JP5640625B2 - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの判定方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池システムの判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池に用いられる燃料電池セルの構成要素の一つである電解質膜の劣化状態を把握する技術に関するものである。
燃料電池による発電動作を実行することにより、燃料電池セルの構成要素の一つである電解質膜は経時的に酸化分解が発生して劣化していくが、この劣化が顕著になると電解質膜が破断して発電不能状態となり得る。これを防止するための一技術として、クロスリークによる分解物の排出量の積算値から電解質膜の寿命を予測する技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−311027号公報 特開2009−016101号公報 特開2006−079913号公報
しかしながら、上記従来技術の場合には、排出物質(フッ素や硫酸等)の測定を実行するための専用の装置(ガス分析装置や電気化学即栄装置等)が別途必要となる。このため、自動車等の移動体に搭載する燃料電池システムの場合には、メンテナンスの機会を設ける必要性がある。また、仮に、上記測定用の装置を移動体に搭載したとすると、そのためのスペース確保の必要性が発生するという問題や、コスト高という問題があり、効果的ではない。
そこで、本発明は、従来のような装置を別途用意することなく、電解質膜の劣化状態を把握することが可能な技術提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[形態1]
燃料電池の各燃料電池セルの構成要素である電解質膜の状態を判定することが可能な燃料電池システムであって、
前記燃料電池セルのアノードに燃料ガスを供給するアノードガス供給系と、
前記燃料電池セルのカソードに酸化ガスを供給するカソードガス供給系と、
前記燃料電池セルの電圧を測定するセル電圧モニター部と、
前記燃料電池セルの前記電解質膜の状態を判定する膜状態判定部、を含む制御部と、を備え、
前記膜状態判定部は、
あらかじめ定められた膜状態判定タイミングにおいて、あらかじめ設定された電圧回復動作条件で、前記アノードガス供給系と、前記カソードガス供給系と、前記出力制御部と、前記セル電圧モニター部の動作を制御して前記燃料電池セルを発電させることにより前記燃料電池セルの電圧を回復させる電圧回復動作を実行させて、前記電圧回復動作の前の電圧と前記電圧回復動作の後の電圧の差である回復電圧を測定し、
前記電解質膜の初期状態における前記電解質の機能を有する分子量に対する、前記回復電圧が測定される際に前記電解質膜中に存在している前記電解質の機能を有する分子量の割合を示す分子量維持率と回復電圧との関係に基づいて、前記測定した回復電圧に対応する前記燃料電池セルの電解質膜の劣化状態を判定する
ことを特徴とする燃料電池システム。
上記燃料電池システムによれば、従来技術において別途必要としていた装置を用意する必要がなく、電解質膜の劣化状態を容易に判定することが可能である。これにより、移動体に搭載する燃料電池システムとして有利である。
[形態2]
燃料電池の各燃料電池セルの構成要素である電解質膜の状態を判定する燃料電池システムの判定方法であって、
あらかじめ定められた膜状態判定タイミングにおいて、あらかじめ設定された電圧回復動作条件で前記燃料電池セルを発電させることにより前記燃料電池セルの電圧を回復させる電圧回復動作を実行させる工程と、
前記電圧回復動作の前の電圧と前記電圧回復動作の後の電圧の差である回復電圧を測定する工程と、
前記電解質膜の初期状態における前記電解質の機能を有する分子量に対する、前記回復電圧が測定される際に前記電解質膜中に存在している前記電解質の機能を有する分子量の割合を示す分子量維持率と回復電圧との関係に基づいて、前記測定した回復電圧に対応する前記燃料電池セルの電解質膜の劣化状態を判定する工程と、
を備えることを特徴とする燃料電池システムの判定方法。
上記方法によれば、燃料電池システムにおいて、電解質膜の劣化状態を容易に把握することができる。
[適用例1]
燃料電池の各燃料電池セルの構成要素である電解質膜の状態を判定することが可能な電燃料電池システムであって、
前記燃料電池セルのアノードに燃料ガスを供給するアノードガス供給系と、
前記燃料電池セルのカソードに酸化ガスを供給するカソードガス供給系と、
前記燃料電池セルの電圧を測定するセル電圧モニター部と、
前記燃料電池セルの前記電解質膜の状態を判定する膜状態判定部、を含む制御部と、を備え、
前記膜状態判定部は、
あらかじめ定められた膜状態判定タイミングにおいて、あらかじめ設定された電圧回復動作条件で、前記アノードガス供給系と、前記カソードガス供給系と、前記出力制御部と、前記セル電圧モニター部の動作を制御して前記燃料電池セルを発電させることにより前記燃料電池セルの電圧を回復させる電圧回復動作を実行させて、前記電圧回復動作後の回復電圧を測定し、
前記電解質膜の初期状態における前記電解質の機能を有する分子量に対する、前記回復電圧が測定される際に前記電解質膜中に存在している前記電解質の機能を有する分子量の割合を示す分子量維持率に基づいて、前記測定した回復電圧に対応する前記燃料電池セルの電解質膜の劣化状態を判定する
