JP2022129839A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼成後の焼結鉱強度を低下させることなく、マグネタイト系微粉鉱石を購入容易なヘマタイト系微粉鉱石に置換することが可能な焼結鉱の製造方法を提供する。【解決手段】焼結原料を、主焼結原料と微粉原料を含む副焼結原料とに分け、前記主焼結原料を混合及び造粒する主造粒工程と、前記副焼結原料を混合及び造粒する副造粒工程とを並列で行い、前記主造粒工程と前記副造粒工程で製造したそれぞれの造粒物を合わせ、前記合わせた造粒物を焼成する焼結鉱の製造方法であって、前記副造粒工程に用いられる前記微粉鉱石がマグネタイト系微粉鉱石とヘマタイト系微粉鉱石の混合であって、前記マグネタイト系微粉鉱石の、前記マグネタイト系微粉鉱石と前記ヘマタイト系微粉鉱石との総質量に対する混合率が50質量%以上100質量%未満であることを特徴とする焼結鉱の製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、焼結鉱の製造において、微粉原料を造粒する方法に関する。特に、分割造粒法を用いて微粉原料を造粒する方法に関する。
近年、鉄鉱石の資源枯渇化・劣質化に伴い、鉄鉱石の脈石成分(SiO・Al)が増加している。その為、選鉱処理にて人工的に高Fe品位にした微粉鉱石(精鉱、ペレットフィード(PF)とも言う)の使用量を増加させ、鉄鉱石中の脈石成分(SiO・Al)を維持・低下していくことが焼結鉱の製造において今後重要となる。
そこで微粉鉱石を選択・分割造粒設備で造粒することによって、直径5~15mmの粗大造粒物にし、それらを従来の本造粒設備で処理した原料と共に焼結機に充填することで未造粒粉を削減し、微粉鉱石による原料充填層の通気性悪化および生産性低下を回避する技術開発が進められている[非特許文献1]。
ここに、微粉鉱石の種類として、ヘマタイト系(Fe)微粉鉱石とマグネタイト系(Fe(FeO・Fe))微粉鉱石が知られている。特許文献1には、特に、マグネタイト系微粉鉱石を単独使用する方法が開示されている。
また、非特許文献2においても、マグネタイト系微粉鉱石は、CaOの添加なしでも、CaOを添加したヘマタイト系微粉鉱石と同等の焼成後強度が得られたとの知見も示されている。
さらに、特許文献2には、ヘマタイト系微粉鉱石の造粒に際して、微粉鉱石に対して核となる粉鉱石を1.5/1以上3/1未満の比(微粉鉱石/粉鉱石)で添加することで造粒物の強度が向上することが示されている。
特開2013-253281号公報 特開2016-191122号公報
T. K. Sandeep et al:Metallurgical and Materials Transaction B, Volume 46B, N o 2(2015), 635 T. K. Sandeep et al.:Metallurgical and Materials Transaction B, Volume 47B, N o 1(2016), 309
詳細は後述するが、マグネタイト系微粉鉱石を多く用いた場合、例えば焼結鉱の強度が高まる。このため、マグネタイト系微粉鉱石をなるべく多く使用して焼結鉱を製造したいという要望が強くなってきている。しかしながら、マグネタイト系微粉鉱石は、鉱山の近く、あるいは出荷港に併設されたペレット工場でペレットまで加工されてから出荷される例が非常に多い。このため、マグネタイト系微粉鉱石が鉄鉱石の海上貿易市場に流通している量は現状少ない。そのため、特許文献1記載の方法のように、ヘマタイト系微粉鉱石を使用せず、焼結鉱の原料となる鉄鉱石の全量をマグネタイト系微粉鉱石とすることは実現性が低い。また、ヘマタイト系微粉鉱石とマグネタイト系微粉鉱石とを併用する検討はこれまでなされていない。特許文献2記載の方法では、粉鉱石を核として添加することが検討されているものの、このような粉鉱石を核としつつ、更にヘマタイト系微粉鉱石とマグネタイト系微粉鉱石とを併用する検討もこれまで存在しない。
