JPWO2012049759A1 - モータ - Google Patents
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Abstract
波巻導線(A)を複数周巻き取り折り曲げ部が形成されたコイル籠(14)を一体型のステータコア(H)に挿入したモータ(M)を提供するため、平角導体(D)を用いた波巻コイルとステータコア(H)を備えるステータ(G)と、ロータシャフト(41)を備えるロータ(42)とを有するモータ(M)において、波巻コイルが、つづら折り状に形成された複数の端折波巻導線(C)を、順次ずらして重ね合わせて形成された第1波巻導線組立体(RC)を、複数周巻き取り形成されたコイル籠(14)を有すること、コイル籠(14)の一端のコイルエンド部がステータコア(H)のスロット内導線部(S)に対して、ロータ(42)側に折り曲げられていること、一端のコイルエンド部がステータコア(H)の内周面よりロータ(42)の軸心側に位置する構造とする。
Description
平角導線を用いた波巻コイルとステータコアを備えるステータと、中心軸を備えるロータとを有するモータに関する発明である。
特許文献1には、次の技術が開示されている。すなわち、つづら折り状に連続して形成された平角導線を、順次ずらして重ね合わせて2組の組導線を構成、2組の組導線を重ね合わせて重ね合わせ導線を構成する。そして、重ね合わせ導線を複数周巻き取ることによりコイル籠を形成する。次に、コイル籠に対して、外周から内周方向に向かって分割された分割コアを挿入する。そして、分割コアの外周に焼き嵌めリングを嵌めて固定子コアとして固定する。
一方、特許文献2においては、スロット内に挿入される導線を重ね巻きしてコイルを構成し、それを円筒状のコイル挿入治具に装着し、コイル挿入治具をステータコア内に配置し、コイル挿入治具からステータコアのスロットに、コイルを挿入する方法が開示されている。
また、特許文献3には、分布巻きコイルにおいて、挿入する先端部を軸心側に折り曲げることが開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術には、次のような問題があった。すなわち、分割コアに焼き嵌めリングを嵌めて一体的な固定子コアを構成した場合に、始めから一体として構成された一体固定子コアと比較して、鉄損が大きくなり、モータの効率が低下する問題があった。このことは、小型化が強く要求されるハイブリッド自動車用モータにおいて、特に問題となっていた。
また、特許文献2のように、コイル挿入治具を用いた場合、コイル挿入時にコイルの弾性変形をさせるため、コイルを形成する導線に内部応力が蓄積された状態で固定子コアに組み付けられるものと考えられる。このため、コイル挿入治具内で弾性変形されていたコイルをスロット内に挿入した後で、コイルがスプリングバックにより変形し、導線の一部がスロットから外に飛び出す虞があると考えられる。
そこで、波巻コイルを一体固定子コアに挿入する方法として、コイルを軸心方向からスロット内に挿入できれば、上記問題を解決できるということに、本出願人は思い至った。しかし、集中巻きのコイルならば、挿入する先端部を軸心側に折り曲げれば、残りの部分をスロット内に挿入することは容易であるが、波巻コイルでは、折り曲げる部分の形状が複雑であり、折り曲げること自体が困難であるという問題があった。
分布巻きコイルで、挿入する先端部を折り曲げる技術として、特許文献3の技術が開示されている。しかし、特許文献3の技術では、折り曲げ箇所の異なる複数の導体を、個別に製造して、1つずつ組み合わせていく必要があると考えられるため、製造に時間がかかり、コストが高い問題があった。
また、波巻コイルにおいては、組導線を複数周巻き取ることによりコイル籠を形成する構成となる。しかし、折り曲げ部が形成された組導線を複数周巻き取るときに、後から巻き取る導線部分の折り曲げ部が、既に巻かれている導線の折り曲げ部と干渉するため、波巻導線で折り曲げ部を形成することが困難であった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、折り曲げ部を有する波巻導線を複数周巻き取ることができ、折り曲げ部が形成されたコイル籠を、一体固定子コアに挿入したモータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様によるモータは以下のような特徴を有する。
(1)平角導線を用いた波巻コイルとステータコアを備えるステータと、中心軸を備えるロータとを有するモータにおいて、前記波巻コイルが、つづら折り状に連続して形成された複数の波巻導線を、順次ずらして重ね合わせて形成された波巻導線組立体を、複数周巻き取ることにより形成されたコイル籠を有すること、前記コイル籠の一端のコイルエンド部が、前記ステータコアのスロット内導線部に対して、前記ロータ側に折り曲げられていること、前記一端のコイルエンド部が、前記ステータコアの内周面より前記ロータの軸心側に位置していること、を特徴とする。
