分布を有することに起因して造粒性が悪く、焼結時に、原料充填層の通気性を阻害し、生産性を低下する原因となる。また、これらの鉄鉱石およびブレンド鉱石は、焼結性を低下させる高融点のAl2O3(カオリン(Al2Si2O5(OH)4)粘土鉱物由来)および結晶水(CW)(ゲーサイト鉱物(FeO・OH))由来)の含有量が高い。
このため、マラマンバ鉱石、低燐ブロックマン鉱石、高燐ブロックマン鉱石、および、これらの鉄鉱石を含有するブレンド鉱石を焼結原料として使用する場合は、焼結鉱の生産性や成品歩留を維持するために、その配合割合は10%程度以下に制限し、その他の鉄鉱石として良質なヘマタイト主要鉱石を配合して使用しているのが現状である。
しかしながら、上述のように、現在の日本国内で使用する鉄鉱石の主要産出国である豪州でも、マラマンバ鉱石、低燐ブロックマン鉱石、高燐ブロックマン鉱石、および、これらの鉄鉱石を含有するブレンド鉱石へと生産が移行する動きがあり、近い将来、これらの鉄鉱石が、今後の豪州産鉄鉱石の主力となることが予想される。したがって、これらの安定供給可能で安価であるものの、難造粒性および難焼結性の鉄鉱石を多量に配合した焼結原料を造粒する際に、焼結時の焼結性を向上させるとともに、造粒性を改善することが望まれている。
従来、上記マラマンバ鉱石の造粒性低下に起因する問題を解決するために、通常の造粒ラインにおけるミキサーによる混合、造粒を行う前に、マラマンバ鉱石などの多孔質の鉄鉱石または鏡鉄鉱のような表面が平滑で緻密な鉱石のみを、別ラインで、個別に、その物理性状に適した造粒方法で造粒し、しかる後、他の一般銘柄鉱石とともにミキサーで混合、造粒することを特徴とする焼結原料の予備処理方法が提案されている(例えば、特許文献1、参照)。
マラマンバ鉱石は、多孔質構造のマータイト組織(マグネタイト結晶形状のFe2O3)と結晶水を有するゲーサイト組織(FeO・OH)を多く含有することが知られており、特許文献1記載のように、この多孔質鉄鉱石を、別ラインで、その物理性状に適した造粒方法で造粒することで、ある程度の造粒性を改善することは可能であるが、製造コストの上昇を招くとともに、造粒物全体の強度を大幅に向上することができないという欠点がある。また、この方法では、マラマンバ鉱石中の0.25mm以下の微粉に起因する造粒性低下、Al2O3含有量に起因する焼結性低下を、根本的に解決することは困難である。
また、豪州産マラマンバ鉱石などの多孔質の鉄鉱石を焼結原料の一部として用いる際に、通常の造粒ラインにおけるミキサーによる混合、造粒を行なう前に、該多孔質の鉄鉱石を、別ラインで含水処理をし、しかる後、他の一般銘柄鉱石とともにミキサーで混合・造粒することを特徴とする焼結原料の予備処理方法が提案されている(例えば、特許文献2、参照)。
特許文献2提案のように、多孔質の鉄鉱石に含水処理を施すことも有効であるが、造粒物全体の強度を大幅に向上することは難しい。また、造粒物中の水分含有量の増加は、マラマンバ鉱石の高い結晶水含有量に加えて、焼結時の焼結原料充填層の水分持ち込み量が増加し、水分凝縮帯の範囲を広げるので、水分凝集帯での擬似粒子崩壊による通気性悪化を招き、焼結鉱の生産性や成品歩留を低下させる主な要因となる。また、この方法も、マラマンバ鉱石中の0.25mm以下の微粉に起因する造粒性低下、Al2O3含有量に起因する焼結性低下を根本的に解決することは困難である。
焼結原料を混合・造粒して事前処理する造粒ラインを、鉄鉱石・コークス等の主原料群を処理するCaO成分の低い一方の造粒ラインと、その他の鉱石等とその他の原料群を処理するCaO成分の高い他方の造粒ラインの二系列造粒ラインに分け、該他方の造粒ラインにおけるその他の原料群の鉱石に、マラマンバ鉱等の高結晶水の微粉鉱石を使用するとともに、両造粒ラインに生石灰を分割添加し、主原料群、および、その他の原料群を、生石灰バインダーで造粒することを特徴とする焼結原料の事前処理方法が提案されている(例えば、特許文献3、参照)。
特許文献3記載の方法では、複数の鉱石槽に加えて副原料槽、石灰石槽、バインダー槽を新たに設置して、事前に造粒するので、新たな造粒処理設備を設置するに等しい極めて大きな設備投資が必要になり、製造コストの上昇を招く。また、この方法では、マラマンバ鉱石中の0.25mm以下の微粉に起因する造粒性低下は、造粒強度の高いディスクペレタイザーなどの造粒機を用いたペレット造粒により、改善されるものの、Al2O3含有量に起因する焼結性低下を根本的に解決することは困難である。
また、軟質/多孔性鉄鉱石を焼結原料の一部として用いる際に、砂糖または糖蜜等の添加剤を添加することで、軟質/多孔性鉄鉱石への水の吸収を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献4、参照)。
特許文献4記載の方法では、砂糖または糖蜜等の添加剤を添加して使用するが、これらは、一般に、高価であるために製造コストの上昇を招くとともに、造粒物の強度を大幅に向上することができない。また、上記添加剤は、焼結原料の造粒時に粘性を高めて造粒物の強度を高める効果はあるものの、焼結時の焼結原料充填層下部で形成される水分凝縮帯において、擬似粒子が、周囲からの多量水分の吸収を抑制し、擬似粒子の崩壊を抑制する効果は低いため、焼結時の通気性悪化を招き、焼結鉱の生産性や成品歩留を低下させる主な要因となる。また、この方法もAl2O3含有量に起因する焼結性低下を根本的に解決することは困難である。
また、結晶水を多く含有するリモナイト鉱石などを石灰粉やスケールとともに混合し、リグニンスルホン酸を有効成分として含むパルプ廃液を添加して造粒した後、残りの原料と混合し、その後、再度造粒する方法が開示されており、マラマンバ鉱石の使用が、提案されている(例えば、特許文献8、参照)。