本発明の目的は、焼成後の焼結鉱の強度の低下を抑制しつつ、マグネタイト系微粉鉱石を購入容易なヘマタイト系微粉鉱石に置換することが可能な焼結鉱の製造方法を提供することである。すなわち、マグネタイト系微粉鉱石の一部をヘマタイト系微粉鉱石で置換した造粒物が、焼結鉱製造時のハンドリング性や焼成後の焼結鉱強度において、マグネタイト系微粉鉱石のみの造粒物と同等となる置換範囲を明らかとする。
本発明者は、まず、電気炉を用いた基礎的な実験を行い、マグネタイト系微粉鉱石とヘマタイト系微粉鉱石との混合物の焼成後の強度を測定した。そして、本発明者は、混合物中のマグネタイト系微粉鉱石の混合率が50質量%以上あれば、混合物の焼成体がマグネタイト系微粉鉱石単独の焼成体と同等の強度を呈することを明らかとした。次に、本発明者は、実用的な原料配合条件で焼結実験を行った。この結果、本発明者は、焼結鉱の強度においても、ヘマタイト系微粉鉱石とマグネタイト系微粉鉱石の総質量に対するマグネタイト系微粉鉱石の混合率を前記範囲とすることで、マグネタイト系微粉鉱石単独の場合(すなわち、鉄含有原料の微粉鉱石としてマグネタイト系微粉鉱石のみを使用した場合)と同等の強度が得られることを確認した。
本発明は、かかる検討結果に基づいて考案されたもので、その要旨は以下である。
本発明の要旨とするところは、以下である。
本発明のある観点によれば、焼結原料を、主焼結原料と、微粉鉱石を含む副焼結原料とに分け、前記主焼結原料を混合及び造粒する主造粒工程と、前記副焼結原料を混合及び造粒する副造粒工程とを並列で行い、前記主造粒工程と前記副造粒工程で製造したそれぞれの造粒物を合わせ、前記合わせた造粒物を焼成して焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法であって、前記副造粒工程に用いられる前記微粉鉱石がマグネタイト系微粉鉱石とヘマタイト系微粉鉱石の混合物であって、前記マグネタイト系微粉鉱石の、前記マグネタイト系微粉鉱石と前記ヘマタイト系微粉鉱石との総質量に対する混合率が50質量%以上100質量%未満であることを特徴とする微粉原料の造粒方法が提供される。
ここに、前記マグネタイト系微粉鉱石の粒度は、前記ヘマタイト系微粉鉱石の粒度以下であることが好ましい。
さらに、前記副焼結原料がさらに粉鉱石を含み、前記微粉鉱石と前記粉鉱石の質量比が1.5/1以上3/1未満であることが好ましい。
焼成後の焼結鉱の強度の低下を抑制しつつ、マグネタイト系微粉鉱石をヘマタイト系微粉鉱石に置換できる。
電気炉を用いた基礎的な実験に用いた装置の模式図である。 マグネタイト系微粉鉱石の混合率(質量%)と落錘後平均粒度(mm)の関係を示す図である。 造粒処理系統のフロー(造粒装置)を模式的に示す図である。 焼結実験(鍋試験)に用いた装置の構成を模式的に示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施形態で使用される各原料は多数の粒子の集合体となっている。特に断りがない限り、各原料の原料名はその原料を構成する粒子の集合体を意味するものとする。また、「~」を用いて表される数値限定範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。「超」または「未満」と示す数値は、その値が数値範囲に含まれない。
<本発明に至った基礎的検討>
ヘマタイト系微粉鉱石にマグネタイト系微粉鉱石を混合した場合、ヘマタイト系微粉鉱石とマグネタイト系微粉鉱石の性質の違いにより、マグネタイト系微粉鉱石の混合率によって強度が変化すると考えられる。そこで、ヘマタイト系微粉鉱石にマグネタイト系微粉鉱石を混合していった場合の強度変化を実験的に調査した。
