JPWO2012032766A1 - 血中可溶型gpviを用いたアルツハイマー病の診断方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、非侵襲的で簡便なアルツハイマー病の診断剤、当該測定によるアルツハイマー病の診断方法、及びそのための測定キットを提供する。本発明は、ヒト体液中の可溶型GPVI(sGPVI)の測定用試薬、及び当該ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬を含有してなるアルツハイマー病の特異的な診断剤、及び、採取したヒト体液中のsGPVIの濃度を測定する工程、及び当該ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化を測定する工程を含有してなるアルツハイマー病を特異的に診断する方法に関する。

Description

本発明は、血中の可溶型GPVIの濃度測定用試薬、及び血小板活性化マーカー又は凝固線溶系活性化マーカーなどによる血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬を含有してなる非侵襲的かつ簡便なアルツハイマー病の診断剤、当該測定によるアルツハイマー病の診断方法、及びそのための測定キットに関する。
高齢化社会に伴って認知症患者の増加が大きな社会問題となっている。2005年の認知症患者推計によれば、認知症患者は世界全体で2,430万人とされていて、毎年460万人の新たな患者が発生するとされている。そのうちの約7割がアルツハイマー型認知症と考えられている。アルツハイマー型認知症の症状としては、記憶や会話、日常生活動作が失われていく『中核症状』をはじめ、徘徊や妄想、暴力行為などが生じる『周辺症状』が見られる。他の疾患と比べると患者本人はもちろん、患者の家族のQOLまでも著しく低下させてしまう深刻な疾患である。したがって、アルツハイマーの診断をできるだけ早くしかも正確に行うこと、有効な予防法や治療法を開発することが急務となっている。
米国では2004年にアルツハイマー病の効率的な治療法確立を目指し、患者の血液、脳脊髄液といった生体試料や画像診断を使ってアルツハイマー病の進行を客観的に計測しようと国際的な臨床研究ADNI(Alzheimer Disease Neuroimaging Initiative)が発足した。日本においても2007年にJ−ADNIを立ち上げ、脳画像と血液や脳脊髄液などについて2〜3年間にわたる追跡調査を行うことが計画されている。
アルツハイマー病の診断方法の一つとして、DSM−IVやNINCD−ARDA、ICD−10などの神経心理学的検査がある。これらの検査方法は簡便でかつ特殊な機器を必要としないが、観察期間が長く、患者の気分に左右され再現性に乏しいといった欠点がある。また施設間差などの問題が指摘されており、アルツハイマー病を診断するための標準化は達成されておらず、客観的に評価できる生化学的なバイオマーカーが望まれている。
近年の画像診断の進歩に伴い、画像診断を使ったアルツハイマー病の多数の診断方法も報告されている。例えば、CT・MRIは脳の形態異常を検出する診断方法であり、SPECTは脳血流量を測定することで脳の機能的異常を観察する診断方法である。また、PETを用いた診断方法も多く開発されている。さらに、FDG−PETは脳内のブドウ糖代謝異常を測定することで、アミロイドPETは生体におけるアミロイドベータの脳内の蓄積を画像化することで、アルツハイマー病の診断に利用できるようになった。これらの画像診断方法の進歩は、近年のアルツハイマー病の臨床研究におけるブレークスルーのひとつと言われている。
しかし、これら画像診断方法は特殊な機械及び施設を必要とするため簡便でない。さらにPET、SPECTに関しては、微量ではあるが放射性同位元素を体内に投与するため侵襲性が高い診断方法である。
アルツハイマー病の診断の生化学的バイオマーカーとして、脳内のリン酸化タウ、及びアミロイドベータの測定が有力視されている(非特許文献1参照)。特に脳内のリン酸化タウはアルツハイマー病の病理像の本質的な側面を反映しており、感度・特異度も高い診断方法であると報告されている。しかし、これらのバイオマーカーの測定は患者の脳脊髄液を必要とするため、これも侵襲性の高い診断方法である。
アルツハイマー病の診断薬のプロファイルとしては、信頼性・再現性・非侵襲性・簡便性・低価格性であることが望まれているが、今のところこれらすべての条件を満たすような診断薬はない。最近、2010年アルツハイマー協会アルツハイマー病国際会議(AAICAD2010)において、アルツハイマー病診断基準の改正草案が報告された。この中で、1)アルツハイマー病とアルツハイマー病でない認知症の区別、重複についての理解が深まり始めたこと、2)アルツハイマー病と脳血管性疾患の共存が一般的であること、3)レビ小体病から起こる認知症やピック病などの前頭側頭型認知症等の非アルツハイマー病性の認知症についても多くのことが知られていること、4)現在存在していると一般に考えられているアルツハイマー病の3段階(臨床前アルツハイマー病、アルツハイマー病による軽度の認識障害(MCI)、アルツハイマー病性認知症)において、バイオマーカーの役割は3段階のそれぞれで異なるものの、バイオマーカーなどの臨床評価ツールの必要性が改めて指摘されている。
血小板膜上に存在する糖蛋白質VI(Glycoprotein VI(GPVI))は、血小板のコラーゲン受容体であり、コラーゲン刺激による血小板の活性化に中心的役割を担っていることが明らかにされている。そして、抗マウスGPVI抗体は、コラーゲン刺激特異的に血小板凝集を抑制し、出血時間の著明な延長を来すことなく、抗血栓作用を発揮することが報告されている。さらに、抗ヒトGPVI抗体も出血時間の著明な延長を来すことなく、抗血小板作用を発揮することが報告されている(特許文献1参照)。一方、血液などの体液中には可溶型GPVI(以下sGPVIと記載することがある)として存在することも知られている。
本発明者らは、ヒト体液中のsGPVIの特異的かつ高感度な測定方法を報告してきた(特許文献2参照)。そして、狭心症、急性心筋梗塞、心臓病、脳梗塞、及び認知症の患者において血漿中のsGPVIの濃度が高くなっており、血小板活性化マーカーとして有用であることが確認されている。また、他のグループからもヒト体液中のsGPVIの測定系及び健常人の測定結果が報告された(特許文献3参照)。
近年において、血漿中のsGPVIの濃度は年齢と共に上昇するが、アルツハイマー病の患者においては上昇しないという報告もなされた(非特許文献4参照)。しかし、ヒト体液中のsGPVIの濃度とアルツハイマー病との関係についての詳細は十分に検討されておらず、アルツハイマー病でsGPVIが上昇するとする報告はない。そして、これまで多くのアルツハイマー病の診断方法が報告されているが、(1)再現性・信頼性に乏しい、(2)特殊な機器を必要とする、(3)侵襲性が高い、など満足できるレベルに達しておらず、血液等を用いて簡便に診断ができるバイオマーカーの開発が切望されている。
また、認知機能障害を呈するアルツハイマー病モデル動物として、アミロイド前駆体タンパク質(Amyloid precurser protein)トランスジェニックマウス(以下、APP−Tgマウスと記載する)が作製されている(非特許文献5)が、このマウスの血中においてsGPVIが上昇しているか否かについては知られていない。
WO2005/111083号公報 WO2007/116779号公報 特開2008−249552号公報
Geert De Meyer, et al., Arch. Neurol., 67, 949-956 (2010) 荒井啓行ほか、日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn) 135,3〜7(2010) Tsuji M., et al., J. Biol. Chem., 272, 23528-23531 (1997) Christoph Laske, et al., J. Psychiatric Res., 42 (2008) 746-751 Marcus A. Westerman, et al., J. Neurosci. 2002, 22, 1858-1867
本発明は、非侵襲的で簡便なアルツハイマー病の診断剤、当該測定によるアルツハイマー病の診断方法、及びそのための測定キットを提供する。