特許文献8記載の方法では、リグニンスルホン酸の造粒性の向上効果は十分ではないため、マラマンバ鉱石を多く配合した場合、生産性が著しく低下することになる。
また、従来のマラマンバ鉱の使用例としては、日本鋼管(株)福山製鉄所においてHPS法(非特許文献1、参照)の適用により、多量のマラマンバ鉱を使用した実績はあるが、特許文献5、特許文献6、および、特許文献7等で開示されるHPS法は、造粒工程に皿型造粒設備を導入し、従来以上の石灰石を添加することで、粒径の小さい微粉鉱石の多量使用を可能とした技術であり、既設のドラムミキサーを中心とする造粒を考慮した方法ではない。また、既設焼結機への皿型造粒設備の導入には莫大な設備投資およびランニングコストを要するものである。
特開昭52−49905号公報
特開昭52−49906号公報
特開平5−9601号公報
特表平10−502417号公報
特開昭63−149333号公報
特開昭63−149334号公報
特開昭63−149336号公報
特開平5−25556号公報
坂本登、外4名,「高炉用新塊成鉱の製造条件に関する基礎的検討および品質の評価」,鉄と鋼,社団法人 日本鉄鋼協会,第73年(1987)第11号,p62
まず、本発明の技術思想について説明する。
前述の通り、従来から、安価で資源的に豊富なマラマンバ鉱石は、主要鉄鉱物として、多孔質構造のマータイト組織(マグネタイト結晶形状のFe2O3)を多く含有し、0.25mm以下の微粉を多く含むため、吸水性が高く、造粒性が低いことが知られている。この対策として、鉄鉱石の表面性状の改質処理、加水処理、ディスクペレタイザーなどの造粒性能の高い造粒機によるペレット造粒などが提案されている。
しかし、マラマンバ鉱石は、カオリン粘土鉱物に由来する高融点のAl2O3を多く含有するとともに、ゲーサイト鉱物に由来して、結晶水も比較的高く、これらに起因する焼結性の低下、および、成品歩留低下を、根本的に改善することはできなかった。
また、近年、マラマンバ鉱石の他にも、0.25mm以下の微粉部分が多く、Al2O3含有量が高い、低燐ブロックマン鉱石、高燐ブロックマン鉱石、および、マラマンバ鉱石と低燐ブロックマン鉱石と高燐ブロックマン鉱石を含むピルバラブレンド鉱石などのブレンド鉱石の採掘量が増加し、これらの鉄鉱石の焼結原料への適用も検討されている。
これらの現状を踏まえ、本発明者らは、将来的に安定供給が見込まれるマラマンバ鉱石と低燐ブロックマン鉱石と高燐ブロックマン鉱石を含むブレンド鉱石であるピルバラブレンド鉱石を焼結原料として多量に配合した場合において、焼結原料の造粒性および焼結性に与える影響について調査検討した。
本発明者らは、ピルバラブレンド鉱石の主要鉱物であるカオリン粘土鉱物と、ゲーサイト鉱物が焼結原料の焼結性に与える影響を評価するために、先ず、これらの鉱物含有量を定量する方法を検討した。また、これらの鉄鉱石の粒度による焼結性への影響を考慮し、通常の焼結プロセスで生成される擬似粒子を構成する核粒子(粒径1mm以上)と付着微粉粒子(粒径0.5mm以下)に分けて、焼結性の評価を行った。
ピルバラブレンド鉱石中のカオリンおよびゲーサイトの含有量は、例えば、熱重量測定法(TG(Thermo Gravimetry)法)を用いて、以下のようにして測定することができる。
ピルバラブレンド鉱石のうちで、粒径2〜2.8mmおよび粒径2.8〜5mmの粒子から、それぞれ、任意に28個採取した。熱重量測定用の試料は、これらの粒子を、それぞれ、粒径45μmに粉砕することにより作成した。
熱重量測定は、各試料から約20mg採取し、電気炉内で流量200ml/minの空気を流しながら、昇温速度:5℃/minで加熱し、昇温過程における試料の温度を熱電対により測定するとともに、試料の重量変化を測定した。
図8に、熱重量測定結果(TG曲線)の一例を示す。
110℃から380℃の温度において観察される質量減少は、ゲーサイト(FeO・OH)の脱水(2FeO・OH→Fe2O3+H2O)によるものであり、この温度域における質量減少量の測定値(ΔW110-380)に基づいて、(1)式によりゲーサイト(FeO・OH)量(WGOE)を算出することができる。
380℃から590℃の温度において観察される質量減少は、カオリン(Al2Si2O5(OH)4)の脱水(Al2Si2O5(OH)4→Al2Si2O7+2H2O)によるものであり、この温度域における質量減少量の測定値(ΔW380-590)に基づいて、(2)式によりカオリン(Al2Si2O5(OH)4)量(WKA)を算出することができる。
800℃から1250℃の温度において観察される質量減少は、ヘマタイト(Fe2O3)からマグネタイト(Fe3O4)への還元(6Fe2O3→4Fe3O4+O2)によるものであり、この温度域における質量減少量の測定値(ΔW800-1250)および前記ゲーサイト量(WGOE)に基づいて、(3)式によりヘマタイト(Fe2O3)量(WHE)を算出することができる。
前記カオリン(Al2Si2O5(OH)4)量(WKA)と、予め測定されたSi量を基に、(4)式によりSiO2量(WSiO2)を算出し、さらに、前記カオリン(Al2Si2O5(OH)4)量(WKA)と、予め測定されたAl量を基に、(5)式によりAl2O3量(WAl2O3)を算出することができる。また、前記ゲーサイト(FeO・OH)量(WGOE)と、前記カオリン(Al2Si2O5(OH)4)量(WKA)を基に、(6)式により結晶水(CW)量(WCW)を算出することができる。
WGOE=ΔW110-380×2M[(FeO・OH)/M[H2O] ・・・(1)
