JP2010164125A - 車両用エンジンフライホイール - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数の増加や大型化や複雑な制御を不要としながら、加振入力が中・高周波数振動領域か低周波数領域かで自動的に回転イナーシャ機能を異ならせることで、クランク軸の回転変動抑制や発進加速性の向上や変速時間の短縮等の効用を併せて達成することができる車両用エンジンフライホイールを提供すること。
【解決手段】エンジン1のクランク軸2に設けられ、エンジン1のクランク軸2は、自動変速機5の変速機入力軸3に固定的に連結された車両用エンジンフライホイールにおいて、回転自由度が2自由度で少なくとも3つの回転要素を有するシングルピニオン式プラネタリギヤPG1を有し、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の速度線図で、両端部以外の位置に存在するキャリアCに、クランク軸2を固定的に連結し、かつ、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の3つの回転要素のうち、2つの回転要素(サンギヤSとリングギヤR)間に、所定量以上の相対回転を規制しながら相対回転後に各回転要素を中立位置に戻す捩りばね7を配置した。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン1のクランク軸2に設けられ、エンジン1のクランク軸2は、自動変速機5の変速機入力軸3に固定的に連結された車両用エンジンフライホイールにおいて、回転自由度が2自由度で少なくとも3つの回転要素を有するシングルピニオン式プラネタリギヤPG1を有し、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の速度線図で、両端部以外の位置に存在するキャリアCに、クランク軸2を固定的に連結し、かつ、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の3つの回転要素のうち、2つの回転要素(サンギヤSとリングギヤR)間に、所定量以上の相対回転を規制しながら相対回転後に各回転要素を中立位置に戻す捩りばね7を配置した。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンのクランク軸に設けられる車両用エンジンフライホイールに関する。
従来、主振動系に固定したプラネタリギヤセットのサンギヤと、このサンギヤに対してキャリアによって位置決めされた複数個のピニオンを介して配置したマス部材を兼ねるリングギヤと、サンギヤとリングギヤあるいはサンギヤとキャリアとの間で捩り方向のばね特性を発揮する弾性体とを備えてなるダイナミックダンパが知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来、小さい質量のイナーシャ部材によってクラッチ係合時のエンジンの爆発振動を効果的に吸収することを目的とし、シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアがエンジンの出力軸に連結された連結部材によって回転され、リングギヤが変速機の入力軸に連結されたプレートに設けられ、サンギヤにイナーシャ部材を設けた車両用ダンパ装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
従来、クランク軸周りの慣性質量を適切に変化させることを目的とし、クランク軸と一体的に回転するメインフライホイールと、クランク軸の軸線を中心としてクランク軸に対して相対的に回転自在なサブフライホイールと、クランク軸の回転運動をサブフライホイールに伝達する遊星ギア機構と、遊星ギア機構を介したクランク軸とサブフライホイールとの接続及び接続解除を切り替える制動装置及び切替弁とを備えたフライホイール装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された従来のダイナミックダンパにあっては、主振動系をプラネタリギヤセットのサンギヤに固定していたため、プラネタリギヤセットの速度線図上で端部に配置される回転要素に主振動系が連結されることになる。このため、主振動系から入力される振動を抑制するのに、他の2つの回転要素の回転角度が非常に大きくなり、これらの相対回転を規制する部材(弾性体)等の選択自由度が低い、という問題があった。
また、特許文献2に記載された車両用ダンパ装置にあっては、そもそもフライホイールであるトルクコンバータに、さらにシングルピニオンプラネタリギヤとイナーシャ部材を追加する構成であったため、加速時や減速時等において、回転イナーシャが大きくなり、加速応答性や減速応答性が低下する、という問題があった。
また、トランスミッション入力軸とリングギヤが機械的に連結されていて、クランク軸とトランスミッション入力軸とは弾性体を介して連結されるような構造となっており、特許文献2の図4に記載されているように、トランスミッション入力軸を振動中心として、振動を抑制する構造となっている。このため、トランスミッション入力軸は、振幅ゼロにより十分に回転変動を吸収された状態になっていなければ振動を抑制できず、そのような場合はトランスミッション側に振動が伝達されるので、振動的に成立するような構造とはなっていない。
また、トランスミッション入力軸とリングギヤが機械的に連結されていて、クランク軸とトランスミッション入力軸とは弾性体を介して連結されるような構造となっており、特許文献2の図4に記載されているように、トランスミッション入力軸を振動中心として、振動を抑制する構造となっている。このため、トランスミッション入力軸は、振幅ゼロにより十分に回転変動を吸収された状態になっていなければ振動を抑制できず、そのような場合はトランスミッション側に振動が伝達されるので、振動的に成立するような構造とはなっていない。
更に、特許文献3に記載されたフライホイール装置にあっては、遊星ギア機構を介したクランク軸とサブフライホイールとの接続及び接続解除を切り替える制動装置及び切替弁を必要とするものであったため、部品点数の増加や大型化や複雑な制御が必要である、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、部品点数の増加や大型化や複雑な制御を不要としながら、加振入力が中・高周波数振動領域か低周波数領域かで自動的に回転イナーシャ機能を異ならせることで、クランク軸の回転変動抑制や発進加速性の向上や変速時間の短縮等の効用を併せて達成することができる車両用エンジンフライホイールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、エンジンのクランク軸に設けられ、前記エンジンのクランク軸は、変速機の入力要素軸に固定的に連結された車両用エンジンフライホイールにおいて、
回転自由度が2自由度で少なくとも3つの回転要素を有する噛み合い機構を有し、
前記噛み合い機構の速度線図で、両端部以外の位置に存在する回転要素に、前記クランク軸を固定的に連結し、かつ、前記噛み合い機構の少なくとも3つの回転要素のうち、2つの回転要素間に弾性部材を配置したことを特徴とする。