本発明者らは、網羅的な疾患スクリーニングを実施し、アルツハイマー病の患者の血中にはsGPVIが高濃度で存在していることを、年齢を合わせた臨床検体を用いたスクリーニングにより確認した。さらに、本発明者らは、アルツハイマー病の患者では、血栓性疾患又は血栓症とは異なり、過度な血小板や凝固・線溶系の活性化を伴うことなくsGPVIが多量に産生されていることを初めて見出した。
即ち、本発明者らは、アルツハイマー病の患者及び血栓性疾患の患者に対して、血清中や血漿中のsGPVIの濃度、並びに血小板活性化マーカー及び凝固・線溶系活性化マーカーを測定したところ、血栓性疾患の患者ではsGPVIの濃度、及び血小板活性化マーカーあるいは凝固・線溶系活性化マーカーが上昇していたが、アルツハイマー病の患者では、血小板活性化マーカー及び凝固・線溶系活性化マーカーの上昇を伴うことなくsGPVIの濃度のみが上昇することを見出した。そして、本発明者らは、血清や血漿などの体液を用いた非侵襲的で簡便で、かつ特異的なアルツハイマー病の診断方法を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、ヒト体液中のsGPVIの測定用試薬、好ましくは当該試薬及び当該ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬を含有してなるアルツハイマー病の特異的な診断剤若しくはスクリーニング剤、又はアルツハイマー病の診断若しくはスクリーニングに使用するためのキット、すなわち、診断用若しくはスクリーニング用キットに関する。
また、本発明は、採取したヒト体液中のsGPVIの濃度を測定する工程、好ましくは当該工程及び当該ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化を測定する工程を含有してなるアルツハイマー病を特異的に判定若しくは診断する方法、又はアルツハイマー病患者若しくはアルツハイマー病を発症する可能性、すなわちリスクのある患者をスクリーニングする方法に関する。
本発明をより詳細に説明すれば、次のとおりとなる。
(1)ヒト体液中の可溶型GPVI(sGPVI)の測定用試薬を含有してなるアルツハイマー病の診断剤、又はアルツハイマー病の診断用キット。
(2)ヒト体液中のsGPVIの測定用試薬、及び当該ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬を含有してなるアルツハイマー病の診断剤、又はアルツハイマー病の診断用キット。
(3)sGPVIの測定用試薬が、GPVI特異的結合物質を含有してなる前記(1)又は(2)に記載の診断剤、又は診断用キット。
(4)GPVI特異的結合物質が、抗GPVI抗体である前記(3)に記載の診断剤、又は診断用キット。
(5)抗GPVI抗体が、GPVIのドメイン1、好ましくは、ループ2又はループ5、より好ましくはループ2に特異的に結合する抗体及び/又はGPVIのドメイン2、好ましくは、ループ9又はループ11、より好ましくはループ9に特異的に結合する抗体である前記(4)に記載の診断剤、又は診断用キット。
(6)ヒト体液中のsGPVIの測定用試薬が、GPVIのループ2に特異的に結合する抗体を非固相化抗体として、及び、GPVIのループ9に特異的に結合する抗GPVI抗体を固相化抗体として含有してなる前記(1)から(5)のいずれかに記載の診断剤、又は診断用キット。
(7)ヒト体液中のsGPVIの測定用試薬が、サンドイッチ免疫測定法による測定のためのものである前記(1)から(6)のいずれかに記載の診断剤、又は診断用キット。
(8)サンドイッチ免疫測定法が、ビオチン化非固相化抗体及びpoly−HRP標識化ストレプトアビジンで検出する系である前記(7)に記載の診断剤、又は診断用キット。
(9)血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬が、血小板活性化マーカー及び/又は凝固線溶系活性化マーカーの測定用試薬である前記(1)から(8)のいずれかに記載の診断剤、又は診断用キット。
(10)血小板活性化マーカーが、可溶型P−セレクチン(sP−セレクチン、sP-selectin)である前記(9)に記載の診断剤、又は診断用キット。
(11)凝固線溶系活性化マーカーが、血清中フィブリノーゲン分解産物(Fibrinogen Degradation Product(FDP))又はD−ダイマー (D-dimer)である前記(9)に記載の診断剤、又は診断用キット。
(12)ヒト体液が、ヒト血液、好ましくは血清又は血漿である前記(1)から(11)のいずれかに記載の診断剤、又は診断用キット。
(13)採取したヒト体液中の可溶型GPVI(sGPVI)の濃度を測定する工程を含有してなるアルツハイマー病を判定若しくは診断する方法、又はアルツハイマー病患者若しくはアルツハイマー病を発症する可能性のある患者をスクリーニングする方法。
(14)採取したヒト体液中の可溶型GPVI(sGPVI)の濃度を測定する工程、及び当該ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化を測定する工程を含有してなるアルツハイマー病を判定若しくは診断する方法、又はアルツハイマー病患者若しくはアルツハイマー病を発症する可能性のある患者をスクリーニングする方法。
(15)対照の値と比較して、ヒト体液中のsGPVIの濃度が高値であることを確認する工程をさらに含む、前記(13)又は(14)に記載の方法。
(16)対照の値と比較して、ヒト体液中のsGPVIの濃度が高値であること、及び、血小板又は凝固・線溶系の活性化の値が高値でないことを確認する工程をさらに含む、前記(13)又は(14)に記載の方法。
(17)sGPVIの濃度を測定する工程が、抗GPVI抗体による方法である前記(13)から(15)のいずれかに記載の方法。
(18)抗GPVI抗体が、GPVIのドメイン1、好ましくは、ループ2又はループ5、より好ましくはループ2に特異的に結合する抗体及び/又はGPVIのドメイン2、好ましくは、ループ9又はループ11、より好ましくはループ9に特異的に結合する抗体である前記(17)に記載の方法。
(19)血小板又は凝固・線溶系の活性化を測定する工程が、血小板活性化マーカー及び/又は凝固線溶系活性化マーカーを測定する方法である前記(13)から(18)のいずれかに記載の方法。
(20)血小板活性化マーカーが、sP−セレクチンを測定するものである前記(19)に記載の方法。
(21)凝固線溶系活性化マーカーが、血清中フィブリノーゲン分解産物(Fibrinogen Degradation Product(FDP))又はD−ダイマー(D-dimer)を測定するものである前記(19)に記載の方法。
(22)ヒト体液が、ヒト血液、好ましくは血清又は血漿である前記(13)から(21)のいずれかに記載の方法。
(23)可溶型GPVIに特異的に結合する抗体を含有する、前記(13)〜(22)に記載の方法を行うためのキット。
(24)前記(13)から(22)に記載の方法により、アルツハイマー病の発症を予測する方法。
血液等を検体とする本発明の診断剤又は診断用キットを用いることにより、非侵襲的、かつ特殊な機器を必要とせず簡便にアルツハイマー病を診断することができる。さらに、本発明の診断剤又は診断用キットを用いた方法は、再現性が高く、かつ特異的にアルツハイマー病の診断を行うことができる。また、その判定・診断は測定値に基づく客観性の高いものである。
本発明の方法は、血液などの体液の採取により簡便にアルツハイマー病を診断することができるために、短時間で迅速に大量の被験者を診断すること、すなわち、スクリーニングを可能とする。また、本発明の方法による測定は特異性、再現性及び客観性が高いことから、例えば、本発明の方法を定期的に行うことにより、アルツハイマー病の早期発見、段階(ステージ)又は進行度の判別、発症リスクの評価、及び発症の予測等をすることも可能となる。さらに、必要に応じて適宜他の検査法と組み合わせることで、非アルツハイマー性認知症、例えば、レビ小体病から起こる認知症やピック病など前頭側頭型認知症、特に脳血管性認知症との鑑別、すなわち、認知症の病因の鑑別も可能となる。
