JPWO2012043699A1 - 粒状洗剤組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、界面活性剤とアルカリ剤とを含有する洗剤粒子が、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダーで被覆されていることを特徴とする粒状洗剤組成物及びその製造方法に関する。前記有機キレート剤はメチルグリシン二酢酸、及びその塩から選択される少なくとも1種の有機キレート剤であることが好ましく、前記水不溶性無機化合物はゼオライトであることが好ましい。本発明によれば、界面活性剤が低濃度であっても、発塵しにくく、かつ、流動性に優れる粒状洗剤組成物及びその製造方法を提供することができる。

Description

本発明は、粒状洗剤組成物及びその製造方法に関する。
本願は、2010年10月1日に、日本に出願された特願2010−224125号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
粒状洗剤組成物は、輸送などの際に洗剤組成物粒子同士の接触によって微粉末が生じて発塵しやすい。この発塵は特に消費者の使用性の観点から問題となるため、粒状洗剤組成物においては、微粉末の発生量を低減すること(発塵抑制)が要求されている。
また、粒状洗剤組成物には、使用時の取扱い性などの観点から、塊状になりにくく、流動性が高いことも要求されている。
これらの発塵抑制と流動性を満足するため、アニオン界面活性剤を20〜50重量%含有する粒状洗剤の表面を、ノニオン界面活性剤で被覆してなる粒状洗剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。
また、粒状洗剤組成物の流動性を高めるため、以下に示す(1)、(2)の技術が提案されている。
(1)混合機に、特定の無機塩の一部または全部であって、特定のキレート剤の投入量の0.5〜20倍に相当する量の前記無機塩を予め投入し、次いで、前記キレート剤と、前記無機塩の残部がある場合にその残部とを投入し、前記無機塩と前記キレート剤とを混合しながらまたは混合した後に、ノニオン界面活性剤を投入して混合する粉末洗剤組成物の製造方法(特許文献2参照)。
(2)界面活性剤を含有する粒子(I)と、(a)特定のキレート剤並びに(b)カルボン酸もしくはポリカルボン酸又はこれらの塩及びアルキル硫酸もしくはポリオキシアルキレンアルキル硫酸又はこれらの塩から選ばれる一種以上を含有する部分中和有機キレート剤粒子(II)とを含有する洗剤組成物(特許文献3参照)。
特開平9−302383号公報 特開2008−174724号公報 特開2002−20792号公報
ところで、近年、洗濯事情の変化や環境負荷に対する意識の高まりから、界面活性剤濃度の低い洗剤組成物が主流になってきており、洗剤組成物中の無機ビルダー又はアルカリ剤の配合比率が高くなってきている。これに伴い、粒状洗剤組成物は、従来よりも微粉末の発生量が増える傾向にあり、発塵しやすくなってきている。
特許文献1に記載された技術は、界面活性剤濃度が高い従来の粒状洗剤組成物についてのものである。界面活性剤濃度の低い洗剤組成物を製造する際、特許文献1の技術(ノニオン界面活性剤で被覆するのみ)では発塵を抑制しきれない。これに対して、ノニオン界面活性剤の使用量を増やす方法が考えられるものの、その場合、洗剤組成物粒子同士がくっつき合ってダマが発生しやすい問題がある。
特許文献2に記載された技術は、洗剤原料を順次混ぜ合わせているのみであるため、界面活性剤濃度の低い洗剤組成物を製造する場合、発塵抑制が不充分であり、流動性についても満足できるものではない。
特許文献3に記載された技術は、粒子(I)と粒子(II)とを単に混ぜているため、界面活性剤濃度が低くなるのに伴って発塵しやすい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、界面活性剤が低濃度であっても、発塵しにくく、かつ、流動性に優れる粒状洗剤組成物及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、上記課題を解決するために以下の手段を提供する。
すなわち、本発明の粒状洗剤組成物は、界面活性剤とアルカリ剤とを含有する洗剤粒子が、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダーで被覆されていることを特徴とする。
本発明の粒状洗剤組成物においては、前記有機キレート剤がメチルグリシン二酢酸、及びその塩から選択される少なくとも1種の有機キレート剤であることが好ましい。
また、本発明の粒状洗剤組成物においては、前記水不溶性無機化合物がゼオライトであることが好ましい。
また、本発明の粒状洗剤組成物においては、前記界面活性剤が、アニオン界面活性剤、及びノニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一種の界面活性剤であることが好ましい。
本発明の粒状洗剤組成物においては、前記アルカリ剤が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び炭酸水素ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ剤であることが好ましい。
本発明の粒状洗剤組成物においては、前記バインダーが、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルであることが好ましい。
また、本発明の粒状洗剤組成物の製造方法は、前記本発明の粒状洗剤組成物の製造方法であって、界面活性剤とアルカリ剤とを含有する洗剤粒子を、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダーで被覆することを特徴とする。
本発明によれば、界面活性剤が低濃度であっても、発塵しにくく、かつ、流動性に優れる粒状洗剤組成物及びその製造方法を提供することができる。
(粒状洗剤組成物)
本発明の粒状洗剤組成物は、界面活性剤とアルカリ剤とを含有する洗剤粒子が、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダー(以下これらの3成分をまとめて「被覆用成分」という。)で被覆されているものである。
ここでいう「被覆」とは、洗剤粒子の表面全体が被覆用成分で覆われた状態(被覆率100%)のみならず、洗剤粒子の表面積の50%以上が覆われた状態を含むものである。
前記被覆率は、粒状洗剤組成物の粒子を電子顕微鏡等で観察した際、前記洗剤粒子の表面積に対する前記被覆用成分が付着している面積の割合をいう。
本発明の粒状洗剤組成物は、たとえば、前記洗剤粒子を、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダーとの3成分混合物で被覆し、3成分が洗剤粒子表面に混在したものでもよく、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダーをそれぞれ単独で任意に順次被覆し、被覆用成分が洗剤粒子表面に積層したものでもよく、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダーの内の任意の2成分混合物と残りの1成分とに分けて被覆し、2成分混合物と残りの1成分とが洗剤粒子表面に積層したものでもよい。なかでも、3成分が洗剤粒子表面に混在したもの、2成分混合物と残りの1成分(前記残りの1成分は、好ましくは有機キレート剤)とが洗剤粒子表面に積層したものが好ましい。
粒状洗剤組成物の平均粒子径は200〜1500μmが好ましく、300〜1000μmがより好ましい。平均粒子径が下限値以上であると、微粉末の発生が抑制され、一方、上限値以下であると、水への溶解性が向上する。
本発明において、「平均粒子径」は、目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μmの9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行うことにより求まる値である。
前記分級操作は、前記9段の篩を、受け皿に、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の目開き1680μmの篩の上から、100g/回の測定サンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩振盪機(飯田製作所社製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定する。
受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、下記数式より平均粒子径(質量50%径)を求めることができる。
Figure 2012043699
粒状洗剤組成物の嵩密度は、洗剤粒子の嵩密度を勘案して決定することができ、例えば500〜1200g/Lが好ましく、より好ましくは600〜1100g/Lである。嵩密度が下限値以上であれば、粒状洗剤組成物の保管時に必要なスペース(保管場所)をより少なくでき、有利となる。一方、上限値以下であれば、粒状洗剤組成物の水への溶解性が良好となる。
本発明において、嵩密度は、JIS K3362−1998に準じた方法により測定される値を示す(以下同じ)。
<洗剤粒子>
洗剤粒子は、界面活性剤とアルカリ剤とを含有する。
洗剤粒子の平均粒子径は200〜1000μmが好ましく、300〜500μmがより好ましい。平均粒子径が下限値以上であれば、微粉末の発生が抑制され、一方、上限値以下であれば、水への溶解性が向上する。
