JPWO2012147502A1 - 二次電池用非水電解液および非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

本発明は、電解質、溶媒および添加剤を含む二次電池用非水電解液であって、前記添加剤が下記式(1)で表わされる化合物を含有し、前記化合物の含有率が、前記溶媒全体100質量部に対して0.05〜10質量%であることを特徴とする二次電池用非水電解液である。本発明の非水電解液二次電池を用いた非水電解液二次電池は、低温から高温にいたるまでの高い充放電特性を有し、さらに高い高温特性および過充電特性を有する。[化1](式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、メチル基またはアミノ基であり、nは1、2または4であり、Yは、nが1である場合には水素原子または1価の有機基であり、nが2である場合には2価の有機基であり、nが4である場合には4価の有機基である。)

Description

本発明は、二次電池用非水電解液および非水電解液二次電池に関し、詳しくは、充放電特性に優れた非水電解液二次電池、および該非水電解液二次電池に用いられる二次電池用非水電解液に関する。
近年、金属リチウムもしくはリチウムイオンを吸蔵または放出し得る合金、または炭素材料などを負極活物質とし、化学式 LiMO2(Mは遷移金属)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物やオリビン構造を持つリン酸鉄リチウムなどを正極材料とする非水電解液二次電池が、高エネルギー密度を有する電池として注目されている。
非水電解液に用いられる電解液としては、非プロトン性有機溶媒に、電解質としてLiPF6、LiBF4、LiClO4などのリチウム塩を溶解したものが通常使用されている。非プロトン性溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどのカーボネート類、γ−ブチロラクトン、酢酸メチルなどのエステル類、ジエトキシエタンなどのエーテル類などが通常使用されている。
さらに特許文献1、2ではLi212X12-Xで表わされるフルオロドデカホウ酸リチウム(ただし式中、Xが8以上12以下の整数であり、ZがH、Cl、またはBrである。)を電解質に用いることが熱安定性や過充電特性に良いことが報告されている。
しかしながら、従来技術であるLiPF6やフルオロドデカホウ酸リチウムを用いた電池であっても、サイクル性などの電池特性は不十分であった。これは負極側または正極側での電池の充電中または高電圧での放置中に電解液、特に溶媒が分解して電池を劣化させるからであると考えられる。そこで、非特許文献1にあるように負極表面や正極表面に適したイオン導電性の保護膜を形成する添加剤を使用することが有効であると考えられる。
特開2007−87883号公報 特許第4414306号公報
GS News Technical Report 2003年6月第62巻1号
以上のように、リチウムイオン電池の充放電効率を改善するために、種々の添加剤や溶媒、電解質が提案されているが、低温から高温にいたるまでの充放電特性を改善するには充分ではない。また、Li212X12-Xで表わされるフルオロドデカホウ酸リチウムは高温特性や過充電での劣化を抑制する効果は大きいが、サイクル特性などの充放電特性を改善する効果は小さい。
本発明の目的は、非水電解液二次電池の低温から高温にいたるまでの充放電特性を改善できる非水電解液およびそれを用いた非水電解液二次電池を得ることである。さらに非水電解液二次電池の高温特性や過充電特性までも大幅に改善できる非水電解液およびそれを用いた非水電解液二次電池を得ることにある。
前記目的を達成する本発明は、下記[1]〜[8]に要約される。
[1]電解質、溶媒および添加剤を含む二次電池用非水電解液であって、
前記添加剤が下記式(1)で表わされる化合物を含有し、
Figure 2012147502
(式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、メチル基またはアミノ基であり、nは1、2または4であり、Yは、nが1である場合には水素原子または1価の有機基であり、nが2である場合には2価の有機基であり、nが4である場合には4価の有機基である。)
前記化合物の含有量が、前記溶媒全体100質量部に対して0.05〜10質量部であることを特徴とする二次電池用非水電解液。
[2]前記式(1)で表わされる化合物が、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、N,N'−ビス(アクリロイルオキシエチル)ウレア、2,2-ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートジエチレンオキサイド、2,2-ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートトリエチレンオキサイド、テトラキス(アクリロイルオキシメチル)ウレア、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、アミノクロトン酸メチル、アミノクロトン酸エチルおよびクロトン酸ビニルからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記[1]に記載の二次電池用非水電解液。
[3]前記電解質が、式Li212X12-Xで表わされるフルオロドデカホウ酸
リチウム(式中、Xは8〜12の整数であり、ZはH、Cl、またはBrである。)と、LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種とを含有し、前記フルオロドデカホウ酸リチウムの濃度が電解液全体に対して0.2mol/L以上であり、前記LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種の合計の濃度が電解液全体に対して0.05mol/L以上であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の二次電池用非水電解液。
[4]前記フルオロドデカホウ酸リチウムの含有量Aと前記のLiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種の含有量Bとの比(A:B)がモル比で90:10〜50:50であることを特徴とする前記[3]に記載の二次電池用非水電解液。
[5]前記フルオロドデカホウ酸リチウムと前記LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種との合計モル濃度が、電解液全体に対して0.3〜1.5mol/Lであることを特徴とする前記[3]または[4]に記載の二次電池用非水電解液。
[6]前記式Li212X12-X におけるXが12であることを特徴とする前記[3]〜[5]のいずれか1つに記載の二次電池用非水電解液。
[7]前記溶媒が環状カーボネートおよび鎖状カーボネートからなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の二次電池用非水電解液。
