JPWO2012115094A1 - 光電変換素子 - Google Patents

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輝昌 下山
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Abstract

半導体層及び光増感剤(色素)を含む半導体電極、対電極ならびに半導体電極と対電極との間に設けられた電解質層を有する光電変換素子であって、電解質層中に水と、水に対する親和性が異なる少なくとも2種類の環状ニトロキシルラジカル化合物を含有する。

Description

本発明は色素増感太陽電池や光センサーなどに使用できる光電変換素子に関するものである。
従来、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子として、種々の太陽電池が提案されている。係る太陽電池の中で色素増感太陽電池は、1991年にスイスのローザンヌ工科大学のグレッツェルらによって開発されたものであり、一般に、導電性基材上に色素を吸着した半導体からなる光電変換層を持つ半導体電極と、該半導体電極に相対向して設けられた導電性基材からなる対極と、これら半導体電極と対極との間に保持された電解質層(電荷輸送層)とを備えてなる。
色素が吸着された半導体層を有する半導体電極、電解質層、対電極などから形成される光電変換素子は、色素増感太陽電池などのエネルギーデバイスや、光センサーなどへの応用が期待されている。その中でも色素増感太陽電池は、有機系太陽電池の中で高変換効率を示すため、広く注目されている。この色素増感太陽電池で用いられている光電変換材料からなる半導体層には、半導体表面に可視光領域に吸収を持つ分光増感色素を吸着させたものが用いられている。
従来、上記電解質層は、半導体電極と対極との間に、有機溶媒にヨウ素/ヨウ化物イオンが溶解した電解液を注入することにより形成されていた。このため、溶媒の揮発による電解液の組成の変化が起こり、長期安定性に問題を生じる可能性があった。また、有機溶媒を含む電解質では、非水環境下、好ましくは脱水状態で、製造工程を実施しなければならず、それゆえに、製造工程が煩雑化し、また、環境整備に要する製造コストが増加するという問題があった。加えて、有機溶媒が色素増感太陽電池から液漏れした場合には、有機溶媒の揮発による環境汚染を引き起こし得る問題があり、その上さらに、引火又は爆発するおそれが潜在的にある。
それらの危険性を考えると、電解液を構成する主たる溶媒が有機溶媒ではない水系の電解質の開発が切望されている。そこで、有機溶媒を水に代える発明はこれまでに多く開示されている。特許文献1及び2には、有機溶媒を含まない電解質、具体的には、ヨウ化リチウム、ヨウ素及び水を含む電解液が提案されており、これを用いることで、0.7V程度の起電力が得られることが記載されている。しかし、溶媒を有機系から水系に代えると出力が低くなる傾向にあった。
また近年、非特許文献1には、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(TEMPO)ラジカルをヨウ素/ヨウ化物イオンの代わりとする電解液が提案されている。グレッツェルらはTEMPOラジカルのレドックス反応を用いることを提唱したが、同時に劇物の試薬であるニトロソニウム テトラフルオロボレート(NOBF)を添加しなければ動作しないため、安全に取り扱うことができないという問題があった。特許文献3から特許文献6には、環状ニトロキシルラジカル化合物を電解質に用いる色素増感太陽電池が開示されている。
特開2003−308889号公報 特開2003−308890号公報 特開2009−021212号公報 特開2009−076369号公報 特開2009−098225号公報 特開2010−205704号公報
Z. Zhang, P. Chen, T. N. Murakami, S. M. Zakeeruddin, M. Gratzel, Adv. Funct. Mater. 2008, 18, 341.
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、有機溶媒にヨウ化物イオンが溶解した電解質を用いる代わりに、水と環状ニトロキシルラジカル化合物を同時に含む電解質を用いることで、高出力が可能な水系の電解質を有する光電変換素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明に係る光電変換素子は、
光増感剤と半導体層を含む半導体電極と、
対電極と、
前記半導体電極と前記対電極との間に設けられた電解質層と、
を含み、前記電解質層中に水と、水に対する親和性が異なる少なくとも2種の環状ニトロキシルラジカル化合物とを同時に含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、光増感剤と半導体層を有する半導体層電極と、対電極と、両者間の電荷輸送を行う電解質層とを有する光電変換素子において、電解質として、溶媒である水への親和性の異なる少なくとも2種類の環状ニトロキシルラジカルを含有することにより、有機溶媒系の電解質が抱える問題を解決でき、かつ従来の水系電解質に較べて、高効率な光電変換素子を提供できる。
本発明の一実施形態に係る光電変換素子の基本構造を示す模式断面図。 実施例6で得られた光電変換素子のI−V曲線。
本発明の光電変換素子は、半導体電極と、対極と、両極間に保持された電解質層とを備えてなるものである。好ましくは、導電性基材上に光増感剤(特に色素)を吸着した半導体(例えばn型半導体)からなる光電変換層を持つ半導体電極と、該半導体電極に相対向して設けられた導電性基材からなる対極と、これら半導体電極と対極との間に保持された電解質層とを備えてなる色素増感型光電変換素子である。
以下、この光電変換素子の各構成要素について詳述する。
1.半導体電極
半導体電極は、例えば、導電性基板と、その上の形成された半導体層とからなる。半導体層には、光増感剤として機能する色素が吸着されている構造を有する。
1−1.導電性基板