ここでの平均粒子径は、上述した分級操作を行うことにより求まる値である。
洗剤粒子の嵩密度は500〜1200g/Lが好ましく、800〜1000g/Lがより好ましい。洗剤粒子の嵩密度が下限値以上であれば、粒状洗剤組成物の保管時に必要なスペース(保管場所)をより少なくでき、有利となる。一方、上限値以下であれば、粒状洗剤組成物の水への溶解性が良好となる。
≪界面活性剤≫
界面活性剤は、従来、衣料用等の洗浄剤組成物に使用されているものであれば、特に限定されず、各種のものを使用することができる。
界面活性剤としては、たとえば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
・アニオン界面活性剤
アニオン界面活性剤は、たとえば以下に示すものが挙げられる。
炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS、ABS)。
炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩(SAS)。
炭素数10〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はこれらの混合物を付加した、アルキルエーテル硫酸塩又はアルケニルエーテル硫酸塩(AES)。
炭素数10〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はこれらの混合物を付加した、アルキルエーテルカルボン酸塩又はアルケニルエーテルカルボン酸塩。
炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
炭素数10〜20の高級脂肪酸塩(石鹸)。
α−スルホ脂肪酸塩又はそのエステル塩。好ましくは、炭素数8〜20(より好ましくは12〜18)の飽和若しくは不飽和のα−スルホ脂肪酸塩又はそのエステル塩(より好ましくは、メチルエステル塩(MES)、エチルエステル塩若しくはプロピルエステル塩)。
・ノニオン界面活性剤
ノニオン界面活性剤は、たとえば以下に示すものが挙げられる。
炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは平均5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル、又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル(アルコールアルコキシレート)。この中では、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテルが好適である。
ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。脂肪族アルコールのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル。
長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間に、アルキレンオキサイドが付加した、たとえば下記一般式(VI)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
CO−[ORn’−OR ・・・(VI)
[式(VI)中、RCOは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示し;ORは、炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキサイド(たとえば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)の付加単位を示し;n’はアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、好ましくは3〜30、より好ましくは5〜20の数である。Rは炭素数1〜3の置換基を有していてもよい低級(炭素数1〜4の)アルキル基を示す。]
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル。
上記のなかでも、ノニオン界面活性剤としては、融点が5℃〜50℃であることが好ましく、より好ましくは10℃〜40℃であり、かつ、HLBが7〜16であることが好ましく、より好ましくは8〜14である。
ここでの融点は、JIS K0064−1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に記載されている融点測定法によって測定された値である。
HLBは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。
かかるノニオン界面活性剤の具体例としては、融点が50℃以下であり、かつ、HLBが7〜16である、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が挙げられる。
・カチオン界面活性剤
カチオン界面活性剤は、たとえば、長鎖(好ましくは炭素数8以上)炭化水素基を1〜3個有するモノ、ジ、又はトリアルキルカチオンを用いることができる。特に、分子中に1〜2個のエステル基と、1〜2個の長鎖炭化水素基とを含むカチオン界面活性剤が好ましい。
カチオン界面活性剤の具体例としては、炭素数8〜22の長鎖アルキル基若しくはアルケニル基を1つ含むモノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、炭素数8〜22の長鎖アルキル基若しくはアルケニル基を2つ含むジ長鎖アルキルジメチルアンモニウムクロライド、炭素数8〜22の長鎖アルキル基若しくはアルケニル基を3つ含むトリ長鎖アルキルメチルアンモニウムクロライド、炭素数8〜22の長鎖アルキル基若しくはアルケニル基を1つ含むN−アシルオキシエチル−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムクロライド、炭素数8〜22の長鎖アルキル基若しくはアルケニル基を2つ含むN,N−ジアシルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド等を用いることができる。
・両性界面活性剤
両性界面活性剤は、長鎖(好ましくは炭素数8以上)炭化水素基を1個又は2個有するスルホベタイン、カルボキシベタインを用いることができる。
前記長鎖炭化水素基は、エステル基、アミド基又はエーテル基を含んでいてもよい。また、長鎖炭化水素基は、1鎖型であってもよく、2鎖型であってもよい。また、長鎖炭化水素基における飽和型/不飽和型の割合、炭素鎖長の分布、不飽和基のシス体/トランス体の比率などは、特に限定されるものではない。また、長鎖炭化水素基は、前述のカチオン界面活性剤の製造原料である脂肪酸あるいは脂肪酸メチルエステルから誘導されるものであってもよい。
両性界面活性剤の具体例としては、N,N−ジアシルオキシエチル−N−メチルアンモニオエチルサルフェート、N,N−ジアシルオキシエチル−N−メチルアンモニオエチルカルボキシレートなどのベタイン類;N−アシルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニオベタイン類、N−アシルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニオベタイン類、N−アシルアミドプロピル−N,N’−ジメチル−N’−β−ヒドロキシプロピルアンモニオベタイン等が挙げられる。
上記両性界面活性剤には、その窒素原子が4級化されてない化合物、原料であるアルカノールアミン、その中和物、又はその4級化物などのアミノベタインが含まれていてもよい。
界面活性剤における塩の形態は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩が挙げられ、これらが混在していてもよい。なかでも、アルカリ金属の塩が好ましい。
界面活性剤は、1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
上記のなかでも、界面活性剤は、洗浄性能が向上することから、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が好ましく、アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤とを併用することがより好ましい。
洗剤粒子中の界面活性剤の含有量は、30質量%未満であることが好ましく、5〜28質量%であることがより好ましく、10〜25質量%であることが特に好ましい。
洗剤粒子中の界面活性剤の含有量が30質量%未満であれば、粒状洗剤組成物全体に対する界面活性剤濃度が低くなり、本発明の技術的意義が高くなる。一方、界面活性剤の含有量が下限値以上であると、良好な洗浄効果が得られやすくなる。
≪アルカリ剤≫
アルカリ剤は、従来、衣料用等の洗浄剤組成物に使用されているものであれば、特に限定されず、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸塩;炭酸カリウムナトリウム等の複塩;珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の珪酸塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンなどが挙げられる。
アルカリ剤は、1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
上記のなかでも、アルカリ剤としては、炭酸塩を用いることが好ましい。
洗剤粒子中のアルカリ剤の含有量は、15〜60質量%であることが好ましく、25〜50質量%であることがより好ましい。
