JPWO2012133047A1 - 免疫組織染色法、およびこれを用いた抗体医薬の有効性を判定する方法 - Google Patents

免疫組織染色法、およびこれを用いた抗体医薬の有効性を判定する方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2012133047A1
JPWO2012133047A1 JP2013507430A JP2013507430A JPWO2012133047A1 JP WO2012133047 A1 JPWO2012133047 A1 JP WO2012133047A1 JP 2013507430 A JP2013507430 A JP 2013507430A JP 2013507430 A JP2013507430 A JP 2013507430A JP WO2012133047 A1 JPWO2012133047 A1 JP WO2012133047A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
antigen
tissue
staining
antibody drug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013507430A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5900489B2 (ja
Inventor
秀樹 郷田
秀樹 郷田
中野 寧
寧 中野
岡田 尚大
尚大 岡田
幸祐 権田
幸祐 権田
元博 武田
元博 武田
憲明 大内
憲明 大内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Tohoku University NUC
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Konica Minolta Inc filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2013507430A priority Critical patent/JP5900489B2/ja
Publication of JPWO2012133047A1 publication Critical patent/JPWO2012133047A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5900489B2 publication Critical patent/JP5900489B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/58Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances
    • G01N33/582Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances with fluorescent label

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

本発明は、標的とする生体物質を認識する物質としてトラスツズマブ等の抗体を成分として含む抗体医薬を用いることにより、高精度の染色を可能とする免疫組織染色法を提供するとともに、このような免疫組織染色法を用いて、抗体医薬の有効性を高精度に判定する方法を提供することを目的とする。本発明は、抗体医薬が標的とする抗原を認識する物質として、該抗体医薬の構成成分である抗体を用いる免疫組織染色法、および、該免疫組織染色法を用いて、前記抗原の量に対する、前記抗体の結合量を測定することにより、前記抗体医薬の有効性を判定する方法を提供する。

