JPWO2013021557A1 - 光ディスク製造装置及び光ディスク製造方法 - Google Patents

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    • G11B7/268Post-production operations, e.g. initialising phase-change recording layers, checking for defects

Abstract

光ディスク製造装置(200)においては、移動機構(208)は、(i)レーザ照射部(203)が光ディスク(101)の内周側領域(109)の位置から識別情報記録領域(110)の位置に移動する間における第1の半径位置(R2a)において、レーザ照射部(203)の移動速度を第1の速度(Vi)から第2の速度(Vs)に変更し、(ii)レーザ照射部(203)が第2の速度(Vs)で識別情報記録領域(110)の位置に至った第2の半径位置(R2)において、同移動速度を第2の速度(Vs)から第3の速度(Vi)に変更する。第2の速度(Vs)は、第1の速度及び第3の速度よりも遅く設定される。レーザ照射部(203)は、識別情報記録領域(110)を移動するとき、記録層(104)が結晶化するのに必要な第1のパワー(Pa)と結晶化させない程度に低い第2のパワー(Pb)とを交互に切り換えながらレーザ光を照射して識別情報を記録する。

Description

本開示は、光ディスクの製造に関し、特にレーザ光を照射して光ディスクの記録層を初期化するとともに、光ディスクの識別情報を記録する光ディスク製造装置及び光ディスク製造方法に関する。
従来、光ディスクの不正コピー防止のために、光ディスクの最内周部のBCA(バーストカッティングエリア)領域にバーコード状のデータを記録することが行われている。このバーコード状のデータはシリアルナンバーや識別番号などの個別情報であり、これらの情報を用いて光ディスクを管理し、光ディスクの不正コピーを防止するものである。
このバーコード状のデータであるBCAコードは、間隔が異なる複数のバーで構成されるデータであり、BCAデータを所定のデータ変換により変換したデータである。BCAデータは、BCAコードの元データであり、連続番号や識別番号などからなる個別情報である。
記録面の結晶状態でデータを判別する相変化型光ディスクの製造工程において、光ディスクは、スパッタリング等した後、記録面が低反射率である非晶質(アモルファス状態)となっている。従って、データの記録を可能にするためには記録層を結晶化する(以下、初期化とも称する)工程が必要である。また、光ディスクの製造段階ではBCAコードの記録も行う。そこで、光ディスクの初期化工程とBCAコードの記録を連続して行うことが提案されている。例えば、所定の半径領域においてレーザ光をパルス状に照射して初期化箇所(高反射率箇所)と非初期化箇所(低反射率箇所)とを作成することによりBCAコードを記録し、それ以外の半径領域には一定強度のレーザ光を照射して初期化を行う。
BCAコードの記録は、例えば、次のように行なわれる。光ディスクを回転させつつ、レーザ光の照射位置を半径方向に移動させると、光ディスクに照射された長円状の光スポットは、光ディスクの周方向と半径方向に移動する。光ディスクは、レーザ光強度がハイレベルの箇所は初期化が行われて高反射率となり、レーザ光強度がローレベルの箇所は低反射率のままでバーとして残す。そして光ディスクの回転に対するパルス状のレーザ光の出射タイミングを制御することにより、周方向における高反射率と低反射率の箇所が、それぞれ同じ半径位置となるように形成される。このようにして、光ディスクの所定の半径領域にバー状のBCAコードを記録することができる。
このBCAコードを記録する半径領域の内周側に隣接する内周側領域と外周側に隣接する外周側領域とは、初期化が行われる。従って、光スポットを内周側から外周側に移動させながら、まずBCAコードを記録する半径領域の内周側領域を初期化し、次にBCAコードを記録する半径領域にBCAコードを記録し、次にBCAコードを記録する半径領域の外周側領域を初期化する。
BCAコードの記録においては、各BCAコードの内周側端と外周側端の半径位置を周方向に沿って揃える装置が知られている。(例えば、特許文献1)。
特開2009−129505号公報
本開示は、光ディスクの製造における歩留まりを向上させる光ディスク製造装置及び光ディスク製造方法を提供する。
本開示における光ディスク製造装置は、相変化光ディスクであり、光ディスクの識別情報記録領域と、識別情報記録領域の半径方向内側に配される内周側領域と、識別情報記録領域の半径方向外側に配される外周側領域とを含む一以上の記録層を有する光ディスクを製造する、光ディスク製造装置である。同光ディスク製造装置は、光ディスクの記録層に対しレーザ光を照射するレーザ光照射部と、同レーザ照射部を光ディスクの半径方向に移動させる移動機構と、光ディスクを回転させる回転機構と、レーザ照射部、移動機構及び回転機構を制御する制御部と、を備える。同光ディスク製造装置においては、制御部の指令に応じて、回転機構により光ディスクを回転させつつ、レーザ照射部により記録層が結晶化するのに必要な第1のパワーでレーザ光を同記録層に照射する。移動機構は、(i)レーザ照射部が光ディスクの内周側領域の位置から識別情報記録領域の位置に移動する間における第1の半径位置において、レーザ照射部の移動速度を第1の速度から第2の速度に変更し、(ii)レーザ照射部が第2の速度で識別情報記録領域の位置に至った第2の半径位置において、レーザ照射部の移動速度を第2の速度から第3の速度に変更する。第2の速度は、第1の速度及び第3の速度よりも遅く設定される。更に、レーザ照射部は、識別情報記録領域を移動するとき、第1のパワーと記録層を結晶化させない程度に低い第2のパワーとを交互に切り換えながらレーザ光を照射することにより、識別情報を記録する。
本開示における光ディスクの製造装置及び製造方法は、光ディスクの製造における歩留まりを向上させる。
実施の形態1の光ディスクの概略構成図 同光ディスクの記録層の概略構成図 同光ディスク初期化装置の概略全体構成図 同光ディスクの第1記録層の概略平面図 同光ディスクの第1記録層を初期化するときの、レーザ光半径位置に対する光ピックアップの送り速度とレーザパワーを示す図 実施の形態1の光ディスクの初期化工程を説明するフローチャート 実施の形態1の光ディスクの初期化工程を説明するフローチャート 実施の形態1の光ディスクの初期化領域とBCAコード記録領域の境界における記録状態を示す図 比較例による光ディスクの初期化領域とBCAコード記録領域の境界における記録状態を示す図
以下、適宜図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
多層膜構造の光ディスクの製造においては、光ディスクの初期化と同時に、識別情報であるバーコード状のBCAコードを記録する。従来、バーコード状のBCAコードの端部の半径位置を周方向に沿って揃えて形成するために、レーザ光の半径方向の移動を一度停止させる方法がある。このとき、基板に近い奥側の記録層にフォーカス引き込みをしてBCAコードを記録する場合、基板から離れた手前側の記録層膜にもレーザ光が通過し、その一部は熱エネルギとして記録層膜に吸収され加熱される。レーザ光が停止した領域ではレーザ光通過回数が増加することにより長時間加熱され高温になるため、基板から離れた手前側の記録層膜も、フォーカス引き込みがなされていないにもかかわらず初期化されてしまう。この結果、奥側及び手前側の両方の記録層から反射光が返り、フォーカス誤差信号が乱れるため、フォーカス制御が困難となりフォーカス外れが発生しやすい。これにより、光ディスクの初期化工程が適切に行えず、光ディスクの製造の歩留りを悪化させる。
本実施の形態は、特に片面2層や片面3層の書き換え型ブルーレイディスク等の多層相変化書き換え型光ディスクの製造において、初期化工程の歩留りを向上させる光ディスクの製造装置及び製造方法に関する。
