JPWO2012060005A1 - ダイナミックダンパ装置 - Google Patents

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Abstract

ダイナミックダンパ装置(1)は、差動回転可能な複数の回転要素を含む遊星歯車機構(20)と、動力が伝達されて回転する回転軸と遊星歯車機構(20)の第1回転要素(20C)とを連結する弾性体(31)と、遊星歯車機構(20)の第1回転要素(20C)とは異なる回転要素に連結され、第1回転要素(20C)に作用するトルクを調節して遊星歯車機構(20)の回転を制御する回転制御装置(40)とを備えることを特徴とする。したがって、ダイナミックダンパ装置(1)は、適正に振動を低減することができる、という効果を奏する。

Description

本発明は、ダイナミックダンパ装置に関する。
従来のダイナミックダンパ装置として、例えば、特許文献1には、電気モータの駆動を制御しこの電気モータのトルクを制御して、見掛け上の慣性質量を調節することで共振点を制御し、これにより、共振振動を低減する制御を行うハイブリッド自動車用マスダイナミックダンパ装置が開示されている。
特開2003−314614号公報
ところで、上述のような特許文献1に記載のハイブリッド自動車用マスダイナミックダンパ装置は、例えば、見掛け上の慣性質量を調節する際の効率等の点で、更なる改善の余地がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、適正に振動を低減することができるダイナミックダンパ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るダイナミックダンパ装置は、差動回転可能な複数の回転要素を含む遊星歯車機構と、動力が伝達されて回転する回転軸と前記遊星歯車機構の第1回転要素とを連結する弾性体と、前記遊星歯車機構の前記第1回転要素とは異なる回転要素に連結され、前記第1回転要素に作用するトルクを調節して前記遊星歯車機構の回転を制御する回転制御装置とを備えることを特徴とする。
また、上記ダイナミックダンパ装置では、前記回転制御装置は、前記遊星歯車機構の前記第1回転要素とは異なる第2回転要素に連結され当該第2回転要素の回転速度を制御する速度制御装置を有するものとすることができる。
また、上記ダイナミックダンパ装置では、前記回転制御装置は、前記遊星歯車機構の前記第1回転要素及び第2回転要素とは異なる第3回転要素に連結され当該第3回転要素に作用するトルクを制御するトルク制御装置を有するものとすることができる。
上記目的を達成するために、本発明に係るダイナミックダンパ装置は、差動回転可能な複数の回転要素を含む遊星歯車機構と、動力が伝達されて回転する回転軸と前記遊星歯車機構の第1回転要素とを連結する弾性体と、前記第1回転要素とは異なる第2回転要素に連結され当該第2回転要素の回転速度を制御する速度制御装置と、前記第1回転要素及び前記第2回転要素とは異なる第3回転要素に連結され当該第3回転要素に作用するトルクを制御するトルク制御装置とを備えることを特徴とする。
また、上記ダイナミックダンパ装置では、前記速度制御装置による速度制御と前記トルク制御装置によるトルク制御とによって制振制御を行うものとすることができる。
また、上記ダイナミックダンパ装置では、前記回転軸のトルク変化が所定未満の場合には前記速度制御装置の速度制御によって制振制御を行い、前記回転軸のトルク変化が所定以上の場合には前記トルク制御装置のトルク制御によって制振制御を行うものとすることができる。
また、上記ダイナミックダンパ装置では、前記制振制御の際に、前記トルク制御から当該トルク制御と前記速度制御装置の前記速度制御とが重複する期間を経て、前記速度制御に切り替えるものとすることができる。
また、上記ダイナミックダンパ装置では、前記トルク制御装置は、前記第3回転要素に連結されるブレーキ装置又は回転電機を含んで構成されるものとすることができる。
また、上記ダイナミックダンパ装置では、前記速度制御装置は、前記第2回転要素に連結される回転電機を含んで構成されるものとすることができる。
また、上記ダイナミックダンパ装置では、前記遊星歯車機構の前記第1回転要素とは異なる第2回転要素に前記回転制御装置が連結され、前記第1回転要素及び前記第2回転要素とは異なる第3回転要素が反力受けをなすものとすることができる。
また、上記ダイナミックダンパ装置では、前記回転軸は、内燃機関からの動力が伝達されて回転するものとすることができる。
本発明に係るダイナミックダンパ装置は、適正に振動を低減することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態1に係るダイナミックダンパ装置を搭載した車両の概略構成図である。 図2は、ダイナミックダンパ装置の要部断面図である。 図3は、遊星歯車機構の共線図である。 図4は、ECUによる制御の一例を示すフローチャートである。 図5は、制御マップの一例を示す図である。 図6は、実施形態2に係るダイナミックダンパ装置の要部断面図である。 図7は、実施形態3に係るダイナミックダンパ装置の要部断面図である。 図8は、実施形態4に係るダイナミックダンパ装置を搭載した車両の概略構成図である。 図9は、ダイナミックダンパ装置の要部断面図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るダイナミックダンパ装置を搭載した車両の概略構成図、図2は、ダイナミックダンパ装置の要部断面図、図3は、遊星歯車機構の共線図、図4は、ECUによる制御の一例を示すフローチャート、図5は、制御マップの一例を示す図である。
なお、以下の説明では、特に断りのない限り、回転軸13の回転軸線X2に沿った方向を軸方向といい、回転軸線X2に直交する方向、すなわち、軸方向に直交する方向を径方向といい、回転軸線X2周りの方向を周方向という。また、径方向において回転軸線X2側を径方向内側といい、反対側を径方向外側という。また、軸方向において駆動源が設けられる側(駆動源から動力が入力される側)を入力側といい、反対側、つまり、駆動輪が設けられる側(駆動輪に動力を入力する側)を出力側という。
本実施形態のダイナミックダンパ装置1は、図1に示すように車両2に適用され、車両2のパワートレーン3の共振点(共振周波数)に対して反共振原理を用いて振動を低減するいわゆるダイナミックダンパ(動吸振動器)である。車両2のパワートレーン3は、走行用駆動源である内燃機関としてのエンジン4、ダンパ5、変速機等の駆動系6、デファレンシャルギヤ7等を含んで構成される。エンジン4、駆動系6等は、制御装置としてのECU8によって制御される。したがって、車両2は、エンジン4のクランクシャフト4aが回転駆動すると、その駆動力がダンパ5を介して駆動系6に入力されて変速され、デファレンシャルギヤ7等を介して各駆動輪9に伝達され、これにより、各駆動輪9が回転することで前進または後退することができる。そして、ダイナミックダンパ装置1は、パワートレーン3において、エンジン4からの動力が伝達されて回転する回転軸、ここでは、駆動系6の出力軸10に対して駆動歯車11、従動歯車12等を介して連結され、出力軸10と一体回転する回転軸(増速軸)13に設けられる。回転軸13は、回転軸線X2が出力軸10の回転軸線X1とほぼ平行に配置されている。
このダイナミックダンパ装置1は、図2に示すように、回転軸13から弾性体としてのバネ31を介してダイナミックダンパ装置1に作用する特定の周波数の振動に対して、ダンパマスが逆位相で振動することでこの振動を制振(吸振)し抑制する。つまり、ダイナミックダンパ装置1は、このダイナミックダンパ装置1に作用する特定の周波数の振動に対して、ダンパマスが共振振動し振動エネルギを代替吸収し、振動を吸収することで、高い制振効果(ダイナミックダンパ効果)を奏することができる。
そして、このダイナミックダンパ装置1は、遊星歯車機構20と、バネ31を保持するバネ保持機構30と、回転制御装置40とを備えることで、より適正に振動を低減している。ダイナミックダンパ装置1は、遊星歯車機構20、バネ保持機構30、回転制御装置40等の内側に回転軸13が挿入されるようにして配置される。ここでは、回転制御装置40の制御装置は、ECU8によって兼用される。なお、上述の回転軸13、遊星歯車機構20等は、所定の箇所が軸受等を介してケースに支持されている。
本実施形態のダイナミックダンパ装置1は、遊星歯車機構20にて、遊星歯車機構20の複数の回転要素のうちの1つを回転制御要素とすると共に、他の1つの回転要素が反力受け要素をなす。このダイナミックダンパ装置1は、遊星歯車機構20の複数の回転要素のうちの回転制御要素、反力受け要素以外の1つがエンジン4からの動力が入力される入力要素となっている。
また、このダイナミックダンパ装置1は、遊星歯車機構20が回転軸13にバネ31を介して連結され弾性支持されることで、各回転要素がダンパマス、つまりダイナミックダンパにおいて慣性モーメントを発生させるための慣性質量部材として作用し、バネ31がダイナミックダンパの捩じり剛性を調節する部材として作用する。なお、以下の説明では、ダンパマスの慣性質量を可変とするという場合、特に断りの無い限り、ダンパマスの回転を可変とすることで見掛けの上の慣性質量を可変とする場合を含むものとする。