図1は、本発明のsGPVIの測定用試薬による、組換ヒトsGPVI−Hisを用いたときの吸光度とsGPVIの濃度(ng/mL)とのスタンダードカーブをグラフ化したものである。 図2は、健常人をコントロール検体(図2の左側)としたときの、アルツハイマー患者検体(図2の中央)及び血栓性疾患患者検体(図2の右側)における、血漿中のsGPVIの濃度(ng/mL)を比較したグラフである。図中の長い線は平均値を示し、上下のバーは標準誤差(SE)を示す。 図3は、健常人をコントロール検体(図3の左側)としたときの、アルツハイマー患者検体(図3の中央)及び血栓性疾患患者検体(図3の右側)における、血清中のsGPVIの濃度(ng/mL)を比較したグラフである。図中の長い線は平均値を示し、上下のバーは標準誤差(SE)を示す。 図4は、健常人をコントロール検体(図4の左側)としたときの、アルツハイマー患者検体(図4の中央)及び血栓性疾患患者検体(図4の右側)における、血漿中のsP-selectinの濃度(ng/mL)を比較したグラフである。図中の長い線は平均値を示し、上下のバーは標準誤差(SE)を示す。 図5は、健常人をコントロール検体(図5の左側)としたときの、アルツハイマー患者検体(図5の中央)及び血栓性疾患患者検体(図5の右側)における、血清中のFDPの濃度(μg/mL)を比較したグラフである。図中の長い線は平均値を示し、上下のバーは標準誤差(SE)を示す。 図6は、野生型マウスをコントロール検体(図6の右側)としたときの、APP−Tgマウス検体(図6の左側)における、血漿中のsGPVIの濃度(pg/mL)を比較したグラフである。図中の長い線は平均値を示し、上下のバーは標準誤差(SE)を示す。 図7は、野生型マウスをコントロール検体(図7の右側)としたときの、APP−Tgマウス検体(図7の左側)における、血漿中のsP-selectinの濃度(ng/mL)を比較したグラフである。図中の長い線は平均値を示し、上下のバーは標準誤差(SE)を示す。 図8は、サル洗浄血小板に、コラーゲン(図8の左から2番目)、可溶型アミロイドβ(sAβ)(図8の左から3番目)、又は線維化アミロイドβ(fAβ)(図8の右端)の各種刺激剤を添加した場合におけるsGPVIの産生を、刺激剤を添加しない場合をコントロールとして、コントロールを1.0とした場合の比率で表したものである。図中の上下のバーは標準誤差(SE)を示す。
本発明は、第一に、アルツハイマー病においてヒト体液中のsGPVIの量が上昇するという知見に基づくものであり、第二に当該ヒト体液中のsGPVIの量の上昇が血栓性疾患又は血栓症に起因するものでないことを確認することにより、アルツハイマー病であると診断できるという知見に基づくものである。
即ち、本発明は、ヒト体液中のsGPVIの測定、及びヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化マーカーの測定を組み合わせてなることを特徴とするものである。ヒト体液中のsGPVIを測定する方法は、既に多数の文献に開示されており、例えば、WO2007/116779号公報及び特開2008−249552号公報には、抗GPVI抗体を用いたsGPVIを測定する方法が開示されている。ヒト体液中のsGPVIを測定する方法の例として、WO2007/116779号公報に記載されている事項を、本明細書に取り込む。
また、ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化を測定する方法も既に多数の文献に開示されており、また既に多くの手法が臨床的に使用されてきている。ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化を測定する方法としては、例えば、セレクチンファミリーの分子であるP−セレクチン(P-selectin/CD62P/GMP-140/PADGEM)の可溶型であるsP−セレクチンなどの血小板活性化マーカーを測定する方法や、血清中フィブリノーゲン分解産物(Fibrinogen Degradation Product(FDP))やD−ダイマー(D-dimer)などの凝固線溶系活性化マーカーを測定する方法が挙げられる。
本発明の方法は、これらの測定方法を組み合わせて行うことにより、アルツハイマー病を診断する方法である。また、本発明は、これらの測定に使用される測定用試薬を組み合わせてなるアルツハイマー病の診断剤を提供するものである。
現在、アルツハイマー病には3段階、すなわち、臨床前アルツハイマー病(preclinical Alzheimer's disease)、アルツハイマー病による軽度の認識障害(mild cognitive impairment、MCI)、アルツハイマー病性認知症(Alzheimer's disease dementia)が存在していると一般に考えられている(2010年アルツハイマー協会アルツハイマー病国際会議(AAICAD2010))。本発明においては、特に断らない限り、アルツハイマー病には、これらのすべてを包含するものとし、対象患者の年齢も特に限定されず、若年性及び老人性のいずれのアルツハイマー病も含まれるものとする。また、非アルツハイマー性認知症、例えば、レビ小体病から起こる認知症やピック病など前頭側頭型認知症、特に脳血管性認知症を併発している場合も含むものとする。好ましくは、アルツハイマー病性認知症又はMCI、特に、アルツハイマー病性認知症である。
本発明における「ヒト体液」としては、血液、血漿、血清、尿、リンパ液、唾液などのヒトから採取可能な体液であって、sGPVI及び血小板又は凝固・線溶系の活性化を測定することができる体液であれば特に制限はない。好ましいヒト体液としては、採取が容易で測定が容易である血液、特に血漿や血清が挙げられる。
本発明の「ヒト体液中のsGPVIの測定用試薬」としては、ヒト体液中のsGPVIを測定することができる物質若しくは組成物、又はこれらの組み合わせが挙げられる。物質は純粋物であるのが好ましいが、測定に影響がなければ必ずしも純粋物でなくてもよい。組成物としては、2種以上の物質の混合物や複合体などが挙げられる。これらの組み合わせとしては、測定を行うために、又は測定をより正確にするために、2種以上の物質又は組成物が必要な場合に、これらの物質又は組成物の集合体が挙げられる。
本発明の好ましい「ヒト体液中のsGPVIの測定用試薬」としては、GPVIに特異的に結合する物質が挙げられ、当該GPVIに特異的に結合する物質の好ましい例としては抗GPVI抗体が挙げられる。当該抗体は、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であってもよいが、感度や特異性の観点からモノクローナル抗体であることが好ましい。
抗GPVI抗体の由来動物種としては、例えば、哺乳類、特にマウス、ラット、ハムスター、ウサギ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
抗GPVI抗体の形態としては、種々のものが適用可能であり、例えば、本発明の抗体としては、抗体の断片もしくは一部又は誘導体でもよいが、GPVIとの結合能を有する限りにおいて、これらに限定されるものではない。好ましい形態の例としては、例えば、断片としては、Fab(Fragment of antigen binding)、Fab’、(Fab’)等が挙げられ、誘導体としては、一本鎖抗体(scFv)、ジスルフィド安定化抗体(dsFv)、diabody、sc(Fv)(例えば、Orita T、 Blood.2005; 105:562-566参照)、nanohody(例えば、Cortez-Retamozo v.、Cancer Research 64、 2853-2857、2004参照)及びCDRを含有するペプチド等が挙げられる。これらは公知の方法で作製しうる。
公知の抗GPVI抗体としては、例えば、マウス抗ヒトGPVIモノクローナル抗体(WO2001/810号公報、WO2002/80968号公報、WO2005/111083号公報等参照)、ラット抗マウスGPVIモノクローナル抗体(Nieswandt et al.)、ラット抗ヒトGPVIモノクローナル抗体hGP5C4(WO2005/54294号公報等参照)、ヒト一本鎖抗体(scFv)(WO2001/810号公報、WO2003/54020号公報等参照)、及びヒト抗ヒトGPVIモノクローナル抗体(WO2005/7800号公報参照)などが挙げられる。
