JPWO2012117525A1 - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
高分子電解質膜の劣化を予め防ぐ燃料電池システムを提供する。高分子電解質膜の一面側にアノード電極を備え、他面側にカソード電極を備える膜・電極接合体を備える単セルを備える燃料電池を備える燃料電池システムであって、少なくとも間欠運転時に、前記カソード電極内の相対湿度RHC、及び前記アノード電極内の相対湿度RHAが、下記式(1)を満たすように前記燃料電池を制御する手段を備えることを特徴とする、燃料電池システム。RHC>RHA式(1)(上記式(1)中、RHC≧100%である。)
Description
本発明は、高分子電解質膜の劣化を予め防ぐ燃料電池システムに関する。
燃料電池は、燃料と酸化剤を電気的に接続された2つの電極に供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、燃料電池はカルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示す。燃料電池は、通常、電解質膜を一対の電極で挟持した膜・電極接合体を基本構造とする単セルを複数積層して構成されている。中でも、電解質膜として固体高分子電解質膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池は、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、等の利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子電解質型燃料電池では、水素を燃料とした場合、アノード(燃料極)では式(I)の反応が進行する。
H2→2H++2e− (I)
式(I)で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソード(酸化剤極)に到達する。そして、式(I)で生じたプロトンは、水和した状態で、固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に、電気浸透により移動する。
H2→2H++2e− (I)
式(I)で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソード(酸化剤極)に到達する。そして、式(I)で生じたプロトンは、水和した状態で、固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に、電気浸透により移動する。
また、酸素を酸化剤とした場合、カソードでは式(II)の反応が進行する。
2H++(1/2)O2+2e−→H2O (II)
カソードで生成した水は、主としてガス拡散層を通り、外部へと排出される。このように、燃料電池は、水以外の排出物がなく、クリーンな発電装置である。
2H++(1/2)O2+2e−→H2O (II)
カソードで生成した水は、主としてガス拡散層を通り、外部へと排出される。このように、燃料電池は、水以外の排出物がなく、クリーンな発電装置である。
上記式(II)で生成する水が少ない場合には、燃料電池内で生成した過酸化水素やラジカルが濃縮され、当該過酸化水素やラジカルによって電解質膜が劣化するという問題があった。特に炭化水素系電解質膜を使用した場合の電解質膜劣化の解決を目的とした発明として、特許文献1には、炭化水素系電解質膜を有する燃料電池と、前記燃料電池の発電生成水量を示す生成水量指標値を検出する検出部と、予め定められた期間当たりの発電生成水量が予め定められた値未満の場合には、その後の前記燃料電池の発電電流量の最低値を設定する発電量制御部とを備える、燃料電池システムが開示されている。
特許文献1の明細書の段落[0007]には、発電により生成する水によって電解質膜を湿潤できるとの記載がある。しかし、発電により生成する水はカソードのみから局所的に生じるため、カソード以外の部位、例えばアノードにおいて水分が欠乏し、過酸化水素水やラジカルの濃縮が起こる場合には、当該文献に記載された技術によって当該過酸化水素やラジカルによる電解質膜の劣化を防ぐことはできない。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、カソードからアノードへ液水の流れを誘導することにより、高分子電解質膜の劣化を予防する燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、カソードからアノードへ液水の流れを誘導することにより、高分子電解質膜の劣化を予防する燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明の燃料電池システムは、高分子電解質膜の一面側にアノード電極を備え、他面側にカソード電極を備える膜・電極接合体を備える単セルを備える燃料電池を備える燃料電池システムであって、少なくとも間欠運転時に、前記カソード電極内の相対湿度RHC、及び前記アノード電極内の相対湿度RHAが、下記式(1)を満たすように前記燃料電池を制御する手段を備えることを特徴とする。
RHC>RHA 式(1)
(上記式(1)中、RHC≧100%である。)
RHC>RHA 式(1)
(上記式(1)中、RHC≧100%である。)
本発明においては、通常運転時及び間欠運転時の少なくともいずれか一方における前記カソード電極内に、液水が存在するか否かを判定する判定手段をさらに備え、前記制御手段は前記判定手段の判定結果に基づき前記燃料電池を制御することが好ましい。
本発明においては、少なくとも間欠運転時における前記カソード電極内に、液水が常に確保されていることが好ましい。
本発明においては、前記カソード電極内を加湿する手段をさらに備え、間欠運転時、及び、間欠運転前の少なくともいずれか一方で、前記加湿手段を実行することが好ましい。
本発明においては、前記制御手段が、単セル温度、及び/又は、2以上の前記単セルを含むスタックの温度を調節する手段であってもよい。
本発明によれば、少なくとも間欠運転時において、カソード電極内に液水及び/又は水蒸気を確保し、且つ、カソード電極内の相対湿度を、アノード電極内の相対湿度よりも高くすることにより、カソード電極からアノード電極ヘ液水及び/又は水蒸気の流れを誘導し、アノードにおいて発生した過酸化水素やラジカルの濃度を下げることができる。その結果、本発明によれば、高分子電解質膜への当該過酸化水素及びラジカルの進入を防ぎ、高分子電解質膜の分解及び燃料電池特性の低下を抑制することができる。
