JP2010044908A - 燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法 - Google Patents

燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法 Download PDF

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敬祐 藤田
Masanori Aitake
将典 相武
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加藤  学
Michihito Tanaka
道仁 田中
Masayoshi Takami
昌宜 高見
Shinobu Sekine
忍 関根
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Abstract

【課題】電解質膜の劣化を抑制することを目的とする。
【解決手段】炭化水素系電解質膜を備える燃料電池を含む燃料電池システムの運転方法であって、(a)前記燃料電池の発電生成水量を示す生成水量指標値を検出する工程(ステップS100)と、(b)予め定められた期間当たりの発電生成水量が予め定められた値以上か否かを判断する工程(ステップS110)と、(c)前記発電生成水量が前記予め定められた値未満の場合に、その後の前記燃料電池の発電電流量の最低値を設定する工程(ステップS120)と、を備える燃料電池システムの運転方法。
【選択図】図7

Description

本発明は燃料電池に関する。
電解質膜として炭化水素系電解質膜を用いる燃料電池が知られている(例えば特許文献1)。
特開2006−216447号公報
しかし、炭化水素系電解質膜を用いた燃料電池では、生成水が少ないと、生成した過酸化水素やラジカルが濃縮され、電解質膜を劣化させるという問題があった。
本発明は上記課題の少なくとも1つを解決し、炭化水素系電解質膜を用いた燃料電池において、電解質膜の劣化を抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
炭化水素系電解質膜を備える燃料電池を含む燃料電池システムの運転方法であって、
(a)前記燃料電池の発電生成水量を示す生成水量指標値を検出する工程と、
(b)予め定められた期間当たりの発電生成水量が予め定められた値以上か否かを判断する工程と、
(c)前記発電生成水量が前記予め定められた値未満の場合に、その後の前記燃料電池の発電電流量の最低値を設定する工程と、
を備える燃料電池システムの運転方法。
この適用例によれば、発電生成水により電解質膜が十分に湿潤されるため、電解質膜の劣化を抑制することが可能となる。
[適用例2]
燃料電池システムであって、炭化水素系電解質膜を有する燃料電池と、前記燃料電池の発電生成水量を示す生成水量指標値を検出する検出部と、予め定められた期間当たりの発電生成水量が予め定められた値未満の場合には、その後の前記燃料電池の発電電流量の最低値を設定する発電量制御部とを備える、燃料電池システム。
この適用例によれば、発電生成水により電解質膜が十分に湿潤されるため、電解質膜の劣化を抑制することが可能となる。
[適用例3]
適用例2に記載の燃料電池システムにおいて、前記発電量制御部は、前記予め定められた期間未満の期間における前記生成水量指標値の履歴を監視し、前記生成水量指標値の履歴に対応する発電生成水量が前記予め定められた値未満の場合には、前記予め定められた期間当たりの発電生成水量が前記予め定められた値以上となるように前記予め定められた期間に対する残存期間の発電電流量の最低値を設定する、燃料電池システム。
この適用例によれば、簡単な構成で電解質膜の劣化を抑制することが可能となる。
[適用例4]
適用例2に記載の燃料電池システムにおいて、前記発電量制御部は、前記予め定められた期間における前記生成水量指標値の履歴を監視し、前記生成水量指標値の履歴に対応する発電生成水量が前記予め定められた値未満の場合には、付加期間を定め、前記予め定められた期間と前記付加期間とを合わせた期間当たりの発電生成水量が前記予め定められた値と前記付加期間の長さに応じて加算された生成水量の値との和以上となるように前記付加期間の発電電流量の最低値を設定する、燃料電池システム。
このように構成しても簡単な構成で電解質膜の劣化を抑制することが可能となる。
[適用例5]