[8]正極、負極、および前記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の二次電池用非水電解液を備えることを特徴とする非水電解液二次電池。
本発明の非水電解液は、前記添加剤を所定量含むことにより、非水電解液二次電池の充放電特性を大幅に改善することができる。
さらに本発明の非水電解液は、Li212X12-Xなる式で示されるフルオロドデカホウ酸リチウム(式中、Xが8以上12以下の整数であり、ZがH、Cl、またはBrである。)を所定量含むことにより、非水電解液二次電池の充放電特性を大幅に改善することができる。
即ち、本発明の非水電解液は、非水電解液二次電池の高温での熱安定性、低温での充放電性能、室温でのレート特性を改善できる。しかも本発明の非水電解液においては、過充電時にレドックスシャトル機構が働き、電解液の分解や正極の分解を防ぐことができ、その結果、非水電解液二次電池の劣化を防止できる。
図1は、25℃における実施例1の非水電解液二次電池のサイクル試験結果(a)および比較例1の非水電解液二次電池のサイクル試験結果(b)を示す図である。 図2は、60℃における実施例1の非水電解液二次電池のサイクル試験結果(a)および比較例1の非水電解液二次電池のサイクル試験結果(b)を示す図である。 図3は、−10℃における実施例1の非水電解液二次電池のサイクル試験結果(a)および比較例1の非水電解液二次電池のサイクル試験結果(b)を示す図である。
<非水二次電池用電解液>
本発明に係る二次電池用非水電解液は、電解質、溶媒および添加剤を含む。
<添加剤>
本発明において、「添加剤」とは、本発明の電解液を構成する溶媒全体を100質量部としたとき、添加剤1種あたり10質量部以下の量で配合するものである。さらに、仮に溶媒中に少量の溶媒成分が存在し、その少量の溶媒成分の配合量が、当該少量の溶媒成分を除いた溶媒の総量100質量部に対して10質量部未満であった場合には、その少量の溶媒成分を添加剤とみなし、溶媒から除くものとする。ここで、少量の溶媒成分が2種以上存在した場合であって、ある1種の少量の溶媒成分(i)が前記の定義によって添加剤とみなされた場合、当該溶媒成分(i)と同一かまたはそれより少量の配合量の溶媒成分も添加剤とみなす。
本発明の二次電池用非水電解液における添加剤は、下記式(1)で表わされる化合物を含有する。
Figure 2012147502
(式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、メチル基またはアミノ基であり、nは1、2または4であり、Yは、nが1である場合には水素原子または1価の有機基であり、nが2である場合には2価の有機基であり、nが4である場合には4価の有機基である。)
添加剤が上記式(1)に示される化合物であることにより、本発明の二次電池用非水電解液を用いた二次電池においては、初期充電時にこの添加剤が負極上で一部還元分解されることにより、好適なイオン導電性の保護被膜が負極表面に形成され、その結果、−25℃くらいの低温から60℃くらいの高温にいたるまでの充放電特性が向上する。
上記式(1)において、Yは、nが1である場合には水素原子または1価の有機基である。1価の有機基としては、アリル基、炭素数1〜6のアルキル基、イソシアネート基、アミノ基、イミド基、アミド基、ビニル基、ベンゾイル基、アシル基、アントラニロイル基およびグリコロイル基等を挙げることができる。また、炭素数1〜6のアルキル基の水素原子を前記炭素数1〜6のアルキル基以外の基で置き換えて形成される基であってもよい。
Yは、nが2である場合には2価の有機基である。2価の有機基としては、フェニレン基、アルキレン基、ポリメチレン基、ウレア基およびマロニル基等を挙げることができる。また、アルキレン基またはポリメチレン基の水素原子を、前記1価の有機基として挙げた炭素数1〜6のアルキル基以外の基で置き換えて形成される基であってもよい。
Yは、nが4である場合には4価の有機基である。4価の有機基としては、脂肪族炭化水素、ベンゼンまたは尿素から4個の水素原子を除いてなる基等を挙げることができる。脂肪族炭化水素から4個の水素原子を除いてなる基の水素原子を、前記1価の有機基として挙げた炭素数1〜6のアルキル基以外の基で置き換えて形成される基であってもよい。
本発明の二次電池用非水電解液における添加剤は、上記式(1)に示される1種類の化合物であってもよく、2種類以上の化合物であってもよい。
上記式(1)で表わされる化合物の具体例としては、下記化学式(2)で示される1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、N,N'−ビス(アクリロイルオキシエチル)ウレア、2,2-ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートジエチレンオキサイド、2,2-ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートトリエチレンオキサイド、テトラキス(アクリロイルオキシメチル)ウレア、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、アミノクロトン酸メチル、アミノクロトン酸エチルおよびクロトン酸ビニル等が挙げられる。
Figure 2012147502
添加剤としてこれらの化合物を用いた二次電池用非水電解液は、二次電池の低温から60℃くらいの高温にいたるまでの充放電特性を顕著に向上させることができる。
本発明の二次電池用非水電解液における前記式(1)に示される化合物の含有量は、該二次電池用非水電解液に含まれる溶媒全体100質量部に対して0.05〜10質量部であり、好ましくは0.5〜8質量部、より好ましくは1〜5質量部である。前記式(1)に示される化合物の含有量が前記範囲内であると、好適なイオン導電性の保護被膜を負極表面に形成することができ、その結果、二次電池の低温から高温にいたるまでの充放電特性を向上させることができる。前記式(1)に示される化合物の含有量が0.05質量部より少ないと、負極上での保護被膜の形成が十分ではなく、二次電池の低温から高温にいたるまでの十分な充放電特性が得られない場合がある。前記式(1)に示される化合物の含有量が10質量部より多いと、負極での反応が進行しすぎてしまい、負極表面に形成される皮膜が厚くなり、負極の反応抵抗が増大し、かえって電池の放電容量の低下やサイクル性能等の充放電特性を低下させるおそれがある。
本発明の二次電池用非水電解液においては、前記式(1)に示される化合物の他に、所望の用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲でさらに他の添加剤を含んでいてもよい。他の添加剤としては、ビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート、4,5−ジプロピルビニレンカーボネート、4−エチル−5−メチルビニレンカーボネート、4−エチル−5−プロピルビニレンカーボネート、4−メチル−5−プロピルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネート、メチルジフルオロアセテート、1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンサルトン、モノフルオロエチレンカーボネート、リチウムービスオキサレートボレート等が挙げられる。これら他の添加剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