本発明の燃料電池システムは、高分子電解質膜の一面側にアノード電極を備え、他面側にカソード電極を備える膜・電極接合体を備える単セルを備える燃料電池を備える燃料電池システムであって、少なくとも間欠運転時に、前記カソード電極内の相対湿度RHC、及び前記アノード電極内の相対湿度RHAが、下記式(1)を満たすように前記燃料電池を制御する手段を備えることを特徴とする。
RHC>RHA 式(1)
(上記式(1)中、RHC≧100%である。)
RHC>RHA 式(1)
(上記式(1)中、RHC≧100%である。)
固体高分子電解質型燃料電池においては、高分子電解質膜が経時的に劣化する。高分子電解質膜の劣化は、燃料電池内において発生する過酸化水素及びラジカルが高分子電解質膜を酸化し、高分子電解質膜を分解するために起こると考えられる。高分子電解質膜の酸化により生じた分解物は、電極中に移動して電極中の触媒を被毒するおそれがある。また、高分子電解質膜の分解が顕著な場合には、高分子電解質膜の破断が起こる。このように、高分子電解質膜の劣化が顕著な場合には、放電特性等の燃料電池全体の特性に深刻な悪影響を及ぼすおそれがある。
高分子電解質膜の劣化の防止を目的とした従来技術として、電圧を経時的に推移させることにより高分子電解質膜の劣化を検出し、劣化が検出されたときに一時的に加湿を上げる技術が知られている。しかし、このような技術は、高分子電解質膜の劣化が既に生じた後に加湿条件を制御する技術であり、高分子電解質膜の劣化自体を防止できる技術ではない。
また、高分子電解質膜の劣化の防止を目的とした従来技術として、高分子電解質膜や電極中の触媒層の含水率を全体的に増加させる技術が知られている。しかし、触媒層中の含水率が全体的に増加するように、当該技術により燃料電池内の水分の分布を制御したとしても、高分子電解質膜の局所的な劣化を防止することは困難である。
また、高分子電解質膜の劣化の防止を目的とした従来技術として、起動時又は停止時において、燃料電池内に残留するガスを制御する技術が知られている。しかし、起動時又は停止時の高分子電解質膜の劣化は、主に物理的な破断によるものであり、高分子電解質膜の酸化による化学的劣化を抑制することはできない。特に、低負荷時の高分子電解質膜の酸化劣化は十分に抑制できないと考えられる。
高分子電解質膜の劣化は、アノード電極から供給される水素ガスが高分子電解質膜を透過すると共に、カソード電極から供給される酸素ガスが高分子電解質膜を透過することにより生じる。発明者は、このように両電極から高分子電解質膜へのガスの透過が最も著しくなるのは、燃料電池の間欠運転時(特に車両搭載型の燃料電池の場合は、車両のアイドリング時)であることに着目した。発明者は、当該知見に基づき、主に間欠運転時においてカソード電極に液水を貯留し、且つカソード電極からアノード電極ヘの液水の流れを作ることで、高分子電解質膜の分解を防止できることを見出し、本発明を完成させた。
従来の燃料電池システムにおいては、間欠運転時の液水の状態が注目されることはなかった。特に、間欠運転と通常運転を繰り返すサイクル中において、主に間欠運転時の液水を制御することは、これまでに試みられたことはない。
従来の燃料電池システムにおいては、間欠運転時の液水の状態が注目されることはなかった。特に、間欠運転と通常運転を繰り返すサイクル中において、主に間欠運転時の液水を制御することは、これまでに試みられたことはない。
本明細書において、「液水」とは、燃料電池の動作温度条件下において液状であり、且つ、水(H2O)を主成分として含む物質を指す。したがって、本明細書における液水には、液体の水(H2O)そのもののみならず、水溶液も含まれる。液水とは、具体的には、上記式(II)に示す反応により生成する水や、燃料電池の電極反応に使用される酸素等が溶存した水、及び、燃料電池の電極反応の副反応により生じた過酸化水素等の水溶液が含まれる。
図2は、間欠運転時における、本発明に使用される膜・電極接合体を示した断面模式図である。二重波線は図の省略を示す。また、図2中に模式的に示される分圧及び電位は、いずれも推定値である。
膜・電極接合体8は、高分子電解質膜1、カソード電極6及びアノード電極7からなる。高分子電解質膜1は、カソード電極6及びアノード電極7により挟まれている。カソード電極6は、高分子電解質膜1に近い方から、カソード触媒層2とガス拡散層4とを積層したものからなる。アノード電極7は、高分子電解質膜1に近い方から、アノード触媒層3とガス拡散層5とを積層したものからなる。図2中の一点鎖線21はアノード側から供給される燃料ガスの分圧比を、一点鎖線22はカソード側から供給される酸化剤ガスの分圧比を、一点鎖線23は膜・電極接合体8内の電位を、それぞれ表す。いま、一点鎖線で示した枠24、すなわち、燃料ガスの分圧比と酸化剤ガスの分圧比が略等しい部分において電極反応が進行し、液水が生じる。この液水の流れを矢印25で示す。一点鎖線で示した枠26は、アノード電極で生じた過酸化水素及びラジカルが濃縮されやすい部分である。矢印25に示すような液水の流れを膜・電極接合体内に生じさせることにより、枠26の中又は近傍に滞留した過酸化水素及びラジカルを液水に溶かし、当該液水を、矢印27に示すような流れに沿って移動させることにより、過酸化水素及びラジカルを燃料電池外へ排出することができる。
膜・電極接合体8は、高分子電解質膜1、カソード電極6及びアノード電極7からなる。高分子電解質膜1は、カソード電極6及びアノード電極7により挟まれている。カソード電極6は、高分子電解質膜1に近い方から、カソード触媒層2とガス拡散層4とを積層したものからなる。アノード電極7は、高分子電解質膜1に近い方から、アノード触媒層3とガス拡散層5とを積層したものからなる。図2中の一点鎖線21はアノード側から供給される燃料ガスの分圧比を、一点鎖線22はカソード側から供給される酸化剤ガスの分圧比を、一点鎖線23は膜・電極接合体8内の電位を、それぞれ表す。いま、一点鎖線で示した枠24、すなわち、燃料ガスの分圧比と酸化剤ガスの分圧比が略等しい部分において電極反応が進行し、液水が生じる。この液水の流れを矢印25で示す。一点鎖線で示した枠26は、アノード電極で生じた過酸化水素及びラジカルが濃縮されやすい部分である。矢印25に示すような液水の流れを膜・電極接合体内に生じさせることにより、枠26の中又は近傍に滞留した過酸化水素及びラジカルを液水に溶かし、当該液水を、矢印27に示すような流れに沿って移動させることにより、過酸化水素及びラジカルを燃料電池外へ排出することができる。
