JP5703350B2 - 有機発光層材料,有機発光層材料を用いた有機発光層形成用塗布液,有機発光層形成用塗布液を用いた有機発光素子および有機発光素子を用いた光源装置 - Google Patents

有機発光層材料,有機発光層材料を用いた有機発光層形成用塗布液,有機発光層形成用塗布液を用いた有機発光素子および有機発光素子を用いた光源装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機発光層材料,有機発光層材料を用いた有機発光層形成用塗布液,有機発光層形成用塗布液を用いた有機発光素子および有機発光素子を用いた光源装置に関する。
近年、有機発光素子が次世代平面型光源として注目されている。この有機発光素子は、自発光,広視野角,高速応答特性,高演色性といった優れた特性を有する。有機発光素子は、一例としては、ガラス基板上にITO等の透明電極,正孔輸送層,発光層,電子輸送層等からなる有機層、及び低仕事関数の反射電極が形成されて構成される。発光光は電極を透過して基板側裏面から取り出している。
有機発光素子の製造方法としては、真空蒸着法やインクジェット法,印刷法などが用いられる。真空蒸着法では、有機材料を真空中で加熱・蒸発させ、基板上に成膜する。膜厚,濃度などを蒸着速度で制御できることや積層構造が容易に形成できることから、所望の構造を有する有機発光素子を簡便に作成することができる。しかしながら、材料の利用効率が低いことや基板サイズを大きくすることが難しいなどの課題がある。インクジェット法や印刷法などの湿式法は、積層構造を形成する際には、下部材料の溶解性の制御が必須であることから積層構造の形成に難点があるものの、材料の利用効率が高く、大面積化も容易なため、低コストな製造方法として期待されている。
有機発光素子を光源として用いるためには、白色発光が必要である。高演色性の白色発光を実現するためには、赤,青,緑の3色で発光する有機白色発光素子が必要である。
湿式法で有機白色発光素子を作成する方法として、発光層に赤,青,緑の発光ドーパントを混合する方法が開示されている。例えば、特許文献1では、ポリビニルカルバゾールを発光層のホスト材料に用い、赤,青,緑のドーパントを低濃度(0.01〜5モル%)で分散させることにより、白色発光を実現している。
特開平9−63770号公報
従来の塗布法で作製した有機発光素子では、緑色ドーパント濃度が0.02モル%、赤色ドーパント濃度が0.02モル%および0.015モル%と非常に低く、ドーパントの濃度制御が難しいという問題があった。
本発明の目的は、簡便に白色発光できる有機発光層材料,有機発光層材料を用いた有機発光層形成用塗布液,有機発光層形成用塗布液を用いた有機発光素子および有機発光素子を用いた光源装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の特徴は第一の電極と、第二の電極と、第一の電極と第二の電極との間に配置された発光層とを有する有機発光素子であって、発光層はホスト材料,赤色ドーパント及び緑色ドーパントを含み、赤色ドーパントが前記発光層内で濃度勾配を有していることを特徴とする有機発光素子である。
また、本発明の特徴は、上記有機発光素子に用いられる発光層形成用塗液であって、発光層形成用塗液は、溶媒,ホスト材料,赤色ドーパント及び緑色ドーパントを含む発光層形成用塗液である。
また、本発明の特徴は、上記有機発光素子に用いられる発光層形成用材料であって、発光層形成用材料は、ホスト材料,赤色ドーパント,青色ドーパント及び緑色ドーパントを含む発光層形成用材料である。
また、本発明の特徴は、上記有機発光素子を備える光源装置である。
本発明により、簡便に白色発光できる有機発光層材料,有機発光層材料を用いた有機発光層形成用塗布液,有機発光層形成用塗布液を用いた有機発光素子および有機発光素子を用いた光源装置を提供できる。上記した以外の課題,構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の白色発光素子の一実施形態の断面図である。 実施例1の白色発光素子のエネルギーダイアグラムである。
以下、図面等により本発明を詳細に説明する。
従来の方法では、発光効率が低い、ドーパント量の制御が難しいなどの課題がある。その原因はドーパント間のエネルギー移動にある。発光ドーパントの励起エネルギーは青色ドーパント,緑色ドーパント,赤色ドーパントの順で小さくなる。したがって、青色ドーパントから緑色ドーパント,緑色ドーパントから赤色ドーパントにエネルギー移動を起こしやすい。ひとつの発光層に3色の発光ドーパントを有する構造とすると、3色の発光ドーパントがお互いに近くに存在する。そのため、エネルギー移動が起こりやすくなる。エネルギー移動が起こるような状態では、励起エネルギーが最も小さい赤色ドーパントに移動しやすくなるため、青色発光を小さくなってしまい、高効率な白色発光が得られない。
そのため、充分に青色発光を起こすためには、緑色ドーパントの量及び赤色ドーパントの量を著しく少なくする必要があった。