(実験方法および実験条件)
ヘマタイト系微粉鉱石(本実験においてHと称する場合がある)とマグネタイト系微粉鉱石(本実験においてMと称する場合がある)を供試料とした(表1)。マグネタイト系微粉鉱石の混合率および粒度の組合せの影響をそれぞれ検討するにあたり、各鉱石を20~45μmと63~125μmに篩分級した。ここに、篩分級による粒度範囲において、「A~Bμm」は、目開きA(μm)の篩に残り、目開きB(μm)の篩から落ちた鉱石の粒度範囲を示す。篩分級における「A~Bμm」はA以上B未満を示す。以降はヘマタイト系微粉鉱石の20~45μmをH細、63~125μmをH粗、同様にマグネタイト系微粉鉱石の20~45μmをM細、63~125μmをM粗、とも称する。なお、表1にはH細、H粗、M細、M粗の組成も示した。当該組成は化学分析により特定した。
鉱石種2水準、粒度2水準の4水準の組合せ条件で各々混合率を7から9水準変更することで、合計29水準の試料を作製した。そして、これらの試料を用いてマグネタイト系微粉鉱石の混合率および粒度の組合せの影響をそれぞれ検討した。
具体的には、まず、2種類(H細、H粗、M細、M粗のいずれか2種類)の微粉鉱石を所定の混合率で混合した混合物約1.6gに水分を約3.6%分添加し、ダイスに充填して4.8MPaの圧力を30秒間加えた。これにより、直径8mm、高さ約10mmの円柱状タブレットを成型した。
Figure 2022129839000002
ついで、成型したタブレットを電気炉にて、実機の焼結機を模擬したヒートパターン(昇温速度200℃/min、最高到達温度1300℃、最高温度保持時間0秒、降温速度67℃/min)で焼成した。焼成に用いた装置を図1に模式的に示す。焼成後のタブレットに300gの荷重を30cmの高さから3回落とす落錘試験を行った。落錘試験後、試料の篩分けを行い、平均粒度(平均粒径)を算出し強度を評価した。(以降これを落錘後平均粒度と称する。)具体的には、目開き4.75mm、2.8mm、2.0mm、1.0mm、0.5mm、0.25mm、0.125mmの篩を重ねて篩分けを行い、それぞれの篩目と一つ上の篩目の平均値を代表粒径(例えば2.0~2.8mmの場合2.4mm)とし、代表粒径と重量比の積の総和にて加重平均値を算出した。実焼結鉱の強度面から、落錘後平均粒度は1.5mm以上であることが、局所的な脆弱部を形成せずに最低限の焼結鉱強度を確保する観点より必要と考えられる。落錘後平均粒度が2.5mm以上であると十分に高い強度が得られる為により好ましい。
各水準でタブレットを4個焼成し、3個を落錘試験、1個を樹脂に埋め込んで研磨し断面組織観察および画像解析に供した。また、マグネタイト系微粉鉱石の混合率が25質量%、50質量%、75質量%のタブレットは各1個成型まで行い、その後焼成せずに樹脂に埋め込んで研磨し断面組織観察および画像解析に供した。
(実験結果)
落錘後平均粒度の変化を図2に示す。粒度組合せが異なるいずれの条件においても、マグネタイト系微粉鉱石(ここではM細またはM粗)の混合率の上昇に伴い、落錘後平均粒度、すなわち焼成後の強度は上昇した。しかし強度の上昇量は一定ではなく、マグネタイト系微粉鉱石の混合率が25質量%未満ではほとんど上昇せず、25~50質量%で特に大きく上昇し、50質量%以降は傾きが再び緩やかになり、混合率75質量%~80質量%にてマグネタイト系微粉鉱石単独(100%)の強度値と概ね同等になることが判明した。また、M細を含む組合せにおいて、タブレットがより高強度となることが判明した。
(作用)
