JP2015145179A - ハイブリッド車両用変速機のモータ出力歯数比決定方法 - Google Patents

ハイブリッド車両用変速機のモータ出力歯数比決定方法 Download PDF

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英貴 中嶋
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大蔵 荻野
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Kyosuke Mori
匡輔 森
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Takahiro Midori
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Abstract

【課題】モータギヤ列の適正な歯数比を決定して入力軸の共振現象のおそれを解消し、モータの小形化および低コスト化に貢献するハイブリッド車両用変速機のモータ出力歯数比決定方法を提供する。
【解決手段】入力軸2と、出力軸3と、複数の変速段に対応してそれぞれ設けられた複数の変速ギヤ列と、モータ8に回転駆動されるモータ側駆動ギヤならびに入力軸2に設けられてモータ側駆動ギヤと直接的にまたは他のギヤを介して噛合するモータ側従動ギヤにより形成されたモータギヤ列と、を備えたハイブリッド車両用変速機において、モータ側従動ギヤの歯数をモータ側駆動ギヤの歯数で除算した歯数比Iを決定する方法であって、エンジン7のイナーシャ(エンジン側イナーシャJ1)およびモータ8のイナーシャJ2に依存して変化する入力軸2の共振振動数から演算されるエンジン7の回転軸の共振回転数がアイドル回転数以下となるように歯数比Iを決定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンおよびモータを駆動源に備えたハイブリッド車両に用いられる変速機に関し、より詳細には、モータの出力ギヤの歯数比の決定方法に関する。
エンジンおよびモータを駆動源に備えたハイブリッド車両に好適な各種の動力伝達機構が提案されている。例えば、特許文献1の動力伝達機構は、エンジンに接続された入力軸および駆動輪に連結された出力軸を有する有段の変速機と、電気モータに駆動される回転軸上に設けられた第1ギヤおよび第2ギヤと、電気モータの接続モードを選択的に切り換える切換機構と、を備えている。切換機構は、第1ギヤと出力軸ギヤとを噛み合わせた出力軸接続モードと、第2ギヤと入力軸ギヤとを噛み合わせた入力軸接続モードと、を選択的に切り換える。切換機構として、実施形態にモータ用シンクロクラッチ(選択連結装置)が開示されている。これにより、電気モータを駆動輪駆動用およびエンジン始動用に兼用できて製造コストを削減できるとともに、エンジン駆動時に電気モータが余分な回転抵抗にならず燃費を向上できる、とされている。
この種の走行駆動用のモータには、三相同期電動発電機が多用される。三相同期電動発電機は、力行時には車載のバッテリからの電源供給によって駆動輪を駆動し、制動時には駆動輪からの制動トルクの入力により回生発電を行ってバッテリを充電できる。ハイブリッド車両は、複数の駆動源を備えるがゆえに、従来のエンジン車両と比較して駆動源を搭載するスペース制約が厳しく、価格も高くなりがちである。
特開2002−114048号公報
ところで、特許文献1の動力伝達機構は、モータトルクを出力軸および入力軸のどちらにも伝達できて、モータ駆動走行の適用範囲が広い点で好ましい。この種のハイブリッド車両用動力伝達機構の小形化、低コスト化を図る一方策として、モータの仕様変更が考えられる。換言すると、モータの出力パワーは変更せずに高回転低トルク化し、減速して用いることで、モータのサイズを小形化でき、コストを低廉にできる。しかしながら、変速機の入力軸にモータ側従動ギヤを設けてモータ側駆動ギヤから回転駆動する構成では、歯数比の制約が生じる。ここでの歯数比は、モータギヤ列を構成するモータ側従動ギヤの歯数をモータ側駆動ギヤの歯数で除算した値である。歯数比が過大であると、モータギヤ列で大きく減速されるため、モータが最大出力で回転しても所望する車速が得られない。