なお、以下においては、片面2層書き換え型光ディスクを例として、その初期化を行う光ディスク初期化装置及び初期化方法について説明する。
本実施の形態において、光ディスクを初期化するとは、光ディスクの製造段階において、非結晶質(アモルファス状態)である記録層を、レーザ光照射により結晶化させることをいう。
以下、図1〜9を用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1. 構成]
[1−1−1. 光ディスクの構成]
図1は、光ディスク101の概略構成図である。光ディスク101は、ブルーレイディスク等であり、基板102と、基板表面103と、第1記録層104と、光学分離層105と、光学分離層表面106と、第2記録層107と、光透過層108と、を有する。
なお、レーザ光は、図1に示す矢印L方向から入射される。従って、以下の説明においては、図1の「上」側をレーザ光入射側とする。
基板102は、ポリカーボネート、PMMA等の樹脂板、ガラス板等からなる。基板表面103は、スパイラルまたは同心円状の連続溝等で覆われている。
基板102の上(レーザ光入射側)には、第1記録層104がスパッタリング法、電子ビーム蒸着法等により形成される。
第1記録層104の上には、光学分離層105が形成される。光学分離層105は、第1記録層104に信号を再生するために照射するレーザ光の波長に対して透明な材料で構成され、第1記録層104と第2記録層107とを光学的に分離する機能を有する。光学分離層105は、紫外線硬化樹脂等からなる層をスピンコートにより形成する方法や、透明フィルムを粘着テープまたは紫外線硬化樹脂等により接着する方法等により形成される。光学分離層表面106は、スパイラルまたは同心円状の連続溝等で覆われている。
光学分離層105の上には第2記録層107がスパッタリング法、電子ビーム蒸着法等により形成される。
第2記録層107の上には光透過層108が形成される。光透過層108は紫外線硬化樹脂等からなる層をスピンコートによって形成する方法や、粘着テープまたは紫外線硬化樹脂等により透明フィルムを第2記録層107の上に接着する方法等により形成される。
図2は、図1の光ディスク101のうち第1記録層104と第2記録層107とを分解して示す。同図に示すように、光ディスク101には1枚1枚のディスクを識別するためのBCA(Burst Cutting Area)が設けられている。このBCA(識別情報記録領域の一例)は、相変化書き換え型ディスクの製造工程の一部である初期化工程において形成される。具体的には、レーザ光を光ディスクの周方向に移動させつつ、オン、オフさせることにより初期化部、未初期化部を半径方向帯び状に形成して、バーコード状のBCAコード(識別情報の一例)を形成する。なお、このBCAは、レーザ光入射側から見て奥側の第1記録層104の最内周に設けられる。初期化領域全体の中で、BCA110より内周側には内周初期化領域109(内周側領域の一例)が設けられ、外周側にはデータ記録領域全体を含む外周初期化領域111(外周側領域の一例)が設けられている。
[1−1−2. 光ディスク初期化装置の構成]
図3は、本実施の形態における光ディスク初期化装置200(光ディスク製造装置の一例)の概略全体構成図である。
光ディスク初期化装置200は、相変化型光ディスクの記録層を所定のパワーによるレーザ光で初期化(結晶化)するとともに、光ディスクの所定半径位置に初期化箇所と未初期化箇所とからなるバーコード状のBCAコードを記録する装置である。図3に示すように、光ディスク初期化装置200は、ターンテーブル201、スピンドルモータ202(回転機構の一例)、光ピックアップ203(レーザ光照射部の一例)、ヘッド送り機構208(移動機構の一例)、及び制御部209により構成されている。
ターンテーブル201は、ステンレス等の金属材料で製作され、真空吸着機構(図示せず)等により光ディスク101を高速回転可能な状態に保持する。
スピンドルモータ202は、ターンテーブル201に結合される。スピンドルモータ202は、ターンテーブル201に取り付けられた光ディスク101を、ヘッド送り機構208の半径位置情報に基づき所定の回転制御方式により回転させる。回転制御方式は、例えば、光ディスク101とレーザ光の円周方向相対移動速度が一定になるように回転数を制御する線速度一定モード(CLV;Constant Linear Velocity)や、ヘッド送り機構208の半径位置が変化しても一定回転数で回転する角速度一定モード(CAV;Constant Angular Velocity)で回転する。
光ピックアップ203は、レーザ光源204、ミラー205、及び対物レンズ206により構成される。レーザ光源204から照射されたレーザ光は、対物レンズ206により光ディスク101の第1記録層104または第2記録層107上に、例えば非点収差法を用いてフォーカシングされる。フォーカシングに際して、第1記録層104、第2記録層107から得られるフォーカスエラー信号が用いられる。フォーカシング制御を行う方法としては、非点収差法やナイフエッジ法等様々な方法を採用することができる。レーザ光は光スポットが楕円形状に整形される。具体的には、ディスク半径方向が長軸方向、円周方向が短軸方向となるような楕円形状になるように光スポットを配置する。このようにすることで、ディスク一回転当たりの半径方向における初期化幅を長くし生産性向上を図っている。
ヘッド送り機構208は、パルスモータ、サーボモータ、リニアモータ等(図示せず)を駆動源として光ピックアップ203を半径方向に移動させると共に、半径位置情報を制御部209に出力する。光ピックアップ203の移動速度は、ディスク一回転当たりの光ピックアップの半径方向移動量V〔μm/回転〕で設定される。
制御部209は、スピンドルモータ202の回転速度、ヘッド送り機構208の送り速度、光ピックアップ203のフォーカシング、初期化用レーザ照射、BCAコード記録用レーザ照射等を制御する。制御部209は、例えば、プロセッサやメモリを含む装置や集積回路等であり、メモリに格納されたプログラムを実行する汎用のDSPやFPGA等により実現される。
[1−1−3. 第1記録層の構成]
図4は、本実施の形態の第1記録層104の平面図である。R1、R2a、R2、R3、R3a、及びR4は、初期化工程において光ピックアップ203の半径方向の移動速度(以下、送り速度と称する)に関係する第1記録層104の中心からの距離、つまり半径位置を示す。R1は、第1記録層104の中心から内周初期化領域109の内側端までの距離を示しており、初期化開始位置である。R2は、第1記録層104の中心から内周初期化領域109の外側端すなわち、BCA110の内側端までの距離を示しており、BCAコード記録開始位置である。R3は、第1記録層104の中心からBCA110の外側端までの距離を示しており、BCAコード記録終了位置である。R4は、第1記録層104の中心から外周初期化領域111の外側までの距離を示しており、初期化終了位置である。
R2aは、第1記録層104の中心から内周初期化領域109の外側端よりも少し内側までの距離を示している。R2aは、BCAコード記録開始前であって、光ピックアップ203の送り速度を初期化用送り速度から減速送り速度に変更する位置、すなわちBCAコード記録開始前の減速送り開始位置である。R2aの位置は、R2a−R2間において光ピックアップ203が後述する減速送り速度Vsで移動する間に光ディスク101が少なくとも一回転以上回転するような位置に設定される。
R3aは、第1記録層104の中心からBCA110の外側よりも少し外側の距離を示している。R3aは、BCA記録終了後であって、BCAコード記録終了位置R3で光ピックアップ203の送り速度をBCAコード記録用送り速度から減速送り速度に変更した後、減速送りを終了し、初期化用送り速度に変更する位置、すなわちBCA記録終了後の減速送り終了位置である。R3aの位置は、R3−R3a間において光ピックアップ203が減速送り速度Vsで移動する間に光ディスク101が少なくとも一回転以上回転するような位置に設定される。
[1−1−4. 光ピックアップの送り速度]