ことを特徴とする燃料電池システム。
上記燃料電池システムによれば、従来技術において別途必要としていた装置を用意する必要がなく、電解質膜の劣化状態を容易に判定することが可能である。これにより、移動体に搭載する燃料電池システムとして有利である。
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池システムであって、
前記膜状態判定部は、あらかじめ設定されている回復電圧と燃料電池セルの交換時期までの残時間との関係に基づいて、前記測定した回復電圧に対応する前記燃料電池セルの交換時期までの残時間を推定し、前記残時間を通知する
ことを特徴とする燃料電池システム。
上記構成によれば、燃料電池セルの交換時期までの残時間を容易に予測し、知ることが可能である。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の燃料電池システムであって、
前記膜状態判定部は、前記測定した回復電圧が、前記電解質膜が不可逆的変化を引き起こす目安となる前記分子量維持率の閾値に対応する前記回復電圧の閾値を超えた場合に、少なくとも、交換時期を通知する
ことを特徴とする燃料電池システム。
上記構成によれば、燃料電池セルの交換時期を容易に知ることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、
前記測定した回復電圧が前記回復電圧の閾値よりも低い所定の基準値から前記回復電圧の閾値までの範囲内にあるような前記電解質膜の劣化状態である場合において、要求される出力が所定の高負荷条件に対応する出力以上である場合には、前記要求される出力に対応する条件で発電させる
ことを特徴とする燃料電池システム。
上記構成によれば、電解質膜の劣化状態が進行することを抑制することができる。
[適用例5]
適用例4に記載の燃料電池システムであって、
さらに、二次電池を備え、
前記制御部は、
前記測定した回復電圧が前記回復電圧の閾値よりも低い所定の基準値から前記回復電圧の閾値までの範囲内にあるような前記電解質膜の劣化状態である場合において、
要求される出力が所定の高負荷条件に対応する出力よりも小さい場合で、かつ、前記要求される出力に対して前記二次電池の蓄電容量が十分である場合には、前記二次電池から前記要求される出力に対応する電力を出力させ、
要求される出力が所定の高負荷条件に対応する出力よりも小さい場合で、かつ、前記要求される出力に対して前記二次電池の蓄電容量が不十分である場合には、前記燃料電池を少なくとも前記所定の高負荷条件で発電させて、前記要求される出力に対応する電力を出力させるとともに、余剰電力を用いて前記二次電池を蓄電させる
ことを特徴とする燃料電池システム。
上記構成によれば、無駄な電力消費を抑制しつつ、電解質膜の劣化状態の進行を抑制することができる。
[適用例6]
燃料電池の各燃料電池セルの構成要素である電解質膜の状態を判定する燃料電池システムの判定方法であって、
あらかじめ定められた膜状態判定タイミングにおいて、あらかじめ設定された電圧回復動作条件で前記燃料電池セルを発電させることにより前記燃料電池セルの電圧を回復させる電圧回復動作を実行させる工程と、
前記電圧回復動作後の回復電圧を測定する工程と、
前記電解質膜の初期状態における前記電解質の機能を有する分子量に対する、前記回復電圧が測定される際に前記電解質膜中に存在している前記電解質の機能を有する分子量の割合を示す分子量維持率に基づいて、前記測定した回復電圧に対応する前記燃料電池セルの電解質膜の劣化状態を判定する工程と、
を備えることを特徴とする燃料電池システムの判定方法。
上記方法によれば、燃料電池システムにおいて、電解質膜の劣化状態を容易に把握することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池システムや燃料電池システムにおいて、電解質膜の劣化状態を判定する判定方法などの種々の形態で実現することが可能である。
第1実施例としての燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 燃料電池のリフレッシュ動作による回復電圧と電解質膜中の分子量維持率との関係について試験した結果および電解質膜中の分子量維持率と膜の破断伸度維持率との関係について試験した結果を示す説明図である。 回復電圧と燃料電池セルの交換残時間との関係について示す説明図である。 膜状態判定の手順を示すフローチャートである。 第2実施例としての燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 電解質膜中の分子量低下率と発電電流密度との関係を調べた結果を示す説明図である。 要求出力とその出力を発生する発生源との関係を示すエネルギー分配イメージ図である。 発電制御部で実行される寿命改善発電制御の手順を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態を、実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.変形例:
A.第1実施例:
A1.システム構成:
図1は、第1実施例としての燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。この燃料電池システム10は、燃料電池100と、アノードガス(燃料ガス)給排系200と、カソードガス(酸化ガス)給排系300と、冷却装置400と、加熱装置500と、モニター切替部600と、電力出力系700と、システム制御部800と、駆動系900と、を備えている。
燃料電池100は、アノードに供給されるアノードガスとしての燃料ガス(水素)と、カソードに供給されるカソードガスとしての酸化ガス(空気に含まれる酸素)との電気化学反応により電力を発生する。この燃料電池100としては、固体高分子電解質膜を用いた燃料電池セルで構成される燃料電池が対象となる。なお、本例では、固体高分子電解質膜として炭化水素系電解質膜を用いた燃料電池を適用するものとする。また、燃料電池100は、複数の燃料電池セル110を積層したスタック構造を有するものとする。なお、燃料電池100の各燃料電池セル110には、それぞれセル電圧モニター120が取り付けられている。各セル電圧モニター120は、それぞれの位置における電位を検出する。セル電圧モニター120は、通常、燃料電池セル110の隣接する燃料電池セルとの間に設けられるセパレータに取り付けられる(不図示)。各セル電圧モニター120の出力は、モニター切替部600に接続されている。モニター切替部600は、いずれか一つの燃料電池セル110のアノードおよびカソードに対応する2つのセル電圧モニター120を、システム制御部800のモニター制御部820に接続する。なお、モニター切替部600によるセル電圧モニターの接続の切り替えは、システム制御部800からの指示に従って実行される。
燃料電池セル110は、図示は省略するが、基本的に、膜電極接合体((MEA:Membrane-Electrode Assembly)をセパレータで挟持した構成を有している。MEAは、イオン交換膜からなる炭化水素系の電解質膜と、電解質膜のアノード側の面上に形成された触媒電極(「アノード側触媒電極」とも呼ぶ)と、電解質膜のカソード側の面上に形成された触媒電極(「カソード側触媒電極」とも呼ぶ)とで構成される。MEAとセパレータとの間には、アノード側およびカソード側に、それぞれガス拡散層(GDL)が設けられている。また、セパレータとガス拡散層に接する面には、アノードガスやカソードガスのガスを流す溝状のガス流路が形成されている。ただし、セパレータとガス拡散層との間に、ガス流路部が別途も受けられる場合もある。
アノードガス給排系200は、水素供給源210と、流量調整部220と、加湿調整部230、背圧調整バルブ240と、を備える。このアノードガス給排系200は、燃料電池100を構成する各燃料電池セル110のアノード(以下、「燃料電池100のアノード」とも略す)に、水素供給源210から、配管270a、流量調整部220、配管270b、加湿調整部230、および、配管270cを介して、燃料ガスである水素をアノードガスとして供給する。水素供給源210は、例えば、高圧水素が貯蔵された水素タンクと圧力調整弁を用いて構成することができ、貯蔵されている水素を、システム制御部800の動作制御部810からの指示に従った圧力で流量調整部220へ向けて送り出すことができる。また、流量調整部220は、動作制御部810からの指示に従った流量でアノードガス(水素)を燃料電池100のアノードへ供給する。また、加湿調整部230は、流量調整部220から送り出されたアノードガスを、動作制御部810からの指示に従って加湿する。なお、配管270cには、露点計280が接続されており、燃料電池100のアノードに供給されるアノードガスの露点温度Haを計測することができ、その出力は、システム制御部800のモニター制御部820に接続される。
また、アノードガス給排系200は、燃料電池100のアノードから排出されたアノードオフガスを、配管270d、背圧調整バルブ240、配管270eを介して、排気口360から排出する。この際、背圧調整バルブ240は、システム制御部800の動作制御部810からの指示に従って、バルブの開閉量を調整することにより、燃料電池100のアノードを流れるアノードガス(水素)の圧力を調整する。なお、アノードオフガスは、電気化学反応に供された後のアノードガス、すなわち、燃料ガス(水素)である。なお、配管270cには、圧力計290が接続されており、燃料電池100のアノードに供給されるアノードガスの圧力Paを計測することができ、その出力は、システム制御部800のモニター制御部820に接続される。
カソードガス給排系300は、吸気口310と、コンプレッサ320と、流量調整部330と、加湿調整部340と、背圧調整バルブ350と、を備える。このカソードガス給排系300は、燃料電池100を構成する各燃料電池セル110のカソード(以下、「燃料電池100のカソード」とも略す)に、吸気口310、配管370a、コンプレッサ320、配管370b、流量調整部330、配管370c、加湿調整部340、および、配管370dを介して、酸化ガスである酸素を含む空気をカソードガスとして供給する。この際、コンプレッサ320は、吸気口310から取り込む空気をシステム制御部800の動作制御部810からの指示に従った圧力で流量調整部330へ向けて送り出す。また、流量調整部330は、動作制御部810からの指示に従った流量でカソードガスを燃料電池100のカソードへ供給する。また、加湿調整部340は、流量調整部330から送り出されたカソードガスを、動作制御部810からの指示に従って加湿する。なお、配管370dには、露点計380が接続されており、燃料電池100のアノードに供給されるカソードガスの露点温度Hcを計測することができ、その出力は、システム制御部800のモニター制御部820に接続される。