導電性基板は、基板自体が導電性を有しているものであってよく、絶縁性基板上に導電層を形成することによって基板に導電性を持たせたものであってもよい。基板としては、例えば、ガラス基板、プラスチック基板、金属板などが挙げられ、中でも透明性の高い基板(透明基板)が特に好ましい。基板に形成される導電層の種類は、特に限定されるものではないが、例えばITO、FTO、SnOなどの透明導電層が好ましい。導電層の作製方法及び膜厚などは、適宜選択することができるが、1nm〜5μm程度のものを用いることができる。
1−2.半導体層
1−2−1.半導体層の材料・構造
半導体層を構成する半導体材料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウムなどの公知の半導体が挙げられる。これらの半導体材料は2種類以上を混合して用いることもできる。これらの中でも、変換効率、安定性、安全性の点から酸化チタンが特に好ましい。このような酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの種々の酸化チタン、含酸化チタン複合体などが挙げられる。その中でもアナターゼ型酸化チタンであることが好ましい。
半導体層の形状としては、半導体微粒子などを焼結することにより得られる多孔性半導体層、ゾル−ゲル法、スパッタ法、スプレー熱分解法などにより得られる薄膜状半導体層などが挙げられ、その他繊維状半導体層や針状晶からなる半導体層など光電変換素子の使用目的に応じて、適宜選択することができる。
本発明の半導体層としては、色素吸着量などの観点から、多孔性半導体層、針状晶からなる半導体層など比表面積の大きな半導体層が好ましい。半導体微粒子の粒径により入射光の利用率などを調整できる観点から、半導体微粒子から形成される多孔性半導体層が好ましい。
また、半導体層は、単層であっても多層であってもよい。多層にすることによって、十分な厚さの半導体層を容易に形成することができる。また、多孔性の多層半導体層は、平均粒径の異なる半導体微粒子層からなってもよい。例えば、光入射側に近い方の半導体層(第1半導体層)を構成する半導体微粒子の平均粒径を、遠い方の半導体層(第2半導体層)より小さくすることにより、第1半導体層で多くの光を吸収させ、第1半導体層を通過した光は、第2半導体層で散乱させて第1半導体層に戻して第1半導体層で吸収させることにより、全体の光吸収率を向上させることができる。半導体層の膜厚は、特に限定されるものではないが、透過性、変換効率などの観点より、0.5〜45μm程度が望ましい。
半導体層の比表面積は、多量の色素を吸着させるために、10〜200m/gが好ましい。また色素を吸着させるため、及び電解質中のイオンが十分に拡散して電荷輸送を行うためには空隙率は40〜80%が好ましい。なお、空隙率とは、半導体層の体積の中で、半導体層中の細孔が占める体積の割合を%で示したものとする。
1−2−2.半導体層の形成方法
次に、上記半導体層の形成方法について、多孔性半導体層を例にとって説明する。多孔性半導体層は、例えば、半導体微粒子を高分子などの有機化合物及び分散剤と共に、有機溶媒や水など分散媒に加えて懸濁液を調製し、この懸濁液を導電性基板上に塗布し、これを乾燥、焼成することによって形成することができる。
半導体微粒子と共に分散媒に有機化合物を添加しておくと、焼成時に有機化合物が燃焼して多孔性半導体層内に隙間を確保することが可能となる。また焼成時に燃焼する有機化合物の分子量や添加量を制御することで空隙率を変化させることができる。なお、有機化合物の種類や量は、使用する微粒子の状態、懸濁液全体の総重量等により適宜選択し調整することができる。ただし、半導体微粒子の割合が懸濁液全体の総重量に対して10wt%以上のときは、作製した膜の強度を充分に強くすることができ、半導体微粒子の割合が懸濁液全体の総重量に対して40wt%以下であれば、空隙率が大きな多孔性半導体層を得ることができるため、半導体微粒子の割合は懸濁液全体の総重量に対して10〜40wt%であることが好ましい。
上記半導体微粒子としては、適当な平均粒径、例えば1nm〜500nm程度の平均粒径を有する単一または化合物半導体の粒子などが挙げられる。その中でも比表面積を大きくするという点から1〜50nm程度の平均粒径のものが望ましい。また入射光の利用率を高めるという点から、200〜400nm程度の平均粒径の大きな半導体粒子を添加してもよい。
半導体微粒子の製造方法としては、水熱合成法などのゾル−ゲル法、硫酸法、塩素法などが挙げられ、目的の微粒子を製造できる方法であればどのような方法を用いてもよいが、結晶性の観点より、水熱合成法により製造することが好ましい。
有機化合物は、懸濁液中に溶解し、焼成するときに燃焼して除去できるものであれば何れも用いることができる。例えば、ポリエチレングリコール、エチルセルロース等の高分子が挙げられる。懸濁液の分散媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグライム系溶媒、イソプロピルアルコール等のアルコール系、イソプロピルアルコール/トルエン等の混合溶媒、水等が挙げられる。
懸濁液の塗布方法としては、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法等公知の方法が挙げられる。その後、塗膜の乾燥、焼成を行う。乾燥と焼成の条件は、大気下又は不活性ガス雰囲気下、50〜800℃程度の範囲内で、10秒から12時間程度が挙げられる。この乾燥及び焼成は、単一の温度で1回又は温度を変化させて2回以上行うことができる。
なお、ここでは、多孔性半導体層の形成方法について詳述したが、他の種類の半導体層も種々の公知の方法を用いて形成することができる。
1−3.光増感剤として機能する色素
本発明において、光増感剤として色素を用いることができる。光増感剤として機能する色素(以下、単に「色素」と記す。)は、種々の可視光領域及び赤外光領域に吸収を持つものであって、半導体層に強固に吸着させるために、色素分子中にCOOH基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有するものが好ましい。この中でもCOOH基を有するものが特に好ましい。