抗GPVI抗体としては、結合領域や結合部位、又はエピトープが同定されている抗体等が好ましく、特定のGPVIのドメイン、例えば、GPVIのドメイン1又はドメイン2と結合する抗体、又は、特定のループ、例えば、GPVIのループ2又はループ9の少なくとも一部を認識する抗体が挙げられる。具体例としては、実施例に示された抗体並びにWO2007/116779号公報、WO2006/117910号公報、及びWO2006/118350号公報の実施例に記載された抗体等が挙げられる。これらの特許文献に記載の事項は、本明細書に取り込まれる。
本発明のこのような抗体の製造方法及び同定方法は、種々の方法が適用でき、公知の方法を応用することもできるが、好ましくは、GPVIの特定部位、例えば特定のドメイン、好ましくは特定のループ領域を他のアミノ酸配列、具体的には、他の動物種のGPVIの対応するアミノ酸配列で置換した変異体を免疫用抗原又は抗体の同定用抗原として用いる方法が挙げられ、具体的には、WO2007/116779号公報、WO2006/117910号公報、特開2008−249552号公報及びWO2006/118350号公報の実施例に記載された方法を適用することができる。また、それらの抗体の認識領域等は、当該置換変異体と抗体との統合性及びGPVIと抗体との統合性を公知の方法に準じて測定することにより推定しうる。これらの結合領域等の同定された抗体を1又は2以上、好ましくは結合領域等の異なる2種類、好ましくはGPVIとの結合において互いに競合しない抗体の組合せ、例えば、ドメイン1と結合する抗体及びドメイン2と結合する抗体、又は、ループ2の少なくとも一部と結合する抗体及びループ9の少なくとも一部と結合する抗体の組合せを用いることにより、特異性、選択性及び/又は感度の高いsGPVIの検出又は定量が可能であり、特に、複数のGPVI分子種が混在する場合において、そのうちの特定のGPVI分子種、例えば、sGPVIを特異的、選択的及び/又は高感度に検出し、定量する測定が可能となる。
本発明のsGPVIの測定における測定感度は必ずしも限定されないが、試料中の濃度で示した場合、1ng/mL以下であればよく、300pg/mL以下、さらに100pg/mL以下、30pg/mL以下、10pg/mL以下、3.0pg/mL以下、又は1.0pg/mL以下のような高感度であっても良い。また、検出限界濃度としては、1ng/mL以下であればよく、300pg/mL以下、100pg/mL以下、30pg/mL以下、10pg/mL以下、3.0pg/mL以下、1.0pg/mL以下のような検出限界濃度であってもよい。
被検体からの試料中の濃度は、例えば図1に示されるような標準曲線を作成することができる標準物質の量として換算しても良い。標準物質としては、例えば、sGPVIと免疫グロブリンFc断片との融合蛋白質(sGPVI−Fc)、ヒスチジン−タグ(His−Tag)を結合させたsGPVI(sGPVI−His)等が挙げられる。また、測定前に試料の希釈操作を要する場合は、希釈後の値である。
被検体の試料、特に血漿中のsGPVIを測定する場合は、血漿成分の影響を受けずに特異的に血小板より遊離したGPVIを測定することが好ましい。したがって、一般的には特異性の高い抗体を用いたサンドイッチ免疫測定法が使用される。本発明の測定法においては、精度よくsGPVIを測定するために、できるだけ血漿成分の影響を減らすことが好ましく、その手段として検体の希釈が挙げられる。また、影響を減らす目的で反応液中に界面活性剤等の成分を添加することも可能であるが、それらが測定系に影響を及ぼす可能性がある場合には好ましくない。
抗GPVI抗体は、標識抗体又は非標識抗体のいずれでもよいが、少なくともlつの標識抗体を用いることが好ましい。この標識において、標識物質及び標識方法は公知の物質及び方法を用いることができ、放射性物質、酵素、蛍光物質及び化学発光物質等が用いられ、いずれも適用可能である。これらのうち、酵素標識抗体を用いる方法が特殊な設備や高価な検出装置を必要とせず取り扱いも簡便である等の点で好ましい。
また、標識には、直接法と間接法があり、いずれも適用可能である。
本発明において、少なくともひとつの抗GPVI抗体を固相化抗体として使用する場合は、種々の抗体を用いることができるが、好ましくはドメイン2、より好ましくはループ9又はループ11、特にループ9に特異的に結合する抗体が挙げられる。また、非固相化抗体として使用する場合のものとしては、種々の抗体を用いることができるが、好ましくはドメイン1、より好ましくはループ2又はループ5、特にループ2に特異的に結合する抗体が挙げられる。また、これらのうち、固相化抗体としてループ9に特異的に結合する抗体及び非固相化抗体としてループ2に特異的に結合する抗体の組合せが好ましい。
本発明の「ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬」としては、ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化を測定することができる物質若しくは組成物、又はこれらの組み合わせが挙げられる。物質は純粋物であるのが好ましいが、測定に影響がなければ必ずしも純粋物でなくてもよい。組成物としては、2種以上の物質の混合物や複合体などが挙げられる。これらの組み合わせとしては、測定を行うために、又は測定をより正確にするために、2種以上の物質又は組成物が必要な場合に、これらの物質又は組成物の集合体が挙げられる。
本発明の好ましい「ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬」としては、例えば、P−セレクチン、CD40L、トロンボキサンB2(TXB2)及び8−イソ−プロスタグランジンF2α(8-iso-PGF2α)、特に、sP−セレクチン、βトロンボグロブリン、血小板第4因子、CD63(Lysosome-associated membrane glycoprotein 3(LAMP-3))、sCD40L、マイクロパーティクル等の血小板活性化マーカーや血清中のFDP、D−ダイマー、トロンビン・アンチトロンビン複合体(TAT)、プロトロンビンフラグメントF1+2(F1+2)、等の凝固線溶系活性化マーカーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
即ち、本発明における「ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬」、及びそれを用いたヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定方法は、ヒト体液中のsGPVIの濃度の上昇が、血栓性疾患又は血栓症に起因する上昇でないことを確認できるものであれば十分であり、公知のヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定手段をそのまま適用することができる。
図2及び図3に示されるように、アルツハイマー患者検体(図2及び3の中央)及び血栓性疾患患者検体(図2及び3の右側)のいずれにおいても、体液中のsGPVIの量は上昇しており、この状態ではsGPVIの量の上昇がアルツハイマー病によるものか、血小板の活性化、例えば、血栓症によるものであるのかを区別することはできない。しかし、公知の血栓性疾患又は血栓症の診断手法を使用することにより、体液中のsGPVIの量の上昇が、アルツハイマー病によるものか、血小板の活性化、例えば、血栓性疾患又は血栓症によるものであるのかを区別することが可能となる。
図4は、本発明の「ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬」として、血小板活性化マーカーの1種として知られている血漿中可溶型P−セレクチン(sP-selectin)濃度の測定用試薬を用いて血漿中のsP−セレクチンの濃度を測定した結果を示したものである。この結果、アルツハイマー患者検体(図4の中央)では血漿中のsP−セレクチンの濃度は上昇していないが、血栓性疾患患者検体(図4の右側)では血漿中のsP−セレクチンの濃度が上昇しており、両者の疾患を区別することが可能となることを示している。
また、図5では、本発明の「ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬」として、凝固線溶系活性化マーカーの1種として知られている血清中FDP濃度の測定用試薬を用いて血清中のFDPの濃度を測定した結果を示したものである。この結果、アルツハイマー患者検体(図5の中央)では血清中のFDPの濃度は上昇していないが、血栓性疾患患者検体(図5の右側)では血清中のFDPの濃度が上昇しており、FDPの測定によっても両者の疾患を区別することが可能となることを示している。