なお、弾性部材とは、所定量以上の相対回転を規制しながら相対回転後に各回転要素を中立位置に戻す部材をいう。
回転自由度が2自由度で少なくとも3つの回転要素を有する噛み合い機構を有し、
前記噛み合い機構の速度線図で、両端部以外の位置に存在する回転要素に、前記クランク軸を固定的に連結し、かつ、前記噛み合い機構の少なくとも3つの回転要素のうち、2つの回転要素間に弾性部材を配置したことを特徴とする。
なお、弾性部材とは、所定量以上の相対回転を規制しながら相対回転後に各回転要素を中立位置に戻す部材をいう。
よって、本発明の車両用エンジンフライホイールにあっては、噛み合い機構の速度線図で、両端部以外の位置(中央領域の位置)に存在する回転要素に、エンジンのクランク軸が固定的に連結される。したがって、クランク軸から回転微小変動による振動入力がある中・高周波数振動領域では、振動中立点を中心として振動し、クランク軸と連結している回転要素の振幅に比べ、速度線図で両端部の位置に存在する回転要素のイナーシャが大きな振幅で加振される。このイナーシャ増幅効果により、クランク軸と連結している回転要素を制振する、つまり、クランク軸の回転変動を抑制する。
また、回転自由度が2自由度の噛み合い機構の少なくとも3つの回転要素のうち、2つの回転要素間に弾性部材を配置している。したがって、加速や減速や変速等のように、エンジン回転数が大きく変化する低周波数領域では、噛み合い機構を構成する回転要素の全イナーシャが一体化する。この場合、上記イナーシャ増幅効果により、噛み合い機構を構成する各回転要素の回転イナーシャの合計を小さく設定することができ、例えば、現行の回転イナーシャの30%程度に抑えても、中・高周波数振動領域で現行レベルの回転イナーシャを得ることができる。このように、各回転要素の回転イナーシャの合計が小さく設定されるため、加速時にはエンジン吹け上がりにより発進加速性が向上するし、変速時には変速レスポンスの改善により変速時間を大幅に短縮化できる。
この結果、部品点数の増加や大型化や複雑な制御を不要としながら、加振入力が中・高周波数振動領域か低周波数領域かで自動的に回転イナーシャ機能を異ならせることで、クランク軸の回転変動抑制や発進加速性の向上や変速時間の短縮等の効用を併せて達成することができる。
また、回転自由度が2自由度の噛み合い機構の少なくとも3つの回転要素のうち、2つの回転要素間に弾性部材を配置している。したがって、加速や減速や変速等のように、エンジン回転数が大きく変化する低周波数領域では、噛み合い機構を構成する回転要素の全イナーシャが一体化する。この場合、上記イナーシャ増幅効果により、噛み合い機構を構成する各回転要素の回転イナーシャの合計を小さく設定することができ、例えば、現行の回転イナーシャの30%程度に抑えても、中・高周波数振動領域で現行レベルの回転イナーシャを得ることができる。このように、各回転要素の回転イナーシャの合計が小さく設定されるため、加速時にはエンジン吹け上がりにより発進加速性が向上するし、変速時には変速レスポンスの改善により変速時間を大幅に短縮化できる。
この結果、部品点数の増加や大型化や複雑な制御を不要としながら、加振入力が中・高周波数振動領域か低周波数領域かで自動的に回転イナーシャ機能を異ならせることで、クランク軸の回転変動抑制や発進加速性の向上や変速時間の短縮等の効用を併せて達成することができる。
以下、本発明の車両用エンジンフライホイールを実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車両用エンジンフライホイールが適用されたエンジン駆動系構成を示す概略図である。図2は、実施例1の車両用エンジンフライホイールでの中・高周波数振動領域におけるイナーシャ増幅効果を示す速度線図である。以下、図1及び図2に基づき実施例1の車両用エンジンフライホイールの構成を説明する。
図1は、実施例1の車両用エンジンフライホイールが適用されたエンジン駆動系構成を示す概略図である。図2は、実施例1の車両用エンジンフライホイールでの中・高周波数振動領域におけるイナーシャ増幅効果を示す速度線図である。以下、図1及び図2に基づき実施例1の車両用エンジンフライホイールの構成を説明する。
実施例1の車両用エンジンフライホイールが適用されたエンジン駆動系は、図1に示すように、エンジン1と、クランク軸2と、エンジンフライホイールFW1と、変速機入力軸3(入力要素軸)と、発進クラッチ4と、自動変速機5(変速機)と、変速機出力軸6と、を備えている。
前記エンジンフライホイールFW1は、図1に示すように、エンジン1のクランク軸2に設けられている。このエンジン1のクランク軸2は、変速機5の変速機入力軸3に対し、スプライン結合等により固定的に連結されている。
前記エンジンフライホイールFW1は、図1に示すように、回転自由度が2自由度であり、3つの回転要素として、サンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRを有するシングルピニオン式プラネタリギヤPG1(噛み合い機構)により構成されている。なお、2自由度とは、2つの回転要素の動作関係が決まれば自動的に残りの1つの回転要素の動作が決まることをいう。
前記シングルピニオン式プラネタリギヤPG1は、図2に示す速度線図で、両端部以外の位置に存在する回転要素であるピニオンキャリアCに、クランク軸2を固定的に連結している。なお、両端部の位置に存在する回転要素であるサンギヤSとリングギヤRは、いずれの部材に対しても連結されていなく、フリーの状態としている。
そして、前記シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の3つの回転要素のうち、サンギヤSとリングギヤRとの間に、所定量以上の相対回転を規制しながら相対回転後に各回転要素であるサンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRを中立位置に戻す捩りばね7(弾性部材)を配置している。
実施例1では、エンジンフライホイールFW1を、サンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRに3分割し、これらの回転イナーシャIS,IC,IRの合計は、現行の車両に搭載されているエンジンフライホイールの回転イナーシャの約30%に設定している。なお、各回転イナーシャIS,IC,IRを分かりやすく示すため、図1ではサンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRに質量体を付加してあらわしている。しかし、各回転イナーシャIS,IC,IRの設定は、サンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRの厚みの設定や断面形状の設定により行っても良い。勿論、サンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRの厚みを薄く設定し、質量体の付加により各回転イナーシャIS,IC,IRを設定するようにしても良い。
次に、作用を説明する。