具体的には、遊星歯車機構20は、相互に差動回転可能な複数の回転要素を含んで構成され、回転要素の回転中心が回転軸線X2と同軸で配置される。遊星歯車機構20は、いわゆる、シングルピニオン式の遊星歯車機構であり、回転要素として、外歯歯車であるサンギヤ20Sと、サンギヤ20Sと同軸上に配置された内歯歯車であるリングギヤ20Rと、サンギヤ20Sとリングギヤ20Rとに噛合する複数のピニオンギヤ20Pを自転可能かつ公転可能に保持するキャリヤ20Cとを含んで構成される。本実施形態の遊星歯車機構20は、キャリヤ20Cが第1回転要素であり上記入力要素に相当し、リングギヤ20Rが第1回転要素とは異なる第2回転要素であり上記回転制御要素に相当し、サンギヤ20Sが第1回転要素及び第2回転要素とは異なる第3回転要素であり上記反力受け要素に相当する。
キャリヤ20Cは、円環板状に形成され、ピニオン軸20Psに外歯歯車であるピニオンギヤ20Pを自転可能かつ公転可能に支持する。キャリヤ20Cは、第1サイドプレート33及び第2サイドプレート34を含んで構成される。この第1サイドプレート33及び第2サイドプレート34は、キャリヤ20Cを構成すると共に、後述のバネ保持機構30のバネ31を保持する保持部材としても兼用される。キャリヤ20Cは、遊星歯車機構20の入力部材をなす。キャリヤ20Cは、バネ保持機構30のバネ31等を介して回転軸13と相対回転可能に連結される。エンジン4から出力軸10、駆動歯車11、従動歯車12を介して回転軸13に伝達された動力は、バネ保持機構30を介してこのキャリヤ20Cに伝達(入力)される。リングギヤ20Rは、円環板状に形成され、内周面に歯車が形成される。リングギヤ20Rは、回転制御装置40が連結される。サンギヤ20Sは、円環板状に形成され、外周面に歯車が形成される。サンギヤ20Sは、円柱状の中心軸21の外周面に支持され、径方向内側端部がスプライン係合部等を介して中心軸21に一体回転可能に連結される。中心軸21は、軸方向一端側(入力側)が回転軸13に嵌合して相対回転可能に支持され、軸方向他端側(出力側)がロータ軸41Rsに嵌合して相対回転可能に支持される。サンギヤ20Sと中心軸21とは、反力受け部材をなす。
バネ保持機構30は、バネ31と、このバネ31を保持する保持部材として、センタプレート32、第1サイドプレート33及び第2サイドプレート34とを有し、中心軸線が回転軸線X2と同軸で配置される。バネ31は、遊星歯車機構20の入力要素であるキャリヤ20Cを回転軸13に弾性支持するものであり、センタプレート32、第1サイドプレート33及び第2サイドプレート34によって周方向に沿って複数保持されている。バネ31は、回転軸13とキャリヤ20Cとを相対回転可能に連結する。つまり、このダイナミックダンパ装置1は、回転軸13と遊星歯車機構20との間にバネ31が介装される。
センタプレート32、第1サイドプレート33及び第2サイドプレート34は、バネ31を相互に動力伝達可能に保持するものであり、それぞれ、回転軸線X2と同軸の円環板状に形成される。センタプレート32は、回転軸13の外周面に支持され、径方向内側端部がスプライン係合部等を介して回転軸13に一体回転可能に連結される。第1サイドプレート33、第2サイドプレート34は、軸方向に対してセンタプレート32の両側にそれぞれ設けられ、上述したようにキャリヤ20Cとして兼用される。第1サイドプレート33と第2サイドプレート34とは、ピン、スペーサ等を介して、センタプレート32を挟んで一体化された状態で、このセンタプレート32に対して相対回転可能に設けられる。そして、第1サイドプレート33、第2サイドプレート34は、ピニオン軸20Psの一端側が固定される。ピニオン軸20Psは、第1サイドプレート33、第2サイドプレート34とセンタプレート32との相対回転を許容可能に、センタプレート32を貫通し、他端側にピニオンギヤ20Pが自転可能に支持される。そして、バネ31は、回転方向(周方向)に対するセンタプレート32と第1サイドプレート33、第2サイドプレート34との間に保持される。
上記のように構成されるバネ保持機構30は、回転方向(周方向)に対して、回転軸13と一体回転するセンタプレート32と、キャリヤ20Cとして兼用される第1サイドプレート33、第2サイドプレート34との間にバネ31が介在する。この結果、バネ保持機構30は、バネ31等を介して回転軸13とキャリヤ20Cとを相対回転可能に連結することができる。エンジン4から回転軸13に伝達された動力(変動成分)は、センタプレート32、バネ31を介してキャリヤ20Cとして兼用される第1サイドプレート33及び第2サイドプレート34に入力(伝達)される。この間、各バネ31は、回転方向に対するセンタプレート32と第1サイドプレート33、第2サイドプレート34との間に保持されつつ、伝達される動力の大きさに応じて弾性変形する。
回転制御装置40は、遊星歯車機構20の第1回転要素としてのキャリヤ20Cとは異なる回転要素、ここでは上述したようにリングギヤ20Rに連結される。回転制御装置40は、遊星歯車機構20に作用するトルクを調節して遊星歯車機構20の回転を制御する。回転制御装置40は、モータ41を含んで構成される。
モータ41は、リングギヤ20Rに連結されこのリングギヤ20Rの回転を制御するものである。モータ41は、固定子としてのステータ41Sと、回転子としてのロータ41Rとを備える。ステータ41Sは、ケース等に固定される。ロータ41Rは、ステータ41Sの径方向内側に配置され、ロータ軸41Rsに一体回転可能に結合される。ロータ軸41Rsは、ケースに回転可能に支持されると共に、リングギヤ20Rと一体回転可能であり、ここでは、リングギヤ20Rと一体で形成されている。モータ41は、インバータなどを介してバッテリから供給された電力を機械的動力に変換する電動機としての機能と、入力された機械的動力を電力に変換する発電機としての機能とを兼ね備えた回転電機(モータジェネレータ)である。モータ41は、ロータ41Rが回転駆動することで、リングギヤ20Rの回転(速度)を制御することができる。モータ41は、ECU8によってその駆動が制御される。
ここで、ECU8は、車両2の各部の駆動を制御するものであり、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路である。ECU8は、エンジン4、駆動系6等を制御すると共に、回転制御装置40のモータ41の駆動を制御する。
上記のように構成されるダイナミックダンパ装置1は、回転軸13からバネ31を介してダンパマスとしての遊星歯車機構20に作用する特定の周波数の振動に対して、このダンパマスが逆位相で振動することで、この振動を打ち消して制振(吸振)し抑制する。よって、このダイナミックダンパ装置1は、例えば、パワートレーン3で発生したエンジン爆発1次に起因する振動を抑制することができ、振動騒音の低減、燃費の向上を図ることができる。
このとき、ダイナミックダンパ装置1は、ECU8がモータ41の駆動を制御し、遊星歯車機構20の回転を制御することによって制振制御を行うことで、ダイナミックダンパ装置1での逆位相の振動をパワートレーン3で発生する振動に応じて適宜設定することができ、広範囲な運転領域で適正に振動を低減することができる。
すなわち、ダイナミックダンパ装置1は、ECU8がモータ41の駆動を制御しリングギヤ20Rの回転を可変制御する。これにより、ダイナミックダンパ装置1は、遊星歯車機構20のリングギヤ20Rやサンギヤ20Sの回転を可変とし、これらリングギヤ20R、サンギヤ20S等を含むダンパマスに作用する慣性力を可変とすることで、ダンパマスの見掛け上の慣性質量を可変に制御する慣性質量制御を行う。例えば、ダイナミックダンパ装置1は、相対的に大きなダンパマスであるリングギヤ20Rの回転速度を増速することにより、ダンパマスの見掛け上の慣性質量を増加し、実際の慣性質量を増加させた場合と同等の効果を得ることができる。
より具体的には、本実施形態のECU8は、回転制御装置40のモータ41の駆動を制御し遊星歯車機構20の入力要素であるキャリヤ20Cに作用するトルクを調節して遊星歯車機構20の回転を制御することで制振制御を行う。これにより、ダイナミックダンパ装置1は、制振制御を行う際に、以下で説明するように、応答性の高い制振制御が可能となり、例えば、パワートレーン3の効率や振動騒音が最適となるように応答性よく制御することができる。
ここで、遊星歯車機構20のキャリヤ20C、リングギヤ20R、サンギヤ20Sは、図3に示す共線図に基づいた回転速度(回転数に相当)で作動する。この図3は、遊星歯車機構20の各回転要素の回転速度(回転数)の相対関係を直線で表したものであり、縦軸をサンギヤ20S、キャリヤ20C及びリングギヤ20Rのそれぞれの回転の速度比(相対回転数比に相当)とし、横軸に沿った互いの間隔がリングギヤ20Rとサンギヤ20Sとの歯数比に応じた間隔となるように各回転要素の速度比をそれぞれ配置した速度線図である。ここでは、この図3は、入力要素であるキャリヤ20Cを基準とし、キャリヤ20Cの回転の速度比を1としている。また、この図3に示すギヤ比ρは、遊星歯車機構20のギヤ比である。すなわち、サンギヤ20Sとキャリヤ20Cとの間隔を「1」とするとキャリヤ20Cとリングギヤ20Rとの間隔は、ギヤ比ρに対応する。
そして、遊星歯車機構20全体において、各回転要素の回転速度を可変とすることによる見掛けの上の慣性質量(以下、特に断りの無い限り「慣性質量速度項」という。)を総合慣性質量速度項I0とした場合、総合慣性質量速度項I0は、サンギヤ20Sの慣性質量速度項Is0、キャリヤ20Cの慣性質量速度項Ic0及びリングギヤ20Rの慣性質量速度項Ir0を用いて、下記の数式(1)で表すことができる。言い換えれば、この総合慣性質量速度項I0は、回転速度制御による遊星歯車機構20全体での見掛け上の慣性質量である。