適用例2から適用例4のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、前記検出部は、前記燃料電池が発電した発電電流量を前記生成水量指標値として用いる、燃料電池システム。
この適用例によれば、生成水量を容易に判断することができる。
[適用例6]
適用例2から適用例5のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、前記定められた値は、10分間当たり、電極面積1cm2当たり13mg以上である、燃料電池システム。
この適用例によれば、この程度の生成水量であれば、電解質膜の劣化を抑制することができる。
[適用例7]
適用例2から適用例6のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、さらに、発電された余剰電力を蓄積するための蓄電池を備える、燃料電池システム。
燃料電池システムの制御によっては余剰の電力が発生することがあるが、この適用例によれば、余剰の電力を蓄積するので、燃料電池システムの効率を向上させることができる。
[適用例8]
適用例2から適用例7のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、さらに、発電された余剰電力を消費するための負荷を備える、燃料電池システム。
この適用例によれば、余剰の電力を消費することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池システムの運転方法、燃料電池システムの他、燃料電池の制御方法、電解質膜の劣化抑制方法等、様々な形態で実現することができる。
図1は、本発明の実施例に係る燃料電池システムの構成を示す説明図である。燃料電池システム10は、燃料電池100と、電子制御装置200(以下「ECU200」とも呼ぶ。)と、燃料ガスタンク300と、空気取入部400と、モータ駆動部500を備える。燃料電池100は発電ユニット110を備える。本実施例では、発電ユニット110は複数積層されているが、発電ユニット110は1個であってもよい。ECU200は、燃料電池システム10の動作を制御する。
燃料ガスタンク300は、燃料ガスとして、水素を貯蔵する。燃料ガスタンク300は、配管310により燃料電池100と接続されている。配管310上にはバルブ320が設けられ、燃料電池100に供給される燃料ガスの量を調整している。
本実施例では、酸化剤(酸化ガス)として、空気中の酸素を用いる。空気取入部400と燃料電池100は、配管410により接続されている。配管410上には、コンプレッサ420が配置され、空気取入部400で取り入れられた空気を圧縮して燃料電池100に送っている。
モータ駆動部500は、燃料電池100に接続されており、燃料電池100が発電した電力を用いてモータ(図示せず)を駆動する。本実施例では、モータ駆動部500と並列に、蓄電池510、負荷520が設けられている。蓄電池510は、燃料電池100から供給される電力よりもモータ駆動部500で消費される電力が小さい場合に、余剰電力を蓄電する。また、蓄電池510は、電力が蓄電されている場合には、モータ駆動部500に電力を供給する。負荷520は、蓄電池510が満充電されている状態において、未だ余剰電力がある場合に、当該余剰電力を消費する。スイッチ530は、燃料電池100と、モータ駆動部500と、蓄電池510と、負荷520の間における電力の供給を切り替える。燃料電池100と、スイッチ530の間には電流計540が設けられており、燃料電池100から供給される電流量を測定する。
図2は、発電ユニットの構成を示す説明図である。発電ユニット110は、膜電極接合体112(以下「MEA112」とも呼ぶ。)と、ガス拡散層116と、セパレータ118と、シールガスケット120とを備える。MEA112は、電解質膜113と触媒層114を備える。本実施例では、電解質膜113として、炭化水素系高分子電解質膜(以下「炭化水素系電解質膜」とも呼ぶ)を用いている。ここで、炭化水素系電解質膜とは、炭素と水素からなる高分子の主鎖と、イオン交換基とを有するものをいう。炭化水素系電解質膜の例としては、例えばスルホアルキル化炭化水素系電解質膜、スルホアルキルエーテル化炭化水素系電解質膜がある。なお、パーフルオロカーボンスルホン酸電解質膜(以下、「パーフルオロ系電解質膜」とも呼ぶ。)は、主鎖及び側鎖の水素が全てフッ素で置換されているため、炭化水素系電解質膜には含まれない。但し、炭化水素系電解質として、水素が部分的にフッ素置換されている電解質膜や、フッ素以外の異種原子を含んでいる電解質膜を含んでもよい。イオン交換基としては、スルホン酸基の他、カルボン酸基、ボロン酸基、ホスホン酸基、水酸基等を用いることが可能である。