まず、「車両用エンジンフライホイールの機能と課題」、「エンジンフライホイールのイナーシャが車両加速度に及ぼす影響」の説明を行い、続いて、実施例1の車両用エンジンフライホイールにおける作用を、「車両用エンジンフライホイールが狙うコンセプト」、「中・高周波数振動領域でのイナーシャ作用」、「低周波数振動領域でのイナーシャ作用」、「振動解析」、「解析結果」、「具体例で取得される効用」に分けて説明する。
まず、「車両用エンジンフライホイールの機能と課題」、「エンジンフライホイールのイナーシャが車両加速度に及ぼす影響」の説明を行い、続いて、実施例1の車両用エンジンフライホイールにおける作用を、「車両用エンジンフライホイールが狙うコンセプト」、「中・高周波数振動領域でのイナーシャ作用」、「低周波数振動領域でのイナーシャ作用」、「振動解析」、「解析結果」、「具体例で取得される効用」に分けて説明する。
[車両用エンジンフライホイールの機能と課題]
車両用エンジンフライホイールの機能と課題は、以下の通りである。
(1) エンジンのトルク変動(低速域では爆発トルクに起因、高速域ではピストンの往復運動に起因)によって発生するクランクシャフトの回転速度変動を、一定値以内に制限することにより、補機駆動ベルト等で発生する応力を規定値以内とし、ベルトの耐久性を確保する。
(2) エンジンの始動性を確保することにあり、特に、ピストンが上死点を通過できるかどうかが課題である。なお、これは、高周波数振動領域となる。
(3) レシプロエンジン用のフライホイールのイナーシャは大きく、加速時には、車両から見て減速比の2乗に比例したフライホイールイナーシャを車体重量に加算して加速することになり、加速が鈍化する。従って、特に低速段では、エンジンの吹け上がりが悪化する。
(4) また、ディーゼルエンジンでは、圧縮比が大きい分、ガソリンエンジンに比べて更に大きな回転イナーシャが必要で、変速レスポンス、クラッチ・ブレーキ発熱量の両面で不利である。
(5) トルクコンバータ付き自動変速機では、発進時にエンジン回転速度が上昇してはじめて、トルコン出力軸トルクが増大する。従って、フライホイールのイナーシャが小さくできれば、エンジンの吹け上がり速度が短縮し、加速は画期的に改善する。
(6) ステップ自動変速機では、変速時にエンジン回転速度を短時間で同期させる必要がある。従って、フライホイールイナーシャが大きいと、変速レスポンスが悪化するとともに、クラッチ・ブレーキの発熱エネルギが増大し、燃費にも影響するので極力イナーシャを小さくしたい。
(7) トルクコンバータ付き車両では、発進時、エンジン回転数をいかに素早く上昇させるかが鍵であり、エンジンの低速トルクの増大と、エンジンのフライホイールイナーシャの低下の効果は大きい。
車両用エンジンフライホイールの機能と課題は、以下の通りである。
(1) エンジンのトルク変動(低速域では爆発トルクに起因、高速域ではピストンの往復運動に起因)によって発生するクランクシャフトの回転速度変動を、一定値以内に制限することにより、補機駆動ベルト等で発生する応力を規定値以内とし、ベルトの耐久性を確保する。
(2) エンジンの始動性を確保することにあり、特に、ピストンが上死点を通過できるかどうかが課題である。なお、これは、高周波数振動領域となる。
(3) レシプロエンジン用のフライホイールのイナーシャは大きく、加速時には、車両から見て減速比の2乗に比例したフライホイールイナーシャを車体重量に加算して加速することになり、加速が鈍化する。従って、特に低速段では、エンジンの吹け上がりが悪化する。
(4) また、ディーゼルエンジンでは、圧縮比が大きい分、ガソリンエンジンに比べて更に大きな回転イナーシャが必要で、変速レスポンス、クラッチ・ブレーキ発熱量の両面で不利である。
(5) トルクコンバータ付き自動変速機では、発進時にエンジン回転速度が上昇してはじめて、トルコン出力軸トルクが増大する。従って、フライホイールのイナーシャが小さくできれば、エンジンの吹け上がり速度が短縮し、加速は画期的に改善する。
(6) ステップ自動変速機では、変速時にエンジン回転速度を短時間で同期させる必要がある。従って、フライホイールイナーシャが大きいと、変速レスポンスが悪化するとともに、クラッチ・ブレーキの発熱エネルギが増大し、燃費にも影響するので極力イナーシャを小さくしたい。
(7) トルクコンバータ付き車両では、発進時、エンジン回転数をいかに素早く上昇させるかが鍵であり、エンジンの低速トルクの増大と、エンジンのフライホイールイナーシャの低下の効果は大きい。
[エンジンフライホイールのイナーシャが車両加速度に及ぼす影響]
一般的に、変速機の減速比を大きくすれば、タイヤ駆動軸トルクは大きくなり、加速・登坂能力が向上すると言われている。しかし、フライホイールの回転イナーシャは、車体側から見ると、総減速比jとタイヤ半径Rとの比の2乗(j/R)2に比例して大きくなる。減速比が大きい場合、それ以上減速比を大きくすると登坂能力は向上するが、加速度は向上しなくなる。
例えば、車両質量W(1,500kg)、タイヤ半径R(0.3m)、フライホイールの回転イナーシャI(0.1kg・m2)を固定し、総減速比jを変えたとき、平坦路における加速度がどのように変化するかについて、運動方程式を無次元化して求める。
その結果、総減速比を大きくするにつれて、加速度は大きくなるが、あるところで飽和し、それ以上では加速度がむしろ減少することを示す。
一般的に、変速機の減速比を大きくすれば、タイヤ駆動軸トルクは大きくなり、加速・登坂能力が向上すると言われている。しかし、フライホイールの回転イナーシャは、車体側から見ると、総減速比jとタイヤ半径Rとの比の2乗(j/R)2に比例して大きくなる。減速比が大きい場合、それ以上減速比を大きくすると登坂能力は向上するが、加速度は向上しなくなる。
例えば、車両質量W(1,500kg)、タイヤ半径R(0.3m)、フライホイールの回転イナーシャI(0.1kg・m2)を固定し、総減速比jを変えたとき、平坦路における加速度がどのように変化するかについて、運動方程式を無次元化して求める。
その結果、総減速比を大きくするにつれて、加速度は大きくなるが、あるところで飽和し、それ以上では加速度がむしろ減少することを示す。
エンジントルクが200Nmのとき、加速度が最大値となる(減速比j/タイヤ半径R)と、その加速度を求める。
以下の車両諸元を仮定し、回転イナーシャの加速度への影響を検討する。
dωe/dt(式ではωeの上に・を付して表す):エンジン回転角速度(1/s2)
W:車両質量(1,500kg)
R:タイヤ半径(0.3m)
j:1速総減速比(15、無次元量)
T:エンジントルク(300kg・m2/s2)
I:エンジンのフライホイールイナーシャ(ベース:0.1kg・m2)
α:加速度(m/s2)
車両の走行抵抗を無視すると、運動方程式は、
以下の車両諸元を仮定し、回転イナーシャの加速度への影響を検討する。
dωe/dt(式ではωeの上に・を付して表す):エンジン回転角速度(1/s2)
W:車両質量(1,500kg)
R:タイヤ半径(0.3m)
j:1速総減速比(15、無次元量)
T:エンジントルク(300kg・m2/s2)
I:エンジンのフライホイールイナーシャ(ベース:0.1kg・m2)
α:加速度(m/s2)
車両の走行抵抗を無視すると、運動方程式は、
となる。上記(4)式について、バッキンガムのπ定理により、
(a) 次元を有する物理量の数:n=5、W、R,T,I,α
