以下、本発明に係る建設機械の外装カバーの実施の形態を、油圧ショベルの左後ドアカバーに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図11は本発明の第1の実施の形態に係る建設機械の外装カバーを示している。図中、1は建設機械の代表例としての油圧ショベルを示している。油圧ショベル1の車体は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより構成されている。上部旋回体3の前部側には、土砂の掘削作業を行う作業装置4が俯仰動可能に設けられている。上部旋回体3は、後述の旋回フレーム5、キャブ6、カウンタウエイト7、エンジン8、外装カバー14等により構成されている。
5は上部旋回体3のベースとなる旋回フレームで、該旋回フレーム5は、上部旋回体3の支持構造体を構成している。図3に示すように、旋回フレーム5は、厚肉な鋼板を用いて形成され前,後方向に延びた底板5Aと、該底板5A上に立設され前,後方向に延びた左縦板5B、右縦板5Cと、底板5Aと左縦板5Bとに複数の張出しビーム5Dを介して接続され前,後方向に延びた左サイドフレーム5Eと、底板5Aと右縦板5Cとに複数の張出しビーム5Fを介して接続され前,後方向に延びた右サイドフレーム5Gとにより構成されている。
旋回フレーム5を構成する左,右の縦板5B,5Cの前端部には、作業装置4の基端側が回動可能に取付けられている。左,右の縦板5B,5Cの後端部には、後述のカウンタウエイト7が取付けられている。一方、左,右の縦板5B,5C間の後端側にはエンジン支持ブラケット5Hが設けられ、該エンジン支持ブラケット5H上には後述のエンジン8が取付けられる構成となっている。
キャブ6は旋回フレーム5の前部左側に配設され、該キャブ6は、オペレータが搭乗する運転室を画成するものである。キャブ6の内部には、オペレータが着席する運転席、オペレータによって操作される各種の操作レバー等(いずれも図示せず)が配設されている。
旋回フレーム5の後端側にはカウンタウエイト7が設けられている。該カウンタウエイト7は、旋回フレーム5を構成する左,右の縦板5B,5Cの後端部に取付けられ、作業装置4との重量バランスをとるものである。
8はカウンタウエイト7の前側に位置して旋回フレーム5上に搭載された搭載機器としてのエンジンを示している。該エンジン8は、旋回フレーム5のエンジン支持ブラケット5H上に、左,右方向に延在する横置き状態で取付けられている。エンジン8は油圧ポンプ(図示せず)を駆動するもので、当該油圧ポンプは、エンジン8によって駆動されることにより、油圧ショベル1に搭載された各種の油圧アクチュエータに向けて作動用の圧油を吐出する。
9はエンジン8の左側に位置して旋回フレーム5上に搭載された搭載機器としての熱交換装置を示している。該熱交換装置9は、後述の支持枠体10と、該支持枠体10に支持された各種の熱交換器(例えばエンジン冷却水を冷却するラジエータ、作動油を冷却するオイルクーラ等)とにより構成されている。
支持枠体10は熱交換装置9のベースとなるもので、該支持枠体10は、カウンタウエイト7の左前側に位置して旋回フレーム5の張出しビーム5D上に取付けられ、各種の熱交換器を一体的に支持するものである。図2に示すように、この支持枠体10は、矩形状をなす板体からなり、キャブ6とカウンタウエイト7との間に位置して旋回フレーム5上に立設された前サポート部材11と、該前サポート部材11とほぼ等しい矩形状をなす板体からなり、前サポート部材11から後方に離間して旋回フレーム5上に立設された後サポート部材12と、前サポート部材11と後サポート部材12の上端部間を連結する連結部材13とにより構成されている。
ここで、前サポート部材11の左端側は、前,後方向に折曲げられたフランジ部11Aとなっている。一方、後サポート部材12の左端側も、前,後方向に折曲げられたフランジ部12Aとなり、該フランジ部12Aには、後述する左後ドアカバー21の後端側が支持される構成となっている。
外装カバー14はカウンタウエイト7の前側に位置して旋回フレーム5上に設けられ、該外装カバー14は、旋回フレーム5上に搭載されたエンジン8、熱交換装置9等の搭載機器を覆うものである。ここで、外装カバー14は、搭載機器を上方から覆う上面カバー14Aと、上面カバー14Aから上方に突出し搭載機器の上方を開,閉可能に覆うエンジンカバー14B(図1参照)と、搭載機器を右側方から開,閉可能に覆う右ドアカバー14Cと、後述の左前ドアカバー17と、左後ドアカバー21とにより構成されている。
ユーティリティ室15はキャブ6の後側に位置して外装カバー14内に形成されている。図2に示すように、このユーティリティ室15は、熱交換装置9を構成する支持枠体10の前サポート部材11と、後述の前仕切板16と、後述の左前ドアカバー17とによって画成されている。ユーティリティ室15は、例えばグリースガン、工具類(いずれも図示せず)等を収容するもので、左前ドアカバー17によって開,閉されるものである。
前仕切板16はキャブ6の後側に設けられ、該前仕切板16は、支持枠体10の前サポート部材11とほぼ等しい矩形状をなす板体として形成されている。この前仕切板16は、キャブ6の後面と前サポート部材11とに対面した状態で旋回フレーム5上に立設され、キャブ6と外装カバー14との間を仕切ると共に、前サポート部材11との間にユーティリティ室15を画成している。前仕切板16の左端側は、前,後方向に折曲げられたフランジ部16Aとなり、該フランジ部16Aには後述の左前ドアカバー17が取付けられる構成となっている。
左前カバー17は前仕切板16に開,閉可能に取付けられ、該左前ドアカバー17は、後述する左後ドアカバー21と共に外装カバー14の左側面を構成するものである。左前ドアカバー17は、例えば鋼板材等を用いて全体として矩形な平板状に形成され、左前ドアカバー17の基端側(前端側)は、前仕切板16のフランジ部16Aに上,下のヒンジ部材18を介して支持されている。そして、左前ドアカバー17は、ヒンジ部材18を中心として回動することにより、ユーティリティ室15を開,閉する。
次に、本発明に係る外装カバーの第1の実施の形態を、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバーに適用した場合について説明する。
21は熱交換装置9の支持枠体10を構成する後サポート部材12に開,閉可能に取付けられた左後ドアカバーを示している。該左後ドアカバー21は、例えば亜熱帯地域で稼働する油圧ショベル1に搭載されるもので、後述するカバー本体22に2個の開口部22C,22D及びグリル22Eが形成されている。
左後ドアカバー21は、左前ドアカバー17の後側に隣接して配置され、熱交換装置9の支持枠体10を構成する後サポート部材12に開,閉可能に取付けられている。この左後ドアカバー21は、外装カバー14内に収容された熱交換装置9に対する保守、点検等のメンテナンス作業時に開,閉されるものである。ここで、図4及び図5に示すように、左後ドアカバー21は、後述するカバー本体22と、プレート取付用前ブラケット27及びプレート取付用後ブラケット28と、通気プレート29とにより大略構成されている。
22は左後ドアカバー21のベースとなるカバー本体を示している。該カバー本体22は、鋼板材等を用いて前,後方向に延びる矩形な板状に形成され、旋回フレーム5の左サイドフレーム5Eから上方に立上っている。ここで、カバー本体22は、熱交換装置9と左,右方向で対面しつつ前,後方向に延びる側板部22Aと、該側板部22Aの上端側から熱交換装置9側へと斜め上向きに延びた円弧状の湾曲板部22Bとにより構成されている。
