JPWO2013031011A1 - 細穴放電加工装置 - Google Patents

細穴放電加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2013031011A1
JPWO2013031011A1 JP2013505021A JP2013505021A JPWO2013031011A1 JP WO2013031011 A1 JPWO2013031011 A1 JP WO2013031011A1 JP 2013505021 A JP2013505021 A JP 2013505021A JP 2013505021 A JP2013505021 A JP 2013505021A JP WO2013031011 A1 JPWO2013031011 A1 JP WO2013031011A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
machining
electrode
pressure
liquid
electric discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013505021A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5255167B1 (ja
Inventor
鈴木 栄次
栄次 鈴木
祐太 下田
祐太 下田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Astec Co Ltd
Original Assignee
Astec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Astec Co Ltd filed Critical Astec Co Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP5255167B1 publication Critical patent/JP5255167B1/ja
Publication of JPWO2013031011A1 publication Critical patent/JPWO2013031011A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H7/00Processes or apparatus applicable to both electrical discharge machining and electrochemical machining
    • B23H7/36Supply or regeneration of working media
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H1/00Electrical discharge machining, i.e. removing metal with a series of rapidly recurring electrical discharges between an electrode and a workpiece in the presence of a fluid dielectric
    • B23H1/10Supply or regeneration of working media
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H7/00Processes or apparatus applicable to both electrical discharge machining and electrochemical machining
    • B23H7/26Apparatus for moving or positioning electrode relatively to workpiece; Mounting of electrode
    • B23H7/265Mounting of one or more thin electrodes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H9/00Machining specially adapted for treating particular metal objects or for obtaining special effects or results on metal objects
    • B23H9/14Making holes

Abstract

細穴放電加工装置において、ワーク(14)の近傍で加工用電極(11)の下部を加工液の液膜を介在させてZ軸方向にガイドする電極ガイド(13)を備え、電極ガイド(13)をワークの近傍において固定するハウジングブロック(17)内に高圧加工液(22c)を受け容れる高圧加工液受容室(9)を備え、高圧加工液受容室(9)の下端に、電極径よりも超微小に大きい口径に規制されていて、細穴放電加工により形成される入口部放電加工穴径(35a)にほぼ等しい径の高圧加工液(22c)の噴射流がほとんど広がらずに放電加工間隙に侵入させる高圧加工液噴射口(9a)を備えた構成とすることにより、放電加工間隙からの加工屑排出を能率よく行なえて小径穴の放電穴あけ加工を高速で行える細穴放電加工装置を提供する。