(b) 物理量間に一つの式…(4)式
(c) 独立した次元の個数:m=3、質量(kg)、タイヤ半径(m)、加速度(m/s2)
(d) 関係式は、n-m=2個の無次元数β、γで表せる…(23)式
(e) 独立した無次元数の個数:n-m=1
を適用する。
(a) 次元を有する物理量の数:n=5、W、R,T,I,α
(b) 物理量間に一つの式…(4)式
(c) 独立した次元の個数:m=3、質量(kg)、タイヤ半径(m)、加速度(m/s2)
(d) 関係式は、n-m=2個の無次元数β、γで表せる…(23)式
(e) 独立した無次元数の個数:n-m=1
を適用する。
となる。
つまり、1速総減速比15、エンジンフライホイールイナーシャ0.1kg・m2の場合、β=0.00074、γ=12.8となる。フライホイールイナーシャΔ70%の0.03kg・m2に減らすと、β=0.000222となり、(10)式は14.3となる。
従って、イナーシャをΔ70%減らすと、11.7%加速度が向上し、エンジン排気量を11.7%増大したのと同じ効果を有する。
従って、イナーシャをΔ70%減らすと、11.7%加速度が向上し、エンジン排気量を11.7%増大したのと同じ効果を有する。
同様に、2速の総減速比を8とし、エンジンイナーシャは、0.1kg・m2とすると、γ=7.64となり、エンジンイナーシャを0.03kg・m2に減らせば、(13)式のように7.85となり、エンジンイナーシャ0.1kg・m2に対しては、3.3%加速度が改善する。
以上のように、総減速比が大きいほど、エンジンのフライホイールが加速度に及ぼす影響は大きく、フライホイールイナーシャΔ70%で、加速度の改善率が1速では11.7%、2速では3.3%となる。
また、(8)式は、フライホイールイナーシャが一定(β=0.00074を仮定)の場合、加速度を代表する無次元量γは、総減速比jの関数であることを示している。よって、β=0.00074の場合、無次元量γは、
また、(8)式は、フライホイールイナーシャが一定(β=0.00074を仮定)の場合、加速度を代表する無次元量γは、総減速比jの関数であることを示している。よって、β=0.00074の場合、無次元量γは、
となる。
そして、図3は、総減速比が36.8で無次元量γが最大値18.4になることを示しており、減速比の増大に伴って駆動力は比例的に増大するものの、加速度は最大値が存在することが理解できる。また、この加速度の最大値を与える総減速比は、(8)式の総減速比jの微分値が0となるjを求めることにより、
となる。
すなわち、βが大きい(車両重量の割にエンジンイナーシャ大)と、総減速比を大きくしても加速度の向上は殆ど見込めないことになる。
つなり、気筒数の小さな軽自動車やディーゼルエンジン車等では、フライホイールイナーシャを相対的に大きくする必要があるので、総減速比を大きくした場合、登坂能力は増大しても加速は改善されない。
従って、そのような車両でも、エンジンイナーシャを小さく設定できれば、加速性を向上させることができる。
つなり、気筒数の小さな軽自動車やディーゼルエンジン車等では、フライホイールイナーシャを相対的に大きくする必要があるので、総減速比を大きくした場合、登坂能力は増大しても加速は改善されない。
従って、そのような車両でも、エンジンイナーシャを小さく設定できれば、加速性を向上させることができる。
[車両用エンジンフライホイールが狙うコンセプト]
エンジンクランクシャフトの微小な回転速度変動は、エンジンのトルク変動をフライホイールの回転イナーシャで除した値となる。従って、回転速度変動を抑制するには、十分に大きなイナーシャ(現行値並みを確保)を持たせる。
一方、車両の加速・減速や変速時等、エンジン回転自体が大きく変化する場合には、フライホイールイナーシャを現行の半分以下に低減する。
エンジンクランクシャフトの微小な回転速度変動は、エンジンのトルク変動をフライホイールの回転イナーシャで除した値となる。従って、回転速度変動を抑制するには、十分に大きなイナーシャ(現行値並みを確保)を持たせる。
一方、車両の加速・減速や変速時等、エンジン回転自体が大きく変化する場合には、フライホイールイナーシャを現行の半分以下に低減する。
上記の相反する機能を両立させるため、回転自由度2,回転要素数3以上を有する遊星歯車のようなメカニズムを採用する。この構造・システムにより、回転変動成分を制振する領域では大きなイナーシャ効果、加速・減速の領域では小さなイナーシャ効果を持たせる。
これにより、加速時の吹け上がりや変速レスポンスが大幅に改善し、車両のダイナミック特性が大幅に改善するとともに、フライホイールの軽量・低コスト化、クラッチ・ブレーキの発熱量の半減、燃費改善等に効果の高い自動可変イナーシャ式の車両用エンジンフライホイールを提案する。なお、同時に、フライホイールの軽量化、トランスミッションの軽量化にも寄与することは明白である。
[中・高周波数振動領域でのイナーシャ作用]
実施例1の車両用エンジンフライホイールでは、図1及び図2に示すように、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の速度線図で、両端部以外の位置(中央領域の位置)に存在するピニオンキャリアCに、エンジン1のクランク軸2が固定的に連結される。
実施例1の車両用エンジンフライホイールでは、図1及び図2に示すように、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の速度線図で、両端部以外の位置(中央領域の位置)に存在するピニオンキャリアCに、エンジン1のクランク軸2が固定的に連結される。
したがって、エンジン1のクランク軸2から回転微小変動による振動入力がある中・高周波数振動領域では、図2に示す振動中立点(重心)を中心として、サンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRが振動する。この振動モードは、クランク軸2と連結しているピニオンキャリアCの振幅が、振動中立点に最も近いことから最も小さく、ピニオンキャリアCの振幅に比べ、速度線図で両端部の位置に存在するサンギヤSとリングギヤRのイナーシャIS,IRが遙かに大きな振幅で加振される(イナーシャ増幅効果)。
このイナーシャ増幅効果により、クランク軸2と連結しているピニオンキャリアCが大きく制振される。つまり、サンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRの回転イナーシャIS,IC,IRの合計を、現行の車両に搭載されているエンジンフライホイールの回転イナーシャの約30%に設定しているにもかかわらず、大きなイナーシャ効果が発揮され、クランク軸2の回転変動、並びに、補機駆動ベルトの回転変動を現行のエンジンフライホイール並に抑えることができる。
[低周波数振動領域でのイナーシャ作用]
実施例1の車両用エンジンフライホイールでは、上記イナーシャ増幅効果により、サンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRの回転イナーシャIS,IC,IRの合計を、現行の車両に搭載されているエンジンフライホイールの回転イナーシャの約30%に設定すると共に、図1に示すように、サンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRによる3つの回転要素のうち、サンギヤSとリングギヤR2の間に捩りばね7を配置している。