これら他の添加剤の中で、式(1)で表わされる前記添加剤と混合添加する場合に特に好ましいのは1,3−プロパンスルトンである。1,3−プロパンスルトンを用いることで、二次電池の低温から高温に至る広い温度範囲での充放電特性の向上が容易になる。
これら他の添加剤を使用する場合には、他の添加剤の含有量は、良好な被膜を形成する観点から、前記溶媒全体100質量部に対してそれぞれ5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは2質量部以下である。また、他の添加剤の含有量は、式(1)で表わされる前記添加剤の含有量を超えないことが、良好な被膜を形成する観点から好ましい。
伝導性の良好な被膜を形成する点を考慮すると、前記添加剤全体の添加量は、溶媒全体100質量部に対して0.5〜15質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。前記添加剤全体の添加量が0.5質量部より少ないと、負極上での被膜形成が充分でなく、十分な充放電特性が得られない場合があり、15質量部より多いと、負極表面に形成される皮膜が厚くなり、負極の反応抵抗が増大し、充放電特性が低下するおそれがある。
<電解質>
前記電解質としては、特に制限はないが、式Li212X12-Xで表わされるフルオロドデカホウ酸リチウム(式中、Xは8〜12の整数であり、ZはH、Cl、またはBrである。)、並びに、LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種が好ましい。前記フルオロドデカホウ酸リチウムと、LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種との両方を含むことがより好ましい。
フルオロドデカホウ酸リチウムを電解質として用いることにより、高温耐熱性、特に45℃以上さらに60℃以上、さらには80℃以上での充放電効率やサイクル寿命などの電池特性がLiPF6を単独で用いるよりも断然に改善でき、しかも過充電してしまった場合にもフルオロドデカホウ酸リチウムのアニオンのレドックスシャトル機構により、電圧の上昇を抑制し、溶媒や電極の分解を防止するだけでなく、リチウムのデンドライト生成も抑制できるので、過充電による電池の劣化や熱暴走を防止することができる。
さらに混合電解質としてLiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種の電解質塩を添加することで、電気伝導度を改善できるばかりでなく、正極の集電体にアルミニウムを用いる場合にアルミニウムの溶解を抑制することができる。
電解質としてフルオロドデカホウ酸リチウムを単独で用いるか、LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種単独で用いるか、または両者を混合して用いるかは電池の用途によって決定され、特に制限はない。すなわち、前記添加剤は、LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種のみを電解質として含む電解液にも使用可能であるし、フルオロドデカホウ酸リチウムのみを電解質として含む電解液にも使用可能であるし、フルオロドデカホウ酸リチウムとLiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種とを電解質として含む電解液にも使用可能である。ただし、過充電防止を目的とする場合には、フルオロドデカホウ酸リチウムの含有は必須である。
フルオロドデカホウ酸リチウムの具体例としては、Li21284、Li21293、Li212102、Li21211H、Li21212、xの平均が9〜10である前記式で表わされる種々のフルオロドデカホウ酸リチウムの混合物、Li212xCl12-x(式中、xは10若しくは11である)およびLi212xBr12-x(式中、xは10もしくは11である)が挙げられる。
ここでLi212X12-XのXは8〜12の整数である。Xが8より小さいと、レドックス反応を起こす電位が低すぎて、いわゆるリチウムイオン電池の通常操作中に反応が起こってしまい、電池の充放電効率が低下する場合がある。したがって、用いる電極の種類や電池の用途に応じてXの数値を8〜12の間で選択する必要がある。一般に製造が行いやすくレドックス反応を起こす電位が高いのはXが12のものであるが、溶媒の種類などにも影響されるので一概には決められない。Xが12であるフルオロドデカホウ酸リチウムは、レドックス反応を起こす電位が他の化合物より高く、電池の通常操作ではレドックス反応が起こりにくく、過充電時にのみ有効にレドックスシャトル機構が働きやすい点で好ましい。
フルオロドデカホウ酸リチウムの濃度は、電解液全体に対して0.2mol/L以上であることが好ましく、より好ましくは0.3mol/L以上1.0mol/L以下である。
フルオロドデカホウ酸リチウムの量が少なすぎると、電気伝導度が小さすぎて電池の充放電での抵抗が大きくなってレート特性などが悪くなる場合があり、さらに過充電でのレドックスシャトル機構の作用が不十分になる場合もある。逆にフルオロドデカホウ酸リチウムが多すぎると、電解液の粘度が上昇し、電気伝導度が低下して、レート特性などの充放電性能が低下する場合がある。
LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種としては、LiPFのみ、LiBF4のみ、LiPF6およびLiBF4のいずれでもよいが、フルオロドデカホウ酸リチウムと併用する場合には、一般には導電率が高いLiPF6が好ましく用いられる。ただし、その他の添加剤などとの相性や電池の仕様などの影響があり一概には決められない。
LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種の濃度は電解液全体に対して0.05mol/L以上であることが好ましく、より好ましくは0.075mol/L以上0.4mol/L以下である。
LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種の量が少なすぎるとアルミニウム集電体に十分な保護膜が形成されず、良好な充放電特性が得られない場合がある。さらには電解液の伝導度も充分でなく、良好な充放電特性が得られない場合がある。
フルオロドデカホウ酸リチウムとLiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種との両方を電解質として用いる場合、フルオロドデカホウ酸リチウムの含有量AとLiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種の含有量Bとの比(A:B)は、モル比で90:10〜50:50が好ましく、さらに好ましくは85:15〜60:40である。