また、カソードガス給排系300は、燃料電池100のカソードから排出されたカソードオフガスを、配管370e、背圧調整バルブ350、および、配管370fを介して排気口360から排出する。なお、配管370dには、圧力計390が接続されており、燃料電池100のカソードへ供給されるカソードガスの圧力Pcを計測することができ、その出力は、システム制御部800のモニター制御部820に接続される。
冷却装置400は、2つの配管410a,410bを介して燃料電池100に接続されており、配管410aを介して、冷却媒体を供給し、配管410bを介して、冷却に供された後の冷却媒体を受け取ることにより、冷却媒体を循環させて、燃料電池100の冷却を実行する。冷却媒体としては、水、空気等を用いることができる。なお、配管410bには、温度計420が接続されており、配管410bを流れる冷却媒体の温度を測定することにより、各燃料電池セル110の温度を測定することができる。なお、温度計420の出力は、システム制御部800のモニター制御部820に接続される。
電力出力系700は、駆動系出力制御回路や、補機系出力制御回路、起動回路等の図示しない回路を含む電力出力制御部710と、電力制御用負荷720と、を備える。電力出力制御部710の駆動系出力制御回路は、システム制御部800の動作制御部810からの指示に従って、駆動系900に対して、燃料電池100から出力される電力の供給を制御する。電力制御用負荷720は、駆動系900を動作させずに燃料電池100で発電した電力を消費させる場合や、余剰電力の消費に用いられる。
駆動系900は、例えば、電動モータ910と、電動モータ910に接続されたドライブシャフト920と、車輪940に接続された車軸930と、ドライブシャフト920と車軸930とを接続するギアボックス950と、から構成される。電動モータ910の回転力がドライブシャフト920、ギアボックス950、車軸930を解して車輪に伝えられる。なお、ギアボックス950の動作は、システム制御部800の動作制御部810からの指示に従って制御される。なお、本例の燃料電池によって発電した電力により制御される負荷として、駆動系900を例に説明したが、これに限定されるものではなく、燃料電池の電力を利用する全ての負荷装置が適用可能である。
システム制御部800は、動作制御部810と、モニター制御部820と、発電制御部830と、膜状態判定部840と、記憶部850と、を備え、燃料電池システム10の動作を制御する。動作制御部810は、実際に燃料電池システムの各構成要素に指示を与えて、その動作を実際に制御する機能ブロックである。モニター制御部820は、各構成要素からの出力を受け取り、対応する機能ブロックに受け渡す機能ブロックである。発電制御部830は、動作制御部810を介して各構成要素の動作を制御して発電動作を制御する機能ブロックである。膜状態判定部840は、後述するように、燃料電池セル110に含まれる電解質膜の状態を判定する機能ブロックである。記憶部850は、発電制御部830がその制御動作に利用する発電制御情報850aや、膜状態判定部840がその判定動作に利用する膜状態判定情報850bを記憶する機能ブロックであり、書き換え可能な不揮発性のメモリにより構成される。
通知部860は、膜状態判定部840の判定結果に基づいて、後述するように、電解質膜の交換時期に関する情報を通知する。
A2.膜状態判定:
A2.1.膜状態判定の概念:
まず、燃料電池のリフレッシュ動作による回復電圧と電解質膜中の分子量維持率との関係、電解質膜中の分子量維持率と電解質膜の破断伸度維持率との関係、および、回復電圧と燃料電池セルの交換時期との関係について説明する。図2は、燃料電池のリフレッシュ動作による回復電圧と電解質膜中の分子量維持率との関係について試験した結果、および、電解質膜中の分子量維持率と膜の破断伸度維持率との関係について試験した結果を示す説明図である。図3は、回復電圧と燃料電池セルの交換残時間との関係について示す説明図である。
(1)燃料電池のリフレッシュ動作による回復電圧と電解質膜中の分子量維持率との関係について
以下のようにして、燃料電池のリフレッシュ動作による回復電圧と電解質膜中の分子量維持率との関係について求めた。
[MEA作製]
炭化水素系電解質膜を用意し、この電解質膜の両面上に電極用インクをスプレー塗布してアノード電極およびカソード電極を形成し、さらに、両電極上に拡散層を熱圧着させて、複数のMEAを作製した。なお、電極用インクとしては、Ptを含む電極触媒とプロトン伝導性を有する電解質からな溶液を用いることができる。また、拡散層としては、カーボンペーパーやカーボンクロス等を用いることができる。
[耐久試験]
上記複数のMEAを用いて、温度80℃、アノード露点45℃、カソード露点55℃の低加湿条件として、非発電(OCV)と発電(0.1A/cm)のサイクル試験を繰り返す耐久試験を行った。サイクル試験時間としては、約200時間から500時間とした。
[リフレッシュ動作(電圧回復動作)]
