JPWO2012169559A1 - アゾール誘導体、アゾール誘導体の製造方法、および中間体化合物 - Google Patents

アゾール誘導体、アゾール誘導体の製造方法、および中間体化合物 Download PDF

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Abstract

新規アゾール誘導体を提供するため、本発明に係るアゾール誘導体は、一般式(V’)で示されるアゾール誘導体である。【化1】(式中、R6およびR7はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表し、Xはハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基もしくはハロアルコキシ基、フェニル基、シアノ基またはニトロ基を表し、mは0〜5の整数を表し、Aは窒素原子またはメチン基を表している。)

Description

本発明は、新規のアゾール誘導体、その製造方法および利用方法、ならびにその中間体化合物に関する。
ある種の2−置換−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体には、殺菌活性を示すものが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
また、2−(ハロゲン化炭化水素置換)−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体に包含される一部の化合物が、抗痙攣性および抗不安緩解性活性などを示すことが報告されている(特許文献3参照)。なお、特許文献3には、農園芸用薬剤および工業用材料保護剤に関する記載はなく、本発明に包含される化合物は具体的に開示されていない。
日本国特許公報「特開平01−93574号公報」 日本国特許公報「特開平01−186871号公報」 独国特許出願公開「第3902031号明細書」 日本国特許公報「特開平05−271197号公報」 日本国特許公報「特開平01−301664号公報」
従来、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示す農園芸用病害防除剤が求められている。加えて、種々の農作物および園芸植物の成長を調節して収量を増加させてその品質を高める効果を示す植物生長調節剤、または工業用材料を侵す広範な有害微生物から材料を保護する効果を示す工業用材料保護剤も求められている。
本発明は、上記の要望に応える農園芸用薬剤および工業用材料保護剤の製造に利用できる化合物およびその製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明に係るアゾール誘導体は、上記課題を解決するために、下記一般式(V’)で示されるアゾール誘導体である。
Figure 2012169559
(式(V’)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表しており、該フェニル基の1以上の水素原子および該ベンジル基のフェニル部における1以上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよく、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、フェニル基、シアノ基またはニトロ基を表しており、mは0〜5の整数を表しており、mが2以上である場合には、複数あるXは互いに異なっていてもよく、Aは、窒素原子またはメチン基を表している。)
また、本発明に係るアゾール誘導体の製造方法の第一の態様は、上記課題を解決するために、上述のアゾール誘導体の製造方法であって、下記一般式(VIII’)で示される化合物をオキシラン化して得られる下記一般式(VII’)で示される化合物と、下記一般式(VI)で示される化合物とを反応させることにより、上記一般式(V’)で示されるアゾール誘導体を得る工程を含んでいる構成である。
Figure 2012169559
(式(VIII’)中、R、R、Xおよびmは、それぞれ式(V’)におけるR、R、Xおよびmと同一である。)
Figure 2012169559
(式(VII’)中、R、R、Xおよびmは、それぞれ式(V’)におけるR、R、Xおよびmと同一である。)
Figure 2012169559
(式(VI)中、Mは、水素原子またはアルカリ金属を表しており、Aは、式(V’)におけるAと同一である。)
また、本発明に係るアゾール誘導体の製造方法の第二の態様は、上記課題を解決するために、下記一般式(IV’)で示されるアゾール誘導体の製造方法であって、上述のアゾール誘導体(V’)を酸存在下で反応させることにより、下記一般式(IV’)で示されるアゾール誘導体を得る工程を含む構成である。
Figure 2012169559
(式(IV’)中、X、mおよびAは、それぞれ式(V’)におけるX、mおよびAと同一である。)
また、本発明に係る中間体化合物の第一の態様は、上述のアゾール誘導体(V’)を製造するために用いられる中間体化合物であって、下記一般式(VIII’)で示される、中間体化合物である。
Figure 2012169559
(式(VIII’)中、R、R、Xおよびmは、それぞれ式(V’)におけるR、R、Xおよびmと同一である。)
また、本発明に係る中間体化合物の第二の態様は、上述のアゾール誘導体(V’)を製造するために用いられる中間体化合物であって、下記一般式(IX’)で示される、中間体化合物である。
Figure 2012169559
(式(IX’)中、R、R、Xおよびmは、それぞれ式(V’)におけるR、R、Xおよびmと同一であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表している。)
また、上述のアゾール誘導体の製造方法を経て製造される、下記一般式(Ia’)で示されるアゾール誘導体もまた本発明の範疇に含まれる。
Figure 2012169559
(式(Ia’)中、R10は、炭素数1〜3のアルキル基を表わし、Lはハロゲン原子を表わし、X、mおよびAは、それぞれ式(V’)におけるX、mおよびAと同一である。)
なお、本発明に係るアゾール誘導体を有効成分として含有する農園芸用薬剤または工業用材料保護剤も本発明の範疇に含まれる。
また、本明細書等において、各一般式において同一の官能基(または原子)には同一の符号を付して、その詳細な説明については適宜省略している。例えば、一般式(I)において示されるRと、異なる一般式において示されているRとは、同一のものを示している。もちろん、Rに限らず、他の官能基(または原子)も同様である。
本発明に係るアゾール誘導体およびアゾール誘導体の製造方法によれば、殺菌活性を有する化合物の中間体化合物を収率よく得ることができる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
〔1.アゾール誘導体〕
本発明者らは、多くのアゾール誘導体の化学構造と生理活性を詳細に検討した。そして、その結果、下記一般式(I)で示されるアゾール誘導体(具体的には、2−置換アルキル−2−ハロアルキル−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール)が優れた活性を有することを見出した。そこでまず、本発明に係る下記一般式(I)で示されるアゾール誘導体(以下、化合物(I)と称する)について説明する。化合物(I)は、シクロペンタン環上の2位に、1以上の水素原子がハロゲン原子で置換された炭化水素置換基を有する。化合物(I)は、文献未記載の新規化合物である。
Figure 2012169559
以下、化合物(I)中の各記号(R、R、X、m、A、Yおよびn1)の具体例について説明する。
(1)R−Y−(CHn1
まず、化合物(I)において下記に説明するRと同一の炭素原子に結合するR−Y−(CHn1を一つの官能基とみなして説明する。
(1−1)R
は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。Rが炭素数1〜3のアルキル基である場合、Rとしては、具体的には、メチル基、エチル基、(1−メチル)エチル基、およびn−プロピル基を挙げることができる。このうち、メチル基およびエチル基が好ましい。
(1−2)Yおよびn1
Yは、酸素原子、硫黄原子またはNRである。また、n1は、1または2を示す。なお、Rは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。
Yが酸素原子の場合、R−Y−(CHn1としては、具体的には、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、およびプロポキシエチル基を挙げることができる。
Yが硫黄原子の場合、R−Y−(CHn1としては、具体的には、メチルスルファニルメチル基、エチルスルファニルメチル基、プロピルスルファニルメチル基、メチルスルファニルエチル基、プロピルスルファニルエチル基、およびプロピルスルファニルプロピル基を挙げることができる。
YがNRの場合、R−Y−(CHn1としては、具体的には、メチルアミノメチル基、エチルアミノメチル基、プロピルアミノメチル基、メチルアミノエチル基、エチルアミノエチル基、プロピルアミノエチル基、(ジメチルアミノ)メチル基、(エチルメチルアミノ)メチル基、(メチルプロピルアミノ)メチル基、(ジエチルアミノ)メチル基、(エチルメチルアミノ)メチル基、(エチルプロピルアミノ)メチル基、(ジプロピルアミノ)メチル基、(ジメチルアミノ)エチル基、(エチルメチルアミノ)エチル基、(メチルプロピルアミノ)エチル基、(ジエチルアミノ)エチル基、(エチルメチルアミノ)エチル基、(エチルプロピルアミノ)エチル基、および(ジプロピルアミノ)エチル基を挙げることができる。
なかでも、Yは酸素原子であることが好ましく、n1は1であることが好ましい。すなわち、R−Y−(CHn1としては、メトキシメチル基またはエトキシメチル基であることが好ましい。
(2)R
続いて、Rの詳細について説明する。Rとしては、ハロアルキル基を挙げることができる。本明細書等における「ハロアルキル基」とは、アルキル基における水素原子のうちの少なくとも1つがハロゲン原子で置換されている官能基を意味している。
は、炭素数1〜4のアルキル鎖を有するハロアルキル基であることが好ましい。アルキル鎖は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖であってもよい。また、Rは、アルキル鎖における末端の炭素原子に結合する水素原子がハロゲン原子で置換されているハロアルキル基であることが好ましい。すなわち、Rは一般式で(CHn3CH3−qZqで示されるハロアルキル基であることが好ましい。この一般式中、n3は0〜3を示し、qは1〜3を示す。Zは、ハロゲン原子を示す。Zとしては、具体的には、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、およびヨウ素原子を挙げることができる。
としては、より具体的には、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2−クロロエチル基、1−クロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、3−クロロプロピル基、2,3−ジクロロプロピル基、1−クロロ−1−メチルエチル基、2−クロロ−1−メチルエチル基、2−クロロプロピル基、4−クロロブチル基、5−クロロペンチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、1−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、2,3−ジフルオロプロピル基、1−フルオロ−1−メチルエチル基、2−フルオロ−1−メチルエチル基、2−フルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、5−フルオロペンチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、2−ブロモエチル基、1−ブロモエチル基、2,2−ジブロモエチル基、1,2−ジブロモエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、3−ブロモプロピル基、2,3−ジブロモプロピル基、1−ブロモ−1−メチルエチル基、2−ブロモ−1−メチルエチル基、2−ブロモプロピル基、4−ブロモブチル基、5−ブロモペンチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、2−ヨードエチル基、1−ヨードエチル基、2,2−ジヨードエチル基、1,2−ジヨードエチル基、2,2,2−トリヨードエチル基、3−ヨードプロピル基、2,3−ジヨードプロピル基、1−ヨード−1−メチルエチル基、2−ヨード−1−メチルエチル基、2−ヨードプロピル基、および4−ヨードブチル基等を挙げることができる。これらの中でも、クロロメチル基であることが好ましい。
(3)Xおよびm
Xとしては、次の置換基を挙げることができる。
ハロゲン原子:具体的には、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
炭素数1〜4のアルキル基:具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、n−ブチル基、および1,1−ジメチルエチル基等を挙げることができる。
炭素数1〜4のハロアルキル基:具体的には、トリフルオロメチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、およびブロモメチル基等を挙げることができる。
炭素数1〜4のアルコキシ基:具体的には、メトキシ基、エトキシ基、およびn−プロポキシ基等を挙げることができる。
炭素数1〜4のハロアルコキシ基:具体的には、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基、および2,2,2−トリフルオロエトキシ基等を挙げることができる。
なお、Xは、フェニル基、シアノ基、あるいはニトロ基であってもよい。
Xは、好ましくはハロゲン原子、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のアルコキシ基であり、特に好ましくはハロゲン原子、炭素数1〜2のハロアルキル基、または炭素数1〜2のハロアルコキシ基である。
mは、0〜5の整数である。mが2以上である場合、複数あるXはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ここで、mは0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましい。
(4)A
Aは、窒素原子またはメチン基である。好ましくは、Aは窒素原子である。
(5)立体異性体
化合物(I)には、下記一般式(CC)、(TT)、(CT)および(TC)で示す立体異性体(C型およびT型)が存在する。化合物(I)は、いずれかの異性体単体でもよく、混合物でもよい。なお、下記一般式では、1位のヒドロキシ基と2位のハロアルキル基(R)とがシス型であって、1位のヒドロキシ基と5位のベンジル基とがシス型であるものの相対立体配置を(CC)としている。また、1位のヒドロキシ基と2位のハロアルキル基(R)とがトランス型であって、1位のヒドロキシ基と5位のベンジル基とがトランス型であるものの相対立体配置を(TT)としている。また、1位のヒドロキシ基と2位のハロアルキル基(R)とがシス型であって1位のヒドロキシ基と5位のベンジル基とがトランス型であるものの相対立体配置を(CT)としている。さらに、1位のヒドロキシ基と2位のハロアルキル基(R)とがトランス型であって、1位のヒドロキシ基と5位のベンジル基とがシス型であるものの相対立体配置を(TC)としている。なお、本文中ではヒドロキシ基が結合した炭素をシクロペンタン環の1位とする。
Figure 2012169559
本発明に係るアゾール誘導体は、植物に病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を有する。従って、本発明に係るアゾール誘導体を有効成分として含有する農園芸用薬剤は、広汎な植物病害に対して高い防除効果を発揮することができる効果を奏する。
また、本発明に係るアゾール誘導体を有効成分として含有する農園芸用薬剤は、種々の農作物や園芸植物の成長を調節して収量を増加させると共に、その品質を高める効果も併せて奏する。
さらに、本発明に係るアゾール誘導体を有効成分として含有する工業用材料保護剤は、工業用材料を侵す広範な有害微生物からより一層効果的に工業用材料を保護することができる効果を奏する。
2.アゾール誘導体の製造方法
次に、化合物(I)として示したアゾール誘導体の製造方法について説明する。以下に説明する本発明に係る製造方法の各工程において使用される溶媒、塩基、および酸等は、特に言及しない限り、次のようなものを用いることができる。
(1)溶媒
使用される溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、通常、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(以下、THFと記すこともある)およびジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノールおよびイソプロパノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類;石油エーテル、ヘキサンおよびメチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ならびにN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと記すこともある)、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類等を挙げることができる。この他、溶媒としては、水、アセトニトリル、酢酸エチル、無水酢酸、酢酸、ピリジン、およびジメチルスルホキシド等も使用可能である。これらの溶媒は、2種類以上を混合して使用してもよい。
また、溶媒としては、互いに均一な層を形成することのない溶媒からなる溶媒組成物も挙げられる。この場合には、反応系に相間移動触媒、例えば、慣用の第4アンモニウム塩またはクラウンエーテルを添加してもよい。
(2)塩基および酸
上述の溶媒には、塩基または酸を添加してもよい。
用いられる塩基は、特に限定されない。塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸カルシウムおよび炭酸バリウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩;水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化リチウム等のアルカリ金属水素化合物;n−ブチルリチウム等のアルカリ金属の有機金属化合物;リチウムジイソプロピルアミド等のアルカリ金属アミド類;ならびにトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリンおよび1,8−ジアザビシクロ−7−[5.4.0]ウンデセン等の有機アミン類等を挙げることができる。
また、用いられる酸は、特に限定されない。酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸および硫酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、酪酸、トリフルオロ酢酸およびp−トルエンスルホン酸等の有機酸;ならびに塩化リチウム、臭化リチウム、塩化ロジウム、塩化アルミニウムおよび三フッ化ホウ素等のルイス酸を挙げることができる。
(3)化合物(I)の第一製造方法
(3−1)工程1A
次いで、本発明に係るアゾール誘導体の第一製造方法について説明する。
工程1Aでは、本発明に係るアゾール誘導体のうち、以下に示す化合物(Ia)の製造方法について説明する。
Figure 2012169559
ここで、R、R、X、m、A、およびn1は、上述した通りである。
この製造方法の1つの実施形態では、下記一般式(IIIa)で示される化合物におけるヒドロキシ基をアルキル化することにより化合物(IIa)を得る工程と、化合物(IIa)における酸素原子を含むヘテロ環を任意のハロゲン酸を用いて開環することにより、化合物(Ia)を得る工程と、を含む。
ここで、本実施形態では、シクロペンタン環の2位にヒドロキシアルキル基を有する化合物である下記一般式(IIIa)で示される化合物のヒドロキシアルキル基をアルキル化し、得られた化合物を開環する工程を例に挙げて説明する(工程1A;反応式(1)参照)。
なお、一般式(Ia)で示される化合物は、シクロペンタン環の2位にハロアルキル基を有する化合物である。以下、一般式αで示される化合物を「化合物α」と称する。例えば、一般式(Ia)で示される化合物は「化合物(Ia)」と称する。
反応式(1)
Figure 2012169559
ここで、R、R、X、m、A、およびn1は、上述した通りである。n2は、Rにおけるアルキル基の炭素数を示す。
(3−1−1)工程1A1(アルキル化工程)
ここでは、まず、本工程1Aにおいて、化合物(IIIa)をアルキル化して化合物(IIa)を得る工程(工程1A1)についてより詳細に説明する。
化合物(IIa)を得るためのアルキル化の方法としては特に限定されないが、溶媒中において、化合物(IIIa)のヒドロキシ基とアルカリ金属塩基とから調製される金属アルコキシドを、脱離基を有するアルキルと室温にて反応させる方法を挙げることができる。
溶媒としては、THFなどのエーテル系の溶媒、N−メチルピロリドン(NMP)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)およびN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類の溶媒、ベンゼンおよびトルエン等の芳香族系の溶媒、ならびに塩化メチレン等のハロゲン化物の溶媒を好適に用いることができる。このうち、THFをより好適に用いることができる。
脱離基を有するアルキルとしては、ヨウ化物および臭化物等のハロゲン化アルキル、ならびにトシルオキシアルキルおよびメシルオキシアルキル等のスルホン酸エステルを挙げることができる。このうち、ヨウ化アルキルを好適に用いることができる。さらに、ヨウ化アルキルの中では、ヨウ化メチルを用いることがより好ましい。
アルカリ金属塩基としては、ナトリウム、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムを挙げることができる。このうち、水素化ナトリウムを用いることが好ましい。
なお、化合物(Ia)におけるRが水素原子である場合、本工程は不要である。
(3−1−2)工程1A2(開環工程)
次に、本工程1Aにおいて、化合物(IIa)を開環して化合物(Ia)を得る工程(工程1A2)についてより詳細に説明する。
化合物(Ia)は、化合物(IIa)とハロゲン酸とを溶媒中で混合し、酸素原子を含むヘテロ環の開環反応を行うことにより、ハロゲン化アルキル基と3級ヒドロキシ基とを生成することで好適に製造することができる。
ハロゲン酸としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素を挙げることができる。なかでも塩化水素および臭化水素が好適に用いられる。ハロゲン酸は、気体として導入してもよいし、溶媒に溶解させて添加してもよい。なお、ハロゲン化物塩と別種の酸(例えばトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、および硫酸等)とを添加することにより系内においてハロゲン酸を生成させて、化合物(IIa)から化合物(Ia)を得るようにしてもよい。ハロゲン化物塩としては、塩化リチウム、臭化リチウム、フッ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、フッ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、およびフッ化カリウムを挙げることができる。
溶媒は、特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、メタノールおよびエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類、ならびに水等を挙げることができる。この中でも、N,N−ジメチルホルムアミドを用いることが好ましい。