カバー本体22の側板部22Aには、長方形状をなす2個の開口部22C,22Dが上,下方向に並んで形成されている。カバー本体22の湾曲板部22Bには、上,下方向に延びる多数の小さな矩形孔22E1が前,後方向に格子状に並んだグリル22Eが形成されている。従って、エンジン8の作動によって冷却ファン(図示せず)が回転すると、カバー本体22の開口部22C,22D及びグリル22Eを通じて、外気が外装カバー14内に吸込まれ、熱交換装置9等を冷却する構成となっている。また、カバー本体22のうちエンジン8、熱交換装置9等の搭載機器側に位置する内側面22Fには、後述する前補強部材23、後補強部材24、フランジ板26、プレート取付用前ブラケット27,プレート取付用後ブラケット28が固着されている。
23はカバー本体22の前,後方向の前側の端部に設けられた前補強部材を示している。24はカバー本体22の前,後方向の後側の端部に設けられた後補強部材を示している。これら前補強部材23と後補強部材24とは、開口部22C,22D及びグリル22Eを挟んで配置され、カバー本体22に沿って上,下方向に延びた状態でカバー本体22の内側面22Fに固着され、カバー本体22の剛性を高めるものである。
ここで、図6に示すように、前補強部材23は、鋼板材に折曲げ加工を施すことにより、U字状の断面形状をもって上,下方向に延びる中空な柱状に形成されている。この前補強部材23は、カバー本体22の内側面22Fに当接する接合面部23Aと、カバー本体22の側板部22Aに対面しつつ鉛直方向に延びる鉛直面部23Bと、該鉛直面部23Bの上端側からカバー本体22の湾曲板部22Bに対面しつつ斜め上方に延びる傾斜面部23Cとにより構成されている。一方、後補強部材24も、前補強部材23と同様に、U字状の断面形状をもって上,下方向に延びる中空な柱状に形成され、接合面部24Aと、鉛直面部24Bと、傾斜面部24Cとにより構成されている。
前補強部材23と後補強部材24とは、開口部22C,22D等を挟んでカバー本体22の前端側と後端側とに配置されている。前補強部材23の接合面部23Aと後補強部材24の接合面部24Aとは、カバー本体22の側板部22Aから湾曲板部22Bに亘ってカバー本体22の内側面22Fに溶接されている。後補強部材24の鉛直面部24Bには上,下に離間して2個のヒンジ部材25が取付けられている。カバー本体22は、これら各ヒンジ部材25を介して後サポート部材12のフランジ部12Aに支持される構成となっている。
フランジ板26は前補強部材23を覆うようにカバー本体22の前端側に設けられ、該フランジ板26は上,下方向に延びる板体からなり、カバー本体22の内側面22Fに溶接等の手段を用いて固着されている。フランジ板26の前端側はカバー本体22から前方に突出し、左前ドアカバー17と左後ドアカバー21とを閉じたときには、フランジ板26の前端側が左前ドアカバー17と重り合う構成となっている。フランジ板26の前端側には、左後ドアカバー21を閉じた位置に保持するロック機構(図示せず)が設けられる構成となっている。
次に、27はカバー本体22の前端側に設けられたプレート取付用前ブラケットを示し、28はカバー本体22の後端側に設けられたプレート取付用後ブラケットを示している。プレート取付用前ブラケット27は、前補強部材23とカバー本体22の各開口部22C,22D及びグリル22Eの前端との間に配置され、プレート取付用後ブラケット28は、後補強部材24とカバー本体22の各開口部22C,22D及びグリル22Eの後端との間に配置されている。即ち、これら各ブラケット27,28は、カバー本体22の各開口部22C,22D及びグリル22Eを挟んで、前,後方向の両側に並べて配置されている。
具体的には、これら各ブラケット27,28は、カバー本体22の側板部22Aと湾曲板部22Bとに亘って上,下方向に延びた状態で、カバー本体22の内側面22Fに溶接されている。従って、各ブラケット27,28は、カバー本体22の内側面22Fに後述の通気プレート29を取付けるための座を形成すると共に、各開口部22C,22D及びグリル22Eが形成されたカバー本体22を補強するものである。
ここで、プレート取付用前ブラケット27とプレート取付用後ブラケット28とは、例えば前補強部材23を利用して形成されている。これら各ブラケット27,28の製造工程について、図7を参照して説明する。
即ち、図7(A)に示すように、図6に示す前補強部材23の下端側を切断することにより、上,下方向(長さ方向)の長さ寸法が前補強部材23よりも短縮された素材101を形成する。この素材101を幅方向の中間部で上,下方向に切断することにより、2個のブラケット用素材102,103を形成する。次に、図7(B)に示すように、各ブラケット用素材102,103に上,下方向に離間して複数個(例えば4個)の切欠き溝102A,103Aを形成する。これら各切欠き溝102A,103Aにボルト104を係合させた状態で、当該ボルト104を各ブラケット用素材102,103に溶接によって固着する。
このようにして、図7(C)に示すように、ブラケット用素材102からプレート取付用前ブラケット27を形成することができる。このプレート取付用前ブラケット27は、カバー本体22の内側面22Fに当接する接合面部27Aと、カバー本体22の側板部22Aに対面しつつ鉛直方向に延びる鉛直面部27Bと、該鉛直面部27Bの上端側からカバー本体22の湾曲板部22Bに対面しつつ斜め上方に延びる傾斜面部27Cとにより構成されている。鉛直面部27Bには、カバー本体22の内側に向けて水平に突出する複数本(例えば4本)の取付具としてのボルト27Dが突設されている。このように、プレート取付用前ブラケット27の接合面部27Aは、前補強部材23の接合面部23Aとほぼ同一形状を有している。この接合面部27Aをカバー本体22の内側面22Fに溶接することにより、プレート取付用前ブラケット27は、カバー本体22の内側面22Fに隙間なく接合されている。
一方、図7(C)に示すように、ブラケット用素材103からプレート取付用後ブラケット28を形成することができる。該プレート取付用後ブラケット28も、プレート取付用前ブラケット27と同様に、接合面部28Aと、鉛直面部28Bと、傾斜面部28Cとにより構成されている。鉛直面部28Bには、取付具としての複数本(例えば4本)のボルト28Dが突設されている。このように、プレート取付用後ブラケット28の接合面部28Aも、前補強部材23の接合面部23Aとほぼ同一形状を有している。この接合面部28Aをカバー本体22の内側面22Fに溶接することにより、プレート取付用後ブラケット28は、カバー本体22の内側面22Fに隙間なく接合されている。
29はプレート取付用前ブラケット27とプレート取付用後ブラケット28とにそれぞれ着脱可能に取付けられる通気プレートを示している。図8に示すように、この通気プレート29は、全体として長方形状をなす板体からなり、ほぼ全面に亘って多数の六角形状の通気孔29Aが穿設されている。これにより、通気プレート29は、各通気孔29Aを通じて空気を流通させると共に、例えば落葉、紙片等の通気孔29Aよりも大きな異物(ごみ)を遮断するものである。
ここで、通気プレート29には、プレス加工によって形成された複数の曲げ加工部29Bが設けられている。これら各曲げ加工部29Bは、三角形の断面形状をもって通気プレート29の長手方向に延び、上,下方向に適度な間隔をもって3列形成されている。これにより、1枚の板体からなる通気プレート29の剛性を、各曲げ加工部29Bによって高めることができる構成となっている。
