JPWO2012032578A1 - 有機発光層材料,有機発光層材料を用いた有機発光層形成用塗布液,有機発光層形成用塗布液を用いた有機発光素子,有機発光素子を用いた光源装置および有機発光素子の製造方法 - Google Patents

有機発光層材料,有機発光層材料を用いた有機発光層形成用塗布液,有機発光層形成用塗布液を用いた有機発光素子,有機発光素子を用いた光源装置および有機発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

ドーパント量の制御を容易に行える有機発光素子を提供する。上部電極(12)と、下部電極(11)と、前記上部電極と前記下部電極との間に配置された発光層(3)とを有する有機発光素子であって、前記発光層はホスト(4)、第一のドーパントおよび第二のドーパントを含み、前記第一のドーパントの発光色は前記第二のドーパントの発光色と異なり、前記第一のドーパントは青色ドーパントまたは緑色ドーパントであり、前記第一のドーパントには第一の機能性基が含まれ、前記第一の機能性基は、前記発光層の前記上部電極が存在する側の表面へ前記第一のドーパントを移動させる有機発光素子。

Description

本発明は、有機発光層材料,有機発光層材料を用いた有機発光層形成用塗布液,有機発光層形成用塗布液を用いた有機発光素子および有機発光素子を用いた光源装置に関する。
これまでに単層の発光層を有する有機白色発光素子としては、電極間に、少なくとも(a)ポリマーと(b)発光中心形成化合物とを含有する組成物よりなる単層発光層を挿入した有機EL素子であって、前記組成物中には電子輸送性のものとホール輸送性のものがバランスよく包含されており、前記ポリマーはそれ自体の発光色が青色またはそれよりも短波長を示すものであり、前記発光中心形成化合物はその2種以上が前記ポリマー中に分子分散した状態で存在しており、それぞれの発光中心形成化合物はそれぞれ単独で発光し、有機EL素子全体としての発色光は白色光に見えるように前記発光中心形成化合物を2種以上組合せて使用していることを特徴とする単層型白色発光有機EL素子が特許文献1にて報告されている。
特開平9−63770号公報
従来の有機発光素子では、複数の異なる色の、ドーパントが相分離せず、ドーパント量の制御を容易に行うことが難しいという問題があった。
本発明の目的は、ドーパント量の制御を容易に行える有機発光層材料,有機発光層材料を用いた有機発光層形成用塗布液,有機発光層形成用塗布液を用いた有機発光素子,有機発光素子を用いた光源装置および有機発光素子の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)上部電極と、下部電極と、前記上部電極と前記下部電極との間に配置された発光層とを有する有機発光素子であって、前記発光層はホスト、第一のドーパントおよび第二のドーパントを含み、前記第一のドーパントの発光色は前記第二のドーパントの発光色と異なり、前記第一のドーパントは青色ドーパントまたは緑色ドーパントであり、前記第一のドーパントには第一の機能性基が含まれ、前記第一の機能性基は、前記発光層の前記上部電極が存在する側の表面へ前記第一のドーパントを移動させる有機発光素子。
(2)上記(1)において、前記第一の機能性基は、フルオロアルキル基,パーフルオロアルキル基,アルキル基(Cの数は10以上),パーフルオロポリエーテル基及びシロキシ基のうちから1つ以上選ばれる有機発光素子。
(3)上記(2)において、前記第一のドーパントは下記(化1)で表されるイリジウム錯体である有機発光素子。
Figure 2012032578
(式中X1はNを含む芳香族ヘテロ環を表し、X2は芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表し、X3はアセチルアセトナート誘導体,ピコリネート誘導体またはテトラキスピラゾリルボレート誘導体を表す。Y1は前記第一の機能性基を表す。)
(4)上記(1)において、前記第二のドーパントには第二の機能性基が含まれ、前記第二の機能性基は、前記発光層の前記下部電極が存在する側の表面へ前記第二のドーパントを移動させる有機発光素子。
(5)上記(4)において、前記第二の機能性基は−OH,−SH,−COOH,−SO3H,I,Br,Cl,F,SCN,CN,NH2,NO2及びビピリジル基のうちから1つ以上選ばれる有機発光素子。
(6)上記(4)において、前記下部電極と前記発光層との間に正孔輸送層が配置され、前記第二の機能性基はフェニルアミノ基,オキサゾール基,カルバゾール基及びヒドラゾン部位のうちから1つ以上選ばれる有機発光素子。
(7)上記(1)において、前記発光層には第三のドーパントが含まれ、前記第三のドーパントの発光色は前記第一のドーパントの発光色および前記第二のドーパントの発光色と異なる有機発光素子。
(8)上記(1)において、前記第二のドーパントが青色ドーパントまたは緑色ドーパントである場合、前記青色ドーパントの最低空軌道エネルギーの絶対値は前記緑色ドーパントの最低空軌道エネルギーの絶対値よりも大きい有機発光素子。
(9)上記(1)において、前記発光層の膜厚方向において、前記第一のドーパントの濃度がピークとなる位置は前記発光層の中央より前記上部電極側に存在し、前記発光層の膜厚方向において、前記第一のドーパントの濃度がピークとなる位置から前記下部電極側に向かって前記第一のドーパントの濃度が単調減少する有機発光素子。
(10)上記(4)において、前記発光層の膜厚方向において、前記第二のドーパントの濃度がピークとなる位置は前記発光層の中央より前記下部電極側に存在し、
前記発光層の膜厚方向において、前記第二のドーパントの濃度がピークとなる位置から前記上部電極に向かって前記第二のドーパントの濃度が単調減少する有機発光素子。
(11)上記(1)の有機発光素子に用いられる発光層形成用塗液であって、発光層形成用塗液は、溶媒,前記ホスト,前記第一のドーパント及び前記第二のドーパントを含む発光層形成用塗液。
(12)上記(1)の有機発光素子に用いられる発光層形成用材料であって、発光層形成用材料は、前記ホスト,前記第一のドーパントおよび前記第二のドーパントを含む発光層形成用材料。
(13)上記(1)の請求項1の有機発光素子を備える光源装置。
(14)上部電極と、下部電極と、前記上部電極と前記下部電極との間に配置された発光層とを有する有機発光素子の製造方法であって、前記発光層はホスト,第一のドーパントおよび第二のドーパントを含み、前記第一のドーパントの発光色は前記第二のドーパントの発光色と異なり、前記第一のドーパントは青色ドーパントまたは緑色ドーパントであり、前記第一のドーパントには、前記第一のドーパントを前記上部電極側へ移動させる第一の機能性基が含まれ、前記発光層は塗布法で作製される有機発光素子の製造方法。
(15)上記(14)前記発光層には第三のドーパントが含まれ、前記第三のドーパントの発光色は前記第一のドーパントの発光色および前記第二のドーパントの発光色と異なり、前記第一のドーパント,前記第二のドーパントおよび前記第三のドーパントは、赤色ドーパント,緑色ドーパントおよび青色ドーパントのいずれかであり、前記赤色ドーパント固形分の濃度は10wt.%未満であり、前記緑色ドーパント固形分の濃度は10wt.%未満であり、前記青色ドーパント固形分の濃度は10wt.%以上30wt.%以下である有機発光素子の製造方法。