WKA=ΔW380-590×M[Al2Si2O5(OH)4]/2M[H2O] ・・・(2)
WHE=ΔW800-1250×6M[Fe2O3]/M[O2]+WGOE×M[Fe2O3]/2M[ FeO(OH)] ・・・(3)
WSiO2=WKA×M[Al2Si2O5(OH)4]/2M[Si] ・・・(4)
WAl2O3=WKA×M[Al2Si2O5(OH)4]/2M[Al] ・・・(5)
WCW=WGOE×M[H2O]/2M[FeO・OH]
+WKA×2M[H2O]/M[Al2Si2O5(OH)4] ・・・(6)
但し、上記M[FeO・OH]、M[H2O]、M[Al2Si2O5(OH)4]、M[Fe2O3]、M[O2]、M[Si]、[Al]は、ゲーサイト(FeO・OH)、水(H2O)、カオリン(Al2Si2O5(OH)4)、ヘマタイト(Fe2O3)、酸素(O2)、Si、Alのそれぞれの分子量または原子量を示す。
以上の測定によって、ピルバラブレンド鉱石中の鉄鉱石粒子を、特に、焼結性に悪影響を与えると予想されるAl2O3(カオリン(Al2Si2O5(OH)4)の主要成分)、および、結晶水(CW)(ゲーサイト(FeO・OH)の主要成分)のそれぞれの含有量から分類することができる。
表2は、一例として、ピルバラブレンド鉱石中の粒径2〜2.8mmおよび粒径2.8〜5mmにそれぞれ含まれる鉄鉱石粒子を、鉄鉱石粒子A(Al2O3:1.0質量%未満、SiO2:1.5質量%未満、結晶水(CW):3.5質量%未満、鉄鉱石粒子B(Al2O3:1.0〜2.5質量%未満、SiO2:1.5〜6質量%未満、結晶水(CW):3.5〜5.0質量%)、鉄鉱石粒子C(Al2O3:2.5質量%以上、SiO2:6質量%以上、結晶水(CW):5質量%以上)の3つのグループに分類した場合の、それぞれの存在比率を示す。
なお、鉄鉱石粒子Cは、カオリン粘土鉱物(Al2Si2O5(OH)4)、および、ゲーサイト鉱物(FeO・OH)を主要鉱物とする鉄鉱石粒子であり、このため、Al2O3および、結晶水(CW)の含有量が他の鉄鉱石粒子に比べ高い。
ピルバラブレンド鉱石は、マラマンバ鉱石と低燐ブロックマンと高燐ブロックマンを主体とした複数銘柄の鉄鉱石のブレンド鉱石であるが、表2から、特に、焼結性に悪影響を与えると予想されるカオリン(Al2Si2O5(OH)4)由来のAl2O3、および、ゲーサイト(FeO・OH)由来の結晶水(CW)を多く含有する鉄鉱石粒子Cは、約15%程度存在していることがわかる。
なお、本発明者らは、マラマンバ鉱石、低燐ブロックマン、高燐ブロックマンなどの単銘柄の鉄鉱石にも、焼結性に悪影響を与える鉄鉱石粒子Cが、10〜30%程度含有していることを確認している。
本発明者らは、SiO2≧6質量%、Al2O3≧2.5質量%、結晶水≧5質量%、T.Fe≧55質量%の成分組成を有する鉄鉱石粒子C(表2、参照)を10%以上含む、単銘柄の鉄鉱石、および、複数銘柄の鉄鉱石を含むブレンド鉱石、具体的には、マラマンバ鉱石、低燐ブロックマン鉱石、高燐ブロックマン鉱石、および、これらの鉄鉱石からなるピルバラブレンド鉱石を焼結原料に配合する場合に、焼結原料の焼結性を改善する方法について検討を行った。
一般に、焼結プロセスにおける造粒物である擬似粒子は、粒径1mm以上の核粒子と、この核粒子の周囲に付着した粒径0.5mm以下の微粉粒子で構成されている。焼結反応は、擬似粒子のうちで、先ず、鉄鉱石の微粉粒子とCaO(副原料)の微粉粒子が低融点の初期融液を形成し、この初期融液中に、鉄鉱石や副原料の微粉粒子が、溶融、同化して融液が増加し、粒径1mm以上の鉄鉱石の核粒子表面が徐々に溶融、同化することで進行する。
焼結鉱の組織は、焼結過程で主として微粉粒子の鉄鉱石と副原料から生成した融液の凝固部(同化部)と、主として核粒子からなる未溶融部から構成され、これらの構造により、焼結鉱の強度は決まる。
焼結原料中に含まれる粒径1mm以上の粗粒(核粒子に相当)と、粒径0.5mm以下の細粒(微粉粒子に相当)とは、焼結過程での融液生成、同化挙動が異なるので、焼結時の同化のし易さ、焼結鉱の組織構造などの焼結原料の焼結性評価は、粒度毎にする必要がある。
そこで、表2に示す粒径2〜2.8mmの鉄鉱石粒子A、B、Cを用いて、粉砕しない粒径2〜2.8mmの条件(擬似粒子の核粒子を想定)、および、粉砕により粒径0.5mm以下とした条件(擬似粒子の微粉粒子を想定)で、それぞれ、同化試験を行い、焼結鉱の強度測定および組織構造の観察結果から焼結性の評価を行った。
同化試験の条件は、粉砕しない場合は、粒径:2〜2.8mmの粗粒粒子の周囲に粒径:0.5mm以下の石灰石を付着した約3mmの造粒物を作製し、粉砕した場合は、粒径:0.5mm以下の微粉粒子と粒径:0.5mm以下の石灰石を直径8mmm、高さ10mmの円筒形タブレットを作製し、それぞれ、石灰石と鉄鉱石の比(CaO/Ore):0.1、焼成温度:1300℃で焼成した。
焼結鉱の強度測定は、直径30mmの円筒容器の底部に焼結鉱を置き、高さ300mmの上部から300gの錘を落下させた後、発生した粉率を測定する落下試験を行い、この粉率を強度指数として評価した。落下試験における粉率は、粉砕しない粒径2〜2.8mmの鉄鉱石粒子を用いた焼結鉱の場合には、2.0mm以下の粒子の生成量から粉率を求め、粉砕により粒径0.5mm以下とした鉄鉱石粒子を用いた焼結鉱の場合には、0.5mm以下の粒子の生成量から粉率を求め、焼結鉱の強度の評価を行った。
図9に、粉砕しない粒径2〜2.8mmの鉄鉱石粒子(擬似粒子の核粒子を想定)を用いた場合の鉄鉱石粒子中の結晶水(CW)含有量(質量%)およびAl2O3含有量(質量%)と、落下試験による焼結鉱の粉率(強度指数)(%)の関係を示す。