マグネタイト系微粉鉱石とヘマタイト系微粉鉱石の造粒物の結合の機構として、(1)マグネタイト粒子同士の結合、(2)マグネタイト粒子とヘマタイト粒子の結合、(3)ヘマタイト粒子同士の結合の3つがある。このうち、(1)は(2)、(3)に比較して結合強度が大きい。これは、マグネタイト粒子が焼結反応に伴う温度上昇により酸化されてヘマタイト粒子へと変化し、その際の結晶構造や体積の変化によって粒子間の拡散結合が促進される為であると考えられる。従って、マグネタイト系微粉鉱石の増配によって強度が向上する。
また、マグネタイト系微粉鉱石の混合率が50質量%以上となると、(1)の結合が造粒物全体にわたるネットワークを形成するようになる。一旦、この全体にわたるネットワークが形成されるとそれ以降の強度向上は緩やかとなる。従って、マグネタイト系微粉鉱石の混合率が50質量%以上となる場合に、タブレットの強度がマグネタイト系微粉鉱石単独で製造されたタブレットの強度の値に概ね等しくなる。
ここに、粒度の異なる原料の組合せは、ネットワーク形成に影響すると考えられる。H粗とM細の組合せの場合は、ヘマタイト粒子の周囲および粒子間空隙を、細粒のマグネタイト粒子が充填することで、結合強度の大きい(1)のネットワークがH細とM細の組合せと同様に容易に形成される。一方H細とM粗の組合せの場合は、マグネタイト粒子周囲および粒子間空隙を、結合強度が弱い細粒のヘマタイト粒子が充填するので、結合強度の大きい(1)のネットワーク形成が阻害される。
H粗とM粗の組合せの場合、粒子数ひいては粒子同士の接点数自体が少ないため、強度も低い。ただし、いずれの粒度の組み合わせにおいても、マグネタイト系微粉鉱石の混合率が50質量%以上であれば、落錘後平均粒度が1.5mm以上となっている。
<実施の態様>
本発明は、前述の基礎的検討に基づいて考案されたもので、微粉原料を選択的に造粒強化する副造粒工程を有する焼結鉱の製造方法であって、前記微粉原料がヘマタイト系微粉鉱石とマグネタイト系微粉鉱石の混合物であり、マグネタイト系微粉鉱石の両者の総質量に対する混合率が50質量%以上100質量%未満であることを特徴とする。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(全体構成)
図3に本実施形態における造粒処理系統のフローを示す。この造粒処理は、いわゆる選択造粒法あるいは分割造粒法と呼ばれる原料処理方法である。図3に示すように、本造粒処理は、焼結原料を主焼結原料群11と、副焼結原料群21とに分け、それぞれを混合及び造粒する。具体的には、本造粒処理では、主焼結原料群11を造粒する主造粒工程1と、副焼結原料群21を造粒する副造粒工程2とを並列で行う。その後、主造粒工程1と副造粒工程2で製造したそれぞれの造粒物3を合わせ、合わせた造粒物3を焼結機4で焼成する。
(主造粒工程)
主造粒工程1では、所定量の主焼結原料群11をホッパ111からコンベア112に供給し、コンベア112上で主焼結原料群11が配合される。コンベア112は、主焼結原料群11の配合原料をドラムミキサー12に供給する。そして、主焼結原料11の配合原料をドラムミキサー12で混合及び造粒することによって擬似粒子の造粒物13を製造する。主焼結原料群11は、鉄含有原料、副原料、返鉱、ダスト及び炭材を含む。主焼結原料群11は、後述の副焼結原料群21として選択された原料を除いた残りの原料となる。
図3では連結タンデム型のドラムミキサーを配置しているが、複数のドラムミキサーを直列に配置してもよいし、一つのドラムミキサーによる混合及び造粒を行ってもよい。
(副造粒工程)
副造粒工程2では、所定量の副焼結原料群21をホッパ2111からコンベア2112に供給し、コンベア2112上で副焼結原料群21が配合される。コンベア2112は、副焼結原料群21の配合原料を造粒機に供給する。そして、造粒機で副焼結原料11の配合原料を混合及び造粒して擬似粒子の造粒物24を製造する。造粒機は、例えば、高速撹拌ミキサー22と皿型ペレタイザー23をこの順で組み合わせて配置するのがよい。前者は混合撹拌機能が、後者は造粒機能が高い装置であれば、上記の例に限らない。