Description

本発明は、高精度な組織染色法を用いた、抗体医薬の有効性の判定方法に関する。
がんは、心筋梗塞や脳梗塞に代表される血管系疾患とともに成人の死亡原因を二分する疾患である。例えば、乳がん罹患率は、日本人では欧米諸国に比べて低いが、近年では増加傾向にあり、1998年には胃がんの罹患率を抜いて女性罹患率の第1位となった。最近の報告である2005年の厚生労働省統計によれば、乳がんの年間罹患数は5万人を超えている。世界でも同様にその数は年々増加しており、2008年のWHOの報告によれば、乳がんは男女合わせても第1位の罹患率となっており、その年間罹患数は138万人を超え、女性のがん全体の約23%を占めている。
がんの診断にはX線CTやMRI等の画像診断のほか、特定のがんに特異的に発現するがんマーカーや、血液、組織中に漏出するがんマーカー等を検出する方法も汎用されている。乳がんの一般的なスクリーニング検査としては、問診、触診、軟X線乳房撮影(マンモグラフィー)、超音波検査等が実施され臨床的に疑いが生じると、細胞診や生検が実施され病理学的診断によりがんであるかどうか判別される。がん治療や予後の経過を判定するために、病理学診断は重要であり、この診断の中心となるのは「形態観察を行うためのHE(ヘマトキシリン・エオジン)染色法」と「がんマーカー因子に対する抗体を用いた免疫組織化学法」である。特に近年の抗体医薬の登場により、免疫組織化学の重要性は非常に高まっている。
例えば、がんの増殖に関与する因子であるヒト上皮成長因子受容体2(human epidermal growth factor receptor-2;HER2)を標的とした抗体医薬であるハーセプチン(Herceptin;登録商標)として市販されているトラスツズマブ(Trastuzumab)は、乳がんの代表的な抗がん剤であることが知られている。この薬剤投与の有効性の判定方法として、HER2タンパク質等の発現を解析する免疫組織化学(Immunohistochemistry;IHC)法と、HER2遺伝子等の増幅を解析するFISH(Fluorescence in situ hybridization)法とが臨床の場で広く用いられている。
ここで、IHC法は、HER2抗原部位に結合した抗HER2抗体をDAB(Diaminobenzidine;ジアミノベンジジン)を用いて染色し、可視化する方法であり、この可視化された抗HER2抗体を通じてHER2の発現量を検出することができる。しかし、その判定基準は染色レベルをスコア0〜3とした4段階のみによる大雑把な判定基準であるため、定量性に欠けており、さらに病理医の熟練度により判定基準が左右されることから、臨床的に問題となっている。
他方、FISH法は、HER2遺伝子を検出するプローブと、17番染色体セントロメアを検出するプローブを用いてHER2遺伝子を増幅し、解析する方法であり、このFISH法により解析された17番染色体1本あたりのHER2の遺伝子コピー数を基に、HER2遺伝子の増幅の有無を判定することができる。FISH法は定量的検査法ではあるが、HER2タンパク質量やHER2の細胞内局在を直接評価する方法ではない。
また例えば乳がんの診断においてHER2タンパク質の検出に用いる抗体とHER2タンパク質を標的とした治療薬(抗体)の抗原決定基(エピトープ)が異なることから、現在のハーセプテストを含む抗HER2抗体を用いたIHC法ではトラスツズマブ投与適応患者を選定する方法として不十分であると考えられた。かかる事情から、高精度な抗体を成分として含む医薬品の有効性の判定方法の開発が必要とされている。
なお、ハーセプテストを含む抗HER2抗体を用いた従来のIHC法では、この抗HER2抗体としてトラスツズマブとは異なる抗体が用いられており、抗体医薬を抗体として用いたIHC法による染色についての知見は現在までに確認されていない。
Nahta R et al, Breast Cancer Res. 2006;8:215-223 Scaltriti M et al, J. Natl. Cancer Inst. 2007;99:628-638
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、標的とする生体物質を認識する物質としてトラスツズマブ等の抗体を成分として含む抗体医薬を用いることにより、高精度の染色を可能とする免疫組織染色法を提供するとともに、このような免疫組織染色法を用いて、抗体医薬の有効性を高精度に判定する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、トラスツズマブ等の抗体を成分として含む抗体医薬を用いて生体組織染色法を行うことにより、FISH法による遺伝子増幅確認と同等の抗体医薬の投与適応患者を選定できる方法を見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[7]に示される免疫組織染色法、および抗体医薬の有効性を判定する方法を提供する。
[1] 抗体医薬が標的とする抗原を認識する物質として、該抗体医薬の構成成分である抗体を用いる免疫組織染色法。
[2] 前記抗体を、標識物質を結合させた標識化抗体の形態で用いる前記[1]に記載の免疫組織染色法。
[3] 前記標識物質が蛍光標識剤である前記[2]に記載の免疫組織染色法。
[4] 前記蛍光標識剤が、複数の蛍光物質を集積してなる蛍光集積体である前記[3]記載の免疫組織染色法。
[5] 組織に存在する抗原の分布が、該抗原に結合した前記抗体の量に応じて可視化された形で得られる前記[1]〜[4]のいずれかに記載の免疫組織染色法。
[6] 前記抗原が、がんの増殖制御因子,転移制御因子,増殖制御因子受容体および転移制御因子受容体からなる群より選ばれるいずれかである前記[1]〜[5]のいずれかに記載の免疫組織染色法。
[7] 前記[1]〜[6]のいずれかに記載の免疫組織染色法を用いて、前記抗原の量に対する、前記抗体の結合量を測定することにより、前記抗体医薬の有効性を判定する方法。
本発明によれば、免疫組織染色法を高精度に行うことができ、これにより抗体医薬の投与適応患者をより正確に選定できる。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、本発明とその構成要素、及び発明を実施するための最良の形態について詳細な説明をする。
〔標識物質〕
本発明で用いられる標識物質としては、抗原抗体反応を妨げず、且つ測定における定量性を妨げない限り特に限定されるものではないが、抗原抗体反応を直接可視化、特に目視可能な形で直接可視化することが可能である点から、抗原抗体反応により生成する複合体の存在を、発色によって検出することが可能となるような標識物質が好ましく用いられる。ここで、「目視可能な形で直接可視化」とは、現像等の二次的な操作なしに、抗原抗体反応の所在を直接観察することができる状態にすることをいう。このような標識物質として、それ自体が発色性の物質、あるいは、適当な基質から発色性の物質を生成可能な酵素が挙げられる。
ここで、「それ自体が発色性の物質」として、抗原抗体反応により生成する複合体の存否を容易に識別することが可能となる物質であれば特に限定はされないものの、発色の識別が容易であるという点から、有機蛍光色素、量子ドット、複数の蛍光物質を集積してなる蛍光集積体等の蛍光標識剤が挙げられる。
有機蛍光色素としては、フルオレセイン系色素分子、ローダミン系色素分子、Alexa Fluor(インビトロジェン社製)系色素分子、BODIPY(インビトロジェン社製)系色素分子、カスケード系色素分子、クマリン系色素分子、エオジン系色素分子、NBD系色素分子、ピレン系色素分子、Texas Red系色素分子、シアニン系色素分子、ペリレン系色素分子、オキサジン系色素分子等を挙げることができる。
具体的には、5−カルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシ−フルオレセイン、5,6−ジカルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシ−2',4,4',5',7,7'−ヘキサクロロフルオレセイン、6−カルボキシ−2',4,7,7'−テトラクロロフルオレセイン、6−カルボキシ−4',5'−ジクロロ−2',7'−ジメトキシフルオレセイン、ナフトフルオレセイン、5−カルボキシ−ローダミン、6−カルボキシ−ローダミン、5,6−ジカルボキシ−ローダミン、ローダミン 6G、テトラメチルローダミン、X−ローダミン、及びAlexa Fluor 350,Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 500、Alexa Fluor 514、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 610、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 635、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750、BODIPY FL,BODIPY TMR、BODIPY 493/503、BODIPY 530/550、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665(以上インビトロジェン社製)、メトキシクマリン、エオジン、NBD、ピレン、Cy5、Cy5.5、Cy7等を挙げることができる。
これらの有機蛍光色素は、1種単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
量子ドットとしては、II−VI族化合物、III−V族化合物、又はIV族元素を成分として含有する量子ドット(それぞれ、「II−VI族量子ドット」、「III−V族量子ドット」、「IV族量子ドット」ともいう。)のいずれかを用いることができる。単独でも複数種を混合したものを用いてもよい。
具体的には、CdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnS、ZnTe、InP、InN、InAs、InGaP、GaP、GaAs、Si、Geが挙げられるが、これらに限定されない。
上記量子ドットをコアとし、その上にシェルを設けた量子ドットを用いることもできる。以下本明細書中シェルを有する量子ドットの表記法として、コアがCdSe、シェルがZnSの場合、CdSe/ZnSと表記する。例えばCdSe/ZnS、CdS/ZnS、InP/ZnS、InGaP/ZnS、Si/SiO2、Si/ZnS、Ge/GeO2、Ge/ZnSなどを用いることができるが、これらに限定されない。
量子ドットは必要に応じて、有機ポリマーなどにより表面処理が施されているものを用いてもよい。例えば、表面カルボキシ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)、表面アミノ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)などがあげられる。
希土類蛍光体としては、例えば、酸化ネオジム、塩化ネオジム、硝酸ネオジム、酸化イッテルビウム、塩化イッテルビウム、硝酸イッテルビウム、酸化ランタン、塩化ランタン、硝酸ランタン、酸化イットリウム、塩化イットリウム、硝酸イットリウム、塩化プラジオセム、塩化エルビウム、オルトリン酸、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム等を用いることができる。
また、「複数の蛍光物質を集積してなる蛍光集積体」としては、多数の蛍光物質を固定化可能なコアと、このコア上に固定化された複数の蛍光物質からなるシェルとを有する蛍光集積体が挙げられ、特に、シリカナノ粒子等適当な材質のナノ粒子からなるコアと複数の上記有機蛍光色素からなるシェルとからなる蛍光集積体粒子が好適に用いられる。標識物質として、このような蛍光集積体を用いると、組織染色を、FISH法と同等レベルの非常に高い定量性をもって行うことが可能となり好ましい。なお、本明細書において、前記蛍光集積体粒子を、「蛍光体集積粒子」と呼ぶ場合がある。また、「ナノ粒子」という用語は、大きさがナノメートルのオーダー(1〜数百ナノメートル)である粒子の意味で用いられる。
本発明において、上記コアを構成する材質は、上記シェルを表面に固定化することができ、かつ当該シェルを構成する蛍光物質からの蛍光を消光させない材質である限り特に限定されるものではないが、好適な材質として、シリカなどが挙げられる。
