JPWO2012165441A1 - 空気入りタイヤ用インナーライナー、その製造方法及び空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤ用インナーライナー、その製造方法及び空気入りタイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2012165441A1 JPWO2012165441A1 JP2013518108A JP2013518108A JPWO2012165441A1 JP WO2012165441 A1 JPWO2012165441 A1 JP WO2012165441A1 JP 2013518108 A JP2013518108 A JP 2013518108A JP 2013518108 A JP2013518108 A JP 2013518108A JP WO2012165441 A1 JPWO2012165441 A1 JP WO2012165441A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- inner liner
- resin composition
- group
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C48/00—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
- B29C48/16—Articles comprising two or more components, e.g. co-extruded layers
- B29C48/18—Articles comprising two or more components, e.g. co-extruded layers the components being layers
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C1/00—Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
- B60C1/0008—Compositions of the inner liner
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C5/00—Inflatable pneumatic tyres or inner tubes
- B60C5/12—Inflatable pneumatic tyres or inner tubes without separate inflatable inserts, e.g. tubeless tyres with transverse section open to the rim
- B60C5/14—Inflatable pneumatic tyres or inner tubes without separate inflatable inserts, e.g. tubeless tyres with transverse section open to the rim with impervious liner or coating on the inner wall of the tyre
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
- C08F8/12—Hydrolysis
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C5/00—Inflatable pneumatic tyres or inner tubes
- B60C5/12—Inflatable pneumatic tyres or inner tubes without separate inflatable inserts, e.g. tubeless tyres with transverse section open to the rim
- B60C5/14—Inflatable pneumatic tyres or inner tubes without separate inflatable inserts, e.g. tubeless tyres with transverse section open to the rim with impervious liner or coating on the inner wall of the tyre
- B60C2005/145—Inflatable pneumatic tyres or inner tubes without separate inflatable inserts, e.g. tubeless tyres with transverse section open to the rim with impervious liner or coating on the inner wall of the tyre made of laminated layers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F2800/00—Copolymer characterised by the proportions of the comonomers expressed
- C08F2800/10—Copolymer characterised by the proportions of the comonomers expressed as molar percentages
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L23/00—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L23/02—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
- C08L23/04—Homopolymers or copolymers of ethene
- C08L23/08—Copolymers of ethene
- C08L23/0846—Copolymers of ethene with unsaturated hydrocarbons containing other atoms than carbon or hydrogen atoms
- C08L23/0853—Vinylacetate
- C08L23/0861—Saponified vinylacetate
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Tires In General (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
Description
8層以上の樹脂層を備える空気入りタイヤ用インナーライナーであって、
この樹脂層として、ガスバリア性樹脂を含む樹脂組成物からなるA層と、このA層に隣接し、エラストマーを含む樹脂組成物からなるB層とを有し、
以下の測定条件下でのA層の樹脂組成物の伸張粘度ηAとB層の樹脂組成物の伸張粘度ηBとが共に1,000Pa・s以上であり、かつ、この伸張粘度比ηA/ηBが0.2以上10以下であることを特徴とする。
(測定条件)
温度:A層の樹脂組成物の融点及びB層の樹脂組成物の融点における高い方の融点(融点がない樹脂組成物については流出開始温度)より25℃高い温度
