JP4746410B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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本発明は、焼結鉱の製造方法に関し、特に焼結原料に配合する多孔質鉄鉱石を事前粉砕処理することで焼結原料の造粒性を改善し、焼結の生産性を向上するための焼結鉱の製造方法に関する。
一般に、高炉製鉄法の主原料として用いられる焼結鉱は、以下のように製造される。
先ず、焼結原料の主原料となる約10mm以下の鉄鉱石粉、焼結返鉱、焼結篩下粉、製鉄ダスト(製鉄ダスト、製鋼ダスト、スケール等)などからなるその他鉄含有原料、石灰石、ドロマイト、転炉スラグ、蛇紋岩、珪石、かんらん岩などの副原料、コークス粉、無煙炭などの炭材を配合後、ドラムミキサー、ペレタイザー等の造粒機で適量水分となるように水分添加量を調節しながら混合、造粒を行い、焼結原料を擬似粒子化した後、焼結機に装入し焼成する。焼成後の焼結ケーキは解砕、整粒して所定粒径の焼結鉱となる。なお、所定粒径より粒径の小さい焼結鉱や高炉までの搬送中に崩壊して生じた焼結粉は、それぞれ焼結返鉱、焼結篩下粉と呼ばれ、焼結原料に配合する鉄含有原料として使用される。
ここで、通常の焼結原料を造粒して得られる擬似粒子は、主に、粒径0.5mm以下の微粉粒子が粒径1〜3mmの核粒子に付着した構造となっており、焼結原料をこのような擬似粒子とすることにより焼結機内の焼結原料充填層(焼結ベッド)中の微粉粒子による通気性悪化を抑制し、焼結機の生産性向上を図ることができる。
また、近年、鉄資源の有効利用の点から、焼結用原料としてペレット用微粉鉄鉱石(ペレットフィード)、マラマンバ鉱石などの微粉割合が高い焼結用粉鉄鉱石、さらに、製鉄プロセスで発生する製鉄ダストを多く配合することが行なわれている。
このような微粉鉄鉱石の割合が高い焼結原料を造粒するために、従来から焼結原料に生石灰などの造粒剤を添加し混練機(ミキサー)で混合した後、ドラムミキサー、さらには、ドラムミキサーに較べて造粒能力が高いディスクペレタイザーなどの造粒能力が高い造粒機を用いて造粒する方法が行なわれている。この造粒方法により得られる微粉割合が高い焼結原料からなるペレット状の造粒物は、比較的密度が高い造粒物となるため、通常の焼結機を用いて焼成する際に、造粒物内部への酸素の拡散が阻害され、内部の炭材の燃焼が遅れる。このため、上記造粒方法(1次造粒)により炭材及び生石灰の含有割合を比較的少なく制限したペレット状の造粒物を得た後、さらに、炭材および生石灰(CaO含有副原料)を添加して、ドラムミキサーまたはディスクペレタイザーによる2次造粒により前記造粒物表面に炭材およびCaO含有副原料を外装し、通常の焼結機を用いて焼成する際に、造粒物表面での炭材の燃焼性を高め、還元性に優れたカルシウムフェライト主体の結合相を生成させる方法も提案されている(例えば非特許文献1、特許文献5〜7、参照)。
焼結原料の造粒処理工程では、焼結原料中の微粉粒子を核粒子の周りに付着させる度合い、つまり、焼結原料の擬似粒化性を向上させるとともに、造粒で得られた擬似粒子が焼結機までの搬送中および焼結ベッドにおいて崩壊し難い擬似粒子の強度を有すること等が求められる。また、一般に、このような焼結原料の擬似粒化性や擬似粒子の強度(崩壊し難さ)は焼結原料の配合原料の性状や粒度構成、特に、焼結原料の主要部分を占める鉄鉱石の性状や粒度構成によって大きく左右されることが知られている。
一方、焼結原料の主要原料である鉄鉱石は、成分、特性が多種多様な銘柄の鉄鉱石が世界には存在し、一般的にはこれらの複数銘柄の鉄鉱石を鉄含有原料として焼結原料中に配合して使用している。このような鉄鉱石のうち、これまで焼結原料として多く使用されてきた良質なヘマタイト鉱石は、世界の鉄鉱石資源をみても枯渇の方向にあり、現状の生産が続くと主要鉱山は近年中にも掘り尽くしてしまうと予測されており、これに替わる銘柄の鉄鉱石の利用が望まれている。
このような中で、近年、将来の主要な焼結用原料として、良質なヘマタイト鉱石に比べて、安価でかつ資源的にも豊富なマラマンバ鉱石が焼結原料として注目されている。
マラマンバ鉱石とは、豪州のマラマンバ鉄鉱床から産出する鉄鉱石の総称であり、ゲーサイト(Fe2O3・H2O)とマータイト(マグネタイト結晶形状を有するFe2O3)を主要鉄鉱物とし、表1に示す産地銘柄名(通称名)でウェストアンジェラス鉱がその代表的な鉄鉱石である。
表1に日本国内で焼結用原料として使用している代表的な鉄鉱石の化学的および物理的な特徴を示す。ウェストアンジェラス鉱石は、豪州のマラマンバ鉄鉱床から産出する主要鉱石(以下、マラマンバ鉱石という)であり、豪州のブロックマン鉄鉱床から産出される主要鉱石であるハマスレー、ニューマンなどの良質なヘマタイト主要鉱石と比較して結晶水(CW)の含有量が5%程度と高いが、その含有量は、一般に高結晶水鉱石として知られる豪州のピソライト鉄鉱床から産出される主要鉱石(以下、ピソライト鉱石という)であるローブリバー、ヤンディなどに比較して低いのが特徴である。また、0.25mm以下の微粉部分が多い粒度分布を有することを特徴とする。マラマンバ鉱石がピソライト鉱と同様に結晶水(CW)の含有量が高い理由は、これらの鉄鉱石の主要鉄鉱物としてゲーサイト(Fe2O3・H2O)を多く含有することに起因する。また、後述するように、マラマンバ鉱石は主要鉄鉱物として、マータイト(マグネタイト結晶形状を有するFe2O3)を多く含有する多孔質構造の鉱物組織であることを発明者らは確認している。
マラマンバ鉱石は資源的に安定供給が可能で、かつ安価な鉄鉱石として焼結原料への適用が検討され、現在、一部焼結原料として使用されている。しかし、マラマンバ鉱石は、主要鉄鉱物として、多孔質構造を有するマータイトを多く含有するため、吸水性が高く、造粒の際の水分添加量が高くなることに加えて、微粉が多い粒度分布を有することに起因して造粒性が悪いという問題があった。また、マラマンバ鉱石の高い吸水性に起因して良好な造粒物を得るために必然的に焼結原料の造粒物の水分含有量が高くなるとともに、マラマンバ鉱石の高い結晶水の含有量にも起因して、焼結原料の充填層内に持ち込まれる水分量が増加するため、焼結時の通気性を悪化させ、炭材の燃焼効率を低下させるため、燃料原単位を悪化させる原因となる。さらに、焼結原料の充填層内に持ち込まれる水分は、焼結原料充填層の上部から下部に向かって炭材が順次燃焼し焼結していく過程で一旦蒸発した後、温度が低い焼結原料層の下部で凝縮し、水分凝縮帯を形成する。この水分凝縮帯においては、装入時の擬似粒子は周囲の多量水分を吸収し、構造変形、崩壊するため、焼結時の焼結原料層全体の通気性を悪化させ、その結果、焼結鉱の生産性や成品歩留を低下させる主な要因となる。
このため、マラマンバ鉱石を焼結原料として使用する場合は、焼結鉱の生産性や成品歩留を維持するために、その配合割合は10%程度以下に制限し、その他の鉄鉱石として良質なヘマタイト主要鉱石を配合して使用しているのが現状である。
しかしながら、上述のように、現在の日本国内で使用する鉄鉱石の主要産出国である豪州でも、ブロックマン鉱床の良質なヘマタイト主要鉱石は枯渇し、ピソライト鉱床、さらには、マラマンバ鉱床へと生産が移行する動きがあり、近い将来マラマンバ鉱石が今後の豪州産鉄鉱石の主力となることが予想される。したがって、マラマンバ鉱石を多量に配合した焼結原料を造粒する際に添加水分量を増加することなく造粒性を向上させることが望まれている。