一方、通気プレート29の長手方向の両端部には、被係合部としての複数個(例えば4個)のU字状の切欠き溝29Cが上,下方向に間隔をもって設けられている。これら各切欠き溝29Cは、プレート取付用前ブラケット27の各ボルト27Dとプレート取付用後ブラケット28の各ボルト28Dとに対応している。従って、図5に示すように、通気プレート29は、各切欠き溝29C内にプレート取付用前ブラケット27の各ボルト27Dとプレート取付用後ブラケット28の各ボルト28Dとを係合させる。この状態で、これら各ボルト27D,28Dにナット30を螺合することにより、各ブラケット27,28に着脱可能に取付けられる。
この状態で、カバー本体22に形成された各開口部22C,22Dが、通気プレート29によって内側面22F側から覆われる。従って、開口部22C,22Dを通過した外気は、通気プレート29の各通気孔29Aを通じて熱交換装置9に供給され、外気中に混入した落ち葉、紙片等のごみは、通気プレート29によって遮断される構成となっている。
このように、左後ドアカバー21は、カバー本体22の内側面22Fに固着されたプレート取付用前ブラケット27とプレート取付用後ブラケット28とに通気プレート29を取付けることにより、カバー本体22と通気プレート29との二重構造となっている。この場合、各ブラケット27,28は、それぞれ前補強部材23を利用して形成されている。従って、プレート取付用前ブラケット27の接合面部27Aとプレート取付用後ブラケット28の接合面部28Aとを、カバー本体22の内側面22Fに隙間なく接合することができる。これにより、カバー本体22と、前,後ブラケット27,28と、通気プレート29とによって閉断面構造が形成され、左後ドアカバー21全体の剛性を一層高めることができる構成となっている。
第1の実施の形態による左後ドアカバー21は上述の如き構成を有するもので、次に、左後ドアカバー21を旋回フレーム5に取付ける作業について説明する。
まず、図5に示すように、カバー本体22の内側面22Fに、前,後の補強部材23,24、フランジ板26、各ブラケット27,28が固着された左後ドアカバー21の本体部分を用意する。一方、図3に示すように、熱交換装置9の支持枠体10を構成する前サポート部材11と後サポート部材12を、旋回フレーム5の各張出しビーム5D上に取付ける。
次に、カバー本体22に固着した後補強部材24と後サポート部材12のフランジ部12Aとを、上,下のヒンジ部材25を用いて連結する。これにより、後サポート部材12に対し、左後ドアカバー21の本体部分をヒンジ部材25を中心として回動可能に支持することができる。
この場合、プレート取付用前ブラケット27,プレート取付用後ブラケット28には通気プレート29が取付けられていないので、通気プレート29を含まない左後ドアカバー21の本体部分を軽量化することができる。この結果、旋回フレーム5上に立設された後サポート部材12に、ヒンジ部材25を介して左後ドアカバー21の本体部分を取付けるときの作業性を高めることができる。
左後ドアカバー21の本体部分を、ヒンジ部材25を介して後サポート部材12に取付けた後には、図5に示すように、各ブラケット27,28の各ボルト27D,28Dを、通気プレート29の切欠き溝29C内にそれぞれ係合させ、これら各ボルト27D,28Dにそれぞれナット30を螺合する。これにより、前記各ブラケット27,28に通気プレート29を取付けることができ、該通気プレート29によってカバー本体22の各開口部22C,22Dを覆うことができる。
このようにして、カバー本体22、前,後の補強部材23,24、各ブラケット27,28、通気プレート29等により構成される左後ドアカバー21を、ヒンジ部材25を介して後サポート部材12に取付けることができる。これにより、左後ドアカバー21は、ヒンジ部材25を中心として回動し、フランジ板26が前サポート部材11のフランジ部11Aと重り合う閉扉位置(図3の位置)と、フランジ板26が前サポート部材11のフランジ部11Aから離間する開扉位置(図2の位置)との間で開,閉することができる。
かくして、第1の実施の形態による左後ドアカバー21は、上,下の開口部22C,22D及びグリル22Eが設けられたカバー本体22と、各開口部22C,22D等を挟んで前,後両側に固着されたブラケット27,28と、該各ブラケット27,28とに着脱可能に取付けられた通気プレート29とにより構成している。
これにより、互いに別部材からなるカバー本体22と通気プレート29とを組合わせた二重構造をなす左後ドアカバー21を形成することができる。従って、左後ドアカバー21に2個の開口部22C,22D及びグリル22Eを形成した場合でも、この左後ドアカバー21全体の剛性を高めることができる。
しかも、カバー本体22の各開口部22C,22Dを挟んで前,後両側にプレート取付用前ブラケット27,プレート取付用後ブラケット28を固着し、これら各ブラケット27,28に通気プレート29を取付けている。これにより、カバー本体22と、各ブラケット27,28と、通気プレート29とによって閉断面構造を形成することができる。この結果、カバー本体22のうち各開口部22C,22Dの周囲を集中的に補強することができ、左後ドアカバー21全体の剛性を一層高めることができる。
一方、カバー本体22と通気プレート29とを互いに別部材として形成することにより、例えばカバー本体22と通気プレート29とを別個に塗装することができる。従って、カバー本体22の塗装色と通気プレート29の塗装色とを適宜に塗分けることができ、デザイン上の自由度を高めることができる。
さらに、旋回フレーム5に立設された後サポート部材12に左後ドアカバー21を取付けるときには、まず、通気プレート29が取付けられていない軽量な左後ドアカバー21の本体部分のみを、ヒンジ部材25を介して後サポート部材12に取付けることができる。その後、プレート取付用前ブラケット27,プレート取付用後ブラケット28に通気プレート29を後付けすることができる。従って、通気プレート29が取付けられた重量の大きな左後ドアカバー21を取付ける場合に比較して、取付け作業の作業性を高めることができる。
次に、本発明に係る外装カバーの第1の実施の形態を、図9ないし図11に示す熱帯地域仕様の左後ドアカバーに適用した場合について説明する。
31は熱帯地域仕様の左後ドアカバーを示し、該左後ドアカバー31は、熱帯地域で稼働する油圧ショベル1に搭載されるものである。この左後ドアカバー31は、外装カバー14内に大量の外気(冷却風)を吸込むため、後述するカバー本体32に3個の開口部32C,32D,32E及びグリル32Fが形成されている。
ここで、左後ドアカバー31は、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー21と同様に、後述するカバー本体32と、プレート取付用前ブラケット27及びプレート取付用後ブラケット28と、通気プレート29とにより構成されている。
32は熱帯地域仕様のカバー本体を示している。このカバー本体32は、亜熱帯地域仕様のカバー本体22と同一形状を有する側板部32Aと、湾曲板部32Bとにより構成されている。カバー本体32の側板部32Aには、3個の開口部32C,32D,32Eが上,下方向に並んで形成され、湾曲板部32Bには、多数の小さな矩形孔32F1が格子状に並んだグリル32Fが形成されている。カバー本体32の内側面32Gには、前,後の補強部材23,24、フランジ板26、プレート取付用前ブラケット27、プレート取付用後ブラケット28が固着して設けられている。