フルオロドデカホウ酸リチウムと前記のLiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種との合計モル濃度は電解液全体に対して0.3〜1.5mol/Lであることが好ましく、さらに好ましくは0.4〜1.0mol/Lである。前記合計モル濃度が前記範囲内であると、良好な過充電防止効果と良好な充放電特性とを得ることができる。
また、フルオロドデカホウ酸リチウムとLiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種との両方を電解質として用いる場合、LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種のモル濃度はフルオロドデカホウ酸リチウムのモル濃度以下であることが好ましい。LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種のモル濃度がフルオロドデカホウ酸リチウムのモル濃度より高いと、45℃以上の高温での耐熱性や充放電特性が低下する場合がり、さらには過充電での電池の劣化を充分に防げない場合がある。
<溶媒>
前記溶媒としては、特に制限はないが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート、水素の一部をフッ素置換したトリフルオロプロピレンカーボネート、ビス(トリフルオロエチル)カーボネート、トリフルオロエチルメチルカーボネートなどのフッ素置換環状または鎖状カーボネート等が挙げられる。これらの溶媒は、一種単独で、または二種以上を混合して用いることができる。溶媒が環状カーボネートおよび鎖状カーボネートからなる群から選択される少なくとも1種を含有すると、良好な電気化学的安定性や電気伝導度を得ることができる点で好ましい。低温から高温にいたる広温度領域でも電池性能を良くするには2種以上の混合溶媒を用いることが好ましい。
電池性能を向上させる観点から、前記カーボネート以外の溶媒として、ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、ポリエチレングリコール、γ―ブチロラクトン、スルホラン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトニトリルなどの溶媒を用いることができるが、特にこれらには限定されない。
<非水電解液二次電池>
本発明の非水電解液二次電池は、正極と、負極と、前記の二次電池用非水電解液とを備えることを特徴としている。本発明の非水電解液二次電池は、上記本発明の二次電池用非水電解液を用いるものであるので、良好な充放電特性を示す。
前記非水電解液二次電池の構造等は特に制限されず、所望の用途に応じて適宜選択することができる。本発明の非水電解液二次電池は、さらに、ポリエチレン製等のセパレーターなどを含んでもよい。
本発明で用いられる負極は、特に制限されず、集電体、導電材、負極活物質、結着剤および/または増粘剤を含むことができる。
負極活物質としては、リチウムを吸蔵および放出可能な材料であれば特に限定なく使用することができる。典型的には非黒鉛化炭素、人造黒鉛炭素、天然黒鉛炭素、金属リチウム、アルミニウム、鉛、シリコン、スズなどとリチウムの合金、酸化スズ、酸化チタンなどを挙げることができる。これらを、常法に従い、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等の結着剤と混練し、合剤として用いることができる。この合剤と銅箔等の集電体とを用いて負極を作製することができる。
本発明で用いられる正極は、特に制限されず、集電体、導電材、正極活物質、結着剤および/または増粘剤を含むことが好ましい。
正極活物質としては、典型的にはコバルト、マンガン、ニッケルなどの遷移金属とのリチウム複合酸化物、またはそのリチウム部位若しくは遷移金属部位の一部を、コバルト、ニッケル、マンガン、アルミニウム、ホウ素、マグネシウム、鉄、銅などと置換したリチウム複合酸化物などを挙げることができる。さらにはオリビン型構造を有するリチウム含有遷移金属リン酸塩なども用いることができる。これらを、アセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤と混合し、合剤として用いることができる。この合剤とアルミニウム箔等の集電体とを用いて正極を作製できる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(フルオロドデカホウ酸リチウムの調製1)
[Li212X12-X(X=10〜12)の調製]
平均ハメット酸度Ho=−2〜−4で、ギ酸6mL中にK21212CH3OH2.96g(11.8mmol)を含有する無色のスラリーに、0〜20℃で、100%F2(142mmol)を、10%F2/10%O2/80%N2の混合ガスとして添加することにより、無色の溶液を得た。この溶液に30℃で前記混合ガスを添加し、更なるフッ素化(3%)を行った。前記溶液から固体が沈殿した。溶媒を一晩排気して無色の脆い固体5.1gを得た。この粗生成物を19F NMRによって分析したところ、主としてB12102 2-(60%)、B12112-(35%)およびB1212 2-(5%)であることがわかった。粗反応生成物を水に溶解して、溶液のpHをトリエチルアミンおよびトリメチルアミン塩酸塩で4〜6に調整した。沈殿した生成物を濾過して乾燥し、水に再度懸濁させ、スラリーを得た。このスラリーに、2当量の水酸化リチウム一水和物を添加し、トリエチルアミンを除去した。全てのトリエチルアミンを蒸留により除去した後、さらに水酸化リチウムを添加して最終的な溶液のpHを9.5にした。蒸留により水を除去し、最終生成物を200℃で6時間真空乾燥した。Li212x12-x(x=10、11、12)の収率は約75%であった。
(フルオロドデカホウ酸リチウムの調製2)
[Li212xBr12-x(x≧10、平均x=11)の調製]
平均組成がLi21211HであるLi212x12-x(x≧10)3g(0.008mol)を1M HCl 160mLに溶解した。この溶液にBr21.4mL(0.027mol)を添加し、得られた混合液を100℃で4時間還流した。NMR分析のために試料を採取した。
上記試料の一部を還流に戻し、塩素を6時間にわたり添加して、臭素化剤BrClを形成した。塩素の添加が完了した時点で、試料を採取して、NMR分析したところ、塩素添加前の組成と同一であることが示された。HClと水を蒸留により除去し、生成物を150℃で真空乾燥した。合計2.55gの白色固体生成物を単離した。得られたLi212xBr12-x(x≧10、平均x=11)の理論量は3.66gである。
(フルオロドデカホウ酸リチウムの調製3)
[Li212xCl12-x(平均x=11)の調製]
平均組成がLi21211HであるLi212x12-xの混合物20gを、還流凝縮器とガラスバブラー(fritted bubbler)を備えた三口丸底フラスコ中の1M HCl160mLに溶解した。この混合液を100℃に加熱し、Cl2ガスにより15標準立方センチメートル毎分(sccm/分)でバブリングした。凝縮器を通った流出液を、KOHとNa2SO3とを含む溶液に通した。16時間Cl2でバブリングした後、溶液を空気でパージした。HClと水を蒸留して除去し、残留物をエーテルで滴定した。エーテルを蒸発させ、白色固体を真空乾燥器で乾燥させて、Li212xCl12-x(平均x=11)で表わされる物質20gを回収した(収率92%)。D2Oでの19F−NMR:−260.5,0.035F;−262.0,0.082F;−263.0,0.022F;−264.5,0.344F;−265.5,0.066F;−267.0,0.308F;−268.0,0.022F;−269.5,1.0F。D2Oでの11B−NMR:−16.841;−17.878。