ここで、シリカナノ粒子からなるコアと複数の上記有機蛍光色素からなるシェルとからなる蛍光集積体は、例えば、上記有機蛍光色素に対して、当該有機蛍光色素が有する官能基と結合可能な官能基を有する適当なシランカップリング剤を反応させ、さらにテトラエトキシシランなどの適当なテトラアルキルシランと反応させることにより、有機蛍光色素集積・シリカナノ粒子として得ることができる。
また、「適当な基質から発色性の物質を生成可能な酵素」として、基質を変化させて蛍光発光性の化学種を生じさせる酵素が挙げられ、その例として、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)などのペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ(ALP)、グルコシダーゼ系の酵素を挙げることができる。
ここで、これらの酵素により発色性の物質に変換される基質として、蛍光原基質変換法に基づく従来公知のアッセイ法において蛍光原基質として一般的に用いられる基質を用いることができる。このような基質の例として、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)用基質などの酸化還元酵素用基質、アルカリホスファターゼ(ALP)用基質などのフォスファターゼ用基質、および、β−ガラクトシダーゼ用基質などのグリコシダーゼ用基質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。HRPによる酵素反応に用いられる基質の具体例として、3,3'−ジアミノベンジジン(DAB),3−p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸(HPPA),ECL plus(商標),4-クロロ-1-ナフトール,4-クロロナフタレン-1-オールなどが挙げられる。また、アルカリフォスファターゼ(ALP)による酵素反応に用いられる基質として、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート/ニトロブルーテトラゾリウム塩(BCIP/NBT),4−メチルウンベリフェリルフォスフェート(MUP),6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリルフォスフェート(DiFMUP),AttoPhos(登録商標),9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)フォスフェート(DDAOP)などが挙げられる。β−ガラクトシダーゼによる酵素反応に用いられる基質として、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X−gal),9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)β−D−ガラクトピラノシド(DDAOG),4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシド(MUG)などが挙げられる。
以上に示したこれらの標識物質の中でも、抗原抗体反応により生成する複合体の量に応じた発色がより確実に得られる点から、蛍光標識剤が好ましく用いられる。そして、蛍光標識剤の中でも、高い発光強度を得やすく、且つ優れた定量性を得ることができる点から、複数の蛍光物質を集積してなる蛍光集積体が特に好ましく用いられる。
〔緩衝液〕
本発明に係る緩衝液とは抗原-抗体反応に適した環境を安定して維持するための溶媒である。例えば、リン酸緩衝液生理的食塩水(PBS)、リン酸緩衝液、Tris緩衝液、MES緩衝液、クエン酸-リン酸緩衝液等である。
〔染色法〕
以下本発明の染色法について述べる。
免疫組織染色法は、病理切片組織や細胞の表面に存在する生体物質と、当該生体物質を認識する物質との抗原抗体反応を可視化することにより、病理切片組織や細胞の表面における当該生体物質の所在を判断する方法である。この免疫組織染色法は、一般に免疫組織化学法とも呼ばれている手法である。ここで、可視化は、蛍光などの発光、色吸収の変化などによる色彩や明るさの変化等を介して行われることから、本明細書においてこの可視化は、「染色」と呼ばれることがある。
ここで、本発明の染色法は、この免疫組織染色法において、抗体医薬が標的とする抗原を、染色対象とする目的とする生体物質と位置づけ、この生体物質を認識する物質として、該抗体医薬の構成成分である抗体それ自体を用いることを特徴としている。言い換えると、本発明の染色法は、抗体医薬が標的とする抗原を認識する物質として、該抗体医薬の構成成分である抗体を用いる免疫組織染色法であることを特徴とする。本発明の染色法は病理切片組織に限定せず、細胞染色にも適用可能である。
本発明の染色法が適用できる病理切片(以下、「切片」と呼ぶ場合がある。)の作製法は特に限定されず、公知の方法により作製されたものを用いることができる。このような切片の作成法として、採取した組織をパラフィンで包埋してからスライスして切片を得る方法であるパラフィン法や、採取した組織を凍結させてからスライスして切片を得る方法である凍結切片法などが挙げられる。
1)脱パラフィン工程
本発明の染色法を病理切片組織に対して適用する場合、この病理切片組織を含む病理切片がパラフィン法により作成されている場合には、染色の妨げとなるパラフィンを病理切片から除去する必要がある。このときのパラフィン除去方法として、本発明では従来公知の方法を用いることができる。
パラフィン除去は、例えば下記の要領で行うことができる。
キシレンを入れた容器に、病理切片を浸漬させ、パラフィン除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また必要により浸漬途中でキシレンを交換してもよい。
ついでエタノールを入れた容器に病理切片を浸漬させ、キシレン除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また必要により浸漬途中でエタノールを交換してもよい。
その後、水を入れた容器に、病理切片を浸漬させ、エタノール除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また必要により浸漬途中で水を交換してもよい。
2)賦活化処理工程
本発明の染色法においては、従来公知の免疫組織染色法の場合と同様に、良好な免疫染色が行われるよう、多くの場合、予め、病理切片や細胞に含まれる目的とする生体物質の賦活化処理が行われる。ここで、目的とする生体物質の賦活化処理は、従来公知の方法によって行うことができる。
賦活化条件に特に定めはないが、賦活液としては 0.01Mクエン酸緩衝液(pH6.0)、1mMEDTA溶液(pH8.0)、5%尿素、0.1Mトリス塩酸緩衝液などを用いることができる。加熱機器はオートクレーブ、マイクロウェーブ、圧力鍋、ウォーターバスなどを用いることができる。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。温度は50−130℃、時間は5−30分で行うことができる。
ついで水、PBSを入れた容器に、賦活処理後の切片を浸漬させ、洗浄を行う。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。
3)染色工程
本発明の染色法において、染色工程は、病理切片組織その他の細胞組織(以下、「組織」と呼ぶ場合がある。)の表面に存在する、抗体医薬が標的とする抗原を検出するために、当該抗原を認識する物質として、当該抗体医薬の構成成分である抗体を用い、当該抗原と当該抗体との抗原抗体反応を利用して当該病理切片組織や細胞の染色を行う工程である。
抗体,抗体医薬
本発明の染色方法においては、組織の染色を行う際に、その表面に存在する、抗体医薬が標的とする抗原を認識する抗体として、当該抗体医薬の構成成分である抗体を使用する。
ここで、本発明において、「抗体」という用語は、任意の抗体断片または誘導体を含む意味で用いられ、例えば、Fab、Fab'2、CDR、ヒト化抗体、多機能抗体、単鎖抗体(ScFv)などを含む。また、「抗体医薬」は、抗体を構成成分として含む医薬品をいい、抗体に加えて、所要により、安定剤等の補助剤、製薬上許容される充填剤などのその他の成分を構成成分として含むものである。ただし、本明細書では、当該その他の成分の有無を問題としない限りにおいて、構成成分である抗体について「抗体医薬」という語を用いる場合がある。
本明細書における以下の記載において、抗体医薬の構成成分である抗体を「抗体医薬構成抗体」と呼ぶことがある。
この「抗体医薬構成抗体」は、抗体医薬が標的とする抗原を認識し、抗原抗体反応を通じてこの抗原と結合することによって、医薬としての所定の薬効を発揮する役割を果たす。「抗体医薬構成抗体」の態様としては、
(i) 抗体医薬が標的とする抗原を認識する機能と、該抗原と結合後に所定の薬効を発揮する機能とをともに有する抗体、および、
(ii) 抗体医薬が標的とする抗原を認識する機能のみを有するが、薬効活性物質との複合体として、当該抗原を有する細胞または組織に当該薬効活性物質を輸送することにより所定の薬効の発揮に寄与する抗体
が挙げられる。
本発明では、抗体医薬が標的とする抗原と抗体医薬構成抗体の抗原抗体反応により生成する複合体への標識化の手段については、特に限定されないものの、標識物質を結合させた標識化抗体の形態で抗体医薬構成抗体を使用することが好ましい。
本発明で用いられる「抗体医薬」として、関節リウマチなどの自己免疫疾患、がんなどの悪性腫瘍、ウィルス感染症等の治療に一般的に用いられている抗体医薬を用いることができる。
このうち、がん患者に投与される抗体医薬として、がんの増殖制御因子,転移制御因子,増殖制御因子受容体および転移制御因子受容体等のうちのいずれかを標的抗原とし、該標的抗原に結合する抗体を有効成分として含むものが挙げられる。このような抗体医薬の構成成分として含まれる抗体(すなわち、抗体医薬構成抗体)として、
(i') それ自体ががん細胞に結合することによってがん細胞の増殖を抑え、あるいはがん細胞を死滅させる抗体や、
(ii') 抗がん剤、抗ウィルス剤、抗生物質、放射線放出性物質等の抗腫瘍活性物質をがん細胞に輸送する手段として機能する抗体
等を挙げることができる。
臨床に用いられている代表的な抗体医薬を、下記表1に示す。ここで、表1には、参考のために、自己免疫疾患や感染症の治療に用いられる抗体医薬も併せて記載している。
Figure 2012133047
表1において、例えば、「ハーセプチン」が抗体医薬であり、「トラスツズマブ」がその構成成分として含まれる抗体(すなわち、抗体医薬構成抗体)という関係にある。
また、上記表1に示した抗体医薬のうち、ゲムツズマブは、抗腫瘍活性物質であるカリケアマイシン(Calicheamicin)と結合してなるゲムツズマブ・オゾガマイシン(Gemutuzumab-Ozogamicin)の形で用いられている。
上記表1に示した抗体医薬の中で、トラスツズマブを構成成分として含む抗体医薬(すなわち、ハーセプチン(登録商標))が好適に用いられる。
また、本発明の染色法の適用対象とするがんとして、大腸がん、直腸がん、腎がん、乳がん、前立腺がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜がん、食道がん、血液がん、肝がん、膵がん、皮膚がん、肺がん、乳がん等を挙げることができる。
抗原
本発明の染色法の対象となる抗原は、上記記載の抗体医薬の標的分子となる抗原として機能する生体物質であれば特に限定されない。
本発明において、「抗原」という用語は、生体物質、特に、分子または分子断片を指すものであり、このような「分子」または「分子断片」としては、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などが挙げられ、具体的には、腫瘍マーカー、シグナル伝達物質、ホルモンなどであってもよく、特に限定されない。ただ、本発明の染色法では、抗体として抗体医薬の構成成分である抗体を用いることから、これらの「抗原」のうち抗体医薬が標的とするものが検出対象となる。なお、本明細書における以下の記載において、抗体医薬が標的とする抗原を「抗体医薬標的抗原」と呼ぶことがある。