上記マラマンバ鉱石などの多孔質の鉄鉱石の造粒性低下に起因する問題を解決するために、例えば、特許文献1には「多孔質の鉄鉱石または鏡鉄鉱のような表面が平滑で、かつ緻密な鉱石を焼結原料の一部として使用するに際し、通常の造粒ラインにおけるミキサーによる混合、造粒を行う前に、該多孔質の鉄鉱石または鏡鉄鉱のような表面が平滑で緻密な鉱石を別ラインで各々個別にその物理性状に適した造粒を施し、しかる後他の一般銘柄鉱石と共にミキサーで混合、造粒することを特徴とする焼結原料の予備処理方法」が記載されている。
マラマンバ鉱石などの高結晶水・低脈石鉄鉱石は多孔質で造粒性が他の一般鉄鉱石より劣るので、特許文献1記載のように別ラインで個別にその物理性状に適した造粒を施すことは有効であるが、製造コストの上昇を招くと共に、造粒物全体の強度を大幅に向上できない欠点がある。
また、特許文献2には、「多孔質の鉄鉱石(例えば豪州産マラマンバ鉱石)を焼結原料の一部として用いる際に、通常の造粒ラインにおけるミキサーによる混合、造粒を行なう前に、該多孔質の鉄鉱石を別ラインで含水処理を施し、しかる後他の一般銘柄鉱石と共にミキサーで混合・造粒することを特徴とする焼結原料の予備処理方法」が開示されている。
特許文献2記載のような含水処理を施すことも有効であるが、造粒物全体の強度を大幅に向上することは難しい。また、造粒物中の水分含有量の増加は、マラマンバ鉱石の高い結晶水含有量に加えて、焼結時の焼結原料充填層の水分持ち込み量が増加し、水分凝縮帯の範囲を広げるため、水分凝集帯での擬似粒子崩壊による通気性悪化を招き、焼結鉱の生産性や成品歩留を低下させる主な要因となる。
また、特許文献3には、「焼結原料を混合・造粒して事前処理する造粒ラインを、鉄鉱石・コークス等の主原料群を処理するCaO成分の低い一方の造粒ラインと、その他の鉱石等のその他原料群を処理するCaO成分の高い他方の造粒ラインとの二系列造粒ラインに分けてなり、前記他方の造粒ラインにおけるその他原料群の鉱石に、マラマンバ鉱等の高結晶水の微粉鉱石を使用すると共に、前記両造粒ラインに生石灰を分割添加し、主原料群、およびその他原料群を、生石灰バインダーで造粒することを特徴とする焼結原料の事前処理方法」が記載されている。
特許文献3記載の方法では、複数の鉱石槽に加えて副原料槽、石灰石槽、バインダー槽を新たに設置して事前に造粒するので、新たな造粒処理設備を設置するに等しい極めて大きな設備投資が必要になり、製造コストの上昇を招く。
特許文献4には、軟質/多孔性鉄鉱石を焼結原料の一部として用いる際に、砂糖あるいは糖蜜等の添加剤を添加することで、軟質/多孔性鉄鉱石への水の吸収を抑制する方法が開示されている。
特許文献4記載の方法では、砂糖あるいは糖蜜等の添加剤を添加して使用すると、これらは一般に高価であるために製造コストの上昇を招くと共に、造粒物の強度を大幅に向上できない。また、上記添加剤は焼結原料の造粒時に粘性を高めて造粒物の強度を高める効果はあるものの、焼結時の焼結原料充填層下部で形成される水分凝縮帯において擬似粒子が周囲からの多量水分の吸収を抑制し、擬似粒子の崩壊を抑制する効果は低いため、焼結時の通気性悪化を招き、焼結鉱の生産性や成品歩留を低下させる主な要因となる。
また、特許文献8には、結晶水を多く含有するリモナイト鉱石などを石灰粉やスケールとともに混合し、リグニンスルホン酸を有効成分として含むパルプ廃液を添加して造粒した後、残りの原料と混合し、その後再度造粒する方法が開示されており、マラマンバ鉱石の使用が例示されている。
特許文献8記載の方法では、リグニンスルホン酸の造粒性の向上効果は十分ではないため、マラマンバ鉱石を多く配合した場合、生産性が著しく低下することになる。
また、従来のマラマンバ鉱の使用例としては、日本鋼管(株)福山製鉄所においてHPS法(非特許文献1)の適用により多量のマラマンバ鉱を使用した実績はあるが、特許文献5、特許文献6および特許文献7等で開示されるHPS法は、造粒工程に皿型造粒設備を導入し、従来以上の石灰石を添加することで粒径の小さい微粉鉱石の多量使用を可能とした技術であり、既設のドラムミキサーを中心とする造粒を考慮した方法ではない。また、既設焼結機への皿型造粒設備の導入には莫大な設備投資及びランニングコストを要するものである。
特開昭52−49905号公報(公開日1977年4月21日) 特開昭52−49906号公報(公開日1977年4月21日) 特開平5−9601号公報(公開日1993年1月19日) 特表平10−502417号公報(公開日1998年3月3日) 特開昭63−149333号公報(公開日1988年6月22日) 特開昭63−149334号公報(公開日1988年6月22日) 特開昭63−149336号公報(公開日1988年6月22日) 特開平5−25556号公報(公開日1993年2月2日) 坂本登、外4名,「高炉用新塊成鉱の製造条件に関する基礎的検討及び品質の評価」,鉄と鋼,社団法人 日本鉄鋼協会,第73年(1987)第11号,p62
以上の特許文献等で開示されているような従来の焼結原料の造粒処理方法では、他の鉱石に比べて造粒性が悪いマラマンバ鉱石を多量に配合した焼結原料への適用は困難であり、実用性は低いものである。
本発明は、安価でかつ資源的にも豊富なマラマンバ鉱石などの多孔質鉄鉱石を焼結原料として多量に使用する際に、特殊な設備を用いた事前造粒等を必要とせずに、少ない水分添加量で焼結原料の造粒性を向上し、かつ焼結時の通気性を改善させ、焼結鉱の成品歩留および生産性を良好に維持できる焼結鉱の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る焼結原料及び焼結鉱の製造方法は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を備えている。
(1)鉄含有原料、副原料、および、炭材からなる焼結原料を焼結機に装入し焼結する焼結鉱の製造方法において、前記焼結原料のうちの少なくとも鉄含有原料を混合、造粒する前に、該鉄含有原料に配合された鉄鉱石のうち、少なくとも水銀圧入法で測定される微細気孔量が0.05cc/g以上である多孔質鉄鉱石を、該多孔質鉄鉱石中の粒径45μm以下の微粉が15%以上含有する粒度となるように粉砕することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
(2)前記多孔質鉄鉱石は、粉砕する前に2〜7mmの篩目で篩分けし、該多孔質鉄鉱石の篩下を粉砕することを特徴とする請求項1記載の焼結鉱の製造方法。
(3)前記多孔質鉄鉱石の粉砕は、該多孔質鉄鉱石以外の粒径3mm以下の鉄鉱石、および、副原料とともに行うことを特徴とする上記(1)または(2)記載の焼結鉱の製造方法。
(4)前記多孔質鉄鉱石以外の粒径3mm以下の鉄鉱石は、ペレット用微粉鉄鉱石であることを特徴とする上記(3)記載の焼結鉱の製造方法。
(5)前記多孔質鉄鉱石は、マラマンバ鉱石、高燐ブロックマン鉱石、ピソライト鉱石、低隣ブロックマン鉱石の1種または2種以上からなることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