[実施例1]
(電池評価1)
[電解液の調製]
LiPF6を電解質として用いた。エチレンカーボネートを10体積%、プロピレンカーボネートを20体積%、メチルエチルカーボネートを40体積%、ジエチルカーボネートを30体積%含む混合物からなる溶媒を用いた。この溶媒にLiPF6を1.1mol/Lとなるように溶解し、さらに電極上へのイオン導電性被膜形成のための添加剤として1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートを前記溶媒全体100質量部に対して1.5質量部添加して、電解液を得た。
[正極の作製]
正極活物質としてのLiCo1/3Ni1/3Mn1/32と、導電剤としての炭素材料と、結着剤としてのポリフッ化ピニリデンを溶解したN−メチル−2−ピロリドン溶液とを、活物質と導電剤と結着剤の質量比が95:2.5:2.5となるように混合した後、混練して、正極スラリーを作製した。作製したスラリーを集電体としてのアルミニウム箔上に塗布した後、乾燥し、その後圧延ローラーを用いて圧延し、集電タブを取り付けることで、正極を作製した。
〔負極の作製〕
負極活物質としての人造黒鉛と、結着剤としてのSBRと、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースとを、活物質と結着剤と増粘剤の質量比が97.5:1.5:1になるように水に混合した後、混練して負極スラリーを作製した。作製したスラリーを集電体としての銅箔上に塗布した後、乾燥し、その後圧延ローラーを用いて圧延し、集電タブを取り付けることで、負極を作製した。
〔電池の作製〕
上記記載の通り作製した正極および負極を、ポリエチレン製のセパレーターを挟んで対向させ、アルミラミネートの容器に入れて、Ar(アルゴン)雰囲気下のグローボックス中にて、前記電極の入った容器に上記電解液を滴下し、脱圧しながらラミネート容器を熱圧着して電池を作製した。
〔電池の評価〕
上記で作製した電池を0.05C(1÷0.05時間(=20時間)で満充電または満放電する電流)で4.2Vまでゆっくり充電し、その後3.0Vまでゆっくり放電し、さらにもう一度充電放電を繰り返すことにより、エージングした。
その後25℃で、1Cで4.2Vまで定電流充電し、4.2Vに達したらその電圧で電流が0.05C相当に落ちるまで保持した後、続いて1Cの定電流で電池電圧が3.0Vになるまで放電した。このときの放電容量を1サイクル目(初回)の放電容量(初回放電容量)とした。さらに同じ方法で充電放電を繰り返して、電池のサイクル性能を調べた。図1に、このサイクル試験の結果を示す。実施例1の電池では、サイクル毎の放電容量は図1の曲線aのようになり、500サイクル経過後も容量低下は小さく初回放電容量の95%を維持していた。
同じようにして作製した電池を60℃で上記と同様にサイクル性能を調べた。図2に、このサイクル試験の結果を示す。実施例1の電池では、図2の曲線aのようになり、100サイクル経過後も初回放電容量の93%を維持していた。
同じようにして作製した電池を−10℃で上記と同様にサイクル性能を調べた。図3に、このサイクル試験の結果を示す。実施例1の電池では、図3の曲線aのようになり、100サイクル経過後も初回放電容量の90%を維持していた。
[実施例2]
(電池評価2)
[電解液の調製]
LiPF6を電解質として用いた。エチレンカーボネートを30体積%、メチルエチルカーボネートを40体積%、ジエチルカーボネートを30体積%含む混合物からなる溶媒を用いた。この溶媒にLiPF6を1.1mol/Lとなるように溶解し、さらに電極上へのイオン導電性被膜形成のための添加剤としてN,N'−ビス(アクリロイルオキシエチル)ウレアを前記溶媒全体100質量部に対して2.0質量部添加して、電解液を得た。
[正極の作製]
正極活物質としてのLiCo1/3Ni1/3Mn1/32と、導電剤としての炭素材料と、結着剤としてのポリフッ化ピニリデンを溶解したN−メチル−2−ピロリドン溶液とを、活物質と導電剤と結着剤の質量比が95:2.5:2.5となるように混合した後、混練して、正極スラリーを作製した。作製したスラリーを集電体としてのアルミニウム箔上に塗布した後、乾燥し、その後圧延ローラーを用いて圧延し、集電タブを取り付けることで、正極を作製した。
〔負極の作製〕
負極活物質として天然黒鉛と、結着剤としてのSBRと、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースを、活物質と結着剤と増粘剤の質量比が97.5:1.5:1になるように水に混合した後、混練して負極スラリーを作製した。作製したスラリーを集電体としての銅箔上に塗布した後、乾燥し、その後圧延ローラーを用いて圧延し、集電タブを取り付けることで、負極を作製した。
〔電池の作製〕
上記記載の通り作製した正極および負極を、ポリエチレン製のセパレーターを挟んで対向させ、アルミラミネートの容器に入れて、Ar(アルゴン)雰囲気下のグローボックス中にて、前記電極の入った容器に上記電解液を滴下し、脱圧しながらラミネート容器を熱圧着して電池を作製した。
〔電池の評価〕
上記で作製した電池を初期2サイクルを0.05Cで4.2Vまでゆっくり充電し、その後3.0Vまでゆっくり放電し、さらに充電放電を繰り返すことにより、エージングした。
その後25℃で、1Cで4.2Vまで定電流充電し、4.2Vに達したらその電圧で電流が0.05Cに落ちるまで保持した後、続いて1Cの定電流で電池電圧が3.0Vになるまで放電した。このときの放電容量を1サイクル目の放電容量とした。さらに同じ方法で充電放電を繰り返し電池のサイクル性能を調べた。実施例2の電池では、500サイクル経過後の放電容量は初回放電容量の96%を維持していた。
また同じようにして作製した電池を60℃で上記と同様にサイクル性能を調べた。実施例2の電池では、100サイクル経過後の放電容量は初回放電容量の94%を維持していた。
同じようにして作製した電池を−10℃で上記と同様にサイクル性能を調べた。実施例2の電池では、100サイクル目の放電容量は初回放電容量の84%を維持していた。
[実施例3]
(電池評価3)
[電解液作製]
フルオロドデカホウ酸リチウムの調製1で得られた生成物から、組成式がLi21212であるフルオロドデカホウ酸リチウムが99.9%以上であるように分離されたフルオロドデカホウ酸リチウムを電解質として用い、混合電解質としてLiPF6を用いた。エチレンカーボネートを10体積%、プロピレンカーボネートを20体積%、メチルエチルカーボネートを50体積%、ジエチルカーボネートを20体積%含む混合物からなる溶媒を用いた。この溶媒に、フルオロドデカホウ酸リチウムが0.4mol/L、LiPF6が0.1mol/Lとなるように溶解して、さらに電極上へのイオン導電性被膜形成のための添加剤として1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートを溶媒全体100質量部に対して2.0質量部添加して、電解液を得た。