実施例1の車両用エンジンフライホイールでは、上記イナーシャ増幅効果により、サンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRの回転イナーシャIS,IC,IRの合計を、現行の車両に搭載されているエンジンフライホイールの回転イナーシャの約30%に設定すると共に、図1に示すように、サンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRによる3つの回転要素のうち、サンギヤSとリングギヤR2の間に捩りばね7を配置している。
したがって、加速や減速や変速等のように、エンジン回転数が大きく変化する低周波数領域では、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1を構成するサンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRの全イナーシャIS,IC,IRが一体化する。つまり、エンジン回転数が大きく変化する低周波数領域での回転イナーシャは、サンギヤSの回転イナーシャISとピニオンキャリアCの回転イナーシャICとリングギヤRの回転イナーシャIRの合計となる。
このように、低周波数領域では、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1を構成するサンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRの合計回転イナーシャ(=IS+IC+IRであり、現行の約30%)により、イナーシャが小さくなるため、加速時にはエンジンの吹け上がりが良くなり発進加速性が向上し、変速時には変速レスポンスの改善により変速時間が大幅に短縮する。この結果、車両のダイナミック特性が大幅に改善されることになる。
そして、サンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRの回転イナーシャIS,IC,IRの合計を、現行の車両に搭載されているエンジンフライホイールの回転イナーシャの約30%に設定している。このため、現行車両に比べエンジンフライホイールの軽量・低コスト化を図ることができる。また、変速機5として自動変速機を用いた場合には、自動変速機の摩擦締結要素であるクラッチ・ブレーキの発熱量を半減できる。さらに、加減速応答が高く、熱損失も低く抑えられることで、燃費改善にも効果が高い。加えて、エンジンフライホイールの軽量化や、変速機の軽量化にも寄与することができる。
さらに、実施例1の車両用エンジンフライホイールは、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1と捩りばね7のみにて構成しながら、回転微小変動による中・高周波数振動領域とエンジン回転数変化による低周波数領域とで自動的に回転イナーシャ機能を異ならせることができる。このため、部品点数の増加や大型化や複雑な制御を不要とすることができる。
[振動解析]
上記のように、実施例1の車両用エンジンフライホイールは、中・高周波数振動領域(クランク軸トルク変動等)では大きな回転イナーシャとして機能し、低周波数振動領域(車両の加速・減速・変速等)では小さな回転イナーシャとして機能する。
上記のように、実施例1の車両用エンジンフライホイールは、中・高周波数振動領域(クランク軸トルク変動等)では大きな回転イナーシャとして機能し、低周波数振動領域(車両の加速・減速・変速等)では小さな回転イナーシャとして機能する。
そこで、実施例1の車両用エンジンフライホイールにて採用した遊星歯車の各回転要素の回転イナーシャ(慣性)と角度変位(角速度、角加速度)との関係は、レバー(てこ)の質量と変位(速度、加速度)との関係に置き換えられることを利用して以下、振動解析を行う。
により求まる。
となる。
(c) イナーシャ総和を減じる(クランク軸の振動振幅は現行並とする)
クランク軸トルクの変動振幅をλ、角変位振幅をθCとし、これを現行のエンジンフライホイール並とすることを考える。
・実施例1のエンジンフライホイールの場合
クランク軸トルクの変動振幅をλ、角変位振幅をθCとし、これを現行のエンジンフライホイール並とすることを考える。
・実施例1のエンジンフライホイールの場合
となる。
(d) 加減速運動時(振動成分は無視できる)のイナーシャ
加減速運動状態では、遊星歯車が一体で回転するので、各回転要素のイナーシャの総和がフライホイールイナーシャとなる。この値を現行品のα倍とするには、
加減速運動状態では、遊星歯車が一体で回転するので、各回転要素のイナーシャの総和がフライホイールイナーシャとなる。この値を現行品のα倍とするには、
となる。ここで、既知数と未知数を以下のように定め、3個の未知数の連立1次方程式として解く。
既知数:α、aC、aS、aR、ρ、Ie
未知数:IS、IC、IR
その際、現行品のフライホイールイナーシャIe=1(基準値)とし、
既知数:α、aC、aS、aR、ρ、Ie
未知数:IS、IC、IR
その際、現行品のフライホイールイナーシャIe=1(基準値)とし、
となる。
(e) 限界イナーシャの解析
各イナーシャは、(25)式、(26)式、(27)式で与えられ、以下の通りである。それらは、以下の3個の変数の関数となる。
ρ:上記例では、遊星歯車のリングギヤに対するサンギヤの端数比である。一般化すると、クランク軸と第一イナーシャとの速度線図上の距離を1としたときの、クランク軸と第二イナーシャとの距離である。なお、第一イナーシャと反対側のときを正とする。
α:現行イナーシャに対する3分割イナーシャの総和の比である。
aC:クランク軸と振動中心(重心)との速度線図上の距離である。第一イナーシャと同じ側のときを正とする。
ここで、αを0.1〜0.4のある値(例えば、α=0.3)に固定し、単純遊星歯車を想定し、キャリアをクランク軸に連結し、ρは0.25〜0.7の範囲、aCは無制限としたとき、全てのイナーシャが正の値を与えるρとaCのとの組み合わせを求めると、
各イナーシャは、(25)式、(26)式、(27)式で与えられ、以下の通りである。それらは、以下の3個の変数の関数となる。
ρ:上記例では、遊星歯車のリングギヤに対するサンギヤの端数比である。一般化すると、クランク軸と第一イナーシャとの速度線図上の距離を1としたときの、クランク軸と第二イナーシャとの距離である。なお、第一イナーシャと反対側のときを正とする。
α:現行イナーシャに対する3分割イナーシャの総和の比である。
aC:クランク軸と振動中心(重心)との速度線図上の距離である。第一イナーシャと同じ側のときを正とする。
ここで、αを0.1〜0.4のある値(例えば、α=0.3)に固定し、単純遊星歯車を想定し、キャリアをクランク軸に連結し、ρは0.25〜0.7の範囲、aCは無制限としたとき、全てのイナーシャが正の値を与えるρとaCのとの組み合わせを求めると、
となり、計算式が正しいことが証明された。
[解析結果]
(a) 加振軸(クランク軸)が速度線図の両端にはない場合
