JPWO2013051146A1 - 低分子量化こんにゃくグルコマンナンの製造方法およびこの方法により得られる低分子量化こんにゃくグルコマンナン - Google Patents

低分子量化こんにゃくグルコマンナンの製造方法およびこの方法により得られる低分子量化こんにゃくグルコマンナン Download PDF

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Abstract

グルコマンナンを含有するこんにゃく粉末に、その浴比として、1ないし5となる量の無機酸とアルコールの混合水溶液を加えて反応系のpHを2以下とし、これを70ないし130℃で加熱することを特徴とする低分子量化こんにゃくグルコマンナンの製造方法並びに重量平均分子量(Mw)が、3,000ないし100,000であり、その多分散性(Mw/Mn)が、1ないし2である低分子量化こんにゃくグルコマンナン。

Description

本発明は、低分子量化こんにゃくグルコマンナンの製造方法およびこの方法により得られる低分子量化こんにゃくグルコマンナンに関する。
こんにゃくグルコマンナン(こんにゃく粉)は、こんにゃく芋に含まれる成分で、水溶性の増粘多糖類に分類される。通常、こんにゃくグルコマンナンは、こんにゃく芋を乾燥した後に、これを粉砕精製することにより、粒子状の粉末として得られるが、これに水を加えると膨潤し、粘稠性の高い物質となる。一般のこんにゃく製品は、この粘稠物質をアルカリ反応でゲル化させることにより製造されている。
上記のようにして得られるこんにゃくグルコマンナンは、グルコースとマンノースが2:3〜1:2の比率で重合した多糖類で、その分子量が100万程度の中性の天然高分子である。このものは、弾力性に富むため、こんにゃくゼリーなどのように新しいタイプのゼリー原料として使用されている他に、従来のゼリー原料に弾力性を持たせるなどの物性改質剤としての効果も認められている。
また、こんにゃくグルコマンナンは、ヒトの消化管ではほとんど消化されず、腸内微生物により一部脂肪酸に変換されて利用されるのみであるため、カロリーが極めて低い食品(100gあたり5〜7kcal)の一つとされ、摂取カロリーを制限する必要のある場合の食品素材としてよく利用される。また代表的な食物繊維で、血糖値や血中コレステロールを下げる効果や免疫増強活性があるとも言われている。
しかしながら、グルコマンナンに水を加えた際の高い粘稠性は、食品としてそのまま摂取した時に、口の中に粘りつき非常に食感が悪くなるという欠点となっていた。特に、こんにゃくグルコマンナンの機能性を利用するために、これを多量に食品に配合する必要があっても、高い粘性の問題から、十分な量を配合することが難しいという問題があった。
上記したような、こんにゃくグルコマンナンの高い粘稠性の問題に対しては、グルコマンナンを低分子量化し、低粘度化を図ることが有効と考えられる。その手法の一つとして、例えば、グルコマンナンを酸加水分解することが知られている(特許文献1、特許文献2)。このうち、特許文献1には、グルコマンナン含有食材若しくはペースト化されたグルコマンナンを原料とし、酸性水に分散させ又はさらに加熱することによって低粘度化を図ることが記載されており、また、特許文献2には、有機酸類に水を加えた有機酸溶液にこんにゃく粉を混合し、有機酸類によりこんにゃく粉に含まれるグルコマンナンを加水分解して低分子化を図り、低粘度の液状とすることが記載されている。
前述した従来技術によれば、溶解された高粘度のグルコマンナンを酸加水分解することによって低粘度の液状化されたグルコマンナンを得ることができる。しかしながら、これら方法により得られたものは、最終的形態が液状物であるため、流通や保存において、問題があった。
また、液状化されたグルコマンナンを食品等に配合する場合でも、必要とするグルコマンナンの含有重量に対し、同時に水も配合することになるため、ユーザの希望するグルコマンナンの配合を得るのが困難になり、使用上も取り扱い性が悪いという問題が生じる。
本発明者らは先に、粉末状で、保存、流通等での取り扱いが便利であると共に、良好な取り扱い性を得ることができる低分子化されたこんにゃくグルコマンナン粉を得ることができる方法を見出し、特許出願した(特許文献3)。