また、モータのイナーシャ(慣性モーメント)は、変速機の入力軸から見ると歯数比の二乗を乗算した換算イナーシャに変化する。そして、モータの換算イナーシャとエンジンのイナーシャの相互作用により、入力軸に好ましくない共振現象の発生するおそれがある。共振現象により、振動や騒音が増加したり、あらゆる変速機の摺動部および嵌合部の摩耗が加速されたりして、故障の一因になり得る。したがって、共振現象のおそれを解消するために、適正な歯数比を決定することが重要である。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、モータトルクを伝達するモータギヤ列の適正な歯数比を決定して入力軸の共振現象のおそれを解消し、モータの小形化および低コスト化に貢献するハイブリッド車両用変速機のモータ出力歯数比決定方法を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係るハイブリッド車両用変速機のモータ出力歯数比決定方法の発明は、エンジンの回転軸に回転連結される入力軸と、駆動輪に回転連結される出力軸と、複数の変速段に対応して前記入力軸にそれぞれ設けられた駆動ギヤ、および前記出力軸にそれぞれ設けられて前記駆動ギヤと噛合する従動ギヤにより形成され、いずれかの変速段が選択的に回転連結される複数の変速ギヤ列と、モータに回転駆動されるモータ側駆動ギヤ、ならびに前記入力軸に設けられて前記モータ側駆動ギヤと直接的にまたは他のギヤを介して噛合するモータ側従動ギヤにより形成されたモータギヤ列と、を備えたハイブリッド車両用変速機において、前記モータ側従動ギヤの歯数を前記モータ側駆動ギヤの歯数で除算した歯数比を決定する方法であって、エンジンのイナーシャおよびモータのイナーシャに依存して変化する入力軸の共振振動数から演算されるエンジンの回転軸の共振回転数がアイドル回転数以下となるように前記歯数比を決定する。
さらに、前記モータからの駆動で所望する所定車速が得られるように歯数比を設定する歯数比設定ステップと、前記歯数比に基づいて前記モータのイナーシャを入力軸上の換算イナーシャに換算するイナーシャ換算ステップと、前記モータの換算イナーシャ、前記エンジンのイナーシャ、および入力軸の剛性に基づいて前記入力軸の共振振動数を演算する入力軸共振演算ステップと、前記入力軸の共振振動数およびエンジンの気筒数に基づいて前記エンジンの回転軸の共振回転数を演算するエンジン共振演算ステップと、前記エンジンの回転軸の共振回転数が前記アイドル回転数以下である場合に、前記歯数比を採用する歯数比採用ステップと、を有することが好ましい。
さらに、前記エンジンのイナーシャJ1、前記モータのイナーシャJ2、前記入力軸の剛性K、前記歯数比I、前記エンジンの気筒数C、円周率πとしたときに、前記モータの換算イナーシャJ3を次式により求め
J3=I×J2、
前記入力軸の共振振動数F(Hz)を次式により求め
F=(1/2π)×{K×(J1+J3)/(J1×J3)}(1/2)
前記エンジンの回転軸の共振回転数N(rpm)を次式により求め
N=60×F×(2/C)、
てもよい。
また、前記エンジンのアイドル回転数以下の許容回転数を設定し、前記許容回転数および前記エンジンの気筒数に基づいて、前記入力軸に許容される許容振動数を演算する許容振動数演算ステップと、前記入力軸の許容振動数、前記エンジンのイナーシャ、および入力軸の剛性に基づき、前記モータに許容される入力軸上の許容イナーシャを演算する許容イナーシャ演算ステップと、前記入力軸上の許容イナーシャおよびモータの実際のイナーシャに基づいて、歯数比を演算する歯数比演算ステップと、前記歯数比に基づいて、前記モータから駆動したときに得られる車速を演算する速度演算ステップと、前記車速が所望する所定車速以上である場合に、前記歯数比を採用する歯数比採用ステップと、を有してもよい。