また、図10に、粉砕して粒径0.5mm以下とした鉄鉱石粒子(擬似粒子の微粉粒子を想定)を用いた場合の鉄鉱石粒子中の結晶水(CW)含有量(質量%)およびAl2O3含有量(質量%)と、落下試験による焼結鉱の粉率(強度指数)(%)の関係を示す。
図9から、粉砕しない粒径2〜2.8mmの鉄鉱石粒子(擬似粒子の核粒子を想定)を用いた場合の焼結鉱の強度は、鉄鉱石中の結晶水(CW)およびAl2O3含有量により大きく影響され、CWおよびAl2O3含有量の増加とともに強度は低下する。
一方、図10から、粉砕して粒径0.5mm以下とした鉄鉱石粒子(擬似粒子の微粉粒子を想定)を用い場合の焼結鉱の強度は、鉄鉱石中の結晶水(CW)含有量(質量%)による影響は小さく、Al2O3含有量のみの増加により強度は低下する。
図11に、鉄鉱石粒子C(表2、参照)を用いて得られた焼結鉱断面を顕微鏡で観察した、ゲーサイト(FeO・OH)近傍((A)、参照)、および、カオリン(Al2Si2O5(OH)4)近傍((B)、参照)の断面組織を示す。
図11から、ゲーサイト(FeO・OH)粗粒子(核粒子に相当)近傍の組織((a)、参照)は、110〜380℃の温度でゲーサイトの脱水が生じ、これにより粗粒子内に粗大亀裂が生成した後、周囲の微粉粒子から生成した融液が亀裂内に侵入することにより、急激に同化、凝固が生じるため、同化凝固部は粗大気孔が残留した凝固脆弱組織となることが解る。
また、ゲーサイトの未溶融部も、粗大亀裂が残留し、脆弱化するため、焼結鉱の強度は大きく低下することが解る。また、カオリン(Al2Si2O5(OH)4)粒子近傍の組織((b)、参照)は、380〜590℃の温度で脱水が生じるが、融点が高いAl2O3を主体とするため、当該粒子周囲での融液、同化反応が阻害される結果、強度が低下することが解る。
以上の結果から、マラマンバ鉱石、高燐ブロックマン鉱石、および、これらを含むピルバラブレンド鉱石などのブレンド鉱石を焼結原料に配合した場合の焼結性の低下は、表2に示すカオリン粘土鉱物やゲーサイト鉱物を多く含有した、SiO2≧6質量%、Al2O3≧2.5質量%、結晶水≧5質量%、T.Fe≧55質量%からなる鉄鉱石粒子Cの粗粒子(擬似粒子の核粒子に相当)が、焼結時の融液、同化反応を阻害することによると考えられる。
そして、本発明者らは、これらのカオリン粘土鉱物やゲーサイト鉱物を多く含む粗粒鉄鉱石(擬似粒子の核粒子に相当)の焼結性を改善するために、該粗粒子を粉砕し、焼結性の低下が少ない微粉粒子とすることに想到し、この効果の検証を行った。
表3に示す粒度分布を有し、低燐(P:0.07質量%)ブロックマン鉱石(HIP)と高燐(P:0.11質量%)ブロックマン鉱石(HIB)とマラマンバ鉱石(WA)を、それぞれ1/3づつ含むピルバラブレンド鉱石に相当するブレンド鉱石(条件A)を用いた鍋試験を行い、その際に、焼結鉱の成品歩留Y(%)と生産率P(t/d/m2)を測定し、焼結性の評価を行った。
なお、熱重量測定法による分析結果から、このブレンド鉱石には、SiO2:6.18質量%、Al2O3:3.45質量%、結晶水:6.83質量%、T.Fe:57.3質量%の成分組成を有する鉄鉱石粒子Cが、20質量%含有されていることを確認した。
試験条件は、原料中の水分:7質量%、コークス量:5質量%、SiO2量:5.76質量%、塩基度(CaO/SiO2):1.82とし、直径:70mm、高さ:450mmの鍋を用い、吸引圧力:0.29kPa、焼成温度:1300℃で焼成した。また、表3に示す粒径:5〜3mmの粗粒子を、全て粉砕し、粒径:0.25mm以下の微粉粒子にしたブレンド鉱石(条件B)を用い、同様に、焼結鉱の成品歩留Y(%)と生産率P(t/d/m2)を測定し、比較を行った。
図12に、粒径:5〜3mmの粗粒子を粉砕しない場合(条件A)と、この粗粒子を全て粉砕し、粒径:0.25mm以下の微粉粒子にした場合(条件B)で、焼結鉱の成品歩留Y(%)と生産率P(t/d/m2)を比較した結果を示す。
図12から、ブロックマン鉱石とマラマンバ鉱石を含むピルバラブレンド鉱石を焼結する場合(条件A)に比べて、該ブレンド鉱石中の粒径:5〜3mmの粗粒子を選択的に粉砕すること(条件B)により、焼結鉱の成品歩留Y(%)と生産率P(t/d/m2)は、大幅に改善されることが解る。
すなわち、このことは、カオリン粘土鉱物やゲーサイト鉱物を主体とする、SiO2≧6質量%、Al2O3≧2.5質量%、結晶水≧5質量%、T.Fe≧55質量%の成分組成を有する鉄鉱石粒子を10%以上含む、粗鉄鉱石C(表2、参照)を粉砕することで、焼結性を改善できることを示唆している。
従来、通常の焼結プロセスでは、マラマンバ鉱石などの高結晶水で多孔質の鉱物構造を有し、かつ、0.25mm以下の微粉粒子を多く含有する鉄鉱石を、焼結原料に配合する場合は、粒径1〜3mmの核粒子が相対的に少なくなり、擬似造粒子の造粒性は低下する。このため、マラマンバ鉱石などの微粉粒子を多く含有する鉄鉱石を粉砕することは、通常の焼結プロセスでは、焼結原料の造粒性を悪化させ、焼結時の通気性および生産性を低下させる原因となるため、採用されていなかった。
また、従来、通常の焼結プロセスではなく、ペレットプロセスを用いて、微粉状の焼結原料をディスクペレタイザー等の造粒能力の高い造粒機を用いて球状ペレットを製造し、焼成する方法も提案されている。しかし、ペレットプロセスでは、微粉状の焼結原料を特殊な造粒を行う必要があり、また、密度の高い球状ペレットを焼成するためにペレット表面の一部しか溶融せず、焼成物の強度が低く、高炉での高温還元性に劣るという、製造コスト上および品質上の欠点がある。
