JP2018172704A - 造粒焼結原料の製造方法および焼結鉱の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】−20μmという大きさの微粉鉄鉱石を多量に配合した場合であっても、造粒性を向上させることができるとともに、さらに焼結鉱の生産性の向上にも効果のある造粒焼結原料の製造方法と、この原料を用いる焼結鉱の製造方法を提案する。
【解決手段】粉粒状鉄鉱石を含む焼結配合原料を造粒して造粒焼結原料とする際に、その粉粒状鉄鉱石として、「核粉指数」が2.0以上を示す粉粒状鉄鉱石を用いて造粒焼結原料を製造し、得られたその造粒焼結原料を用いて焼結鉱を製造する方法。
【選択図】図6
【解決手段】粉粒状鉄鉱石を含む焼結配合原料を造粒して造粒焼結原料とする際に、その粉粒状鉄鉱石として、「核粉指数」が2.0以上を示す粉粒状鉄鉱石を用いて造粒焼結原料を製造し、得られたその造粒焼結原料を用いて焼結鉱を製造する方法。
【選択図】図6
Description
本発明は、造粒焼結原料の製造方法およびこれを用いて焼結鉱を製造する方法に関する。
高炉で用いる焼結鉱は、複数銘柄の粉鉄鉱石(例えば、「10mm未満」−以下の説明では「−10mm」のように表示する−の大きさである「シンターフィード」と呼ばれているもの)に、石灰石や珪石、蛇紋岩等の副原料粉と、ダスト、スケール、返鉱等の雑原料粉と、そして粉コークス等の固体燃料を適量ずつ配合した焼結配合原料に水分を添加し、その後、混合−造粒し、このようにして得られた造粒焼結原料をドワイト・ロイド式焼結機に装入して焼成することによって製造される。ここで、上記焼結配合原料は、通常、造粒時に水分を含むために互いに凝集して擬似粒子となる。この擬似粒子化した焼結鉱製造用の造粒焼結原料は、焼結機のパレット上に装入されたとき、焼結原料装入層の良好な通気を確保するのに役立ち、焼結反応を円滑に進める上で有効な存在となる。
擬似粒子化した前記造粒焼結原料は、造粒形状、とくに大きい形状のものほど良好な通気が得られると考えられており、そのために、造粒性の改善に向けた様々な方法が検討されてきた。例えば、粉鉄鉱石の造粒性を改善するために、核粒子となる粗粒に対しこれに付着させる微粉の量を調整する方法(焼結原料の事前処理方法)に関する特許文献1−5のような提案がある。
ただし、これらの文献に開示された造粒焼結原料の製造技術については、コストが高くなるという問題がある他、細粒鉄鉱石を造粒焼結原料中に混合する際の鉱石粒度の適正値については検討されていない。
その他、高結晶水含有鉱石を粉砕後、これを他の諸原料と混合し造粒して造粒焼結原料とする技術の提案もある。(特許文献6、7)
しかしながら、高結晶水含有鉱石の使用は、熱量や充填層の観点からその使用は好ましくないのが実情である。
その他、高気孔率鉄鉱石を粉砕し、他の諸原料と混合した上で造粒を行う技術(特許文献8)の提案もあるが、高気孔率鉄鉱石は、T.Feが低く、結晶水が高いといった特徴を併せ持っており、粉砕しても、成分の面で焼結機の操業に悪影響を与えることが知られている。
また、その他の方法としては、SiO2の含有量が3〜6mass%で、63μmより大きい粒子が微粉鉄鉱石総質量に対して90mass%以上である微粉鉄鉱石を粉砕して用いる事前処理方法(特許文献9)の提案もある。しかし、この技術については、細粒使用時での適正な配合が検討されておらず、焼結での細粒原料の使用方法が不明である。
本発明は、従来技術が抱えている前述した課題を克服すること、特に相対的に―20μmという大きさの微粉鉄鉱石を多量に配合した場合であっても、後で詳述する核粉指数を好適に管理することで、造粒性を向上させることができるとともに、さらに焼結鉱の生産性の向上にも効果のある造粒焼結原料の製造方法と、この原料を用いて焼結鉱を製造する方法の提案を目的とするものである。
本発明は、前述した解決すべき課題に対し、粉粒状の鉄鉱石を含む焼結配合原料を用いて造粒焼結原料を製造し、さらにはその造粒焼結原料を用いて焼結鉱を製造する方法を提案するものである。即ち、まず造粒焼結原料の製造に当たっては、後で詳述する核粉指数に着目し、この核粉指数が2.0以上を示す粉粒状鉄鉱石を焼結配合原料に配合して用い、そして、本発明に係る焼結鉱の製造に当たっては、上記のようにして得られた造粒焼結原料を用いて焼結することを特徴としている。