サイクル試験時間をパラメータとして耐久試験を行った各MEAについて、温度80℃、アノード露点45℃、カソード露点55℃の低加湿条件として、1.6A/cmの発電電流における電圧値(回復動作前電圧)を測定した。次に、温度40℃、アノードおよびカソード無加湿条件、アノードストイキ/カソードストイキ=1.2/1.5とし、1.0A/cmの発電電流による発電を15分間保持するリフレッシュ動作を実行した。その後、再度温度80℃、アノード露点45℃、カソード露点55℃の低加湿条件として、1.6A/cmの発電電流における電圧値(回復動作後電圧)を測定した。そして、回復動作後電圧と回復動作前電圧との差からサイクル試験時間ごとの回復電圧を求めた。
[分子量測定]
サイクル試験時間をパラメータとして耐久試験を行った各MEAについて、エタノールを含ませたウェスを用いて触媒電極を払拭除去し、さらに、電解質膜内の金属イオン除去のために、電解質膜を0.1mol/lの塩酸(HCl)に一晩浸した。その後、取り出した電解質膜を調純粋で洗浄し乾燥させた後、GPC法を用いて電解質膜の分子量を測定し、サイクル試験時間ごとの電解質膜の分子量維持率を求めた。なお、分子量維持率は、電解質膜の初期状態における電解質の機能を有する分子量に対する、耐久試験の後において、電解質膜中に存在している電解質の機能を有する分子量の割合を示している。
[回復電圧と電解質膜中の分子量維持率との関係の試験結果]
リフレッシュ動作(電圧回復動作)により求めたサイクル試験時間ごとの回復電圧と、分子量測定により求めたサイクル試験時間ごとの分子量維持率との関係をプロットしたところ、図2(a)に示すような顕著な相間関係があることがわかった。具体的には、回復電圧と分子量維持率との間には反比例の関係があることがわかった。
(2)電解質膜中の分子量維持率と電解質膜の破断伸度維持率との関係について
[フェントン試験]
上記MEAに使用した炭化水素系電解質膜を複数用意し、4ppmの塩化鉄と3%の過酸化水素(H)を含む水溶液に浸して、60℃から80℃の複数の温度で2時間加熱するフェントン試験を実施した。
[分子量測定]
フェントン試験を行った各電解質膜について、それぞれGPC法を用いて分子量を測定して、各温度ごとの分子量維持率を求めた。
[引張試験]
フェントン試験を行った各電解質膜について、機械特性の変化を把握するために、80℃80%RH条件下で引張試験を行い、各温度ごとの破断伸度維持率を求めた。
[電解質膜中の分子量維持率と電解質膜の破断伸度維持率との関係の試験結果]
フェントン試験により求めた、各温度ごとの分子量維持率と、各温度ごとの破断伸度維持率との関係は、図2(b)のようになることがわかった。すなわち、電解質膜の酸化劣化が分子量維持率30%前後まで進行すると、電解質膜の破断伸度維持率が20%程度まで減少する。このように、電解質膜の破断伸度維持率が20%以下となると、電解質膜の破断の可能性が大きく、これに伴い発電不能状態に陥る可能性が大きいと考えられる。
(3)膜破断・セル交換の閾値について
以上説明した、[回復電圧と電解質膜中の分子量維持率との関係の試験結果]および[電解質膜中の分子量維持率と電解質膜の破断伸度維持率との関係の試験結果]から、炭化水素系電解質膜の分子量維持率30%を電解質膜の破断閾値であり、セル交換の閾値と設定することができると考える。そして、この分子量維持率30%に対応する回復電圧を電解質膜の破断およびセル交換の閾値電圧Vthと設定するものとした。
(4)回復電圧と燃料電池セルの交換時期との関係について
各回復電圧の状態から、それぞれ回復電圧が閾値電圧Vthとなるまでの耐久試験を行うことにより、図3に示すように、そのサイクル試験時間を交換残時間Tcとして求めることができる。
以上説明した、電解質膜の破断およびセル交換の閾値に対応する回復電圧の閾値Vth、および、回復電圧と交換残時間Tcとの関係を用いることにより、以下で説明するように、電解質膜の膜状態を把握して、燃料電池セルの交換時期を判定し、また、燃料電池セルの交換までの残時間(「電解質膜の余寿命」とも呼ぶ)を予測することが可能となる。
A2.2.膜状態判定処理:
以上説明した試験結果を基に、本例の燃料電池システム10では、システム制御部800の膜状態判定部840が、以下で説明する電解質膜の膜状態判定を実行する。図4は、膜状態判定の手順を示すフローチャートである。
まず、膜判定開始タイミングとなるまで待機する(ステップS10)。膜判定開始タイミングか否かの判断は、例えば、1000km走行毎や、運転時間500時間毎のように、走行距離や経過時間を計測することにより判断することができる。なお、回復電圧から回復動作前の電圧まで戻る時間よりも前に回復動作を行っても回復電圧の高精度な測定は困難な場合がある。そこで、回復電圧が回復動作前の電圧に戻るまでの時間を十分に考慮して、膜状態判定間隔を設定することが好ましい。
膜判定開始タイミングにおいては、燃料電池のリフレッシュ動作、すなわち、電圧回復動作を実行する(ステップS20)。具体的には、例えば、上記したリフレッシュ動作(電圧回復動作)と同様に、加熱装置500および冷却装置400を制御して燃料電池100の温度を40℃、アノードガス給排系200の加湿調整部230およびカソードガス給排系300の加湿調整部340を制御して、アノードガスおよびカソードガスを無加湿条件とするとともに、アノードガス給排系200の流量調整部220およびカソードガス給排系300の流量調整部330を制御して、アノードストイキ/カソードストイキ=1.2/1.5とし、電力制御用負荷720に対して1.0A/cmの発電電流を15分間出力することにより、実行される。