(2)(1)に記載するモータにおいて、前記波巻導線の一端に形成されるターン部と他端に形成されるターン部とが、前記コイル籠の前記一端のコイルエンド部で前記ステータコアの軸方向に重なり合うこと、を特徴とすることが好ましい。
上記構成を有する本発明のモータの一態様により、次のような作用、効果が得られる。
前記(1)に記載される発明の態様は、平角導線を用いた波巻コイルとステータコアを備えるステータと、中心軸を備えるロータとを有するモータにおいて、波巻コイルが、つづら折り状に連続して形成された複数の波巻導線を、順次ずらして重ね合わせて形成された波巻導線組立体を、複数周巻き取ることにより形成されたコイル籠を有すること、コイル籠の一端のコイルエンド部が、ステータコアのスロット内導線部に対して、ロータ側に折り曲げられていること、一端のコイルエンド部が、ステータコアの内周面よりロータの軸心側に位置していること、を特徴とするので、一端のコイルエンド部リード側を先頭として、ステータのスロットに対して、軸心側からコイルを挿入しようとするときに、一端のコイルエンド部となる反リード側に形成されたターン部は、ステータコアの内周面の内側を通過する構成となる。
このため、ステータコアに形成されるティースがコイル籠と干渉せず、コイル籠を軸心方向からステータコアのスロット内に容易に挿入することができる。波巻コイルをステータコアのスロットに挿入するときに、波巻コイルを弾性変形させる必要がないので、課題に示したようなコイルを弾性変形することで生じるスプリングバックにより、コイルの一部がステータコアのスロット内から飛び出すことがない。
(2)(1)に記載するモータにおいて、波巻導線の一端に形成されるターン部と他端に形成されるターン部とが、コイル籠の一端のコイルエンド部でステータコアの軸方向に重なり合うこと、を特徴とするので、各相(U相、V相、W相)の隣接する波巻導線の端部の位置を、径方向において同じ位置にできる。このため、端部同士の接続が容易となる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1に、本実施形態のステータGの斜視図を示す。図2に、モータMの側面図を示す。本実施形態のステータGは、モータMに備えられる波巻コイルを用いて形成されたコイル籠14を適用した固定子である。ステータGの内周側には、後述するロータシャフト41を備えたロータ42が回転子として備えられている。ステータGはステータコアHとコイル籠14とを有している。
図3に、ステータコアHの平面図を示す。ステータコアHは、プレス加工などにより略ドーナツ状に打ち抜き加工された電磁鋼板を複数枚積層して形成されている。
ステータコアHの内周側には、ティースH2が櫛歯状に軸に向けて内側に突出するように形成されている。隣り合うティースH2の間に、スロットH1が形成されている。スロットH1及びティースH2の数は48である。ステータコアHの外周部分には、リブ部H4が3カ所設けられている。リブ部H4には、ボルトを通すボルト孔H3が各1つずつ設けられている。このボルト孔H3は、例えばステータGを図示しないエンジンブロックに固定したり、他の補機に固定したり、或いはモータMのカバーなどを取り付けたりするのに利用することができる。ティースH2の先端には内周面H5が形成される。図示はしないがモータMのステータGには外部接続端子等も備えられる。
図4Aに、コイル籠14の側面図を示す。図4Bに、コイル籠14の平面図を示す。図4Aのコイル籠14をリード側EL側から見た状態の平面図である。図4Cに、コイル籠14の平面図を示す。図4Aのコイル籠14を反リード側ER側から見た状態の平面図である。
コイル籠14は、平角導体Dを波巻きした導線を複数重ね円筒状に配置して形成されている。コイル籠14の形成過程については詳しくは後述する。平角導体Dは、矩形断面を有する銅等の導電性の高い金属の周囲にエナメル等の絶縁被覆を施して形成されたものである。
リード側EL側には、図4Bに示されるように平角導体Dの端部が配置される。平角導体Dの端部である曲げ端部SS11は、コイル籠14の外周方向に凸となるように放射線状に配置される。なお、曲げ端部SS11が配置されない端子結束部SS3には、後にバスバが溶接されステータGの図示しない外部接続端子と接続される部分である。詳しくは後述する。
反リード側ERには、図4A及び図4Cに示されるように平角導体Dの端部が配置されず円周導線部Eのみが配置される。この円周導線部Eがコイル籠14の内周側に曲げられて内周側突出部Fを形成する。詳しくは後述する。
次に、コイル籠14の形成過程について説明する。
図5Aに、波巻導線Aの平面図を示す。図5Bに、波巻導線Aの上面視図を示す。図5Aの波巻導線Aを第1導体端部SS1及び第2導体端部SS2側から見た上面視図である。図5Cに、波巻導線Aの側面図を示す。図5Aの波巻導線Aを第2導体端部SS2及び直線導線部PS10側から見た側面図である。波巻導線Aは、図5A等に示すように平角導体Dをエッジワイズ曲げ加工して九十九折りに形成したものである。端部に設けられた第1導体端部SS1は図5B及び図5Cに示されるように図5Aの紙面奥方向に折り曲げられて曲げ端部SS11が形成されている。