表2に副焼結原料群21の構成例を示す。副焼結原料群21の混合率は配合原料全体(主焼結原料11及び副焼結原料21の配合原料)の総質量に対して、15質量%~30質量%の範囲が良い。15質量%未満では生産性向上への効果が低く、30質量%を超えると設備能力不足で処理できない可能性がある。
Figure 2022129839000003
副焼結原料群21は、造粒を強化する対象である微粉原料211を主に含む。副造粒工程2において微粉原料211を選択的に造粒強化する。また、それは、主造粒工程1で造粒機として用いられるドラムミキサー12が、微粉原料211の造粒に不向きなためである。
本願発明の特徴は、この微粉原料211が、ヘマタイト系微粉鉱石211aとマグネタイト系微粉鉱石211bとの混合物である点である。さらに、マグネタイト系微粉鉱石211bの混合率は、それとヘマタイト系微粉鉱石211aとの総質量に対して50質量%以上100質量%未満とされている。図2で説明したように、マグネタイト系微粉鉱石211bの混合率を50質量%以上とすることでマグネタイト系微粉鉱石を単独で使用した場合と同等の焼成後強度が得られる。
表2の実施態様1は、マグネタイト系微粉鉱石とヘマタイト系微粉鉱石の混合率をそれぞれ50質量%とした例である。ヘマタイト系微粉鉱石としては、例えば、ブラジル産やカナダ産の精鉱などが挙げられる。マグネタイト系微粉鉱石としては、北米産や南米産やヨーロッパ産やオーストラリア産やアフリカ産の精鉱などが挙げられる。
微粉原料はそれぞれの鉄鉱山にて選鉱処理を経て出荷されることから、鉱物学的特性や処理プロセスに応じた所定の粒度分布を有する。粒度分布の測定手段としては篩通過重量率やレーザー回折・散乱法が挙げられ、評価指標としてはメディアン径(累積50質量%径)、平均粒度などが挙げられる。
上述の基礎的検討結果において、ヘマタイト系微粉鉱石とマグネタイト系微粉鉱石が共に63~125μmのH粗+M粗の組合せの場合は焼成後強度が低かったが、その他の組合せでは十分な強度が得られた。また、H細、M細の組み合わせ、及びH細、M粗の組み合わせでは特に焼成後強度が高くなった。従って本発明に記載の方法では、マグネタイト系微粉鉱石の粒度は、ヘマタイト系微粉鉱石の粒度以下であることが好ましい。また、ヘマタイト系微粉鉱石の好ましい粒度は125μm未満、マグネタイト系微粉鉱石の好ましい粒度は45μm未満である。より好ましくはヘマタイト系微粉鉱石とマグネタイト系微粉鉱石の両方の粒度が45μm未満の場合である。マグネタイト系微粉鉱石の粒度は小さければ小さいほど生産率等が向上する傾向がある。マグネタイト系微粉鉱石のさらに好ましい粒度は15μm以下である。また、いずれの微粉鉱石においても、粒度の下限値に特に制限はない。
副造粒工程2において微粉原料の造粒を促進するために、造粒の核となる粉鉱石(核用鉱石)212を合わせて用いてもよい。微粉鉱石と粉鉱石(核用鉱石)の質量比を1.5/1以上3/1未満(微粉鉱石/粉鉱石)とすると最も造粒後の造粒物の強度が高くなる。核用鉱石としては、通常焼結鉱の製造で使用されるシンターフィード(以下、SFと記す。)であればよい。具体的には、褐鉄鉱系の鉱石が、当該鉱石を造粒核としたときの微粉原料の付着性が強い点で、好ましい。表2に示す実施態様2は、豪州産の褐鉄鉱を核用鉱石として1/3質量%(微粉鉱石及び粉鉱石の総質量に対する質量%)使用した例である。
微粉原料の造粒を促進するために、生石灰などのバインダーを適宜用いることができる。生石灰の場合は副焼結原料の総質量に対して5質量%以下で用いることが好ましい。実施態様3は、実施態様2に加えて生石灰を配合原料全体の総質量に対して0.5質量%(副焼結原料の総質量に対して2.2質量%)使用した例である。