そして、電圧回復動作後の回復電圧Vrを測定し(ステップS30)、回復電圧Vrが閾値電圧Vth以上となっているか否か判断する(ステップS40)。回復電圧Vrが閾値電圧Vth以上となっていた場合には、その電解質膜を含む燃料電池セルは電解質膜の破断に伴う発電不能状態となる可能性が大きいと考えられるため、燃料電池セルの交換時期と判定し、通知部860によりこれを通知する(ステップS50)。一方、回復電圧Vrが閾値電圧Vth未満であった場合には、まだ、燃料電池セルの交換時期ではないと判定するとともに、図3に示した、回復電圧と交換残時間との関係から、交換残時間Tcを求めて、通知部860によりこれを通知する(ステップS60)。なお、閾値電圧Vthや回復電圧と交換残時間との関係の情報は、あらかじめ記憶部850に膜状態判定情報850bとして記憶されている。
そして、燃料電池システムに運転の停止されるまで(ステップS70)、この膜状態判定の処理は繰り返される。
以上のようにして、燃料電子システムの運転が停止されるまで膜状態判定処理が繰り返し実行される。
A2.3.膜状態判定の効果:
以上説明したように、本実施例の燃料電池システム10においては、電解質膜の破断およびセル交換の閾値に対応する回復電圧の閾値Vth、および、回復電圧と交換残時間Tcとの関係を用いることにより、燃料電池のリフレッシュ動作(電圧回復動作)による回復電圧における電解質膜の膜状態を把握して、燃料電池セルの交換時期を判定し、また、燃料電池セルの交換までの残時間(電解質膜の余寿命)を予測することが可能となる。また、本実施例の場合には、従来のような装置を別途用意し、メンテナンスの機械を設ける必要がないので、移動体に燃料電池システムを搭載する上で有利である。
B.第2実施例:
B1.システム構成:
図5は、第2実施例としての燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。この燃料電池システム10Bは、システム制御部800の発電制御部830Bの膜状態判定部830Bの動作が異なる点、これに応じて、電力出力制御部710を介して二次電池750が設けられている点が、異なっているのみであり、他の各要素の動作は、第1実施例の燃料電池システム10と基本的に同じである。そこで、本実施例では、上記相違点について関係する点についてのみ説明を加えることとする。
B2.寿命改善発電制御:
B2.1.寿命改善発電制御の概念:
図6は、電解質膜中の分子量低下率と発電電流密度との関係を調べた結果を示す説明図である。図6に示すように、0.6A/cm以上の高負荷で燃料電池の発電を実行すると、電解質膜中の分子量の低下がほとんど発生せず、電解質膜の劣化を抑制することができることがわかった。
ただし、実際の燃料電池システムの使用環境下においては、運転時において要求される電力出力が、常時0.6A/cm以上であるとは限らない。例えば、自動車のような移動体の場合、渋滞時の低速運転時や、信号の多い都市部での運転時には、0.6A/cmより少ない発電量で十分な場合がある。このような場合においても、常に0.6A/cm以上で発電し、余剰発電分を無駄な電力として消費するのはエネルギー利用効率上好ましくない。
そこで、本実施例では、燃料電池に加えて二次電池750を備える構成とし、燃料電池100と二次電池750を用いて出力エネルギー(電力)の供給の分配を行うことが考えられる。図7は、要求出力とその出力を発生する発生源(パワーソース)との関係を示すエネルギー分配イメージ図である。例えば、電解質膜の状態が良好な間は、通常の燃料電池による発電制御を実行しておく。しかしながら、電解質膜の劣化状態が破断,発電不能状態となる可能性の大きい閾値に近い状態となった場合には、図7に示すように、要求出力が0.6A/cmよりも少ない場合には、二次電池750から出力電力を供給し、要求出力が0.6A/cm以上の場合には、燃料電池100が発電して出力電力を供給すればよい。また、二次電池750の蓄電容量が不足している場合には、燃料電池100が発電して二次電池750への充電用電力の供給および要求出力の供給を実行すればよい。
B2.2.寿命改善発電制御処理:
以上説明した寿命改善発電制御の概念に基づいて、システム制御部800の発電制御部830Bが、以下で説明する寿命改善発電制御を実行する。図8は、発電制御部で実行される寿命改善発電制御の手順を示すフローチャートである。
まず、寿命改善運転を開始するか否か判断する(ステップS110)。この判断は、例えば、第1実施例で求めた回復電圧Vrが閾値電圧Vthに対してあらかじめ設定した寿命改善運転範囲Rc、例えば、閾値電圧Vthに対して5%の範囲、10%の範囲などの範囲内となった場合に、寿命改善運転開始と判断することができる。ただし、これに限定するものではなく、種々の方法で寿命改善運転範囲Rcを設定することができる。ただし、燃料電池の燃費を考慮するならば、この寿命改善運転範囲Rcは狭いほうが好ましい。一方、より寿命改善効果を考慮するならば、この寿命改善運転範囲Rcは広いほうが好ましい。どのように設定するかは、種々の使用条件等を考慮して適宜決定すればよい。