本発明により、ドーパント量の制御を容易に行える有機発光層材料,有機発光層材料を用いた有機発光層形成用塗布液,有機発光層形成用塗布液を用いた有機発光素子,有機発光素子を用いた光源装置および有機発光素子の製造方法を提供できる。上記した以外の課題,構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明における有機発光素子の一実施の形態における断面図である。 有機発光素子中の各材料のエネルギーダイアグラムである。 有機発光素子中の各材料のエネルギーダイアグラムである。 有機発光素子中の各材料のエネルギーダイアグラムである。 有機発光素子中の各材料のエネルギーダイアグラムである。 有機白色発光素子中の各材料のエネルギーダイアグラムである。 有機白色発光素子中の各材料のエネルギーダイアグラムである。 本発明における光源装置の一実施の形態における断面図である。 本発明を構成する混合膜内の各ドーパントの膜厚方向の濃度分布を示したものである。
以下、図面等により本発明を詳細に説明する。以下の記載は本願発明の内容の具体例を示すものであり、本願発明がこれらの記載に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。
従来の塗布法で作製した有機発光素子では、青色ドーパントからのエネルギー移動を抑制するため、緑色ドーパント濃度が0.02モル%、赤色ドーパント濃度が0.02モル%および0.015モル%と非常に低く、ドーパントの濃度制御が難しくなる。また、各ドーパント間のエネルギー移動,発光領域でのキャリア閉じ込めが不十分であることなどのため、十分な発光効率を得られていない。
図1は、本発明の一実施形態に係る有機発光素子の断面図である。この有機発光素子は、上部電極12と、下部電極11と、有機層13とを有する。図1の下側から基板10,下部電極11,有機層13,上部電極12の順に配置されており、図1の有機発光素子は下部電極11側から発光層3の発光を取り出すボトムエミッション型である。下部電極11は陽極となる透明電極、上部電極12は陰極となる反射電極である。なお、上部電極12が陰極、下部電極11が陽極であれば、上部電極12を透明電極としたトップエミッション型の素子構造でも構わない。基板10および下部電極11、下部電極11および有機層13、有機層13および上部電極12はそれぞれ接していても構わず、各層の間に他の層を介在させてもよい。他の層としては、無機のバッファ層や注入層などが挙げられる。バッファ層としては、酸化バナジウム,酸化モリブデン,酸化タングステン等が挙げられる。
有機層13は発光層3のみの単層構造、あるいは電子注入層9,電子輸送層8,正孔輸送層2及び正孔注入層1のいずれか一層以上を含む多層構造でも構わない。電子注入層9および電子輸送層8、電子輸送層8および発光層3、発光層3および正孔輸送層2、正孔輸送層2および正孔注入層1はそれぞれ接していても構わず、各層の間に上述の他の層を介在させてもよい。図1における有機発光素子に駆動回路および筐体などが備えられることで光源装置となる。
図8は本発明における光源装置の一実施の形態における断面図である。図8は上部電極12が存在する側から発光を取り出すトップエミッション型の有機発光素子である。図8では、基板10上に下部電極11,第一のバンク104,第二のバンク105,有機層13,上部電極12,樹脂層106,封止基板107,光取り出し層108が上記の順で配置されている。ボトムエミッション型の有機発光素子の場合、基板10に対して有機層13が存在しない側に光取り出し層108が配置される。
第一のバンク104は順テーパーとなっており、パターンニングされた下部電極11のエッジのカバーの役割を果たす。第二のバンク105は逆テーパーとなっており、隣接する素子の有機層13および上部電極12を分離する役割を持つ。第一のバンク104および第二のバンク105はポリイミド樹脂,アクリル樹脂ノボラック樹脂,フェノール樹脂など各種樹脂を用いることができる。第一のバンク104および第二のバンク105の形成は有機層13を塗布で形成した後、所定のフォトマスクを用いて、現像露光する。第一のバンク104および第二のバンク105の表面には撥水性処理を施す。例えば、第一のバンク104および第二のバンク105の表面にフッ素系ガスのプラズマ処理を行い、第一のバンク104および第二のバンク105の表面をフッ素化することで撥水性処理を行う。
樹脂層106および封止基板107は有機発光素子の劣化の要因となるガスや水分の浸入を防ぐ役割を持つ。光取り出し層108を用いることで、発光層3で発光した光を効率よく取り出せるようになる。
発光層3はホスト4及びドーパントを含む。発光層3とは、上部電極12,下部電極11,電子輸送層8または正孔輸送層2から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光するものである。発光する部分は発光層3の層内であってもよいし、発光層3と発光層3に隣接する層との界面であってもよい。ドーパントとして、蛍光性化合物,リン光性化合物を用いることができる。ドーパントは、赤色ドーパント5,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7を含む。発光層3の形成用材料は、ホスト4,赤色ドーパント5,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7からなる。発光層3の形成用材料として、ホスト4,赤色ドーパント5及び青色ドーパント7を含んだものであっても構わない。発光層3の形成用材料として、ホスト4,赤色ドーパント5及び緑色ドーパント6を含んだものであっても構わない。発光層3の形成用材料として、ホスト4,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7を含んだものであっても構わない。赤色ドーパント5の発光色,緑色ドーパント6の発光色及び青色ドーパント7の発光色は異なる。「発光色が異なる」とは、各ドーパントのPLスペクトルにおいて最大強度を示す波長が異なることを言う。発光層3内では各ドーパント材料が各領域に偏って存在しており、擬似的な積層構造を形成している。
<相分離>
有機LEDの製造方法は真空蒸着法と塗布法に大別される。そのうち、塗布法は大面積の成膜が容易、材料の利用効率が高いなどの利点がある。塗布法を用いるためには有機LEDの層数を少なくする必要があり、発光層を単層にすることが求められている。
単層の発光層で白色発光させるために赤色ドーパント5,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7を混合した場合、周囲に異なる色のドーパントが存在する。励起エネルギーはある確率で隣接する分子へと移動する。例えば、青色ドーパント7に隣接して緑色ドーパント6または赤色ドーパント5が存在する場合には、励起エネルギーが青色ドーパント7から緑色ドーパント6または赤色ドーパント5の低エネルギー側へと移動してしまい、白色発光が困難となる。励起エネルギーの移動は、単層の発光層に三色のドーパントが含まれている場合でも、二色のドーパントが含まれている場合でも起こりうる。例えば、単層の発光層中に緑色ドーパント6および赤色ドーパント5が存在する場合、緑色ドーパント6からよりエネルギーの低い赤色ドーパント5へとエネルギー移動が起こり、白色発光が困難となる。そのため、発光層内で自発的に各ドーパントを相分離させ、低エネルギーのドーパントが隣接しないようにすることで、塗布型の有機白色発光素子においても高効率な白色発光が可能となる。この場合、高いドーパント濃度においても白色発光を得ることができる。自発的に相分離させる方法として、本発明の一実施形態では、適切な機能性基を各発光ドーパントに付加した。