(6)前記混合、造粒は、水を添加してドラムミキサーで混合と造粒を行うことを特徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
(7)前記混合、造粒は、水とともに分散剤を添加してドラムミキサーで混合と造粒を行うことを特徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
(8)前記混合、造粒は、水とともに分散剤を添加して混練機で混合した後、ドラムミキサー、ディスクペレタイザー、または、パンペレタイザーのいずれかで造粒を行うことを特徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
(9)前記造粒において、水、または、水と分散剤を添加することを特徴とする上記(8)に記載の焼結鉱の製造方法。
(10)前記混合、造粒は、水とともに分散剤を添加して混練機で混合し、ドラムミキサー、ディスクペレタイザー、または、パンペレタイザーのいずれかで1次造粒し、さらに、該造粒物に炭材または炭材とCaO含有副原料を添加し、ドラムミキサー、ディスクペレタイザー、または、パンペレタイザーのいずれかで2次造粒することで前記造粒物表面に炭材または炭材とCaO含有副原料を外装することを特徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
(11)前記1次造粒または2次造粒の何れかかまたは両方において、水、または、水と分散剤を添加することを特徴とする上記(10)に記載の焼結鉱の製造方法。
(12)前記混練機としてレディゲミキサーを用いることを特徴とする上記(8)〜(11)の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
(13)前記混練機で混合する際に、炭材およびCaO含有副原料の1種または2種を添加することを特徴とする上記(10)〜(12)の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
(14)前記分散剤は、前記混合、造粒する少なくとも鉄含有原料を含み、かつ炭材を除いた焼結原料の合計量に対して0.001質量%〜1質量%の範囲で添加することを特徴とする特徴とする上記(7)〜(13)の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
(15)前記分散剤と、前記混合、造粒する少なくとも鉄含有原料を含み、かつ炭材を除いた焼結原料を混合した後、該混合組成物を100mlのメスシリンダーに固形分で10gとなるように採取し、これに全量で100mlとなるようにイオン交換水を加えて10秒間攪拌した後、10分間放置後に水中に浮遊している微粒子の量が、前記混合組成物の固形分の2重量%以上となるように、前記混合、造粒する少なくとも鉄含有原料を含み、かつ炭材を除いた焼結原料の合計量に対する前記分散剤の添加量を調整することを特徴とする上記(14)記載の焼結鉱の製造方法。
(16)前記分散剤が酸基および/またはその塩を有する高分子化合物であることを特徴とする上記(7)〜(15)の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
安価でかつ資源的にも豊富なマラマンバ鉱石などの多孔質鉄鉱石を焼結原料として多量に使用して焼結鉱を製造する際に、特殊な設備を用いた事前造粒等を行なわずに、少ない水分添加量で焼結原料の造粒性および付着力を向上でき、その結果、焼結時の通気性を改善させ、焼結鉱の成品歩留および生産性を向上させることができる。
まず、本発明の技術思想について説明する。
従来から磁鉄鉱や赤鉄鉱に比べて褐鉄鉱は多孔質構造のため、吸水性が高く、適正な造粒を行うために必要な水分も増加する傾向があることは知られている。発明者らは、日本国内で焼結原料として使用される代表的な鉄鉱石銘柄の微細気孔量、吸水性、および、造粒性を測定し、鉄鉱石の微細気孔量や吸水性が造粒性に与える影響について調査検討した。
図10は各種鉄鉱石の微細気孔量と吸水性の関係を示す図であり、図11は各種鉄鉱石の吸水性とGI値(擬似粒子化指数)の関係を示す図である。
なお、鉄鉱石中の微細気孔量は、気孔径が0.1〜10μm程度の微細気孔量を水銀圧入式ポロシメータを用いて測定したものである。
また、鉄鉱石の吸水性は、200gの鉄鉱石の試料を水に20分間浸漬した後、遠心分離機で15分間800rpmで回転させ、鉱石試料中に残留した水分量を鉄鉱石の質量当りにの水分量に換算した値である。
また、鉄鉱石のGI値(擬似粒子化指数)とは、下記式で求められる疑似粒化の評価指数の一つであり(例えば、製鉄研究288号(1976)9頁、参照)、核粒子の表面に付着する微粉粒子の割合を示す。このGI値が大きいほど、微粉粒子を核粒子の表面に付着させる効果に優れ、焼結層の通気性を良好に維持し、焼結鉱の生産性を向上させることができる。鉄鉱石の疑似粒化のために添加する水分量は7%(一定)で行なった。
GI(%)=(造粒前の0.25mm以下の原料の比率−造粒後の0.25mm以下の原料の比率)/(造粒前の0.25mm以下の原料の比率)×100
図10から鉄鉱石中の微細気孔量の増加とともに鉄鉱石の吸水性は増加し、図11から鉄鉱石の吸水性の増加とともに鉄鉱石のGI値(擬似粒子化指数)は低下することが判る。また、これらの図から、鉄鉱石中の微細気孔量が0.05cc/gを超える場合には、鉄鉱石の吸水性は5(g−H2O/g−Ore)以上となり、添加水分量が一定(7%)の条件では水分が鉄鉱石中の微細気孔に奪われるため、適正な造粒に寄与する水分量が低下する結果、鉄鉱石のGI値(擬似粒子化指数)で80以下にまで造粒性は低下する。
図10および図11において、微細気孔量が0.05cc/g未満の鉄鉱石は、例えば、リオドセ(ヘマタイト鉱石、図10中H1)、カラジャス(ヘマタイト鉱石、図10中H2)が該当し、微細気孔量が0.05cc/g以上の鉄鉱石は、マウントニューマン(ヘマタイト鉱石、図10中H3)、ヤンディ(ピソライト鉱石、図10中P1)、ローブ(ピソライト鉱石、図10中P2)、MAC(マラマンバ鉱石、図10中M1)、ウェストアンジェラス鉱石(マラマンバ鉱石、図10中M2)、サルガオンカ(ゲーサイト鉱石、図10中G)が該当する。
なお、微細気孔量が0.05cc/g以上の多孔質鉄鉱石を焼結原料として用いて造粒する場合に添加水分量を増加し、造粒に有効に寄与する水分を確保することによって、ある程度までは造粒性を改善することはできる。しかし、造粒時の添加水分量の増加は、造粒物を焼結する際に水分の蒸発潜熱の増加に起因して燃料原単位を悪化するだけでなく、焼結原料充填層の燃焼帯下方に形成される水分凝縮帯の範囲を拡げ、水分凝縮帯において擬似粒子が周囲からの多量水分を吸収し、擬似粒子が崩壊することより、焼結時の通気性悪化を招き、焼結鉱の生産性や成品歩留を低下させる原因となる。
本発明者らは、上記の各鉄鉱石の微細気孔量及び吸水性の造粒性(GI値)への影響を踏まえ、添加水分量が一定の条件で造粒する場合にGI値(擬似粒子化指数)の造粒性の低下が著しい微細気孔量が0.05cc/g以上である多孔質鉄鉱石を対象とし、当該鉄鉱石を焼結原料として使用する場合の造粒性を向上させるための方法を検討した。