即ち、本発明は、第1に、粉粒状鉄鉱石を含む焼結配合原料を造粒して造粒焼結原料とする際に、その粉粒状鉄鉱石として、下記に定義する核粉指数;
核粉指数={(+1mmの粒子割合)+(−20μmの粒子割合)}/(−500μmの粒子割合)
が2.0以上を示すものを用いることを特徴とする造粒焼結原料の製造方法を提案する。
核粉指数={(+1mmの粒子割合)+(−20μmの粒子割合)}/(−500μmの粒子割合)
が2.0以上を示すものを用いることを特徴とする造粒焼結原料の製造方法を提案する。
また、本発明は、第2に、粉粒状鉄鉱石を含む焼結配合原料を造粒し、得られたその造粒焼結原料を焼結機にて焼成することにより焼結鉱を製造する方法において、上記造粒焼結原料として、下記に定義する核粉指数;
核粉指数={(+1mmの粒子割合)+(−20μmの粒子割合)}/(−500μmの粒子割合)
が2.0以上を示すものを用いることを特徴とする焼結鉱の製造方法を提案する。
核粉指数={(+1mmの粒子割合)+(−20μmの粒子割合)}/(−500μmの粒子割合)
が2.0以上を示すものを用いることを特徴とする焼結鉱の製造方法を提案する。
なお、本発明においてはまた、下記の構成;
(1) 前記造粒焼結原料は、バインダーとして生石灰を用いて造粒されたものであること、
(2) 前記焼結配合原料および生石灰を用いて造粒焼結原料を製造する際に、該生石炭は、造粒後半に外装添加すること、
(3) 前記焼結配合原料中の粉粒状鉄鉱石は、少なくともその一部は、−20μmの大きさの粒子を30mass%以上含むものであること、
が、より好ましい実施形態である。
(1) 前記造粒焼結原料は、バインダーとして生石灰を用いて造粒されたものであること、
(2) 前記焼結配合原料および生石灰を用いて造粒焼結原料を製造する際に、該生石炭は、造粒後半に外装添加すること、
(3) 前記焼結配合原料中の粉粒状鉄鉱石は、少なくともその一部は、−20μmの大きさの粒子を30mass%以上含むものであること、
が、より好ましい実施形態である。
本発明によれば、+1mm、−20μm、−500μmの粉粒状鉄鉱石の配合割合を示す核粉指数を、2.0以上という好適範囲内にすること、及びバインダーとして生石灰を外装添加することを主とする方法の採用などにより、微粉鉄鉱石の多量配合下でもなお高い造粒性が得られるようにすると共に、最終的には焼結鉱の生産性向上に寄与することができ、このことによって望ましい造粒焼結原料と焼結鉱の製造技術を確立し提案することができる。
発明者らは、「焼結配合原料」を造粒して「造粒焼結原料」を製造するに当たって、まず造粒性に及ぼす原料(鉄鉱石)の粒度の影響を調査した。即ち、この調査は、各粒度に篩った鉄鉱石をベースの配合に振り代えて、造粒試験および通気試験を行った。実験の原料としては、下記の表1に示す原料(鉄鉱石A〜D)を用いた(CW=結晶水)。鉄鉱石Bは、鉄鉱石Aを粉砕して篩って−1mm(1mm未満)にしたものであり、通気性を制御するために一定量を加えるためのものである。この試験では、特に、粗精鉱である鉄鉱石Dを粉砕し、(63〜125/125〜250/250〜500/500〜1000)μmの篩目で篩った鉄鉱石を添加した。そして、下記表2に示すとおり、粗精鉱の粒度影響を調査するため、ベース配合の条件として、該鉄鉱石Dを含まないもの(配合6)についても上記の試験を行った。
上記の各試験に当たっては、それぞれの焼結配合原料をコンクリートミキサーで3分間混合し、その後、水を添加して造粒を行ない、さらに、得られた造粒粒子を150mmφ、380mmHの円筒容器に入れ、負圧700mmaqで通気性を示す風量を測定した。なお、この試験では、造粒物の水分は、6〜10mass%の範囲で変更し、配合毎に最も通気がよかったときの水分を用いることとし、配合1〜5は、すべての添加粒度で8mass%が最適であり、配合6では9mass%が最適であった。なお、配合6のもので適正な造粒水分が増加したが、その理由は、結晶水が多い鉱石Cを多く用いたためであった。結晶水が多い鉱石は、一般的に気孔が多く、造粒時に鉱石内部に水分が浸透し、緻密な鉱石よりも多くの水分が必要になる。また、配合1〜5については、粒度は異なるが、鉱石種が変わっていないため、適正水分が変化しなかった。