さらに、アミロイド前駆体タンパク質(Amyloid precurser protein)トランスジェニックマウス(以下、APP−Tgマウスと記載する)における検討においても、その野生型と比較することにより、同様な結果が得られた(図6及び7参照)。
sGPVIサンドイッチELISA系はヒトのsGPVIの他に、サルのsGPVIにも交差反応性を示すので、サル血小板を用いてsGPVIの産生を検討した。その結果、sGPVIの産生機序の一つとして、アルツハイマー病患者において神経毒性作用を持つとされている線維化Aβの増加により、sGPVIの産生が誘導される可能性が示唆された(図8参照)。
このように、本発明における、「ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬」及びそれを用いたヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定方法は、ヒト体液中のsGPVIの濃度の上昇以外の方法により、ヒト体液中のsGPVIの濃度の上昇が血栓性疾患に起因する上昇でないことを確認できる測定用試薬及びそれを用いた測定方法であればよく、ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定手段を全て適用することができる。言い換えれば、本発明の「ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬」及びそれを用いたヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定方法は、ヒト体液中のsGPVIの濃度の上昇以外の方法により、血栓性疾患であると診断することが可能な診断用の測定用試薬及びそれを用いた測定方法の全てを包含しているということもできる。
本発明のヒト体液中のsGPVIの測定用試薬及びそれを用いた測定方法、並びに本発明のヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬及びそれを用いた測定方法のいずれも、種々の公知の測定原理を適用することができるが、一般的には免疫測定法が好ましい。免疫測定法としては、例えば、酵素抗体法、ELISA法、サンドイッチ免疫測定法、凝集法、固相直接法、固相結合法、溶液反応法、競合法、非競合法、イムノクロマト法、フロースルー法等が挙げられ、これらを単独又は組み合わせて、適用しうる(例えば、「超高感度酵素免疫測定法」石川栄治著、学会出版センター(1993年)、「免疫測定法の新しい活用事例と診断試薬・治療薬開発への応用」免疫測定法開発研究会、経営教育出版、酵素免疫測定法(第3版)石川栄治等編、医学書院(1987年)等参照)。また、標識の信号を電気化学的に測定するMEDIA法(特開平5−264552号公報)による測定、マイクロチップを使用したイムノアッセイ法(「バイオサイエンスとインダストリー」第61巻449−454頁2003年)、時間分解蛍光免疫測定法「アナリティカル バイオケミストリー(Analytical biochemistry)」(米国)、1984年、第137巻、p.335−343)及びホモジーニアス免疫測定法も適用できる。これらのうち、サンドイッチ免疫測定法、特に、マイクロウェルプレート等の不溶性担体を用いたサンドイッチELISA法が簡便であり、感度の面でも好ましい。
サンドイッチ免疫測定法は公知の技術を利用することができる。測定法の原理、応用及び改良法については、例えば、「超高感度酵素免疫測定法」石川栄治著、学会出版センター(1993年)、「免疫測定法の新しい活用事例と診断試薬・治療薬開発への応用」免疫測定法開発研究会、経営教育出版、酵素免疫測定法(第3版)石川栄治等編、医学書院(1987年)に記載されているので、これを参照して本明細書に取り込む。サンドイッチ免疫測定法は、通常測定する蛋白質を認識する部位の異なる2種類以上の抗体を用いて抗体−抗原−抗体複合体を形成させることにより測定する方法である。サンドイッチ免疫測定法においては、通常、不溶性担体を用いるが、その場合、不溶性担体に結合させる第一の抗体を、固相化(用)抗体又はキャプチャー抗体と、そして第二の抗体を、非固相化抗体、液相抗体、若しくは検出用抗体、又は直接的若しくは間接的に標識される場合標識抗体と呼ぶことがある。まず、第一の抗体が結合した不溶性担体を用意し、固相又は反応場所とする。検体を固相の該不溶性担体に添加し、反応させる。一定時間反応させた後、洗浄して固相に特異的に結合しなかった物質を除去する。続いて標識した第二の抗体を添加する。一定時間反応させた後、洗浄して複合体を形成しなかった標識抗体を除去し、標識物に基づいて固相に特異的に結合した複合体の量を特異的に定性又は定量する。サンドイッチ法は上記のように2段階で行う方法(2ステップ法)と、抗原及び標識抗体を同時に加える1段階法(1ステップ法)のいずれかを使用することもできる。
サンドイッチ免疫測定法において、不溶性担体を用いずに、溶液中で行うこともできる。例えば、抗原と標識抗体及び標識した第二の結合物質を液相中で反応させ、該標識と該第二の標識との相互作用を測定する方法である。
また、サンドイッチ免疫測定法において、さらに別法として第二の特異結合を利用して測定することもできる。抗体−抗原−抗体−第二の特異結合物質の複合体又は抗体−抗原−抗体−第二の特異結合物質−第二の特異結合物質の特異結合パートナー(以下、第二の特異結合パートナーと記載することがある。)の複合体を形成させて測定する方法である。第二の特異結合物質−第二の特異結合パートナーの組み合わせとしては、抗原とその抗体、リガンドとそのレセプター、糖鎖含有物質とレクチン、ビオチンとアビジン又はストレプトアビジン等が挙げられる。さらに、抗体に対する抗体、すなわち、抗イムノグロブリン抗体を利用して、抗体−抗原−抗体−抗イムノグロブリン抗体の複合体を形成させて測定する方法、また、抗イムノグロブリン抗体及び第二の特異結合を利用して、抗イムノグロブリン抗体−抗体−抗原−抗体−第二の特異結合物質−第二の特異結合パートナー等を形成させて測定する方法が例示される。
また、免疫測定法等において、別法として競合法により測定することもできる。抗原−抗体複合体を形成させる中で、検体中の抗原と標識した抗原又は標識した抗原類似物質を競合させることにより測定する方法である。
2種類の結合部位の異なる抗体を用いる本発明の好適な例としては、第二の特異結合物質−第二の特異結合パートナーとしてビオチンとアビジン又はストレプトアビジンを用いて、一方、特に、非固相化抗体をビオチン化し、これを標識、特にポリ−HRP標識したストレプトアビジンで検出する系が挙げられる。
サンドイッチ免疫測定系で用いる不溶性担体としては、ビーズ、ラテックス粒子、磁性粒子、プレート、チューブ又はメンブレン等が用いられる。ビーズ、プレート又はチューブは、その材料としてポリスチレン、ナイロン、ガラス、シリコンラバー、ステンレス、プラスチック等が挙げられる。メンブレンとしては、セルロース、セルロース誘導体、ニトロセルロース、多孔性合成ポリマー、グラスファイバー、布、不織布、濾紙等が挙げられる。形状としては、ビーズ、ラテックス粒子又は磁性粒子等は球形として用いることができ、保存時のスペースの確保の点で有利である。プレート又はチューブはウエル形として用いることができ、市販の自動化測定器、プレートリーダー等に対応可能な点で有利である。また、メンブレンは、イムノクロマト法、フロースルー法に用いることができる。抗体、第二の結合物質、第二の特異結合物質若しくはそのパートナー、又は抗イムノグロブリン抗体の不溶性担体への結合は、熱吸着法、化学結合法等により行うことができる。
また、非特異的吸着等の反応を低減し、測定系の特異性もしくは感度を高める目的で、不溶性担体に上記物質が結合していない非吸着面に対して、測定系に影響しない物質でブロッキング処理することが好ましい。測定系に影響しない物質としては、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン等の蛋白質及びTween20、NP−40等の界面活性剤等が例示される。