伸張速度:500(1/sec)
これらの構造単位(I)又は(II)の全構造単位に対する含有量が0.5モル%以上30モル%以下であるとよい。
上記式(II)中、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は水酸基を表す。また、R4とR5又はR6とR7とは結合していてもよい(但し、R4とR5又はR6とR7が共に水素原子の場合は除く)。また、上記炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基は、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基又はハロゲン原子を有していてもよい。)
当該インナーライナーの製造方法であって、
ガスバリア性樹脂を含む樹脂組成物とエラストマーを含む樹脂組成物とを用いた多層共押出法により成形する工程を有することを特徴とする。当該インナーライナーの製造方法は、各層及び全体の溶融成形性に優れ、その結果、高いガスバリア性や耐久性等を有する当該インナーライナーを、製造コストの上昇を抑制しつつ容易かつ確実に製造することができる。
〈インナーライナー〉
当該インナーライナーは、空気入りタイヤに用いられ、8層以上の樹脂層を備える多層構造体である。当該インナーライナーは、上記樹脂層として、ガスバリア性樹脂を含む樹脂組成物からなるA層と、エラストマーを含む樹脂組成物からなるB層とを有している。
当該インナーライナーは、8層以上の樹脂層を備えている。このように8層以上の樹脂層を積層した構造により、ピンホール、割れ等の欠陥が連続して発生することを抑制できる結果、当該インナーライナーはその構造自体により高いガスバリア性、耐久性等の特性を有している。かかる観点と製造上の観点から、樹脂層の合計の層数としては、10層以上が好ましく、15層以上がさらに好ましく、18層以上が特に好ましい。また、同様の理由から、A層及びB層それぞれの層数としては、4以上が好ましく、6以上がより好ましく、8以上がさらに好ましい。
(1)A,B,A,B・・・A,B(つまり、(AB)n)
(2)A,B,A,B・・・・・A(つまり、(AB)nA)
(3)B,A,B,A・・・・・B(つまり、(BA)nB)
(4)A,A,B,B・・・B,B(つまり、(AABB)n)
等の積層順を採用することができる。また、その他のC層を有する場合、例えば、
(5)A,B,C・・・A,B,C(つまり、(ABC)n)
等の積層順を採用することができる。
A層の樹脂組成物の伸張粘度ηAとB層の樹脂組成物の伸張粘度ηBとしては、以下の測定条件下で、共に1,000Pa・s以上であり、2,000Pa・s以上が好ましく、3,000Pa・s以上がさらに好ましい。一方、伸張粘度ηA及びηBは、共に50,000Pa・s以下が好ましく、20,000Pa・s以下がより好ましく、10,000Pa・s以下がさらに好ましい。伸張粘度ηA及びηBを上記範囲とすることで、各層及び全体の溶融成形性が高まり、得られる当該インナーライナーのガスバリア性や耐久性を向上させることができる。
(測定条件)
温度:A層の樹脂組成物の融点及びB層の樹脂組成物の融点における高い方の融点(融点がない樹脂組成物については流出開始温度)より25℃高い温度
伸張速度:500(1/sec)
なお、本発明における伸張粘度は、キャピラリーフロー測定法により測定される値を言う。
A層は、ガスバリア性樹脂を含む樹脂組成物からなる層である。A層を構成する樹脂組成物がガスバリア性樹脂を含むことでガスバリア性に優れる当該インナーライナーを得ることができる。
上記ポリアミドは、アミド結合を有するポリマーであり、ラクタムの開環重合、アミノカルボン酸又はジアミンとジカルボン酸との重縮合等によって得ることができる。
上記ポリエステルとは、エステル結合を有するポリマーであり、多価カルボン酸とポリオールとの重縮合等によって得ることができる。当該インナーライナーのガスバリア性樹脂として用いられるポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリグリコール酸(PGA)、芳香族系液晶ポリエステル等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。これらのポリエステルの中でも、ガスバリア性の高さの点から、PGA及び全芳香族系液晶ポリエステルが好ましい。
PGAは、−O−CH2−CO−で表される構造単位(GA)を有する単独重合体又は共重合体である。PGAにおける上記構造単位(GA)の含有割合は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。また、この上限としては100質量%が好ましい。構造単位(GA)の含有割合が上記下限より小さいと、ガスバリア性が十分に発揮されないおそれがある。
シュウ酸エチレン(1,4−ジオキサン−2,3−ジオン)、ラクチド、ラクトン類(例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、ピバロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等)、トリメチレンカーボネート、1,3−ジオキサン等の環状モノマー;
乳酸、3−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、6−ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカルボン酸又はそのアルキルエステル;
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族ジオールと、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルとの実質的に等モルの混合物;
等を、グリコリド、グリコール酸又はグリコール酸アルキルエステルと適宜組み合わせて共重合する方法を挙げることができる。
全芳香族系液晶ポリエステルは、モノマーである多価カルボン酸とポリオールとが共に芳香族系の化合物である液晶性のポリエステルである。この全芳香族系液晶ポリエステルは、通常のポリエステルと同様、公知の方法で重合して得ることができる。
以下、本発明のインナーライナーのガスバリア性樹脂として好適に用いられるEVOHについて詳説する。
G≦1.58−0.0244×E ・・・(1)
B層は、エラストマーを含む樹脂組成物からなる層である。当該インナーライナーは、エラストマーを含む樹脂組成物からなるB層を積層することで、延伸性及び熱成形性を向上することができる。また、当該インナーライナーは、このB層とA層との層間接着性を強固にすることができるので、耐久性が高く、変形させて使用してもガスバリア性や延伸性を維持できる。
ポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、芳香族ビニル系重合体ブロック(ハードセグメント)と、ゴムブロック(ソフトセグメント)とを有し、芳香族ビニル系重合体部分が物理架橋を形成して橋かけ点となり、一方、ゴムブロックがゴム弾性を付与する。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、ハードセグメントにポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンを、ソフトセグメントとしてエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム等を用いた熱可塑性エラストマーを挙げることができる。これには、ブレンド型とインプラント化型がある。また、無水マレイン酸変性エチレン−ブテン−1共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体、ハロゲン化ブチル系ゴム、変性ポリプロピレン、変性ポリエチレン等も挙げることができる。
