JPWO2012043799A1 - 多層回路基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、本発明によれば、
〔1〕熱硬化性樹脂と硬化剤(I)とを含有する硬化性組成物を用いて、未硬化又は半硬化の樹脂層を、基板上に形成した(工程A)後、硬化剤(I)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化不可能な温度において熱硬化性樹脂を実質的に硬化可能な硬化剤(II)を、前記樹脂層表面に接触させた後、硬化剤(I)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化不可能な温度であって、硬化剤(II)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化可能な温度で前記樹脂層を加熱し(工程B)、次いで硬化剤(I)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化可能な温度で前記樹脂層を加熱して硬化させ、電気絶縁層を形成する(工程C)、多層回路基板の製造方法、
〔2〕工程Aにおいて、未硬化又は半硬化の樹脂層が、前記硬化性組成物のフィルム状又はシート状成形体を、前記基板の表面に貼り合わせて形成される前記〔1〕記載の多層回路基板の製造方法、
〔3〕工程Aにおいて、未硬化又は半硬化の樹脂層が基板の片面にのみ形成される前記〔1〕又は〔2〕記載の多層回路基板の製造方法、
〔4〕工程Bにおいて、硬化剤(II)の樹脂層表面への接触が、樹脂層が形成された基板を、硬化剤(II)の水溶液中に浸漬させて行われる前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の多層回路基板の製造方法、
〔5〕熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹脂、脂環式オレフィン重合体、芳香族ポリエーテル重合体、ベンゾシクロブテン重合体、シアネートエステル重合体、液晶ポリマー、及びポリイミドからなる群より選択される少なくとも1種である前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載の多層回路基板の製造方法、
〔6〕硬化剤(I)が、多価エポキシ化合物、ジカルボン酸誘導体、及びポリオール化合物からなる群より選択される少なくとも1種である前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載の多層回路基板の製造方法、
〔7〕硬化剤(II)が、ポリスルフィド;ポリメルカプタン;ポリアミド;イミダゾール;並びに、鎖状脂肪族ポリアミン、環状脂肪族ポリアミン、脂肪芳香族アミン、芳香族アミン、及びそれらのアミン錯体;からなる群より選択される少なくとも1種である前記〔1〕〜〔6〕いずれか記載の多層回路基板の製造方法、並びに
〔8〕前記〔1〕〜〔7〕いずれかに記載の多層回路基板の製造方法により製造された多層回路基板、が提供される。
本発明の多層回路基板の製造方法は、次の3つの工程を有する。
(工程A)熱硬化性樹脂と硬化剤(I)とを含有する硬化性組成物を用いて、未硬化又は半硬化の樹脂層を、基板上に形成する工程。
(工程B)硬化剤(I)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化不可能な温度において熱硬化性樹脂を実質的に硬化可能な硬化剤(II)を、前記樹脂層表面に接触させた後、硬化剤(I)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化不可能な温度であって、硬化剤(II)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化可能な温度で前記樹脂層を加熱する工程。
(工程C)硬化剤(I)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化可能な温度で前記樹脂層を加熱して硬化させ、電気絶縁層を形成する工程。
各工程について、以下に詳述する。
工程Aで用いる基板は、特に限定されるものではないが、通常、電気絶縁層aの表面の一方又は両方に導電体回路層aが形成されてなる基板が用いられる。かかる基板の具体例としては、プリント配線基板、シリコンウェハー基板、及びガラス基板などの、電気絶縁層と、その表面に形成された導電体回路層とからなる基板が挙げられる。基板の厚さは、通常50μm〜2mm、好ましくは60μm〜1.6mm、より好ましくは100μm〜1mmである。
ここで未硬化の樹脂層とは、樹脂層を構成する熱硬化性樹脂が溶解可能な溶剤に、実質的に樹脂層全部が溶解可能な状態のものである。半硬化の樹脂層とは、加熱によって更に硬化しうる程度に硬化された状態のものであり、樹脂層を構成している熱硬化性樹脂が溶解可能な溶剤に一部が溶解する状態のものである。
脂環式オレフィン単量体又は芳香族オレフィン単量体と共重合可能な単量体としては、エチレン;プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、及び1−エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、及び1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;等が挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、脂環式オレフィン重合体のなかでも、特に好ましい重合体であるノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素添加物は、その構造の違いから、CnH2nで表されるオレフィンを共重合して得られるポリオレフィン樹脂とは異種の重合体に分類されるものである。本明細書において「ノルボルネン系単量体」とは、ノルボルネン環構造を有する脂環式オレフィン単量体をいう。
