JPWO2012090674A1 - 太陽電池用表面材、太陽電池用被覆材及び太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

充填材との密着性に優れ、かつ、その密着性を長期間維持でき、しかも太陽電池の発電効率に悪影響を与えない太陽電池用表面材、この表面材と充填材とを積層した被覆材、並びにこの被覆材を用いた太陽電池モジュールの提供。表面にグロー放電処理を施したフッ素樹脂のフィルムに、酸化セリウムを含む紫外線吸収剤を含有させる。

Description

本発明は、太陽電池用表面材、太陽電池用被覆材及び太陽電池モジュールに関する。
フッ素樹脂、とりわけエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体(ETFE)は、その耐候性が注目され、フレキシブル太陽電池において、ガラスに代わる表面材として使用されている。該太陽電池の表面材として用いられるETFEフィルムは、太陽電池セルを内包する充填材となる、エチレン−酢酸ビニル系共重合体(EVA)、変性ポリエチレン、ポリブチルビニラール(PVB)などの材料と、接着剤を用いずに135〜160℃で熱ラミネートされる。
しかし、ETFEフィルム等のフッ素樹脂フィルムは、そのままでは、EVA等の充填材との密着性が充分でない。
フッ素樹脂フィルムと他の部材との密着性向上を目的として、フッ素樹脂を放電処理する表面改質技術が知られている。
例えば、特許文献1には、太陽電池の透明電極に貼り付けるフッ素樹脂にコロナ放電処理を施し、フッ素樹脂表面に酸素原子と窒素原子を導入することが記載されている。また、特許文献2には、希ガス中にメタンガスと二酸化炭素を含む雰囲気下で、フッ素樹脂を放電処理することが記載されている。また、特許文献3には、不活性ガス中に重合性不飽和化合物ガスと二酸化炭素を含む雰囲気下で、フッ素樹脂を放電処理することが記載されている。また、特許文献4には、官能基を有する有機化合物を含む不活性ガス雰囲気下で、フッ素樹脂を放電処理することが記載されている。
しかし、これらの放電処理では、フッ素樹脂のEVA等に対する密着性を充分に向上させることは困難であった。また、仮に処理直後の密着性が向上しても、その密着性は長期間維持できなかった。
フッ素樹脂フィルムとEVA等との密着性を長期間維持し難い原因として、フッ素樹脂フィルムを透過した紫外線によるEVA等の劣化が知られている。この紫外線によるEVA等の劣化を防ぐため、紫外線吸収剤を用いる方法が提案されている。
例えば、特許文献5では、分子量300以上の高分子の紫外線吸収剤をフッ素樹脂フィルムに添加することが記載されている。この高分子の紫外線吸収剤は耐熱性に劣り、フッ素樹脂の成形時の温度(200度以上)に耐えることができない。そこで、同文献では、フッ素樹脂をフィルムとして成形した後に、高分子の紫外線吸収剤を溶解した有機溶剤にフッ素樹脂フィルムを浸漬して紫外線吸収剤を含有させる染色法、あるいは紫外線吸収剤の蒸気にフッ素樹脂フィルムを晒して紫外線吸収剤を含浸させる熱拡散法などにより、高分子の紫外線吸収剤をフッ素樹脂フィルムに添加する方法が記載されている。
また、特許文献6には、フッ素樹脂フィルムとEVAの積層体からなる表面被覆材に紫外線吸収剤を添加する発明が記載され、実施例では、EVAの方に紫外線吸収剤を添加したことが記載されている。特許文献6において、紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ等の無機系紫外線吸収剤、及び高分子量紫外線吸収剤が挙げられている。
また、特許文献7には、EVAの劣化と表面汚染の防止を目的として、EVAと積層するフッ素樹脂に酸化チタン粒子を含有させることが記載されている。
日本特開2004−055970号公報 日本特開平05−043721号公報 日本特開平10−273546号公報 日本特開平05−092530号公報 日本特許第2756082号公報 日本特許第3135477号公報 日本特開平10−30030号公報
しかし、特許文献5のように高分子の紫外線吸収剤をフッ素樹脂フィルムに添加しても、10年以上にわたり、その紫外線吸収性能を維持できるとは考えにくい。なぜなら、フッ素樹脂と紫外線吸収剤のような炭化水素系の材料とは相溶性に乏しいため、フッ素樹脂から紫外線吸収剤が揮散してしまうと考えられるからである。特に、太陽電池の表面温度は、夏場には70℃以上となるため、なおさら揮発しやすいと考えられる。そのため、EVAとの密着性を長期間維持する効果は期待できない。
また、一方、特許文献6のように、フッ素樹脂フィルムより内側となるEVAの方に紫外線吸収剤を添加するのであれば、高分子量の紫外線吸収剤を用いても、揮散が抑制され、紫外線吸収性能は、ある程度維持できると考えられる。しかしながら、本発明者が検討した結果、EVAの方に紫外線吸収剤を添加する方法では、紫外線吸収剤の種類にかかわらず、フッ素樹脂フィルムとEVAとの密着性を長期間維持できないことがわかった。
また、特許文献7のように、EVAと積層するフッ素樹脂に酸化チタン粒子を含有させると、酸化チタンの光触媒作用により、フッ素樹脂フィルムが変色して光線透過率が低下する、機械的強度が低下する等の問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、耐候性に優れるものの、そのままではEVA等の充填材との密着性に乏しいフッ素樹脂のフィルムで構成されているにもかかわらず、充填材との密着性に優れ、かつ、その密着性を長期間維持でき、しかも太陽電池の発電効率に悪影響を与えない太陽電池用表面材を提供することを課題とする。
また、充填材との密着性を長期間維持できる太陽電池用表面材と充填材とを積層することによって、長期間安定して使用でき、しかも太陽電池の発電効率に悪影響を与えない太陽電池用被覆材を提供することを課題とする。
また、長期間安定して使用できる太陽電池用被覆材を有することにより、耐久性に優れ、しかも発電効率が損なわれない太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]表面にグロー放電処理を施したフッ素樹脂のフィルムからなり、酸化セリウムを含む紫外線吸収剤を含有することを特徴とする太陽電池用表面材。
[2]前記紫外線吸収剤は、酸化セリウム粒子と、該酸化セリウム粒子の表面を被覆する被覆層を有し、該被覆層は酸化ケイ素を含む[1]に記載の太陽電池用表面材。
[3]400nmにおける光透過率が80%以上、300nmにおける光透過率が70%以下とされている[1]又は[2]に記載の太陽電池用表面材。
