JPWO2012121193A1 - エッチング液 - Google Patents

エッチング液 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2012121193A1
JPWO2012121193A1 JP2013503530A JP2013503530A JPWO2012121193A1 JP WO2012121193 A1 JPWO2012121193 A1 JP WO2012121193A1 JP 2013503530 A JP2013503530 A JP 2013503530A JP 2013503530 A JP2013503530 A JP 2013503530A JP WO2012121193 A1 JPWO2012121193 A1 JP WO2012121193A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
group
copper
film
etching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013503530A
Other languages
English (en)
Inventor
喜広 向
向  喜広
秀国 安江
秀国 安江
了 吉崎
了 吉崎
佳孝 西嶋
佳孝 西嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagase Chemtex Corp
Original Assignee
Nagase Chemtex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagase Chemtex Corp filed Critical Nagase Chemtex Corp
Publication of JPWO2012121193A1 publication Critical patent/JPWO2012121193A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F1/00Etching metallic material by chemical means
    • C23F1/10Etching compositions
    • C23F1/14Aqueous compositions
    • C23F1/16Acidic compositions
    • C23F1/18Acidic compositions for etching copper or alloys thereof
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/02Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding
    • H05K3/06Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding the conductive material being removed chemically or electrolytically, e.g. by photo-etch process
    • H05K3/067Etchants

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Weting (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)

Abstract

銅配線横断面に良好な順テーパー形状を与え、サイドエッチング量が少なく微細パターンの回路形成が容易で、透明導電膜にもダメージを与えず、エッチングレートが安定で、エッチング廃液のリユースやリサイクルが容易なエッチング液とそれを用いた銅配線の形成方法を提供する。本発明は、銅膜及び銅合金膜の少なくとも1層を有する金属膜の前記銅膜及び銅合金膜をエッチングするための、第二銅イオン及び第二鉄イオンのうち少なくとも1種、少なくとも1種のハロゲンイオン、グリシン、2−アミノプロピオン酸、3−アミノプロピオン酸、アミノイソ酪酸、トレオニン、ジメチルグリシン、オルニチン、リシン、ヒスチジン及びセリンのうちの少なくとも1種のアミノ酸、リンゴ酸、クエン酸及びマロン酸のうちの少なくとも1種のカルボン酸並びに/又は少なくとも1種の無機酸並びに水を含有するエッチング液とそれを用いた銅配線の形成方法である。