以下、図2から図7において、ホスト4,赤色ドーパント5,緑色ドーパント6および青色ドーパント7の最高被占軌道(HOMO)および最低空軌道(LUMO)は次のようになる。HOMOエネルギーは光電子分光法によって測定される。また、LUMOエネルギーは、吸収スペクトルからHOMO−LUMOのエネルギー差を求め算出する方法や、逆光電子分光法によって直接測定する方法によって測定される。LUMOについて、小さなものから、緑色ドーパント6,ホスト4,青色ドーパント7,赤色ドーパント5の順となる。HOMOについて、小さなものから、赤色ドーパント5,緑色ドーパント6,青色ドーパント7,ホスト4の順となる。ただし、各分子のHOMOおよびLUMOは上記に限られない。
<赤色ドーパントおよび緑色ドーパントの層構成>
赤色ドーパント5および緑色ドーパント6が自発的に相分離し、図2に示す擬似的な積層構造を形成した場合を考える。赤色ドーパント5および緑色ドーパント6のPLスペクトルの最大強度を調整することで白色光が得られる。
発光層3にはホスト4,赤色ドーパント5および緑色ドーパント6が含まれている。緑色ドーパント6には、発光層3の電子輸送層8(上部電極12)が存在する側の表面へ緑色ドーパント6を移動させる機能性基が含まれる。赤色ドーパント5には、発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ赤色ドーパント5を移動させる機能性基が含まれる。赤色ドーパント5の濃度が十分に低い場合、赤色ドーパント5には、発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ赤色ドーパント5を移動させる機能性基を含めなくても良い。赤色ドーパント5に発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ赤色ドーパント5を移動させる機能性基が含まれることにより、ドーパントの濃度制御が容易になる。また、赤色ドーパント5および緑色ドーパント6の最高被占軌道(HOMO)および最低空軌道(LUMO)エネルギーを図2のように規定した場合を考える。
ドーパント準位間でのホッピング伝導を少なくする程度に赤色ドーパント5の濃度を低くしている。このため、赤色ドーパント5領域での電子の移動度および正孔の移動度は緑色ドーパント7領域と比較して低くなっている。
電子輸送層8から発光層3へと注入された電子はホスト4のLUMO準位をホッピングし、発光層3内を伝播する。赤色ドーパント5領域での電子移動度が緑色ドーパント6領域での電子移動度よりも小さいため、緑色ドーパント6領域および赤色ドーパント5領域の境界付近に電子が蓄積される。
一方、正孔は正孔輸送層2からホスト4のHOMO準位へと注入され、ホスト4のHOMO準位間をホッピングして、発光層3内を伝播する。赤色ドーパント5領域から伝播してきた正孔は緑色ドーパント6のHOMO準位へと入り、電子と再結合することで緑色の光を発する。また、再結合で生成された励起子は拡散により赤色ドーパント5領域に移動することで、赤色の光を発する。赤色ドーパント5領域まで伝播してしまった電子は赤色ドーパント5領域で正孔と再結合することで赤色の光を発する。
以上により、ドーパント量の制御を容易に行える。また、最もT1エネルギーの高いドーパント領域にキャリアを閉じ込め再結合させることで、高効率の有機発光素子を実現できる。
<赤色ドーパントおよび青色ドーパントの層構成>
赤色ドーパント5および青色ドーパント7が自発的に相分離し、図3に示す擬似的な積層構造を形成した場合を考える。赤色ドーパント5および青色ドーパント7のPLスペクトルの最大強度を調整することで白色光が得られる。
発光層3にはホスト4,赤色ドーパント5および青色ドーパント7が含まれている。青色ドーパント7には、発光層3の電子輸送層8(上部電極12)が存在する側の表面へ青色ドーパント7を移動させる機能性基が含まれる。赤色ドーパント5には、発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ赤色ドーパント5を移動させる機能性基が含まれる。赤色ドーパント5には、赤色ドーパント5を発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ赤色ドーパント5移動させる機能性基を含めなくても良い。赤色ドーパント5に発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ赤色ドーパント5を移動させる機能性基が含まれることにより、ドーパントの濃度制御がより容易になる。また、赤色ドーパント5および青色ドーパント7の最高被占軌道(HOMO)および最低空軌道(LUMO)エネルギーを図3のように規定した場合を考える。
ドーパント準位間でのホッピング伝導を少なくする程度に赤色ドーパント5の濃度を低くする。このため、赤色ドーパント5領域での電子の移動度および正孔の移動度は青色ドーパント7領域での電子の移動度および正孔の移動度と比較して低くなっている。
発光層3中の電子輸送層8が存在する側に青色ドーパント7が適当な濃度(例えば、ホスト4に対し重量パーセントで10%以上)含まれている場合、電子輸送層8から発光層3へと注入された電子は青色ドーパント7のLUMO準位をホッピングし、発光層3内を伝播する。赤色ドーパント5領域では電子移動度が青色ドーパント7領域よりも小さいため、青色ドーパント7領域および赤色ドーパント5領域の境界付近に電子が蓄積される。
一方、正孔は正孔輸送層2からホスト4のHOMO準位へと注入され、ホスト4のHOMO準位間をホッピングして、発光層3内を伝播する。赤色ドーパント5領域から伝播してきた正孔は青色ドーパント7のHOMO準位へと入り、電子と再結合することで青色の光を発する。また、再結合で生成された励起子は拡散により赤色ドーパント5領域に移動することで、赤色の光を発する。赤色ドーパント5領域まで伝播してしまった電子は赤色ドーパント5領域で正孔と再結合することで赤色の光を発する。
以上により、ドーパント量の制御を容易に行える。また、各色の発光効率が高くなり、発光素子の発光効率を向上できる。また、簡易な構成で良好な色度の白色が得られる。
<緑色ドーパントおよび青色ドーパントの層構成1>
緑色ドーパント6および青色ドーパント7が自発的に相分離し、図4に示す擬似的な積層構造を形成した場合を考える。緑色ドーパント6および青色ドーパント7のPLスペクトルの最大強度を調整することで白色光が得られる。
発光層3にはホスト4,緑色ドーパント6および青色ドーパント7が含まれている。青色ドーパント7には、発光層3の電子輸送層8(上部電極12)が存在する側の表面へ青色ドーパント7を移動させる置換基が含まれる。緑色ドーパント6には、発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ緑色ドーパント6を移動させる機能性基が含まれる。緑色ドーパント6には、緑色ドーパント6を発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ緑色ドーパント6移動させる機能性基を含めなくても良い。緑色ドーパント6に、発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ緑色ドーパント6を移動させる機能性基が含まれることにより、ドーパントの濃度制御がより容易になる。また、緑色ドーパント6および青色ドーパント7の最高被占軌道(HOMO)および最低空軌道(LUMO)エネルギーを図3のように規定した場合を考える。
発光層3中の電子輸送層8が存在する側に青色ドーパント7が適当な濃度(例えば、ホスト4に対し重量パーセントで10%以上)含まれている場合、電子輸送層8から発光層3へと注入された電子は青色ドーパント7のLUMO準位をホッピングし、発光層3内を伝播する。緑色ドーパント6のLUMOエネルギーの絶対値は青色ドーパント7のLUMOエネルギーよりも小さいため、電子に対し障壁となる。これにより、青色ドーパント7領域に電子を閉じ込めることができる。