ポリジエン系熱可塑性エラストマーとしては、1,2−ポリブタジエン系TPE及びトランス1,4−ポリイソプレン系TPE、水添共役ジエン系TPE、エポキシ化天然ゴム、これらの無水マレイン酸変性物等を挙げることができる。
ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPVC)は、一般に、下記の3種のタイプのものが挙げられる。なお、このTPVCも、無水マレイン酸変性PVC等の変性物を用いてもよい。
このタイプのTPVCは、ハードセグメントに高分子量のPVCを用いて微結晶部分で架橋点の働きを持たせ、ソフトセグメントに可塑剤で可塑化されたPVCを用いたものである。
このタイプのTPVCは、ハードセグメントに部分架橋又は分岐構造を導入したPVCを、ソフトセグメントに可塑剤で可塑化されたPVCを用いたものである。
このタイプのTPVCは、ハードセグメントにPVCを、ソフトセグメントに部分架橋NBR、ポリウレタン系TPE、ポリエステル系TPE等のゴム、TPEを用いたものである。
塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマーは、ポリエチレンを水性懸濁液として、あるいは四塩化炭素等の溶媒中で、塩素ガスと反応させて得られる軟質樹脂である。CPEは、ハードセグメントには結晶性ポリエチレン部が、ソフトセグメントには塩素化ポリエチレン部が用いられる。CPEには、両部がマルチブロック又はランダム構造として混在している。
ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)は、分子中のハードセグメントとしてポリエステルを、ソフトセグメントとしてガラス転移温度(Tg)の低いポリエーテル又はポリエステルを用いたマルチブロックコポリマーである。TPEEは分子構造によって以下のようなタイプがあるが、その中でも(1)ポリエステル・ポリエーテル型及び(2)ポリエステル・ポリエステル型が一般的である。
このタイプのTPEEは、一般的には、ハードセグメントとして芳香族系結晶性ポリエステルを、ソフトセグメントとしてはポリエーテルを用いたものである。
このタイプのTPEEは、ハードセグメントとして芳香族系結晶性ポリエステルを、ソフトセグメントに脂肪族系ポリエステルを用いたものである。
このタイプのTPEEは、特別なものとして、ハードセグメントとして剛直な液晶分子を、ソフトセグメントとして脂肪族系ポリエステルを用いたものである。
ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)は、ハードセグメントとしてポリアミドを、ソフトセグメントとしてTgの低いポリエーテルやポリエステルを用いたマルチブロックコポリマーである。ポリアミド成分は、ナイロン6、66、610、11、12等から選択され、ナイロン6又はナイロン12が一般的である。
フッ素樹脂系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてのフッ素樹脂と、ソフトセグメントとしてのフッ素ゴムとからなるABA型ブロックコポリマーである。ハードセグメントのフッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合ポリマー又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)が用いられ、ソフトセグメントのフッ素ゴムには、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合ポリマー等が用いられる。より具体的には、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴム、四フッ化エチレン−パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系フッ素ゴムや、フルオロポリエーテル、フルオロニトロソゴム、パーフルオロトリアジンを含むものが挙げられる。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)は、(1)ハードセグメントとして短鎖グリコール(低分子ポリオール)とイソシアネートの反応で得られるポリウレタンと、(2)ソフトセグメントとして長鎖グリコール(高分子ポリオール)とイソシアネートの反応で得られるポリウレタンとの、直鎖状のマルチブロックコポリマー等である。ここでポリウレタンとは、イソシアネート(−NCO)とアルコール(−OH)の重付加反応(ウレタン化反応)で得られる、ウレタン結合(−NHCOO−)を有する化合物の総称である。
当該インナーライナーは、隣接するA層及びB層の少なくとも一方の樹脂組成物中に金属塩を含むことが好ましい。このように隣接するA層及びB層の少なくとも一方に金属塩を含むことによって、非常に優れたA層及びB層の層間接着性が発揮される。このような非常に優れた層間接着性により、当該インナーライナーが高い耐久性を有している。かかる金属塩が層間接着性を向上させる理由は、必ずしも明らかではないが、A層の樹脂組成物中のガスバリア性樹脂とB層の樹脂組成物中のエラストマーとの間で起こる結合生成反応が、金属塩の存在によって加速されること等が考えられる。そのような結合生成反応としては、TPUのカーバメート基やポリアミドのアミノ基等とガスバリア性樹脂の水酸基等との間で起こる水酸基交換反応や、TPU中の残存イソシアネート基へのガスバリア性樹脂の水酸基等の付加反応、ポリアミドの末端カルボキシル基とEVOHの水酸基とのアミド生成反応、その他ガスバリア性樹脂と接着性樹脂との間で起こる結合性反応等が考えられる。なお、金属塩はA層の樹脂組成物とB層の樹脂組成物の両方に含有されていてもよく、A層の樹脂組成物又はB層の樹脂組成物のどちらか一方に含有されていてもよい。
A層及びB層を構成する樹脂組成物は、上記金属塩等以外にも、種々の成分を含有することができる。そのような成分としては、例えば、酸素掃去剤が挙げられる。この酸素掃去剤は、B層を構成する樹脂組成物が接着性樹脂を含む場合、特に好適に用いることができる。酸素掃去剤は、A層及びB層を構成する樹脂組成物のいずれにも含有させることができるが、A層の樹脂組成物に含有させることが好ましい。
酸素掃去能を有する熱可塑性樹脂としては、酸素を掃去することができる熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、例えば、炭素−炭素二重結合を有するエチレン系不飽和炭化水素のポリマー又はポリマーのブレンド(分子量1,000以下かつ共役二重結合を有するものを除く)(以下、単に「不飽和炭化水素ポリマー」ともいう。)等が挙げられる。