即ち、熱帯地域仕様のカバー本体32は、亜熱帯地域仕様のカバー本体22に比較して、側板部32Aに形成される開口部32C,32D,32Eの個数が1個多いだけで、カバー本体32とカバー本体22とは、ほぼ同一形状を有している。
プレート取付用前ブラケット27の各ボルト27Dとプレート取付用後ブラケット28の各ボルト28Dとは、通気プレート29の各切欠き溝29Cに係合し、各ボルト27D,28Dにはナット30が螺合する。これにより、通気プレート29が、各ブラケット27,28に着脱可能に取付けられる。
このように、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー21は、カバー本体22と通気プレート29とにより構成され、熱帯地域仕様の左後ドアカバー31は、カバー本体32と通気プレート29とにより構成される。従って、開口部の個数が異なる2種類の左後ドアカバー21,31間で通気プレート29を共通化することができる。従って、複数種類の左後ドアカバー21,31等を製造するに際して、複数種類のカバー本体と複数種類の通気プレートとを用意する必要がない。この結果、通気プレート29を共通化できる分、部品点数を削減することができ、製造コストの低減にも寄与することができる。
次に、図12ないし図16は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、カバー本体の側板部と湾曲板部とに開口部を設け、これら各開口部を1枚の通気プレートによって覆う構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
まず、本発明に係る外装カバーの第2の実施の形態を、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバーに適用した場合について説明する。
41は第2の実施の形態による左後ドアカバーを示し、該左後ドアカバー41は、例えば亜熱帯地域で稼働する油圧ショベルに搭載されるものである。図12及び図13に示すように、左後ドアカバー41は、後述するカバー本体42と、プレート取付用前ブラケット43及びプレート取付用後ブラケット44と、通気プレート45とにより構成されている。
42は左後ドアカバー41のベースとなるカバー本体を示している。該カバー本体42は、前,後方向に延びる側板部42Aと、該側板部42Aの上端側から斜め上向きに延びた円弧状の湾曲板部42Bとにより構成されている。カバー本体42の側板部42Aには、2個の開口部42C,42Dが上,下方向に並んで形成され、湾曲板部42Bには、開口部42Cよりも狭幅な1個の開口部42Eが形成されている。カバー本体42の内側面42Fには、前,後の補強部材23,24、フランジ板26、後述する前,後のブラケット43,44が固着して設けられている。
43はカバー本体42の内側面42Fに設けられたプレート取付用前ブラケットを示し、44はプレート取付用前ブラケット43の後側に位置してカバー本体42の内側面42Fに設けられたプレート取付用後ブラケットを示している。これら各ブラケット43,44は、カバー本体42の各開口部42C,42D,42Eを挟んだ両側に並べて配置され、カバー本体42の内側面42Fに溶接されている。
ここで、プレート取付用前ブラケット43は、第1の実施の形態によるものと同様に、前補強部材23を利用して形成されている。即ち、プレート取付用前ブラケット43は、カバー本体42の内側面42Fに接合される接合面部43Aと、カバー本体42の側板部42Aに対面しつつ鉛直方向に延びる鉛直面部43Bと、該鉛直面部43Bの上端側から斜め上方に延びる傾斜面部43Cとにより構成されている。鉛直面部43Bには、カバー本体42の内側に向けて水平に突出する取付具としての複数本(例えば3本)の水平ボルト43Dが突設され、傾斜面部43Cには、カバー本体42の内側に向けて斜め下向きに突出する取付具としての複数本(例えば2本)の下向きボルト43Eが突設されている。一方、プレート取付用後ブラケット44も、プレート取付用前ブラケット43と同様に、前補強部材23を利用して形成され、接合面部(図示せず)と、鉛直面部44Aと、傾斜面部44Bとにより構成されている。鉛直面部44Aには、複数本(例えば3本)の水平ボルト44Cが突設され、傾斜面部44Bには、複数本(例えば2本)の下向きボルト44Dが突設されている。
45はプレート取付用前ブラケット43,プレート取付用後ブラケット44に着脱可能に取付けられる通気プレートを示している。図14に示すように、この通気プレート45は、各ブラケット43,44の鉛直面部43A,44Aと対面する鉛直板部45Aと、傾斜面部43C,44Bと対面する傾斜板部45Bとを有している。また、通気プレート45には、ほぼ全面に亘って多数の通気孔45Cが穿設されている。
通気プレート45の鉛直板部45Aには、複数の曲げ加工部45Dが、上,下方向に適度な間隔をもって形成されている。一方、通気プレート45の長手方向の両端部には、被係合部としての複数個(例えば5個)のU字状の切欠き溝45Eが設けられている。
図13に示すように、各ブラケット43,44の水平ボルト43D,44C、及び下向きボルト43E,44Dは、通気プレート45の各切欠き溝45E内に係合し、各水平ボルト43D,44C、下向きボルト43E,44Dにはナット30が螺合する。これにより、通気プレート45が、前,後のブラケット43,44に着脱可能に取付けられ、各開口部42C,42D,42Eが、1枚の通気プレート45によって覆われる。
第2の実施の形態による左後ドアカバー41は上述の如き構成を有するもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態による左後ドアカバー21と格別差異はない。
然るに、第2の実施の形態による左後ドアカバー41は、カバー本体42の側板部42Aに設けた2個の開口部42C,42Dと、湾曲板部42Bに設けた1個の開口部42Eとを、1枚の通気プレート45によって覆うことができる。このため、左後ドアカバー41の部品点数を低減することができる。
次に、本発明に係る外装カバーの第2の実施の形態を、図15及び図16に示す熱帯地域仕様の左後ドアカバーに適用した場合について説明する。
51は熱帯地域仕様の左後ドアカバーを示し、該左後ドアカバー51は、熱帯地域で稼働する油圧ショベルに搭載されるものである。ここで、左後ドアカバー51は、上述した亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー41と同様に、後述するカバー本体52と、プレート取付用前ブラケット43及びプレート取付用後ブラケット44と、通気プレート45とにより構成されている。
52は熱帯地域仕様のカバー本体を示している。該カバー本体52は、亜熱帯地域仕様のカバー本体42と同一形状を有する側板部52Aと湾曲板部52Bとにより構成されている。ここで、カバー本体52の側板部52Aには、3個の開口部52C,52D,52Eが上,下方向に並んで形成され、湾曲板部52Bには、開口部52Cよりも狭幅な開口部52Fが形成されている。カバー本体52の内側面52Gには、前,後の補強部材23,24、フランジ板26、前,後のブラケット43,44が固着して設けられている。
