JP2015097139A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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佳世 水野
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圭一 林
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徹 阿部
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栄克 河端
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史弥 金武
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Abstract

【課題】 貯蔵特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】 リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能であってリチウムと合金化反応可能な元素又は/及びリチウムと合金化反応可能な元素化合物からなる負極活物質を有する負極と、リチウムイオンを吸蔵・放出し得る正極活物質を有する正極と、電解質を溶媒に溶解させてなる電解液とを有する。電解液の前記溶媒は、フッ素系エチレンカーボネートを含み、かつ、前記電解液は、添加剤として下記の「化1」で表される化合物を含む。【化1】(MはP又はB、Xはハロゲン基、Rは鎖状炭化水素基、n1は1又は2、n2は1〜4の整数、n3は0〜3の整数である。)【選択図】 なし

Description

本発明は、電解液を改良したリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、小型で大容量であるため、携帯電話やノート型パソコンといった幅広い分野で用いられている。
リチウムイオン二次電池は、正極と負極と電解液とから構成されている。正極は、例えば、リチウム・マンガン複合酸化物、リチウム・コバルト複合酸化物、リチウム・ニッケル複合酸化物などのリチウムと遷移金属との金属複合酸化物からなる正極活物質と、正極活物質で被覆された集電体とからなる。
負極は、負極活物質で集電体を被覆して形成されている。負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質からなり、近年、珪素(Si)や錫(Sn)又はこれらの元素を含む化合物の使用が検討されている。珪素、錫又はこれらを含む化合物からなる負極活物質は、Liイオンの吸蔵・放出により体積が膨張したり収縮したりする。負極活物質の表面には、充放電時に被膜が形成される。被膜は、電解液が負極活物質と直接接触するのを防止して電解液の劣化を抑えている。しかし、この被膜は、負極活物質の体積変化で亀裂が発生する場合がある。被膜に亀裂が生じると、電解液が負極活物質と直接接触して、電解液が劣化し、充放電のサイクル特性が低下するおそれがある。
ところで、近年、電池を車両に搭載して使用することが検討されている。車両は、過酷な環境下に晒されることが多い。電池を高温下で貯蔵すると、電池の内部抵抗が上昇するなど、電池特性が低下する。このため、電池には高温貯蔵安定性が必要とされる。
そこで、種々の先行技術について検討した。例えば、特許文献1には、電解液に、リチウム塩Li[P(C]を0.01〜0.2モル/Lと、フルオロエチレンカーボネートとを被膜形成剤として添加することが記載されている。特許文献2には、電解液に、0.05モル/LのLiPF(Cとフルオロエチレンカーボネートとを添加することが記載されている。特許文献3、4には、電解液に、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を0.01重量%以上と、フルオロエチレンカーボネートとを含むことが示されている。特許文献5には、負極が、集電体の表面に炭素粒子含有層及びケイ素含有層を積層してなり、電解液にリチウム塩LiPF(Cを添加してもよいことが示されている。
特開2006−196250号公報(請求項1,3、段落19) 特開2011−90876号公報(請求項10,段落18,24,65、23,24) 特開2010−238506号公報(請求項1,2,4,6) 特開2010−205474号公報(請求項3,段落23,24、30) 特開2006−073480号公報(請求項1、段落21)