アルカリ剤の含有量が下限値以上であると、洗浄効果が向上する。一方、上限値以下であると、粒状洗剤組成物の水に対する溶解性が向上する。
≪その他成分≫
洗剤粒子は、前記の界面活性剤、アルカリ剤以外のその他成分を必要に応じて含有してもよい。
その他成分としては、衣料用等の洗浄剤組成物に通常使用されているものが挙げられ、有機ビルダー、無機ビルダーなどが挙げられる。
・有機ビルダー
有機ビルダーは、従来、衣料用等の洗浄剤組成物に使用されているものであれば、特に限定されず、たとえば、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸塩、アクリル酸−アリルアルコール共重合体の塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸の塩;ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体又は共重合体の塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体の塩;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物、カルボキシメチルセルロース等の多糖類誘導体等が挙げられる。
有機ビルダーは、1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
洗剤粒子中の有機ビルダーの含有量は、0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
有機ビルダーの含有量が下限値以上であると、洗浄効果が向上する。一方、上限値以下であると、洗剤粒子の固結防止が容易となる。
・無機ビルダー
無機ビルダーは、従来、衣料用等の洗浄剤組成物に使用されているものであれば、特に限定されず、結晶性アルミノ珪酸塩(A型ゼオライト、P型ゼオライト、X型ゼオライト等)、非晶質アルミノ珪酸塩;オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩;結晶性珪酸塩、炭酸塩と非晶質アルカリ金属珪酸塩との複合体などが挙げられる。
無機ビルダーは、1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
上記のなかでも、無機ビルダーとしては、結晶性アルミノ珪酸塩を用いることが好ましい。
洗剤粒子中の無機ビルダーの含有量は、10〜45質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。
無機ビルダーの含有量が下限値以上であると、洗浄効果が向上する。また、洗剤原料を混合する際の流動性が良くなる。一方、上限値以下であると、洗剤粒子の固結防止が容易となり、粒状洗剤組成物の嵩密度を高く制御できる。
・硫酸亜鉛
本発明の粒状洗剤組成物においては、過炭酸塩等(例えば過炭酸ナトリウム等)の漂白剤、前記漂白剤及びドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩等の有機過酸前駆体を使用した場合の除菌性能の点から、前記洗剤粒子が硫酸亜鉛を含有することが好ましい。そのなかでも、粒状洗剤組成物を水に溶解した際に洗剤粒子のゲル化・凝集が起きにくいことから、硫酸亜鉛水和物が特に好ましい。
硫酸亜鉛水和物における水分子の数は、粒状洗剤組成物を水に溶解した際に洗剤粒子のゲル化・凝集がより起きにくくなり、また、入手が容易でもあることから、1〜7が好ましく、原料として取扱いやすいことから、1が特に好ましい。
硫酸亜鉛は、1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
洗剤粒子中の硫酸亜鉛の含有量は、0.01〜3質量%であることが好ましく、0.02〜0.8質量%であることがより好ましく、0.2〜0.6質量%であることがさらに好ましい。
硫酸亜鉛の含有量が下限値以上であることにより、粒状洗剤組成物を水に溶解した際、洗剤粒子のゲル化・凝集がより起きにくくなり、粒状洗剤組成物の水に対する溶解性が向上する。一方、上限値以下であれば、配合効果が充分に得られる。
洗剤粒子は、上述した成分以外にも、その他成分として、還元剤、粒子強度保持剤(硫酸ナトリウム等の硫酸塩、珪酸塩など)、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酵素剤、漂白剤、漂白活性化剤(有機過酸前駆体など)、漂白活性化触媒、柔軟化剤、再汚染(沈着)防止剤、泡コントロール剤、香料、表面改質剤、吸油剤、粉砕助剤などを含有してもよい。
粒状洗剤組成物中の洗剤粒子の含有量は、80質量%〜99質量%が好ましく、85質量%〜98質量%がより好ましく、90〜98質量%が特に好ましい。上記範囲内であれば、被覆用成分とのバランスがとれ、充分な洗浄力が発揮できる。
<被覆用成分>
本発明の粒状洗剤組成物において、前記の洗剤粒子は、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダー(被覆用成分)で被覆されている。
≪水不溶性無機化合物≫
本発明において、「水溶性」と「水不溶性」との分類は、化学便覧基礎編II(改訂2版、777〜791頁、丸善、1975年)において溶解度積で表されるものを水不溶性とする。また、簡易判別法として、熱水(85℃以上)100mLに無機化合物5gを添加した際、その一部又は全部が残渣として残るものを水不溶性無機化合物とする。
水不溶性無機化合物としては、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、アルミノ珪酸塩などが挙げられる。
アルミノ珪酸塩としては、結晶性、無定形(非晶質)のいずれのものも用いることができ、カチオン交換能の点から結晶性アルミノ珪酸塩が好ましい。
結晶性アルミノ珪酸塩としては、A型、X型、Y型、P型の各ゼオライト等が好適に配合できる。結晶性アルミノ珪酸塩の平均一次粒子径は0.1〜10μmが好ましい。
結晶性アルミノ珪酸塩の市販品としては、東営市海星化工有限公司(HAIXING CHEMICAL CO.,LTD.OF DONGYING CITY)製のZEOLITE 4A(商品名);福建日盛化工有限公司(FUJIAN RISHENG C.L.,LTD.)製の4A ZEOLITE(商品名);山西楡次昶力高科有限公司(Shanxi Yuchi Changli High−Tech Co.,Ltd.)製の4A−Zeolite(商品名);中国アルミニウム業股▲分▼有限公司(ALUMINUM CORPORATION OF CHINA.,LTD.)製の4A ZEOLITE(商品名);氾盈化学(Huiying Chemical Products Co.,LTD.)製の4A Zeolite;タイシリケートケミカル(Thai Silicate Chemicals Co.,Ltd.)製のZeolite 4AType(商品名);コスモ社(COSMO FINE CHEMICALS CO.,LTD.)製のCOLITE−P(商品名);PQケミカル(PQ Chemicals Limited)製のVALFOR 100 Zeolite NaA;水澤化学工業株式会社製のシルトンB(商品名)等が好適なものとして挙げられる。
水不溶性無機化合物は、1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
上記のなかでも、水不溶性無機化合物としては、粒状洗剤組成物の流動性が良好なことから、アルミノ珪酸塩が好ましく、ゼオライトが特に好ましい。
粒状洗剤組成物中、被覆用成分としての水不溶性無機化合物の含有量は、0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜4質量%がより好ましく、1〜3質量%が特に好ましい。
水不溶性無機化合物の含有量が下限値以上であれば、粒状洗剤組成物の流動性が向上し、一方、上限値以下であれば、他の被覆用成分とのバランスがとれ、発塵抑制と流動性向上の効果が共に得られやすくなる。
≪有機キレート剤≫
有機キレート剤としては、特に限定されず、アミノカルボン酸又はその塩、ヒドロキシアミノカルボン酸又はその塩、ポリカルボン酸系高分子化合物などが挙げられる。
・アミノカルボン酸もしくはヒドロキシアミノカルボン酸又はそれらの塩
アミノカルボン酸もしくはヒドロキシアミノカルボン酸又はそれらの塩の具体例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸又はその塩、β−アラニン二酢酸又はその塩、下記の一般式(I)〜(III)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2012043699
[式(I)中、Xは水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子を表す。pは1又は2の整数を表す。式(II)中、X〜Xは同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はカチオン性アンモニウム基を表す。Rは水素原子又は水酸基を表し、Qは水素原子又はアルキル基を表し、nは0又は1の整数を表す。式(III)中、Yはアルキル基、水酸基又は水素原子を表す。X〜Xは同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はカチオン性アンモニウム基を表す。nは0〜5の整数を表す。]
・・前記一般式(I)で表される化合物
前記式(I)中、Xにおけるアルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
Xにおけるアルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。たとえばカルシウム(Ca)の場合、式(I)中の「−(COOX)」は「−(COOCa1/2」と表される。
なかでも、Xは、水素原子であることが好ましい。
前記式(I)中、pは、1又は2の整数を表し、1であることが好ましい。
pが2の場合、複数のXは、互いに、同一であっても異なっていてもよい。
pが1のとき、「−COOX」基のピリジン環への結合位置は、窒素原子に対してα位であることが好ましい。pが2のときも、少なくとも1つの「−COOX」基は、α位に結合していることが好ましい。残りの「−COOX」基は、β位又はγ位のいずれに結合していてもよい。
前記一般式(I)で表される化合物のなかで好適なものとしては、発塵抑制の効果が高いことから、下記化学式(1)で表される化合物(2−ピリジンカルボン酸)若しくはその塩、又は下記化学式(2)で表される化合物(2,6−ピリジンジカルボン酸(ジピコリン酸))若しくはその塩が挙げられる。
Figure 2012043699
・・前記一般式(II)で表される化合物
前記式(II)中、X〜Xにおけるアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子としては、前記式(I)中のXにおけるアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子とそれぞれ同じものが挙げられる。
なお、X〜Xのいずれかがアルカリ土類金属原子である場合、たとえばXがカルシウム(Ca)の場合、式(II)中の「−COOX」は「−COOCa1/2」と表される。
カチオン性アンモニウム基としては、たとえば、「(R11)(R12)(R13)(R14)N」(ただし、R11〜R14は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はフェニル基である。)等が挙げられる。
上記のなかでも、X〜Xは、いずれもアルカリ金属原子であることが好ましく、ナトリウム又はカリウムであることがより好ましい。
〜Xは、互いに、同一であっても異なっていてもよい。
前記式(II)中、Rは、水素原子又は水酸基を表し、水酸基であることが好ましい。
Qにおけるアルキル基としては、炭素数1〜4であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
は、0又は1の整数を表し、1であることが好ましい。
前記一般式(II)で表される化合物のなかで好適なものとしては、発塵抑制の効果が高いことから、下記化学式(3)で表される化合物(2,2’−イミノジコハク酸)若しくはその塩、又は下記化学式(4)で表される化合物(3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸)若しくはその塩が挙げられる。
Figure 2012043699
・・前記一般式(III)で表される化合物
前記式(III)中、Yにおけるアルキル基としては、炭素数1〜4であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
前記式(III)中、X〜Xにおけるアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子およびカチオン性アンモニウム基としては、前記式(II)中のX〜Xにおけるアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子およびカチオン性アンモニウム基といずれも同じものが挙げられる。
なお、X〜Xのいずれかがアルカリ土類金属原子である場合、たとえばXがカルシウム(Ca)の場合、式(III)中の「−COOX」は「−COOCa1/2」と表される。
上記のなかでも、X〜Xは、いずれもアルカリ金属原子であることが好ましく、ナトリウム又はカリウムであることがより好ましい。
〜Xは、互いに、同一であっても異なっていてもよい。
は、0〜5の整数を表し、0〜2であることが好ましい。
前記一般式(III)で表される化合物のなかで好適なものとしては、発塵抑制の効果が高いことから、下記化学式(5)で表される化合物(ニトリロトリ酢酸)、下記化学式(6)で表される化合物(メチルグリシン二酢酸)、下記化学式(7)で表される化合物(セリン二酢酸)又はそれらの塩が挙げられる。なかでも、メチルグリシン二酢酸又はその塩(MGDA)がより好ましい。
Figure 2012043699
前記一般式(I)〜(III)で表される化合物を洗剤粒子に被覆すると、前記化合物は、末端基の「−COOX」の一部又は全部が「−COO」となり、洗剤粒子表層に吸着する、と考えられる。
・ポリカルボン酸系高分子化合物
ここで「ポリカルボン酸系高分子化合物」とは、カルボキシ基を含む構成単位(繰返し単位)を有する重合物を意味し、好ましくは重量平均分子量が1000以上の重合物をいう。
前記ポリカルボン酸系高分子化合物の重量平均分子量は、1000以上であることが好ましく、1500〜200000の範囲がより好ましく、2000〜60000の範囲がさらに好ましい。ポリカルボン酸系高分子化合物の重量平均分子量が1000以上、特に1500以上であると、洗剤粒子表層に充分に吸着できて特に発塵抑制の効果が向上し、200000以下であると、洗剤粒子表層への吸着性が向上する。
なお、本明細書において、「重量平均分子量」とは、標準物質をポリエチレングリコール(PEG)としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析を行った値を示す。
ポリカルボン酸系高分子化合物のなかで好適なものとしては、炭化水素基を有する主鎖に、カルボキシ基又はカルボキシ基を含有する側鎖を導入したものが挙げられる。
たとえば、下記の一般式(IV)で表される構成単位を有するものが好ましく挙げられる。
Figure 2012043699
[式(IV)中、Zは水素原子、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は下記一般式(V)で表される基を表す。複数のZは同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、複数のZのうち、少なくとも一つは下記一般式(V)で表される基であって、WがCOOM’である。]
Figure 2012043699
[式(V)中、Wはアミノ基又はCOOM’(M’は水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルカノールアミン、又はNHである)を表す。qは0〜2の整数を表す。]
前記式(IV)中、Zにおけるアルキル基としては、炭素数1〜4であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
前記式(V)中、Wにおけるアミノ基としては、−NR(ただし、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である)等が好ましく挙げられる。
M’におけるアルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウムが好ましい。アルカリ土類金属原子としては、カルシウム、マグネシウムが好ましい。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
なかでも、M’としては、アルカリ金属原子が好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
また、M’が2つ以上ある場合、複数のM’は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
qは、0〜2の整数を表し、0が好ましい。
ポリカルボン酸系高分子化合物は、同一の構成単位の繰り返しからなる重合体であってもよく、複数種の構成単位の繰り返しからなる共重合体であってもよい。複数種の構成単位の繰り返しからなる共重合体である場合、その共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
ポリカルボン酸系高分子化合物の具体例としては、たとえばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリヒドロキシアクリル酸、ポリフマル酸、ポリアセタールカルボン酸、アクリル酸とマレイン酸との共重合体(アクリル酸−マレイン酸共重合体)、アクリル酸とアクリル酸アミドとの共重合体(アクリル酸−アクリル酸アミド共重合体)、又はこれらの塩が挙げられる。
上記の中でも、ポリカルボン酸系高分子化合物としては、発塵抑制の効果が高いことから、アクリル酸モノマーに由来する構成単位を有するものが好ましく、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸コポリマー、又はこれらの塩がより好ましく、アクリル酸−マレイン酸共重合体又はその塩が特に好ましい。
有機キレート剤は、1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
上記のなかでも、有機キレート剤としては、発塵抑制の効果が特に高いことから、アミノカルボン酸もしくはヒドロキシアミノカルボン酸又はそれらの塩が好ましく、前記一般式(III)で表される化合物がより好ましく、メチルグリシン二酢酸又はその塩(MGDA)が特に好ましい。
粒状洗剤組成物中、被覆用成分としての有機キレート剤の含有量は、0.1〜5質量%が好ましく、0.2〜3質量%がより好ましく、0.3〜1質量%が特に好ましい。