インターロック基は、励起状態の色素と半導体の導電帯との間の電子移動を容易にする電気的結合を供給するものである。これらインターロック基を含有する色素としては、例えば、ルテニウム金属錯体色素(ルテニウムビピリジン系金属錯体色素、ルテニウムターピリジン系金属錯体色素、ルテニウムクォーターピリジン系金属錯体色素など)、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素、クマリン系色素などが挙げられる。その中でも有機色素が好ましい。
半導体層に色素を吸着させる方法としては、例えば基板上に形成された半導体層を、色素を溶解した溶液に浸漬する方法が挙げられる。色素を溶解するために用いる溶媒は、エタノールなどのアルコール系、アセトンなどのケトン系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルなどの窒素化合物、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。またこれらの溶媒は2種類以上を混合して用いてもよい。
溶液中の色素濃度は、使用する色素及び溶媒の種類は適宜調整することができ、吸着機能を向上させるためにはある程度高濃度である方が好ましい。例えばm5×10−5mol/L以上の濃度とすることができる。
色素を溶解した溶液中に半導体を浸漬する際、溶液及び雰囲気の温度、並びに圧力は特に限定されるものではなく、例えば室温程度、かつ大気圧下が挙げられ、浸漬時間は使用する色素、溶媒の種類、溶液の濃度などにより適宜調整することができる。なお、効果的に行うには加熱下にて浸漬を行えばよい。これにより、半導体層に色素を吸着させることができる。
また色素を吸着する際に、色素及びその吸着状態や、多孔性半導体層を構成するTiO等の微粒子表面などを制御するために、色素を溶解した溶液にデオキシコール酸(Deoxycholic Acid)やグアニジンチオシアナート(Guanidine Thiocyanate)、tert−ブチルピリジン、エタノールなどの有機化合物を加えてもよい。
光増感剤として、色素ではなく、半導体微粒子、いわゆる量子ドットを用いることもできる。
2.対電極
対電極としては、支持基板上に白金等の金属触媒やカーボンの膜が存在するものなどが挙げられる。特に、白金であることが好ましい。これらの膜厚は触媒機能を発現できる厚さであればよく、1〜2000nm程度が望ましい。支持基板としてはガラスや高分子フィルム、金属板(箔)などが挙げられる。特に抵抗値を低下させるために、支持基板としては導電性基板が好ましい。また対電極は、半導体電極と同一基板上に形成しても良い。この場合、絶縁性基板上に導電層を形成し、対電極と半導体電極の間の導電層をレーザースクライブなどにより切断するなどにより、同一基板上に二つ以上の電極を形成することができる。
3.電解質層
3−1 環状ニトロキシルラジカル化合物
本発明では、電解質層中に水と、水に対する親和性が異なる少なくとも2種類の環状ニトロキシルラジカル化合物を含む。本発明における「環状ニトロキシルラジカル化合物」とは、ニトロキシリルラジカル(=N−O・)を構成する窒素原子を環構成原子として含む化合物である。環構造としては、5〜7員環が好ましく、特にピペリジノキシルラジカル環構造を有するニトロキシルラジカル化合物が好ましい。少なくとも2種類の環状ニトロキシルラジカル化合物を含むことは、単に、種類が増えただけの効果ではない。すなわち、窒素を含む複素環が異なる少なくとも2種類のニトロキシルラジカルそれぞれが、異なる濃度で酸化還元種として作用することを意味する。そこで、少なくとも2種類のニトロキシルラジカルの溶媒(本発明の場合には水)に対する性質・特性の違いを有する場合には、溶媒中での役割を分けることが可能となり、これまでに開示されている発明とは根本的に異なる効果が期待できる。
本発明は、水に対する親和性が異なる少なくとも2種類のニトロキシルラジカルを用いる。水に対する親和性の違いから、それぞれのラジカルの水に対する位置関係が異なる。すなわち、水に対する親和性が乏しいラジカル(以下、疎水性ラジカルともいう)は電解質の溶媒である水の表面近くに集まろうとする傾向があり、水に対する親和性に優れるラジカル(以下、親水性ラジカルともいう)は、電解質の比較的内部に集中する。このような電解質における存在位置の違いは、それぞれのラジカルの機能を分けることが可能となる。
電解質は半導体電極の半導体層の細孔内部に存在し、電解質の表面は理想的には半導体層に吸着している色素に接触している。そこで、疎水性ラジカルは主に、色素から電荷のやり取り、すなわち、色素に電子を渡す働きをする。それに対して親水性ラジカルは、主に電解液の内部に存在し、電解液内部で電子を対極から疎水性ラジカルにまで運ぶ。このように、ラジカルの役割を分け、それに適したラジカルを選択することにより、光電変換素子の効率を向上できると共に、溶媒が水になることにより、背景技術に示した問題点を改善でき、耐久性の向上が可能となる。
疎水性ラジカルとは親水性ラジカルに対して、水に対する溶解度が低いことである。そこで、一般的には、限界の溶解量よりも多くを水に溶かすことはできない。しかし、親水性ラジカルと混合して、水に溶解させると疎水性ラジカルをその限界量よりも多く溶かすことができる場合がある。この性質を利用すれば、表面近くに存在する酸化還元種であるラジカル種を増やす結果となり、効率よく電子を色素に渡すことができるようになる。このような効果も効率向上に寄与していると考えられる。
以上の考察が示すように本発明は、溶媒を水とする電解質において、水に対する親和性の違い(親水性と疎水性の違い)を利用している。この基本的な原理は、電解質を構成する主たる溶媒に対する親和性の違いを利用することに拡げることができる。よって溶媒が有機溶媒であっても、その有機溶媒に対する親和性の違いを利用することにより同様な効果が発揮されると推察される。
本発明においては、電解質は液体状が望ましいが、固体状又はゲル状であってもよい。ここで、固体状の電解質とは、上記ニトロキシルラジカル化合物で形成された固体電解質である。ゲル状の電解質とは、ニトロキシルラジカルのポリマーにより形成された網目構造体を含む電解質である。なお、ニトロキシルラジカルを有するポリマーは有機溶媒若しくは水に不溶な架橋構造であっても使用できる可能性はある。