[4]前記フッ素樹脂は、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体を含む[1]から[3]のいずれかに一項に記載太陽電池用表面材。
[5]前記被覆層において酸化ケイ素が占める割合が60質量%以上である[2]から[4]のいずれか一項に記載の太陽電池用表面材。
[6]前記酸化セリウム粒子の表面を被覆する酸化ケイ素が不定型シリカである[2]から[5]のいずれか一項に記載の太陽電池用表面材。
[7]前記した酸化セリウム粒子の表面を不定型シリカにより被覆した酸化セリウム−不定型シリカ複合体の酸化セリウムの粒子の平均一次粒子径が10〜250nmである[6]に記載の太陽電池用表面材。
[8]前記表面材における酸化セリウムの含有割合が0.1〜2質量%である[1]から[7]のいずれか一項に記載の太陽電池用表面材。
[9]前記酸化セリウム粒子、または前記被覆層を有する酸化セリウム粒子の表面に疎水化処理が施されている[2]から[8]のいずれか一項に記載の太陽電池用表面材。
[10][1]から[9]のいずれか一項に記載の太陽電池用表面材と、有機樹脂よりなる充填材とが積層されたことを特徴とする太陽電池用被覆材。
[11]前記太陽電池用表面材のグロー放電処理を施した面側が前記充填材と接するように積層された[10]に記載の太陽電池用被覆材。
[12]前記充填材は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む[10]又は[11]に記載の太陽電池用被覆材。
[13]内部に、1以上の薄膜光電変換層を有する太陽電池セルを備え、該太陽電池セルの少なくとも一方の面側が、[10]から[12]のいずれか一項に記載の太陽電池用被覆材で被覆されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
[14]前記太陽電池セルが、アモルファスシリコン(a−Si)の薄膜光電変換層を有する[13]に記載の太陽電池モジュール。
本発明の太陽電池用表面材は、太陽電池セルを内包する充填材との密着性に優れ、かつ、その密着性を長期間維持でき、しかも太陽電池の発電効率に悪影響を与えない。また、本発明の太陽電池用被覆材は、本発明の太陽電池用表面材と充填材とを積層して構成されるため、長期間安定して使用でき、しかも太陽電池の発電効率に悪影響を与えない。また、本発明の、太陽電池モジュールは、長期間安定して使用できる太陽電池用被覆材を有することにより、耐久性に優れ、かつ高い発電効率が得られる。
本発明の太陽電池モジュールの一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池モジュールの波長と収集効率との関係の一例である。 実施例1の太陽電池用表面材の光線透過率を示す図である。 実施例2の太陽電池用表面材の光線透過率を示す図である。 実施例3の太陽電池用表面材の光線透過率を示す図である。 比較例1の太陽電池用表面材の光線透過率を示す図である。 比較例2の太陽電池用表面材の光線透過率を示す図である。
<太陽電池用表面材>
本発明の太陽電池用表面材は、表面がグロー放電処理により改質されているフッ素樹脂のフィルムからなり、当該フィルムの内部に酸化セリウムを含む紫外線吸収剤を分散含有することを特徴とする。
本発明の太陽電池用表面材において、前記紫外線吸収剤は、酸化セリウム粒子と、該酸化セリウム粒子の表面を被覆する被覆層を有し、該被覆層は酸化ケイ素を含んでいるのが好ましい。
また、本発明の太陽電池用表面材は、表面材自身として、400nmにおける光透過率が80%以上、300nmにおける光透過率が70%以下とされているのが好ましい。
[フッ素樹脂]
太陽電池用表面材を構成するフッ素樹脂としては、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体(以下、「ETFE」ともいう。)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、エチレン−三フッ化塩化エチレン共重合体(ECTFE)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)などの高透明フッ素樹脂、或いは、これらの混合物が挙げられる。
これらの中でも、樹脂成分に占めるETFEの割合が80質量%以上、好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%であるETFEを主成分とするフッ素樹脂が好ましい。
ETFEは、エチレン(以下、「E」という。)とテトラフルオロエチレン(以下、「TFE」という。)との共重合体、またはEとTFEに基づく繰返し単位に加えて、共重合可能な、その他の単量体に基づく繰返し単位を含有する共重合体である。
ETFE中のTFEに基づく繰返し単位とEに基づく繰返し単位の比率(モル比)は、70/30〜30/70が好ましく、65/35〜40/60がより好ましく、60/40〜40/60が特に好ましい。
上記した数値範囲を示す「〜」とは、特段の定めがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用され、以下本明細書において「〜」は、同様の意味をもって使用される。
EとTFEに基づく繰返し単位に加えて、共重合可能な、その他の単量体に基づく繰返し単位を含有する場合、その他の単量体に基づく繰返し単位の含有量は、ETFEの全繰返し単位に対して、0.1モル%以上が好ましく、0.5〜30モル%がより好ましく、0.5〜20モル%が特に好ましい。ETFEの共単量体に基づく繰り返し単位の含有量がこの範囲にあると、ETFEの物性を損なうことなく、高い溶解性、撥水性、撥油性、基材に対する接着性などの機能を付与することが可能になる。
その他の単量体としては、TFE以外の他のフルオロオレフィン、E以外の他のオレフィン、ビニル系モノマーなどが挙げられる。
他のフルオロオレフィンとしては、例えば、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニルなどの炭素数2〜3のフルオロオレフィンが挙げられる。また、(パーフルオロアルキル)エチレンなどのフルオロビニルモノマーが挙げられる。
他のオレフィンとしては、例えば、プロピレン、イソブチレンなどが挙げられる。
ビニル系単量体としては、例えば、ビニルエーテル、アリルエーテル、カルボン酸ビニルエステル、カルボン酸アリルエステルなどが挙げられる。
ビニルエーテルとしては、例えば、シクロヘキシルビニルエーテルなどのシクロアルキルビニルエーテル;ノニルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルが挙げられる。