第1導体端部SS1に続いて形成されるのは直線導線部PS1で、ステータコアHのスロットH1に挿入される。直線導線部PS1に続いて形成されるのはスロットH1の外に配置されて円周を形成する円周導線部E1である。円周導線部Eは九十九折れに形成された平角導体Dのターン部を形成することになる。そして、円周導線部E1の隣に順に直線導線部PS2、円周導線部E2、直線導線部PS3、円周導線部E3……と形成され、直線導線部PS10まで形成された後、第2導体端部SS2と繋げられる。第2導体端部SS2にも図5B及び図5Cに示されるような折り曲げ端部SS21が形成されている。
なお、波巻導線AはステータコアHに挿入されるために48セット形成されるが、そのうち6セットには第1導体端部SS1に曲げ端部SS11が形成されず、第2導体端部SS2に曲げ端部SS21が形成されない。すなわち、図4Bのコイル籠14の端子結束部SS3においては、第1導体端部SS1及び第2導体端部SS2が九十九折りにエッジワイズ曲げ加工された平角導体Dの端部となる。
円周導線部E1は、段差未形成部KA1により円周導線部前部E1Mと円周導線部後部E1Nに分けられている。同様に円周導線部E2は段差未形成部KA2により円周導線部前部E2Mと円周導線部後部E2Nに分けられ、他の円周導線部E3乃至円周導線部E9についても同様の構成となっている。なお、段差未形成部KA1、段差未形成部KA2…は、波巻導線Aの状態では未だ段差が形成されていない。
また、直線導線部PS1乃至直線導線部PS10は、図5Aでは分かりにくいが、直線導線部PS1に比べて直線導線部PS2が長く、直線導線部PS2に比べて直線導線部PS3が長く…、と言った具合に、直線導線部PS10が一番長くなるように徐々に長くなる様にエッジワイズ曲げ加工されている。
図6Aに、段付波巻導線Bの平面図を示す。図6Bに、段付波巻導線Bの上面視図を示す。図6Aの第1導体端部SS1及び第2導体端部SS2側から見た段付波巻導線Bである。図6Cに、段付波巻導線Bの側面図を示す。図6Aの第2導体端部SS2及び直線導線部PS10側から見た段付波巻導線Bである。波巻導線Aの段差未形成部KA1乃至段差未形成部KA9にて折り曲げ加工し、段差部K1乃至段差部K9を形成することで図6A乃至図6Cに示されるような段付波巻導線Bが形成される。
段差部K1乃至段差部K9に形成される段付き部分は、直線導線部PS1と直線導線部PS2とが図6Bに示されるように平角導体Dの厚み分だけ段差ができるように形成される。したがって、図6Bに示されるように上面から見ると直線導線部PS1乃至直線導線部PS10のそれぞれの端部が階段状に並ぶように配置される。
また、前述したように直線導線部PS1乃至直線導線部PS10は、直線導線部PS10が一番長くなる様にエッジワイズ曲げ加工して形成される。このため、段差部K1乃至段差部K9に形成される段付き部分によって、図6Cに示されるように、段付波巻導線Bを側面から観察すると略台形に見える。段付波巻導線Bを側面から見た幅は、段差部K1乃至段差部K9の9カ所が曲げられることで平角導体Dの厚みの10倍相当となる。
図7Aに、端折波巻導線Cの平面図を示す。図7Bに、端折波巻導線Cの下面図を示す。これは図7Aの図面下方向から端折波巻導線Cを見た様子である。図7Cに、端折波巻導線Cの側面図を示す。これは図7Aの図面側方から端折波巻導線Cを見た様子である。
次に段付波巻導線Bを更に折り曲げ加工する。図7A乃至図7Cに示すように、段付波巻導線Bの反リード側(第1導体端部SS1及び第2導体端部SS2が無い側)を、図示しない曲げ治具を用いて、曲げ端部SS11及び曲げ端部SS21とは反対方向にフラットワイズ曲げ加工する。
具体的には、円周導線部E1が直線導線部PS1を延長した直線と直交するように直線導線部PS1と直線導線部PS2をフラットワイズ曲げ加工して内周側突出部F1を形成する。フラットワイズ曲げ加工される部分は、直線導線部PS1及び直線導線部PS2である。この際、図7Cに示すようにフラットワイズ曲げ方向の内周側となる第1コーナー部R1及び第2コーナー部R2を形成する。つまり、直線導線部PS1をフラットワイズ曲げ加工することでスロット内導線部S1及び第1コーナー部R1を形成し、直線導線部PS2をフラットワイズ曲げ加工することでスロット内導線部S2及び第2コーナー部R2を形成する。
この結果、円周導線部前部E1Mは円周導線部上部F1Mとなり、円周導線部後部E1Nは円周導線部下部F1Nとなる。また、第2コーナー部R2は第1コーナー部R1に対して第1コーナー部R1を形成する平角導体Dの外周面に沿うような形状にフラットワイズ曲げ加工される。ただし、図7Cではコーナー部Rがそれぞれ重なっているように見えるが、実際には図7A及び図7Bに示されるように第1コーナー部R1と第2コーナー部R2とが重なり合う訳ではない。また、スロット内導線部S1及びスロット内導線部S2は長さが等しくなる。