触媒層114は、電解質膜113の両面に配置されている。本実施例では、触媒層114として、例えば、白金触媒、あるいは白金と他の金属とからなる白金合金触媒を、例えばカーボン粒子上に担持した触媒層を用いている。
ガス拡散層116は、触媒層114の外側に配置されている。ガス拡散層116として、カーボン繊維を用いて形成されたカーボン不織布やカーボンペーパーを用いることが可能である。
シールガスケット120は、MEA112の外縁を囲うように形成されている。シールガスケット120は、たとえば、熱硬化型樹脂を用いて、MEA112と一体に成形される。
図3は、炭化水素系電解質膜の一例を示す構造式である。図4は、比較例として示すパーフルオロカーボンスルホン酸電解質膜の構造式である。図3に示す炭化水素系電解質膜は、パーフルオロカーボンスルホン酸電解質膜のフッ素が水素に置換されている。炭化水素系電解質膜とパーフルオロカーボンスルホン酸電解質膜とを比較すると、化学的安定性は、パーフルオロカーボンスルホン酸電解質膜の方が一般に優れている。これは、炭素−水素結合と炭素−フッ素結合との結合力の大きさの違いによる。一方、コスト面では、炭化水素系電解質膜の方がパーフルオロカーボンスルホン酸電解質膜より安価である。
本実施例では、炭化水素系電解質膜と、パーフルオロ系電解質膜について各種条件下試験を行い、耐久性を評価した。
膜電極接合体の作製:
まず、炭化水素系電解質膜及びパーフルオロ系酸電解質膜を準備した。これらの電解質膜の表面に触媒インクをスプレー法にて塗布し、触媒層を形成した。なお、触媒インクは、例えばPtを含む触媒を担持した担持体(触媒粒子)と高分子電解質溶液と水とを混合して攪拌することにより作成した。次に、触媒層の上にカーボンペーパーからなる拡散層を熱圧着して、膜電極接合体を作製した。
耐久性試験:
上記膜電極接合体を、セル温度80℃、アノード露点45℃、カソード露点55℃、アノードストイキ比1.2〜1.5、カソードストイキ比1.5〜2.0とし、非発電と発電の条件を変えて、非発電と発電とを繰り返す耐久性試験を行った。ここで、アノード露点45℃とは、アノードガスを45℃に冷却したときに結露が始まるように、アノードガスが加湿されていることを意味する。カソード露点55℃についても同様に、カソードガスを55℃に冷却したときに結露が始まるように、カソードガスが加湿されていることを意味する。また、アノードストイキ比とは、燃料電池に、ある値の電流を流すときに必要な水素の理論量と実際の水素供給量との比を意味し、アノードストイキ比1.2〜1.5とは、理論量の1.2〜1.5倍の水素が供給されていることを意味する。同様にカソードストイキ比とは、燃料電池にある値の電流を流すときに必要な酸化ガスの理論量と実際の酸化ガス供給量との比を意味し、カソードストイキ比1.5〜2.0とは、理論量の1.5〜2.0倍の酸化ガスが供給されていることを意味する。炭化水素系電解質膜については、電解質膜の分子量と電圧(起電力)の維持率を検証し、パーフルオロ系電解質膜については、膜厚の変化と電圧の維持率を検証した。なお、電解質膜の分子量は、GPC法を用いて測定し、平均分子量を用いた。図5は、耐久性試験の結果を示す表である。
実施例、比較例中の生成水量は、発電量から容易に求めることができる。燃料電池の電気化学反応は、以下の通りである。
2 → 2H+ + 2e-
1/2O2 + 2H+ 2e- → H2
x秒間に水素分子yモルが反応すると、水yモルと2yF(Fはファラデー定数)の電荷が生じる。このときの平均電流は2yF/xアンペアである。したがって、電流値をモニタし、積分することにより、生じた電荷量がわかり、生成した水の量もわかる。後述するように、電解質膜の耐久性は、生成水量に依存するため、本実施例では、燃料電池の発電生成水量を示す生成水量指標値を用いて生成水量を判断している。なお、生成水量指標値として、生成水量そのものの量の他、例えば、電流量や電荷量を用いてもよい。
実施例1:
炭化水素系電解質膜から作製した膜電極接合体について、非発電状態(OCV)30秒と、発電状態(電極面積(触媒層の面積)1cm2当たり0.6A(以下「電流密度0.6A/cm2」とも標記する。)20秒を繰り返すサイクルで、2100時間の耐久性試験を実施した。耐久性試験中の10分間の生成水量は、電極面積1cm2当たり13mg(以下「13mg/cm2/10min」とも標記する。)であった。耐久試験後の分子量の低下率は9%であり、電解質膜はほとんど分解しなかった。また、電圧の低下も小さかった。