ただ、抗体医薬の中に抗がん剤として用いられるものが多いことを考慮すると、がんの増殖制御因子,転移制御因子,増殖制御因子受容体および転移制御因子受容体等が好適な標的抗原として挙げられる。
このような増殖制御因子,転移制御因子,増殖制御因子受容体および転移制御因子受容体のうち、がんの増殖制御因子およびその受容体としては、例えば表皮増殖因子(EGF:Epidermal Growth Factor)、該EGF受容体(EGFR)、血小板由来増殖因子(PDGF:Platelet-Derived Growth Factor)、該PDGF受容体(PDGFR)、インスリン様増殖因子(IGF:Insulin-like Growth Factor)、該IGF受容体(IGFR)、線維芽細胞増殖因子(FGF:Fibroblast Growth Factor)、該FGF受容体(FGFR)、血管内皮増殖因子(VEGF:Vascular Endotherial Growthfactor)、該VEGF受容体(VEGFR)、肝細胞増殖因子(HGF:Hepatocyte Growth Factor)、該HGF受容体(HGFR)、神経栄養因子(NT:Neurotropin)、形質転換増殖因子β(TGFβ:Transforming Growth Factor-β)ファミリー、HER2等の、細胞増殖因子およびその受容体、並びに、サイクリン(cyclin)、サイクリン依存性キナーゼ(CDK:Cyclin-Dependent Kinase)、サイクリンA、サイクリンB、サイクリンD、サイクリンE、CDK1、CDK2、CDK4、CDK6、p16INK、p15、p21、p27、RB(Retinoblastoma)等の細胞周期を調節する因子を挙げることができる。また、がんの転移制御因子およびその受容体としては、例えばマトリックスメタロプロテアーゼ1(MMP1)、マトリックスメタロプロテアーゼ2(MMP2)、PAR1(Protease Activated Receptor 1)、CXCR4(Chemokine [C−X−C motif] receptor 4)、CCR7(Chemokine [C−C motif] receptor 7)等を挙げることができ、これらの中でもHER2を標的とするトラスツズマブが広く用いられているため、HER2を好適に例示することができる。
また、がんに関連する抗原以外に、TNF−α(Tumor Necrosis Factor α),IL−6(Interleukin-6)受容体などの炎症性サイトカイン、RSV F蛋白質等のウィルス関連分子なども、本発明の染色法による検出対象となりうる。
染色
本発明において、組織の染色手段は、上記抗体医薬標的抗原と上記抗体医薬構成抗体との抗原抗体反応を可視化することができるものである限り特に限定されない。ただ、可視化の容易さの観点からは、標識物質を結合させて標識化抗体の形態とした抗体医薬構成抗体を抗体として用いることにより染色を行うことが好ましい。特に、上記「それ自体が発色性の物質」を標識物質として抗体医薬構成抗体に結合させて得られる標識化抗体を抗体として用いて組織の染色を行うと、抗原抗体反応の多寡を標識由来の発色の変化として表すことができるので、組織に存在する抗原の分布を、抗原に結合した抗体の量に応じて可視化することが可能となる。
《標識化抗体》
本発明において、標識化抗体は、上述の抗体医薬構成抗体と上述の標識物質とを含むものであり、上述の抗体医薬構成抗体と上述の標識物質とが、アミド結合、エステル結合、イミド結合、マレイミド基へのチオール付加を利用した結合などの適当な化学結合を介して、あるいは、ビオチン−アビジン結合またはビオチン−ストレプトアビジン結合を介して結合した構造を有する。
このような標識化抗体は、上述の抗体医薬構成抗体に対して、上述した標識物質を常法に従って結合させることにより得ることができる。具体的な標識化方法としては、上述の抗体医薬構成抗体に対して特異的な親和性を有する抗体(二次抗体)を介する方法、ビオチン−アビジン法、チオール基−マレイミド基のカップリング反応法、既存の化学リンカーを用いる方法、架橋剤(EDC等)を用いた架橋反応法、イオン結合法等を挙げることができるが、上記抗体がヒト化抗体、又はヒト抗体である場合、これらの中でも抗体やアビジンとのチオール基−マレイミド基のカップリング反応法を好適に例示することができる。
具体的な形成手順は、例えば以下の通りである。
まず、第1の結合基を抗体医薬構成抗体に導入し、当該第1の結合基と結合可能な第2の結合基を標識物質に導入する。このとき、第1の結合基と抗体医薬構成抗体との間、および、第2の結合基と標識物質との間には、それぞれ適当な鎖長のリンカーが介在していてもよい。ここで、前記第1および第2の結合基は、カルボキシル基、アミノ基、アルデヒド基、チオール基、マレイミド基などの化学官能基であってもよいし、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジンのような分子であってもよい。また、前記第2の結合基として二次抗体を用いる場合には、前記第1の結合基は、抗体医薬構成抗体を構成する、標的抗原を認識する部位以外の部位であってもよい。
その後、第1の結合基を導入した抗体医薬構成抗体と、第2の結合基を導入した標識物質とを反応させると、標識化抗体が得られる。
この標識化抗体は、第1の結合基を導入した抗体医薬構成抗体と、第2の結合基を導入した標識物質とを反応させることによって、染色対象とする組織が存在しない状況下で予め調製されたものであってもよいし、あるいは、染色工程の中で、第1の結合基を導入した未標識の抗体医薬構成抗体を組織と反応させてから、当該組織に組み込まれた抗体に、第2の結合基を導入した標識物質を反応されることにより形成されるものであってもよい。
《標識化抗体を用いた染色》
上記標識化抗体を用いた染色は、上記「《標識化抗体》」の項に示した標識化方法により得られた標識化抗体を、染色対象とする組織に接触させることにより行うこともできるし、あるいは、上記第1の結合基を導入した未標識の抗体医薬構成抗体(以下、「第1の結合基を導入した未標識抗体医薬構成抗体」)を、染色対象とする組織に接触させて抗原−抗体複合体を形成させてから、この抗原−抗体複合体に対して、上記第2の結合基を導入した標識物質を結合させることによって行うこともできる。この操作により、切片組織や細胞の表面に抗体医薬標的抗原が存在しているときには、この標識化抗体とこの抗体医薬標的抗原とからなる複合体が形成される。そして、その結果として、切片や細胞の表面に存在する標識抗原が特異的に標識化されるのである。
ここで、良好な染色が行われるよう、染色対象とする組織には、予め上記賦活化処理工程による賦活化処理を行っておくことが好ましく、また、標識化抗体などの非特異吸着を抑制するために、BSA含有バッファー溶液など公知のブロッキング剤を用いて、染色対象とする組織表面に予めブロッキング処理を行うことが好ましい。
この標識化抗体を用いた染色は、典型的には、
(i) 公知のブロッキング剤を用いて、染色対象とする組織表面のブロッキング処理を行う工程と、
(ii) 前記工程(i)を経た組織表面に標識化抗体を接触させて、染色組織を得る工程と、
(iii) 前記工程(ii)で得られた染色組織上に残存する未反応の標識化抗体を洗浄して除去する工程と
を含む一連の工程を経て行うことができる。
ただし、上記工程(ii)〜(iii)に代えて、
(ii'-1) 前記工程(i)を経た組織表面に、上記「第1の結合基を導入した未標識抗体医薬構成抗体」を接触させる工程と、
(ii'-2) 前記工程(ii'-1)により抗原−抗体複合体が形成された組織表面に、上記「第2の結合基を導入した標識物質」を反応させて、抗原−抗体複合体の抗体部分に標識を結合させることにより、染色組織を得る工程と、
(iii') 未反応の「第1の結合基を導入した未標識抗体医薬構成抗体」および「第2の結合基を導入した標識物質」を除去するために、適当なバッファー溶液を用いて前記(ii'-2)で得られた染色組織を洗浄する工程と
を含む工程を経て行ってもよい。ここで、未反応の「第1の結合基を導入した未標識抗体医薬構成抗体」を除去するために、上記工程(ii'-1)と工程(ii'-2)との間に上記工程(iii')と同様の洗浄工程を行ってもよい。
ここで、標識物質として上記蛍光体集積粒子を用いた場合における染色の一例を示す。
まず、抗体医薬についてビオチン化等を行うことにより、例えばビオチン化抗体医薬構成抗体などの形態で、第1の結合基を導入した抗体医薬構成抗体を得る。一方、蛍光体集積粒子についても、PBS(リン酸緩衝液生理食塩水)等の適当な緩衝液中で、適当なリンカーを介してストレプトアビジン等を結合させることにより、例えばストレプトアビジン修飾蛍光体集積粒子などの形態で、第2の結合基を導入した蛍光体集積粒子を得る。
ここで、異なる抗体医薬構成抗体を用いて染色を行うときには、この第1の結合基を導入した抗体医薬構成抗体と第2の結合基を導入した蛍光体集積粒子とから得られる蛍光体集積粒子標識化抗体のPBS分散液をそれぞれ調整し、病理切片に載せ、目的とする生体物質との反応を行う。ここにいう「目的とする生体物質」は、本発明では、抗体医薬構成抗体が標的とする標的抗原である。この蛍光体集積粒子標識化抗体のPBS分散液にはBSA含有PBSなど公知のブロッキング剤やTween20等の界面活性剤を含有させてもよい。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。
蛍光体集積粒子標識化抗体との反応時間は、30分以上24時間以下であることが好ましい。
なお、蛍光体集積粒子標識化抗体による染色を行う前に、BSA含有PBSなど公知のブロッキング剤を滴下することが好ましい。
ついでPBSを入れた容器に、染色後の切片を浸漬させ未反応蛍光体集積粒子標識化抗体の除去を行う。PBS溶液にはTween20等の界面活性剤を含有させてもよい。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。
以上の説明において、緩衝液としてPBSを用いた例を挙げているが、PBSに代えて上記記載した他の緩衝液を用いてもよい。
組織の形態観察のため、ヘマトキシリン−エオジン染色を行ってもよい。
以上の操作を行った後、必要に応じて、染色を行った組織について、後述する観察を行うために必要な前操作を行うことができる。例えば、染色対象の組織として病理切片を用いた場合、カバーガラスを切片に載せ、封入する。このとき、必要に応じて市販封入剤を使用してもよい。
4)蛍光顕微鏡下の観察
本発明の染色法においては、上記1)〜3)の工程により染色された組織について、蛍光などの発光、色吸収の変化などによる色彩や明るさの変化等を計測することによって、染色した組織上に存在する目的とする生体物質の多寡を評価することができる。
ここで、標識物質として、蛍光標識剤や、蛍光発光性の化学種を生じさせる酵素を用いたときには、蛍光発光の強弱を計測することにより、染色した組織上に存在する目的とする生体物質の多寡を評価することができる。特に可視領域にある色彩パターンの形で染色された組織の観察は、現像等の二次的な操作を行うことなく、目視によって行うことができる。
具体的には、染色した病理切片等の染色した組織に対し蛍光顕微鏡を用いて、目的とする生体物質の発現レベルを輝点数または発光輝度を基に計測することができる。ここで、顕微鏡として共焦点顕微鏡を用いることにより、染色した組織についての3次元情報を得ることもでき、蛍光を介して得られた3次元画像から、染色した組織に含まれるがん細胞等の分布を取得することもできる。蛍光励起用の励起光源として、用いた蛍光物質の吸収極大波長および蛍光波長に対応したものを適宜使用することができ、また、励起光と発光した蛍光との分離を行うために、所要により蛍光検出用光学フィルターを併用することができる。
輝点数または発光輝度の計測は、画像解析ソフト、例えば公開解析ソフト ImageJ、株式会社ジーオングストローム社製全輝点自動計測ソフトG-Countを用いて行うことができる。
〔抗体医薬の有効性を判定する方法〕
上記記載した本発明の染色法は、抗体医薬の有効性を判定する方法に応用することができる。ここで、本発明は、抗体医薬の構成成分である抗体について、上記記載の染色法を用いて、その抗体医薬が標的とする抗原の量に対する結合量を測定することにより、当該抗体医薬の有効性を判定する方法をも提供する。つまり、本発明の判定方法は、構成成分である抗体の、標的とする抗原の量に対する結合量の多寡を上記記載の染色法によって評価することにより、抗体医薬の有効性を判断しようとするものである。