その他、副造粒工程2の配合原料には、微粉原料の造粒を阻害しない範囲で任意の焼結原料を含めることができる。
本発明の実施可能性及び効果を確認するために、図3の造粒処理において、副造粒工程の微粉鉱石の使用割合が、焼結鉱生産性と焼結鉱強度に及ぼす影響を焼結鍋試験で調査した。その結果を実施例として、次に説明する。本発明は、この一実施例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実験装置)
焼結実験に用いた実験装置の主仕様を表3に、実験装置の構成を図4に示す。焼結鍋は、鍋本体とその下部に有する風箱から成る。風箱には熱電対が挿入されており、その温度が最高値を示す時点に基づいて焼結完了点を判定する。風箱には圧力計が挿入されており、鍋下での負圧を計測している。風箱と吸引ブロワとが配管で接続される。その配管には、ガス成分分析計(成分分析装置)につながるガス採取プローブ(成分分析用ポンプ)、および、流速計測用のオリフィス流量計が設けられている。点火炉は点火時には焼結鍋の上部に、焼結時には退避位置に移動可能なように設けられている。原料の造粒に用いる造粒機(図不示)は、主ライン用にドラム型、副ライン用にアイリッヒ型とパン型のバッチ式のものをそれぞれ用意した。
Figure 2022129839000004
(実験方法および条件)
(原料配合)
本実施例においては、ヘマタイト系微粉鉱石211aとしてブラジル産の鉱石H1、マグネタイト系微粉鉱石211bとしてスウェーデン産の鉱石M1をそれぞれ用いた。粒度はレーザー回折・散乱法により測定して平均粒度を算出したところ、それぞれ26μmと19μmだった。
さらに、より細粒のマグネタイト系微粉鉱石を使用した場合の検証例として、オーストラリア産マグネタイト系微粉鉱石M2を用いた。平均粒度は14μmだった。
表4及び表5に、主造粒工程と副造粒工程の原料配合を示す。主造粒工程の原料配合は全て一定とした。副造粒工程におけるマグネタイト系微粉鉱石とヘマタイト系微粉鉱石の混合率を(主焼結原料及び副焼結原料の配合原料の総質量に対して)合計で15.0質量%とし、そのうちのマグネタイト系微粉鉱石の混合率(ヘマタイト系微粉鉱石及びマグネタイト系微粉鉱石の総質量に対する質量%)を、0質量%、25質量%、50質量%、75質量%、100質量%に変更する試験を行った。また、造粒の核となる粉鉱石(核用鉱石)を合わせて用いた。核用鉱石は豪州産の褐鉄鉱(粉鉱石)とした。核用鉱石の混合率は(主焼結原料及び副焼結原料の配合原料の総質量に対して)7.5質量%で一定とした。
Figure 2022129839000005
Figure 2022129839000006
ここで、焼結プロセスにおいては慣例的に、焼成時の副成品として発生し原料として循環再利用される返鉱と、焼成時に燃焼し消失する粉コークス等の炭材は外数で表す。これらを除く、いわゆる新原料の合計が100質量%となり、返鉱、炭材を加えた全原料は119.7質量%となる。
(造粒)
主造粒工程では、主焼結原料、返鉱および粉コークスを、ドラムミキサーに投入し、2分間転動して各原料を混合した。その後、水分量が7.0%になるように、ミキサー内に所定量の水を注水しながら各原料をさらに3分45秒間転動し、造粒を行った。
副造粒工程では、副焼結原料を高速攪拌ミキサーに投入し、水を添加して1分間混合攪拌した。ついで、混合物をパンペレタイザーに1wet-kgで投入していき、排出された造粒物を順次回収した。
ついで、主造粒工程と副造粒工程のそれぞれで製造した造粒物を、前記ドラムミキサーで15秒間軽混合することで、これらの造粒物を合わせた。
(鍋焼成)