その結果、通気性試験では、図1に示すように、−63μm(μm未満)のものは通気性がベース配合6よりも良い結果となった。しかし、+63μmの粒度のものは通気性の悪化を招くことが判った。従って、+63μmの粒子を配合することは造粒性の低下、ひいては通気性に悪影響が出ることが判った。このことからすると、−63μmの粒子の配合を増やすことは、通気性の改善につながると考えられる。以上を整理すると、−1mm(−1000μm)の粒子を配合する際は、−63μmの粒子、即ち微粉鉄鉱石の配合を増やすことが通気性の改善に有効であると云える。
ところで、粉粒状鉄鉱石などの造粒現象は、微粉鉄鉱石が核粒子表面に逐次的に付着していく現象である。従って、造粒時は核粒子表面への微粉鉄鉱石の付着力が重要になる。そこで、造粒に影響を及ぼす付着力を測定するため、せん断試験を行った。この試験は、500μmの篩で篩った−500μmの粉鉄鉱石を固定金型と可動金型を合わせた容器(43mmφ)内に装入し、上部のピストンにより、200kgfで圧縮し、その後、垂直応力を低下させながら、可動部をプルゲージで水平方向に引っ張ることにより、垂直応力に応じたせん断応力を測定することにより行なった。ここで、付着力は、垂直応力が0kgfになったときの、せん断応力を用いた。試験は、表3中の鉄鉱石A、鉄鉱石C〜Fについて行なった。試料の粒度は、−500μmに篩ったものと、63〜125μmに揃えたサンプルを各鉄鉱石毎に評価し、さらに鉄鉱石Dを粉砕したサンプルについても評価した。
その結果、下記表3、図2、図3に示すとおり、−63μmまたは−20μmの割合が上昇するにつれて、鉄鉱石の付着力が増加することが判った。ここで、−63μm、−20μmの割合は−500μmに篩ったもの、63〜125μmに揃えたもの、粉砕した鉄鉱石Dの粒度をレーザー散乱・分散測定法で測定した結果である。
特に、−63μmおよび−20μmの割合と付着力について、2次関数を用いて重回帰分析を行ったところ、相関係数が−63μmの場合、0.93だったところ、−20μmでは0.98であり、−20μmの粒子の割合の方が、付着力に対しての寄与が大きいことが判った。
特に、−63μmおよび−20μmの割合と付着力について、2次関数を用いて重回帰分析を行ったところ、相関係数が−63μmの場合、0.93だったところ、−20μmでは0.98であり、−20μmの粒子の割合の方が、付着力に対しての寄与が大きいことが判った。
また、鉄鉱石の粒径を揃えた試験結果より、鉄鉱石の銘柄が変わっても、−20μmがなければ付着力は増加しないことも判った。この点、従来の発明(特開2008−261016号)では、粉砕した際に、ゲーサイトまたはカオリナイトが選択的に粉砕されることで、付着力への寄与率が高いと考えられていたが、本発明では、鉄鉱石の粒度を細かくすることで、ゲーサイト、カオリナイトが0.1%以下(XRDで測定)の鉄鉱石Dでも付着力が大きく増加することを見い出した。
次に、−20μmの割合を変化させた造粒試験、焼結試験を実施した。この試験では、細粒の鉄鉱石ではあるが−20μmのものが少ない鉄鉱石Gと粉砕処理が施してある鉄鉱石Hについて試験を行った。試験の条件および結果については、下記表4に示すとおりである。鉄鉱石Aに関しては、ケース1とケース2とでは核・粉率を変えている。また、この配合では、塩基度が2.1になるようにし、SiO2も一定になるようにして試験を行った。試験の実施に当たっては、サンプルをドラムミキサーで6分間造粒し、鍋試験機を用いて焼成を行った。焼結後のシンターケーキを2mの高さから1回落としたときに、粒径が+10mmであるものを成品とし、その重量を(シンターケーキ重量−床敷鉱重量)で除した値を歩留とした。なお、焼結生産率(t/(m2・h))は、成品重量を焼成時間および試験鍋の断面積で除した値とした。
図4に示すとおり、−20μmが多いケース1では、通常は造粒が困難と考えられている微粉(−500μm)が増加しても造粒粒子径は増加する一方、−20μmが少ないケース2では、微粉の増加により、造粒粒子径が小さくなることが分かった。しかしながら、造粒粒子径が大きくなるケース1では、−20μmが増加して造粒粒子が大きくなるにも拘わらず、図5に示すように、焼結での生産率が低下することが明らかとなった。