アリルエーテルとしては、例えば、エチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテルなどのアルキルアリルエーテルが挙げられる。
カルボン酸ビニルエステルとしては、酢酸、酪酸、ピバリン酸、安息香酸、プロピオン酸などのカルボン酸のビニルエステルなどが挙げられる。カルボン酸アリルエステルとしては前記カルボン酸のアリルエステルなどが挙げられる。また、分枝状アルキル基を有するカルボン酸のビニルエステルを用いてもよい。具体的には、商品名「ベオバ−9」、「ベオバ−10」(いずれもシェル化学社製)などが挙げられる。
前記他の共重合単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ETFEを主成分とするフッ素樹脂におけるETFE以外の他の樹脂としては、例えば、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン系共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン系共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体などのフッ素樹脂が挙げられる。また、ETFEを主成分とするフッ素樹脂には、フッ素樹脂以外の樹脂が含有されていてもよい。
前記他の樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[放電処理]
本発明の太陽電池用表面材は、表面がグロー放電処理により改質されたフッ素樹脂のフィルムからなる。
グロー放電処理としては、重合性ガスを重合させることにより、酸素原子及び窒素原子を含みフッ素を含まないポリマーをフッ素樹脂フィルム上に導入するプラズマ重合処理、及び、重合を伴わずに、酸素原子や窒素原子を導入する非重合性のプラズマ処理が挙げられる。
何れの場合も、導入される酸素原子や窒素原子により、充填材に対する密着力が付与される。
プラズマ重合処理及び非重合性のプラズマ処理は、何れも、プラズマ化されたイオンによるグロー放電を利用するプラズマ処理である。具体的には、所定のガスが存在する雰囲気中において放電電極と対向電極の間に、高周波、パルス波、マイクロ波等からなる高周波電磁界を形成させ、放電電極と対向電極の間に配置したフッ素樹脂フィルムの表面にグロー放電処理を施す。
非重合性のプラズマ処理を行う場合の雰囲気としては、そのランニングコストの面から窒素雰囲気が好ましい。窒素雰囲気における酸素濃度は100ppm以下であることが好ましく、90ppm以下であることがより好ましく、60ppm以下であることがさらに好ましい。酸素濃度が低い程、表面処理によって、密着性を長期間維持できるフッ素樹脂フィルムが得られやすい。
窒素雰囲気においては、窒素ガスに加えて炭酸ガスおよび/または水素ガスを導入してもよい。炭酸ガスは、フッ素樹脂表面に、ヒドロキシ基などの酸素官能基を導入する酸素供給源として働く。水素ガスは、フッ素樹脂表面に、アミノ基を導入する水素供給源として働く。
炭酸ガスおよび/または水素ガスの合計の導入量は両者合計で、窒素ガスを100モル%としたとき、10モル%以下であることが好ましい。炭酸ガスおよび水素ガスの合計の導入量が、窒素ガス100モル%に対して10モル%以下であれば、窒素プラズマガスの特異的な作用である、フッ素オリゴマーやフッ素低分子量体をその表面から取り除くという効果を得やすい。
ヘリウムガスやアルゴンガスもプラズマ化してグロー放電が可能であり、上記の放電の効果も得やすい。ただし、これらのガスは高価である。
プラズマ重合処理を行う場合の雰囲気としては、重合性不飽和化合物ガスと炭素酸化物ガスからなる混合ガス雰囲気が好ましい。また、C2n+2で表記される飽和炭化水素に分類されるメタンガスやエタンガスも、炭素酸化物ガスとの混合ガス中でプラズマ重合を行うため好ましい。
重合性不飽和化合物ガスとしては、エチレンガス、プロピレンガスなどの二重結合を有する化合物ガスが挙げられる。また、炭素酸化物ガスとしては、炭酸ガス、一酸化炭素ガスが挙げられる。
また、C2n+2で表記される飽和炭化水素ではメタン、エタンが好ましく、より好ましいのはメタンである。この飽和炭化水素、あるいは重合性不飽和化合物ガス、そして炭素酸化物ガスを使用したプラズマ重合処理を行う場合、これらのガスを、高価ではあるが、ヘリウムガスやアルゴンガス中に混合してプラズマ重合を行うことが好ましい。これにより、炭素、水素、酸素、窒素からなる不規則な構造を有する重合度の低いポリマー重合層ができやすくなり、フッ素ポリマーに対する強固な密着性を得やすくなる。一方、これらのガスを窒素ガス中に混合すれば、低コストでプラズマ重合処理を行うことができる。
グロー放電処理を行う際の雰囲気圧力は、大気圧近傍が好ましい。すなわち、500〜800Torrが好ましく、700〜780Torrがより好ましい。圧力が500Torr以上であれば、導入ガス以外のガスが放電部に混入することを抑制しやすい。圧力が800Torr以下であれば、プラズマ化されたガス同士が衝突し、フィルムの表面処理効果が低下することを抑制しやすい。
グロー放電処理を行う際の雰囲気温度は特に制限されず、0〜60℃が好ましく、10〜40℃がより好ましい。
放電電極と対向電極に印加する電界は、電圧立ち上がり時間が10μ秒以下のパルス化された電界(以下、「パルス電界」という。)であることが好ましい。電圧立ち上がり時間が10μ秒以下であれば、放電状態がアーク放電に移行することを抑制でき、安定してグロー放電処理が行える。パルス電圧の電圧立ち上がり時間は、5μ秒以下がより好ましい。電圧立ち上がり時間が短いほど、ガスが効率良く電離してプラズマ化されやすく、グロー放電を発生させやすくなる。ただし、電圧立ち上がり時間とは、電圧変化が連続して正である時間をいう。
印加する電界の電圧立ち下がり時間は、電圧立ち上がり時間と同様に短いことが好ましく、立ち上がり時間と立ち下がり時間を同じ時間に設定することが好ましい。ただし、電圧立ち下がり時間とは、電圧変化が連続して負である時間をいう。
パルス電界の波形は、特に限定されず、インパルス波形、方形波形、変調波形などが挙げられる。また、周波数が20kHzを超えると正弦波の形になりやすい。
パルス電界におけるパルス継続時間は、0.5〜200μ秒が好ましく、1〜10μ秒が好ましい。パルス継続時間が0.5μ秒以上であれば、放電がより安定なものとなる。パルス継続時間が200μ秒以下であれば、グロー放電がアーク放電に移行することを抑制しやすい。パルス継続時間は、電界パルスの周波数により調節できる。ただし、パルス継続時間とは、パルスが連続している時間をいう。