分子量調整剤として用いるビニル化合物としては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンなどのα−オレフィン化合物;スチレンやビニルトルエンなどのスチレン化合物;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、及びアリルグリシジルエーテルなどのエーテル化合物;アリルクロライドなどのハロゲン含有ビニル化合物;酢酸アリル、アリルアルコール、及びグリシジルメタクリレートなどの酸素含有ビニル化合物;アクリルアミドなどの窒素含有ビニル化合物;などが挙げられる。ジエン化合物としては、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエン、及び2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンなどの非共役ジエン化合物;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、及び1,3−ヘキサジエンなどの共役ジエン化合物;が挙げられる。
硬化性組成物の硬化は、該組成物を加熱することにより進行するが、以上の硬化剤(I)の、熱硬化性樹脂を実質的に硬化可能な温度域は、通常、150〜300℃の範囲である。
本発明に用いる硬化性組成物への硬化剤(I)の配合量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対して、通常、1〜500重量部である。
紫外線吸収剤の具体例としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、及びp−オクチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系化合物;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、及びビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイルフェニル)メタンなどのベンゾフェノン系化合物;
紫外線吸収剤の配合量は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜10重量部である。
溶液キャスト法に使用する支持体として、樹脂フィルム(キャリアフィルム)や金属箔などが挙げられる。樹脂フィルムとしては、通常、熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネイトフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、及びナイロンフィルムなどが挙げられる。これらの樹脂フィルム中、耐熱性、耐薬品性、及び積層後の剥離性などに優れることから、ポリエチレンテレフタレートフィルム、及びポリエチレンナフタレートフィルムが好ましい。金属箔としては、例えば、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、クロム箔、金箔、及び銀箔などが挙げられる。導電性が良好で安価であることから、銅箔、特に電解銅箔や圧延銅箔が好適である。支持体の厚さは特に制限されないが、作業性等の観点から、通常1〜150μm、好ましくは2〜100μm、より好ましくは3〜50μmである。
工程Bでは、硬化剤(I)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化不可能な温度において熱硬化性樹脂を実質的に硬化可能な硬化剤(II)を、工程Aで基板上に形成した樹脂層表面に接触させた後、硬化剤(I)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化不可能な温度であって、硬化剤(II)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化可能な温度で、硬化剤(II)と接触させた後の樹脂層を加熱する。
硬化剤(II)の樹脂層表面への接触操作後、硬化剤(II)の過剰分を除去する目的で、窒素などの不活性ガスを吹きかける方法をとってもよい。また、かかる除去操作前に、水又は有機溶剤で基板表面を洗浄してもよい。
なお、使用温度において硬化剤(II)が液状であり、硬化剤(II)の樹脂層表面への接触操作に支障がない場合は、硬化剤(II)を、特に溶媒に溶解することなく、そのまま用いて接触操作を行なうことも可能である。
上記(工程B)に続いて、硬化剤(I)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化可能な温度で、予備硬化を経た樹脂層を加熱して硬化させ、電気絶縁層を形成する。
本発明によれば、基板の片面にのみ多層回路を形成する場合であっても、実質的に反りのない多層回路基板を得ることができる。そのため、個別チップに切り分ける前のシリコンウエハー基板に直接、多層回路を形成することで、パッケージの面積をチップと同等に抑えられる「ウエハー・レベル・パッケージ(WLP:Wafer Level Package)」技術において、シリコンウエハー基板上に多層回路を形成する方法として、本発明の多層回路基板の製造方法は特に好適である。
重合1段目として5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(以下、「EdNB」と略記する)35モル部、1−ヘキセン0.9モル部、アニソール340モル部およびルテニウム系重合触媒として4−アセトキシベンジリデン(ジクロロ)(4,5−ジブロモ−1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(C1063、和光純薬社製)0.005部を、窒素置換した耐圧ガラス反応器に仕込み、攪拌下に80℃で30分間の重合反応を行ってノルボルネン系単量体の開環重合体(以下、ノルボルネン系開環重合体という。)の溶液を得た。