本発明の光電変換素子において、前記電解質層中に下記一般式(1)で表される環状ニトロキシルラジカル化合物及び下記一般式(2)で表される環状ニトロキシルラジカル化合物から選択される水に対する親和性が異なる少なくとも2種の環状ニトロキシルラジカルを同時に有することが好ましい。
Figure 2012115094
(上記一般式(1)において、Aは、窒素を含む5〜7員の複素環を構成する2価の基であって、疎水性の置換基を有してもよい。R、R、R、Rは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を示す。)
Figure 2012115094
(一般式(2)において、Bは、窒素を含む5〜7員の複素環を構成する2価の基であって、親水性の置換基を有する。R、R、R、Rはそれぞれ異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示す。)
上記一般式(1)及び(2)において、A,Bで表される2価の基としては、ニトロキシルラジカルの窒素原子と共に窒素を含む5〜7員の複素環を構成する基であり、炭素数2〜4のアルキレン基あるいはアルケニレン基を例示することができる。また、アルキレン基の炭素原子の一部が酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子で置き換わったものでも良い。アルキレン基の各炭素原子には置換基を有していても良く、一般式(1)においては、疎水性の置換基、例えば脂肪族基、芳香族基等を有していても良い。一方、一般式(2)では親水性の置換基を有する。親水性の置換基としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルデヒド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基などを挙げることができる。また、親水性の置換基同士においても、水に対する親和性にはそれぞれ差がある。つまり、一般式(2)の中から水に対する親和性が異なる少なくとも2種の環状ニトロキシルラジカルを選択しても良く、一般式(1)と一般式(2)とからそれぞれ1種以上の環状ニトロキシルラジカルを選択しても良い。また、R〜Rで表される基が水素原子であるかメチル基であるか、またその数によっても水に対する親和性が異なる。一般式(1)で表される環状ニトロキシルラジカルの中から1種以上と、一般式(2)で表される環状ニトロキシルラジカルの中から1種以上を選択することが好ましく、水に対する親和性の差が大きいほど好ましい。特に、それぞれ単独での25℃における水に対する溶解度が0.1mol/lを境に、0.1mol/l以上の環状ニトロキシルラジカルの少なくとも1種と、0.1mol/l未満の少なくとも1種との組合せであることが好ましい。
また、本発明に係る電解質層においては、上記一般式(1)及び(2)に対応する下記一般式(3)で表されるオキソアンモニウム塩と下記一般式(4)で表されるオキソアンモニウム塩の、どちらか一方若しくは両方を含むことが望ましい。
Figure 2012115094
(一般式(3)において、A、R、R、R、Rは一般式(1)のA、R、R、R、Rと同一の意味を示し、Xは、AlCl 、AlCl などの金属塩化物、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、BF、PF、CFSO3、N(SOCF、N(SOF)、CFCOO、N(CSO)、又はClOを示す。)
Figure 2012115094
(一般式(4)において、B、R、R、R、Rは一般式(2)のB、R、R、R、Rと同一の意味を示し、Xは、AlCl 、AlCl などの金属塩化物、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、BF、PF、CFSO3、N(SOCF、N(SOF)、CFCOO、N(CSO)、又はClOを示す。)
電解質の環状ニトロキシルラジカルはラジカル状態とカチオン状態で酸化還元している。例えば、一般式(1)として有用な2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(TEMPO)ラジカルは下記式(5)に示すように、ラジカル状態とカチオン状態との平衡状態を示す。
Figure 2012115094
そのために、環状ニトロキシルラジカルを電解質の酸化還元対として用いる場合には、電解質中に相当するオキソアンモニウム塩が存在することが必要である。
本発明は、水に対する親和性が異なる少なくとも2種類の環状ニトロキシルラジカルを電解質に含む。例えば、疎水性ラジカルの1種類と親水性ラジカルの1種類とを組み合わせる場合、2種類ともが、酸化還元対として作用してするためには、それぞれ対応するオキソアンモニウム塩を含む必要がある。また、一方のニトロキシルラジカルだけを酸化還元対として作用させるのであれば、対応する1種類のオキソアンモニウム塩を含めばよい。
電解質に含まれる環状ニトロキシルラジカルとして一般式(1)及び(2)で表される化合物の具体例としては、下記式(6)〜(12)で表される化合物が挙げられる。また、一般式(3)及び(4)で表されるオキソアンモニウム塩としては、下記式(6)〜(12)で表されるニトキシルラジカルにそれぞれ対応するオキソアンモニウム塩が挙げられる。
Figure 2012115094
3−2.液体電解質
液体電解質としては、先に示した水に対する親和性が異なる少なくとも2種類の環状ニトロキシルラジカルを含有し、液体状態のものであれば良い。上記電解質は溶媒として水を含む。
また、適宜、電解質には有機化合物を添加できる。例えば、添加される有機溶媒として、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの含窒素化合物、メトキシプロピオニトリルやアセトニトリルなどのニトリル化合物、γ−ブチロラクトンやバレロラクトンなどのラクトン化合物、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、さらにはイミダゾール類などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、又は2種以上混合して使用することができる。特にエタノールを添加することにより多孔質半導体電極の細孔への電解液の浸透が改善される。