そこで、本発明の一実施例に係る発光層は、ホスト材料及び製膜時に局在するための置換基を有するドーパントを含む。ドーパントは、製膜時に発光層表面または下部層との界面付近に局在する。ここで、電極付近に局在するとは、その層の中での濃度が定めた電極近傍で高くなっていることを意味する。そのため、湿式法で形成した発光層は実質的に3層を積層した発光層と同等な機能を有する。このような構造とすることにより、異なる発光色の発光ドーパント間の距離について、界面付近以外は遠くなる。すなわち、ドーパント間のエネルギー移動は起こりにくくなる。そのため、ドーパント量の制御が容易となる。そのため、白色発光素子を容易に形成できる。
以下に具体的な実施例を示して、本願発明の内容をさらに詳細に説明する。以下の実施例は本願発明の内容の具体例を示すものであり、本願発明がこれらの実施例に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。
図1は、本実施例の白色発光素子の断面図である。この有機白色発光素子は、第一の電極としての上部電極12と、第二の電極としての下部電極11と、有機層13とを有する。第一の電極として下部電極11,第二の電極として上部電極12でもよい。図1の有機白色発光素子は下部電極11,有機層13,上部電極12の順に配置された構造であり、下部電極11側から発光層3の発光を取り出すボトムエミッション型である。ここで、下部電極11は陽極となる透明電極、上部電極12は陰極となる反射電極である。有機層13は正孔注入層1,正孔輸送層2,発光層3,電子輸送層8及び電子注入層9を有する。
有機層13の積層構造は必ずしも上記のようである必要はなく、発光層3のみの単層構造でもよい。また、有機層13は正孔輸送層2のない積層構造、電子輸送層8が電子輸送層とブロッキング層の積層構造などでもかまわない。図1における有機発光素子に電源,筐体などが備えられることで光源装置となる。
発光層3は、ホスト分子及びドーパント分子を有する。ドーパント分子は、赤色ドーパント5,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7を有する。発光層3の形成用材料は、ホスト分子,赤色ドーパント5,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7を含む。ただし、白色光となるのであれば、発光層3の形成用材料として、ホスト分子,赤色ドーパント5及び青色ドーパント7を含んだものであっても構わない。発光層3内では赤色ドーパント5及び青色ドーパント7が各領域に偏って存在しており、擬似的な積層構造を形成している。まず、発光層3の構成について説明する。
赤色ドーパント5としては、下式で表されるイリジウム化合物を用いた。
その他、上記以外でも下記一般式で表されるイリジウム錯体が好ましい。
式中X1はNを含む芳香族ヘテロ環を表し、X2は芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表す。X1で表わされる芳香族ヘテロ環としては、キノリン環,イソキノリン環,ピリジン環,キノキサリン環,チアゾール環,ピリミジン環,ベンゾチアゾール環,オキサゾール環,ベンゾオキサゾール環,インドール環,イソインドール環などがあげられる。X2で表わされる芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環としては、ベンゼン環,ナフタレン環,アントラセン環,チオフェン環,ベンゾチオフェン環,フラン環,ベンゾフラン環,フルオレン環などがあげられる。Y1およびY2としては、例えばフルオロアルキル基,パーフルオロアルキル基,アルキル基(Cの数は10以上),パーフルオロポリエーテル基,シロキシ基(−Si−O−Si−)があげられる。赤色ドーパント5の材料はこれらの機能性基を一つでも有していれば良いが、複数種類有していても構わない。Y1及びY2の官能基が表面エネルギーを小さくする作用を有するため、このドーパントを用いることにより、赤色ドーパント5が発光層の上部電極が存在する側の表面に局在化する。また、これらの官能基は(化2)のように主骨格に直接導入してもよいが、アミド結合やエステル結合などを介して導入してもかまわない。以上により、赤色ドーパント5が発光層3内で濃度勾配を有する。
それ以外でも同様な官能基を有するオスミウム錯体,ユーロピウム錯体,白金錯体などの所謂燐光発光ドーパントや(E)−2−(2−(4−(dimethylamino)styryl)−6−methyl−4H−pyran−4−ylidene)malononitrile(DCM)などの化合物の誘導体であってもよい。