間欠運転時にカソード電極に液水を溜めることは、従来から問題とされていたいわゆるフラッディングとは全く異なる。フラッディングとは、アノード電極側からの水分の移動と、電極反応によるカソード電極内における水の生成の両方の原因によって、主にカソード電極内の水分量が過剰となり、水分がカソード電極内で凝縮して水滴となり空孔を塞ぐ現象のことをいう。
通常運転時においては、より多くの酸素をカソード電極中に拡散させる必要があるため、カソード電極内に多量の液水が留まることはデメリットとなる。しかし、間欠運転時においては、燃料電池の電圧低下を特に考慮する必要がないため、上記デメリットは特に問題とはならない。
通常運転時においては、より多くの酸素をカソード電極中に拡散させる必要があるため、カソード電極内に多量の液水が留まることはデメリットとなる。しかし、間欠運転時においては、燃料電池の電圧低下を特に考慮する必要がないため、上記デメリットは特に問題とはならない。
本発明の燃料電池システムは、少なくとも燃料電池、及び燃料電池を制御する制御手段を備える。本発明は、燃料電池と制御手段以外にも、例えば、後述するような判定手段、加湿手段等を有していてもよい。
以下、燃料電池及びその制御手段について、順に説明する。
以下、燃料電池及びその制御手段について、順に説明する。
1.燃料電池
本発明に使用される燃料電池は、高分子電解質膜を使用する固体高分子型燃料電池であれば、特に限定されない。使用できる燃料ガスは水素ガスに限定されず、メタン、エタン等の炭化水素ガス;メタノール、エタノール等のアルコール;等を用いることもできる。使用できる酸化剤ガスは酸素ガスに限定されず、空気等を用いることもできる。
本発明に使用される燃料電池は、高分子電解質膜を使用する固体高分子型燃料電池であれば、特に限定されない。使用できる燃料ガスは水素ガスに限定されず、メタン、エタン等の炭化水素ガス;メタノール、エタノール等のアルコール;等を用いることもできる。使用できる酸化剤ガスは酸素ガスに限定されず、空気等を用いることもできる。
図1は、本発明に使用される燃料電池の単セルの一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。単セル100は、水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜(以下、単に電解質膜ということがある)1と、前記電解質膜1を挟んだ一対のカソード電極6及びアノード電極7とでなる膜・電極接合体8を含み、さらに前記膜・電極接合体8を電極の外側から挟んだ一対のセパレータ9及び10とでなる。セパレータと電極の境界にはガス流路11及び12が確保されている。通常は電極として、電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを積層して構成されたものが用いられる。すなわち、カソード電極6はカソード触媒層2とガス拡散層4とを積層したものからなり、アノード電極7はアノード触媒層3とガス拡散層5とを積層したものからなる。
高分子電解質膜とは、燃料電池において使用される高分子電解質膜であり、ナフィオン(商品名)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂のようなフッ素系高分子電解質を含むフッ素系高分子電解質膜の他、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリパラフェニレン等のエンジニアリングプラスチックや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の汎用プラスチック等の炭化水素系高分子にスルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、ボロン酸基等のプロトン酸基(プロトン伝導性基)を導入した炭化水素系高分子電解質を含む炭化水素系高分子電解質膜等が挙げられる。
本発明においては、上記炭化水素系高分子電解質膜等、比較的低いコストで得られる高分子電解質膜の劣化も防止できることが利点の1つである。フッ素系高分子電解質膜を使用する場合であっても、燃料電池外へ排出される液水中のフッ素含有量を低減できる。その結果、他の燃料電池部材、例えば、ステンレスや鉄等の金属を腐食するおそれが少なく、腐食防止用の加工、例えば金メッキ等を簡素化でき、従来よりも低いコストで済むという利点がある。
本発明においては、上記炭化水素系高分子電解質膜等、比較的低いコストで得られる高分子電解質膜の劣化も防止できることが利点の1つである。フッ素系高分子電解質膜を使用する場合であっても、燃料電池外へ排出される液水中のフッ素含有量を低減できる。その結果、他の燃料電池部材、例えば、ステンレスや鉄等の金属を腐食するおそれが少なく、腐食防止用の加工、例えば金メッキ等を簡素化でき、従来よりも低いコストで済むという利点がある。
電極は、触媒層とガス拡散層とを備える。
アノード触媒層及びカソード触媒層はいずれも、触媒、導電性材料及び高分子電解質を含有する触媒インクを用いて形成することができる。
高分子電解質としては、上述した高分子電解質膜同様の材料を用いることができる。
触媒としては、通常、触媒成分を導電性粒子に担持させたものが用いられる。触媒成分としては、アノードに供給される燃料の酸化反応又はカソードに供給される酸化剤の還元反応に対して触媒活性を有しているものであれば、特に限定されず、固体高分子型燃料電池に一般的に用いられているものを使用することができる。例えば、白金、又はルテニウム、鉄、ニッケル、マンガン、コバルト、銅等の金属と白金との合金等を用いることができる。
アノード触媒層及びカソード触媒層はいずれも、触媒、導電性材料及び高分子電解質を含有する触媒インクを用いて形成することができる。
高分子電解質としては、上述した高分子電解質膜同様の材料を用いることができる。
触媒としては、通常、触媒成分を導電性粒子に担持させたものが用いられる。触媒成分としては、アノードに供給される燃料の酸化反応又はカソードに供給される酸化剤の還元反応に対して触媒活性を有しているものであれば、特に限定されず、固体高分子型燃料電池に一般的に用いられているものを使用することができる。例えば、白金、又はルテニウム、鉄、ニッケル、マンガン、コバルト、銅等の金属と白金との合金等を用いることができる。
触媒担体である導電性粒子としては、カーボンブラック等の炭素粒子や炭素繊維のような導電性炭素材料、金属粒子や金属繊維等の金属材料も用いることができる。導電性材料は、触媒層に導電性を付与するための導電性材料としての役割も担っている。