本発明の判定方法は、具体的には、有効な標的抗原が一定量存在する組織に対して、被検体とする抗体医薬を反応させて染色を行うことにより、抗原−抗体複合体の生成を可視化し、そのときの発色の変化に基づいて抗原−抗体複合体の生成量を評価することにより、抗体医薬の有効性を判断しようとするものである。
ただ、抗体を成分として含む医薬品の有効性を判定する上で、組織における有効な標的抗原の量は取得した組織の状態や賦活化処理等の具合によって変わる場合がある。このような、組織の状態や賦活化処理等による影響を補正するために、例えば遺伝子診断法、酵素と基質の発色反応を利用した、抗体として抗体医薬を使用しない従来公知の免疫組織化学法等の従来の判定方法と比較検討することが好ましい。遺伝子診断法としては、例えばPCR法、サザンハイブリダイゼーション法、FISH法等を挙げることができ、酵素と基質の発色反応利用した免疫組織化学法としては、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)と該HRPの基質であるDAB、アルカリホスファターゼ(ALP)と該ALPの基質であるBCIP/NBT、β−ガラクトシダーゼと該β−ガラクトシダーゼの基質であるX−gal等を用いた方法を挙げることができ、これらの中でも乳がんにおけるトラスツズマブの有効性を判定する場合、FISH法及び/又はHRPとDABを用いた免疫組織化学(IHC−DAB)法を好適に例示することができる。
本発明の抗体を成分として含む医薬品の有効性の判定方法、及び上記抗体を成分として含む医薬品の有効性の判定システムにおいて、有効性を判定する対象となる医薬品としては、抗体を有効成分として含む医薬品に限定されず、抗体が標的とするタンパク質にシグナル伝達経路が存在する場合、該シグナル伝達経路における因子(タンパク質)を標的とする医薬品も含まれる。上記抗体を成分として含む医薬品における抗体がHER2である場合、例えばHER2のシグナル伝達経路の下流には細胞増殖に関与する因子としてRas、Raf等を、抗アポトーシスに関与する因子としてPI3K、AKT等を挙げることができる。抗体を成分として含む医薬品における抗体としては、がんの増殖制御因子や転移制御因子を特異的に認識する抗体が好ましく、抗体の種類としてはモノクローナル抗体やポリクローナル抗体を例示することができる。また上記抗体のクラス、やサブクラスは特に制限されず、クラスとしては、IgA、IgG、IgE、IgD、IgM等を挙げることができ、サブクラスとしては、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2等を挙げることができる。また、ここでいう「抗体」という用語は、任意の抗体断片または誘導体を含む意味で用いられ、例えば、Fab、Fab'2、CDR、ヒト化抗体、多機能抗体、単鎖抗体(ScFv)などを含む。かかる抗体は、公知の方法で製造することができる(例えば、Harlow E. & Lane D., Antibody, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1988)を参照)。
[実施例1:標識体の作成]
《ビオチン化トラスツズマブ》
トラスツズマブとして、医薬品の形態でロッシュ社が製造している粉末状のハーセプチン(登録商標)を使用し、これに対して、Biotin Labeling kit-SH(同仁化学)を用いてビオチン化を行うことにより、ビオチン化トラスツズマブを得た。
《ストレプトアビジン修飾HRP》
ストレプトアビジン修飾HRPとして、High Sensitivity Streptavidin-HRP(サーモサイエンティフィック社)を用いた。
《ストレプトアビジン修飾蛍光体集積粒子》
蛍光体集積粒子の合成(有機蛍光色素)
テトラメチルローダミン(インビトロジェン社製TAMRA−SE)(励起波長550nm、発光波長570nm)6.6mgと3−アミノプロピルトリメトキシシラン(3−aminopropyltrimetoxysilane、信越シリコーン社製、KBM903)3μLをDMF中で混合、オルガノアルコキシシラン化合物を得た。得られたオルガノアルコキシシラン化合物0.6mlを48mlのエタノール、0.6mlのTEOS(テトラエトキシシラン)、2mlの水、2mlの28%アンモニア水と3時間混合した。
上記工程で作製した混合液を10000Gで20分遠心分離を行い、上澄みを除去した。エタノールを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順でエタノールと純水による洗浄を2回ずつ行った。その結果、蛍光体集積粒子として、テトラメチルローダミン集積・シリカナノ粒子が10mg得られた。
得られたテトラメチルローダミン集積・シリカナノ粒子のSEM観察を行ったところ、平均粒径104nm、変動係数は12%であった。
蛍光体集積粒子の合成(量子ドット)
三つ口フラスコに入れた6mlのオクタデセンに、In(acac)3とトリス(トリメチルシリル)ホスフィンとをInとPの比がIn/P=1/1となるよう0.1μmolずつ1mlのオクタデセンに溶解させた溶液を加え、アルゴン雰囲気中で300℃、1h反応させInPコア粒子分散液を得た。
次に、このInPコア粒子分散液を用いてInP/ZnS コア/シェル粒子の合成を行った。前記InPコア粒子分散液を80℃まで放冷した後、その分散液に、ステアリン酸亜鉛と硫黄とをZn/S=1/1となるような割合で1mlのオクタデセンに溶解させた溶液を、In、P、Zn、Sのモル比がIn/P/Zn/S=1/1/1/1となるように加えた。この混合物を、80℃から230℃に昇温し、30分反応させ、得られた溶液に貧溶媒であるアセトンを加えたところ、InP/ZnS コア/シェル粒子が沈殿として得られた。このようにして得られたInP/ZnS コア/シェル半導体ナノ粒子は630nmに極大発光波長を持った粒子であった。
このInP/ZnS コア/シェル粒子0.1mgにドデシルアミン0.1mg、超純水1mLを加え、1h強撹拌することにより水溶化半導体ナノ粒子溶液を得ることが出来る。この水溶化半導体ナノ粒子溶液にTEOS0.1mg,エタノール0.01mL、濃アンモニア水0.03mLを加え加水分解を行うことで、InP、CdSe,CdTe半導体ナノ粒子集積体を得た。
得られたInP/ZnS コア/シェル粒子集積・シリカナノ粒子のSEM観察を行ったところ、平均粒径94nm、変動係数は14%であった。
蛍光体集積粒子へのストレプトアビジンの結合
上記蛍光体集積粒子(すなわち、テトラメチルローダミン集積・シリカナノ粒子、および、InP/ZnS コア/シェル粒子集積・シリカナノ粒子)へのストレプトアビジンの結合は、それぞれ、以下の手順に従って行った。
EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を2mM含有したPBS(リン酸緩衝液生理的食塩水)に蛍光体集積粒子を溶解させて3nMに調整し、この溶液に最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl−[(N−maleomidopropionamid)−dodecaethyleneglycol]ester)を混合し1時間反応した。この混合液を10000Gで20分遠心分離を行い、上澄みを除去した後EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行うことで抗体結合用シリカナノ粒子を得た。
一方、ストレプトアビジンを1Mジチオスレイトール(DTT)で還元処理若しくはSATA等のチオール基付加処理を行い、ゲルろ過カラムにより過剰の反応試薬を除去することによりシリカ粒子に結合可能な還元化抗体溶液を得た。
上記で得られた抗体結合用シリカナノ粒子と還元化抗体とを、EDTAを2mM含有したPBS中で混合し、1時間反応させた。10mMメルカプトエタノールを添加し、反応を停止させた。得られた溶液を10000Gで20分遠心分離を行い、上澄みを除去した後EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行うことで、ストレプトアビジン結合・蛍光体集積シリカナノ粒子を得た。
後述する実施例3においては、このストレプトアビジン結合・蛍光体集積シリカナノ粒子をストレプトアビジン修飾蛍光体集積粒子として用いた。
[実施例2:組織染色(HRP)]
実施例1で作製したビオチン化トラスツズマブ、ストレプトアビジン修飾HRPを用いてヒト乳房組織の免疫染色を行った。このビオチン化トラスツズマブおよびストレプトアビジン修飾HRPを用いた本発明の染色法を、以下「トラスツズマブ−HRP」と呼ぶ場合がある。
染色切片はあらかじめパスビジョンHER-2 DNAプローブキット(アボット)をもちいてFISHスコアを算出したコスモバイオ社製の組織アレイスライド(CB−A712)を用いた。組織アレイスライドを脱パラフィン処理後、水に置換洗浄、10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)中で15分間オートクレーブ処理することで、抗原の賦活化処理を行った。抗原の賦活化処理後の組織アレイスライドは、PBS緩衝液を用いて洗浄後、1%BSA含有PBS緩衝液を用いて湿潤箱中で1時間ブロッキング処理を行った。ブロッキング処理後、1%BSA含有PBS緩衝液で0.05nMに希釈したビオチン化トラスツズマブを組織切片と2時間反応させ、その後洗浄した。さらに、ストレプトアビジン修飾HRPと0.5時間反応させ、洗浄を行ったところ、トラスツズマブおよびHRPにより修飾された組織(以下、「トラスツズマブ−HRP修飾組織」)が得られた。このハーセプチン−HRP修飾組織についての染色は、DAB(ジアミノベンジジンテトラハイドロクロライド)溶液を基質溶液として用いて常法により行った。
また、抗体医薬品を用いない組織染色例として、ヒストファイン HER2キット(ニチレイ:以下、「N社染色キット」)、ダコ HercepTest II(Dako:以下、「D社染色キット」)、ベンタナI−VIEWパスウェーHER2(4B5)(Roche:以下、「R社染色キット」)を用いた染色を行った。
染色組織はその染色濃度に応じて、HER2検査ガイド-改訂第三版の判定基準に基づいてスコアを算出した。
表2に各社キットとトラスツズマブ−HRPを用いた染色スコアとFISHスコアの比較を示す。ここで、「トラスツズマブ−HRP」とある染色スコアが、本発明の染色法によって染色された組織についての染色スコアに該当する。
表3に各社キットとトラスツズマブ−HRPを用いた染色スコアとFISHスコアの相関比較を示す。トラスツズマブ−HRPを用いた染色スコアは抗体医薬品を用いない各社キットの染色スコアと比較してFISHスコアと高い相関を示していることが分かる。
Figure 2012133047
Figure 2012133047
Figure 2012133047
[実施例3:組織染色(蛍光体集積粒子)]
実施例2と同様の方法を用いてストレプトアビジン修飾蛍光体集積粒子を標識体として用いたヒト乳房組織の免疫染色を行った。すなわち、ビオチン化トラスツズマブと反応させておいた組織切片に対して、ストレプトアビジン修飾HRPに代えて、実施例1で得られた各ストレプトアビジン修飾蛍光体集積粒子を反応させたことを除き、実施例2と同様の手順により免疫染色を行った(ビオチン化トラスツズマブおよびストレプトアビジン修飾蛍光体集積粒子を用いた本発明の染色法を、以下「トラスツズマブ−蛍光体集積粒子」と呼ぶ場合がある。)。染色した組織切片はオリンパス社製DSU共焦点顕微鏡を用いて画像を取得、がん細胞領域を特定し、イメージJを用いた2値処理、ノイズ除去処理後輝点計測を行い、10細胞当たりの輝点数を計測した。
表4にトラスツズマブ-HRPを用いた染色スコアと、各トラスツズマブ-蛍光体集積粒子で染色した組織における10細胞当たりの輝点数と、FISHスコアとの比較を示す。
表5にトラスツズマブ-HRPおよび各トラスツズマブ-蛍光体集積粒子を用いた染色スコアについての、FISHスコアとの相関比較を示す。各トラスツズマブ-蛍光体集積粒子を用いて計測された輝点数のデータは、トラスツズマブ-HRPを用いた染色スコアと比べて、FISHスコアと、より高い相関を示すことが分かる。
Figure 2012133047
Figure 2012133047
Figure 2012133047