有機キレート剤の含有量が下限値以上であれば、粒状洗剤組成物の発塵抑制の効果が向上し、一方、上限値以下であれば、他の被覆用成分とのバランスがとれ、発塵抑制と流動性向上の効果が共に得られやすくなる。
≪バインダー≫
バインダーとしては、融点10℃以上のアルキレンオキサイド付加重合物が好適なものとして挙げられ、融点10〜40℃のアルキレンオキサイド付加重合物がより好ましく挙げられる。バインダーの融点が下限値以上であると、原液又は溶液としても容易に用いることができ、洗剤粒子に噴霧等の方法で被覆しやすい。
バインダーとして具体的には、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレンポリエチレングリコール(PPEG)等のグリコール;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のノニオン界面活性剤;飽和脂肪酸又はその塩、高級アルコールなどが挙げられる。
ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレンポリエチレングリコール(PPEG)としては、平均分子量100〜100000のものが好ましく、平均分子量500〜10000のものがより好ましく、平均分子量600〜6000のものがさらに好ましい。
ここでいうPEG又はPPEGの平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)に記載された平均分子量を示す。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数12〜20が好ましく、炭素数12〜16がより好ましい。
付加されているアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、ブチレンオキサイド(BO)が好ましい。
付加されているアルキレンオキサイドの付加モル数としては3〜30が好ましく、5〜20がより好ましい。
飽和脂肪酸又はその塩としては、炭素数8〜24が好ましく、炭素数12〜20がより好ましく、炭素数14〜20がさらに好ましく、炭素数14〜18が特に好ましい。炭素数8以上であると、製造性が良好であり、一方、炭素数24以下であると、粒状洗剤組成物中の水への溶解性が向上する。
飽和脂肪酸として具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸が挙げられ、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が好ましい。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩などが挙げられ、アルカリ土類金属塩が好ましく、カルシウム塩が特に好ましい。
高級アルコールとしては、炭素数8〜24の高級アルコールが好ましく、炭素数12〜20の高級アルコールがより好ましく、炭素数14〜20の高級アルコールがさらに好ましく、炭素数14〜18の高級アルコールが特に好ましい。炭素数8以上であると、製造性が良好であり、一方、炭素数24以下であると、粒状洗剤組成物中の水への溶解性が向上する。
高級アルコールのなかでも、1級の高級アルコールが好ましい。具体的には、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましく、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコールがより好ましい。
バインダーは、1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
上記のなかでも、バインダーとしては、粒状洗剤組成物の発塵抑制の効果に優れることから、ノニオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが特に好ましい。
粒状洗剤組成物中、被覆用成分としてのバインダーの含有量は、0.1〜3質量%が好ましく、0.2〜2質量%がより好ましく、0.3〜1質量%が特に好ましい。
バインダーの含有量が下限値以上であれば、粒状洗剤組成物の発塵抑制の効果が向上し、一方、上限値以下であれば、他の被覆用成分とのバランスがとれ、発塵抑制と流動性向上の効果が共に得られやすくなる。
粒状洗剤組成物中、被覆用成分としての水不溶性無機化合物と有機キレート剤との混合比率は、質量比で、水不溶性無機化合物/有機キレート剤=0.4〜20であることが好ましく、3〜10であることがより好ましい。この質量比の上限値以下であると、発塵抑制の効果が得られやすくなる。一方、この質量比の下限値以上であると、流動性が向上する。
粒状洗剤組成物中、被覆用成分としての水不溶性無機化合物とバインダーとの混合比率は、質量比で、水不溶性無機化合物/バインダー=1〜10であることが好ましく、4〜7であることがより好ましい。この質量比の上限値以下であると、発塵抑制の効果が得られやすくなる。一方、この質量比の下限値以上であると、洗剤組成物粒子同士がくっつき合って生じるダマが発生しにくくなる。
粒状洗剤組成物中、被覆用成分としての有機キレート剤とバインダーとの混合比率は、質量比で、有機キレート剤/バインダー=0.2〜10であることが好ましく、0.5〜2であることがより好ましい。この質量比の上限値以下であると、長期保存に伴う洗剤組成物の固化が抑制される。一方、この質量比の下限値以上であると、混合装置に原料混合物が付着しにくくなる。
前記の洗剤粒子は、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダーに加えて、その他の被覆用成分でさらに被覆されていてもよい。
その他の被覆用成分としては、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸二価金属塩などを用いてもよい。
(粒状洗剤組成物の製造方法)
上述した本発明の粒状洗剤組成物を製造する方法としては、具体的には、界面活性剤とアルカリ剤とを含有する洗剤粒子を調製する工程(以下「洗剤粒子調製工程」という。)と、前記洗剤粒子を、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダーで被覆する工程(以下「被覆工程」という。)とを含む方法が挙げられる。
[洗剤粒子調製工程]
洗剤粒子調製工程では、従来公知の捏和粉砕法(捏和・押出し・粉砕)、撹拌造粒法、転動造粒法などを用いて造粒を行うことにより洗剤粒子が調製される。
なかでも、洗剤原料に加わるせん断力が大きく、洗剤原料が均一に混合されやすいことから、捏和粉砕法(捏和・押出し・粉砕)、撹拌造粒法が好ましく、捏和粉砕法がより好ましい。
具体的には、たとえば以下のようにして洗剤粒子を調製できる。
まず、界面活性剤とアルカリ剤とを混合して、洗剤原料の混合物を調製する。
洗剤原料の混合方法は、従来公知の方法が用いられ、たとえば、界面活性剤、アルカリ剤及びその他成分を水と共に均一に混合して洗剤スラリーを調製し、前記洗剤スラリーを噴霧乾燥する方法;界面活性剤、アルカリ剤及びその他成分を単純に混合するだけの方法が挙げられる。
界面活性剤とアルカリ剤の使用量は、所定の配合量の一部又は全部であり、所定の配合量の一部を配合する際の使用量は、全工程を通じて適宜、決定すればよい。
次いで、前記で得られた混合物に対して造粒を行う。
造粒法として捏和粉砕法(捏和・押出し・粉砕)を用いた場合、以下のようにして造粒を行う。
たとえば、連続式又はバッチ式のニーダー等の混練・捏和機を用いて、前記で得られた混合物に、所定の成分を配合して捏和混練を行う。
かかる所定の成分としては、ノニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルなど)、アニオン界面活性剤(MESなど)等の界面活性剤の一部、少量の水又はそれらの混合物などが挙げられる。
この界面活性剤は、捏和混練をより良好に行うことができることから、水分を0.1〜30質量%含んでいるものを配合することが好ましく、1〜20質量%含んでいるものを配合することがより好ましく、5〜15質量%含んでいるものを配合することがさらに好ましい。
少量の水は、捏和混練をより良好に行うことができることから、前記で得られる混合物100質量部に対して0.01〜10質量部の水を配合することが好ましく、0.1〜5質量部の水を配合することがより好ましく、0.5〜2質量部の水を配合することがさらに好ましい。
捏和混練の処理を行う際、その処理温度は30〜80℃に制御することが好ましく、40〜70℃に制御することがより好ましく、処理時間は20〜90秒間とすることが好ましく、30〜60秒間とすることがより好ましい。
次いで、前記捏和混練により得られた混練物を、押出し機を用いて小孔から押し出すことによりペレット状物を得る。
その後、得られたペレット状物を、フィッツミル、スピードミルなどのハンマー、カッターミルタイプの粉砕機を用いて粉砕して整粒を行うことにより洗剤粒子が製造される。
粉砕の際、ペレット状物の粉砕した粒子同士の付着が抑制されることから、粉砕助剤を用いることが好ましい。粉砕助剤としては、たとえばゼオライト、炭酸ナトリウム、シリカ誘導体、粘土鉱物が挙げられる。
また、造粒法として撹拌造粒法を用いた場合、前記で得られた混合物と、所定の成分とを、従来公知の回分式又は連続式の撹拌造粒機に導入して撹拌を行うことにより洗剤粒子が製造される。
撹拌造粒法における好適な造粒条件としては、下記式
フルード数(Fr)=V/(r×g)0.5
で定義されるフルード数(Fr)を1〜4に制御することが好ましく、1.2〜3に制御することがより好ましい。
フルード数が下限値以上であると、圧密化が促進される。一方、フルード数が上限値以下であると、粒度分布が広くなりすぎず、好ましい。