0=Is0+Ic0+Ir0 ・・・ (1)

サンギヤ20Sの慣性質量速度項Is0、キャリヤ20Cの慣性質量速度項Ic0及びリングギヤ20Rの慣性質量速度項Ir0は、例えば、速度比が1であるときのサンギヤ20Sの慣性質量Is、キャリヤ20Cの慣性質量Ic及びリングギヤ20Rの慣性質量Irを用いて、下記の数式(2)から(4)で表すことができる。

Is0=δ2・Is ・・・ (2)

Ic0=Ic ・・・ (3)

Ir0=(1+(1−δ)・ρ)2・Ir ・・・ (4)

したがって、総合慣性質量速度項I0は、数式(1)〜(4)に基づいて、下記の数式(5)で表すことができる。

0=δ2・Is+Ic+(1+(1−δ)・ρ)2・Ir ・・・ (5)
そして、遊星歯車機構20全体において、各回転要素の回転速度変化の際に作用するトルクによる見掛けの上の慣性質量(以下、特に断りの無い限り「慣性質量トルク項」という。)を総合慣性質量トルク項Itとした場合、総合慣性質量トルク項Itは、各回転要素の回転速度変化の際に入力要素であるキャリヤ20Cに作用するキャリヤトルク(遊星歯車機構20本体側からキャリヤ20Cに作用するトルク)Tc、キャリヤトルクTcによる遊星歯車機構20全体での角速度変化量dω/dtを用いて、下記の数式(6)で表すことができる。言い換えれば、この総合慣性質量トルク項Itは、トルク制御による遊星歯車機構20全体での見掛け上の慣性質量である。


It=Tc/(dω/dt) ・・・ (6)

ここで、キャリヤトルクTcは、各回転要素の回転速度変化によって発生する加速度によるトルク項(慣性質量起因の加速度トルク項)Tkを用いて、下記の数式(7)で表すことができる。

Tc=Tk ・・・ (7)
そして、遊星歯車機構20全体において、各回転要素の回転を可変とすることによる見掛けの上の慣性質量を総合慣性質量(ダイナミックダンパ装置1のダンパマスの総合の慣性質量)Iaとした場合、総合慣性質量Iaは、総合慣性質量速度項I0、総合慣性質量トルク項Itを用いて、下記の数式(8)で表すことができる。