一方、正孔は正孔輸送層2からホスト4のHOMO準位へと注入され、ホスト4のHOMO準位間をホッピングして、発光層3内を伝播する。緑色ドーパント6領域から伝播してきた正孔は青色ドーパント7のHOMO準位へと入り、電子と再結合することで青色の光を発する。また、再結合で生成された励起子は拡散により緑色ドーパント6領域に移動することで、緑色の光を発する。緑色ドーパント6領域まで伝播してしまった電子は緑色ドーパント6領域で正孔と再結合することで緑色の光を発する。
以上により、ドーパント量の制御を容易に行える。また、各色の発光効率が高くなり、有機発光素子の発光効率を向上できる。また、発光層3に含まれる緑色ドーパント6および青色ドーパント7の濃度を高くできる。
<緑色ドーパントおよび青色ドーパントの層構成2>
緑色ドーパント6及び青色ドーパント7が自発的に相分離し、図5に示す擬似的な積層構造を形成した場合を考える。緑色ドーパント6および青色ドーパント7のPLスペクトルの最大強度を調整することで白色光が得られる。
発光層3にはホスト4,緑色ドーパント6および青色ドーパント7が含まれている。緑色ドーパント6には、発光層3の電子輸送層8(上部電極12)が存在する側の表面へ緑色ドーパント6を移動させる置換基が含まれる。青色ドーパント7には、発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ青色ドーパント7を移動させる機能性基が含まれる。青色ドーパント7には、発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ青色ドーパント7を移動させる機能性基を含めなくても良い。青色ドーパント7に、発光層3に対して正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ青色ドーパント7を移動させる機能性基が含まれることにより、ドーパントの濃度制御がより容易になる。緑色ドーパント6および青色ドーパント7の最高被占軌道(HOMO)および最低空軌道(LUMO)エネルギーを図5のように規定した場合を考える。
緑色ドーパント6のLUMOエネルギーの絶対値がホスト4のLUMOエネルギーも小さい場合、電子に対するトラップ性が低くなる。電子輸送層8から発光層3へと注入された電子はホスト4のLUMO準位をホッピングし発光層3内を伝播する。青色ドーパント7領域では、電子は青色ドーパント7のLUMO準位間をホッピング伝導する。
一方、正孔は正孔輸送層2から青色ドーパント7のHOMO準位へと注入され、青色ドーパント7のHOMO準位間をホッピングにより伝播する。緑色ドーパント6の正孔の移動度は青色ドーパント7の正孔の移動度より小さいため、正孔は青色ドーパント7領域に閉じ込められる。これにより、青色ドーパント7で再結合が生じ、青色の光を発する。青色ドーパント7領域での再結合で生じた励起子が緑色ドーパント6領域で緩和するか、青色ドーパント7領域に閉じ込め切れなかった正孔が緑色ドーパント6領域まで伝播し、そこで電子と再結合することで緑色の光を発する。
以上により、ドーパント量の制御を容易に行える。また、各色の発光効率が高くなり、有機発光素子の発光効率を向上できる。
<赤色ドーパント5,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7の層構成1>
赤色ドーパント5,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7が自発的に相分離し、図6に示す擬似的な積層構造を形成した場合を考える。
発光層3にはホスト4,赤色ドーパント5,緑色ドーパント6および青色ドーパント7が含まれている。青色ドーパント7には、発光層3の電子輸送層8(上部電極12)が存在する側の表面へ青色ドーパント7を移動させる機能性基が含まれる。赤色ドーパント5には、発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ赤色ドーパント5を移動させる機能性基が含まれる。赤色ドーパント5には、発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ赤色ドーパント5を移動させる機能性基を含めなくても良い。赤色ドーパント5に、発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ赤色ドーパント5を移動させる機能性基が含まれることにより、ドーパントの濃度制御がより容易になる。各ドーパントの最高被占軌道(HOMO)と最低空軌道(LUMO)エネルギーから、キャリア伝導を考慮して陽極側から赤色ドーパント5,緑色ドーパント6および青色ドーパント7を図6に示す。
赤色ドーパント5濃度および緑色ドーパント6濃度はドーパント準位間でのホッピング伝導を少なくする程度に低濃度化(10wt.%未満)してある。このため、赤ドーパント5領域,緑色ドーパント6領域での電子の移動度および正孔の移動度は青色ドーパント7領域と比較して低くなっている。
発光層3中の電子輸送層8が存在する側に青色ドーパント7が適当な濃度(例えば、ホスト4に対し重量パーセントで10%以上)含まれている場合、電子輸送層8から発光層3へと注入された電子は青色ドーパント7のLUMO準位をホッピングし、発光層3内を伝播する。緑色ドーパント6領域では電子移動度が青色ドーパント7領域よりも小さいため青色ドーパント7領域および緑色ドーパント6領域の境界付近に電子が蓄積される。さらに、緑色ドーパント6のLUMOエネルギーの絶対値は青色ドーパント7のLUMOエネルギーよりも小さいため、電子に対し障壁となる。これにより、青色ドーパント7領域に電子を閉じ込めることができる。
一方、正孔は正孔輸送層2からホスト4のHOMO準位へと注入され、ホスト4のHOMO準位間をホッピングして、発光層3内を伝播する。緑色ドーパント6領域から伝播してきた正孔は青色ドーパント7のHOMO準位へと入り、電子と再結合することで青色の光を発する。また、再結合で生成された励起子は拡散により緑色ドーパント6領域および赤色ドーパント5領域に移動することで、赤色の光および緑色の光を発する。緑色ドーパント6領域まで伝播してしまった電子は緑色ドーパント6領域で正孔と再結合することで緑色の光を発する。
以上により、ドーパント量の制御を容易に行える。また、各色の発光効率が高くなり、白色有機発光素子の発光効率を向上できる。また、電子を青色ドーパント7の領域に閉じ込める手段として、移動度差に加えて青色ドーパント7と緑色ドーパント6とのLUMO準位のエネルギー差を利用することができ、より電子を閉じ込めやすくなる。
<赤色ドーパント5,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7の層構成2>
赤色ドーパント5,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7が自発的に相分離し、図7に示す擬似的な積層構造を形成した場合を考える。
発光層3にはホスト4,赤色ドーパント5,緑色ドーパント6および青色ドーパント7が含まれている。緑色ドーパント6には、発光層3の電子輸送層8(上部電極12)が存在する側の表面へ緑色ドーパント6を移動させる機能性基が含まれる。赤色ドーパント5には、発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ赤色ドーパント5を移動させる機能性基が含まれる。赤色ドーパント5には、発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ赤色ドーパント5を移動させる機能性基を含めなくても良い。赤色ドーパント5に、発光層3の正孔輸送層2(下部電極11)が存在する側の表面へ赤色ドーパント5を移動させる機能性基が含まれることにより、ドーパントの濃度制御がより容易になる。各ドーパントの最高被占軌道(HOMO)と最低空軌道(LUMO)エネルギーから、キャリア伝導を考慮して陽極側から赤色ドーパント5,青色ドーパント7および緑色ドーパント6を図7に示す。