しかしながら、上記特許文献1〜4では、負極活物質が炭素材料からなる。このため、負極活物質がケイ素又は鉛を含む合金化可能な材料である場合に、特許文献1〜4に記載されたように、フルオロエチレンカーボネートとリチウム塩とを電解液が含むことで、電池特性が改良されるか否かは不明である。また、特許文献5では、負極の一部にケイ素を含む場合で、電解液にリチウム塩を含んでもよいことは示されている。しかし、フルオロエチレンカーボネートを電解液に添加した場合に、ケイ素又は鉛を含む合金化可能な負極活物質により電解液の劣化が抑制されるか否かは不明である。そもそも、特許文献1〜5では、いずれも充放電サイクル特性やハイレート特性の向上を検討したものであり、高温貯蔵特性について検討したものではない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、高温貯蔵安定性に優れたリチウムイオン二次電池及びこれを用いた車両を提供することを課題とする。
発明のリチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能であってリチウムと合金化反応可能な元素又は/及びリチウムと合金化反応可能な元素化合物からなる負極活物質を有する負極と、リチウムイオンを吸蔵・放出し得る正極活物質を有する正極と、電解質を溶媒に溶解させてなる電解液とを有するリチウムイオン二次電池であって、前記電解液の前記溶媒は、フッ素系エチレンカーボネートを含み、かつ、前記電解液は、添加剤として下記の「化1」で表される化合物を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
Figure 2015097139
(MはP又はB、Xはハロゲン基、Rは鎖状炭化水素基、n1は1又は2、n2は1〜4の整数、n3は0〜3の整数である。)
本発明のリチウムイオン二次電池は、負極活物質としてリチウムイオンと合金化可能な元素を含み、且つ、電解液にフッ素系エチレンカーボネートと、添加剤として上記の「化1」に表される化合物を含んでいる。このため、優れた高温貯蔵特性を発揮することができる。
電池1、3についての充放電サイクル特性を示す図である。 高温貯蔵後の電池1〜3の電池全体の抵抗上昇率を示す図である。 高温貯蔵後の電池1〜3の正極の抵抗上昇率を示す図である。 高温貯蔵後の電池1〜3の負極の抵抗上昇率を示す図である。 電池1、2、4、5についての高温貯蔵試験後の容量回復率を示す図である。
本発明の実施形態に係るリチウムイオン二次電池について詳細に説明する。
リチウムイオン二次電池の電解液には、フッ素系エチレンカーボネートと、添加剤としての下記の「化1」で表される化合物とが含まれている。
Figure 2015097139
(MはP又はB、Xはハロゲン基、Rは鎖状炭化水素基、n1は1又は2、n2は1〜4の整数、n3は0〜3の整数である。)
電解液にフッ素系エチレンカーボネートが含まれると、常温時の電池の充放電サイクル特性が上昇する。その理由は以下のように考えられる。フッ素系エチレンカーボネートは、電解液の中で還元反応されやすい成分である。このため、フッ素系エチレンカーボネートが分解され被膜成分となることにより、電解液中の電解質や他の溶媒の劣化を抑えることができ、常温時の電池の充放電特性が高くなるものと考えられる。
フッ素系エチレンカーボネートは、高い電位での高温時の安定性は高い一方、低い電位での高温時の安定性は低い。このため、比較的貴な電位となる正極においてはフッ素系エチレンカーボネートは分解されにくく、正極活物質表面に被膜が生成されにくく、被膜の膜厚は薄い。一方、比較的卑な電位となる負極では分解されやすく、負極活物質表面に被膜が生成しやすく、被膜が厚膜化する傾向にある。
ここで、負極活物質は、リチウムイオンと合金化可能な元素を含み、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化が比較的大きい。このため、負極活物質表面に形成される比較的厚い被膜は、被膜表面部分に応力が集中しやすく破壊されやすい。ゆえに、活物質の体積変化に柔軟に追従し得る薄い安定な被膜で被覆されることが必要とされる。
電解液に含まれる添加剤は、上記「化1」で表される化合物である。この添加剤は、酸化還元電位が高く、還元分解しやすい性質をもつ。このため、添加剤を含む電解液を有する二次電池は、使用初期に負極活物質表面全体に薄い安定な被膜を形成しやすい。薄い被膜は、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う活物質の体積変化に柔軟に追従しやすく、応力が集中しにくい。それゆえ、負極活物質と電解液とが直接接触することが抑えられ、電解液の更なる劣化を抑制することができる。また、被膜の更なる生成を抑えることができる。被膜が薄いため、負極活物質の電気抵抗を低く抑えることができる。
また、正極活物質表面全体にも、薄い安定な被膜を形成する。このため、電解液の更なる劣化を抑制するとともに、被膜の更なる生成を抑え、正極活物質の電気抵抗を低く抑えることができる。
ゆえに、貯蔵後においても電池特性の劣化が少なく、貯蔵安定性、特に高温貯蔵安定性に優れている。