Ia=I0+It ・・・ (8)

このときのダイナミックダンパ装置1としての固有振動数faは、バネ31のバネ定数Kd、総合慣性質量Iaを用いて、下記の数式(9)で表すことができる。

fa=(√(Kd/Ia))/2π ・・・ (9)
したがって、ダイナミックダンパ装置1は、総合慣性質量Iaを調節することで固有振動数faをパワートレーン3で発生する振動に応じて適正に調節することができる。このとき、ダイナミックダンパ装置1は、キャリヤトルクTcを調節し遊星歯車機構20の回転を制御して総合慣性質量トルク項Itを調節することで、例えば、総合慣性質量速度項I0を調節する場合と比較して応答性よく総合慣性質量Iaを調節し固有振動数faを調節することができる。これは、各回転要素の速度は、トルクの積分項に相当することから、総合慣性質量トルク項Itの方が総合慣性質量速度項I0より素早く変化させることができるためである。
本実施形態のダイナミックダンパ装置1は、サンギヤ20S及び中心軸21が制振制御の際の反力受けをなす。すなわち、ダイナミックダンパ装置1は、サンギヤ20S及び中心軸21を反力受けとして、ECU8が制振制御として回転制御装置40のモータ41の出力を制御することで、サンギヤ20S及び中心軸21の慣性質量が反力となり、各回転要素の回転速度変化によって発生する加速度によるトルク項Tkが調節され、キャリヤトルクTcが調節される。これにより、ダイナミックダンパ装置1は、総合慣性質量トルク項It、総合慣性質量Iaが調節され、最終的に固有振動数faが調節される。この結果、ダイナミックダンパ装置1は、応答性の高い制振制御を行うことができ、例えば、変速時などパワートレーン3における共振点(共振周波数)が急激に変化するような場合であっても、変化に対して応答性よく適正な固有振動数faに調節することができ、パワートレーン3の効率や振動騒音が最適となるように、素早く応答性よく制御することができる。車両2では、例えば、トルクコンバータ(不図示)のロックアップクラッチをOFF(解放状態)にすることで振動を抑制することも可能であるが、この場合、燃費が悪化するおそれがあるが、本願のダイナミックダンパ装置1であれば、このようなロックアップクラッチOFFによる燃費悪化を抑制した上で適正に振動を抑制できる。
ここで、本実施形態のダイナミックダンパ装置1は、ECU8が回転制御装置40による速度制御と回転制御装置40によるトルク制御とによって制振制御を行うことで、速度制御による慣性質量制御と、トルク制御による慣性質量制御とを運転状態に応じて適宜使い分けて制振制御を行うことができ、これにより、制振制御の精度を向上することができる。回転制御装置40(モータ41)による速度制御とは、モータ41の回転速度を制御して総合慣性質量速度項I0を調節し、総合慣性質量Ia、固有振動数faを調節する制御である。回転制御装置40(モータ41)によるトルク制御とは、モータ41のモータ出力トルクを制御して総合慣性質量トルク項Itを調節し、総合慣性質量Ia、固有振動数faを調節する制御である。
例えば、ダイナミックダンパ装置1は、回転軸13のトルク変化が所定未満の場合には回転制御装置40の速度制御によって制振制御を行い、回転軸13のトルク変化が所定以上の場合には回転制御装置40のトルク制御によって制振制御を行うとよい。回転軸13のトルク変化が所定未満の場合とは、典型的には、パワートレーン3における共振点が大きく変化しない運転状態であり、例えば、車両2の定常運転時などの場合である。回転軸13のトルク変化が所定以上の場合とは、典型的には、パワートレーン3における共振点が大きく変化するような運転状態であり、例えば、駆動系6にて変速が行われたような過渡時などの場合である。これにより、ダイナミックダンパ装置1は、制振制御の精度を向上することができると共に、燃費悪化を抑制することができ、制振制御の精度向上と燃費悪化抑制とを両立することができる。
すなわち、ダイナミックダンパ装置1は、車両2の定常走行時など、回転軸13のトルク変化が所定未満の場合には、ECU8がモータ41の速度制御によって制振制御を行い、総合慣性質量速度項I0を調節し、総合慣性質量Ia、固有振動数faを調節し、振動を低減する。この結果、ダイナミックダンパ装置1は、車両2の定常運転時など回転軸13のトルク変化が所定未満であり共振点が大きく変化しない運転状態では、燃費悪化の少ない速度制御によって制振制御を行うことができ、燃費の悪化を抑制することができる。
一方、ダイナミックダンパ装置1は、車両2の変速時や過渡運転時など、回転軸13のトルク変化が所定以上の場合には、ECU8がモータ41のトルク制御によって制振制御を行い、総合慣性質量トルク項Itを調節し、総合慣性質量Ia、固有振動数faを調節し、振動を低減する。この結果、ダイナミックダンパ装置1は、車両2の変速時や過渡運転時など回転軸13のトルク変化が所定以上であり共振点が大きく変化する運転状態では、応答性の高いトルク制御によって制振制御を行うことができ、制振制御の精度を向上することができる。
なお、ダイナミックダンパ装置1は、トルク制御によって制振制御を行う場合、制振制御の初期はトルク制御によって応答性を確保した後、制振制御の終了時には速度制御に切り替えるようにしてもよい。すなわち、ダイナミックダンパ装置1は、制振制御の際に、ECU8がトルク制御からトルク制御と速度制御とが重複する期間を経て、最終的に速度制御に切り替えるようにしてもよい。この場合、ダイナミックダンパ装置1は、制振制御の応答性を確保した上で、燃費の悪化を抑制することができることから、より適正に制振制御の精度向上と燃費悪化抑制とを両立することができる。
また、このダイナミックダンパ装置1は、上述したようにサンギヤ20S等が制振制御の際の反力受けをなすことで、回転制御装置40として、1つのモータ41で速度制御とトルク制御とによって制振制御を行うことができるので、製造コストの増加を抑制することができ、また、装置の大型化を抑制することができる。
次に、図4のフローチャートを参照してECU8による制御の一例を説明する。なお、これらの制御ルーチンは、数msないし数十ms毎の制御周期で繰り返し実行される。
まず、ECU8は、種々のセンサの検出結果に基づいて、エンジン4のエンジン回転数等のエンジン情報や車両2の速度情報などを取得する(ST1)。
次に、ECU8は、ST1で取得した情報に基づいて、種々の手法を用いて、車両2が変速するか否かを判定する(ST2)。
ECU8は、車両2が変速すると判定した場合(ST2:Yes)、目標の総合慣性質量トルク項Itを決定する(ST3)。この場合、ECU8は、例えば、図5に例示する制御マップに基づいて、変速後の変速段(変速比)に応じた目標の総合慣性質量Iaを算出する。この図5に例示する制御マップは、各変速段(1、2、3、・・・)と目標の総合慣性質量Ia(Ia1、Ia2、Ia3、・・・)との対応関係を記述したものであり、実車評価等に基づいて予め設定され、ECU8の記憶部に記憶されている。そして、ECU8は、現在の車両2の速度、モータ41の回転数に応じて現在のリングギヤ20R、総合慣性質量速度項I0等の回転数を算出し、例えば、下記の数式(10)を用いて、目標の総合慣性質量Ia、現在の総合慣性質量速度項I0等から目標の総合慣性質量トルク項Itを算出する。