Description

本発明は、比較的細径ないし微細径の穴をあけるための加工液かけ流し方式の細穴放電加工装置に関する。
近年、細穴放電加工機は、型彫り放電加工と比較し加工速度が速いため、ワイヤカット放電加工のワイヤ電極挿通用の加工開始穴や航空機部品、自動車用部品加工などの穴加工に広く用いられている。
加工液かけ流し方式の細穴放電加工装置は、棒状又はパイプ状の加工用電極を用い、加圧加工液をワークの加工位置に供給し加工用電極を冷却しつつ加工用電極の先端面とワークの電極対向部位との間でパルス電圧を加えパルス放電を繰り返して放電加工を行い、電極径の数十倍の深い細穴加工を高速度で穿孔することが可能である。
加工位置(加工中の穴)に供給された加圧加工液は、放電加工により生じた加工屑、ガス等を含んで放電加工間隙(電極径とワーク穴径とのギャップ)を通して放電加工穴の入口側開口部へ通流して排出されると共に、加圧加工液と共に排出する。
加工液の供給は、電極とワーク間の放電加工間隙の冷却、加工屑及びガスの排出促進等のために必要であるが、細くて深い穴の加工の場合は放電加工間隙に多量の液を供給させることが極めて困難となる。このため従来は、加工液の供給ポンプ圧を高め、高圧液の供給を試みているが、穴が細くて深いために充分な加工液を供給、流通させることが難しかった。また、加工屑は、溶融して加工穴の入口側開口のコーナー部に溶融付着物として堆積する傾向がある。
図5に示すように、従来においては、パイプ電極を通して加工液噴射していると共に、電極から離れて備えられた加工液噴射ノズルにより、斜め下方の放電加工位置に向けて加工液を噴射している。詳述すると、放電穴あけ加工でも加工周辺の加工屑排出移動のためにノズルを使用した側面噴射を行っている。棒状電極の使用では、電極の斜め上方に備えた噴射ノズルを使用して加工液噴射を行うが、ワークの加工部入口側開口部の少なくとも半分が噴射加工液中に水没した状態になり、加工チップの排出口は噴射方向と反対側一部に常時集中し、加工効率が下がった状態で二次放電が頻発し、加工穴が加工液噴射方向を長手とする楕円形状になるという問題がある。
また、加工屑排出向上の目的で加工液噴射圧力増加を行うと、電極側面を押すベクトル力が増加し、電極がノズルの噴射方向に寄せられ振動を起こし放電加工が不安定になりメ力的要因と加工液流量不足による二次放電現象が重なり楕円穴形成の要因となる問題がある。
特許文献1では、Z軸方向に送りを与えられると共に回転駆動される電極ホルダで細いパイプ電極の上端部を保持し、該パイプ電極の下部を電極ガイドで案内し、該パイプ電極の上端より該パイプ電極内を通して加工液を放電加工穴内に噴流状態で供給しつつ該パイプ電極を回転しZ軸方向に送りを与えて細穴放電加工を行うと共に、上記の加工液の供給とは別に、放電加工穴の斜め上方の複数箇所に備えた噴射ノズルから少なくとも2MPa以上の液圧の加工液噴射を行うことにより、加工穴の入口側開口のコーナー部に付着するチップを吹き飛ばし、溶融付着物の発生を抑える細穴放電加工装置が提案されている。
特許文献2では、Z軸方向に送りを与えられると共に回転駆動される中空スピンドルで細いパイプ電極を保持する細穴放電加工装置が提案されている。特許文献2では、特許文献1に示すパイプ電極の下部を案内する電極ガイドがない。該パイプ電極の上端より該パイプ電極内を通して加工液を放電加工穴内に噴流状態で供給しつつ該パイプ電極を回転しZ軸方向に送りを与えて細穴放電加工を行う。パイプ電極内を通す加工液を1.5Hz以上の脈流にして放電加工穴内に噴流状態で供給することで加工屑を電極とワーク間の放電加工間隙より排出する。
特許文献3,4は、加圧加工液を棒状電極又はパイプ電極を包むように供給し、パイプ電極の場合には筒空間を通して供給することも併用する加圧加工液供給方式が採用されている。
特許文献3では、Z軸方向に送りを与えられると共に回転駆動される電極ホルダで棒状電極又はパイプ電極の上端部を保持し、該パイプ電極の下部を電極ガイドで案内し、加圧加工液を該電極の上端より電極外表面内を包んで電極ホルダまで供給し電極ホルダから電極下端までは電極ホルダに設けられた電極を通すガイド穴を通して電極外表面内を包んで噴流状態で供給して細穴放電加工を行う細穴放電加工装置が提案されている。
特許文献4では、Z軸方向に送りを与えられると共に回転駆動される電極ホルダで棒状電極又はパイプ電極の上端部を保持し、該電極の下部を電極ガイドで案内し、加圧加工液を該電極の上端より電極外表面内を包んで電極ホルダまで供給し、電極ホルダに供給された加圧加工液に該電極ホルダに設けられたエゼクタ構造より高圧気体を混入し、この気体を加圧加工液を混入電極ガイドのガイド穴を通して電極下端までは電極外表面を包んで供給し、ワークを真空吸引ボックス内に固定し、該ボックスの底部より該ボックス内を真空吸引する真空吸引装置で真空吸引を行いつつ細穴放電加工を行う細穴放電加工装置が提案されている。
特開平05−169322号公報 特開平05−185326号公報 特開2001−287119号公報 特開2004−1156号公報
特許文献1,2に開示された技術によれば、電極径0.2mm以下のパイプ電極を用いて穴あけ用放電加工を行う場合には、加工液粘性と管路抵抗の影響を受け、電極内通路を通して供給される加圧加工液が少なくなるので加工穴内面とパイプ電極との放電加工間隙の通流量が少なくなり、このために加圧加工液による加工チップの排出が不良になる。これに起因して、二次放電現象や短絡現象が生じ、放電加工速度が著しく低下してしまい、この種の放電加工装置の特長である高速加工を実現することができなくなるという不具合を生じる。そこで、加工液噴射流量の増加を目的に加工液圧力増加を行うと、パイプ電極の管の内厚不均等により本来直線状のパイプがゆがみやたわみが生じ加工不能となる。
また棒状電極を使用した場合には、ノズル噴射を用いて加工穴の入口側開口部に向けて斜め方向からの加工液噴射を行っているが、電極径0.2mm以下になると、加工チップの排出が不十分になることはパイプ状の加工用電極の場合と同様であり、上記不具合が生じることも同様である。
特許文献3に開示された技術については、加工部からの汚液が電極ガイド内に侵入し電極ガイドがつまって長時間の安定した電極送りができないという問題があることが、特許文献4において指摘されており、特許文献4に開示された技術はこれを解決するものとしている。特許文献3に開示された技術によれば、上方の電極ホルダから流下する高圧加工液22cが大気に晒されて圧力が低くなって電極ガイドの漏斗部に入り、この漏斗部に溜まる加工液の押し出し圧力で電極ガイドから放電加工中の穴に向かって加工液が流下する。このため、この加工液は、大きな噴射圧力を有していない状態で電極表面を厚い膜で覆って流下し放電加工中の穴の径よりも大きく広がって該穴へ放射されるので、該加圧加工液の放電加工間隙への侵入供給が十分に行われないと共に、穴の周囲に溜まる水がから、加圧加工液が放電加工により生じる加工屑の放電加工間隙からの排出を阻害する壁になるので、加工屑の排出が十分には行われない。このため、加工時間が多くかかり、加工効率が高くならない。
特許文献4に開示された技術によれば、電極ガイドから放電加工中の穴に向かって放射される加圧加工液は、高圧気体を含んでいるので、加工中の孔に到達する前に大きく広がるので、該加圧加工液の放電加工間隙への侵入供給が十分に行われないので、加工屑の排出が十分には行われない。このため、加工時間が多くかかり、加工効率が高くならない。
また、電極径0.15mm以下の棒状電極を使用して、加工深さが加工穴径の十倍を越える加工を行う場合には、必要に応じてノズルによる加工液側面噴射に加え電極のジャンプ動作を併用し加工屑の排出を行うが、ジャンプで加工間隙を広げている間は加工が行われず加工効率を低下させる要因になっているので、加工深さが大きい場合にも穴底部までに行き届く十分な量の加圧加工液の供給方式が望まれている。
図5に示すように、従来の加工液噴射ノズルを使用した一方向からの加工液噴射、又は電極上部からの降下水流では、ノズル径、又は降下水流径が大きいため加工屑の排出時に電極包囲加工液が蓋となり加工屑排出が困難で加工効率が低下した状態となる。特に加工液噴射ノズルを使用したこれまでの加工液噴射はワークと電極間を狙った方向で噴射するが、その噴射力はベクトル方向に分解された、電極側面を押す力と電極進行方向の力に分解され、電極進行方向に分解されベクトル力の一部が加工穴に入り込み加工屑排出に作用する。このため初期加工液噴射力は加工屑排出作用として大きく減衰している。
本発明は、上述した点に鑑み案出されたもので、加圧加工液が放電加工間隙から加工屑の排出を円滑に行えるように加圧加工液の細穴放電加工位置への供給ができる細穴放電加工装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の細穴放電加工装置は、ワークの近傍で棒状電極またはパイプ電極である加工用電極の下部を加工液の液膜を介在させてZ軸方向にガイドする電極ガイドを備え、前記電極ガイドをワークの近傍において固定するハウジングブロック内に高圧加工液を受け容れる高圧加工液受容室を備え、前記高圧加工液受容室がその下端に、電極径よりも超微小に大きい口径に規制されていて、細穴放電加工により形成される入口部放電加工穴径にほぼ等しい径の高圧加工液の噴射流がほとんど広がらずに放電加工間隙に侵入させる高圧加工液噴射口を備えて成ることを特徴とする。
上記発明の細穴放電加工装置は、電極ホルダで棒状またはパイプ状の加工用電極の上部を保持し、加工用電極の下部をワークに近接する位置で電極ガイドで高圧加工液の液膜を介在させてZ軸方向にガイドする。そして、高圧加工液受容室に導入される高圧加工液を高圧加工液噴射口から噴射する。高圧加工液噴射口は、加工用電極径よりも超微小に大きい口径に規制されていて、噴射流をほとんど広がらせずかつ噴射流で加工用電極の外面を包むようにして高圧加工液を噴射するので、該高圧加工液を放電加工間隙に深く侵入させる。このため、加工用電極をワークに対してZ軸方向に相対的送りして細穴放電加工を行うと、これにより放電加工孔の底部に生じる加工屑が放電加工間隙に深く侵入する加工液に取り込まれて放電加工間隙から放電加工孔入口部に円滑に運ばれる。高圧加工液噴射口からワーク表面の放電加工孔入口部周囲に到達する噴射流は、放電加工間隙から該放電加工孔入口部周囲に流出したばかりの加工屑を含んだ加工液に強烈に当たり、当たった衝撃で噴霧状になって飛散するので、ワーク表面の放電加工孔入口部周囲に液溜まりを作らないから、放電加工孔入口部のエッジに溶融付着物が形成されず、放電加工孔の底部に生じる加工屑が電加工間隙に留まらずに円滑に外部に排出される。そして、加工用電極の冷却が十分に大きく行われるから、加工用電極に供給する電流を従来よりも大幅に大きくすることができるので、放電加工時間を従来の数分の1に短縮でき、放電加工効率が大幅に向上する。さらに、穴あけが完了した時点では、高圧加工液噴射口からの噴射流は放電加工間隙を突き抜けるので、この噴射流によって加工用電極の下端に付着する加工屑が洗い流されるから、加工用電極の下端に溶融付着物が形成されない。