緑色ドーパント6のLUMOエネルギーの絶対値がホスト4のLUMOエネルギーよりも小さい場合、電子に対するトラップ性が低くなる。電子輸送層8から発光層3へと注入された電子はホスト4のLUMO準位をホッピングし発光層3内を伝播する。青色ドーパント7領域では、電子は青色ドーパント7のLUMO準位間をホッピング伝導する。赤色ドーパント5の電子の移動度は青色ドーパント7の電子の移動度よりも小さいため、電子は青色ドーパント7領域内に閉じ込められる。
一方、正孔は正孔輸送層2からホスト4のHOMO準位へと注入され、ホスト4のHOMO準位間をホッピングにより伝播する。赤色ドーパント5領域から伝播してきた正孔は青色ドーパント7領域で青色ドーパント7のHOMO準位間をホッピングするようになる。緑色ドーパント6の正孔の移動度は青色ドーパント7の正孔の移動度より小さいため、正孔は青色ドーパント7領域に閉じ込められる。これにより、青色ドーパント7で再結合が生じ、青色に光を発する。青色ドーパント7領域での再結合で生じた励起子が緑色ドーパント6領域で緩和するか、青色ドーパント7領域に閉じ込め切れなかった正孔が緑色ドーパント6領域まで伝播し、そこで電子と再結合することで緑色の光を発する。また、青色ドーパント7領域で生成された励起子が赤色ドーパント5領域で緩和するか、青色ドーパント7領域に閉じ込め切れなかった電子が赤色ドーパント5領域まで伝播し、そこで正孔と再結合することで赤色の光を発する。
以上により、ドーパント量の制御を容易に行える。また、各色の発光効率が高くなり、有機白色発光素子の発光効率を向上できる。
<ホスト>
ホスト4として、カルバゾール誘導体,フルオレン誘導体またはアリールシラン誘導体などを用いることが好ましい。効率の良い発光を得るためには青色ドーパント7の励起エネルギーよりも、ホスト4の励起エネルギーが十分大きいことが好ましい。なお、励起エネルギーは発光スペクトルを用いて測定される。
<青色ドーパント>
青色ドーパント7は400nmから500nmの間に室温(25℃)におけるPLスペクトルの最大強度が存在する。青色ドーパント7の主骨格としては例えばペリレン,イリジウム錯体(Bis(3,5−difluoro−2−(2−pyridyl)phenyl−(2−carboxypyridyl)iridium(III)):FIrpicなど)があげられる。中でも発光特性の面で(化1)で示されるイリジウム錯体がより好ましい。式中X1はNを含む芳香族ヘテロ環を表し、X2は芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表す。
Figure 2012032578
X1で表わされる芳香族ヘテロ環としては、キノリン環,イソキノリン環,ピリジン環,キノキサリン環,チアゾール環,ピリミジン環,ベンゾチアゾール環,オキサゾール環,ベンゾオキサゾール環,インドール環,イソインドール環などがあげられる。X2で表わされる芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環としては、ベンゼン環,ナフタレン環,アントラセン環,チオフェン環,ベンゾチオフェン環,フラン環,ベンゾフラン環,フルオレン環などがあげられる。式中X3はアセチルアセトナート誘導体,ピコリネート誘導体,テトラキスピラゾリルボレート誘導体などが挙げられる。また、X3はX1−X2と同様でもかまわない。
上部電極12が陰極、下部電極11が陽極である場合、青色ドーパント7は発光層3の上部または発光層3の中央にあることが好ましい。
青色ドーパント7が発光層3上部にある場合、青色ドーパント7には、青色ドーパント7を発光層3に対して上部電極12が存在する側へ移動させる機能性基が含まれる。これにより青色ドーパント7は発光層3の上部電極12側に偏在,局在化することになる。青色ドーパント7に下記の機能性基が付与されることにより、発光層3の膜厚方向において、青色ドーパント7の濃度がピークとなる位置は発光層3の中央より上部電極12側に存在することになる。また、発光層3の膜厚方向において、青色ドーパント7の濃度がピークとなる位置から下部電極11側に向かって青色ドーパント7の濃度が単調減少する。
発光層の成膜時に膜表面(上部電極12側)に移動させるためにX3に付加する第一の機能性基Y1としては、例えばフルオロアルキル基,パーフルオロアルキル基,アルキル基(ただし、Cの数は10以上とする。),パーフルオロポリエーテル基,シロキシ基(−Si−O−Si−)があげられる。第一の機能性基Y1をX1,X2に付加してもよい。第一の機能性基Y1をX1,X2,X3単独に付与してもよく、X1,X2,X3のうち二つ以上に付与してもよい。表面エネルギーを考慮すれば、フルオロアルキル基、パーフルオロポリエーテル基が望ましく、パーフルオロアルキル基がさらに望ましい。青色ドーパント7はこれらの機能性基を一つでも有していれば良いが、複数種類有していても構わない。フッ素を有する置換基では、フッ素の数が多いほど上部電極12側に偏在する。具体的には、置換基に存在するフッ素の数が7以上であることが望ましい。これらの基は(化2)のように主骨格に直接導入してもよいが、(化3)のようにアミド結合やエステル結合などを介して導入してもかまわない。青色ドーパント7として、第一の機能性基が付与されたドーパントと第一の機能性基が付与されないドーパントとが混在していても良い。
青色ドーパント7を発光層3の中央部におく場合には第一の機能性基を有さなくともよい。青色ドーパント7に第一の機能性基が付与されない場合、青色ドーパント7を発光層3中に一様に分散してもよい。青色ドーパント7に第一の機能性基Yが付与されない場合、青色ドーパント7に下記の第二の機能性基を含めても良い。
Figure 2012032578
Figure 2012032578
青色ドーパント7の固形分の濃度は10wt.%以上30wt.%以下が望ましい。青色ドーパント7の重量平均分子量は500以上3000以下が望ましい。
<緑色ドーパント>
緑色ドーパント6は500nmから590nmの間に室温におけるPLスペクトルの最大強度が存在する。緑色ドーパント6の主骨格としては、例えばクマリンおよびその誘導体,イリジウム錯体(Tris(2−phenylpyridine)iridium(III):以下Ir(ppy)3、など)があげられる。中でも発光特性の面で(化1)で示されるイリジウム錯体がより好ましい。式中X1はNを含む芳香族ヘテロ環を表し、X2は芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表す。
Figure 2012032578
X1で表わされる芳香族ヘテロ環としては、キノリン環,イソキノリン環,ピリジン環,キノキサリン環,チアゾール環,ピリミジン環,ベンゾチアゾール環,オキサゾール環,ベンゾオキサゾール環,インドール環,イソインドール環などがあげられる。X2で表わされる芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環としては、ベンゼン環,ナフタレン環,アントラセン環,チオフェン環,ベンゾチオフェン環,フラン環,ベンゾフラン環,フルオレン環などがあげられる。X3はアセチルアセトナート誘導体、X1−X2と同様のものなどが挙げられる。
上部電極12が陰極、下部電極11が陽極である場合には、緑色ドーパント6は発光層3の上部または中央部にあることが好ましい。