Claims (7)

  1. 抗体医薬が標的とする抗原を認識する物質として、該抗体医薬の構成成分である抗体を用いる免疫組織染色法。
  2. 前記抗体を、標識物質を結合させた標識化抗体の形態で用いる請求項1に記載の免疫組織染色法。
  3. 前記標識物質が蛍光標識剤である請求項2に記載の免疫組織染色法。
  4. 前記蛍光標識剤が、複数の蛍光物質を集積してなる蛍光集積体である請求項3記載の免疫組織染色法。
  5. 組織に存在する抗原の分布が、該抗原に結合した前記抗体の量に応じて可視化された形で得られる請求項1〜4のいずれかに記載の免疫組織染色法。
  6. 前記抗原が、がんの増殖制御因子,転移制御因子,増殖制御因子受容体および転移制御因子受容体からなる群より選ばれるいずれかである請求項1〜5のいずれかに記載の免疫組織染色法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の免疫組織染色法を用いて、前記抗原の量に対する、前記抗体の結合量を測定することにより、前記抗体医薬の有効性を判定する方法。
JP2013507430A 2011-03-25 2012-03-21 免疫組織染色法、およびこれを用いた抗体医薬の有効性を判定する方法 Expired - Fee Related JP5900489B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013507430A JP5900489B2 (ja) 2011-03-25 2012-03-21 免疫組織染色法、およびこれを用いた抗体医薬の有効性を判定する方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011067448 2011-03-25
JP2011067448 2011-03-25
JP2013507430A JP5900489B2 (ja) 2011-03-25 2012-03-21 免疫組織染色法、およびこれを用いた抗体医薬の有効性を判定する方法
PCT/JP2012/057191 WO2012133047A1 (ja) 2011-03-25 2012-03-21 免疫組織染色法、およびこれを用いた抗体医薬の有効性を判定する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012133047A1 true JPWO2012133047A1 (ja) 2014-07-28
JP5900489B2 JP5900489B2 (ja) 2016-04-06

