JPWO2012114655A1 - Mems共振器 - Google Patents

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Abstract

薄膜積層部のバリアによる高周波信号の損失を抑制して、高いQ値を有するMEMS共振器を提供するために、MEMS共振器において、振動子(1)や電極(2,3)の交流電流の入出力系統にpn接合等の接合界面(バリア)が存在する場合、交流電流と共に直流電流を同時に流すことにより、交流電流に加わる抵抗損失を低減する構成であり、接合界面に定常的に直流電流を流すための直流バイアス回路(22,23,24)が入力電極側および/または出力電極側に設けられている。

Description

本発明は、電子機器等においてタイミングデバイスとして用いられる共振器、特にMEMS(Micro-Electro Mechanical Systems)共振器に関する。
従来のMEMS共振器について図16および図17を参照して説明する。図16は、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いて作成した従来のMEMS共振器100を示す斜視図である。SOIの最上層のSiをエッチング加工して梁型の振動子101と、入力電極102と、出力電極103とを形成する。BOX(Buried Oxide)層の一部がエッチングされて両端が支持された振動子101が形成され、当該振動子101は振動可能な状態となる。BOX層残存部により振動子101の両端の支持部104、入力電極102、および出力電極103がシリコン基板105に対して埋め込み酸化膜110を介して繋留されている。
図17は、図16に示した従来のMEMS共振器のA−A線による断面を模式的に示した図である。図17に示すように、従来のMEMS共振器100においては、振動子101の両側の各側面に対して空隙を介して電極102,103が配置された構成を有する。一方の電極を入力電極102とし、他方の電極を出力電極103としている。入力電極102と振動子101との間に直流電位差を与え、且つ出力電極103と振動子101との間にも直流電位差を与える構成は、一具体例として振動子101に直流電圧Vpを印加することにより実現される。
MEMS共振器100においては、入力電極102に交流電圧を印加すると、入力電極102と振動子101との間の電位差の変動により静電力に由来する励振力が振動子101に加わる。入力電極102に印加される交流電圧の周波数と、振動子101の機械的共振周波数が一致すると、振動子101は大きく振動し、その振動に伴う変位電流が出力電極103から出力される。これがMEMS共振器100の動作原理である。
図16に示す振動子101は、両端が固定され、中央部分が中空状態に保持された両持ち梁形状であり、振動子101に対して静電力が印加されることにより、梁がたわみ振動を生じるたわみ振動モードが励起される。上記のようなSOIを用いたMEMS共振器の製造方法としては、例えば後述の「非特許文献1」に示された一般的な方法がある。また、後述の「特許文献1」にはディスク型の形状を持つ振動子が示されている。振動子に励起される共振モードとしては、たわみ振動モードの他に、例えば、振動子が梁形状の場合であっても後述の「特許文献2」に記載されているねじり振動モードがある。
米国特許第6,628,177B2号明細書 米国特許第7,358,648B2号明細書
M.Lutz, A.Partridge, P.Gupta, N.Buchan, E.Klaassen, J.McDonald,K.Petersen, "MEMS OSCILLATORS FOR HIGH VOLUME COMMERCIAL APPLICATIONS", Transducers & Eurosensors '07, IEEE, pp.49-52, 2007
電気回路の発振器に用いるHF帯、VHF帯、UHF帯において、機械共振を得るために、振動子の大きさは、一般的に、マイクロメートルまたはそれ以下のサイズであり、微細なものとなる。また、MEMS共振器を質量センサなどに応用する場合、質量の最小検出能は共振周波数の−2.5乗に比例することから、微量な質量検出には機械共振周波数の高い振動子が好ましく、すなわち振動子の大きさはやはりマイクロメートルまたはそれ以下のサイズが好ましく、微細なものが適する。
このような微細な振動子を用いて共振器を製造する方法としては、前述の「非特許文献1」、「特許文献1」および「特許文献2」に示された共振器のように、半導体プロセスを用いてシリコン基板上に形成するのが一般的な方法である。したがって、振動子および電極の材料としては半導体材料が用いられる(シリサイドを含む)。
図17は、従来のMEMS共振器の動作を説明するために模式的に示している。実際には、半導体基板上にMEMS共振器を構成した場合の共振器断面構造の一例としては、図18および図19の断面図に示すような構造となる。図18は図16に示したMEMS共振器100のA−A線による断面を模式的に示しており、図19は図16に示したMEMS共振器100のB−B線による断面を模式的に示している。なお、図19においては、振動子101の一方の端部(支持部104)の近傍を示している。また、本明細書において、例えば図16に示したMEMS共振器100のA−A線による断面とは、図16におけるMEMS共振器100をA−A線を含む垂直面で切断した断面をいう。
図18および図19に示す従来のMEMS共振器100において、振動子101、入力電極102、出力電極103はともにn型半導体である。入力電極102、出力電極103、支持部104のそれぞれの上にはメタル層106,107,108が形成されている。入力電極102には交流電圧Vi(AC)が入力され、出力電極103からは交流電流Io(AC)が出力される。なお、振動子101には支持部104を介してバイアス直流電圧Vpが印加されている。これら電気経路にはメタル層106,107,108とn型半導体102,103,104とが接合する接合界面が存在し、これらの接合界面が後述する障壁となるバリアとなる。
また、MEMS共振器においては、図18および図19に示したメタル層とn型半導体との接合(メタル−n接合)の他に、メタル層とp型半導体との接合(メタル−p接合)、pn接合、pnp接合、npn接合が存在する場合がある。これらの接合界面においても障壁となるバリアが形成される。
以下、上記のように接合界面が形成されることにより生じる問題について説明する。
図20は、メタル層とp型半導体との接合界面におけるV−I特性の一例を示すグラフである。図20において、横軸は接合界面の両側の電位差(V)、縦軸は接合界面を貫通する直流電流(I)である。
図20に示すように、接合界面の両側の電位差(V)がV=0では、接合界面を貫通する直流電流(I)は、I=0であり、電位差(V)が生じると直流電流(I)が流れるが、そのV−I特性の関係は線形ではない。
図17に示したMEMS共振器100におけるたわみ振動モードにおいて、入力電極102と出力電極103との間に直流電流は流れることはない。入力電極102と振動子101とは隙間を介して対向して配置されており、入力電極102と振動子101との間には容量Ciのキャパシタが構成されている。同様に、出力電極103と振動子101とは隙間を介して対向して配置されており、出力電極103と振動子101との間には容量Coのキャパシタが構成されている。このため、振動子101と入力電極102との間のキャパシタ(Ci)、および振動子101と出力電極103との間のキャパシタ(Co)により、入力電極102と出力電極103との間の直流電流は遮断されている。同様の理由により、振動子101には支持部104を介して直流電源Vpによる直流電流は流れない。
したがって、入力電極102、振動子101および出力電極103には交流信号のみが流れる。直流電流が流れない接合界面を通過する交流信号に加わる抵抗は、図20に示したV−I特性のV=0における特性曲線の傾きの逆数(r)である。この抵抗rはMEMS共振器における電気的なエネルギー損失となる。
図21は、図17の理想的なMEMS共振器の等価回路を示す回路図である。容量Ciと容量Coは同等の値であるとして、図21の等価回路においてはCとした。mは振動子101の質量、kは振動子101のばね力、Qmはメカニカルな振動に関するQ値である。図21において、破線内の要素がメカニカルなバネ−質量−ダンパの共振系を表している。Vpは振動子101へ印加するバイアス直流電圧である。ηは電気−機械変換係数であり、振動子101の単位変移量Δxに伴う振動子101と電極間容量Cの変化ΔC/Δxに、バイアス直流電圧Vpを乗じた値である。Zbはバイアス直流電圧Vpの供給電源の内部インピーダンスである。
図22はMEMS共振器において実デバイスに存在するバリアにより、入力側に抵抗ri、出力側に抵抗ro、振動子101へのバイアス直流電圧供給経路に抵抗rbが存在している場合の等価回路を示す回路図である。図22において、全体の電気素子としてのQ値となるQeは、バリアによる電気的抵抗損失が存在するため、本来のメカニカルな振動に関するQ値(Qm)とはならず、QeはQmよりも減少する。高いQ値を有する共振器は、例えば質量検出器としては最小検出性能を向上させ、また発振器としては低位相雑音を可能とさせる。このため、各種共振器を用いた高性能デバイスの具現化には、抵抗損失によるQ値の劣化を最小に抑制する必要がある。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、MEMS共振器のメカニカルな振動に関するQ値を最大限に生かすために、不要に付随する抵抗によるQ値劣化を低減したMEMS共振器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明者は種々の実験を重ねた結果、MEMS共振器において振動子や電極の交流電流の入出力系統にpn接合等の接合界面(バリア)が存在する場合、交流電流と共に直流電流を同時に流すことにより、交流電流に加わる抵抗損失を低減できることを見いだした。
本発明に係る第1の態様のMEMS共振器は、
静電力が印加されて機械的に振動する振動子と、
前記振動子を振動可能に支持する支持部と、
空隙を介して前記振動子と対向する面を有する少なくとも1つの電極と、を有し、
前記支持部または前記電極のうちの1つが入力電極であり、前記支持部または前記電極のうちの他の1つが出力電極であり、
前記入力電極に接続された入力端子を介して印加される交流信号により生じる静電力によって前記振動子を励振させて、前記振動子の振動により発生する電流を前記出力電極に接続された出力端子を介して出力するMEMS共振器であって、
前記入力端子と前記入力電極との間の電流経路、または前記出力電極と前記出力端子との間の電流経路には、pn接合、pp接合、nn接合、メタル−n接合、メタル−p接合の少なくともいずれかの接合界面が形成されており、
前記接合界面に定常的に直流電流を流すための直流バイアス回路を備える。このように構成された本発明に係る第1の態様のMEMS共振器は、MEMS共振器に不要に付随する電気的抵抗損失を抑えて、メカニカルなQ値と遜色のない高いQ値を有する共振器を実現することができる。
本発明に係る第2の態様のMEMS共振器は、静電力が印加されて機械的に振動する振動子と、
前記振動子を振動可能に支持する支持部と、
空隙を介して前記振動子と対向する面を有する少なくとも2つの電極と、を有し、
前記少なくとも2つの電極のうちの1つが入力電極であり、前記少なくとも2つの電極のうちの他の1つが出力電極であり、
前記入力電極に接続された入力端子を介して印加される交流信号により生じる静電力によって前記振動子を励振させて、前記振動子の振動により発生する電流を前記出力電極に接続された出力端子を介して出力するMEMS共振器であって、
前記振動子と一体的に形成された前記支持部にはバイアス端子が接続されており、前記バイアス端子と前記支持部との間の電流経路には、pn接合、pp接合、nn接合、メタル−n接合、メタル−p接合の少なくともいずれかの接合界面が形成されており、
前記接合界面に定常的に直流電流を流すための直流バイアス回路を備える。このように構成された本発明に係る第2の態様のMEMS共振器は、MEMS共振器に不要に付随する電気的抵抗損失を抑えて、メカニカルなQ値と遜色のない高いQ値を有する共振器を実現することができる。
本発明に係る第3の態様のMEMS共振器は、前記の第1の態様において、前記入力電極の表面に配置された第1の中間層を有し、
前記接合界面は、前記入力電極と前記第1の中間層との間に形成され、
前記入力端子は、前記第1の中間層を介して前記入力電極に接続され、
前記直流バイアス回路は、
一端が直流電源または共通電極の一方に接続され、他端が前記第1の中間層に接続された第1のインピーダンス素子と、
一端が前記入力電極の表面における前記第1の中間層が形成された領域以外の領域に接続され、他端が前記直流電源または前記共通電極の他方に接続された第2のインピーダンス素子と、を含み、
前記第1のインピーダンス素子はインダクタまたは抵抗を有し、
前記第2のインピーダンス素子はインダクタまたは抵抗を有し、
前記第1のインピーダンス素子および前記第2のインピーダンス素子のいずれか一方は抵抗を有する構成としてもよい。このように構成された本発明に係る第3の態様のMEMS共振器は、入力電極の交流電流の入出力系統に接合界面(バリア)が存在する場合において、交流電流と共に直流電流を同時に流すことにより、交流電流に加わる抵抗損失を低減することができる。
本発明に係る第4の態様のMEMS共振器は、前記の第3の態様において、前記入力電極の表面に配置され、前記第1の中間層とは離間して配置された第2の中間層を有し、
前記第2のインピーダンス素子は、前記第2の中間層を介して前記入力電極に接続された構成としてもよい。このように構成された本発明に係る第4の態様のMEMS共振器は、交流電流と共に直流電流を同時に流して、交流電流に加わる抵抗損失を低減することができる。
本発明に係る第5の態様のMEMS共振器は、前記の第1の態様において、前記出力電極の表面に配置された第1の中間層を有し、
前記接合界面は、前記出力電極と前記第1の中間層との間に形成され、
前記出力端子は、前記第1の中間層を介して前記出力電極に接続され、
前記直流バイアス回路は、
一端が直流電源または共通電極の一方に接続され、他端が前記第1の中間層に接続された第1のインピーダンス素子と、
一端が前記出力電極の表面における前記第1の中間層が形成された領域以外の領域に接続され、他端が前記直流電源または前記共通電極の他方に接続された第2のインピーダンス素子と、を含み、
前記第1のインピーダンス素子はインダクタまたは抵抗を有し、
前記第2のインピーダンス素子はインダクタまたは抵抗を有し、
前記第1のインピーダンス素子および前記第2のインピーダンス素子のいずれか一方は抵抗を有する構成としてもよい。このように構成された本発明に係る第5の態様のMEMS共振器は、出力電極の交流電流の入出力系統に接合界面(バリア)が存在する場合において、交流電流と共に直流電流を同時に流すことにより、交流電流に加わる抵抗損失を低減することができる。
本発明に係る第6の態様のMEMS共振器は、前記の第5の態様において、前記出力電極の表面に配置され、前記第1の中間層とは離間して配置された第2の中間層を有し、
前記第2のインピーダンス素子は、前記第2の中間層を介して前記出力電極に接続された構成としてもよい。このように構成された本発明に係る第6の態様のMEMS共振器は、交流電流と共に直流電流を同時に流して、交流電流に加わる抵抗損失を低減することができる。
本発明に係る第7の態様のMEMS共振器は、前記の第2の態様において、前記支持部の表面に配置された第1の中間層を有し、
前記接合界面は、前記支持部と前記第1の中間層との間に形成され、
前記バイアス端子は、第1の配線により、前記第1の中間層を介して前記支持部に接続され、
前記直流バイアス回路は、
前記支持部の表面における前記第1の中間層が形成された領域以外の領域と、共通電極とを接続する第2の配線、を備え、
前記第1の配線または前記第2の配線のいずれか一方の途中に抵抗素子を有する構成としてもよい。このように構成された本発明に係る第7の態様のMEMS共振器は、支持部の交流電流の入出力系統に接合界面(バリア)が存在する場合において、交流電流と共に直流電流を同時に流すことにより、交流電流に加わる抵抗損失を低減することができる。
本発明に係る第8の態様のMEMS共振器は、前記の第2の態様における前記支持部が、前記振動子の両端を支持する第1の支持部および第2の支持部を有し、
前記第1の支持部の表面に配置された第1の中間層を有し、
前記接合界面が、前記第1の支持部と前記第1の中間層との間に形成され、
前記バイアス端子が、第1の配線により、前記第1の中間層を介して前記第1の支持部に接続され、
前記直流バイアス回路が、
前記第2の支持部と共通電極とを接続する第2の配線、を備える構成としてもよい。このように構成された本発明に係る第8の態様のMEMS共振器は、支持部の交流電流の入出力系統に接合界面(バリア)が存在する場合において、交流電流と共に直流電流を同時に流すことにより、交流電流に加わる抵抗損失を低減することができる。
本発明に係る第9の態様のMEMS共振器は、前記の第7または第8の態様において、前記第2の支持部の表面に配置され、前記第1の中間層とは前記振動子を介して離間して配置された第2の中間層を有し、
前記第2の配線は、前記第2の中間層を介して、前記第2の支持部と前記共通電極とを接続するよう構成してもよい。このように構成された本発明に係る第9の態様のMEMS共振器は、第1の中間層と第2の中間層が振動子を介して接続されているため、インピーダンス素子を振動子が兼用することが可能となり、少ない構成要素で交流電流に加わる抵抗損失を低減することができる。
本発明に係る第10の態様のMEMS共振器は、前記の第3乃至第6の態様において、前記第1のインピーダンス素子または前記第2のインピーダンス素子のインピーダンスが、前記入力端子に入力された交流信号の電流が前記直流電源または前記共通電極に流れない値に設定されるよう構成されている。このように構成された本発明に係る第10の態様のMEMS共振器は、交流電流と共に直流電流を同時に流すことが可能となる。
本発明に係る第11の態様のMEMS共振器は、前記の第3または第5の態様において、前記第1の中間層を、メタル層を有する構成としてもよい。
本発明に係る第12の態様のMEMS共振器は、前記の第4または第6の態様において、前記第2の中間層を、メタル層を有する構成としてもよい。
本発明に係る第13の態様のMEMS共振器は、前記の第3または第5の態様において、前記第1の中間層を、仲介層とメタル層が積層された構成としてもよい。
本発明に係る第14の態様のMEMS共振器は、前記の第4または第6の態様において、前記第1の中間層を、仲介層とメタル層が積層されて構成としてもよい。
本発明によれば、MEMS共振器における金属や半導体層の接合界面に存在するバリアの抵抗分による交流信号の損失を低減し、メカニカルなQ値と遜色のない高いQ値を有する共振器を実現するができる。
本発明に係る実施の形態1のMEMS共振器の基本構成を示す斜視図 図1に示した実施の形態1のMEMS共振器の平面図 実施の形態1のMEMS共振器の動作説明のために模式的に示した断面図 実施の形態1のMEMS共振器の動作説明のために模式的に示した断面図 交流信号の入出力関係を示すSパラメータS21の特性曲線を示すグラフ 本発明に係る実施の形態2のMEMS共振器の基本構成を示す斜視図 実施の形態2のMEMS共振器の動作説明のために模式的に示した断面図 実施の形態2のMEMS共振器における振動子端部近傍(支持部を含む)を模式的に示した断面図 実施の形態2における別の構成のMEMS共振器における振動子端部近傍(支持部を含む)を模式的に示した断面図 実施の形態2における別の構成のMEMS共振器における振動子端部近傍(支持部を含む)を模式的に示した断面図 実施の形態2における別の構成のMEMS共振器における振動子端部近傍(支持部を含む)を模式的に示した断面図 実施の形態2における別の構成のMEMS共振器における振動子端部近傍(支持部を含む)を模式的に示した断面図 本発明に係る実施の形態3のMEMS共振器の基本構成を示す斜視図 実施の形態3のMEMS共振器の動作説明のために模式的に示した断面図 実施の形態3のMEMS共振器の動作説明のために模式的に示した断面図 本発明に係る実施の形態4のMEMS共振器の基本構成を示す斜視図 実施の形態4のMEMS共振器の動作説明のために模式的に示した断面図 実施の形態4のMEMS共振器の動作説明のために模式的に示した断面図 MEMS共振器における接合界面のV−I特性曲線の一例を示すグラフ SOI(Silicon On Insulator)基板を用いて作成した従来のMEMS共振器の斜視図 図16の従来のMEMS共振器のA−A線による断面の構成などを模式的に示した図 図16の従来のMEMS共振器のA−A線による断面図 図16の従来のMEMS共振器のB−B線による断面図 メタル層とp型半導体との接合界面におけるV−I特性曲線の一例を示すグラフ 図17の理想的な共振器の等価回路を示す回路図 MEMS共振器において実デバイスに存在するバリアを考慮した等価回路を示す回路図
以下、本発明のMEMS共振器に係る実施の形態として両持ち梁型の共振器について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本発明のMEMS共振器は、以下の実施の形態に記載した構成の共振器に限定されるものではなく、以下の実施の形態において説明する技術的思想と同等の技術的思想および当技術分野における技術常識に基づいて構成されるMEMS共振器を含むものである。なお、本発明を説明する図面においては、MEMS共振器という微細機構の構成を示すため、厚み、寸法および形状などを誇張して示している。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る実施の形態1のMEMS共振器の基本構成を示す斜視図である。図2は図1に示した実施の形態1のMEMS共振器の平面図である。図3および図4は、実施の形態1のMEMS共振器の動作を説明するために模式的に示した断面図であり、図3は図1のMEMS共振器のC−C線による断面を示しており、図4は図1のMEMS共振器のD−D線による断面を示している。なお、図4においては、振動子の一方の端部近傍を示している。
実施の形態1のMEMS共振器は、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いて作成されており、SOI基板の最上層のSiをエッチング加工して梁型の振動子1、および振動子1に対向して配置された入力電極2と出力電極3が形成されている。振動子1はBOX(Buried Oxide)層の一部がエッチングされて両持ち梁型に形成されている。すなわち、振動子1の両端は支持部4により支持されており、振動子1はたわみ振動可能な状態である。BOX層残存部により、入力電極2、出力電極3および振動子1の両端の支持部4がシリコン基板5に対して埋め込み酸化膜6を介して繋留されている。
実施の形態1のMEMS共振器において、振動子1の両側面に対して空隙を介して入力電極2および出力電極3がそれぞれ配置されており、振動子1に直流電圧Vpを印加することにより、入力電極2と振動子1との間、および出力電極3と振動子1との間に直流電位差が与えられている。
実施の形態1のMEMS共振器において、振動子1、入力電極2、出力電極3はともにn型半導体である。入力電極2、出力電極3、および振動子1の支持部4のそれぞれには2つのメタル層が形成されている。入力電極2上の表面には第1の入力側メタル層7と第2の入力側メタル層8が離間して配置されている。出力電極3上の表面には第1の出力側メタル層11と第2の出力側メタル層12が離間して配置されている。また、振動子1の両端部分にある一方の支持部4上の表面には第1の支持側メタル層9と第2の支持側メタル層10が離間して配置されている。
実施の形態1の構成において、第1の入力側メタル層7と第2の入力側メタル層8のそれぞれが入力電極2の表面に配置された中間層であり、第1の出力側メタル層11と第2の出力側メタル層12のそれぞれが出力電極3の表面に配置された中間層であり、そして第1の支持側メタル層9と第2の支持側メタル層10のそれぞれが支持部4の表面に配置された中間層である。
MEMS共振器においては、入力電極2に交流電圧が印加されると、入力電極2と振動子1との間の電位差が変動して振動子1が振動する。入力電極2に印加される交流電圧の周波数と、振動子1の機械的共振周波数が一致したとき、振動子1が大きく振動して、その振動に伴う変位電流が出力電極3から出力されるものである。
図3に示すように、実施の形態1のMEMS共振器において、入力端子20から第1の入力側メタル層7と入力電極2を介して交流電圧Vi(AC)が入力されており、出力端子21からは出力電極3と第2の出力側メタル層11を介して交流電流Io(AC)が出力される構成である。なお、振動子1には支持部4を介してバイアス直流電圧Vpが印加されている。
上記のように、実施の形態1のMEMS共振器において、入力端子20から出力端子21に至る電気信号経路にはメタル層とn型半導体とが接合する接合界面のバリアが介在しており、この接合界面において電気的に結合されている。
実施の形態1のMEMS共振器においては、メタル層とn型半導体との接合界面に対して直流電流を貫通させて、その直流電流が直流バイアス回路を通して共通電位源に流れる構成である。ここで、直流バイアス回路とは、交流信号は通さず、注入された直流電流のみを逃がす回路であり、振動子1の共振周波数近辺の周波数帯の交流信号に対して高いインピーダンスを有する素子と共通電位源とで構成されている。具体的には、例えば、一端が接地されたコイル素子や抵抗素子などが使われる。例えば、MEMS共振器が交流信号に対して10kΩのインピーダンスを有するとすれば、直流バイアス回路のコイル素子または抵抗素子は、100kΩ以上の値に設定され、交流信号が直流バイアス回路に流れることを防止している。
図3において、信号入力側に設けた直流バイアス回路22におけるインピーダンス素子であるバイパス抵抗14の役割について説明する。
入力端子20に対しては、交流信号の交流電圧Vi(AC)が印加されている。また、入力端子20が接続されている第1の入力側メタル層7には、コイル33を介して直流電源からの直流電圧Vi(DC)が印加されている。したがって、第1の入力側メタル層7には直流電圧Vi(DC)と交流電圧Vi(AC)が重畳した電圧が印加されている。このとき、交流電流Ii(AC)は第1の入力側メタル層7、入力電極2(n型)を通り、入力側対向部25の容量(Ci)を介して、振動子1(n型)に流れる。ここで入力側対向部25とは、入力電極2と振動子1の対向する面により構成された容量部分である。
さらに、図4に示すように、交流電流Ii(AC)は、振動子1から支持部4を通り、第1の支持側メタル層9を介して共通電位源となる接地電位に流れ込む。図4に示す支持部4においては、支持側バイパス抵抗16よりも内部抵抗値の低いバイアス電源15の方向へ交流電流Ii(AC)が流れる。
また、図3に示す入力側の直流バイアス回路22において、直流電圧Vi(DC)による直流電流Ii(DC)が第1の入力側メタル層7、入力電極2(n型)を通り、第2の入力側メタル層8を通り、バイパス抵抗14を介して共通電位源である接地電位に流れる。この入力側のバイパス抵抗14の値は、入力側対向部25の容量(Ci)のインピーダンスよりも大きく設定されている。このため、交流電流Ii(AC)がバイパス抵抗14に流れ込む量は無視できる。
一方、図3に示す出力側の直流バイアス回路24においては、出力端子21に接続されている第1の出力側メタル層11に対して、直流電圧Vo(DC)を印加する。この直流電圧Vo(DC)は、MEMS共振器において流れる交流信号の周波数に対して高インピーダンスとなるコイル18を介して印加される。この直流電圧Vo(DC)による直流電流Io(DC)が第1の出力側メタル層11、出力電極3(n型)、そして第2の出力側メタル層12を通り、バイパス抵抗19を介して共通電位源となる接地電位に流れ込む。
振動子1が振動して、出力側対向部26の容量(Co)の変化により生じた出力交流電流Io(AC)は、図4に示した接地電位から、第1の支持側メタル層9、支持部4、振動子1に流れる。ここで出力側対向部26とは、振動子1と出力電極3の対向する面により構成された容量部分である。図3に示す振動子1から、出力側対向部26の容量(Co)、出力電極3、第1の出力側メタル層11、出力端子21へ至る電気信号経路を辿って、出力交流電流Io(AC)が出力される。
図4に示すように、支持側の直流バイアス回路23においては、バイアス電源15のバイアス電圧Vpが第1の支持側メタル層9に印加されている。このため、バイアス電圧Vpにより生じる直流電流Ip(DC)は、第1の支持側メタル層9、支持部4を通り、そして第2の支持側メタル層10、バイパス抵抗16を介して共通電位源である接地電位に流れ込む。なお、実施の形態1においては、第1の支持側メタル層9がバイアス端子を介してバイアス電源15に接続されている。
図3に示す構成によれば、入力交流電流Ii(AC)が第1の入力側メタル層7と入力電極2との接合界面を通過する際には同時に直流電流Ii(DC)が流れている。同様に、出力交流電流Io(AC)が出力電極3と第1の出力側メタル層11との接合界面を通過する際には同時に直流電流Io(DC)が流れている。
また、図4に示す構成によれば、入力交流電流Ii(AC)および出力交流電流Io(AC)が第1の支持側メタル層9と支持部4との接合界面を通過する際には同時に直流電流Ip(DC)が流れている。すなわち、金属−半導体の各接合界面には、交流電流とともに直流電流が重畳されている。この結果、前述の図20に示したV−I特性曲線に示すように、動作点を移動させることができ、交流電流に加わる負荷抵抗を小さく(例えば、図20における抵抗r→抵抗r’、r’<r)することができ、直流電流を流さないときの抵抗rに比べて抵抗値を小さくすることができる。したがって、交流電流の電気的エネルギー損失を大幅に低減することができる。
交流信号の入出力関係を示すSパラメータS21を図5に示す。図5において、横軸が周波数[MHz]であり、縦軸が伝達特性S21[dB]である。図5の共振特性曲線に示すように、MEMS共振器は約20MHzに共振周波数を有する。前述の図16に示した従来のMEMS共振器図の構成において、交流電流に加わる負荷抵抗は、r=30kΩ程度である。この負荷抵抗が、図22に示した等価回路上の抵抗ri,ro,rbとなる。しかし、実施の形態1のMEMS共振器の構成においては、直流電流Ii(DC),Io(DC),Ip(DC)として10μA流すことにより、抵抗がr’=10kΩまで改善され、この結果、抵抗分による損失が低減されて、図5に示すように共振波形のピークが鋭くなっている。すなわち、実施の形態1のMEMS共振器の構成においては、高いQ値を示すように改善されている。
図5において、理想形(r=0Ω)の共振波形の先鋭度は純粋にメカニカルなQ値(Qm)を表しており、本発明に係る実施の形態1のMEMS共振器においては、共振の先鋭度が理想値Qmに近づいていることがわかる。高いQ値を有するMEMS共振器は、例えば質量検出器としては最小検出質を向上させ、また発振器としては低位相雑音を可能とさせる。
なお、実施の形態1のMEMS共振器において、直流バイアス回路において使用したバイパス抵抗(14,16,19)は、共振周波数付近の交流周波数信号成分をブロックする機能を有するものであれば用いることができ、コイルや半導体抵抗素子などにおいて高いインピーダンスを有する素子を用いることができる。また、実施の形態1において、出力側バイアス回路24に設けたコイル18は、共振周波数付近の交流周波数信号成分をブロックする機能を有するものであれば抵抗素子や半導体抵抗素子を用いることができる。
(実施の形態2)
以下、本発明に係る実施の形態2のMEMS共振器について添付の図面を参照して説明する。
図6は本発明に係る実施の形態2のMEMS共振器の基本構成を示す斜視図である。図7および図8Aは、実施の形態2のMEMS共振器の動作を説明するために模式的に示した断面図である。図7は図6のMEMS共振器のE−E線による断面を示しており、図8は図6のMEMS共振器のF−F線による断面を示している。なお、図8Aにおいては、振動子の一方の端部近傍(支持部4を含む)を示している。
実施の形態2のMEMS共振器において、前述の実施の形態1のMEMS共振器の構成と異なる点は、メタル層と入出力電極との間に仲介層が設けられている点である。その他の構成は、前述の実施の形態1のMEMS共振器と同じであり、同じ製造方法により形成される。したがって、実施の形態2のMEMS共振器において、実施の形態1のMEMS共振器と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付してその説明は実施の形態1の説明を適用する。なお、実施の形態2の構成においては、メタル層と仲介層により中間層が構成されている。
実施の形態2のMEMS共振器においては、n型半導体の入力電極2、出力電極3および支持部4のそれぞれの上に2つのp型半導体層の仲介層を介してメタル層が形成されている。これらのp型半導体層である仲介層の役割は、振動子1の高さよりも高い面を形成するためのスペーサなどとして利用される。例えば、振動子1の上方を薄膜や蓋で覆うことにより、振動子1周辺に閉空間(キャビティ)を形成し、外部からキャビティ内へのダスト等の進入を遮断し、振動子1を振動の阻害物から保護している。また、必要に応じて、キャビティを真空に保持して、空気の粘性が排除された先鋭度の高い共振特性を得ることもできる。この場合、電気信号経路には、メタルとp型半導体との接合界面、およびpn接合界面が存在し、これらの接合界面が障壁となるバリアを形成する。
実施の形態2のMEMS共振器においては、入力端子20から出力端子21に至る電気信号経路にはメタル層とp型半導体、およびp型半導体とn型半導体が接合する接合界面(接合界面)のバリアが介在しており、これらの接合界面において電気的に結合されている。
実施の形態2のMEMS共振器においては、メタル層とp型半導体、およびp型半導体とn型半導体の接合界面に対して直流電流を貫通させて、その直流電流が直流バイアス回路を通して共通電位源に流れる構成とした。直流バイアス回路とは、前述の実施の形態1における直流バイアス回路と同じであり、交流信号は通さずに、注入された直流電流のみを逃がす回路であり、振動子1の共振周波数近辺の周波数帯の交流信号に対して高いインピーダンスを有する素子と共通電位源とで構成される。
実施の形態2のMEMS共振器において、入力電極2上の表面には、第1の入力側仲介層27(p型)と第1の入力側メタル層7の積層体で構成された中間層と、第2の入力側仲介層28(p型)と第2の入力側メタル層8の積層体で構成された中間層が離間して配置されている。
また、出力電極3上の表面においては、第1の出力側仲介層31(p型)と第1の出力側メタル層11の積層体で構成された中間層と、第2の出力側仲介層32(p型)と第2の出力側メタル層12の積層体で構成された中間層が離間して配置されている。
さらに、振動子1の両端部分にある一方の支持部4上の表面においては、第1の支持側仲介層29(p型)と第1の支持側メタル層9の積層体で構成された中間層と、第2の支持側仲介層30(p型)と第2の支持側メタル層10の積層体で構成された中間層が離間して配置されている。
信号入力側に設けた直流バイアス回路22におけるバイパス抵抗14の役割は、実施の形態1において説明したバイパス抵抗14と同じである。
入力端子20に対しては、交流信号の交流電圧Vi(AC)が印加されている。また、入力端子20が接続されている第1の入力側メタル層7には、コイル33を介して直流電源からの直流電圧Vi(DC)が印加されている。したがって、第1の入力側メタル層7には直流電圧Vi(DC)と交流電圧Vi(AC)が重畳した電圧が印加されている。このとき、交流電流Ii(AC)は第1の入力側メタル層7、第1の入力側仲介層27(p型)、入力電極2(n型)を通り、入力側対向部25の容量(Ci)を介して、振動子1(n型)に流れる。
さらに、図8Aに示すように、交流電流Ii(AC)は、振動子1から支持部4を通り、第1の支持側仲介層29、および第1の支持側メタル層9を介して共通電位源となる接地電位に流れ込む。図8Aに示す支持部4においては、バイパス抵抗16よりも内部抵抗値の低いバイアス電源15の方向へ交流電流Ii(AC)が流れる。
また、図7に示す入力側の直流バイアス回路22において、直流電圧Vi(DC)による直流電流Ii(DC)が第1の入力側メタル層7、第1の入力側仲介層27(p型)、入力電極2(n型)を通り、そして第2の入力側仲介層28(p型)、第2の入力側メタル層8を通り、バイパス抵抗14を介して接地電位に流れる。この入力側のバイパス抵抗14の値は、入力側対向部25の容量(Ci)のインピーダンスよりも大きく設定されている。このため、交流電流Ii(AC)がバイパス抵抗14に流れ込む量は無視できる。
一方、図7に示す出力側の直流バイアス回路24において、出力端子21に接続されている第1の出力側メタル層11に対して、直流電圧Vo(DC)を印加する。この直流電圧Vo(DC)は、MEMS共振器において流れる交流信号の周波数に対して高インピーダンスとなるコイル18を介して印加される。この直流電圧Vo(DC)による直流電流Io(DC)が第1の出力側メタル層11、第1の出力側仲介層31(p型)、出力電極3(n型)を通り、そして第2の出力側仲介層32(p型)、第2の出力側メタル層12を通り、バイパス抵抗19を介して共通電位源である接地電位に流れる。
振動子1が振動して、出力側対向部26の容量変化により生じた出力交流電流io(AC)は、図8Aに示した接地電位から、第1の支持側メタル層9、第1の支持側仲介層29、支持部4、振動子1に流れる。そして、図7に示す振動子1から、出力側対向部26の容量(Co)、出力電極3、第1の出力側仲介層31、第1の出力側メタル層11、出力端子21へ至る電気信号経路を辿って、出力交流電流Io(AC)が出力される。
図8Aに示すように、支持側の直流バイアス回路23においては、バイアス電源15のバイアス電圧Vpが第1の支持側メタル層9に印加されている。このため、バイアス電圧Vpにより生じる直流電流Ip(DC)は、第1の支持側メタル層9、第1の支持側仲介層29、支持部4を通り、そして第2の支持側仲介層30、第2の支持側メタル層10、バイパス抵抗16を介して接地電位に流れ込む。なお、実施の形態2においては、第1の支持側メタル層9がバイアス端子を介してバイアス電源15に接続されている。
図7に示す構成によれば、入力交流電流Ii(AC)が第1の入力側メタル層7、第1の入力側仲介層27、および入力電極2の各接合界面を通過する際には同時に直流電流Ii(DC)が流れている。同様に、出力交流電流Io(AC)が出力電極3、第1の出力側仲介層31、および第1の出力側メタル層11の各接合界面を通過する際には同時に直流電流Io(DC)が流れている。
また、図8Aに示す構成によれば、入力交流電流Ii(AC)および出力交流電流Io(AC)が第1の支持側メタル層9、第1の支持側仲介層29、および支持部4の各接合界面を通過する際には同時に直流電流Ip(DC)が流れている。すなわち、金属−半導体(メタル−n接合、メタル−p接合)の接合界面、またはp型n型半導体(pn接合、pp接合、nn接合)の接合界面には、交流電流とともに直流電流が重畳されている。この結果、前述の図20に示したV−I特性曲線に示すように、動作点を移動させることができ、交流電流に加わる負荷抵抗を小さくすることができ、直流電流を流さないときの抵抗値rに比べて抵抗値r’(図20参照)を小さくすることができる。したがって、交流電流の電気的エネルギー損失を大幅に低減することができる。
なお、実施の形態2においては、図8Aに示した構成に限定されず、例えば図8Bから図8Eに示すように構成してもよい。
図8Bに示す構成は、図8Aと同様の断面図を示しているが、第1の支持側メタル層9がバイアス端子およびバイパス抵抗16を介してバイアス電源15に接続されており、第2の支持側メタル層10が接地電位に接続された構成である。
図8Cから図8Eは、両持ち梁型の振動子1の構成を中間部分省略で示した断面図であり、振動子1における両側の支持部4A,4Bのそれぞれに中間層を設けて振動子1に直流電流を流す構成である。すなわち、第1の支持部4Aに第1の支持側メタル層9と第1の支持側仲介層29により構成された第1の中間層を設け、第2の支持部4Bに第2の支持側メタル層10と第2の支持側仲介層30により構成された第2の中間層を設けている。
図8Cに示す構成は、第1の支持部4Aに形成した第1の中間層の第1の支持側メタル層9がバイアス端子を介してバイアス電源15に接続されており、第2の支持部4Bに形成した第2の中間層の第2の支持側メタル層10がバイパス抵抗16を介して接地電位に接続された構成である。
図8Dに示す構成は、第1の支持部4Aに形成した第1の中間層の第1の支持側メタル層9がバイアス端子およびバイパス抵抗16を介してバイアス電源15に接続されており、第2の支持部4Bに形成した第2の中間層の第2の支持側メタル層10が接地電位に接続された構成である。
図8Eに示す構成は、第1の支持部4Aに形成した第1の中間層の第1の支持側メタル層9がバイアス端子を介してバイアス電源15に接続されており、第2の支持部4Bに形成した第2の中間層の第2の支持側メタル層10が接地電位に接続された構成である。図8Eに示す構成においては、直流バイアス回路おいてインピーダンス素子が設けられていないが、振動子1が直流バイアス回路の電流経路に含まれており、振動子自身がインピーダンスを有しているため、更なるインピーダンス素子は不要となる。
上記のように構成されているため、実施の形態2のMEMS共振器は、前述の実施の形態1のMEMS共振器と同様に、図5に示したように共振波形のピークが鋭くなり、高いQ値を示すように改善されている。
(実施の形態3)
以下、本発明に係る実施の形態3のMEMS共振器について添付の図面を参照して説明する。
前述の実施の形態2の構成においては、「入力電極」、「振動子(支持部)」および「出力電極」の3つの構成部を有する例で説明したが、実施の形態3のMEMS共振器は「振動子(支持部)」が「出力電極」を兼ねた構成である。実施の形態3のMEMS共振器の構成において、その他の構成は、実施の形態2のMEMS共振器と同じであり、同じ製造方法により形成される。したがって、実施の形態3のMEMS共振器において、実施の形態2のMEMS共振器と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付してその説明は実施の形態2の説明を適用する。なお、実施の形態3の構成においては、メタル層と仲介層により中間層が構成されている。
図9は本発明に係る実施の形態3のMEMS共振器の基本構成を示す斜視図である。図10および図11は、実施の形態3のMEMS共振器の動作を説明するために模式的に示した断面図であり、図10は図9のMEMS共振器のG−G線による断面を示しており、図11は図9のMEMS共振器のH−H線による断面を示している。なお、図11においては、振動子の一方の端部近傍を示している。
実施の形態3のMEMS共振器においては、図9に示すように、支持部4に形成された第1の支持側メタル層9がバイパス抵抗19を介して接地電位に接続されている。一方、第2の支持側メタル層10は、コイル18を介してバイアス電圧Vpが入力されるよう接続されている。また、第2の支持側メタル層10は出力端子21に接続されている。なお、入力電極側の構成は、前述の実施の形態2と同じである。したがって、実施の形態3のMEMS共振器においては、支持部4が振動子1を両持ち支持するとともに、出力電極としての機能を有する。
したがって、実施の形態3の構成においても、電気信号経路には、メタルとp型半導体との接合界面およびpn接合界面の接合界面が存在し、これらの接合界面が障壁となるバリアとなる。
実施の形態3のMEMS共振器の構成によれば、入力交流電流Ii(AC)が第1の入力側メタル層7、第1の入力側仲介層27、および入力電極2の各接合界面を通過する際には同時に直流電流Ii(DC)が流れている。また、出力交流電流Io(AC)が振動子1(支持部4)、第2の支持側仲介層30、および第2の支持側メタル層10の各接合界面を通過する際には同時に直流電流Ip(DC)が流れている。すなわち、金属−半導体の接合界面、またはp型n型半導体の接合界面には、交流電流とともに直流電流が重畳されている。この結果、前述の図20に示したV−I特性曲線に示すように、動作点を移動させることができ、交流電流に加わる負荷抵抗を小さくすることができ、直流電流を流さないときの抵抗値rに比べて抵抗値r’を小さくすることができる。したがって、交流電流の電気的エネルギー損失を低減することができる。
実施の形態3のMEMS共振器は、上記のように構成されているため、前述の実施の形態1のMEMS共振器と同様に、図5に示したように共振波形のピークが鋭くなり、高いQ値を示すように改善されている。
(実施の形態4)
以下、本発明に係る実施の形態4のMEMS共振器について添付の図12から図14を参照して説明する。
本発明のMEMS共振器においては、振動子の構成として両持ち梁型に限定されるものではなく、片持ち梁型でもよい。また。本発明のMEMS共振器における振動子としては、前述の「特許文献1」に示されているようなディスク(円盤)型、リング(円環)型、スクエア(矩形)型などの多様な形状に対応できるものであり、梁型に限定されるものではない。したがって、振動子に励起される共振モードもたわみ振動に限定されるものではない。例えば、振動子が梁型の場合でも振動子がねじり振動を行うねじり振動モードを本発明のMEMS共振器に利用することができる。
本発明に係る実施の形態4のMEMS共振器は、ねじり振動モードの振動子が設けられた構成のMEMS共振器の一例を示す。実施の形態4のMEMS共振器においては、振動子が三角形の断面を有する三角柱であり、その三角形の2辺を構成する各面に対向して入力電極および出力電極が形成されている。その他の構成は、前述の実施の形態2のMEMS共振器と同じである。したがって、図12から図14に示したMEMS共振器においては、実施の形態2のMEMS共振器と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付してその説明は実施の形態2の説明を適用する。なお、実施の形態4の構成においては、メタル層と仲介層により中間層が構成されている。
図12は本発明に係る実施の形態4のMEMS共振器の基本構成を示す斜視図である。図13および図14は、実施の形態4のMEMS共振器の動作を説明するために模式的に示した断面図である。図13は図12のMEMS共振器のJ−J線による断面を示しており、図14は図12のMEMS共振器のK−K線による断面を示している。なお、図14においては、振動子の一方の端部近傍を示している。
図13に示すように、実施の形態4のMEMS共振器における振動子1Aは、断面が三角形の梁型であり、材料は単結晶シリコンから成る。振動子1Aの断面が三角形であるのは、結晶方位面{111}の2面と{100}1面に囲まれているからである。この三角形断面の振動子1Aに対して、入力電極2Aから静電力のモーメントを加えてねじり振動を励起させている。振動子1Aにおいてねじり振動が生じ、そのねじり振動により生じる電流が出力電極3Aから出力されるよう構成されている。入力側対向部25Aにおいては、振動子1Aの三角形を構成する1つの面に対向するように入力電極2Aの対向面が形成されている。また、出力側対向部26Aにおいては、振動子1Aの三角形を構成する他の1つの面に対向するように出力電極3Aの対向面が形成されている。ここで入力側対向部25Aとは入力電極2Aと振動子1Aの対向する面により構成された容量部分(Ci)であり、出力側対向部26Aとは振動子1Aと出力電極3Aの対向する面により構成された容量部分(Co)である。
実施の形態4のMEMS共振器においては、ねじり振動に伴う発生電流を出力するよう構成するために、入力電極2Aおよび出力電極3Aの高さ(図13における符号h)は、振動子1Aの高さ(図13における符号H)の約1/2に設定されている。また、入力電極2Aおよび出力電極3Aは、それぞれの底面と、振動子1Aの底面が同一平面内となるよう配置されている。なお、実施の形態4のMEMS共振器において、メタル層、仲介層、バイパス抵抗等の他の構成、機能、動作に関しては、前述の実施の形態2のMEMS共振器と同じである。
実施の形態4のMEMS共振器においては、図13に示すように、入力交流電流Ii(AC)が第1の入力側メタル層7、第1の入力側仲介層27、および入力電極2Aの各接合界面を通過する際には同時に直流電流Ii(DC)が流れている。同様に、出力交流電流Io(AC)が出力電極3A、第1の出力側仲介層31、および第1の出力側メタル層11の各接合界面を通過する際には同時に直流電流Io(DC)が流れている。
また、実施の形態4のMEMS共振器においては、図14に示すように、入力交流電流Ii(AC)および出力交流電流Io(AC)が第1の支持側メタル層9、第1の支持側仲介層29、および支持部4の各接合界面を通過する際には同時に直流電流Ip(DC)が流れている。すなわち、金属−半導体の接合界面、またはp型n型半導体の接合界面には、交流電流とともに直流電流が重畳されている。この結果、前述の図20に示したV−I特性曲線に示すように、動作点を移動させることができ、交流電流に加わる負荷抵抗を小さくすることができ、直流電流を流さないときの抵抗値rに比べて抵抗値r’を小さくすることができる。したがって、交流電流の電気的エネルギー損失を低減することができる。
上記のように構成された実施の形態4のMEMS共振器は、実施の形態1のMEMS共振器と同様に、図5に示したように共振波形のピークが鋭くなり、高いQ値を示すように改善されている。
上記の各実施の形態においては、メタル層、仲介層(p型)、入出力電極(n型)などの積層構成として説明したが、p型とn型は逆転しても同様の効果を得ることができる。また、例えばp型とp型の積層構造でもその接合界面にはバリアが発生するため、本発明の技術的思想に基づく構成により、前述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。同様に、n型とn型の積層構造でもよく、または、pnpやnpnの複合積層構造においても同様の効果を得ることができる。さらに、仲介層を介さずに金属−半導体積層構造としても同様の効果を得ることができる。
なお、メタル層、仲介層、入力電極、出力電極などにおける接合界面のバリアに伴うV−I(電圧−電流)特性の中で定める直流動作点は、図20に示した特性曲線における逆バイアス領域を用いても利用できる。特に、逆バイアス領域を用いることによる効果は、図15に示すV−I特性曲線における逆バイアス領域にアバランシェ降伏が存在する状態で顕著となる。バイアス直流電流をV−I特性曲線の傾きが大きいアバランシュ降伏の領域で設定することにより、交流信号への抵抗r’を著しく低減することができる。
各実施の形態の構成において、直流電源と共通電位源の接続位置を特定して説明したが、本発明においては直流電源と共通電位源の接続位置を特定するものではなく、各実施の形態の構成とは逆の接続であっても同様の効果を奏する。また、入力側および出力側の直流バイアス回路においては、当該直流バイアス回路内にインピーダンスを有する構成であればよく、インピーダンス素子の配設位置を特定するものではない。さらに、入力側および出力側の直流バイアス回路に設けたインダクタンス素子は、接合界面を通過した信号が直流信号と交流信号に分離されて、交流信号のみが入力端子から出力端子に流れるように接続されていればよく、前述の各実施の形態において説明した構成に限定されるものではない。
本発明のMEMS共振器は、ある特定の周波数、すなわち振動子の共振周波数近傍のみで入出力電極間の電気通過特性が向上することを利用したフィルタ回路や、温度、振動子にかかる応力、振動子への微量な付着物等によって振動子の共振周波数がシフトすることを利用した、温度センサ、圧力センサ、質量センサなどに使用することにより、各デバイスの性能を向上させることが可能となる。
上記のように、本発明のMEMS共振器においては、金属や半導体層の接合面に存在するバリアによる抵抗分による交流信号の損失を低減し、高いQ値を有する共振特性を示すものとなる。このため、本発明によれば、質量検出器としては最小検出質量を向上させ、また発振器としては低位相雑音を可能とさせるとともに、その他共振を利用したフィルタ回路、ジャイロスコープ、圧力センサ、光スキャナ、質量検出素子等への幅広い産業用途に展開可能である。
本発明のMEMS共振器は、金属や半導体層の接合面に存在するバリアによる抵抗分による交流信号の損失を低減し、高いQ値を有する共振特性を示すため、各種の分野において幅広く用いることができる。
1 振動子
2 入力電極
3 出力電極
4 支持部
5 シリコン基板
6 埋め込み酸化膜
7 第1の入力側メタル層
8 第2の入力側メタル層
9 第1の支持側メタル層
10 第2の支持側メタル層
11 第1の出力側メタル層
12 第2の出力側メタル層
13 入力側直流電源
14 入力側バイパス抵抗
15 支持側バイアス電源
16 支持側バイパス抵抗
17 出力側直流電源
18 出力側コイル
19 出力側バイパス抵抗
20 入力端子
21 出力端子
22 入力側直流バイアス回路
23 支持側直流バイアス回路
24 出力側直流バイアス回路
25 入力側対向部
26 出力側対向部
27 第1の入力側仲介層
28 第2の入力側仲介層
29 第1の支持側仲介層
30 第2の支持側仲介層
31 第1の出力側仲介層
32 第2の出力側仲介層

Claims (14)

  1. 静電力が印加されて機械的に振動する振動子と、
    前記振動子を振動可能に支持する支持部と、
    空隙を介して前記振動子と対向する面を有する少なくとも1つの電極と、を有し、
    前記支持部または前記電極のうちの1つが入力電極であり、前記支持部または前記電極のうちの他の1つが出力電極であり、
    前記入力電極に接続された入力端子を介して印加される交流信号により生じる静電力によって前記振動子を励振させて、前記振動子の振動により発生する電流を前記出力電極に接続された出力端子を介して出力するMEMS共振器であって、
    前記入力端子と前記入力電極との間の電流経路、または前記出力電極と前記出力端子との間の電流経路には、pn接合、pp接合、nn接合、メタル−n接合、メタル−p接合の少なくともいずれかの接合界面が形成されており、
    前記接合界面に定常的に直流電流を流すための直流バイアス回路を備えるMEMS共振器。
  2. 静電力が印加されて機械的に振動する振動子と、
    前記振動子を振動可能に支持する支持部と、
    空隙を介して前記振動子と対向する面を有する少なくとも2つの電極と、を有し、
    前記少なくとも2つの電極のうちの1つが入力電極であり、前記少なくとも2つの電極のうちの他の1つが出力電極であり、
    前記入力電極に接続された入力端子を介して印加される交流信号により生じる静電力によって前記振動子を励振させて、前記振動子の振動により発生する電流を前記出力電極に接続された出力端子を介して出力するMEMS共振器であって、
    前記振動子と一体的に形成された前記支持部にはバイアス端子が接続されており、前記バイアス端子と前記支持部との間の電流経路には、pn接合、pp接合、nn接合、メタル−n接合、メタル−p接合の少なくともいずれかの接合界面が形成されており、
    前記接合界面に定常的に直流電流を流すための直流バイアス回路を備えるMEMS共振器。
  3. 前記入力電極の表面に配置された第1の中間層を有し、
    前記接合界面は、前記入力電極と前記第1の中間層との間に形成され、
    前記入力端子は、前記第1の中間層を介して前記入力電極に接続され、
    前記直流バイアス回路は、
    一端が直流電源または共通電極の一方に接続され、他端が前記第1の中間層に接続された第1のインピーダンス素子と、
    一端が前記入力電極の表面における前記第1の中間層が形成された領域以外の領域に接続され、他端が前記直流電源または前記共通電極の他方に接続された第2のインピーダンス素子と、を含み、
    前記第1のインピーダンス素子はインダクタまたは抵抗を有し、
    前記第2のインピーダンス素子はインダクタまたは抵抗を有し、
    前記第1のインピーダンス素子および前記第2のインピーダンス素子のいずれか一方は抵抗を有する請求項1に記載のMEMS共振器。
  4. 前記入力電極の表面に配置され、前記第1の中間層とは離間して配置された第2の中間層を有し、
    前記第2のインピーダンス素子は、前記第2の中間層を介して前記入力電極に接続されている請求項3に記載のMEMS共振器。
  5. 前記出力電極の表面に配置された第1の中間層を有し、
    前記接合界面は、前記出力電極と前記第1の中間層との間に形成され、
    前記出力端子は、前記第1の中間層を介して前記出力電極に接続され、
    前記直流バイアス回路は、
    一端が直流電源または共通電極の一方に接続され、他端が前記第1の中間層に接続された第1のインピーダンス素子と、
    一端が前記出力電極の表面における前記第1の中間層が形成された領域以外の領域に接続され、他端が前記直流電源または前記共通電極の他方に接続された第2のインピーダンス素子と、を含み、
    前記第1のインピーダンス素子はインダクタまたは抵抗を有し、
    前記第2のインピーダンス素子はインダクタまたは抵抗を有し、
    前記第1のインピーダンス素子および前記第2のインピーダンス素子のいずれか一方は抵抗を有する請求項1に記載のMEMS共振器。
  6. 前記出力電極の表面に配置され、前記第1の中間層とは離間して配置された第2の中間層を有し、
    前記第2のインピーダンス素子は、前記第2の中間層を介して前記出力電極に接続されている請求項5に記載のMEMS共振器。
  7. 前記支持部の表面に配置された第1の中間層を有し、
    前記接合界面は、前記支持部と前記第1の中間層との間に形成され、
    前記バイアス端子は、第1の配線により、前記第1の中間層を介して前記支持部に接続され、
    前記直流バイアス回路は、
    前記支持部の表面における前記第1の中間層が形成された領域以外の領域と、共通電極とを接続する第2の配線、を備え、
    前記第1の配線または前記第2の配線のいずれか一方の途中に抵抗素子を有する請求項2に記載のMEMS共振器。
  8. 前記支持部は、前記振動子の両端を支持する第1の支持部および第2の支持部を有し、
    前記第1の支持部の表面に配置された第1の中間層を有し、
    前記接合界面は、前記第1の支持部と前記第1の中間層との間に形成され、
    前記バイアス端子は、第1の配線により、前記第1の中間層を介して前記第1の支持部に接続され、
    前記直流バイアス回路は、
    前記第2の支持部と共通電極とを接続する第2の配線、を備える請求項2に記載のMEMS共振器。
  9. 前記第2の支持部の表面に配置され、前記第1の中間層とは前記振動子を介して離間して配置された第2の中間層を有し、
    前記第2の配線は、前記第2の中間層を介して、前記第2の支持部と前記共通電極とを接続する請求項7または請求項8に記載のMEMS共振器。
  10. 前記第1のインピーダンス素子または前記第2のインピーダンス素子のインピーダンスは、前記入力端子に入力された交流信号の電流が前記直流電源または前記共通電極に流れない値に設定される請求項3乃至6のいずれか1項に記載のMEMS共振器。
  11. 前記第1の中間層は、メタル層を有して構成された請求項3または5に記載のMEMS共振器。
  12. 前記第2の中間層は、メタル層を有して構成された請求項4または6に記載のMEMS共振器。
  13. 前記第1の中間層は、仲介層とメタル層が積層されて構成された請求項3または5に記載のMEMS共振器。
  14. 前記第1の中間層は、仲介層とメタル層が積層されて構成された請求項4または6に記載のMEMS共振器。
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