次に、円周導線部E3も直線導線部PS3を延長した直線と直交するように、直線導線部PS3及び直線導線部PS4をフラットワイズ曲げ加工して内周側突出部F3を形成する。直線導線部PS3がフラットワイズ曲げ加工されることでスロット内導線部S3及び第3コーナー部R3が形成され、直線導線部PS4がフラットワイズ曲げ加工されることでスロット内導線部S4及び第4コーナー部R4が形成される。この結果、円周導線部前部E3Mは円周導線部上部F3Mとなり、円周導線部後部E4Nは円周導線部下部F4Nとなる。
同様にして円周導線部E5はスロット内導線部S5、第5コーナー部R5及びスロット内導線部S6、第6コーナー部R6が形成されることで内周側突出部F5となり、円周導線部E7はスロット内導線部S7、第7コーナー部R7及びスロット内導線部S8、第8コーナー部R8が形成されることで内周側突出部F7となり、円周導線部E9はスロット内導線部S9、第9コーナー部R9及びスロット内導線部S10、第10コーナー部R10が形成されることで内周側突出部F9となる。
ここで、コーナー部Rは図7Cに示されるように第1コーナー部R1から第10コーナー部R10に行くにつれて曲げ半径が平角導体D同士重ならないように順に大きくなるように形成される。直線導線部PS1乃至直線導線部PS10は前述したように徐々に長くなる様に形成されているのは、この第1コーナー部R1乃至第10コーナー部R10を形成した結果形成されたスロット内導線部S1乃至スロット内導線部S10の長さが等しくなるようにするためである。
このため、図6Cに示されるように直線導線部PS1に比べて直線導線部PS2は長くなっており、直線導線部PS1乃至直線導線部PS10は順に長く形成されることで、コーナー部R部分の長さの差を吸収できるように設定されている。
次に、端折波巻導線Cを円筒状に配置する手順について説明する。
図8Aに、端折波巻導線Cを3枚重ね合わせて円筒状となるように形成した模擬コイル籠CXの斜視図を示す。図8Bに、端折波巻導線Cを円筒状にした模擬コイル籠CXの側面図を示す。図8Cに、端折波巻導線Cを円筒状にした模擬コイル籠CXの上面視図を示す。図8Dに、端折波巻導線Cを円筒状にした模擬コイル籠CXの下面視図を示す。図9に、端折波巻導線Cの巻き取りイメージを平面図に示す。
便宜上、重ね合わせるコイルを第1端折波巻導線C1、第2端折波巻導線C2及び第3端折波巻導線C3と呼ぶ。本実施形態のコイル籠14は、図7A乃至図7Cで示された端折波巻導線Cを複数枚重ねて図9に示すように第1波巻導線組立体RCと第2波巻導線組立体LCを180度位相がずれた点を始点として巻き取り開始する。図8A乃至図8Dはこれを視覚的に説明するために3枚だけ端折波巻導線Cを重ねた状態で円筒状に形成し模擬コイル籠CXとして、第1端折波巻導線C1乃至第3端折波巻導線C3の平角導体Dの通る位置を説明するものである。なお、図8A乃至図8Dでは説明のため曲げ端部SS11及び曲げ端部SS21は省略したもの描いているが、曲げ端部SS11及び曲げ端部SS21がある場合でも同様の構成となる。
端折波巻導線Cを3枚重ねて円筒状にしたものを模擬コイル籠CXと呼ぶことにする。模擬コイル籠CXは、第1端折波巻導線C1、第2端折波巻導線C2及び第3端折波巻導線C3を順に重ねて円筒状に丸めている。この際、図8A示されるように第1端折波巻導線C1、第2端折波巻導線C2及び第3端折波巻導線C3の内周側突出部Fは、模擬コイル籠CXの内周側を向くように配置される。
また、模擬コイル籠CXのリード側ELには、第1導体端部SS1及び第2導体端部SS2が配置され、円周導線部E2、円周導線部E4、円周導線部E6、及び円周導線部E8はほぼ同じ高さに形成される。一方、反リード側ERには、内周側突出部F1、内周側突出部F3、内周側突出部F5、内周側突出部F7及び内周側突出部F9が異なる高さに配置される。なお、内周側突出部F1と内周側突出部F9は模擬コイル籠CXの軸方向から観察すると重なって見える位置に配置される。このため、図8Cでは内周側突出部F1が、図8Dでは対応する位置に内周側突出部F9が配置されている。
また、第1端折波巻導線C1の第1導体端部SS1は、円周導線部E8の内周側に配置される。円筒状に一周とちょっと巻回された後に、第2導体端部SS2が円周導線部E2の外周側に配置される構成となる。したがって、第1端折波巻導線C1のスロット内導線部C1S1とスロット内導線部C1S9が同じスロットH1の最内周と最外周より1つ手前に配置されることになる。第2端折波巻導線C2のスロット内導線部C2S1及びスロット内導線部C2S9についても、第1端折波巻導線C1のスロット内導線部C1S1及びスロット内導線部C1S9が納められるスロットH1の隣のスロットH1に同様の位置に納められる。第3端折波巻導線C3のスロット内導線部C3S1及びスロット内導線部C3S9についても同様となる。
また、第1端折波巻導線C1のスロット内導線部C1S2とスロット内導線部C1S10も同一のスロットH1内に配置される。スロット内導線部C1S2はスロットH1の最内周より1つ外側、スロット内導線部C1S10はスロットH1の最外周に配置される。第2端折波巻導線C2のスロット内導線部C2S2とスロット内導線部C2S10についてもスロット内導線部C1S2とスロット内導線部C1S10の納められるスロットH1の隣のスロットH1に同様の位置に納められる。第3端折波巻導線C3のスロット内導線部C3S2及びスロット内導線部C3S10についても同様となる。