不飽和炭化水素ポリマーは、置換基を有していてもよく、非置換であってもよい。非置換の不飽和炭化水素ポリマーは少なくとも1つの脂肪族炭素−炭素二重結合を有しかつ100質量%の炭素及び水素からなる任意の化合物と定義される。また、置換された不飽和炭化水素ポリマーは、少なくとも1つの脂肪族炭素−炭素二重結合を有し、そして約50〜99質量%の炭素及び水素からなるエチレン系不飽和炭化水素として定義される。好ましい非置換又は置換の不飽和炭化水素ポリマーは1分子あたり2以上のエチレン系不飽和基を有するものである。より好ましくは、それは2以上のエチレン系不飽和基を有し、かつ1,000に等しいか、あるいはそれより大きい質量平均分子量を有するポリマー化合物である。エチレン系不飽和炭化水素のポリマーのブレンドは、2種またはそれ以上の置換または非置換のエチレン系不飽和炭化水素の混合物からなることができる。
このような不飽和炭化水素ポリマーの中でも、酸素掃去性が非常に高く、また、当該インナーライナーの樹脂組成物に非常に容易に含有させることができる観点から、実質的に主鎖のみに炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂(以下、単に「二重結合含有熱可塑性樹脂」ともいう。)(分子量1,000以下かつ共役二重結合を有するものを除く)が特に好ましい。ここで、熱可塑性樹脂が「実質的に主鎖のみに炭素−炭素二重結合を有する」とは、熱可塑性樹脂の主鎖に存在する炭素−炭素二重結合が分子内の主鎖又は側鎖に含まれる全炭素−炭素二重結合の90%以上であることをいう。主鎖に存在する炭素−炭素二重結合は、好ましくは93%以上、さらに好ましくは95%以上である。
樹脂組成物は、上記不飽和炭化水素ポリマー(二重結合含有熱可塑性樹脂を含む)とともに、さらに遷移金属塩(上記金属塩を除く)を含むことが好ましい。このような遷移金属塩を、上記不飽和炭化水素ポリマーとともに含有することによって、得られるインナーライナーの酸素掃去機能がさらに向上する結果、ガスバリア性がさらに高くなる。この理由としては、遷移金属塩が、上記不飽和炭化水素ポリマーと当該インナーライナーの内部に存在する酸素又は当該インナーライナー中を透過しようとする酸素との反応を促進するためであること等が考えられる。
A層及びB層を構成する樹脂組成物のその他の含有成分として、乾燥剤が挙げられる。この乾燥剤も、B層を構成する樹脂組成物が接着性樹脂を含む場合、特に好適に用いることができる。乾燥剤は、A層及びB層を構成する樹脂組成物のいずれにも含有させることができるが、A層の樹脂組成物に含有させることが好ましい。
当該インナーライナーにおいて、隣接するA層とB層との層間接着力は、450g/15mm以上が好ましく、500g/15mm以上がより好ましく、600g/15mm以上がさらに好ましく、700g/15mm以上がさらに好ましく、800g/15mm以上が特に好ましい。このようにA層とB層との層間接着力を上記範囲とすることで、非常に優れる層間接着性を有することとなり、当該インナーライナーの高いガスバリア性等の特性が延伸や屈曲等の変形に対しても維持され、非常に高い耐久性を有する。ここで、A層とB層との層間接着力とは、幅15mmの測定試料を用い、23℃、50%RHの雰囲気下、オートグラフを用いて、引張速度250mm/分の条件で測定したA層とB層とのT型剥離強度の値(単位:g/15mm)をいう。
当該インナーライナーの製造方法は、A層とB層とが良好に積層・接着される方法であれば特に限定されるものではなく、例えば共押出し、はり合わせ、コーティング、ボンディング、付着等の公知の方法を採用することができる。当該インナーライナーの製造方法としては、具体的には、(1)EVOH等のガスバリア性樹脂を含むA層用樹脂組成物とエラストマーを含むB層用樹脂組成物とを用い、多層共押出法によりA層及びB層を有するインナーライナーを製造する方法や、(2)EVOH等のガスバリア性樹脂を含むA層用樹脂組成物とエラストマーを含むB層用樹脂組成物とを用い、まず共押出法によりA層となる層及びB層となる層を有する積層体を製造し、接着剤を介して複数の積層体を重ね合わせ、延伸することでA層及びB層を有するインナーライナーを製造する方法等が例示される。この中でも、生産性が高く、層間接着性に優れる観点から、(1)のEVOH等のガスバリア性樹脂を含む樹脂組成物とエラストマーを含む樹脂組成物とを用いた多層共押出法により成形する方法が好ましい。
当該インナーライナーは、上述のように高いガスバリア性、延伸性、熱成形性を有し、かつ延伸や屈曲等の変形をさせて使用しても、クラックが生じにくい等耐久性に優れ、ガスバリア性等の特性を維持することができる。そのため、当該インナーライナーは、各種車等の空気入りタイヤ用のインナーライナーとして好適に使用される。
本発明のインナーライナーは、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、A層及びB層以外に他の層を含んでいてもよい。この他の層を構成する樹脂組成物の種類は、特に限定されないが、A層及び/又はB層との間の接着性が高いものが好ましい。他の層としては、A層中のガスバリア性樹脂の有する水酸基等や、B層中の官能基(例えばTPUの分子鎖中のカーバメート基又はイソシアネート基)と反応して、結合を生成する官能基を有する分子鎖を有しているものが特に好ましい。
冷却装置及び攪拌機を有する重合槽に酢酸ビニル20,000質量部、メタノール1,020質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)3.5質量部を仕込み、攪拌しながら窒素置換後、エチレンを導入、内温60℃、エチレン圧力59Kg/cm2に調節し、4時間、その温度及び圧力を保持、攪拌し重合させた。次いで、ソルビン酸(SA)10質量部(仕込み酢酸ビニルに対して0.05質量%)をメタノールに溶解し、1.5質量%溶液にして添加した。重合率は、仕込み酢酸ビニルに対して30%であった。この共重合反応液を追出に供給し、塔下部からのメタノール蒸気の導入により未反応酢酸ビニルを塔頂より除去した後、この共重合体の40質量%のメタノール溶液を得た。この共重合体はエチレン単位含有量44.5モル%、酢酸ビニル単位含有量55.5モル%であった。
冷却装置及び攪拌機を有する重合槽に酢酸ビニル20,000質量部、メタノール1020質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)3.5質量部を仕込み、攪拌しながら窒素置換後、エチレンを導入、内温60℃、エチレン圧力59Kg/cm2に調節し、4時間、その温度及び圧力を保持、攪拌し重合させた。次いで、ソルビン酸(SA)10質量部(仕込み酢酸ビニルに対して0.05質量%)をメタノールに溶解し、1.5質量%溶液にして添加した。重合率は、仕込み酢酸ビニルに対して30%であった。この共重合反応液を追出に供給し、塔下部からのメタノール蒸気の導入により未反応酢酸ビニルを塔頂より除去した後、この共重合体の40質量%のメタノール溶液を得た。この共重合体はエチレン単位含有量44.5モル%、酢酸ビニル単位含有量55.5モル%であった。
樹脂フィード口/シリンダー部入口/アダプター/ダイ
=160/200/240/240(℃)
スクリュー回転数:400rpm
エチレン−ビニルアルコール共重合体フィード量:16kg/hr
エポキシプロパンフィード量:2.4kg/hrの割合(フィード時の圧力6MPa)
触媒溶液フィード量:0.32kg/hr
触媒調整:亜鉛アセチルアセトナート一水和物28質量部を、1,2−ジメトキシエタン957質量部と混合し、混合溶液を得た。得られた混合溶液に、攪拌しながらトリフルオロメタンスルホン酸15質量部を添加し、触媒溶液を得た。すなわち、亜鉛アセチルアセトナート一水和物1モルに対して、トリフルオロメタンスルホン酸1モルを混合した溶液を調整した。