It=Ia−I0 ・・・ (10)
そして、ECU8は、駆動系6を制御して実際に変速を実行すると共に、目標の総合慣性質量トルク項Itに基づいて、実際の総合慣性質量トルク項Itがこの目標の総合慣性質量トルク項Itに収束するように、サンギヤ20S及び中心軸21を反力受けとして、モータ41の出力を制御する。これにより、ECU8は、キャリヤトルクTcを調節し、総合慣性質量Iaを目標の総合慣性質量Iaに収束させ、変速後の共振点に応じた適正な固有振動数faに調節する(ST4)。
そして、ECU8は、Ia=I0+Itの関係を保ちつつ、モータ41のトルク制御による総合慣性質量トルク項Itを低減する一方、モータ41の速度制御による総合慣性質量速度項I0を増加させ、最終的にIt=0、I0=Iaとし(ST5)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。なおこの場合、ECU8は、例えば、速度制御により回転要素の回転速度を増加させる場合、トルク制御で要求されるトルクより僅かに大きなトルクをモータ41が出力するように制御することで、回転要素の回転速度を増加し目標の回転速度とすることができる。
ECU8は、ST2にて、車両2が変速しないと判定した場合(ST2:No)、ST5に移行し、以降の処理を実行する。
一例を説明すると、例えば、車両2が5速から6速に変速する場合、反共振に必要な慣性質量は、図5に例示する制御マップに示すように、Ia5からIa6に変化する。この場合、反共振に必要なキャリヤトルクTcは、例えば、下記の数式(11)で表すことができる。ダイナミックダンパ装置1は、モータ41のトルク制御によってキャリヤ20Cに、数式(11)で算出されるキャリヤトルクTcを作用させることで、パワートレーン3で生じる振動に対して反共振状態となり、振動を低減することが可能となる。ここで算出されたキャリヤトルクTcは、上記の目標の総合慣性質量トルク項Itを実現するためのトルクに相当する。

Tc=(Ia6−Ia5)・(dω/dt) ・・・ (11)
このとき、ECU8は、I0=Ia6となるようにモータ41の速度制御によって、変速と同時にリングギヤ20Rを増速方向に制御する。この場合のサンギヤ20Sの見掛け上のサンギヤトルクTsは、速度比が1であるときのサンギヤ20Sの慣性質量Is、リングギヤ20Rが速度変化したときのサンギヤ20Sの角速度変化量dωs/dtを用いて、例えば、下記の数式(12)で表すことができる。

Ts=Is・(dωs/dt) ・・・ (12)
そして、ダイナミックダンパ装置1は、この場合、すなわち、I0=Ia6となるようにモータ41の速度制御によって、変速と同時にリングギヤ20Rを増速方向に制御した場合に、反共振が成り立つキャリヤトルクTcは、数式(11)及び(12)から、サンギヤ歯数Zs、リングギヤ歯数Zrを用いて、下記の数式(13)で表すことができる。

Tc=Ts・(1+Zr/Zs) ・・・ (13)

ECU8は、この数式(13)の条件を保ちつつ、モータ41の速度制御及びトルク制御によってIa=I0+ItのIt項を低減する一方、I0項を増加し、最終的にIt=0、I0=Iaとし、過渡状態から定常状態に移行する。
以上で説明した実施形態に係るダイナミックダンパ装置1によれば、差動回転可能な複数の回転要素を含む遊星歯車機構20と、動力が伝達されて回転する回転軸13と遊星歯車機構20の第1回転要素であるキャリヤ20Cとを連結するバネ31と、遊星歯車機構20のキャリヤ20Cとは異なる回転要素に連結され、キャリヤ20Cに作用するトルクを調節して遊星歯車機構20の回転を制御する回転制御装置40とを備える。したがって、ダイナミックダンパ装置1は、制振制御の応答性を向上することができ、適正に振動を低減することができる。この結果、ダイナミックダンパ装置1は、いわゆるNVH(Noise−Vibration−Harshness、騒音・振動・ハーシュネス)を低減することができ、例えば、トルクコンバータのロックアップクラッチをON(係合状態)にできる運転領域を拡大することができ、これにより、燃費を向上することができる。
[実施形態2]
図6は、実施形態2に係るダイナミックダンパ装置の要部断面図である。実施形態2に係るダイナミックダンパ装置は、回転制御装置の配置が実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する(以下で説明する実施形態でも同様である。)。
図6に示すダイナミックダンパ装置201は、遊星歯車機構20と、バネ31を保持するバネ保持機構30と、回転制御装置240とを備えることで、より適正に振動を低減している。回転制御装置240は、モータ41を含んで構成され、本実施形態のモータ41は、サンギヤ20Sに連結される。
本実施形態の遊星歯車機構20は、キャリヤ20Cが第1回転要素であり入力要素に相当し、サンギヤ20Sが第1回転要素とは異なる第2回転要素であり回転制御要素に相当し、リングギヤ20Rが第1回転要素及び第2回転要素とは異なる第3回転要素であり反力受け要素に相当する。すなわち、リングギヤ20Rは、反力受け部材をなす。サンギヤ20Sは、回転制御装置240が連結される。
回転制御装置240のモータ41は、サンギヤ20Sに連結されこのサンギヤ20Sの回転を制御するものである。モータ41のロータ41Rは、ロータ軸41Rsに一体回転可能に結合される。ロータ軸41Rsは、ケースに回転可能に支持されると共に、サンギヤ20Sと一体回転可能である。ここでは、ロータ軸41Rsは、スプライン係合部等を介して中心軸21に一体回転可能に連結され、この中心軸21を介してサンギヤ20Sと一体回転可能に連結される。モータ41は、ロータ41Rが回転駆動することで、サンギヤ20Sの回転(速度)を制御することができる。
本実施形態のダイナミックダンパ装置201は、サンギヤ20Sより質量が大きくなる傾向にあるリングギヤ20Rが制振制御の際の反力受けをなす。すなわち、ダイナミックダンパ装置201は、リングギヤ20Rを反力受けとして、ECU8が制振制御として回転制御装置240のモータ41の出力を制御することで、リングギヤ20Rの慣性質量が反力となり、各回転要素の回転速度変化によって発生する加速度によるトルク項Tkが調節され、キャリヤトルクTcが調節される。これにより、ダイナミックダンパ装置201は、総合慣性質量トルク項It、総合慣性質量Iaが調節され、最終的に固有振動数faが調節される。この結果、ダイナミックダンパ装置201は、応答性の高く、精度の良い制振制御を行うことができ、パワートレーン3の効率や振動騒音が最適となるように、素早く応答性よく制御することができる。
以上で説明した実施形態に係るダイナミックダンパ装置201によれば、制振制御の応答性を向上することができ、適正に振動を低減することができる。そして、ダイナミックダンパ装置201は、遊星歯車機構20において相対的に質量が大きくなる傾向にあるリングギヤ20Rを反力受け部材とし、相対的に質量が小さくなる傾向にあるサンギヤ20Sを回転制御要素とすることで、モータ41を小型化することができ、装置の大型化を抑制することができる。
すなわち、モータ41のモータ出力トルクTmは、キャリヤ20Cを固定した場合を仮定すると、サンギヤ20Sの慣性質量Is、リングギヤ20Rの慣性質量Ir、サンギヤ20Sの角速度変化量dωs/dt、リングギヤ20Rの角速度変化量dωr/dtを用いて、下記の数式(14)で表すことができる。

Tm=Ir・(dωr/dt)+Is・(dωs/dt) ・・・ (14)
上記数式(14)からも明らかなように、ダイナミックダンパ装置201は、モータ41に直結する慣性質量が小さく、反力受け部材の慣性質量が大きい方が慣性反力を有効に利用することができる。この結果、ダイナミックダンパ装置201は、モータ41を小型化することができ、搭載性を向上することができる。
[実施形態3]
図7は、実施形態3に係るダイナミックダンパ装置の要部断面図である。実施形態3に係るダイナミックダンパ装置は、回転制御装置の構成が実施形態1とは異なる。
図7に示すダイナミックダンパ装置301は、遊星歯車機構20と、バネ31を保持するバネ保持機構30と、回転制御装置340とを備えることで、より適正に振動を低減している。
回転制御装置340は、速度制御装置340sと、トルク制御装置340tとを有する。速度制御装置340sは、第2回転要素であるリングギヤ20Rに連結されこのリングギヤ20Rの回転速度を制御する。トルク制御装置340tは、第3回転要素であるサンギヤ20Sに連結されこのサンギヤ20Sに作用するトルクを制御する。これにより、回転制御装置340は、遊星歯車機構20に作用するトルクを調節して遊星歯車機構20の回転を制御する。
本実施形態の遊星歯車機構20は、キャリヤ20Cが第1回転要素であり入力要素に相当し、リングギヤ20Rが第1回転要素とは異なる第2回転要素であり回転制御要素に相当し、サンギヤ20Sが第1回転要素及び第2回転要素とは異なる第3回転要素であり反力受け要素に相当する。ここでは、トルク制御装置340tは、反力受け装置をなす。
速度制御装置340sは、リングギヤ20Rに連結される回転電機としてのモータ41を含んで構成される。トルク制御装置340tは、サンギヤ20Sに連結されるブレーキ装置又は回転電機、ここでは、ブレーキ装置としての電磁ブレーキ342を含んで構成される。
モータ41は、ロータ41Rが回転駆動することで、リングギヤ20Rの回転(速度)を制御することができる。なお、このモータ41は、上記で説明したものと同様の構成であるので、その説明を省略する。
電磁ブレーキ342は、電磁コイル343と、サンギヤ側回転部材344と、押圧ピストン345とを含んで構成される。電磁ブレーキ342は、サンギヤ20Sと一体回転するサンギヤ側回転部材344を所定のブレーキトルク(制動トルク)で制動可能であると共に、ブレーキトルクの大きさを調節可能である。
電磁コイル343は、電流が供給されることで電磁力を発生する。サンギヤ側回転部材344は、回転軸線X2と同軸の円環板状に形成される。サンギヤ側回転部材344は、中心軸21の外周面に支持され、径方向内側端部がスプライン係合部等を介して中心軸21に一体回転可能に連結される。ここでは、サンギヤ20Sと中心軸21とは、一体で形成されている。したがって、サンギヤ側回転部材344は、サンギヤ20Sに一体回転可能に連結される。上記の電磁コイル343は、サンギヤ側回転部材344の径方向外側端部に対して、軸方向に対向する位置に配置され、ケース等に固定される。押圧ピストン345は、回転軸線X2と同軸の円環板状に形成される。押圧ピストン345は、軸方向に対してサンギヤ側回転部材344を挟んで電磁コイル343とは反対側にて、ケース等に支持される。押圧ピストン345は、径方向外側端部がスプライン係合部等を介して軸方向に沿って相対移動可能に支持される。ここでは、電磁ブレーキ342は、軸方向の入力側から出力側に向かって、押圧ピストン345、サンギヤ側回転部材344、電磁コイル343の順で配置されている。電磁ブレーキ342は、ECU8によってその駆動が制御される。
電磁ブレーキ342は、電磁コイル343に電流が供給されると、この電磁コイル343の電磁力によって押圧ピストン345が軸方向に沿ってサンギヤ側回転部材344側に吸引され、このサンギヤ側回転部材344を軸方向に沿って電磁コイル343側に押圧する。そして、電磁ブレーキ342は、サンギヤ側回転部材344と押圧ピストン345、電磁コイル343近傍の当接面との接触面に生じる摩擦力によって、サンギヤ側回転部材344の回転を摩擦制動する。
このとき、電磁ブレーキ342は、ECU8によって電磁コイル343に供給される電流が調節されることで、サンギヤ側回転部材344の回転を制動するためのブレーキトルク(制動トルク)の大きさが調節される。典型的には、電磁ブレーキ342は、電磁コイル343に供給される電流が大きくなるにしたがって、押圧ピストン345による押圧力が大きくなり、ブレーキトルクが大きくなる。電磁ブレーキ342は、ブレーキトルクが0である場合(供給電流が0の場合)に、サンギヤ側回転部材344が完全に解除された完全解放状態となり、ブレーキトルク(供給電流)が大きくなるにしたがって、半係合状態(スリップ状態)を経て完全係合状態となる。
そして、ダイナミックダンパ装置301は、ECU8が速度制御装置340sであるモータ41及びトルク制御装置340tである電磁ブレーキ342の駆動を制御し、速度制御装置340sによる速度制御とトルク制御装置340tによるトルク制御とによって、遊星歯車機構20の入力要素であるキャリヤ20Cに作用するトルクを調節して遊星歯車機構20の回転を制御することで制振制御を行う。これにより、ダイナミックダンパ装置301は、制振制御を行う際に、以下で説明するように、応答性の高い制振制御が可能となり、例えば、パワートレーン3の効率や振動騒音が最適となるように応答性よく制御することができる。
この場合、モータ41によるモータトルクTm(言い換えれば、リングギヤ20Rに作用するリングギヤトルクTr)は、各回転要素の回転速度変化がない状態では、電磁ブレーキ342によるブレーキトルクTb(言い換えれば、サンギヤ20Sに作用するサンギヤトルクTs)、サンギヤ歯数Zs、リングギヤ歯数Zrを用いて、下記の数式(15)で表すことができる。

Tm=Tb・(Zr/Zs) ・・・ (15)

したがって、キャリヤトルクTcは、各回転要素の回転速度変化がない状態では、下記の数式(16)で表すことができる。

Tc=Tb・(1+Zr/Zs) ・・・ (16)

そして、キャリヤトルクTcは、各回転要素の回転速度変化する状態では、下記の数式(17)で表すことができる。

Tc=Tk+Tb・(1+Zr/Zs) ・・・ (17)
そして、ダイナミックダンパ装置301は、キャリヤトルクTcを調節し遊星歯車機構20の回転を制御して総合慣性質量トルク項Itを調節することで、例えば、総合慣性質量速度項I0を調節する場合と比較して応答性よく総合慣性質量Iaを調節し固有振動数faを調節することができる。
本実施形態のダイナミックダンパ装置301は、ECU8が制振制御として速度制御装置340sであるモータ41の出力を制御すると共に、トルク制御装置340tである電磁ブレーキ342の駆動を制御することで、反力制御として、サンギヤ20Sの反力(負荷トルク)に相当するブレーキトルクTbが調節され、キャリヤトルクTcが調節される。これにより、ダイナミックダンパ装置301は、総合慣性質量トルク項It、総合慣性質量Iaが調節され、最終的に固有振動数faが調節される。この結果、ダイナミックダンパ装置301は、応答性の高い制振制御を行うことができ、パワートレーン3の効率や振動騒音が最適となるように、素早く応答性よく制御することができる。
そして、このダイナミックダンパ装置301は、数式(17)において、ブレーキトルクTbを十分に大きく確保できるので各回転要素の回転速度変化によって発生する加速度によるトルク項Tkが小さくても、適正なキャリヤトルクTcを十分に確保することができる。したがって、ダイナミックダンパ装置301は、トルク制御において、モータ41の瞬間的な大出力を必要としないので、モータ41を小型化することができ、装置の大型化を抑制することができる。この結果、ダイナミックダンパ装置301は、搭載性を向上することができる。
ここで、本実施形態のダイナミックダンパ装置301は、ECU8が速度制御装置340sによる速度制御とトルク制御装置340tによるトルク制御とによって制振制御を行うことで、速度制御による慣性質量制御と、トルク制御による慣性質量制御とを運転状態に応じて適宜使い分けて制振制御を行うことができ、これにより、制振制御の精度を向上することができる。速度制御装置340sによる速度制御とは、モータ41の回転速度を制御して総合慣性質量速度項I0を調節し、総合慣性質量Ia、固有振動数faを調節する制御である。トルク制御装置340tによるトルク制御とは、電磁ブレーキ342のブレーキトルクTbを制御して総合慣性質量トルク項Itを調節し、総合慣性質量Ia、固有振動数faを調節する制御である。
典型的には、ECU8は、モータ41の出力を制御することで速度制御を行う。これにより、ダイナミックダンパ装置301は、燃費悪化を抑制することができる。一方、ECU8は、モータ41の出力を制御すると共に、電磁ブレーキ342のブレーキトルクを制御することでトルク制御を行う。これにより、ダイナミックダンパ装置301は、制振制御の応答性を向上することができる。
例えば、ダイナミックダンパ装置301は、回転軸13のトルク変化が所定未満の場合には速度制御装置340sの速度制御によって制振制御を行い、回転軸13のトルク変化が所定以上の場合にはトルク制御装置340tのトルク制御によって制振制御を行うとよい。これにより、ダイナミックダンパ装置301は、制振制御の精度向上と燃費悪化抑制とを両立することができる。すなわち、ダイナミックダンパ装置301は、車両2の定常運転時など、回転軸13のトルク変化が所定未満であり共振点が大きく変化しない運転状態では、燃費悪化の少ない速度制御によって制振制御を行うことができ、燃費の悪化を抑制することができる。一方、ダイナミックダンパ装置301は、車両2の変速時や過渡運転時など、回転軸13のトルク変化が所定以上であり共振点が大きく変化する運転状態では、応答性の高いトルク制御によって制振制御を行うことができ、制振制御の精度を向上することができる。
なお、ダイナミックダンパ装置301は、制振制御の際に、ECU8がトルク制御からトルク制御と速度制御とが重複する期間を経て、最終的に速度制御に切り替えるようにしてもよい。この場合、ダイナミックダンパ装置301は、制振制御の応答性を確保した上で、燃費の悪化を抑制することができることから、より適正に制振制御の精度向上と燃費悪化抑制とを両立することができる。
また、このダイナミックダンパ装置301は、ECU8が図4のフローチャートで説明した制御と同様の制御を実行可能である。ECU8は、例えば、ST5において速度制御により回転要素の回転速度を増加させる場合、トルク制御で要求されるトルクより僅かに大きなトルクを出力するようにモータ41を制御することで、回転要素の回転速度を増加し目標の回転速度とすることができる。この場合、ECU8は、例えば、下記の数式(18)を満たすように、モータ41によるモータトルクTmを制御すればよい。この数式(18)において、αは(α>0)を満たす。