例えば、1つ1つのパルスが離れている間欠型のパルスである場合、パルス継続時間はパルス幅時間と同じである。また、複数のパルスが連続している場合、パルス継続時間はその一連の連続したパルスのパルス幅時間の合計と同じである。
印加する電界の電界強度は、10〜1,000kV/cmが好ましく、100〜300kV/cmが好ましい。電界強度が10kV/cm以上であれば、グロー放電によりガスをプラズマ化しやすい。電界強度が1000kV/cm以下であれば、アーク放電が発生することを抑制しやすい。
パルス電圧の周波数は、0.5〜100kHzが好ましく、5〜50kHzがより好ましい。パルス電圧の周波数が0.5kHz以上であれば、グロー放電の放電密度が向上し、表面処理に要する時間が短くなる。パルス電圧の周波数が100kHz以下であれば、放電状態がアーク放電に移行することを抑制でき、安定してグロー放電処理が行える。
パルス電界によるグロー放電処理は、0.01秒以上の間隔を空けて複数回行うことが好ましい。
各々のグロー放電処理の放電密度、つまり各々の放電電極と対向電極の間の放電密度は、40〜200W・分/mであることが好ましく、60〜180W・分/mであることがより好ましい。各々のグロー放電処理の放電密度が40W・分/m以上であれば、窒素官能基や酸素官能基が導入されやすい。また、放電密度がそれ未満では、導入される官能基の数は極めて少ない。各々のグロー放電処理の放電密度が200W・分/m以下であれば、表面処理により得られる密着性を長期間維持しやすい。
パルス電界によるグロー放電処理とすることにより、処理対象のフッ素樹脂のフィルムの温度の上昇が小さくなり、また各放電処理間で一旦上昇した温度が低下する。そのため、熱によるオリゴマー成分の表層への移動が抑制される。加えて、各グロー放電処理の放電密度、およびその総和を抑制することにより、表層でのフッ素樹脂の炭素−炭素結合の切断によるオリゴマー成分の生成量が低減される。そのため、フッ素樹脂フィルムの表層ではオリゴマー成分が少なくなり、酸素原子や窒素原子が、結合力の弱いオリゴマー成分にではなく、フッ素樹脂自体に導入されやすくなる。
グロー放電に用いる放電電極及び対向電極の構造は、既知の電極構造が自由に採用できる。例えば、対向電極としては、曲面型、平板型の電極が用いられる。電界集中によるアーク放電が発生するのを防止するため、電極間の距離が一定となる平行平板型電極を採用するのが好ましい。両電極間の距離は、0.5〜10mmとするのが好ましい。0.5mm以上とすることにより、両電極間にフッ素樹脂のフィルムを配置しやすい。また、10mm以下とすることにより、放電が安定し、かつ、放電密度の高い放電を得やすい。
両電極の材質としては、銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレス、黄銅等の合金等を使用することができる。
アーク放電が発生するのを防止するため、両電極の少なくとも一方の対向面側に、固体誘電体を被覆することが好ましい。より良好なプラズマ状態を作るためには、固体誘電体を双方の電極に配するのがよい。
放電電極側に用いる固体誘電体の材質としては、二酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物を使用することが好ましい。ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂、ガラス等を使用することもできる。
中でも比誘電率10以上(25℃環境下の比誘電率、以下同じ。)の固体誘電体を用いることが好ましい。比誘電率10以上の固体誘電体としては、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、チタン酸バリウム等の複酸化物等が挙げられる。
二酸化チタンは強誘電体として知られており、二酸化チタン単独組成の場合、結晶構造で比誘電率が異なり、ルチル型結晶構造で比誘電率80程度である。また、Ba、Sr、Pb、Ca、Mg、Zr等の金属の酸化物から選ばれた少なくとも1種以上と二酸化チタンとの混合組成とすることにより、比誘電率が約2000〜18500である誘電体が得られる。すなわち、比誘電率は、混合する他の酸化物の種類や割合、結晶性によって変えることが出来る。
二酸化チタンは、単独では加熱環境下における組成変化が激しく、使用環境が制限され、電極上に皮膜として形成する場合の取扱が困難である。そのため、二酸化チタン5〜50質量%、酸化アルミニウム50〜95質量%からなる混合組成となし、熱的安定性を改良して用いることが好ましい。
二酸化ジルコニウムは、単独の場合、比誘電率は約12程度であり、低い電圧で放電プラズマを発生させるのに有利である。また、他の金属酸化物との混合組成としてもよい。比誘電率は、混合する他の酸化物の種類や割合、結晶性によって変えることが出来る。
酸化ジルコニウムは酸化イットリウム(Y)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化マグネシウム(MgO)等を混合すると、結晶変態による膨張、収縮を防止し安定化されるので好ましい。
他の酸化物との混合組成とする場合、少なくとも70質量%は酸化ジルコニウムとし、他の酸化物の割合は30質量%以内とすることが好ましい。例えば、酸化イットリウムが4〜20質量%添加された酸化ジルコニウム被膜は比誘電率が8〜16程度となるため好ましい。
放電電極側の固体誘電体の厚みは、処理される基材の厚みや印加電圧によって適宜決定されるが、0.01〜4mmであることが好ましい。厚すぎるとプラズマ放電を発生するのに高電圧を要し、薄すぎると電圧印加時に絶縁破壊が起こり、アーク放電が発生するためである。
対向電極側の固体誘電体は、フッ素樹脂のフィルムを支持するため、フッ素樹脂のフィルムとよくなじみ、柔らかい材質が好ましい。例えばシリコンゴムなどが有効である。
[紫外線吸収剤]
本発明の太陽電池用表面材は、紫外線吸収剤を含有する。本発明者が検討した結果、グロー放電処理によって得られる酸素原子や窒素原子を含む官能基、特に窒素原子を含む官能基は、紫外線に対する耐性が低いことがわかった。すなわち、これらの官能基が紫外線によって破壊されることが、経時による密着性の低下をもたらしていることを見出した。したがって、表面材と充填材とが安定に積層した被覆材を得るためには、充填材を紫外線から保護するだけでは足りず、放電処理したフッ素樹脂における上記官能基も紫外線から保護すべきことを見出した。そのため本発明では、充填材にではなく、表面材に紫外線吸収剤を含有させることとした。
本発明における紫外線吸収剤は、酸化セリウムを含有することを特徴とする。酸化セリウムであれば、酸化チタンのような光触媒作用を有しないため、フッ素樹脂フィルムに含有させても、フッ素樹脂フィルムを変色させて光線透過率が低下させたり、機械的強度を低下させたりする等の問題を生じない。