なお、本発明において、エンジンのイナーシャは、エンジンの回転軸に付設された諸部材、例えばフライホイールのイナーシャを含むことが好ましい。同様に、モータのイナーシャは、モータの回転軸に付設された諸部材のイナーシャを含むことが好ましい。さらに、入力軸の共振振動数の演算に際しては、入力軸に一体的に結合された諸部材、例えばクラッチなどの係合装置の剛性を入力軸の剛性に含めることが好ましい。
本発明のハイブリッド車両用変速機のモータ出力歯数比決定方法では、入力軸と、出力軸と、複数の変速ギヤ列と、モータギヤ列と、を備えたハイブリッド車両用変速機において、エンジンのイナーシャおよびモータのイナーシャに依存して変化する入力軸の共振振動数から演算されるエンジンの回転軸の共振回転数がアイドル回転数以下となるように歯数比を決定する。このため、決定した歯数比を用いてハイブリッド車両用変速機を製造すれば、エンジンがアイドル回転数を超える回転数で走行駆動しているときに入力軸に共振現象は発生しない。したがって、モータギヤ列の適正な歯数比を決定して入力軸の共振現象のおそれを解消でき、モータの小形化および低コスト化に貢献できる。
さらに、歯数比設定ステップ、イナーシャ換算ステップ、入力軸共振演算ステップ、エンジン共振演算ステップ、および歯数比採用ステップを有する態様では、モータからの駆動で所定車速が得られることを前提条件にして歯数比を決定できるので、実用的なモータ駆動走行性能が得られる。
さらに、開示した3つの演算式により、モータの換算イナーシャJ3、入力軸の共振振動数f(Hz)、およびエンジンの回転軸の共振回転数N(rpm)を求める態様では、簡易な演算式を用いながらも高い演算精度で歯数比を決定できる。特に、入力軸の共振振動数f(Hz)を求める演算式は、エンジンおよびモータが相互に共振する両振り共振条件に基づいているので、アイドル回転数を超える回転数での入力軸の共振現象を確実に防止できる。
また、許容振動数演算ステップ、許容イナーシャ演算ステップ、歯数比演算ステップ、速度演算ステップ、および歯数比採用ステップを有する態様では、入力軸の共振現象が発生しないことを前提条件にして歯数比を決定できるので、実用的なモータ駆動走行性能が得られる。
本発明の第1実施形態のモータ出力歯数比決定方法が対象とするハイブリッド車両用変速機の動力伝達経路の一例を示すスケルトン図である。 第1実施形態のモータ出力歯数比決定方法で使用する共振検討モデルを示した図である。 第1実施形態のモータ出力歯数比決定方法の手順を示したフローチャートである。 第2実施形態のモータ出力歯数比決定方法の手順を示したフローチャートである。
本発明を実施するための第1実施形態について、図1〜図3を参考にして説明する。図1は、本発明の第1実施形態のモータ出力歯数比決定方法が対象とするハイブリッド車両用変速機1の動力伝達経路の一例を示すスケルトン図である。ハイブリッド車両用変速機1は、FFタイプのハイブリッド車両に搭載される。ハイブリッド車両用変速機1は、前進5速および後進1速の変速段のいずれかを選択し、エンジン7のエンジントルクを変速して出力する。かつ、ハイブリッド車両用変速機1は、モータ8のモータトルクを直接的に、あるいは前記変速段を経由して出力する。ハイブリッド車両用変速機1の出力側は、デファレンシャル装置91を経由して左駆動前輪95および右駆動前輪96に回転連結されている。ハイブリッド車両用変速機1は、入力軸2、出力軸3、変速ギヤ列4、およびモータギヤ列5などで構成されている。