本発明者らは、図10に示すようにマラマンバ鉱石などの多孔質鉄鉱石が造粒性(GI値)が低い大きな原因が、これらの鉄鉱石は微細気孔量が多く、吸水性を高めることにあると考え、これらの鉄鉱石の多孔質組織構造を破壊するための事前粉砕処理について検討した。
従来、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石などの多孔質鉄鉱石を焼結原料として使用する場合は、粒径0.5mm以下の微粉粒子が多くなると、粒径1〜3mmの核粒子が相対的に少なくなり、擬似造粒子化は困難となるため、マラマンバ鉱石やピソライトなどの多孔質鉄鉱石を粉砕することは、焼結原料の造粒性を悪化させ、焼結時の通気性および生産性を低下させると考えられ、採用されていなかった。
特にマラマンバ鉱石は、表1に示されるようにピソライト鉱石と同様に高結晶水鉄鉱石であることに加えて、ピソライト鉱石に較べて0.25mm以下の微粉粒子を多く含有するため、焼結原料の造粒性および焼結時の通気性を維持するために、焼結原料への配合割合を低く制限されていた。
しかし、発明者らの検討によれば、マラマンバ鉱石などの多孔質鉄鉱石は、主要鉄鉱物として、多孔質構造組織(マータイト組織(マグネタイト結晶形状を有するFe2O3)など)を多く含有し、このような多孔質鉄鉱石を粉砕処理すると、多孔質構造組織が選択的に粉砕されて微粒子化され、それ以外の鉱物組織は粉砕されず残存することが判った。また、マータイト組織などの多孔質鉄鉱石が粉砕される際には構造的に脆弱な気孔部分から破壊され、その破壊後の粒子は、非常に粒径小さい超微細粒子となることを確認した。
図1に、多孔質鉄鉱石であるマラマンバ鉱石(微細気孔量:0.091(cc/g)のウェストアンジェラス鉱石)の粉砕前(図1(a):粒径45μm以下が12%)と、粉砕後(図1(b):粒径45μm以下が20%)のそれぞれについて顕微鏡観察をした際の断面組織写真を示す。また、図2は、図1の粉砕前および粉砕後のマラマンバ鉱石中のマータイト組織(多孔質構造組織)について高倍率で顕微鏡観察した際の断面組織写真を示す。
粉砕前の多孔質鉄鉱石試料(図1(b))には、大きさが50−100μmの多孔質構造を有するマータイト組織(図中M)が多く観察されるのに対し、粉砕後の同試料(図1(b))では、粉砕前の多孔質構造を有するマータイト組織(図1(a)中M)が破砕されて微細なマータイト組織(図1(b)中M1)となることが判る。つまり、マラマンバ鉱石などの多孔質鉄鉱石を粉砕処理することにより、吸水性を高め、造粒性を低下させる原因となる多孔質構造組織(マータイト組織など)を選択的に粉砕し微細化しつつ、良好な擬似粒子化を行なうために必要な核粒子(粒径1〜3mm)は維持できることが判った。
また、図2から判るように、多孔質構造組織(マータイト組織)が粉砕される際には、構造的に脆弱な気孔部分から破壊され、その破壊後の粒子は、粒径45μm以下の粒径が非常に小さい超微粒子が多く生成されることが判った。一般に擬似粒子を構成する核粒子(粒径1〜3mm)の周囲に付着する微粉粒子は粒径0.5mm以下であることが知られ、粒径が0.5〜1mmの中間粒子は擬似粒子を構成する上での寄与が少ないと考えられる。
また、発明者らの検討によれば、粒径0.5mm以下の微粒子の中でも、特に粒径45μm以下の超微粒子は、水分中での分散性が高いため、造粒時に少ない添加水分で容易に移動し核粒子と有効かつ効率的に付着することができ、さらに、当該超微粒子が水分中で均一分散する際に水の凝集力を高めるため、擬似粒子化性および付着力が向上することがわかった。
なお、超微粒子の水分中での分散性は、粒径が小さいほど高く、粒径10μm以下の超微粒子は、さらに水分中での分散性が高い。
また、発明者らの検討によれば、粒径45μm以下の超微粒子一部は、水中で互いに凝集してクラスター化し、見かけ上の粒径が大きいものとして存在するが、水中での分散性を高める作用を有する分散剤を添加することにより、クラスター化していた超微粒子は乖離し、上記超微粒子の作用により向上する水分中で均一に分散するため、擬似粒子化性および付着力はさらに向上することも確認している。
なお、従来から造粒時に添加水分の粘性を高めるために添加していた糖蜜など(例えば特許文献4、参照)の造粒添加剤は、逆に粒径45μm以下の超微粒子の水分中での分散性を阻害するため好ましくない。
図3は、図1および図2に示した多孔質鉄鉱石であるマラマンバ鉱石を粉砕後、水分(7%)を添加して造粒して得られた造粒物(図3(a))および水分(7%)と分散剤(ポリアクリル酸ナトリウム(PA):0.04%)を添加して造粒して得られた造粒物の表面を顕微鏡観察した際の顕微鏡写真を示す。図3から多孔質鉄鉱石であるマラマンバ鉱石を粉砕することにより、当該鉱石中の多孔質構造組織(マータイト組織)が選択的に粉砕する際に生成された粒径45μm以下の超微粒子は水分中での分散性が高いため、水分中で容易に移動し、粉砕されずに残存した粒径1〜3mmの核粒子の周囲に凝集し付着し、かつ付着粉を構成する微粉粒子間、微粉粒子と核粒子との付着力を高めることにより、強固な擬似粒子が生成されることが判る。また、造粒時に水分と分散剤を添加することにより、粒径45μm以下の超微粒子の水分中での分散性の向上効果はより高まる結果、水分添加のみによる造粒物に比べ、超微粒子が核粒子周囲に移動し凝集することにより、より強固な擬似粒子が生成されることが判る。
本発明は、以上の知見および技術思想を基になされたものであり、鉄含有原料、副原料、および、炭材からなる焼結原料を焼結機に装入し焼結する焼結鉱の製造方法において、前記焼結原料のうちの少なくとも鉄含有原料を混合、造粒する前に、該鉄含有原料に配合された鉄鉱石のうち、少なくとも水銀圧入法で測定される微細気孔量が0.05cc/g以上である多孔質鉄鉱石を粒径45μm以下の微粉が所定量以上となるように粉砕処理することを特徴とする。これにより、焼結原料の造粒性を低下させる微細気孔量が0.05cc/g以上である多孔質鉄鉱石に多く含有する多孔質構造組織を選択的に破壊し吸水性を抑制するとともに、擬似粒子化に必要な核粒子を残存しつつ少ない添加水分でも分散性が高く、水分の凝集力を高める作用をもつ粒径45μm以下の超微粉粒子を増加させることができ、焼結原料の造粒性および付着力を格段に向上することができる。
また、上記粒径45μm以下の超微粉粒子の添加水分中での分散性をより向上させ、少ない添加水分でより有効かつ効率的に焼結原料の造粒性及び付着力を向上させるために、造粒時に水分とともに粒径45μm以下の微粉粒子の水分中での分散性を高める作用を有する分散剤を添加することが好ましい。
以下に本発明の詳細について説明する。
本発明は、焼結原料の造粒性を低下させる微細気孔量が0.05cc/g以上である多孔質鉄鉱石を粉砕する際に、該鉄鉱石中の多孔質構造組織を選択的に破壊し吸水性を抑制するとともに、擬似粒子化に必要な核粒子を残存しつつ少ない添加水分でも分散性の高い粒径45μm以下の超微粉粒子を増加させることにより、焼結原料の造粒性を向上させる必要がある。