サンドイッチ免疫測定系キットに用いる標識としては、ペルオキシダーゼ、特に、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリフォスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、オキシダーゼ及びウリカーゼ等の酵素、アクリジニウム若しくはその誘導体、又はエクオリン若しくはその改変体等の化学発光物質、FITC、又はユウロピウム(Eu)若しくはサマリウム(Sm)等のランタノイド等の蛍光物質、色素、金コロイド、着色ラテックス、あるいはアイソトープが挙げられる。
例えば酵素としてペルオキシダーゼを用いる場合は、発色基質として3,3’,5,5’−テトラベンジジン、又は1,2−フェニレンジアミン等が、アルカリフォスファターゼを用いる場合は、発色基質として4−ニトロフェニルフォスフェート等が、β−D−ガラクトシダーゼを用いる場合は、発色基質として2−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシド等が例示される。
抗体、第二の結合物質、第二の特異結合物質若しくはそのパートナー、又は抗イムノグロブリン抗体への酵素標識は、二段階グルタルアルデヒド法、過ヨウ素酸法、マレイミド法、ピリジル・ジスルフィド法等により行うことができる。酵素以外の標識についても熱吸着法、化学結合法等の公知の技術を利用して行うことができる。
酵素標識は、上記に例示される様な発色基質を用いれば、通常の吸光度測定系を用いて測定でき、また感度も比較的高く好ましい。化学発光物質、蛍光物質、着色標識若しくはアイソトープを標識として用いる場合は、その標識に応じた測定機器により測定できる。また、Eu、例えばクリプテート(Eu3+クリプテート)等の蛍光物質を用いる場合は、第二の標識としてXL665等のアロフィコシアニン誘導体を用いて、蛍光共鳴エネルギー転移を測定することもできる。また、簡易な測定キット、例えイムノクロマト法、フロースルー法を利用したキットに用いる標識は、色素、金コロイド若しくは着色ラテックスが視覚的にも観察可能であるので好ましい。凝集法で不溶性担体として用いられる粒子としては、ラテックス、赤血球(例えば羊赤血球)、ゼラチン、マイクロビーズ又はカーボン粒子等、一般に用いられている粒子を使用することができる。
本発明の測定用試薬又はキットは、1以上の測定用の活性物質以外に任意の構成成分又は構成要素を含有してもよい。例えば、測定用試薬又はキットの任意の構成成分として、安定化剤、賦形剤又は保存剤等の添加剤、また、キットの任意の構成要素として、標準物質、検体若しくは標識抗体等の緩衝液若しくは希釈剤、標識抗体に酵素が使われる場合の酵素に適した発色基質、ブロッキング剤、反応停止剤又は洗浄剤等が例示される。希釈剤は、特に限定はないが、検体に含まれる物質を含む希釈剤が好ましい。検体が血清であり、その血清を入手するための採血をEDTAやクエン酸存在下で行われた場合、希釈剤としても同量のEDTAやクエン酸が存在することが好ましい。例えば、希釈剤中にEDTAを0.2〜1mg/mL含むことが好ましい。標準物質としては、生体試料から調製した標準品や、遺伝子工学的に調製した組換体等が挙げられる。これらは公知の方法で調製できる。
本発明は、被検体試料としてヒトから採取されたヒト体液中のsGPVIを測定することができる測定用試薬、及び当該ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化を測定することができる測定用試薬を用いて、被検体試料としてヒトから採取されたヒト体液中のsGPVI及び血小板又は凝固・線溶系の活性化を測定することによりアルツハイマー病を非侵襲的で、特殊な機器を必要とせず簡便に、かつ特異的に判定若しくは診断することができる診断剤、又はアルツハイマー病の診断に使用するためのキットを提供するものである。
本発明の診断方法は、被検体から体液を採取し、採取された被検体の試料を、必要に応じて測定可能な濃度に希釈し、本発明の測定用試薬を用いて試料中のsGPVIの濃度を測定し、同時又は順次に、本発明の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬を用いて試料中の血小板又は凝固・線溶系の活性化を測定し、これを健常人などの対照、好ましくは年齢を合せた、又は同年代の健常人の値と比較することにより行われる。
健常人の値との比較は、例えば、予め複数の健常人の測定結果を求めておき、その測定結果の平均値又は範囲をとる等により標準化した健常人の値又はその範囲を、対照としての健常人の標準値として、測定した値と比較することにより行われる。この比較は、標準偏差(SD)又は標準誤差(SE)を用いて、例えば、健常人の平均値+2SD(もしくはSE)又は3SD(もしくはSE)をカットオフ値として健常人の標準値を求めればよい。また、予め患者の基準値を求めておいて、測定した値と比較してもよい。その他、統計学的有意差を指標とすることもできる。
ある局面においては、対照との比較ではなく、同一人の経時的な変化を観察することが有用である。例えば、10年、5年、3年、1年、又は6月程度の間隔をおいて検査を実施することで、より早期に、又は、精度よく、診断等すること又は病気の段階若しくは進行度を判定することが可能となる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
・F1232−10−2 Fab’−HRPの作製
WO2007/116779号公報及びWO2006/118350号公報の実施例に記載された抗GPVI抗体F1232−10−2を、リジルエンドペプチターゼ(Lysylendopeptidase)で処理することによりF1232−10−2 F(ab’)を作製した。
即ち、リン酸緩衝生理的塩溶液D−PBS(SIGMA)にバッファー交換したF1232−10−2 50mgに、リジルエンドペプチターゼ(Lysylendopeptidase)(Wako社製)1AUを添加した。37℃で4時間反応した後、セリンプロテアーゼ阻害剤トシルリジンクロロメチルケトン(TLCK、SIGMA社製)を終濃度が30mMとなるように添加して反応を停止した。次に、F1232−10−2 F(ab’)を精製した。すなわち、切断されたFc部位と未切断のF1232−10−2を除く目的で、酵素消化した抗体をプロテインAカラム(Protein A Column)(Millipore社製)に供した。F(ab’)が含まれる非吸着両分を透析し4mMTris−HCL(pH8.5)にバッファー交換した。次いでモノQカラム(Mono Q Column)(GE Healthcare社製)を用いて陰イオン交換クロマトグラフィーを行った。得られたF1232−10−2 F(ab’)をD−PBSにバッファー交換した後に、ウシ血清IgGをスタンダードとしてプロテインアッセイ染料試薬(Protein Assay Dye Reagent)(Bio-Rad社製)を用いてタンパク濃度を測定した。
引き続きF1232−10−2 F(ab’)を、パーオキシダーゼ標識キットSH(Peroxidase Labeling Kit SH)(同仁化学社製)を用いてHRP標識した。すなわち、F1232−10−2 F(ab’)を部分還元し、ヒンジ部分に存在するシステイン残基にパーオキシダーゼ(Peroxidase)標識した。
・sGPVIサンドイッチELISA系
D−PBSを用いて10μg/mLに調製したWO2007/116779号公報及びWO2006/118350号公報の実施例に記載された抗GPVI抗体F1232−7−1を、50μL/ウエルで免疫プレート(immunoplate)(NuncC8Maxisorb社製)に分注し、4℃で一晩固相した。固相したプレートを氷冷イオン交換水にて5回洗浄した後、5% スタバイオロガード(stabiolguard)、0.1%Tween20、3.2% ショ糖(sucrose)/D−PBSを、200μL/ウエルで加えて未反応の部分をブロッキングした。その後、プレートを真空乾燥下で冷蔵保存した。