触媒層の形成方法は特に限定されず、例えば、触媒インクをガス拡散層シートの表面に塗布、乾燥することによって、ガス拡散層シート表面に触媒層を形成してもよいし、或いは、高分子電解質膜表面に触媒インクを塗布、乾燥することによって、高分子電解質膜表面に触媒層を形成してもよい。或いは、転写用基材表面に触媒インクを塗布、乾燥することによって、転写シートを作製し、該転写シートを、高分子電解質膜又はガス拡散シートと熱圧着等により接合した後、転写シートの基材フィルムを剥離する方法で、高分子電解質膜表面上に触媒層を形成するか、ガス拡散層シート表面に触媒層を形成してもよい。
触媒インクは上記のような触媒及び電極用電解質等を、溶媒に溶解又は分散させて得られる。触媒インクの溶媒は、適宜選択すればよく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒、又はこれら有機溶媒の混合物やこれら有機溶媒と水との混合物を用いることができる。触媒インクには、触媒及び電解質以外にも、必要に応じて結着剤や撥水性樹脂等のその他の成分を含有させてもよい。
触媒インクの塗布方法、乾燥方法等は適宜選択することができる。例えば、塗布方法としては、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、グラビア印刷法、ダイコート法等が挙げられる。また、乾燥方法としては、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥等が挙げられる。減圧乾燥、加熱乾燥における具体的な条件に制限はなく、適宜設定すればよい。また、触媒層の膜厚は、特に限定されないが、1〜50μm程度とすればよい。
ガス拡散層を形成するガス拡散層シートとしては、触媒層に効率良く燃料を供給することができるガス拡散性、導電性、及びガス拡散層を構成する材料として要求される強度を有するもの、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等の炭素質多孔質体や、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、ニッケル−クロム合金、銅及びその合金、銀、アルミ合金、亜鉛合金、鉛合金、チタン、ニオブ、タンタル、鉄、ステンレス、金、白金等の金属から構成される金属メッシュ又は金属多孔質体等の導電性多孔質体からなるものが挙げられる。導電性多孔質体の厚さは、50〜500μm程度であることが好ましい。
ガス拡散層シートは、上記導電性多孔質体の単層からなるものであってもよいが、触媒層に面する側に撥水層を設けることもできる。撥水層は、通常、炭素粒子や炭素繊維等の導電性粉粒体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水性樹脂等を含む多孔質構造を有するものである。撥水層は、必ずしも必要なものではないが、触媒層及び高分子電解質膜内の液水量を適度に保持しつつ、ガス拡散層の排水性を高めることができる上に、触媒層とガス拡散層間の電気的接触を改善できるという利点がある。
上記方法によって触媒層を形成した高分子電解質膜及びガス拡散層シートは、適宜、重ね合わせて熱圧着等し、互いに接合することで、膜・電極接合体が得られる。
上記方法によって触媒層を形成した高分子電解質膜及びガス拡散層シートは、適宜、重ね合わせて熱圧着等し、互いに接合することで、膜・電極接合体が得られる。
作製された膜・電極接合体は、好ましくは、反応ガス流路を有するセパレータで狭持され、単セルを形成する。セパレータとしては、導電性及びガスシール性を有し、集電体及びガスシール体として機能しうるもの、例えば、炭素繊維を高濃度に含有し、樹脂との複合材からなるカーボンセパレータや、金属材料を用いた金属セパレータ等を用いることができる。金属セパレータとしては、耐腐食性に優れた金属材料からなるものや、表面をカーボンや耐腐食性に優れた金属材料等で被覆し、耐腐食性を高めるコーティングが施されたもの等が挙げられる。このようなセパレータを、適切に圧縮成形又は切削加工等することによって、上述した反応ガス流路を形成することができる。
2.燃料電池の制御手段
本発明に使用される制御手段は、少なくとも間欠運転時に、カソード電極内の相対湿度RHCが100%以上であり、且つ、当該相対湿度RHCが、アノード電極内の相対湿度RHAを超えるように制御する手段である。RHCとRHAの関係は、下記式(1)の通りである。
RHC>RHA 式(1)
(上記式(1)中、RHC≧100%である。)
なお、RHCとRHAはいずれも、RH={水蒸気圧(測定値)/飽和水蒸気圧}×100の計算式により算出される。RH>100%となる場合には、液体の水をRH換算して与えられるものとする。
本発明に使用される制御手段は、少なくとも間欠運転時に、カソード電極内の相対湿度RHCが100%以上であり、且つ、当該相対湿度RHCが、アノード電極内の相対湿度RHAを超えるように制御する手段である。RHCとRHAの関係は、下記式(1)の通りである。
RHC>RHA 式(1)
(上記式(1)中、RHC≧100%である。)
なお、RHCとRHAはいずれも、RH={水蒸気圧(測定値)/飽和水蒸気圧}×100の計算式により算出される。RH>100%となる場合には、液体の水をRH換算して与えられるものとする。
本発明において、燃料電池システムの間欠運転とは、燃料電池の運転を一時休止する運転状態を指し、主に当該燃料電池を車両等に搭載した際に、当該車両におけるアイドリング又は減速等の低負荷時に選択される運転状態を指す。間欠運転時においては、通常、燃料電池には、開回路電圧(Open circuit voltage:OCV)や、0.8V以上の高電圧が付与されている。
本発明に係る燃料電池システムは、間欠運転の他に、通常運転を行うシステムであることが好ましい。ここで、燃料電池システムの通常運転とは、燃料電池を通常の条件下で運転させる状態を指し、主に当該燃料電池を車両等に搭載した際に、当該車両における通常走行又は加速等の高負荷時に選択される運転状態を指す。
本発明においては、燃料電池システムの通常運転モード、又は間欠運転モードのいずれか一方を選択して実行する手段をさらに備えていてもよい。
本発明に係る燃料電池システムは、間欠運転の他に、通常運転を行うシステムであることが好ましい。ここで、燃料電池システムの通常運転とは、燃料電池を通常の条件下で運転させる状態を指し、主に当該燃料電池を車両等に搭載した際に、当該車両における通常走行又は加速等の高負荷時に選択される運転状態を指す。