[電池の作製]
電解液以外は電池評価1と全く同じ正極、負極を用いて、電池評価1と全く同じように電池を組み立てた。
(電池の評価)
電池評価も電池の評価1と全く同じ様にして実施した。その結果、25℃のサイクル試験では、500サイクル目の放電容量は初回放電容量の96%を維持していた。60℃のサイクル試験では、100サイクル目の放電容量は初回放電容量の94%を維持していた。−0℃のサイクル試験では、100サイクル目で初回放電容量の90%を維持していた。
またこれと同じように作製した電池を25℃で5サイクル充放電した後、25℃で3Cの速度で過充電試験を行なった。充電深度を300%までもっていっても電池電圧は4.75Vでほぼ一定になり、それ以上電圧は上がらなかった。この電池を25℃で1Cの放電速度で放電したところ、初回放電容量の99%を放出できた。その後、1Cの速度で4.2VまでCCCV充電を行い、3.OVまで1Cで放電を行った。この充放電を繰り返した。500サイクル目も初回放電容量の90%を維持していた。従って過充電では電池は全く劣化していないことが分かった。
[実施例4]
(電池評価4)
[電解液作製]
フルオロドデカホウ酸リチウムの調製2で得られた生成物から、組成式がLi21211Brであるフルオロドデカホウ酸リチウムが99.9%以上であるように分離されたフルオロドデカホウ酸リチウムを電解質として用い、混合電解質としてLiPF6を用いた。エチレンカーボネートを10体積%、プロピレンカーボネートを20体積%、メチルエチルカーボネートを50体積%、ジエチルカーボネートを20体積%含む混合物からなる溶媒を用いた。この溶媒に、フルオロドデカホウ酸リチウムを0.4mol/Lとなるように、LiPF6を0.1mol/Lとなるように溶解し、さらに電極上へのイオン導電性被膜形成のための添加剤としてテトラキス(アクリロイルオキシメチル)ウレアを溶媒全体100質量部に対して2.0質量部添加して、電解液を得た。
[電池の作製]
電解液以外は電池評価1と全く同じ正極、負極を用いて、電池評価1と全く同じように電池を組み立てた。
(電池の評価)
電池評価も電池の評価1と全く同じ様にして実施した。その結果、25℃のサイクル試験では、500サイクル目の放電容量は初回放電容量の93%を維持していた。60℃のサイクル試験では、100サイクル目の放電容量は初回放電容量の90%を維持していた。−10℃のサイクル試験では、100サイクル目で初回放電容量の82%を維持していた。
またこれと同じように作製した電池を25℃で5サイクル充放電した後、25℃で3Cの速度で過充電試験を行なった。充電深度を300%までもっていっても電池電圧は4.70Vでほぼ一定になり、それ以上電圧は上がらなかった。この電池を25℃で1Cの放電速度で放電したところ、初回放電容量の91%を放出できた。その後、1Cの速度で4.2VまでCCCV充電を行い、3.OVまで1Cで放電を行った。この充放電を繰り返した。100サイクル目も初回放電容量の80%を維持していた。従って過充電では電池は殆ど劣化していないことが分かった。
[実施例5]
(電池評価5)
[電解液作製]
フルオロドデカホウ酸リチウムの調製3で得られた生成物から、組成式がLi21211Clであるフルオロドデカホウ酸リチウムが99.9%以上であるように分離されたフルオロドデカホウ酸リチウムを電解質として用い、混合電解質としてLiPF6を用いた。エチレンカーボネートを10体積%、プロピレンカーボネートを20体積%、メチルエチルカーボネートを50体積%、ジエチルカーボネートを20体積%含む混合物からなる溶媒を用いた。この溶媒に、フルオロドデカホウ酸リチウムを0.4mol/Lとなるように、LiPF6を0.1mol/Lとなるように溶解し、さらに電極上へのイオン導電性被膜形成のための添加剤として1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートを溶媒全体100質量部に対して1.0質量部添加して、電解液を得た。
[電池の作製]
電解液以外は電池評価1と全く同じ正極、負極を用いて、電池評価1と全く同じように電池を組み立てた。
(電池の評価)
電池評価も電池の評価1と全く同じ様にして実施した。その結果、25℃のサイクル試験では、500サイクル目の放電容量は初回放電容量の89%を維持していた。60℃のサイクル試験では、100サイクル目の放電容量は初回放電容量の82%を維持していた。−10℃のサイクル試験では、100サイクル目で初回放電容量の74%を維持していた。
またこれと同じように作製した電池を25℃で5サイクル充放電した後、25℃で3Cの速度で過充電試験を行なった。充電深度を300%までもっていっても電池電圧は4.68Vでほぼ一定になり、それ以上電圧は上がらなかった。この電池を25℃で1Cの放電速度で放電したところ、初回放電容量の91%を放出できた。その後、1Cの速度で4.2VまでCCCV充電を行い、3.OVまで1Cで放電を行った。この充放電を繰り返した。100サイクル目も初回放電容量の82%を維持していた。従って過充電では電池は殆ど劣化していないことが分かった。
[実施例6]
(電池評価6)
[電解液作製]
LiPF6を電解質として用いた。エチレンカーボネートを10体積%、プロピレンカーボネートを20体積%、メチルエチルカーボネートを50体積%、ジエチルカーボネートを20体積%含む混合物からなる溶媒を用いた。この溶媒にLiPF6を1.1mol/Lとなるように溶解し、さらに電極上へのイオン導電性被膜形成のための添加剤として1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートを溶媒全体100質量部に対して1.5質量部および1,3−プロパンスルトンを溶媒全体100質量部に対して0.75質量部添加して、電解液を得た。
[電池の作製]
電解液以外は電池評価1と全く同じ正極、負極を用いて、電池評価1と全く同じように電池を組み立てた。
(電池の評価)
電池評価も電池の評価1と全く同じ様にして実施した。その結果、25℃のサイクル試験では、500サイクル目の放電容量は初期容量の96%を維持していた。60℃のサイクル試験では、100サイクル目の放電容量は初期容量の88%を維持していた。−10℃のサイクル試験では、100サイクル目で初回の85%を維持していた。
[実施例7]
(電池評価7)
[電解液作製]
LiPF6を電解質として用いた。エチレンカーボネートを10体積%、プロピレンカーボネートを20体積%、メチルエチルカーボネートを50体積%、ジエチルカーボネートを20体積%含む混合物からなる溶媒を用いた。この溶媒にLiPF6を1.1mol/Lとなるように溶解し、さらに電極上へのイオン導電性被膜形成のための添加剤として1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートを溶媒全体100質量部に対して2.0質量部添加して、電解液を得た。
[電池の作製]
電解液以外は電池評価1と全く同じ正極、負極を用いて、電池評価1と全く同じように電池を組み立てた。
(電池の評価)