次いで、重合2段目として重合1段目に得た溶液中にテトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(メタノテトラヒドロフルオレン、以下、「MTF」と略記する。)35モル部、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物(以下、「NDCA」と略記する)30モル部、アニソール250モル部およびC1063 0.01部を追加し、攪拌下に80℃で1.5時間の重合反応を行ってノルボルネン系開環重合体の溶液を得た。この溶液について、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、実質的に単量体が残留していないことが確認され、重合転化率は99%以上であった。
次いで、窒素置換した攪拌機付きオートクレーブに、得られた開環重合体の溶液を仕込み、C1063 0.03部を追加し、150℃、水素圧7MPaで、5時間攪拌させて水素添加反応を行って、ノルボルネン系開環重合体の水素添加物である重合体(A−1)の溶液を得た。得られた重合体(A−1)の重量平均分子量は60,000、数平均分子量は30,000、分子量分布は2であった。また、水素添加率は95%であり、カルボン酸無水物基を有する繰り返し単位の含有率は30モル%であった。重合体(A−1)の溶液の固形分濃度は22%であった。
MTF 70モル部、NDCA 30モル部、1−ヘキセン0.9モル部、アニソール590モル部およびC1063 0.015モル部を、窒素置換した耐圧ガラス反応器に仕込み、攪拌下に80℃で1時間の重合反応を行ってノルボルネン系開環重合体の溶液を得た。この溶液について、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、実質的に単量体が残留していないことが確認され、重合転化率は99%以上であった。
次いで、窒素置換した攪拌機付きオートクレーブに、得られた開環重合体の溶液を仕込み、150℃、水素圧7MPaで、5時間攪拌させて水素添加反応を行って、ノルボルネン系開環重合体の水素添加物である重合体(A−2)の溶液を得た。得られた重合体(A−2)の重量平均分子量は50,000、数平均分子量は26,000、分子量分布は1.9であった。また、水素添加率は97%であり、カルボン酸無水物基を有する繰り返し単位の含有率は30モル%であった。重合体(A−2)の溶液の固形分濃度は22%であった。
MTF 70モル部、NDCA 30モル部、1−ヘキセン6モル部、アニソール590モル部およびC1063 0.015モル部を、窒素置換した耐圧ガラス反応器に仕込み、攪拌下に80℃で1時間の重合反応を行ってノルボルネン系開環重合体の溶液を得た。この溶液について、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、実質的に単量体が残留していないことが確認され、重合転化率は99%以上であった。
次いで、窒素置換した攪拌機付きオートクレーブに、得られた開環重合体の溶液を仕込み、150℃、水素圧7MPaで、5時間攪拌させて水素添加反応を行った。次いで、得られた水素化反応溶液を濃縮して、ノルボルネン系開環重合体の水素添加物である重合体(A−3)の溶液を得た。得られた重合体(A−3)の重量平均分子量は10,000、数平均分子量は5,000、分子量分布は2であった。また、水素添加率は97%であり、カルボン酸無水物基を有する繰り返し単位の含有率は30モル%であった。重合体(A−3)の溶液の固形分濃度は55%であった。
前記重合体(A−1)の溶液450部、および球状シリカ(アドマファイン(登録商標)SO−C1、アドマテックス社製、体積平均粒径0.25μm)40%と前記重合体(A−2)2%とをアニソールに分散したシリカスラリー150部を混合し、遊星式攪拌機で3分間攪拌した。
これに、硬化剤(I)として多官能エポキシ樹脂(1032H60、三菱化学社製、エポキシ当量163〜175)をアニソールに70%溶解した溶液4.5部、レーザー加工性向上剤として2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール1部、老化防止剤としてトリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート1部、エラストマーとして液状エポキシ化ポリブタジエン(Ricon(登録商標)657、サートマー・ジャパン社製)をアニソールに80%溶解した溶液3部、およびアニソール370部を混合し、遊星式攪拌機で3分間攪拌した。
さらにこれに、硬化促進剤として1−(2−アミノエチル)−2−メチル−1H−イミダゾールをアニソールに1%溶解した溶液70部を混合し、遊星式攪拌機で5分間攪拌して硬化性組成物(B−1)のワニスを得た。ワニスの粘度は、230mPa・secであった。
前記重合体(A−2)の溶液44部、前記重合体(A−3)の溶液32部、および表面処理球状シリカ(アドマファインSC−2500−SXJ、アドマテックス社製、アミノシランタイプシランカップリング剤処理)78%と前記重合体(A−3)2%とをアニソールに混合し、高圧ホモジナイザーで15分間処理し、分散させたシリカスラリー863部を混合し、遊星式攪拌機で3分間攪拌した。