上記式中、Vは撹拌羽根の先端の周速〔m/s〕、rは撹拌羽根の回転半径〔m〕、gは重力加速度〔m/s〕をそれぞれ示す。
[被覆工程]
被覆工程では、前記洗剤粒子調製工程で得られた洗剤粒子を、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダー(被覆用成分)で被覆することにより粒状洗剤組成物が製造される。
洗剤粒子を被覆用成分で被覆する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、たとえば容器回転式円筒型混合機内で、洗剤粒子と被覆用成分とを転がしながら混合する方法、又は、洗剤粒子と被覆用成分とを転がしながら被覆用成分の一部(好ましくはバインダー)を噴霧しながら混合する方法などが挙げられる。
容器回転式円筒型混合機内の温度は10〜50℃とするのが好ましく、15〜40℃とするのがより好ましい。
容器回転式円筒型混合機内の相対湿度は50〜100%とするのが好ましく、70〜90%とするのがより好ましい。
容器回転式円筒型混合機の回転数は10〜50rpmとするのが好ましく、15〜30rpmとするのがより好ましい。
容器回転式円筒型混合機への充填率は10〜50容積%とするのが好ましく、20〜40容積%とするのがより好ましい。ここでいう「充填率」とは、回転容器の全容積に対する、洗剤原料(洗剤粒子、被覆用成分及びその他成分)が占める容積の割合をいう。
容器回転式円筒型混合機の回転時間(被覆処理時間)は0.5〜3分間とするのが好ましく、1〜2分間とするのがより好ましい。
被覆用成分の一部を噴霧する場合、その被覆用成分の液滴径は20〜200μmとするのが好ましく、40〜150μmとするのがより好ましい。
容器回転式円筒型混合機における好適な混合条件としては、下記式
フルード数(Fr’)=V /(R×g)
で定義されるフルード数(Fr’)を0.01〜0.8に制御することが好ましく、0.05〜0.6に制御することがより好ましい。
フルード数が前記の好適な範囲であると、粒子が良好に混合されて被覆成分が充分に洗剤粒子に被覆されるため、好ましい。
上記式中、Vは容器回転式円筒型混合機における最外周の周速〔m/s〕、Rは容器回転式円筒型混合機における最外周の回転中心からの半径〔m〕、gは重力加速度〔m/s〕をそれぞれ示す。
被覆用成分について、発塵抑制の効果がより高まり、噴霧するのにも好適なことから、バインダーは液体状(原液、溶液)のものを用いることが好ましい。
また、配合の際に取扱いが容易であることから、水不溶性無機化合物と有機キレート剤は、それぞれ粉末状のものをそのまま用いることが好ましく、発塵抑制の効果がより高まることから、以下に示す平均粒子径を有するものを用いることが特に好ましい。
水不溶性無機化合物の平均粒子径は1〜50μmであることが好ましく、2〜30μmであることがより好ましい。水不溶性無機化合物の平均粒子径が下限値以上であると、水不溶性無機化合物自体の微粉末が生じにくくなり、一方、上限値以下であると、洗剤粒子への被覆性が良好となって、粒状洗剤組成物の発塵抑制の効果がより高まる。
水不溶性無機化合物の平均粒子径は、上述した分級操作を行うことにより求まる値である。
有機キレート剤の平均粒子径は50〜1500μmであることが好ましく、60〜1400μmであることがより好ましい。有機キレート剤の平均粒子径が下限値以上であると、有機キレート剤自体の微粉末が生じにくくなり、一方、上限値以下であると、洗剤粒子への被覆性が良好となって、粒状洗剤組成物の発塵抑制の効果がより高まる。
有機キレート剤の平均粒子径は、粒度分布測定装置(LDSA−3400A(17ch)、東日コンピューターアプリケーションズ株式会社製)を用いて、レーザー光散乱法により、体積基準のメジアン径として測定される値である。
洗剤粒子を被覆する際、被覆用成分の配合方法は、特に限定されず、たとえば、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダーとの3成分混合物として配合してもよく、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダーをそれぞれ単独で任意に順次配合してもよく、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダーを2成分混合物と残りの1成分とに分けて配合してもよい。
なかでも発塵抑制の効果がより高まることから、前記の3成分混合物として配合する方法、2成分混合物と残りの1成分とに分けて配合する方法が好ましく、そのなかでも発塵抑制の効果がさらに高まることから、3成分混合物として配合する方法がより好ましい。
3成分混合物として配合する方法として具体的には、水不溶性無機化合物(粉末状)と有機キレート剤(粉末状)とバインダー(粉末状)とを予め混合した混合物と、洗剤粒子とを混合する方法;洗剤粒子に、水不溶性無機化合物(粉末状)と有機キレート剤(粉末状)とを予め混合した混合物を加え、かつ、バインダー(液体状)を噴霧しながら混合する方法などが挙げられる。
2成分混合物と残りの1成分とに分けて配合する方法として具体的には、洗剤粒子に、水不溶性無機化合物(粉末状)とバインダー(粉末状)とを予め混合した混合物を加えて混合した後、別個に有機キレート剤(粉末状)を加えて混合する方法;洗剤粒子に、水不溶性無機化合物(粉末状)を加え、かつ、バインダー(液体状)を噴霧しながら混合した後、別個に有機キレート剤(粉末状)を加えて混合する方法などが挙げられる。
本発明の粒状洗剤組成物は、界面活性剤が低濃度であっても、発塵しにくく、かつ、流動性に優れたものである。かかる効果が得られる理由としては定かではないが、界面活性剤濃度が低く、アルカリ剤等の配合比率の高い洗剤粒子を、製造の際に吸湿した有機キレート剤が水不溶性無機化合物及びバインダーと相乗的に作用し合ってコーティングしているため、と考えられる。
本発明の粒状洗剤組成物及びその製造方法は、界面活性剤濃度が低く、アルカリ剤等の配合比率の高い洗剤組成物を得るのに好適な技術である。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
<平均粒子径の測定方法>。
・MGDAの平均粒子径
本実施例において、MGDAの平均粒子径は、粒度分布測定装置(LDSA−3400A(17ch)、東日コンピューターアプリケーションズ株式会社製)を用いて、レーザー光散乱法により、体積基準のメジアン径として測定した。
・MGDA以外の平均粒子径
MGDA以外の平均粒子径は、上述した分級操作を行い、上記数式より平均粒子径(質量50%)を求めた。
<嵩密度の測定方法>
本実施例において、嵩密度は、JIS K3362−1998に準じた方法により測定した。
<水分含有量の測定方法>
本実施例において、水分含有量は、赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所製)を用いて、試料5g、試料表面温度130℃、測定時間20分間の条件で測定した。
各例の製造方法により製造した粒状洗剤組成物の組成を表1、2に示した。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
<洗剤粒子>
・界面活性剤
MESペースト:α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有ペースト[ペースト組成:α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩(MES−Na)63質量%、ノニオン界面活性剤(後述のポリオキシエチレンアルキルエーテル)16質量%、ジ塩及びメチル硫酸塩等の不純物8質量%、水分含有量13質量%]、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の脂肪酸鎖長は炭素数16と18、炭素数16のものと炭素数18のものとの混合割合C16/C18=8/2(質量比)。
LAS−Na:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸[ライオン(株)製、ライポンLH−200(LAS−H 純分96質量%)]を、洗剤粒子(A)については、後述の[洗剤粒子(A)の調製例−捏和粉砕]における水性スラリー調製時に48質量%水酸化ナトリウム水溶液で中和した化合物;洗剤粒子(B)については、後述の[洗剤粒子(B)の調製例−撹拌造粒]における噴霧乾燥粒子との撹拌時に前記噴霧乾燥粒子中の炭酸ナトリウムと粉体中和した化合物。
LAS−H:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸[ライオン(株)製、ライポンLH−200(純分96質量%)]。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル:ECOROL26(商品名、ECOGREEN社製;炭素数12〜16のアルキル基を有するアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(融点40℃)。純分90質量%、水分含有量10質量%。
石鹸:炭素数(C)12〜18の脂肪酸ナトリウム[ライオン(株)製、純分67質量%、タイター40〜45℃;脂肪酸組成 C12 0.7質量%、C14 11.4質量%、C16 29.2質量%、C18F0(ステアリン酸)0.7質量%、C18F1(オレイン酸)56.8質量%、C18F2(リノール酸)1.2質量%;分子量289]。
・MES−Na粉体(α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩粉体):脂肪酸鎖長炭素数;C16/C18=8/2(質量比)、有効成分=75質量%、ゼオライト12質量%、水分5.5%、平均粒子径500μm、[ライオンエコケミカルズ製、商品名:MIZULAN]