Description

本発明は、銅又は銅合金を用いた配線(本明細書では単に銅配線ともいう。)を基板上に形成する際に使用されるエッチング液に関する。詳細には、銅配線横断面に良好な順テーパー形状を与えることができ、しかも、サイドエッチング量が少なく微細パターンの回路形成が容易で、透明導電膜にもダメージをほとんど与えず、エッチング廃液のリユースやリサイクルが容易なエッチング液に関する。
現在、プリント配線やTFT(薄膜トランジスタ。以下同様。)において銅配線が使用されている。昨今、タッチパネルにおいても、普及の拡大に伴いより高性能化が求められ、現在主流のアルミニウム配線から、より低抵抗な銅配線への移行が望まれている。
プリント配線のエッチングには、サイドエッチング量が少なく、配線横断面の形状が矩形であることが要求されている。一般的に過硫酸系エッチング液、過酸化水素系エッチング液、塩化銅及び塩化鉄系エッチング液等がプリント配線のエッチングに使用されている。過硫酸系及び過酸化水素系のエッチング液では、過硫酸及び過酸化水素の安定性が悪いため、経時安定性に問題があった。また、過酸化水素は銅等の重金属の溶解に伴い自己分解を起すため、経時安定性が特に悪かった。塩化銅及び塩化鉄系のエッチング液は安定性に優れるもののサイドエッチング量が多いことや、シード層と言われる下地層のアンダーカットが発生する問題がある。
また、TFTにおいては、配線ピッチが細く、プリント配線以上の微細加工が必要であるため、サイドエッチング量が更に少なく、配線横断面の形状が順テーパー形状であることが要求されている。従来、加工性の問題で主に過酸化水素系エッチング液が用いられているが、安定性が悪く、非過酸化水素系エッチング液が切望されている。この問題に対して、例えば、プリント配線で実績のある、安定な塩化銅及び塩化鉄系のエッチング液が検討されているが、サイドエッチング量が大きく、配線横断面の形状が矩形又は逆テーパー形状となる問題がある。その原因としては、プリント配線では問題とならなかった、エッチング反応時に生成されるCuClにあると考えられる。すなわち、配線間に残留するCuClを除去するためにオーバーエッチングをする必要があり、プリント配線と比較して配線の膜厚が薄いTFT用配線では不具合が生じやすい。従って、塩化銅及び塩化鉄系のエッチング液がTFT量産工程で使用された例はない。また、配線横断面の形状が矩形又は逆テーパー形状であると、配線縁にボイドと呼ばれる欠陥が発生したり、積層を重ねていくうちに断線を誘発して、歩留まり及び品質の低下が起こることが知られている。
昨今、ディスプレイの3D化や有機EL化により、S/D(ソース/ドレイン。以下同様。)銅配線の下層の半導体層における移動度の向上が望まれている。この問題に対して、現在用いられている半導体層であるα−Siから酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZOとも記す。以下同様。)膜のような酸化物半導体への変更が検討されているが、酸化物半導体は耐食性が乏しいため、銅配線エッチング時に酸化物半導体が腐食される問題がある。
一方、タッチパネルの銅配線は引き出し線に用いられているので配線幅が大きく、今までは高サイドエッチングを考慮してフォトレジストの幅を大きくすることで対処していた。しかし、スマートフォン等の市場台頭により、より一層、画素部の拡大と高性能化、あるいは製造工程での高歩留まりが求められるようになった。それに伴いタッチパネルにおいても、低サイドエッチング及び配線横断面の順テーパー形状の要望が高まっている。また、銅配線の下層には酸化インジウム錫(ITOとも記す。以下同様。)膜の透明導電膜があるため、選択的銅エッチングを行う必要があるが、従来の塩化銅及び塩化鉄系のエッチング液ではITOを腐食し、性能を低下させてしまう問題があった。
特許文献1には、銅の酸化剤と、塩酸及び有機酸からなる群から選ばれる酸と、ポリアルキレングリコール、及びポリアミンとポリアルキレングリコールとの共重合体からなる群より選ばれる重合体を含有する水溶液からなり、サイドエッチや配線上部が細くなることを抑制し得る、銅又は銅合金のエッチング剤組成物が開示されている。しかし、プリント配線のようなエッチングレートが非常に速い条件下では問題とならないが、TFTやタッチパネル等の薄膜配線(厚み1000nm以下)ではエッチングレートが遅いので、ポリアルキレングリコール、及びポリアミンとポリアルキレングリコールとの共重合体を使用すると、Cuの防食能が強すぎて不均一なエッチングとなるとともにエッチングのマージンも狭く、実用には供し得なかった。さらに、ポリアルキレングリコール、及びポリアミンとポリアルキレングリコールとの共重合体を除いたエッチング液では、エッチングレートが速すぎ、配線横断面の形状が矩形となり、且つサイドエッチング量が多く、やはり実用に供し得ない。たとえ組成調整によりエッチングレートを調節したとしてもやはり配線横断面の形状が矩形となり、且つサイドエッチング量が多く、また、ITOも腐食させてしまう問題があった。
また、特許文献2には、第二銅イオン、有機酸、ハロゲンイオン、アゾール、ポリアルキレングリコールを含有する水溶液からなり、セミアディティブ工法においてシード層(この場合は無電解銅メッキ層。)と言われる下地層をエッチングし、上層の電界メッキ銅配線層の細りを抑制し得る、銅又は銅合金のエッチング剤組成物が開示されている。しかし、アゾール類は析出を起し易いため、多くを添加できず、エッチングに伴い性能低下する問題がある。また、TFTやタッチパネル等の薄膜配線(厚み1000nm以下)に適用すると、配線横断面の形状が矩形となり、且つサイドエッチング量が多く、また、ITOも腐食してしまう問題があった。
特許第4018559号公報 特開2006−111953号公報
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、銅配線横断面に良好な順テーパー形状を与えることができ、しかも、サイドエッチング量が少なく微細パターンの回路形成が容易で、下地の透明導電膜等の酸化金属膜にもダメージをほとんど与えず、エッチングレートが安定で、エッチング廃液のリユースやリサイクルが容易なエッチング液を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、銅膜及び銅合金膜からなる群から選択される少なくとも1種の少なくとも1層を有する金属膜の前記銅膜及び銅合金膜をエッチングするための:(A)第二銅イオン及び第二鉄イオンのうち少なくとも1種、(B)少なくとも1種のハロゲンイオン並びに/又は(E)リンゴ酸、クエン酸及びマロン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボン酸並びに/又は少なくとも1種の無機酸、(C)下記一般式(1)で示されるアミノ酸のうち少なくとも1種、(D)水、を含有するエッチング液である。
Figure 2012121193