本発明においては、燃料電池システムの通常運転モード、又は間欠運転モードのいずれか一方を選択して実行する手段をさらに備えていてもよい。
本発明の第1の特徴は、間欠運転時、すなわち、0.8V以上の高電位時に、カソード電極内の相対湿度RHCが100%以上であること、すなわち、カソード電極内に液水が存在することである。上述したように、本発明の燃料電池システムを車両に搭載する場合には、高電位時とは、車両のアイドリング時を含む。
上記式(1)に示すように、本発明の第2の特徴は、間欠運転時に、カソード電極内の相対湿度RHCが、アノード電極内の相対湿度RHAを超えることである。
間欠運転時において、カソード電極内に液水を確保し、且つ、カソード電極とアノード電極との間に水の濃度差、具体的には両電極の相対湿度の差を生じさせることにより、カソード電極側からアノード電極側に液水の流れが生じる。この液水の流れにより、燃料電池内で発生する過酸化水素及びラジカルを燃料電池外へ排出することが可能となり、高分子電解質膜の劣化が抑制される。
カソード電極とアノード電極との間の水の濃度差をさらに広げ、より多くの液水をアノード電極へ誘導できるという点から、本発明においては、少なくとも制御手段実行前において、アノード電極内に液水が存在しないことが好ましい。
間欠運転時において、カソード電極内に液水を確保し、且つ、カソード電極とアノード電極との間に水の濃度差、具体的には両電極の相対湿度の差を生じさせることにより、カソード電極側からアノード電極側に液水の流れが生じる。この液水の流れにより、燃料電池内で発生する過酸化水素及びラジカルを燃料電池外へ排出することが可能となり、高分子電解質膜の劣化が抑制される。
カソード電極とアノード電極との間の水の濃度差をさらに広げ、より多くの液水をアノード電極へ誘導できるという点から、本発明においては、少なくとも制御手段実行前において、アノード電極内に液水が存在しないことが好ましい。
燃料電池内の液水の存在は、予め計算して得られた計算値、測定により得られた実計測値、経験則により予め作製したマッピング等から得られる値等を、単独又は組みわせて用い、燃料電池をモニタリングすることにより確認できる。
モニタリング位置は、燃料電池内の液水の分布を的確に把握できるように、燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路の各出入ロ、並びに当該各流路の中央付近とすることが好ましい。モニタリング位置の数は、上記好ましいモニタリング位置を含む5点以上であることがより好ましい。
燃料電池システム全体の体格や、コスト等の条件によりモニタリング位置を1点に限定する場合は、液水量が最も少ないと考えられる酸化剤ガス流路の入口をモニタリングすることが好ましい。燃料電池スタック中の全セルをモニタリングすることが好ましいが、特に車両設計の点からモニタリング位置を限定する場合には、燃料電池スタックの中央に位置するセルをモニタリングすることが好ましい。これは、燃料電池のセルが直列に連なったスタックでは、スタック中央に位置するセルの放熱効率が低下し、より液水の蒸発が顕著なためである。
燃料電池システム全体の体格や、コスト等の条件によりモニタリング位置を1点に限定する場合は、液水量が最も少ないと考えられる酸化剤ガス流路の入口をモニタリングすることが好ましい。燃料電池スタック中の全セルをモニタリングすることが好ましいが、特に車両設計の点からモニタリング位置を限定する場合には、燃料電池スタックの中央に位置するセルをモニタリングすることが好ましい。これは、燃料電池のセルが直列に連なったスタックでは、スタック中央に位置するセルの放熱効率が低下し、より液水の蒸発が顕著なためである。
燃料電池のモニタリングにあたり、燃料電池の運転状態は所定の時間ごとに記録される。液水量は、所定の時点、例えばカソード電極内に液水が存在しているか否かの判定を求められた時点から、過去の一定時間の燃料電池の運転状態より算出される。燃料電池の運転状態を記録する間隔は、数秒間〜数分間が好ましく、1秒ごとであることがより好ましい。液水量の計算には、過去の数秒間〜数分間の燃料電池の運転状態を参照することが好ましく、過去数10秒間の履歴を参照することがより好ましい。
モニタリングに使用される計算値は、所定のセル温度下における飽和水蒸気圧、ガス流路入ロ側の相対湿度等の加湿条件、燃料電池に供給されるガスの流量、電極反応により生成する液水量、燃料電池に供給されるガスの全圧(背圧)等から概算できる。ここで、所定のセル温度下における飽和水蒸気圧は、アントワン式に基づく飽和水蒸気圧でもよいし、経験則に基づく飽和水蒸気圧でもよい。
モニタリングに使用される実計測値は、湿度計、露点計及び水分計等の各種の測定装置から得られる値である。これらの測定装置は、セル内又はスタック内に設置されることが好ましい。
モニタリングに使用される経験値は、温度、ガス流速、加湿条件、放電量及び放電時間等の各パラメータに対する液水の挙動を予め取得しデータベース化することにより得られる値である。本発明の燃料電池システムを車両に搭載する場合には、実車の状態を当該データベースに照らし合わせ、カソード電極内に液水が存在しているか否かの判定に使用できる。
モニタリングに使用される実計測値は、湿度計、露点計及び水分計等の各種の測定装置から得られる値である。これらの測定装置は、セル内又はスタック内に設置されることが好ましい。
モニタリングに使用される経験値は、温度、ガス流速、加湿条件、放電量及び放電時間等の各パラメータに対する液水の挙動を予め取得しデータベース化することにより得られる値である。本発明の燃料電池システムを車両に搭載する場合には、実車の状態を当該データベースに照らし合わせ、カソード電極内に液水が存在しているか否かの判定に使用できる。
図3は、モニタリングに使用されるマッピングデータの概念図である。当該マッピングデータは、縦軸に液水量を、横軸に時間をとったグラフである。
マッピングデータ中の破線の矢印は、加湿条件、放電条件等の引数により経時的に変動する液水量のデータを、実線の矢印は、セル温度、ガス流速等の引数により経時的に変動する液水量のデータを、それぞれ示す。このようなマッピングデータを予め取得しデータベース化することにより、燃料電池の運転条件から、液水量を一義的に推測することができる。