得られたEVOH2のエチレン単位及びビニルアルコール単位以外の構造単位(II)の導入量(エポキシブタン変性量)は1H−NMR(内部標準物質:テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)の測定より、5.8モル%であった。また、このEVOH2の融点は106℃であった。
(流出開始温度)
高化式フローテスターを用いて昇温法によって3℃間隔でポリマー流出速度を測定し(ノズル:孔径1mm,孔長10mm;荷重:100kgf;昇温速度:5℃/分)、ポリマー流出速度を1×10−3〜5×10−3ml/秒の範囲で温度に対してプロットし、流出速度が0ml/秒となる温度を外挿法によって求め、それを流出開始温度とした。
高化式フローテスター(株式会社島津製作所製)を使用して、80℃で2時間減圧乾燥(1.3×103Pa〔10Torr〕以下)したTPUの溶融粘度を、荷重490.3N(50kgf)、ノズル寸法=直径1mm×長さ10mm、温度200℃の条件下で測定した。
数平均分子量が1000であるポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を、PTMEG:1,4−BD:MDI=1.0:1.2:2.2のモル比で、且つこれらの合計供給量が200g/分となるようにして同軸方向に回転する二軸スクリュー型押出機(30mmφ、L/D=36;加熱ゾーンを前部、中央部、後部の3つの帯域に分けた)の加熱ゾーンの前部に連続的に供給して、260℃で連続溶融重合させた。得られた溶融物をストランド状に水中に連続的に押し出し、次いでペレタイザーで切断して、得られたペレットを60℃で12時間除湿乾燥することによってTPU1を製造した。得られたTPU1の溶融粘度は1080Pa・s、流出開始温度は171℃であった。
上記製造例3の熱可塑性ポリウレタン組成をPTMEG:1,4−BD:MDI=1.0:1.4:2.4に変更した以外は、製造例3と同様にしてTPU2の製造を行った。得られたTPU2の溶融粘度は3210Pa・s、流出開始温度は185℃であった。
上記製造例3の熱可塑性ポリウレタン組成をPTMEG:1,4−BD:MDI=1.0:0.6:1.6に変更した以外は、製造例3と同様にしてTPU3の製造を行った。得られたTPU3の溶融粘度は1115Pa・s、流出開始温度は145℃であった。
上記製造例3の熱可塑性ポリウレタン組成をPTMEG:1,4−BD:MDI=1.0:0.4:1.4に変更した以外は、製造例3と同様にしてTPU4の製造を行った。得られたTPU3の溶融粘度は1043Pa・s、流出開始温度は123℃であった。
MFRが2.4g/10分(190℃、2,160g荷重下)、密度0.92g/cm3の低密度ポリエチレン100質量部、無水マレイン酸12質量部、t−ブチルベンゼン330質量部を混合し、窒素雰囲気にした後、160℃にて低密度ポリエチレンを溶解させた。溶解後、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.7質量部をt−ブチルベンゼン17質量部に混合したものを攪拌しながら加え、2時間反応させた。次いで反応液を取り出し、室温で攪拌させることで、粉体にて樹脂を析出させた。得られた粉体をアセトンにて洗浄後、真空乾燥させることで白色粉末の無水マレイン酸変性低密度ポリエチレンMAh−PEを得た。得られたMAh−PEの融点は105℃であった。
TPU1(外層)/9層のEVOH1(A層)及び8層のTPU1(B層)が交互に積層される多層構造/TPU1(内層)の多層構造体(インナーライナー)を以下の方法で製造した。19層フィードブロックにて、共押出機に190℃の溶融状態として各樹脂を供給し、共押出を行い合流させることによって、多層構造体を得た。合流するEVOH1及びTPU1の溶融物は、フィードブロック内にて各層流路を表面側から中央側に向かうにつれ徐々に厚くなるように変化させることにより、押出された多層構造体の各層の厚みが均一になるように押出された。また、隣接するA層とB層の層厚みはほぼ同じになるようにスリット形状を設計した。このようにして得られた計19層からなる積層体を、表面温度25℃に保たれ静電印加したキャスティングドラム上で急冷固化した。急冷固化して得られたキャストフィルムを離型紙上に圧着し巻取りを行った。なお、EVOH1及びTPU1の溶融物が合流してからキャスティングドラム上で急冷固化されるまでの時間が約4分となるように流路形状及び総吐出量を設定した。
表1に記載されている樹脂を採用し、表1に記載のA層及びB層の厚みとなるように、かつ表1に記載の溶融温度で共押出を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、これらの実施例及び比較例に係る多層構造体(インナーライナー)を製造した。
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた多層構造体の各特性は、以下の記載の方法に従って評価した。これらの特性の評価結果を表1に示す。
得られた多層構造体の流れ斑、ストリーク、及びフィッシュアイの有無を目視にて確認した。多層構造体の外観を、以下の基準に従って判断した。
◎:流れ斑、ストリーク、フィッシュアイは皆無に近かった。
○:流れ斑、ストリーク、フィッシュアイが存在するが、少なかった。
△:流れ斑、ストリーク、フィッシュアイが、目立つ程度に存在した。
×:流れ斑、ストリークが著しく、フィッシュアイが多数存在した。
得られた多層構造体を、20℃−65%RHで5日間調湿し、調湿済みの多層構造体のサンプルを2枚使用して、モダンコントロ−ル社製 MOCON OX−TRAN2/20型を用い、20℃−65%RH条件下でJIS−K7126(等圧法)に記載の方法に準じて、酸素透過速度を測定し、その平均値を求めた(単位:mL・20μm/m2・day・atm)。
ASTM−F392−74に準じて、理学工業社製「ゲルボフレックステスター」を使用し、屈曲を5,000回繰り返した後、上記同様に多層構造体の酸素透過速度を測定した。
得られた多層構造体に、電子線加速機[日新ハイボルテージ社製、機種名「キュアトロンEB200−100」]により、加速電圧200kV、照射線量200kGyの電子線を照射した。電子線照射後の多層構造体をインナーライナーとして用いて、常法により、断面構成が図1に示される構造で、サイズ:195/65R15の乗用車用空気入りタイヤを作成した。上記作成の空気入りタイヤについて、空気圧140kPaとし、80km/hの速度に相当する回転数のドラム上に荷重6kNで押しつけて、10,000km走行を室温下で実施した。ドラム走行後の空気入りタイヤのインナーライナーの外観を目視観察して、亀裂(クラック)の有無を確認した。
上記(4)と同様にして空気入りタイヤを作成した。上記作成の空気入りタイヤについて、空気圧140kPaとし、80km/hの速度に相当する回転数のドラム上に荷重6kNで押しつけて、10,000km走行を−30℃の条件で実施した。ドラム走行後の空気入りタイヤのインナーライナーの外観を目視観察して、亀裂(クラック)の有無を以下の基準に従って判断した。
◎:亀裂(クラック)なし
○:亀裂(クラック)が3箇所以下
×:亀裂(クラック)が4箇所以上
実施例1で得られた多層構造体を用いて、電子線照射による架橋を行わなかったこと以外は上記(4)と同様にして空気入りタイヤを作成し、室温下での室内ドラム評価を行った。ドラム走行後の空気入りタイヤのインナーライナーの外観を目視観察したところ、亀裂(クラック)が発生していた。
2 ビード部
3 サイドウォール部
4 トレッド部
5 カーカス
6 ベルト
7 インナーライナー
8 ビードコア