図5は、第1記録層104の初期化時のレーザ光半径位置に対する、光ピックアップ203の送り速度(図5(a))、及びレーザパワー(図5(b))を示す。なお、本図では、実際には速度変更には一定の加減速時間が必要であるが、説明を簡単にするため光ピックアップ203の送り速度変更時の加減速時間は0として簡略化して記している。
図5(a)に示すように、光ピックアップ203の送り速度は、次のように設定する。
(1)初期化開始位置R1から減速送り開始位置R2a(第1の半径位置の一例)までは初期化用送り速度Vi(第1の速度の一例)に設定する。
(2)減速送り開始位置R2aからBCAコード記録開始位置R2(第2の半径位置の一例)までは減速送り速度Vs(>0μm/回転)(第2の速度の一例)に設定する。減速送り速度Vsは、R2a−R2間において光ピックアップ203が減速送り速度Vsで移動する間に光ディスク101が少なくとも一回転以上回転するように設定される。
(3)BCAコード記録開始位置R2からBCAコード記録終了位置R3(第3の半径位置の一例)まではBCAコード記録用送り速度に設定する。本実施の形態では、BCAコード記録用送り速度=初期化用送り速度Vi(第3の速度の一例)に設定する。
(4)BCAコード記録終了位置R3から減速送り終了位置R3a(第4の半径位置の一例)までは減速送り速度Vs(第4の速度の一例)に設定する。減速送り速度Vsは、R3−R3a間において光ピックアップ203が減速送り速度Vsで移動する間に光ディスク101が少なくとも一回転以上回転するように設定される。

(5)減速送り終了位置R3aから初期化終了位置R4までは初期化用送り速度Vi(第5の速度の一例)に設定する。
[1−1−5. レーザパワー]
また図5(b)に示すように、レーザパワーは、次のように設定する。
(1)初期化開始位置R1からBCAコード記録開始位置R2までの内周初期化領域、及び、BCAコード記録終了位置R3から初期化終了位置R4までの外周初期化領域では、初期化用レーザパワーPa(第1のパワーの一例)に設定する。
(2)BCAコード記録開始位置R2からBCAコード記録終了位置R3までは、BCAコード記録のためパルス照射する。PbはBCAコードの未初期化部となる部分に対するレーザパワー(第2のパワーの一例)であり、ディスクの記録感度等により最適な値に設定する。
[1−2. 動作]
[1−2−1. 初期化工程における動作]
図6A及び図6Bは、本実施の形態における光ディスク初期化装置200の初期化動作を示すフローチャートである。同初期化動作により第1記録層104の初期化工程が行なわれる。
ステップS501:まず外部のBCAコード生成用コンピュータ端末(例えば、パソコン)(図示せず)等から制御部209へBCAデータが出力される。制御部209では、データ変換(エンコード)が行われ、BCAデータ記録信号が生成される。
ステップS502:次に、制御部209の指令によりヘッド送り機構208を駆動して、光ピックアップ203を初期化開始位置R1まで移動する。
ステップS503:続いて、制御部209の指令により、スピンドルモータ202を初期化用回転速度で回転させる。
ステップS504:制御部209によりレーザパワーをフォーカス引込み用パワーに設定し、レーザ光源204を駆動してレーザ光照射を開始する。
ステップS505:第1記録層104へのフォーカス引込みを開始する。フォーカス引込みに成功すればフォーカスサーボを開始し、初期化が終了するまで継続する。
ステップS506:次に、制御部209の指令により、光ピックアップ203の半径方向送り速度を初期化用送り速度Viに設定して送りを開始する。
ステップS507:光ピックアップ203が送り速度Viで移動する間、レーザパワーを初期化用レーザパワーPaに設定し、レーザ照射する。
ステップS508:次に、制御部209により、光ピックアップ203の半径位置が減速送り開始位置R2aに達したかどうかを判定される。
ステップS509:ステップS508において光ピックアップ203の半径位置が減速送り開始位置R2aに達したと判定された場合は、制御部209は、光ピックアップ203の送り速度を減速送り速度Vsに変更する。なお、R2aの位置は、R2a−R2間において光ピックアップ203が減速送り速度Vsで移動する間に光ディスク101が少なくとも一回転以上回転するような位置に設定される。
ステップS510:次に、制御部209により、光ピックアップ203の半径位置がBCAコード記録開始位置R2に達したかどうか判定される。
ステップS511:ステップS511において光ピックアップ203の半径位置がBCAコード記録開始位置R2に達したと判定された場合は、制御部209は、レーザ照射パワーをBCAコード記録用パワーに変更、すなわちパルス照射する。
ステップS512:同時に、制御部209は、光ピックアップ203の送り速度をBCA記録用送り速度に、スピンドル回転速度をBCA記録用回転速度に変更する。
ステップS513:次に、制御部209により、光ピックアップ203の半径位置がBCAコード記録終了位置R3に達したかどうか判定される。
ステップS514:ステップS513において光ピックアップ203の半径位置がBCAコード記録終了位置R3に達したと判定された場合は、制御部209は、光ピックアップ203の送り速度を減速送り速度Vsに減速する。
ステップS515:同時に、制御部209は、レーザ照射パワーを初期化用レーザパワーPaに変更する。
ステップS516:次に、制御部209により、光ピックアップ203の半径位置が減速送り終了位置R3aに達したどうか判定される。
ステップS517:ステップS516において光ピックアップ203の半径位置が減速送り終了位置R3aに達したと判定された場合は、制御部209は、光ピックアップ203の送り速度を初期化用送り速度Viに変更する。なお、R3aの位置は、R3−R3a間において光ピックアップ203が減速送り速度Vsで移動する間に光ディスク101が少なくとも一回転以上回転するような位置に設定される。
ステップS518:次に、制御部209により、光ピックアップ203の半径位置が初期化終了位置R4に達したどうか判定される。
ステップS519:ステップS518において光ピックアップ203の半径位置が初期化終了位置R4に達したと判定された場合は、制御部209は、フォーカスサーボを停止する。
ステップS520:同時に、制御部209は、レーザ照射を停止する。
ステップS521:制御部209は、ヘッド送り機構208の駆動を停止して、光ピックアップ203の半径方向の移動を停止させる。
以上の一連の動作により第1記録層104の初期化を実行する。この初期化工程の後、制御部209により光ピックアップ203を最内周に移動させ、第1記録層104と同様の手順で第2記録層107を初期化する。第2記録層107にはBCAを設けていない。従って、設定された第2記録層初期化開始位置から第2記録層初期化終了位置までの領域全体を初期化工程のために設定されたレーザパワー、スピンドル回転速度、半径送り速度で初期化工程を実行する。
以上の工程を経て片面2層書き換え型光ディスクの初期化と所定半径位置へのBCA記録が完了する。
[1−2−2. 初期化による効果]
図7は本実施の形態に係る初期化による光ディスクの初期化領域とBCAコード記録領域の境界の記録状態を示す図である。なお、本図は、本実施の形態にて初期化及びBCA記録したディスクの周方向を直線状に表し、半径方向尺度を拡大した図である。
本実施の形態では、初期化用の光ピックアップ203の半径方向送りピッチをVi〔μm/回転〕に設定し、BCAコード書込み前後の光ピックアップ203の減速送り速度をVs〔μm/回転〕に設定した。このようにBCAコード書込み前後で少なくとも1回転以上光ピックアップの半径方向送り速度を減速することにより、BCAコードの内周側端及び外周側端の半径位置のばらつきを減速時の送りピッチVs〔μm〕以内に減少させることが可能である。例えば、レーザ光長=150〔μm〕、Vi=75〔μm/回転〕、Vs=10〔μm/回転〕に設定する。BCAコードの内周側端と外周側端における半径位置のばらつきは、減速しない場合は最大75〔μm〕になるが、減速した場合には10〔μm/回転〕に縮小可能であり、規格で定められた許容範囲内(例えばDVDでは±60μm以内)に収めることが容易になる。