また、適宜、電解質には、イオン液体、即ち溶融塩を添加できる。イオン液体としては、「Inorg. Chem.」1996,35,p1168−1178、「Electrochemistry」2002.2,p130−136、特表平9−507334号公報、特開平8−259543号公報などに開示されている公知の電池や太陽電池などにおいて一般的に使用することができるものであれば、特に限定されないが、室温(25℃)より低い融点を有する塩か、または室温よりも高い融点を有しても、他の溶融塩や溶融塩以外の添加物を溶解させることにより室温で液状化する塩が好ましく用いられる。
具体的には、溶融塩のカチオンとしては、アンモニウム、イミダゾリウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、ピペリジニウム、ピラゾリウム、イソオキサゾリウム、チアジアゾリウム、オキサジアゾリウム、トリアゾリウム、ピロリジニウム、ピリジニウム、ピリミジニウム、ピリダジニウム、ピラジニウム、トリアジニウム、ホスホニウム、スルホニウム、カルバゾリウム、インドリウム、及びこれらの誘導体が好ましく、特に好ましくは、アンモニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、ピラゾリウム、スルホニウムである。また、溶融塩のアニオンとしては、AlCl 、AlCl などの金属塩化物、PF 、BF 、CFSO 、N(CFSO 、CFCOOなどのフッ素含有物、NO 、CHCOO、C11COO、CHOSO 、CHOSO 、CHSO 、CHSO 、(CHO)PO などの非フッ素化合物、塩素、臭素。ヨウ素などのハロゲン化物などが挙げられる。
溶融塩は、各種文献や公報で公知の方法により合成することができる。4級アンモニウム塩を例に挙げると、第一段階として3級アミンにアルキル化剤としてアルキルハライドを用いてアミンの4級化を行い、第二段階としてハライドアニオンから目的のアニオンへイオン交換を行うという方法を用いることができる。若しくは、3級アミンを目的のアニオンを有する酸と反応させて一段階で目的の化合物を得る方法がある。
3−3.固体電解質
固体電解質としては、有機溶媒を高分子化合物に浸透させることにより固体化した高分子電解質、溶融塩を含む液体電解質を微粒子により固体化した電解質などが挙げられる。用いる高分子化合物としてはニトロキシルラジカルを有するポリマー自身を用いる場合と、ニトロキシルラジカルポリマー以外を用いる場合がある。
ニトロキシルラジカルポリマー以外で、液体電解質を固体化するための高分子化合物としては、液体電解質を保持できる高分子化合物であればよく、ポリオキシアルキレン鎖を持つ化合物を含み、電解質をゲル化又は固体化できるものであれば特に限定されず、通常はポリオキシアルキレン鎖を持つポリマー前駆体(ポリマーゲル化剤)が用いられる。例えば、(イ)特開平5−109311号公報や特開平11−176452号公報に開示された、三官能性末端アクリロイル変性アルキレンオキサイド重合体や、四官能性末端アクリロイル変性アルキレンオキサイド重合体などのアルキレンオキサイド重合体鎖を有するアクリロイル変性高分子化合物が挙げられる。(ロ)また、少なくとも一種類のイソシアネート基を有する化合物Aと、少なくとも一種のイソシアネート基と反応性のある化合物Bとを含み、化合物Aと化合物Bのうち少なくとも一種類がポリオキシアルキレン鎖を持つものが挙げられる(上記特許文献2,3参照)。ポリオキシアルキレン鎖を持つ化合物としては、分子量500〜50,000の高分子構造を有する化合物が好ましく用いられる
上記(イ)の三官能性又は四官能性末端アクリロイル変性アルキレンオキサイド重合体は、例えば、三官能性の場合にはグリセロールやトリメチロールプロパン等を、四官能性の場合にはジグリセリンやペンタエリスリトール等を、それぞれ出発物質として、これらにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させ、さらにアクリル酸、メタクリル酸等の不飽和有機酸をエステル化反応させるか、又はアクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド等の酸クロリド類を脱塩酸反応させることによって得られる化合物である。
上記(ロ)の化合物Aとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族イソシアネートが挙げられ、これらの2量体、3量体などの多量体又は変性体であってもよい。また、低分子アルコールとこれらイソシアネートのアダクト体、さらには、ポリオキシアルキレンとこれらイソシアネートをあらかじめ付加反応させた化合物が挙げられる。化合物Bとしては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基などの活性水素基を有する化合物が挙げられ、より具体的には、カルボキシル基を有する化合物としては、ヘキサン酸、アジピン酸、フタル酸、アゼライン酸などのカルボン酸;ヒドロキシル基を有する化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖などのポリオール;アミノ基を有する化合物としては、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミンなどの有機アミン類などがそれぞれ挙げられる。また、化合物Bとしては、上記のような活性水素基を一分子中に一つ以上有し、かつポリオキシアルキレン鎖を有する化合物も挙げられる。
3−4.安定化添加剤