電池評価も電池の評価1と全く同じ様にして実施した。その結果、25℃のサイクル試験では、500サイクル目の放電容量は初回放電容量の95%を維持していた。60℃のサイクル試験では、100サイクル目の放電容量は初回放電容量の90%を維持していた。−10℃のサイクル試験では、100サイクル目で初回放電容量の93%を維持していた。
またこれと同じように作製した電池を25℃で5サイクル充放電した後、25℃で3Cの速度で過充電試験を行なった。充電深度が130%を超えてから電池電圧は5.2V以上になり、その後充電深度が進むにつれて徐々に電圧が上昇し、充電深度が200%を越えた頃から電圧が急上昇し、充電深度215%で電池電圧は10.0Vに到達してしまい過充電試験を終えた。その後この電池を25℃で1Cの放電速度で放電したところ、初回放電容量の11%の放電に留まった。その後1Cで電池電圧が4.2Vになるまで充電し、4.2Vに達してから電流値が0.05Cになるまで電圧を維持するCCCV充電と3.0Vまでの1Cでの放電とを繰り返したところ、10サイクル行なっても放電容量は初回放電容量の10%を超えることはなく、試験を終了した。
[実施例8]
(電池評価8)
[電解液作製]
フルオロドデカホウ酸リチウムの調製1で得られた生成物から、組成式がLi21212であるフルオロドデカホウ酸リチウムが99.9%以上であるように分離されたフルオロドデカホウ酸リチウムを電解質として用い、混合電解質としてLiPF6を用いた。エチレンカーボネートを30体積%、メチルエチルカーボネートを50体積%、ジエチルカーボネートを20体積%含む混合物からなる溶媒を用いた。この溶媒に、フルオロドデカホウ酸リチウムを0.4mol/Lとなるように、LiPF6を0.2mol/Lとなるように溶解し、さらに電極上へのイオン導電性被膜形成のための添加剤として2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートを溶媒全体100質量部に対して0.5質量部添加して、電解液を得た。
[電池の作製]
電解液以外は電池評価1と全く同じ正極、負極を用いて、電池評価1と全く同じように電池を組み立てた。
(電池の評価)
電池評価も電池の評価1と全く同じ様にして実施した。その結果、25℃のサイクル試験では、500サイクル目の放電容量は初回放電容量の89%を維持していた。60℃のサイクル試験では、100サイクル目の放電容量は初回放電容量の75%を維持していた。−10℃のサイクル試験では、100サイクル目で初回放電容量の88%を維持していた。
またこれと同じように作製した電池を25℃で5サイクル充放電した後、25℃で3Cの速度で過充電試験を行なった。充電深度を300%までもっていっても電池電圧は4.70Vでほぼ一定になり、それ以上電圧は上がらなかった。この電池を25℃で1Cの放電速度で放電したところ、初回放電容量の87%を放出できた。
[実施例9]
(電池評価9)
[電解液作製]
フルオロドデカホウ酸リチウムの調製1で得られた生成物から、組成式がLi21212であるフルオロドデカホウ酸リチウムが99.9%以上であるように分離されたフルオロドデカホウ酸リチウムを電解質として用い、混合電解質としてLiPF6を用いた。エチレンカーボネートを30体積%、メチルエチルカーボネートを50体積%、ジエチルカーボネートを20体積%含む混合物からなる溶媒を用いた。この溶媒に、フルオロドデカホウ酸リチウムを0.4mol/Lとなるように、LiPF6を0.2mol/Lとなるように溶解し、さらに電極上へのイオン導電性被膜形成のための添加剤としてクロトン酸エチルを溶媒全体100質量部に対して1.5質量部と、1,3−プロパンスルトンを溶媒全体100質量部に対して0.5質量部添加して、電解液を得た。
[電池の作製]
電解液以外は電池評価1と全く同じ正極、負極を用いて、電池評価1と全く同じように電池を組み立てた。
(電池の評価)
電池評価も電池の評価1と全く同じ様にして実施した。その結果、25℃のサイクル試験では、500サイクル目の放電容量は初回放電容量の93%を維持していた。60℃のサイクル試験では、100サイクル目の放電容量は初回放電容量の90%を維持していた。−10℃のサイクル試験では、100サイクル目で初回放電容量の91%を維持していた。
またこれと同じように作製した電池を25℃で5サイクル充放電した後、25℃で3Cの速度で過充電試験を行なった。充電深度を300%までもっていっても電池電圧は4.71Vでほぼ一定になり、それ以上電圧は上がらなかった。この電池を25℃で1Cの放電速度で放電したところ、初回放電容量の96%を放出できた。
[実施例10]
(電池評価10)
[電解液作製]
フルオロドデカホウ酸リチウムの調製1で得られた生成物から、組成式がLi21212であるフルオロドデカホウ酸リチウムが99.9%以上であるように分離されたフルオロドデカホウ酸リチウムを電解質として用い、混合電解質としてLiPF6を用いた。エチレンカーボネートを30体積%、メチルエチルカーボネートを50体積%、ジエチルカーボネートを20体積%含む混合物からなる溶媒を用いた。この溶媒に、フルオロドデカホウ酸リチウムを0.4mol/Lとなるように、LiPF6を0.2mol/Lとなるように溶解し、さらに電極上へのイオン導電性被膜形成のための添加剤としてクロトン酸ビニルを溶媒全体100質量部に対して1.5質量部添加して、電解液を得た。
[電池の作製]
電解液以外は電池評価1と全く同じ正極、負極を用いて、電池評価1と全く同じように電池を組み立てた。
(電池の評価)
電池評価も電池の評価1と全く同じ様にして実施した。その結果、25℃のサイクル試験では、500サイクル目の放電容量は初回放電容量の91%を維持していた。60℃のサイクル試験では、100サイクル目の放電容量は初回放電容量の84%を維持していた。−10℃のサイクル試験では、100サイクル目で初回放電容量の88%を維持していた。
またこれと同じように作製した電池を25℃で5サイクル充放電した後、25℃で3Cの速度で過充電試験を行なった。充電深度を300%までもっていっても電池電圧は4.70Vでほぼ一定になり、それ以上電圧は上がらなかった。この電池を25℃で1Cの放電速度で放電したところ、初回放電容量の93%を放出できた。
[実施例11]
(電池評価11)
[電解液作製]
フルオロドデカホウ酸リチウムの調製1で得られた生成物から、組成式がLi21212であるフルオロドデカホウ酸リチウムが99.9%以上であるように分離されたフルオロドデカホウ酸リチウムを電解質として用い、混合電解質としてLiPF6を用いた。エチレンカーボネートを30体積%、メチルエチルカーボネートを50体積%、ジエチルカーボネートを20体積%含む混合物からなる溶媒を用いた。この溶媒に、フルオロドデカホウ酸リチウムを0.4mol/Lとなるように、LiPF6を0.2mol/Lとなるように溶解し、さらに電極上へのイオン導電性被膜形成のための添加剤としてクロトン酸ビニルを溶媒全体100質量部に対して1.5質量部と、1,3−プロパンスルトンを溶媒全体100質量部に対して0.5質量部添加して、電解液を得た。
[電池の作製]
電解液以外は電池評価1と全く同じ正極、負極を用いて、電池評価1と全く同じように電池を組み立てた。
(電池の評価)