電解液1リットル当たりの添加剤のモル濃度は、0.005モル/L以上0.04モル/L以下であることが好ましく、更には、0.005モル/L以上0.02モル/L以下であり、0.01モル/L以上0.02モル/L以下であることが望ましい。電解液中の添加剤が過少である場合には、使用初期に、負極活物質及び正極活物質の表面に薄く安定な被膜が生成されにくく、使用に伴って被膜が厚くなり、抵抗が高くなり、貯蔵安定性が低下するおそれがある。電解液中に添加剤が過剰に含まれる場合には、添加剤による効果が飽和してそれ以上の効果の向上が期待できない。
「化1」で表された化合物からなる添加剤は、イオン性金属錯体構造をもち、その中心となるMは、P(リン)又はB(ホウ素)からなる。そして、Mは、環状カルボン酸の環状骨格の一部をなすとともに、少なくとも1つのハロゲン基をもつ。Mの電子は、電気陰性度の高いハロゲン基側に偏り、Mはわずかに正電荷を帯びている。このため、Mは、環状カルボン酸の中の環構造を形成している酸素の電子を引き寄せる傾向にあり、MとOとの間で、開環しやすくなっている。それゆえ、添加剤は、電解液中の他の成分よりも酸化還元電位が高く、他の成分に先立って還元分解される。
「化1」の中でXはハロゲン基を示す。ハロゲン基としては、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、I(ヨウ素)At(アスタチン)が挙げられるが、中でもF、Clが好ましく、更にはFが望ましい。「化1」の中で、Mには、1〜4のハロゲン基Xが結合している (1≦n2≦4)。
「化1」の中でRは鎖状炭化水素基である。鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの脂肪族アルキル基、脂肪族アルキル基に含まれる水素がハロゲン基に置換したものでもよい。脂肪族アルキル基の中でも炭素数が1以上3以下の低級脂肪族アルキル基がよい。
「化1」の中のMの電子を引き寄せるためには、Rは、ハロゲン基を有する鎖状炭化水素基であることがよい。この場合には、鎖状炭化水素基の中でもMに結合している炭素に、ハロゲン基が結合しているとよい。このハロゲン基は、Mに直接に結合しているハロゲン基Xとともに、Mの電子を引き寄せやすく、M−Oの結合を開環させやすくするからである。
Rは、「化1」の中のMに結合していてもよい。RがMに結合している場合には、Rの結合数n3は0〜3である(0≦n3≦3)。また、Rは、Mに結合していなくても良い。
添加剤としての前記化合物は、環状カルボン酸を有する。化合物の中の環状カルボン酸の数は、1以上2以下(1≦n1≦2)である。
添加剤は、下記の「化2」で表された化合物であることがよい。「化2」で表された化合物は、LiPF(C(以下、LPFOという。)である。LPFOは、酸化還元電位が高いため、還元分解されやすく、電解液の他の成分の分解を抑える。このため、リチウムイオン二次電池の貯蔵特性、特に高温貯蔵特性を高めることができる。
また、添加剤としては、下記の「化3」で表された化合物(3−1)〜(3−5)、或いは下記の「化4」で表された化合物(4−1)又は(4−2)を用いることができる。この中、「化2」の化合物、及び「化3」の化合物(3−1)は、Pを挟んで環状カルボン酸を2つもつ化合物であり、(3−2)〜(3−5)は、Pを環構造の一部に含む環状カルボン酸を1つもつ化合物である。また、「化4」の化合物(4−1)又は(4−2)は、Bを環構造の一部に含む環状カルボン酸であり、環状カルボン酸を1つもつ。
Figure 2015097139
Figure 2015097139
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電解液に含まれるフッ素系エチレンカーボネートは、エチレンカーボネートの炭素にフッ素が結合した化合物である。フッ素基が、負極活物質粒子表面に形成される被膜の構成元素となり、被膜を安定にする。好ましくは、フッ素化エチレンカーボネートは、環状構造を形成している炭素に少なくとも1のフッ素が結合しているとよい。
フッ素化エチレンカーボネートとしては、例えば、フッ素化エチレンカーボネート、二フッ素化エチレンカーボネート、三フッ素化エチレンカーボネート等を好ましく用いることができる。フッ素化エチレンカーボネートとしては、4−フルオロ−1、3−ジオキソラン−2−オン(フルオロエチレンカーボネート、FEC)が挙げられる。二フッ化エチレンカーボネートとしては、4−メチル−5−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、DFEC(ジフルオロエチレンカーボネート)が挙げられる。三フッ化エチレンカーボネートとしては、トリフルオロプロピレンカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン2−オン、トリフルオロメチレン炭酸エチレンが挙げられる。耐酸性を考慮すると、このうちFECを用いるのが特に好ましい。
電解液の溶媒全体を100体積%としたときに、フッ素化エチレンカーボネートは、1体積%以上30体積%以下であることが好ましい。この場合には、充放電のサイクル特性を効果的に向上させることができるとともに、電解液の粘性も低く抑えてLiイオンを移動させやすくして電池容量を更に向上させることができる。一方、フッ素化エチレンカーボネートが1体積%未満である場合には、サイクル特性向上の程度が低くなるおそれがある。フッ素化エチレンカーボネートが30体積%を超える場合には、電解液の高温特性が低下し、高温によってフッ素化エチレンカーボネートが分解し、その分解生成物により電池の内部抵抗が高くなる原因となる。
電解液は、非水電解液であるとよい。非水電解液は、有機溶媒に電解質を溶解させたものである。電解質は、フッ化塩であることがよく、有機溶媒に可溶なアルカリ金属フッ化塩であることが好ましい。アルカリ金属フッ化塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiAsF、NaPF、NaBF、及びNaAsFの群から選ばれる少なくとも1種を用いるとよい。
非水電解液の有機溶媒は、非プロトン性有機溶媒であることがよく、たとえば、環状カーボネート、鎖状カーボネート、エーテル類などを用いるとよい。電解液の溶媒は、フッ素化エチレンカーボネートを含む環状カーボネートと、鎖状カーボネートとを有することが好ましい。環状カーボネートは誘電率が高く、鎖状カーボネートは粘性が低い。このため、電解液が環状カーボネートと鎖状カーボネートの双方を含むことにより、Liイオンの移動を妨げず、電池容量を向上させることができる。
電解液の溶媒全体を100体積%としたとき、環状カーボネートは30〜50体積%以下であり、鎖状カーボネートは50〜70体積%であるとよい。環状カーボネートは、電解液の誘電率を高くする一方、粘性が高い。電解液の誘電率が上がると電解液の導電性が良くなる。電解液の粘性が高いとLiイオンの移動が妨げられ導電性が悪くなる。鎖状カーボネートは、低い誘電率であるが、粘性は低い。両者を上記の配合比の範囲でバランスよく配合することで、溶媒の誘電率をある程度高く、また粘性も低くして、導電性のよい溶媒を調整でき、電池容量を向上させることができる。
環状カーボネートは、フッ素化エチレンカーボネートを必須成分とし、そのほか、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、及びガンマバレロラクトンの群から選ばれる1種以上を含んでいても良い。
有機溶媒に用いられる鎖状カーボネートは、鎖状なら特に限定しない。例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、及び酢酸アルキルエステルから選ばれる一種以上を用いることができる。
また、有機溶媒に用いられるエーテル類として、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等を用いることができる。
負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能であってリチウムと合金化反応可能な元素又は/及びリチウムと合金化反応可能な元素化合物からなる。負極活物質は、珪素または錫或いは/及び珪素化合物または錫化合物であることが好ましい。
負極活物質には、前記元素又は/及び前記元素化合物をのほかに、黒鉛を含んでいても良い。負極活物質は、元素化合物の他に、黒鉛を含んでいることがよい。負極活物質は、珪素または錫或いは/及び珪素化合物または錫化合物の他に、黒鉛を含んでいても良い。この場合にも、本発明の電解液は有効であり、高温貯蔵安定性に優れる。
前記リチウムと合金化反応可能な元素は、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Ti、Ag、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、及びBiの群から選ばれる少なくとも1種からなる材料であるとよい。中でも、珪素(Si)または錫(Sn)からなるとよい。
前記リチウムと合金化反応可能な元素化合物は、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Ti、Ag、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、及びBiの群から選ばれる少なくとも1種を有する化合物であるとよい。中でも、珪素化合物または錫化合物であることがよい。珪素化合物は、SiOx(0.5≦x≦1.5)であることがよい。錫化合物は、例えば、スズ合金(Cu−Sn合金、Co−Sn合金等)などが挙げられる。
中でも、負極活物質は、Si(珪素)を有するSi系材料を含んでいてもよい。Si系材料は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能であって珪素又は/及び珪素化合物からなるとよく、例えば、SiOx(0.5≦x≦1.5)からなるとよい。珪素は、理論放電容量が大きい。一方で、充放電時の体積変化が大きいため、SiOxとすることで体積変化を少なくすることができる。
また、Si系材料は、Si相と、SiO相とをもつことが好ましい。Si相は、珪素単体からなり、Liイオンを吸蔵・放出し得る相であり、Liイオンの吸蔵・放出に伴って膨張・収縮する。SiO相は、SiOからなり、Si相の膨張・収縮を吸収する。Si相がSiO相により被覆されることで、Si相とSiO相とからなるSi系材料を形成しているとよい。さらには、微細化された複数のSi相がSiO相により被覆されて一体となって粒子を形成しているとよい。この場合には、Si系材料全体の体積変化を効果的に抑えることができる。
Si系材料でのSi相に対するSiO相の質量比は、1〜3であることが好ましい。前記質量比が1未満の場合には、Si系材料の膨張・収縮が大きく、炭素材料とSi系材料から構成された負極活物質層にクラックが生じるおそれがある。一方、前記質量比が3を超える場合には、負極活物質でのLiイオンの吸蔵・放出量が少なく、電気容量が低くなるおそれがある。
Si系材料は、Si相とSiO相とのみから構成されていてもよい。また、Si系材料は、Si相とSiO相とを主成分としているが、その他に、公知の活物質を含んでいても良く、具体的には、MeSi(MeはLi,Caなど、x、y、zは整数)のうちの少なくとも1種を混合していてもよい。
Si系材料の原料として、一酸化珪素を含む原料粉末を用いるとよい。この場合、原料粉末中の一酸化珪素を、SiO相とSi相との二相に不均化する。一酸化珪素の不均化では、SiとOとの原子比が概ね1:1の均質な固体である一酸化珪素(SiOn:nは0.5≦n≦1.5)が固体内部の反応により、SiO相とSi相との二相に分離する。不均化により得られる酸化珪素粉末は、SiO相とSi相とを含む。
原料粉末の一酸化珪素の不均化は、原料粉末にエネルギーを与えることにより進行する。一例として、原料粉末を加熱する、ミリングする、などの方法が挙げられる。
原料粉末を加熱する場合、一般に、酸素を絶った状態であれば800℃以上で、ほぼすべての一酸化珪素が不均化して二相に分離すると言われている。具体的には、非結晶性の一酸化珪素粉末を含む原料粉末に対して、真空中又は不活性ガス中などの不活性雰囲気中で800〜1200℃、1〜5時間の熱処理を行うことにより、非結晶性のSiO相と結晶性のSi相の二相を含む酸化珪素粉末が得られる。
原料粉末をミリングする場合には、ミリングの機械的エネルギーの一部が、原料粉末の固相界面における化学的な原子拡散に寄与し、酸化物相と珪素相などを生成する。ミリングでは、原料粉末を、真空中、アルゴンガス中などの不活性ガス雰囲気下で、V型混合機、ボールミル、アトライタ、ジェットミル、振動ミル、高エネルギーボールミル等を使用して混合するとよい。ミリング後にさらに熱処理を施すことで、一酸化珪素の不均化をさらに促進させてもよい。
上記の負極活物質は、集電体の少なくとも表面を被覆する負極材を構成する。一般的に、負極は、上記負極材を負極活物質層として集電体に圧着されることで構成される。集電体は、例えば、銅や銅合金などの金属製のメッシュや金属箔を用いるとよい。
負極材には、前記負極活物質の他に、結着剤、導電助材等を含んでいても良い。
結着剤は、特に限定されるものではなく、既に公知のものを用いればよい。たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂など高電位においても分解しない樹脂を用いることができる。結着剤の配合割合は、質量比で、負極活物質:結着剤=1:0.05〜1:0.5であるのが好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
導電助材としては、非水電解質二次電池の電極で一般的に用いられている材料を用いればよい。たとえば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック(炭素質微粒子)、炭素繊維などの導電性炭素材料を用いるのが好ましく、導電性炭素材料の他にも、導電性有機化合物などの既知の導電助剤を用いてもよい。これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を混合して用いるとよい。導電助材の配合割合は、質量比で、負極活物質:導電助材=1:0.01〜1:0.5であるのが好ましい。導電助材が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助材が多すぎると電極材の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
本発明のリチウムイオン二次電池に用いられる正極は、リチウムイオンを吸蔵・放出し得る正極活物質を有する。正極は、集電体と、正極活物質を有し集電体の表面を被覆する正極材とからなるとよい。正極活物質は、結着剤及び/又は導電助材とともに正極材を構成するとよい。導電助材および結着剤は、特に限定はなく、リチウムイオン二次電池で使用可能なものであればよい。
正極活物質としては、例えば、リチウム・マンガン複合酸化物、リチウム・コバルト複合酸化物、リチウム・ニッケル複合酸化物などのリチウムと遷移金属との金属複合酸化物を用いる。具体的には、LiCoO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMnO、Sなどが挙げられる。正極活物質は、また、リチウムを含まない活物質、例えば硫黄単体、硫黄変性化合物などを用いることもできる。正極、負極共にリチウムを含まない場合はリチウムをプレドープする必要がある。
正極用の集電体は、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼など、リチウムイオン二次電池の正極に一般的に使用されるものであればよく、メッシュや金属箔などの種々の形状でよい。
セパレータは、必要に応じて用いられる。セパレータは、正極と負極とを分離し非水電解液を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
正極および負極に必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に電極体に非水電解液を含浸させてリチウムイオン二次電池とするとよい。
リチウムイオン二次電池の形状は、特に限定なく、円筒型、積層型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
リチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。上記の粒径特性をもつ負極活物質粒子を用いたリチウムイオン二次電池で走行用モータを駆動することにより、大容量、大出力で、長時間使用することができる。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であれば良く,例えば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池は、車両以外にも、パーソナルコンピュータ,携帯通信機器など,電池で駆動される各種の家電製品,オフィス機器,産業機器が挙げられる。
リチウムイオン二次電池を以下のように電池1〜5の5種類作製し、各種電池特性を測定した。電池2、4、5は本発明の実施例であり、電池1,3は本発明の参考例である。
(電池1)
まず、市販のSiO粉末をボールミルに入れて、Ar雰囲気下で、回転数450rpmで20時間ミリングし、その後、不活性ガス雰囲気中で、900℃の温度下で、2時間加熱処理を行った。これにより、SiO粉末が不均化されて、粒子状のSi系材料が得られた。このSi系材料について、CuKαを使用したX線回折(XRD)測定を行ったところ、単体珪素と二酸化珪素とに由来する特有のピークが確認された。このことから、Si系材料には、単体珪素と二酸化珪素が生成していることがわかった。
不均化されたSi系材料と、黒鉛粉末と、導電助剤と、結着剤としてのポリアミドイミド(PAI)とを混合し、溶媒を加えてスラリー状の混合物を得た。導電助剤としてはアセチレンブラック(AB)を用いた。溶媒は、N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)であった。Si系材料と、黒鉛粉末と、導電助剤と、結着剤との質量比は、百分率で、Si系材料/黒鉛粉末/導電助剤/結着剤=32/50/8/10であった。
次に、スラリー状の混合物を、ドクターブレードを用いて集電体である銅箔の片面に成膜し、所定の圧力でプレスし、200℃、2時間加熱し、放冷した。これにより、集電体表面に負極材(負極活物質層)が固定されてなる負極が形成された。
次に、正極活物質としてのリチウム・ニッケル系複合酸化物LiNi1/3Co1/3Mn1/3と、アセチレンブラックと、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを混合してスラリーとなし、このスラリーを集電体としてのアルミニウム箔の片面に塗布し、プレスし、焼成した。リチウム・ニッケル系複合酸化物とアセチレンブラックとポリフッ化ビニリデンとの質量比は、リチウム・ニッケル系複合酸化物/アセチレンブラック/ポリフッ化ビニリデン=88/6/6とした。これにより、正極集電体の表面に正極材(正極活物質層)を固定してなる正極を得た。
正極と負極との間に、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜を挟み込んだ。この正極、セパレータ及び負極からなる電極体を複数積層した。2枚のアルミニウムフィルムの周囲を、一部を除いて熱溶着をすることにより封止して、袋状とした。袋状のアルミニウムフィルムの中に、積層された電極体を入れ、更に、電解液を入れた。
電解液は、電解質としてのLiPFが、有機溶媒に溶解してなる。有機溶媒は、フルオロエチレンカーボネート(FEC)とエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを、体積%でFEC/EC/EMC/DMC=4/26/30/40の配合比で混合して調製した。電解液中のLiPFの濃度は、1モル/L(M)とした。
その後、真空引きしながら、アルミニウムフィルムの開口部分を完全に気密に封止した。このとき、正極側及び負極側の集電体の先端を、フィルムの端縁部から突出させ、外部端子に接続可能とし、リチウムイオン二次電池を得た。リチウムイオン二次電池に25℃で初期充放電を行うコンディショニング処理を行った。
(電池2)
電池2の電解液には、電池1の電解液に更にLPFOが含まれている。電解液中のLPFOの濃度は0.01モル/Lとした。電解液中のLiPFの濃度は、1モル/L(M)とした。電解液中の有機溶媒は、フルオロエチレンカーボネート(FEC)とエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを、体積%でFEC/EC/EMC/DMC=4/26/30/40の配合比で混合して調製した。電池2のその他の構成は、電池1と同様である。
(電池3)
電池3の電解液には、FECが含まれていない。電池3の電解液中の有機溶媒は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを、体積%でEC/EMC/DMC=30/30/40の配合比で混合して調製した。電池3のその他の構成は、電池1と同様である。
(電池4)
電池4は、電解液中のLPFOの濃度が0.02モル/Lである点を除いて、電池2と同様である。
(電池5)
電池5は、電解液中のLPFOの濃度が0.04モル/Lである点を除いて、電池2と同様である。上記電池1〜5の電解液の成分を表1に示した。
Figure 2015097139
<充放電サイクル試験>
電池1、3について、充放電サイクル試験を25℃で行った。サイクル試験の充電条件を1C、4.2VのCC(定電流)充電とし、放電条件を1C、2.5VのCC(定電流)放電とした。コンディショニング処理後の最初の充放電試験を1サイクル目とし、500サイクル目まで同様の充放電を繰り返し行った。
図1に示すように、電解液にFECが含まれていない電池3よりも、FECを含む電池1の方が、サイクル特性が向上した。これは、FECが、被膜中のLiFの構成成分になり、安定で強固な被膜が生成され、負極活物質が電解液に直接接触することが抑制され、電解液の分解が抑えられたためであると考えられる。
<高温貯蔵試験>
上記で作製されたコンディショニング後の電池1〜3について、定電流を流して満充電とした。満充電の電池1〜3を 65℃で12.5日間貯蔵した。貯蔵の前と後とで各電池の電池全体の電気抵抗、正極の電気抵抗、及び負極の電気抵抗を測定した。
電池全体の電気抵抗は、電池の内部抵抗に相当し、電池の外部接続用の正極端子と負極端子との間の電気抵抗である。貯蔵前の電池全体の電気抵抗(Before)に対する貯蔵後の電池全体の電気抵抗(After)の増加率((After-Before)/Before×100)を求め、これを抵抗上昇率とした。
正極の電気抵抗は、正極集電体表面に形成されている正極材の厚み方向の電気抵抗である。正極の電気抵抗は、3 極セルで正極、負極それぞれ分離して測定した。正極の抵抗上昇率は前述の電池全体の抵抗上昇率と同様の方法で算出した。
負極の電気抵抗は、負極集電体表面に形成されている負極材の厚み方向の電気抵抗である。負極の電気抵抗は、3 極セルで正極、負極それぞれ分離して測定した。負極の抵抗上昇率は前述の電池全体の抵抗上昇率と同様の方法で算出した。電池1,2,3の電池全体の抵抗上昇率、正極の抵抗上昇率、及び負極の抵抗上昇率を、図2、図3、図4に示した。
図2に示すように、電池(セル)全体の抵抗上昇率は、電池1、電池2、電池3の順に低くなった。図3に示すように、正極の抵抗上昇率は、電池3、電池1、電池2の順に低くなった。各電池の正極の抵抗上昇率は、各電池の電池全体の抵抗上昇率よりも高かった。図4に示すように、負極の抵抗上昇率は、電池1、電池2、電池3の順に低くなった。各電池の負極の抵抗上昇率は、各電池の電池全体の抵抗上昇率よりも低かった。
FECは高い電位での高温安定性はよいが、低い電位での高温時の安定性はよくない。このため、比較的貴な電位となる正極においてはFECは分解されにくく、正極活物質表面に被膜が生成されにくく、被膜の膜厚は薄い。一方、比較的卑な電位となる負極ではFECは分解されやすく、負極活物質表面に被膜が生成しやすく、被膜が厚膜化する傾向にある。被膜はもともと絶縁抵抗が高いため、被膜の厚膜化により被膜自体の抵抗が更に高くなる。
ここで、負極活物質は、SiOxからなり、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化が比較的大きい。このため、負極活物質表面に形成される被膜は破壊されやすい。ゆえに、薄い安定な被膜で被覆されることが必要とされる。
電解液に含まれるLPFOは、酸化還元電位が高く、還元分解しやすい性質をもつ。このため、LPFOを含む電解液を有する二次電池は、使用初期に負極活物質表面全体に薄い安定な被膜を形成しやすい。それゆえ、負極活物質と電解液とが直接接触することが抑えられ、電解液の更なる劣化を抑制することができる。また、被膜の更なる生成を抑えることができる。電気抵抗の高い被膜が薄いため、負極活物質の電気抵抗を低く抑えることができる。
また、正極活物質表面全体にも、薄い安定な被膜を形成する。このため、電解液の更なる劣化を抑制するとともに、被膜の更なる生成を抑え、正極活物質の電気抵抗を低く抑えることができる。
ゆえに、高温貯蔵後においても電池特性の劣化が少なく、高温貯蔵安定性に優れている。
<LPFOの濃度と容量回復率との関係>
電池1,2,4,5の貯蔵試験後の容量回復率を測定した。電池1,2,4,5では、いずれも、電解液中のLiPFの濃度は1モル/L(M)とし、電解液中の有機溶媒の成分比は、体積%でFEC/EC/EMC/DMC=4/26/30/40とした。電解液中のLPFOの濃度は、電池1,2,4,5の順に、0モル/L、0.01モル/L、0.02モル/L、0.04モル/Lである。
上記で作製されたコンディショニング後の電池1,2,4,5について、80%レベルまで充電させた後に、貯蔵試験を行った。貯蔵試験の条件は、65℃、12.5日間とした。貯蔵試験の前と後とで、放電容量を測定した。貯蔵試験前の放電容量に対する貯蔵試験後の放電容量の百分率をもとめ、容量回復率とした。各電池の容量回復率を図5に示した。
図5に示すように、LPFOを含む電解液を用いた電池2,4,5は、LPFOを含まない電池1に比べて、容量回復率が高かった。電池3の容量回復率は、電池2よりも高かった。電池5の容量回復率は、電池4とさほど変わらなかった。このことから、LPFOの添加量は0.005〜0.04モル/Lがよく、更には0.01〜0.04モル/L、望ましくは0.01〜0.02モル/Lであることがよいことがわかった。
電解液にLPFOを添加すると、貯蔵試験の初期段階で、負極活物質表面に被膜が形成され、過剰な被膜の形成が抑えられたため、活物質の抵抗が抑えられ、容量回復率が高くなったと考えられた。

Claims (6)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出可能であってリチウムと合金化反応可能な元素又は/及びリチウムと合金化反応可能な元素化合物からなる負極活物質を有する負極と、リチウムイオンを吸蔵・放出し得る正極活物質を有する正極と、電解質を溶媒に溶解させてなる電解液とを有するリチウムイオン二次電池であって、
    前記電解液の前記溶媒は、フッ素系エチレンカーボネートを含み、かつ、
    前記電解液は、添加剤として下記の「化1」で表される化合物を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
    Figure 2015097139
    (MはP又はB、Xはハロゲン基、Rは鎖状炭化水素基、n1は1又は2、n2は1〜4の整数、n3は0〜3の整数である。)
  2. 前記電解液1リットル当たりの前記添加剤のモル濃度は、0.005モル/L以上0.04モル/L以下であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記添加剤は、下記の「化2」で表される化合物である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池。
    Figure 2015097139
  4. 前記電解液の前記溶媒全体を100体積%としたときに、前記フッ素系エチレンカーボネートは、1体積%以上30体積%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記負極活物質は、珪素または錫或いは/及び珪素化合物または錫化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記負極活物質は、前記元素又は/及び前記元素化合物のほかに、黒鉛を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
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