即ち、熱帯地域仕様のカバー本体52は、亜熱帯地域仕様のカバー本体42に比較して、側板部52Aに形成される開口部52C,52D,52Eの個数が1個多いだけで、カバー本体52とカバー本体42とは、ほぼ同一形状を有している。
各ブラケット43,44の水平ボルト43D,44C、及び下向きボルト43E,44Dは、通気プレート45の各切欠き溝45E内に係合し、各水平ボルト43D,44Cと各下向きボルト43E,44Dにはナット30が螺合する。これにより、通気プレート45が、各ブラケット43,44に着脱可能に取付けられる。
かくして、第2の実施の形態においても、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー41と、熱帯地域仕様の左後ドアカバー51との間で通気プレート45を共通化することができる。従って、複数種類の左後ドアカバー41,51等を製造するに際して、通気プレート45を共通化し、部品点数を削減することができるので、製造コストの低減にも寄与することができる。
次に、図17ないし図19は本発明の第3の実施の形態を示している。第3の実施の形態の特徴は、カバー本体に設けた複数の開口部を、下側通気プレートと上側通気プレートとを用いて覆う構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
まず、本発明に係る外装カバーの第3の実施の形態を、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバーに適用した場合について説明する。
61は第3の実施の形態による左後ドアカバーを示し、該左後ドアカバー61は、例えば亜熱帯地域で稼働する油圧ショベルに搭載されるものである。図17に示すように、左後ドアカバー61は、後述するカバー本体62、前,後のブラケット63,64、下側通気プレート65、および上側通気プレート66により構成されている。
62は左後ドアカバー61のベースとなるカバー本体を示している。該カバー本体62は、前,後方向に延びる側板部62Aと、該側板部62Aの上端側から斜め上向きに延びた円弧状の湾曲板部62Bとにより構成されている。カバー本体62の側板部62Aには、2個の開口部62C,62Dが上,下方向に並んで形成され、湾曲板部62Bには、1個の開口部62Eが形成されている。カバー本体62の内側面62Fには、前,後の補強部材23,24、フランジ板26、後述する前,後のブラケット63,64が固着して設けられている。
63はカバー本体62の内側面62Fに設けられたプレート取付用前ブラケットを示し、64はプレート取付用前ブラケット63の後側に位置してカバー本体62の内側面62Fに設けられたプレート取付用後ブラケットを示している。これら各ブラケット63,64は、カバー本体62の各開口部62C,62D,62Eを挟んだ両側に並べて配置され、カバー本体62の内側面62Fに溶接されている。
プレート取付用前ブラケット63は、カバー本体62の内側面62Fに接合される接合面部63Aと、カバー本体62の側板部62Aに対面する鉛直面部63Bと、該鉛直面部63Bの上端側から斜め上方に延びる傾斜面部63Cとにより構成されている。鉛直面部63Bには、取付具としての複数本(例えば4本)の水平ボルト63Dが突設され、傾斜面部63Cには、取付具としての複数本(例えば2本)の下向きボルト63Eが突設されている。一方、プレート取付用後ブラケット64も、プレート取付用前ブラケット63と同様に、接合面部(図示せず)と、鉛直面部64Aと、傾斜面部64Bとにより構成されている。鉛直面部64Aには、取付具としての複数本の水平ボルト64Cが突設され、傾斜面部64Bには、取付具としての複数本の下向きボルト64Dが突設されている。
65は前,後のブラケット63,64の鉛直面部63B,64Aに着脱可能にそれぞれ取付けられる下側通気プレートを示している。該下側通気プレート65は、後述の上側通気プレート66と共に第3の実施の形態による通気プレートを構成するものである。この下側通気プレート65は、多数の通気孔65Aが穿設された板体からなり、3列の曲げ加工部65Bと、被係合部としての複数個(例えば4個)の切欠き溝65Cとが設けられている。
図17に示すように、各ブラケット63,64の水平ボルト63D,64Cは、下側通気プレート65の各切欠き溝65Cに係合し、各水平ボルト63D,64Cにはナット30を螺合する。これにより、下側通気プレート65が、各ブラケット63,64の鉛直面部63B,64Aにそれぞれ着脱可能に取付けられる。
66は下側通気プレート65とは別部材からなる上側通気プレートを示している。この上側通気プレート66は、各ブラケット63,64の傾斜面部63C,64Bにそれぞれ着脱可能に取付けられるものである。図18に示すように、上側通気プレート66は、狭幅な長方形状の板体として形成され、ほぼ全面に亘って多数の通気孔66Aが穿設されている。
上側通気プレート66の幅方向の両端側には、直角に折曲げられた曲げ加工部66Bが形成され、該曲げ加工部66Bによって上側通気プレート66の剛性が高められている。一方、上側通気プレート66の長手方向の両端部には、被係合部としての複数個(例えば2個)の切欠き溝66Cが設けられている。各ブラケット63,64の下向きボルト63E,64Dは、上側通気プレート66の各切欠き溝66Cに係合し、各下向きボルト63E,64Dにはナット30が螺合する。これにより、上側通気プレート66が、各ブラケット63,64の傾斜面部63C,64Bに着脱可能に取付けられる。
第3の実施の形態による左後ドアカバー61は上述の如き構成を有するもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態による左後ドアカバー21と格別差異はない。
然るに、第3の実施の形態による左後ドアカバー61は、前,後のブラケット63,64の鉛直面部63B,64Aには下側通気プレート65を取付け、傾斜面部63C,64Bには上側通気プレート66を取付ける構成としている。
これにより、カバー本体62の下側の開口部62C,62Dは、下側通気プレート65によって覆うことができ、上側の開口部62Eは、下側通気プレート65とは別部材からなる上側通気プレート66によって覆うことができる。
このように、側板部62Aの開口部62C,62Dを覆うのに適した形状を有する下側通気プレート65と、湾曲板部62Bの開口部62Eを覆うのに適した形状を有する上側通気プレート66とを併用している。従って、カバー本体62のうち開口部が形成されていない部位を通気プレートによって無駄に覆うことがない。この結果、下側通気プレート65と上側通気プレート66とを合わせた通気プレート全体の面積を必要最小限に抑えることができ、左後ドアカバー61の重量を低減することができる。
次に、本発明に係る外装カバーの第3の実施の形態を、図19に示す熱帯地域仕様の左後ドアカバーに適用した場合について説明する。
71は熱帯地域仕様の左後ドアカバーを示し、該左後ドアカバー71は、熱帯地域で稼働する油圧ショベルに搭載されるものである。ここで、左後ドアカバー71は、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー61と同様に、後述するカバー本体72、各ブラケット63,64と、下側通気プレート65、および上側通気プレート66により構成されている。