さらに、前記加工用電極を保持するシャフトと、前記シャフトの内部に加圧加工液を導入し前記加工用電極を通しかつ噴射孔を有する加圧加工液分配室と、前記電極ガイドの上側に、前記加圧加工液分配室の噴射孔から噴射され加工用電極を包んで流下する加圧加工液を受け容れかつ加工用電極がパイプ電極であるときはその内部通路に連通状態に臨み加圧加工液分配する液槽と、前記液槽から溢流液を溢流液流下管を通して受け容れる貯液槽とを備える。
この構成によれば、加工用電極の電極ホルダから電極ガイドまでの部分を、加圧加工液の放射流で包んで冷却することができ、加工用電極がパイプ電極である場合には該パイプ電極の内部空間にも加圧加工液を供給しうる。そして、加工液ポンプから電極ホルダに多量の加圧加工液を供給することができて、電極ホルダから棒状電極またはパイプ電極である加工用電極を包んで噴射する加圧加工液の噴射流を多量にすることができて、加工用電極の電極ホルダから液槽までの間の部分を十分に冷却することができる。加工用電極について、ワークとの間で放電が行われる電極下端から離れた部分の冷却も、加工用電極に大電流を流せることにつながる。
好ましくは、上記発明において、前記貯液槽内の加工液を加工液ポンプにより上記加圧加工液と上記高圧加工液とに分岐して循環するように構成されている。
この構成では、加圧加工液と上記高圧加工液の供給について、貯液槽に貯留される加工液をポンプ1基のみでポンプアップすることで行えて、分岐後に、加圧加工液の圧力設定と高圧加工液の圧力設定とを行えば良いから、加工液の圧力設定の制御及び流量制御がし易く、加工液の循環経路を簡素に構成できる。
好ましくは、上記発明において、前記高圧加工液受容室に導入される前記高圧加工液の液圧が3MPa以上であり、前記加工用電極の前記電極ガイドより電極下端までの間を高圧加工液で包んだ状態の噴射流の液圧が3MPa以上とする圧力設定手段を備えている。
この構成では、高圧加工液の液圧が3MPa以上であるので、放電加工孔が深くなった加工段階でも放電加工孔の内面と加工用電極との間の放電加工間隙に高圧加工液が円滑に侵入できて放電加工孔の底で発生する加工屑を高圧加工液が洗い出すことができる。このため、深い細穴の放電加工でも短時間に加工できる。
好ましくは、上記発明において、前記高圧加工液受容室は、電極ガイドの中空部であり、電極ガイドの下端を露出して該電極ガイドを収容するハウジングブロックに設けられた液路を介して高圧加工液を導入し、前記高圧加工液噴射口は、前記電極ガイドの中空部である前記高圧加工液受容室の下端に設けられている。
この構成では、高圧加工液を電極ガイドの中空部に大量に導入することができ、筒空間の下端の高圧加工液噴射口より噴射する高圧加工液の噴射流が、細穴放電加工により形成される入口部放電加工穴径にほぼ等しい径を有する高圧加工液噴射口より電極下端までの間の加工用電極を包んでほとんど広がらずに、放電加工間隙に侵入する。このため、深い細穴の放電加工でも短時間に加工できる。
好ましくは、上記発明において、前記高圧加工液受容室は、前記電極ガイドの電極ガイドを収容するハウジングブロックに設けられ該電極ガイドの外面に沿って下端まで導入するように形成され、前記高圧加工液噴射口は、前記高圧加工液受容室の前記電極ガイドの下側近傍に同心に設けられている。
この構成では、高圧加工液が電極ガイドの周囲の空間に大量に導入することができ、高圧加工液受容室の下端の高圧加工液噴射口より噴射する高圧加工液の噴射流が、細穴放電加工により形成される入口部放電加工穴径にほぼ等しい径を有する高圧加工液噴射口より電極下端までの間を包んでほとんど広がらずに、放電加工間隙に侵入する。このため、深い細穴の放電加工でも短時間に加工できる。
好ましくは、上記発明において、加工前後から発生する霧状になった加工屑を含む飛散加工液及び液状化物を吹き飛ばすためのエア又は不活性ガスを噴射するエアノズルと、前記吹き飛ばされた飛散加工液及び液状化物を回収するための噴霧加工液回収装置と、を備えている。
この構成では、放電加工孔の周辺に霧状になった加工屑を含む飛散加工液及び液状化物が停滞しないので、放電加工間隙から加工屑を含む加工液が円滑に排出され、入口部放電加工孔の周縁に溶融堆積物が形成することが回避される。
本発明によれば、ワークに至近距離の位置から高圧加工液を、ワーク表面の入口部放電加工孔の周囲への供給を少なくして電極表面に沿って放電加工間隙に深く大量に供給できるので、放電加工により放電加工孔の底部に生じる加工屑を放電加工間隙から円滑に排出することができるこのため、比較的細径ないし微細径の穴を気中の作業環境で放電加工により高速であけようとする場合においても放電加工間隙から加工屑の排出を円滑に行うことができ、極めて高速でかつ安定して放電加工が行えて、加工時間の大幅な短縮化が図れ、作業性が改善して比較的細い穴の量産加工に大幅なコストダウンを期待することができる細穴放電加工装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る細穴放電加工装置の一実施形態を示す構成図。 図1に示す細穴放電加工装置の要部の拡大断面図。 図1に示す細穴放電加工装置の要部の拡大断面図。 図1に示す細穴放電加工装置の加工液噴射状態を示す要部の拡大断面図。 穴あけ用放電加工で加工液噴射ノズルによる加工液噴射状態を示す要部の拡大断面図。 本発明による細穴放電加工装置に用いる加工液噴射ガイド兼電極ガイドの拡大断面図。 図1に示す細穴放電加工装置で採用する電極ガイドの5つの形態の斜視図。 本発明の第2の実施形態に係る細穴放電加工装置の要部の拡大断面図。 図8に示す細穴放電加工装置の要部において高圧加工液の流れを示す断面図。 図8に示す細穴放電加工装置の要部のA−A断面における電極ガイドの横断面図。 図8に示す細穴放電加工装置で採用する電極ガイドの2つの形態の斜視図。 低加工速度の加工条件下での電極ガイドとワークとの間の距離の適正距離用データを示すグラフである。 加工液噴射圧力変化に対する性能変化に関する実験結果を示すグラフである。 加工液圧変化に対する加工性能変化に関する実験結果を示すグラフである。 現行の通常機械と本発明のプロト機の性能を比較したグラフである。 本発明装置による放電加工に関する、電極−ガイドGAP(片側μm)変化と加工性能の関係を示すグラフである。 従来装置と本発明装置による放電加工進行状況を比べたグラフである。 放電加工装置における加工深さの変化に対する消耗比の変化、加工速度の変化を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る細穴放電加工装置ついて図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態の細穴放電加工装置の全体構成図であり、要部の拡大断面図であり、図3は要部をさらに拡大した断面図である。
この実施形態の細穴放電加工装置1は、Z軸方向に移動されかつ回転されるように設けられ電極ホルダ10の上部を収容し固定する回転シャフト8と、回転シャフト8に上部を収容固定され棒状またはパイプ状の加工用電極11の上端を保持するチャック装置である電極ホルダ10と、加工用電極11の下端を加工液の液膜を介在させてZ軸方向にガイドする電極ガイド13と、回転シャフト8に形成され、加工液ポンプ21からの加圧加工液を回転継ぎ手5を介して導入する加圧加工液分配室8aと、電極ガイド13を収容し支持するハウジングブロック17の上部に設けられ、加圧加工液分配室8aの下端の噴射孔8bから噴射され加工用電極11を包んで流下する加工液を受け容れる液槽15と、前記ハウジングブロック17内に、該液槽15に連通していると共に加工液ポンプ21から高圧加工液22cを受け容れる高圧加工液受容室9と、高圧加工液受容室9の下端に設けられ、細穴放電加工によりワーク14に形成される入口部放電加工穴径35aにほぼ等しい径の高圧加工液22cの噴射流がほとんど広がらずに放電加工間隙に侵入させる高圧加工液噴射口9aと、を備えて成る。ここで、本実施形態ではシャフトとして回転シャフトを用いた例を示しているが、それに囚われることなく、回転しないシャフトであってもよい。
この実施形態の細穴放電加工装置1は、加工液循環系として、加工液ポンプ21と、パイプ噴射用圧力調整弁46と、加工液噴射ガイド用圧力調整弁45と、貯液槽40と、を有している。電源制御系として、コントロールユニット44と、サーボユニット39と、加工用パルス電源36と、NC装置42と、モータドライバ43とを有している。
電極ホルダ10は、ヘッド部25の回転シャフト8に支持されている。ヘッド部25は、基台23とこの基台23に立設されたコラム24とからなるフレームの、コラム24の上端張出部に支持されている。
ヘッド部25は、コラム24に固定されているZ軸プレート26と、Z軸プレート26の下端に一端を固定され水平方向に延びる案内ガイド固定板12と、からなるL字形のフレームを含み、さらにZ軸プレート26に設けられたレール27と、レール27に係合しZ軸方向(縦方向)に案内されるスライド28と、スライド28に基端を固定され水平方向に延びる昇降テーブル7とを有してなり、昇降テーブル7をZ軸方向(縦方向)に自在に移動する。
ヘッド部25は、Z軸プレート26の上端部に昇降テーブル7をZ軸方向に進退する駆動手段を備えている。すなわち、Z軸プレート26の上端部に一端を固定され水平方向に延びる取付板29に送りねじ軸34が回転可能かつ軸方向移動不可に取り付けられると共に、該送りねじ軸34が昇降テーブル7に設けた貫通孔に固着されたナットランナに螺合されている。そして、サーボモータ3を備え、該サーボモータ3の回転がサーボモータ3の出力軸33に取り付けられたプーリ31,ベルト32,送りねじ軸34に取り付けられたプーリ30を介して送りねじ軸34に伝達されるようになっている。従って、サーボモータ3が送りねじ軸34を回転することにより、昇降テーブル7が、レール27に案内されZ軸方向に進退することができる。