一般に、核粒子と微粉が混合している鉄鉱石(原料)を造粒して得られる造粒焼結原料となる擬似粒子は、微粉や核粒子よりもやや小さい粒子が核粒子の周りに付着(被覆)した構造をとるのが普通である。このような擬似粒子は、焼結機の湿潤帯では、被覆層の部分が水分を吸収するため、強度が低下し、このことで、充填層(焼結原料装入層)中の空隙を減少させ、通気を阻害することがある。その解決のためには、湿潤帯での造粒粒子(造粒焼結原料)の強度維持が重要となる。
湿潤帯における前記造粒焼結原料の強度維持の方法としては、湿潤帯でも崩壊しない骨材(+1mm核粒子)を、微粉量に対して減らないようにすること、ないしはむしろ、増加させる方が有効であり、このことによって通気性の改善を図ることができるようになる。即ち、+1mm(1mm以上)の粒子は、造粒時はこれが核粒子となって造粒作用を促進し、しかも、粒子自体が大きいため、焼結時には通気性を向上させる作用を担う。また、焼結原料装入層中においては、水分が増加して、造粒粒子の強度が低下する湿潤帯と、原料が溶ける溶融帯で通気抵抗が大きくなるが、+1mmの骨材粒子が存在することで通気性の低下を抑制する働きとなる。
一方で、−500μmの粒子は、これが造粒粒子の一部となるときに湿潤帯においてスラリー状になりやすく、また溶融帯では、細粒であるために溶けやすく、通気抵抗を増大させる要因となる。
この点について、発明者らは、造粒時に核となりかつ焼結時には骨材となる+1mmの粒子の割合と、造粒に寄与する−20μmの粒子の割合の和を、通気性に悪影響を与える−500μmの粒子割合で除した値である下記の核粉指数で整理できることを知見した。即ち、その核粉指数は下記式(1)で示すことができる。
[式1]
核粉指数={(+1mmの粒子割合)+(−20μmの粒子割合)}/(−500μmの粒子割合)
[式1]
核粉指数={(+1mmの粒子割合)+(−20μmの粒子割合)}/(−500μmの粒子割合)
図6は、上記核粉指数と焼結生産率との関係を示した。この図からも判るように、また、後で述べる実施例からも明らかになるように、悪影響を与える−500μmの粒子に対する、(+1mmおよび−20μmの粒子割合の和)を1.8以上、好ましくは1.9以上にすること、とりわけ2.0以上とすることで、−500μm粒子割合が高い場合であっても、好ましい焼結性維持のための造粒焼結原料の製造が可能であることを見出した。
また、本発明では、焼結機上の焼結原料装入層の湿潤帯における影響を抑制するために、ドラムミキサーによる造粒処理過程の後半において、バインダーとして生石灰を外装添加する方法を採用する。なお、造粒処理過程において、バインダーとして生石灰を外装添加することには2つの効果がある。その一つは、水と未反応のCaOを残して、湿潤帯において水分を吸収する作用であり、擬似粒子がスラリー化することを抑制するのに有効である。そして、他の1点は、水と反応したCa(OH)2が擬似粒子の外面側にあることで、これが排ガス中のCO2と反応し、微細なCaCO3を生成し、そのために擬似粒子表面に強固な層が形成され、湿潤帯においても潰れにくい充填層(焼結原料装入層)の形成が可能になるのである。
[例1]
この実施例では、下記サンプル(塩基度:2.0、SiO2:5.0mass%)を、ドラムミキサーで6分間造粒し、鍋試験機を用いて焼結を行った。焼結後のシンターケーキを2mの高さから1回落としたとき、粒径が+10mmであるものを成品とし、その重量を(シンターケーキ重量−床敷鉱重量)で除した値を歩留とした。焼結生産率(t/(m2・h))は、成品重量を焼成時間および試験鍋の断面積で除した値とした。
この実施例では、下記サンプル(塩基度:2.0、SiO2:5.0mass%)を、ドラムミキサーで6分間造粒し、鍋試験機を用いて焼結を行った。焼結後のシンターケーキを2mの高さから1回落としたとき、粒径が+10mmであるものを成品とし、その重量を(シンターケーキ重量−床敷鉱重量)で除した値を歩留とした。焼結生産率(t/(m2・h))は、成品重量を焼成時間および試験鍋の断面積で除した値とした。
その結果、表5、図6で示すように、悪影響を与える−500μmの粒子に対して、+1mmおよび−20μmの粒子割合の和を2.0倍〜2.3倍にしたケース1−1、ケース3−1、ケース3−3では、−500μm粒子割合が高い状態の微粉鉄鉱石が入ったものであっても、他のケース1−2、1−3、3−2、3−4に比べて安定した高い焼結生産率を維持できることが確かめられた。
[例2]
