JPWO2012114778A1 - 燃料電池用電極触媒の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献3及び特許文献4に記載された触媒は、高い酸素還元触媒活性を示すが、燃料電池運転条件下での安定性が充分ではないことが問題点である。
特許文献5及び特許文献6に記載された触媒は、従来の貴金属代替触媒に比べてきわめて高性能であるが、その製造工程の一部において1600℃〜1800℃という高温下での加熱処理が必要であった(例えば特許文献5 実施例1または特許文献6 実施例1)。
しかしながら、特許文献7に記載されている製造方法では、カーボン含有チタンオキシナイトライドを製造するために、窒素含有有機化合物とチタン前駆体との反応によるチタンオキシナイトライドの製造とフェノール樹脂とチタンオキシナイトライド前駆体との反応によるカーボン含有チタンオキシナイトライド製造の二段階合成が必要であり、工程が複雑である。特に、チタンオキシナイトライド前駆体の製造は80℃での攪拌、過熱、および還流、ならびに冷却および減圧濃縮などの複雑な工程が必要であるため、製造コストが高い。
なお、特許文献11には、少なくとも遷移金属(周期表第4族および第5族の元素など)含有化合物、窒素含有有機化合物および溶媒を混合して触媒前駆体溶液を得る工程1、前記触媒前駆体溶液から溶媒を除去する工程2、および工程2で得られた固形分残渣を比較的低い温度で熱処理して電極触媒を得る工程3を含む燃料電池用電極触媒の製造方法が開示されているが、以下に説明するような、遷移金属化合物(1)の水溶液と、アンモニアおよび/またはアンモニア水とを接触させて、前記遷移金属の原子を含む沈殿物を生じさせる工程を含む燃料電池用電極触媒の製造方法は、開示されていない。
[1]
遷移金属化合物(1)の水溶液と、アンモニアおよび/またはアンモニア水とを接触させて、前記遷移金属の原子を含む沈殿物(A)を生じさせる工程(I)、
少なくとも前記沈殿物(A)、有機化合物(B)および液体媒体(C)を混合して触媒前駆体を得る工程(II)、
前記触媒前駆体を500〜1200℃の温度で熱処理して電極触媒を得る工程(IV)
を含み、
前記遷移金属化合物(1)の一部または全部が、遷移金属元素として周期表第4族および第5族の元素から選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素(以下「遷移金属元素M1」または「M1」とも記す。)を含有する化合物であり、
前記有機化合物(B)は、糖、アミノ糖、グルコサミノグリカン、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリエステル、含窒素高分子化合物、ニトリル基含有化合物、アミノ酸および有機酸から選ばれる少なくとも1種である
ことを特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法。
前記工程(IV)の前に前記触媒前駆体から前記液体媒体(C)を除去する工程(III)を含むことを特徴とする上記[1]に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
前記遷移金属元素M1が、チタン、ジルコニウム、ニオブおよびタンタルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
遷移金属化合物(1)が、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩、金属アルコキシド、金属酢酸塩、金属リン酸塩、金属硝酸塩、金属有機酸塩、金属酸ハロゲン化物、金属過ハロゲン酸塩および金属次亜ハロゲン酸塩、金属錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
前記工程(II)において、遷移金属元素として鉄、ニッケル、クロム、コバルトおよびマンガンから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素M2を含む化合物をさらに混合することを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
上記[1]〜[5]のいずれかに記載の方法により燃料電池用電極触媒を製造する工程、および前記燃料電池用電極触媒を含有する触媒層形成材料を用いて燃料電池用電極触媒層を形成する工程を含むことを特徴とする燃料電池用電極触媒層の製造方法。
燃料電池用電極触媒層および多孔質支持層を有する燃料電池用電極の製造方法であって、上記[6]に記載の方法により燃料電池用電極触媒層を製造する工程、および前記多孔質支持層の表面に前記燃料電池用電極触媒層を形成する工程を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
カソードとアノードと前記カソードおよび前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体の製造方法であって、上記[7]に記載の方法により燃料電池用電極を製造する工程、ならびに前記カソードおよび前記アノードの少なくとも一方として燃料電池用電極を用いつつ、前記カソード、前記電解質膜および前記アノードを配置して膜電極接合体を製造する工程を含むことを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
上記[8]に記載の方法により膜電極接合体を製造する工程、および前記膜電極接合体を用いて燃料電池を製造する工程を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法。
前記燃料電池が固体高分子型燃料電池であることを特徴とする上記[9]に記載の燃料電池の製造方法。
本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法は、
遷移金属化合物(1)の水溶液と、アンモニアおよび/またはアンモニア水とを接触させて、前記遷移金属の原子を含む沈殿物(A)を生じさせる工程(I)、
少なくとも前記沈殿物(A)、有機化合物(B)および液体媒体(C)を混合して触媒前駆体を得る工程(II)、
前記触媒前駆体中の固形分を500〜1200℃の温度で熱処理して電極触媒を得る工程(IV)
を含み、
前記遷移金属化合物(1)の一部または全部が、遷移金属元素として周期表第4族および第5族の元素から選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素(以下「遷移金属元素M1」または「M1」とも記す。)を含有する化合物であり、
前記有機化合物(B)は、糖、アミノ糖、グルコサミノグリカン、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリエステル、含窒素高分子化合物、ニトリル基含有化合物、アミノ酸および有機酸から選ばれる少なくとも1種である
ことを特徴としている。なお本明細書において、特段の事情がない限り、原子およびイオンを、厳密に区別することなく「原子」と記載する。
工程(I)では、遷移金属化合物(1)の水溶液と、アンモニアおよび/またはアンモニア水とを接触させて、前記遷移金属の原子を含む沈殿物(A)を生じさせる。この沈殿物(A)は、遷移金属の水酸化物を含んでいる。
前記沈殿物(A)は回収され、後述する工程(II)に供される。前記沈殿物(A)の回収は、沈殿物(A)を含む水溶液を遠心分離することにより行ってもよく、濾過により行ってもよく、好ましくは遠心分離により行われる。
濾過による前記沈殿物(A)の回収は、濾紙または濾過膜を用いて行ってもよく、限外ろ過膜を用いながら、回収された沈殿物(A)への水の添加、(任意に撹拌)、濾過、濾液の除去の操作を繰り返すことにより、沈殿物(A)を精製しつつ行ってもよい。
この沈殿物はゲル状物質であってもよい。
前記遷移金属化合物(1)の一部または全部は、遷移金属元素として周期表第4族および第5族の元素から選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素M1を含有する化合物である。前記遷移金属元素M1としては、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、バナジウムおよびタンタルが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記金属アルコキシドとしては、前記遷移金属のメトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、エトキシド、ブトキシド、およびイソブトキシドが好ましく、前記遷移金属のイソプロポキシド、エトキシドおよびブトキシドがさらに好ましい。前記金属アルコキシドは、1種のアルコキシ基を有していてもよく、2種以上のアルコキシ基を有していてもよい。
硫酸チタン、四塩化チタン、三塩化チタン、四臭化チタン、三臭化チタン、四ヨウ化チタン、三ヨウ化チタン、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソブトキシド、チタンテトラペントキシド、四酢酸チタン等の酢酸チタン、二酸化チタン、チタン1原子に対し1以上2以下の酸素原子を有する酸化チタン、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンオキシジアセチルアセトナート、トリス(アセチルアセトナト)第二チタン塩化物([Ti(acac)3]2[TiCl6])、オキシ塩化チタン、オキシ臭化チタン、オキシヨウ化チタン、硝酸チタン、オキシ硝酸チタン等のチタン化合物;
硫酸ニオブ、五塩化ニオブ、五臭化ニオブ、五ヨウ化ニオブ、ニオブペンタメトキシド、ニオブペンタエトキシド、ニオブペンタイソプロポキシド、ニオブペンタブトキシド、ニオブペンタペントキシド、五酸化ニオブ、ニオブ1原子に対し2.5以下の酸素原子を有する酸化ニオブ、オキシ塩化ニオブ、オキシ臭化ニオブ、オキシヨウ化ニオブ、硝酸ニオブ、オキシ硝酸ニオブ等のニオブ化合物;
硫酸ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムテトラペントキシド、四酢酸ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、ジルコニウム1原子に対し1以上2以下の酸素原子を有する酸化ジルコニウム、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ臭化ジルコニウム、オキシヨウ化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物;
硫酸タンタル、五塩化タンタル、五臭化タンタル、五ヨウ化タンタル、タンタルペンタメトキシド、タンタルペンタエトキシド、タンタルペンタイソプロポキシド、タンタルペンタブトキシド、タンタルペンタペントキシド、五酢酸タンタル、五酸化タンタル、タンタル1原子に対し2.5以下の酸素原子を有する酸化タンタル、タンタルテトラエトキシアセチルアセトナト、オキシ塩化タンタル、オキシ臭化タンタル、オキシヨウ化タンタル、硝酸タンタル等のタンタル化合物;
オキシ硫酸バナジウム、五塩化バナジウム、五臭化バナジウム、五ヨウ化バナジウム、バナジウムオキシドトリメトキシド、バナジウムオキシドトリエトキシド、バナジウムオキシドトリイソプロポキシド、バナジウムオキシドトリブトキシド、酸化バナジウム、バナジウム1原子に対し2.5以下の酸素原子を有する酸化バナジウム、バナジウム(III)アセチルアセトナート、バナジウム(V)アセチルアセトナート、オキシ塩化バナジウム、オキシ臭化バナジウム、オキシヨウ化バナジウム、硝酸バナジウム、オキシ硝酸バナジウム等のバナジウム化合物;
硫酸ハフニウム、四塩化ハフニウム、臭化ハフニウム、ヨウ化ハフニウム、ハフニウムテトラメトキシド、ハフニウムテトラエトキシド、ハフニウムテトラプロポキシド、ハフニウムテトライソプロポキシド、ハフニウムテトラブトキシド、ハフニウムテトライソブトキシド、ハフニウムテトラペントキシド、酢酸ハフニウム、二酸化ハフニウム、ハフニウム1原子に対し1以上2以下の酸素原子を有する酸化ハフニウム、ハフニウムテトラアセチルアセトナート、オキシ塩化ハフニウム、オキシ臭化ハフニウム、オキシヨウ化ハフニウム、硝酸ハフニウム、オキシ硝酸ハフニウム等のハフニウム化合物
が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
遷移金属化合物(1)の水溶液と、アンモニアおよび/またはアンモニア水との接触は、遷移金属化合物(2)の存在下に行ってもよい。この遷移金属化合物(2)としては、前記遷移金属化合物(1)とは異なる、遷移金属元素として鉄、ニッケル、クロム、コバルトおよびマンガンから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素(以下「遷移金属元素M2」または「M2」とも記す。)M2を含む遷移金属化合物が用いられる。遷移金属化合物(2)を用いると、得られる触媒の性能が向上する。
遷移金属元素M2としては、単位コストあたりの触媒性能が高いため、鉄およびクロムが好ましく、鉄がさらに好ましい。
塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硫化鉄(II)、硫化鉄(III)、フェロシアン化カリウム、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化アンモニウム、フェリシアン化アンモニウム、フェロシアン化鉄、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、シュウ酸鉄(II)、シュウ酸鉄(III)、リン酸鉄(II)、リン酸鉄(III)フェロセン、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、四酸化三鉄、酢酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、クエン酸鉄(III)等の鉄化合物;
塩化ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)、硫化ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)、シュウ酸ニッケル(II)、リン酸ニッケル(II)、ニッケルセン、水酸化ニッケル(II)、酸化ニッケル(II)、酢酸ニッケル(II)、乳酸ニッケル(II)等のニッケル化合物;
塩化クロム(II)、塩化クロム(III)、硫酸クロム(III)、硫化クロム(III)、硝酸クロム(III)、シュウ酸クロム(III)、リン酸クロム(III)、水酸化クロム(III)、酸化クロム(II)、酸化クロム(III)、酸化クロム(IV)、酸化クロム(VI)、酢酸クロム(II)、酢酸クロム(III)、乳酸クロム(III)等のクロム化合物;
塩化コバルト(II)、塩化コバルト(III)、硫酸コバルト(II)、硫化コバルト(II)、硝酸コバルト(II)、硝酸コバルト(III)、シュウ酸コバルト(II)、リン酸コバルト(II)、コバルトセン、水酸化コバルト(II)、酸化コバルト(II)、酸化コバルト(III)、四酸化三コバルト、酢酸コバルト(II)、乳酸コバルト(II)等のコバルト化合物;
塩化マンガン(II)、硫酸マンガン(II)、硫化マンガン(II)、硝酸マンガン(II)、シュウ酸マンガン(II)、水酸化マンガン(II)、酸化マンガン(II)、酸化マンガン(III)、酢酸マンガン(II)、乳酸マンガン(II)、クエン酸マンガン等のマンガン化合物
が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、フェロシアン化カリウム、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化アンモニウム、フェリシアン化アンモニウム、酢酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、
塩化ニッケル(II)、酢酸ニッケル(II)、乳酸ニッケル(II)、
塩化クロム(II)、塩化クロム(III)、酢酸クロム(II)、酢酸クロム(III)、乳酸クロム(III)、
塩化コバルト(II)、塩化コバルト(III)、酢酸コバルト(II)、乳酸コバルト(II)、
塩化マンガン(II)、酢酸マンガン(II)、乳酸マンガン(II)
がそれを原料として得られる触媒の活性が高くなることから好ましく、
塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、フェロシアン化カリウム、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化アンモニウム、フェリシアン化アンモニウム、酢酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、塩化クロム(II)、塩化クロム(III)、酢酸クロム(II)、酢酸クロム(III)、乳酸クロム(III)が、それを原料として得られる触媒の活性が極めて高くなることからさらに好ましい。
工程(II)では、少なくとも前記沈殿物(A)、有機化合物(B)(詳細は後述する)および液体媒体(C)を混合して触媒前駆体液を調製する。
工程(II)では、オートクレーブ等の加圧可能な容器に前記沈殿物(A)、前記有機化合物(B)、前記液体媒体(C)を入れ、常圧以上の圧力をかけながら、混合を行ってもよい。
前記有機化合物(B)としては、
グルコース、フルクトース、スクロース、セルロース、ハイドロプロピルセルロースなどの糖;
グルコサミン、アセチルグルコサミン、ガラクトサミン、アセチルノイラミン酸、フウクトサミン、ムラミルジペプチド、ケトサミンなどのアミノ糖;
ヒアルロン酸、コンドロイチン4−硫酸、コンドロイチン6―硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、デルマタン硫酸などのグルコサミノグリカン;
ポリビニルアルコール;
ポリビニルピロリドン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリピリジンなどの含窒素高分子化合物;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類;
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;
アクリロニトリル、ポリアクリロニトリルなどのニトリル基含有化合物;
グリシン、アラニン、メチオニンなどのアミノ酸;
アスコルビン酸、クエン酸、ステアリン酸などの有機酸
などが挙げられる。
前記有機化合物(B)としては、分子中に窒素含有する有機化合物(窒素含有有機化合物)、分子中に窒素を含まない有機化合物のいずれも使用することができる。
前記液体媒体(C)としては、たとえば水、アルコール類、および酸類の水またはアルコール類の溶液が挙げられる。アルコール類としては、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノールおよびエトキシエタノールが好ましく、エタノールおよびメタノールさらに好ましい。酸類としては、酢酸、硝酸、塩酸、リン酸およびクエン酸が好ましく、これらの酸類が液体状の時は、これらをそのまま用いても良いし水溶液或いはアルコール類の溶液として用いることでも良い。得られる触媒の酸素還元活性が高まることから、酸類としては酢酸および硝酸がさらに好ましい。水、アルコール類、および酸類(水またはアルコール類の溶液も含む。)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
工程(II)においては、前記沈殿物(A)、前記有機化合物(B)および液体媒体(C)と共に、前記遷移金属化合物(2)をさらに混合してもよい。前記遷移金属化合物(M2)を用いると、得られる触媒の性能が向上する。
工程(IV)の前に任意に実施される工程(III)では、工程(II)で得られた前記触媒前駆体液から液体媒体(C)を(沈殿物(A)が上澄み液を伴って工程(II)に供された場合には、この上澄み液も)除去する。
また、前記混合物を収容している容器の真空度を調節しながら液体媒体(C)の除去を行う場合には、密閉できる容器で乾燥を行うこととなるため、容器ごと回転させながら液体媒体(C)の除去を行うこと、たとえばロータリーエバポレーターを使用して液体媒体(C)の除去を行うことが好ましい。
工程(IV)では、前記触媒前駆体液中の固形分を熱処理する。
この熱処理においては、工程(II)で得られた固形分を含む前記触媒前駆体液をそのまま熱処理してもよく、工程(III)で得られた前記固形分残渣を熱処理してもよい。
この熱処理の際の温度は、500〜1200℃であり、好ましくは600〜1100℃であり、より好ましくは700〜1050℃である。
静置法とは、静置式の電気炉などに工程(III)で得られた固形分残渣を置き、これを加熱する方法である。加熱の際に、量り取った前記固形分残渣は、アルミナボード、石英ボードなどのセラミックス容器に入れてもよい。静置法は、大量の前記固形分残渣を加熱することができる点で好ましい。
触媒活性の特に高い電極触媒を得たい場合には、厳密な温度制御が可能な、電気を抵抗線に通じこれを熱源とした電気炉を用いることが望ましい。
前記熱処理の後には、熱処理物を解砕してもよい。解砕を行うと、得られた電極触媒を用いて電極を製造する際の加工性、および得られる電極の特性を改善できることがある。この解砕には、たとえば、ロール転動ミル、ボールミル、小径ボールミル(ビーズミル)、媒体撹拌ミル、気流粉砕機、乳鉢、自動混練乳鉢、槽解機またはジェトミルを用いることができる。電極触媒が少量の場合には、乳鉢、自動混練乳鉢、バッチ式のボールミルが好ましく、熱処理物を連続的に多量に処理する場合には、ジェットミル、連続式のボールミルが好ましく、連続式のボールミルの中でもビーズミルがさらに好ましい。
本発明の燃料電池用電極触媒は、上述した本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法により製造されることを特徴としている(以下、上述した本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法により製造される燃料電池用電極触媒を単に「触媒」ともいう。)。
前記a、x、yおよびzの値は、後述する実施例で採用した方法により測定した場合の値である。
(4)電極触媒中に遷移金属元素M1、遷移金属元素M2および存在することによって、双方の金属元素が隣接しあう部位において、電荷の偏りが生じ、金属元素として遷移金属元素M1のみを有する電極触媒ではなし得ない、基質の吸着もしくは反応、または生成物の脱離が発生すると推測される。
本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法によれば、比表面積の大きな燃料電池用電極触媒が製造され、本発明の触媒のBET法で算出される比表面積は、好ましくは30〜350m2/g、より好ましくは50〜300m2/g、さらに好ましくは100〜300m2/gである。比表面積が上記範囲内であると、触媒の構造がより好ましく維持され、さらに単位重量あたりの表面積が大きいことから触媒の活性が高く好ましい。
電子伝導性物質であるカーボンに分散させた触媒が1質量%となるように、該触媒及びカーボンを溶剤中に入れ、超音波で攪拌し懸濁液を得る。なお、カーボンとしては、カーボンブラック(比表面積:100〜300m2/g)(例えばキャボット社製 XC−72)を用い、触媒とカーボンとが質量比で95:5になるように分散させる。また、溶剤としては、イソプロピルアルコール:水(質量比)=2:1を用いる。
本発明の製造方法によって製造された燃料電池用電極触媒の0.7V(vsRHE)における酸素還元電流密度は、固体高分子形燃料電池用空気極触媒として用いるためには、好ましく0.08mA/cm2以上10mA/cm2以下、より好ましくは0.1mA/cm2以上9mA/cm2以下、さらに好ましくは0.2mA/cm2以上8mA/cm2以下、特に好ましくは0.3mA/cm2以上7mA/cm2以下である。
本発明の製造方法によって製造された燃料電池用電極触媒は、白金触媒の代替触媒として使用することができる。
燃料電池用触媒電極層には、アノード触媒層、カソード触媒層があるが、前記触媒はいずれにも用いることができる。前記触媒は、耐久性に優れ、酸素還元能が大きいので、カソード触媒層に用いることが好ましい。
前記触媒はある程度の導電性を有するが、触媒により多くの電子を与える、あるいは、反基質が触媒から多くの電子を受け取るために、触媒に、導電性を付与するための担体粒子を混合してもよい。これらの担体粒子は、工程(I)〜工程(IV)を経て製造された触媒に混合されてもよく、工程(II)〜工程(IV)のいずれかの段階で混合されてもよい。
前記導電性高分子としては特に限定は無いが、例えばポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリアニリン、ポリアルキルアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリインドール、ポリ−1,5−ジアミノアントラキノン、ポリアミノジフェニル、ポリ(o−フェニレンジアミン)、ポリ(キノリニウム)塩、ポリピリジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン等が挙げられる。これらの中でも、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンが好ましく、ポリピロールがより好ましい。
燃料電池用触媒層の形成方法としては、特に制限はないが、たとえば、前記触媒と電子伝導性粒子と電解質とを含む懸濁液を、後述する電解質膜またはガス拡散層に塗布する方法が挙げられる。前記塗布する方法としては、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などが挙げられる。また、前記触媒と電子伝導性粒子と電解質とを含む懸濁液を、塗布法またはろ過法により基材に燃料電池用触媒層を形成した後、転写法で電解質膜に燃料電池用触媒層を形成する方法が挙げられる。
前記電極はカソードまたはアノードのいずれの電極にも用いることができる。本発明の電極は、耐久性に優れ、触媒能が大きいので、カソードに用いるとより産業上の優位性が高い。
燃料電池の電極反応はいわゆる3相界面(電解質‐電極触媒‐反応ガス)で起こる。燃料電池は、使用される電解質などの違いにより数種類に分類され、溶融炭酸塩型(MCFC)、リン酸型(PAFC)、固体酸化物型(SOFC)、固体高分子型(PEFC)等がある。中でも、本発明の膜電極接合体は、固体高分子型燃料電池に使用することが好ましい。
前記燃料電池を備えることができる前記物品の具体例としては、ビル、家屋、テント等の建築物、蛍光灯、LED等、有機EL、街灯、屋内照明、信号機等の照明器具、機械、車両そのものを含む自動車用機器、家電製品、農業機器、電子機器、携帯電話等を含む携帯情報端末、美容機材、可搬式工具、風呂用品トイレ用品等の衛生機材、家具、玩具、装飾品、掲示板、クーラーボックス、屋外発電機などのアウトドア用品、教材、造花、オブジェ、心臓ペースメーカー用電源、ペルチェ素子を備えた加熱および冷却器用の電源が挙げられる。本発明の製造方法によって製造された燃料電池用電極触媒を用いた燃料電池は、単位質量あたりの発電性能が高く、かつ安価であり、従来燃料電池を搭載することが困難であった物品へも燃料電池を搭載することが可能となり、給電のための配線を省略することが可能となるため、有用である。
実施例および比較例における各種測定は、下記の方法により行なった。
1.粉末X線回折
理学電機株式会社製 ロータフレックスを用いて、試料の粉末X線回折を行った。
各試料の粉末X線回折における回折線ピークの本数は、信号(S)とノイズ(N)の比(S/N)が2以上で検出できるシグナルを1つのピークとしてみなして数えた。
なお、ノイズ(N)は、ベースラインの幅とした。
炭素:試料約0.1gを量り取り、炭素硫黄分析装置(堀場製作所製、EMIA−110)で測定を行った。
遷移金属元素(チタン、ジルコニウム、鉄):試料約0.1gを白金皿に量り取り、酸を加えて加熱分解した。この加熱分解物を定容後、希釈し、ICP−MS(Agilent社製HP7500)で定量を行った。
<硫酸チタン−PVP>
1.触媒の製造;
30%硫酸チタン(IV)水溶液(和光純薬工業(株)製)9.12gを蒸留水に加え、100mlのチタン溶液を調製した。28%アンモニア水100mlと蒸留水200mlとの混合液を準備し、この混合液に上記チタン溶液を滴下し、沈殿物(チタン化合物)を生じさせた。1時間放置後、反応液(沈殿物を含む)が100ml残るように上澄み液をスポイトで除去した。この沈殿物を含む反応液を、10000rpmで30分間遠心分離した後、容器内に沈殿物および上澄み液が合計で20ml残るように上澄み液をスポイトで除去した。次いで、容器内に純水を80ml添加し、容器の内容物を撹拌し、上記同様に遠心分離を行い、上記同様に上澄み液を除去する、という一連の操作を3回繰り返し、ゲル状物質含有液20mlを得た。このゲル状物質の中には水酸化チタンが含まれると考えられる。
触媒(1)のBET比表面積および元素分析結果を表1に示す。
次いで、この触媒(1)0.095gとカーボン(キャボット社製 XC−72)0.005gとを、イソプロピルアルコール:純水=2:1の質量比で混合した溶液10gに入れ、超音波で撹拌、懸濁して混合した。この混合物30μlをグラッシーカーボン電極(東海カーボン社製、直径:5.2mm)に塗布し、120℃で5分間乾燥し、カーボン電極表面に1.0mgの燃料電池触媒層が形成された。さらに、燃料電池用触媒層の上に5%ナフィオン(NAFION(登録商標))溶液(デュポン社、DE521)をイソプロピルアルコールで10倍に希釈したもの10μlを塗布し、120℃で1時間乾燥し、燃料電池用電極(1)を得た。
作製した燃料電池用電極を、酸素雰囲気および窒素雰囲気で、0.5mol/Lの硫酸水溶液中、30℃、1.1Vから開始して卑電位側に5mV/秒の電位走査速度で分極し、それぞれ電流−電位曲線を測定した。電流値をそれぞれ電極面積で除し、酸素雰囲気で観察される電流密度から、窒素雰囲気で観察される電流密度を減じた値を、酸素還元電流密度とした。その際、同濃度の硫酸水溶液中での可逆水素電極を参照電極とした。
表1に0.7Vにおける、酸素還元電流密度を示す。酸素還元電流密度が高いほど、燃料電池用電極における触媒の触媒能が高いことを示す。
<硫酸チタン−グルコサミン>
ポリビニルピロリドン0.85gをN−アセチル−D−グルコサミン(和光純薬工業(株)、純度:90%)2.80gに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、触媒(2)を得た。
また、触媒(1)を触媒(2)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(2)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
<四塩化チタン−グルコサミン>
30%硫酸チタン水溶液9.12gを四塩化チタン水溶液(チタン含量:16.5質量%、(株)大阪チタニウムテクノロジーズ製)3.3gに変更したこと以外は実施例2と同様の操作を行い、触媒(3)を得た。
また、触媒(1)を触媒(3)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(3)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
<硫酸チタン−グリシン>
ポリビニルピロリドン0.85gをグリシン(和光純薬工業(株)製、純度:99%)11.1gに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、熱処理用粉末を得た。
また、触媒(1)を触媒(4)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(4)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
<硫酸チタン−グリシン−鉄>
グリシン11.1gをグリシン(和光純薬工業(株)、純度:99%)11.1gおよび酢酸鉄(II)(Aldrich社製、純度:95%)0.202gに変更したこと以外は実施例4と同様の操作を行い、触媒(5)を得た。
また、触媒(1)を触媒(5)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(5)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
<硫酸チタン−グリシン−鉄>
熱処理温度を500℃に変更したこと以外は実施例5と同様の操作を行い、触媒(6)を得た。
触媒(6)のBET比表面積および元素分析結果を表1に示す。
また、触媒(1)を触媒(6)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(6)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
<硫酸チタン−グリシン−鉄>
熱処理温度を1200℃に変更したこと以外は実施例5と同様の操作を行い、触媒(7)を得た。
触媒(7)のBET比表面積および元素分析結果を表1に示す。
また、触媒(1)を触媒(7)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(7)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
<硫酸チタン−グルコース>
ポリビニルピロリドン0.85gをD(+)−グルコース(和光純薬工業(株)、純度:98%)1.40gに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、触媒(8)を得た。
触媒(8)のBET比表面積および元素分析結果を表1に示す。
また、触媒(1)を触媒(8)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(8)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
<硫酸チタン−ポリビニルアルコール>
ポリビニルピロリドン0.85gをポリビニルアルコール(関東化学(株)、純度:78%、重合度n=2000)1.01gに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、触媒(9)を得た。
触媒(9)のBET比表面積および元素分析結果を表1に示す。
また、触媒(1)を触媒(9)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(9)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
<オキシ硝酸ジルコニウム−グリシン−鉄>
30%硫酸チタン(IV)水溶液9.12gをオキシ硝酸ジルコニウム・二水和物(和光純薬工業(株)、純度:97%)1.51gに変更したこと以外は実施例5と同様の操作を行い、触媒(10)を得た。
触媒(10)のBET比表面積および元素分析結果を表1に示す。
また、触媒(1)を触媒(10)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(10)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
<ニオブエトキシド−グリシン−鉄>
30%硫酸チタン(IV)水溶液9.12gをニオブ(V)ペンタエトキシド(和光純薬工業(株)、純度:99.9%)1.72gに、溶媒を水からエタノールに変更したこと以外は実施例5と同様の操作を行い、触媒(11)を得た。
触媒(11)のBET比表面積および元素分析結果を表1に示す。
また、触媒(1)を触媒(11)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(11)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
酸化チタン(品名 スーパータイタニアF−6、昭和電工(株)、アナターゼ型、BET比表面積100m2/g)2gとカーボンブラック(Vulcan XC72 Cabot社)0.75gとを乳鉢中でよく混合し、管状炉に入れ、水素4体積%および窒素96体積%の混合ガス雰囲気下で昇温速度10℃/minで1700℃まで加熱し、1700℃で3時間保持し、自然冷却することにより粉末状の触媒(c1)を得た。
また、触媒(1)を触媒(c1)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(c1)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
ゲル状物質含有液20mlをアモルファス酸化チタン(和光純薬工業(株)、アモルファス、気相合成(by the vapor phase method))1.18gに変更したこと以外は実施例4と同様の操作を行い、触媒(c2)を得た。
また、触媒(1)を触媒(c2)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(c2)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
比較例1で得られた前記触媒(c1)0.30gを、酸素1体積%、水素4体積%、窒素95体積%の混合ガス中で、10時間加熱することにより、粉末状の触媒(c3)を得た。
また、触媒(1)を触媒(c3)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(c3)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
容器内で水酸化ジルコニウム(東ソー、TZ−0、BET値:13m2/g)3gと、市販のポリビニルアルコール(クラレ(株)社製、ポバール117)1.5gとを水4gに溶解させた後、これらを容器ごと60℃に設定した熱風循環型乾燥機中に導入し、水分の除去を行った。得られた材料のうち1.2gをアルミナボートに入れ、窒素流通下にて200ml/分の流量で流通させながら、昇温速度150℃/時間で室温(約25℃)から800℃まで昇温し、同温度を3時間保持することで触媒(c4)を得た。
また、触媒(1)を触媒(c4)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(c4)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
<硫酸チタン−グリシン−鉄>
熱処理温度を400℃に変更したこと以外は実施例5と同様の操作を行い、触媒(c5)を得た。
触媒(c5)のBET比表面積および元素分析結果を表1に示す。
また、触媒(1)を触媒(c5)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(c5)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
<硫酸チタン−グリシン−鉄>
熱処理温度を1300℃に変更したこと以外は実施例6と同様の操作を行い、触媒(c6)を得た。
触媒(c6)のBET比表面積および元素分析結果を表1に示す。
また、触媒(1)を触媒(c6)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、燃料電池用電極(c6)を得て、その酸素還元能を評価した。結果を表1に示す。
Claims (10)
- 遷移金属化合物(1)の水溶液と、アンモニアおよび/またはアンモニア水とを接触させて、前記遷移金属の原子を含む沈殿物(A)を生じさせる工程(I)、
少なくとも前記沈殿物(A)、有機化合物(B)および液体媒体(C)を混合して触媒前駆体を得る工程(II)、
前記触媒前駆体を500〜1200℃の温度で熱処理して電極触媒を得る工程(IV)
を含み、
前記遷移金属化合物(1)の一部または全部が、遷移金属元素として周期表第4族および第5族の元素から選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素M1を含有する化合物であり、
前記有機化合物(B)は、糖、アミノ糖、グルコサミノグリカン、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリエステル、含窒素高分子化合物、ニトリル基含有化合物、アミノ酸および有機酸から選ばれる少なくとも1種である
ことを特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法。 - 前記工程(IV)の前に前記触媒前駆体から前記液体媒体(C)を除去する工程(III)を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
- 前記遷移金属元素M1が、チタン、ジルコニウム、ニオブおよびタンタルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
- 遷移金属化合物(1)が、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩、金属アルコキシド、金属酢酸塩、金属リン酸塩、金属硝酸塩、金属有機酸塩、金属酸ハロゲン化物、金属過ハロゲン酸塩および金属次亜ハロゲン酸塩、金属錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
- 前記工程(II)において、遷移金属元素として鉄、ニッケル、クロム、コバルトおよびマンガンから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素M2を含む化合物をさらに混合することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により燃料電池用電極触媒を製造する工程、および前記燃料電池用電極触媒を含有する触媒層形成材料を用いて燃料電池用電極触媒層を形成する工程を含むことを特徴とする燃料電池用電極触媒層の製造方法。
- 燃料電池用電極触媒層および多孔質支持層を有する燃料電池用電極の製造方法であって、請求項6に記載の方法により燃料電池用電極触媒層を製造する工程、および前記多孔質支持層の表面に前記燃料電池用電極触媒層を形成する工程を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
- カソードとアノードと前記カソードおよび前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体の製造方法であって、請求項7に記載の方法により燃料電池用電極を製造する工程、ならびに前記カソードおよび前記アノードの少なくとも一方として燃料電池用電極を用いつつ、前記カソード、前記電解質膜および前記アノードを配置して膜電極接合体を製造する工程を含むことを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
- 請求項8に記載の方法により膜電極接合体を製造する工程、および前記膜電極接合体を用いて燃料電池を製造する工程を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法。
- 前記燃料電池が固体高分子型燃料電池であることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池の製造方法。
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