実施例2:
炭化水素系電解質膜から作製した膜電極接合体について、第1の発電状態(電流密度0.05A/cm2)30秒と、第2の発電状態(電流密度1.2A/cm2)20秒を繰り返すサイクルで、1000時間の耐久性試験を実施した。耐久性試験中の生成水量は、29mg/cm2/10minであった。耐久試験後の分子量の低下率は1%以下であり、電解質膜はほとんど分解しなかった。また、電圧の低下も小さかった。
比較例1:
炭化水素系電解質膜から作製した膜電極接合体について、非発電状態3分と、発電状態(電流密度0.1A/cm2)1分を繰り返すサイクルで、1807時間の耐久性試験を実施した。耐久性試験中の生成水量は、1.4mg/cm2/10minであった。耐久試験後の分子量の低下率は68%であり、電解質膜の化学的劣化が顕著に進行したことが示唆された。また、電解質膜の劣化に伴い、電圧についても大きく劣化した。
比較例2:
炭化水素系電解質膜から作製した膜電極接合体について、非発電状態8分と、発電状態(電流密度0.5A/cm2)2分を繰り返すサイクルで、1980時間の耐久性試験を実施した。耐久性試験中の生成水量は、5.6mg/cm2/10minであった。耐久試験後の分子量の低下率は48%であり、電解質膜の化学的劣化が顕著に進行したことが示唆された。また、電解質膜の劣化に伴い、電圧についても大きく劣化した。
比較例3:
パーフルオロ系電解質膜から作製した膜電極接合体について、非発電状態3分と、発電状態(電流密度0.1A/cm2)1分を繰り返すサイクルで、2000時間の耐久性試験を実施した。耐久性試験中の生成水量は、1.4mg/cm2/10minであった。この比較例では、耐久試験後の電解質膜の膜痩せは少なく、電圧の低下も小さかった。
比較例4:
パーフルオロ系電解質膜から作製した膜電極接合体について、第1の発電状態(電流密度0.05A/cm2)30秒と、第2の発電状態(電流密度1.2A/cm2)20秒を繰り返すサイクルで、1000時間の耐久性試験を実施した。耐久性試験中の生成水量は、29mg/cm2/10minであった。この比較例では、耐久試験後の電解質膜の膜痩せは少なく、電圧の低下も低く、実施例2と同等であった。
図5に示すように、電解質膜の劣化は、炭化水素系電解質膜のみに見られ、パーフルオロ系電解質膜には見られない。しかし、炭化水素系電解質膜であっても、適切な運転条件で運転を行えば、パーフルオロ系電解質膜と同等の耐久性があることがわかる。
図6は、実施例1、2及び比較例1、2の生成水量と電解質膜の分子量低下率の関係を示すグラフである。この結果から、耐久性は、単位時間当たりの生成水量と関係があることがわかる。例えば、生成水量は、13mg/cm2/10min以上であればよく、15mg/cm2/10min以上であれば、なお好ましい。
比較例1と比較例2を比較すればわかるように、非発電状態の期間がある程度長くても、その後に流す電流の量を多くして、生成水の発生量を多くすれば、電解質膜の劣化の度合いを下げることができる。すなわち、電流を平均的に多く流さなくとも、間欠的な大電流を流すことにより電解質膜の劣化を抑制することが可能となる。
図7は、燃料電池システムの制御の一例を示すフローチャートである。ステップS100において、ECU200は、常時8分間の生成水量を監視する。具体的には、電流計540を用いて燃料電池100に流れる電流量を測定する。次に、電流量を積分し、発電量を求める。次に、発電量に対応する生成水量を求める。ステップS110において、ECU200は、生成水量が既定値以上になっているか否かを判断する。例えば既定値が、15mg/cm2/10minであれば、8分間の生成水量が15mg/cm2に達しているかを判断する。ここで、生成水量15mg/cm2は、電荷量に換算すると160C/cm2であるので、電荷量で判断してもよい。なお、既定値が生成水量13mg/cm2/10minであれば、電荷量は139C/cm2/10minである。
ステップS110において、生成水量が既定値に達していなかった場合には、ステップS120において、ECU200は、10分間の生成水量が既定値を超えるように、残り2分の最低発電量を設定する。たとえば、8分間の生成水量が0mg/cm2であれば、残りの2分で15mg/cm2の生成水が発生するように最低発電量を定める。この場合には、1.4A/cm2の電流を2分流せば、16mg/cm2の生成水が得られ、既定値に達する。また、8分間の生成水量が14mg/cm2であれば、残りの2分で1mg/cm2の生成水が発生するように最低発電量を定める。この場合には、最低発電量は、現在の発電量よりも少なくなる。