図4は、カソード電極とアノード電極の相対湿度差と、カソード電極からアノード電極へ流れる水の流速との関係を示した概念図である。図4に示されるように、カソード電極とアノード電極の相対湿度差が大きいほど、カソード電極からアノード電極へ流れる水の流速は速くなることが分かる。このようなデータを参照しながらモニタリングを行うことにより、適切な加湿条件を選択することができる。
マッピングデータ中の破線の矢印は、加湿条件、放電条件等の引数により経時的に変動する液水量のデータを、実線の矢印は、セル温度、ガス流速等の引数により経時的に変動する液水量のデータを、それぞれ示す。このようなマッピングデータを予め取得しデータベース化することにより、燃料電池の運転条件から、液水量を一義的に推測することができる。
図4は、カソード電極とアノード電極の相対湿度差と、カソード電極からアノード電極へ流れる水の流速との関係を示した概念図である。図4に示されるように、カソード電極とアノード電極の相対湿度差が大きいほど、カソード電極からアノード電極へ流れる水の流速は速くなることが分かる。このようなデータを参照しながらモニタリングを行うことにより、適切な加湿条件を選択することができる。
モニタリング結果を記憶する手段をさらに設けてもよい。記憶すべきモニタリング結果は1点のみでもよいし、2点以上であってもよい。また、1又は2以上のモニタリング結果のマップを記憶手段に格納し、後述する判定手段のために最適なマップを逐次記憶手段から呼び出してもよい。記憶手段は、上述した計算値、実計測値、経験値等を記憶していてもよい。記憶手段と上述した測定装置とは、電気的に接続されていてもよい。
なお、記憶手段は、後述する判定手段からフィードバックされた、所定の段階における燃料電池の運転状態を示す物性値を、新たにモニタリング結果として読み込むものであってもよい。このようにモニタリング結果を逐次更新することで、燃料電池の運転状態の経時変化、特に高分子電解質膜の劣化状況の経時変化データを取得できる。
モニタリング結果を記憶する手段の具体例は、予め指定されたモニタリング結果を記憶するメモリ等の半導体記憶装置や、ハードディスク等の磁気記憶装置等が挙げられる。
なお、記憶手段は、後述する判定手段からフィードバックされた、所定の段階における燃料電池の運転状態を示す物性値を、新たにモニタリング結果として読み込むものであってもよい。このようにモニタリング結果を逐次更新することで、燃料電池の運転状態の経時変化、特に高分子電解質膜の劣化状況の経時変化データを取得できる。
モニタリング結果を記憶する手段の具体例は、予め指定されたモニタリング結果を記憶するメモリ等の半導体記憶装置や、ハードディスク等の磁気記憶装置等が挙げられる。
本発明においては、モニタリングにより得られた結果を基に、カソード電極内に液水が存在するか否かを判定する手段をさらに備えることが好ましい。この場合、間欠運転時におけるカソード電極のみについて判定してもよいが、通常運転時におけるカソード電極を判定の対象としてもよい。
判定手段は、上記記憶手段と電気的に接続され、連動する装置であってもよい。また、判定手段は、上記記憶手段に格納されたデータの一部であり、上記記憶手段から呼び出される指令そのものであってもよい。
判定手段は、上記記憶手段と電気的に接続され、連動する装置であってもよい。また、判定手段は、上記記憶手段に格納されたデータの一部であり、上記記憶手段から呼び出される指令そのものであってもよい。
判定手段は、カソード電極内の液水量の基準について予め設けられた閾値と、モニタリング結果とを比較し、判定する手段であることが好ましい。当該閾値は、カソード電極内の液水量の閾値そのものであってもよいし、カソード電極内の液水量を推測できるマッピングデータ上の所定の物性値であってもよい。
本発明における制御手段は、好ましくは上記判定手段の判定結果に基づき、単セル温度、2以上の単セルを含むスタックの温度(以下、これら2種類の温度を単セル温度等と称する場合がある。)、加湿条件、燃料電池に供給されるガス流量、当該ガスの背圧、放電量等を制御する。この制御を行うことにより、高分子電解質膜の化学的劣化がさらに抑制される。なお、当該制御を行うことにより、少なくとも間欠運転時においてカソード電極内に液水が確保されることが好ましい。
(1)単セル温度等の制御の際には、単セル温度等を下げることが好ましい。単セル温度等を下げることにより、燃料電池内の飽和水蒸気圧が下がり、カソード電極内に液水を確保できるからである。通常運転時には、放電量が増加するほどセル温度が上昇する。しかし、単セル温度等が高いまま間欠運転に移行すると、カソード電極内の液水が速やかに消失するおそれがある。本発明においては、単セル温度等が上昇した状態のまま間欠運転に移行しても、間欠運転時に単セル温度等を下げることにより、カソード電極内の液水の蒸発を防ぐことができる。
(2)加湿条件の制御の際には、湿度を高くすることが好ましい。湿度を高くすることにより、電極内の相対湿度が飽和水蒸気圧以上となり、カソード電極内に液水を確保できるからである。
(3)ガス流量の制御の際には、ガス流量を下げることが好ましい。ガス流量を下げることにより、単位時間あたりの飽和水蒸気圧が高くなり、カソード電極内に液水を確保しやすくなるからである。
(4)背圧の制御の際には、背圧を上げることが好ましい。背圧を上げることにより、飽和水蒸気圧を変化させることなく、水蒸気圧を増加させ、カソード電極内の液水を凝縮しやすくなるからである。
(5)放電量の制御の際には、放電量を増加させることが好ましい。放電量を増加させることにより、上記式(II)により生成する液水の量を増やすことができ、カソード電極内に液水を確保できるからである。
(2)加湿条件の制御の際には、湿度を高くすることが好ましい。湿度を高くすることにより、電極内の相対湿度が飽和水蒸気圧以上となり、カソード電極内に液水を確保できるからである。
(3)ガス流量の制御の際には、ガス流量を下げることが好ましい。ガス流量を下げることにより、単位時間あたりの飽和水蒸気圧が高くなり、カソード電極内に液水を確保しやすくなるからである。
(4)背圧の制御の際には、背圧を上げることが好ましい。背圧を上げることにより、飽和水蒸気圧を変化させることなく、水蒸気圧を増加させ、カソード電極内の液水を凝縮しやすくなるからである。
(5)放電量の制御の際には、放電量を増加させることが好ましい。放電量を増加させることにより、上記式(II)により生成する液水の量を増やすことができ、カソード電極内に液水を確保できるからである。
本発明の燃料電池システムは、カソード電極内を加湿する手段をさらに備えることが好ましい。当該加湿手段は、間欠運転時、又は、間欠運転前に実行されることにより、間欠運転時において、上記式(1)の条件を満たすような湿度の制御が可能となる。ここでいう間欠運転前とは、通常運転時において、間欠運転に移行する前の段階のことを指す。