本発明者らは、多孔質鉄鉱石であるマラマンバ鉱石(微細気孔量:0.091(cc/g)のウェストアンジェラス鉱石)を粉砕後、該粉砕物に水分を添加して造粒する際に、粉砕後の粒径45μm以下の超微粉粒子の含有量および造粒時の添加水分量を変化させて、造粒物の付着力および擬似造粒化性(GI値)の測定結果から、多孔質鉄鉱石の最適な粉砕条件を検討した。
図4は多孔質鉄鉱石であるマラマンバ鉱石(微細気孔量:0.091(cc/g)のウェストアンジェラス鉱石))を造粒する際の添加水分量及び粉砕後の粒径45μm以下の微粉含有量と造粒物の付着力との関係を示し、図5は同造粒時の添加水分量及び粉砕後の粒径45μm以下の微粉含有量と造粒物の擬似造粒化性(GI値)との関係を示す。
なお、図4の造粒物の付着力は、引張破断法により測定した。
図4および図5から、造粒物の付着力および擬似造粒化性(GI値)がほぼ最大となる添加水分量が5〜7%の条件で比較すると、多孔質鉄鉱石の粉砕後の粒径45μm以下の微粉粒子の含有量が増加するとともに、造粒物の付着力および擬似造粒化性(GI値)は向上することが判る。通常、焼結時に通気性を良好に維持し、焼結鉱の生産性および成品歩留を確保するために必要とされる造粒物の付着力は30g/cm2以上であり、擬似造粒化性(GI値)は80%以上である。また、造粒時の添加水分量の増加は、造粒物を焼結する際に水分の蒸発潜熱の増加に起因して燃料原単位を悪化するだけでなく、焼結原料充填層の燃焼帯下方に形成される水分凝縮帯の範囲を拡げ、水分凝縮帯において擬似粒子が周囲からの多量水分を吸収し、擬似粒子が崩壊することにより、焼結時の通気性悪化を招き、焼結鉱の生産性や成品歩留を低下させる原因となるため、できる限り少ない添加水分で造粒することが好ましい。
したがって、図4及び図5の検討結果を基に、本発明では、造粒時の添加水分量5%と比較的少ない水分でも付着力が40g/cm2以上で、擬似造粒化性(GI値)が80%以上となる、強度および造粒性に優れた造粒物が製造できる粉砕条件として、0.05cc/g以上である多孔質鉄鉱石を粉砕後に、粒径45μm以下の微粉含有量が15%以上となるような条件に限定した。
これにより、焼結原料の造粒性を低下させる原因となる多孔質構造組織(マータイト組織など)を選択的に破壊し吸水性を抑制するとともに、少ない添加水分でも分散性の高い粒径45μm以下の微粉粒子を増加させ、核粒子への付着力および擬似造粒子化性(GI値)を向上することができ、焼結時の通気性、生産性及び成品歩留を向上することができる。
次に、図6〜図9を用いて本発明の実施形態を説明する。
図6は、鉄含有原料、副原料、および、炭材からなる焼結原料を混合、造粒する焼結鉱の製造において、前記混合、造粒する前に、前記鉄含有原料に配合された鉄鉱石のうち、水銀圧入法で測定される微細気孔量が0.05cc/g以上である多孔質鉄鉱石を粉砕してこの多孔質鉄鉱石中の粒径45μm以下の微粉が15%以上含有する粒度とする場合の実施形態を示す。
図6に示されるように、先ず、水銀圧入法で測定される微細気孔量が0.05cc/g以上である多孔質鉄鉱石1は、多孔質鉄鉱石1以外のその他鉄含有原料、副原料、および、炭材3と混合、造粒する前に、例えばローラプレス、ボールミル等の粉砕機2を用いて予め粉砕して粉砕物とする。粉砕機の種類および粉砕条件は特に限定する必要はなく、上記本発明で規定する微細気孔量が0.05cc/g以上である多孔質鉄鉱石中の粒径45μm以下の微粉が15%以上含有する粒度となるように粉砕できれば、本発明の目的および効果を達成することができる。例えば、前記の図1に示されたマラマンバ鉱石(微細気孔量:0.091(cc/g)のウェストアンジェラス鉱石)の粉砕前および粉砕後の顕微鏡写真の例では、粉砕機にローラプレスを用い、粒径125mm以下を粒径45μm以下を12%含有するマラマンバ鉱石をロール幅当たり15〜35KN/cm程度の圧力を加えながら、粉砕処理を行うことにより、粒径45μm以下を20%含有する粉砕物とした。
前記多孔質鉄鉱石1の粉砕物は、多孔質鉄鉱石1以外のその他鉄含有原料、副原料、および、炭材3とともに造粒機4に供給して混合、造粒した後、焼結機5を用いて焼結を行うことで焼結鉱とすることが出来る。
なお、図6に示した実施形態は、前記多孔質鉄鉱石1の粉砕物は、これ以外のその他鉄含有原料、副原料、および、炭材3とともに混合、造粒する例を示したが、焼結原料のうち、副原料および炭材は、必ずしも混合、造粒する必要はない。つまり、前記多孔質鉄鉱石1の粉砕物と、これ以外のその他鉄含有原料を混合、造粒した後、副原料および炭材を添加して、造粒機4で焼結する場合、または、前記多孔質鉄鉱石1の粉砕物と、これ以外のその他鉄含有原料と、副原料を混合、造粒した後、炭材を添加して、造粒機4で焼結する場合でも、前記多孔質鉄鉱石1の粉砕により、上述した本発明の目的および効果が発揮される。
また、前記多孔質鉄鉱石1の粉砕は、当該多孔質鉄鉱石1のみを単独で粉砕機2で粉砕する場合の他、前記多孔質鉄鉱石1と、これ以外の鉄含有原料、さらには、副原料を一緒に粉砕機2で粉砕する場合でも、本発明で規定する、前記多孔質鉄鉱石を、該多孔質鉄鉱石中の粒径45μm以下の微粉が15%以上含有する粒度となるように粉砕することで、上述した本発明の目的および効果が発揮される。
焼結原料を混合、造粒するために用いられる造粒機4としては、一般に焼結鉱プロセスで広く用いられているドラムミキサーや、さらには、パンペレタイザー、ディスクペレタイザーなどの造粒能力が高い造粒機が用いられる。図6に示めすように上記多孔質鉄鉱石1の粉砕物、その他鉄含有原料、副原料、および、炭材3に水を添加して1台の造粒機4のみで良好な混合、造粒を行なうためには、造粒機4としてドラムミキサーを用いることが好ましい。
また、上記混合、造粒の際に水とともに分散剤を添加することにより、上記多孔質鉄鉱石1の粉砕物中に含有する粒径45μm以下の超微粉粒子の水分中での分散性を高めることができ、焼結原料の造粒性および付着力がさらに向上するため好ましい。
本発明において、上記分散剤とは、焼結原料の造粒時に水とともに添加することで、粉砕物中に含有する粒径45μm以下の超微粉粒子の水分中での分散性を促進させる作用を有するものであればよく、無機化合物、有機化合物、低分子化合物あるいは高分子化合物に限らず、特に限定されるものではない。
本発明において、上記分散剤の効果、つまり、造粒時に前記多孔質鉄鉱石の粉砕物中に含有する粒径45μm以下の微粉粒子の水分中での分散性を促進させ、焼結原料の造粒性および付着力を向上させる効果を得るためには、前記分散剤は、前記混合、造粒する少なくとも鉄含有原料を含み、かつ炭材を除いた焼結原料、例えば、図6に示す場合は、多孔質鉄鉱石1の粉砕物、その他鉄含有原料、および、副原料の合計量に対して0.001質量%〜1質量%の範囲で添加することが好ましい。本発明において、分散剤の使用量は、用いる分散剤の種類並びに使用する製鉄用原料の種類や組み合わせに応じて、前記した分散微粒子量が得られるように適宜設定すればよく、特に限定されるものではないが、製鉄用原料に対し、0.001重量%以上、1重量%以下の範囲内が好ましく、0.005重量%以上、0.5重量%以下の範囲内がより好ましい。上記分散剤の使用量が0.001重量%よりも少ない場合は分散剤の効果が発揮されず、擬似粒化性及び付着力が十分に向上しない。また、分散剤を1重量%以上使用すると、粘性が高くななり、結果的に造粒がうまく行かないことがあるため好ましくない。