電極ホルダ10は、昇降テーブル7の下端に設けられ、加工用電極11の上端が下方から差し込まれるとこの上端を把持し、昇降テーブル7に設けられているモータ4によって回転されて加工用電極11を回転する。
ワーク14は、基台23上に設けられたX−Y移動テーブル装置62上に位置決め固定される。X−Y移動テーブル装置62は、NC装置42からの信号に基づいて生成するモータドライバ43の駆動信号により作動するX軸モータMX及びY軸モータMYを有し、ワーク14をZ軸方向と直交するX−Y平面内で位置決めのために移動し、ワーク14の穴あけ位置を加工用電極11に正確に対向させることができる。
加工用電極11がワーク14の入口面にZ軸降下し近接すると加工用パルスの電圧降下が生じ加工原点の設定をする。加工用電極11とワーク14のワーク位置とが精密に位置決めされているときは放電加工を開始することができ、加工用電極11とワーク14のワーク位置とが精密に位置決めされていないときはX−Y平面内で位置決めをしてから放電加工を開始する。
加圧加工液分配室8aに導入される加圧加工液22bは、加工用電極11がパイプ電極であるときは、加圧加工液22bがパイプ中空通路内を通って電極下端より放電加工孔14aの底部に直接供給される。加圧加工液分配室8aの下部は、電極ホルダ10の電極挟持面に隣接して縦方向に穿設された噴射孔8bとなっていて、加工用電極11がパイプ電極と棒状電極のいずれの場合であっても、該噴射孔8bは、その下端において一つにまとまった比較的大きな径の加圧加工液の流れとして加工用電極11を電極ガイド13までの間を包んで冷却する。この加圧加工液22bの流れは液槽15に受容される。
液槽15は、案内ガイド固定板12の張出端上面に支持され、加圧加工液分配室8aから噴射され加工用電極11を包んで流下する加工液を受け容れる。液槽15は、下位置に設置される貯液槽40と溢流液流下ホース52で連通接続され加工液を貯液槽40に溢流させる。液槽15は、必要な容積とされていて、加圧加工液分配室8aに導入される加圧加工液が多量であり、液槽15に受容される加圧加工液が多量であっても、液槽15からの溢流液が貯液槽40に流下することで、液槽15が一定の液面レベルに保たれる。
加工用電極11の上部ガイドピース13cより上部が気中状態であると、加工用電極11に電流を多く流すと電極が焼損する。また、高圧加工液22の噴射は上部ガイドピース13cと電極との隙間から上方へも生じるために、電極ホルダ10と上部ガイドピース13cとの間が比較的長い場合は、電極の振動及び湾曲が生じる。そのために、液槽15を設け、液槽15中の高圧加工液22cでガイド上方向の加工液噴射力を吸収し、かつ、液槽15は溢流方式にしているので、気中状態でも加工用電極11に電流を多く流して高速で安定した細穴放電加工を実現できる。
図6に示すように、電極ガイド13は中空体に形成されており、高圧加工液受容室9は、この実施形態では、電極ガイド13の中空の部分である。この中空の部分である高圧加工液受容室9に高圧加工液22cを導入するための高圧加工液導入路として、案内ガイド固定板12の内部に液路12aが設けられ、案内ガイド固定板12の張出端下面に固定されたハウジングブロック17に液路17aが設けられ、該液路17aと連通され電極ガイド13の側面中途と電極ガイド13の中空である高圧加工液受容室9に連通する貫通路13aが設けられている。そして、電極ガイド13の中空部である高圧加工液受容室9の下端に高圧加工液噴射口9aを担持する下部ガイドピース13bが設けられているので、図3に示すように、ハウジングブロック17は、電極ガイド13の下端部を露出させて該電極ガイド13を収容している。すなわち、ヘッドカバー17bが電極ガイド13の下端部を露出させている。なお、貫通路13aは、円形、角形、若しくは楕円形で加圧した高圧加工液22cを流入させる役割の外に、電極ガイド13の内で破損した加工用電極11や加工屑の除去排出口としても役割を果たし、電極ガイド13の機械的強度の許す範囲で大きくすることが望ましい。
図6に示すように、高圧加工液受容室9は、電極径よりも数倍大きい径に形成されていて、下端と上端を絞るように、中空の部分の中心と同心に下部ガイドピース13b及び上部ガイドピース13cが固定されている。この実施形態で、高圧加工液噴射口9aを担持する下部ガイドピース13bは、加工用電極11を通しており、加工用電極11の周囲に例えば2μm以下の間隙を有するように電極径よりも超微小に大きい口径に形成され、上側端面が漏斗状に形成され、超微小の間隙に高圧加工液22cの液膜を介在させて加工用電極11をZ軸方向にガイドする機能を有し、かつ液膜によりガイドする機能を有しながら中空の部分の高圧加工液22cを下方向に加工用電極11を包む超薄膜の噴射流となって噴射する。従って、下部ガイドピース13bの加工用電極11を通している開口と加工用電極11との間隙が、高圧加工液噴射口9aとなっていて加工用電極径よりも超微小に大きい口径に規制されていることにより、細穴放電加工により形成される入口部放電加工穴径35aにほぼ等しい径の高圧加工液22cの噴射流がほとんど広がらずに放電加工間隙に侵入させる放射案内機能を有する。
上部ガイドピース13cは、加工用電極11を通しており、加工用電極11の周囲に間隙を有するように電極径よりも超微小に大きい口径に形成され、上側端面が漏斗状に形成され、超微小の間隙に高圧加工液22cの液膜を介在させて加工用電極11をZ軸方向にガイドする機能を有している。上部ガイドピース13cの内径は下部ガイドピース13bの内径よりも幾分大きくて差し支えない。
図1に示すように、貯液槽40内の加工液22を加工液ポンプ21により汲み上げて加圧加工液分配室8aに供給する加圧加工液22bと、高圧加工液受容室9に供給する高圧加工液22cとに分岐して循環するように構成されている。すなわち、加工液ポンプ21から給送される加工液22aをパイプ噴射用圧力調整弁46で調圧して加圧加工液22bとし、該加圧加工液22bを電極ホルダ10内の加圧加工液分配室8aに導入し、また、加工液ポンプ21から給送される加工液22aの分岐流を加工液噴射用圧力調整弁45で加圧加工液22bの液圧よりも高い圧力となるように調圧して高圧加工液22cとし、この高圧加工液22cを電極ガイド13の中空部である高圧加工液受容室9に導入している。高圧加工液受容室9に導入される高圧加工液22cの液圧が3MPa以上であり、加工用電極11の電極ガイド13より電極下端までの間を高圧加工液22cで包んだ状態の噴射流の液圧が3MPa以上にすることが、高圧加工液22cが放電加工間隙35bに深く侵入して加工屑を洗い出すのに大きな効果がある。そこで、加工液噴射用圧力調整弁45の圧力設定を3MPa以上とする。
高圧加工液22cの圧力を3MPa以上にすると、下部ガイドピース13bは加工用電極11を通した状態での加工液噴射は、噴射方向10mm以内の金属材表面等に当たると高圧加工液22cは霧化する勢いを持つ。上部ガイドピース13cの上側には液槽15を取り付け高圧加工液22cを流入させる。液槽15内の加工液は高圧加工液22cの液圧に応じ、その水位を変更し、かつ、加工用電極11の電極ホルダ10から上部ガイドピース13cまでの間で部分が水没する水位にする。これにより、加工中の進退移動時に生ずる電極振動、電極湾曲を防止する機能を有し、かつ、電極ホルダ10から上部ガイドピース13cまでの間の電極冷却を行える。
上記の電極冷却方法で、電極径0.2mm以下の加工用電極11で加工パルス設定電流をこれまでの3倍以上とすることもでき、高速に穴あけ放電加工ができる。
電極ホルダ10に設けられる加圧加工液分配室8aは、加工液ポンプ21により供給される加圧加工液22bを該電極ホルダ10に保持された加工用電極11の外面を包んで電極ガイド13に向かって放射すると共に該加工用電極11がパイプ電極である場合には該パイプ電極の内部空間にも加圧加工液を供給する。
電極ガイド13に設けられる高圧加工液受容室9は、加工用電極11の電極ホルダ10から該電極ガイド13までの間を包んで該電極ガイド13に到達する噴射流の加圧加工液を受け容れると共に、該加圧加工液よりも高圧の高圧加工液22cを高圧加工液供給路51を介して受け容れて該加工用電極11の該電極ガイド13より電極下端までの間を高圧加工液22cで包んだ状態の噴射流とする。
高圧加工液受容室9は、細穴放電加工により形成される入口部放電加工穴径35aにほぼ等しい径を有する高圧加工液噴射口9aを有し、該高圧加工液噴射口9aより噴射する高圧加工液22cの噴射流がほとんど広がらずに放電加工間隙35bに侵入させる噴射機能を有する。
加工前後から発生する霧状になった加工屑を含む飛散加工液及び液状化物を吹き飛ばすためのエア又は不活性ガスを噴射するエアノズル16と、エアノズル16により吹き飛ばされた飛散加工液及び液状化物を回収するための噴霧加工液回収装置20と、を備えている。噴霧加工液回収装置20は、案内ガイド固定板12の下面に固定され、エアノズル16も同様に固定される。エアノズル16からエア又は不活性ガスを噴射するため、及び噴霧加工液回収装置20で負圧吸引を行うために、加圧空気供給装置(例えばエアコンプレッサ)47と、エアブロー流量調整弁48と、エア吸引流量調整弁49と、真空発生器50とを備えている。エアノズル16より不活性ガスを噴射する場合には、図示しないボンベが設けられる。真空発生器50で捕捉される湿分は、貯液槽40に流下する。加圧空気供給装置47は、コントロールユニット44の判定処理手段44cからの制御信号により制御される。
加工用パルス電源36は、加工用電極11を陰極、ワーク14を陽極となるように、出力線37を介して通電ブラシ6より回転シャフト8に電気的に接続されると共に、出力線38を介してワーク14に電気的に接続され、加工用電極11の下端面とワーク14の電極下端面対向部位との間に形成される放電加工間隙35bに加工用パルス電圧を印加する。尚、加工用電極11とワーク14の材質により前記極性を逆接続にしてもよい。
放電加工中は加工液を噴射しつつ、加工用電極11がワーク14にサーボユニット39によりZ軸方向に進退せしめ適正な放電加工間隙35bを維持する。
サーボユニット39は、サーボ回路とサーボドライバを有し、NC装置42からの信号に基づいて加工用パルス電源36から出力されるパルスを入力し、サーボモータ3を制御駆動する。