前記造粒工程で製造した造粒物(合わせた造粒物)を焼結鍋に装入することで、原料充填層を形成した。ついで、原料充填層の表面を点火し時間計測を開始した。ここに、点火は、風量一定(1.5Nm/min)での下方吸引を継続しながら点火炉で原料充填層の表面を1300℃で1分間加熱することにより行った。点火後、9.8kPaの一定の鍋下負圧で原料充填層を焼成した。焼成終了時点は、排ガス温度(風箱に設置した熱電対で計測)が最大値を示した時間とし、点火開始から焼成終了時点までを焼成時間とした。焼成終了時点から3分後、ブロワを停止し、鍋から焼結ケーキを回収した。なお、熱電対は焼結鍋の中層、下層、鍋下にも配置し、それぞれの温度変化を測定した。
焼成終了後に得られた焼結ケーキは、高さ2mから4回落下させた後、直径5mmの角型の篩で分級し、その篩上を成品焼結鉱として、+5mmの成品歩留を評価した。また、焼成時間と成品歩留から、生産率を算出した。
(実験結果)
試験結果を表6に示す。
生産率は、副造粒工程における微粉原料がヘマタイト微粉のみの比較例1に対して、マグネタイト系微粉鉱石の混合率25質量%の比較例2では変化がなかったが、混合率50質量%の実施例1から向上が認められ、混合率75質量%の実施例2では、概ねマグネタイト微粉のみの参考例に近い値が得られた。
粒度に関しては、マグネタイト系微粉鉱石の混合率50質量%で、より細粒のマグネタイト系微粉鉱石M2を用いた実施例3において、実施例1よりも高い生産率が得られた。
Figure 2022129839000007
(結論)
焼結実験においても、前述の基礎試験の結果が確認された。すなわち、マグネタイト系微粉鉱石の混合率を50質量%以上とすること、さらに粒度に関してはヘマタイト系微粉鉱石と比較してより細粒のマグネタイト系微粉鉱石を配合することで、ヘマタイト系微粉鉱石単独よりも高い生産性が得られることを確認した。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
焼成後の焼結鉱の強度の低下を抑制しつつ、マグネタイト系微粉鉱石を購入容易なヘマタイト系微粉鉱石に置換することが可能な焼結鉱の製造方法に利用することができる。
1:主造粒工程
11:主焼結原料
12:ドラムミキサー
13:12にて製造した造粒物
2:副造粒工程
21:副焼結原料群
211:造粒を強化する対象の微粉原料
211a:ヘマタイト系微粉鉱石
211b:マグネタイト系微粉鉱石
212:核用鉱石
22:高速撹拌ミキサー
23:皿型ペレタイザー
24:22、23にて製造した造粒物
3:主造粒工程と副造粒工程で製造したそれぞれの造粒物
4:焼結機

Claims (3)

  1. 焼結原料を、主焼結原料と微粉鉱石を含む副焼結原料とに分け、前記主焼結原料を混合及び造粒する主造粒工程と、前記副焼結原料を混合及び造粒する副造粒工程とを並列で行い、前記主造粒工程と前記副造粒工程で製造したそれぞれの造粒物を合わせ、前記合わせた造粒物を焼成する焼結鉱の製造方法であって、
    前記副造粒工程に用いられる前記微粉鉱石がマグネタイト系微粉鉱石とヘマタイト系微粉鉱石の混合物であって、前記マグネタイト系微粉鉱石の、前記マグネタイト系微粉鉱石と前記ヘマタイト系微粉鉱石との総質量に対する混合率が50質量%以上100質量%未満であることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 前記マグネタイト系微粉鉱石の粒度は、前記ヘマタイト系微粉鉱石の粒度以下であることを特徴とする、請求項1記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記副焼結原料がさらに粉鉱石を含み、前記微粉鉱石と前記粉鉱石の質量比が1.5/1以上3/1未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
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