上記方法は、アルコール共存下、酸として有機酸を使用し、高温・加圧条件でこんにゃく粉を粉末状体のまま加水分解するというものであり、粉末状態のグルコマンナンが得られるというものである。しかしながら、得られるグルコマンナンに着色が見られることがあり、必ずしも工業的に満足のいくものではなかった。また、その重量平均分子量も10万程度のものであり、広く食品の配合成分や、医薬の担体、賦形剤などとして利用するには、更に分子量を小さくすることが求められている。
特開2006−61030号公報 特開平7−313120号公報 特開2008−35818号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、取り扱いの便利な粉末状の低分子量化グルコマンナンを、工業的に利用しやすく、かつ変色の起こりにくい方法で得ることをその課題とするものである。
本発明は、上記課題を解決するため、こんにゃくグルコマンナンの加水分解に関し、鋭意研究を行った結果、所定の条件で加水分解することで、分子量の小さいこんにゃくグルコマンナン低分子量化物を、着色などの問題を生じることなく得られること、また、このような低分子量化こんにゃくグルコマンナンの一部は、今まで知られていないものであり、水に溶解した際の粘度が低いため、極めて有利に食品等に配合、添加できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、グルコマンナンを含有するこんにゃく粉末に、その浴比として、1ないし5となる量の無機酸とアルコールの混合水溶液を加えて反応系のpHを2以下とし、これを70ないし130℃で加熱することを特徴とする低分子量化こんにゃくグルコマンナンの製造方法である。
また本発明は、その重量平均分子量(Mw)が、3,000ないし100,000であり、その多分散性(Mw/Mn)が、1ないし2である低分子量化こんにゃくグルコマンナンである。ここでMnは数平均分子量を表す。
更に本発明は、1%水溶液の25℃での粘度が1ないし5mPa・sである上記低分子量化こんにゃくグルコマンナンである。
本発明方法によれば、一般的な作業条件により、こんにゃくグルコマンナンの低分子量化が可能となる。そして、得られる低分子量化こんにゃくグルコマンナンには、粘度が低いものであるため、その後の脱水・乾燥処理により、容易に低分子量化されたグルコマンナン粉を得ることができる。
更に、本発明方法で得られる低分子量化こんにゃくグルコマンナンの一部には、今までにない低分子量のものが含まれ、このものは水に溶解した際の粘度も低いため、極めて有利に食品等に配合、添加できるものである。
種々の酸を用い、種々のpHの酸−30容量%エタノール水溶液を用いて、こんにゃく粉を加水分解した際の、こんにゃくグルコマンナンの低分子量化の状態を示す図面である。
本発明方法は、グルコマンナンを含有するこんにゃく粉末に、その浴比で1ないし5の無機酸とアルコールの混合水溶液を加えて反応系のpHを2以下とし、これを70ないし130℃の温度で処理し、低分子量化こんにゃくグルコマンナンを製造するものである。
本発明方法の原料であるグルコマンナンを含有するこんにゃく粉末(以下、「こんにゃく原料粉末」という)としては、こんにゃく球茎を乾燥して得たいわゆる荒粉を粉砕し、これから飛粉を除いたこんにゃく精粉等が利用される。
このこんにゃく原料粉末には、無機酸とアルコールの混合水溶液(以下、「酸−アルコール混液」という)が加えられ、その反応系のpHが2以下の強酸性とされる。このこんにゃく原料粉末に加えられる酸−アルコール混液の量は、その浴比で、1ないし5である。なお、浴比とは、不溶性の高分子に対する溶液の比率を意味し、10gの高分子に100mLの溶液を加えた場合の浴比は、10(100(mL)/10(g))と表現される。
この酸−アルコール混液で使用されるアルコールとしては、エタノール、メタノール等の低級アルコールが挙げられるが、安全性の面からは、エタノールの使用が好ましい。このアルコールは、アルコール水溶液を使用しても良いが、アルコールと水を混合するとその体積が減少するので、正確なアルコール量とするために、無水アルコールを利用することが好ましい。