(a-1) 加振軸に連結する軸のイナーシャ(キャリア)>0
(28)式より、ρ>0であれば、−aC 2+α(ρ+aC)(1−aC)>0となる。
従って、aC<1であれば、
(a) 加振軸(クランク軸)が速度線図の両端にはない場合
(a-1) 加振軸に連結する軸のイナーシャ(キャリア)>0
(28)式より、ρ>0であれば、−aC 2+α(ρ+aC)(1−aC)>0となる。
従って、aC<1であれば、
この成立範囲を図5に示す。この図5において、「α0.3のときの成立範囲」と記載されている塗りつぶし領域が成立領域である。
以上の解析結果から、現行のフライホイール回転イナーシャに対する、実施例1における回転イナーシャの比率αを、0.3以下に減少させることも可能であることが判る。
実際に、α=0.3、ρ=0.35、aC=0.35とすると、3個の回転イナーシャの値は、
実際に、α=0.3、ρ=0.35、aC=0.35とすると、3個の回転イナーシャの値は、
となる。
(b) 加振軸(クランク軸)が速度線図の端部に連結されている場合(比較例)
加振軸が速度線図の端部に連結されている場合には、図6に示すような速度線図になり、ρ>0、aC>0となる。
(b-1) 加振軸に連結する軸のイナーシャ>0
(28)式より、ρ>0であれば、−aC 2+α(ρ+aC)(1−aC)<0となる。
従って、aC<1であれば、
加振軸が速度線図の端部に連結されている場合には、図6に示すような速度線図になり、ρ>0、aC>0となる。
(b-1) 加振軸に連結する軸のイナーシャ>0
(28)式より、ρ>0であれば、−aC 2+α(ρ+aC)(1−aC)<0となる。
従って、aC<1であれば、
この成立範囲を、図7の「α0.3のときの成立範囲(ρ<0)」で示す範囲であらわす。
従来技術のダイナミックダンパの概念は、ρ<0の領域であり、実際に、α=0.3、ρ=-0.5、aC=0.14とすると、3個の回転イナーシャの値は、以下となる。なお。クランク軸に連結する軸が速度線図上の端部にあれば、第一イナーシャと第二イナーシャとは、その軸に対して同じ側となり、ρは負となる。
従って、加振軸(クランク軸)が速度線図の端部に連結されている場合には、クランク軸の振動振幅に対する第二イナーシャの振動振幅の比が6.14となり、(a)にて説明した加振軸(クランク軸)が速度線図の両端にない場合の1.86に比べ、大きく振動するので、このシステムは好ましくないといえる。
[具体例で取得される効用]
実施例1の車両用エンジンフライホイールを、図8に示すように、下記の遊星歯車諸元にて実現した。
ρ:歯数比(サンギヤ/リングギヤ) …0.35
aC:振動中立点位置 …0.35
回転イナーシャ:現行品を1としたときの値を示す。
IC:キャリアのイナーシャ …0.04
IR:リングギヤのイナーシャ …0.115
IS:サンギヤのイナーシャ …0.145
合計…0.30(Δ70%)
イナーシャの増幅効果:振動中立点からの距離の2乗に比例するキャリアに対する効果であり、
リングギヤ:IR(0.115)の4倍(=0.460)
サンギヤ:IS(0.145)の3.45倍(=0.50025)
が得られた。すなわち、イナーシャ増幅効果による合計イナーシャ(IC+IR+IS)は、(IC+IR+IS)=1.000215となった。
したがって、クランク軸の回転変動に対し、現行品並の回転変動抑制効果を得ることができた。
実施例1の車両用エンジンフライホイールを、図8に示すように、下記の遊星歯車諸元にて実現した。
ρ:歯数比(サンギヤ/リングギヤ) …0.35
aC:振動中立点位置 …0.35
回転イナーシャ:現行品を1としたときの値を示す。
IC:キャリアのイナーシャ …0.04
IR:リングギヤのイナーシャ …0.115
IS:サンギヤのイナーシャ …0.145
合計…0.30(Δ70%)
イナーシャの増幅効果:振動中立点からの距離の2乗に比例するキャリアに対する効果であり、
リングギヤ:IR(0.115)の4倍(=0.460)
サンギヤ:IS(0.145)の3.45倍(=0.50025)
が得られた。すなわち、イナーシャ増幅効果による合計イナーシャ(IC+IR+IS)は、(IC+IR+IS)=1.000215となった。
したがって、クランク軸の回転変動に対し、現行品並の回転変動抑制効果を得ることができた。
シングルピニオン式プラネタリギヤPG1が一体化したときの合計イナーシャ(IC+IR+IS)は、上記のように0.30であり、現行品に対して70%のイナーシャ低減となった。
したがって、クランク軸の回転変動を現行品並に維持しながら、下記に列挙するように、
・変速時間を大幅短縮(全変速でΔ70%)
・発進加速を飛躍的に向上(最大G:0.79G→0.82G)
・最大G発生までのレスポンス大幅向上(0.37→0.32秒)
・燃費を低減(フライホイールイナーシャ損失分:Δ70%)
・摩擦要素の耐久性向上(発熱量:Δ70%)
・重量(数kg以上)、コスト(数千円以上)、大きさ、音振を大幅改良(エンジン排気量10%ダウン可能による効果大)
という効用を取得することができた。
したがって、クランク軸の回転変動を現行品並に維持しながら、下記に列挙するように、
・変速時間を大幅短縮(全変速でΔ70%)
・発進加速を飛躍的に向上(最大G:0.79G→0.82G)
・最大G発生までのレスポンス大幅向上(0.37→0.32秒)
・燃費を低減(フライホイールイナーシャ損失分:Δ70%)
・摩擦要素の耐久性向上(発熱量:Δ70%)
・重量(数kg以上)、コスト(数千円以上)、大きさ、音振を大幅改良(エンジン排気量10%ダウン可能による効果大)
という効用を取得することができた。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用エンジンフライホイールにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
実施例1の車両用エンジンフライホイールにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジン1のクランク軸2に設けられ、前記エンジン1のクランク軸2は、変速機(自動変速機5)の入力要素軸(変速機入力軸3)に固定的に連結された車両用エンジンフライホイールにおいて、回転自由度が2自由度で少なくとも3つの回転要素を有する噛み合い機構(シングルピニオン式プラネタリギヤPG1)を有し、前記噛み合い機構の速度線図で、両端部以外の位置に存在する回転要素(キャリアC)に、前記クランク軸2を固定的に連結し、かつ、前記噛み合い機構の少なくとも3つの回転要素のうち、2つの回転要素(サンギヤSとリングギヤR)間に、所定量以上の相対回転を規制しながら相対回転後に各回転要素を中立位置に戻す弾性部材(捩りばね7)を配置した。このため、部品点数の増加や大型化や複雑な制御を不要としながら、加振入力が中・高周波数振動領域か低周波数領域かで自動的に回転イナーシャ機能を異ならせることで、クランク軸2の回転変動抑制や発進加速性の向上や変速時間の短縮等の効用を併せて達成することができる。