入力軸2は、軸線方向の一端および他端に配置された一対の軸受21、22によって、図略の変速機ケースに回転自在に軸承されている。入力軸2の図中の右側の一端は、係合装置72およびフライホイール73を介してエンジン7の回転軸71に回転連結される。エンジン7には、一般的なガソリンエンジンやディーゼルエンジン、可燃性ガスを燃料とするガスエンジンなどを用いることができ、これらに限定されない。係合装置72は、エンジントルクの伝達を継断する。係合装置72には、例えば一般的な多板摩擦クラッチを用いることができ、これに限定されない。フライホイール73は、回転軸71と一体的に回転して、回転速度の微小な変動を吸収する。フライホイール73には、適正な重量を有する回転対称体で形成された一般的なものを用いることができる。
出力軸3は、軸線方向の一端および他端に配置された一対の軸受31、32によって、図略の変速機ケースに回転自在に軸承されている。出力軸3は、一端側の軸受31に近い位置に出力ギヤ33を有している。出力ギヤ33は、デファレンシャル装置91の入力ギヤ92と噛合している。デファレンシャル装置91の出力側の左右の車軸93、94は左駆動前輪95および右駆動前輪96に回転連結されている。
変速ギヤ列4は、前進5速および後進1速の各変速段を選択的に成立するように設けられている。変速ギヤ列4は、入力軸2に設けられた6個の駆動ギヤ41D〜45D、4RD、および出力軸に設けられた6個の従動ギヤ41F〜45F、4RFなどからなる。詳述すると、入力軸2の一端側から他端側へ(図中の右側から左側へ)と順番に、1速駆動ギヤ41D、後進駆動ギヤ4RD、2速駆動ギヤ42D、3速駆動ギヤ43D、4速駆動ギヤ44D、5速駆動ギヤ45Dが配置されている。1速駆動ギヤ41D、後進駆動ギヤ4RD、および2速駆動ギヤ42Dは、入力軸2に対して相対回転不能とされている。3速駆動ギヤ43D、4速駆動ギヤ44D、および5速駆動ギヤ45Dは、入力軸2に対して遊転状態および回転連結状態に切り替え可能とされている。
一方、出力軸3の一端側から他端側へ(図中の右側から左側へ)と順番に、1速従動ギヤ41F、後進従動ギヤ4RF、2速従動ギヤ42F、3速従動ギヤ43F、4速従動ギヤ44F、5速従動ギヤ45Fが配置されている。後進従動ギヤ4RFは、詳細には後述する1速−2速選択連結装置46のスリーブの外周面に配置されている。1速従動ギヤ41F、2速従動ギヤ42F、および5速従動ギヤ45Fは、出力軸3に対して遊転状態および回転連結状態に切り替え可能とされている。後進従動ギヤ4RF、3速従動ギヤ43F、および4速従動ギヤ44Fは、出力軸3に対して相対回転不能とされている。
前進の1速〜5速変速段の駆動ギヤ41D〜45Dと従動ギヤ41F〜45Fとは互いに噛合している。いずれかの変速段を選択的に回転連結するために、1速−2速選択連結装置46、3速−4速選択連結装置47、および5速連結装置48が設けられている。これらの連結装置46、47、48には、公知の同期装置(シンクロメッシュ機構)を適宜用いることができるので、詳細な説明は省略する。
後進変速段を構成する後進ギヤ列には、後進アイドラギヤ4Riが付設されている。後進アイドラギヤ4Riは、後進指令によって軸線方向に駆動され、後進駆動ギヤ4RDおよび後進従動ギヤ4RFと噛合する。このとき、前進変速段の連結装置46、47、48は、全てニュートラル状態となるようにインターロック制御される。これにより後進変速段が成立し、出力軸3の回転方向は前進変速段のときと逆回転になる。
モータ8には、三相同期電動発電機を用いることができる。モータギヤ列5は、モータ8の回転軸81のモータトルクを入力軸2および出力軸3の一方に切り替え可能に伝達する。モータギヤ列5は、モータ側駆動ギヤ51、モータ側従動ギヤ52、第2モータ側駆動ギヤ53、および第2モータ側従動ギヤ54などで構成されている。モータ側駆動ギヤ51および第2モータ側駆動ギヤ53は、モータ8の回転軸81に対して遊転状態および回転連結状態に切り替え可能に配設されている。モータ側従動ギヤ52は、入力軸2の5速駆動ギヤ45Dと他端側の軸受22との間に相対回転不能に配設されている。第2モータ側従動ギヤ54は、出力軸3の5速従動ギヤ45Fと他端側の軸受32との間に相対回転不能に配設されている。