電解質の環状ニトロキシルラジカルは前述の式(5)に示すように、ラジカル状態とカチオン状態で酸化還元している。この発生するカチオン状態を安定化させる目的で、電解質中に塩を添加することも可能である。用いる塩としては、カチオンとして、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、イミダゾリウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、ピペリジニウム、ピラゾリウム、イソオキサゾリウム、チアジアゾリウム、オキサジアゾリウム、トリアゾリウム、ピロリジニウム、ピリジニウム、ピリミジニウム、ピリダジニウム、ピラジニウム、トリアジニウム、ホスホニウム、スルホニウム、カルバゾリウム、インドリウム、及びこれらの誘導体が好ましく、特に好ましくは、アンモニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、ピラゾリウム、スルホニウムである。また、アニオンとしては、PF 、BF 、CFSO 、N(CFSO 、F(HF) 、CFCOOなどのフッ素含有物、NO 、CHCOO、C11COO、CHOSO 、CHOSO 、CHSO 、CHSO 、(CHO)PO 、SbCl などの非フッ素化合物、ヨウ素、臭素などのハロゲン化物などが挙げられる。前述の溶融塩は安定化添加剤として機能する場合もある。
3−5 電解質作製方法
本発明に係る水に対する親和性の異なる2種類の環状ニトロキシルラジカルを電解質中に同時に存在させるためには、それぞれの環状ニトロキシルラジカルを水に溶解させる方法がある。例えば、上記の一般式(1)と(2)で表される環状ニトロキシルラジカルをそれぞれ水に溶解させる方法がある
上記の方法以外に、1種の環状ニトロキシルラジカルと、水に対する親和性が異なる環状ニトロキシルラジカルに対応するオキソアンモニウム塩を水に溶解させる方法を挙げることができる。例えば、前記一般式(1)で表される環状ニトロキシルラジカルと一般式(4)で表されるオキソアンモニウム塩を水に溶解させる方法、若しくは一般式(2)で表される環状ニトロキシルラジカルと一般式(3)で表されるオキソアンモニウム塩を水に溶解させる方法のいずれかを用いることができる。
一般式(1)で表される環状ニトロキシルラジカルと一般式(4)で表されるオキソアンモニウム塩を水に溶解させた場合には、前記式(5)に示すように、一般式(1)の環状ニトロキシルラジカルの一部は、一般式(3)のオキソアンモニウム塩となり、同時に、一般式(4)で表されるオキソアンモニウム塩は一部が一般式(2)で表される環状ニトロキシルラジカルになる。
また、一般式(2)で表される環状ニトロキシルラジカルと一般式(3)で表されるオキソアンモニウム塩を水に溶解させた場合には、一般式(2)の環状ニトロキシルラジカルの一部は、一般式(4)のオキソアンモニウム塩となり、同時に、一般式(3)で表されるオキソアンモニウム塩は前記式(5)に示すように一部が一般式(1)で表される環状ニトロキシルラジカルになる。
このために、一般式(1)の環状ニトロキシルラジカルと一般式(2)の環状ニトロキシルラジカル化合物を同時に電解質中に存在させるためには、一般式(1)で表される環状ニトロキシルラジカルと一般式(4)で表されるオキソアンモニウム塩を水に溶解させる方法、若しくは一般式(2)で表される環状ニトロキシルラジカルと一般式(3)で表されるオキソアンモニウム塩を水に溶解させる方法のいずれかを用いることにより、実現できる。
4.光電変換素子(太陽電池セル)構造
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換素子の基本構造を示す断面模式図である。ここでは、一例として色素増感太陽電池に用いる太陽電池セルを示すが、これに限定されるものではない。図示するように、この太陽電池セルは、光透過性を有する透明基板(1)、この透明基板(1)の表面に形成された光透過性を有する透明導電膜(2)、及び、透明導電膜(2)上に形成された色素を吸着した多孔性半導体層である光電変換層(3)からなる半導体電極(8)と、この半導体電極(8)と相対向する位置に設けられた対極(9)と、半導体電極(8)と対極(9)との間に保持された電解質層(4)とを備えてなる。対極(9)は、導電膜(6)が形成された透明基板又は支持基板(7)からなり、この導電膜(6)の表面に白金触媒層(5)が形成されている。そして、本実施形態では、電解質層(4)が、水と、水に対する親和性が異なる少なくとも2種のニトロキシルラジカルを含む液体状、水と、水に対する親和性が異なる少なくとも2種のニトロキシルラジカルを含む電解液を含浸したゲル状又は固体状電解質からなる。
この構造を持つ光電変換素子において、透明基板(1)側から太陽光などの光が照射されると、光は、透明基板(1)、透明導電膜(2)を透過して、光電変換層(3)に吸着された色素に照射され、色素は光を吸収して励起する。この励起によって発生した電子は光電変換層(3)から透明導電膜(2)に移動する。透明導電膜(2)へ移動した電子は、外部回路を通じて対極(9)に移動し、対極(9)から電荷輸送層すなわち電解質層(4)を通って色素に戻る。このようにして電流が流れ、光電変換素子(太陽電池セル)を構成することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
上記した図1に示す構造を持つ光電変換素子を次のようにして作製した。
1.多孔性半導体層の形成
半導体層は以下の手順で作製した。まず溶剤として濃度15vol%の酢酸水溶液20mLを用い、そこに市販の多孔質酸化チタン粉末5g(P25、日本アエロジル(株))、界面活性剤0.1mL(ポリオキシエチレン−p−イソオクチルフェノール(商品名:「Triton X−100」、シグマアルドリッチ社製)、ポリエチレングリコール0.3g(分子量20000)を加え、攪拌ミキサーで約1時間攪拌(1回10分間)することで、酸化チタンペーストを作製した。次いで、この酸化チタンペーストを透明導電膜(2)としてITOを具備するガラス基板(6cm×4cm、シート抵抗:20Ω/□)にドクターブレード法で膜厚が20μm程度となるように適量塗布(塗布面積:3cm×3cm)した。この電極を電気炉に挿入し、大気雰囲気にて450℃で約30分間焼成して半導体電極を得た。
2.色素の吸着