Family

ID=46930779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013507430A Expired - Fee Related JP5900489B2 (ja) 2011-03-25 2012-03-21 免疫組織染色法、およびこれを用いた抗体医薬の有効性を判定する方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5900489B2 (ja)
WO (1) WO2012133047A1 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6236881B2 (ja) * 2013-06-03 2017-11-29 コニカミノルタ株式会社 免疫染色方法、蛍光免疫染色用前処理液および免疫染色用キット
EP3115783A4 (en) * 2014-03-06 2017-10-11 Konica Minolta, Inc. Integrated phosphor nanoparticle marking agent, and fluorescent immunostaining method employing same
US10323271B2 (en) 2014-03-20 2019-06-18 Konica Minolta, Inc. Probe reagent and fish using probe reagent
WO2015159776A1 (ja) * 2014-04-16 2015-10-22 コニカミノルタ株式会社 蛍光体集積ナノ粒子、これを用いた染色試薬、キットおよび蛍光免疫染色法
JP6734011B2 (ja) * 2014-06-06 2020-08-05 古河電気工業株式会社 生体分子検出用試験キット、及びこれを用いた生体分子の検出方法、並びにこれらに用いられる生体分子検出用試験片及び生体分子検出用標識試薬
JP6398419B2 (ja) * 2014-07-23 2018-10-03 コニカミノルタ株式会社 ソラフェニブを含有する標識剤
WO2016013541A1 (ja) * 2014-07-23 2016-01-28 コニカミノルタ株式会社 分子標的薬を含有する標識剤
JP6740906B2 (ja) * 2015-02-12 2020-08-19 コニカミノルタ株式会社 抗体結合蛍光体集積ナノ粒子、抗体結合蛍光体集積ナノ粒子の製造方法および免疫染色キット
ES2767730T3 (es) * 2015-04-30 2020-06-18 Univ Kyoto Método para predecir el efecto terapéutico del inhibidor PD-1/PD-L1 usando una anomalía en PD-L1(CD274) como índice
JP6524833B2 (ja) * 2015-07-17 2019-06-05 コニカミノルタ株式会社 蛍光体集積ナノ粒子を用いたfishまたは免疫染色スライドの封入方法
JP6729595B2 (ja) * 2015-09-28 2020-07-22 コニカミノルタ株式会社 前立腺癌の病理組織診断結果(グリーソンスコア)の推定方法
JP7012363B2 (ja) * 2016-08-01 2022-01-28 株式会社ファーマフーズ がん患者におけるfstl1阻害剤による治療効果を予測するためのバイオマーカー
JP6648842B2 (ja) * 2017-02-28 2020-02-14 コニカミノルタ株式会社 抗体−薬物複合体の構成成分の検出方法
US20200371106A1 (en) * 2017-03-10 2020-11-26 Konica Minolta, Inc. Method for estimating therapeutic efficacy
EP3608669A4 (en) 2017-04-07 2020-06-03 Konica Minolta, Inc. FLUORESCENT PRE-MIXED PARTICLES, FLUORESCENT STYLING THEREFOR, AND FLUORESCENT STYLING METHOD WHICH ARE USED THEREOF
US20200003764A1 (en) 2017-04-07 2020-01-02 Konica Minolta, Inc. Method for manufacturing purified product of protein-modified phosphor-integrated particle, method for manufacturing fluorescent staining liquid, purified product of protein-modified phosphor-integrated particle, and filter for purifying fluorescent staining liquid and protein-modified phosphor-integrated particle
EP3734277A4 (en) * 2017-12-27 2021-07-07 Konica Minolta, Inc. PROCESS FOR EVALUATING A MEDICINAL PRODUCT
EP3774908A1 (en) * 2018-03-27 2021-02-17 Laboratory Corporation of America Holdings Sandwich elisa for identifying subjects who may benefit from treatment with therapeutic agents
WO2020148985A1 (ja) 2019-01-18 2020-07-23 コニカミノルタ株式会社 標的物質検出用蛍光体集積ナノ粒子
JPWO2020255906A1 (ja) 2019-06-20 2020-12-24
CN110333353A (zh) * 2019-07-18 2019-10-15 武汉原谷生物科技有限责任公司 一种基于量子点标记的多重免疫组化分析试剂盒及分析方法