ここで、緑色ドーパント6が発光層3の上部にある場合には、緑色ドーパント6は緑色ドーパント6を発光層3に対して上部電極12が存在する側へ移動させる上述の第一の機能性基Yを有する。これにより、緑色ドーパント6は発光層3において上部電極12が存在する側に偏在,局在化することになる。緑色ドーパント6に第一の機能性基Yが付与されることにより、発光層3の膜厚方向において、緑色ドーパント6の濃度がピークとなる位置は発光層3の中央より上部電極12側に存在することになる。また、発光層3の膜厚方向において、緑色ドーパント6の濃度がピークとなる位置から下部電極11側に向かって緑色ドーパント6の濃度が単調減少する。
第一の機能性基Yを(化4)のように主骨格に直接導入してもよいが、(化5)のようにアミド結合やエステル結合などを介して導入してもかまわない。
緑色ドーパント6を発光層中央部におく場合には機能性基を有さなくともよい。緑色ドーパント6として、第一の機能性基が付与されたドーパントと第一の機能性基が付与されないドーパントとが混在していても良い。緑色ドーパント6に下記の機能性基が付与されない場合、緑色ドーパント6を発光層3中に一様に分散してもよい。緑色ドーパント6に第一の機能性基Yが付与されない場合、緑色ドーパント6に下記の第二の機能性基を含めても良い。
Figure 2012032578
Figure 2012032578
緑色ドーパント6の固形分の濃度は10wt.%未満が望ましい。緑色ドーパント6の重量平均分子量は500以上3000以下が望ましい。
<赤色ドーパント>
赤色ドーパント5は590nmから780nmの間に室温におけるPLスペクトルの最大強度が存在する。赤色ドーパント5の主骨格としては、例えばルブレン,(E)−2−(2−(4−(dimethylamino)styryl)−6−methyl−4H−pyran−4−ylidene)malononitrile(DCM)およびその誘導体,イリジウム錯体(Bis(1−phenylisoquinoline)(acetylacetonate)iridium(III)など),オスミウム錯体,ユーロピウム錯体があげられる。中でも発光特性の面で(化1)で示されるイリジウム錯体がより好ましい。式中X1はNを含む芳香族ヘテロ環を表し、X2は芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表す。
Figure 2012032578
X1で表わされる芳香族ヘテロ環としては、キノリン環,イソキノリン環,ピリジン環,キノキサリン環,チアゾール環,ピリミジン環,ベンゾチアゾール環,オキサゾール環,ベンゾオキサゾール環,インドール環,イソインドール環などがあげられる。X2で表わされる芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環としては、ベンゼン環,ナフタレン環,アントラセン環,チオフェン環,ベンゾチオフェン環,フラン環,ベンゾフラン環,フルオレン環などがあげられる。X3はアセチルアセトナート誘導体などが好ましい。
赤色ドーパント5に赤色ドーパント5を発光層3に対して正孔輸送層2が存在する側へ移動させる下記の第二の機能性基が含まれることにより、赤色ドーパント5は下部電極11側に偏在,局在化する。この場合、発光層3の膜厚方向において、赤色ドーパント5の濃度がピークとなる位置は発光層3の中央より下部電極11側に存在することになる。また、発光層3の膜厚方向において、赤色ドーパント5の濃度がピークとなる位置から上部電極12側に向かって赤色ドーパント5の濃度が単調減少する。
発光層3の下地となる層が正孔輸送層2である場合には、正孔輸送層2と同様の構造を導入する。第二の機能性基として例えば、フェニルアミノ基,オキサゾール基,カルバゾール基,ヒドラゾン部位があげられる。赤色ドーパント5はこれらの機能性基を一つでも有していれば良いが、複数種類有していても構わない。
発光層3の下地となる層が正孔注入層1である場合には、正孔注入層1と同様の構造を導入する、第二の機能性基として例えば、フェニルアミノ基,オキサゾール基,カルバゾール基,ヒドラゾン部位があげられる。赤色ドーパント5はこれらの機能性基を一つでも有していれば良いが、複数種類有していても構わない。
下地層がITOや金属といった電極である場合には、第二の機能性基として例えばヒドロキシ基(−OH),チオール基(−SH),カルボキシル基(−COOH),スルホ基(−SO3H),I,Br,Cl,F,SCN,CN,NH2,NO2,ビピリジル基があげられる。赤色ドーパント材料5はこれらの機能性基を一つでも有していれば良いが、複数種類有していても構わない。これらの基は、(化6)のように主骨格に直接導入してもよいが、分子の大きさを考慮しアルキル鎖などを介して導入してもかまわない。赤色ドーパント5に上記の機能性基が付与されない場合、赤色ドーパント5を発光層3中に一様に分散してもよい。その場合、赤色ドーパント5の濃度を十分に低くする必要がある。
Figure 2012032578
赤色ドーパント5の固形分の濃度はwt.%以上10wt.%未満が望ましい。赤色ドーパント5の重量平均分子量は500以上3000以下が望ましい。
<正孔注入層>
正孔注入層1とは発光効率や寿命を改善する目的で使用される。また、特に必須ではないが、陽極の凹凸を緩和する目的で使用される。正孔注入層1を単層もしくは複数層設けてもよい。正孔注入層1としては、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)):PSS(ポリスチレンスルホネート)等の導電性高分子が好ましい。その他にも、ポリピロール系やトリフェニルアミン系のポリマー材料を用いることができる。また、低分子(重量平均分子量10000以下)材料系と組合せてよく用いられる、フタロシアニン類化合物やスターバーストアミン系化合物も適用可能である。
<正孔輸送層>
正孔輸送層2とは正孔を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で正孔注入層,電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層2を単層もしくは複数層設けてもよい。正孔輸送層2としては、スターバーストアミン系化合物やスチルベン誘導体,ヒドラゾン誘導体,チオフェン誘導体などを用いることができる。また、これらの材料に限られるものではなく、これらの材料を2種以上併用しても差し支えない。
<電子輸送層>
電子輸送層8は発光層3に電子を供給する層である。広い意味で電子注入層9、正孔阻止層も電子輸送層8に含まれる。電子輸送層8を単層もしくは複数層設けてもよい。この電子輸送層8の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニルフェノラト)アルミニウム(以下、BAlq)や、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alq3),Tris(2,4,6−trimethyl−3−(pyridin−3−yl)phenyl)borane(以下、3TPYMB),1,4−Bis(triphenylsilyl)benzene(以下、UGH2),オキサジアゾール誘導体,トリアゾール誘導体,フラーレン誘導体,フェナントロリン誘導体,キノリン誘導体などを用いることができる。
<電子注入層>
電子注入層9は陰極から電子輸送層8への電子注入効率を向上させる。具体的には、弗化リチウム,弗化マグネシウム,弗化カルシウム,弗化ストロンチウム,弗化バリウム,酸化マグネシウム,酸化アルミニウムが望ましい。また、もちろんこれらの材料に限られるわけではなく、また、これらの材料を2種以上併用しても差し支えない。
<基板>