図8は、比較例による光ディスクの初期化領域とBCAコード記録領域の境界の記録状態を図7と同様に示す図である。同比較例では、BCAコードの内周側端及び外周側端で光ピックアップの送りを停止している。この停止により、BCAコードの半径位置のばらつきを無くすことが可能である。しかしながら、多層構造光ディスクにおいては、光ピックアップを停止させることによりレーザ入射側からみて手前側の第2記録層への照射時間が長くなる。このため、フォーカシングはされていないにもかかわらず第2記録膜へのレーザ光吸収熱量が増大し、第1記録層104と共に第2記録層107も初期化されてしまう。この結果、第2記録層107の反射率が高くなることにより、第1記録層104と第2記録層107の両方から反射光が返るため、フォーカスサーボ用のフォーカス誤差信号が乱れてフォーカス外れが発生しやすくなる。
[1−3. 効果等]
本実施の形態では、相変化光ディスク101であり、同光ディスクの識別情報を記録するBCA110と、BCA110の半径方向内側に配される内周側領域109と、BCA110の半径方向外側に配される外周側領域111とを含む一以上の記録層を有する光ディスク101の初期化を行う、光ディスク初期化装置200であって、光ディスク101の第1記録層104及び第2記録層107に対しレーザ光を照射する光ピックアップ203と、同光ピックアップ203を光ディスク101の半径方向に移動させるヘッド送り機構208と、光ディスク101を回転させるスピンドルモータ202と、光ピックアップ203、ヘッド送り機構208、及びスピンドルモータ202を制御する制御部209とを備える。同光ディスク初期化装置200においては、制御部209の指令に応じて、スピンドルモータ202により光ディスク101を回転させつつ、光ピックアップ203により第1記録層104が結晶化するのに必要なパワーPaでレーザ光を同記録層に照射する。ヘッド送り機構208は、(i)光ピックアップ203が光ディスク101の内周側領域109の位置からBCA110の位置に移動する間における半径位置R2aにおいて、光ピックアップ203の送り速度をViからVsに減速し、(ii)光ピックアップ203がVsの速度でBCA110の位置に至った半径位置R2において、光ピックアップ203の送り速度をVsからViに戻す。光ピックアップ203は、BCA110を移動するとき、レーザパワーPaと第1記録層104を結晶化させない程度に低いレーザパワーPbとを交互に切り換えながらレーザ光を照射することにより、BCAコードを記録する。
本実施の形態によれば、光ピックアップ203の送り速度をBCA110前後で所定区間減速するため、光ピックアップ203を完全に停止する場合と比べ、第2記録層107への吸収熱量の低減が可能である。つまり、BCA110前後で光ピックアップ203の送り減速速度を適切に設定することにより、BCAコードの半径位置のばらつきを許容範囲内に抑えつつ、生産時のフォーカス外れを防ぐという両方の問題を同時に解決することが可能である。
なお、本実施の形態は、光ディスクの製造装置としてだけでなく、光ディスクの製造方法として実現できる。
(その他の実施形態)
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
従って、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
例えば、上記実施の形態においては、片面2層書き換え型光ディスクを挙げたが、記録層が1層である光ディスク、或いは3層以上の光ディスクのいずれであっても上記実施の形態を適用することができる。
また、上記実施の形態におけるBCAコードは一例に過ぎず、他の例による識別情報であってもよい。また、BCAは、レーザ光入射側から最も遠い第1記録層に形成されることに限定されず、最も近い記録層に形成されていてもよいし、複数の記録層間の中間位置にある記録層に形成されてもよい。
また、上記実施の形態においては、初期化開始位置R1から減速送り開始位置R2aまでの初期化用送り速度Viと、BCAコード記録開始位置R2からBCAコード記録終了位置R3までのBCAコード記録用送り速度Viと、減速送り終了位置R3aから初期化終了位置R4までの初期化用送り速度Viとを全て同じ速度に設定しているが、異なる速度に設定してもよい。また、減速送り開始位置R2aからBCAコード記録開始位置R2までの減速送り速度Vsと、BCAコード記録終了位置R3から減速送り終了位置R3aまでの減速送り速度Vsも、同じ速度に設定しなくてもよい。即ち、Vi>Vsの関係であれば、それぞれの速度を異ならせてもよい。
上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、光ディスクの製造装置、特に光ディスクの初期化装置として有用である。
101 光ディスク
102 基板
103 基板表面
104 第1記録層
105 光学分離層
106 光学分離層表面
107 第2記録層
108 光透過層
109 内周初期化領域
110 BCA
111 外周初期化領域
201 ターンテーブル
202 スピンドルモータ
203 光ピックアップ
204 レーザ光源
205 ミラー
206 対物レンズ
208 ヘッド送り機構
209 制御部
本開示は、光ディスクの製造に関し、特にレーザ光を照射して光ディスクの記録層を初期化するとともに、光ディスクの識別情報を記録する光ディスク製造装置及び光ディスク製造方法に関する。
従来、光ディスクの不正コピー防止のために、光ディスクの最内周部のBCA(バーストカッティングエリア)領域にバーコード状のデータを記録することが行われている。このバーコード状のデータはシリアルナンバーや識別番号などの個別情報であり、これらの情報を用いて光ディスクを管理し、光ディスクの不正コピーを防止するものである。
このバーコード状のデータであるBCAコードは、間隔が異なる複数のバーで構成されるデータであり、BCAデータを所定のデータ変換により変換したデータである。BCAデータは、BCAコードの元データであり、連続番号や識別番号などからなる個別情報である。
記録面の結晶状態でデータを判別する相変化型光ディスクの製造工程において、光ディスクは、スパッタリング等した後、記録面が低反射率である非晶質(アモルファス状態)となっている。従って、データの記録を可能にするためには記録層を結晶化する(以下、初期化とも称する)工程が必要である。また、光ディスクの製造段階ではBCAコードの記録も行う。そこで、光ディスクの初期化工程とBCAコードの記録を連続して行うことが提案されている。例えば、所定の半径領域においてレーザ光をパルス状に照射して初期化箇所(高反射率箇所)と非初期化箇所(低反射率箇所)とを作成することによりBCAコードを記録し、それ以外の半径領域には一定強度のレーザ光を照射して初期化を行う。
BCAコードの記録は、例えば、次のように行なわれる。光ディスクを回転させつつ、レーザ光の照射位置を半径方向に移動させると、光ディスクに照射された長円状の光スポットは、光ディスクの周方向と半径方向に移動する。光ディスクは、レーザ光強度がハイレベルの箇所は初期化が行われて高反射率となり、レーザ光強度がローレベルの箇所は低反射率のままでバーとして残す。そして光ディスクの回転に対するパルス状のレーザ光の出射タイミングを制御することにより、周方向における高反射率と低反射率の箇所が、それぞれ同じ半径位置となるように形成される。このようにして、光ディスクの所定の半径領域にバー状のBCAコードを記録することができる。
このBCAコードを記録する半径領域の内周側に隣接する内周側領域と外周側に隣接する外周側領域とは、初期化が行われる。従って、光スポットを内周側から外周側に移動させながら、まずBCAコードを記録する半径領域の内周側領域を初期化し、次にBCAコードを記録する半径領域にBCAコードを記録し、次にBCAコードを記録する半径領域の外周側領域を初期化する。