反応温度は、用いられる溶媒、および塩基等によって適宜設定することができるが、好適には−20℃〜250℃であり、より好適には−10℃〜150℃である。反応時間は、用いられる溶媒、および塩基等によって適宜設定することができるが、好適には0.1時間〜数日であり、より好適には0.5時間〜2日である。
なお、化合物(Ia)におけるRが水素原子である場合、化合物(IIa)の代わりに化合物(IIIa)を用いて本工程を行う。
(3−2)工程1B
次いで、工程1Aにおいて使用される化合物(IIIa)の製造方法について説明する。
工程1Aにおいて使用される化合物(IIIa)は、次のような合成方法を用いることで好適に製造することができる。
工程1Bでは、下記一般式(IV)で示されるヒドロキシアルキル化合物を閉環することにより、化合物(IIIa)を得る工程を含む(工程1B;下記反応式(2)参照)。
反応式(2)
Figure 2012169559
ここで、X、m、A、n1、およびn2は、上述した通りである。
化合物(IIIa)の好適な合成方法としては、化合物(IV)をスルホニルクロライド類と過剰量塩基の存在下、溶媒中で反応させる方法を挙げることができる。
スルホニルクロライド類としては、p−トルエンスルホニルクロライド、およびメタンスルホニルクロライド等を用いることができる。これらの中でも、p−トルエンスルホニルクロライドを用いることが好ましい。
また、塩基は特に限定されるものではない。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物、ならびにナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシドおよびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等を好適に用いることができる。この中でも、水素化ナトリウムをより好適に用いることができる。
スルホニルクロライド類の量は、化合物(IV)に対して1〜2倍モルであることが好ましい。塩基の量としては化合物(IV)に対して2.5〜10倍モルであることが好ましく、2.8〜6倍モルであることがより好ましい。
溶媒は、特に限定されるものではない。溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルホキシドならびにこれらの混合溶媒を用いることができる。この中でも、テトラヒドロフランを好適に用いることができる。
反応温度は、用いられる溶媒、化合物(IV)、スルホニルクロライド類および塩基等の種類によって適宜設定することができ、好適には−100℃〜200℃であり、より好適には−50℃〜150℃である。反応時間は、用いられる溶媒、化合物(IV)、スルホニルクロライド類および塩基等の種類によって適宜設定することができ、好適には0.1時間〜数日であり、より好適には0.5時間〜2日である。
(3−3)工程1C
工程1Bにおいて使用される化合物(IV)は、次のような合成方法を用いることで、好適に製造することができる。
まず、下記一般式(VIII)で示されるカルボニル化合物をオキシラン化して、下記一般式(VII)で示されるオキシラン誘導体を得る。次に、得られた化合物(VII)と、下記一般式(VI)で示される1,2,4−トリアゾールもしくはイミダゾール化合物(「化合物(VI)」)とを反応させることにより、下記一般式(V)で示される化合物を得る。そして、化合物(V)中、Gで示されるヒドロキシ基の保護基を脱保護することにより、化合物(IV)を合成する。一連の反応工程(工程1C)を、下記反応式(3)に示す。
反応式(3)
Figure 2012169559
ここで、X、m、A、n1、およびn2は、上述した通りである。Mは、水素原子またはアルカリ金属を示す。Gは、保護基を表し、化合物(V)を化合物(VII)から製造できれば特に限定されない。また、2つあるGは互いに同じであっても異なっていてもよい。保護基としては、メトキシメチル基およびエトキシメチル基等のアルコキシメチル基、t−ブチル基およびメチル基等の低級アルキル基、ならびに置換または無置換ベンジル基等を挙げることができる。また、2つのGが環を形成していてもよく、この場合は保護基としてメチレンアセタールまたはイソプロピリデンケタール等を用いることができる。2つのGが環を形成している場合の具体例については後述する。
(3−3−1)工程1C1(オキシラン化工程)
ここでは、まず、本工程1Cにおいて、化合物(VIII)をオキシラン化して、化合物(VII)を得る工程(工程1C1)についてより詳細に説明する。
化合物(VII)の第1の合成方法としては、化合物(VIII)と硫黄イリドとを溶媒中で反応させる方法を挙げることができる。硫黄イリドとしては、ジメチルスルホニウムメチリド等のスルホニウムメチリド類およびジメチルスルホキソニウムメチリド等のスルホキソニウムメチリド類を挙げることができる。
用いられるスルホニウムメチリド類またはスルホキソニウムメチリド類は、溶媒中、スルホニウム塩(例えば、トリメチルスルホニウムヨージドおよびトリメチルスルホニウムブロミド等のスルホニウムハライド)またはスルホキソニウム塩(例えばトリメチルスルホキソニウムヨージドおよびトリメチルスルホキソニウムブロミド等のスルホキソニウムハライド)と、塩基とを反応させることにより生成させることができる。
この際、用いられるスルホニウムメチリド類またはスルホキソニウムメチリド類の量は、化合物(VIII)に対して0.5〜5倍モルであることが好ましく、0.8〜2倍モルであることがより好ましい。
用いられる溶媒は特に限定されるものではないが、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類またはジメチルスルホキシドならびにこれらの混合溶媒を挙げることができる。
スルホニウムメチリド類またはスルホキソニウムメチリド類の生成に用いられる塩基は、特に限定されるものではない。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物、または、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシドおよびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等を用いることが好ましい。
反応温度および反応時間は、用いられる溶媒、化合物(VIII)、スルホニウム塩もしくはスルホキソニウム塩、および塩基等の種類によって適宜設定される。反応温度は、−100℃〜200℃であることが好ましく、−50℃〜150℃であることがより好ましい。また、反応時間は、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
次に、化合物(VII)の別の合成方法(第2の合成方法)について説明する。具体的には、化合物(VII)は、化合物(VIII)をヨウ化サマリウムおよびジヨードメタンと溶媒中で反応させた後、塩基で処理することにより製造することができる。
塩基は、特に限定されるものではなく、例えば水酸化ナトリウム等を用いることができる。用いられるヨウ化サマリウムは、無水溶媒中で、金属サマリウムと、1,2−ジヨードエタンもしくはジヨードメタンとを反応させることにより生成させることができる。用いられる溶媒は、特に限定されるものではない。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類を挙げることができる。
化合物(VIII)に対する塩基の量は、特に限定されないが、0.5〜10倍モルであることが好ましく、0.8〜6倍モルであることがより好ましい。また、塩基で処理する場合は無水系である必要はないため、例えば、水酸化ナトリウム水溶液等を使用してもよい。
反応温度および反応時間は、用いられる溶媒、化合物(VIII)および塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度は、−100℃〜150℃であることが好ましく、−50℃〜100℃であることがより好ましい。また、反応時間は、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
(3−3−2)工程1C2(アゾール化工程)
次に、本工程1Cにおいて、化合物(VII)と化合物(VI)とを反応させ、化合物(V)を得る工程(工程1C2)についてより詳細に説明する。
化合物(V)は、化合物(VII)と化合物(VI)とを溶媒中で混合することにより、オキシラン誘導体(化合物(VII))におけるオキシラン環を構成する炭素原子と1,2,4−トリアゾールもしくはイミダゾール(化合物(VI))の窒素原子との間に炭素−窒素結合が生成することで製造される。
溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類を挙げることができる。
化合物(VII)に対する化合物(VI)の使用量は、0.5〜10倍モルであることが好ましく、0.8〜5倍モルであることがより好ましい。また、所望により塩基を添加してもよい。塩基を添加する場合、化合物(VI)に対する塩基の使用量は、0〜5倍モル(0は含まない)であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2倍モルである。
反応温度は、用いられる溶媒および塩基等の種類によって適宜設定することができ、0℃〜250℃であることが好ましく、10℃〜150℃であることがより好ましい。また、反応時間は、用いられる溶媒および塩基等の種類によって適宜設定することができ、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
化合物(V)は、化合物(VII)を生成させた後、段階的に化合物(VI)と反応させて製造することができる。しかし、上述した第1の合成方法においてオキシラン化反応のみを単独で行った場合には、副生成物(例えばオキセタン誘導体)が生成して、収率低下を招くことがある。この収率低下を回避するためには、化合物(VII)を生成させながら、アゾール化を行えばよい(下記反応式(4)参照)。
反応式(4)
Figure 2012169559
ここで、X、m、A、G、M、n1、およびn2は、上述した通りである。
この場合、まず、化合物(VIII)と化合物(VI)とを、(i)アミド結合を持つ極性溶媒、(ii)ジメチルスルホキシド、または(iii)極性溶媒とアルコールとの混合溶媒に溶解する。そして、これにトリメチルスルホニウム塩等のスルホニウム塩またはトリメチルスルホキソニウム塩等のスルホキソニウム塩、および塩基を加え、反応系内でジメチルスルホニウムメチリド等のスルホニウムメチリド類またはジメチルスルホキソニウムメチリド等のスルホキソニウムメチリド類等を発生させることにより、化合物(VII)を生成させながらアゾール化を行う。ここで、トリメチルスルホニウム塩等のスルホニウム塩またはトリメチルスルホキソニウム塩等のスルホキソニウム塩および塩基の少なくとも何れか一方を間欠的に加えた方が好ましい場合には、両者もしくは一方を間欠的に加えることが好ましい。
用いられる溶媒は、特に限定されるものではない。溶媒としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド結合を持つ極性溶媒、ならびにジメチルスルホキシド等を挙げることができる。また、混合溶媒におけるアルコールとしては、t−ブタノール等を挙げることができる。
スルホニウムメチリド類またはスルホキソニウムメチリド類の生成に用いられる塩基は、特に限定されるものではない。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物、またはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシドおよびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等を用いることができる。また、1,2,4−トリアゾールまたはイミダゾールのアルカリ金属塩を使用してもよい。
反応温度は、用いられる溶媒、化合物(VIII)、スルホニウム塩もしくはスルホキソニウム塩、および塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度としては、−100℃〜250℃であることが好ましく、−50℃〜200℃であることがより好ましい。また、反応時間は、用いられる溶媒、化合物(VIII)、スルホニウム塩もしくはスルホキソニウム塩、および塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応時間としては、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
また、スルホニウム塩(例えば、トリメチルスルホニウムハライド)またはスルホキソニウム塩(例えば、トリメチルスルホキソニウムハライド)および塩基の少なくとも一方を間欠的に加える場合の回数については、所定の目的を達成することができる回数であれば、特に限定されるものではない。回数としては、例えば、それぞれ2〜20回であることが好ましく、3〜15回であることがより好ましい。スルホニウム塩またはスルホキソニウム塩の合計の使用量は、化合物(VIII)に対して0.5〜5倍モルであることが好ましく、0.8〜2倍モルであることがより好ましい。
化合物(VIII)に対する化合物(VI)の使用量は、0.5〜10倍モルであることが好ましく、0.8〜5倍モルであることがより好ましい。化合物(VI)は、Mがアルカリ金属であるものを使用することが好ましい。
なお、オキシラン誘導体を生成させながらアゾール化を行う方法については公知技術を参考にして行えばよい。
(3−3−3)工程1C3(脱保護工程)
続いて、本工程1Cにおいて、化合物(V)の保護基を脱保護することにより、化合物(IV)を得る工程(工程1C3)についてより詳細に説明する。
脱保護の好適な条件は、保護基の種類により異なる。ただし、メトキシメチル基およびエトキシメチル基等のアルコキシメチル基、t−ブチル基およびメチル基等の低級アルキル基、またはメチレンアセタールおよびイソプロピリデンケタール等の環状アセタール、ケタール保護基を使用する場合には、溶媒中、塩化水素および硫酸等の酸性条件下における脱保護を好ましく使用できる。
脱保護に使用される好適な酸としては、塩化水素等のハロゲン化水素および硫酸等の無機酸を挙げることができる。使用量は特に限定されるものではないが、化合物(V)に対する酸の使用量は、例えば0.5倍モル〜100倍モルであり、好ましくは0.8倍モル〜20倍モルである。
反応温度は、0℃〜200℃であることが好ましく、室温〜100℃であることがより好ましい。反応時間は、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
なお、2つあるGが互いに異なる場合には、化合物(IV)を得る際に、−(CHn1−OHを保護する保護基Gを残すようにしてもよい。この場合、−(CHn1−OHを保護する保護基Gは本工程において脱保護されない保護基を適宜選択すればよい。
また、ここで残した保護基は、工程1Bにて閉環反応を行った後、工程1C3と同様の方法を用いて脱保護すればよい。この方法により閉環反応における副反応を抑えることができる場合がある。
(3−4)工程1D
工程1Cで使用される化合物(VIII)は、以下の方法により好適に合成可能である。
すなわち、まず、下記一般式(XIII)で示される化合物をベンジル化して得られた下記一般式(XII)で示されるケトエステル化合物をヒドロキシアルキル化することによって、下記一般式(XI)で示される化合物を得る。さらに、化合物(XI)をヒドロキシアルキル化することによって、下記一般式(X)で示される化合物を得る。次に、化合物(X)のヒドロキシ基に、例えばメトキシメチル基またはt−ブチル基等の保護基を導入し、下記一般式(IX)で示される化合物に誘導する。そして、化合物(IX)を、加水分解・脱炭酸することにより、下記一般式(VIII)で示されるカルボニル化合物を得る。一連の反応工程(工程1D)を、下記反応式(5)に示す。
Figure 2012169559
反応式(5)
Figure 2012169559
ここで、X、m、G、n1、およびn2は、上述した通りである。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。
(3−4−1)工程1D1(ヒドロキシアルキル化工程)
ここでは、まず、本工程1Dにおいて、化合物(XII)をヒドロキシアルキル化して化合物(X)を得る工程(工程1D1)について説明する。工程1D1は、化合物(XII)をヒドロキシアルキル化して化合物(XI)を得る工程(工程1D1a)と、化合物(XI)をさらにヒドロキシアルキル化して化合物(X)を得る工程(工程1D1b)とを含む。以下、工程1D1aおよび工程1D1bについてより詳細に説明する。
(工程1D1a:第1のヒドロキシアルキル化工程)
工程1D1aにおいて、化合物(XI)は、溶媒中、塩基存在下、化合物(XII)とヒドロキシアルキルハライドとを反応させることにより製造することができる。使用するヒドロキシアルキルハライドのヒドロキシ基は保護基Gで予め保護されていてもよい。
化合物(XII)に対するヒドロキシアルキルハライドの使用量は、0.5倍モル〜20倍モルであることが好ましく、0.8倍モル〜10倍モルであることがより好ましい。
塩基としては、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、ならびにトリエチルアミン等の有機塩基等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。化合物(XII)に対する塩基の使用量は、0.1倍モル〜10倍モルであることが好ましく、0.2倍モル〜5倍モルであることがより好ましい。
反応温度は、0℃〜250℃であることが好ましく、0〜100℃であることがより好ましい。反応時間は、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類、ならびにベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類、ならびに水等が用いられ、これらは必要に応じて混合して使用してもよい。なお、反応系が二相を形成する場合は相間移動触媒、例えば、慣用の第4アンモニウム塩(例えば、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム)を使用することが好ましい。
導入するヒドロキシアルキル基がヒドロキシメチル基である場合は、溶媒中、塩基存在下で、化合物(XII)をホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド誘導体(以下、ホルムアルデヒド等という)と反応させればよい。
ホルムアルデヒド誘導体としては、パラホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサンおよびホルムアルデヒドジアルキルアセタールなどが挙げられる。
なお、化合物(XII)は、公知の方法(例えば、特許文献1に記載の方法)によって製造される化合物を使用すればよい。
(工程1D1b:第2のヒドロキシアルキル化工程)
工程1D1bにおいてヒドロキシアルキル基を導入する方法は、工程1D1aと同様の方法を用いることができる。
なお、導入する2つのヒドロキシアルキル基が同じである場合(n1=n2の場合)は、工程1D1bを省略することもできる。この場合、工程1D1aにおいて、化合物(XII)に対するヒドロキシアルキルハライドの使用量を2倍モル以上とすることで、一度にヒドロキシアルキル化を行うことができる。例えば、ビスヒドロキシメチル化(n1=n2=1)を行う場合、ホルムアルデヒド等を化合物(XI)に対して2倍モル以上用いればよい。
(3−4−2)工程1D2(保護基導入工程)
次に、本工程1Dにおいて、化合物(X)のヒドロキシ基に保護基を導入し、化合物(IX)を得る工程(工程1D2)についてより詳細に説明する。
ヒドロキシ基を保護する保護基は、特に限定されるものではない。保護基としては、メトキシメチル基およびエトキシメチル基等のアルコキシメチル基、または、t−ブチル基等の低級アルキル基であることが好ましい。これらの保護基の導入は酸性触媒条件下で行う。ただし、(a)アルコキシメチル基の導入の場合は、ホルムアルデヒドジアルキルアセタールを使用し、化合物(X)中のヒドロキシ基をアセタール交換する方法が好適である。また(b)t−ブチル基の導入の場合は、イソブテンを使用し、化合物(X)中のヒドロキシ基に保護基を導入する方法が好適である。さらに(c)2つのヒドロキシ基をアセタールおよびケタールで同時に保護する場合には、適当なアルデヒドもしくはケトンまたは対応するアセタールもしくはケタールを酸触媒下で用いて行う方法が好適である。
まず、保護基がアルコキシメチル基の場合((a)の場合)について説明する。
酸としては、塩酸、りん酸(5酸化2リンのようにアルコールまたは水の添加により酸基が生成する化合物を含む)および硫酸等の無機酸、ならびにp−トルエンスルホン酸およびメタンスルホン酸等の有機酸を用いることができる。ホルムアルデヒドジアルキルアセタールは、酸の存在下、溶媒中もしくは無溶媒中で使用することが好ましい。また、生成するアルコールを除去できる化合物(例えば、5酸化2リン)を添加することがより好ましい。
化合物(X)に対するホルムアルデヒドジアルキルアセタールの使用量は、0.5倍モル〜50倍モルであることが好ましく、0.8倍モル〜10倍モルであることがより好ましい。化合物(X)に対する酸の使用量は、0.001倍モル〜10倍モルであることが好ましく、0.002倍モル〜5倍モルであることがより好ましい。
反応温度は、0℃〜250℃であることが好ましく、0℃〜150℃であることがより好ましい。反応時間は、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
保護基がt−ブチル基である場合((b)の場合)には、塩酸、りん酸および硫酸等の無機酸、またはp−トルエンスルホン酸およびトリフルオロ酢酸等の有機酸存在下、溶媒中で化合物(X)とイソブテンとを反応させることが好ましい。
化合物(X)に対するイソブテンの使用量は、0.5倍モル〜100倍モルであることが好ましく、0.8倍モル〜20倍モルであることがより好ましい。化合物(X)に対する酸の使用量は、0.001倍モル〜10倍モルであることが好ましく、0.002倍モル〜5倍モルであることがより好ましい。
反応温度は、0℃〜200℃であることが好ましく、0℃〜100℃であることがより好ましい。反応時間は、0.1時間〜数日あることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
保護基がイソプロピリデンケタールである場合((c)の場合)には、塩酸、りん酸および硫酸等の無機酸、またはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸およびトリフルオロ酢酸等の有機酸存在下、溶媒中で化合物(X)とアセトンもしくはアセトンジメチルアセタールとを反応させることが好ましい。
化合物(X)に対するアセトンまたはアセトンジメチルアセタールの使用量は、0.5倍モル〜100倍モルであることが好ましく、0.8倍モル〜20倍モルであることがより好ましい。化合物(X)に対する酸の使用量は、0.001倍モル〜10倍モルであることが好ましく、0.002倍モル〜5倍モルであることがより好ましい。
反応温度は、0℃〜200℃であることが好ましく、0℃〜100℃であることがより好ましい。反応時間は、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜2日であることがより好ましい。
また、工程1D1a、1D1bにおいて、ヒドロキシ基が予め保護されたヒドロキシアルキルハライドを用いた場合は工程1D2を行わなくてよい。
(3−4−3)工程1D3(加水分解・脱炭酸工程)
続いて、本工程1Dにおいて、化合物(IX)を加水分解/脱炭酸して化合物(VIII)を得る工程(工程1D3)ついて説明する。
工程1D3は、塩基存在下、溶媒中で好適に行うことができる。塩基としては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基を使用することができる。化合物(IX)に対する塩基の使用量は、0.1倍モル〜50倍モルであることが好ましく、0.2倍モル〜20倍モルであることがより好ましい。