これに、硬化剤(I)としてフルオレン系エポキシ樹脂(オグソール(登録商標)PG−100、大阪ガスケミカル社製、エポキシ当量163〜175)123部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔エピコート(登録商標)828EL、三菱化学社製、エポキシ当量184〜194〕28部、多官能エポキシ樹脂1032H60 23部、老化防止剤としてトリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート1部、ジシクロペンタジエン型ノボラック樹脂(GDP−6095LR、群栄化学工業社製)81部、CP−002(フルオレン系フェノールモノマーとビスフェノールAの混合物、大阪ガスケミカル社製)をアニソールに50%溶解した溶液60部を混合し、遊星式攪拌機で3分間攪拌した。さらにこれに、硬化促進剤として1−べンジル−2−フェニルイミダゾールをアニソールに5%溶解した溶液25部を混合し、遊星式攪拌機で5分間攪拌して硬化性組成物(B−2)のワニスを得た。ワニスの粘度は、2300mPa・secであった。
硬化性組成物(B−1)のワニスを、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上にワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、窒素雰囲気下、130℃で90秒間乾燥させて、未硬化の硬化性組成物(B−1)の厚みが3μmの樹脂層が形成された支持体付きフィルム(C−1)を得た。
次に、支持体付きフィルム(C−1)の硬化性組成物(B−1)の面に、硬化性組成物(B−2)のワニスを、ドクターブレード(テスター産業社製)とオートフィルムアプリケーター(テスター産業社製)を用いて塗布し、次いで、窒素雰囲気下、80℃で10分間乾燥させて、硬化性組成物の総厚みが13μmの樹脂層が形成された支持体付きフィルム(C−2)を得た。支持体付きフィルム(C−2)は、支持体、硬化性組成物(B−1)の樹脂層、硬化性組成物(B−2)の樹脂層の順で形成された。
基板として直径4インチの円形ガラス基板(D263、ショット社製、厚み150μm)の片方の面に、上記で得られた支持体付きフィルム(C−2)を、硬化性組成物(B−2)の樹脂層の面が基板と重なるようにして、重ね合わせた。これを、耐熱ゴム製プレス板を上下に備えた真空ラミネータ(名機製作所社製)を用いて、真空度13hPa以下で30秒間減圧した後、耐熱ゴム製プレス板で圧着温度110℃、圧着圧力0.1MPaで60秒間加熱圧着した(一次プレス)。さらに、金属製プレス板を上下に備えた油圧プレス装置を用いて、圧着温度110℃、1MPaで90秒間、加熱圧着した(二次プレス)。次いで支持体を剥がすことにより、硬化性組成物の樹脂層と基板との積層体を得た。
TETA5%水溶液に替えてイオン交換水としたこと以外は、実施例1と同じ方法で絶縁層が形成された積層基板を得た。なお、樹脂層の総厚みは14μmとなった。得られた積層基板について反り量を測定したところ、反り量は2.5mmであった。結果を表1に示す。
硬化性組成物の樹脂層と基板との積層体を、TETA5%水溶液に浸漬した後、多段階の加熱処理を行なうことなく、オーブンにて180℃で60分間加熱して樹脂層を完全硬化させたこと以外は、実施例1と同じ方法で絶縁層が形成された積層基板を得た。なお、樹脂層の総厚みは14μmとなった。得られた積層基板について反り量を測定したところ、反り量は3mmであった。結果を表1に示す。
Claims (8)
- 熱硬化性樹脂と硬化剤(I)とを含有する硬化性組成物を用いて、未硬化又は半硬化の樹脂層を、基板上に形成した(工程A)後、硬化剤(I)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化不可能な温度において熱硬化性樹脂を実質的に硬化可能な硬化剤(II)を、前記樹脂層表面に接触させた後、硬化剤(I)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化不可能な温度であって、硬化剤(II)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化可能な温度で前記樹脂層を加熱し(工程B)、次いで硬化剤(I)が熱硬化性樹脂を実質的に硬化可能な温度で前記樹脂層を加熱して硬化させ、電気絶縁層を形成する(工程C)、多層回路基板の製造方法。
- 工程Aにおいて、未硬化又は半硬化の樹脂層が、前記硬化性組成物のフィルム状又はシート状成形体を、前記基板の表面に貼り合わせて形成される請求項1記載の多層回路基板の製造方法。
- 工程Aにおいて、未硬化又は半硬化の樹脂層が基板の片面にのみ形成される請求項1又は2記載の多層回路基板の製造方法。
- 工程Bにおいて、硬化剤(II)の樹脂層表面への接触が、樹脂層が形成された基板を、硬化剤(II)の水溶液中に浸漬させて行われる請求項1〜3いずれか記載の多層回路基板の製造方法。
- 熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹脂、脂環式オレフィン重合体、芳香族ポリエーテル重合体、ベンゾシクロブテン重合体、シアネートエステル重合体、液晶ポリマー、及びポリイミドからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜4いずれか記載の多層回路基板の製造方法。
- 硬化剤(I)が、多価エポキシ化合物、ジカルボン酸誘導体、及びポリオール化合物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜5いずれか記載の多層回路基板の製造方法。
- 硬化剤(II)が、ポリスルフィド;ポリメルカプタン;ポリアミド;イミダゾール;並びに、鎖状脂肪族ポリアミン、環状脂肪族ポリアミン、脂肪芳香族アミン、芳香族アミン、及びそれらのアミン錯体;からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜6いずれか記載の多層回路基板の製造方法。
- 請求項1〜7いずれかに記載の多層回路基板の製造方法により製造された多層回路基板。
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