BCAコードの記録においては、各BCAコードの内周側端と外周側端の半径位置を周方向に沿って揃える装置が知られている。(例えば、特許文献1)。
特開2009−129505号公報
本開示は、光ディスクの製造における歩留まりを向上させる光ディスク製造装置及び光ディスク製造方法を提供する。
本開示における光ディスク製造装置は、相変化光ディスクであり、光ディスクの識別情報記録領域と、識別情報記録領域の半径方向内側に配される内周側領域と、識別情報記録領域の半径方向外側に配される外周側領域とを含む一以上の記録層を有する光ディスクを製造する、光ディスク製造装置である。同光ディスク製造装置は、光ディスクの記録層に対しレーザ光を照射するレーザ光照射部と、同レーザ照射部を光ディスクの半径方向に移動させる移動機構と、光ディスクを回転させる回転機構と、レーザ照射部、移動機構及び回転機構を制御する制御部と、を備える。同光ディスク製造装置においては、制御部の指令に応じて、回転機構により光ディスクを回転させつつ、レーザ照射部により記録層が結晶化するのに必要な第1のパワーでレーザ光を同記録層に照射する。移動機構は、(i)レーザ照射部が光ディスクの内周側領域の位置から識別情報記録領域の位置に移動する間における第1の半径位置において、レーザ照射部の移動速度を第1の速度から第2の速度に変更し、(ii)レーザ照射部が第2の速度で識別情報記録領域の位置に至った第2の半径位置において、レーザ照射部の移動速度を第2の速度から第3の速度に変更する。第2の速度は、第1の速度及び第3の速度よりも遅く設定される。更に、レーザ照射部は、識別情報記録領域を移動するとき、第1のパワーと記録層を結晶化させない程度に低い第2のパワーとを交互に切り換えながらレーザ光を照射することにより、識別情報を記録する。
本開示における光ディスクの製造装置及び製造方法は、光ディスクの製造における歩留まりを向上させる。
実施の形態1の光ディスクの概略構成図 同光ディスクの記録層の概略構成図 同光ディスク初期化装置の概略全体構成図 同光ディスクの第1記録層の概略平面図 同光ディスクの第1記録層を初期化するときの、レーザ光半径位置に対する光ピックアップの送り速度とレーザパワーを示す図 実施の形態1の光ディスクの初期化工程を説明するフローチャート 実施の形態1の光ディスクの初期化工程を説明するフローチャート 実施の形態1の光ディスクの初期化領域とBCAコード記録領域の境界における記録状態を示す図 比較例による光ディスクの初期化領域とBCAコード記録領域の境界における記録状態を示す図
以下、適宜図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
多層膜構造の光ディスクの製造においては、光ディスクの初期化と同時に、識別情報であるバーコード状のBCAコードを記録する。従来、バーコード状のBCAコードの端部の半径位置を周方向に沿って揃えて形成するために、レーザ光の半径方向の移動を一度停止させる方法がある。このとき、基板に近い奥側の記録層にフォーカス引き込みをしてBCAコードを記録する場合、基板から離れた手前側の記録層膜にもレーザ光が通過し、その一部は熱エネルギとして記録層膜に吸収され加熱される。レーザ光が停止した領域ではレーザ光通過回数が増加することにより長時間加熱され高温になるため、基板から離れた手前側の記録層膜も、フォーカス引き込みがなされていないにもかかわらず初期化されてしまう。この結果、奥側及び手前側の両方の記録層から反射光が返り、フォーカス誤差信号が乱れるため、フォーカス制御が困難となりフォーカス外れが発生しやすい。これにより、光ディスクの初期化工程が適切に行えず、光ディスクの製造の歩留りを悪化させる。
本実施の形態は、特に片面2層や片面3層の書き換え型ブルーレイディスク等の多層相変化書き換え型光ディスクの製造において、初期化工程の歩留りを向上させる光ディスクの製造装置及び製造方法に関する。
なお、以下においては、片面2層書き換え型光ディスクを例として、その初期化を行う光ディスク初期化装置及び初期化方法について説明する。
本実施の形態において、光ディスクを初期化するとは、光ディスクの製造段階において、非結晶質(アモルファス状態)である記録層を、レーザ光照射により結晶化させることをいう。
以下、図1〜9を用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1. 構成]
[1−1−1. 光ディスクの構成]
図1は、光ディスク101の概略構成図である。光ディスク101は、ブルーレイディスク等であり、基板102と、基板表面103と、第1記録層104と、光学分離層105と、光学分離層表面106と、第2記録層107と、光透過層108と、を有する。
なお、レーザ光は、図1に示す矢印L方向から入射される。従って、以下の説明においては、図1の「上」側をレーザ光入射側とする。
基板102は、ポリカーボネート、PMMA等の樹脂板、ガラス板等からなる。基板表面103は、スパイラルまたは同心円状の連続溝等で覆われている。
基板102の上(レーザ光入射側)には、第1記録層104がスパッタリング法、電子ビーム蒸着法等により形成される。
第1記録層104の上には、光学分離層105が形成される。光学分離層105は、第1記録層104に信号を再生するために照射するレーザ光の波長に対して透明な材料で構成され、第1記録層104と第2記録層107とを光学的に分離する機能を有する。光学分離層105は、紫外線硬化樹脂等からなる層をスピンコートにより形成する方法や、透明フィルムを粘着テープまたは紫外線硬化樹脂等により接着する方法等により形成される。光学分離層表面106は、スパイラルまたは同心円状の連続溝等で覆われている。
光学分離層105の上には第2記録層107がスパッタリング法、電子ビーム蒸着法等により形成される。
第2記録層107の上には光透過層108が形成される。光透過層108は紫外線硬化樹脂等からなる層をスピンコートによって形成する方法や、粘着テープまたは紫外線硬化樹脂等により透明フィルムを第2記録層107の上に接着する方法等により形成される。
図2は、図1の光ディスク101のうち第1記録層104と第2記録層107とを分解して示す。同図に示すように、光ディスク101には1枚1枚のディスクを識別するためのBCA(Burst Cutting Area)が設けられている。このBCA(識別情報記録領域の一例)は、相変化書き換え型ディスクの製造工程の一部である初期化工程において形成される。具体的には、レーザ光を光ディスクの周方向に移動させつつ、オン、オフさせることにより初期化部、未初期化部を半径方向帯び状に形成して、バーコード状のBCAコード(識別情報の一例)を形成する。なお、このBCAは、レーザ光入射側から見て奥側の第1記録層104の最内周に設けられる。初期化領域全体の中で、BCA110より内周側には内周初期化領域109(内周側領域の一例)が設けられ、外周側にはデータ記録領域全体を含む外周初期化領域111(外周側領域の一例)が設けられている。
[1−1−2. 光ディスク初期化装置の構成]
図3は、本実施の形態における光ディスク初期化装置200(光ディスク製造装置の一例)の概略全体構成図である。
光ディスク初期化装置200は、相変化型光ディスクの記録層を所定のパワーによるレーザ光で初期化(結晶化)するとともに、光ディスクの所定半径位置に初期化箇所と未初期化箇所とからなるバーコード状のBCAコードを記録する装置である。図3に示すように、光ディスク初期化装置200は、ターンテーブル201、スピンドルモータ202(回転機構の一例)、光ピックアップ203(レーザ光照射部の一例)、ヘッド送り機構208(移動機構の一例)、及び制御部209により構成されている。
ターンテーブル201は、ステンレス等の金属材料で製作され、真空吸着機構(図示せず)等により光ディスク101を高速回転可能な状態に保持する。
スピンドルモータ202は、ターンテーブル201に結合される。スピンドルモータ202は、ターンテーブル201に取り付けられた光ディスク101を、ヘッド送り機構208の半径位置情報に基づき所定の回転制御方式により回転させる。回転制御方式は、例えば、光ディスク101とレーザ光の円周方向相対移動速度が一定になるように回転数を制御する線速度一定モード(CLV;Constant Linear Velocity)や、ヘッド送り機構208の半径位置が変化しても一定回転数で回転する角速度一定モード(CAV;Constant Angular Velocity)で回転する。