・AOS−K:炭素数14〜18のアルキル基をもつα−オレフィンスルホン酸カリウム、純分53%、ライオン株式会社製
・珪酸ナトリウム:珪酸ソーダ2号(純分40%、SiO2/Na2O比(モル比)=2.5)。富士化学株式会社製。
・LAS−K:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ライポンLH−200(AV値(LAS−Hを1g中和するに要する水酸化カリウムのmg数)=180.0)を噴霧乾燥粒子調製用スラリー中で48質量%水酸化カリウム溶液で中和したもの、ライオン株式会社製(表中の配合量は、LAS−Kとしての質量%を示す)
・アルカリ剤
炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製)平均粒子径490μm、嵩密度1.30g/cm)。
炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子(株)製)平均粒子径320μm、嵩密度1.07g/cm)。
炭酸水素ナトリウム:ペンライス社製、平均粒子径300μm。
・無機ビルダー
ゼオライト:A型ゼオライト、タイシリケート社製、商品名「ゼオライトNa−4A」、純分80質量%、平均粒子径3μm。
・その他成分
MA剤:アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、株式会社日本触媒製、商品名「アクアリックTL−400」、純分40質量%。

硫酸亜鉛:硫酸塩の一水和物、信陽株式会社製、商品名「乾燥硫酸亜鉛(K)」。
芒硝:硫酸ナトリウム、四国化成株式会社製、商品名「中性無水芒硝A0」。
過炭酸ナトリウム造粒物:Zhejiang JINKE CHEMICALS社製、商品名「SPCC」、有効酸素量13.8質量%、平均粒子径870μm。
<被覆用成分>
・水不溶性無機化合物
ゼオライト:A型ゼオライト、タイシリケート社製、商品名「ゼオライトNa−4A」、純分80質量%、平均粒子径3μm。
・バインダー
ポリオキシエチレンアルキルエーテル:ECOROL26(商品名、ECOGREEN社製;炭素数12〜16のアルキル基を有するアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(融点40℃)。純分90質量%、水分含有量10質量%。
・有機キレート剤
MGDA(平均粒子径80μm):メチルグリシン二酢酸3ナトリウム、BASF社製、商品名「Trilon M Powder」、配位座4。
MGDA(平均粒子径1300μm):メチルグリシン二酢酸3ナトリウム、BASF社製、商品名「Trilon M Compactate」。
<粒状洗剤組成物の製造例>
表1、2に示す組成の配合成分、含有量(質量%)に従い、下記の製造方法により粒状洗剤組成物をそれぞれ製造した。
表中、配合成分の含有量は純分換算量を示す。
表中、「洗剤粒子」は、以下に示す洗剤粒子(A)、洗剤粒子(B)、洗剤粒子(C)、洗剤粒子(D)または洗剤粒子(E)をそれぞれ意味する。ここでの「質量%」は、洗剤粒子(A)、洗剤粒子(B)、洗剤粒子(C)、洗剤粒子(D)または洗剤粒子(E)中の含有量を示す。
洗剤粒子(A):
MES−Na 11.0質量%、LAS−Na 2.0質量%、石鹸 6.0質量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル 4.0質量%、ゼオライト 15.0質量%、MA剤 2.0質量%、炭酸カリウム 5.5質量%、炭酸ナトリウム 30.6質量%、硫酸亜鉛 0.5質量%、芒硝 15.0質量%、不純物(MESペースト由来)1.4質量%、水 7.0質量%
洗剤粒子(B):
LAS−Na 13.0質量%、石鹸 5.0質量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル 5.0質量%、ゼオライト 15.0質量%、MA剤 2.0質量%、炭酸カリウム 5.5質量%、炭酸ナトリウム 32.0質量%、硫酸亜鉛 0.5質量%、芒硝
15.0質量%、水 7.0質量%
洗剤粒子(C):
MES−Na 10.0質量%、LAS−Na 1.8質量%、石鹸 5.5質量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル 4.0質量%、ゼオライト 15.0質量%、MA剤 2.0質量%、炭酸カリウム 5.0質量%、炭酸ナトリウム 28.4質量%、硫酸亜鉛 0.5質量%、芒硝 14.5質量%、過炭酸ナトリウム 5.0質量%、不純物(MESペースト由来) 1.3質量%、水 7.0質量%
洗剤粒子(D):
MES−Na 8.0質量%、LAS−Na 1.5質量%、石鹸 5.0質量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル 3.0質量%、ゼオライト 12.0質量%、MA剤 2.0質量%、炭酸カリウム 4.0質量%、炭酸ナトリウム 22.0質量%、硫酸亜鉛 0.5質量%、芒硝 10.0質量%、過炭酸ナトリウム 5.0質量%、炭酸水素ナトリウム 20.0質量%、不純物(MESペースト由来) 1.0質量%、水 6.0質量%
洗剤粒子(E):
MES−Na粉体(商品名:MIZULAN、ライオンエコケミカルズ製) 5.0質量%、LAS−K 8.0質量%、AOS−K 6.4質量%、石鹸 4.2質量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル 3.5質量%、ゼオライト 12.0質量%、珪酸ナトリウム 3.4質量%、炭酸ナトリウム 12.5質量%、硫酸亜鉛 0.5質量%、芒硝 14.5質量%、過炭酸ナトリウム 10.0質量%、炭酸水素ナトリウム 15.0質量%、水 5.0質量%
[洗剤粒子(A)の調製例−捏和粉砕]
前記の洗剤粒子(A)に示す組成の内、ポリオキシエチレンアルキルエーテルと、MESペーストと、ゼオライトの一部(粉砕助剤用)、硫酸亜鉛とを除く全配合成分を、調製温度80℃で17分間撹拌することにより、固形分62質量%の水性スラリーを得た。
次いで、前記水性スラリーを噴霧乾燥し、水分含有量が5質量%の噴霧乾燥粒子を調製した。
この噴霧乾燥粒子75.4質量部と共に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1.3質量部(水分含有量10質量%)と、MESペースト17.5質量部(水分含有量13質量%)と、硫酸亜鉛0.5質量部と、少量(0.8質量部)の水道水(東京都江戸川区)とを、連続ニーダー(栗本鉄工所製、KRC−S4型)に投入し、温度55〜65℃で40秒間、連続的に混練した。
次いで、前記混練により得られた混練物を、ペレッター(不二パウダル製、ダイス孔径10mmφ)に連続的に供給して押し出すことにより、ペレット状の固形洗剤を成形した。
その後、フィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKASO−6型)を3段直列に配置し、そこへ、得られた固形洗剤と前記ゼオライトの一部(4.5質量部、粉砕助剤用)とを15℃の冷風と共に導入し、平均粒子径が300〜500μmとなるように破砕造粒した。
このようにして得られた洗剤粒子(A)は、嵩密度が800〜1000g/Lの範囲のものであった。
[洗剤粒子(B)の調製例−撹拌造粒]
前記の洗剤粒子(B)に示す組成の内、ポリオキシエチレンアルキルエーテルと、LAS−Hとを除く全配合成分を、調製温度80℃で17分間撹拌することにより、固形分62質量%の水性スラリーを得た。
次いで、前記水性スラリーを噴霧乾燥し、水分含有量が5質量%の噴霧乾燥粒子を調製した。
この噴霧乾燥粒子78.4質量部と共に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル5.5質量部(水分含有量10質量%)と、LAS−H12.2質量部と、硫酸亜鉛0.5質量部と、少量(3.4質量部)の水道水(東京都江戸川区)とを、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入し(充填率30容量%)、主軸200rpm、チョッパー2000rpm、ジャケット通水20℃の撹拌を開始した。その際、フルード数(Fr)を1.2に制御して撹拌造粒を行った。
撹拌開始後5分経った時点で撹拌を止め、得られた粉体を、篩等を用いて分級し、粒子径が300〜500μmのものを造粒物とした。なお、塊状物が生成した場合には、解砕後に分級して用いた。
このようにして得られた洗剤粒子(B)は、嵩密度が800〜850g/Lの範囲のものであった。
[洗剤粒子(C)の製造例−捏和粉砕]
過炭酸ナトリウムを除く成分を洗剤粒子(A)と同様にして調整後、得られた粒子と過炭酸ナトリウムを水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容積131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)の中に入れ、前記水平円筒型転動混合機の充填率30容積%、回転数22rpm、温度25℃、相対湿度80%の条件で1分混合し洗剤粒子(C)を得た。
こうして得られた、洗剤粒子(C)は、嵩密度が800〜1000g/Lの範囲のものであった。
[洗剤粒子(D)の製造例−捏和粉砕]
過炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムを除く成分を洗剤粒子(A)と同様にして調整後、得られた粒子と過炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムを水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容積131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)の中に入れ、前記水平円筒型転動混合機の充填率30容積%、回転数22rpm、温度25℃、相対湿度80%の条件で1分混合し洗剤粒子(D)を得た。
こうして得られた、洗剤粒子(D)は、嵩密度が800〜1000g/Lの範囲のものであった。
[洗剤粒子(E)の製造例−捏和粉砕]
MES−Na粉体と過炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムを除く成分を洗剤粒子(A)と同様にして調整後、得られた粒子とMES−Na粉体、過炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムを水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容積131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)の中に入れ、前記水平円筒型転動混合機の充填率30容積%、回転数22rpm、温度25℃、相対湿度80%の条件で1分混合し洗剤粒子(E)を得た。
こうして得られた、洗剤粒子(E)は、嵩密度が800〜1000g/Lの範囲のものであった。
(実施例1)
洗剤粒子(A)を、水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容積131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)の中に入れた。
次いで、表1に示す組成に従って、ゼオライト(粉末状)とMGDA(粉末状)とを加え、前記水平円筒型転動混合機の充填率30容積%、回転数22rpm、温度25℃、相対湿度80%の条件で混合を開始し、加圧ノズルを用いてポリオキシエチレンアルキルエーテル(溶液)を液滴径が40〜150μmとなるように噴霧しながら加え、1分間混合して粒状洗剤組成物を得た。その際、フルード数(Fr’)を0.2に制御した。
前記の洗剤粒子に、ゼオライト(粉末状)とMGDA(粉末状)とを加えて混合したものに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(溶液)を噴霧しながら混合する配合方法を「洗剤粒子の被覆方法1」とする。
(実施例2、3)
表1に示す組成に従って配合量を変更した他は、実施例1と同様にして粒状洗剤組成物を得た。
(実施例4、7〜9)
洗剤粒子(A)を洗剤粒子(B)、(C)、(D)、又は(E)に変更した他は、実施例1と同様にして粒状洗剤組成物を得た。
(実施例5)
洗剤粒子(A)を、水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容積131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)の中に入れた。
次いで、表1に示す組成に従って、ゼオライト(粉末状)を加え、前記水平円筒型転動混合機の充填率30容積%、回転数22rpm、温度25℃、相対湿度80%の条件で混合を開始し、加圧ノズルを用いてポリオキシエチレンアルキルエーテル(溶液)を液滴径が40〜150μmとなるように噴霧しながら加え、1分間混合した。その際、フルード数(Fr’)を0.2に制御した。
その後、MGDA(粉末状)を別個に加え、充填率30容積%、回転数22rpm、温度25℃、相対湿度80%の条件で1分間混合して粒状洗剤組成物を得た。
前記の洗剤粒子に、ゼオライト(粉末状)を加え、かつ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(溶液)を噴霧しながら混合した後、別個にMGDA(粉末状)を加えて混合する配合方法を「洗剤粒子の被覆方法2」とする。
(実施例6)
MGDA(平均粒子径80μm)をMGDA(平均粒子径1300μm)に変更した他は、実施例1と同様にして粒状洗剤組成物を得た。
(比較例1〜3、5)
表2に示す組成に従って配合成分と配合量を変更した他は、実施例1と同様にして粒状洗剤組成物を得た。
(比較例4)
粒状洗剤組成物として、洗剤粒子(B)をそのまま用いた。
(比較例6)
上述した洗剤粒子(A)の調製例において、噴霧乾燥粒子、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、MESペースト、硫酸亜鉛及び水道水を、連続ニーダー(栗本鉄工所製、KRC−S4型)に投入する際、被覆用成分(実施例1と同じ配合割合の3成分)も同時に添加した以外は同様にして洗剤粒子(以下「洗剤粒子(A’)」という)を調製し、粒状洗剤組成物として、洗剤粒子(A’)をそのまま用いた。
(比較例7)
粒状洗剤組成物として、洗剤粒子(C)をそのまま用いた。
(比較例8)
粒状洗剤組成物として、洗剤粒子(D)をそのまま用いた。
(比較例9)
粒状洗剤組成物として、洗剤粒子(E)をそのまま用いた。
<粒状洗剤組成物の評価>
各例の粒状洗剤組成物について、以下に示す評価方法により「発塵性」と「流動性」の評価をそれぞれ行った。その結果を表1、2に併記した。
[発塵性の評価]
高さ40cm×幅30cm×奥行き30cmの容器の上部に、前記容器内で発生する粒状洗剤組成物の微粉末(粉塵)の発生量を測定可能なLD−3型デジタル粉塵計(商品名、柴田科学機器工業(株)製)を設置した。
そして、前記容器内の雰囲気を温度25℃、相対湿度60%に保ち、容器上部に設けられた試料投入口から容器内へ粒状洗剤組成物50gを落下させ、これと同時に、前記デジタル粉塵計のスイッチを入れ、5分間静置後の粉塵カウント数を読み取った。
発塵性の評価は、粉塵カウント数を指標として、下記の評価基準に基づいて行った。特に家庭での使用感を考慮し、A、B、Cであれば好ましく、A、Bであれば特に好ましい、と設定した。
評価基準
A:粉塵カウント数が500以下であった。
B:粉塵カウント数が500超、800以下であった。
C:粉塵カウント数が800超、1500以下であった。
D:粉塵カウント数が1500超であった。
[流動性の評価]
流動性の評価は、下記方法により安息角(°)を測定することにより行った。
角度の目盛りが記入された横蓋付のアクリル製測定器(高さ10cm×奥行10cm×幅3cm)を平らな場所に置き、前記測定器の横蓋(高さ10cm×幅3cm側の一側面)を閉じた状態で、前記測定器の上面からの高さが1〜2cmの位置より、各例の粒状洗剤組成物を前記測定器内へそれぞれ流し入れた。
粒状洗剤組成物が、前記測定器の上面からの高さが0〜1cm程度超えて山盛り状態になった時点で横蓋を静かに開け、粒状洗剤組成物を重力により自然に排出させた。
排出終了後、前記測定器内に残った粒状洗剤組成物の表面(傾斜面)と、水平面とのなす角度(傾斜角)を前記目盛りから読み取った。このようにして測定される安息角は、前記操作を3回行い、その平均値を用いた。そして、流動性の評価を、下記の評価基準に基づいて行った。特に製造性の点から、A、Bであれば好ましい、と設定した。
なお、前記アクリル製測定器は、横蓋が高さと幅のなす側面の一方に設けられ、角度の目盛りが高さと奥行きのなす側面に記入されているものを使用した。
評価基準
A:安息角が60°以下であった。
B:安息角が60°超、70°以下であった。
C:安息角が70°超、80°以下であった。
D:安息角が80°超であった。
Figure 2012043699
Figure 2012043699
表1、2に示す結果から、実施例1〜9の粒状洗剤組成物はいずれも、界面活性剤が低濃度であっても、発塵しにくく、かつ、流動性に優れることが分かる。
本発明によれば、界面活性剤が低濃度であっても、発塵しにくく、かつ、流動性に優れる粒状洗剤組成物及びその製造方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. 界面活性剤とアルカリ剤とを含有する洗剤粒子が、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダーで被覆されていることを特徴とする粒状洗剤組成物。
  2. 前記有機キレート剤がメチルグリシン二酢酸、及びその塩から選択される少なくとも1種の有機キレート剤である請求項1記載の粒状洗剤組成物。
  3. 前記水不溶性無機化合物がゼオライトである請求項1又は請求項2記載の粒状洗剤組成物。
  4. 前記界面活性剤が、アニオン界面活性剤、及びノニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一種の界面活性剤である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒状洗剤組成物。
  5. 前記アルカリ剤が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び炭酸水素ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粒状洗剤組成物。
  6. 前記バインダーが、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粒状洗剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の粒状洗剤組成物の製造方法であって、
    界面活性剤とアルカリ剤とを含有する洗剤粒子を、水不溶性無機化合物と有機キレート剤とバインダーで被覆することを特徴とする粒状洗剤組成物の製造方法。
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