また、後述の実施例から明らかなように、酸化セリウムは、太陽電池の発電において収集効率の高い350nm以上の波長領域の光については吸収が少ない。一方、官能基に対する影響が大きい低波長側の紫外線(特に350nm未満)については、十分な吸収性を備える。そのため、発電効率を実質的に損なうことなく、放電処理したフッ素樹脂における官能基を紫外線から保護することができる。
たとえば、酸化亜鉛なども、光触媒作用を有しない紫外線吸収剤として知られているが、酸化亜鉛の場合、太陽電池の発電において、ある程度高い収集効率が得られる350〜360nmの光に対する吸収が大きい。そのため、酸化亜鉛を紫外線吸収剤として太陽電池用表面材に用いると、充分な発電効率が得られない。
酸化セリウムは、フッ素樹脂が分解することにより発生するフッ化水素により溶解しやすい。そのため、より高い耐候性を得るためには、酸化セリウム粒子の表面をフッ化水素から保護するための被覆層で覆った複合粒子とすることが好ましい。
被覆層としては、酸化ケイ素を含む被覆層が好ましく、被覆層に占める酸化ケイ素の割合が60質量%以上、好ましくは80質量%以上、特に好ましくは100質量%である酸化ケイ素を主成分とする被覆層が好ましい。
被覆層に含まれる他の成分としては、複合粒子製造時に使用する硫酸アルミニウム(凝集剤)に由来して、被覆層表面に残留する酸化アルミニウム等が挙げられる。
すなわち、酸化セリウム粒子の表面をフッ化水素から保護するための被覆層で覆った複合粒子は、酸化セリウム粒子の表面を酸化ケイ素(すなわち、シリカ)で覆った酸化セリウム−シリカ複合体であることが好ましい。その場合、酸化セリウム粒子の表面をシリカにより覆った酸化セリウム−シリカ複合体の粒子のCeO:SiOの質量比が30:70〜80:20であることが好ましく、40:60〜70:30であることがより好ましい。ここにおいて、前記CeOとSiOとの質量比は、酸化セリウム−シリカ複合体の粒子の全体におけるCeOとSiOとの割合である。シリカの比率が高くなれば耐候性は向上するが、シリカの量が多過ぎると、このシリカに吸着する水も増えるため、フィルム成型時に発泡スジを生ずることがある。
また、酸化ケイ素は、結晶性を有しない無定形のシリカ(すなわち、不定形シリカ)であることが好ましい。不定形シリカの具体例としては、たとえばケイ酸ナトリウムを加水分解して得られる不定形シリカが挙げられる。
すなわち、酸化セリウム粒子の表面をフッ化水素から保護するための被覆層で覆った複合粒子は、酸化セリウム粒子の表面を不定形シリカで覆った酸化セリウム−不定形シリカ複合体であることが好ましい。
酸化セリウム−不定形シリカ複合体の粒子は、酸化セリウムの一次粒子が不定形シリカで被覆された粒子が複数集合し、不定形シリカ同士が融着した二次粒子であることが好ましい。酸化セリウム−不定形シリカ複合体の粒子のレーザ回折式粒度分布測定装置により測定した二次粒子径の分布は、その95質量%以上が粒径1〜30μmの範囲にあることが好ましく、2〜10μmの範囲にあることがより好ましい。また、酸化セリウム−不定形シリカ複合体の粒子のレーザ回折式粒度分布測定装置により測定した平均二次粒子径は、2〜8μmであることが好ましく、1〜5μmであることが特に好ましい。
また、酸化セリウム−不定形シリカ複合体中の酸化セリウム粒子のSEM(走査型電子顕微鏡)により測定した平均粒子径(平均一次粒子径)は、必要な紫外線吸収能を得、かつ、太陽電池の発電において、ある程度高い収集効率が得られる400nm以上の光に対して高い透明性を得る観点から10〜250nmであることが好ましい。ここにおける平均一次粒子径は、酸化セリウム粒子の粒子径である。
酸化セリウム粒子の表面を不定形シリカで覆った酸化セリウム−不定形シリカ複合体の粒子の製造方法としては、たとえば、特開平9−118610号公報、特許第3981483号公報に記載されているように、不溶性セリウム化合物粒子(例えばCe(OH))の水分散液に、ケイ酸塩溶液を撹拌しながら滴下し、シリカ被覆不溶性セリウム化合物を得て、その後、乾燥し、さらに焼成する方法が挙げられる。この製造方法は、総て液層中で反応を完結させる方法である。よって、粉砕・焼成後の粒子径は0.5〜10μm程度に分布しているが、酸化セリウム自体の粒子径は220nm前後と小さいため、太陽電池の発電において、ある程度高い収集効率が得られる400nm以上の光に対して非常に高い透明性が得られる。
酸化セリウム粒子の表面を不定形シリカで覆った酸化セリウム−不定形シリカ複合体の粒子の製造方法は、上記方法に限定されず、例えば、酸化セリウム粒子を合成し、これに水ガラスやエチルシリケートを材料としてシリカ被覆を行う方法であってもよい。
酸化セリウムの表面を不定形シリカで覆った酸化セリウム−不定形シリカ複合体の製造にあたっては、水に分散しているシリカ被覆不溶性セリウム化合物の濾過を容易にするために、硫酸アルミニウム等の凝集剤を使用することができる。硫酸アルミニウムを凝集剤として使用した場合、表面に付着したアルミニウムイオン由来の酸化アルミニウムが被覆層表面に残留するが、性能上特に差し支えない。
また、酸化セリウムを含む紫外線吸収剤(すなわち、酸化セリウム粒子、あるいはシリカを含む被覆層を有する酸化セリウム粒子)は、表面を疎水化処理されていることが好ましい。これにより、フッ素樹脂フィルム内での分散性が向上する。また、酸化セリウムを含む紫外線吸収剤を、フッ素樹脂に分散させる工程において、フッ素樹脂は、スクリュー、シリンダーと何回も接触することになるが、疎水化によりその際のせん断が低く抑えられるため、樹脂の着色が抑制される。疎水化の程度は、メタノール疎水化度を40〜75%とすることが好ましい。
メタノール疎水化度は粒子の疎水性を示す指標である。その測定方法は次のとおりである。すなわち、300ccのビーカーに蒸留水50ccを入れ、5gの粒子を良く撹拌させながら投入する。粒子が均一に分散されれば、この粒子は蒸留水ときわめてなじみがよく、メタノール疎水化度は0%である。粒子が均一に分散しない場合、水溶液に粒子が均一に分散されるまでメタノールを徐々に滴下する。ちょうど均一に分散されるまでのメタノール総添加量M(単位:cc)からメタノール疎水化度D(単位:%)は次式によって求められる。
D=100M/(M+50)
フッ素樹脂の種類により要求される好ましいメタノール疎水化度は若干異なり、ETFEの場合は40〜70%であることが好ましく、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体またはパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン系共重合体の場合は60〜75%であることが好ましく、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン系共重合体の場合は40〜70%であることが好ましい。