サーボモータ3の駆動回転により昇降する昇降テーブル7の移動量は、ロータリーエンコーダ2でパルス量として検出され、コントロールユニット44の電極移動位置計測手段に入力するようになっていて、常に電極の移動位置が何処にあるか検出されメモリ処理及び比較処理手段44bにデータ入力され又は比較処理される。
コントロールユニット44は、電極移動位置計測手段44aと、マイクロコンピュータを用いたメモリ処理及び比較処理手段44bと、マイクロコンピュータを用いた判定処理手段44cと、を有している。
電極移動位置計測手段44aは、サーボモータ3の駆動回転により昇降する昇降テーブル7の移動量(電極の移動量)をロータリーエンコーダ2が検出し移動量に対応して出力するパルス量を入力して、放電加工を行っている電極下端の現在位置を常時検出し、位置信号をメモリ処理及び比較処理手段44bに出力する。
メモリ処理及び比較処理手段44bは、パイプ電極の内部を通る加圧加工液の噴射開始位置を比較する手段と、高圧加工液噴射口9aからの高圧加工液22cの噴射開始位置を比較する手段と、加工終了位置を比較する手段と、電極からの加工液噴射停止位置を比較する手段と、高圧加工液噴射口9aからの高圧加工液22cの噴射停止位置を比較する手段と、を有し、各手段に設定されている閾値と電極移動位置計測手段44aからの信号とを比較して等しくなったときに必要な制御信号を判定処理手段44cに出力する。
判定処理手段44cは、軸送り・加工制御手段と、加圧空気供給時間制御手段と、加工液ポンプ圧力制御増減速を判定する手段と、加圧加工液の圧力調整弁制御手段と、高圧加工液22cの圧力調整弁制御手段と、を有し、加工液循環系・加圧空気供給系・電源制御系の各機器への制御信号を出力する。すなわち、判定処理手段44cは、加工液ポンプ21に対する駆動開始停止信号、パイプ噴射用圧力調整弁46と加工液噴射ガイド用圧力調整弁45に対する圧力設定信号,弁開閉信号、加圧空気供給装置47に対する駆動開始停止信号、サーボユニット39に対するZ軸方向移動量指示信号、と、加工用パルス電源36に対する制御信号と、NC装置42に対する制御信号と出力する。
判定処理手段44cは、所要の放電加工用パルス電圧が放電加工間隙35bに印加され、放電加工間隙35bの隙間を所要の最適値に制御するためのサーボ制御信号svが出力される。放電加工間隙35bの状態を示す信号Fは、加工用パルス電源36からコントロールユニット44に与えられ、サーボ制御信号svはサーボモータ3に与えられ、これにより加工用電極11のZ軸方向への送り量の制御が行なわれる。
加工用パルス電圧は加工用パルス電源36から出力線37,38を介して加工用電極11とワーク14との間に形成される放電加工間隙35bに印加する。
加工中、加工用電極11は、電極回転モータ4によって回転されるとともに、サーボモータ3によってZ軸方向に進退され、その間中、電極先端部を電極ガイド13によって案内されワーク14に対して正確な位置決め状態を保持される。
加工用電極11が前記ワーク14の入口面にZ軸降下するに伴い近接すると加工用パルスの電圧降下が生じ加工原点の設定をする。その後、NC放電加工機では、加工位置移動し放電加工を開始または直接放電加工を開始することができる。
符号55は封止部材であり、Oリングが使用されている。符号56は電極を案内するすり鉢状ブロックであり、符号59はプラグキャップである。
上記発明の細穴放電加工装置は、電極ホルダで棒状またはパイプ状の加工用電極の上部を保持し、加工用電極の下部をワーク14に近接する位置で電極ガイドで高圧加工液22cの液膜を介在させてZ軸方向にガイドする。そして、高圧加工液受容室9に導入される高圧加工液22cを高圧加工液噴射口9aから噴射する。高圧加工液噴射口9aは、加工用電極径よりも超微小に大きい口径に規制されていて、噴射流をほとんど広がらせずかつ噴射流で加工用電極の外面を包むようにして高圧加工液22cを噴射するので、該高圧加工液22cを放電加工間隙35bに深く侵入させる。このため、加工用電極を回転させながらワーク14に対してZ軸方向に相対的送りして細穴放電加工を行うと、これにより放電加工孔の底部に生じる加工屑が放電加工間隙35bに深く侵入する加工液に取り込まれて放電加工間隙35bから放電加工孔入口部に円滑に運ばれる。高圧加工液噴射口9aからワーク表面の放電加工孔入口部周囲に到達する噴射流は、放電加工間隙35bから該放電加工孔入口部周囲に流出したばかりの加工屑を含んだ加工液に強烈に当たり、当たった衝撃で噴霧状になって飛散するので、ワーク表面の放電加工孔入口部周囲に液溜まりを作らないから、放電加工孔入口部のエッジに溶融付着物が形成されず、放電加工孔の底部に生じる加工屑が放電加工間隙35bに留まらずに円滑に外部に排出される。そして、加工用電極の冷却が十分に大きく行われるから、加工用電極に供給する電流を従来よりも大幅に大きくすることができるので、放電加工時間を従来の数分の1に短縮でき、放電加工効率が大幅に向上する。さらに、穴あけが完了した時点では、高圧加工液噴射口9aからの噴射流は放電加工間隙35bを突き抜けるので、この噴射流によって電極側面に付着する加工屑が洗い流されるから、加工用電極の下端に溶融付着物が形成されない。
図4に示すように、加工用電極11と電極ガイド13の下部ガイドピース13bとの隙間(実験では片側0.01mm以下)から高圧加工液22cを電極側面に沿って電極を包囲しつつ噴射するため、高圧加工液22cが直接加工穴に入り込む液流になる。また、加工屑が排出される際に下部ガイドピース13bから噴射される高圧加工液22cが加工穴入口部周囲を覆う範囲が少ないため加工屑排出を効率的行うことができ、加工効率が良い状態となる。
電極ガイド13の下部ガイドピース13bからの加工液噴射は、加工用電極11が棒状電極及びパイプ状電極の何れにおいても形成される放電加工間隙35bの入口部に向けて少なくとも3MPa以上に加圧された加工液22を電極進退方向とほぼ平行に電極の表面周囲をほぼ放電加工拡大しろと同等の厚み又はそれ以下の厚みで包囲しつつ電極外側面を沿って噴射する。
噴射された高圧加工液22cがワーク14上面に直接あたる領域35cでは、該加工液は霧化するため比較的薄い水流の壁となり、電極回転等により入口部放電加工口径35aの加工ギャップが拡大不均一になった部分から噴射加工液が放電間隙に供給されて加工チップを伴い電極のワーク貫通前には放電加工間隙35bの入口部へ送出される。このとき、放電加工間隙35bの入口部では排出すべき加工屑を伴った加工液と電極ガイド13から噴射された高圧加工液22cとが衝突する。しかし、実験例の観察によると、周囲の液層がこれまで使用されている加工液噴射ノズルを使用したものと比較して極端に排出が効率的に行われる。このために、加工速度が大幅に向上する。
図7(a)〜(e)は、この細穴放電加工装置1で採用する電極ガイド13の5つの形態の斜視図を示す。図7(a)〜(e)に示すいずれの電極ガイド13についても、図6を用いて上述したように、軸方向に貫通する高圧加工液受容室9の下端と上端に嵌合された下部ガイドピース13bと上部ガイドピース13cに加工用電極11が挿通された高圧加工液受容室9に対し、高圧加工液22cを流入させる役割を果たす他に、高圧加工液受容室9内で破損した加工用電極11や加工チップ等の残存物の除去排出口としても役割を果たす。高圧加工液受容室9内に高圧加工液22cを導入する貫通路13aを備えている。
このため、貫通路13aは、電極ガイド13の機械的強度の許す範囲で大きくすることが望ましい。貫通路13aは、図7(a)に示す電極ガイド13では上下に長い長円孔となるように開設され、図7(b)に示す電極ガイド13では上下に長い矩形孔となるように開設され、図7(c)に示す電極ガイド13では上下方向の中央部を側方から見てコの字に切除し水平断面が半円分だけ残って上下が繋がっている形態に開設されている。図7(d),(e)に示す電極ガイド13では貫通路13aより下側部分の外面を高圧加工液が接触して流れるようになっていて電極ガイド13を冷却するようになっている。またこの形状は、後述する第2の実施形態の電極ガイド13Aとしても使用可能な形態になっている。
貫通路13aの大きさについては、上下方向に4mm以上の長さを確保する。これによって、加工用電極11に超鋼合金材を使用した場合に、外部応力等が加わることにより、高圧加工液受容室9内で2mm、4mm、8mmなどばらばらの長さで粉砕状態になる加工用電極11の排除が良好に行える。
[第2の実施形態]
図8は本発明の第2の実施形態の細穴放電加工装置に係る要部の断面図である。図9は同要部において高圧加工液の流れを示す断面図である。この実施形態では、ハウジングブロック17Aが電極ガイド13Aを密閉状態に収容している。この実施形態では、高圧加工液受容室9Aが、ハウジングブロック17A内の電極ガイド13Aの側面部から下端までの部分を取り囲んで形成されている。ヘッドカバー17cは電極ガイド13Aを密閉して設けられ高圧加工液噴射口9aを有している。高圧加工液22cは、電極ガイド13Aの側面部周囲に沿って導入され下端に至るようになっている。高圧加工液噴射口9aは、下部ガイドピース13bの下側近傍に同心状態に設けられている。高圧加工液噴射口9aの高圧加工液22cの噴射機能は第1の実施形態の場合とまったく同一である。またそのほかの構成は、第1の実施形態の場合とまったく同一であるので、図示されている部分において対応する構成要素に第1の実施形態に係る図面に付した符号と同一の符号を付して、説明は省略する。
図10は図8のA−A断面形状であり、電極ガイド13の周面に形成された加工液を流すための送液溝の形状に関する三つの相違した構成を示している。この送液溝が高圧加工液受容室9Aを担持している。
図11(a)は第2の実施形態の細穴放電加工装置で使用する電極ガイド13Aを示す。この例の電極ガイド13は、周面に母線方向に直線状でありかつ周方向に並ぶ複数の送液溝を加工液通路として有し、加工液22を該噴射穴へ直線状に送液する。この直線状の送液溝とした場合には、電極の進退方向と同じ方向であるので送液方向の液流の乱れを安定させるから、高圧加工液噴射口9aからワーク14までの距離を比較的長めにとって穴加工を行うことができる。
また図11(b)は電極ガイド13Aの他の例を示す。この例の電極ガイド13Aは、ガイド側面に螺旋状の溝を有するので、加工屑の排出に回転した流れを与えることになり、電極回転速度が比較的低い状態でも加工が安定する。この例の電極ガイド13は、螺旋状の溝は45度の角度をなすように形成されている。しかし、この螺旋状の溝の角度は45度に限定されるものではなく、電極ガイド13Aからワーク14までの距離や電極回転速度に応じ、その時々の状況に応じて適宜な溝角度値を備える電極ガイド13Aを選択使用してもよい。