9 ベルト補強層
Claims (15)
- 8層以上の樹脂層を備える空気入りタイヤ用インナーライナーであって、
この樹脂層として、ガスバリア性樹脂を含む樹脂組成物からなるA層と、このA層に隣接し、エラストマーを含む樹脂組成物からなるB層とを有し、
以下の測定条件下でのA層の樹脂組成物の伸張粘度ηAとB層の樹脂組成物の伸張粘度ηBとが共に1,000Pa・s以上であり、かつ、この伸張粘度比ηA/ηBが0.2以上10以下であることを特徴とするインナーライナー。
(測定条件)
温度:A層の樹脂組成物の融点及びB層の樹脂組成物の融点における高い方の融点(融点がない樹脂組成物については流出開始温度)より25℃高い温度
伸張速度:500(1/sec) - 上記A層とB層とが交互に積層されている請求項1に記載のインナーライナー。
- 上記A層及び/又はB層の一層の平均厚みが0.01μm以上10μm以下である請求項1又は請求項2に記載のインナーライナー。
- 上記A層の樹脂組成物の伸張粘度ηAとこの一層の平均厚みTAとの積ηA・TA、及び上記B層の樹脂組成物の伸張粘度ηBとこの一層の平均厚みTBとの積ηB・TBが、共に500Pa・s・μm以上500,000Pa・s・μm以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のインナーライナー。
- 上記積ηA・TAとηB・TBとの比(ηA・TA)/(ηB・TB)が0.01以上100以下である請求項4に記載のインナーライナー。
- 厚みが0.1μm以上1,000μm以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインナーライナー。
- 上記ガスバリア性樹脂が、エチレン−ビニルアルコール共重合体である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインナーライナー。
- 上記エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン単位含有量が3モル%以上70モル%以下である請求項7に記載のインナーライナー。
- 上記エチレン−ビニルアルコール共重合体のケン化度が80モル%以上である請求項7又は請求項8に記載のインナーライナー。
- 上記エチレン−ビニルアルコール共重合体が、下記構造単位(I)及び(II)からなる群より選ばれる少なくとも1種を有し、
これらの構造単位(I)又は(II)の全構造単位に対する含有量が0.5モル%以上30モル%以下である請求項7、請求項8又は請求項9に記載のインナーライナー。
式(II)中、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は水酸基を表す。また、R4とR5又はR6とR7とは結合していてもよい(但し、R4とR5又はR6とR7が共に水素原子の場合は除く)。また、上記炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基は、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基又はハロゲン原子を有していてもよい。) - 上記エラストマーが、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリジエン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、塩素化ポリエチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー及びフッ素樹脂系エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のインナーライナー。
- 上記A層及びB層が、活性エネルギー線の照射により架橋されてなる請求項1から11のいずれか1項に記載のインナーライナー。
- 上記A層とB層との界面で結合反応が生じている請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のインナーライナー。
- 請求項12に記載のインナーライナーを備える空気入りタイヤ。
- 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のインナーライナーの製造方法であって、
ガスバリア性樹脂を含む樹脂組成物とエラストマーを含む樹脂組成物とを用いた多層共押出法により成形する工程を有することを特徴とするインナーライナーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013518108A JP5857045B2 (ja) | 2011-05-31 | 2012-05-29 | 空気入りタイヤ用インナーライナー、その製造方法及び空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011121993 | 2011-05-31 | ||
JP2011121993 | 2011-05-31 | ||
JP2013518108A JP5857045B2 (ja) | 2011-05-31 | 2012-05-29 | 空気入りタイヤ用インナーライナー、その製造方法及び空気入りタイヤ |
PCT/JP2012/063809 WO2012165441A1 (ja) | 2011-05-31 | 2012-05-29 | 空気入りタイヤ用インナーライナー、その製造方法及び空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2012165441A1 true JPWO2012165441A1 (ja) | 2015-02-23 |
JP5857045B2 JP5857045B2 (ja) | 2016-02-10 |
Family
ID=47259295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013518108A Active JP5857045B2 (ja) | 2011-05-31 | 2012-05-29 | 空気入りタイヤ用インナーライナー、その製造方法及び空気入りタイヤ |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US10183432B2 (ja) |
EP (1) | EP2716474B1 (ja) |
JP (1) | JP5857045B2 (ja) |
CN (1) | CN103648798B (ja) |
BR (1) | BR112013030356B1 (ja) |
WO (1) | WO2012165441A1 (ja) |
Families Citing this family (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6144957B2 (ja) * | 2013-04-30 | 2017-06-07 | 株式会社ブリヂストン | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
US9579840B2 (en) * | 2013-10-02 | 2017-02-28 | Kuraray Co., Ltd. | Blow-molded container, fuel container, blow-molded bottle container, and production method of blow-molded container |