光ピックアップ203は、レーザ光源204、ミラー205、及び対物レンズ206により構成される。レーザ光源204から照射されたレーザ光は、対物レンズ206により光ディスク101の第1記録層104または第2記録層107上に、例えば非点収差法を用いてフォーカシングされる。フォーカシングに際して、第1記録層104、第2記録層107から得られるフォーカスエラー信号が用いられる。フォーカシング制御を行う方法としては、非点収差法やナイフエッジ法等様々な方法を採用することができる。レーザ光は光スポットが楕円形状に整形される。具体的には、ディスク半径方向が長軸方向、円周方向が短軸方向となるような楕円形状になるように光スポットを配置する。このようにすることで、ディスク一回転当たりの半径方向における初期化幅を長くし生産性向上を図っている。
ヘッド送り機構208は、パルスモータ、サーボモータ、リニアモータ等(図示せず)を駆動源として光ピックアップ203を半径方向に移動させると共に、半径位置情報を制御部209に出力する。光ピックアップ203の移動速度は、ディスク一回転当たりの光ピックアップの半径方向移動量V〔μm/回転〕で設定される。
制御部209は、スピンドルモータ202の回転速度、ヘッド送り機構208の送り速度、光ピックアップ203のフォーカシング、初期化用レーザ照射、BCAコード記録用レーザ照射等を制御する。制御部209は、例えば、プロセッサやメモリを含む装置や集積回路等であり、メモリに格納されたプログラムを実行する汎用のDSPやFPGA等により実現される。
[1−1−3. 第1記録層の構成]
図4は、本実施の形態の第1記録層104の平面図である。R1、R2a、R2、R3、R3a、及びR4は、初期化工程において光ピックアップ203の半径方向の移動速度(以下、送り速度と称する)に関係する第1記録層104の中心からの距離、つまり半径位置を示す。R1は、第1記録層104の中心から内周初期化領域109の内側端までの距離を示しており、初期化開始位置である。R2は、第1記録層104の中心から内周初期化領域109の外側端すなわち、BCA110の内側端までの距離を示しており、BCAコード記録開始位置である。R3は、第1記録層104の中心からBCA110の外側端までの距離を示しており、BCAコード記録終了位置である。R4は、第1記録層104の中心から外周初期化領域111の外側までの距離を示しており、初期化終了位置である。
R2aは、第1記録層104の中心から内周初期化領域109の外側端よりも少し内側までの距離を示している。R2aは、BCAコード記録開始前であって、光ピックアップ203の送り速度を初期化用送り速度から減速送り速度に変更する位置、すなわちBCAコード記録開始前の減速送り開始位置である。R2aの位置は、R2a−R2間において光ピックアップ203が後述する減速送り速度Vsで移動する間に光ディスク101が少なくとも一回転以上回転するような位置に設定される。
R3aは、第1記録層104の中心からBCA110の外側よりも少し外側の距離を示している。R3aは、BCA記録終了後であって、BCAコード記録終了位置R3で光ピックアップ203の送り速度をBCAコード記録用送り速度から減速送り速度に変更した後、減速送りを終了し、初期化用送り速度に変更する位置、すなわちBCA記録終了後の減速送り終了位置である。R3aの位置は、R3−R3a間において光ピックアップ203が減速送り速度Vsで移動する間に光ディスク101が少なくとも一回転以上回転するような位置に設定される。
[1−1−4. 光ピックアップの送り速度]
図5は、第1記録層104の初期化時のレーザ光半径位置に対する、光ピックアップ203の送り速度(図5(a))、及びレーザパワー(図5(b))を示す。なお、本図では、実際には速度変更には一定の加減速時間が必要であるが、説明を簡単にするため光ピックアップ203の送り速度変更時の加減速時間は0として簡略化して記している。
図5(a)に示すように、光ピックアップ203の送り速度は、次のように設定する。
(1)初期化開始位置R1から減速送り開始位置R2a(第1の半径位置の一例)までは初期化用送り速度Vi(第1の速度の一例)に設定する。
(2)減速送り開始位置R2aからBCAコード記録開始位置R2(第2の半径位置の一例)までは減速送り速度Vs(>0μm/回転)(第2の速度の一例)に設定する。減速送り速度Vsは、R2a−R2間において光ピックアップ203が減速送り速度Vsで移動する間に光ディスク101が少なくとも一回転以上回転するように設定される。
(3)BCAコード記録開始位置R2からBCAコード記録終了位置R3(第3の半径位置の一例)まではBCAコード記録用送り速度に設定する。本実施の形態では、BCAコード記録用送り速度=初期化用送り速度Vi(第3の速度の一例)に設定する。
(4)BCAコード記録終了位置R3から減速送り終了位置R3a(第4の半径位置の一例)までは減速送り速度Vs(第4の速度の一例)に設定する。減速送り速度Vsは、R3−R3a間において光ピックアップ203が減速送り速度Vsで移動する間に光ディスク101が少なくとも一回転以上回転するように設定される。
(5)減速送り終了位置R3aから初期化終了位置R4までは初期化用送り速度Vi(第5の速度の一例)に設定する。
[1−1−5. レーザパワー]
また図5(b)に示すように、レーザパワーは、次のように設定する。
(1)初期化開始位置R1からBCAコード記録開始位置R2までの内周初期化領域、及び、BCAコード記録終了位置R3から初期化終了位置R4までの外周初期化領域では、初期化用レーザパワーPa(第1のパワーの一例)に設定する。
(2)BCAコード記録開始位置R2からBCAコード記録終了位置R3までは、BCAコード記録のためパルス照射する。PbはBCAコードの未初期化部となる部分に対するレーザパワー(第2のパワーの一例)であり、ディスクの記録感度等により最適な値に設定する。
[1−2. 動作]
[1−2−1. 初期化工程における動作]
図6A及び図6Bは、本実施の形態における光ディスク初期化装置200の初期化動作を示すフローチャートである。同初期化動作により第1記録層104の初期化工程が行なわれる。
ステップS501:まず外部のBCAコード生成用コンピュータ端末(例えば、パソコン)(図示せず)等から制御部209へBCAデータが出力される。制御部209では、データ変換(エンコード)が行われ、BCAデータ記録信号が生成される。
ステップS502:次に、制御部209の指令によりヘッド送り機構208を駆動して、光ピックアップ203を初期化開始位置R1まで移動する。
ステップS503:続いて、制御部209の指令により、スピンドルモータ202を初期化用回転速度で回転させる。
ステップS504:制御部209によりレーザパワーをフォーカス引込み用パワーに設定し、レーザ光源204を駆動してレーザ光照射を開始する。
ステップS505:第1記録層104へのフォーカス引込みを開始する。フォーカス引込みに成功すればフォーカスサーボを開始し、初期化が終了するまで継続する。
ステップS506:次に、制御部209の指令により、光ピックアップ203の半径方向送り速度を初期化用送り速度Viに設定して送りを開始する。
ステップS507:光ピックアップ203が送り速度Viで移動する間、レーザパワーを初期化用レーザパワーPaに設定し、レーザ照射する。
ステップS508:次に、制御部209により、光ピックアップ203の半径位置が減速送り開始位置R2aに達したかどうかを判定される。
ステップS509:ステップS508において光ピックアップ203の半径位置が減速送り開始位置R2aに達したと判定された場合は、制御部209は、光ピックアップ203の送り速度を減速送り速度Vsに変更する。なお、R2aの位置は、R2a−R2間において光ピックアップ203が減速送り速度Vsで移動する間に光ディスク101が少なくとも一回転以上回転するような位置に設定される。