また、酸−アルコール混液で使用される無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等が挙げられるが、使用性の面から塩酸が好ましい。この無機酸は、その水溶液として使用され、加水分解反応に適した量を使用すればよい。なお、後記するように有機酸を利用した場合は、常圧下では加水分解が進まない。
この酸−アルコール混液におけるアルコール濃度は、30ないし80%程度、好ましくは、40ないし60%である。また、その酸濃度は、0.01ないし1N程度、好ましくは、0.1ないし0.5Nである。この酸の濃度を1N以上とすると着色が生じることがあり、また、0.01N未満である場合は、加水分解が十分でないことがあり、何れも好ましくない。
上記のように、酸−アルコール混液が加えられ、その反応系のpHが2以下とされたこんにゃく原料粉末は、水のみを加えた場合と異なり、固体の膨潤された状態で加水分解が進行する。この加水分解の時間は、特に制約されるものではないが、目的とするこんにゃくグルコマンナンの低分子化の程度により変化させることができ、一般には、3分ないし24時間程度、好ましくは、5分ないし10時間である。また、加水分解時の温度は、高い温度であることが好ましく、一般には、80ないし130℃程度である。
上記のようにして、酸加水分解により低分子量化されたこんにゃくグルコマンナンは、以下、こんにゃく粉の精製等に用いられる公知方法に従って、脱水、洗浄および乾燥が行われる。すなわち、遠心分離等の固液分離手段で溶液を除くことができ、更に、アルコール水溶液等で洗浄し、電気乾燥機等を用いて乾燥することにより、低分子量化されたこんにゃくグルコマンナンを粉体として得ることができる。
本発明方法においては、上記加水分解の条件を適宜調整することで、種々の分子量の低分子量化されたこんにゃくグルコマンナンを得ることができる。このうち、好ましいものとしては、重量平均分子量(Mw)が、3,000ないし100,000、好ましくは、3,000ないし50,000であり、その多分散性(Mw/Mn)が、1ないし2であるものを挙げることができる。
上記した低分子量化こんにゃくグルコマンナンは、水に溶解してもほとんど粘稠性がなく、さらっとした溶液となる。すなわち、本発明の好ましい低分子量化こんにゃくグルコマンナンの好ましい粘度(25℃)は、その1%水溶液で1ないし5mPa・s程度である。そして、例えば、後記実施例に示すように、重量平均分子量が約4,000の低分子量化こんにゃくグルコマンナンの1%濃度の水溶液の粘度は、1.3mPa・s程度であり、水よりは高いが、市販のスティックタイプのインスタントコーヒーや紅茶とほぼ同程度の粘度である。
上記した低分子量化こんにゃくグルコマンナンは、文献に記載のない新規物質であり、従って、従来こんにゃくグルコマンナンの配合が求められながら、粘度の点で困難とされた用途、例えば飲料等の配合成分として、有利に利用されるものである。
本発明方法は、水と混合した場合は高粘稠性のペースト状物となり、実施が困難であった酸加水分解を、アルコール水溶液を使用し、こんにゃく原料粉末を固体状態で膨潤させ、これに特定条件下で無機酸溶液を作用させて加水分解することで、所望の低分子量化したこんにゃくグルコマンナンを得るというものである。そして、このものは簡単に粉末化できるので、流通や、保存性が高く、かつ取扱性も良いこんにゃくグルコマンナン原料を提供することができる。
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。なお、以下の実施例で、分子量および粘度は、次のようにして測定した。
(1)分子量測定:
まず、サイズ排除クロマトグラフィー(カラム:GMPWXL(東ソー社製))で分子量分別し、次いで、各画分を光散乱検出器(DAWN DSP;Wyatt Technology社製)を用いて多角度光散乱測定し、絶対分子量とその分布を計測した。
(2)粘度測定:
粘度測定機器として音叉型振動粘度計(エー・アンド・デイ社製、SV型粘度計 SV−10)を用い、25℃における粘度を測定した。
実 施 例 1
(1)所定量の60容量%の容量に相当するエタノールに所定量の40容量%に近い水を加え、次いで混合液のpHが1となるよう、塩酸を加えた。更に水を加えて所定量とし、最後に酸でpHを微調整し、pHが1の塩酸−60容量%エタノール水溶液を調製した。得られた酸−エタノール混液を、加水分解試薬として使用した。