72は熱帯地域仕様のカバー本体を示している。該カバー本体72は、亜熱帯地域仕様のカバー本体62と同一形状を有する側板部72Aと湾曲板部72Bとにより構成されている。カバー本体72の側板部72Aには、3個の開口部72C,72D,72Eが上,下方向に並んで形成され、湾曲板部72Bには、1個の開口部72Fが形成されている。カバー本体72の内側面72Gには、前,後の補強部材23,24、フランジ板26、プレート取付用前ブラケット63、プレート取付用後ブラケット64が固着して設けられている。
即ち、熱帯地域仕様のカバー本体72は、亜熱帯地域仕様のカバー本体62に比較して、側板部72Aに形成される開口部72C,72D,72Eの個数が1個多いだけで、カバー本体72とカバー本体62とは、ほぼ同一形状を有している。
各ブラケット63,64の水平ボルト63D,64Cは、下側通気プレート65の各切欠き溝65Cに係合し、各水平ボルト63D,64Cにはナット30が螺合する。これにより、下側通気プレート65が、各ブラケット63,64の鉛直面部63B,64Aにそれぞれ取付けられる。一方、各ブラケット63,64の下向きボルト63E,64Dは、上側通気プレート66の各切欠き溝66Cに係合し、各水平ボルト63D,64Cにはナット30が螺合する。これにより、上側通気プレート66が、各ブラケット63,64の傾斜面部63C,64Bにそれぞれ取付けられる。
かくして、第3の実施の形態においても、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー61と、熱帯地域仕様の左後ドアカバー71との間で、下側通気プレート65と上側通気プレート66とを共通化することができる。従って、複数種類の左後ドアカバー61,71等を製造するに際して、下側通気プレート65と上側通気プレート66とを共通化し、部品点数を削減することができるので、製造コストの低減にも寄与することができる。
次に、図20及び図21は本発明の第4の実施の形態を示している。第4の実施の形態の特徴は、プレート取付用前ブラケットとプレート取付用後ブラケットとを補強部材によって形成したことにある。なお、第4の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。また、第4の実施の形態では、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバーに適用した場合のみを例示するものとする。
81は第4の実施の形態による左後ドアカバーを示し、該左後ドアカバー81は、後述するカバー本体82、前,後のブラケット83,84、および通気プレート85により構成されている。
82は左後ドアカバー81のカバー本体を示し、該カバー本体82は、側板部82Aと湾曲板部82Bとにより構成されている。カバー本体82の側板部82Aには、2個の開口部82C,82Dが上,下方向に並んで形成され、湾曲板部82Bにはグリル82Eが形成されている。カバー本体82の内側面82Fには、前,後の補強部材23,24、各ブラケット83,84が固着されている。
83はカバー本体82の内側面82Fに設けられたプレート取付用前ブラケットを示し、84はプレート取付用前ブラケット83の後側に位置してカバー本体82の内側面82Fに設けられたプレート取付用後ブラケットを示している。これら各ブラケット83,84とは、カバー本体82の各開口部82C,82D及びグリル82Eを挟んだ両側に並べて配置され、カバー本体82の内側面82Fに溶接されている。
ここで、プレート取付用前ブラケット83とプレート取付用後ブラケット84とは、前補強部材23をそのまま用いて形成されている。これら各ブラケット83,84の製造工程について、図21を参照して説明する。
即ち、図21(A)に示すように、前補強部材23を形成するための素材を、そのままブラケット用素材105として用意する。次に、図21(B)に示すように、ブラケット用素材105に上,下方向に離間して複数個(例えば4個)のボルト挿通孔105Aを形成し、これら各ボルト挿通孔105Aにボルト106を挿通した状態で、当該ボルト106をブラケット用素材105に溶接によって固着する。
このようにして、図21(C)に示すように、ブラケット用素材105からプレート取付用前ブラケット83を形成することができる。該プレート取付用前ブラケット83は、カバー本体82の内側面82Fに接合される接合面部83Aと、カバー本体82の側板部82Aに対面する鉛直面部83Bと、該鉛直面部83Bの上端側から斜め上方に延びる傾斜面部83Cとにより構成され、鉛直面部83Bには、取付具としての複数本(例えば4本)のボルト83Dが突設されている。一方、プレート取付用後ブラケット84も、接合面部84Aと、鉛直面部84Bと、傾斜面部84Cと、取付具としての複数本(例えば4本)のボルト84Dとにより構成されている。
85は通気プレートを示し、該通気プレート85は、ほぼ全面に亘って多数の通気孔85Aが穿設された長方形状の板体からなっている。通気プレート85には、複数の曲げ加工部85Bが設けられ、該通気プレート85の長手方向の両端部には、被係合部としての複数個(例えば4個)のU字状の切欠き溝85Cが設けられている。
各ブラケット83,84のボルト83D,84Dは、通気プレート85の各切欠き溝85Cに係合し、各ボルト83D,84Dにはナット30が螺合する。これにより、通気プレート85は、各ブラケット83,84に着脱可能に取付けられる。
第4の実施の形態による左後ドアカバー81は上述の如き構成を有するもので、各ブラケット83,84は、前補強部材23をそのまま用いて形成している。これにより、各ブラケット83,84を容易に製造することができ、製造コストの低減に寄与することができる。
次に、図22ないし図27は本発明の第5の実施の形態を示している。第5の実施の形態の特徴は、開口部が一定の個数に定められた1種類のカバー本体に、通気孔が形成される範囲が異なる複数種類の通気プレートを取付ける構成としたことにある。なお、第5の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
まず、第5の実施の形態による外装カバーを亜熱帯地域仕様の左後ドアカバーに適用した場合について、図22ないし図24を参照して説明する。
111は第5の実施の形態による亜熱帯地域仕様の左後ドアカバーを示し、該左後ドアカバー111は、例えば亜熱帯地域で稼働する油圧ショベルに搭載されるものである。この亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー111は、後述のカバー本体112、前,後のブラケット27,28、および後述の通気プレート113により構成されている。
112は左後ドアカバー111のベースとなるカバー本体を示している。このカバー本体112は、前,後方向に延びる側板部112Aと、該側板部112Aの上端側から斜め上向きに延びた円弧状の湾曲板部112Bとにより構成されている。カバー本体112の側板部112Aには、3個の開口部112C,112D,112Eが上,下方向に並んで形成され、湾曲板部112Bには、グリル112Fが形成されている。カバー本体112の内側面112Gには、前,後の補強部材23,24、フランジ板26、各ブラケット27,28が固着して設けられている。
113はカバー本体112に着脱可能に取付けられる一の通気プレートとしての亜熱帯地域仕様の通気プレートを示している。この通気プレート113は、全体として長方形状をなす平板状の板体からなり、カバー本体112に形成された3個の開口部112C,112D,112Eを覆うことができる面積を有している。