本発明者らは、焼結原料中に含有する200μm以下、特に粒径45μm以下の超微粒子、さらには粒径10μm以下の超微粒子が水分中に均一に分散することで造粒時に添加水分の凝集力を高め、擬似粒子化性および付着力が向上することを実験的に確認し、この超微粒子の水分中での分散し易さを評価するための分散性試験を既に提案している。
この分散性試験は、焼結原料を所定の割合で水に分散させ、所定時間経過後、水中に浮遊(分散)している微粒子の量(分散微粒子量)を測定する方法であり、このときの分散微粒子量が、水に分散させた上記焼結原料の合計に対して2重量%以上となる場合に擬似粒化性および付着力が向上することを確認している。
上記分散性試験は、具体的には、以下の方法により実施される。先ず、焼結原料を100mlのメスシリンダーに固形分で10gとなるように採取し、これに全量で100mlとなるようにイオン交換水を加えて10秒間撹拌した後、10分間放置後に水中に浮遊(分散)している微粒子の量(分散微粒子量)を測定する。焼結原料中に含有する粒径の大きな粒子や分散安定化していない粒子は10分間放置する間に沈降するため、10分間放置後の分散液を全て抜き取り、この残りの沈降堆積した粒子を110℃の乾燥機を用いて蒸発乾固させ、その乾燥重量を測定し、減量分を計算することで、上記分散液中に浮遊(分散)していた微粒子の重量(分散微粒子量)が求められる。
この分散性試験により、本発明における上記多孔質鉄鉱石の粉砕物中に含有する粒径45μm以下の微粉粒子の水分中での分散性を評価することができる。
したがって、本発明において、上記分散剤の添加による造粒性向上効果をより確実なものとするためには、上記分散性試験、つまり、分散剤と、前記混合、造粒する少なくとも鉄含有原料を含み、かつ炭材を除いた焼結原料、例えば、図6に示す場合は、多孔質鉄鉱石1の粉砕物、その他鉄含有原料、および、副原料とを混合した後、該混合組成物を100mlのメスシリンダーに固形分で10gとなるように採取し、これに全量で100mlとなるようにイオン交換水を加えて10秒間攪拌した後、10分間放置後に水中に浮遊している微粒子の量を測定し、該微粒子の量が前記混合組成物の固形分の2重量%以上となるように、前記混合、造粒する少なくとも鉄含有原料を含み、かつ炭材を除いた焼結原料、例えば、図6に示す場合は、多孔質鉄鉱石1の粉砕物、その他鉄含有原料、および、前記副原料の合計量に対する前記分散剤の添加量を調整することが望ましい。
また、本発明における上記分散剤として、酸基および/またはその塩を有する高分子化合物が好適である。この中でも、カルボキシメチルセルロース(CMC)、リグニン(LG)、重量平均分子量が1000以上、10万以下のポリアクリル酸ナトリウム(PA)またはポリアクリル酸アンモニウムが微粒子の分散性が高く、価格的にも安価なため、最も好適に使用できる。
また、図6に示された本発明の実施形態は、多孔質鉄鉱石1の粉砕物、その他鉄含有原料、副原料、および、炭材3に水、好ましくは水と分散剤を添加して1台の造粒機4、好ましくはドラムミキサーで混合、造粒する例を示した。本発明では、焼結原料のうちの少なくとも鉄含有原料、例えば、図6に示す場合は、多孔質鉄鉱石1の粉砕物、その他鉄含有原料、副原料、および、炭材3に、水とともに分散剤を添加して混合、造粒する場合には、多孔質鉄鉱石1の粉砕物中に含有する粒径45μm以下の超微粉粒子と分散剤および水を焼結原料中で均一化させ、造粒機4による造粒の際に粒径45μm以下の超微粉粒子の水分中での分散性を高め、焼結原料の造粒性および付着力を向上させるために、造粒機4の前に混練機を設けてもよい。この場合、造粒時に粒径45μm以下の超微粉粒子の水分中での分散性を高めるためには、分散剤は少なくとも混練機で混合する際に、水とともに添加する必要がある。さらに、造粒機4で造粒する際に、水、または、水と分散剤を添加することは、前記粒径45μm以下の超微粉粒子による効果を向上させるために好ましい。
混練機としては、レディゲミキサー、ドラムミキサーが用いられる。造粒機4としてドラムミキサーを用い、この造粒機4の前に混練機を設ける場合は、ドラムミキサーは造粒専用として使用することができる。この場合、造粒機4としてドラムミキサーを用い、この造粒機4の前に混練機としてドラムミキサーを設けること、つまり、2台のドラムミキサーを直列に設けて、先のドラムミキサーを混合専用として使用し、後のドラムミキサーを造粒専用として使用することも勿論可能である。
また、焼結原料中にペレット用微粉鉄鉱石(ペレットフィード)や製鉄ダストなどの微粉鉄原料を多く配合し、0.5mm以下の微粉粒子の含有量が多い焼結原料を造粒する場合には、造粒機4を2台以上直列にして造粒を強化してもよい。この場合の好ましい実施形態は後述する図8で説明する。
また、本発明において、上記多孔質鉄鉱石1は、水銀圧入法で測定される微細気孔量が0.05cc/g以上ある多孔質鉄鉱石であり、この条件に該当する鉄鉱石であれば、鉄鉱石銘柄によらず、本発明における粉砕対象とすることができる。前記微細気孔量が0.05cc/g以上ある多孔質鉄鉱石に該当する鉄鉱石としては、例えば、前記の図10に示される、マウントニューマン(低隣ブロックマン(ヘマタイト鉱石)、図10中H3)、ヤンディ(ピソライト鉱石、図10中P1)、ローブ(ピソライト鉱石、図10中P2)、MAC(マラマンバ鉱石、図10中M1)、ウェストアンジェラス鉱石(マラマンバ鉱石、図10中M2)、サルガオンカ(ゲーサイト鉱石、図10中G)の他、高燐ブロックマン鉱石(ヘマタイト鉱石)、ヘマタイトとマラマンバ鉱石をブレンドしているハマスレーの鉱石などが該当する。
上記のその他鉄含有原料は、本発明において、事前粉砕処理の対象とする上記多孔質鉄鉱石1以外の鉄鉱石、つまり、水銀圧入法で測定される微細気孔量が0.05cc/g未満である鉄鉱石、焼結返鉱、焼結篩下粉、および、製鉄ダストのうちの1種または2種以上からなるものが好ましい。ここで、焼結返鉱および焼結篩下粉は、焼結プロセスで製造された焼結鉱のうちで、所定サイズより小さく成品とならない粉状焼結鉱、および、成品焼結鉱を高炉まで搬送する過程で崩壊した粉状焼結鉱を意味する。また、製鉄ダストとは、製鉄プロセスで発生した製鋼ダストやミルスケールなどの鉄分含有ダストを意味する。
また、本発明の他の実施形態として、図7に示すように、粉砕機2の前に篩6を配置し、上記多孔質鉄鉱石1を粉砕する前に2〜7mmの篩目で篩い分けし、前記多孔質鉄鉱石の篩下(2〜7mmの篩目以上の粒径)を粉砕機2で粉砕し、粒径45μm以下の微粉が15%以上含有する粒度の粉砕物とし、前記多孔質鉄鉱石の篩上(2〜7mmの篩目以上の粒径)は、そのままの状態で、それぞれ、その他の鉄含有原料、副原料、および、炭材3に配合し、造粒機4に供給して混合、造粒した後、焼結機5を用いて焼結を行うことも出来る。この実施形態によれば、粉砕機2の負荷の軽減が図られることに加え、造粒時に擬似粒子を構成する上での寄与が少ない粒径が0.5〜1mmの中間粒子を粉砕し、粒径45μm以下の微粉粒子を増加することで焼結原料の擬似粒子化性および付着力を向上するために好ましい。図7に示す実施形態として、2未満の篩目で篩い分けした場合にも上記効果は得られるが、篩目が2未満になると、篩い分けする際に、目詰まりが発生し、篩い分けの歩留が低下するか、或いは、作業効率が低下するため、好ましくない。一方、7mm超の篩目で篩い分けした場合には、上記効果は得られなくなる。