酸化セリウムを含む紫外線吸収剤の表面を疎水化処理するためには、酸基または加水分解性基がケイ素原子に直接結合している反応性の有機ケイ素化合物で処理することが好ましい。
反応性の有機ケイ素化合物としては、たとえばテトラエトキシシラン、テトラメトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシランなどのトリアルコキシシラン類、ジメチルシリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類が挙げられ、これらのうちイソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイルが好ましい。
酸化セリウムを含む紫外線吸収剤が酸化セリウム−不定形シリカ複合体である場合、疎水化処理に用いる反応性の有機ケイ素化合物の必要量は、酸化セリウム−不定形シリカ複合体の比表面積の大きさに比例する。反応性の有機ケイ素化合物が少ない場合には、酸化セリウム−不定形シリカ複合体粒子がフッ素樹脂との混練時に黒色または茶色に変色することがある。反応性の有機ケイ素化合物が多い場合には、反応性の有機ケイ素化合物からなる凝集体がブツとなって現れ、フィルム外観が悪くなることがある。
反応性の有機ケイ素化合物がシリコーンオイルである場合、前記紫外線吸収剤に対して、1〜10質量%のシリコーンオイルで処理することが適切であり、イソブチルトリメトキシシランのようなアルコキシシランで処理する場合には、前記紫外線吸収剤に対して、8〜20質量%のアルコキシシランで処理することが適切である。
表面材中の酸化セリウムを含む紫外線吸収剤の含有量は、密着性の維持の観点から要求される紫外線吸収能と、発電に寄与する波長の光の透過性とのバランスを考慮して決定される。
すなわち、表面材の300nmの透過率は、密着性向上の観点から低ければ低いほど好ましいので、充分な量の紫外線吸収剤を含有させる必要がある。一方、含有量が多すぎると、酸化セリウム特有の吸収が顕著となり、特に発電効率に影響を与える400nm付近の透過率が落ちてしまう。
酸化セリウムを含む紫外線吸収剤は、表面材の400nmにおける透過率が80%以上で、かつ300nmの透過率が20〜70%となるように含有させることが好ましい。また、表面材の400nmにおける透過率が85%以上で、かつ300nmの透過率が20〜50%となるように含有させることがより好ましい。
酸化セリウムを含有する紫外線吸収剤を用いれば、上記好ましい光透過特性を有する表面材を容易に得ることができる。具体的には、表面材における単位面積あたりの酸化セリウム量が、0.1〜2g/mとなるように、紫外線吸収剤を、含有させることが好ましい。
また、フィルムの厚みや、被覆層の量により異なるが、表面材全体に対する酸化セリウム量の割合が、0.1〜2質量%の範囲であることが好ましい。
[その他の成分等]
表面材には、酸化セリウムを含む紫外線吸収剤の他、他の紫外線吸収剤、顔料、カーボンブラック、カーボンファイバ、炭化ケイ素、ガラスファイバ、マイカ、架橋剤などの添加剤、充填物が含有されていてもよい。
表面材の厚みは、10〜300μmが好ましく、20〜250μmがより好ましく、25〜200μmが特に好ましい。この範囲にあれば、放電処理時のフィルムのハンドリングが容易であり、放電によるシワも発生しにくい。
<太陽電池用被覆材>
本発明の太陽電池用被覆材は、上記本発明の表面材と有機樹脂よりなる充填材との積層体である。表面材と充填材とは、表面材の放電処理を施した側が充填材と接するようにして積層される。
太陽電池の充填材は、少なくとも太陽電池セルを有する内部素子の凹凸を被覆し、かつ、内部素子と表面材の接着剤としての働きを有する。そのため、耐光性、接着性、耐熱性が要求される。これらの要求を満たす有機樹脂としては、エチレン系共重合体が好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAという。)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、及びエチレン−メチルアクリレート(EMA)、ポリブチルビニラール(PVB)が挙げられる。また、ポリエチレンに架橋材を配合したもの(以下、PEという。)も挙げられる。本発明の太陽電池における充填材は、EVA、EEA、EMA及びPVBの何れか一以上を含むことが好ましい。
充填材は、高温の使用環境に耐性を備えるよう、架橋されるようにされることが好ましい。充填材がEVAの場合、有機過酸化物による架橋が好ましい。通常、かかる架橋処理は、太陽電池モジュールを製造する際の太陽電池セルに太陽電池用被覆材に接合する工程の「熱プレス後」の状態で行なうのが好ましい。
架橋は、イソシアネート、メラミン等の架橋剤を用いて行ってもよい。
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽電池モジュールの一実施形態を、図1を用いて説明する。図1の太陽電池モジュール10は、太陽電池セル1の光入射側に、充填材2aと表面材3aとが順次積層されており、充填材2aと表面材3aとで被覆材4aが構成されている。
同様に、太陽電池セルの光入射側と反対側に、充填材2bと表面材3bとが順次積層されており、充填材2bと表面材3bとで被覆材4bが構成されている。
表面材3aと表面材3bの少なくとも一方は、本発明の太陽電池用表面材である。すなわち、被覆材4aと被覆材4bの少なくとも一方は、本発明の太陽電池用被覆材である。
特に、光入射側に配置される表面材3aが本発明の太陽電池用表面材であること、すなわち、被覆材4aが本発明の太陽電池用被覆材であることが好ましい。
表面材3aと表面材3bの双方が、本発明の太陽電池用表面材であること、すなわち、被覆材4aと被覆材4bの双方が本発明の太陽電池用被覆材であることが最も好ましい。
太陽電池セル1は、一対の導電層の間に、1以上の薄膜光電変換層を有する。発電効率を高めるため、高い収集効率が得られる波長領域の異なる複数の薄膜光電変換層を積層したセルが広く用いられている。
図2に、短波長側の光に対して収集効率が高いアモルファスシリコン(a−Si)の薄膜光電変換層をトップセルとし、長波長側の光に対して収集効率が高いアモルファスシリコン−ゲルマニウム(a−SiGe)の薄膜光電変換層をボトムセルとし、トップセルとボトムセルの積層体を一対の導電層の間に配置したセルにおいて得られる収集効率を示す。図2に示すように、全体の収集効率は、トップセルとボトムセルの各々の収集効率を総合した値となる。また、波長300〜400nmの収集効率は、ほぼトップセル単独の収集効率と等しい。