ステップS510:次に、制御部209により、光ピックアップ203の半径位置がBCAコード記録開始位置R2に達したかどうか判定される。
ステップS511:ステップS510において光ピックアップ203の半径位置がBCAコード記録開始位置R2に達したと判定された場合は、制御部209は、レーザ照射パワーをBCAコード記録用パワーに変更、すなわちパルス照射する。
ステップS512:同時に、制御部209は、光ピックアップ203の送り速度をBCA記録用送り速度に、スピンドル回転速度をBCA記録用回転速度に変更する。
ステップS513:次に、制御部209により、光ピックアップ203の半径位置がBCAコード記録終了位置R3に達したかどうか判定される。
ステップS514:ステップS513において光ピックアップ203の半径位置がBCAコード記録終了位置R3に達したと判定された場合は、制御部209は、光ピックアップ203の送り速度を減速送り速度Vsに減速する。
ステップS515:同時に、制御部209は、レーザ照射パワーを初期化用レーザパワーPaに変更する。
ステップS516:次に、制御部209により、光ピックアップ203の半径位置が減速送り終了位置R3aに達したどうか判定される。
ステップS517:ステップS516において光ピックアップ203の半径位置が減速送り終了位置R3aに達したと判定された場合は、制御部209は、光ピックアップ203の送り速度を初期化用送り速度Viに変更する。なお、R3aの位置は、R3−R3a間において光ピックアップ203が減速送り速度Vsで移動する間に光ディスク101が少なくとも一回転以上回転するような位置に設定される。
ステップS518:次に、制御部209により、光ピックアップ203の半径位置が初期化終了位置R4に達したどうか判定される。
ステップS519:ステップS518において光ピックアップ203の半径位置が初期化終了位置R4に達したと判定された場合は、制御部209は、フォーカスサーボを停止する。
ステップS520:同時に、制御部209は、レーザ照射を停止する。
ステップS521:制御部209は、ヘッド送り機構208の駆動を停止して、光ピックアップ203の半径方向の移動を停止させる。
以上の一連の動作により第1記録層104の初期化を実行する。この初期化工程の後、制御部209により光ピックアップ203を最内周に移動させ、第1記録層104と同様の手順で第2記録層107を初期化する。第2記録層107にはBCAを設けていない。従って、設定された第2記録層初期化開始位置から第2記録層初期化終了位置までの領域全体を初期化工程のために設定されたレーザパワー、スピンドル回転速度、半径送り速度で初期化工程を実行する。
以上の工程を経て片面2層書き換え型光ディスクの初期化と所定半径位置へのBCA記録が完了する。
[1−2−2. 初期化による効果]
図7は本実施の形態に係る初期化による光ディスクの初期化領域とBCAコード記録領域の境界の記録状態を示す図である。なお、本図は、本実施の形態にて初期化及びBCA記録したディスクの周方向を直線状に表し、半径方向尺度を拡大した図である。
本実施の形態では、初期化用の光ピックアップ203の半径方向送り速度をVi〔μm/回転〕に設定し、BCAコード書込み前後の光ピックアップ203の減速送り速度をVs〔μm/回転〕に設定した。このようにBCAコード書込み前後で少なくとも1回転以上光ピックアップの半径方向送り速度を減速することにより、BCAコードの内周側端及び外周側端の半径位置のばらつきを減速時の送りピッチVs〔μm〕以内に減少させることが可能である。例えば、レーザ光長=150〔μm〕、Vi=75〔μm/回転〕、Vs=10〔μm/回転〕に設定する。BCAコードの内周側端と外周側端における半径位置のばらつきは、減速しない場合は最大75〔μm〕になるが、減速した場合には10〔μmに縮小可能であり、規格で定められた許容範囲内(例えばDVDでは±60μm以内)に収めることが容易になる。
図8は、比較例による光ディスクの初期化領域とBCAコード記録領域の境界の記録状態を図7と同様に示す図である。同比較例では、BCAコードの内周側端及び外周側端で光ピックアップの送りを停止している。この停止により、BCAコードの半径位置のばらつきを無くすことが可能である。しかしながら、多層構造光ディスクにおいては、光ピックアップを停止させることによりレーザ入射側からみて手前側の第2記録層への照射時間が長くなる。このため、フォーカシングはされていないにもかかわらず第2記録へのレーザ光吸収熱量が増大し、第1記録層104と共に第2記録層107も初期化されてしまう。この結果、第2記録層107の反射率が高くなることにより、第1記録層104と第2記録層107の両方から反射光が返るため、フォーカスサーボ用のフォーカス誤差信号が乱れてフォーカス外れが発生しやすくなる。
[1−3. 効果等]
本実施の形態では、相変化光ディスク101であり、同光ディスクの識別情報を記録するBCA110と、BCA110の半径方向内側に配される内周側領域109と、BCA110の半径方向外側に配される外周側領域111とを含む一以上の記録層を有する光ディスク101の初期化を行う、光ディスク初期化装置200であって、光ディスク101の第1記録層104及び第2記録層107に対しレーザ光を照射する光ピックアップ203と、同光ピックアップ203を光ディスク101の半径方向に移動させるヘッド送り機構208と、光ディスク101を回転させるスピンドルモータ202と、光ピックアップ203、ヘッド送り機構208、及びスピンドルモータ202を制御する制御部209とを備える。同光ディスク初期化装置200においては、制御部209の指令に応じて、スピンドルモータ202により光ディスク101を回転させつつ、光ピックアップ203により第1記録層104が結晶化するのに必要なパワーPaでレーザ光を同記録層に照射する。ヘッド送り機構208は、(i)光ピックアップ203が光ディスク101の内周側領域109の位置からBCA110の位置に移動する間における半径位置R2aにおいて、光ピックアップ203の送り速度をViからVsに減速し、(ii)光ピックアップ203がVsの速度でBCA110の位置に至った半径位置R2において、光ピックアップ203の送り速度をVsからViに戻す。光ピックアップ203は、BCA110を移動するとき、レーザパワーPaと第1記録層104を結晶化させない程度に低いレーザパワーPbとを交互に切り換えながらレーザ光を照射することにより、BCAコードを記録する。
本実施の形態によれば、光ピックアップ203の送り速度をBCA110前後で所定区間減速するため、光ピックアップ203を完全に停止する場合と比べ、第2記録層107への吸収熱量の低減が可能である。つまり、BCA110前後で光ピックアップ203の送り減速速度を適切に設定することにより、BCAコードの半径位置のばらつきを許容範囲内に抑えつつ、生産時のフォーカス外れを防ぐという両方の問題を同時に解決することが可能である。
なお、本実施の形態は、光ディスクの製造装置としてだけでなく、光ディスクの製造方法として実現できる。
(その他の実施形態)
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
従って、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
例えば、上記実施の形態においては、片面2層書き換え型光ディスクを挙げたが、記録層が1層である光ディスク、或いは3層以上の光ディスクのいずれであっても上記実施の形態を適用することができる。
また、上記実施の形態におけるBCAコードは一例に過ぎず、他の例による識別情報であってもよい。また、BCAは、レーザ光入射側から最も遠い第1記録層に形成されることに限定されず、最も近い記録層に形成されていてもよいし、複数の記録層間の中間位置にある記録層に形成されてもよい。