Tm=Tb・(Zr/Zs)+α ・・・ (18)
以上で説明した実施形態に係るダイナミックダンパ装置301によれば、制振制御の応答性を向上することができ、適正に振動を低減することができる。そして、ダイナミックダンパ装置301は、リングギヤ20Rに連結されリングギヤ20Rの回転速度を制御する速度制御装置340sと、サンギヤ20Sに連結されサンギヤ20Sに作用するトルクを制御するトルク制御装置340tとを備える。したがって、ダイナミックダンパ装置301は、性能の安定性を向上することができると共に、モータ41の小型化、製造コストの抑制、省エネルギ化、燃費向上等を実現することができる。
なお、以上の説明では、トルク制御装置340tは、サンギヤ20Sに連結されるブレーキ装置としての電磁ブレーキ342を含んで構成されるものとして説明したが、これにかえて、サンギヤ20Sに連結される回転電機としてのモータジェネレータ(不図示)を含んで構成されてもよい。この場合、ダイナミックダンパ装置301は、モータジェネレータの駆動を制御することで、サンギヤ20Sに作用するサンギヤトルクTsを調節し、キャリヤトルクTcを調節することができ、最終的に固有振動数faを調節することができる。このとき、ダイナミックダンパ装置301は、モータジェネレータがサンギヤトルクTsを調節する際に、モータジェネレータによる回生によってエネルギを回収することも可能となり、これにより、さらなる燃費向上等を実現することができる。
[実施形態4]
図8は、実施形態4に係るダイナミックダンパ装置を搭載した車両の概略構成図、図9は、ダイナミックダンパ装置の要部断面図である。実施形態4に係るダイナミックダンパ装置は、配置される位置が実施形態3とは異なる。
なおここでは、出力軸10の回転軸線X1に沿った方向を軸方向といい、回転軸線X1に直交する方向、すなわち、軸方向に直交する方向を径方向といい、回転軸線X1周りの方向を周方向という。また、径方向において回転軸線X1側を径方向内側といい、反対側を径方向外側という。また、軸方向において駆動源が設けられる側(駆動源から動力が入力される側)を入力側といい、反対側、つまり、駆動輪が設けられる側(駆動輪に動力を入力する側)を出力側という。
図8、図9に示すダイナミックダンパ装置401は、パワートレーン3において、エンジン4からの動力が伝達されて回転する回転軸、ここでは、駆動系6の出力軸10に設けられる。ダイナミックダンパ装置401は、出力軸10から弾性体としてのバネ31を介してダイナミックダンパ装置401に作用する特定の周波数の振動に対して、ダンパマスが逆位相で振動することでこの振動を制振(吸振)し抑制する。
このダイナミックダンパ装置401は、遊星歯車機構20と、バネ31を保持するバネ保持機構430と、回転制御装置340とを備えることで、より適正に振動を低減している。ダイナミックダンパ装置401は、遊星歯車機構20、バネ保持機構430、回転制御装置340等の内側に出力軸10が挿入されるようにして配置される。
本実施形態のバネ保持機構430のバネ31は、遊星歯車機構20の入力要素であるキャリヤ20Cを出力軸10に弾性支持するものである。バネ31は、出力軸10とキャリヤ20Cとを相対回転可能に連結する。つまり、このダイナミックダンパ装置401は、出力軸10と遊星歯車機構20との間にバネ31が介装される。ここでは、センタプレート32は、出力軸10の外周面に支持され、径方向内側端部がスプライン係合部等を介して出力軸10に一体回転可能に連結される。バネ保持機構430は、回転方向(周方向)に対して、出力軸10と一体回転するセンタプレート32と、キャリヤ20Cとして兼用される第1サイドプレート33、第2サイドプレート34との間にバネ31が介在する。この結果、バネ保持機構430は、バネ31等を介して出力軸10とキャリヤ20Cとを相対回転可能に連結することができる。
エンジン4から出力軸10に伝達された動力(変動成分)は、センタプレート32、バネ31を介してキャリヤ20Cとして兼用される第1サイドプレート33及び第2サイドプレート34に入力(伝達)される。この間、各バネ31は、回転方向に対するセンタプレート32と第1サイドプレート33、第2サイドプレート34との間に保持されつつ、伝達される動力の大きさに応じて弾性変形する。なおここでは、遊星歯車機構20、回転制御装置340等の構成は、実施形態3のダイナミックダンパ装置301とほぼ同様であるのでその説明を省略する。
以上で説明した実施形態に係るダイナミックダンパ装置401によれば、制振制御の応答性を向上することができ、適正に振動を低減することができる。そして、ダイナミックダンパ装置401は、駆動系6の出力軸10に直接設けられることから、装置をより小型化することができ、搭載性を向上することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係るダイナミックダンパ装置は、上述した実施形態に限定されず、請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係るダイナミックダンパ装置は、以上で説明した実施形態を複数組み合わせることで構成してもよい。
以上で説明した速度制御装置の制御装置とトルク制御装置の制御装置とは、ECU8によって兼用されるものとして説明したが、それぞれ別個に制御装置が設けられていてもよく、各制御装置がECU8と相互に検出信号や駆動信号、制御指令等の情報の授受を行う構成であってもよい。
以上の説明では、遊星歯車機構は、例えば、実施形態1等では、キャリヤが第1回転要素であり、リングギヤが第2回転要素であり、サンギヤが第3回転要素であるものとして説明したがこれに限らない。遊星歯車機構は、例えば、キャリヤが第2回転要素、リングギヤが第3回転要素、サンギヤが第1回転要素であってもよいし、キャリヤが第3回転要素、リングギヤが第1回転要素、サンギヤが第2回転要素であってもよく、さらに他の組み合わせであってもよい。
以上のように本発明に係るダイナミックダンパ装置は、種々の車両に搭載されるダイナミックダンパ装置に適用して好適である。
1、201、301、401 ダイナミックダンパ装置
2 車両
3 パワートレーン
4 エンジン(内燃機関)
8 ECU
10 出力軸(回転軸)
13 回転軸
20 遊星歯車機構
20C キャリヤ
20S サンギヤ
20R リングギヤ
30、430 バネ保持機構
31 バネ(弾性体)
40、240、340 回転制御装置
41 モータ(回転電機)
340t トルク制御装置
340s 速度制御装置
342 電磁ブレーキ(ブレーキ装置)

Claims (11)

  1. 差動回転可能な複数の回転要素を含む遊星歯車機構と、
    動力が伝達されて回転する回転軸と前記遊星歯車機構の第1回転要素とを連結する弾性体と、
    前記遊星歯車機構の前記第1回転要素とは異なる回転要素に連結され、前記第1回転要素に作用するトルクを調節して前記遊星歯車機構の回転を制御する回転制御装置とを備えることを特徴とする、
    ダイナミックダンパ装置。
  2. 前記回転制御装置は、前記遊星歯車機構の前記第1回転要素とは異なる第2回転要素に連結され当該第2回転要素の回転速度を制御する速度制御装置を有する、
    請求項1に記載のダイナミックダンパ装置。
  3. 前記回転制御装置は、前記遊星歯車機構の前記第1回転要素及び第2回転要素とは異なる第3回転要素に連結され当該第3回転要素に作用するトルクを制御するトルク制御装置を有する、
    請求項2に記載のダイナミックダンパ装置。
  4. 差動回転可能な複数の回転要素を含む遊星歯車機構と、
    動力が伝達されて回転する回転軸と前記遊星歯車機構の第1回転要素とを連結する弾性体と、
    前記第1回転要素とは異なる第2回転要素に連結され当該第2回転要素の回転速度を制御する速度制御装置と、
    前記第1回転要素及び前記第2回転要素とは異なる第3回転要素に連結され当該第3回転要素に作用するトルクを制御するトルク制御装置とを備えることを特徴とする、
    ダイナミックダンパ装置。
  5. 前記速度制御装置による速度制御と前記トルク制御装置によるトルク制御とによって制振制御を行う、
    請求項3又は請求項4に記載のダイナミックダンパ装置。
  6. 前記回転軸のトルク変化が所定未満の場合には前記速度制御装置の速度制御によって制振制御を行い、前記回転軸のトルク変化が所定以上の場合には前記トルク制御装置のトルク制御によって制振制御を行う、
    請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載のダイナミックダンパ装置。
  7. 前記制振制御の際に、前記トルク制御から当該トルク制御と前記速度制御装置の前記速度制御とが重複する期間を経て、前記速度制御に切り替える、
    請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載のダイナミックダンパ装置。
  8. 前記トルク制御装置は、前記第3回転要素に連結されるブレーキ装置又は回転電機を含んで構成される、
    請求項3乃至請求項7のいずれか1項に記載のダイナミックダンパ装置。
  9. 前記速度制御装置は、前記第2回転要素に連結される回転電機を含んで構成される、
    請求項3乃至請求項8のいずれか1項に記載のダイナミックダンパ装置。
  10. 前記遊星歯車機構の前記第1回転要素とは異なる第2回転要素に前記回転制御装置が連結され、前記第1回転要素及び前記第2回転要素とは異なる第3回転要素が反力受けをなす、
    請求項1に記載のダイナミックダンパ装置。
  11. 前記回転軸は、内燃機関からの動力が伝達されて回転する、
    請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のダイナミックダンパ装置。
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