モータ側駆動ギヤ51とモータ側従動ギヤ52とは互いに噛合して、入力軸側モータギヤ列を形成している。第2モータ側駆動ギヤ53と第2モータ側従動ギヤ54とは互いに噛合して、出力軸側モータギヤ列を形成している。入力軸側モータギヤ列および出力軸側モータギヤ列を選択的に回転連結するために、モータ側選択連結装置55が設けられている。
モータ側選択連結装置55は、ハブ56、スリーブ57、および図略のスリーブ操作部などで構成されている。ハブ56は、モータ8の回転軸81のモータ側駆動ギヤ51と第2モータ側駆動ギヤ53との間に、環形突状に形成されている。スリーブ57は、概ね環形状で、ハブ56の外周に相対回転不能に、かつ軸線両方向に移動可能に配設されている。スリーブ57が軸線方向のニュートラル位置にあると、モータ側駆動ギヤ51および第2モータ側駆動ギヤ53は、共に遊転状態になる。
スリーブ操作部がスリーブ57をニュートラル位置から軸線一方向(図の右方)に移動させると、スリーブ57は第2モータ側駆動ギヤ53に係合して回転連結される。これにより、出力軸側モータギヤ列は、モータトルクを出力軸3に伝達するようになる。また、スリーブ操作部がスリーブ57をニュートラル位置から軸線他方向(図の左方)に移動させると、スリーブ57は第1モータ側駆動ギヤ51に係合して回転連結される。これにより、入力軸側モータギヤ列は、出力軸2にモータトルクを伝達するようになる。
第1実施形態のモータ出力歯数比決定方法は、モータ側従動ギヤ52の歯数をモータ側駆動ギヤ51の歯数で除算した歯数比Iを決定する。歯数比Iの決定に際しては、図2に示される共振検討モデルに基づいて、図3に示される手順を行う。図2は、第1実施形態のモータ出力歯数比決定方法で使用する共振検討モデルを示した図である。図2では、入力軸2の共振現象に関係する要素がモデル化されて示されている。
エンジン7はイナーシャJeを有し、フライホイール73はイナーシャJfを有し、モータ8はイナーシャJ2を有している。これらの3つのイナーシャJe、Jf、J2は、実測によって予め求めておくことができ、あるいは、形状データに基づいたシミュレーションによって予め求めることができる。エンジン7およびフライホイール73は、共同して入力軸2の一端に慣性作用を及ぼす。したがって、次式(1)に示されるように、2つのイナーシャJe、Jfを加算してエンジン側のイナーシャJ1とする。
エンジン側のイナーシャJ1=Je+Jf ………………………………(1)
また、モータ8は、モータ側駆動ギヤ51とモータ側従動ギヤ52との噛合を介して、入力軸2の他端寄りに慣性作用を及ぼす。
一方、入力軸2は剛性Ksを有し、係合装置72は剛性Kcを有している。そして、入力軸2および係合装置72を含めた全剛性Kは、両者2、72の形状および係合装置72の係合構造に依存する。このため、全剛性Kは、一般的には次式(2)に示されるように、2つの剛性Ks、剛性Kcの関数fで表される。
全剛性K=f(Ks、Kc) ………………………………………………(2)
全剛性Kは、通常は単純な演算で求めることはできず、形状データに基づいたシミュレーションなどにより予め求めておく必要がある。
次に、第1実施形態のハイブリッド車両用変速機1のモータ出力歯数比決定方法の手順について説明する。図3は、第1実施形態のモータ出力歯数比決定方法の手順を示したフローチャートである。図3の歯数比設定ステップS1では、採用するモータ8を想定し、モータ7からの駆動で所望する所定車速が得られるように歯数比Iを設定する。ここで、モータ側駆動ギヤ51とモータ側従動ギヤ52からなる入力軸側モータギヤ列の減速比は、歯数比Iの逆数になる。また、所定車速および変速段の条件は、ハイブリッド車両に必要とされるモータ駆動走行時の性能から規定される。したがって、モータ8の最高回転数でちょうど所定車速が得られる限界歯数比が定まり、限界歯数比以下の適正な歯数比Iを設定できる。