ここで、最低発電量が現在の発電量よりも大きい場合には、その差分は余剰電力となる。ECU200は、スイッチ530を切り替え、余剰電力を、蓄電池510に充電する。また、蓄電池510が満充電状態になった場合には、スイッチ530を切り替え、余剰電力を負荷520で消費させる。また、負荷520を用いずに電力を消費するようにしてもよい。例えば、燃料電池システム10が車両に用いられる場合には、走行中であれば、ギアを落としてモータの回転数を上げることにより、余剰電力を消費することができる。また、停止中であれば、クラッチを切るなど動力伝達を遮断してモータを空転させることにより、余剰電力を消費するようにしてもよい。
ステップS130において、ECU200は、燃料電池100の運転を継続するか判断し、燃料電池100の運転を継続する場合にはステップS100に戻り、燃料電池100の運転を継続しない場合には燃料電池100の運転を停止する。
一方、ステップS110において、生成水量がすでに既定値以上あった場合には、ステップS130に処理を移行し、同様の処理を行う。
以上、本実施例では、発電電流の履歴を監視して生成水量を求め、10分間の生成水量が予め定められた値以上になるように、発電量の最低値を設定し、発電量を制御している。そのため、電解質膜を十分に湿潤でき、電解質膜の劣化を抑制できる。
また、本実施例では、予め定められた10分未満の8分間の生成水量を求め、残り2分間の最低発電量を定めている。これにより、発電量の制御が容易になる。また、8分間生成水が生成されなくとも、残り2分間に間欠的な大電流により生成水を発生させて電解質膜を湿潤させてもよい。
本実施例では、既定値として生成水量を用いているが、生成水量は、電流値を用いて容易に算出することができる。したがって、既定値として、生成水量以外に発電により生じた電荷量を用いてもよい。
本実施例では、蓄電池510を備えているので、余剰の発電電力を蓄積でき、燃料電池システム10の効率を向上させることが可能である。また、負荷520を備えることにより、蓄電池510に蓄積できない余剰の発電電力を消費することが可能である。
また、本実施例では、10分という期間の生成水量を用いて、最低発電量を定めている。燃料電池システム10が車両に用いられる場合には、信号待ちや渋滞により車両が停止する場合がある。そして、車両が停止している期間は、一般に、電力がほとんど消費されない。ここで、常時最低発電量を定めていると、信号待ちや渋滞により車両が停止している間でも一定量の発電が行われるので、燃料の消費が多くなる。一方、本実施例によれば、信号待ちや渋滞により車両が停止している間であっても、一定期間は発電を抑えることができるので、燃料の消費を抑えることが可能となる。さらに、通常、大渋滞でないかぎり車両運転中に10分以上車両が停止することは発生しにくい。したがって、本実施例によれば、信号待ちや渋滞により車両が停止している期間は、発電を抑えることができるので、燃料の消費を抑えることが可能となる。
発電電流量の最低値の設定について、炭化水素系膜の材料に変更が合った場合には、起動・停止のサイクル試験を行い、生成水速度と膜劣化の相関関係を確認し、適宜設定することができる。また、生成水量指標値の既定値についても、同様に、炭化水素系膜の材料に変更が合った場合には、起動・停止のサイクル試験を行い、生成水速度と膜劣化の相関関係を確認し、適宜設定することができる。
変形例:
本実施例では、予め定められた10分未満の8分間の生成水量を求めているが、10分間の生成水量を求め、その値が既定値未満の場合には、付加期間を定め、付加期間で生成水量を補填するように構成してもよい。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
本発明の実施例に係る燃料電池システムの構成を示す説明図である。 発電ユニットの構成を示す説明図である。 炭化水素系電解質膜の一例を示す構造式である。 比較例として示すパーフルオロカーボンスルホン酸電解質膜の構造式である。 耐久性試験の結果を示す表である。 実施例1、2及び比較例1、2の生成水量と電解質膜の分子量低下率の関係を示すグラフである。 燃料電池システムの制御の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