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002501184A (ja) * 1998-01-22 2002-01-15 ルミネックス コーポレイション 多数の蛍光シグナルを有する微小粒子
JP2004352542A (ja) * 2003-05-28 2004-12-16 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ナノ粒子で装飾された無機成形体及びその製造方法
JP2006506943A (ja) * 2002-02-11 2006-03-02 ジェネンテック・インコーポレーテッド 抗原結合速度の大きい抗体変異体
WO2008041594A1 (fr) * 2006-09-26 2008-04-10 Olympus Corporation procÉdÉ d'analyse de la sensibilitÉ À un mÉdicament À base d'anticorps
JP2009509171A (ja) * 2005-09-21 2009-03-05 シーシーシー ダイアグノスティックス, エルエルシー 個別化抗癌化学療法(pac)のための包括的な診断試験
WO2009028282A1 (ja) * 2007-08-28 2009-03-05 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 新規ナノ粒子発光体
JP2010209314A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Korea Inst Of Science & Technology ナノ粒子・多孔体複合ビーズ及びその製造方法
US20100316635A1 (en) * 2007-10-19 2010-12-16 National Cancer Center Kit for diagnosis of breast cancer using herceptin, a composition comprising herceptin and a method for detecting herceptin-sensitive her2 overexpressed cell using the same
JP2011252819A (ja) * 2010-06-03 2011-12-15 Furukawa Electric Co Ltd:The 標識試薬シリカナノ粒子
WO2012029269A1 (ja) * 2010-09-02 2012-03-08 国立大学法人東北大学 がん発症又はがん発症リスクの判定方法
WO2012029342A1 (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 コニカミノルタエムジー株式会社 組織染色方法、組織評価方法および生体物質検出方法
WO2012035705A1 (ja) * 2010-09-17 2012-03-22 国立大学法人東北大学 抗体を成分として含む医薬品の有効性の判定方法

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002501184A (ja) * 1998-01-22 2002-01-15 ルミネックス コーポレイション 多数の蛍光シグナルを有する微小粒子
JP2006506943A (ja) * 2002-02-11 2006-03-02 ジェネンテック・インコーポレーテッド 抗原結合速度の大きい抗体変異体
JP2004352542A (ja) * 2003-05-28 2004-12-16 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ナノ粒子で装飾された無機成形体及びその製造方法
JP2009509171A (ja) * 2005-09-21 2009-03-05 シーシーシー ダイアグノスティックス, エルエルシー 個別化抗癌化学療法(pac)のための包括的な診断試験
WO2008041594A1 (fr) * 2006-09-26 2008-04-10 Olympus Corporation procÉdÉ d'analyse de la sensibilitÉ À un mÉdicament À base d'anticorps
WO2009028282A1 (ja) * 2007-08-28 2009-03-05 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 新規ナノ粒子発光体
US20100316635A1 (en) * 2007-10-19 2010-12-16 National Cancer Center Kit for diagnosis of breast cancer using herceptin, a composition comprising herceptin and a method for detecting herceptin-sensitive her2 overexpressed cell using the same
JP2010209314A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Korea Inst Of Science & Technology ナノ粒子・多孔体複合ビーズ及びその製造方法
JP2011252819A (ja) * 2010-06-03 2011-12-15 Furukawa Electric Co Ltd:The 標識試薬シリカナノ粒子
WO2012029342A1 (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 コニカミノルタエムジー株式会社 組織染色方法、組織評価方法および生体物質検出方法
WO2012029269A1 (ja) * 2010-09-02 2012-03-08 国立大学法人東北大学 がん発症又はがん発症リスクの判定方法
WO2012035705A1 (ja) * 2010-09-17 2012-03-22 国立大学法人東北大学 抗体を成分として含む医薬品の有効性の判定方法

Non-Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BAKALOVA RUMIANA ET AL.: "Quantum DOT-Based Western Blot Technology for Ultrasensitive Detection of Tracer Proteins", J AM CHEM SOC, vol. 127, no. 26, JPN6016003703, 2005, pages 9328 - 9329, ISSN: 0003249094 *
MACROMOLECULAR RESEARCH, 2010.07, VOL.18, NO.7, PAGE.641-647, JPN6012018888, ISSN: 0003249092 *
生体超微細1 分子可視化技術によるナノDDS とがん標的治療に関する研究 平成18 年度 総括・分担研究年度終, JPN6012018887, ISSN: 0003249091 *
組織細胞化学, 2006, VOL.2006, PAGE.25-34, JPN6012018889, ISSN: 0003249093 *
臨床検査, vol. Vol.50, No.7, Page.753-760, JPN6012018886, 2006, ISSN: 0003071793 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP5900489B2 (ja) 2016-04-06
WO2012133047A1 (ja) 2012-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5900489B2 (ja) 免疫組織染色法、およびこれを用いた抗体医薬の有効性を判定する方法
US11435348B2 (en) Tissue staining method
US10082508B2 (en) Automated analysis of circulating tumor cells
JP5906623B2 (ja) 生体物質発現レベル評価システム
US9632081B2 (en) Detection method for biological substance
US9970847B2 (en) Method for staining tissue
Xu et al. Quantum dot-based, quantitative, and multiplexed assay for tissue staining
CN104364649B (zh) 用于鉴定具有基因毒性的化合物的蛋白表达分析
US20190112356A1 (en) High-affinity immunopolymers
US20240036048A1 (en) Means and methods for diagnosing pancreatic cancer
JP6424826B2 (ja) 組織切片における生体物質の定量法
JP2015534061A (ja) 未分化リンパ腫キナーゼ(alk)をマーカーとして使用する治療応答性非小細胞肺癌の同定法
US9383371B2 (en) Method of sequential and multiple immunostaining for detection of various antigens in the same specimens
WO2019131727A1 (ja) 医薬の評価方法
JP5863057B2 (ja) 組織評価方法
JP6922444B2 (ja) 蛍光ナノ粒子を用いた、病理学的完全奏効(pCR)の予測を支援するための検査支援方法
JP7162398B2 (ja) 早期膵がん検出アッセイ
WO2019131895A1 (ja) 情報取得方法
KR20240022906A (ko) 암 진단용 다중 바이오마커 및 이의 용도

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150519

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151006

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20151124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5900489

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees