JPWO2012114408A1 - 回折光学素子およびそれを備えた撮像装置 - Google Patents

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Abstract

回折光学素子の凸部のエッジ部分に割れが生じることを抑制する。回折光学素子(10)は、回折面(13)を備えている。回折面(13)は、複数の凸部(15)を有している。凸部(15)は、回折機能を有する第1面(16)と、立ち上がるように延びて、第1面(16)に連結された第2面(17)とを有している。光軸(X)に対する第2面(17)の傾斜角度(θ)は、回折面(13)の領域に応じて異なっている。

Description

ここに開示された技術は、少なくとも1つの光学面に回折面が形成された回折光学素子及びそれを備えた撮像装置に関するものである。
従来より、回折面を備えた回折光学素子が知られている(特許文献1参照)。例えば、特許文献1に記載された回折光学素子は、複数の光学部材が積層され、両者の境界面に回折面が形成されている。回折面は、断面鋸歯状の回折格子で形成されている。詳しくは、一方の光学部材の回折面は、複数の山形状の凸部を有し、全体としては凸部と凹部とが交互に繰り返された形状となっている。凸部は、光軸に対して傾斜し、回折機能を有する第1壁と、光軸方向に立ち上がるように形成され、該第1壁に連結された第2壁とを有している。他方の光学部材の回折面は、上記回折面の反転形状を有している。
特開平9−127321号公報
上記のような回折面を備えた回折光学素子を形成する場合、プレス成形等の成形技術が用いられる。しかし、従来の回折光学素子では、鋸歯形状の凸部の稜部や凹部の谷底部に割れが生じる虞がある。例えば、成形時の冷却工程においては回折光学素子の中央領域よりも外側領域の方が収縮量が大きいため、外側領域では回折光学素子の凸部が金型から受ける拘束力が大きくなる。その結果、回折光学素子の外側領域において割れが生じる虞がある。それ以外の場合であっても、様々な要因により、回折面の場所に応じて回折光学素子に割れが生じる虞がある。
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回折光学素子に生じる割れを抑えることにある。
ここに開示された回折光学素子は、回折面を備えた回折光学素子であって、上記回折面は、複数の凸部を有しており、上記凸部は、回折機能を有する第1面と、立ち上がるように延びて、該第1面に連結された第2面とを有し、光軸に対する上記第2面の傾斜角度は、上記回折面の領域に応じて異なっているものとする。
上記回折光学素子によれば、凸部の第2面の傾斜角度を領域に応じて異ならせているので、回折光学素子の割れを抑えることができる。
図1は、実施形態1に係る回折光学素子の概略断面図である。 図2は、実施形態1に係る回折光学素子を製造する概略工程図であって、(A)は、成形型にガラス材料をセットした状態を示し、(B)は、成形型でガラス材料を押圧した状態を示す。 図3は、実施形態2に係る回折光学素子の概略断面図である。 図4は、実施形態3に係る回折光学素子の概略断面図である。 図5は、実施形態4に係る回折光学素子の概略断面図である。 図6は、実施形態4に係る回折光学素子の製造方法を示す概略工程図であって、(A)は、成形型に樹脂材料をセットした状態を示し、(B)は、第1光学部材と成形型とで樹脂材料を押圧した状態を示し、(C)は、回折光学素子を離型した状態を示す。 図7は、実施形態5に係る回折光学素子の概略断面図である。 図8は、実施形態6に係る撮像装置の概略構成図である。
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
《実施の形態1》
図1に、本実施形態に係る回折光学素子10の概略断面図を示す。
回折光学素子10は、光透過性を有する光学部材で構成されている。回折光学素子10は、互いに対向する第1光学面11と第2光学面12とを備えている。第2光学面12には、回折面13が形成されている。すなわち、回折光学素子10の少なくとも一方の光学面(第2光学面12)に回折面13が形成されている。回折光学素子10は、ガラス材料や樹脂材料などの光学材料で形成される。尚、第1光学面11は、球面又は非球面に形成されている。
回折面13には、回折格子14が形成されている。回折格子14は、複数の凸部15,15,…を有している。凸部15,15,…は、ベース面19上に形成されている。ベース面19は、平面で形成されている。ベース面19は、各凸部15の下端縁を通る面で定義される。凸部15,15,…は、回折光学素子10の光軸Xを中心として周方向に延び且つ、光軸Xを中心として同心円状に規則的に配列されている。各凸部15の横断面は、略三角形状をしている。より詳しくは、各凸部15は、光軸Xに対して傾斜し、回折機能を有する第1面16と、ベース面19から立ち上がるように延びて、第1面16と連結された第2面17とを有している。各凸部15において、第1面16は、光軸Xを中心とする半径方向外側に位置し、第2面17は、半径方向内側に位置する。第1面16と第2面17との連結部は、稜部を形成している。
本実施形態では、凸部15の高さ(以下、「格子高さ」ともいう)Hは、回折光学素子10の全域に亘ってほぼ同じ高さである。ここで、凸部15の高さとは、光軸X方向におけるベース面19から凸部15の頂部(稜部)までの距離である。凸部15のピッチPは、光軸Xを含む中央領域(以下、単に「中央領域」という)よりも、該中央領域よりも半径方向外側の外側領域(以下、単に「外側領域」という)の方が小さい。詳しくは、ピッチPは、光軸Xから半径方向外側に向かうにしたがって小さくなる。ここで、凸部15のピッチPとは、凸部15,15の頂部間の、光軸Xを中心とする半径方向への距離である。例えば、凸部15の格子高さHは、5〜20μmである。また、凸部15のピッチPは、中央領域では400〜2000μmであり、外側領域では100〜400μmである。これらの値は、回折光学素子に求められる光学特性に応じて適宜設定され得る。
第1面16は、光軸Xに対して傾斜する傾斜面であり、回折機能を有する。各凸部15の第1面16の傾斜角度は、回折面13全体として所望の回折機能を発揮するように適宜設定される。
第2面17は、ベース面19から立ち上がるように延びて、第1面16の先端縁(ベース面19から離れた側の端縁)に連結されている。第2面17は、回折面13の場所によっては、光軸Xに対して傾斜している。すなわち、第2面17の、光軸Xに対する傾斜角度(以下、単に「傾斜角度」ともいう)θは、回折面13の領域に応じて異なっている。具体的には、第2面17の傾斜角度θは、中央領域と外側領域とで大きさが異なる。例えば、中央領域においては、第2面17は、光軸Xと平行に延びており、傾斜角度θは0である。一方、外側領域では、第2面17は、ベース面19から離れるほど、半径方向外側に位置するように傾斜している。つまり、外側領域における第2面17の傾斜角度θは、中央領域における第2面17の傾斜角度θよりも大きい。
さらに詳しくは、第2面17の傾斜角度θは、中央領域から外側領域に向かうに従って(即ち、半径方向内側から外側に向かって)しだいに大きくなっている。例えば、図1に示すように、最外周の凸部15の第2面17の傾斜角度をθとし、それよりも1つ内側の凸部15の第2面17の傾斜角度をθとし、それよりもさらに1つ内側の凸部15の第2面17の傾斜角度をθとすると、θ>θ>θという関係になる。中央領域における第2面17の傾斜角度θは、0°〜10°であることが好ましく、外側領域における第2面17の傾斜角度θは、10°〜30°であることが好ましい。
[製造方法]
次に、本実施形態に係る回折光学素子10の製造方法について説明する。
まず、図2(A)に示すような成形型20(上型21、下型22、胴型23)を用意する。上型21の成形面には、回折面13の反転形状が形成されている。下型22の成形面は、球面または非球面形状で形成されている。下型22の成形面上にガラス材料30を配置する。次に、図2(B)に示すように、上型21を胴型23に沿って下型22方向に降下させることで、ガラス材料30を押圧する。成形温度や成形時間等のプロセス条件は適宜設定される。
押圧が終了すると、上型21を上方向に移動させることでガラス材料30を離型させる。ガラス材料30を所定時間冷却することで、回折光学素子10が得られる。
[効果]
本実施形態の回折光学素子10では、第2面17の傾斜角度θは、回折面13の領域に応じて異なる角度で形成されているので、割れやすい領域の傾斜角度θを相対的に大きくすることができる。詳しくは、プレス成形後の冷却工程において、回折光学素子10は収縮する。回折光学素子10は、光軸X方向よりも半径方向に寸法が大きい形状をしているので、各凸部15は、収縮時に光軸X方向よりも半径方向へ大きく変位する。このとき、回折光学素子10の凸部15は上型21の凸部と噛合しているため、凸部15の半径方向への移動は該上型21の凸部に拘束される。そのため、凸部15には半径方向外側への力が作用する。ここで、凸部15の稜部(即ち、先端部)は強度が弱いため、割れが生じ易い。また、隣接する凸部15,15で形成される凹部の谷底部には応力が集中し易いため、この部分にも割れが生じ易い。そして、上記収縮量は、回折光学素子10の中央領域に比べて外側領域の方が大きい。そのため、回折光学素子10の外側領域ほど、前述の部分に割れが生じ易い。それに対して、本実施形態では、第2面17の傾斜角度θを外側領域ほど大きくしている。第2面17を光軸Xに対して傾斜させることによって、上型21の凸部からの半径方向外側への力を光軸方向へも分散させることができる。それによって、回折光学素子10の凸部15の割れを抑制することができる。さらに、光軸方向へ分散させた力は、回折光学素子10と上型21とを離型させる力として作用するため、その点においても有利である。
尚、収縮量に関しては、概して、中央領域よりも外側領域の方が大きいため、凸部15の割れは外側領域ほど生じ易い。しかし、凸部15の割れが生じ易い領域は外側領域だけではない。成形条件や回折光学素子10の形状によっては、外側領域ほど割れが生じ易いという傾向が当てはまらない場合もある。その場合には、割れが生じ易い領域の凸部15の第2面17の傾斜角度θをそれ以外の領域よりも大きくする。その結果、割れ易い領域の凸部15の割れを抑制することができる。
《実施形態2》
次に、実施形態2に係る回折光学素子210について図面を参照しながら説明する。図3は、回折光学素子210を示す概略断面図である。
回折光学素子210は、ベース面が凹面である点で実施形態1に係る回折光学素子10と異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。実施形態1と同様の機能や形状を有する構成には、同じ符号を付し、再度の説明を省略する場合がある。
回折光学素子210の回折面213は、ベース面219と、ベース面219上に形成された回折格子214とを有している。ベース面219は、凹面であって、より詳しくは、球面又は非球面であり得る。
回折格子214の凸部15は、第1面16と第2面17とを有している。第2面17の傾斜角度θは、実施形態1と同様に、外側領域の方が中央領域よりも大きくなっている。
回折光学素子210は、実施形態1と同様に成形型20で成形される。上型21は、回折面213の反転形状を有する成形面が形成されている。すなわち、上型21の成形面は、凸状に湾曲したベース面上に複数の凸部が配列された形状をしている。
ここで、回折光学素子210のベース面219は凹状であるため、成形時には、回折面213が上型21の成形面を外側から覆うような状態となる。そのため、冷却工程において回折光学素子210が収縮すると、回折光学素子210は、凸部15と上型21の凸部との噛合がよりきつくなるように収縮する。その結果、凸部15にはより大きな力が作用し、割れが生じ易くなる。
それに対して、本実施形態では、実施形態1と同様に、凸部15の第2面17を傾斜させることによって、凸部15の割れを抑制することができる。また、回折光学素子210の外周領域ほど収縮量が大きく、割れが生じ易いことは実施形態1と同様である。そのため、第2面17の傾斜角度θを外側領域ほど大きくすることによって、実施形態1と同様に、外周領域での凸部15の割れを抑制できると共に、容易に離型させることができる。
《実施形態3》
次に、実施形態3に係る回折光学素子310について図面を参照しながら説明する。図4は、回折光学素子310を示す概略断面図である。
回折光学素子310は、凸部の高さが中央領域から外側領域に向かうにつれて高くなる点で、実施形態1と異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。実施形態1と同様の機能や形状を有する構成には、同じ符号を付し、再度の説明を省略する場合がある。
回折光学素子310の回折面313は、ベース面19と、ベース面19上に形成された回折格子314とを有している。回折格子314は、複数の凸部315,315,…を有している。凸部315の高さHは、外側領域の方が中央領域よりも高くなっている。より詳しくは、凸部315の高さHは、半径方向外側ほど高くなっている。そして、外側領域における凸部315の第2面317の傾斜角度θは、中央領域における凸部315の第2面317の傾斜角度θよりも大きくなっている。
凸部315の高さが高いほど、凸部315の強度が弱くなるため、プレス成形時等に凸部315に割れが発生しやすい。しかし、本実施形態では、高さが高い凸部315の第2面317の傾斜角度θを大きくしているため、凸部315の割れを抑制することができる。
《実施形態4》
次に、実施形態4に係る回折光学素子410について図面を参照しながら説明する。図5は、回折光学素子410を示す概略断面図である。
本実施形態に係る回折光学素子410は、複数の光学部材が積層されている点で、実施形態1と異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。実施形態1と同様の機能や形状を有する構成には、同じ符号を付与し、再度の説明を省略する場合がある。
図5に示すように、回折光学素子410は、それぞれ光透過性を有する第1光学部材431及び第2光学部材432を積層させて構成された密着積層型回折光学素子である。
第1光学部材431と第2光学部材432とは相互に接合されている。第1光学部材431と第2光学部材432との境界面に、上記回折面13が形成されている。回折面13の光学的パワーは波長依存性を有するため、回折面13は、波長の異なる光に対してほぼ同じ位相差を付与し、波長の異なる光を相互に異なる回折角で回折させる。
本実施形態では、第1光学部材431はガラス材料で形成され、第2光学部材432は樹脂材料で形成されている。樹脂材料としてはたとえば、紫外線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂を用いることができる。
[製造方法]
以下、回折光学素子410の製造方法について説明する。
まず、第1光学部材431を用意する。第1光学部材431は、実施形態1と同様の製造方法により得ることができる。
続いて、図6(A)に示すように、下型424を用意する。下型424は、第2光学部材432の、回折面13とは反対側の面に対応する形状を有している。そして、下型424上に紫外線硬化型の樹脂材料440を配置する。その後、第1光学部材431を、回折面13を下型424の方へ向けた状態で、下型424の方へ移動させる。
そして、図6(B)に示すように、第1光学部材431と下型424とで樹脂材料440を押圧して、樹脂材料440を第1光学部材431及び下型424に倣った形状に変形させる。その後、樹脂材料440に紫外線450を照射する。紫外線450を所定時間だけ照射すると、樹脂材料440が硬化して第2光学部材432が形成される。
その後、図6(C)に示すように、第1光学部材431及び第2光学部材432を下型424から離型することで、第1光学部材431及び第2光学部材432とが一体となった回折光学素子410を得ることができる。
《実施形態5》
次に、実施形態5に係る回折光学素子510について図面を参照しながら説明する。図7は、回折光学素子510を示す概略断面図である。
回折光学素子510は、実施形態4に係る回折光学素子410の第2光学部材432上に、さらに第3光学部材533が積層されている。第3光学部材533は、ガラス材料や樹脂材料で形成されている。
《実施形態6》
次に、実施形態6に係るカメラ600について図面を参照しながら説明する。図8には、カメラ600の概略図を示す。
カメラ600は、カメラ本体660と、該カメラ本体660に取り付けられた交換レンズ670とを備えている。カメラ600が撮像装置を構成する。
カメラ本体660は、撮像素子661を有している。
交換レンズ670は、カメラ本体660に着脱可能に構成されている。交換レンズ670は、例えば、望遠ズームレンズである。交換レンズ670は、光束をカメラ本体660の撮像素子661上に合焦させるための結像光学系671を有している。結像光学系671は、上記回折光学素子410と、屈折型レンズ672,673とで構成されている。回折光学素子410はレンズ素子として機能する。交換レンズ670が光学機器を構成する。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態における回折格子14,214,314の構成は一例であって、これに限られるものではない。例えば、各凸部15において、半径方向外側の面が第1面16となり、半径方向内側の面が第2面17となっているが、これに限られるものではない。すなわち、各凸部15において、半径方向外側の面が第2面17となり、半径方向内側の面が第1面16となっていてもよい。また、凸部15の格子高さH及びピッチPも、上記実施形態に限られるものではない。例えば、凸部15の格子高さHは、中央領域の方が外側領域よりも高くなっていてもよい。また、凸部15のピッチPは、中央領域の方が外側領域よりも狭くてもよいし、回折面の全域に亘って一定であってもよい。また、上記実施形態では、格子高さH及びピッチPは、半径方向の位置に応じてしだいに変化しているが、回折面が複数の領域に分割され、各領域内では格子高さH又はピッチPは一定で、領域ごとの格子高さH又はピッチPは異なるように構成してもよい。
第2面17の傾斜角度θは、回折面13の場所に応じて異なっていれば、上記実施形態に限られるものではない。例えば、第2面17の傾斜角度θは、中央領域の方が外側領域よりも大きくてもよい。また、第2面の17の傾斜角度θは、半径方向に応じて、又は、凸部15の高さに応じて徐々に変化するのではなく、半径方向の距離や凸部15の高さに基づいて回折面13が複数の領域に分割され、各領域内での傾斜角度θは一定で、領域ごとの傾斜角度θは異なるように構成してもよい。
ただし、凸部15の割れが生じ易い領域ほど、第2面17の傾斜角度θが大きくなっていることが好ましい。凸部15の割れは、半径方向外側ほど、凸部15の高さが高いほど、又は凸部15のアスペクト比(幅に対する高さの比)が大きいほど生じ易い。つまり、第2面17の傾斜角度θは、回折光学素子の中央から離れるにしたがって大きくなるように構成されていてもよい。第2面17の傾斜角度θは、凸部15の高さが高くなるほど大きくなるように構成されていてもよい。第2面17の傾斜角度θは、凸部15のアスペクト比が大きくなるほど大きくなるように構成されていてもよい。
それ以外であっても、凸部15の割れが生じ易い要因は存在し、成形の条件によっては半径方向内側の方が凸部15の割れが生じ易い場合もある。その場合には、半径方向内側ほど、第2面17の傾斜角度θが大きくなっていてもよい。
上記実施形態2では、ベース面219が凹状に湾曲した構成について説明したが、これに限られるものではない。ベース面は、凸状に形成されていてもよい。つまり、ベース面は、平面、曲面に限らず、任意の形状とすることができる。
上記回折格子14の凸部15は、横断面三角形状をしているが、これに限られるものではない。第1面16及び第2面17は、横断面上では直線で表されているが、曲線で表されるような形状であってもよい。また、凸部15は、矩形状又は階段状に形成されていてもよい。その場合、凸部15は、光軸Xに対して略直交する面と、ベース面から概略光軸X方向へ立ち上がる面とを有する。前者が回折機能を有する第1面16となり、後者がベース面から立ち上がっている第2面17となる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、その精神または主要な特徴から逸脱することなく他のいろいろな形で実施することができる。このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
本発明は、回折面を備えた回折光学素子およびそれを備えた撮像装置に有用である。
10 回折光学素子
11 第1光学面
12 第2光学面
13 回折面
14 回折格子
15 凸部
16 第1面
17 第2面
19 ベース面
20 成形型
21 上型
22 下型
23 胴型
30 ガラス材料
210 回折光学素子
213 回折面
219 ベース面
310 回折光学素子
315 凸部
317 第2面
410 回折光学素子
431 第1光学部材
432 第2光学部材
510 回折光学素子
533 第3光学部材
600 カメラ(撮像装置)
660 カメラ本体
670 交換レンズ
671 結像光学系
ここに開示された技術は、少なくとも1つの光学面に回折面が形成された回折光学素子及びそれを備えた撮像装置に関するものである。
従来より、回折面を備えた回折光学素子が知られている(特許文献1参照)。例えば、特許文献1に記載された回折光学素子は、複数の光学部材が積層され、両者の境界面に回折面が形成されている。回折面は、断面鋸歯状の回折格子で形成されている。詳しくは、一方の光学部材の回折面は、複数の山形状の凸部を有し、全体としては凸部と凹部とが交互に繰り返された形状となっている。凸部は、光軸に対して傾斜し、回折機能を有する第1壁と、光軸方向に立ち上がるように形成され、該第1壁に連結された第2壁とを有している。他方の光学部材の回折面は、上記回折面の反転形状を有している。
特開平9−127321号公報
上記のような回折面を備えた回折光学素子を形成する場合、プレス成形等の成形技術が用いられる。しかし、従来の回折光学素子では、鋸歯形状の凸部の稜部や凹部の谷底部に割れが生じる虞がある。例えば、成形時の冷却工程においては回折光学素子の中央領域よりも外側領域の方が収縮量が大きいため、外側領域では回折光学素子の凸部が金型から受ける拘束力が大きくなる。その結果、回折光学素子の外側領域において割れが生じる虞がある。それ以外の場合であっても、様々な要因により、回折面の場所に応じて回折光学素子に割れが生じる虞がある。
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回折光学素子に生じる割れを抑えることにある。
ここに開示された回折光学素子は、回折面を備えた回折光学素子であって、上記回折面は、複数の凸部を有しており、上記凸部は、回折機能を有する第1面と、立ち上がるように延びて、該第1面に連結された第2面とを有し、光軸に対する上記第2面の傾斜角度は、上記回折面の領域に応じて異なっているものとする。
上記回折光学素子によれば、凸部の第2面の傾斜角度を領域に応じて異ならせているので、回折光学素子の割れを抑えることができる。
図1は、実施形態1に係る回折光学素子の概略断面図である。 図2は、実施形態1に係る回折光学素子を製造する概略工程図であって、(A)は、成形型にガラス材料をセットした状態を示し、(B)は、成形型でガラス材料を押圧した状態を示す。 図3は、実施形態2に係る回折光学素子の概略断面図である。 図4は、実施形態3に係る回折光学素子の概略断面図である。 図5は、実施形態4に係る回折光学素子の概略断面図である。 図6は、実施形態4に係る回折光学素子の製造方法を示す概略工程図であって、(A)は、成形型に樹脂材料をセットした状態を示し、(B)は、第1光学部材と成形型とで樹脂材料を押圧した状態を示し、(C)は、回折光学素子を離型した状態を示す。 図7は、実施形態5に係る回折光学素子の概略断面図である。 図8は、実施形態6に係る撮像装置の概略構成図である。
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
《実施の形態1》
図1に、本実施形態に係る回折光学素子10の概略断面図を示す。
回折光学素子10は、光透過性を有する光学部材で構成されている。回折光学素子10は、互いに対向する第1光学面11と第2光学面12とを備えている。第2光学面12には、回折面13が形成されている。すなわち、回折光学素子10の少なくとも一方の光学面(第2光学面12)に回折面13が形成されている。回折光学素子10は、ガラス材料や樹脂材料などの光学材料で形成される。尚、第1光学面11は、球面又は非球面に形成されている。
回折面13には、回折格子14が形成されている。回折格子14は、複数の凸部15,15,…を有している。凸部15,15,…は、ベース面19上に形成されている。ベース面19は、平面で形成されている。ベース面19は、各凸部15の下端縁を通る面で定義される。凸部15,15,…は、回折光学素子10の光軸Xを中心として周方向に延び且つ、光軸Xを中心として同心円状に規則的に配列されている。各凸部15の横断面は、略三角形状をしている。より詳しくは、各凸部15は、光軸Xに対して傾斜し、回折機能を有する第1面16と、ベース面19から立ち上がるように延びて、第1面16と連結された第2面17とを有している。各凸部15において、第1面16は、光軸Xを中心とする半径方向外側に位置し、第2面17は、半径方向内側に位置する。第1面16と第2面17との連結部は、稜部を形成している。
本実施形態では、凸部15の高さ(以下、「格子高さ」ともいう)Hは、回折光学素子10の全域に亘ってほぼ同じ高さである。ここで、凸部15の高さとは、光軸X方向におけるベース面19から凸部15の頂部(稜部)までの距離である。凸部15のピッチPは、光軸Xを含む中央領域(以下、単に「中央領域」という)よりも、該中央領域よりも半径方向外側の外側領域(以下、単に「外側領域」という)の方が小さい。詳しくは、ピッチPは、光軸Xから半径方向外側に向かうにしたがって小さくなる。ここで、凸部15のピッチPとは、凸部15,15の頂部間の、光軸Xを中心とする半径方向への距離である。例えば、凸部15の格子高さHは、5〜20μmである。また、凸部15のピッチPは、中央領域では400〜2000μmであり、外側領域では100〜400μmである。これらの値は、回折光学素子に求められる光学特性に応じて適宜設定され得る。
第1面16は、光軸Xに対して傾斜する傾斜面であり、回折機能を有する。各凸部15の第1面16の傾斜角度は、回折面13全体として所望の回折機能を発揮するように適宜設定される。
第2面17は、ベース面19から立ち上がるように延びて、第1面16の先端縁(ベース面19から離れた側の端縁)に連結されている。第2面17は、回折面13の場所によっては、光軸Xに対して傾斜している。すなわち、第2面17の、光軸Xに対する傾斜角度(以下、単に「傾斜角度」ともいう)θは、回折面13の領域に応じて異なっている。具体的には、第2面17の傾斜角度θは、中央領域と外側領域とで大きさが異なる。例えば、中央領域においては、第2面17は、光軸Xと平行に延びており、傾斜角度θは0である。一方、外側領域では、第2面17は、ベース面19から離れるほど、半径方向外側に位置するように傾斜している。つまり、外側領域における第2面17の傾斜角度θは、中央領域における第2面17の傾斜角度θよりも大きい。
さらに詳しくは、第2面17の傾斜角度θは、中央領域から外側領域に向かうに従って(即ち、半径方向内側から外側に向かって)しだいに大きくなっている。例えば、図1に示すように、最外周の凸部15の第2面17の傾斜角度をθとし、それよりも1つ内側の凸部15の第2面17の傾斜角度をθとし、それよりもさらに1つ内側の凸部15の第2面17の傾斜角度をθとすると、θ>θ>θという関係になる。中央領域における第2面17の傾斜角度θは、0°〜10°であることが好ましく、外側領域における第2面17の傾斜角度θは、10°〜30°であることが好ましい。
[製造方法]
次に、本実施形態に係る回折光学素子10の製造方法について説明する。
まず、図2(A)に示すような成形型20(上型21、下型22、胴型23)を用意する。上型21の成形面には、回折面13の反転形状が形成されている。下型22の成形面は、球面または非球面形状で形成されている。下型22の成形面上にガラス材料30を配置する。次に、図2(B)に示すように、上型21を胴型23に沿って下型22方向に降下させることで、ガラス材料30を押圧する。成形温度や成形時間等のプロセス条件は適宜設定される。
押圧が終了すると、上型21を上方向に移動させることでガラス材料30を離型させる。ガラス材料30を所定時間冷却することで、回折光学素子10が得られる。
[効果]
本実施形態の回折光学素子10では、第2面17の傾斜角度θは、回折面13の領域に応じて異なる角度で形成されているので、割れやすい領域の傾斜角度θを相対的に大きくすることができる。詳しくは、プレス成形後の冷却工程において、回折光学素子10は収縮する。回折光学素子10は、光軸X方向よりも半径方向に寸法が大きい形状をしているので、各凸部15は、収縮時に光軸X方向よりも半径方向へ大きく変位する。このとき、回折光学素子10の凸部15は上型21の凸部と噛合しているため、凸部15の半径方向への移動は該上型21の凸部に拘束される。そのため、凸部15には半径方向外側への力が作用する。ここで、凸部15の稜部(即ち、先端部)は強度が弱いため、割れが生じ易い。また、隣接する凸部15,15で形成される凹部の谷底部には応力が集中し易いため、この部分にも割れが生じ易い。そして、上記収縮量は、回折光学素子10の中央領域に比べて外側領域の方が大きい。そのため、回折光学素子10の外側領域ほど、前述の部分に割れが生じ易い。それに対して、本実施形態では、第2面17の傾斜角度θを外側領域ほど大きくしている。第2面17を光軸Xに対して傾斜させることによって、上型21の凸部からの半径方向外側への力を光軸方向へも分散させることができる。それによって、回折光学素子10の凸部15の割れを抑制することができる。さらに、光軸方向へ分散させた力は、回折光学素子10と上型21とを離型させる力として作用するため、その点においても有利である。
尚、収縮量に関しては、概して、中央領域よりも外側領域の方が大きいため、凸部15の割れは外側領域ほど生じ易い。しかし、凸部15の割れが生じ易い領域は外側領域だけではない。成形条件や回折光学素子10の形状によっては、外側領域ほど割れが生じ易いという傾向が当てはまらない場合もある。その場合には、割れが生じ易い領域の凸部15の第2面17の傾斜角度θをそれ以外の領域よりも大きくする。その結果、割れ易い領域の凸部15の割れを抑制することができる。
《実施形態2》
次に、実施形態2に係る回折光学素子210について図面を参照しながら説明する。図3は、回折光学素子210を示す概略断面図である。
回折光学素子210は、ベース面が凹面である点で実施形態1に係る回折光学素子10と異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。実施形態1と同様の機能や形状を有する構成には、同じ符号を付し、再度の説明を省略する場合がある。
回折光学素子210の回折面213は、ベース面219と、ベース面219上に形成された回折格子214とを有している。ベース面219は、凹面であって、より詳しくは、球面又は非球面であり得る。
回折格子214の凸部15は、第1面16と第2面17とを有している。第2面17の傾斜角度θは、実施形態1と同様に、外側領域の方が中央領域よりも大きくなっている。
回折光学素子210は、実施形態1と同様に成形型20で成形される。上型21は、回折面213の反転形状を有する成形面が形成されている。すなわち、上型21の成形面は、凸状に湾曲したベース面上に複数の凸部が配列された形状をしている。
ここで、回折光学素子210のベース面219は凹状であるため、成形時には、回折面213が上型21の成形面を外側から覆うような状態となる。そのため、冷却工程において回折光学素子210が収縮すると、回折光学素子210は、凸部15と上型21の凸部との噛合がよりきつくなるように収縮する。その結果、凸部15にはより大きな力が作用し、割れが生じ易くなる。
それに対して、本実施形態では、実施形態1と同様に、凸部15の第2面17を傾斜させることによって、凸部15の割れを抑制することができる。また、回折光学素子210の外周領域ほど収縮量が大きく、割れが生じ易いことは実施形態1と同様である。そのため、第2面17の傾斜角度θを外側領域ほど大きくすることによって、実施形態1と同様に、外周領域での凸部15の割れを抑制できると共に、容易に離型させることができる。
《実施形態3》
次に、実施形態3に係る回折光学素子310について図面を参照しながら説明する。図4は、回折光学素子310を示す概略断面図である。
回折光学素子310は、凸部の高さが中央領域から外側領域に向かうにつれて高くなる点で、実施形態1と異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。実施形態1と同様の機能や形状を有する構成には、同じ符号を付し、再度の説明を省略する場合がある。
回折光学素子310の回折面313は、ベース面19と、ベース面19上に形成された回折格子314とを有している。回折格子314は、複数の凸部315,315,…を有している。凸部315の高さHは、外側領域の方が中央領域よりも高くなっている。より詳しくは、凸部315の高さHは、半径方向外側ほど高くなっている。そして、外側領域における凸部315の第2面317の傾斜角度θは、中央領域における凸部315の第2面317の傾斜角度θよりも大きくなっている。
凸部315の高さが高いほど、凸部315の強度が弱くなるため、プレス成形時等に凸部315に割れが発生しやすい。しかし、本実施形態では、高さが高い凸部315の第2面317の傾斜角度θを大きくしているため、凸部315の割れを抑制することができる。
《実施形態4》
次に、実施形態4に係る回折光学素子410について図面を参照しながら説明する。図5は、回折光学素子410を示す概略断面図である。
本実施形態に係る回折光学素子410は、複数の光学部材が積層されている点で、実施形態1と異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。実施形態1と同様の機能や形状を有する構成には、同じ符号を付与し、再度の説明を省略する場合がある。
図5に示すように、回折光学素子410は、それぞれ光透過性を有する第1光学部材431及び第2光学部材432を積層させて構成された密着積層型回折光学素子である。
第1光学部材431と第2光学部材432とは相互に接合されている。第1光学部材431と第2光学部材432との境界面に、上記回折面13が形成されている。回折面13の光学的パワーは波長依存性を有するため、回折面13は、波長の異なる光に対してほぼ同じ位相差を付与し、波長の異なる光を相互に異なる回折角で回折させる。
本実施形態では、第1光学部材431はガラス材料で形成され、第2光学部材432は樹脂材料で形成されている。樹脂材料としてはたとえば、紫外線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂を用いることができる。
[製造方法]
以下、回折光学素子410の製造方法について説明する。
まず、第1光学部材431を用意する。第1光学部材431は、実施形態1と同様の製造方法により得ることができる。
続いて、図6(A)に示すように、下型424を用意する。下型424は、第2光学部材432の、回折面13とは反対側の面に対応する形状を有している。そして、下型424上に紫外線硬化型の樹脂材料440を配置する。その後、第1光学部材431を、回折面13を下型424の方へ向けた状態で、下型424の方へ移動させる。
そして、図6(B)に示すように、第1光学部材431と下型424とで樹脂材料440を押圧して、樹脂材料440を第1光学部材431及び下型424に倣った形状に変形させる。その後、樹脂材料440に紫外線450を照射する。紫外線450を所定時間だけ照射すると、樹脂材料440が硬化して第2光学部材432が形成される。
その後、図6(C)に示すように、第1光学部材431及び第2光学部材432を下型424から離型することで、第1光学部材431及び第2光学部材432とが一体となった回折光学素子410を得ることができる。
《実施形態5》
次に、実施形態5に係る回折光学素子510について図面を参照しながら説明する。図7は、回折光学素子510を示す概略断面図である。
回折光学素子510は、実施形態4に係る回折光学素子410の第2光学部材432上に、さらに第3光学部材533が積層されている。第3光学部材533は、ガラス材料や樹脂材料で形成されている。
《実施形態6》
次に、実施形態6に係るカメラ600について図面を参照しながら説明する。図8には、カメラ600の概略図を示す。
カメラ600は、カメラ本体660と、該カメラ本体660に取り付けられた交換レンズ670とを備えている。カメラ600が撮像装置を構成する。
カメラ本体660は、撮像素子661を有している。