次に、イナーシャ換算ステップS2では、次の演算式(3)により、歯数比Iを用いてモータ8のイナーシャJ2を入力軸2上の換算イナーシャJ3に換算する。
換算イナーシャJ3=I×J2 ……………………………………………(3)
次に、入力軸共振演算ステップS3では、次の演算式(4)により、全剛性K、エンジン側のイナーシャJ1、および換算イナーシャJ3に基づいて、入力軸2の共振振動数F(Hz)を演算する。
共振振動数F(Hz)=
(1/2π)×{K×(J1+J3)/(J1×J3)}(1/2) …(4)
ただし、πは円周率である。なお、この演算式は、エンジン7およびモータ8が相互に共振する両振り共振条件に基づいている。
次に、エンジン共振演算ステップS4では、次の演算式(5)により、入力軸2の共振振動数Fおよびエンジン7の気筒数Cに基づいて、エンジン7の回転軸71の共振回転数N(rpm)を演算する。
共振回転数N(rpm)=60×F×(2/C) …………………………(5)
演算式(5)の右辺の定数60は秒と分の換算数である。また、(2/C)は、エンジン7において吸気、圧縮、爆発、および排気の4サイクルによって回転軸71が2回転する間に、何回の爆発が発生するかを示す数である。
次に、歯数比採用ステップS5では、共振回転数Nがアイドル回転数以下である場合に、歯数比Iを採用する。ここで、仮に共振回転数Nがアイドル回転数を超えていたら、その歯数比Iは採用できない。なぜなら、エンジン7の回転軸71がアイドル回転数を超える回転数で走行を駆動しているときに、入力軸2で共振現象の発生するおそれがあるからである。この場合には、ステップS6で歯数比Iを大きく設定し直すか、または、想定したモータ8を変更して、歯数比設定ステップS1からの手順を再度行うことになる。
第1実施形態のハイブリッド車両用変速機1のモータ出力歯数比決定方法は、入力軸2と、出力軸3と、複数の変速ギヤ列4と、モータギヤ列5と、を備えたハイブリッド車両用変速機1において、エンジン側のイナーシャJ1およびモータのイナーシャJ2に依存して変化する入力軸3の共振振動数Fから演算されるエンジン7の回転軸71の共振回転数Nがアイドル回転数以下となるように歯数比Iを決定する。そして、決定した歯数比Iを用いてハイブリッド車両用変速機1を製造すれば、エンジン7がアイドル回転数を超える回転数で走行駆動しているときに入力軸2に共振現象は発生しない。したがって、モータギヤ列の適正な歯数比Iを決定して入力軸2の共振現象のおそれを解消し、モータ8の小形化および低コスト化に貢献できる。
さらに、歯数比設定ステップS1、イナーシャ換算ステップS2、入力軸共振演算ステップS3、エンジン共振演算ステップS4、および歯数比採用ステップS5を有し、モータ8からの駆動で所定車速が得られることを前提条件にして歯数比Iを決定できるので、実用的なモータ駆動走行性能が得られる。
さらに、開示した3つの演算式(3)〜(5)により、モータ8の換算イナーシャJ3、入力軸2の共振振動数f(Hz)、およびエンジン7の回転軸71の共振回転数N(rpm)を求めるので、簡易な演算式を用いながらも高い演算精度で歯数比Iを決定できる。特に、入力軸2の共振振動数f(Hz)を求める演算式は、エンジン7およびモータ8が相互に共振する両振り共振条件に基づいているので、アイドル回転数を超える回転数での入力軸2の共振現象を確実に防止できる。
さらに、フライホイール73のイナーシャJfおよび係合装置72の剛性Kcを考慮するので、歯数比Iを決定する演算精度をさらに一層高精度化できる。