しかし、本発明者らの検討によれば、マラマンバ鉱石、低燐ブロックマン鉱石、高燐ブロックマン鉱石、および、これらの鉄鉱石を10%以上含むピルバラブレンド鉱石などのブレンド鉱石は、主要鉄鉱石として、カオリン粘土鉱物(Al2Si2O5(OH)4)およびゲーサイト鉱物(FeO・OH)を多く含有し、これらの鉱物は、軟質および脆弱な多孔質構造であるため、粉砕処理により、これらの鉱物が選択的に粉砕されて微粒子となり、それ以外のヘマタイト(Fe2O3)などの鉱物は粉砕されず残存することが解った。
つまり、粉砕処理によって焼成性を阻害するカオリン粘土鉱物(Al2Si2O5(OH)4)およびゲーサイト鉱物(FeO・OH)を、選択的に微細粒子とすることにより無害化するとともに、粉砕されずに残留したヘマタイト(Fe2O3)などの粗粒子は、擬似粒子を製造するうえで、核粒子として、造粒性を維持するために作用する。
さらに、本発明者らの検討によれば、上記効果に加えて、カオリン粘土鉱物(Al2Si2O5(OH)4)およびゲーサイト鉱物(FeO・OH)が選択的に粉砕されて生成した微細粒子は、粒径:45μm以下の非常に粒径小さい超微細粒子を多く含み、この超微細粒子が、擬似粒子の造粒性および付着強度を向上するために作用することを確認した。
図1に、マラマンバ鉱石、低隣ブロックマン、および、高燐ブロックマン鉱石を含むピルバラブレンド鉱石の粉砕前(図1(a):粒径45μm以下が12%)と、粉砕後(図1(b):粒径45μm以下が20%)のそれぞれについて顕微鏡観察をした際の断面組織を示す。また、図2に、図1の粉砕前および粉砕後の上記ピルバラブレンド鉱石中のカオリン粘土鉱物およびゲーサイト鉱物について高倍率で顕微鏡観察した際の断面組織を示す。
粉砕前のピルバラブレンド鉱石(図1(a))には、大きさが70〜100μmのカオリン粘土鉱物(図中K)やゲーサイト鉱物(図中G)が多く観察されるのに対し、粉砕後の同試料(図1(b))では、粉砕前のカオリン粘土鉱物(図中K)やゲーサイト鉱物(図中G)が破砕されて微細なカオリン粘土鉱物(図中K)やゲーサイト鉱物(図中G)となることが解る。
つまり、マラマンバ鉱石、低燐ブロックマン鉱石、高燐ブロックマン鉱石、および、これらの鉄鉱石を含むピルバラブレンド鉱石を粉砕処理することにより、焼結性を低下させる原因となるカオリン粘土鉱物やゲーサイト鉱物を選択的に粉砕し、無害化するとともに、良好な擬似粒子化を行なうために有効な粒径45μm以下の超微細粒子を増加できることが解った。
また、図2から解るように、マラマンバ鉱石、低燐ブロックマン、高燐ブロックマン鉱石、および、これらの鉄鉱石を含むピルバラブレンド鉱石などのブレンド鉱石が粉砕される際には、カオリン粘土鉱物(Al2Si2O5(OH)4)およびゲーサイト鉱物(FeO・OH)の軟質かつ構造的に脆弱な部分から破壊され、その破壊後の粒子は、粒径45μm以下の粒径が非常に小さい超微粒子が多く含まれると考えられる。
本発明者らの検討によれば、粒径0.5mm以下の微粒子の中で、特に、粒径45μm以下の超微粒子は、水分中での分散性が高いため、造粒時に少ない添加水分で容易に移動し核粒子と有効かつ効率的に付着することができ、さらに、当該超微粒子が水分中で均一分散する際に水の凝集力を高めるため、擬似粒子化性および付着力が向上することが解った。
マラマンバ鉱石、低燐ブロックマン鉱石、高燐ブロックマン鉱石、および、これらの鉄鉱石を含むピルバラブレンド鉱石などのブレンド鉱石を粉砕することにより、造粒性が向上する理由は、擬似粒子化性および付着力の向上に大きく寄与する粒径45μm以下の超微粒子が増加するためであると考えられる。
なお、超微粒子の水分中での分散性は、粒径が小さいほど高く、粒径10μm以下の超微粒子は、さらに水分中での分散性が高い。
また、本発明者らの検討によれば、粒径45μm以下の超微粒子一部は、水中で互いに凝集してクラスター化し、見かけ上の粒径が大きいものとして存在するが、水中での分散性を高める作用を有する分散剤を添加することにより、クラスター化していた超微粒子は乖離し、上記超微粒子の作用により向上する水分中で均一に分散するため、擬似粒子化性および付着力はさらに向上することも確認した。
なお、従来から造粒時に添加水分の粘性を高めるために添加していた糖蜜など(例えば特許文献4、参照)の造粒添加剤は、逆に、粒径45μm以下の超微粒子の水分中での分散性を阻害するので、好ましくない。
図3に、図1および図2に示したピルバラブレンド鉱石を粉砕後、水分(7%)を添加して造粒して得られた造粒物(a)、および、水分(7%)と分散剤(ポリアクリル酸ナトリウム(PA):0.04%)を添加して造粒して得られた造粒物(b)の表面を顕微鏡観察した際の顕微鏡写真を示す。
図3からピルバラブレンド鉱石を粉砕することにより、カオリン粘土鉱物やゲーサイト鉱物が選択的に粉砕する際に生成された粒径45μm以下の超微粒子は水分中での分散性が高いため、水分中で容易に移動し、粉砕されずに残存した粒径1〜3mmの核粒子の周囲に凝集し付着し、かつ、付着粉を構成する微粉粒子間、微粉粒子と核粒子との付着力を高めることにより、強固な擬似粒子が生成されることが解る。
また、造粒時に水分と分散剤を添加することにより、粒径45μm以下の超微粒子の水分中での分散性の向上効果はより高まる結果、水分添加のみによる造粒物に比べ、超微粒子が核粒子周囲に移動し凝集することにより、より強固な擬似粒子が生成されることが解る。
本発明は、以上の知見および技術思想を基になされたものであり、鉄含有原料、副原料、および、炭材からなる焼結原料を焼結機に装入し焼結する焼結鉱の製造方法において、前記焼結原料のうち、少なくとも、SiO2≧6質量%、Al2O3≧2.5質量%、結晶水≧5質量%、T.Fe≧55質量%の成分組成を有する鉄鉱石粒子を10%以上含む、単銘柄の鉄鉱石、および、複数銘柄の鉄鉱石を含むブレンド鉱石を、3mmの篩目で篩分けし、篩上の鉄鉱石、または、ブレンド鉱石を、該鉄鉱石中に含まれる粒径45μm以下の微粉が15%以上となるように粉砕することを特徴とする。