ヒト血清及びヒト血漿は、0.1%BSA、0.05%Tween20、0.3M NaCl/D−PBSにて100倍以上に希釈調製してF1232−7−1固相プレートに加え、28℃で2時間インキュベートした。なお、標準物質には、蛋白質発現システムFree Style 293 Expression System(Invitrogen社製)で発現精製した組換ヒトsGPVI−Hisを用いた。反応終了後、0.05%Tween20を含んだ生理食塩水でプレートを洗浄した。二次標識抗体として、実施例1で作製したF1232−10−2 Fab’−HRPを、2%ラット血清、0.05%Tween20/D−PBSにて100倍希釈して添加し、28℃で1時間インキュベートした。プレートを洗浄した後、室温に戻したテトラメチルベンチジン(tetramethylbenzidine、以下TMBと記載)を添加し、10分間反応させた。0.5M硫酸を添加して反応を停止した後、マイクロプレートリーダーSepectraMax(Molecular Devices社製)を用いて450nmの吸光度を測定し、650nm吸光度をブランクとして差し引いた。得られた吸光度はマイクロプレートデータ解析用ソフトウェアSoftMax Pro5.2(Molecular Devices社製)を用いて解析した。スタンダードカーブを、図1に示した。なお、データは原則として平均±標準誤差(SE)で表示した。
・各疾患患者の血清及び血漿sGPVI濃度の測定
各疾患患者の血清及び血漿中に含まれるsGPVIを、実施例2で作製したサンドイッチELISA系を用いて測定した。測定には血栓性疾患患者検体、アルツハイマー患者検体及び健常人コントロール検体を用いた。なお、健常人コントロールはアルツハイマー患者の年齢に合わせて高齢者由来の検体を用いた。血漿をサンプルとして用いた測定結果を、図2に、血清をサンプルとして用いた測定結果を図3に示した。血栓性疾患患者及びアルツハイマー患者の血清及び血漿中sGPVI濃度は健常人コントロールに比べ高値を示した。
・各疾患患者の血漿中sP−セレクチン(sP-selectin)濃度の測定
実施例3で使用した各疾患患者の血漿を用いて、血小板活性化マーカーであるsP−セレクチン濃度を、GMP-140(P-selectin) EIA kit(TAKARA)を用いて測定した。測定結果を図4に示した。血栓性疾患患者のsP−セレクチン濃度は健常人コントロールに比べ高値を示したが、アルツハイマー患者と健常人コントロールとの間に差は認められなかった。
・各疾患患者の血清中フィブリノーゲン分解産物(Fibrinogen Degradation Product(FDP))濃度の測定
実施例3で使用した各疾患患者の血清を用いて、線溶系のマーカーであるFDPを、FDP測定キットLATECLE FDP(カイノス社製)を用いて測定した。結果を図5に示した。血栓性疾患患者のFDP濃度は健常人コントロールに比べ高値を示したが、アルツハイマー患者と健常人コントロールとの間に差は認められなかった。
・各疾患患者におけるsGPVI濃度と血小板活性化マーカー及び凝固系マーカーの比較
実施例3〜5の結果を統計ソフトSAS/STAT9.1を用いて解析を行った。
最初に血漿サンプルに対して解析を行った。すなわち、実施例3で測定した各疾患患者の血漿サンプル中のsGPVI濃度をノンパラメトリック多重比較Dunnett型steelの検定方法を用いて解析した。対照群を健常人コントロール群(年齢84.5±7.1)として、アルツハイマー患者群(年齢88.9±4.5)と血栓性疾患患者群(年齢67.1±10.9)におけるsGPVI濃度の比較を行った。その結果、アルツハイマー患者群(p=0.00044)と血栓性疾患患者群(p=0.0024)は共にsGPVI濃度が有意に上昇していた。さらに、実施例4で測定した各疾患患者の血漿サンプル中のsP−セレクチン濃度を同様な方法で統計解析した。その結果、健常人コントロール群と比較して血栓性疾患患者群はsP−セレクチン濃度が有意に上昇しているのに対して(p=0.0033)、アルツハイマー患者群においては健常人コントロール群との差は認められなかった(p=0.96)。
次に血清サンプルに対して解析を行った。実施例3で測定した各疾患患者の血清サンプル中のsGPVI濃度をノンパラメトリック多重比較Dunnett型steelの検定方法を用いて解析した。対照群を健常人コントロール群(年齢84.6±9.1)として、アルツハイマー患者群(年齢85.1±11.4)と血栓性疾患患者群(年齢不明)におけるsGPVI濃度の比較を行った。その結果、アルツハイマー患者群(p=0.027)と血栓性疾患患者群(p=0.045)は共にsGPVI濃度が有意に上昇していた。さらに、実施例5で測定した各疾患患者の血清サンプル中のFDP濃度を同様な方法で統計解析したところ、健常人コントロール群と比較して血栓性疾患患者群ではFDP濃度が有意に上昇しているのに対して(p=0.018)、アルツハイマー患者群においては健常人コントロール群との差は認められなかった(p=0.41)。以上の結果は、sGPVIとsP−セレクチンのような血小板活性化マーカーあるいはFDPのような凝固線溶系活性化マーカーを組み合わせることでアルツハイマーを特異的に検出できることを示している。
・マウスsGPVIサンドイッチELISA系の作製
(1)ウサギ抗マウスGPVI抗体の作製
組換えマウスsGPVI−His85μgを500μLの生理食塩水に溶解し、500μLのフロインド完全アジュバント(DIFCO)と等量混合し、ニュージーランド白色ウサギ(北山ラベス)メス10週齢の背部皮下に投与した。2週間後、組換えマウスsGPVI−His85μgを500μLの生理食塩水に溶解し、500μLのフロインド不完全アジュバント(DIFCO)と等量混合し、背部皮下に投与した。
2回目の投与から1週間後、ウサギの耳動脈より採血した後、抗血清を分離し、抗体を精製した。すなわち抗血清に最終飽和濃度の50%となるように硫酸アンモニウムを添加し、室温で1時間攪拌した。析出した沈殿を遠心分離した。沈殿画分をリン酸緩衝液(SIGMA)(以下、D−PBSと記載)で溶解し、さらに透析法を用いてD−PBSにバッファー交換した。透析サンプルを濾過後、プロテインAカラム(Millipore社)に供し、結合したイムノグロブリン画分を0.1Mグリシン塩酸緩衝液(pH3.0)により溶出した。溶出されたイムノグロブリン画分は、1/10倍量の1Mトリス緩衝液(pH8.5)を添加することでpHを中和し、透析法によりD−PBSにバッファー置換した。得られたウサギ抗マウスGPVI抗体は、ウシ血清IgGをスタンダードとしてプロテインアッセイ染料試薬(Protein Assay Dye Reagent)(Bio-Rad社製)を用いてタンパク濃度を測定した。
(2)ウサギ抗マウスGPVI抗体Fab’−HRPの作製
上記(1)で作製したウサギ抗マウスGPVI抗体を酢酸緩衝溶液(pH4.0)にバッファー交換し、ペプシン(Roche社)を重量比30:1(抗体;ペプシン)で添加した。37℃で3時間反応させた後、2Mトリス緩衝液(pH8.5)を添加してpHを中性にすることで反応を停止した。
次に、ペプシン消化した抗体を4mMトリス緩衝液(pH8.5)中にバッファー交換し、陰イオンカラム(Mono Q Column)(GE Healthcare社製)を用いてクロマトグラフィーを行った。精製されたF(ab’)画分はD−PBSにバッファー交換した後に、上記(1)と同様にタンパク濃度を測定した。
次に、得られたウサギ抗マウスGPVI抗体F(ab’)を部分還元し、パーオキシダーゼ標識キットSH(Peroxidase Labeling Kit SH)(同仁化学社製)を用いて、ヒンジ部分に存在するシステイン残基にパーオキシダーゼ(Peroxidase)を標識し、標識抗体(ウサギ抗マウスGPVI抗体Fab’−HRPと表記)を調製した。
(3)マウスsGPVIサンドイッチELISA系の作製
上記(1)で作製されたウサギ抗マウスGPVI抗体をD−PBSを用いて10μg/mLに調製した。希釈調製した抗体溶液を50μL/ウエルで免疫プレート(immunoplate)(NuncC8Maxisorb社製)に分注し、4℃で一晩固相した。固相したプレートを氷冷イオン交換水にて5回洗浄した後、2% スタビリガード(stabilguard)、0.1%Tween20、3.2% ショ糖(sucrose)/D−PBSを、200μL/ウエルで加えて未反応の部分をブロッキングした。その後、プレートを真空乾燥下で冷蔵保存した。