電池評価も電池の評価1と全く同じ様にして実施した。その結果、25℃のサイクル試験では、500サイクル目の放電容量は初回放電容量の95%を維持していた。60℃のサイクル試験では、100サイクル目の放電容量は初回放電容量の91%を維持していた。−10℃のサイクル試験では、100サイクル目で初回放電容量の93%を維持していた。
またこれと同じように作製した電池を25℃で5サイクル充放電した後、25℃で3Cの速度で過充電試験を行なった。充電深度を300%までもっていっても電池電圧は4.70Vでほぼ一定になり、それ以上電圧は上がらなかった。この電池を25℃で1Cの放電速度で放電したところ、初回放電容量の96%を放出できた。
[比較例1]
(電池評価12)
[電解液作製]
LiPF6を電解質として用いた。エチレンカーボネートを10体積%、プロピレンカーボネートを20体積%、メチルエチルカーボネートを50体積%、ジエチルカーボネートを20体積%含む混合物からなる溶媒を用いた。この溶媒にLiPF6を1.1mol/Lとなるように溶解して、電解液を得た。ここでは被膜形成用の添加剤を添加しなかった。
[電池の作製]
電解液以外は電池評価1と全く同じ正極、負極を用いて、電池評価1と全く同じように電池を組み立てた。
(電池の評価)
電池評価も電池の評価1と全く同じ様にして実施した。図1に、25℃のサイクル試験の結果を示す。比較例1の電池においては、25℃のサイクル試験では、220サイクル目で放電容量が図1の曲線bのように初回放電容量の80%を切ってしまった。図2に、60℃のサイクル試験の結果を示す。60℃のサイクル試験では図2の曲線bのように48サイクル目で初回放電容量の80%を切ってしまった。図1に、−10℃のサイクル試験の結果を示す。−10℃のサイクル試験では、図3の曲線bのように58サイクル目で初回放電容量の80%を切ってしまった。
[比較例2]
(電池評価13)
[電解液作製]
フルオロドデカホウ酸リチウムの調製1で得られた生成物から、組成式がLi21212であるフルオロドデカホウ酸リチウムが99.9%以上であるように分離されたフルオロドデカホウ酸リチウムを電解質として用い、混合電解質としてLiPF6を用いた。エチレンカーボネートを10体積%、プロピレンカーボネートを20体積%、メチルエチルカーボネートを50体積%、ジエチルカーボネートを20体積%含む混合物からなる溶媒を用いた。この溶媒に、フルオロドデカホウ酸リチウムを0.4mol/Lとなるように、LiPF6を0.1mol/Lとなるように溶解して、電解液を得た。ここでは電極上へのイオン導電性被膜形成のための添加剤は添加しなかった。
[電池の作製]
電解液以外は電池評価1と全く同じ正極、負極を用いて、電池評価1と全く同じように電池を組み立てた。
(電池の評価)
電池評価も電池の評価1と全く同じ様にして実施した。その結果、25℃のサイクル試験では、285サイクル目で初回放電容量の80%を切ってしまった。60℃のサイクル試験では、145サイクル目で初回放電容量の80%を切ってしまった。−10℃のサイクル試験では、108サイクル目で初回放電容量の80%を切ってしまった。
上記実施例および比較例の結果を表1および表2にまとめた。
表1および表2において、溶媒として示された記号は以下の物質を表わす。
EC:エチレンカーボネート
PC:プロピレンカーボネート
EMC:メチルエチルカーボネート
DEC:ジエチルカーボネート
表1および表2において、「放電容量率」は、初回放電容量に対する試験後の放電容量の比率を意味する。
Figure 2012147502
Figure 2012147502

Claims (8)

  1. 電解質、溶媒および添加剤を含む二次電池用非水電解液であって、
    前記添加剤が下記式(1)で表わされる化合物を含有し、
    Figure 2012147502
    (式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、メチル基またはアミノ基であり、nは1、2または4であり、Yは、nが1である場合には水素原子または1価の有機基であり、nが2である場合には2価の有機基であり、nが4である場合には4価の有機基である。)
    前記化合物の含有量が、前記溶媒全体100質量部に対して0.05〜10質量部であることを特徴とする二次電池用非水電解液。
  2. 前記式(1)で表わされる化合物が、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、N,N'−ビス(アクリロイルオキシエチル)ウレア、2,2-ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートジエチレンオキサイド、2,2-ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートトリエチレンオキサイド、テトラキス(アクリロイルオキシメチル)ウレア、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、アミノクロトン酸メチル、アミノクロトン酸エチルおよびクロトン酸ビニルからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用非水電解液。
  3. 前記電解質が、式Li212X12-Xで表わされるフルオロドデカホウ酸リチウム(式中、Xは8〜12の整数であり、ZはH、Cl、またはBrである。)と、LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種とを含有し、前記フルオロドデカホウ酸リチウムの濃度が電解液全体に対して0.2mol/L以上であり、前記LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種の合計の濃度が電解液全体に対して0.05mol/L以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池用非水電解液。
  4. 前記フルオロドデカホウ酸リチウムの含有量Aと前記のLiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種の含有量Bとの比(A:B)がモル比で90:10〜50:50であることを特徴とする請求項3に記載の二次電池用非水電解液。
  5. 前記フルオロドデカホウ酸リチウムと前記LiPF6およびLiBF4から選ばれる少なくとも1種との合計モル濃度が、電解液全体に対して0.3〜1.5mol/Lであることを特徴とする請求項3または4に記載の二次電池用非水電解液。
  6. 前記式Li212X12-X におけるXが12であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の二次電池用非水電解液。
  7. 前記溶媒が環状カーボネートおよび鎖状カーボネートからなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の二次電池用非水電解液。
  8. 正極、負極、および請求項1〜7のいずれか1項に記載の二次電池用非水電解液を備えることを特徴とする非水電解液二次電池。
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