これにより、焼結原料の焼結性を低下させるカオリン粘土鉱物やゲーサイト鉱物を選択的に粉砕、無害化し、擬似粒子化に必要なヘマタイト(Fe2O3)などの核粒子を残存しつつ少ない添加水分でも分散性が高く、水分の凝集力を高める作用をもつ粒径45μm以下の超微粉粒子を増加させることができ、焼結原料の造粒性および焼結性を格段に向上することができる。
また、上記粒径45μm以下の超微粉粒子の添加水分中での分散性をより向上させ、少ない添加水分で、より有効かつ効率的に焼結原料の造粒性および付着力を向上させるために、造粒時に水分とともに粒径45μm以下の微粉粒子の水分中での分散性を高める作用を有する分散剤を添加することが好ましい。
以下に、本発明の詳細について説明する。
本発明は、焼結原料の焼成性を低下させるカオリン粘土鉱物(Al2Si2O5(OH)4)およびゲーサイト鉱物(FeO・OH)を、選択的に粉砕し、無害化するとともに、ヘマタイト(Fe2O3)鉱物などの擬似粒子化に必要な核粒子を残存しつつ、少ない添加水分でも分散性の高い粒径45μm以下の超微粉粒子を増加させることにより、焼結原料の造粒性を向上させる。
本発明者らは、マラマンバ鉱石、低燐ブロックマン、高燐ブロックマン鉱石、および、これらの鉄鉱石を含むピルバラブレンド鉱石などのブレンド鉱石を粉砕後、該粉砕物に水分を添加して造粒する際に、粉砕後の粒径45μm以下の超微粉粒子の含有量および造粒時の添加水分量を変化させて、造粒物の付着力および擬似造粒化性(GI値)の測定結果から、これらの鉄鉱石の最適な粉砕条件を検討した。
図4に、マラマンバ鉱石、高燐ブロックマン鉱石、および、低隣ブロックマンからなるピルバラブレンド鉱石の内で、粒径3mm以上の鉄鉱石を粉砕し、添加水分量:7.0質量%の条件で造粒した場合の粉砕後の鉄鉱石中の粒径45μm以下の超微粉粒子の含有量と造粒物の付着力との関係を示す。
なお、このピルバラブレンド鉱石には、SiO2:6.18質量%、Al2O3:3.45質量%、結晶水:6.83質量%、T.Fe:57.3質量%の成分組成を有する鉄鉱石粒子Cが20質量%含有している。
また、図5に、図4の造粒時の粉砕後の鉄鉱石中の粒径45μm以下の微粉含有量と造粒物の擬似造粒化性(GI値)との関係を示す。
なお、図4の造粒物の付着力は、引張破断法により測定した。
また、図5に示す鉄鉱石のGI値(擬似粒子化指数)とは、下記式で求められる疑似粒化の評価指数の一つであり(例えば、製鉄研究288号(1976)9頁、参照)、核粒子の表面に付着する微粉粒子の割合を示す。このGI値が大きいほど、微粉粒子を核粒子の表面に付着させる効果に優れ、焼結層の通気性を良好に維持し、焼結鉱の生産性を向上させることができる。鉄鉱石の疑似粒化のために添加する水分量は7%(一定)で行なった。
GI(%)=(造粒前の0.25mm以下の原料の比率−造粒後の0.25mm以下の 原料の比率)/(造粒前の0.25mm以下の原料の比率)×100
図4および図5から、造粒物の付着力および擬似造粒化性(GI値)は、ピルバラブレンド鉱石の粉砕により生成する粒径45μm以下の微粉粒子の含有量が増加するとともに、造粒物の付着力および擬似造粒化性(GI値)は向上することが解る。通常、焼結時に通気性を良好に維持し、焼結鉱の生産性および成品歩留を確保するために必要とされる造粒物の付着力は、30g/cm2以上であり、擬似造粒化性(GI値)は、80%以上である。
また、造粒時の添加水分量の増加は、造粒物を焼結する際に水分の蒸発潜熱の増加に起因して燃料原単位を悪化するだけでなく、焼結原料充填層の燃焼帯下方に形成される水分凝縮帯の範囲を拡げ、水分凝縮帯において擬似粒子が周囲からの多量水分を吸収し、擬似粒子が崩壊することにより、焼結時の通気性悪化を招き、焼結鉱の生産性や成品歩留を低下させる原因となるため、できる限り少ない添加水分で造粒することが好ましい。
したがって、図4および図5の検討結果を基に、本発明では、造粒時に比較的少ない水分でも付着力が40g/cm2以上で、擬似造粒化性(GI値)が80%以上となる、強度および造粒性に優れた造粒物が製造できる粉砕条件として、マラマンバ鉱石、低燐ブロックマン、高燐ブロックマン鉱石、および、これらの鉄鉱石を含むブレンド鉱石を3mmの篩目で篩分けした篩上の鉄鉱石を粉砕した後、この鉄鉱石中の粒径45μm以下の微粉含有量が15%以上となるように粉砕することに限定した。
これにより、焼結原料の焼成性を低下させる原因となるカオリン粘土鉱物(Al2Si2O5(OH)4)およびゲーサイト(FeO・OH)鉱物を粉砕し、無害化するとともに、少ない添加水分でも分散性の高い粒径45μm以下の微粉粒子を増加させ、核粒子への付着力および擬似造粒子化性(GI値)を向上することができ、焼結時の通気性、生産性および成品歩留を向上することができる。
次に、図6を用いて、本発明の実施形態を説明する。
図6に、鉄含有原料、副原料、および、炭材からなる焼結原料を混合、造粒する焼結鉱の製造において、前記混合、造粒する前に、前記鉄含有原料に配合された鉄鉱石のうち、SiO2:6.18質量%、Al2O3:3.45質量%、結晶水:6.83質量%、T.Fe:57.3質量%の成分組成を有する鉄鉱石粒子を合計量で20質量%含むピルバラブレンド鉱石を3mmの篩目で篩分けし、篩上の鉄鉱石、または、ブレンド鉱石を粉砕して、鉄鉱石中の粒径45μm以下の微粉が15%以上含有する粒度とする場合の実施形態を示す。
図6に示すように、先ず、ピルバラブレンド鉱石1は、3mmの篩目の篩6を用いて篩分けし、篩上の粒径:3mm以上のピルバラブレンド鉱石1を、ピルバラブレンド鉱石1以外のその他鉄含有原料、副原料、および、炭材3と混合、造粒する前に、例えばローラプレス、ボールミル等の粉砕機2を用いて予め粉砕して粉砕物とする。
粉砕機の種類および粉砕条件は特に限定する必要はなく、上記本発明で規定する粉砕した後の鉄鉱石中の粒径45μm以下の微粉が15%以上含有する粒度となるように粉砕できれば、本発明の目的および効果を達成することができる。
例えば、前記の図1に示したピルバラブレンド鉱石の粉砕前および粉砕後の顕微鏡写真の例では、粉砕機にローラプレスを用い、ピルバラブレンド鉱石1中に約30質量%含有する粒径:3mm以上の鉄鉱石粒子をロール幅当たり15〜35KN/cm程度の圧力を加えながら、粉砕処理を行うことにより、粉砕した後の鉄鉱石中の粒径45μm以下の超微細粒子を20%含有する粉砕物とした。
前記粉砕物は、ピルバラブレンド鉱石1の篩下の粒径:3mm未満の鉄鉱石粒子、ピルバラブレンド鉱石1以外のその他鉄含有原料、副原料、および、炭材3とともに造粒機4に供給して、適宜、適量の水分8および分散剤9とともに混合、造粒した後、焼結機5を用いて焼結を行うことで焼結鉱とすることができる。
なお、図6に示した実施形態は、前記ピルバラブレンド鉱石1の粉砕物は、ピルバラブレンド鉱石1の篩下の粒径:3mm未満の鉄鉱石粒子、ピルバラブレンド鉱石1以外のその他鉄含有原料、副原料、および、炭材3とともに混合、造粒する例を示したが、焼結原料のうち、副原料および炭材は、必ずしも混合、造粒する必要はない。
つまり、前記ピルバラブレンド鉱石1の粉砕物と、ピルバラブレンド鉱石1の篩下の粒径:3mm未満の鉄鉱石粒子、ピルバラブレンド鉱石1以外のその他鉄含有原料を混合、造粒した後、副原料および炭材を添加して、造粒機4で焼結する場合、または、前記ピルバラブレンド鉱石1の粉砕物と、ピルバラブレンド鉱石1の篩下の粒径:3mm未満の鉄鉱石粒子、ピルバラブレンド鉱石1以外のその他鉄含有原料と、副原料を混合、造粒した後、炭材を添加して、造粒機4で焼結する場合でも、前記ピルバラブレンド鉱石1の粉砕により、上述した本発明の目的および効果が発揮される。
また、前記ピルバラブレンド鉱石1の粉砕は、当該ピルバラブレンド鉱石1のみを単独で粉砕機2で粉砕する場合の他、前記ピルバラブレンド鉱石1と、これ以外の鉄含有原料、具体的には、ピソライト鉄鉱石、などのゲーサイト鉱物(FeO・OH)を多く含む鉄鉱石、および、副原料の内で、造粒時に擬似粒子を構成する上での寄与が少ない粒径が0.5〜1mmの中間粒子を一緒に粉砕機2で粉砕してもよい。
この実施形態では、ゲーサイト鉱物を多く含む鉄鉱石中の脆弱多孔質構造のゲーサイト鉱物、および、副原料中で擬似粒子の造粒への寄与が少ない粒径が0.5〜1mmの中間粒子を粉砕し、粒径45μm以下の超微細粒子により、焼結原料を擬似造粒する際の造粒性および付着力がより向上するため、好ましい。
焼結原料を混合、造粒するために用いる造粒機としては、一般に焼結鉱プロセスで広く用いられているドラムミキサーや、さらには、パンペレタイザー、ディスクペレタイザーなどの造粒能力が高い造粒機を用いる。図6に示めすように、上記ピルバラブレンド鉱石1の粉砕物、その他鉄含有原料、副原料、および、炭材3に、適宜、適量の水分8および分散剤9を添加して1台の造粒機4のみで良好な混合、造粒を行なうためには、造粒機4としてドラムミキサーを用いることが好ましい。
また、上記混合、造粒の際に水とともに分散剤を添加することにより、上記ピルバラブレンド鉱石1の粉砕物中に含有する粒径45μm以下の超微粉粒子の水分中での分散性を高めることができ、焼結原料の造粒性および付着力がさらに向上するため好ましい。
本発明において、上記分散剤とは、焼結原料の造粒時に水とともに添加することで、粉砕物中に含有する粒径45μm以下の超微粉粒子の水分中での分散性を促進させる作用を有するものであればよく、無機化合物、有機化合物、低分子化合物あるいは高分子化合物に限らず、特に限定されるものではない。
本発明において、上記分散剤の効果、つまり、造粒時に前記ピルバラブレンド鉱石の粉砕物中に含有する粒径45μm以下の微粉粒子の水分中での分散性を促進させ、焼結原料の造粒性および付着力を向上させる効果を得るためには、前記分散剤は、前記混合、造粒する少なくとも鉄含有原料を含み、かつ、炭材を除いた焼結原料、例えば、図6に示す場合は、ピルバラブレンド鉱石の粉砕物、その他鉄含有原料、および、副原料の合計量に対して、0.001〜1質量%の範囲で添加することが好ましい。
本発明において、分散剤の使用量は、用いる分散剤の種類並びに使用する製鉄用原料の種類や組み合わせに応じて、前記した分散微粒子量が得られるように適宜設定すればよく、特に、限定されるものではないが、製鉄用原料に対し、0.001質量%以上、1質量%以下の範囲内が好ましく、0.005質量%以上、0.5質量%以下の範囲内が、より好ましい。
上記分散剤の使用量が0.001質量%よりも少ない場合は分散剤の効果が発揮されず、擬似粒化性および付着力が、十分に向上しない。また、分散剤を1質量%を超えて使用すると、粘性が高くななり、結果的に造粒がうまく行かないことがあるため、好ましくない。
本発明者らは、焼結原料中に含有する200μm以下、特に、粒径45μm以下の超微粒子、さらには、粒径10μm以下の超微粒子が水分中に均一に分散することで、造粒時に添加水分の凝集力を高め、擬似粒子化性および付着力が向上することを実験的に確認し、この超微粒子の水分中での分散し易さを評価するための分散性試験を既に提案した。