(2) 前記噛み合い機構は、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1であり、前記シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の速度線図で、両端部以外の位置に存在するキャリアCに、前記クランク軸2を固定連結した。このため、噛み合い機構として、2自由度3要素を持つシングルピニオン式プラネタリギヤPG1を用いながら、加振入力が中・高周波数振動領域か低周波数領域かで自動的に回転イナーシャ機能を異ならせることで、コスト的・スペース的に有利であると共に、高い耐久信頼性を確保することができる。
実施例2は、所定量以上の相対回転を規制しながら相対回転後に各回転要素を中立位置に戻す弾性部材の配置を実施例1と異ならせた例である。
まず、構成を説明する。
図9は、実施例2(第1例)の車両用エンジンフライホイールが適用されたエンジン駆動系構成を示す概略図である。
この実施例2の第1例では、エンジンフライホイールFW2-1を、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の3つの回転要素のうち、キャリアCとサンギヤSとの間に、所定量以上の相対回転を規制しながら相対回転後に各回転要素であるサンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRを中立位置に戻すトーションダンパ7’(弾性部材)を配置することで構成している。
図10は、実施例2(第2例)の車両用エンジンフライホイールが適用されたエンジン駆動系構成を示す概略図である。
この実施例2の第2例では、エンジンフライホイールFW2-2を、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の3つの回転要素のうち、キャリアCとリングギヤRとの間に、所定量以上の相対回転を規制しながら相対回転後に各回転要素であるサンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRを中立位置に戻すトーションダンパ7’(弾性部材)を配置することで構成している。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
図9は、実施例2(第1例)の車両用エンジンフライホイールが適用されたエンジン駆動系構成を示す概略図である。
この実施例2の第1例では、エンジンフライホイールFW2-1を、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の3つの回転要素のうち、キャリアCとサンギヤSとの間に、所定量以上の相対回転を規制しながら相対回転後に各回転要素であるサンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRを中立位置に戻すトーションダンパ7’(弾性部材)を配置することで構成している。
図10は、実施例2(第2例)の車両用エンジンフライホイールが適用されたエンジン駆動系構成を示す概略図である。
この実施例2の第2例では、エンジンフライホイールFW2-2を、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の3つの回転要素のうち、キャリアCとリングギヤRとの間に、所定量以上の相対回転を規制しながら相対回転後に各回転要素であるサンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRを中立位置に戻すトーションダンパ7’(弾性部材)を配置することで構成している。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例2の車両用エンジンフライホイールでは、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の3つの回転要素のうち、キャリアCとサンギヤSの間(第1例)、あるいは、キャリアCとリングギヤRとの間(第2例)にトーションダンパ7’を配置している。
したがって、実施例1のように、サンギヤSとリングギヤRとの間に弾性体を配置する場合に比べ、キャリアCとサンギヤSの間、あるいは、キャリアCとリングギヤRの間に弾性体を配置する場合には、径方向距離間隔が短くなる(図2参照)。このため、弾性体であるトーションダンパ7’を配置する際、回転要素から延ばすプレート部材が、径方向に短いものとなり、製造容易性やコンパクト性を得ることができる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
実施例2の車両用エンジンフライホイールでは、シングルピニオン式プラネタリギヤPG1の3つの回転要素のうち、キャリアCとサンギヤSの間(第1例)、あるいは、キャリアCとリングギヤRとの間(第2例)にトーションダンパ7’を配置している。
したがって、実施例1のように、サンギヤSとリングギヤRとの間に弾性体を配置する場合に比べ、キャリアCとサンギヤSの間、あるいは、キャリアCとリングギヤRの間に弾性体を配置する場合には、径方向距離間隔が短くなる(図2参照)。このため、弾性体であるトーションダンパ7’を配置する際、回転要素から延ばすプレート部材が、径方向に短いものとなり、製造容易性やコンパクト性を得ることができる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用エンジンフライホイールにあっては、実施例1の(1),(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
実施例2の車両用エンジンフライホイールにあっては、実施例1の(1),(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(3) 前記シングルピニオン式プラネタリギヤPG1は、3つの回転要素のうち、キャリアCとサンギヤSの間、あるいは、キャリアCとリングギヤRとの間に弾性部材(トーションダンパ7’)を配置した。このため、エンジンフライホイールFW2-1,FW2-2を、容易に製造することができると共に、コンパクト性を持つことにより狭いスペースに設定することができる。
実施例3は、噛み合い機構として、ダブルピニオン式プラネタリギヤを採用した例である。
まず、構成を説明する。
図11は、実施例3の車両用エンジンフライホイールが適用されたエンジン駆動系構成を示す概略図である。図12は、実施例3の車両用エンジンフライホイールでの中・高周波数振動領域におけるイナーシャ増幅効果を示す速度線図である。
図11は、実施例3の車両用エンジンフライホイールが適用されたエンジン駆動系構成を示す概略図である。図12は、実施例3の車両用エンジンフライホイールでの中・高周波数振動領域におけるイナーシャ増幅効果を示す速度線図である。
この実施例3のエンジンフライホイールFW3は、図11に示すように、噛み合い機構として、ダブルピニオン式プラネタリギヤPG2を採用している。そして、図12に示すように、ダブルピニオン式プラネタリギヤPG2の速度線図で、両端部以外の位置に存在するリングギヤRに、エンジン1のクランク軸2を固定連結している。さらに、ダブルピニオン式プラネタリギヤPG2の3つの回転要素のうち、キャリアCとサンギヤSとの間にトーションダンパ7’(弾性部材)を配置している。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例3の場合、噛み合い機構として、ダブルピニオン式プラネタリギヤPG2を採用しているため、例えば、歯数比ρを0.5の値や0.5に近い値に設定することで、図12に示すように、速度線図上で加振源となるリングギヤRの位置を、振動中立点と一致させる、あるいは、ほぼ一致させることができる。
実施例3の場合、噛み合い機構として、ダブルピニオン式プラネタリギヤPG2を採用しているため、例えば、歯数比ρを0.5の値や0.5に近い値に設定することで、図12に示すように、速度線図上で加振源となるリングギヤRの位置を、振動中立点と一致させる、あるいは、ほぼ一致させることができる。
したがって、エンジン1のクランク軸2から回転微小変動による振動入力がある中・高周波数振動領域では、図12に示す振動中立点(重心)を中心として、サンギヤSとピニオンキャリアCとリングギヤRが振動する。この振動モードは、クランク軸2と連結しているリングギヤRの振幅が、振動中立点に一致している、あるいは、ほぼ一致していることから最も小さく、リングギヤRの振幅に比べ、速度線図で両端部の位置に存在するサンギヤSとピニオンキャリアCのイナーシャIS,ICが遙かに大きな振幅で加振される(イナーシャ増幅効果)。このとき、実施例1の場合には、サンギヤSに比べてリングギヤRの振幅が小さくなるが、この実施例3の場合、サンギヤSとピニオンキャリアCの振幅がほぼ同じで大きなものとなる。これは、実施例3の場合には、実施例1,2に比べ、イナーシャ増幅効果をより大きく得ることができることを意味する。
このため、クランク軸の回転変動を現行並に維持する場合には、3つの回転要素の合計イナーシャが実施例1,2より小さくなり、より発進加速性の向上や変速時間の短縮等を図ることができることになる。
一方、3つの回転要素の合計イナーシャを実施例1,2と同じに設定した場合には、発進加速性の向上や変速時間の短縮等を実施例1,2並に維持しながら、クランク軸の回転変動を実施例1,2より高い効果にて抑えることができる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用エンジンフライホイールにあっては、実施例1の(1),(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
実施例3の車両用エンジンフライホイールにあっては、実施例1の(1),(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(4) 前記噛み合い機構は、ダブルピニオン式プラネタリギヤPG2であり、前記ダブルピニオン式プラネタリギヤPG2の速度線図で、両端部以外の位置に存在するリングギヤRに、前記クランク軸2を固定連結した。このため、実施例1,2に比べ、より大きなイナーシャ増幅効果を得ることができる。
以上、本発明の車両用エンジンフライホイールを実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1〜3では、噛み合い機構として、シングルピニオン式プラネタリギヤとダブルピニオン式プラネタリギヤを用いた例を示した。しかし、回転自由度が2自由度で少なくとも3以上の回転要素を有する噛み合い機構であれば、回転要素間で差動機能を有する他の噛み合い機構を用いても良い。また、速度線図上で両端部以外の位置に複数の回転要素が存在する場合には、車両状態や走行状況等に応じてクランク軸と連結する回転要素を選択するような例としても良い。また、ダブルピニオン式プラネタリギヤを用いた例としての実施例3において、キャリアCとサンギヤSとの間に弾性部材を設ける例を示したが、キャリアCとリングギヤRとの間、又はリングギヤRとサンギヤSとの間に設けても良い。特に、この場合、実施例2の効果(3)が得られる。
実施例1〜3では、発進クラッチと自動変速機を有するエンジン駆動系に対する適用例を示したが、流体伝道装置(例えば、トルクコンバータ)や手動変速機を有するエンジン駆動系に対しても本発明の車両用エンジンフライホイールを適用することができる。要するに、エンジンのクランク軸に設けられ、エンジンのクランク軸は、変速機の入力要素軸に固定的に連結された車両用エンジンフライホイールであれば適用できる。
FW1 エンジンフライホイール
FW2-1 エンジンフライホイール
FW2-2 エンジンフライホイール
FW3 エンジンフライホイール
1 エンジン
2 クランク軸
3 変速機入力軸(入力要素軸)
5 自動変速機(変速機)
PG1 シングルピニオン式プラネタリギヤ(噛み合い機構)
PG2 ダブルピニオン式プラネタリギヤ(噛み合い機構)
S サンギヤ(回転要素)
C キャリア(回転要素)
R リングギヤ(回転要素)
7 捩りばね(弾性部材)
7’ トーションダンパ(弾性部材)
FW2-1 エンジンフライホイール
FW2-2 エンジンフライホイール
FW3 エンジンフライホイール
1 エンジン
2 クランク軸
3 変速機入力軸(入力要素軸)
5 自動変速機(変速機)
PG1 シングルピニオン式プラネタリギヤ(噛み合い機構)
PG2 ダブルピニオン式プラネタリギヤ(噛み合い機構)
S サンギヤ(回転要素)
C キャリア(回転要素)
R リングギヤ(回転要素)
7 捩りばね(弾性部材)
7’ トーションダンパ(弾性部材)
Claims (5)
- エンジンのクランク軸に設けられ、前記エンジンのクランク軸は、変速機の入力要素軸に固定的に連結された車両用エンジンフライホイールにおいて、
回転自由度が2自由度で少なくとも3つの回転要素を有する噛み合い機構を有し、
前記噛み合い機構の速度線図で、両端部以外の位置に存在する回転要素に、前記クランク軸を固定的に連結し、かつ、前記噛み合い機構の少なくとも3つの回転要素のうち、2つの回転要素間に弾性部材を配置したことを特徴とする車両用エンジンフライホイール。 - 請求項1に記載された車両用エンジンフライホイールにおいて、
前記噛み合い機構は、シングルピニオン式プラネタリギヤであり、
前記シングルピニオン式プラネタリギヤの速度線図で、両端部以外の位置に存在するキャリアに、前記クランク軸を固定連結したことを特徴とする車両用エンジンフライホイール。 - 請求項2に記載された車両用エンジンフライホイールにおいて、
前記シングルピニオン式プラネタリギヤは、3つの回転要素のうち、キャリアとサンギヤの間、あるいは、キャリアとリングギヤとの間に前記弾性部材を配置したことを特徴とする車両用エンジンフライホイール。 - 請求項1に記載された車両用エンジンフライホイールにおいて、
前記噛み合い機構は、ダブルピニオン式プラネタリギヤであり、
前記ダブルピニオン式プラネタリギヤの速度線図で、両端部以外の位置に存在するリングギヤに、前記クランク軸を固定連結したことを特徴とする車両用エンジンフライホイール。 - 請求項4に記載された車両用エンジンフライホイールにおいて、
前記ダブルピニオン式プラネタリギヤは、3つの回転要素のうち、リングギヤとサンギヤの間、あるいは、キャリアとリングギヤとの間に前記弾性部材を配置したことを特徴とする車両用エンジンフライホイール。
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