このような手順によって模擬コイル籠CXは形成されるが、コイル籠14を形成する際には、端折波巻導線Cを24枚ずつ1スロット分ずつ順次ずらして重ねられ第1波巻導線組立体RC及び第2波巻導線組立体LCが形成され、図9に示すように第1波巻導線組立体RCと第2波巻導線組立体LCとを180度位相をずらした状態で1つの円筒となる様に巻回を開始する。
端折波巻導線Cを24枚ずつ1スロット分ずつ順次ずらして重ねるため、第1波巻導線組立体RC及び第2波巻導線組立体LCは、図9に示すように両端が薄く中央が厚くなっている。また、第1波巻導線組立体RC及び第2波巻導線組立体LCの厚みはスロットH1に入る平角導体Dの数と同じく、平角導体Dの厚み10枚分と等しく、図9では分かりにくいが、巻き始め側がコイル籠14の内側に、巻き終わり側がコイル籠14の外側に配置されるため、第1波巻導線組立体RC及び第2波巻導線組立体LCの形状は、コイル籠14の上面から見て略菱形となる。なお、図9では曲げ端部SS11及び曲げ端部SS21、及び内周側突出部Fを省いて示している。
図10Aに、ステータコアHにコイル籠14の半分を挿入した状態の平面図を示す。図10Bに、ステータコアHにコイル籠14の半分を挿入した状態のリード側からの斜視図を示す。図10Cに、ステータコアHにコイル籠14の半分を挿入した状態の反リード側からの斜視図を示す。説明のため、コイル籠14の半分だけ、すなわち第1波巻導線組立体RC又は第2波巻導線組立体LCの片方を用いて円筒状に形成したものをステータコアHに挿入したのが、図10A乃至図10Cである。便宜上、コイル籠14の半分だけで円筒形状を形成したものを半コイル籠CYと呼ぶことにする。
半コイル籠CYは、図10Aに示すように第1波巻導線組立体RCが渦巻き状に配置されて形成されている。第2波巻導線組立体LCは図示されないが図10Aの網掛けした第1波巻導線組立体RCの間に渦巻き状に巻かれることとなる。
第1導体端部SS1はステータGの外周方向に向かって凸になるように配置され、第2導体端部SS2は第1導体端部SS1と重ねて配置されることとなる。その様子は図10Aに示されている。なお、部分的に第1導体端部SS1及び第2導体端部SS2が形成されず、スロット内導線部S1及びスロット内導線部S2がステータGの軸方向に凸となる状態になっている部分がある。この部分は端子結束部SS3であり、図1に示す状態のステータGを形成した後に図示しないバスバによってステータGの外部に接続する端子と接続し、またはバスバによって連結することで中性点を形成する部分である。
半コイル籠CYは反リード側ERを示す図10Cに示される通り、反リード側ERにおいてもコイル籠14が形成された段階で第1波巻導線組立体RCと第2波巻導線組立体LCとが交互に積み重なる。このため、第1波巻導線組立体RCのみで形成される半コイル籠CYの反リード側ERには、第2波巻導線組立体LCが配置される隙間CYDが螺旋状に形成されている。
また、半コイル籠CYにおいても模擬コイル籠CXと同様に円周導線部E1、円周導線部E3、円周導線部E5、円周導線部E7、及び円周導線部E9が内周側に向けて曲げられているために、ステータコアHの内周面H5よりも内側にこれらの円周導線部Eが突出する形状となっている。
また、第1導体端部SS1と第2導体端部SS2はリード側ELで重ね合わされて溶接されることで接合されるが、図10Bには第2導体端部SS2が第1導体端部SS1と重ね合わされず単体で、図10Cには第1導体端部SS1が第2導体端部SS2と重ね合わされず単体で示されている部分がある。この部分は、図示されない第2波巻導線組立体LCの第1導体端部SS1及び第2導体端部SS2と重ね合わされて接合されることになり、これによって第1波巻導線組立体RCと第2波巻導線組立体LCとが電気的に接続されることになる。
以上、模擬コイル籠CX及び半コイル籠CYを用いてステータGについて説明したが、実際には、図9に示すような位置に第1波巻導線組立体RCと第2波巻導線組立体LCを180度位相が異なる配置して、同時に巻き込むような状態で渦巻き状に複数周巻き取ることで、第1波巻導線組立体RCと第2波巻導線組立体LCとで円筒状のコイル籠14を形成する。こうして図4A乃至図4Cに示す状態のコイル籠14を形成する。特に言及していないが第1波巻導線組立体RC及び第2波巻導線組立体LCを巻回する際には中央に円筒状の保持治具を用いている。この保持治具に第1波巻導線組立体RC及び第2波巻導線組立体LCの一端を保持させ、保持治具を回転させることで、コイル籠14を形成するのである。なお、本実施形態でのコイル籠14を形成するに当たって用意した波巻導線組立体の数は第1波巻導線組立体RCと第2波巻導線組立体LCの2つであるが、これを3つ以上にすることを妨げない。
このように形成されたコイル籠14は図4A乃至図4Cに示される状態であり、これを図3に示すステータコアHに挿入することで図1に示すステータGを形成する。図11Aに、ステータGの側面図を示す。図11Bに、ステータGの上面視図を示す。図11Aのリード側EL側から見た図である。図11Cに、ステータGの下面視図を示す。図11Aの反リード側ER側から見た図である。