次にルテニウム色素(Ru(2,2’−bipyridine−4,4’−dicarboxylic acid)(NSC)、小島化学株式会社製)を無水エタノールに濃度4×10−4 mol/Lで溶解させ、吸着用色素溶液を調製した。この吸着用色素溶液と、上述で得られた半導体電極を容器に入れ、12時間静置し、色素を吸着させた。その後、無水エタノールで数回洗浄し、50℃で約30分間自然乾燥させた。
3.電解質の注入
次に電解液を調製した。親水性の環状ニトロキシルラジカルとして、前記式(7)で表される化合物(TEMPO−OHと称す)を用い、疎水性の環状ニトロキシルラジカルとして、前記式(6)で表される化合物(TEMPOと称す)を含有する電解液を調製するために、濃度0.05M(M=mol/l)の環状ニトロキシルラジカルであるTEMPO−OHと濃度0.05Mのオキソアンモニウム塩であるTEMPO・BFの両方を溶解した水溶液を用いた。
オキソアンモニウム塩はカチオンであるTEMPOとアニオンであるBF からなるイオン性物質である。そこで水溶液中では、カチオンはラジカル状態との間で平衡状態を形成できうるために、カチオンの一部は、ラジカル状態に遷移する。また、この時、同時にラジカルであるTEMPO−OHの一部は、カチオンに遷移していると考えられる。
このようにしてTEMPO・BFのTEMPOカチオンが環状ニトロキシルラジカルであるTEMPOに置き換わることにより、溶液中には、TEMPO−OHとTEMPOが共存する状態を作り出すことができる。この場合、TEMPO−OHは、TEMPOに較べて親水性であることが、溶解度の評価から確かめられる。
先に形成した半導体電極の色素を吸着した半導体層(光電変換層)上に上記電解液を滴下し、さらにロータリーポンプで約10分間真空引きして溶液を半導体層に十分浸みこませた。その後、白金触媒層(5)を具備した対極(9)を設置し、治具にて固定した。その後、50℃で60分間放置することにより、TEMPO−OHとTEMPO・BF電解質層(7)を具備した素子を作製した。その後、エポキシ樹脂にて外界との接触を避ける封止を実施し光電変換素子を作製した。
(実施例2)
実施例2では、電解液として、濃度0.09M(M=mol/l)のTEMPO−OHと濃度0.01MのTEMPO・BFの両方が溶解した水溶液を用いた以外は、実施例1に準じて光電変換素子を作製した。
(実施例3)
実施例3では、電解液として、濃度0.05M(M=mol/l)のTEMPO−OHと濃度0.05MのTEMPO・BFの両方が溶解した水溶液を用い、水に対して10%のエタノールを添加したこと以外は、実施例1に準じて光電変換素子を作製した。
(実施例4)
実施例4では、電解液として、濃度0.05M(M=mol/l)のTEMPO−OHと濃度0.05MのTEMPO・BFの両方が溶解した水溶液を用い、水に対して30%のエタノールを添加したこと以外は、実施例1に準じて光電変換素子を作製した。
(実施例5)
実施例5では、電解液として、濃度0.05M(M=mol/l)のTEMPO−OHと濃度0.05MのTEMPO・BFの両方が溶解した水溶液を用い、水に対して50%のエタノールを添加したこと以外は、実施例1に準じて光電変換素子を作製した。
(実施例6)
実施例6では、電解液として、濃度0.25M(M=mol/l)のTEMPO−OHと濃度0.25MのTEMPO・BFの両方が溶解した水溶液を用い、水に対して30%のエタノールを添加したこと以外は、実施例1に準じて光電変換素子を作製した。
(比較例1)
比較例1では、実施例1においてTEMPO−OHとTEMPO・BFの両方が溶解した液体電解質の代わりに、0.1MのTEMPOのみを用いた以外は、実施例1に準じて光電変換素子を作製した。
(比較例2)
比較例2では、実施例1においてTEMPO−OHとTEMPO・BFの両方が溶解した液体電解質の代わりに、0.1MのTEMPO−OHのみを用いた以外は、実施例1に準じて光電変換素子を作製した。
(比較例3)
比較例3では、実施例1においてTEMPO−OHとTEMPO・BFの両方が溶解した液体電解質の代わりに、TEMPOとTEMPO・BFの両方が溶解した液体電解質を用いた以外は、実施例1に準じて光電変換素子を作製した。
(光電変換素子特性の評価)
作製した光電変換素子の特性の評価はソーラーシミュレーター用いてAM1.5、100mW/cm照射条件下でのI−V測定を行った。ここで光電変換素子の両端を電子負荷装置に接続して、開放電圧から取り出し電圧がゼロになるまで5mV/secステップの電位走査を繰り返して行った。図2に実施例6で得られた光電変換素子のI−V曲線を示した。表1には、実施例1〜6および比較例1〜3で得られた光電変換素子の特性評価の結果を示す。実施例1〜6は、比較例1〜3に対して高い効率が得られることが分かる。
Figure 2012115094
比較例1又は2に示される環状ニトロキシルラジカル1種のみを用いる場合、発電しないか、発電してもわずかであり実用的ではない。比較例3に示されるTEMPOとTEMPO・BFとの組合せでは、発電効率が比較例1,2に比較して高くなっている。さらに実施例1〜6に示されるように、水との親和性が異なる2種類の環状ニトロキシルラジカルを用いることにより、比較例3よりも高効率である。このことは、水に対する親和性の違いにより、溶媒中、若しくは表面近くでの存在場所の違いにより生じる効果であると考えられる。
(溶解度の評価)
本実施例で用いたラジカル種である、TEMPO−OH、TEMPO、TEMPO・BFの水に対する溶解度を評価した。TEMPO、TEMPO・BFは、室温25℃において水に対して0.1M(M=mol/l)以上を溶解させることはできなかった。これに対してTEMPO−OHは、0.25M以上を溶解することを確認した。このことから、TEMPO−OHはTEMPOよりも、水に対する親和性が高い(親水性)ものである。
以上のように、TEMPO単独では0.1M以上溶解させることが難しい状況であるのに対して、実施例6に示されるように、TEMPO−OHを共存させることにより、溶解量が増加していることが分かる。この結果として、閉回路電流、フィルファクター、変換効率がもっとも高くなっていることが分かる。