また、図7に示す実施形態における前記多孔質鉄鉱石の篩下(2〜7mmの篩目以上の粒径)を粉砕する場合に、該多孔質鉄鉱石以外の平均粒径3mm以下の鉄鉱石、および、副原料を粉砕機2に供給し、一緒に粉砕することも可能である。この実施形態は、多孔質鉄鉱石、該多孔質鉄鉱石以外の平均粒径3mm以下の鉄鉱石、および、副原料の内で、造粒時に擬似粒子を構成する上での寄与が少ない粒径が0.5〜1mmの中間粒子を粉砕し、粒径45μm以下の微粉粒子を増加することで焼結原料の擬似粒子化性および付着力を向上するために好ましい。なお、前記多孔質鉄鉱石以外の平均粒径3mm以下の鉄鉱石としては、ペレット用微粉鉄鉱石(ペレットフィード)が好ましい。
また、本発明の他の実施形態として、図8に示すように、多孔質鉄鉱石1を粉砕機2で粒径45μm以下の微粉が15%以上含有する粒度となるように粉砕し、この粉砕物を、多孔質鉄鉱石1以外のその他鉄含有原料、および、副原料9と配合し、混練機7に供給して水と分散剤を添加して焼結原料中に水と分散剤が均一になるように混合した後、1段目の造粒機4−1に供給して1次造粒し、造粒物とする。さらに、得られた造粒物に炭材または炭材とCaO含有副原料8を添加し、2段目の造粒機4−2に供給して2次造粒することで前記造粒物表面に炭材または炭材とCaO含有副原料が外装された造粒物を製造し、焼結機3で焼結する。
なお、混練機7としてレディゲミキサー、ドラムミキサーを用いられるが、レディゲミキサーがより好ましい。また、造粒機4−1、造粒機4−2として、ドラムミキサー、ディスクペレタイザー、または、パンペレタイザーのいずれかが使用できる。
この実施形態は、多孔質鉄鉱石1からなる粉砕物を、ペレット用微粉鉄鉱石(ペレットフィード)や製鉄ダストなどの微粉含有量が多いその他鉄含有原料と副原料に配合し、造粒する場合に有効な方法である。本発明によれば、多孔質鉄鉱石1からなる粉砕物中に含有する水分中での分散性が高い粒径45μm以下の超微粉子を活用し、当該超微粉子の水分中での均一分散により水分の凝集力が高められるため、焼結原料中の粒径0.5mm以下の微粉が多くても、焼結原料の擬似造粒性および付着力の向上効果は得られるが、本実施形態により、さらに、微粉含有量が高い焼結原料の造粒物を良好に焼結する際の以下の課題を解決することができる。
つまり、前記多孔質鉄鉱石1と、多孔質鉄鉱石1以外のその他鉄含有原料、および、副原料9とからなる微粉含有量が高い焼結原料を前記混練機7に供給し、1段目の造粒機4−1で1次造粒して得られる造粒物は、比較的密度の高い造粒物となるため、そのまま通常の焼結機5で焼成する場合は、造粒物内部への酸素の拡散が阻害され、内部の炭材の燃焼が遅れる可能性が生じる。この問題を解決するため、この実施形態では、1段目の造粒機4−1で1次造粒した後、さらに、炭材8を添加して2段目の造粒機4−2で2次造粒することにより、表層に炭材8が外装された造粒物とし、焼結機5で焼結させる。これにより、焼結時に、造粒物表層の炭材の燃焼性が向上し、表層からの燃焼熱の伝達により造粒物内部は良好に焼成される。
また、造粒物表層に炭材とCaO含有副原料8の両方を外装した場合には、造粒物表層の炭材の燃焼とともに造粒物表層で還元性に優れたカルシウムフェライト融液の生成が促進され、この結合相による造粒物間が結合された焼結鉱が製造される。この造粒物間がカルシウムフェライト結合相で固着した焼結鉱は高炉で使用する際の還元性が良好な焼結鉱となる。CaO含有副原料としては、粉石灰石、消石灰、または、生石灰が使用できる。
なお、図8に示す実施形態において、多孔質鉄鉱石1の粉砕物と、その他鉄含有原料、および、副原料9を混練機7で混合する際に、多孔質鉄鉱石1の粉砕物中に含有する粒径45μm以下の超微粉粒子と分散剤および水を焼結原料中で均一化させ、造粒機4−1による1次造粒および造粒機4−2による2次造粒の際に、粒径45μm以下の超微粉粒子の水分中での分散性を高め、分散剤は少なくとも混練機7で混合する際に、水とともに添加する必要がある。
さらに、造粒機4−1による1次造粒、または、造粒機4−2による2次造粒の何れかまたは両方において、水、または、水と分散剤を添加することは、前記粒径45μm以下の超微粉粒子による効果を向上させるために好ましい。
また、上記実施形態において、前記混練7で混合する際に、前記多孔質鉄鉱石1と、多孔質鉄鉱石以外のその他鉄含有原料、および、副原料9に、炭材およびCaO含有副原料の1種または2種10を添加することも可能である。これにより、造粒物の表層添加に比べてその効果は少ないものの、造粒物内部の炭材の燃焼、及び/又は、造粒物内部でのカルシウムフェライト結合相の生成によりそれぞれの造粒物の強度が改善される。
図8に示される実施形態において好ましい分散剤の種類および添加量は、上記図6に示される実施形態で説明した通りである。
以下に本発明の効果を実施例により説明する。なお、本発明は、以下に示した実施例のみに限定されず、上述した本発明の目的および技術思想に反しない限り、以下の条件以外においても効果が得られるものであることは言うまでもない。
図6及び図8に示す焼結鉱の製造工程により実施例を行い、図9に示す従来の多孔質鉄鉱石の粉砕処理を行なわない焼結鉱の製造工程により比較例を行なった。
実施例および比較例で使用した多孔質鉄鉱石以外の鉄含有原料、副原料および炭材などの配合は、表3に示す。実施例および比較例は、多孔質鉄鉱石をそのまま、或いは、表1に示す粉砕条件で粉砕し、この粉砕物を表3に示すその他鉄含有原料および副原料との合計量に対する配合割合で配合した後、表1に示す条件で水分添加のみ、或いは、水分添加とともに分散剤を添加し、造粒した。得られた造粒物については、付着力および擬似造粒化性(GI値)を測定、評価するとともに、さらに造粒物を焼結機で焼結し、この際の生産性の評価も行なった。なお、また、表2に示す、粉砕原料の配合率は、当該粉砕原料と表3に示された粉砕原料以外の焼結原料の合計量に対する割合(質量%)で示す。また、表2に示す、分散剤および水分の添加量は、混合、造粒した粉砕原料と表3に示すその他の焼結原料の合計量に対する割合(質量%)である。また、分散剤でCMCは、カルボキシメチルセルロース、PAはポリアクリル酸ナトリウムを示す。
なお、表2の実施例10、実施例11において、水分および分散剤の添加量はそれぞれ混合(7)、1次造粒(4−1)、2次造粒(4−2)の各工程で添加した合計添加量を、粉砕物、その他鉄含有原料および副原料の合計量に対する割合で示したものである。
焼結は、焼結面積:400m2、パレット幅5mの焼結機を用い、層厚を600mmとし、コークス配合量3.7%、吸引負圧14.2MPaで行なった。
表1には、焼結原料を造粒して得られた造粒物の付着力および擬似造粒化性(GI値) さらに、焼結の生産率の評価結果を示す。
焼結原料を造粒して得られた造粒物の付着力は、引張破断法により測定し、造粒物の擬似造粒化性(GI値)は、GI(%)=(造粒前の0.25mm以下の原料の比率−造粒後の0.25mm以下の原料の比率)/(造粒前の0.25mm以下の原料の比率)×100から求めた値である。