なお、直線及び螺旋状の溝本数は単数及び複数を使用してもよい。
[実験例1]
実施形態に示す細穴放電加工装置にパイプ電極を取り付け、材質SUS304、加工厚さ1mmのワークに放電加工を行うと、加工穴径が0.075mmとなり、加工時間が約4秒となった。このデータでは、噴射加工液22の液量が20.7g/minであり、この液量の使用は、図4に示すパイプ電極径35dが0.1mmであるときの加工液流量0.254ml/minの約80倍の使用になる。穴径と加工厚みの相違はあるが、加工速度比較では電極ガイド13を備えていることで従来よりも約25倍の速度向上になる。この加工液噴射ガイドを使用する環境は加工屑の排出を安定的に維持する必要があり、そのため電極ガイド13からワーク14までの間は水没しないようにする。
[実験例2]
実施形態に示す細穴放電加工装置にパイプ電極を取り付け、材質SUS304、加工厚さ1mmのワークに放電加工を行うと、図4に示す電極径35dが0.055mm、下部ガイドピース13bが内径0.063mmである設定条件の場合、下部ガイドピース13bから噴射した高圧加工液22cは直径0.065mmで放射状に広がりつつ0.3mmの距離にあるワーク14に到達し、噴射加工液22のワーク14上面での放射径35fは0.082mmと測定された。このときの加工穴径は、0.079mmであった。放電加工中に加工液22が放電加工間隙35bを通りワーク14の上面に直接到達する、該放電加工間隙35bの半径方向の幅は、
((噴射加工液のワーク上面での放射径35f)−(入口部放電加工穴径35e))/2=0.0015mm
となり、前記の噴射加工液がこの領域35cで霧化する。
故に、放電加工間隙35bの入口部から排出される放電加工屑が排出されるときに該放電加工屑を阻害する加工液の壁、水溜りが無いか少ない状態で放電加工が進行する。該加工では、ワーク14の材質がSUS304で加工厚みが1.0mmのとき放電加工時間が3.7秒であった。
Figure 2013031011
表1の加工性能比較データでは他社の加工速度と比較し約7倍となった。加工条件の変更で穴径が0.007mm拡大されるが約10倍の加工速度で加工することができる。この加工時間で使用された加圧され電極ガイド13から噴射される加工液22は1.7ccであり、極めて少ない加工液22の使用量である。
図12に示すグラフは、低加工速度の加工条件下での電極ガイド13とワーク14との間の距離の適正距離用データであり、加工液噴射時は0.3mmを上記距離の目安としている。放電加工中は、霧化した加工液22は加工時間が長くなるに従い加工周囲で液状化する傾向にあるため、電極ガイド13の近傍に取り付けられたエアノズル16よりエアを噴出しつつ、電極ガイド13から噴射された加工液22と該噴射加工により排出された放電加工屑とを含む液状及び霧状の加工液22を放電加工間隙35bの入口部から吹き飛ばし、エアノズル16のエア噴出方向に設けられた電極ガイド13を通過した先に設けた噴霧加工液回収装置20により放電加工屑を含む液状及び霧状の加工液22を回収することで、排出すべき放電加工屑を含む加工液22の排出を阻害するものが極力少なくなるため、安定した高速の放電加工を行い、かつ、ワーク14の取り付け、取り外し等の作業性を気中環境で良好に行える。
[実験例4]
図13は、加工液噴射圧力に対する性能変化に関する実験結果を示すグラフである。図14は、加工液圧変化に対する加工性能変化に関する実験結果を示すグラフである。
この実験は、加工液噴射圧力(流量)を変化させることで、電極消耗比、加工速度、加工穴入口径の各変化を測定した。この実験では、SUS304で厚み1.0mmのワーク14に対して、電極径0.055mmで貫通する。この際、電極ガイド13上部の電極冷却と放電加工間隙へのエア噴射を併用した。実験結果によれば、電極ガイド13の加工液噴射圧力が3MPaの前後で加工性能が大きく変化した。
詳述すると、加工液噴射圧力3MPaまでは電極ガイド13からの噴射流量が放電時に生ずる加工屑排出の効果が不足状態で、加工液噴射圧力3MPaから電極消耗の上昇が止まり、加工屑排出が効果的に行われる状態となる。加工液噴射圧力12MPaから電極消耗比、加工速度、加工穴入口径に大きく変化するのが測定できた。加工液噴射圧力12MPaでは電極消耗比と加工穴入口径が小さくなった要因として、電極ガイド13の上部ガイドピース13c及び下部ガイドピース13bの加工用電極11と対向する案内面に加工液22が通過する際に潤滑液として働き、加工中の電極進退動作に機械的負荷が軽減されたか、上部ガイドピース13c及び下部ガイドピース13bと加工用電極11間の加工液流速により滑り軸受の摩擦低減が働いたと考える。このことは、加工液噴射圧力が少ない状態であっても電極回転数の高速化を行うことで、前記加工性能が変化すると考えられる。したがって、本発明者の実験によれば、電極ガイド13上部の電極冷却と放電加工間隙のエア噴射を併用し、電極ガイド13を使用し高圧加工液22cの液圧が少なくとも3MPaであることが、比較的細径の穴から微細径の穴を高速であけるために有用であることが確認された。なお、高圧加工液22cの液圧が20MPa以上でも良好に細穴放電加工が行えることも確認された。
図15は、現行の通常機と本発明のプロト機を比較した性能を比較したグラフである。SUS304、厚さ1.0mmのワークに対し、電極径0,055mmで穴あけ放電加工を行い、加工速度、電極消耗比、穴径、GAPを比較した。グラフに示すように、加工速度が飛躍的に速くなり、電極の消耗が少なくなり、ギャップが小さくなった。
図16は、本発明装置による放電加工に関する、電極−ガイドGAP(片側μm)変化と加工性能の関係を示すグラフである。
図17は、従来装置と本発明装置による放電加工進行状況を比べたグラフである。SUS304で厚さ20mmのワークに対し、φ1mmの真鍮製の棒状電極を用いて穴あけ加工を行い、貫通させるまでの進行状況を測定した。従来装置では49秒かかって貫通したのに対し、本発明装置では5秒で貫通した。
図18は、放電加工装置における加工深さの変化に対する消耗比の変化、加工速度の変化を示すグラフである。
[その他の実施形態]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて把握される技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。
8 回転シャフト
8a 加圧加工液分配室
8b 噴射孔
9,9A 高圧加工液受容室
9a 高圧加工液噴射口
10 電極ホルダ
11 加工用電極
13 電極ガイド
14 ワーク
15 液槽
16 エアノズル
17,17A ハウジングブロック
17a 液路
20 噴霧加工液回収装置
21 加工液ポンプ
22b 加圧加工液
22c 高圧加工液
35a 入口部放電加工穴径
35b 放電加工間隙
40 貯液槽
好ましくは、上記発明において、前記高圧加工液受容室は、前記電極ガイドを収容するハウジングブロックに設けられ該電極ガイドの外面に沿って下端まで導入するように形成され、前記高圧加工液噴射口は、前記高圧加工液受容室の前記電極ガイドの下側近傍に同心に設けられている。
この構成では、高圧加工液が電極ガイドの周囲の空間に大量に導入することができ、高圧加工液受容室の下端の高圧加工液噴射口より噴射する高圧加工液の噴射流が、細穴放電加工により形成される入口部放電加工穴径にほぼ等しい径を有する高圧加工液噴射口より電極下端までの間を包んでほとんど広がらずに、放電加工間隙に侵入する。このため、深い細穴の放電加工でも短時間に加工できる。
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態の細穴放電加工装置の全体構成図であり、図2は要部の拡大断面図であり、図3は要部をさらに拡大した断面図である。
この実施形態の細穴放電加工装置1は、Z軸方向に移動されかつ回転されるように設けられ電極ホルダ10の上部を収容し固定する回転シャフト8と、回転シャフト8に上部を収容固定され棒状またはパイプ状の加工用電極11の上端を保持するチャック装置である電極ホルダ10と、加工用電極11の下端を加工液の液膜を介在させてZ軸方向にガイドする電極ガイド13と、回転シャフト8に形成され、加工液ポンプ21からの加圧加工液を回転継ぎ手5を介して導入する加圧加工液分配室8aと、電極ガイド13を収容し支持するハウジングブロック17の上部に設けられ、加圧加工液分配室8aの下端の噴射孔8bから噴射され加工用電極11を包んで流下する加工液を受け容れる液槽15と、前記ハウジングブロック17内に、該液槽15に連通していると共に加工液ポンプ21から高圧加工液22cを受け容れる高圧加工液受容室9と、高圧加工液受容室9の下端に設けられ、細穴放電加工によりワーク14に形成される入口部放電加工穴径35aにほぼ等しい径の高圧加工液22cの噴射流がほとんど広がらずに放電加工間隙に侵入させる高圧加工液噴射口9aと、を備えて成る。ここで、本実施形態ではシャフトとして回転シャフトを用いた例を示しているが、それに囚われることなく、回転しないシャフトであってもよい。
図6に示すように、電極ガイド13は中空体に形成されており、高圧加工液受容室9は、この実施形態では、電極ガイド13の中空の部分である。この中空の部分である高圧加工液受容室9に高圧加工液22cを導入するための高圧加工液導入路として、案内ガイド固定板12の内部に液路12aが設けられ、案内ガイド固定板12の張出端下面に固定されたハウジングブロック17に液路17aが設けられ、該液路17aと連通され電極ガイド13の側面中途と電極ガイド13の中空である高圧加工液受容室9に連通する貫通路13aが設けられている。そして、電極ガイド13の中空部である高圧加工液受容室9の下端に高圧加工液噴射口9aを担持する下部ガイドピース13bが設けられているので、図3に示すように、ハウジングブロック17は、電極ガイド13の下端部を露出させて該電極ガイド13を収容している。すなわち、ヘッドカバー17bが電極ガイド13の下端部を露出させている。なお、貫通路13aは、円形、角形、若しくは楕円形で加圧した高圧加工液22cを流入させる役割の外に、電極ガイド13の内で破損した加工用電極11や加工屑の除去排出口としても役割を果たし、電極ガイド13の機械的強度の許す範囲で大きくすることが望ましい。