加湿手段の具体例としては、従来から燃料電池に使用されている加湿器等が挙げられる。
加湿手段の具体例としては、従来から燃料電池に使用されている加湿器等が挙げられる。
図5は、本発明の燃料電池システムの制御の例を示したフローチャートである。以下、図5のフローチャートに示した順に、本発明の制御例を説明する。
まず、燃料電池システムの間欠運転を開始する(S1)。間欠運転下において、燃料電池は、OCVか、又は0.8V以上の高電位条件となる。次に、判定手段により、カソード電極内に所定量の液水が存在するか否かを判定する(S2)。このとき、予め閾値等の条件を決め、当該条件を満たさない場合には、カソード電極内に所定量の液水が存在しないものと判定する(S3)。なお、当該条件を満たす場合には、カソード電極内に所定量の液水が存在するものと判定し、通常運転を開始する(S6)。
まず、燃料電池システムの間欠運転を開始する(S1)。間欠運転下において、燃料電池は、OCVか、又は0.8V以上の高電位条件となる。次に、判定手段により、カソード電極内に所定量の液水が存在するか否かを判定する(S2)。このとき、予め閾値等の条件を決め、当該条件を満たさない場合には、カソード電極内に所定量の液水が存在しないものと判定する(S3)。なお、当該条件を満たす場合には、カソード電極内に所定量の液水が存在するものと判定し、通常運転を開始する(S6)。
カソード電極内に所定量の液水が存在しないと判定された場合には、燃料電池の制御手段を実行する(S4)。ここで、制御手段とは、上述した(1)単セル温度等の制御、(2)加湿条件の制御、(3)ガス流量の制御、(4)背圧の制御、(5)放電量の制御の少なくともいずれか1つを制御する手段である。これらの内1つのみを制御してもよいし、2以上を制御してもよい。また、2以上の制御を同時に行ってもよいし、2以上の制御を順に1つずつ行ってもよい。これら制御手段の実行により、液水が生成する(S5)。
液水が生成した後、通常運転を開始し、システムの制御を終了する(S6)。なお、このとき、所定の時間、例えば数秒間通常運転を行った後、再び間欠運転を開始し、システム制御を再開してもよい(S1)。このように短い時間だけ通常運転を行った後に再度間欠運転を行うことにより、通常運転時の液水量をモニタリングすることができる。
本発明の燃料電池システムの用途は、車両積載用に限定されず、幅広い応用が可能である。本発明の燃料電池システムは、例えば、定置型燃料電池システムや、小型燃料電池システム等、固体高分子型燃料電池を備える全ての発電システムに適用できる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
1.膜・電極接合体の作製
炭化水素系高分子電解質膜の一方の面に、白金を含む電極触媒とプロトン伝導性を有する電解質を含むアノード電極触媒ペーストをスプレー塗布し、もう一方の面に、白金を含む電極触媒とプロトン伝導性を有する電解質を含むカソード電極触媒ペーストをスプレー塗布した。スプレー塗布後の高分子電解質膜を一対のガス拡散シート(カーボンペーパー)により挟持し、熱圧着することにより、膜・電極接合体を作製した。
炭化水素系高分子電解質膜の一方の面に、白金を含む電極触媒とプロトン伝導性を有する電解質を含むアノード電極触媒ペーストをスプレー塗布し、もう一方の面に、白金を含む電極触媒とプロトン伝導性を有する電解質を含むカソード電極触媒ペーストをスプレー塗布した。スプレー塗布後の高分子電解質膜を一対のガス拡散シート(カーボンペーパー)により挟持し、熱圧着することにより、膜・電極接合体を作製した。
2.膜・電極接合体の耐久試験
上記膜・電極接合体を、下記表1に記載の実施例1及び実施例2、並びに比較例1及び比較例2の条件下で、高電位条件と放電条件の負荷変動サイクルを繰り返す耐久試験を所定の時間実施した。以下、実施例1、実施例2、比較例1又は比較例2の条件下で耐久試験を行った膜・電極接合体を、実施例1の膜・電極接合体、実施例2の膜・電極接合体、比較例1の膜・電極接合体、比較例2の膜・電極接合体と、それぞれ称する場合がある。
なお、下記表1中のカソード相対湿度及びアノード相対湿度の値は、いずれも高電位条件下における相対湿度である。また、実施例1及び実施例2の膜・電極接合体においては、いずれも高電位条件下におけるカソード電極内に液水が存在した。実施例1の膜・電極接合体のカソード相対湿度は、液水をRH換算すると162%となる。同様に、実施例2の膜・電極接合体のカソード相対湿度は、液水をRH換算すると241%となる。
上記膜・電極接合体を、下記表1に記載の実施例1及び実施例2、並びに比較例1及び比較例2の条件下で、高電位条件と放電条件の負荷変動サイクルを繰り返す耐久試験を所定の時間実施した。以下、実施例1、実施例2、比較例1又は比較例2の条件下で耐久試験を行った膜・電極接合体を、実施例1の膜・電極接合体、実施例2の膜・電極接合体、比較例1の膜・電極接合体、比較例2の膜・電極接合体と、それぞれ称する場合がある。
なお、下記表1中のカソード相対湿度及びアノード相対湿度の値は、いずれも高電位条件下における相対湿度である。また、実施例1及び実施例2の膜・電極接合体においては、いずれも高電位条件下におけるカソード電極内に液水が存在した。実施例1の膜・電極接合体のカソード相対湿度は、液水をRH換算すると162%となる。同様に、実施例2の膜・電極接合体のカソード相対湿度は、液水をRH換算すると241%となる。
3.膜・電極接合体の分子量測定
上記各耐久試験後の膜・電極接合体について、エタノールを含ませたウェスを用いて触媒層を払拭除去した。次に、高分子電解質膜内の金属イオン除去の為、高分子電解質膜を0.1mol/Lの塩酸に一晩浸した。その後、塩酸から取り出した高分子電解質膜を超純水で洗浄し乾燥させた。高分子電解質膜を構成する高分子について、GPC法により分子量を測定した。分子量低下率ΔM(%/h)は、下記式(A)により算出した。
ΔM={(M0−M1)/(M0・T)}×100 式(A)
(上記式(A)中、M0は耐久試験前における高分子電解質膜を構成する高分子の分子量、M1は耐久試験後における高分子電解質膜を構成する高分子の分子量、Tは耐久試験時間(h)を示す。)