次に、第2実施形態のハイブリッド車両用変速機1のモータ出力歯数比決定方法について説明する。第2実施形態において、ハイブリッド車両用変速機1の構成は第1実施形態と同様であり、歯数比Iの決定手順が異なる。図4は、第2実施形態のモータ出力歯数比決定方法の手順を示したフローチャートである。第2実施形態では、概ね第1実施形態と逆方向の手順で歯数比Iを決定する。
図4の許容振動数演算ステップS11では、まず、エンジン7のアイドル回転数以下の許容回転数Naを設定する。アイドル回転数から許容回転数Naを減算したマージン回転数は、図2で説明した共振検討モデルの諸量の精度や、エンジン7の特性などを考慮して適宜設定できる。次に、許容回転数Naおよびエンジン7の気筒数Cに基づいて、次の演算式(5a)により入力軸2に許容される許容振動数Fa(Hz)を演算する。
Na(rpm)=60×Fa×(2/C) ………………………………(5a)
なお、演算式(5a)は、第1実施形態の演算式(5)と同形で、既知量と未知量が変化しているだけである。
次に、許容イナーシャ演算ステップS12では、次の演算式(4a)により、入力軸2の許容振動数Fa、全剛性K、およびエンジン側のイナーシャJ1に基づいて、モータ8に許容される入力軸2上の許容イナーシャJ3aを演算する。
Fa=(1/2π)×
{K×(J1+J3a)/(J1×J3a)}(1/2) ………(4a)
なお、演算式(4a)は、第1実施形態の演算式(4)と同形である。演算式(4a)で、未知量は許容イナーシャJ3aの1量だけであるので、式を変形することにより演算は容易である。
次に、歯数比演算ステップS13では、次の演算式(3a)により、入力軸2上の許容イナーシャJ3aおよびモータ7の実際のイナーシャJ2に基づいて、歯数比Iaを演算する。
許容イナーシャJ3a=Ia×J2 ……………………………………(3a)
なお、演算式(3a)は、第1実施形態の演算式(3)と同形で、既知量と未知量が変化しているだけである。
次に、速度演算ステップS14では、歯数比Iaに基づいて、モータ8から駆動したときに得られる車速Vaを演算する。このときの変速段の条件は、ハイブリッド車両に必要とされるモータ駆動走行時の性能から規定される。
次に、歯数比採用ステップS15では、車速Vaが所望する所定車速以上である場合に、歯数比Iaを採用する。ここで、仮に車速Vaが所望する所定車速未満であればその歯数比Iaは採用できない。この場合には、ステップS16で許容回転数Naを大きく設定し直して許容振動数演算ステップS11からの手順を再度行うか、または、ステップS17で想定したモータ8を変更して歯数比演算ステップS13からの手順を再度行うことになる。
第2実施形態のハイブリッド車両用変速機1のモータ出力歯数比決定方法は、第1実施形態と同様に、モータギヤ列の適正な歯数比Iaを決定して入力軸2の共振現象のおそれを解消し、モータ8の小形化および低コスト化に貢献できる。加えて、許容振動数演算ステップS11、許容イナーシャ演算ステップS12、歯数比演算ステップS13、速度演算ステップS14、および歯数比採用ステップS15を有し、入力軸2の共振現象が発生しないことを前提条件にして歯数比Iaを決定できるので、実用的なモータ駆動走行性能が得られる。
なお、第1実施形態の演算式(4)および第2実施形態の演算式(4a)は両振り共振条件に基づいているが、他の条件に基づいた別の演算式を用いることもできる。例えば、エンジン側のイナーシャJ1がモータ8のイナーシャJ2よりも格段に大きな場合、演算式(4)に代えて、モータ8のみが共振する片振り共振条件に基づいた次の演算式(6)を用いてもよい。
共振振動数F(Hz)=(1/2π)×{K/J3)}(1/2) ……(6)
その他、本発明は、様々な応用や変形が可能である。
1:ハイブリッド車両用変速機 2:入力軸 3:出力軸
4:変速ギヤ列
5:モータギヤ列 51:モータ側駆動ギヤ 52:モータ側従動ギヤ
7:エンジン 71:回転軸 72:係合装置 73:フライホイール
8:モータ
91:デファレンシャル装置 95:左駆動前輪 96:右駆動前輪