通気プレート113には、カバー本体112に形成された2個の開口部112C,112Dに対応する範囲(領域)にのみ、多数の通気孔113Aが穿設されている。通気プレート113のうち、カバー本体112に形成された開口部112Eに対応する範囲は、通気孔113Aがない閉塞面113Bとなっている。
通気プレート113の長手方向の両端部には、被係合部としての複数個(例えば4個)のU字状の切欠き溝113Cが設けられている。これら各切欠き溝113Cは、カバー本体112に固着された各ブラケット27,28のボルト27D,28Dに係合し、各ボルト27D,28Dにはナット30が螺合する。これにより、カバー本体112に通気プレート113が着脱可能に取付けられる。
これにより、カバー本体112に形成された3個の開口部112C,112D,112Eを、通気プレート113によって内側面112G側から覆うことができる。最も下側に形成された1個の開口部112Eは、通気プレート113の閉塞面113Bによって閉塞される。一方、開口部112Eよりも上側に配置された2個の開口部112C,112Dは、通気プレート113に形成された各通気孔113Aに対面する。従って、カバー本体112に形成された3個の開口部112C,112D,112Eのうち、2個の開口部112C,112Dを通過した外気のみが、通気プレート113の各通気孔113Aを通じて熱交換装置(図示せず)等に供給される構成となっている。
このように、カバー本体112に対し、2個の開口部112C,112Dに対応する範囲にだけ通気孔113Aが設けられ、1個の開口部112Eに対応する範囲が閉塞面113Bとなった通気プレート113を取付けることにより、亜熱帯地域仕様の左後カバー111を形成することができる。
次に、第5の実施の形態による外装カバーを熱帯地域仕様の左後ドアカバーに適用した場合について、図25ないし図27を参照して説明する。
121は第5の実施の形態による熱帯地域仕様の左後ドアカバーを示し、該左後ドアカバー121は、例えば熱帯地域で稼働する油圧ショベルに搭載されるものである。この熱帯地域仕様の左後ドアカバー121は、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー111と共通なカバー本体112、前,後のブラケット27,28、および後述の通気プレート122により構成されている。
122はカバー本体112に着脱可能に取付けられる他の通気プレートとしての熱帯地域仕様の通気プレートを示している。この通気プレート122は、全体として長方形状をなす平板状の板体からなり、カバー本体112に形成された3個の開口部112C,112D,112Eを覆うことができる面積を有している。ここで、通気プレート122のほぼ全面には、カバー本体112に形成された3個の開口部112C,112D,112Eの全てに対応する範囲に多数の通気孔122Aが穿設されている。
通気プレート122の長手方向の両端部には、被係合部としての(4個)のU字状の切欠き溝122Bが設けられている。これら各切欠き溝122Bは、カバー本体112に固着された各ブラケット27,28の各ボルト27D,28Dに係合し、各ボルト27D,28Dにはナット30が螺合する。これにより、カバー本体112に通気プレート122が着脱可能に取付けられる。
これにより、カバー本体112に形成された3個の開口部112C,112D,112Eを、通気プレート122によって内側面112G側から覆うことができる。従って、カバー本体112に形成された全て(3個)の開口部112C,112D,112Eを通過した外気が、通気プレート122の各通気孔122Aを通じて熱交換装置(図示せず)等に供給される。
第5の実施の形態によれば、一定の個数(3個)の開口部112C,112D,112Eとグリル112Fとが形成されたカバー本体112を共通部品として用いることができる。このカバー本体112に対し、通気孔113Aと閉塞面113Bとが設けられた通気プレート113を取付けることにより、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー111を形成することができる。また、カバー本体112に対し、その全面に通気孔122Aが設けられた通気プレート122を取付けることにより、熱帯地域仕様の左後ドアカバー121を形成することができる。
かくして、第5の実施の形態によれば、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー111と、熱帯地域仕様の左後ドアカバー121との間で一定の個数の開口部112C,112D,112Eが形成されたカバー本体112を共通化することができる。このカバー本体112に対し、亜熱帯地域仕様の通気プレート113と、熱帯地域仕様の通気プレート122を交換して取付けることにより、油圧ショベルが稼働する地域の気候等に応じた複数種類の左後ドアカバー111,121を形成することができる。この結果、複数種類の左後ドアカバー111,121等を製造するに際して、カバー本体112を共通化して部品点数を削減することができ、製造コストの低減にも寄与することができる。
次に、図28ないし図32は本発明の第6の実施の形態を示している。第6の実施の形態の特徴は、開口部の個数が定められた1種類のカバー本体に対し、各開口部のうち一部を閉塞する閉塞プレートを選択的に取付けると共に、全ての開口部に対応する範囲に通気孔が形成された1種類の通気プレートを取付ける構成としたことにある。なお、第6の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
まず、第6の実施の形態による外装カバーを亜熱帯地域仕様の左後ドアカバーに適用した場合について、図28ないし図30を参照して説明する。
131は第6の実施の形態による亜熱帯地域仕様の左後ドアカバーを示し、該左後ドアカバー131は、例えば亜熱帯地域で稼働する油圧ショベルに搭載されるものである。この亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー131は、後述のカバー本体132、前,後のブラケット27,28、後述の閉塞プレート133及び通気プレート135により構成されている。
132は左後ドアカバー131のベースとなるカバー本体を示している。このカバー本体132は、前,後方向に延びる側板部132Aと、該側板部132Aの上端側から斜め上向きに延びた円弧状の湾曲板部132Bとにより構成されている。カバー本体132の側板部132Aには、3個の開口部132C,132D,132Eが上,下方向に並んで形成され、湾曲板部132Bには、グリル132Fが形成されている。カバー本体132の内側面132Gには、前,後の補強部材23,24、フランジ板26、各ブラケット27,28が固着して設けられている。
133はカバー本体132に形成された最下段の1個の開口部132Eを閉塞する閉塞プレートを示している。この閉塞プレート133は、開口部132Eを覆うことができる面積をもった長方形の平板からなり、閉塞プレート133の4箇所の角隅部には、それぞれボルト挿通孔133Aが穿設されている。
カバー本体132のうち開口部132Eの各角隅部の近傍には、4個のボルト挿通孔132Hが穿設され、各ボルト挿通孔132Hと閉塞プレート133の各ボルト挿通孔133Aとにボルト134が挿通される。これら各ボルト134にナット134Aを螺合することにより、カバー本体132の内側面132Gに閉塞プレート133が取付けられ、この閉塞プレート133によって1個の開口部132Eが閉塞される。