式(1)中、Aは、直接結合又は−CH−を表し、R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ、水素又は炭素数が1の炭化水素基を表し、R3、R4は、同一又は異なって、それぞれ、水素、水酸基若しくはNH−を置換基として有していてもよい炭素数が2以下の飽和炭化水素基、NH−を置換基として有する炭素数が3又は4の直鎖若しくは分枝鎖の飽和炭化水素基、又は、炭素数が1又は2のアルキレン基と結合する窒素含有複素環基を表す。R1、R2、R3、R4は、そのうちの少なくとも2つが結合して環の一部を構成していてもよい。
本発明の一態様においてエッチング液は、(A)第二銅イオン及び第二鉄イオンのうち少なくとも1種、(B)少なくとも1種のハロゲンイオン、(C)上記一般式(1)で示されるアミノ酸のうち少なくとも1種、(D)水、を含有するエッチング液である。 本発明の他の態様においてエッチング液は、(A)第二銅イオン及び第二鉄イオンのうち少なくとも1種、(E)リンゴ酸、クエン酸及びマロン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボン酸並びに/又は少なくとも1種の無機酸、(C)上記一般式(1)で示されるアミノ酸のうち少なくとも1種、(D)水、を含有するエッチング液である。 本発明の別の態様においてエッチング液は、(A)第二銅イオン及び第二鉄イオンのうち少なくとも1種、(B)少なくとも1種のハロゲンイオン、(E)リンゴ酸、クエン酸及びマロン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボン酸並びに/又は少なくとも1種の無機酸、(C)上記一般式(1)で示されるアミノ酸のうち少なくとも1種、(D)水、を含有するエッチング液である。
本発明はまた、基板上に形成され、銅膜及び銅合金膜からなる群から選択される少なくとも1種の少なくとも1層を有する金属膜の前記銅膜及び銅合金膜を、上記エッチング液でエッチングすることを特徴とする、銅配線の形成方法でもある。
本発明によれば、上述の構成により、銅又は銅合金を用いた銅配線の形成において、配線横断面に良好な順テーパー形状が与えられ、しかも、サイドエッチング量が少なく微細パターンの回路形成が容易であり、下地の酸化金属膜にもダメージがほとんどなく、エッチング廃液のリユースやリサイクルが容易である。
実施例13、26のそれぞれのエッチングサンプルの横断面のSEMによる図面代用写真。 比較例10、従来技術のそれぞれのエッチングサンプルの横断面のSEMによる図面代用写真。
以下、まず、塩化銅や塩化鉄系エッチャントによるエッチング反応とその課題を詳細に説明する。
塩化銅によるエッチングの半反応は、下記式(1)、式(2)及び式(3)で表わされる。
Cu+Cu2+→2Cu (1)
2Cu→2Cu2++2e (2)
1/2O+2H+2e→HO (3)
塩化鉄系のエッチングにおいてもFe3+がFe2+に還元されて、Cuを酸化させているため、基本的な反応機構は同じである。
また、塩化銅によるエッチングは、下記式(4)及び式(5)で表わされる。この反応は、塩化銅にかぎらず、その他のハロゲン化銅でも同様である。
Cu+CuCl→2CuCl (4)
2CuCl+2HX+1/2O→CuCl+CuX+HO (5)
式中、Xは、アニオンイオンになる基を示す。
上記式(4)にて生成されるCuCl(銅(I)化合物として例示。以下同様。)は水にほとんど溶解せず、酸素によって酸化されてCu2+となることで溶解性を示す。尚、CuClに限らず、CuI、CuBrなどの他のハロゲン化銅(I)においても同様である。
本発明者は、このCuClが、XPS(X線光電子分光。以下同様。)分析によって、銅配線深部(深さ100nm以上)まで浸透していることを発見した。CuClはエッチング時に配線間に残留し易く、このCuClを除去(酸化)するのに時間を要すためにサイドエッチング量が大きくなる。また、CuClの除去に時間を要するため、CuClのマスキング効果で異方エッチングとなり、配線横断面の形状が矩形となる。
次に、上記課題に対する対策と、更なる課題の発見及びその解決策を詳細に説明する。
本発明者による研究の結果、CuClの溶解剤としてアミノ酸が適していることを見出した。そのエッチング反応は、式(6)及び式(7)で表わされる。
Cu+CuCl+2ACOOH
→2CuCl+2ACOOH
→2Cu(ACOO)+2HCl (6)
2Cu(ACOO)+2HCl+1/2O
→CuCl+Cu(ACOO)+HO (7)
式中、Aはアミノ酸中の一つのカルボキシル基を除いた残基を示す。
アミノ酸のCuCl除去効果は高く、サイドエッチング量の低減に大きく寄与する。また、アミノ酸によってCuClが除去されるため、等方的にエッチングされ、配線横断面のテーパー形状を可能とすることを本発明者は見出した。しかし、式(7)で生成されるCu(ACOO)の溶解性が乏しく、エッチング処理に伴いCu(ACOO)の量が多くなり、溶解限度以上となって析出することが問題となることが判明した。また、エッチング初期では問題ないものの、やがて有効なACOOHの減少により、CuCl除去性能の低下が誘発される。
更に検討の結果、このような問題に対して、Cu(ACOO)の生成を抑える成分として、特定の有機酸(特に多価カルボン酸)、無機酸が適していることを本発明者は見出した。多価カルボン酸を用いたときのエッチング反応は、例えば、式(6)及び式(8)で表わされる。
Cu+CuCl+2ACOOH
→2CuCl+2ACOOH
→2Cu(ACOO)+2HCl (6)
2Cu(ACOO)+2HCl+B(COOH)+1/2O
→CuCl+Cu(B(COO))+2ACOOH+HO (8)
式中、Aはアミノ酸中の一つのカルボキシル基を除いた残基を、Bは多価カルボン酸の2つのカルボキシル基を除いた残基を示す。
この反応式では良溶性化合物Cu(B(COO))が生成する。しかし、エッチング反応で生成する良溶性化合物は、Cu(B(COO))に限定されず、一般に、CuとA、B及びハロゲンとの複合体化合物であると考えられる。この複合体化合物は易溶性であり、析出しない。多価カルボン酸を用いることでアミノ酸のCuCl除去効果を損なわず、銅が溶けるので析出の問題も解決することができる。
また、ハロゲンイオン及び無機酸を用いて高酸性域でエッチングされる酸化金属膜に対して、上記のように銅の溶解剤としてアミノ酸や多価カルボン酸を使用することで、過剰なハロゲン及び無機酸の使用が不要となり、また、pH緩衝作用により高酸性領域になることを抑え、酸化金属膜に対する銅の選択的エッチングが可能となる。これらの点が、多価カルボン酸を用いた場合の有利な点であるが、無機酸を用いることでも本発明の目的を達成できる。
以下、本発明のエッチング液を詳細に説明する。 成分(A)は、第二銅イオン及び第二鉄イオンのうち少なくとも1種である。第二銅イオン及び第二鉄イオンは、銅(II)化合物及び鉄(III)化合物をそれぞれ供給源として配合することにより、エッチング液に含有させることができる。成分(A)は、銅及び銅合金を酸化させてエッチングを行う機能を有する。