後述の実施例に示すように、波長400nmから300nmにかけて、本発明の表面材の透過率曲線は、図2のアモルファスシリコン(a−Si)の薄膜光電変換層の収集効率曲線と極めて近似した減少傾向を示す。そのため、本発明の太陽電池モジュールは、特にアモルファスシリコン(a−Si)の薄膜光電変換層を有する場合に、高い発電効率を維持しやすい。同様に、それ以外の例えばCIGS系と呼ばれる、350〜1500nmの広い波長域で発電する太陽電池においても、高い発電効率を維持しやすい。
また、本発明の表面材の透過率曲線は、低波長の紫外線ほど透過率が低いため、表面材の放電処理された面における官能基を充分に保護できる。
したがって、本発明の太陽電池モジュールは、発電効率と耐久性の何れにおいても優れている。
以下に、上記実施形態の具体例を実施例として説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の記載において、%は、特に断りのないかぎり質量%を意味する。
<表面材の作成>
[実施例1]
フェニルメチルシリコーンオイル(東レダウコーニング社製、SH510)を、2−プロパノール(以下、IPAと記す。)に溶解し、フェニルメチルシリコーンオイルの2%IPA溶液の500gを調製した。そこに、シリカ被覆酸化セリウム粒子(大東化成工業社製、SC6832。シリカ被覆酸化セリウム粒子の全体におけるCeOとSiOとAlの割合は次の通り。CeO:65%、SiO:32%、Al:3%)の100gをゆっくり攪拌しながら添加した。その後この液を真空にて乾燥し、表面がフェニルメチルシリコーンオイルで疎水化されたシリカ被覆酸化セリウム粒子の110gを得た。
ETFE樹脂(旭硝子社製、フルオンETFE:88AX)の1900gに、上記の疎水化されたシリカ被覆酸化セリウム粒子の100gを添加し、よく攪拌後、2軸の押し出し機にて、疎水化されたシリカ被覆酸化セリウム粒子を5%(酸化セリウムとして2.95%)含有するマスターバッチのペレットを作成した。押出条件は、シリンダー温度310℃、ヘッド温度320℃とした。
続いて、前記ペレットと、シリカ被覆酸化セリウム粒子を含まないETFE樹脂のペレット(旭硝子社製、フルオンETFE:88AX)を1:9の比率でポリプロピレン製の袋に入れ、手で激しく10回振る方法で混合した。これを、シリンダー温度、ダイ温度を320℃としたTダイにて成型し、幅550mm、厚さ50μmのETFEフィルムを得た。
次に、ETFEフィルムの表面を放電処理した。装置としては、積水化学社製のプラズマ処理装置、RD550を使用した。放電電極としては、ETFEフィルムの搬送方向の長さが100mm、ETFEフィルムの幅方向の長さが650mmで、厚みが20mmの炭素鋼板上に、厚みが1mmのセラミック誘電体(固体誘電体)層を設けたものを用いた。また、対向電極としては、直径30cmの金属ロール表面に、厚さ2mmのシリコンゴムを被覆したロール電極を使用し、ロール温度を循環水によって15℃に保持した。ガス導入口から導入するガスは、純度99.99%以上が保証された窒素ガスを用いた。
導入する窒素ガスの流量を50L/分とし、2分間導入し、酸素濃度が100ppmとなっていることを確認した。その後、窒素ガスを導入しながら、高周波電源の出力電圧を450V、出力電流を5.4Aとし、処理電力2.43kWとして、ETFEフィルムを6m/分で搬送することで、放電密度623W・分/mのグロー放電処理を行った。周波数は40kHzとした。そのため、パルス電界の波形は正弦波に近いものとなった。
放電密度は、下式(1)で算出した。
(放電密度)=(I×V)/(v×d) (1)
ただし、式(1)中、Iは高周波電源の出力電流(単位:A)、Vは高周波電源の出力電圧(単位:V)、vはETFEフィルムの搬送速度(単位:m/分)、dは処理幅、すなわち放電電極によって処理されるETFEフィルムの幅方向の長さである。
[実施例2]
前記マスターバッチのペレットと、シリカ被覆酸化セリウム粒子を含まないETFE樹脂(旭硝子社製、フルオンETFE:88AX)の混合比率を1:4としたほかは、実施例1と同様にしてETFEフィルムを得、さらに、実施例1と同様にして表面を放電処理し、実施例2の表面材を得た。
[実施例3]
前記マスターバッチのペレットと、シリカ被覆酸化セリウム粒子を含まないETFE樹脂(旭硝子社製、フルオンETFE:88AX)の混合比率を1:19としたほかは、実施例1と同様にしてETFEフィルムを得、さらに、実施例1と同様にして表面を放電処理し、実施例3の表面材を得た。
[比較例1]
前記マスターバッチのペレットを使用せず、シリカ被覆酸化セリウム粒子を含まないETFE樹脂(旭硝子社製、フルオンETFE:88AX)のみを用いたほかは、実施例1と同様にしてETFEフィルムを得、さらに、実施例1と同様にして表面を放電処理し、比較例1の表面材を得た。
[比較例2]
ETFE樹脂(旭硝子社製、フルオンETFE:88AX)に、紫外線吸収剤として、有機系の紫外線吸収剤であるチヌビン479(BASF社)を、配合後の樹脂全体に対して1.5%となるように配合し、シリンダー温度、ダイ温度を320℃としたTダイにて成型し、幅550mm、厚さ50μmのETFEフィルムを得た。得られたフィルムを実施例1と同様にして表面を放電処理し、比較例2の表面材を得た。
[実施例4]
実施例1と同様にしてETFEフィルムを成型し、さらに、ガス導入口から導入するガス組成を、アルゴン99体積%、二酸化炭素0.3体積%、メタン0.7体積%、ガス流量20リットル/分とし、高周波電源の出力電圧を110V、出力電流を2.2A、処理電力2.42W、ETFEフィルムの搬送速度を1m/分、放電密度372W・分/mとしたほかは、実施例1と同様にして放電処理し、実施例4の表面材を得た。
[実施例5]
実施例2と同様にしてETFEフィルムを得、さらに、実施例4と同様にして表面を放電処理し、実施例5の表面材を得た。
[実施例6]
実施例3と同様にしてETFEフィルムを得、さらに、実施例4と同様にして表面を放電処理し、実施例6の表面材を得た。
[比較例3]
比較例1と同様にしてETFEフィルムを得、さらに、実施例4と同様にして表面を放電処理し、比較例3の表面材を得た。
[比較例4]
比較例2と同様にしてETFEフィルムを得、さらに、実施例4と同様にして表面を放電処理し、比較例4の表面材を得た。
<評価>
[透過率曲線]
実施例1〜3、比較例1、2の表面材の透過率曲線を、図3〜7に示す。
なお、透過率曲線は、島津製作所社製の紫外可視近赤外分光光度計UV−3600装置を用いて測定した。