Je:エンジンのイナーシャ Jf:フライホイールのイナーシャ
J1:エンジン側のイナーシャ J2:モータのイナーシャ
J3:換算イナーシャ
Ks:入力軸の剛性 Kc:クラッチの剛性 K:全剛性

Claims (4)

  1. エンジンの回転軸に回転連結される入力軸と、
    駆動輪に回転連結される出力軸と、
    複数の変速段に対応して前記入力軸にそれぞれ設けられた駆動ギヤ、および前記出力軸にそれぞれ設けられて前記駆動ギヤと噛合する従動ギヤにより形成され、いずれかの変速段が選択的に回転連結される複数の変速ギヤ列と、
    モータに回転駆動されるモータ側駆動ギヤ、ならびに前記入力軸に設けられて前記モータ側駆動ギヤと直接的にまたは他のギヤを介して噛合するモータ側従動ギヤにより形成されたモータギヤ列と、
    を備えたハイブリッド車両用変速機において、前記モータ側従動ギヤの歯数を前記モータ側駆動ギヤの歯数で除算した歯数比を決定する方法であって、
    エンジンのイナーシャおよびモータのイナーシャに依存して変化する入力軸の共振振動数から演算されるエンジンの回転軸の共振回転数がアイドル回転数以下となるように前記歯数比を決定するハイブリッド車両用変速機のモータ出力歯数比決定方法。
  2. 前記モータからの駆動で所望する所定車速が得られるように歯数比を設定する歯数比設定ステップと、
    前記歯数比に基づいて前記モータのイナーシャを入力軸上の換算イナーシャに換算するイナーシャ換算ステップと、
    前記モータの換算イナーシャ、前記エンジンのイナーシャ、および入力軸の剛性に基づいて前記入力軸の共振振動数を演算する入力軸共振演算ステップと、
    前記入力軸の共振振動数およびエンジンの気筒数に基づいて前記エンジンの回転軸の共振回転数を演算するエンジン共振演算ステップと、
    前記エンジンの回転軸の共振回転数が前記アイドル回転数以下である場合に、前記歯数比を採用する歯数比採用ステップと、
    を有する請求項1に記載のハイブリッド車両用変速機のモータ出力歯数比決定方法。
  3. 前記エンジンのイナーシャJ1、前記モータのイナーシャJ2、前記入力軸の剛性K、前記歯数比I、前記エンジンの気筒数C、円周率πとしたときに、前記モータの換算イナーシャJ3を次式により求め
    J3=I×J2、
    前記入力軸の共振振動数F(Hz)を次式により求め
    F=(1/2π)×{K×(J1+J3)/(J1×J3)}(1/2)
    前記エンジンの回転軸の共振回転数N(rpm)を次式により求める
    N=60×F×(2/C)、
    請求項2に記載のハイブリッド車両用変速機のモータ出力歯数比決定方法。
  4. 前記エンジンのアイドル回転数以下の許容回転数を設定し、前記許容回転数および前記エンジンの気筒数に基づいて、前記入力軸に許容される許容振動数を演算する許容振動数演算ステップと、
    前記入力軸の許容振動数、前記エンジンのイナーシャ、および入力軸の剛性に基づき、前記モータに許容される入力軸上の許容イナーシャを演算する許容イナーシャ演算ステップと、
    前記入力軸上の許容イナーシャおよびモータの実際のイナーシャに基づいて、歯数比を演算する歯数比演算ステップと、
    前記歯数比に基づいて、前記モータから駆動したときに得られる車速を演算する速度演算ステップと、
    前記車速が所望する所定車速以上である場合に、前記歯数比を採用する歯数比採用ステップと、
    を有する請求項1に記載のハイブリッド車両用変速機のモータ出力歯数比決定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018134935A (ja) * 2017-02-21 2018-08-30 株式会社Subaru 動力伝達装置

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