上で調製した、酸‐エタノール水溶液3Lを三角フラスコに入れ、これにこんにゃく精粉(あかぎおおだま)900gを加え(浴比:3.3)、湯浴中、80℃で45分間加熱し、酸加水分解反応を行った。反応中、連続で撹拌を行なった。なお、酸加水分解反応において、こんにゃく精粉と酸−エタノール混液の添加順序は逆にしても良い。
以上のようにして酸加水分解を行った後、こんにゃく粉の精製に用いられている公知方法に準じて、脱水、洗浄および乾燥を行った。すなわち、1000rpm程度の回転速度の遠心分離により、液体を除き、その後50%程度のアルコール水溶液で数回洗浄し、60℃程度で乾燥し、低分子量化こんにゃくグルコマンナン粉(製品1)を得た。
(2)上記(1)において、加熱時間を、90分および180分とする以外は、同様に加水分解を行い、低分子量化こんにゃくグルコマンナン粉(製品2および製品3)を得た。得られた製品1ないし製品3の重量平均分子量と、その多分散性を下の表1に示す。なお表中には、原料であるこんにゃく精粉でのグルコマンナンの分子量およびその多分散性も示した。
Figure 2013051146
この結果から明らかなように、分子量100万を超えるこんにゃくグルコマンナンが、45分間の酸加水分解により、10万程度の分子量となり、更に90〜180分間の加水分解では、2.3万〜1.8万程度の分子量となった。
実 施 例 2
実施例1(1)に準じて、pHが1の塩酸−30容量%エタノール水溶液を調製し、加水分解試薬とした。この加水分解試薬100mLをフラスコに取り、これに実施例1と同じこんにゃく精粉10gを加え(浴比:10)、湯浴中、80℃で20分間〜120分間加熱し、酸加水分解を行った。それぞれ、実施例1(1)と同様に、脱水、洗浄および乾燥を行ない、製品4〜9を得た。この結果を表2に示す。
Figure 2013051146
この結果から、60分を超える加水分解で、分子量が1万以下の低分子量化グルコマンナンが得られることが明らかになった。
実 施 例 3
実施例1(1)に準じて、pHが約1、1.5、2、3、4および5の塩酸−30容量%エタノール水溶液を調製し、それぞれ加水分解試薬とした。この加水分解試薬各100mLをフラスコに取り、これに実施例1と同じこんにゃく精粉10gをそれぞれ加え(浴比:10)、湯浴中、80℃で60分間加熱し、酸加水分解を行った。次いで、それぞれを実施例1(1)と同様に、脱水、洗浄および乾燥を行ない、製品10〜15を得た。この結果を表3に示す。
Figure 2013051146
この結果から、pH2以下、特にpH1近辺の加水分解で、こんにゃくグルコマンナンの低分子量化が認められることが明らかになった。
実 施 例 4
実施例1(1)に準じて、pHが1の塩酸−40容量%エタノール水溶液を調製し、加水分解試薬とした。この加水分解試薬各300mLをフラスコに取り、これに実施例1と同じこんにゃく精粉100gをそれぞれ加え(浴比:3)、湯浴中、80℃で60分間、300分間および600分間加熱し、酸加水分解を行った。次いで、それぞれを実施例1(1)と同様に、脱水、洗浄および乾燥を行ない、製品16〜18を得た。この結果を下の表4に示す。
Figure 2013051146
この結果から、加水分解時間の増加とともにこんにゃくグルコマンナンの低分子量化が進行することが明らかになった。
実 施 例 5
実施例1(1)に準じて、pHが1の塩酸−60容量%エタノール水溶液を調製し、それぞれ加水分解試薬とした。この加水分解試薬に対し、その浴比が3.3および2.6となるよう各300mLをフラスコに取り、これに実施例1と同じこんにゃく精粉をそれぞれ加え、湯浴中、80℃で45分間加熱し、酸加水分解を行った。次いで、それぞれを実施例1(1)と同様に、脱水、洗浄および乾燥を行ない、製品19および20を得た。この結果を下の表5に示す。
Figure 2013051146
この結果から、浴比が大きい方が、同じ加水分解時間であっても、こんにゃくグルコマンナンの低分子量化が進行することが明らかになった。
実 施 例 6
実施例1(1)に準じて、表6に示す塩酸−エタノール水溶液(pH1)を調製し、それぞれ加水分解試薬とした。この加水分解試薬に対し、表6に示す浴比となるよう実施例1と同じこんにゃく精粉をそれぞれ加え、湯浴中、80℃で60分間加熱し、酸加水分解を行った。次いで、それぞれを実施例1(1)と同様に、脱水、洗浄および乾燥を行ない、製品21〜23を得た。この結果を下の表6に示す。