この分散性試験は、焼結原料を所定の割合で水に分散させ、所定時間経過後、水中に浮遊(分散)している微粒子の量(分散微粒子量)を測定する方法であり、このときの分散微粒子量が、水に分散させた上記焼結原料の合計に対して2質量%以上となる場合に、擬似粒化性および付着力が向上することを確認した。
上記分散性試験は、具体的には、以下の方法により実施する。先ず、焼結原料を100mlのメスシリンダーに固形分で10gとなるように採取し、これに、全量で100mlとなるようにイオン交換水を加えて10秒間撹拌した後、10分間放置後に水中に、浮遊(分散)している微粒子の量(分散微粒子量)を測定する。
焼結原料中に含有する粒径の大きな粒子や分散安定化していない粒子は、10分間放置する間に沈降するので、10分間放置後の分散液を全て抜き取り、この残りの沈降堆積した粒子を、110℃の乾燥機を用いて蒸発乾固させ、その乾燥重量を測定し、減量分を計算することで、上記分散液中に浮遊(分散)していた微粒子の重量(分散微粒子量)を求めることができる。
この分散性試験により、本発明における上記ピルバラブレンド鉱石の粉砕物中に含有する粒径45μm以下の微粉粒子の水分中での分散性を評価することができる。
したがって、本発明において、上記分散剤の添加による造粒性向上効果をより確実なものとするためには、上記分散性試験、つまり、分散剤と、前記混合、造粒する少なくとも鉄含有原料を含み、かつ、炭材を除いた焼結原料(例えば、図6に示す場合は、ピルバラブレンド鉱石1の篩上の粒径:3mm以上の鉄鉱石粒子の粉砕物、ピルバラブレンド鉱石1の篩下のの粒径:3mm未満の鉄鉱石粒子、ピルバラブレンド鉱石1以外のその他鉄含有原料、および、副原料)とを混合した後、該混合組成物を、100mlのメスシリンダーに固形分で10gとなるように採取し、これに、全量で100mlとなるようにイオン交換水を加えて10秒間攪拌した後、10分間放置後に水中に浮遊している微粒子の量を測定し、該微粒子の量が前記混合組成物の固形分の2質量%以上となるように、前記混合、造粒する少なくとも鉄含有原料を含み、かつ、炭材を除いた焼結原料の合計量に対し、前記分散剤の添加量を調整することが望ましい。
また、本発明における上記分散剤として、酸基および/またはその塩を有する高分子化合物が好適である。この中でも、カルボキシメチルセルロース(CMC)、リグニン(LG)、質量平均分子量が1000以上、10万以下のポリアクリル酸ナトリウム(PA)またはポリアクリル酸アンモニウムが微粒子の分散性が高く、価格的にも安価なため、最も好適に使用できる。
また、図6に示した本発明の実施形態は、ピルバラブレンド鉱石1の篩上の粒径:3mm以上の鉄鉱石粒子の粉砕物、ピルバラブレンド鉱石1の篩下の粒径:3mm未満の鉄鉱石粒子、ピルバラブレンド鉱石1以外のその他鉄含有原料、副原料、および、炭材3に水、好ましくは、適量の水分8と分散剤9を添加して1台の造粒機4、好ましくは、ドラムミキサーで混合、造粒する例を示した。
本発明では、焼結原料のうちの少なくとも鉄含有原料(例えば、図6に示す場合は、ピルバラブレンド鉱石1の篩上の粒径:3mm以上の鉄鉱石粒子の粉砕物、ピルバラブレンド鉱石1の篩下の粒径:3mm未満の鉄鉱石粒子、ピルバラブレンド鉱石1以外のその他鉄含有原料、副原料、および、炭材3)に、水とともに分散剤を添加して混合、造粒する場合に、造粒機の前に混練機を設けてもよい。
この実施形態では、混練機によりピルバラブレンド鉱石1の篩上の粒径:3mm以上の鉄鉱石粒子の粉砕物中に含有する粒径45μm以下の超微粉粒子と分散剤および水が焼結原料中で均一化されるため、さらに造粒機による造粒の際に粒径45μm以下の超微粉粒子の水分中での分散性を高め、焼結原料の造粒性および付着力を向上させることができる。
この場合、造粒時に粒径45μm以下の超微粉粒子の水分中での分散性を高めるためには、分散剤は少なくとも混練機で混合する際に、水とともに添加する必要がある。さらに、造粒機で造粒する際に、水、または、水と分散剤を添加することは、前記粒径45μm以下の超微粉粒子による効果を向上させるために好ましい。
混練機としては、レディゲミキサー、ドラムミキサーが用いられる。造粒機としてドラムミキサーを用い、この造粒機の前に混練機を設ける場合は、ドラムミキサーは、造粒専用として使用することができる。この場合、造粒機4としてドラムミキサーを用い、この造粒機の前に混練機としてドラムミキサーを設けること、つまり、2台のドラムミキサーを直列に設けて、先のドラムミキサーを混合専用として使用し、後のドラムミキサーを造粒専用として使用することも、勿論、可能である。
また、焼結原料中にペレット用微粉鉄鉱石(ペレットフィード)や製鉄ダストなどの微粉鉄原料を多く配合し、0.5mm以下の微粉粒子の含有量が多い焼結原料を造粒する場合には、造粒機を2台以上直列にして造粒を強化してもよい。
上記のその他鉄含有原料は、本発明において、事前粉砕処理の対象とするSiO2≧6質量%、Al2O3≧2.5質量%、P≧0.1質量%、結晶水≧5質量%、T.Fe≧55質量%の成分組成を有する鉄鉱石、または、該鉄鉱石を10%以上含むブレンド鉱石(具体的には、マラマンバ鉱石、高燐ブロックマン鉱石、および、これらの鉄鉱石を含むピルバラブレンド鉱石)以外のその他の鉄鉱石、焼結返鉱、焼結篩下粉、および、製鉄ダストのうちの1種または2種以上からなるものが好ましい。
ここで、焼結返鉱および焼結篩下粉は、焼結プロセスで製造された焼結鉱のうちで、所定サイズより小さく成品とならない粉状焼結鉱、および、成品焼結鉱を高炉まで搬送する過程で崩壊した粉状焼結鉱を意味する。また、製鉄ダストとは、製鉄プロセスで発生した製鋼ダストやミルスケールなどの鉄分含有ダストを意味する。