US10377112B2 (en) | 2014-09-12 | 2019-08-13 | Nike, Inc. | Membranes and uses therof |
EP3199568B1 (en) * | 2014-09-24 | 2020-12-16 | Bridgestone Corporation | Tire |
US10611190B2 (en) | 2014-09-29 | 2020-04-07 | Bridgestone Corporation | Tire |
DE102015219296A1 (de) * | 2015-10-06 | 2017-04-06 | Continental Reifen Deutschland Gmbh | Selbstdichtender Fahrzeugluftreifen |
WO2017209212A1 (ja) * | 2016-05-31 | 2017-12-07 | 株式会社クラレ | フィルム、成形体及びフィルムの製造方法 |
US11207919B2 (en) | 2016-06-21 | 2021-12-28 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Methods for treating inner liner surface, inner liners resulting therefrom and tires containing such inner liners |
WO2018005295A1 (en) | 2016-06-29 | 2018-01-04 | Nike Innovate C.V. | Multi-layered structures and uses thereof |
WO2018005810A1 (en) | 2016-06-30 | 2018-01-04 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Methods for treating inner liners, inner liners resulting therefrom and tires containing such inner liners |
JP6848062B2 (ja) | 2016-12-15 | 2021-03-24 | ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー | 硬化したインナーライナー上にポリマー含有コーティングを生成する方法、かかるインナーライナーを含むタイヤを製造する方法、及びかかるインナーライナーを含むタイヤ |
WO2018112125A1 (en) | 2016-12-15 | 2018-06-21 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Sealant-containing tire and related processes |
JP6862869B2 (ja) * | 2017-01-31 | 2021-04-21 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ |
JP7155672B2 (ja) * | 2018-07-02 | 2022-10-19 | 横浜ゴム株式会社 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
JP7318153B1 (ja) * | 2021-12-24 | 2023-07-31 | 株式会社クラレ | 変性エチレン-ビニルアルコール共重合体の製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1025375A (ja) * | 1996-07-12 | 1998-01-27 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 熱可塑性エラストマー組成物及びこれを使用した空気入りタイヤ、ホース |
JP2010095150A (ja) * | 2008-10-16 | 2010-04-30 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ |
Family Cites Families (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4503121A (en) * | 1981-12-29 | 1985-03-05 | Union Carbide Corporation | Laminate compositions with polyarylate and poly(aryl ether) |
US4585701A (en) * | 1984-02-15 | 1986-04-29 | Pennwalt Corporation | Composites of polyvinylidene fluoride alloys and thermoplastic polymers and their preparation |
US4928741A (en) | 1986-11-14 | 1990-05-29 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Rubber tire having polyvinylidene chloride/elastomer inner liner coating |
US4898784A (en) * | 1987-12-30 | 1990-02-06 | Shell Oil Company | Tie layer composition and laminated structures containing same |
US5202074A (en) * | 1989-12-26 | 1993-04-13 | The Dow Chemical Company | Method for producing injection molded multilayer articles |
JPH0640207A (ja) * | 1992-07-24 | 1994-02-15 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤ及びその製造方法 |
US6013340A (en) * | 1995-06-07 | 2000-01-11 | Nike, Inc. | Membranes of polyurethane based materials including polyester polyols |
US5780573A (en) * | 1995-06-13 | 1998-07-14 | Kuraray Co., Ltd. | Thermoplastic polyurethanes and molded articles comprising them |
US6062283A (en) * | 1996-05-29 | 2000-05-16 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Pneumatic tire made by using lowly permeable thermoplastic elastomer composition in gas-barrier layer and thermoplastic elastomer composition for use therein |