銅(II)化合物としては、例えば、塩化銅(II)、臭化銅(II)、硫酸銅(II)、水酸化銅(II)、フッ化銅(II)等が挙げられる。また、鉄(III)化合物としては、例えば、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、ヨウ化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、酢酸鉄(III)、フッ化鉄(III)等が挙げられる。これらの化合物は、単独又は二種以上を混合して使用することができる。これらの化合物の中でも、コスト、エッチング液の安定性等から、銅(II)化合物としては、塩化銅(II)、硫酸銅(II)が、鉄(III)化合物としては、塩化鉄(III)が、それぞれ好ましい。
エッチング液中の成分(A)の濃度は、イオン換算で0.1wt%以上であることが好ましく、それ未満であれば、エッチング時間が長くなりすぎるため量産性の面で好ましくない。上限は特に定めないが、エッチング速度の制御が困難になるとともに溶解量に上限があることによって、一般的に20wt%以下であり、10wt%以下がより好ましい。
成分(B)は、少なくとも1種のハロゲンイオンである。ハロゲンイオンは、ハロゲン化合物を供給源として配合することにより、エッチング液に含有させることができる。成分(B)は、銅及び銅合金の腐食電位を低下させてエッチングを促進する機能を有する。
ハロゲン化合物としては、例えば、塩化水素水、臭化水素水、ヨウ化水素水、フッ化水素水や塩化銅、塩化鉄、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、臭化銅、臭化鉄、臭化ナトリウム、臭化アンモニウム、ヨウ化銅、ヨウ化鉄、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化アンモニウム、フッ化銅、フッ化鉄、フッ化ナトリウム、フッ化アンモニウム等のハロゲン塩等が挙げられる。またアミノ酸の塩酸塩等のアミノ酸のハロゲン化水素酸塩も使用できる。これらの化合物は、単独又は二種以上を混合して使用することができる。これらの化合物の中でも、コスト、エッチング液の安定性等から塩酸、塩化銅、塩化鉄、塩化アンモニウム、アミノ酸の塩酸塩が好ましい。
エッチング液中の成分(B)の濃度は、イオン換算で0.01wt%以上であることが好ましく、それ未満であれば、エッチング時間が長くなりすぎるため量産性の面で好ましくない。上限は特に定めないが、過剰なハロゲンイオンは酸化金属膜を腐食させ、銅のエッチング速度の制御が困難になることから、一般的に15wt%以下であり、10wt%以下がより好ましい。また、例えば、塩化銅のように成分(A)と共通である場合は、両成分量の和を用いればよい。
成分(C)は、上記一般式(1)で示されるアミノ酸のうち少なくとも1種である。一般式(1)中、Aは、直接結合又は−CH−を表し、R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ、水素又は炭素数が1の炭化水素基を表し、R3、R4は、同一又は異なって、それぞれ、水素、水酸基若しくはNH−を置換基として有していてもよい炭素数が2以下の飽和炭化水素基、NH−を置換基として有する炭素数が3又は4の直鎖若しくは分枝鎖の飽和炭化水素基、又は、炭素数が1又は2のアルキレン基と結合する窒素含有複素環基を表す。R1、R2、R3、R4は、そのうちの少なくとも2つが結合して環の一部を構成していてもよい。アミノ酸は、難溶性のCuを溶解除去する機能を有するため、均一なエッチングを行うことができ、それによってサイドエッチング量を低減させることができる。また、配線横断面のテーパー形状加工が可能となる。
水酸基若しくはNH−を置換基として有していてもよい炭素数が2以下の飽和炭化水素基としては、例えば、CH−、CH−CH−、HO−CH−、HO−C(CH)−、NH−CH−、HO−CH−CH−、NH−CH−CH−等を挙げることができる。
NH−を置換基として有する炭素数が3又は4の直鎖若しくは分枝鎖の飽和炭化水素基としては、例えば、NH−(CH−、CH−(NH)CH−CH−、NH−(CH−、CH−(NHC−(CH−、(CH)−(CH)CH−(NH)CH−等を挙げることができる。
炭素数が1又は2のアルキレン基と結合する窒素含有複素環基は、窒素原子を環に含む複素環基が−CH−、−CH−CH−、−(CH)CH−等の炭化水素基を有することを表す。具体的には、例えば、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、インドールから環に結合した水素原子を1つ、例えば3位の水素原子、を除いた基が、−CH−、−CH−CH−等の炭化水素基と結合した基であり、R3、R4は、例えば、−CH−[1−イミダゾリル基]等であってよい。このような基は、R3、R4が結合する炭素原子に結合している。
R1、R2、R3、R4は、そのうちの少なくとも2つが結合して環の一部を構成していてもよい。例えば、R1又はR2がR3又はR4と結合して、R3及びR4が結合する炭素とともに環を形成していてもよく、あるいは、R3とR4とが結合してR3及びR4が結合する炭素とともに環を形成していてもよい。具体的には、例えば、R1又はR2がR3又はR4と結合して、R3及びR4が結合する炭素とともに1つの窒素原子と4つの炭素原子からなる5員環を形成する場合を挙げることができる。
一般式(1)で示されるアミノ酸としては、式(1)中、R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ、水素又はメチル基を表し、R3、R4は、同一又は異なって、それぞれ、水素、メチル基、水酸基を置換基として有する炭素数が2以下のアルキル基、NH−を置換基として有する炭素数が3又は4の直鎖のアルキル基、又は、−CH−と結合する窒素含有複素環基を表すものを好ましく使用することができる。
成分(C)としては、具体的には、例えば、グリシン、2−アミノプロピオン酸、3−アミノプロピオン酸、アミノイソ酪酸、トレオニン、ジメチルグリシン、オルニチン、リシン、ヒスチジン及びセリンからなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸を好ましく挙げることができる。さらに好ましくは、グリシンがコストの観点から、ヒスチジンがCuCl除去性能の面及び使用可能なpH範囲が広いため、好ましい。またCu2+の溶解性の観点から、トレオニン、ジメチルグリシンが好ましい。
エッチング液中の成分(C)の濃度は、3wt%以上であることが好ましく、それ未満であれば、Cuの溶解除去性が低下するため、サイドエッチング量が大きくなり、配線横断面が矩形形状になるため好ましくない。更に好ましくは、8wt%以上である。上限は特に定めないが、溶解量に上限があることによって、一般的に25wt%以下であり、20wt%以下がより好ましい。