回復電圧Vrが寿命改善運転範囲Rc内ではなく、十分通常運転が可能な場合には、通常の動作条件で燃料電池100の発電制御を実行し(ステップS120)、運転停止と判断されない場合には(ステップS130)、ステップS110に戻って発電制御処理を繰り返し実行する。
回復電圧Vrが寿命改善運転範囲Rc内であった場合には、駆動系900を駆動するのに必要な要求出力を設定し(ステップS140)、要求出力が0.6A/cm以上必要であるか判断する(ステップS150)。
駆動系900を高負荷、すなわち、0.6A/cm以上で駆動する必要がある場合には、燃料電池100で必要な電力を発電させ、電力出力制御部710を介して駆動系900に供給し(ステップS160)、運転停止と判断されない場合には(ステップS200)、ステップS110に戻って発電制御処理が繰り返し実行する。
駆動系900を高負荷、すなわち、0.6A/cm以上で駆動する必要がない場合には、二次電池750のバッテリー容量が十分で駆動系900を駆動可能か判断する(ステップ170)。
二次電池750のバッテリー容量が駆動系900を十分駆動可能な場合には、二次電池750が電力出力制御部710を介して駆動系900に電力を供給し(ステップS180)、運転停止と判断されない場合には(ステップS200)、ステップS110に戻って発電制御処理を繰り返し実行する。
一方、二次電池750のバッテリー容量が駆動系900を駆動するには十分でない場合には、燃料電池100で少なくとも0.6A/cmの発電を実行させ、電力出力制御部710を介して駆動系900に電力を供給するとともに、余剰電力を電力出力制御部710を介して二次電池750に充電する(ステップS190)。そして、運転停止と判断されない場合には(ステップS200)、ステップS110に戻って発電制御処理を繰り返し実行する。
以上のようにして、燃料電池システムの運転が停止されるまで、通常の発電制御および寿命改善発電制御の処理が繰り返される。
B2.3.寿命改善発電制御の効果:
以上説明したように、本実施例の燃料電池システム10Bにおいては、第1実施例の燃料電池システム10と同様に、電解質膜の破断およびセル交換の閾値に対応する回復電圧の閾値Vth、および、回復電圧と交換残時間Tcとの関係を用いることにより、燃料電池のリフレッシュ動作(電圧回復動作)による回復電圧における電解質膜の膜状態を把握して、燃料電池セルの交換時期を判定し、また、燃料電池セルの交換までの残時間(電解質膜の余寿命)を予測することが可能となる。また、本実施例の場合には、従来のような装置を別途用意し、メンテナンスの機械を設ける必要がないので、移動体に燃料電池システムを搭載する上で有利である。
さらにまた、本実施例の燃料電池システム10Bにおいては、電解質膜の劣化が顕著となり、電解質膜の破断により発電不能状態となる可能性が大きい電解質膜の破断およびセル交換の閾値に対応する回復電圧の閾値Vthに回復電圧が近くなった際に、電解質膜の寿命を改善するように燃料電池の発電を制御することができるので、電解質膜の寿命を改善することが可能であり、セル交換の時期を延ばすことが可能となる。
B2.4.他の実施例:
ここで、上記のように、燃料電池100を0.6A/cm以上で運転させた場合において、駆動系900に必要な電力以外の余剰電力を二次電池に充電させしてもなお、余剰電力を吸収しきれない場合には、例えば、駆動系900の電動モータ910の回転数を高めて、電力を消費させることが考えられる。例えば、ギアボックス950のギアを変更してモータの回転数を上昇させて消費電力を増加させるようにしてもよい。また、ギアボックス950において、ドライブシャフト920と車軸930との接続を切って、車輪940への動力伝達を遮断させて、電動モータ910のみを余剰電力で空転させるようにしてもよい。さらにまた、電動モータ910の回転数を高めて消費させるのではなく、電力制御用負荷720で余剰電力を消費させるようにしてもよい。
C.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、負荷的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
上記実施例では、自動車のような移動体に燃料電池システムを搭載した場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、設置型の固体高分子型燃料電池システムを用いた発電装置であれば、どのような発電装置においても適用可能である。
上記実施例では、炭化水素系固体高分子電解質膜を用いた燃料電池の場合を例に説明したが、これに限定するものではなく、フッ素系固体高分子電解質膜等の他の種々の個体高分子電解質膜を用いた燃料電池の場合にも適用可能である。ただし、本発明によれば、フッ素系電解質膜に比べて安価な炭化水素系電解質膜の燃料電池への適用が容易になり、低コスト化に有利である。
10,10B…燃料電池システム
100…燃料電池
110…燃料電池セル
120…セル電圧モニター
200…アノードガス給排系
210…水素供給源
220…流量調整部
230…加湿調整部
240…背圧調整バルブ
270a〜270e…配管
280…露点計
290…圧力計
300…カソードガス給排系
310…吸気口
320…コンプレッサ
330…流量調整部
340…加湿調整部
350…背圧調整バルブ