[濡れ指数]
各実施例、比較例の表面材について、JIS K6768に準拠した濡れ試験方法により濡れ指数を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2012090674
[EVAに対する初期密着力]
7cm×15cmのサイズに切り取った、実施例1〜6および比較例1〜4の表面材を2枚使用し、各々の放電処理面を内側としてEVAの膜(ブリヂストン社製、2540)を挟み込み、145℃×15分、面圧力:1MPaにて熱プレスを行い、3層の積層体を得た。EVAの膜と一方の表面材との間の密着力をテンシロンにて測定し、初期密着力を測定した。条件は、180度剥離、剥離速度:50mm/分とした。結果を表2、3に示す。
[EVAに対する耐候試験後の密着力]
前記したEVAに対する初期密着力の評価と同様にして3層の積層体を複数得た。これを促進耐候性試験装置(スガ試験機:サンシャイン300)に投入し、ブラックパネル温度を63℃とし、光照射のみに48分間暴露した後に、光照射と降雨に12分間暴露する合計60分間のサイクルを繰り返した。サイクルの繰り返しを2500時間、5000時間、7500時間まで繰り返した後のEVAと一方の表面材との間の密着力を、各々初期密着力と同様にして測定した。結果を表2、3に示す。
Figure 2012090674
Figure 2012090674
[変性PEに対する初期密着力]
7cm×15cmのサイズに切り取った、実施例1〜6および比較例1〜4の表面材を2枚使用し、各々の放電処理面を内側として太陽電池充填材用の変性PEの膜(大日本印刷社製変性ポリエチレンシート、Z68)を挟み込み、145℃×15分、面圧力:1MPaにて熱プレスを行い、3層の積層体を得た。変性PEと一方の表面材との間の密着力をテンシロンにて測定し、初期密着力を測定した。条件は、180度剥離、剥離速度:50mm/分とした。結果を表4、5に示す。
[変性PEに対する耐候試験後の密着力]
前記した変性PEに対する初期密着力の評価と同様にして3層の積層体を複数得た。これを促進耐候性試験装置(スガ試験機:サンシャイン300)に投入し、ブラックパネル温度を63℃とし、光照射のみに48分間暴露した後に、光照射と降雨に12分間暴露する合計60分間のサイクルを繰り返した。サイクルの繰り返しを2500時間、5000時間、7500時間まで繰り返した後の変性PEと一方の表面材との間の密着力を、各々初期密着力と同様にして測定した。結果を表4、5に示す。
Figure 2012090674
Figure 2012090674
図3〜5に示すように、実施例の表面材の透過率は、何れも、波長400nmから300nmにかけて、図2のアモルファスシリコン(a−Si)の薄膜光電変換層の収集効率曲線と極めて近似した減少傾向を示した。
これに対して、比較例2の表面材は360nm以下の透過率がほぼゼロであり、太陽電池の発電効率に実質的な影響を与えざるを得ない特性であった。
表2〜5に示すように、実施例1〜6では、比較例1〜4の何れと比較しても、耐候試験後の密着力が良好に維持されていた。
本発明の太陽電池用表面材は、太陽電池用被覆材に用いられる充填材との密着性に優れ、かつ、その密着性を長期間維持でき、しかも太陽電池の発電効率に悪影響を与えることがないので、太陽電池用被覆材用として、また太陽電池モジュール用として有用である。
なお、2010年12月27日に出願された日本特許出願2010−289675号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
1…太陽電池セル、2a,2b…充填材、3a,3b…表面材、4a,4b…被覆材、
10…太陽電池モジュール

Claims (14)

  1. 表面にグロー放電処理を施したフッ素樹脂のフィルムからなり、酸化セリウムを含む紫外線吸収剤を含有することを特徴とする太陽電池用表面材。
  2. 前記紫外線吸収剤は、酸化セリウム粒子と、該酸化セリウム粒子の表面を被覆する被覆層を有し、該被覆層は酸化ケイ素を含む請求項1に記載の太陽電池用表面材。
  3. 400nmにおける光透過率が80%以上、300nmにおける光透過率が70%以下とされている請求項1又は2に記載の太陽電池用表面材。
  4. 前記フッ素樹脂は、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体を含む請求項1から3のいずれか一項に記載の太陽電池用表面材。
  5. 前記被覆層において酸化ケイ素が占める割合が60質量%以上である請求項2から4のいずれか一項に記載の太陽電池用表面材。
  6. 前記酸化セリウム粒子の表面を被覆する酸化ケイ素が不定型シリカである請求項2から5のいずれか一項に記載の太陽電池用表面材。
  7. 前記した酸化セリウム粒子の表面を不定型シリカにより被覆した酸化セリウム−不定型シリカ複合体の酸化セリウムの粒子の平均一次粒子径が10〜250nmである請求項6に記載の太陽電池用表面材。
  8. 前記表面材における酸化セリウムの含有割合が0.1〜2質量%である請求項1から7のいずれか一項に記載の太陽電池用表面材。
  9. 前記酸化セリウム粒子、または前記被覆層を有する酸化セリウム粒子の表面に疎水化処理が施されている請求項2から8のいずれか一項に記載の太陽電池用表面材。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の太陽電池用表面材と、有機樹脂よりなる充填材とが積層されたことを特徴とする太陽電池用被覆材。
  11. 前記太陽電池用表面材のグロー放電処理を施した面側が前記充填材と接するように積層された請求項10に記載の太陽電池用被覆材。
  12. 前記充填材は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む請求項10又は11に記載の太陽電池用被覆材。
  13. 内部に、1以上の薄膜光電変換層を有する太陽電池セルを備え、該太陽電池セルの少なくとも一方の面側が、請求項10から12のいずれか一項に記載の太陽電池用被覆材で被覆されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
  14. 前記太陽電池セルが、アモルファスシリコン(a−Si)の薄膜光電変換層を有する請求項13に記載の太陽電池モジュール。
JP2012550802A 2010-12-27 2011-12-08 太陽電池用表面材、太陽電池用被覆材及び太陽電池モジュール Pending JPWO2012090674A1 (ja)

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