JPWO2012137618A1 - 溶融塩電池 - Google Patents

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Abstract

溶融塩電池に使用するセパレータは、溶融塩電池特有の使い方により、機械的、熱的や化学的なストレスを受け、亀裂や破断が発生し、内部ショート等の電池性能の低下を招き易いという問題があった。そこで、本発明の溶融塩電池は、金属酸化物、特に酸化アルミニウム及び/又は酸化ジルコニウムを75%以上含有するセパレータを備える。セパレータは機械的、熱的、化学的に耐性が向上し、セパレータに起因する内部ショートが発生しにくく、長期に渡り安定に溶融塩電池を運転することが出来る。また、セパレータは熱安定性が高く、溶融塩電池の安全性を向上させることが出来る。

Description

本発明は、電解質として溶融塩を用いた溶融塩電池に関する。
近年、太陽光又は風力等の自然エネルギーの利用が進められている。自然エネルギーを利用して発電を行った場合は発電量が変動し易いので、発電した電力を安定供給するためには、蓄電池を用いた充電・放電により、供給電力を平準化することが必要となる。このため、自然エネルギーの利用を促進するためには、高エネルギー密度・高効率の電力貯蔵用の蓄電池が不可欠である。このような電力貯蔵用の蓄電池として、特許文献1に記載されたナトリウム−硫黄電池や鉛蓄電池のほか、溶融塩電池がある。
特許文献2に記載された溶融塩電池は、電解質に溶融塩を用いた電池であり、溶融塩が溶融した状態で動作する。溶融塩としては、例えば、ナトリウムイオンをカチオンとし、FSA(ビスフルオロスルフォニルアミド;(FSO2)2N-)をアニオンとしたNaFSAが用いられる。このような溶融塩の融点は室温以上であり、当該溶融塩を用いた溶融塩電池は室温より高い温度の、例えば100℃付近の温度で動作する。溶融塩電池の内部には、電解質以外に正極、負極及びセパレータが備えられている。これらの部材には耐熱性が要求される。
セパレータは、正極と負極とを隔てるシート状の部材であり、活物質のイオンを含む溶融塩を内部に保持している。従来の溶融塩電池では、ガラスクロス等を用いたガラス製のセパレータやリチウムイオン二次電池などに使用されるポリオレフィン樹脂のセパレータが利用されていた。
特開2007−273297号公報 特開2011−192474号公報
一般的に良く知られているリチウムイオン二次電池やニッケル水素蓄電池などは常温で使用できるが、溶融塩電池は、温度が80〜100℃程度の、常温より高い温度で動作する電池である。従って、電池を動作させる場合は、電池の電解質が液体状態になるように電池全体の温度を、電解質である溶融塩の融点以上の温度になるように加熱することが必要である。また電池停止時は、電池の加熱を停止して電解質の温度を融点以下にすれば、電解質は固化し電解質としての機能が出来なくなる。
このように、溶融塩電池は、電池の運転と停止の繰り返しにより、電解質が液体状態と固体状態とを交互に繰り返すことになる。この電解質の固体−液体の状態変化により、特にセパレータ中に存在する電解質によって、従来のセパレータ材料は機械的なストレス、熱や化学的なストレスを受ける。その結果、亀裂や破断が発生し、内部ショート等の電池性能の低下を招き易いという問題があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、電池の運転と停止の繰り返しにより、電解質が液体状態と固体状態を繰り返す場合であっても安定に機能する溶融塩電池を提供することにある。
本発明は、電解質として溶融塩を用いる溶融塩電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間にあって両極を互いに隔離し、金属酸化物材料を75質量%以上含有するセパレータとを備えている。
例えば、酸化アルミニウム及び/又は酸化ジルコニウムを75質量%以上含有するセパレータが好ましい。
一方、セパレータの成分の残部は、例えばその他の金属酸化物で構成され、有機化合物を実質的に除いたものとしてもよい。また、これとは別に、セパレータの成分の残部は、有機化合物で構成することもできる。有機化合物としては、例えば、ポリオレフィン又はポリアミドが好適である。
近年、有機電解質を用いるリチウムイオン二次電池用のセパレータとして、例えばポリオレフィン製の微多孔膜に無機微粒子層を備えた安全性を高める耐熱セパレータが各種提案されている。これに対して、電解質として溶融塩を用いる溶融塩電池には前述の特有の運転方法が用いられる。そのため、セパレータは、溶融塩電池特有の材料が用いられ、しかも、良好にこの電池を動作させるためには、セパレータには従来にない機能が要求される。
本発明の溶融塩電池におけるセパレータは、金属酸化物、特に、酸化アルミニウム及び/又は酸化ジルコニウムを75質量%以上含有する。これによって、電池の運転と停止の繰り返しにより電解質が液体状態と固体状態を繰り返しても、機械的及び化学的に安定なセパレータの機能を持続することが出来る。酸化アルミニウム及び/又は酸化ジルコニウムを75質量%以上含有したセパレータは、熱サイクルによる機械的強度が高いだけでなく、比較的高い動作温度においても電解質に対して化学的安定性が高い。
また本発明の溶融塩電池は、仮に内部短絡等の異常事態に遭遇しても、不燃性の電解質材料を使用しているため、発熱・発火等の危険性が極めて低いという、安全性の高い特徴を有している。その理由は、不燃性の電解質材料が本溶融塩電池の正極、負極、セパレータ等の発電要素部分全体に存在しているからである。すなわち、仮に事故などで本電池の外部から水などが進入しても、また電池内部で短絡が発生しても、不燃性の電解質材料が、異常発生の可能性がある部分をプロテクトしており、局部的な異常発熱の発現を防止している。これが、溶融塩電池が高い安全性を確保できる理由である。
本発明によれば、機械的及び化学的に安定なセパレータの機能を持続することが出来る。従って、これまでの溶融塩電池の課題であった電池の運転と停止の繰り返しにより、電解質が液体状態と固体状態を繰り返す場合であっても安定に機能する溶融塩電池を提供することが可能となる。
また、仮に内部短絡等の異常事態に遭遇したとしても、発熱・発火等の危険性が極めて低い、安全性の高い溶融塩電池を提供することが出来る。
本発明の溶融塩電池の構成例を示す模式的断面図である。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の溶融塩電池の構成例を示す模式的断面図である。図1には、溶融塩電池を縦に切断した模式的断面図を示している。溶融塩電池は、上面が開口した直方体の箱状の電池容器51内に、正極1、セパレータ3及び負極2を並べて配置し、電池容器51に蓋部52を固着して構成されている。電池容器51及び蓋部52はアルミニウムで形成されている。
正極1及び負極2は矩形平板状に形成されており、セパレータ3はシート状に形成されている。セパレータ3は正極1及び負極2の間に介装されており、正極1と負極2とが短絡しないように両極を互いに隔離している。正極1、セパレータ3及び負極2は、互いに重ねられ、通常、電池容器51の底面に対して縦に配置されている。
負極2と電池容器51の内側壁との間には、波板状の金属からなるバネ41が配されている。平板状の押え板42は、アルミニウム合金からなり非可撓性を有する。バネ41は、押え板42を付勢して負極2をセパレータ3及び正極1側へ押圧させる。この押圧に対する反力で、正極1は、バネ41とは逆側の内側壁からセパレータ3及び負極2側へ押圧される。なお、バネ41は、金属製のスプリング等に限定されず、例えばゴム等の弾性体であってもよい。充放電により正極1又は負極2が膨脹又は収縮した場合は、バネ41の伸縮によって正極1又は負極2の体積変化が吸収される。
正極1は、アルミニウムからなる矩形板状の正極集電体11上に、NaCrO2等の正極活物質とバインダとを含む正極材12を塗布して形成されている。なお、正極活物質はNaCrO2に限定されない。負極2は、アルミニウムからなる矩形板状の負極集電体21上に、錫等の負極活物質を含む負極材22が、メッキや蒸着法等によって形成されたものである。負極集電体21上に負極材22をメッキする際には、ジンケート処理として下地に亜鉛をメッキした後に錫メッキを施す。負極活物質は錫に限定されず、例えば、錫を金属ナトリウム、炭素、珪素又はインジウムに置き換えてもよい。負極材22は、例えば負極活物質の粉末に結着剤を含ませて負極集電体21上に塗布することによって形成してもよい。セパレータ3の詳細については後述する。
電池容器51内では、正極1の正極材12と負極2の負極材22とを向かい合わせにし、正極1と負極2との間にセパレータ3を介装してある。正極1、負極2及びセパレータ3には、溶融塩からなる電解質を含浸させてある。電池容器51の内面は、正極1と負極2との短絡を防止するために、絶縁性の樹脂で被覆する等の方法により絶縁性の構造となっている。
蓋部52の外側には、外部に接続するための正極端子53及び負極端子54が設けられている。正極端子53と負極端子54との間は絶縁されており、また蓋部52の電池容器51内に対向する部分も絶縁皮膜等によって絶縁されている。正極集電体11の一端部は、正極端子53にリード線55で接続され、負極集電体21の一端部は、負極端子54にリード線56で接続される。リード線55及びリード線56は、蓋部52から絶縁してある。蓋部52は、溶接によって電池容器51に固着されている。
溶融塩電池の電解質は、溶融状態で導電性液体となる溶融塩である。溶融塩の融点以上の温度で、溶融塩は溶融して電解液となり、溶融塩電池は二次電池として動作する。融点を低下させるために、電解質は、複数種類の溶融塩が混合していることが望ましい。例えば、電解質は、ナトリウムイオンをカチオンとしFSAをアニオンとしたNaFSAと、カリウムイオンをカチオンとしFSAをアニオンとしたKFSAとの混合塩である。
なお、電解質である溶融塩は、TFSA(ビストリフルオロメチルスルフォニルアミド)又はFTA(フルオロトリフルオロメチルスルフォニルアミド)等の他のアニオンを含んでいてもよく、有機イオン等の他のカチオンを含んでいてもよい。この形態では、電解質中でナトリウムイオンが電荷のキャリアとなる。
また、図1に示した溶融塩電池の構成は模式的な構成であり、溶融塩電池内には、内部を加熱するヒータ、又は温度センサ等、図示しないその他の構成物が含まれていてもよい。また、図1には正極1及び負極2を一対備える原理的な形態を示したが、より実用的な本発明の溶融塩電池は、複数の正極1及び負極2が交互に並び、隣り合う両極間にはセパレータ3を挟んで相互に重ね合わせられた形態であってもよい。
次に、セパレータ3の詳細を説明する。セパレータ3は、Al23(酸化アルミニウム)又はZrO2(酸化ジルコニウム)を主成分とするシート状の部材である。またセパレータ3は、内部に溶融塩を含浸させ、正極1と負極2との間で電荷のキャリアを移動させるために、多孔質の構造となっている。
例えば、セパレータ3は、Al23を主成分とする繊維からなる織布若しくは不織布、又はZrO2を主成分とする繊維からなる織布若しくは不織布である。また、セパレータ3は、Al23を主成分とする繊維と、ZrO2を主成分とする繊維とが混合した不織布等、Al23及びZrO2の両方を成分とする構成であってもよい。またセパレータ3は、Al23又はZrO2を主成分とする非繊維質のシートであってもよい。
本発明におけるセパレータ3に含まれるAl23及び/又はZrO2の含有量は、質量%で75%以上である。セパレータ3中のAl23の単独の含有量が75質量%以上であってもよく、ZrO2の含有量の単独の含有量が75質量%以上であってもよい。また、Al23及びZrO2の合計の含有量が75質量%以上であってもよい。
Al23及び/又はZrO2の含有量が75質量%以上であることによって、セパレータ3は機械的及び化学的に安定なセパレータの機能を持続することが出来、これまでの溶融塩電池の課題であった電池の運転と停止の繰り返しにより、電解質が液体状態と固体状態を繰り返す場合であっても安定に機能する溶融塩電池を提供することが可能である。
また、仮に内部短絡等の異常事態に遭遇しても、発熱・発火等の危険性が極めて低い、安全性の高い溶融塩電池を提供することが出来る。
セパレータ3に含まれるAl23及び/又はZrO2の含有量は、基本的には100質量%が望ましい。但し、セパレータの低価格化や形状の維持の観点からは、25質量%以下の範囲で、Al23、ZrO2以外の他の金属酸化物や有機化合物をセパレータ3の成分(残部)としてもよい。この場合も、純粋なAl23、ZrO2で構成したセパレータと類似の効果を発揮出来る。
Al23、ZrO2以外の他の金属酸化物としては、シリカ(SiO2)や、イットリア(Y23)、チタニア(TiO2)、セリア(CeO2)などが使用できる。
また有機化合物としては、リチウムイオン二次電池用のセパレータとして多用されているものが使用可能である。これは例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンや、ナイロンやアラミド等のポリアミド等の有機化合物である。
Al23、ZrO2を主成分とするセパレータには、これらの繊維をフェルト(不織布)、クロス(織布)等のシート状に一体化したものや、これらのパウダー(粒子)を、シート状に一体化したものがある。そして、Al23、ZrO2以外の他の金属酸化物は、これらのシート状に一体化するためのバインダとして作用する。
一方、ポリオレフィンや、ポリアミド等の有機化合物は、同様にセラミック繊維やパウダーのバインダとして作用する。また、これらの有機化合物を材料として、リチウムイオン二次電池用のセパレータの様に、不織布又は、微多孔膜を有する多孔性の有機物シートを形成してもよい。この場合、この有機物シートとAl23及び/又はZrO2材料等のセラミックシートの二層を貼り合わせて一体化し、本溶融塩電池のセパレータとすることも出来る。この二層貼り合わせは、熱圧着にて形成出来る。
これらの本発明のセパレータは、100℃前後で使用する電解質中でも、機械的、熱的そして化学的な耐性に優れる。機械的、熱的そして化学的な耐性に優れる結果、セパレータに起因する内部短絡の発生確率が極めて低い。また仮に内部短絡等の異常事態に遭遇したとしても、Al23及び/又はZrO2を主成分とするセパレータは、発熱・発火等の危険性が極めて低く、安全性が高いという特徴を有している。
また、セパレータ3の厚みは、0.02〜0.5mmであることが望ましい。セパレータ3の厚みが0.02mm未満である場合は、Al23又はZrO2を主成分とするセパレータ3の強度が低くなり、破損しやすくなる。またセパレータ3の厚みが0.5mmを超過する場合は、溶融塩電池の内部抵抗が増大し、また溶融塩電池の体積エネルギー密度が低下する。また、セパレータ3の気孔率は、20〜80%であることが望ましい。セパレータ3の気孔率が20%未満である場合は、溶融塩電池の内部抵抗が増大する。またセパレータ3の気孔率80%を超過する場合は、正極1と負極2とが直接接触する短絡が発生する危険性が増大する。
なお、以上の実施の形態においては、正極集電体11及び負極集電体21はアルミニウム製であるとしたが、他の導電体製であってもよい。また、溶融塩電池の形状は直方体の形状に限るものではなく、その他の形状であってもよい。例えば、溶融塩電池の形状は、円柱状であってもよい。
《実施例》
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。但し、実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の実施例としてのセパレータと、比較例として従来から知られている各種のセパレータとについて、溶融塩電池用セパレータとしての耐久性評価を行なった。その評価の対象となったセパレータの成分の構成を表1に示す。
Figure 2012137618
なお、耐久性評価に用いる溶融塩電池は、図1と類似の構成であり、電解質、正極、負極は全て共通である。そして、セパレータのみ異なる、表1に示したA〜Jの10種類の溶融塩電池を構成した。A〜Gのセパレータで構成した電池はいずれも、金属酸化物材料であるAl23及び/又はZrO2を75質量%以上含有するもので、本発明に属する。一方、H〜Jのセパレータで構成した電池は従来から公知の比較例であり、H及びIは共に、Al23、ZrO2のいずれも含まない。Jは、Al23、を含むが、その割合は30%にとどまる。
これらのA〜Jのセパレータで構成した溶融塩電池A〜Jを次の様に評価した。即ち、構成した電池A〜Jを90℃に加熱した。この90℃で充電と放電を繰り返し、A〜Jの全ての電池が正常に初期の電池特性を有していることを確認した。その後、電池の加熱を停止し各電池を室温まで降温させた。
この状態から、次の温度サイクル試験を開始した。
(1)室温から90℃まで5時間で電池を加熱する。
(2)90℃で5時間率(0.2C)での3.5Vまでの定電圧充電と充電放置1時間を実行する。
(3)5時間率(0.2C)での終止電圧2.8Vまでの定電流放電と放電放置1時間での充放電試験を実行する。
(4)ここまで終了すれば電池の加熱を停止し、電池を室温まで降温させる。
以上の(1)〜(4)の、昇温、充放電、降温の一連のステップを繰り返す温度サイクル試験を実施しながら充放電特性データを観察した。
その結果、H〜Jの比較例の電池は、A〜Gの電池と比較して比較的少ない温度サイクル試験回数で電池の性能低下が観察された。具体的な性能低下は、電池の放電容量の低下や充電・放電後の放置時の開路電圧(OCV)の低下などである。そして一度その性能低下が認められた電池は、その後の温度サイクル試験で加速的に性能が低下した。
これに対して本発明のA〜Gの電池は、H〜Jの比較例の電池の温度サイクル試験回数で約2倍の長期間に渡り安定した性能を維持していた。すなわち、本発明によれば、機械的及び化学的に安定なセパレータの機能を持続することが出来るので、電池の運転と停止の繰り返しにより、電解質が液体状態と固体状態を繰り返す場合であっても安定に機能する溶融塩電池を提供することが可能となる。
試験後、性能低下したH〜Jの電池のセパレータを解体し観察したところ、セパレータの一部に亀裂が発生したり、顕著な場合は破断している状況が認められた。すなわち、この様な電池の性能低下は、セパレータを介した電池の内部短絡がその原因と解される。
本発明の溶融塩電池は、電力貯蔵用を始めとして、さらに、汎用の二次電池としても利用できる可能性を有する。
1 正極
11 正極集電体
12 正極材
2 負極
21 負極集電体
22 負極材
3 セパレータ

Claims (5)

  1. 電解質として溶融塩を用いる溶融塩電池であって、
    正極と、
    負極と、
    前記正極と前記負極との間にあって両極を互いに隔離し、金属酸化物材料を75質量%以上含有するセパレータと
    を備えていることを特徴とする溶融塩電池。
  2. 前記セパレータは、酸化アルミニウム及び/又は酸化ジルコニウムを75質量%以上含有する請求項1に記載の溶融塩電池。
  3. 前記セパレータの成分の残部は、その他の金属酸化物で構成され、有機化合物を実質的に除いている請求項2に記載の溶融塩電池。
  4. 前記セパレータの成分の残部は、有機化合物で構成される請求項1又は2に記載の溶融塩電池。
  5. 前記有機化合物は、ポリオレフィン、ポリアミドから選択される請求項4記載の溶融塩電池。
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