溶媒としては、例えば、水の他、アルコール類などを加えた水、互いに均一な層を形成することのない溶媒(水−トルエン等)からなる溶媒組成物を用いることができる。互いに均一な層を形成することのない溶媒を用いる場合には、反応系に相間移動触媒(例えば、慣用の第4アンモニウム塩)を使用してもよい。
反応温度は、0℃〜還流点であることが好ましく、室温〜還流点であることがより好ましい。反応時間は、0.1時間〜数日であることが好ましく、0.5時間〜24時間であることがより好ましい。
以上、本発明に係るアゾール誘導体のうち、化合物(Ia)の製造方法について説明してきた。上述した工程1A〜1Dは、以下の反応式(6)に示すような流れにまとめることができる。
反応式(6)
Figure 2012169559
(3−5)工程1Cおよび工程1Dの例
2つのGが環を形成している場合の化合物(V)として、下記一般式(V’)で示されるアゾール誘導体(以下、アゾール誘導体(V’)と称する)が挙げられる。
Figure 2012169559
一般式(V’)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表している。
炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ブチル基、および1,1−ジメチルエチル基等が挙げられる。
およびRにおけるフェニル基の1以上の水素原子、およびRまたはRにおけるベンジル基のフェニル部における1以上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。置換基としての炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ブチル基、および1,1−ジメチルエチル基等が挙げられる。置換基としての炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、およびn−プロポキシ基等を挙げることができる。置換基としてのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、および臭素原子等を挙げることができる。
これらの中でも、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜2のアルキル基であることがさらに好ましく、RおよびRがともにメチル基であることが特に好ましい。
Xは、上述のXと同じであり、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、フェニル基、シアノ基またはニトロ基を表している。
ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、およびヨウ素原子を挙げることができる。
炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、n−ブチル基、および1,1−ジメチルエチル基等を挙げることができる。
炭素数1〜4のハロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、およびブロモメチル基等を挙げることができる。
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、およびn−プロポキシ基等を挙げることができる。
炭素数1〜4のハロアルコキシ基としては、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基、および2,2,2−トリフルオロエトキシ基等を挙げることができる。
Xは、好ましくはハロゲン原子、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキル基、および炭素数1〜3のアルコキシ基であり、より好ましくはハロゲン原子、炭素数1〜2のハロアルキル基、および炭素数1〜2のハロアルコキシ基であり、さらに好ましくはハロゲン原子であり、特に好ましくは、フッ素原子および塩素原子である。
mは、上述のmと同じであり、0〜5の整数を表している。mが2以上である場合には、複数あるXは互いに異なっていてもよい。なかでも、mは0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましい。
Xの結合位置に特に制限はないが、mが1である場合には、4−置換ベンジルとなる位置が好ましい。
Aは、窒素原子またはメチン基を表している。好ましくは、Aは窒素原子である。
アゾール誘導体(V’)の好適な例として、例えば下記一般式(V’−1)で示されるアゾール誘導体を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
Figure 2012169559
(式(V’−1)中、Xは、水素原子、フッ素原子または塩素原子を表している。)
アゾール誘導体(V’)は、下記一般式(IV’)で示されるアゾール誘導体(以下、アゾール誘導体(IV’)と称する)の製造に好適に使用される。
Figure 2012169559
(式(IV’)中、X、mおよびAは、それぞれ式(V’)におけるX、mおよびAと同一である。)
アゾール誘導体(IV’)は、化合物(IV)の一態様であり、植物に病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を有するアゾール誘導体の中間体化合物として好適に使用されるものである。
なお、アゾール誘導体(V’)自体も、植物に病害を引き起こす菌に対して優れた殺菌作用を有している。
アゾール誘導体(V’)は化合物(V)の一態様であり、上述の工程1Dおよび工程1Cを経て、化合物(XII)から製造することができる。すなわち、アゾール誘導体(V’)は、下記スキーム1に従って、公知の技術により得られる化合物(XII)から、製造することができる。なお、スキーム1では、アゾール誘導体(V’)からアゾール誘導体(IV’)を製造する工程も含めて示している。
Figure 2012169559
以下各工程について説明する。
(工程1D1’:ヒドロキシメチル化工程)
工程1D1の一態様である工程1D1’では、上記化合物(XII)をヒドロキシメチル化して、一般式(X’)で示される化合物(n1=1、n2=1である化合物(X);以下、化合物(X’)と称する)を得る。
化合物(XII)をヒドロキシメチル化する方法としては、化合物(XII)を、溶媒中、塩基の存在下でホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド誘導体と反応させる方法が挙げられる。
塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、ならびにトリエチルアミン等の有機塩基等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。化合物(XII)に対する塩基の使用量は、例えば0.01〜10倍モルであり、好適には0.1〜5倍モルである。
反応温度は、例えば0℃〜250℃であり、好適には0〜100℃である。反応時間は、例えば0.1時間〜数日であり、好適には0.5時間〜2日である。
溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタンおよびジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類、ならびにメタノールおよびエタノール等のアルコール類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ならびに水等が用いられ、これらは必要に応じて混合して使用してもよい。なお、反応系が二相を形成する場合は相間移動触媒、例えば、慣用の第4アンモニウム塩(例えば、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム)を使用することが好ましい。
ホルムアルデヒド誘導体としては、パラホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサンおよびホルムアルデヒドジアルキルアセタールなどが挙げられる。
化合物(XII)に対するホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド誘導体の使用量は、例えば1〜40倍モルであり、好適には1.6〜20倍モルである。
(工程1D2’:保護基導入工程)
工程1D2の一態様である工程1D2’では、化合物(X’)の2つのヒドロキシメチル基におけるそれぞれのヒドロキシ基を1つの化合物で同時に保護する保護基を導入して、一般式(IX’)で示される化合物(以下、化合物(IX’)と称する)を得る。
化合物(X’)のヒドロキシ基に保護基を導入する方法としては、化合物(X’)を、酸存在下で、アセタールまたはケトンと反応させる方法が挙げられる。
アセタールとしては、下記一般式(XIV)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2012169559
式(XIV)中、RおよびRは、アゾール誘導体(V’)におけるRおよびRで示される官能基と同一である。RおよびRはそれぞれ独立に、メチル基およびエチル基等の炭素数1〜4のアルキル基を表している。
また、ケトンとしては、下記一般式(XV)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2012169559
式(XV)中、RおよびRは、アゾール誘導体(V’)におけるRおよびRで示される官能基と同一である。
化合物(X’)に対するアセタールまたはケトンの使用量は、例えば0.5〜20倍モルであり、好適には0.8〜10倍モルである。
酸としては、塩酸、りん酸および硫酸等の無機酸、ならびにp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸およびトリフルオロ酢酸等の有機酸を挙げることができる。化合物(X’)に対する酸の使用量は、例えば、例えば0.001〜10倍モルであり、好適には0.002〜2倍モルである。
反応温度は、例えば0℃〜200℃であり、好適には0〜100℃である。反応時間は、例えば0.1時間〜数日であり、好適には0.5時間〜2日である。
(工程1D3’:加水分解・脱炭酸工程)
工程1D3の一態様である工程1D3’では、化合物(IX’)を加水分解・脱炭酸して一般式(VIII’)で示される化合物(以下、化合物(VIII’)と称する)を得る。
化合物(IX’)を加水分解・脱炭酸する方法としては、化合物(IX’)を、溶媒中、塩基存在下で反応させる方法が挙げられる。
塩基としては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基を好適に使用することができる。化合物(IX’)に対する塩基の使用量は、例えば0.1〜50倍モルであり、好適には0.2〜20倍モルである。
溶媒としては、水、アルコール類を加えた水、および互いに均一な層を形成することのない溶媒(水−トルエン等)からなる溶媒組成物を用いることができる。互いに均一な層を形成することのない溶媒を用いる場合には、反応系に相間移動触媒(例えば、慣用の第4アンモニウム塩)を使用してもよい。
反応温度は、例えば0℃〜還流点であり、好適には室温〜還流点である。反応時間は、例えば0.1時間〜数日であり、好適には0.5〜24時間である。
(工程1C1’:オキシラン化工程)
工程1C1の一態様である工程1C1’では、化合物(VIII’)をオキシラン化して、一般式(VII’)で示されるオキシラン誘導体(以下、オキシラン誘導体(VII’)と称する)を得る。
化合物(VIII’)をオキシラン化する方法としては、化合物(VIII’)と硫黄イリドとを溶媒中で反応させる方法を挙げることができる。
硫黄イリドとしては、ジメチルスルホニウムメチリド等のスルホニウムメチリド類およびジメチルスルホキソニウムメチリド等のスルホキソニウムメチリド類を挙げることができる。用いられるスルホニウムメチリド類またはスルホキソニウムメチリド類は、溶媒中、スルホニウム塩(例えば、トリメチルスルホニウムヨージドおよびトリメチルスルホニウムブロミド等のスルホニウムハライド)またはスルホキソニウム塩(例えばトリメチルスルホキソニウムヨージドおよびトリメチルスルホキソニウムブロミド(TMSOB)等のスルホキソニウムハライド)と、塩基とを反応させることにより生成させることができる。この際に用いられるスルホニウムメチリド類またはスルホキソニウムメチリド類の量は、化合物(VIII’)に対して0.5〜5倍モルであることが好ましく、0.8〜2倍モルであることがより好ましい。
溶媒は特に限定されるものではなく、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類またはジメチルスルホキシドならびにこれらの混合溶媒を挙げることができる。
スルホニウムメチリド類またはスルホキソニウムメチリド類の生成に用いられる塩基は、特に限定されるものではない。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物、または、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシドおよびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等を用いることが好ましい。
反応温度および反応時間は、溶媒、化合物(VIII’)、スルホニウム塩もしくはスルホキソニウム塩および塩基の種類によって適宜設定される。反応温度は、例えば−100℃〜200℃であり、好適には−50℃〜150℃である。また、反応時間は、例えば0.1時間〜数日であり、好適には0.5時間〜2日である。
(工程1C2’:アゾール化工程)
工程1C2の一態様である工程1C2’では、オキシラン誘導体(VII’)をアゾール化してアゾール誘導体(V’)を得る。
オキシラン誘導体(VII’)をアゾール化する方法としては、オキシラン誘導体(VII’)を、溶媒中、上記化合物(VI)と反応させる方法を挙げることができる。より詳細には、オキシラン誘導体(VII’)と化合物(VI)とを溶媒中で混合することにより、オキシラン誘導体(VII’)におけるオキシラン環を構成する炭素原子と1,2,4−トリアゾールまたはイミダゾールの窒素原子との間に炭素−窒素結合が生成することで、アゾール誘導体(V’)が製造される。
溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類を挙げることができる。
オキシラン誘導体(VII’)に対する化合物(VI)の使用量は、例えば0.5〜10倍モルであり、好適には0.8〜5倍モルである。また、所望により塩基を添加してもよい。塩基を添加する場合、オキシラン誘導体(VII’)に対する塩基の使用量は、例えば0〜5倍モル(ただし、0は含まない)であり、好適には0.5〜2倍モルである。
反応温度は、溶媒または塩基によって適宜設定することができ、例えば0℃〜250℃であり、好適には10℃〜150℃である。また、反応時間は、溶媒または塩基等によって適宜設定することができ、例えば0.1時間〜数日であり、好適には0.5時間〜2日である。
上述のように、アゾール誘導体(V’)は、オキシラン誘導体(VII’)を生成させた後、段階的に化合物(VI)と反応させて製造することができる。しかし、化合物(VIII’)のオキシラン化反応のみを単独で行った場合には、副生成物(例えばオキセタン誘導体)が生成して、収率低下を招くことがある。これを低減するためには、オキシラン誘導体(VII’)を生成させながら、アゾール化を行えばよい(下記反応式(4’)参照)。
Figure 2012169559
この場合、まず、化合物(VIII’)と化合物(VI)とを、アミド結合を持つ極性溶媒もしくはジメチルスルホキシド、または極性溶媒とアルコールとの混合溶媒に溶解する。そして、これにトリメチルスルホニウム塩等のスルホニウム塩またはトリメチルスルホキソニウム塩等のスルホキソニウム塩と塩基とを加え、反応系内でジメチルスルホニウムメチリド等のスルホニウムメチリド類またはジメチルスルホキソニウムメチリド等のスルホキソニウムメチリド類等を発生させることにより、オキシラン誘導体(VII’)を生成させながらアゾール化を行う。ここで、トリメチルスルホニウム塩等のスルホニウム塩またはトリメチルスルホキソニウム塩等のスルホキソニウム塩および塩基の少なくとも一方を間欠的に加えた方が好ましい場合には、両者もしくは一方を間欠的に加えることが好ましい。
溶媒としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド結合を持つ極性溶媒、またはジメチルスルホキシド等を挙げることができる。また、混合溶媒におけるアルコールとしては、t−ブタノール等を挙げることができる。
スルホニウムメチリド類またはスルホキソニウムメチリド類の生成に用いられる塩基は、特に限定されるものではない。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物、またはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシドおよびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等を用いることができる。また、1,2,4−トリアゾールまたはイミダゾールのアルカリ金属塩を使用してもよい。
反応温度は、溶媒、化合物(VIII’)、スルホニウム塩もしくはスルホキソニウム塩、および塩基の種類によって適宜設定することができる。反応温度としては、例えば−100℃〜250℃であり、好適には−50℃〜200℃である。また、反応時間は、溶媒、化合物(VIII’)、スルホニウム塩もしくはスルホキソニウム塩、および塩基の種類によって適宜設定することができる。反応時間としては、例えば0.1時間〜数日であり、好適には0.5時間〜2日である。
また、トリメチルスルホニウム塩等のスルホニウム塩またはトリメチルスルホキソニウム塩等のスルホキソニウム塩および塩基の少なくとも一方を間欠的に加える場合の回数については、所定の目的を達成することができる回数であれば、特に限定されるものではない。回数としては、例えば、それぞれ2〜20回であることが好ましく、3〜15回であることがより好ましい。スルホニウム塩またはスルホキソニウム塩の合計の使用量は、化合物(VIII’)に対して0.5〜5倍モルであることが好ましく、0.8〜2倍モルであることがより好ましい。
化合物(VIII’)に対する化合物(VI)の使用量は、例えば0.5〜10倍モルであり、好適には0.8〜5倍モルである。化合物(VI)は、Mがアルカリ金属であるものを使用することが好ましい。
(工程1C3’:脱保護工程)
さらに、工程1C3の一態様である工程1C3’では、アゾール誘導体(V’)の保護基を脱保護することにより、アゾール誘導体(V’)からアゾール誘導体(IV’)を得る。
アゾール誘導体(V’)の保護基を脱保護する方法としては、アゾール誘導体(V’)を、溶媒中、酸存在下で反応させる方法が挙げられる。
使用される溶媒は、脱保護反応が進行すれば特に限定されない。溶媒としては、例えば、メタノールおよびエタノール等のアルコール類等の水と均一の相を形成する溶媒、ならびにトルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類等の水と均一の相を形成しない溶媒、何れも好適に使用することが可能である。
酸としては、無機酸を好適に用いることができ、例えば、塩化水素等のハロゲン化水素、および硫酸等を挙げることができる。酸の使用量は特に限定されるものではないが、アゾール誘導体(V’)に対して、例えば0.5〜100倍モルであり、好適には0.8〜20倍モルである。
反応温度は、例えば0℃〜200℃であり、好適には室温〜100℃である。また、反応時間は、例えば0.1時間〜数日であり、好適には0.5時間〜2日である。
以上、工程1D1’から工程1D3’までの各反応および工程1C1’から工程1C2’の各反応により、本発明に係るアゾール誘導体(V’)を好適に製造することができる。さらに工程1C3’の反応により、アゾール誘導体(V’)からアゾール誘導体(IV’)を製造することができる。
アゾール誘導体(IV’)は、下記一般式(Ia’)で示されるアゾール誘導体(以下、アゾール誘導体(Ia’)と称する)の製造中間体として好適に利用できる。
Figure 2012169559
(式(Ia’)中、A、Xおよびmは、それぞれ式(V’)におけるA、Xおよびmと同一であり、Lは、ハロゲン原子を表しており、R10は炭素数1〜3のアルキル基を表している。)
アゾール誘導体(Ia’)は、化合物(Ia)の一態様であり、植物に病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を有する新規アゾール誘導体である。アゾール誘導体(Ia’)は、化合物(Ia)の一態様であるところ、上述の工程1Bおよび1Aを経て、アゾール誘導体(V’)から製造することができる。以下、スキーム2に従ってアゾール誘導体(IV’)からアゾール誘導体(Ia’)を製造する方法について説明する。
Figure 2012169559
(工程1B’:閉環工程)
工程1Bの一態様である工程1B’では、アゾール誘導体(IV’)を閉環することにより、一般式(IIIa’)で示されるアゾール誘導体(以下、アゾール誘導体(IIIa’)と称する)を得る。
アゾール誘導体(IIIa’)の好適な合成方法としては、アゾール誘導体(IV’)を、溶媒中、スルホニルクロライド類と塩基存在下で反応させる方法を挙げることができる。
スルホニルクロライド類としては、p−トルエンスルホニルクロライド、メタンスルホニルクロライド等を用いることができる。
また、塩基は特に限定されるものではない。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物やナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、およびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等を好適に用いることができる。
スルホニルクロライド類の使用量は、アゾール誘導体(IV’)に対して1〜2倍モルであることが好ましい。塩基の使用量は、アゾール誘導体(IV’)に対して2.5〜10倍モルであることが好ましく、2.8〜6倍モルであることがより好ましい。
溶媒は特に限定されるものではなく、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルホキシドならびにこれらの混合溶媒を用いることができる。
反応温度は、溶媒、アゾール誘導体(IV’)、スルホニルクロライド類および塩基等の種類によって適宜設定することができ、例えば−100℃〜200℃であり、好適には−50℃〜150℃である。反応時間は、溶媒、アゾール誘導体(IV’)、スルホニルクロライド類および塩基等の種類によって適宜設定することができ、例えば0.1時間〜数日であり、好適には0.5時間〜2日である。
(工程1A1’:アルキル化工程)
工程1A1の一態様である工程1A1’では、アゾール誘導体(IIIa’)をアルキル化して、一般式(IIa’)で示されるアゾール誘導体(以下、アゾール誘導体(IIa’)と称する)を得る。
一般式(IIa’)中、R10は、炭素数1〜3のアルキル基を表している。具体的には、メチル基、エチル基、1−メチルエチル基、およびn−プロピル基を挙げることができる。
アゾール誘導体(IIIa’)をアルキル化する方法としては、例えば、溶媒中において、アゾール誘導体(IIIa’)のヒドロキシ基とアルカリ金属塩基とから調製される金属アルコキシドを、脱離基を有する炭素数1〜3のアルキルと室温にて反応させる方法を挙げることができる。
溶媒としては、THFなどのエーテル系の溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類の溶媒、ベンゼンおよびトルエン等の芳香族系の溶媒、ならびに塩化メチレン等のハロゲン化物の溶媒を好適に用いることができる。
脱離基を有するアルキルとしては、ヨウ化物および臭化物等のハロゲン化アルキル、ならびにトシルオキシアルキルおよびメシルオキシアルキル等のスルホン酸エステルを挙げることができる。
アルカリ金属塩基としては、ナトリウム、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを挙げることができる。
(工程1A2’:開環工程)
工程1A2の一態様である工程1A2’では、アゾール誘導体(IIa’)を開環して、アゾール誘導体(Ia’)を得る。例えば、アゾール誘導体(IIa’)とハロゲン酸とを溶媒中で混合し、開環反応を行うことにより、ハロゲン化アルキル基と3級ヒドロキシ基とを生成することでアゾール誘導体(Ia’)を好適に製造することができる。