成分(D)は、水である。使用される水としては、特に制限されることはないが、イオン交換水、純水、超純水等のイオン性物質や不純物を除去した水が好ましい。
成分(E)は、溶解性の乏しい、アミノ酸とCu2+とのキレート化合物を、溶解性の高い、成分(B)、成分(C)、成分(E)とCu2+とのキレート化合物に変換することで、アミノ酸のCuCl除去性を落とすことなく銅の溶解性を向上させる機能を有する。
上記カルボン酸としては、リンゴ酸、クエン酸、マロン酸を用いるが、好ましくは、クエン酸である。
成分(E)のうち、上記カルボン酸のエッチング液中の濃度は、1wt%以上であることが好ましく、それ未満であれば、銅の溶解性が低下するため、液ライフが短くなるため好ましくない。上限は特に定めないが、溶解量に上限があることによって、一般的に30wt%以下であり、15wt%以下がより好ましい。
成分(E)のうち、無機酸としては無機一塩基酸、無機多塩基酸を使用することができ、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、ケイ酸等が挙げられる。これらの化合物の中でも、Cu2+の溶解性及びコスト、エッチング液の安定性等から、無機一塩基酸として、例えば、塩酸、硝酸が、無機多塩基酸として、例えば、硫酸、リン酸が、それぞれ好ましい。
成分(E)のうち、上記無機酸のエッチング液中の濃度は、0.1wt%以上であることが好ましく、それ未満であれば、銅の溶解性が低下するため、液ライフが短くなるため好ましくない。上限は特に定めないが、酸化金属膜の腐食や溶解量に上限があることによって、一般的に30wt%以下であり、10wt%以下がより好ましい。
成分(E)として上記カルボン酸と上記無機酸を併用する場合のエッチング液中のそれぞれの濃度も上記と同様の範囲であることが好ましいが、両者の合計量も上記と同様の範囲であることが好ましい。また、例えば、塩酸のように成分(B)と共通である場合は、両成分量の和を用いればよい。
本発明のエッチング液は、上記(A)、(C)、(D)の成分とともに(B)及び/又は(E)を必須成分とする。従って、本発明のエッチング液は、上記(A)、(B)、(C)、(D)の組み合わせ、上記(A)、(E)、(C)、(D)の組み合わせ、又は、上記(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の組み合わせであってよい。
本発明のエッチング液は、上記必須成分以外に更に、本発明の効果に影響を与えない範囲で界面活性剤を用い、濡れ性を高めるなどして、エッチングムラの解消を図ることもできる。上記界面活性剤としては、特に限定はしないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン界面活性剤や親油基にフッ素を含有してなる界面活性剤、ベタイン等の両性界面活性剤、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルリン酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、グリコールやグリコールエーテルとそれらの縮合物等が挙げられる。エッチング液中の濃度として、特に制限はないが、0.001wt%〜30wt%の範囲であることが好ましい。
また、本発明のエッチング液は、上記必須成分以外に更に、エッチング速度を調整する為に、必要に応じて、アゾール化合物、アミン系化合物を加えても良い。アゾール化合物としては、例えば、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、5−フェニル−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−メチル−ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、テトラゾール等を用いることができる。アミン系化合物としては、例えば、炭素数が2〜30のアルキル鎖の少なくとも1種を有する1級から4級のアルキルアミンであり、モノ、ジ及びトリ−ブチルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、塩化アルキルトリメチルアンモニウムやエチレンジアミン骨格を有してその末端水素にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの縮合物が付加した化合物等が挙げられる。アゾール化合物やアミン系化合物のエッチング液中の濃度として、特に制限はないが、0.001wt%〜1wt%の範囲であることが好ましい。
また、本発明のエッチング液は、上記必須成分以外に更に、pHを調整する為に必要に応じて、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エタノールイソプロパノールアミン、ジエタノールイソプロパノールアミン、エタノールジイソプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシルアミン等のアミン、グリコール酸等のカルボン酸を加えても良い。これらの化合物のエッチング液中の濃度として、特に制限はないが、0.001wt%〜30wt%の範囲であることが好ましい。
また、本発明のエッチング液は、上記必須成分以外に更に、エッチング時に生成されるCuを酸化してCu2+にする為に、必要に応じて酸化剤を加えてもよい。これらの化合物のエッチング液中の濃度として、特に制限はないが、0.001wt%〜1wt%の範囲であることが好ましい。
本発明のエッチング液は、上記各成分を、所定濃度となるように、単純混合、撹拌を伴う混合等により混合して調製することができる。
本発明のエッチング液が対象とするのは、銅膜及び銅合金膜からなる群から選択される少なくとも1種の少なくとも1層を有する金属膜の前記銅膜及び銅合金膜である。上記金属膜は、銅膜及び銅合金膜からなる群から選択される少なくとも1種の少なくとも1層からなるものであってもよく、又は、銅膜及び銅合金膜からなる群から選択される少なくとも1種の少なくとも1層とインジウム、亜鉛、スズ、ガリウム及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する酸化金属膜の少なくとも1層と、からなる積層金属膜であってもよい。例えば、銅膜単独、銅合金膜単独、これらの併用、銅膜又は銅合金膜と酸化金属膜、銅膜及び銅合金膜と酸化金属膜、等の態様があり得る。上記銅合金としては、特に制限はないが、例えば、Ti、Zr、Mn、Cr、Ca、Mgを添加した合金が挙げられる。特に、CuMg系合金、CuCa系合金、CuMn系合金が好ましい。また、上記金属膜には、その他の積層される金属膜種を有していてもよく、例えば、SiNx、a−Si、n+Si、SiO等が挙げられる。