10…燃料電池システム
100…燃料電池
110…発電ユニット
112…膜電極接合体
113…電解質膜
114…触媒層
116…ガス拡散層
118…セパレータ
120…シールガスケット
200…電子制御装置
300…燃料ガスタンク
310…配管
320…バルブ
400…空気取入部
410…配管
420…コンプレッサ
500…モータ駆動部
510…蓄電池
520…負荷
530…スイッチ
540…電流計

Claims (8)

  1. 炭化水素系電解質膜を備える燃料電池を含む燃料電池システムの運転方法であって、
    (a)前記燃料電池の発電生成水量を示す生成水量指標値を検出する工程と、
    (b)予め定められた期間当たりの発電生成水量が予め定められた値以上か否かを判断する工程と、
    (c)前記発電生成水量が前記予め定められた値未満の場合に、その後の前記燃料電池の発電電流量の最低値を設定する工程と、
    を備える燃料電池システムの運転方法。
  2. 燃料電池システムであって、
    炭化水素系電解質膜を有する燃料電池と、
    前記燃料電池の発電生成水量を示す生成水量指標値を検出する検出部と、
    予め定められた期間当たりの発電生成水量が予め定められた値未満の場合には、その後の前記燃料電池の発電電流量の最低値を設定する発電量制御部と、
    を備える、燃料電池システム。
  3. 請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記発電量制御部は、前記予め定められた期間未満の期間における前記生成水量指標値の履歴を監視し、前記生成水量指標値の履歴に対応する発電生成水量が前記予め定められた値未満の場合には、前記予め定められた期間当たりの発電生成水量が前記予め定められた値以上となるように前記予め定められた期間に対する残存期間の発電電流量の最低値を設定する、燃料電池システム。
  4. 請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記発電量制御部は、前記予め定められた期間における前記生成水量指標値の履歴を監視し、前記生成水量指標値の履歴に対応する発電生成水量が前記予め定められた値未満の場合には、付加期間を定め、前記予め定められた期間と前記付加期間とを合わせた期間当たりの発電生成水量が前記予め定められた値と前記付加期間の長さに応じて加算された生成水量の値との和以上となるように前記付加期間の発電電流量の最低値を設定する、燃料電池システム。
  5. 請求項2から請求項4のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、
    前記検出部は、前記燃料電池が発電した発電電流量を前記生成水量指標値として用いる、燃料電池システム。
  6. 請求項2から請求項5のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、
    前記定められた値は、10分間当たり、電極面積1cm2当たり13mg以上である、燃料電池システム。
  7. 請求項2から請求項6のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、さらに、
    発電された余剰電力を蓄積するための蓄電池を備える、燃料電池システム。
  8. 請求項2から請求項7のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、さらに、
    発電された余剰電力を消費するための負荷を備える、燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012084245A (ja) * 2010-10-07 2012-04-26 Toyota Motor Corp 燃料電池システムおよび燃料電池システムの判定方法
DE112011104990T5 (de) 2011-03-01 2013-11-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Brennstoffzellensystem
US11764371B2 (en) 2021-05-28 2023-09-19 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel cell system

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