基板10として、ガラス基板,金属基板,SiO2,SiNx,Al23等の無機材料を形成したプラスチック基板等が挙げられる。金属基板材料としては、ステンレス,42アロイなどの合金が挙げられる。プラスチック基板材料としては、ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリメチルメタクリレート,ポリサルフォン,ポリカーボネート,ポリイミド等が挙げられる。
<陽極>
陽極材料としては、透明性と高い仕事関数を有する材料であれば用いることができる。具体的には、ITO,IZOなどの導電性酸化物や、薄いAgなどの仕事関数の大きい金属が挙げられる。電極のパターン形成は、一般的にはガラス等の基板上にホトリソグラフィーなどを用いて行うことができる。
<陰極>
陰極材料は、発光層3からの光を反射するための反射電極である。具体的には、LiFとAlの積層体やMg:Ag合金などが好適に用いられる。また、これらの材料に限定されるものではなく、例えばLiFの代わりとして、Cs化合物,Ba化合物,Ca化合物などを用いることができる。
<塗液>
塗液は発光層3を形成する材料を適切な溶媒に溶解させたものである。以下の説明では、発光層3を形成する材料としてホスト4,赤色ドーパント5,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7が含まれえる場合について述べる。
ここで用いる溶媒は、例えばトルエンなど芳香族炭化水素系溶媒,テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒,アルコール類,フッ素系溶媒など各材料が溶解するものであればよい。また、各材料の溶解度や、乾燥速度の調整のために前述の溶媒を複数混合した混合溶媒でもかまわない。例えば、沸点の異なる溶媒を2種類(第一の溶媒及び第二の溶媒)用意し、そのうち高沸点である第二の溶媒を緑色または青色ドーパント7に対し良溶媒とすることで緑色ドーパント6または青色ドーパント7の膜表面への移動を促進できる。溶媒の溶解度は液体クロマトグラム法によって測定される。
発光層3を成膜するための塗布法としては、スピンコート法,キャスト法,ディップコート法,スプレーコート法,スクリーン印刷法,インクジェット印刷法などを挙げることができる。これらの方法のうち1つを用いて、発光層3を形成する。
以下に具体的な実施例を示して、本願発明の内容をさらに詳細に説明する。
<(化4)の合成>
本発明にかかる第一の実施例である有機白色発光素子作るため、始めに本発明の主要な構成部材である(化4)に示す緑色ドーパントの合成を行った。
(化4)の合成に必要な中間体である(化8)は次の手順に従って合成した。200mlの3口フラスコに2−フェニルピリジン0.543gのエトキシエタノール30ml溶液と塩化イリジウム0.418gの水10ml溶液を入れ混合した。その後窒素雰囲気下、120℃で10h還流し、その後室温まで冷却した。溶液を蒸発乾固し、得られた固形分を水およびアルコールにて洗浄し、(化8)を得た。
Figure 2012032578
(化4)は以下の手順に従って合成した。200mlの3口フラスコに(化8)0.547g、2,2−ジメチル−6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロ−3,5−オクタンジオン0.512g、炭酸ナトリウム0.25g、エトキシエタノール30mlを加え、窒素雰囲気下、115℃で10h還流し、その後室温まで冷却した。溶液を蒸発乾固し、得られた固形分を、水およびヘキサンにて洗浄した。酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒を展開溶媒として、シリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、(化4)を得た。(化4)の分子量は質量分析装置によって計測すると796であった。
(化4)と青色ドーパントとホストとしてmCPを用いて、スピンコート法によって混合膜を石英基板上に形成した。溶媒はトルエンを用い、固形分の濃度を1wt.%、mCPに対し(化4)を0.8wt.%、青色ドーパントを10wt.%とした。作成した混合膜を斜めに切削し、切削面のTOF−SIMS測定を行った。その結果図9(a)に示すように青色ドーパントは膜厚方向の濃度がほぼ一定であるのに対し、緑色ドーパントは表面の濃度が高くなった。一方で、(化4)の代わりにIr(ppy)2(acac)を用いた混合膜にて同様の測定を行った。その結果、図9(b)に示すように青色ドーパント,緑色ドーパントいずれも膜厚方向で濃度が一定となった。
<有機発光素子の作製>
本発明の第一の実施例として図5に示す構造の有機白色発光素子を作製した。発光層を形成するための塗液として、ホストとしてmCP、青色ドーパントとしてFIrpic、緑色ドーパントとして(化4)またはIr(ppy)2(acac)をトルエンに溶解させたものを用いた。それぞれの材料の重量比は100:10:0.8とした。これらのホスト,青色ドーパント及び緑色ドーパントをトルエンに溶解させて塗液を作製した。塗液の固形成分濃度は1wt.%に設定した。塗液における固形成分に対する緑色ドーパントの濃度は0.41モル%であった。緑色ドーパントの濃度は液体クロマトグラフによって計測される。この塗液を用いて、スピンコート法により有機発光層を形成した。続いて電子輸送層としてUGH2および3TPYMBの層を真空蒸着法で形成した。次にLiFとAlの積層体を上部電極として形成し、目的の有機白色発光素子を作製した。
作製した有機発光素子に電圧を印加したところ、緑色ドーパントおよび青色ドーパント双方からの発光がELスペクトルから確認され、白色発光が確認できた。一方、緑色ドーパントにフルオロアルキル基を含まない材料(Ir(ppy)2(acac))を用い同一条件で有機発光素子を作製したところ、青色発光の強度が低下し、緑色発光の強度が増加することを確認した。
<(化2)の合成>
本発明にかかる第二の実施例である有機白色発光素子作るため、始めに本発明の主要な構成部材である(化2)に示す青色ドーパントの合成を行った。
(化2)の合成に必要な中間体である(化7)は次の手順に従って合成した。200mlの3口フラスコに2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン0.669gのエトキシエタノール30ml溶液と塩化イリジウム0.418gの水10ml溶液を入れ混合した。その後窒素雰囲気下、120℃で10h還流し、その後室温まで冷却した。溶液を蒸発乾固し、得られた固形分を水およびアルコールにて洗浄し、(化7)を得た。
Figure 2012032578
(化2)は次の手順に従って合成した。200mlの3口フラスコに(化7)0.620g、2,2−ジメチル−6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロ−3,5−オクタンジオン0.512g,炭酸ナトリウム0.25g、エトキシエタノール30mlを加え、窒素雰囲気下、115℃で10h還流し、その後室温まで冷却した。溶液を蒸発乾固し、得られた固形分を、水およびヘキサンにて洗浄した。酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒を展開溶媒として、シリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、(化2)が得られた。(化2)は低分子材料である。(化2)の分子量は質量分析装置によって計測すると868であった。
(化2)と赤色ドーパントとホストとしてmCPを用いて、スピンコート法によって混合膜を石英基板上に形成した。溶媒はトルエンを用い、固形分の濃度を1wt.%、mCPに対し(化2)を10wt.%、赤色ドーパントを0.5wt.%とした。作成した混合膜を斜めに切削し、切削面のTOF−SIMS測定を行った。その結果、赤色ドーパントは膜厚方向の濃度がほぼ一定であるのに対し、青色ドーパントは表面の濃度が高くなった。