表2から判るように、図9に示す従来の方式で多孔質鉄鉱石を粉砕せずに造粒した比較例1の場合には、造粒物の付着力は、21(cm2/g)、GI指数は78.8(%)と低く、焼結の生産性が35.0と低い結果であった。
これに対して、図6または図8に示す本発明の実施形態の範囲内で多孔質鉄鉱石を粉砕処理し造粒した実施例1〜11は、何れも造粒物の付着力は、40(cm2/g)以上、GI指数は80%以上と高く、焼結原料の造粒性を悪化させる多孔質鉄鉱石を粉砕処理することで、焼結原料の造粒性は大幅に改善がなされた。また、比較的少ない水分量で焼結原料の造粒性が向上され、焼結機内での特に水分凝縮帯での崩壊も抑制されたため、焼結の生産性も37(t/d/m2)以上と良好な結果が得られた。
本発明の多孔質鉄鉱石であるマラマンバ鉱石の粉砕前(図1(a))と、粉砕後(図1(b))のそれぞれについて顕微鏡観察をした際の断面組織写真を示す。 本発明の図1の粉砕前(図2(a))および粉砕後(図2(a))のマラマンバ鉱石中のマータイト組織について高倍率で顕微鏡観察した際の断面組織写真を示す。 本発明の多孔質鉄鉱石であるマラマンバ鉱石を粉砕後、水分を添加して得られた造粒物(図3(a))および水分と分散剤を添加して得られた造粒物の表面を顕微鏡観察した際の顕微鏡写真を示す。 本発明の多孔質鉄鉱石であるマラマンバ鉱石を造粒する際の添加水分量及び粉砕後の粒径45μm以下の微粉含有量と造粒物の付着力との関係を示した図である。 本発明の多孔質鉄鉱石であるマラマンバ鉱石を造粒する際の添加水分量及び粉砕後の粒径45μm以下の微粉含有量と造粒物のGI値(擬似粒子化指数)との関係を示した図である。 本発明の焼結原料を用いた焼結鉱の製造工程を示す説明図である。 本発明の焼結原料の製造に際し篩を用いた焼結鉱の製造工程を示す説明図である。 本発明の焼結原料の製造に際し混合機と2台の造粒機を用いた焼結鉱の製造工程を示す説明図である。 従来の焼結原料を用いた焼結鉱の製造工程を示す図である。 各種鉄鉱石の微細気孔量と吸水性との関係を示した図である。 各種鉄鉱石の吸水性とGI値(擬似粒子化指数)との関係を示した図である。
符号の説明
1 多孔質鉄鉱石
2 粉砕機
3 その他鉄含有原料、副原料、及び、炭材
4、4−1、4−2 造粒機
5 焼結機
6 篩
7 混練機
8 炭材、又は炭材とCaO含有副原料
9 多孔質鉄鉱石1以外のその他鉄含有原料および副原料
10 炭材およびCaO含有副原料の1種または2種

Claims (16)

  1. 鉄含有原料、副原料、および、炭材からなる焼結原料を焼結機に装入し焼結する焼結鉱の製造方法において、前記焼結原料のうちの少なくとも鉄含有原料を混合、造粒する前に、該鉄含有原料に配合された鉄鉱石のうち、少なくとも水銀圧入法で測定される微細気孔量が0.05cc/g以上である多孔質鉄鉱石を、該多孔質鉄鉱石中の粒径45μm以下の微粉が15%以上含有する粒度となるように粉砕することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 前記多孔質鉄鉱石は、粉砕する前に2〜7mmの篩目で篩分けし、該多孔質鉄鉱石の篩下を粉砕することを特徴とする請求項1記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記多孔質鉄鉱石の粉砕は、該多孔質鉄鉱石以外の平均粒径3mm以下の鉄鉱石、および、副原料とともに行うことを特徴とする請求項1または2記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 前記多孔質鉄鉱石以外の平均粒径3mm以下の鉄鉱石は、ペレット用微粉鉄鉱石であることを特徴とする請求項3記載の焼結鉱の製造方法。
  5. 前記多孔質鉄鉱石は、マラマンバ鉱石、高燐ブロックマン鉱石、ピソライト鉱石、低隣ブロックマンの1種または2種以上からなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
  6. 前記混合、造粒は、水を添加してドラムミキサーで混合と造粒を行うことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
  7. 前記混合、造粒は、水とともに分散剤を添加してドラムミキサーで混合と造粒を行うことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
  8. 前記混合、造粒は、水とともに分散剤を添加して混練機で混合した後、ドラムミキサー、ディスクペレタイザー、または、パンペレタイザーのいずれかで造粒を行うことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
  9. 前記造粒において、水、または、水と分散剤を添加することを特徴とする請求項8に記載の焼結鉱の製造方法。
  10. 前記混合、造粒は、水とともに分散剤を添加して混練機で混合し、ドラムミキサー、ディスクペレタイザー、または、パンペレタイザーのいずれかで1次造粒し、さらに、該造粒物に炭材または炭材とCaO含有副原料を添加し、ドラムミキサー、ディスクペレタイザー、または、パンペレタイザーのいずれかで2次造粒することで前記造粒物表面に炭材または炭材とCaO含有副原料を外装することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
  11. 前記1次造粒または2次造粒の何れかかまたは両方において、水、または、水と分散剤を添加することを特徴とする請求項10に記載の焼結鉱の製造方法。
  12. 前記混練機としてレディゲミキサーを用いることを特徴とする請求項8〜11の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
  13. 前記混練機で混合する際に、炭材およびCaO含有副原料の1種または2種を添加することを特徴とする請求項10〜12の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
  14. 前記分散剤は、前記混合、造粒する少なくとも鉄含有原料を含み、かつ炭材を除いた焼結原料の合計量に対して0.001質量%〜1質量%の範囲で添加することを特徴とする特徴とする7〜13の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。
  15. 前記分散剤と、前記混合、造粒する少なくとも鉄含有原料を含み、かつ炭材を除いた焼結原料を混合した後、該混合組成物を100mlのメスシリンダーに固形分で10gとなるように採取し、これに全量で100mlとなるようにイオン交換水を加えて10秒間攪拌した後、10分間放置後に水中に浮遊している微粒子の量が、前記混合組成物の固形分の2重量%以上となるように、前記混合、造粒する少なくとも鉄含有原料を含み、かつ炭材を除いた焼結原料の合計量に対する前記分散剤の添加量を調整することを特徴とする請求項14記載の焼結鉱の製造方法。
  16. 前記分散剤が酸基および/またはその塩を有する高分子化合物であることを特徴とする請求項7〜15の何れかに記載の焼結鉱の製造方法。

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