マウス血漿を、0.1%BSA、0.05%Tween20/D−PBSにて10倍以上に希釈調製してウサギ抗マウスGPVI抗体固相プレートに加え、室温で2時間インキュベートした。なお、標準物質には組換マウスsGPVI−Hisを用いた。反応終了後、0.05%Tween20を含んだ生理食塩水でプレートを洗浄した。二次標識抗体として、上記(2)で作製したウサギ抗マウスGPVI抗体Fab’−HRPを、2%ウサギ血清、0.05%Tween20/D−PBSにて100倍希釈して添加し、室温で2時間インキュベートした。プレートを洗浄した後、室温に戻したTMBを添加し、10分間反応させた。0.5M硫酸を添加して反応を停止した後、マイクロプレートリーダーSepectraMax(Molecular Devices社製)を用いて450nmの吸光度を測定し、650nm吸光度をブランクとして差し引いた。得られた吸光度はマイクロプレートデータ解析用ソフトウェアSoftMax Pro5.2(Molecular Devices社製)を用いて解析した。前記した実施例2と同様にして、スタンダードカーブを作成した。
・アミロイド前駆体タンパク質(Amyloid precurser protein)トランスジェニックマウス(以下、APP−Tgマウスと記載する)における検討
(1)血漿sGPVI濃度の測定
約18〜24ヶ月齢のAPP−Tgマウス(B6;SJL-Tg(APPSWE)2576Kha, Taconic Farms Inc.)及びコントロールマウス血漿中に含まれるsGPVIを、実施例7で作製したサンドイッチELISA系を用いて測定した。なお、コントロールには同じ遺伝的背景を持つ野生型マウスを用いた。測定結果を図6に示した。
(2)マウスの血漿中sP−セレクチン(sP-selectin)濃度の測定
実施例8で使用した各マウスの血漿を用いて、血小板活性化マーカーであるsP−セレクチン濃度を測定した。測定にはsP−セレクチン ELISA Kit(R&D社)を用いた。測定結果を図7に示した。
(3)各マウスにおけるsGPVI濃度と血小板活性化マーカーの比較
統計ソフトSAS/STAT9.1を用いて、上記(1)で測定した各マウスの血漿サンプル中のsGPVI濃度をwilcoxonの順位和検定により解析した。その結果、APP−Tgマウス群ではsGPVI濃度が有意に上昇していた(P=0.0011)。また、上記(2)で測定した各マウスの血漿サンプル中のsP−セレクチン濃度をwilcoxonの順位和検定により解析したところ、両群間に有意な差は見られなかった(P=0.0941)。
以上の結果は、ヒトのアルツハイマー患者と同様にマウスのアルツハイマーモデルにおいても血小板の活性化を伴わずにsGPVIが産生されている事を示している。
・sGPVI産生機序の検討
実施例2で示したsGPVIサンドイッチELISA系はヒトのsGPVIの他に、サルのsGPVIにも交差反応性を示す。そこでサル血小板を用いてsGPVIの産生を検討した。
(1)サル洗浄血小板の調製
抗凝固剤としてクエン酸ナトリウムを用いてサル足静脈より全血を採取した。得られた全血を900rpm×10minで遠心する事により多血小板血漿(Platelet-rich plasma(以下、PRPと記す))を分離し、PRP画分のみをピペットマンで緩やかに吸い取り、新しいチューブに移した。得られたPRPを室温、2000rpm×10minで遠心し、血小板を沈殿させた。沈殿した血小板を常法に従って調製したACD(Acid-citrate-dextrose)−A液含有0.02%BSA/10mM HEPES Buffer(pH6.4)に懸濁し、再度2000rpm×10minで遠心し、血小板を沈殿させた。洗浄目的の本操作を2回行った。2回目の洗浄終了後、遠心により血小板を沈殿させた後、0.02%BSA/HEPES Buffer(pH7.4)に撹拌した。Sysmex F-820(東亜医用電子)を用いて血小板数をカウントし、40.0×10個/mLになるように調製し、洗浄血小板として用いた。
(2)アミロイドβ(以下、Aβと記す)の調製
洗浄血小板に添加する、可溶型アミロイドβ(以下、sAβと記す)と、線維化アミロイドβ(以下、fAβと記す)をCindy M Sondag(Journal of Neuroinflammation. 2009 Jan 5;6:1-13)らの方法により、以下の手順で調製した。
Aβ1−42(AnaSpec Inc)を1mg/mLとなるようにヘキサフルオロイソプロパノール(Hexafluoroisopropanol)(SIGMA)を添加し、1時間室温で静置し完全に溶解した。緩やかに加温することで、Hexafluoro isopropanolを完全に蒸発させた後、Aβ1−42が10mg/mLとなるようにジメチルスルホキシド(DMSO)を用いて溶解し、さらにD−PBSを用いて400μg/mLに希釈した。D−PBSで希釈した直後のAβをsAβとし、希釈した後に室温で1週間静置したものをfAβとして使用した。
(3)サル洗浄血小板を用いたsGPVIの産生の検討
サル洗浄血小板に、コラーゲン、sAβ、又はfAβの各種刺激剤を添加する事によりsGPVIの産生を検討した。すなわち、上記(1)で調製した洗浄血小板懸濁液180μLに、100mM塩化カルシウム溶液を4μL添加した。さらに各種刺激剤を20μL添加し、37℃で1時間反応させた。反応終了後15000rpm×2minで遠心し、上清を新しいチューブに移した後、プロテアーゼ阻害剤混合物(Protease Inhibitor Cocktail)(SIGMA)を終濃度5%となるように、またEDTAを終濃度5mMとなるように添加して反応を停止させた。反応液中のsGPVI濃度は実施例2に記載のELISA法にて測定した。刺激剤を添加しない場合をコントロールとして、各種刺激剤を添加した場合の結果を図8に示す。
図8に示すように、刺激剤を添加していないコントロール群と比較して、GPVIのリガンドであるコラーゲンを添加した際にはsGPVIの産生が認められた。一方、sAβを添加してもsGPVIの産生は認められなかったが、アルツハイマー患者において神経毒性作用を持つとされている線維化Aβを添加した場合にはsGPVIの産生が認められた。
この結果、sGPVIの産生機序の一つとして、アルツハイマー病患者において神経毒性作用を持つとされている線維化Aβの増加により、sGPVIの産生が誘導される可能性が示唆された。
本発明は、非侵襲的、かつ特殊な機器を必要とせず簡便にアルツハイマー病を診断することができる診断剤又は診断に使用するためのキットを提供するものであり、診断剤又は診断用キットとして、産業上有用である。

Claims (10)

  1. ヒト体液中の可溶型GPVI(sGPVI)の測定用試薬、及び当該ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬を含有してなるアルツハイマー病又はそのリスクの診断剤又はスクリーニング剤。
  2. sGPVIの測定用試薬が、少なくとも抗GPVI抗体の1種を含有するものである請求項1に記載の診断剤又はスクリーニング剤。
  3. 血小板又は凝固・線溶系の活性化の測定用試薬が、血小板活性化マーカー及び/又は凝固線溶系活性化マーカーの測定用試薬である請求項1又は2に記載の診断剤又はスクリーニング剤。
  4. 血小板活性化マーカーが可溶型P−セレクチンである、請求項1ないし3のいずれかに記載の診断剤又はスクリーニング剤。
  5. 凝固線溶系活性化マーカーが血清中フィブリノーゲン分解産物(FDP)又はD−ダイマー (D-dimer)である、請求項1ないし4のいずれかに記載の診断剤またはスクリーニング剤。
  6. 採取したヒト体液中のsGPVIの濃度を測定する工程、及び当該ヒト体液中の血小板又は凝固・線溶系の活性化を測定する工程を含有してなるアルツハイマー病又はそのリスクをスクリーニング、判定又は診断する方法。
  7. sGPVIの濃度を測定する工程が、少なくとも抗GPVI抗体の1種を含有するものである請求項6に記載の方法。
  8. 血小板又は凝固・線溶系の活性化を測定する工程が、血小板活性化マーカー及び/又は凝固線溶系活性化マーカーを測定する方法である、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 血小板活性化マーカーが、sP−セレクチンである、請求項6ないし8のいずれかに記載の方法。
  10. 凝固線溶系活性化マーカーが、血清中フィブリノーゲン分解産物(FDP)又はD−ダイマー(D-dimer)である、請求項6ないし9のいずれかに記載の方法。
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