上記各耐久試験後の膜・電極接合体について、エタノールを含ませたウェスを用いて触媒層を払拭除去した。次に、高分子電解質膜内の金属イオン除去の為、高分子電解質膜を0.1mol/Lの塩酸に一晩浸した。その後、塩酸から取り出した高分子電解質膜を超純水で洗浄し乾燥させた。高分子電解質膜を構成する高分子について、GPC法により分子量を測定した。分子量低下率ΔM(%/h)は、下記式(A)により算出した。
ΔM={(M0−M1)/(M0・T)}×100 式(A)
(上記式(A)中、M0は耐久試験前における高分子電解質膜を構成する高分子の分子量、M1は耐久試験後における高分子電解質膜を構成する高分子の分子量、Tは耐久試験時間(h)を示す。)
4.膜・電極接合体の電圧低下測定
耐久試験前と、各耐久試験後の膜・電極接合体について、セル温70℃、アノード露点45℃、カソード露点55℃の条件下、電流密度1.6A/cm2における電圧値を測定した。電圧低下速度ΔV(mV/h)は、下記式(B)により算出した。
ΔV=(V0−V1)/T 式(B)
(上記式(B)中、V0は耐久試験前における電圧値、V1は耐久試験後における電圧値、Tは耐久試験時間(h)を示す。)
耐久試験前と、各耐久試験後の膜・電極接合体について、セル温70℃、アノード露点45℃、カソード露点55℃の条件下、電流密度1.6A/cm2における電圧値を測定した。電圧低下速度ΔV(mV/h)は、下記式(B)により算出した。
ΔV=(V0−V1)/T 式(B)
(上記式(B)中、V0は耐久試験前における電圧値、V1は耐久試験後における電圧値、Tは耐久試験時間(h)を示す。)
5.膜・電極接合体の評価
図6は、実施例1及び実施例2、並びに比較例1及び比較例2の膜・電極接合体の分子量低下率ΔMを示した棒グラフである。図7は、実施例1及び実施例2、並びに比較例1及び比較例2の膜・電極接合体の電圧低下速度ΔVを示した棒グラフである。
図6から分かるように、比較例1のΔMは0.073(%/h)であり、比較例2のΔMは0.096(%/h)である。一方、実施例1のΔMは0.020(%/h)であり、実施例2のΔMは0.023(%/h)である。これらの結果は、実施例1及び実施例2のΔMは、比較例1及び比較例2のΔMの3分の1未満であり、実施例1及び実施例2の膜・電極接合体においては、比較例1及び比較例2の膜・電極接合体よりも、高分子電解質膜の劣化が顕著に抑制されたことを示す。
図6は、実施例1及び実施例2、並びに比較例1及び比較例2の膜・電極接合体の分子量低下率ΔMを示した棒グラフである。図7は、実施例1及び実施例2、並びに比較例1及び比較例2の膜・電極接合体の電圧低下速度ΔVを示した棒グラフである。
図6から分かるように、比較例1のΔMは0.073(%/h)であり、比較例2のΔMは0.096(%/h)である。一方、実施例1のΔMは0.020(%/h)であり、実施例2のΔMは0.023(%/h)である。これらの結果は、実施例1及び実施例2のΔMは、比較例1及び比較例2のΔMの3分の1未満であり、実施例1及び実施例2の膜・電極接合体においては、比較例1及び比較例2の膜・電極接合体よりも、高分子電解質膜の劣化が顕著に抑制されたことを示す。
図7から分かるように、比較例1のΔVは0.147(mV/h)であり、比較例2のΔVは0.121(mV/h)である。一方、実施例1のΔVは0.050(mV/h)であり、実施例2のΔVは0.065(mV/h)である。これらの結果は、実施例1及び実施例2のΔVは、比較例1及び比較例2のΔVの約2分の1以下であり、実施例1及び実施例2の膜・電極接合体においては、比較例1及び比較例2の膜・電極接合体よりも、電圧低下が顕著に抑制されたことを示す。
1 高分子電解質膜
2 カソード触媒層
3 アノード触媒層
4,5 ガス拡散層
6 カソード電極
7 アノード電極
8 膜・電極接合体
9,10 セパレータ
11,12 ガス流路
21 アノード側から供給される燃料ガスの分圧比を示す一点鎖線
22 カソード側から供給される酸化剤ガスの分圧比を示す一点鎖線
23 膜・電極接合体内の電位を示す一点鎖線
24 燃料ガスの分圧比と酸化剤ガスの分圧比が略等しい部分を示す枠
25 膜・電極接合体内の液水の流れを示す矢印
26 アノード電極で生じた過酸化水素及びラジカルが濃縮されやすい部分を示す枠
27 過酸化水素及びラジカルを含む液水の流れを示す矢印
100 単セル
2 カソード触媒層
3 アノード触媒層
4,5 ガス拡散層
6 カソード電極
7 アノード電極
8 膜・電極接合体
9,10 セパレータ
11,12 ガス流路
21 アノード側から供給される燃料ガスの分圧比を示す一点鎖線
22 カソード側から供給される酸化剤ガスの分圧比を示す一点鎖線
23 膜・電極接合体内の電位を示す一点鎖線
24 燃料ガスの分圧比と酸化剤ガスの分圧比が略等しい部分を示す枠
25 膜・電極接合体内の液水の流れを示す矢印
26 アノード電極で生じた過酸化水素及びラジカルが濃縮されやすい部分を示す枠
27 過酸化水素及びラジカルを含む液水の流れを示す矢印
100 単セル
Claims (5)
- 高分子電解質膜の一面側にアノード電極を備え、他面側にカソード電極を備える膜・電極接合体を備える単セルを備える燃料電池を備える燃料電池システムであって、
少なくとも間欠運転時に、前記カソード電極内の相対湿度RHC、及び前記アノード電極内の相対湿度RHAが、下記式(1)を満たすように前記燃料電池を制御する手段を備えることを特徴とする、燃料電池システム。
RHC>RHA 式(1)
(上記式(1)中、RHC≧100%である。) - 通常運転時及び間欠運転時の少なくともいずれか一方における前記カソード電極内に、液水が存在するか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記制御手段は前記判定手段の判定結果に基づき前記燃料電池を制御する、請求の範囲第1項に記載の燃料電池システム。 - 少なくとも間欠運転時における前記カソード電極内に、液水が常に確保されている、請求の範囲第1項又は第2項に記載の燃料電池システム。
- 前記カソード電極内を加湿する手段をさらに備え、
間欠運転時、及び、間欠運転前の少なくともいずれか一方で、前記加湿手段を実行する、請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一項に記載の燃料電池システム。 - 前記制御手段が、単セル温度、及び/又は、2以上の前記単セルを含むスタックの温度を調節する手段である、請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
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