上記酸化金属膜としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)膜、酸化インジウム亜鉛(IZO)膜、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)膜、酸化亜鉛(ZnO)膜、酸化アルミ亜鉛(AZO)膜、酸化ガリウム亜鉛(GZO)等が挙げられる。特に、酸化インジウム錫(ITO)膜、酸化インジウム亜鉛(IZO)膜、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)膜が好ましい。
本発明の銅配線の形成方法は、半導体、ガラス、樹脂等の基板上に形成され、銅膜及び銅合金膜からなる群から選択される少なくとも1種の少なくとも1層を有する金属膜の前記銅膜及び銅合金膜を、本発明のエッチング液を用いてエッチングするものである。エッチング方法や条件については、特に制限はなく、浸漬式、陽動浸漬式、US浸漬式、シャワー式等が挙げられる。また、エッチング液の銅濃度や酸化還元電位、比重、酸濃度によるオートコントロール等の周知の様々な方式で使用することができる。補給液を用いて、エッチングを繰り返すことにより、エッチング液の劣化を抑制することも可能である。補給液としては、上記必須成分を任意の濃度範囲で使用しても良く、また、必ずしも全成分を補給する必要はない。更に、本発明のエッチング液は、安定性が高く、銅イオンの回収が容易なため、エッチング廃液のリユースやリサイクルが容易である。
本発明のエッチング液を用いた銅配線の具体例としては特に限定されるものではないが、銅及び銅合金を用いた配線の微細パターンの回路配線を形成するのに有効であり、例えば、プリント配線の他、比較的微細加工が要求されるパッケージ用配線、タッチパネル用配線、更なる微細加工が必要なTFT用配線に好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、以下の実施例及び比較例は専ら本発明の説明のためのものであり、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜34 表1、2に記載する配合割合(重量%)で含有するように各成分を混合する事により、各エッチング液を調製した。なお、実施例30は、比較例15にグリシン、クエン酸を表2の配合で加えた組成に該当する。基板は、Cu(膜厚300nm)/ITO(膜厚150nm)/Glassを用いて、液温度を30℃、撹拌下でエッチングを行った。ジャストエッチング時間(JEとも記す。基板が透明になるまでの時間。)の1.2倍の時間におけるサイドエッチング量(SEとも記す。)を測定し、配線横断面形状(表中、配線側面形状という。以下同様。)についてはSEM(走査型電子顕微鏡。以下同様。)を用いて観察した。その結果を表1、2及び図1(実施例13、26のSEMによる図面代用写真。)に示した。
なお、実施例1〜32は、Cu2+、Clのイオン供給源としてCuClを使用し、これに加えて、実施例7、23は、Clのイオン供給源としてオルニチン塩酸塩、実施例18、20、24、30は、Clのイオン供給源として塩酸を併用した。また、実施例33は、Fe3+、Clのイオン供給源としてFeClを使用し、実施例34は、Fe3+のイオン供給源としてFe(NOを使用した。
また、Cu(膜厚300nm)/Glass及びITO(膜厚20nm)/Glassを用い、液温度を30℃、撹拌下でITOのエッチングレート(ERとも記す。)を測定し、その結果を表1、2に示した。 また、表1、2の各組成にCu(OH)をCu換算で2%添加し、Cu2+の溶解性を観察した。初期溶解状態は、上記Cu(OH)を添加前の状態を指す。Cu2+の溶解性と同様に目視にて評価した。その結果を表1、2に示した。なお、評価基準は以下のとおり。1.SE量(JE×1.2処理時)◎:SE量が1μm未満○:SE量が1μm以上〜1.5μm未満×:SE量が1.5μm以上2.配線側面形状○:テーパー形状×:矩形または逆テーパー形状3.Cu2+溶解性◎:Cu2+完全溶解○:Cu2+若干溶け残り×:Cu2+不溶及び析出4.初期溶解状態○:溶解状態×:不溶又は析出
Figure 2012121193
Figure 2012121193
比較例1〜22 表3に記載する配合割合(重量%)で含有するように各成分を混合する事により、各エッチング液を調製した。基板は、Cu(膜厚300nm)/ITO(膜厚150nm)/Glassを用いて、液温度を30℃、撹拌下でエッチングを行った。ジャストエッチング時間(JEとも記す。基板が透明になるまでの時間。)の1.2倍の時間におけるサイドエッチング量(SEとも記す。)を測定し、配線横断面形状についてはSEM(走査型電子顕微鏡。以下同様。)を用いて観察した。その結果を表3及び図2(比較例10、特許文献1の配合([CuCl・2HO]2.15/[FeCl・6HO]6.29/[35%HCl]24.55/[DIW]76.78/[エチレンジアミンEO・PO付加物、分子量5000]0.01)を用いた場合(図中、従来技術と表記した。)、の各SEMによる図面代用写真。)に示した。
また、Cu(膜厚300nm)/Glass及びITO(膜厚20nm)/Glassを用い、液温度を30℃、撹拌下でITOのエッチングレートを測定し、その結果を表3に示した。 また、表3の各組成にCu(OH)をCu換算で2%添加し、Cu2+の溶解性を観察した。初期溶解状態は、上記Cu(OH)を添加前の状態を指す。Cu2+の溶解性と同様に目視にて評価した。その結果を表3に示した。
Figure 2012121193
表1、2から、本発明における成分(C)である特定のアミノ酸において、SEを小さくすることができ、CuCl残渣の除去性が良いことが確認され、非常に有効であった。
なお、アンモニアはCuClとキレートを作り溶解すると記載する文献も有るが、実際に試した結果、CuClの除去性は乏しく、効果はほとんどなかった。また、従来技術(特許文献1、2)における塩化銅及び塩化鉄系エッチャントで使用されている有機酸、無機酸についても、実際に試した結果、CuClの除去効果は認められず、またサイドエッチングが大きく、配線側面形状も矩形形状で、またITOエッチングレートも非常に高いことが判明した。図2にはそのうち特許文献1に開示された配合を用いた場合の結果を示した。
しかしながら、表1、2から、本発明における成分(C)のアミノ酸を用いることでCuClの除去効果が認められ、なかでも、エッチング液中の銅が比較的低濃度の際に有用であった。一方、アミノ酸に本発明の成分(E)である特定の多価カルボン酸及び無機酸を添加すると、銅の溶解性が上がり、しかもアミノ酸のCuCl除去効果は阻害されないことが示された。
また、図1の結果から、本発明におけるエッチング液は残渣除去が行われ、サイドエッチング量が極わずかであることが確認された。一方、図2の結果から、比較例のエッチング液は、サイドエッチング量が大きく、しかも配線側面形状は矩形形状であることが確認できた。また、従来技術である特許文献1に開示されているエッチング液は、サイドエッチング量が極めて大きく、また、配線側面形状も矩形形状であることが判った。