ステータGは図11A乃至図11Cに示すような形状となる。なお、既に説明した図1は図11A乃至図11Cで示すステータGの斜視図である。ステータコアHに対してコイル籠14を反リード側ER側から挿入し、ステータGが形成される。ステータコアHのスロットH1には平角導体Dが10本配置される。本実施形態のステータGはU相V相W相の3相を有し、端子結束部SS3にコイル端子TCを溶接して外部と電気的に接続するための接続端子部分を形成する。
図12に、ステータGにコイル端子TCを接続する際の概念図を示す。曲げ端部SS11と曲げ端部SS21との接合、及び端子結束部SS3における第1導体端部SS1及び第2導体端部SS2とのバスバの溶接工程は、コイル籠14を形成した段階で溶接しても良いし、ステータコアHと組み合わせた後溶接しても良い。
ステータGの内周側に配置される第1導体端部SS1は、バスバと溶接などの手法で接続されて中性点NPを形成する。ステータGの外周側に配置される第2導体端部SS2は、相毎に接続されてU相端子TU、V相端子TV、W相端子TWを形成する。図12に示されるようにU相の場合は、U相の4つの第2導体端部SS2が結合されてU相端子TUと繋げられる。V相端子TV及びU相端子TUについても同様である。このようにコイル端子TCは形成される。
この後、曲げ端部SS11と曲げ端部SS21、第1導体端部SS1と中性点NP系西洋に用いられたバスバ、及び第2導体端部SS2とU相端子TU、V相端子TV、W相端子TWを構成するバスバの溶接部分を、絶縁性の高い樹脂材料を用いて絶縁保護する。
図13に、ステータGにロータ42を挿入する様子を示した側面図を示す。前述したように、ステータGにはステータコアHの内周面H5よりも内側に内周側突出部Fが配置されている。このため、ステータGにロータ42を挿入する際には図13に示すようにリード側EL側から挿入することとなる。
ロータ42はロータシャフト41とロータコア43とからなり、ステータコアHの内周面H5の内側にロータコア43が納められるようにステータGに挿入されて図示しないモータカバーに備えるベアリングに保持される。このようにロータ42とステータGを組み合わせることでモータMが形成される。
本実施形態のモータMは上記構成であるので、以下に説明するような作用及び効果を奏する。
まず、モータMの組み立て性の向上を図ることが可能となる点が上げられる。本実施形態のモータMは、平角導体Dを用いた波巻コイルとステータコアHを備えるステータGと、中心軸を備えるロータ42とを有するモータMにおいて、波巻コイルが、つづら折り状に連続して形成された複数の端折波巻導線Cを、順次ずらして重ね合わせて形成された第1波巻導線組立体RC及び第2波巻導線組立体LCを、複数周巻き取ることにより形成されたコイル籠14を有すること、コイル籠14の一端のコイルエンド部が、ステータコアHのスロット内導線部Sに対して、ロータ42側に折り曲げられていること、一端のコイルエンド部が、ステータコアHの内周面よりロータ42の軸心側に位置することを特徴とする。
端折波巻導線Cを積層して第1波巻導線組立体RC及び第2波巻導線組立体LCを形成し、これを複数周巻き取ることで円筒状に形成しコイル籠14を形成する。このコイル籠14の反リード側ERは内周側突出部Fが段付波巻導線Bを内側に曲げることで形成されている。
コイル籠14はステータコアHに対して反リード側ER側を近接するようにして挿入が可能である。これはコイル籠14のコイルエンドが内周側突出部Fとして折り曲げられているため、反リード側ERからステータコアHが備えるスロットH1に挿入する分には干渉する部分が無い。したがって、コイル籠14に無理な力をかけることなくコイル籠14をステータコアHに組み付けが可能である。
よって、課題に示したようなコイルを弾性変形させたことで生じたスプリングバックによりステータコアHのスロットH1から平角導体Dが飛び出す虞を低減することが可能となる。
また、コイル籠14が内周側突出部Fを有し、ステータコアHと組み付けが容易な構造となっているために、ステータコアHに分割型のステータコアを採用する必要がなくなる。波巻コイルにはその構造上分割型コアを用いるしかなかったが、分割型のステータコアは一体型のステータコアHと比べて鉄損が大きいと言う問題があった。しかしながらコイル籠14のような構造を採用することで一体型のステータコアHをモータMに用いることができ、モータMの鉄損を低減させることで性能向上に寄与することが可能となる。
また、コイル籠14が、第1波巻導線組立体RCと第2波巻導線組立体LCを有すること、第1波巻導線組立体RCと第2波巻導線組立体LCが、コイル籠14の円周上で180度異なる位置から同時に複数周巻き取られているので、内周側突出部Fが形成された端折波巻導線Cを、複数周巻き取るときに、容易にコイル籠14を形成することが可能となる。