135はカバー本体132に着脱可能に取付けられる通気プレートを示している。この通気プレート135は、カバー本体132に形成された3個の開口部132C,132D,132Eを覆う面積をもった四角形状の板体からなっている。ここで、通気プレート135のほぼ全面には、カバー本体132に形成された3個の開口部132C,132D,132Eの全てに対応する範囲に亘って多数の通気孔135Aが穿設されている。
通気プレート135の長手方向の両端部には、被係合部としての複数個のU字状の切欠き溝135Bが上,下方向に間隔をもって設けられている。これら各切欠き溝135Bは、カバー本体132に固着された各ブラケット27,28のボルト27D,28Dに係合し、各ボルト27D,28Dにナット30を螺合することにより、カバー本体132に通気プレート135が着脱可能に取付けられる。
これにより、カバー本体132に形成された1個の開口部132Eを閉塞プレート133によって閉塞し、他の2個の開口部132C,132Dを通気プレート135によって覆うことができる。従って、2個の開口部132C,132Dを通過した外気が、通気プレート135の各通気孔135Aを通じて熱交換装置(図示せず)等に供給される構成となっている。
このように、3個の開口部132C,132D,132Eが形成されたカバー本体132に対し、1個の開口部132Eを閉塞プレート133によって閉塞した状態で、ほぼ全面に亘って通気孔135Aが形成された通気プレート135を取付けることにより、亜熱帯地域仕様の左後カバー131を形成することができる。
次に、第6の実施の形態による外装カバーを熱帯地域仕様の左後ドアカバーに適用した場合について、図31及び図32を参照して説明する。
141は第6の実施の形態による熱帯地域仕様の左後ドアカバーを示し、該左後ドアカバー141は、例えば熱帯地域で稼働する油圧ショベルに搭載されるものである。この左後ドアカバー141は、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー131と共通なカバー本体132、前,後のブラケット27,28、および通気プレート135により構成されている。
ここで、熱帯地域仕様の左後ドアカバー141は、カバー本体132に設けられた3個の開口部132C,132D,132Eを通じて外気を取込むため、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー131のように、開口部132Eを閉塞プレート133によって閉塞する必要がない。
従って、熱帯地域仕様の左後ドアカバー141を形成する場合には、カバー本体132に固着された前,後のブラケット27,28の各ボルト27D,28Dに対し、通気プレート135の各切欠き溝135Bをそれぞれ係合させる。この状態で、各ボルト27D,28Dにナット30を螺合することにより、カバー本体132に通気プレート135を取付けることができる。
これにより、カバー本体132に形成された3個の開口部132C,132D,132Eを通気プレート135によって覆うことができる。従って、3個の開口部132C,132D,132Eを通過した外気が、通気プレート135の各通気孔135Aを通じて熱交換装置(図示せず)等に供給される。
このように、カバー本体132に対し、ほぼ全面に亘って最大個数の通気孔135Aが形成された通気プレート135のみを取付けることにより、熱帯地域仕様の左後カバー141を形成することができる。
かくして、第6の実施の形態によれば、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー131と、熱帯地域仕様の左後ドアカバー141との間で、カバー本体132と通気プレート135とを共通化している。カバー本体132に閉塞プレート133と通気プレート135とを取付けたときには、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー131を形成することができる。一方、カバー本体132に通気プレート135のみを取付けたときには、熱帯地域仕様の左後ドアカバー141を形成することができる。
このように、カバー本体132に対し、各開口部132C,132D,132Eのうち一部の開口部を閉塞する閉塞プレート133を選択的に取付けることにより、油圧ショベルが稼働する地域の気候等に応じた複数種類の左後ドアカバー131,141を形成することができる。この結果、複数種類の左後ドアカバー131,141等を製造するに際して、カバー本体132と通気プレート135とを共通化して部品点数をさらに削減することができ、製造コストを一層低減することができる。
なお、上述した第1の実施の形態では、外装カバーとして左後ドアカバー21を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば左前ドアカバー21、上面カバー14A、エンジンカバー14B、右ドアカバー14C等の他のカバーにも広く適用することができる。このことは、第2,第3,第4,第5,第6の実施の形態についても同様である。
上述した第1の実施の形態では、カバー本体22の各開口部22C,22Dを挟んでプレート取付用前ブラケット27とプレート取付用後ブラケット28とを設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば各開口部22C,22Dを挟んで上,下両側にプレート取付用ブラケットを設ける構成としてもよい。このことは第2,第3,第4,第5,第6の実施の形態についても同様である。
上述した第1の実施の形態では、亜熱帯地域仕様のカバー本体22の側板部22Aに2個の開口部22C,22Dを設け、熱帯地域仕様のカバー本体32の側板部32Aに3個の開口部32C,32D,32Eを設けることにより、カバー本体22,32間で開口部の個数を異ならせた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば亜熱帯地域仕様のカバー本体と熱帯地域仕様のカバー本体との間で、開口部の形状を異ならせる構成としてもよい。
上述した第3の実施の形態では、亜熱帯地域仕様のカバー本体62及び熱帯地域仕様のカバー本体72に取付けられる通気プレートを、下側通気プレート65と上側通気プレート66によって構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば3枚以上の通気プレートを用いる構成としてもよい。
さらに、上述した各実施の形態では建設機械として油圧ショベルを例に挙げている。しかし、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン、ホイールローダ等の他の建設機械の外装カバーにも広く適用することができる。
このように、カバー本体112に対し、2個の開口部112C,112Dに対応する範囲にだけ通気孔113Aが設けられ、1個の開口部112Eに対応する範囲が閉塞面113Bとなった通気プレート113を取付けることにより、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー111を形成することができる。
このように、3個の開口部132C,132D,132Eが形成されたカバー本体132に対し、1個の開口部132Eを閉塞プレート133によって閉塞した状態で、ほぼ全面に亘って通気孔135Aが形成された通気プレート135を取付けることにより、亜熱帯地域仕様の左後ドアカバー131を形成することができる。