Claims (10)

  1. 銅膜及び銅合金膜からなる群から選択される少なくとも1種の少なくとも1層を有する金属膜の前記銅膜及び銅合金膜をエッチングするための:(A)第二銅イオン及び第二鉄イオンのうち少なくとも1種、(B)少なくとも1種のハロゲンイオン並びに/又は(E)リンゴ酸、クエン酸及びマロン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボン酸並びに/又は少なくとも1種の無機酸、(C)下記一般式(1)で示されるアミノ酸のうち少なくとも1種、(D)水、を含有するエッチング液。
    Figure 2012121193
    (式(1)中、Aは、直接結合又は−CH−を表し、R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ、水素又は炭素数が1の炭化水素基を表し、R3、R4は、同一又は異なって、それぞれ、水素、水酸基若しくはNH−を置換基として有していてもよい炭素数が2以下の飽和炭化水素基、NH−を置換基として有する炭素数が3又は4の直鎖若しくは分枝鎖の飽和炭化水素基、又は、炭素数が1又は2のアルキレン基と結合する窒素含有複素環基を表す。R1、R2、R3、R4は、そのうちの少なくとも2つが結合して環の一部を構成していてもよい。)
  2. 無機酸は、硝酸、硫酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1記載のエッチング液。
  3. (C)成分は、式(1)中、R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ、水素又はメチル基であり、R3、R4は、同一又は異なって、それぞれ、水素、メチル基、水酸基を置換基として有する炭素数が2以下のアルキル基、NH−を置換基として有する炭素数が3又は4の直鎖のアルキル基、又は、−CH−と結合する窒素含有複素環基であるアミノ酸のうち少なくとも1種である請求項1又は2記載のエッチング液。
  4. (C)成分は、グリシン、2−アミノプロピオン酸、3−アミノプロピオン酸、アミノイソ酪酸、トレオニン、ジメチルグリシン、オルニチン、リシン、ヒスチジン及びセリンからなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸である請求項3記載のエッチング液。
  5. 金属膜は、銅膜及び銅合金膜からなる群から選択される少なくとも1種の少なくとも1層と、インジウム、亜鉛、スズ、ガリウム及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する酸化金属膜の少なくとも1層とを有する積層金属膜である請求項1〜4のいずれか記載のエッチング液。
  6. 基板上に形成され、銅膜及び銅合金膜からなる群から選択される少なくとも1種の少なくとも1層を有する金属膜の前記銅膜及び銅合金膜を、(A)第二銅イオン及び第二鉄イオンのうち少なくとも1種、(B)少なくとも1種のハロゲンイオン並びに/又は(E)リンゴ酸、クエン酸及びマロン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボン酸並びに/又は少なくとも1種の無機酸、(C)下記一般式(1)で示されるアミノ酸のうち少なくとも1種、(D)水、を含有するエッチング液でエッチングすることを特徴とする、銅配線の形成方法。
    Figure 2012121193
    (式(1)中、Aは、直接結合又は−CH−を表し、R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ、水素又は炭素数が1の炭化水素基を表し、R3、R4は、同一又は異なって、それぞれ、水素、水酸基若しくはNH−を置換基として有していてもよい炭素数が2以下の飽和炭化水素基、NH−を置換基として有する炭素数が3又は4の直鎖若しくは分枝鎖の飽和炭化水素基、又は、炭素数が1又は2のアルキレン基と結合する窒素含有複素環基を表す。R1、R2、R3、R4は、そのうちの少なくとも2つが結合して環の一部を構成していてもよい。)
  7. エッチング液の(C)成分は、グリシン、2−アミノプロピオン酸、3−アミノプロピオン酸、アミノイソ酪酸、トレオニン、ジメチルグリシン、オルニチン、リシン、ヒスチジン及びセリンからなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸である請求項6記載の銅配線の形成方法。
  8. 金属膜は、銅膜及び銅合金膜からなる群から選択される少なくとも1種の少なくとも1層と、インジウム、亜鉛、スズ、ガリウム及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する酸化金属膜の少なくとも1層とを有する積層金属膜である請求項6又は7記載の銅配線の形成方法。
  9. 酸化金属膜は、酸化インジウム錫膜、酸化インジウム亜鉛膜及び酸化インジウムガリウム亜鉛膜からなる群から選択される少なくとも1種である請求項8記載の銅配線の形成方法。
  10. 銅合金膜は、CuMg系合金膜、CuMn系合金膜及びCuCa系合金膜からなる群から選択される少なくとも1種である請求項6〜9のいずれか記載の銅配線の形成方法。
JP2013503530A 2011-03-08 2012-03-05 エッチング液 Pending JPWO2012121193A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011050200 2011-03-08
JP2011050200 2011-03-08
PCT/JP2012/055519 WO2012121193A1 (ja) 2011-03-08 2012-03-05 エッチング液