端折波巻導線Cを48枚重ねて円筒状に形成する場合には、例えば端折波巻導線Cの直線導線部PS1と直線導線部PS2とが段差部K1付近を起点として遠ざかるように変形される必要がある。このため、端部同士を重ねる際に若干変形させる必要が出てくる。しかしながら、第1波巻導線組立体RC及び第2波巻導線組立体LCの2つに巻線導体組立体を分け、180度位相をずらして巻回することで、変形量を低減することができ、組み付け易さを向上させることができる。なお、本実施形態に示すように第1波巻導線組立体RCと第2波巻導線組立体LCの2つに分けるのではなく、3つ以上に分けても同様の効果がある。
また、ステータGにおいて曲げ端部SS11及び曲げ端部SS21をコイル籠14の外周に配置したことで、ステータGの軸方向の体格を低減することが可能である。曲げ端部SS11及び曲げ端部SS21をステータGの軸方向側に延長して接合するのではなく、コイル籠14の外周に配置していることで、コイル籠14のリード側ELの軸方向への突出量を低減しコイルエンドを小さくすることが可能となる。なお、コイル籠14の外周側に配置された曲げ端部SS11及び曲げ端部SS21は、図11B等に示される通りステータコアHの外周よりも小さくなる。したがって、ステータGの径方向にも大きくなることはない。
また、波巻導線が一端のコイルエンド部のうち最終のコイルエンド部が一番目のコイルエンド部と径方向で重なり合う構成となっている、すなわち、図5Aに示される波巻導線Aの直線導線部PS1、及び直線導線部PS2が、直線導線部PS9、及び直線導線部PS10と径方向に重なり合うことを特徴としているので、U相、V相、W相の隣接する端折波巻導線Cの端子の位置を、近接させて配置させることができる。
コイル籠14で考えれば、端折波巻導線Cが反リード側ERにおいて内周側突出部F1と内周側突出部F9とが軸方向で重なり合い、ステータコアHに挿入された場合には、スロット内導線部S1とスロット内導線部S9とが同じスロットH1に、スロット内導線部S2とスロット内導線部S10とが同じスロットH1に挿入される状態となる。このため、端子結束部SS3として1カ所に集約させ、U相端子TU、V相端子TV、W相端子TW、及び中性点NPの構造を単純化することができる。また、ステータGのコイルエンドを軸方向に短縮することができる。
また、コイル籠14の反リード側ERのコイルエンド部では、第2端折波巻導線C2が第1端折波巻導線C1に対してステータコアHに近い方向で重ね合わされていること、を特徴とするので、コイルエンド部の体積をコンパクトにすることができる。
波巻導線Aを段付波巻導線Bのように加工し、段差未形成部KA1乃至段差未形成部KA9を段差部K1乃至段差部K9とすることで、端折波巻導線Cに加工した際の内周側突出部F部分の乗り越え部分を形成することが可能となる。この乗り越え部は、図8Aに示すように第1端折波巻導線C1を第2端折波巻導線C2が乗り越えるような状況に組み合わされる。したがって、第2端折波巻導線C2が第1端折波巻導線C1よりステータコアHに近い方向で重ね合わされることとなる。この結果、平角導体D同士を綺麗に重ね合わせることが可能となり、ステータコアHのコイルエンド部の体積をコンパクトにすることが可能となる。
以上、本実施形態に則して発明を説明したが、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することにより実施することもできる。
例えば、本実施形態のステータGは48スロットのステータコアHを用いているが、設計上の要件から決定される構成であるため、これを変更することを妨げない。同様に波巻導線Aの九十九折れの折り返しの数や、スロットH1に入る平角導体Dの数などを変更することを妨げない。
14 コイル籠
42 ロータ
A 波巻導線
B 段付波巻導線
C 端折波巻導線
D 平角導体
E 円周導線部
F 内周側突出部
G ステータ
H ステータコア
M モータ
S スロット内導線部
42 ロータ
A 波巻導線
B 段付波巻導線
C 端折波巻導線
D 平角導体
E 円周導線部
F 内周側突出部
G ステータ
H ステータコア
M モータ
S スロット内導線部
【0003】
課題を解決するための手段
[0012]
上記課題を解決するために、本発明の一態様によるモータは以下のような特徴を有する。
[0013]
(1)平角導線を用いた波巻コイルとステータコアを備えるステータと、中心軸を備えるロータとを有するモータにおいて、前記波巻コイルが、つづら折り状で順次、直線部の長さが長くなるように連続して形成され、一方のコイルエンド部が、前記ステータコアのスロット内導線部に対して、前記ロータ側に折り曲げられている複数の波巻導線を、順次ずらして重ね合わせて形成された波巻導線組立体を、複数周巻き取ることにより形成されたコイル籠を有すること、前記波巻導線の折り曲げ半径が、順次大きく成形されていること、前記波巻導線のコイルエンド部に、前記平角導線の厚み分の段差部が形成されており、前記コイル籠のスロット内導線の半径方向の位置が、順次ずれていること、前記一端のコイルエンド部が、前記ステータコアの内周面より前記ロータの軸心側に位置していること、を特徴とする。
[0014]