この溶解度評価の結果から、光電変換素子に用いられる電解質において、環状ニトロキシルラジカル化合物の親和性の差により明確に作用が現れるのは、室温25℃における水への溶解度が0.1Mを境にして起こると考えられる。
以上の結果は、本発明が開示する、水に対する親和性が異なる少なくとも2種類の環状ニトロキシルラジカルと水を含む電解質を用いることにより、高い変換効率を実現できること、その場合には、同時にオキソアンモニウム塩が存在すること、また、少なくとも2種類のニトロキシルラジカルの溶媒である水に対する親和性の差により生じている効果(ラジカル種の違いによる溶媒内の存在場所の違い、及び、溶解量の増加)を示唆している。
本発明に係る光電変換素子は、色素増感太陽電池として好適に用いられるものであり、さらに太陽電池だけでなく、光センサーなどとしても利用することができる。
この出願は、2011年2月22日に出願された日本出願特願2011−35855を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1…透明基板
2…透明導電膜
3…光電変換層
4…電解質層
5…白金触媒層
6…導電膜
7…透明基板若しくは支持基板
8…半導体電極
9…対極

Claims (10)

  1. 光増感剤と半導体層を含む半導体電極と、
    対電極と、
    前記半導体電極と前記対電極との間に設けられた電解質層と、
    を含み、
    前記電解質層中に水と、水に対する親和性が異なる少なくとも2種の環状ニトロキシルラジカル化合物とを同時に含有する光電変換素子。
  2. 前記水に対する親和性が異なる少なくとも2種の環状ニトロキシルラジカル化合物は、下記一般式(1)で表される環状ニトロキシルラジカル化合物及び下記一般式(2)で表される環状ニトロキシルラジカル化合物から選択される請求項1に記載の光電変換素子。
    Figure 2012115094
    (上記一般式(1)において、Aは、窒素を含む5〜7員の複素環を構成する2価の基であって、疎水性の置換基を有してもよい。R、R、R、Rは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を示す。)
    Figure 2012115094
    (一般式(2)において、Bは、窒素を含む5〜7員の複素環を構成する2価の基であって、親水性の置換基を有する。R、R、R、Rはそれぞれ異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示す。)
  3. 前記電解質層中に、さらに下記一般式(3)及び下記一般式(4)で表されるオキソアンモニウム塩から選択される1種又は2種以上を含む請求項2に記載の光電変換素子。
    Figure 2012115094
    (一般式(3)において、A、R、R、R、Rは一般式(1)のA、R、R、R、Rと同一の意味を示し、Xは、金属塩化物、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、BF、PF、CFSO3、N(SOCF、N(SOF)、CFCOO、N(CSO)、又はClOを示す。)
    Figure 2012115094
    (一般式(4)において、B、R、R、R、Rは一般式(2)のB、R、R、R、Rと同一の意味を示し、Xは、金属塩化物、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、BF、PF、CFSO3、N(SOCF、N(SOF)、CFCOO、N(CSO)、又はClOを示す。)
  4. 前記水に対する親和性が異なる少なくとも2種の環状ニトロキシルラジカル化合物は、それぞれ単独での25℃における水に対する溶解度が0.1mol/l以上の少なくとも1種と0.1mol/l未満の少なくとも1種との組合せである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記水に対する親和性が異なる少なくとも2種の環状ニトロキシルラジカル化合物は、下記式(6)
    Figure 2012115094
    で表される環状ニトロキシルラジカル化合物と、下記式(7)
    Figure 2012115094
    で表される環状ニトロキシルラジカル化合物である請求項4に記載の光電変換素子。
  6. 前記電解質層中にさらにエタノールを含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7. 前記半導体基板は、前記光増感剤として色素を前記半導体層に吸着させたものである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  8. 前記半導体層が多孔性の酸化チタンである請求項7に記載の光電変換素子。
  9. 前記光増感剤が有機色素である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の光電変換素子における前記電解質を調合する方法であって、下記一般式(1)で表される環状ニトロキシルラジカルの少なくとも1種と下記一般式(4)で表されるオキソアンモニウム塩の少なくとも1種を水に溶解させる方法、若しくは下記一般式(2)で表される環状ニトロキシルラジカルの少なくとも1種と下記一般式(3)で表されるオキソアンモニウム塩の少なくとも1種を水に溶解させる方法、のいずれかを用いることを特徴とする電解質調合方法。
    Figure 2012115094
    (式中、Aは、窒素を含む5〜7員の複素環を構成する2価の基であって、疎水性の置換基を有してもよい。Bは、窒素を含む5〜7員の複素環を構成する2価の基であって、親水性の置換基を有する。R、R、R、Rはそれぞれ異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示す。Xは、金属塩化物、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、BF、PF、CFSO3、N(SOCF、N(SOF)、CFCOO、N(CSO)、又はClOを示す。)
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