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2012121193A1 true JPWO2012121193A1 (ja) 2014-07-17

Family

ID=46798155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013503530A Pending JPWO2012121193A1 (ja) 2011-03-08 2012-03-05 エッチング液

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JPWO2012121193A1 (ja)
KR (1) KR20140013023A (ja)
CN (1) CN103459672A (ja)
TW (1) TW201250059A (ja)
WO (1) WO2012121193A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105506628B (zh) * 2015-12-03 2018-01-12 苏州鑫德杰电子有限公司 一种大叶海藻浸提物蚀刻液及其制备方法
WO2017164090A1 (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 株式会社Adeka エッチング液組成物及びエッチング方法
KR102435551B1 (ko) * 2017-06-20 2022-08-25 삼성디스플레이 주식회사 식각액 조성물 및 이를 이용한 금속 패턴과 박막 트랜지스터 기판 제조 방법
CN110499509A (zh) * 2019-10-10 2019-11-26 昆山成功环保科技有限公司 用于晶圆级封装的铜种子蚀刻液
CN111809183B (zh) * 2020-07-14 2022-08-09 北京航空航天大学宁波创新研究院 一种铜镓合金的金相腐蚀液以及金相显示方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009167459A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Adeka Corp 銅含有材料用エッチング剤組成物
JP2009206462A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Tosoh Corp エッチング用組成物及びエッチング方法
JP2011017052A (ja) * 2009-07-09 2011-01-27 Adeka Corp 銅含有材料のウエットエッチングシステム及びパターニング方法
JP2011017054A (ja) * 2009-07-09 2011-01-27 Adeka Corp 銅含有材料用エッチング剤組成物及び銅含有材料のエッチング方法
JP2011017053A (ja) * 2009-07-09 2011-01-27 Adeka Corp 銅含有材料用エッチング剤組成物及び銅含有材料のエッチング方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000328268A (ja) * 1999-05-13 2000-11-28 Shikoku Chem Corp 銅および銅合金のエッチング処理剤

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009167459A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Adeka Corp 銅含有材料用エッチング剤組成物
JP2009206462A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Tosoh Corp エッチング用組成物及びエッチング方法
JP2011017052A (ja) * 2009-07-09 2011-01-27 Adeka Corp 銅含有材料のウエットエッチングシステム及びパターニング方法
JP2011017054A (ja) * 2009-07-09 2011-01-27 Adeka Corp 銅含有材料用エッチング剤組成物及び銅含有材料のエッチング方法
JP2011017053A (ja) * 2009-07-09 2011-01-27 Adeka Corp 銅含有材料用エッチング剤組成物及び銅含有材料のエッチング方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20140013023A (ko) 2014-02-04
CN103459672A (zh) 2013-12-18
WO2012121193A1 (ja) 2012-09-13
TW201250059A (en) 2012-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102058679B1 (ko) 구리막, 몰리브덴막 및 구리-몰리브덴 합금막의 식각액 조성물
JP5023114B2 (ja) 液晶表示装置の銅及び銅/モリブデンまたは銅/モリブデン合金電極用の食刻組成物
JP6777420B2 (ja) 単層膜または積層膜のエッチング組成物または前記組成物を用いたエッチング方法
JP5713485B2 (ja) 金属配線用エッチング液組成物
CN106226991A (zh) TiN硬掩模和蚀刻残留物去除
JP6167444B1 (ja) 多層膜用エッチング液とエッチング濃縮液およびエッチング方法
WO2020062590A1 (zh) 一种铜钼合金膜的化学蚀刻用组合物
EP3024016B1 (en) Titanium nitride hard mask and etch residue removal
JP2008227508A (ja) 薄膜トランジスタ液晶表示装置のエッチング液組成物
WO2012121193A1 (ja) エッチング液
TWI526576B (zh) 銅/鉬膜或銅/鉬合金膜的蝕刻液組合物
JP2010199121A (ja) 金属積層膜用エッチング液組成物
TWI632670B (zh) 用於銅基金屬膜的蝕刻劑組合物及製造液晶顯示器用陣列基板的方法
TW201829744A (zh) 蝕刻組合物
KR102517903B1 (ko) 식각액 조성물, 및 식각액 조성물을 이용한 식각 방법
TW201600644A (zh) 蝕刻液組合物及使用其製造液晶顯示器用陣列基板的方法
TWI779028B (zh) 蝕刻液組成物及蝕刻方法
TWI797093B (zh) 蝕刻液組成物及蝕刻方法
TW201404936A (zh) 蝕刻液與形成圖案化多層金屬層的方法
KR20200077839A (ko) 식각액 조성물
KR20160010098A (ko) 구리막 및 티타늄막의 식각액 조성물 및 이를 이용한 액정표시장치용 어레이 기판의 제조방법
JP7105084B2 (ja) エッチング液組成物
KR101934863B1 (ko) 금속막 및 인듐산화막의 이중막 식각액 조성물 및 이를 이용한 식각 방법
KR102459685B1 (ko) 구리계 금속막용 식각액 조성물, 이를 이용한 디스플레이용 어레이 기판의 제조방법, 및 디스플레이용 어레이 기판
KR102362460B1 (ko) 식각액 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130909

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150119

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151015

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160311