ハロゲン酸としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素を挙げることができる。なかでも塩化水素および臭化水素が好適に用いられる。ハロゲン酸は、気体として導入してもよいし、溶媒に溶解させて添加してもよい。なお、ハロゲン化物塩と別種の酸(例えばトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸および硫酸等)とを添加することにより系内においてハロゲン酸を生成させて、アゾール誘導体(IIa’)からアゾール誘導体(Ia’)を得るようにしてもよい。ハロゲン化物塩としては、塩化リチウム、臭化リチウム、フッ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、フッ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウムおよびフッ化カリウムを挙げることができる。
溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、メタノールおよびエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類、ならびに水等を挙げることができる。
反応温度は、溶媒および塩基等によって適宜設定することができ、例えば−20℃〜250℃であり、好適には−10℃〜150℃である。反応時間は、溶媒および塩基等によって適宜設定することができ、例えば0.1時間〜数日であり、好適には0.5時間〜2日である。
以上のように、アゾール誘導体(IV’)はアゾール誘導体(Ia’)の製造に好適に使用することができる。しかしながらアゾール誘導体(IV’)は、アゾール誘導体(Ia’)の中間体化合物としての使用に限定されるものではない。例えば、アゾール誘導体(IV’)は、下記一般式(XVI)で示されるアゾール誘導体の中間体としても好適に使用できる。アゾール誘導体(XVI)もまた、植物に病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を有する新規アゾール誘導体である。
Figure 2012169559
(式(XVI)中、A、Xおよびmは、それぞれ式(V’)におけるA、Xおよびmと同一であり、Lは、ハロゲン原子を表している。)
上述のとおり、アゾール誘導体(V’)も植物に病害を引き起こす菌に対して優れた殺菌活性を有する。したがって、アゾール誘導体(V’)を農園芸用薬剤の有効成分として使用することができる。アゾール誘導体(V’)を含む農園芸用薬剤は種子処理によるコムギの茎葉病害および種子病害防除に特に有用である。アゾール誘導体(V’)を農園芸用薬剤の有効成分として適用するには、他の何らかの成分も加えずそのままでもよいが、通常は固体担体または液体担体、界面活性剤およびその他の製剤補助剤等と混合して粉剤、水和剤、粒剤および乳剤などの種々の形態に製剤して使用する。担体および助剤は、特に限定されず、農園芸用薬剤に従来用いられている担体および助剤を適宜選択して用いることができ、例えば後述する担体および助剤を用いることができる。また、その混合比も広い範囲で選択でき、後述の実施例における比に限定されるものではない。また、アゾール誘導体(V’)を含む農園芸用薬剤により種子処理された種子についても本発明に包含される。
(4)化合物(I)の第二製造方法
(4−1)工程2A
次いで、本発明に係るアゾール誘導体の第二製造方法について説明する。
工程2Aでは、本発明に係るアゾール誘導体のうち、下記一般式(Ib)で示される化合物(以下、「化合物(Ib)」)が製造される。以下、工程2Aによる化合物(Ib)の製造方法について説明する。
Figure 2012169559
ここで、R、R、X、m、A、およびn1は、上述した通りである。
化合物(Ib)の製造方法は、化合物(IIIa)を縮合剤でチオエーテル化する工程と、得られた下記一般式(IIb)で示される化合物を任意のハロゲン酸と反応させ、酸素原子を含むヘテロ環を開環することにより、化合物(Ib)を得る工程と、を含む(工程2A:下記反応式(7)参照)。
反応式(7)
Figure 2012169559
ここで、R、R、X、m、A、n1、およびn2は、上述した通りである。
(4−1−1)工程2A1(チオエーテル化工程)
本工程2Aにおいて、化合物(IIIa)を縮合して、チオエーテル化することにより化合物(IIb)を得る工程(工程2A1)についてより詳細に説明する。なお、化合物(IIIa)を得る方法については、上述した化合物(I)の第一製造方法において説明した方法と同様の方法を採用することができる。
縮合の方法としては特に限定されないが、酸触媒または縮合剤を用い、アルキルチオール(RSH)で化合物(IIIa)におけるヒドロキシ基をチオエーテルする方法を好適に用いることができる。
酸触媒としては、硫酸および塩酸等の酸水溶液、ならびに蟻酸および酢酸等の有機酸を好適に用いることができる。また、縮合剤としては、DCCを好適に用いることができる。
(4−1−2)工程2A2(開環工程)
本工程2Aで用いられる化合物(IIb)を開環して化合物(Ib)を得る工程(工程2A2)については、上述した工程1A2において、化合物(IIa)の代わりに化合物(IIb)を用い、化合物(IIb)を開環して化合物(Ib)を得るという点以外は、化合物(Ia)を得る工程と同様にして行うことができる。
また、化合物(IIIa)は、上述した工程1B、工程1C、および工程1Dにより得ることができる。
(5)化合物(I)の第三製造方法
(5−1)工程3A
次に、本発明に係るアゾール誘導体の第三製造方法について説明する。
工程3Aでは、上述した工程2Aと同様に、本発明に係るアゾール誘導体のうち、化合物(Ib)が製造される。以下、工程3Aによる化合物(1b)の製造方法について説明する。
化合物(Ib)の製造方法は、化合物(IIIa)をハロゲン化する工程と、得られたハロゲン化化合物(IIIb)をチオエーテル化する工程と、チオエーテル化により得られた化合物(IIb)の酸素原子を含むヘテロ環を、任意のハロゲン酸を用いて開環することにより、化合物(Ib)を得る工程と、を含む(工程3A:下記反応式(8)参照)。
反応式(8)
Figure 2012169559
ここで、R、R、X、m、A、n1、およびn2は、上述した通りである。
(5−1−1)工程3A1(ハロゲン化工程)
本工程3Aにおいて、化合物(IIIa)をハロゲン化することにより化合物(IIIb)を得る工程(工程3A1)についてより詳細に説明する。なお、化合物(IIIa)を得る方法については、上述した化合物(I)の第一製造方法において説明した方法と同様の方法を採用することができる。
ハロゲン化の方法としては特に限定されないが、塩酸、塩化チオニル、および臭化水素水等を用いる方法を挙げることができる。
(5−1−2)工程3A2(チオエーテル化工程)
本工程3Aにおいて、化合物(IIIb)をチオエーテル化反応することにより化合物(IIb)を得る工程(工程3A2)について説明する。
チオエーテル化反応の方法としては特に限定されないが、塩基触媒存在下、アルキルチオール(RSH)で化合物(IIIa)におけるヒドロキシ基をチオエーテル化する方法を好適に用いることができる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび炭酸カリウム等の無機塩基、ならびにトリエチルアミンおよびピリジン等の有機塩基を用いることができる。
(5−1−3)工程3A3(開環工程)
化合物(IIb)を開環して化合物(Ib)を得る工程(工程3A3)については、工程1A2において、化合物(IIa)の代わりに化合物(IIb)を用い、化合物(IIb)を開環して化合物(Ib)を得るという点以外は、上述した工程1A2において化合物(IIa)を開環して化合物(Ia)を得る工程と同様にして行うことができる。
また、化合物(IIIa)は、上述した工程1B、工程1C、および工程1Dにより得ることができる。
(6)化合物(I)の第四製造方法
(6−1)工程4A
次に、本発明に係るアゾール誘導体の第四製造方法について説明する。
工程4Aでは、本発明に係るアゾール誘導体のうち、下記一般式(Ic)で示される化合物(以下「化合物(Ic)」)が製造される。以下、工程4Aによる化合物(Ic)の製造方法について説明する。
Figure 2012169559
化合物(Ic)の製造方法は、化合物(IIIa)を置換スルホニルクロライドと反応させてスルホニル化する工程と、スルホニル化により得られた下記一般式(IIIc)で示される化合物をアミノ化する工程と、アミノ化により得られた下記一般式(IIc)で示される化合物の酸素原子を含むヘテロ環を任意のハロゲン酸を用いて開環することにより、化合物(Ic)を得る工程と、を含む(工程4A:下記反応式(9)参照)。
反応式(9)
Figure 2012169559
ここで、R、R、R、X、m、A、n1、およびn2は、上述した通りである。
は低級アルキル基、フェニル基またはナフチル基を示す。低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、およびトリフルオロメチル基を挙げることができる。フェニル基およびナフチル基は、1以上の水素原子が置換されていてもよい。置換されているフェニル基あるいはナフチル基としては、例えば4−メチルフェニル基、2−ニトロフェニル基、および5−ジメチルアミノナフチル基を挙げることができる。Rとしては、これらの中でも、メチル基、または4−メチルフェニル基であることが好ましい。
(6−1−1)工程4A1(スルホニル化工程)
まず、本工程4Aにおいて、化合物(IIIa)と置換スルホニルクロリドとを反応させることにより、スルホニル化した化合物(IIIc)を得る工程(工程4A1)について説明する。なお、化合物(IIIa)を得る方法については、上述した化合物(I)の第一製造方法において説明した方法と同様の方法を採用することができる。
スルホニル化の方法としては特に限定されないが、化合物(IIIa)におけるヒドロキシ基を置換スルホニルクロリドと塩基存在下反応させて置換スルホン酸エステルとする方法を挙げることができる。置換スルホニルクロリドとしては、p−トルエンスルホニルクロライドおよびメタンスルホニルクロライド等をあげることができる。
(6−1−2)工程4A2(アミノ化工程)
次に、工程4A1において得られた化合物(IIIc)をアミノ化することにより化合物(IIc)を得る工程(工程4A2)について説明する。
アミノ化の方法としては、特に限定されるものではないが、アルキルアミンと反応させる方法を挙げることができる
また、化合物(IIc)については、化合物(IIIa)をハロゲン化する工程と、得られた化合物(IIIb)をアミノ化する工程とを含む方法により得ることもできる(下記反応式(10)参照)。
反応式(10)
Figure 2012169559
ここで、R、R、R、X、m、A、n1、およびn2は、上述した通りである。
この方法において、化合物(IIIb)は、上述した工程3A1と同様の方法により化合物(IIIa)から得ることができる。また、化合物(IIc)は、化合物(IIIb)のハロアルキル基をアルキルアミン(RNH)と反応させる方法で製造することができる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび炭酸カリウム等の無機塩基、ならびにトリエチルアミンおよびピリジン等の有機塩基を用いることができる。
(6−1−3)工程4A3(開環工程)
本工程4Aで用いられる化合物(IIc)を開環して化合物(Ic)を得る工程(工程4A3)については、上述した工程1A2において、化合物(IIa)の代わりに化合物(IIc)を用い、化合物(IIc)を開環して化合物(Ic)を得るという点以外は、上述した工程1A2において化合物(IIa)を開環して化合物(Ia)を得る工程と同様にして行うことができる。
また、化合物(IIIa)は、上述した工程1B、工程1C、および工程1Dにより得ることができる。
3.農園芸用薬剤・工業用材料保護剤
本発明に係るアゾール誘導体(化合物(I)参照)を有効成分として含む農園芸用薬剤および工業用材料保護剤(以下、「農園芸用薬剤等」ともいう)の有用性について以下に説明する。
(1)植物病害防除効果
化合物(I)を有効成分として含む農園芸用薬剤は、広汎な植物病害に対して防除効果を呈する。適用病害の例としては、以下に示す病害を挙げることができる。
ダイズさび病(Phakopsora pachyrhizi、Phakopsora meibomiae)、イネいもち病 (Pyricularia grisea)、イネごま葉枯病 (Cochliobolus miyabeanus)、イネ白葉枯病 (Xanthomonas oryzae)、イネ紋枯病 (Rhizoctonia solani)、イネ小黒菌核病(Helminthosporium sigmoideun)、イネばか苗病 (Gibberella fujikuroi)、イネ苗立枯病 (Pythium aphanidermatum)、リンゴうどんこ病 (Podosphaera leucotricha)、リンゴ黒星病 (Venturia inaequalis)、リンゴモリニア病 (Monilinia mali)、リンゴ斑点落葉病 (Alternaria alternata)、リンゴ腐乱病 (Valsa mali)、ナシ黒斑病 (Alternaria kikuchiana)、ナシうどんこ病(Phyllactinia pyri)、ナシ赤星病 (Gymnosporangium asiaticum)、ナシ黒星病 (Venturia nashicola)、ブドウうどんこ病 (Uncinula necator)、ブドウべと病 (Plasmopara viticola)、ブドウ晩腐病 (Glomerella cingulata)、オオムギうどんこ病 (Erysiphe graminis f. sp hordei)、オオムギ黒さび病 (Puccinia graminis)、オオムギ黄さび病 (Puccinia striiformis)、オオムギ斑葉病 (Pyrenophora graminea)、オオムギ雲形病 (Rhynchosporium secalis)、コムギうどんこ病 (Erysiphe graminis f. sp tritici)、コムギ赤さび病(Puccinia recondita)、コムギ黄さび病 (Puccinia striiformis)、コムギ眼紋病 (Pseudocercosporella herpotrichoides)、コムギ赤かび病 (Fusarium graminearum、Microdochium nivale)、コムギふ枯病 (Phaeosphaeria nodorum)、コムギ葉枯病(Septoria tritici)、ウリ類うどんこ病 (Sphaerotheca fuliginea)、ウリ類の炭疸病 (Colletotrichum lagenarium)、キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)、キュウリ灰色疫病 (Phytophthora capsici)、トマトうどんこ病 (Erysiphe cichoracearum)、トマト輪紋病 (Alternaria solani)、ナスうどんこ病 (Erysiphe cichoracearum)、イチゴうどんこ病 (Sphaerotheca humuli)、タバコうどんこ病 (Erysiphe cichoracearum)、テンサイ褐斑病(Cercospora beticola)、トウモロコシ黒穂病 (Ustillaga maydis)、核果類果樹の灰星病 (Monilinia fructicola)、種々の作物をおかす灰色かび病(Botrytis cinerea)、菌核病 (Sclerotinia sclerotiorum) 等。このうち、特にコムギの重要病害であるコムギ葉枯病 (Septoria tritici)。
また、適用植物の例としては、野生植物、植物栽培品種、異種交配もしくは原形質融合などの従来の生物育種によって得られる植物および植物栽培品種、遺伝子操作によって得られる遺伝子組み換え植物および植物栽培品種を挙げることができる。遺伝子組み換え植物および植物栽培品種としては、例えば、除草剤耐性作物、殺虫性タンパク産生遺伝子を組み込んだ害虫耐性作物、病害に対する抵抗性誘導物質産生遺伝子を組み込んだ病害耐性作物、食味向上作物、収量向上作物、保存性向上作物、および収量向上作物等を挙げることができる。遺伝子組み換え植物栽培品種としては、具体的に、ROUNDUP READY、LIBERTY LINK、CLEARFIELD、YIELDGARD、HERCULEX、BOLLGARD等の登録商標を含むものを挙げることができる。
(2)植物生長作用
また、化合物(I)を有効成分として含む農園芸用薬剤は、広汎な作物および園芸植物に対して、その成長を調節して収量を増加させる効果およびその品質を高める効果を示す。かかる作物の例としては、以下に示す作物を挙げることができる。
コムギ・大麦・燕麦などの麦類、稲、ナタネ、サトウキビ、トウモロコシ、メイズ、大豆、エンドウ、落花生、シュガービート、キャベツ、ニンニク、ダイコン、ニンジン、リンゴ、ナシ、みかん、オレンジ、レモンなどの柑橘類、モモ、桜桃、アボガド、マンゴー、パパイヤ、トウガラシ、キュウリ、メロン、イチゴ、タバコ、トマト、ナス、芝、菊、ツツジ、その他の観賞用植物。
(3)工業材料保護効果
さらに、化合物(I)を有効成分として含む工業用材料保護剤は、工業材料を侵す広汎な有害微生物から材料を保護する優れた効果を示す。かかる微生物の例としては、以下に示す微生物を挙げることができる。
紙・パルプ劣化微生物(スライム形成菌を含む)であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、ジェオトリカム(Geotrichum sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、カドホーラ(Cadophora sp.)、セラトストメラ(Ceratostomella sp.)、クラドスボリウム(Cladosporium sp.)、コーティシウム(Corticium sp.)、レンティヌス(Lentinus sp.)、レンズィテス(Lenzites sp.)、フォーマ(Phoma sp.)、ポリスティクス(Polysticus sp.)、プルラリア(Pullularia sp.)、ステレウム(Stereum sp.)、トリコスポリウム(Trichosporium sp.)、アエロバクタ−(Aerobacter sp.)、バシルス(Bacillus sp.)、デスルホビブリオ(Desulfovibrio sp.)、シュードモナス(Pseudomonas sp.)、フラボバクテリウム(Flavobacterium sp.)、ミクロコツカス(Micrococcus sp.)など、繊維劣化微生物であるアスペルギルスAspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、ミロテシウム(Myrothecium sp.)、クルブラリア(Curvularia sp.)、グリオマスティックス、(Gliomastix sp.)、メンノニエラ(Memnoniella sp.)、サルコポディウム(Sarcopodium sp.)、スタキボトリス(Stschybotrys sp.)、ステムフィリウム(Stemphylium sp.)、ジゴリンクス(Zygorhynchus sp.)、バシルス(bacillus sp.)、スタフィロコッカス(Staphylococcus sp.)など、木材変質菌であるオオウズラタゲ(Tyromyces palustris)、カワラタケ(Coriolus versicolor)、アスペルギルス(Aspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、リゾプス(Rhizopus sp.)、オーレオバシディウム(Aureobasidium sp.)、グリオクラデイウム(Gliocladum sp.)、クラドスポリウム(Cladosporium sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)など、皮革劣化微生物であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、クラドスポリウム(Cladosporium sp.)、ムコール(Mucor sp.)、パエシロミセス(Paecilomyces sp.)、ピロブス(Pilobus sp.)、プルラリア(Pullularia sp.)、トリコスポロン(Trichosporon sp.)、トリコテシウム(Tricothecium sp.)など、ゴム・プラスチック劣化微生物であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、リゾプス(Rhizopus sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、ミロテシウム(Myrothecium sp.)、ストレプトマイセス(Streptomyces sp.)、シュードモナス(Pseudomonas sp.)、バシルス(Bacillus sp.)、ミクロコツカス(Micrococcus sp.)、セラチア(Serratia sp.)、マルガリノマイセス(Margarinomyces sp.)、モナスクス(Monascus sp.)など、塗料劣化微生物であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、クラドスポリウム(Cladosporium sp.)、オーレオバシディウム(Aureobasidium sp.)、グリオクラディウム(Gliocladium sp.)、ボトリオディプロディア(Botryodiplodia sp.)、マクロスポリウム(Macrosporium sp.)、モニリア(Monilia sp.)、フォーマ(Phoma sp.)、プルラリア((Pullularia sp.)、スポロトリカム(Sporotrichum sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)、バシルス((bacillus sp.)、プロテウス(Proteus sp.)、シュードモナス(Pseudomonas sp.)、セラチア(Serratia sp.)。
(4)製剤
(農園芸用薬剤)
化合物(I)を有効成分として含む農園芸用製剤は、化合物(I)以外にも種々の成分を含んでいてもよい。例えば、化合物(I)を有効成分として含む農園芸用製剤は、固体担体、液体担体、界面活性剤、およびその他の製剤補助剤をさらに含んでいてもよい。化合物(I)を有効成分として含む農園芸用製剤の剤型としては、粉剤、水和剤、粒剤、および乳剤などの種々の形態を挙げることができる。
農園芸用製剤には、有効成分としての化合物(I)が、製剤全量に対して、0.1〜95重量%含まれていればよい。有効成分としての化合物(I)は、0.5〜90重量%含まれていることが好ましく、2〜80重量%含まれていることがより好ましい。
製剤補助剤として使用する坦体、希釈剤、および界面活性剤としては、以下のものを用いることができる。まず、固体坦体としては、タルク、カオリン、ベントナイト、珪藻土、ホワイトカーボン、およびクレーなどを挙げることができる。液体希釈剤としては、水、キシレン、トルエン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、およびアルコールなどを挙げることができる。界面活性剤は、その効果により使い分ければよい。例えば、乳化剤の場合には、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、またはポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどを用いればよく、分散剤の場合には、リグニンスルホン酸塩、またはジブチルナフタリンスルホン酸塩などを用いればよく、湿潤剤の場合には、アルキルスルホン酸塩、またはアルキルフェニルスルホン酸塩などを用いればよい。
製剤は、そのまま使用してもよいし、水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用してもよい。希釈して使用するときには、散布液中において、化合物(I)の濃度が0.001〜1.0%の範囲となることが望ましい。
また、化合物(I)を含む農園芸用薬剤の使用量は、畑、田、果樹園および温室などの農園芸地1haあたり、20〜5000gであり、より好ましくは50〜2000gである。これらの使用濃度および使用量は剤形、使用時期、使用方法、使用場所、および対象作物等によっても異なるため、上記の範囲にこだわることなく増減することが可能である。
さらに、本発明に係る農園芸用薬剤は、化合物(I)以外の有効成分、例えば以下に例示するような殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、および除草剤と組み合わせ、農園芸用薬剤としての性能を高めて使用することもできる。
<抗菌性物質>
アシベンゾラーSメチル、2−フェニルフェノール(OPP)、アザコナゾール、アゾキシストロビン、アミスルブロム、ビキサフェン、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ−イソプロピル、ビカルボネイト、ビフェニル、ビテルタノール、ブラスチシジン−S、ボラックス、ボルドー液、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブロノポール、ブピリメート、セックブチラミン、カルシウムポリスルフィド、カプタフォル、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、キノメチオネート、クロロネブ、クロロピクリン、クロロタロニル、クロゾリネート、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ダゾメット、デバカルブ、ジクロフルアニド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリン、ジメトモルフ、ジメトキシストロビン、ジニコナゾール、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジチアノン、ドデモルフ、ドジン、エディフェンフォス、エポキシコナゾール、エタポキサム、エトキシキン、エトリジアゾール、エネストロブリン、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルモルフ、フルオロミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアフォル、フォルペット、フォセチル−アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、フルオピコリド、フルオピラム、グアザチン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イプコナゾール、イプロベンフォス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、銅調製物例えば水酸化銅、ナフテン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン−銅、クレゾキシムメチル、マンコカッパー、マンコゼブ、マネブ、マンジプロパミド、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メチラム、メトミノスウトロビン、ミルジオマイシン、ミクロブタニル、ニトロタル−イソプロピル、ヌアリモル、オフレース、オキサジキシル、オキソリニック酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペフラゾエート、オリサストロビン、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンチオピラド、ピリベンカルブ、フサライド、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラゾフォス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、キノキシフェン、キントゼン、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン、硫黄および硫黄調製物、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チラム、チアジニル、トルクロフォス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、バリダマイシン、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、アミスルブロム、セダキサン、フルチアニル、バリフェナール、アメトクトラジン、ジモキシストロビン、メトラフェノン、ヒドロキシイソキサゾール、ならびにメタスルホカルブ等。
<殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤>
アバメクチン、アセフェート、アクリナトリン、アラニカルブ、アルジカルブ、アレトリン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アザメチフォス、アジンフォス−エチル、アジンフォス−メチル、アゾサイクロチン、バシルス・フィルムス、バシルス・ズブチルス、バシルス・ツリンジエンシス、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンゾキシメイト、ビフェナゼイト、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、ブプロフェジン、ブトカルボキシン、ブトキシカルボキシン、カズサフォス、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、カータップ、CGA 50439、クロルデイン、クロレトキシフォス、クロルフェナピル、クロルフェンビンフォス、クロルフルアズロン、クロルメフォス、クロルピリフォス、クロルピリフォスメチル、クロマフェノザイド、クロフェンテジン、クロチアニジン、クロラントラリニプロール、コウンパフォス、クリオライト、シアノフォス、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シフェノトリン、シロマジン、シアザピル、シエノピラフェン、DCIP、DDT、デルタメトリン、デメトン−S−メチル、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジクロロフェン、ジクロロプロペン、ジクロルボス、ジコフォル、ジクロトフォス、ジシクラニル、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンフォス、ジノブトン、ジノテフラン、エマメクチン、エンドスルファン、EPN、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトフェンプロックス、エトプロフォス、エトキサゾール、ファムフル、フェナミフォス、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、フェンチオン、フェンバレレート、フイプロニル、フロニカミド、フルアクロピリム、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェノクスロン、フルメトリン、フルバリネート、フルベンジアミド、フォルメタネート、フォスチアゼート、ハルフェンプロクス、フラチオカルブ、ハロヘノジド、ガンマ−HCH、ヘプテノフォス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、イソプロカルブ、イソキサチオン、ルフェヌロン、マラチオン、メカルバム、メタム、メタミドフォス、メチダチオン、メチオカルブ、メトミル、メトプレン、メトスリン、メトキシフェノジド、メトルカルブ、ミルベメクチン、モノクロトフォス、ナレド、ニコチン、ニテンピラム、ノバルロン、ノビフルムロン、オメトエート、オキサミル、オキシデメトンメチル、パラチオン、パーメトリン、フェントエート、フォレート、フォサロン、フォスメット、フォスファミドン、フォキシム、ピリミカルブ、ピリミフォスメチル、プロフェノフォス、プロポクスル、プロチオフォス、ピメトロジン、ピラクロフォス、ピレスリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、ピリフルキナゾン、ピリプロール、キナルフォス、シラフルオフェン、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマット、スルフラミド、スルフォテップ、SZI−121、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムフォス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメフォス、テルブフォス、テトラクロルビンフォス、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トラロピリル、トリアザメート、トリアゾフォス、トリクロルフオン、トリフルムロン、バミドチオン、バリフェナール、XMC、キシリルカルブ、イミシアホス、およびレピメクチン等。
<植物成長調節剤>
アンシミドール、6−ベンジルアミノプリン、パクロブトラゾール、ジクロブトラゾール、ウニコナゾール、メチルシクロプロペン、メピコートクロリド、エセフォン、クロルメコートクロライド、イナベンフィド、プロヘキサジオンおよびその塩、ならびにトリネキサパックエチル等。また、植物ホルモンとしてのジャスモン酸、ブラシノステロイドおよびジベレリン等。
(工業用材料保護剤)
また、化合物(I)を有効成分として含む工業用材料保護剤は、化合物(I)以外にも種々の成分を含んでいてもよい。化合物(I)を有効成分として含む工業用材料保護剤は、適当な液体担体に溶解あるいは分散させるか、または固体担体と混合して使用することができる。化合物(I)を有効成分として含む工業用材料保護剤は、必要に応じて、さらに乳化剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、および安定剤等含んでいてもよい。また、化合物(I)を有効成分として含む工業用材料保護剤の剤型としては、水和剤、粉剤、粒剤、錠剤、ペースト剤、懸濁剤、および噴霧材などを挙げることができる。化合物(I)を有効成分として含む工業用材料保護剤は、他の殺菌剤、殺虫剤、および劣化防止剤等を含んでいてもよい。
液体担体としては、有効成分と反応しないものであれば特に限定されるものではない。液体担体としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、エチレングリコール、およびセロソルブ等)、ケトン類(例えば、アセトン、およびメチルエチルケトンなど)、エーテル類(例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、およびテトラヒドロフラン等)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびメチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(例えばガソリン、ケロシン、灯油、機械油、および燃料油等)、酸アミド類(例えばジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等)ハロゲン化炭化水素類(例えば、クロロホルム、および四塩化炭素等)、エステル類(例えば、酢酸エチルエステル、および脂肪酸のグリセリンエステル等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)およびジメチルスルホキシド等を挙げることができる。
また、固体担体としては、カオリンクレー、ベントナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石、尿素、および硫酸アンモニウム等の微粉末あるいは粒状物を使用できる。
乳化剤および分散剤としては、石鹸類、アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、第4級アンモニウム塩、オキシアルキルアミン、脂肪酸エステル、ならびにポリアルキレンオキサイド系およびアンヒドロソルビトール系等の界面活性剤を使用できる。
化合物(I)を有効成分として製剤中に含有させる場合、その含有割合は、剤型および使用目的によっても異なるが、製剤の全量に対して、0.1〜99.9質量%とすればよい。なお、実際の使用時においては、その処理濃度は、例えば0.005〜5質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように適宜、溶剤、希釈剤、および増量剤などを加えて調整することが好ましい。
なお、農園芸用薬剤および工業用材料保護剤は、有効成分として化合物(I)の範囲に含まれる化合物を複数種含んでいてもよい。
以上説明したように、化合物(I)で示されるアゾール誘導体は、植物病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を示す。すなわち、化合物(I)で示されるアゾール誘導体を有効成分として含む農園芸用病害防除剤は、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示すことができる。
なお、化合物(I)は、1,2,4−トリアゾリル基またはイミダゾリル基を有するので、無機酸もしくは有機酸との酸付加塩、または金属錯体を形成する。化合物(I)は、これらの酸付加塩および金属錯体の形態で用いてもよい。
また、化合物(I)には、少なくとも3個の不斉炭素が存在する。そのため、組成によっては立体異性体混合物(エナンチオマーまたはジアステレオマー)か、いずれかの一方の立体異性体となる。したがって、これらの立体異性体の少なくとも1種類を農園芸用薬剤等の有効成分として使用することもできる。
(付記事項)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、製造例、製剤例および試験例を示し、本発明を具体的に説明する。なお、本発明はその要旨を越えない限り以下の製造例、製剤例および試験例に限定されるものではない。
<製造例1>
(1RS,2RS,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−クロロメチル−2−メトキシメチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルシクロペンタノール(化合物番号I−16a(アゾール誘導体(Ia’)、R10=CH、L=Cl、X=4−Cl、A=N)の異性体の型CC)の合成:(第一製造方法の工程1A2による製造)
(1SR,4SR,5RS)−4−(4−クロロベンジル)−1−メトキシメチル−5−(1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル)−6−オキサビシクロ−[3,2,0]ヘプタン(化合物(IIa)、R=CH、X=4−Cl、A=N、n1=1、n2=1、異性体の型CC;同様に、アゾール誘導体(IIa’)、R10=CH、X=4−Cl、A=N)1.37gをN,N−ジメチルホルムアミド25mlに溶解し、塩化リチウム2.25gおよびp−トルエンスルホン酸1水和物1.12gを加え、80℃で2.2時間撹拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、微黄色粘稠液体を得たのち再結晶を行い、目的物を得た。
収率:78%
上述した製造例1と同様の方法にて、以下の化合物も合成した。
(1RS,2RS,5RS)−5−(4−クロロベンジル)−2−クロロメチル−2−メトキシメチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルシクロペンタノール(化合物番号I−16b(アゾール誘導体(Ia’)、R10=CH、L=Cl、X=4−Cl、A=N))の異性体の型CT)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.31-1.40(m, 1H), 1.55-1.66(m, 1H), 1.79-1.92(m, 2H), 2.22-2.28(m, 2H), 2.80(m,1H), 3.34(s, 3H), 3.49(s, 2H), 3.69(d, J=11.0Hz, 1H), 3.74(d, J=11.0Hz, 1H), 4.29 (s, 1H), 4.49(d,J=14.2Hz, 1H), 4.59(d, J=14.2Hz, 1H), 6.96(d, J=8.3Hz, 2H), 7.21 (d, J=8.5Hz, 2H), 8.00(s, 1H),8.23(s, 1H).
(1RS,2RS,5SR)−5−(4−フルオロベンジル)−2−クロロメチル−2−メトキシメチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルシクロペンタノール(化合物番号I−170(アゾール誘導体(Ia’)、R10=CH、L=Cl、X=4−F、A=N))
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.35-1.42(1H,m),1.53-1.60(2H,m),1.85-1.93(1H,m),2.32-2.35(1H,m),2.43(1H,dd,J=13. 6,4.3Hz),2.57(1H,dd,J=13.6,10.3Hz),3.04(1H,d,J=10.5Hz),3.39(3H,s),3.43(1H,d,J=10.4Hz), 3.47(1H,d,J=10.4Hz), 3.55(1H,d,J=10.5Hz), 4.23(1H,d,J=13.9Hz), 4.58(1H,d, 13.9Hz), 4.76(1H,s), 6.92-6.97 (2H,m), 7.06-7.09(2H,m), 7.98(1H,s), 8.12(1H,s)
(1RS,2RS,5SR)−5−ベンジル−2−クロロメチル−2−メトキシメチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルシクロペンタノール(化合物番号I−187(アゾール誘導体(Ia’)、R10=CH、L=Cl、X=無置換、A=N))
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.34-1.41(1H,m),1.57-1.65(2H,m),1.85-1.93(1H,m),2.37-2.39(1H,m),2.48(1H,dd,J=13. 5,4.3Hz),2.60(1H,dd,J=13.5,10.2Hz),3.02(1H,d,J=10.4Hz),3.39(3H,s),3.43(1H,d,J=10.5Hz), 3.46(1H,d,J=10.5Hz), 3.55(1H,d,J=10.4Hz), 4.23(1H,d,J=14.0Hz), 4.58(1H,d, 14.0Hz), 4.77(1H,s), 7.12-7.14(2H,d,J=7.0Hz), 7.18-7.28 (3H,m), 7.98(1H,s), 8.12 (1H,s)
(1RS,2RS,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−クロロメチル−2−エトキシメチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルシクロペンタノール(化合物番号I−48(アゾール誘導体(Ia’)、R10=CHCH、L=Cl、X=4−Cl、A=N))
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.27(3H,t,J=7.0Hz),1.34-1.42(1H,m),1.48-1.66(2H,m),1.89(1H,ddd,J=13.4,10.9,6.1Hz),2.29-2.39(1H,m),2.45(1H,dd,J=13.6,3.6Hz),2.58(1H,dd,J=13.6,10.2Hz),3.06(1H,d,J=10.4Hz),3.44-3.59(4H,m),3.45(1H,d,J=10.4Hz),4.23(1H,d,J=13.9Hz),4.65(1H,d,J=13. 9Hz),4.76(1H,s),7.06(2H,d,J=8.4Hz),7.22(2H,d,J=8.4Hz),7.98(1H,s),8.18(1H,s).
(1RS,2RS,5SR)−5−(4−フルオロベンジル)−2−クロロメチル−2−エトキシメチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルシクロペンタノール(化合物番号I−226(アゾール誘導体(Ia’)、R10=CHCH、L=Cl、X=4−F、A=N))
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.28(3H,t,J=7.0Hz),1.37-1.41(1H,m),1.53-1.62(2H,m),1.86-1.94(1H,m), 2.34-2.37(1H,m), 2.46(1H,dd,J=13.6,4.4Hz),2.58(1H,dd,J=13.6,10.3Hz),3.05(1H,d,J=10.4Hz),3.46 (1H,d,J=10.4Hz),3.50(1H,d,J=10.4Hz),3.53-3.58(3H,m),4.23(1H,d,J=13.9Hz),4.66(1H, d,J=13.9Hz),4.78(1H,s),6.93-6.97 (2H,m),7.07-7.10(2H,m),7.98(1H,s),8.19(1H,s).
(1RS,2RS,5SR)−5−ベンジル−2−クロロメチル−2−エトキシメチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルシクロペンタノール(化合物番号I−234(アゾール誘導体(Ia’)、R10=CHCH、L=Cl、X=無置換、A=N))
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.28(3H,t,J=7.0Hz),1.34-1.41(1H,m),1.51-1.69(2H,m),1.86-1.94(1H,m),2.35-2.43(1H, m),2.52(1H,dd,J=13.4,4.3Hz),2.62(1H,dd,J=13.4,10.1Hz),3.04(1H,d,J=10.4Hz),3.45-3.66(5H,m),4.24(1H,d,J=13.9Hz),4.65(1H,d,J=13.9Hz),4.80(1H,s),7.13-7.20(3H,m),7.25-7.28(2H,m),7.98(1H,s),8.19(1H,s)
<製造例2>
同様の方法にて、以下の化合物も合成した。
(1RS,2RS,5SR)−5−(4−フルオロベンジル)−2−ブロモメチル−2−メトキシメチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルシクロペンタノール(化合物番号I−198(アゾール誘導体(Ia’)、R10=CH、L=Br、X=4−F、A=N))
1H-NMR(CDCl3) δ=
1.33-1.40(1H,m),1.50-1.60(2H,m),1.86-1.94(1H,m),2.36-2.38(1H,m),2.49(1H,dd,J=13. 6,4.5Hz),2.60(1H,dd,J=13.6,10.1Hz),2.86(1H,d,J=9.6Hz),3.40(3H,s),3.45-3.47(3H,m),4.22(1H,d,J=13.9Hz),4.58(1H,d,J=13.9Hz),4.86(1H,s),6.93-6.97(2H,m),7.07-7.11(2H,m),7.98(1H,s),8.11(1H,s).
(1RS,2RS,5SR)−5−ベンジル−2−ブロモメチル−2−メトキシメチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルシクロペンタノール(化合物番号I−203(アゾール誘導体(Ia’)、R10=CH、L=Br、X=無置換、A=N)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.33-1.40(1H,m),1.54-1.65(2H,m),1.86-1.94(1H,m),2.39-2.42(1H,m),2.54(1H,dd,J=13. 5,4.5Hz),2.63(1H,dd,J=13.5,10.0Hz),2.84(1H,d,J=9.6Hz),3.39(3H,s),3.46-3.48(3H,m),4.23(1H,d,J=14.0Hz),4.57(1H,d,J=14.0Hz),4.88(1H,s),7.14-7.20(3H,m),7.25-7.29(2H,m),7.98(1H,s),8.11(1H,s).
<製造例3>
アゾール誘導体(IIa’)(R10=CH、X=4−Cl、A=N)の合成:(第一製造方法の工程1A1による製造))
(1SR,4SR,5RS)−4−(4−クロロベンジル)−1−ヒドロキシメチル−5−(1H−[1,2,4]−トリアゾール−1−イルメチル)−6−オキサビシクロ−[3,2,0]ヘプタン(アゾール誘導体(IIIa’)、X=4−Cl、A=N)50.0mgをTHF1.5mlに溶解し、水素化ナトリウム7.2mgを加え、室温で15分間撹拌した。ここにヨードメタン0.0112mlを加え、室温で1時間撹拌した後、50℃で3時間撹拌した。さらにヨードメタン0.0112mlを加えて同温度で5時間攪拌し、ヨードメタン0.0112mlおよび水素化ナトリウム7.2mgを加えて室温で15時間および50℃で4時間撹拌し、ヨードメタン0.0112mlおよび水素化ナトリウム7.2mgを加えてさらに1.5時間撹拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、目的物を得た。
収率:81.3%
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.45-1.53(1H,m),1.57-1.64(1H,m),1.68-1.76(1H,m),1.81-1.94(2H,m),2.33(1H,dd,J=13. 5,4.0Hz),2.45(1H,dd,J=13.5,9.6Hz),3.34(1H,d,J=10.1Hz),3.38(3H,s),3.39(1H,d,J=10. 1Hz),4.14(1H,d,J=6.1Hz),4.48(1H,dd,J=6.1,1.3Hz),4.53(1H,d,J=14.8Hz),4.73(1H,d,J=14.8Hz),7.05(2H,d,J=8.4Hz),7.21(2H,d,J=8.4Hz),7.96(1H,s),8.16(1H,s).
上述した製造例3と同様の方法にて、以下の化合物も合成した。
(1SR,4SR,5SR)−4−(4−クロロベンジル)−1−メトキシメチル−5−(1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル)−6−オキサビシクロ−[3,2,0]ヘプタン(アゾール誘導体(IIa’)、R10=CH、X=4−Cl、A=N、異性体の型CT)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.57(dd, J=12.8, 6.4Hz, 1H), 1.67(dd,J=13.4, 6.2Hz, 1H), 1.97-2.01(m, 2H),2.14(dd,J=12.6,6.2Hz, 1H), 2.17(t-like, J=13.1Hz, 1H), 3.02(dd, J=13.1, 3.6Hz, 1H), 3. 36(d,J=10.0Hz, 1H), 3.42(s, 3H), 3.54(d, J=10.0Hz, 1H), 4.08(d, J=6.0Hz, 1H), 4. 49(d, J=6.0Hz, 1H),4.64(d, J=14.8Hz, 1H), 4.89(d, J=14.8Hz, 1H), 6.96(d, J=8.3Hz, 2H), 7.22(d, J=8.3Hz, 2H), 7.96(s,1H), 8.30(s, 1H).
(1SR,4SR,5RS)−4−(4−フルオロベンジル)−1−メトキシメチル−5−(1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル)−6−オキサビシクロ−[3,2,0]ヘプタン(アゾール誘導体(IIa’)、R10=CH、X=4−F、A=N)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.48-1.53(1H,m), 1.61(1H,dd,J=13.4,5.6Hz), 1.71-1.74(1H,m), 1.81-1.90(2H,m), 2.36(1H,dd,J=13.5,3.7Hz), 2.46(1H,dd,J=13.5,9.5Hz), 3.35(1H,d,J=10.1Hz), 3.38(3H,s), 3.39(1H,d,J=10.1Hz), 4.15(1H,d,J=6.1Hz), 4.48(1H, dd,6.1,1.3Hz), 4.53(1H,d,14. 8Hz), 4.73(1H,d,J=14.8Hz), 6.91-6.96(2H,m), 7.06-7.10(2H,m), 7.96(1H,s), 8.15 (1H,s)
(1SR,4SR,5RS)−4−ベンジル−1−メトキシメチル−5−(1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル)−6−オキサビシクロ−[3,2,0]ヘプタン(アゾール誘導体(IIa’)、R=CH、X=無置換、A=N)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.45-1.51(1H,m), 1.61(1H,dd,J=13.1,5.6Hz), 1.75-1.79(1H,m), 1.88-1.94(2H,m), 2.45(1H,dd,J=13.4,4.4Hz), 2.52(1H,dd,J=13.4,8.8Hz), 3.35(1H,d,J=10. 0Hz), 3.37(3H,s), 3.42(1H,d,J=10.0Hz), 4.15(1H,d,J=6.1Hz), 4.47(1H,d,6.1Hz), 4.48(1H,d,14.8Hz), 4.70(1H,d,J=14.8Hz), 7.12-7.19(3H,m), 7.24-7.27(2H,m), 7.95(1H,s), 8.05(1H,s)
<製造例4>
同様の方法にて、以下の化合物も合成した。
(1SR,4SR,5RS)−4−(4−フルオロベンジル)−1−エトキシメチル−5−(1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル)−6−オキサビシクロ−[3,2,0]ヘプタン(アゾール誘導体(IIa’)、R10=CHCH、X=4−F、A=N)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.23(3H,t,J=7.0Hz), 1.47-1.52(1H,m), 1.60(1H,dd,J=13.3,5.5Hz), 1.69-1.74(1H,m), 1.81-1.88(2H,m), 2.32(1H,dd,J=13.6,3.4Hz), 2.44(1H,dd,J=13.5,9.6Hz), 3.41(1H,d,J=10.2Hz), 3.44(1H,d,J=10.2Hz), 3.51(2H,qd, J=7.0,2.0Hz), 4.15(1H,d,J=6.0Hz), 4.53(1H,dd,J=6.0,1.2Hz), 4.54(1H,d,J=14.8Hz), 4.78(1H,d,J=14.8Hz), 6.91-6.96(2H,m), 7.06-7.10(2H,m), 7.96(1H,s), 8.17(1H,s).
(1SR,4SR,5RS)−4−(4−クロロベンジル)−1−エトキシメチル−5−(1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル)−6−オキサビシクロ−[3,2,0]ヘプタン(アゾール誘導体(IIa’)、R10=CHCH、X=4−Cl、A=N)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.23(3H,t,J=7.0Hz),1.44-1.52(1H,m),1.56-1.63(1H,m),1.67-1.76(1H,m),1.81-1.94(2H, m),2.30(1H,dd,J=13.4,3.9Hz),2.44(1H,dd,J=13.4,9.7Hz),3.42(1H,d,J=10.3Hz),3.43(1H,d,J=10.3Hz),3.50(2H,qd,J=7.0,2.0Hz),4.14(1H,d,J=6.0Hz),4.52(1H,dd,J=6.0,1.2Hz), 4.55(1H,d,J=14.8Hz),4.78(1H,d,J=14.8Hz),7.06(2H,d,J=8.4Hz),7.21(2H,d,J=8.4Hz),7. 95(1H,s),8.18(1H,s)
(1SR,4SR,5RS)−4−ベンジル−1−エトキシメチル−5−(1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル)−6−オキサビシクロ−[3,2,0]ヘプタン(アゾール誘導体(IIa’)、R10=CHCH、X=無置換、A=N)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.22(3H,t,J=7.0Hz), 1.44-1.52(1H,m), 1.61(1H,dd,J=13.2,5.5Hz), 1.74-1.78(1H,m), 1.84-1.93(2H,m), 2.42(1H,dd,J=13.6,3.8Hz), 2.50(1H,dd,J=13.6,9.5Hz), 3.40(1H,d,J=10.1Hz), 3.47(1H,d,J=10.1Hz), 3.49-3.51(2H,m), 4.15(1H,d,J=6.0Hz), 4.50(1H,d,J=14.8Hz), 4.51(1H,d,J=6.0Hz), 4.76(1H,d,J=14.8Hz), 7.12-7.19(3H,m), 7.24-7.26(2H, m), 7.94(1H,s), 8.07(1H,s).
<製造例5>
アゾール誘導体(IIIa’)(X=4−Cl、A=N)の合成:(第一製造方法の工程1C2および工程1Bによる製造)
[第一製造方法の工程1C2による製造]
(cis,trans混合)−2−(4−クロロベンジル)−8,8−ジメチル−1−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル7,9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−1−オール(アゾール誘導体(V’)、R=CH、R=CH、X=4−Cl、A=N)359mgを10%塩化水素メタノール溶液に溶解し、室温で23時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し残渣に水を加えた。この懸濁液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温で15分間撹拌した。結晶を濾取し、真空乾燥することで(1SR,5RS)−5−(4−クロロベンジル)−2,2−ビスヒドロキシメチル−1−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルシクロペンタノール(アゾール誘導体(IV’)、X=4−Cl、A=N)271.1mgを得た。収率84.1%。
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.20-1.25(1H,m),1.43-1.61(5H,m),2.05-2.15(2H,m),2.40-2.48(1H,m),3.63(1H,d,J=11.2Hz),3.75(1H,d,J=14.0Hz),3.77(1H,d,J=14.0Hz),3.86(1H,d,J=11.2Hz),4.45(1H,d,J=14.3Hz),4.75(1H,d,J=14.3Hz),4.84(1H,brs),6.97(2H,d,J=8.4Hz),7.20(2H,d,J=8.4Hz),8.00(1H,s),8.24(1H,s).
[第一製造方法の工程1Bによる製造]
アゾール誘導体(IV’)(X=4−Cl、A=N)30.0mgをテトラヒドロフラン0.9mlに溶解し、氷浴で0℃に冷却した。この溶液に水素化ナトリウム8.2mgを加え、0℃で10分間撹拌した。さらにp−トルエンスルホニルクロライド16.2mgを加え、室温まで戻しながら2.5時間撹拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、目的物を得た。
収率:71.6%
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.46-1.58(2H,m),1.79-1.96(3H,m),2.61(1H,dd,J=13.7,8.3Hz),2.67(1H,dd,J=13.7,6.4Hz),3.45(1H,dd,J=12.9,9.6Hz),3.94(1H,dd,J=12.9,3.1Hz),4.14(1H,d,J=6.3Hz),4.19(1H,d,J=6.3Hz),4.22(1H,d,J=15.0Hz),4.57(1H,dd,J=9.6,3.1Hz),4.68(1H,d,J=15.0Hz),7.01(2H,d,J=8.4Hz),7.25(2H,d,J=8.4Hz),7.70(1H,s),7.97(1H,s).
<製造例6>
同様の方法にて、以下の化合物も合成した。
(1SR,4SR,5SR)−4−(4−クロロベンジル)−1−ヒドロキシメチル−5−(1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル)−6−オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン(アゾール誘導体(IIIa’)、X=4−Cl、A=N、異性体の型CT)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.58-1.67(m, 2H), 2.09-2.19(m, 3H), 2.28(dd-like, J=13.3, 12.3Hz, 1H), 2.42(bs,1H), 2.97(dd-like, J=13.3, 4.1Hz, 1H), 3.60(d, J=4.4Hz, 2H), 4.06(d, J=6.2Hz, 1H), 4.26(d, J=6.2Hz,1H), 4.61(d, J=14.8Hz, 1H), 4.91(d, J=14.8Hz, 1H), 7.01(d, J=8.5Hz, 2H), 7.24(d, J=8.5Hz, 2H),7.99(s, 1H), 8.35(s, 1H).
1)(1SR,5RS)−5−(4−フルオロベンジル)−2,2−ビスヒドロキシメチル−1−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルシクロペンタノール(アゾール誘導体(IV’)、X=4−F、A=N)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.19-1.28(1H,m),1.47-1.60(3H,m),2.05-2.14(2H,m),2.44(1H,dd,J=13.8,10.9Hz),2.91(1H,t-like,J=5.7Hz),3.28(1H,dd,J=6.3,4.8Hz),3.63(1H,dd,J=11.2,5.6Hz),3.74-3.84(2H, m),3.87(1H,dd,J=11.2,5.6Hz),4.45(1H,d,J=14.3Hz),4.75(1H,d,J=14.3Hz),4.83(1H,s),6.90-7.01(4H,m),8.00(1H,s), 8.24(1H,s)
2)(1SR,4SR,5RS)−4−(4−フルオロベンジル)−1−ヒドロキシメチル−5−(1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル)−6−オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン(アゾール誘導体(IIIa’)、X=4−F、A=N)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.47-1.56(2H,m), 1.84-1.97(3H,m), 2.62(1H,dd,J=13.7,8.2Hz), 2.69(1H,dd,J=13.7,6. 4Hz), 3.45(1H,dd,J=12.9,9.9Hz), 3.97(1H,dd,J=12.9,3.5Hz), 4.15(1H,d,J=6.3Hz), 4.19(1H,d,J=6.3Hz), 4.22(1H,d,J=15.0Hz), 4.67(1H,d,J=15.0Hz), 4.69(1H,dd,J=9.9,3.5Hz), 6.95-7.00(2H,m), 7.01-7.05(2H,m), 7.64(1H,s), 7.97(1H,s)
1)(1SR,5RS)−5−ベンジル−2,2−ビスヒドロキシメチル−1−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルシクロペンタノール(アゾール誘導体(IV’)、X=無置換、A=N)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.20-1.28(1H,m), 1.47-1.61(3H,m),2.11-2.16(1H,m),2.20(1H,dd,J=13.4,5.3Hz), 2.48(1H,dd,J=13.4,10.5Hz),2.98(1H,t-like,J=5.8Hz),3.40(1H,dd,J=6.5,4.7Hz),3.63(1H,dd, J=11.3,5.7Hz),3.72-3.81(2H,m),3.87(1H,dd,J=11.3,5.7Hz),4.44(1H,d,J=14.3Hz),4.75(1H,d,J=14.3Hz),4.81(1H,s),7.04-7.06(2H,m),7.14-7.18(1H,m),7.23-7.24 (1H,m),8.00(1H,s), 8.23(1H,s)
2)(1SR,4SR,5RS)−4−ベンジル−1−ヒドロキシメチル−5−(1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル)−6−オキサビシクロ[3,2,0]ヘプタン(アゾール誘導体(IIIa’)、X=無置換、A=N)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.50-1.53(2H,m), 1.91-1.99(3H,m), 2.66(1H,dd,J=13.6,7.1Hz), 2.76(1H,dd,J=13.6,7. 2Hz), 3.44(1H,dd,J=13.0,10.2Hz), 4.03(1H,dd,J=13.0,3.4Hz), 4.16(1H,d,J=6.3Hz), 4.16(1H,d,J=15.0Hz), 4.19(1H,d,J=6.3Hz), 4.63(1H,d,J=15.0Hz), 4.94(1H,dd,J=10.2,3.4Hz), 7.08-7.10(2H,m), 7.22-7.30(3H,m), 7.23(1H,s), 7.93(1H,s)
<製造例7>
2−(4−クロロベンジル)−8,8−ジメチル−1−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−7,9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−1−オール(化合物V’−a:アゾール誘導体(V’)、R=CH、R=CH、X=4−Cl、A=N)の合成1:(第一製造方法の工程1C1による製造)
[1,2,4]−トリアゾールナトリウム塩1.14gをN−メチルピロリジノン6.4mlに溶解し、内温115℃まで昇温した。ここに2−(4−クロロベンジル)−8,8−ジメチル−7,9−ジオキサスピロ−[4,5]デカン−1−オン(アゾール誘導体(VIII’)、R=CH、R=CH、X=4−Cl、A=N)2.59gを加え、N−メチルピロリジノン2.0mlで洗い込みを行った。内温が115℃に戻った後に、ナトリウムt−ブトキシド725mgおよびTMSOB2.77gを12.5時間かけて分割添加した後、5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的物を7%のトランス体を含む混合物として得た。ここで、「シス体」および「トランス体」は、アゾール誘導体(V’)におけるシクロペンタン環に結合しているヒドロキシ基とベンジル基との立体配置に基づくものである。また、後述の製造例における「シス体」および「トランス体」に関しても、それぞれの化合物における、このヒドロキシ基に対応する基とこのベンジル基に対応する基との立体配置に基づくものである。
収率:55.0%
シス体
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.22-1.32(1H,m),1.32-1.41(1H,m),1.39(3H,s),1.46(3H,s),1.46-1.62(3H,m),2.13-2.20(1H,m),2.25-2.33(1H,m),3.68(1H,d,J=12.0Hz),3.76(1H,d,J=12.6Hz),3.87(1H,dd,J=12.6,2.1Hz),4.20(1H,dd,J=12.0,2.1Hz),4.26(1H,s),4.60(1H,d,J=14.4Hz),4.79(1H,d,J=14.4Hz),6.90(2H,d,J=8.3Hz),7.16(2H,d,J=8.3Hz),8.02(1H,s).8.29(1H,s).
トランス体
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.22-1.60(3H,m),1.38(3H,s),1.47(3H,s),1.65-1.80(1H,m),2.10-2.21(2H,m),2.72-2.86(1H,m),3.67(1H,d,J=12.0Hz),3.75(1H,d,J=12.5Hz),3.97(1H,dd,J=12.5,2.5Hz),4.25(1H,dd,J=12.0,2.5Hz), 4.65-4.75(3H,m),6.90(2H,d,J=8.3Hz),7.13-7.23(2H,m),8.00(1H,s).8.39(1H,s).
上述した製造例7と同様の方法にて、以下の化合物も合成した。
2−(4−フルオロベンジル)−8,8−ジメチル−1−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−7,9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−1−オール(アゾール誘導体(V’)、R=CH、R=CH、X=4−F、A=N)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.24-1.29(1H,m),1.39(3H,s),1.35-1.42(1H,m),1.46(3H,s),1.46-1.61(3H,m),2.16(1H,dd,J=13.2,11.3Hz),2.26-2.34(1H,m),3.68(1H,d,J=12.0Hz),3.76(1H,d,J=12.6Hz),3.88(1H, dd,J=12.6,2.2Hz),4.20(1H,dd,J=12.0,2.2Hz),4.28(1H,s),4.62(1H,d,J=14.4Hz),4.80(1H,d,J=14.4Hz),6.86-6.94(4H,m),8.02(1H,s),8.30(1H,s)
2−ベンジル−8,8−ジメチル−1−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−7,9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−1−オール(アゾール誘導体(V’)、R=CH、R=CH、X=無置換、A=N)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.26-1.31(1H,m), 1.28(3H,s), 1.40-1.44(1H,m), 1.46(3H,s), 1.52-1.61(3H,m), 2.19(1H,dd,J=13.2,11.3Hz),2.29-2.37(1H,m),3.67(1H,d,J=12.0Hz),3.75(1H,d,J=12.5Hz), 3. 89(1H,dd,J=12.5,2.2Hz), 4.19(1H,dd,J=12.0,2.2Hz), 4.26(1H,s), 4.62(1H,d,J=14.5Hz), 4.79(1H,d,J=14.5Hz), 6.97-6.98(2H,m), 7.11-7.15(H,m), 7.19-7.22(2H,m), 8.02(1H,s), 8.30(1H,s)
<製造例8>
2−(4−クロロベンジル)−8,8−ジメチル−7,9−ジオキサスピロ−[4,5]デカン−1−オン(化合物(VIII’)、R=CH、R=CH、X=4−Cl)の合成1:(第一製造方法の工程1Dによる製造)
1−(4−クロロベンジル)−2−オキソシクロペンタンカルボン酸メチル(化合物(XII)、X=4−Cl、R=CH)13.34gに、炭酸カリウム3.5g、ホルマリン(37%)12mlを加え、室温で7時間激しく攪拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、1−(4−クロロベンジル)−3,3−ビス(ヒドロキシルメチル)−2−オキソシクロペンタンカルボン酸メチル(化合物(X’)、R=CH、X=4−Cl)の粗生成物を得た。これをアセトン26mlに溶解し、アセトンジメチルアセタール(化合物(XIV)、R=CH、R=CH、R=CH、R=CH)33mlおよびp−トルエンスルホン酸一水和物1.5gを添加し、室温で2.7時間攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると白色固体が析出した。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、2−(4−クロロベンジル)−8,8−ジメチル−1−オキソ−7,9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルボン酸メチル(化合物(IX’)、X=CH、X=CH、X=4−Cl、R=CH)の粗生成物を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.33(s, 3H), 1.45(s, 3H), 1.97-2.13(m, 4H), 2.33-2.38(m, 1H), 2.78(dd, J=11.6, 2.4Hz, 1H), 3.04(d, J=14.6Hz, 1H), 3.20(d, J=14.6Hz, 1H), 3.55(dd, J=11.2, 2.6Hz, 1H), 3.71(s, 3H), 4.06(d, J=11.2Hz, 1H), 7.00(d, J=8.4Hz, 2H), 7.22(d, J=8.4Hz, 2H).
化合物(IX’)(X=CH、X=CH、X=4−Cl、R=CH)の粗生成物にトルエン1.1mlを加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液36mlを加え、98℃で3時間加熱攪拌した。反応終了後、水と少量の2NHCl水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的物を得た。
収率:58%
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.37(s, 3H), 1.49(s, 3H), 1.53-1.57(m, 1H), 1.83-1.88(m, 1H), 2.04-2.10(m, 1H), 2.39-2.50(m, 2H), 2.60(dd, J=14.0, 8.4Hz, 1H), 3.00(dd, J=14.0, 4.4Hz, 1H), 3.24 (dd, J=11.4, 2.6Hz,1H), 3.47(dd, J=11.4, 2.6Hz, 1H), 3.78(dd, J=11.4, 2.0Hz, 1H), 4.14(d, J=11.4Hz, 1H), 7.05(d, J=8.4Hz, 2H), 7.23(d, J=8.4Hz, 2H).
<製造例9>
同様の方法にて、以下の化合物も合成した。
2−(4−フルオロベンジル)−8,8−ジメチル−7,9−ジオキサスピロ−[4,5]デカン−1−オン(化合物(VIII’)、X=CH、X=CH、X=4−F)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.37(3H,s),1.49(3H,s),1.52-1.60(1H,m),1.80-1.88(1H,m),2.04-2.12(1H,m),2.39-2.50(2H,m),2.62(1H,dd,J=13.9,8.3Hz),3.00(1H,dd,J=13.9,4.6Hz),3.22(1H,dd,J=11.4,2.6Hz),3.47(1H,dd,J=11.4,2.6Hz),3.77(1H,dd,J=11.4,1.6Hz),4.15(1H,d,J=11.4Hz),6.93-6.97 (2H,m), 7.06-7.09(2H,m)
<製造例10>
同様の方法にて、以下の化合物も合成した。
2−ベンジル−8,8−ジメチル−7,9−ジオキサスピロ−[4,5]デカン−1−オン(化合物(VIII’)、X=CH、X=CH、X=無置換)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.37(3H,s),1.49(3H,s),1.52-1.63(1H,m),1.82-1.87(1H,m),2.06-2.11(1H,m),2.37-2.43(1H,m),2.45-2.53(1H,m),2.61(1H,dd,J=13.7,8.6Hz),3.04(1H,dd,J=13.7,4.3Hz),3.24(1H, dd,J=11.4,2.6Hz),3.47(1H,dd,J=11.4,2.6Hz),3.79(1H,dd,J=11.4,1.6Hz),4.15(1H,d,J=11.4Hz),7.12(2H,d,J=6.8Hz),7.20(1H,t,J=7.3Hz),7.25-7.29(2H,m).
<製造例11>
化合物(VIII’)(R=CH、R=CH、X=4−Cl)の合成2
(1)化合物X’−a;R=CH,X=4−Clである化合物(X’)の合成
化合物(XII)(R=CH,X=4−Cl)79.98gをテトラヒドロフラン250mlに加え、ここに炭酸カリウム10.38gおよび37%ホルマリン水溶液65mlを加え、室温下で、23時間攪拌した。反応液に、水250mlおよび濃塩酸51mlを加え、さらに7時間撹拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、化合物X’−aの粗抽出物を得た。
(2)化合物IX’−a;R=CH、R=CH、R=CH、X=4−Clである化合物(IX’)の合成
上記(1)で得られた化合物X’−aの粗抽出物全量に、アセトンジメチルアセタール(化合物(XIV)、R=CH、R=CH、R=CH、R=CH)90ml、トルエン180mlおよびp−トルエンスルホン酸一水和物1.43gを添加し、1時間、55℃で撹拌した後、室温下でさらに15時間攪拌した。反応液に重曹水およびトルエンを加え、分配した。水層をトルエンで抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、化合物IX’−aの粗抽出物を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.33(3H,s),1.45(3H,s),1.97-2.13(4H,m),2.33-2.38(1H,m),2.78(1H,dd,J=11.6,2.4Hz),3.04(1H,d,J=14.6Hz),3.20(1H,d,J=14.6Hz),3.55(1H,dd,J=11.2,2.6Hz), 3.71(3H,s),4.06(1H,d,J=11.2 Hz),7.00(2H,d,J=8.4Hz),7.22(2H,d,J=8.4Hz).
(3)化合物VIII’−a;R=CH、R=CH、X=4−Clである化合物(VIII’)の合成
上記(2)で得られた化合物IX’−aの粗抽出物にトルエン8mlを加え、100℃に昇温し、溶解させた。ここに、25重量%水酸化ナトリウム水溶液80.0gを加え、2時間、還流下で反応させた後、放冷した。反応液に水を加え、トルエンで抽出した。有機層を、塩化アンモニウム水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して化合物VIII’−aを得た。
収率:69.0%(化合物(XII)からの3工程での収率)
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.37(3H,s),1.49(3H,s),1.53-1.57(1H,m),1.83-1.88(1H,m),2.04-2.10(1H,m),2.39-2.50(2H,m),2.60(1H,dd,J=14.0,8.4Hz),3.00(1H,dd,J=14.0,4.4Hz),3.24(1H,dd,J=11.4,2.6Hz),3.47(1H,dd,J=11.4,2.6Hz),3.78(1H,dd,J=11.4,2.0Hz),4.14(1H,d,J=11.4Hz),7.02-7.10(2H,m),7.21-7.27(2H,m).
<製造例12>
化合物V’−aの合成2
水素化ナトリウム0.91gをNMP8mlに懸濁させた後、1,2,4−トリアゾール1.67gを加え、0.5時間撹拌して、1,2,4−トリアゾールのナトリウム塩を生成した。ここに、化合物VIII’−a 5.00g加え、90℃(バス温)に昇温した後、TMSOB4.20gとt−BuONa 0.77gとを間欠的に1.5時間かけて添加し、その後、1.5時間反応させた。反応液を125℃(バス温)に昇温し、1時間反応させた。反応液に、塩化アンモニウム水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、粗生成物をシリカゲルカラムで精製して、化合物V’−aを異性体混合物(シス体:トランス体=93:7)として得た。
収率:74.3%
<製造例13>
化合物V’−aの合成3
化合物VIII’−a 1.00g、1,2,4−トリアゾールナトリウム塩0.442gおよびTMSOB0.785gの混合物にNMP2mlを加え、アルゴン雰囲気下、85℃に昇温した。ここに、t−BuONa 0.157gを間欠的に50分かけて添加し、その後、50分間反応させた。
反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルカラムで精製して、化合物V’−aを異性体混合物(シス体:トランス体=94:6)として得た。
収率:80%
<製造例14>
化合物V’−aの合成4
化合物VIII’−a 5.00g、1,2,4−トリアゾールナトリウム塩1.92gおよびTMSOB3.36gの混合物にNMP8mlを加え、アルゴン雰囲気下、85℃に昇温した。ここに、t−BuONa 0.94gを添加し、その後、3時間反応させた後、115℃で15分間撹拌した。
反応液に水を加え、トルエンで抽出した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルカラムで精製して、化合物V’−aを異性体混合物(シス体:トランス体=92:8)として得た。
収率:70%
<製造例15>
5−(4−クロロベンジル)−2,2−ビス(ヒドロキシルメチル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物IV’−a;X=4−Cl、A=Nであるアゾール誘導体(IV’))の合成>
化合物V’−a 8.98gを、メタノール30mlと6N塩酸水溶液40mlとの混合液に溶解し、室温下で4時間撹拌した。反応液に水を加えた後、炭酸ナトリウムおよび重曹で中和した。酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水100mlで洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、化合物IV’−aを異性体混合物として得た。
収率:98.7%
なお、H−NMR値はシス体のみ記載する。
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.20-1.25(1H,m),1.43-1.61(5H,m),2.05-2.15(2H,m),2.40-2.48(1H,m),3.63(1H,d,J=11.2Hz),3.75(1H,d,J=14.0Hz),3.77(1H,d,J=14.0Hz),3.86(1H,d,J=11.2Hz),4.45(1H,d,J=14.3Hz),4.75(1H,d,J=14.3Hz),4.84(1H,brs),6.97(2H,d,J=8.4Hz),7.20(2H,d,J=8.4Hz),8.00(1H,s),8.24(1H,s).
<製造例16>
2−ベンジル−8,8−ジメチル−7,9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−1−オン(化合物VIII’−b;R=CH、R=CH、X=無置換である化合物(VIII’))の合成2
化合物(XII)(R=CH,X=4−Cl)の代わりに1−ベンジル−2−オキソシクロペンタンカルボン酸メチル(化合物(XII)、R=CH,X=無置換)を用いた以外は製造例11と同様にして合成を行い、化合物VIII’−bを得た。得られた化合物のH−NMR値を以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.37(3H,s),1.49(3H,s), 1.52-1.63(1H,m), 1.82-1.87(1H,m), 2.06-2.11(1H,m), 2.37-2.43(1H,m), 2.45-2.53(1H,m), 2.61(1H,dd,J=13.7,8.6Hz), 3.04(1H,dd,J= 13.7,4.3Hz),3.24(1H,dd,J=11.4,2.6Hz), 3.47(1H,dd,J=11.4,2.6Hz), 3.79(1H, dd,J=11.4,1.6Hz), 4.15(1H,d,J=11.4Hz),7.12(2H,d,J=6.8Hz),7.20(1H,t,J=7.3 Hz), 7.25-7.29(2H,m).
<製造例17>
2−ベンジル−8,8−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−7,9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−1−オール(化合物V’−b;R=CH、R=CH、X=無置換、A=Nであるアゾール誘導体(V’))の合成
1,2,4−トリアゾールナトリウム塩0.973gをNMP4mlに溶解し、115℃(内温)に昇温した。ここに、NMP3mlに溶解した化合物VIII’−b 1.96gを加えた。同温度で、TMSOB1.55gとt−BuONa 0.363gとを間欠的に2時間かけて添加した後、0.5時間反応させた。反応液を125℃(バス温)に昇温し、1時間反応させた。反応終了後、反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、粗生成物をシリカゲルカラム化合物V’−bを異性体混合物(シス体:トランス=94:6)として得た。
収率:78.9%
なお、H−NMR値はシス体のみ記載する。
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.26-1.31(1H,m), 1.28(3H,s), 1.40-1.44(1H,m), 1.46(3H,s), 1.52-1.61(3H,m), 2.19(1H,dd,J=13.2,11.3Hz),2.29-2.37(1H,m),3.67(1H,d,J=12.0Hz),3.75(1H,d,J=12.5Hz), 3.89(1H,dd,J=12.5,2.2Hz), 4.19(1H,dd,J=12.0,2.2Hz), 4.26(1H,s), 4.62(1H,d,J=14.5Hz), 4.79(1H,d,J=14.5Hz), 6.97-6.98(2H,m), 7.11-7.15(1H,m), 7.19-7.22(2H,m), 8.02(1H,s), 8.30(1H,s)
<製造例18>
5−ベンジル−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物IV’−b;X=無置換、A=Nであるアゾール誘導体(IV’))の合成>
化合物V’−aの代わりに化合物V’−bを用いた以外は製造例15と同様にして合成を行い、5−ベンジル−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物IV’−b)を得た。得られた化合物のH−NMR値を以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.20-1.28(1H,m), 1.47-1.61(3H,m),2.11-2.16(1H,m),2.20(1H,dd,J=13.4,5.3Hz), 2.48(1H,dd,J=13.4,10.5Hz),2.98(1H,t-like,J=5.8Hz),3.40(1H,dd,J=6.5,4.7Hz),3.63(1H,dd,J=11.3,5.7Hz),3.72-3.81(2H,m),3.87(1H,dd,J=11.3,5.7Hz),4.44(1H,d,J=14.3Hz),4.75(1H,d,J=14.3Hz),4.81(1H,s),7.04-7.06(2H,m),7.14-7.18(1H,m),7.23-7.24 (2H,m),8.00(1H,s),8.23(1H,s).
<製造例19>
2−(4−フルオロベンジル)−8,8−ジメチル−7,9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−1−オン(化合物VIII’−c;R=CH、R=CH、X=4−Fである化合物(VIII’))の合成
化合物(XII)(R=CH,X=4−Cl)の代わりに1−(4−フルオロベンジル)−2−オキソ−シクロペンタンカルボン酸メチル(化合物(XII)、R=CH、X=4−F)を用いた以外は製造例11と同様にして合成を行い、化合物VIII’−cを得た。得られた化合物のH−NMR値を以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.37(3H,s),1.49(3H,s), 1.52-1.60(1H,m), 1.80-1.88(1H,m), 2.04-2.12(1H,m), 2.39-2.50(2H,m),2.62(1H,dd,J=13.9,8.3Hz),3.00(1H,dd,J=13.9,4.6Hz),3.22 (1H,dd,J=11.4,2.6Hz),3.47(1H,dd,J=11.4,2.6Hz), 3.77(1H,dd,J=11.4,1.6Hz), 4.15(1H,d,J=11.4Hz),6.93-6.97(2H,m), 7.06-7.09(2H,m).
<製造例20>
2−(4−フルオロベンジル)−8,8−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−7,9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−1−オール(化合物V’−c;R=CH、R=CH、X=4−F、A=Nであるアゾール誘導体(V’))の合成>
化合物VIII’−bの代わりに化合物VIII’−cを用いた以外は製造例17と同様にして合成を行い、化合物V’−cを異性体混合物として得た。
なお、H−NMR値はシス体のみ記載する。
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.24-1.29(1H,m),1.39(3H,s),1.35-1.42(1H,m),1.46(3H,s),1.46-1.61(3H,m),2.16(1H,dd,J=13.2,11.3Hz),2.26-2.34(1H,m),3.68(1H,d,J=12.0Hz),3.76(1H,d,J=12.6Hz),3.88(1H,dd,J=12.6,2.2Hz),4.20(1H,dd,J=12.0,2.2Hz),4.28(1H,s),4.62(1H,d,J=14.4Hz),4.80(1H,d,J=14.4Hz),6.86-6.94(4H,m),8.02(1H,s),8.30(1H,s).
<製造例21>
5−(4−フルオロベンジル)−2,2−ビス(ヒドロキシルメチル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール(化合物IV’−c;X=4−F、A=Nであるアゾール誘導体(IV’))の合成>
化合物V’−aの代わりに化合物V’−cを用いた以外は製造例15と同様にして合成を行い、化合物IV’−cを異性体混合物として得た。なお、H−NMR値はシス体のみ記載する。
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.19-1.28(1H,m),1.47-1.60(3H,m),2.05-2.14(2H,m),2.44(1H,dd,J=13.8,10.9Hz),2.91(1H,t-like,J=5.7Hz),3.28(1H,dd,J=6.3,4.8Hz),3.63(1H,dd,J=11.2,5.6Hz),3.74-3.84(2H,m),3.87(1H,dd,J=11.2,5.6Hz),4.45(1H,d,J=14.3Hz),4.75(1H,d,J=14.3Hz),4.83(1H,s),6.90-7.01(4H,m),8.00(1H,s), 8.24(1H,s).
<製造例22>
2−(4−クロロベンジル)−7,9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−1−オン(化合物VIII’−d;R=H、R=H、X=4−Clである化合物(VIII’))の合成
(1)2−(4−クロロベンジル)−1−オキソ−7、9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルボン酸メチル(化合物IX’−d;R=CH、R=H、R=H、X=4−Clである化合物(IX’))の合成
製造例11−(1)で調製された化合物X’−a 1.00gをクロロホルム4mlおよびジメトキシメタン4mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸ナトリウム1水和物58.2mgおよびリチウムクロライド53.2mgを加えて室温で1.5時間撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を濃縮、真空乾燥することにより中間体粗製物(1.28g)を得た。このうちの100mgをトルエン3mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸1水和物2.7mgを加え、100℃で9時間撹拌した。反応終了後、溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、トルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物IX’−dを得た(収率74.9%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ=
1.90-2.03(2H,m),2.10-2.20(1H,m),2.32-2.39(1H,m),3.00(1H,dd,J=11.1,1.9Hz),3.05(1H,d,J=13.8Hz),3.20(1H,d,J=13.8Hz),3.42(1H,dd,J=11.1,1.1Hz),3.72(3H,s),3.77(1H,dd,J=11.1,2.1Hz),3.82(1H,d,J=11.1Hz),4.61(1H,d,J=6.1Hz),4.91(1H,d,J=6.1Hz),7.01(2H,d,J=8.5Hz),7.23(2H,d,J=8.5Hz).
(2)化合物VIII’−dの合成
化合物IX’−d 640mgにトルエン0.065mlおよび1mol/L水酸化ナトリウム水溶液1.88mlを加えて2.5時間還流した。1mol/L水酸化ナトリウム水溶液0.94mlを加え、さらに4時間還流を続けた。反応終了後、トルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物VIII’−dを得た(収率72.7%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ=
1.51-1.59(1H,m),1.83-1.93(1H,m),2.03-2.14(1H,m),2.37-2.46(1H,m),2.46-2.52(1H,m),2.60(1H,dd,J=13.8,8.3Hz),3.00(1H,dd,J=13.8,4.4Hz),3.47(1H,dd,J=11.1,2.3Hz),3.54(1H,dd,J=11.1,1.5Hz),3.70(1H,dd,J=11.1,2.3Hz),3.88(1H,d,J=11.1Hz),4.67(1H,d,J=6.1Hz),4.97(1H,d,J=6.1Hz),7.05(2H,d,J=8.4Hz),7.23(1H,d,J=8.4Hz).
<製造例23>
2−(4−クロロベンジル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−7,9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−1−オール(化合物V’−d;R=H、R=H、X=4−Cl、A=Nであるアゾール誘導体(V’))の合成>
化合物VIII’−bの代わりに化合物VIII’−dを用いた以外は製造例17と同様にして合成を行い、化合物V’−dを異性体混合物として得た。
なお、H−NMR値はシス体のみ記載する。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ=
1.10-1.14(1H,m),1.36-1.45(1H,m),1.45-1.57(2H,m),1.93(1H,dd,J=12.7,2.9Hz),2.27-2.35(1H,m),2.38(1H,dd,J=12.7,10.9Hz),3.35(1H,d,J=11.1Hz),3.54(1H,d,J=12.3Hz),4.07(1H,dd,J=12.3,2.3Hz),4.29(1H,d,J=11.1,1.9Hz),4.50(1H,d,J=14.3Hz),4.59(1H,J=6.0Hz),4.74(1H,d,J=14.3Hz),4.83(1H,s),4.87(1H,d,J=6.0Hz),6.98(2H,d,J=8.4Hz),7.19(2H,d,J=8.4Hz),8.00(1H,s),8.23(1H,s).
<製造例24>
2−(4−クロロベンジル)−8−メチル−7,9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−1−オン(化合物VIII’−e;R=CH、R=H、X=4−Clである化合物(VIII’))の合成
(1)2−(4−クロロベンジル)−8−メチル−1−オキソ−7、9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−カルボン酸メチル(化合物IX’−e;R=CH、R=CH、R=H、X=4−Clである化合物(IX’))の合成
製造例11−(1)で調製された化合物X’−a 2.50gをトルエン12.5mlに溶解し、アセトアルデヒドジエチルアセタール2.72mlおよびp−トルエンスルホン酸ナトリウム1水和物72.8mgを加えて室温で3.5時間撹拌した。さらに60℃で2時間、80℃で2時間撹拌した。反応終了後、溶液量が半量になるまで濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてトルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を濃縮、真空乾燥することにより化合物IX’−eを得た(収率89.2%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ=
1.27(3H,d,J=5.1Hz),1.95-2.04(2H,m),2.09-2.18(1H,m),2.32-2.41(1H,m),2.96(1H,dd,J=11.1,2.7Hz),3.04(1H,d,J=13.7Hz),3.20(1H,d,J=13.7Hz),3.47(1H,dd,J=11.1,1.3Hz),3.72(3H,s),3.78(1H,dd,J=11.1,2.7Hz),3.84(1H,d,J=11.1Hz),4.60(1H,q,J=5.1Hz), 7.00(2H,d,J=8.5Hz),7.23(2H,d,J=8.5Hz).
(2)化合物VIII’−eの合成
化合物IX’−e 2.34gにトルエン0.234mlおよび0.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液21.8mlを1時間ごとに3分割して加えながら4時間還流した。6.25mol/L水酸化ナトリウム水溶液0.57mlを加え、さらに2時間還流を続けた。反応終了後、トルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去することにより化合物VIII’−eを得た(収率72.0%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ=
1.31(3H,d,J=5.1Hz),1.49-1.61(1H,m),1.84-1.93(1H,m),2.05-2.14(1H,m),2.40-2.51(2H,m),2.59(1H,dd,J=13.8,8.3Hz),2.99(1H,dd,J=13.8,4.4Hz),3.46(1H,dd,J=11.1,2.8Hz),3.57(1H,dd,J=11.1,1.8Hz),3.70(1H,dd,J=11.1,2.8Hz),3.94(1H,d,J=11.1Hz),4.66(1H,q,J=5.1Hz),7.05(2H,d,J=8.4Hz),7.23(1H,d,J=8.4Hz).
<製造例25>
2−(4−クロロベンジル)−8−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−7,9−ジオキサスピロ[4,5]デカン−1−オール(化合物V’−e;R=CH、R=H、X=4−Cl、A=Nであるアゾール誘導体(V’))の合成>
化合物VIII’−bの代わりに化合物VIII’−eを用いた以外は製造例17と同様にして合成を行い、化合物V’−eを異性体混合物として得た。
なお、H−NMR値はシス体のみ記載する。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ=
1.03-1.10(1H,m),1.31(3H,d,J=5.1Hz),1.35-1.41(1H,m),1.41.42-1.55(3H,m),2.17(1H,dd,J=13.3,11.4Hz),2.30-2.39(1H,m),3.44(1H,d,J=11.7Hz),3.58(1H,d,J=12.5Hz),4.09(1H,dd,J=12.5,2.9Hz),4.51(1H,s),4.56(1H,dd,J=11.7,2.9Hz),4.59(1H,d,J=14.5Hz),4.67(1H,q,J=5.1Hz),4.83(1H,d,J=14.5Hz),6.91(2H,d,J=8.4Hz),7.17(2H,d,J=8.4Hz),8.02(1H,s),8.28(1H,s).
<製造例26>
化合物IX’−aの合成
製造例8における反応温度を95℃(バス温度)とした以外は製造例8と同様にして化合物IX’−aを得た。
収率:95.5%
以下に示す試験例1〜5では、本発明に係る化合物として、上述の製造例において製造した化合物番号I−16、I−170、I−187、I−226、I−234、I−198、I−203の化合物を用いた。また、I−16については、異性体の型がCCのものをI−16aとし、異性体の型がCTのものをI−16bとして以下に記載する。一方、試験例6〜8では、本発明に係る化合物として、上述の製造例において製造した化合物V’−aを用いた。
<製剤例1>
(水和剤)
化合物(I−16) 50部
リグニンスルホン酸塩 5部
アルキルスルホン酸塩 3部
珪藻土 42部
を粉砕混合して水和剤とし、水で希釈して使用する。
(粉剤)
化合物(I−16) 3部
クレー 40部
タルク 57部
を粉砕混合し、散粉として使用する。
(粒剤)
化合物(I−16) 5部
ベントナイト 43部
クレー 45部
リグニンスルホン酸塩 7部
を均一に混合しさらに水を加えて練り合わせ、押し出し式造粒機で粒状に加工乾燥して粒剤とする。
(乳剤)
化合物(I−16) 20部
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 10部
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 3部
キシレン 67部
を均一に混合溶解して乳剤とする。
<製剤例2>
合成した化合物V’−aのシス体およびトランス体を用いて水和剤、粉剤、粒剤および乳剤を製剤した。以下、化合物V’−aのシス体を化合物V’−a−cisと表記し、化合物V’−aのトランス体を化合物V’−a−transと表記する。説明の便宜上、ここでは化合物V’−a−cisを用いた配合についてのみ示すが、化合物V’−a−transについても同様の配合で製剤した。なお、各製剤例の「部」は重量部を表している。
(水和剤)
化合物V’−a−cis 50部
リグニンスルホン酸塩 5部
アルキルスルホン酸塩 3部
珪藻土 42部
を粉砕混合して水和剤とし、水で希釈した。
(粉剤)
化合物V’−a−cis 3部
クレー 40部
タルク 57部
を粉砕混合し、散粉とした。
(粒剤)
化合物V’−a−cis 5部
ベントナイト 43部
クレー 45部
リグニンスルホン酸塩 7部
を均一に混合しさらに水を加えて練り合わせ、押し出し式造粒機で粒状に加工乾燥して粒剤とした。
(乳剤)
化合物V’−a−cis 20部
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 10部
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 3部
キシレン 67部
を均一に混合溶解して乳剤とした。
<試験例1:コムギ葉枯病菌に対する抗菌性試験>
本試験例においては、本発明に係る化合物のコムギ葉枯病菌に対する抗菌性を試験し、比較化合物(1)と抗菌性を比較した。
比較化合物(1):(1RS,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−メチル−2−メチルエトキシメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール
Figure 2012169559
本発明に係る化合物を含むジメチルスルホキシド溶液0.6mlを60℃前後のPDA培地(ポテト−デキストロース−アガー培地)60mlに加え、100ml 三角フラスコ内でよく混合し、シャーレ内に流し固化させた。そして、濃度1.25mg/Lになるように本発明に係る化合物を含む平板培地を作製した。
一方、予め平板培地上で培養した供試菌を直径4mmのコルクボーラーで打ち抜き、上記の薬剤含有平板培地上にコムギ葉枯病菌を接種した。接種後、25℃にて14日間培養し、菌そう直径で測定した。下記式により菌糸伸長抑制率を求めた。
R=100(dc−dt)/dc
(式中,R=菌糸伸長抑制率(%),dc=無処理平板上菌そう直径,dt=薬剤処理平板上菌そう直径をそれぞれ示す。)
上記により得られた結果を、次の基準にしたがって5段階評価した.
<生育阻害度>
5:菌糸伸長抑制率が80%以上のもの
4:菌糸伸長抑制率が80未満〜60%以上のもの
3:菌糸伸長抑制率が60未満〜40%以上のもの
2:菌糸伸長抑制率が40未満〜20%以上のもの
1:菌糸伸長抑制率が20%未満のもの
Figure 2012169559
<試験例2:コムギ赤さび病に対する防除効果試験>
角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した第2葉期のコムギ(品種:農林61号)に、製剤例1のような水和剤形態のものを、水で濃度1mg/Lに希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。散布葉を風乾した後、コムギ赤さび病菌の胞子(200個/視野に調整、60ppmとなるようにグラミンSを添加)を噴霧接種し、25℃高湿度条件下に48時間保った。その後は温室内で管理した。接種後、9〜14日目にコムギ赤さび病の罹病度を調査して、防除価を下記式により算出した。
防除価(%)=(1−散布区の平均罹病度/ 無散布区の平均罹病度) × 100
Figure 2012169559
Figure 2012169559
Figure 2012169559
<試験例3:各種病原菌、有害微生物に対する抗菌性試験>
本試験例においては,試験例1で説明した方法により,濃度が5mg/L、または1.25mg/Lになるように本発明に係る化合物を含む平板培地を作製し、本発明に係る化合物の各種植物病原性糸状菌および工業用材料有害微生物に対する抗菌性を試験した。
上記により得られた結果を、次の基準にしたがって5段階評価した。
<生育阻害度>
5:菌糸伸長抑制率が80%以上のもの
4:菌糸伸長抑制率が80未満〜60%以上のもの
3:菌糸伸長抑制率が60未満〜40%以上のもの
2:菌糸伸長抑制率が40未満〜20%以上のもの
1:菌糸伸長抑制率が20%未満のもの
Figure 2012169559
<試験例4:種子処理によるコムギ赤さび病に対する防除効果試験>
ポット試験によりコムギ赤さび病に対する防除効果を評価した。本発明の化合物および比較化合物を各2mg秤量し、DMSO(18μl)に溶解した。コムギ種子1gに、調製した薬剤をバイアル内で塗沫した後、80cmポットに8粒のコムギ種子を播種した。温室内で下部給水管理し、播種21日後にコムギ赤さび病菌を接種し、湿箱に2日間保管した。再び温室内で下部給水管理し、接種14日後に罹病度を調査し防除価を算出した。
下記式により防除価を算出し、コムギ赤さび病防除価とした。
防除価=(1−処理区罹病度/無処理区罹病度)×100 (%)
結果、化合物I−16a、化合物V’−d、および化合物V’−eは防除価100であり、化合物(1)は防除価95であった。
<試験例5:種子処理によるコムギに対する生育抑制試験>
ポット試験によりコムギに対する薬害(生育抑制)を評価した。本発明の化合物および比較化合物を各0.2mg秤量し、DMSO(18μl)に溶解した。コムギ種子1gに、調製した薬剤をバイアル内で塗沫した後、80cmポットに8粒のコムギ種子を播種した。温室内で下部給水管理し、播種36日後に薬害(生育抑制)を調査した。
結果、化合物(1)を処理した場合は薬害指数が2であったのに対し、化合物I−16a、化合物V’−d、化合物V’−e、化合物V’−a−cis、または化合物V’−a−transを処理した場合は薬害指数4であった。
薬害指数(生育抑制)は下表に示す基準から算出した。生育抑制指数が大きいほど、薬剤処理による生育抑制の薬害が小さいことを示している。
Figure 2012169559
<試験例6:コムギ種子に対する種子処理によるネクロシスの薬害>
ポット試験によりコムギに対する薬害(生育抑制)を評価した。本発明の化合物および比較化合物を各2mg秤量し、DMSO(18μl)に溶解した。コムギ種子1gに、調製した薬剤をバイアル内で塗沫した後、80cmポットに8粒のコムギ種子を播種した。温室内で下部給水管理し、播種31日後にコムギのネクロシスの度合い(ネクロシス面積率)を調査した。表7に示す基準を用いて、ネクロシス面積率からネクロシス指数を算出した。
結果、化合物(1)を処理した場合はネクロシス指数が1であったのに対し、化合物V’−d、V’−e、V’−a−cisまたは化合物V’−a−transを処理した場合はネクロシス指数が0であった。なお、ネクロシス指数が小さいほど、薬剤処理によるネクロシスの薬害が小さいことを示している。
Figure 2012169559
<試験例7:コムギ赤さび病防除効果試験>
角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した第2葉期のコムギ(品種:農林61号)に、上記製剤例2に示す水和剤形態の化合物V’−a−cisまたは化合物V’−eを、水で所定濃度(100mg/L)に希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。散布葉を風乾した後、コムギ赤さび病菌の胞子(200個/視野に調整、60ppmとなるようにグラミンSを添加)を噴霧接種し、25℃高湿度条件下に48時間保った。その後は温室内で管理した。接種後、9〜14日目に、試験例2と同様にして、コムギ赤さび病の罹病度を調査して、防除価を算出した。
試験の結果、化合物V’−a−cis、および化合物V’−eは防除価90%以上を示した。
<試験例8:各種病原菌、有害微生物に対する抗菌性試験>
本試験例では、化合物V’−d、化合物V’−e、化合物V’−a−cisおよび化合物V’−a−transの各種植物病原性菌に対する抗菌性を試験した。
化合物V’−d、化合物V’−e、化合物V’−a−cisまたは化合物V’−a−transをジメチルスルホキシド2mlに溶解した。この溶液0.6mlを60℃前後のPDA培地(ポテト−デキストロース−アガー培地)60mlに加え、100ml三角フラスコ内でよく混合し、シャーレ内に流し固化させ、濃度5mg/Lになるように化合物V’−d、化合物V’−e、化合物V’−a−cisまたは化合物V’−a−transを含む平板培地を作製した。
一方、予め平板培地上で培養した供試菌を直径4mmのコルクボーラーで打ち抜き、上記の薬剤含有平板培地上に接種した。接種後、各菌の生育適温(この生育適温については、例えば、文献 LIST OF CULTURES 1996 microorganisms 10th edition 財団法人 発酵研究所 を参照することができる)にて1〜14日間培養し、菌の生育を菌そう直径で測定した。このようにして薬剤含有平板培地上で得られた菌の生育程度を、薬剤無添加区における菌の生育程度と比較して、試験例1と同様にして、菌糸伸長抑制率を求めた。得られた結果を、試験例1と同様にして5段階評価した。結果を表8に示す。
Figure 2012169559
本発明は、農園芸用の殺菌剤の有効成分として利用することができる化合物の製造に好適に利用することができる。

Claims (12)

  1. 下記一般式(V’)で示されるアゾール誘導体。
    Figure 2012169559
    (式(V’)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表しており、該フェニル基の1以上の水素原子および該ベンジル基のフェニル部における1以上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよく、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、フェニル基、シアノ基またはニトロ基を表しており、mは0〜5の整数を表しており、mが2以上である場合には、複数あるXは互いに異なっていてもよく、Aは、窒素原子またはメチン基を表している。)
  2. 請求項1に記載のアゾール誘導体を製造する方法であって、
    下記一般式(VIII’)で示される化合物をオキシラン化して得られる下記一般式(VII’)で示される化合物と、下記一般式(VI)で示される化合物とを反応させることにより、上記一般式(V’)で示されるアゾール誘導体を得る工程を含む、アゾール誘導体の製造方法。
    Figure 2012169559
    (式(VIII’)中、R、R、Xおよびmは、それぞれ式(V’)におけるR、R、Xおよびmと同一である。)
    Figure 2012169559
    (式(VII’)中、R、R、Xおよびmは、それぞれ式(V’)におけるR、R、Xおよびmと同一である。)
    Figure 2012169559
    (式(VI)中、Mは、水素原子またはアルカリ金属を表しており、Aは、式(V’)におけるAと同一である。)
  3. 下記一般式(IX’)で示される化合物を塩基存在下で反応させることにより、上記一般式(VIII’)で示される化合物を得る工程を含む、請求項2に記載のアゾール誘導体の製造方法。
    Figure 2012169559
    (式(IX’)中、R、R、Xおよびmは、それぞれ式(V’)におけるR、R、Xおよびmと同一であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表している。)
  4. 下記一般式(X’)で示される化合物を酸存在下で、下記一般式(XIV)で示されるアセタールまたは下記一般式(XV)で示されるケトンと反応させることにより上記一般式(IX’)で示される化合物を得る工程を含む、請求項3に記載のアゾール誘導体の製造方法。
    Figure 2012169559
    (式(X’)中、Xおよびmは、それぞれ式(V’)におけるXおよびmと同一であり、Rは、式(IX’)におけるRと同一である。)
    Figure 2012169559
    (式(XIV)中、RおよびRは、それぞれ式(V’)におけるRおよびRと同一であり、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表している。)
    Figure 2012169559
    (式(XV)中、RおよびRは、それぞれ式(V’)におけるRおよびRと同一である。)
  5. 下記一般式(IV’)で示されるアゾール誘導体の製造方法であって、
    請求項1に記載のアゾール誘導体を酸存在下で反応させることにより、下記一般式(IV’)で示されるアゾール誘導体を得る工程を含む、アゾール誘導体の製造方法。
    Figure 2012169559
    (式(IV’)中、X、mおよびAは、それぞれ式(V’)におけるX、mおよびAと同一である。)
  6. 請求項2〜4の何れか1項に記載の製造方法を含む、請求項5に記載のアゾール誘導体の製造方法。
  7. およびRはそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基である、請求項2〜6の何れか1項に記載のアゾール誘導体の製造方法。
  8. 請求項1に記載のアゾール誘導体を製造するために用いられる中間体化合物であって、下記一般式(VIII’)で示される、中間体化合物。
    Figure 2012169559
    (式(VIII’)中、R、R、Xおよびmは、それぞれ式(V’)におけるR、R、Xおよびmと同一である。)
  9. 請求項1に記載のアゾール誘導体を製造するために用いられる中間体化合物であって、下記一般式(IX’)で示される、中間体化合物。
    Figure 2012169559
    (式(IX’)中、R、R、Xおよびmは、それぞれ式(V’)におけるR、R、Xおよびmと同一であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表している。)
  10. 請求項2〜4の何れか1項に記載のアゾール誘導体の製造方法を経て製造される、下記一般式(Ia’)で示されるアゾール誘導体。
    Figure 2012169559
    (式(Ia’)中、R10は、炭素数1〜3のアルキル基を表わし、Lはハロゲン原子を表わし、X、mおよびAは、それぞれ式(V’)におけるX、mおよびAと同一である。)
  11. 請求項1に記載のアゾール誘導体を有効成分として含有しており、種子処理にて用いられることを特徴とする農園芸用薬剤。
  12. 請求項11に記載の農園芸用薬剤により処理された種子。
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