360…排気口
370a〜370f…配管
380…露点計
390…圧力計
400…冷却装置
410a、410b…配管
420…温度計
500…加熱装置
600…モニター切替部
700…電力出力系
710…電力出力制御部
720…電力制御用負荷
750…二次電池
800…システム制御部
810…動作制御部
820…モニター制御部
830…発電制御部
830B…発電制御部
840…膜状態判定部
850…記憶部
850a…発電制御情報
850b…膜状態判定情報
860…通知部
900…駆動系
910…電動モータ
920…ドライブシャフト
930…車軸
940…車輪
950…ギアボックス

Claims (6)

  1. 燃料電池の各燃料電池セルの構成要素である電解質膜の状態を判定することが可能な燃料電池システムであって、
    前記燃料電池セルのアノードに燃料ガスを供給するアノードガス供給系と、
    前記燃料電池セルのカソードに酸化ガスを供給するカソードガス供給系と、
    前記燃料電池セルの電圧を測定するセル電圧モニター部と、
    前記燃料電池セルの前記電解質膜の状態を判定する膜状態判定部、を含む制御部と、を備え、
    前記膜状態判定部は、
    あらかじめ定められた膜状態判定タイミングにおいて、あらかじめ設定された電圧回復動作条件で、前記アノードガス供給系と、前記カソードガス供給系と、前記出力制御部と、前記セル電圧モニター部の動作を制御して前記燃料電池セルを発電させることにより前記燃料電池セルの電圧を回復させる電圧回復動作を実行させて、前記電圧回復動作の前の電圧と前記電圧回復動作の後の電圧の差である回復電圧を測定し、
    前記電解質膜の初期状態における前記電解質の機能を有する分子量に対する、前記回復電圧が測定される際に前記電解質膜中に存在している前記電解質の機能を有する分子量の割合を示す分子量維持率と回復電圧との関係に基づいて、前記測定した回復電圧に対応する前記燃料電池セルの電解質膜の劣化状態を判定する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記膜状態判定部は、あらかじめ設定されている回復電圧と燃料電池セルの交換時期までの残時間との関係に基づいて、前記測定した回復電圧に対応する前記燃料電池セルの交換時期までの残時間を推定し、前記残時間を通知する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムであって、
    前記膜状態判定部は、前記測定した回復電圧が、前記電解質膜が不可逆的変化を引き起こす目安となる前記分子量維持率の閾値に対応する前記回復電圧の閾値を超えた場合に、少なくとも、交換時期を通知する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、
    前記測定した回復電圧が前記回復電圧の閾値よりも低い所定の基準値から前記回復電圧の閾値までの範囲内にあるような前記電解質膜の劣化状態である場合において、要求される出力が所定の高負荷条件に対応する出力以上である場合には、前記要求される出力に対応する条件で発電させる
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項4に記載の燃料電池システムであって、
    さらに、二次電池を備え、
    前記制御部は、
    前記測定した回復電圧が前記回復電圧の閾値よりも低い所定の基準値から前記回復電圧の閾値までの範囲内にあるような前記電解質膜の劣化状態である場合において、
    要求される出力が所定の高負荷条件に対応する出力よりも小さい場合で、かつ、前記要求される出力に対して前記二次電池の蓄電容量が十分である場合には、前記二次電池から前記要求される出力に対応する電力を出力させ、
    要求される出力が所定の高負荷条件に対応する出力よりも小さい場合で、かつ、前記要求される出力に対して前記二次電池の蓄電容量が不十分である場合には、前記燃料電池を少なくとも前記所定の高負荷条件で発電させて、前記要求される出力に対応する電力を出力させるとともに、余剰電力を用いて前記二次電池を蓄電させる
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  6. 燃料電池の各燃料電池セルの構成要素である電解質膜の状態を判定する燃料電池システムの判定方法であって、
    あらかじめ定められた膜状態判定タイミングにおいて、あらかじめ設定された電圧回復動作条件で前記燃料電池セルを発電させることにより前記燃料電池セルの電圧を回復させる電圧回復動作を実行させる工程と、
    前記電圧回復動作の前の電圧と前記電圧回復動作の後の電圧の差である回復電圧を測定する工程と、
    前記電解質膜の初期状態における前記電解質の機能を有する分子量に対する、前記回復電圧が測定される際に前記電解質膜中に存在している前記電解質の機能を有する分子量の割合を示す分子量維持率と回復電圧との関係に基づいて、前記測定した回復電圧に対応する前記燃料電池セルの電解質膜の劣化状態を判定する工程と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システムの判定方法。
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