Claims (7)

  1. ワークの近傍で棒状電極またはパイプ電極である加工用電極の下部を加工液の液膜を介在させてZ軸方向にガイドする電極ガイドを備え、
    前記電極ガイドをワークの近傍において固定するハウジングブロック内に高圧加工液を受け容れる高圧加工液受容室を備え、
    前記高圧加工液受容室がその下端に、電極径よりも超微小に大きい口径に規制されていて、細穴放電加工により形成される入口部放電加工穴径にほぼ等しい径の高圧加工液の噴射流がほとんど広がらずに放電加工間隙に侵入させる高圧加工液噴射口を備えて成ることを特徴とする細穴放電加工装置。
  2. さらに、前記加工用電極を保持するシャフトと、
    前記シャフトの内部に加圧加工液を導入し前記加工用電極を通しかつ噴射孔を有する加圧加工液分配室と、
    前記電極ガイドの上側に、前記加圧加工液分配室の噴射孔から噴射され加工用電極を包んで流下する加圧加工液を受け容れかつ加工用電極がパイプ電極であるときはその内部通路に連通状態に臨み加圧加工液分配する液槽と、
    前記液槽から溢流液を溢流液流下管を通して受け容れる貯液槽とを備えることを特徴とする請求項1に記載の細穴放電加工装置。
  3. 前記貯液槽内の加工液を加工液ポンプにより上記加圧加工液と上記高圧加工液とに分岐して循環するように構成されている請求項1又は2に記載の細穴放電加工装置。
  4. 前記高圧加工液受容室に導入される前記高圧加工液の液圧が3MPa以上であり、前記加工用電極の前記電極ガイドより電極下端までの間を高圧加工液で包んだ状態の噴射流の液圧が3MPa以上とする圧力設定手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の細穴放電加工装置。
  5. 前記高圧加工液受容室は、電極ガイドの中空部であり、電極ガイドの下端を露出して該電極ガイドを収容するハウジングブロックに設けられた液路を介して高圧加工液を導入し、前記高圧加工液噴射口は、前記電極ガイドの中空部である前記高圧加工液受容室の下端に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の細穴放電加工装置。
  6. 前記高圧加工液受容室は、前記電極ガイドの電極ガイドを収容するハウジングブロックに設けられ該電極ガイドの外面に沿って下端まで導入するように形成され、前記高圧加工液噴射口は、前記高圧加工液受容室の前記電極ガイドの下側近傍に同心に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の細穴放電加工装置。
  7. 加工前後から発生する霧状になった加工屑を含む飛散加工液及び液状化物を吹き飛ばすためのエア又は不活性ガスを噴射するエアノズルと、
    前記吹き飛ばされた飛散加工液及び液状化物を回収するための噴霧加工液回収装置と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の細穴放電加工装置。
JP2013505021A 2011-09-01 2011-09-01 細穴放電加工装置 Active JP5255167B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2011/069959 WO2013031011A1 (ja) 2011-09-01 2011-09-01 細穴放電加工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5255167B1 JP5255167B1 (ja) 2013-08-07
JPWO2013031011A1 true JPWO2013031011A1 (ja) 2015-03-23