交換レンズ670は、カメラ本体660に着脱可能に構成されている。交換レンズ670は、例えば、望遠ズームレンズである。交換レンズ670は、光束をカメラ本体660の撮像素子661上に合焦させるための結像光学系671を有している。結像光学系671は、上記回折光学素子410と、屈折型レンズ672,673とで構成されている。回折光学素子410はレンズ素子として機能する。交換レンズ670が光学機器を構成する。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態における回折格子14,214,314の構成は一例であって、これに限られるものではない。例えば、各凸部15において、半径方向外側の面が第1面16となり、半径方向内側の面が第2面17となっているが、これに限られるものではない。すなわち、各凸部15において、半径方向外側の面が第2面17となり、半径方向内側の面が第1面16となっていてもよい。また、凸部15の格子高さH及びピッチPも、上記実施形態に限られるものではない。例えば、凸部15の格子高さHは、中央領域の方が外側領域よりも高くなっていてもよい。また、凸部15のピッチPは、中央領域の方が外側領域よりも狭くてもよいし、回折面の全域に亘って一定であってもよい。また、上記実施形態では、格子高さH及びピッチPは、半径方向の位置に応じてしだいに変化しているが、回折面が複数の領域に分割され、各領域内では格子高さH又はピッチPは一定で、領域ごとの格子高さH又はピッチPは異なるように構成してもよい。
第2面17の傾斜角度θは、回折面13の場所に応じて異なっていれば、上記実施形態に限られるものではない。例えば、第2面17の傾斜角度θは、中央領域の方が外側領域よりも大きくてもよい。また、第2面の17の傾斜角度θは、半径方向に応じて、又は、凸部15の高さに応じて徐々に変化するのではなく、半径方向の距離や凸部15の高さに基づいて回折面13が複数の領域に分割され、各領域内での傾斜角度θは一定で、領域ごとの傾斜角度θは異なるように構成してもよい。
ただし、凸部15の割れが生じ易い領域ほど、第2面17の傾斜角度θが大きくなっていることが好ましい。凸部15の割れは、半径方向外側ほど、凸部15の高さが高いほど、又は凸部15のアスペクト比(幅に対する高さの比)が大きいほど生じ易い。つまり、第2面17の傾斜角度θは、回折光学素子の中央から離れるにしたがって大きくなるように構成されていてもよい。第2面17の傾斜角度θは、凸部15の高さが高くなるほど大きくなるように構成されていてもよい。第2面17の傾斜角度θは、凸部15のアスペクト比が大きくなるほど大きくなるように構成されていてもよい。
それ以外であっても、凸部15の割れが生じ易い要因は存在し、成形の条件によっては半径方向内側の方が凸部15の割れが生じ易い場合もある。その場合には、半径方向内側ほど、第2面17の傾斜角度θが大きくなっていてもよい。
上記実施形態2では、ベース面219が凹状に湾曲した構成について説明したが、これに限られるものではない。ベース面は、凸状に形成されていてもよい。つまり、ベース面は、平面、曲面に限らず、任意の形状とすることができる。
上記回折格子14の凸部15は、横断面三角形状をしているが、これに限られるものではない。第1面16及び第2面17は、横断面上では直線で表されているが、曲線で表されるような形状であってもよい。また、凸部15は、矩形状又は階段状に形成されていてもよい。その場合、凸部15は、光軸Xに対して略直交する面と、ベース面から概略光軸X方向へ立ち上がる面とを有する。前者が回折機能を有する第1面16となり、後者がベース面から立ち上がっている第2面17となる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、その精神または主要な特徴から逸脱することなく他のいろいろな形で実施することができる。このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
本発明は、回折面を備えた回折光学素子およびそれを備えた撮像装置に有用である。
10 回折光学素子
11 第1光学面
12 第2光学面
13 回折面
14 回折格子
15 凸部
16 第1面
17 第2面
19 ベース面
20 成形型
21 上型
22 下型
23 胴型
30 ガラス材料
210 回折光学素子
213 回折面
219 ベース面
310 回折光学素子
315 凸部
317 第2面
410 回折光学素子
431 第1光学部材
432 第2光学部材
510 回折光学素子
533 第3光学部材
600 カメラ(撮像装置)
660 カメラ本体
670 交換レンズ
671 結像光学系

Claims (5)

  1. 回折面を備えた回折光学素子であって、
    上記回折面は、複数の凸部を有しており、
    上記凸部は、回折機能を有する第1面と、立ち上がるように延びて、該第1面に連結された第2面とを有し、
    光軸に対する上記第2面の傾斜角度は、上記回折面の領域に応じて異なっている回折光学素子。
  2. 上記第2面の傾斜角度は、上記回折面における中央領域と外側領域とで異なる、請求項1に記載の回折光学素子。
  3. 上記第2面の傾斜角度は、上記回折面における、中央領域よりも外側領域の方が大きい、請求項2に記載の回折光学素子。
  4. 上記第2面の傾斜角度は、上記凸部の高さが高い領域の方が上記凸部の高さが低い領域よりも大きい、請求項1に記載の回折光学素子。
  5. 請求項1〜4に記載の回折光学素子を備える撮像装置。
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