PL190701B1 (pl) | 1998-09-11 | 2005-12-30 | Nike International | Przepona barierowa elastomeryczna, element amortyzujący oraz but zawierający co najmniej jeden element pęcherzowy pod ciśnieniem |
JP2003512201A (ja) | 1999-10-15 | 2003-04-02 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 順応性多層フィルム |
JP4524965B2 (ja) * | 2001-07-13 | 2010-08-18 | 横浜ゴム株式会社 | 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
JP5473335B2 (ja) | 2006-01-10 | 2014-04-16 | 横浜ゴム株式会社 | 低空気透過性を有する熱可塑性ポリマー組成物のラミネート及びそれをインナーライナーとして使用した空気入りタイヤ |
EP2036743A4 (en) * | 2006-06-02 | 2010-08-04 | Bridgestone Corp | TIRE |
JP5592616B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2014-09-17 | 株式会社ブリヂストン | フィルム、タイヤ用インナーライナー及びそれを用いたタイヤ |
JP2009274680A (ja) * | 2008-05-16 | 2009-11-26 | Bridgestone Corp | 重荷重用タイヤ |
CN102712181B (zh) | 2009-12-01 | 2015-10-14 | 可乐丽股份有限公司 | 充气轮胎用内衬及其制造方法 |
KR20150038720A (ko) | 2010-10-01 | 2015-04-08 | 가부시키가이샤 구라레 | 다층 구조체, 이것을 이용한 이너 라이너 및 공기식 타이어 |
-
2012
- 2012-05-29 EP EP12794028.6A patent/EP2716474B1/en active Active
- 2012-05-29 WO PCT/JP2012/063809 patent/WO2012165441A1/ja active Application Filing
- 2012-05-29 JP JP2013518108A patent/JP5857045B2/ja active Active
- 2012-05-29 BR BR112013030356-5A patent/BR112013030356B1/pt active IP Right Grant
- 2012-05-29 US US14/122,353 patent/US10183432B2/en active Active
- 2012-05-29 CN CN201280026125.0A patent/CN103648798B/zh active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1025375A (ja) * | 1996-07-12 | 1998-01-27 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 熱可塑性エラストマー組成物及びこれを使用した空気入りタイヤ、ホース |
JP2010095150A (ja) * | 2008-10-16 | 2010-04-30 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2012165441A1 (ja) | 2012-12-06 |
CN103648798A (zh) | 2014-03-19 |
EP2716474A1 (en) | 2014-04-09 |
US10183432B2 (en) | 2019-01-22 |
BR112013030356A2 (pt) | 2017-07-11 |
BR112013030356B1 (pt) | 2020-06-23 |
EP2716474A4 (en) | 2014-08-27 |
EP2716474B1 (en) | 2018-03-21 |
JP5857045B2 (ja) | 2016-02-10 |
CN103648798B (zh) | 2016-04-20 |
US20140124114A1 (en) | 2014-05-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5857045B2 (ja) | 空気入りタイヤ用インナーライナー、その製造方法及び空気入りタイヤ | |
JP5583223B2 (ja) | 多層構造体、これを用いたインナーライナー及び空気入りタイヤ | |
JP5611233B2 (ja) | 空気入りタイヤ用インナーライナー及びその製造方法 | |
JP5804776B2 (ja) | 多層構造体及びその製造方法 | |
JP5707237B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5718161B2 (ja) | 多層構造体、空気入りタイヤ用インナーライナー及び空気入りタイヤ | |
JP5718160B2 (ja) | 多層構造体、空気入りタイヤ用インナーライナー及び空気入りタイヤ | |
JP6162920B2 (ja) | ランフラットタイヤ | |
JP6075937B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP6118492B2 (ja) | タイヤの製造方法 | |
JP2018193490A (ja) | ゴム組成物、それを用いたゴム、インナーライナー、及び空気入りタイヤ | |
JP6088125B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP6139817B2 (ja) | 多層構造体、空気入りタイヤ用インナーライナー及び空気入りタイヤ | |
JP2012250576A (ja) | 多層構造体、空気入りタイヤ用インナーライナー及び空気入りタイヤ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150331 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150515 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150728 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150924 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151117 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151214 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5857045 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |