JP5471905B2 - 溶融塩電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電解質として溶融塩を用いた溶融塩電池に関する。
近年、太陽光又は風力等の自然エネルギーの利用が進められている。自然エネルギーを利用して発電を行った場合は発電量が変動し易いので、発電した電力を供給するためには、蓄電池を用いた充電・放電により、供給電力を平準化することが必要となる。このため、自然エネルギーの利用を促進させるためには、高エネルギー密度・高効率の蓄電池が不可欠である。このような蓄電池として、特許文献1に開示されたナトリウム−硫黄電池がある。他の高エネルギー密度・高効率の蓄電池として、溶融塩電池がある。
溶融塩電池は、電解質に溶融塩を用いた電池であり、溶融塩が溶融した状態で動作する。溶融塩電池には、溶融塩がカチオンとしてアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを含み、これらのカチオンが充放電時にキャリアとなるものがある。ナトリウム−硫黄電池は、280〜360℃の高温で動作させる必要があり、また溶融塩電池も、溶融塩の融点以上の温度で動作させる必要がある。そこで、より低温で動作する溶融塩電池の開発が望まれている。
特開2007−273297号公報
一般に、2種類以上の溶融塩を混合することにより、溶融塩の融点が低下し、溶融塩電池の動作温度を低下させることが可能である。溶融塩を混合する場合、ナトリウム塩とカリウム塩を混合する等、アニオンが同一でカチオンが異なる複数種類の塩を混合することが多い。しかしながら、充放電時にキャリアとなる金属イオン以外に他の金属イオンを溶融塩がカチオンとして含んでいる場合は、負極に他の金属が析出するか、又は他の金属イオンが正極活物質へ侵入して正極活物質の結晶構造を変化させる等の反応によって、溶融塩電池を劣化させることがある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、カチオンを1種類にした状態で溶融塩電池の融点を低下させることにより、劣化を起こすことなく動作温度を低下させた溶融塩電池を提供することにある。
本発明に係る溶融塩電池は、溶融塩を電解質とした溶融塩電池において、前記溶融塩のカチオンは、マグネシウムイオンであり負極は、金属マグネシウム、又はマグネシウムを含む合金を主成分としており、前記溶融塩のアニオンは、一般的な化学構造式が下記(1)式で表されるイオン(但し、X1 及びX2 の夫々はフルオロ基又はフルオロアルキル基)の内、X1 及びX2 の組合せが互いに異なる複数種類のイオンを含むことを特徴とする。
Figure 0005471905
本発明に係る溶融塩電池は、溶融塩を電解質とした溶融塩電池において、前記溶融塩のカチオンは、カルシウムイオンであり、負極は、金属カルシウム、又はカルシウムを含む合金を主成分としており、前記溶融塩のアニオンは、一般的な化学構造式が(1)式で表されるイオン(但し、X 1 及びX 2 の夫々はフルオロ基又はフルオロアルキル基)の内、X 1 及びX 2 の組合せが互いに異なる複数種類のイオンを含むことを特徴とする。
本発明においては、溶融塩電池で電解質として使用する溶融塩は、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンの内、充放電時に電荷のキャリアとなる1種のイオンをカチオンとする。また溶融塩は、アニオンとして、互いに異なる複数種類のイオンを含む。これら複数種類のアニオンは、化学構造式が一般的に前述の(1)式で表され、X1 及びX2 の組合せが互いに異なっている。これにより、溶融塩は、溶融塩電池の劣化を起こすことがなく、またナトリウム−硫黄電池が動作する280〜360℃よりも融点が大幅に低くなる。
本発明にあっては、溶融塩電池は、劣化を起こすことなく、ナトリウム−硫黄電池よりも著しく低温で動作することができ、高エネルギー密度・高効率で安全性及び利便性の高い蓄電装置を実現させることができる等、本発明は優れた効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る溶融塩電池の構成例を示す模式的断面図である。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る溶融塩電池の構成例を示す模式的断面図である。図1には、溶融塩電池を縦に切断した模式的断面図を示している。溶融塩電池は、上面が開口した直方体の箱状の電池容器51内に、正極1、セパレータ3及び負極2を並べて配置し、電池容器51に蓋部52を冠着して構成されている。正極1及び負極2は矩形平板状に形成されており、セパレータ3はシート状に形成されている。セパレータ3は正極1及び負極2の間に介装されている。正極1、セパレータ3及び負極2は、重ねられ、電池容器51の底面に対して縦に配置されている。
負極2と電池容器51の内側壁との間には、波板状の金属からなるバネ41が配されている。バネ41は、アルミニウム合金からなり非可撓性を有する平板状の押え板42を付勢して負極2をセパレータ3及び正極1側へ押圧させる。正極1は、バネ41の反作用により、バネ41とは逆側の内側壁からセパレータ3及び負極2側へ押圧される。バネ41は、金属製のスプリング等に限定されず、例えばゴム等の弾性体であってもよい。充放電により正極1又は負極2が膨脹又は収縮した場合は、バネ41の伸縮によって正極1又は負極2の体積変化が吸収される。
正極1は、アルミニウムからなる矩形板状の正極集電体11上に、LiCoO2 からなる正極活物質とバインダとを含む正極材12を塗布して形成してある。負極2は、アルミニウムからなる矩形板状の負極集電体21上に、金属リチウムからなる負極活物質を含む負極材22をメッキによって形成してある。負極活物質は金属リチウムに限定されず、SnLi、SiLi又はLi4 Ti512等、リチウムを含む合金であってもよい。また負極活物質はグラファイトであってもよい。負極材22は、例えば負極活物質の粉末に結着剤を含ませて負極集電体21上に塗布することによって形成してもよい。正極集電体11及び負極集電体21は、アルミニウムに限定されず、例えばステンレス鋼又はニッケルであってもよい。セパレータ3は、ケイ酸ガラス又は樹脂等の絶縁性の材料で、内部に電解質を保持でき、またナトリウムイオンが通過できるような形状に形成されている。セパレータ3は、例えばガラスクロス又は多孔質の形状に形成された樹脂である。
電池容器51内では、正極1の正極材12と負極2の負極材22とを向かい合わせにし、正極1と負極2との間にセパレータ3を介装してある。セパレータ3には、電解質である溶融塩を含浸させてある。セパレータ3に含浸されている溶融塩は、正極1の正極材12と負極2の負極材22とに接触している。電池容器51の内面は、正極1と負極2との短絡を防止するために、絶縁性の樹脂で被覆する等の方法により絶縁性の構造となっている。蓋部52の外側には、外部に接続するための正極端子53及び負極端子54が設けられている。正極端子53と負極端子54との間は絶縁されており、また蓋部52の電池容器51内に対向する部分も絶縁皮膜等によって絶縁されている。正極集電体11の一端部は、正極端子53にリード線で接続され、負極集電体21の一端部は、負極端子54にリード線で接続される。リード線は、蓋部52から絶縁してある。蓋部52は、電池容器51に冠着されている。
セパレータ3に含浸されている溶融塩は、リチウムイオンであるカチオンとアニオンとからなるイオン性塩である。溶融塩の組成については後述する。溶融塩の融点以上の温度範囲では、溶融塩は、溶融し、リチウムイオンが含まれる導電性液体となる。正極材12及び負極材22の組成が前述の組成となっており、溶融塩のカチオンがリチウムイオンとなっていることにより、溶融塩電池は、溶融塩が溶融する温度範囲で、溶融塩中のリチウムイオンを電荷のキャリアとする二次電池として動作することが可能である。溶融塩中のリチウムイオンは、放電時には負極2から正極1へ移動し、充電時には正極1から負極2へ移動する。
次に、実施の形態1に係る溶融塩電池で電解質として使用する溶融塩の組成について説明する。溶融塩のカチオンはリチウムイオンであり、溶融塩はリチウムイオン以外のカチオンを含んでいない。リチウムイオン以外の金属イオンが溶融塩に含まれていないので、リチウム以外の金属が負極2に析出することが無く、またリチウムイオン以外の金属イオンが正極活物質へ侵入して正極活物質の結晶構造を変化させることも無い。従って、溶融塩のカチオンが原因となって溶融塩電池が劣化することはない。
溶融塩に含まれるアニオンについて説明する。実施の形態1に係る溶融塩電池で電解質として使用する溶融塩に含まれるアニオンの一般的な化学構造式は、下記の(1)式で表される。
Figure 0005471905
(1)式中のX1 及びX2 の夫々はフルオロ基又はフルオロアルキル基である。X1 とX2 とは同一であっても相違していてもよい。X1 及びX2 がフルオロ基である場合は、アニオンはFSA(ビスフルオロスルフォニルアミド)イオンである。FSAイオンの化学構造式は、下記の(2)式で表される。
Figure 0005471905
FSAイオンは二つのフルオロ基を有する。X1 及びX2 がトリフルオロメチル基である場合は、アニオンはTFSA(ビストリフルオロメチルスルフォニルアミド)イオンである。TFSAイオンの化学構造式は、下記の(3)式で表される。
Figure 0005471905
TFSAイオンは二つのトリフルオロメチル基を有する。X1 及びX2 の一方がフルオロ基で他方がトリフルオロメチル基である場合は、アニオンはFTA(フルオロトリフルオロメチルスルフォニルアミド)イオンである。FTAイオンの化学構造式は、下記の(4)式で表される。
Figure 0005471905
FTAイオンはフルオロ基とトリフルオロメチル基とを有する。なお、アニオンは、トリフルオロメチル基以外のフルオロアルキル基を有するアニオンであってもよい。
実施の形態1に係る溶融塩電池で電解質として使用する溶融塩は、アニオンとして、(1)式に化学構造式を示すイオンの内、X1 及びX2 の組合せが互いに異なる複数種類のイオンを含んでいる。例えば、溶融塩は、アニオンとして、FSAイオン、TFSAイオン及びFTAイオンの内、少なくとも2種類のイオンを含んでいる。従って、溶融塩は、カチオンをリチウムイオンとし、アニオンを(1)式に化学構造式を示すイオンとした塩の内、X1 及びX2 の組合せが互いに異なる複数種類の塩の混合物である。例えば、溶融塩は、LiFSAとLiTFSAとの混合物である。なお、X1 及びX2 の組合せは、X1 とX2 との順番の違いを区別しないものであり、X1 の内容とX2 の内容とが入れ替わったものは同一の組合せである。即ち、溶融塩は、アニオンとして、互いに化学構造が異なる2種類以上のイオンを含んでいる。
カチオンをアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとし、アニオンを(1)式に化学構造式を示すイオンとした溶融塩は、過去の研究により、ナトリウム−硫黄電池が動作する280〜360℃よりも融点が大幅に低いことが明らかとなっている。また実施の形態1に係る溶融塩電池で電解質として使用する溶融塩は、複数種類の塩の混合物であるので、単独の塩からなる溶融塩に比べて、融点が低下する。従って、実施の形態1に係る溶融塩電池で電解質として使用する溶融塩は、ナトリウム−硫黄電池が動作する280〜360℃よりも融点が著しく低下するので、実施の形態1に係る溶融塩電池は、ナトリウム−硫黄電池よりも著しく低温で動作することができる。例えば、溶融塩がLiFSAとLiTFSAとの混合物である場合、単独のLiFSAの融点は134℃であり、単独のLiFSAの融点は234℃であるので、溶融塩の融点は134℃以下となり、溶融塩電池は134℃以下の温度で動作することができる。
以上のように、実施の形態1に係る溶融塩電池は、劣化を起こすことなく、ナトリウム−硫黄電池よりも著しく低温で動作することができる。溶融塩電池が低温で動作するので、溶融塩電池を動作させるために投入するエネルギーが小さくなり、溶融塩電池のエネルギー効率が向上する。また動作温度の低下のため、溶融塩電池の安全性が向上する。また溶融塩電池の温度を動作温度まで上昇させるために必要な時間及び手間を縮小することができるので、溶融塩電池の利便性が向上する。従って、実施の形態1に係る溶融塩電池を利用することにより、高エネルギー密度・高効率で安全性及び利便性の高い蓄電装置を実現することが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2においては、溶融塩電池のカチオンをマグネシウムイオンとした形態を示す。実施の形態2に係る溶融塩電池の構成は、図1に示す実施の形態1と同様である。実施の形態2に係る溶融塩電池では、正極1、負極2及び溶融塩の組成が実施の形態1と異なる。
正極1は、実施の形態1と同様の正極集電体11上に、Mo68 からなる正極活物質とバインダとを含む正極材12を塗布して形成してある。負極2は、実施の形態1と同様の負極集電体21上に、金属マグネシウムからなる負極活物質を含む負極材22をメッキによって形成してある。負極活物質は金属マグネシウムに限定されず、SnMg、SiMg、AlMg又はZnMg等、マグネシウムを含む合金であってもよい。セパレータ3は、実施の形態1と同様である。
セパレータ3に含浸されている溶融塩のカチオンは、マグネシウムイオンであり、溶融塩はマグネシウムイオン以外のカチオンを含んでいない。マグネシウムイオン以外の金属イオンが溶融塩に含まれていないので、マグネシウム以外の金属が負極2に析出することが無く、またマグネシウムイオン以外の金属イオンが正極活物質へ侵入して正極活物質の結晶構造を変化させることも無い。従って、溶融塩のカチオンが原因となって溶融塩電池が劣化することはない。
実施の形態2に係る溶融塩電池で電解質として使用する溶融塩に含まれるアニオンは、実施の形態1と同様である。即ち、溶融塩は、アニオンとして、(1)式に化学構造式を示すイオンの内、X1 及びX2 の組合せが互いに異なる複数種類のイオンを含んでいる。例えば、溶融塩は、アニオンとして、FSAイオン、TFSAイオン及びFTAイオンの内、少なくとも2種類のイオンを含んでいる。従って、溶融塩は、カチオンをマグネシウムイオンとし、アニオンを(1)式に化学構造式を示すイオンとした塩の内、X1 及びX2 の組合せが互いに異なる複数種類の塩の混合物である。例えば、溶融塩は、MgFSAとMgTFSAとの混合物である。
実施の形態2においても、溶融塩の融点以上の温度範囲では、溶融塩は、溶融し、マグネシウムイオンが含まれる導電性液体となる。正極材12及び負極材22の組成が前述の組成となっており、溶融塩のカチオンがマグネシウムイオンとなっていることにより、溶融塩電池は、溶融塩が溶融する温度範囲で、溶融塩中のマグネシウムイオンを電荷のキャリアとする二次電池として動作することが可能である。溶融塩中のマグネシウムイオンは、放電時には負極2から正極1へ移動し、充電時には正極1から負極2へ移動する。
実施の形態1と同様に、実施の形態2に係る溶融塩電池で電解質として使用する溶融塩は、ナトリウム−硫黄電池が動作する280〜360℃よりも融点が著しく低下する。従って、実施の形態2に係る溶融塩電池は、劣化を起こすことなく、ナトリウム−硫黄電池よりも著しく低温で動作することができる。また、実施の形態1と同様に、実施の形態2に係る溶融塩電池を利用することにより、高エネルギー密度・高効率で安全性及び利便性の高い蓄電装置を実現することが可能となる。
(実施の形態3)
実施の形態3においては、溶融塩電池のカチオンをカルシウムイオンとした形態を示す。実施の形態3に係る溶融塩電池の構成は、図1に示す実施の形態1と同様である。実施の形態3に係る溶融塩電池では、正極1、負極2及び溶融塩の組成が実施の形態1と異なる。
正極1は、実施の形態1と同様の正極集電体11上に、CaCo24 からなる正極活物質とバインダとを含む正極材12を塗布して形成してある。負極2は、実施の形態1と同様の負極集電体21上に、金属カルシウムからなる負極活物質を含む負極材22をメッキによって形成してある。負極活物質は金属カルシウムに限定されず、SnCa、SiCa、又はAlCa等、カルシウムを含む合金であってもよい。セパレータ3は、実施の形態1と同様である。
セパレータ3に含浸されている溶融塩のカチオンは、カルシウムイオンであり、溶融塩はカルシウムイオン以外のカチオンを含んでいない。カルシウムイオン以外の金属イオンが溶融塩に含まれていないので、カルシウム以外の金属が負極2に析出することが無く、またカルシウムイオン以外の金属イオンが正極活物質へ侵入して正極活物質の結晶構造を変化させることも無い。従って、溶融塩のカチオンが原因となって溶融塩電池が劣化することはない。
実施の形態3に係る溶融塩電池で電解質として使用する溶融塩に含まれるアニオンは、実施の形態1と同様である。即ち、溶融塩は、アニオンとして、(1)式に化学構造式を示すイオンの内、X1 及びX2 の組合せが互いに異なる複数種類のイオンを含んでいる。例えば、溶融塩は、アニオンとして、FSAイオン、TFSAイオン及びFTAイオンの内、少なくとも2種類のイオンを含んでいる。従って、溶融塩は、カチオンをカルシウムイオンとし、アニオンを(1)式に化学構造式を示すイオンとした塩の内、X1 及びX2 の組合せが互いに異なる複数種類の塩の混合物である。例えば、溶融塩は、CaFSAとCaTFSAとの混合物である。
実施の形態3においても、溶融塩の融点以上の温度範囲では、溶融塩は、溶融し、カルシウムイオンが含まれる導電性液体となる。正極材12及び負極材22の組成が前述の組成となっており、溶融塩のカチオンがカルシウムイオンとなっていることにより、溶融塩電池は、溶融塩が溶融する温度範囲で、溶融塩中のカルシウムイオンを電荷のキャリアとする二次電池として動作することが可能である。溶融塩中のカルシウムイオンは、放電時には負極2から正極1へ移動し、充電時には正極1から負極2へ移動する。
実施の形態1と同様に、実施の形態3に係る溶融塩電池で電解質として使用する溶融塩は、ナトリウム−硫黄電池が動作する280〜360℃よりも融点が著しく低下する。従って、実施の形態3に係る溶融塩電池は、劣化を起こすことなく、ナトリウム−硫黄電池よりも著しく低温で動作することができる。また、実施の形態1と同様に、実施の形態2に係る溶融塩電池を利用することにより、高エネルギー密度・高効率で安全性及び利便性の高い蓄電装置を実現することが可能となる。
なお、実施の形態1〜3においては、溶融塩電池の形状が直方体である形態を示したが、本発明の溶融塩電池の形状は、直方体に限るものではなく、その他の形状であってもよい。例えば、負極2の形状を円柱状にし、負極2の周囲に円筒状のセパレータ3及び正極1を備えることにより、溶融塩電池の形状を円柱状にしてもよい。また実施の形態1〜3においては、溶融塩に含まれるカチオンをリチウムイオン、マグネシウムイオン又はカルシウムイオンであるとしたが、これに限るものではない。本発明の溶融塩電池は、カチオンとして、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンの内でその他の1種のイオンを含む溶融塩を電解質として用いた形態であってもよい。
1 正極
12 正極材
2 負極
3 セパレータ
41 バネ
51 電池容器
52 蓋部

Claims (2)

  1. 溶融塩を電解質とした溶融塩電池において、
    前記溶融塩のカチオンは、マグネシウムイオンであり
    負極は、金属マグネシウム、又はマグネシウムを含む合金を主成分としており、
    前記溶融塩のアニオンは、一般的な化学構造式が下記(1)式で表されるイオン(但し、X1 及びX2 の夫々はフルオロ基又はフルオロアルキル基)の内、X1 及びX2 の組合せが互いに異なる複数種類のイオンを含むこと
    を特徴とする溶融塩電池。
    Figure 0005471905
  2. 溶融塩を電解質とした溶融塩電池において、
    前記溶融塩のカチオンは、カルシウムイオンであり、
    負極は、金属カルシウム、又はカルシウムを含む合金を主成分としており、
    前記溶融塩のアニオンは、一般的な化学構造式が下記(1)式で表されるイオン(但し、X 1 及びX 2 の夫々はフルオロ基又はフルオロアルキル基)の内、X 1 及びX 2 の組合せが互いに異なる複数種類のイオンを含むこと
    を特徴とする溶融塩電池。
    Figure 0005471905
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