<有機発光素子の作製>
本発明の第一の実施例として図3に示す構造の白色発光素子を作製した。下部電極にはITO電極、正孔注入層にはPEDOTをスピンコート法にて形成した。正孔輸送層にはポリマー系の材料を用いた。有機発光層はホストとしてmCP(1,3−ビス(カルバゾル−9−イル)ベンゼン)、青色ドーパントには(化2)、赤色ドーパントにはIr(piq)2(acac)を用いた。それぞれの材料の重量比は100:10:0.5とした。これらのホスト,青色ドーパント及び赤色ドーパントをトルエンに溶解させて塗液を作製した。塗液の固形成分濃度は1wt.%に設定した。塗液における固形成分に対する赤色ドーパントの濃度は0.29モル%であった。赤色ドーパントの濃度は液体クロマトグラフによって計測される。この塗液を用いて、スピンコート法により有機発光層を形成した。続いて電子輸送層としてUGH2および3TPYMBの層を真空蒸着法で形成した。次にLiFとAlの積層体を上部電極として形成し、目的の有機発光素子を作製した。
作製した有機発光素子に電圧を印加したところ、赤色ドーパントおよび青色ドーパント双方からの発光がELスペクトルから確認され、白色発光が確認できた。一方、青色ドーパントにフルオロアルキル基を含まない材料(FIracac)を用い同一条件で有機発光素子を作製したところ、青色発光の強度が低下し、赤色発光の強度が増加することを確認した。
第2の実施例について述べる。発光層を形成するための塗液として、ホストとしてmCP、青色ドーパントとしてFIrpic、赤色ドーパントとして(化6)、緑色ドーパントとして(化4)をトルエンに溶解させたものを用いた。それ以外は、実施例1,2と同様である。
作製した有機白色発光素子に電圧を印加したところ、赤色ドーパント,緑色ドーパント及び青ドーパントからの発光が確認できた。一方、緑色ドーパントにIr(piq)2(acac)を用いた場合には、青色ドーパントの発光強度が赤,緑色に対し低くなった。
1 正孔注入層
2 正孔輸送層
3 発光層
4 ホスト
5 赤色ドーパント
6 緑色ドーパント
7 青色ドーパント
8 電子輸送層
9 電子注入層
10 基板
11 下部電極
12 上部電極
13 有機層
104 第一のバンク
105 第二のバンク
106 樹脂層
107 封止基板
108 光取り出し層

Claims (15)

  1. 上部電極と、
    下部電極と、
    前記上部電極と前記下部電極との間に配置された発光層とを有する有機発光素子であって、
    前記発光層はホスト,第一のドーパントおよび第二のドーパントを含み、
    前記第一のドーパントの発光色は前記第二のドーパントの発光色と異なり、
    前記第一のドーパントは青色ドーパントまたは緑色ドーパントであり、
    前記第一のドーパントには第一の機能性基が含まれ、
    前記第一の機能性基は、前記発光層の前記上部電極が存在する側の表面へ前記第一のドーパントを移動させる有機発光素子。
  2. 請求項1において、
    前記第一の機能性基は、フルオロアルキル基,パーフルオロアルキル基,アルキル基(Cの数は10以上),パーフルオロポリエーテル基及びシロキシ基のうちから1つ以上選ばれる有機発光素子。
  3. 請求項2において、
    前記第一のドーパントは下記〔化1〕で表されるイリジウム錯体である有機発光素子。
    Figure 2012032578
    (式中X1はNを含む芳香族ヘテロ環を表し、X2は芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表し、X3はアセチルアセトナート誘導体,ピコリネート誘導体またはテトラキスピラゾリルボレート誘導体を表す。Y1は前記第一の機能性基を表す。)
  4. 請求項1において、
    前記第二のドーパントには第二の機能性基が含まれ、
    前記第二の機能性基は、前記発光層の前記下部電極が存在する側の表面へ前記第二のドーパントを移動させる有機発光素子。
  5. 請求項4において、
    前記第二の機能性基は−OH,−SH,−COOH,−SO3H,I,Br,Cl,F,SCN,CN,NH2,NO2及びビピリジル基のうちから1つ以上選ばれる有機発光素子。
  6. 請求項4において、
    前記下部電極と前記発光層との間に正孔輸送層が配置され、
    前記第二の機能性基はフェニルアミノ基,オキサゾール基,カルバゾール基及びヒドラゾン部位のうちから1つ以上選ばれる有機発光素子。
  7. 請求項1において、
    前記発光層には第三のドーパントが含まれ、
    前記第三のドーパントの発光色は前記第一のドーパントの発光色および前記第二のドーパントの発光色と異なる有機発光素子。
  8. 請求項1において、
    前記第二のドーパントが青色ドーパントまたは緑色ドーパントである場合、前記青色ドーパントの最低空軌道エネルギーの絶対値は前記緑色ドーパントの最低空軌道エネルギーの絶対値よりも大きい有機発光素子。
  9. 請求項1において、
    前記発光層の膜厚方向において、前記第一のドーパントの濃度がピークとなる位置は前記発光層の中央より前記上部電極側に存在し、
    前記発光層の膜厚方向において、前記第一のドーパントの濃度がピークとなる位置から前記下部電極側に向かって前記第一のドーパントの濃度が単調減少する有機発光素子。
  10. 請求項4において、
    前記発光層の膜厚方向において、前記第二のドーパントの濃度がピークとなる位置は前記発光層の中央より前記下部電極側に存在し、
    前記発光層の膜厚方向において、前記第二のドーパントの濃度がピークとなる位置から前記上部電極に向かって前記第二のドーパントの濃度が単調減少する有機発光素子。
  11. 請求項1の有機発光素子に用いられる発光層形成用塗液であって、
    発光層形成用塗液は、溶媒,前記ホスト,前記第一のドーパント及び前記第二のドーパントを含む発光層形成用塗液。
  12. 請求項1の有機発光素子に用いられる発光層形成用材料であって、
    発光層形成用材料は、前記ホスト,前記第一のドーパントおよび前記第二のドーパントを含む発光層形成用材料。
  13. 請求項1の有機発光素子を備える光源装置。
  14. 上部電極と、
    下部電極と、
    前記上部電極と前記下部電極との間に配置された発光層とを有する有機発光素子の製造方法であって、
    前記発光層はホスト,第一のドーパントおよび第二のドーパントを含み、
    前記第一のドーパントの発光色は前記第二のドーパントの発光色と異なり、
    前記第一のドーパントは青色ドーパントまたは緑色ドーパントであり、
    前記第一のドーパントには、前記第一のドーパントを前記上部電極側へ移動させる第一の機能性基が含まれ、
    前記発光層は塗布法で作製される有機発光素子の製造方法。
  15. 請求項14において、
    前記発光層には第三のドーパントが含まれ、
    前記第三のドーパントの発光色は前記第一のドーパントの発光色および前記第二のドーパントの発光色と異なり、
    前記第一のドーパント,前記第二のドーパントおよび前記第三のドーパントは、赤色ドーパント,緑色ドーパントおよび青色ドーパントのいずれかであり、
    前記赤色ドーパント固形分の濃度は10wt.%未満であり、
    前記緑色ドーパント固形分の濃度は10wt.%未満であり、
    前記青色ドーパント固形分の濃度は10wt.%以上30wt.%以下である有機発光素子の製造方法。
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