この実施例では、生石灰添加の有無、添加の時期について検討した結果を説明する。下記表6に示すとおりの核粉指数はそれぞれ2.3、2.2、2.2としたものについて、生石灰なしの例と、生石灰あり(内装)、生石灰あり(外装)の例について、生産率への影響を調べた。その他の条件は下記のとおりである。
なお、この実施例では、サンプル(塩基度:2.1、SiO2:4.7mass%)を、ドラムミキサーで5分間造粒して、鍋試験機を用いて焼成を行ない、焼結後のシンターケーキを2mの高さから1回落とした際、粒径が+10mmであるものを成品とし、その重量を(シンターケーキ重量−床敷鉱重量)で除した値を歩留とし、焼結生産率(t/(m2・h))は、成品重量を焼成時間および試験鍋の断面積で除した値とした。
この実施例では、生石灰添加の有無、添加の時期について検討した結果を説明する。下記表6に示すとおりの核粉指数はそれぞれ2.3、2.2、2.2としたものについて、生石灰なしの例と、生石灰あり(内装)、生石灰あり(外装)の例について、生産率への影響を調べた。その他の条件は下記のとおりである。
なお、この実施例では、サンプル(塩基度:2.1、SiO2:4.7mass%)を、ドラムミキサーで5分間造粒して、鍋試験機を用いて焼成を行ない、焼結後のシンターケーキを2mの高さから1回落とした際、粒径が+10mmであるものを成品とし、その重量を(シンターケーキ重量−床敷鉱重量)で除した値を歩留とし、焼結生産率(t/(m2・h))は、成品重量を焼成時間および試験鍋の断面積で除した値とした。
その結果を、生産率に及ぼす生石灰添加の有無による影響について調べたところ、生石灰を添加したものの方がよい結果を示した。
これは、生石灰によるバインダー効果により、冷間での擬似粒子の強度が上昇し、また、焼結時のCO2により、さらに湿潤帯での充填層を支持できたからであると考えられる。
また、この試験では、生石灰を外装する効果についても検証した。即ち、下記サンプル(塩基度およびSiO2:一定)を、ドラムミキサーで5分間造粒し、鍋試験機を用いて焼結を行った。生石灰を外装する場合は、ドラムミキサーの造粒時間の1/10の段階で生石灰を添加する外装を行い、その後、焼成を行った。焼結後のシンターケーキを2mの高さから1回落とした際、粒径が+10mmであるものを成品とし、その重量を(シンターケーキ重量−床敷鉱重量)で除した値を歩留とし、焼結生産率(t/(m2・h))は、成品重量を焼成時間および試験鍋の断面積で除した値とした。
この結果、生石灰は外装することで、内装した場合のものより生産率が良くなった。即ち、微粉を入れた場合、生石灰を外装することで生産率がさらに向上することが分った。なお、生石灰添加の場合、生産率は、[例1]のものに比べて大きいのは、生石灰添加の効果であることが確かめられた。
Claims (5)
- 粉粒状鉄鉱石を含む焼結配合原料を造粒して造粒焼結原料とする際に、その粉粒状鉄鉱石として、下記に定義する核粉指数が2.0以上を示すものを用いることを特徴とする造粒焼結原料の製造方法。
記
核粉指数= {(+1mmの粒子割合)+(−20μmの粒子割合)}/(−500μmの粒子割合) - 前記造粒焼結原料は、バインダーとして生石灰を用いて造粒されたものであることを特徴とする請求項1に記載の造粒焼結原料の製造方法。
- 前記焼結配合原料および生石灰を用いて造粒焼結原料を製造する際に、該生石炭は、造粒後半に外装添加することを特徴とする請求項1または2に記載の造粒焼結原料の製造方法。
- 前記焼結配合原料中の粉粒状鉄鉱石は、少なくともその一部は、−20μmの大きさの粒子を30mass%以上含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の造粒焼結原料の製造方法。
- 粉粒状鉄鉱石を含む焼結配合原料を造粒し、得られたその造粒焼結原料を焼結機にて焼成することにより焼結鉱を製造する方法において、上記造粒焼結原料として、下記に定義する核粉指数が2.0以上を示すものを用いることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
記
核粉指数= {(+1mmの粒子割合)+(−20μmの粒子割合)}/(−500μmの粒子割合)
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