Figure 2013051146
実 施 例 7
実施例1(1)に準じ、種々の酸を用い、種々のpHの酸−30容量%エタノール水溶液を調製し、それぞれ加水分解試薬とした。この加水分解試薬各100mLをフラスコに取り、これに実施例1と同じこんにゃく精粉10gをそれぞれ加え(浴比:10)、湯浴中、80℃で60分間加熱し、酸加水分解を行った。次いで、それぞれを実施例1(1)と同様に、脱水、洗浄および乾燥を行なった。この結果を図1に示す。
この結果から、pH2以下において、酸として塩酸、硫酸、リン酸および硝酸を利用した場合は、こんにゃくグルコマンナンの低分子量化が認められるが、酢酸、乳酸、リンゴ酸等の有機酸では、こんにゃくグルコマンナンの低分子量化が認められないことが明らかになった。
実 施 例 8
表7の番号1ないし5に示す条件で、こんにゃく原料粉末(あかぎおおだま)を加水分解した。まず、表7に示す濃度で塩酸とエタノールを含む加水分解液を調製した。この加水分解液にこんにゃく原料粉末を、表7の浴比となるように加え、同表の温度および時間で加水分解を行った。
なお128℃での加水分解には、市販の圧力鍋を使用し、圧力鍋が100℃になった時ガラス容器に入れた原料を入れ、128℃になった時点を加水分解開始時間とした。また、加水分解反応の停止は、圧力鍋を急冷することにより行った。
得られた低分子量化グルコマンナンについて、その分子量および多分散性を測定した。また、その1%水溶液の粘度(25℃)を測定した。これらの結果も表7に示す。なお、こんにゃく原料粉末について測定した、分子量、多分散性および1%水溶液の粘度(25℃)も併せて同表に示した。


Figure 2013051146
この結果から、本発明で得られる低分子量化こんにゃくグルコマンナンは、粘稠性が低く、一般の飲料等に配合可能であることが明らかになった。
産業上の利用分野
本発明方法により得られる低分子量化こんにゃくグルコマンナンは、その最終形態が粉末・粒子状であり、しかもその分子量が小さいので、これを水等に加えても、粘度が高くなることはない。
従って、この低分子量化こんにゃくグルコマンナンは、種々の用途、例えば、飲料、健康食品(食物繊維強化食品・こんにゃくグルコマンナン機能強化食品等)、嚥下困難者用補助食品等の飲食物、食品添加物(菓子・パン・麺類・水産練製品・肉練製品・インスタントスープ等)、化粧品(保湿剤・界面活性剤・剥離剤等)等組成物に配合、使用することが可能になる。

Claims (10)

  1. グルコマンナンを含有するこんにゃく粉末に、その浴比として、1ないし5となる量の無機酸とアルコールの混合水溶液を加えて反応系のpHを2以下とし、これを70ないし130℃で加熱することを特徴とする低分子量化こんにゃくグルコマンナンの製造方法。
  2. 無機酸が、塩酸、硫酸、リン酸および硝酸よりなる群から選ばれた無機酸である請求項1記載の低分子量化グルコマンナンの製造方法。
  3. アルコールが、エタノールである請求項1または2記載の低分子量化グルコマンナンの製造方法。
  4. 加熱を、5分ないし10時間行う請求項1ないし3の何れかの項記載の低分子量化グルコマンナンの製造方法。
  5. グルコマンナンを含有するこんにゃく粉末が、こんにゃく精粉である請求項1ないし4の何れかの項記載の低分子量化グルコマンナンの製造方法。
  6. 重量平均分子量(Mw)が、3,000ないし100,000であり、その多分散性(Mw/Mn)が、1ないし2である低分子量化こんにゃくグルコマンナン。
  7. 1%水溶液の、25℃における粘度が、1ないし5mPa.sである請求項6記載の低分子量化こんにゃくグルコマンナン。
  8. 請求項1記載の低分子量化こんにゃくグルコマンナンの製造方法により製造される請求項6または7記載の低分子量化こんにゃくグルコマンナン。
  9. 請求項6または7記載の低分子量化こんにゃくグルコマンナンを含有する製剤。
  10. 請求項6または7記載の低分子量化こんにゃくグルコマンナンを含有する飲食物。
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