Family

ID=47755559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013505021A Active JP5255167B1 (ja) 2011-09-01 2011-09-01 細穴放電加工装置

Country Status (8)

Country Link
US (1) US9737946B2 (ja)
EP (1) EP2752268B1 (ja)
JP (1) JP5255167B1 (ja)
KR (2) KR101662419B1 (ja)
CN (1) CN103118826B (ja)
ES (1) ES2750567T3 (ja)
TW (1) TWI551382B (ja)
WO (1) WO2013031011A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107900471A (zh) * 2017-11-24 2018-04-13 中山复盛机电有限公司 应用于细孔电极放电加工的组合式导引装置
EP3552746A1 (de) * 2018-04-10 2019-10-16 Siemens Aktiengesellschaft Vorrichtung zum selektiven elektrochemischen bearbeiten von werkstücken und anlage zum herstellen eines werkstücks mit einer solchen vorrichtung
CN109014455B (zh) * 2018-06-22 2020-03-06 株式会社沙迪克 放电加工装置
CN109014456B (zh) * 2018-06-22 2020-06-12 沙迪克(厦门)有限公司 放电加工装置
KR102135212B1 (ko) * 2018-10-24 2020-07-17 (주)애니캐스팅 전해생성물 제거가 가능한 전해가공장치
JP7343325B2 (ja) 2019-07-26 2023-09-12 株式会社ディスコ 廃液処理装置
CN110560805B (zh) * 2019-08-06 2020-11-20 沙迪克(厦门)有限公司 放电加工装置的放电加工单元
CN110899879B (zh) * 2019-10-30 2021-01-01 沙迪克(厦门)有限公司 放电加工装置的下侧引导单元
FR3125451A1 (fr) * 2021-07-26 2023-01-27 Safran Dispositif de guidage d’une électrode d’appareil de perçage par électroérosion
CN114043018B (zh) * 2021-11-29 2024-03-29 南京诚光新能源科技有限公司 一种电火花穿孔设备及其穿孔加工工艺

Family Cites Families (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3067358A (en) * 1960-11-02 1962-12-04 Ibm Electro-erosion apparatus
JPS5523674B2 (ja) * 1974-09-30 1980-06-24
FR2478512B1 (ja) * 1980-03-24 1985-03-22 Charmilles Sa Ateliers
JPS58196925A (ja) * 1982-05-10 1983-11-16 Mitsubishi Electric Corp ワイヤカツト放電加工装置のワイヤ電極供給装置
JPS61182725A (ja) * 1986-02-06 1986-08-15 Mitsubishi Electric Corp ワイヤカツト放電加工用電極ガイドユニツト
JPH01205922A (ja) * 1988-02-08 1989-08-18 Fanuc Ltd イニシャルホール加工装置
JPH0825096B2 (ja) 1988-12-16 1996-03-13 三菱電機株式会社 加工装置
US5073690A (en) 1989-02-23 1991-12-17 Fort Wayne Wire Die, Inc. Long lasting electrical discharge machine wire guide
JP3241780B2 (ja) 1991-12-17 2001-12-25 株式会社ソディック 細孔放電加工装置
JPH05185326A (ja) 1992-01-13 1993-07-27 I N R Kenkyusho:Kk 細穴放電加工装置
US5416289A (en) 1994-02-14 1995-05-16 Tanaka; Dwight Method of and apparatus for increasing the productivity of an electroerosion drill
JP2719112B2 (ja) * 1994-05-18 1998-02-25 オグラ宝石精機工業株式会社 ワイヤカット放電加工機におけるワイヤガイドユニット
JP3540464B2 (ja) * 1995-10-13 2004-07-07 三菱電機株式会社 放電加工装置の加工液処理装置
JP3575209B2 (ja) * 1997-02-04 2004-10-13 三菱電機株式会社 細穴放電加工装置、および該装置を使用した細穴放電加工方法
TW339299B (en) * 1997-08-14 1998-09-01 Castek Mechatron Industry Co L The double processing-liquids circulation system of fining-hole EDM includes 1st oil-water separating tank, 2nd water-filtering tank and the 3rd oil-filtering tank, to separate & filter oil & water as processing liquid
WO2000023220A1 (fr) * 1998-10-16 2000-04-27 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Ensemble d'usinage par etincelage a fils
WO2000023221A1 (fr) * 1998-10-19 2000-04-27 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Ensemble d'usinage par etincelage a fils
JP4430199B2 (ja) 2000-04-06 2010-03-10 株式会社エレニックス 細穴放電加工方法および細穴放電加工装置
US6833523B2 (en) * 2001-02-14 2004-12-21 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Wire cut electric discharge machine with fluid cooler and method of machining
US6806435B2 (en) * 2001-04-12 2004-10-19 Elenix, Inc. Small hole electric discharge machine drill provided with depth-specific processing means
US6734384B2 (en) * 2001-08-10 2004-05-11 Ann Arbor Machine Company Electrical discharge machine apparatus with improved dielectric flushing
US6844519B2 (en) * 2002-03-14 2005-01-18 Mc Machinery Systems, Inc. Electric sparking drill and method for forming a hole with an electric spark
JP4099356B2 (ja) 2002-04-11 2008-06-11 株式会社エレニックス 細穴放電加工方法および装置
US6717094B2 (en) * 2002-07-22 2004-04-06 Edward L. Beaumont Electrical discharge machine and methods of establishing zero set conditions for operation thereof
CA2445077C (en) * 2003-10-09 2008-02-12 Elenix, Inc. Small hole electrical discharge machining method and small hole electrical discharge machining apparatus and electrode inserting method and electrode inserting apparatus
JP4593479B2 (ja) * 2004-01-23 2010-12-08 三菱電機株式会社 放電加工装置
US6897400B1 (en) * 2004-03-16 2005-05-24 General Electric Company Out flushing guide bushing
CN100503115C (zh) * 2005-02-28 2009-06-24 三菱电机株式会社 放电加工装置
US7824526B2 (en) * 2006-12-11 2010-11-02 General Electric Company Adaptive spindle assembly for electroerosion machining on a CNC machine tool
JP5039002B2 (ja) * 2008-09-16 2012-10-03 株式会社ソディック ワイヤカット放電加工装置、ワイヤガイドアッセンブリおよびその洗浄方法
JP5460039B2 (ja) 2008-12-03 2014-04-02 株式会社エレニックス 細穴放電加工機

Also Published As

Publication number Publication date
CN103118826A (zh) 2013-05-22
EP2752268A4 (en) 2015-06-03
KR20130069721A (ko) 2013-06-26
TW201311383A (zh) 2013-03-16
US20140144884A1 (en) 2014-05-29
JP5255167B1 (ja) 2013-08-07
US9737946B2 (en) 2017-08-22
KR101662419B1 (ko) 2016-10-04
KR20140122286A (ko) 2014-10-17
ES2750567T3 (es) 2020-03-26
KR101545412B1 (ko) 2015-08-18
TWI551382B (zh) 2016-10-01
CN103118826B (zh) 2014-12-10
EP2752268A1 (en) 2014-07-09
WO2013031011A1 (ja) 2013-03-07
EP2752268B1 (en) 2019-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5255167B1 (ja) 細穴放電加工装置
US20070221023A1 (en) Method and Combined Machining Apparatus for Machining Conductive Workpiece
JP3241780B2 (ja) 細孔放電加工装置
TWI503194B (zh) 電解加工裝置及其加工方法
JP2001287119A (ja) 細穴放電加工方法および細穴放電加工装置
JP5147984B2 (ja) 細穴放電加工装置及び細穴放電加工方法
JP2011230216A (ja) ワイヤカット放電加工装置の自動結線装置
CA2445077A1 (en) Small hole electrical discharge machining method and small hole electrical discharge machining apparatus and electrode inserting method and electrode inserting apparatus
US20080277383A1 (en) Apparatus for removing debris from the cutting gap of a work piece on a wire electronic discharge machine and method therefor
JP5541141B2 (ja) 放電加工装置
JP4550615B2 (ja) ワイヤ電極の自動結線方法
CN109014456B (zh) 放电加工装置
CN109014455B (zh) 放电加工装置
JP2008062328A (ja) ウォータジェット加工とワイヤ放電加工を行うことができる複合加工装置
JP2010155267A (ja) 機構部品における微細孔の加工方法
JP3623363B2 (ja) ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置
WO1999061191A1 (fr) Ensemble d'usinage par etincelage a fil
US20120125895A1 (en) Wire transmitting module
KR960005262B1 (ko) 와이어 커트 방전 가공장치
JPH0248377B2 (ja)
JPWO2020031251A1 (ja) 放電加工装置および放電加工方法
RU2149081C1 (ru) Способ размельчения стружки на выходе из зоны глубокого сверления и устройство для его реализации
JPS6347025A (ja) 細穴放電加工機
WO1985003895A1 (en) Wire electrode guide for electrospark machining apparatuses
JPS60167715A (ja) ワイヤカツト放電加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130409

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5255167

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250