(2)(1)に記載するモータにおいて、前記波巻導線の一端に形成されるターン部と他端に形成されるターン部とが、前記コイル籠の前記一端のコイルエンド部で前記ステータコアの軸方向に重なり合うこと、を特徴とすることが好ましい。
(3)(1)に記載するモータにおいて、複数の前記波巻導線組立体の先端を、渦巻状に同時に巻き込むことにより、前記コイル籠が成形されること、を特徴とすることが好ましい。
発明の効果
[0015]
上記構成を有する本発明のモータの一態様により、次のような作用、効果が得られる。
[0016]
前記(1)に記載される発明の態様は、平角導線を用いた波巻コイルとステータコアを備えるステータと、中心軸を備えるロータとを有するモータにおいて、波巻コイルが、つづら折り状で順次、直線部の長さが長くなるように連続して形成され、一方のコイルエンド部が、ステータコアのスロット内導線部に対して、ロータ側に折り曲げられている複数の波巻導線を、順次ずらして重ね合わせて形成された波巻導線組立体を、複数周巻き取ることにより形成されたコイル籠を有すること、波巻導線の折り曲げ半径が、順次大きく成形されていること、波巻導線のコイルエンド部に、平角導線の厚み分の段差部が形成されており、コイル籠のスロット内導線の半径方向の位置が、順次ずれていること、一端のコイルエンド部が、ステータコアの内周面よりロータの軸心側に位置していること、を特徴とするので、一端のコイルエンド部リード側を先頭として、ステータのスロットに対して、軸心側からコイルを挿入しようとするときに、一端のコイルエンド部となる反リード側に形成さ
課題を解決するための手段
[0012]
上記課題を解決するために、本発明の一態様によるモータは以下のような特徴を有する。
[0013]
(1)平角導線を用いた波巻コイルとステータコアを備えるステータと、中心軸を備えるロータとを有するモータにおいて、前記波巻コイルが、つづら折り状で順次、直線部の長さが長くなるように連続して形成され、一方のコイルエンド部が、前記ステータコアのスロット内導線部に対して、前記ロータ側に折り曲げられている複数の波巻導線を、順次ずらして重ね合わせて形成された波巻導線組立体を、複数周巻き取ることにより形成されたコイル籠を有すること、前記波巻導線の折り曲げ半径が、順次大きく成形されていること、前記波巻導線のコイルエンド部に、前記平角導線の厚み分の段差部が形成されており、前記コイル籠のスロット内導線の半径方向の位置が、順次ずれていること、前記一端のコイルエンド部が、前記ステータコアの内周面より前記ロータの軸心側に位置していること、を特徴とする。
[0014]
(2)(1)に記載するモータにおいて、前記波巻導線の一端に形成されるターン部と他端に形成されるターン部とが、前記コイル籠の前記一端のコイルエンド部で前記ステータコアの軸方向に重なり合うこと、を特徴とすることが好ましい。
(3)(1)に記載するモータにおいて、複数の前記波巻導線組立体の先端を、渦巻状に同時に巻き込むことにより、前記コイル籠が成形されること、を特徴とすることが好ましい。
発明の効果
[0015]
上記構成を有する本発明のモータの一態様により、次のような作用、効果が得られる。
[0016]
前記(1)に記載される発明の態様は、平角導線を用いた波巻コイルとステータコアを備えるステータと、中心軸を備えるロータとを有するモータにおいて、波巻コイルが、つづら折り状で順次、直線部の長さが長くなるように連続して形成され、一方のコイルエンド部が、ステータコアのスロット内導線部に対して、ロータ側に折り曲げられている複数の波巻導線を、順次ずらして重ね合わせて形成された波巻導線組立体を、複数周巻き取ることにより形成されたコイル籠を有すること、波巻導線の折り曲げ半径が、順次大きく成形されていること、波巻導線のコイルエンド部に、平角導線の厚み分の段差部が形成されており、コイル籠のスロット内導線の半径方向の位置が、順次ずれていること、一端のコイルエンド部が、ステータコアの内周面よりロータの軸心側に位置していること、を特徴とするので、一端のコイルエンド部リード側を先頭として、ステータのスロットに対して、軸心側からコイルを挿入しようとするときに、一端のコイルエンド部となる反リード側に形成さ
Claims (2)
- 平角導線を用いた波巻コイルとステータコアを備えるステータと、中心軸を備えるロータとを有するモータにおいて、
前記波巻コイルが、つづら折り状に連続して形成された複数の波巻導線を、順次ずらして重ね合わせて形成された波巻導線組立体を、複数周巻き取ることにより形成されたコイル籠を有すること、
前記コイル籠の一端のコイルエンド部が、前記ステータコアのスロット内導線部に対して、前記ロータ側に折り曲げられていること、
前記一端のコイルエンド部が、前記ステータコアの内周面より前記ロータの軸心側に位置していること、
を特徴とするモータ。 - 請求項1に記載するモータにおいて、
前記波巻導線の一端に形成されるターン部と他端に形成されるターン部とが、前記コイル籠の前記一端のコイルエンド部で前記ステータコアの軸方向に重なり合うこと、
を特徴とするモータ。
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