また、上記実施の形態においては、初期化開始位置R1から減速送り開始位置R2aまでの初期化用送り速度Viと、BCAコード記録開始位置R2からBCAコード記録終了位置R3までのBCAコード記録用送り速度Viと、減速送り終了位置R3aから初期化終了位置R4までの初期化用送り速度Viとを全て同じ速度に設定しているが、異なる速度に設定してもよい。また、減速送り開始位置R2aからBCAコード記録開始位置R2までの減速送り速度Vsと、BCAコード記録終了位置R3から減速送り終了位置R3aまでの減速送り速度Vsも、同じ速度に設定しなくてもよい。即ち、Vi>Vsの関係であれば、それぞれの速度を異ならせてもよい。
上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、光ディスクの製造装置、特に光ディスクの初期化装置として有用である。
101 光ディスク
102 基板
103 基板表面
104 第1記録層
105 光学分離層
106 光学分離層表面
107 第2記録層
108 光透過層
109 内周初期化領域
110 BCA
111 外周初期化領域
201 ターンテーブル
202 スピンドルモータ
203 光ピックアップ
204 レーザ光源
205 ミラー
206 対物レンズ
208 ヘッド送り機構
209 制御部

Claims (12)

  1. 相変化光ディスクであり、前記光ディスクの識別情報記録領域と、前記識別情報記録領域の半径方向内側に配される内周側領域と、前記識別情報記録領域の半径方向外側に配される外周側領域とを含む一以上の記録層を有する光ディスクを製造する、光ディスク製造装置であって、
    前記光ディスクの前記記録層に対しレーザ光を照射するレーザ光照射部と、
    前記レーザ照射部を前記光ディスクの半径方向に移動させる移動機構と、
    前記光ディスクを回転させる回転機構と、
    前記レーザ照射部、前記移動機構及び前記回転機構を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部の指令に応じて、
    前記回転機構により前記光ディスクを回転させつつ、前記レーザ照射部により前記記録層が結晶化するのに必要な第1のパワーでレーザ光を同記録層に照射し、
    前記移動機構は、(i)前記レーザ照射部が前記光ディスクの前記内周側領域の位置から前記識別情報記録領域の位置に移動する間における第1の半径位置において、前記レーザ照射部の移動速度を第1の速度から第2の速度に変更し、(ii)前記レーザ照射部が前記第2の速度で前記識別情報記録領域の位置に至った第2の半径位置において、前記レーザ照射部の移動速度を前記第2の速度から第3の速度に変更し、
    前記第2の速度は、前記第1の速度及び前記第3の速度よりも遅く設定され、
    前記レーザ照射部は、前記識別情報記録領域を移動するとき、前記第1のパワーと前記記録層を結晶化させない程度に低い第2のパワーとを交互に切り換えながらレーザ光を照射することにより、前記識別情報を記録する、
    光ディスク製造装置。
  2. 前記第1の半径位置及び前記第2の速度のうち少なくとも一方は、前記レーザ照射部が前記第2の速度で前記第1の半径位置から前記第2の半径位置に移動する間に前記回転機構が前記光ディスクを少なくとも1回転させるように、設定されている、
    請求項1に記載の光ディスク製造装置。
  3. 前記制御部の指令に応じて、
    前記移動機構は更に、(i)前記レーザ照射部が前記識別情報記録領域の位置から前記外周側領域の位置に至った第3の半径位置において、前記レーザ照射部の移動速度を前記第3の速度から第4の速度に変更し、(ii)前記レーザ照射部が前記第4の速度で前記外周側領域を移動する間における第4の半径位置において、前記レーザ照射部の移動速度を前記第4の速度から第5の速度に変更し、
    前記第4の速度は、前記第1の速度、前記第3の速度及び前記第5の速度よりも遅く設定される、
    請求項1又は2に記載の光ディスク製造装置。
  4. 前記第4の半径位置及び前記第4の速度のうち少なくとも一方は、前記レーザ照射部が前記第4の速度で前記第3の半径位置から前記第4の半径位置に移動する間に前記回転機構が前記光ディスクを少なくとも1回転させるように、設定されている、
    請求項3に記載の光ディスク製造装置。
  5. 前記光ディスクは、複数の記録層を有し、
    前記レーザ照射部は、前記複数の記録層のうち、レーザ光照射側から最も遠い位置にある第1の記録層に前記識別情報を記録する、
    請求項1から4のいずれかに記載の光ディスク製造装置。
  6. 前記第1の速度、前記第3の速度、及び前記第5の速度は同じ速度に設定され、
    前記第2の速度及び前記第4の速度は同じ速度に設定される、
    請求項1から5のいずれかに記載の光ディスク製造装置。
  7. 前記制御部は、
    前記光ディスクの前記内周側領域の内側端に対して、フォーカス引き込みのための第3のパワーで前記レーザ照射部によりレーザ光を照射し、
    前記フォーカス引き込み後、フォーカスサーボを開始し、
    前記フォーカスサーボを行いつつ、前記レーザ照射部により前記内周側領域に対して前記第1のパワーによるレーザ光の照射を開始する、
    請求項1から6のいずれかに記載の光ディスク製造装置。
  8. 相変化光ディスクであり、前記光ディスクの識別情報記録領域と、前記識別情報記録領域の半径方向内側に配される内周側領域と、前記識別情報記録領域の半径方向外側に配される外周側領域とを含む一以上の記録層を有する光ディスクを製造する、光ディスク製造方法であって、
    回転機構により前記光ディスクを回転させつつ、前記記録層が結晶化するのに必要な第1のパワーでレーザ光を同記録層に照射し、
    移動機構により前記光ディスクの半径方向にレーザ光を移動させ、
    前記移動機構によりレーザ光が前記光ディスクの前記内周側領域の位置から前記識別情報記録領域の位置に移動する間における第1の半径位置において、レーザ光の移動速度を第1の速度から前記第1の速度よりも遅い第2の速度に変更し、
    前記移動機構によりレーザ光が前記第2の速度で前記識別情報記録領域に至った第2の半径位置において、レーザ光の移動速度を前記第2の速度から前記第2の速度よりも速い第3の速度に変更し、
    前記移動機構によりレーザ光が前記識別情報記録領域を移動するとき、第1のパワーと前記記録層を結晶化させない程度に低い第2のパワーとを交互に切り換えながらレーザ光を照射することにより、前記識別情報を記録する、
    光ディスク製造方法。
  9. 前記移動機構によりレーザ光が前記第2の速度で前記第1の半径位置から前記第2の半径位置に移動する間に、前記回転機構により前記光ディスクを少なくとも1回転させる、
    請求項8に記載の光ディスク製造方法。
  10. 更に、
    前記移動機構によりレーザ光が前記識別情報記録領域の位置から前記外周側領域の位置に至った第3の半径位置において、レーザ光の移動速度を前記第3の速度から、前記第1の速度及び前記第3の速度よりも遅い第4の速度に変更し、
    前記移動機構によりレーザ光が前記第4の速度で前記外周側領域を移動する間における第4の半径位置において、レーザ光の移動速度を前記第4の速度から、前記第2の速度及び前記第4の速度よりも速い第5の速度に変更する、
    請求項8又は9に記載の光ディスク製造方法。
  11. 前記移動機構によりレーザ光が前記第4の速度で前記第3の半径位置から前記第4の半径位置に移動する間に、前記回転機構により前記光ディスクを少なくとも1回転させる、
    請求項8から10のいずれかに記載の光ディスク製造方法。
  12. 更に、
    前記光ディスクの前記内周側領域の内側端に対して、フォーカス引き込みのための第3のパワーでレーザ光を照射し、
    前記フォーカス引き込み後、フォーカスサーボを開始し、
    前記フォーカスサーボを行いつつ、前記内周側領域に対して前記第1のパワーによるレーザ光の照射を開始する、
    請求項8から11のいずれかに記載の光ディスク製造方法。
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