発光層3のホスト材料4は、例えば、mCP(1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼンである。ホスト材料として、その他のカルバゾール誘導体,フルオレン誘導体,アリールシラン誘導体なども用いることができる。効率の良い発光を得るためには青色ドーパントの励起エネルギーよりも、ホスト材料4の励起エネルギーが十分大きいことが好ましい。なお、励起エネルギーは発光スペクトルを用いて測定される。
また、ホスト材料4は数種のホスト材料の混合物であってもいい。ホスト材料4の一部がフルオロアルキル基,パーフルオロアルキル基,アルキル基(Cの数は10以上),パーフルオロポリエーテル基,シロキシ基(−Si−O−Si−)で置換されていてもよい。そのようなホスト材料を混合することにより、ホスト材料4の一部が発光層3の表面に局在化しやすくなり、赤色ドーパント5と発光表面に共存する。それにより、表面での赤色ドーパント5の凝集が起こりにくくなり、より高効率な発光が可能となる。
緑色ドーパント6の材料としては、下式で表されるイリジウム錯体を用いた。
そのほか、クマリン化合物や上記のようなほぼ同じ種類の配位子からなるイリジウム錯体ではなく、下式で表されるような2種類の異なる配位子を持つイリジウム錯体でもよい。
緑色ドーパント6には特別な官能基を用いる必要はないが、溶解性付与の観点からは、対象性の低いドーパント材料が好ましい。また、下地層となる正孔輸送層,正孔注入層或は下部電極と相溶性の悪い置換基を有してもよい。
青色ドーパント7材料には、下式で表される下地層に引き寄せるための置換基を有するイリジウム錯体を用いた。
成膜時に下地層に引き寄せるための官能基は、下地層の種類によって異なる。下地層が正孔輸送層である場合には、正孔輸送層と同様の構造を導入する、例えばアリールアミノ基,カルバゾール基,ヒドラゾン部位があげられる。また、下地層がITOや金属といった電極である場合には、例えばヒドロキシ基(−OH),チオール基(−SH),カルボキシル基(−COOH),スルホ基(−SO3H),I,Br,Cl,F,SCN,CN,NH2,NO2,ビピリジル基があげられる。青色ドーパント7はこれらの機能性基を一つでも有していれば良いが、複数種類有していても構わない。また、発光層に比重の高い酸化物を混合する場合には、ヒドロキシ基があげられる。また、下地層が長鎖アルキル基を有する場合には、長鎖アルキル基を有する方がよい。これらの基は、(化5)のように主骨格に直接導入してもよいが、分子の大きさを考慮しアルキル鎖などを介して導入してもかまわない。また、青色ドーパント7としては、ペリレン誘導体などを用いてもよい。
以下、そのほかの要件について説明する。ただし、有機層13を構成する層として、前述したように正孔注入層1,正孔輸送層2,電子輸送層8,電子注入層9に関しては、無い構成でも構わない。
正孔注入層1としてはPEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)):PSS(ポリスチレンスルホネート)を用いた。その他にも、ポリアニリン系,ポリピロール系やトリフェニルアミン系のポリマ材料,金属微粒子を含有する材料を用いてもよい。また、低分子材料系と組み合わせてよく用いられる、フタロシアニン類化合物も適用できる。
正孔輸送層2としては、アリールアミン系ポリマを用いた。その他にもポリフルオレン系,ポリパラフェニレン系,ポリアリーレン系,ポリカルバゾール系の各種ポリマを用いることができる。また、スターバーストアミン系化合物やスチルベン誘導体,ヒドラゾン誘導体,チオフェン誘導体などを用いることができる。また、上記の材料を含むポリマを用いてもよい。また、これらの材料に限られるものではなく、これらの材料を2種以上併用しても差し支えない。
電子輸送層8は発光層3に電子を供給する層である。本実施例では、電子輸送層8として、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニルフェノラト)アルミニウム(以下、BAlq)とトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alq3)の積層構造を用いた。また、この電子輸送層8の材料としては、例えば、BAlqや、Alq3,オキサジアゾール誘導体,トリアゾール誘導体,フラーレン誘導体,フェナントロリン誘導体,キノリン誘導体,トリアリールボラン誘導体などの単独膜を用いることができる。また、電子輸送層8は、正孔や励起状態のブロッキング機能を有するブロッキング材料と電子輸送材料の積層構造でもよい。ブロッキング材料としては、BAlq,フェナントロリン誘導体,トリアゾール誘導体,トリアリールボラン誘導体などを用いることができる。電子輸送材料としては、Alq3,オキサジアゾール誘導体,フラーレン誘導体,キノリン誘導体,シロール誘導体などを用いることができる。
電子注入層9は、陰極から電子輸送層8への電子注入効率を向上させるために用いる。
本実施例では、弗化リチウムを用いた。そのほか弗化マグネシウム,弗化カルシウム,弗化ストロンチウム,弗化バリウム,酸化マグネシウム,酸化カルシウムを用いてもよい。
また、電子輸送材料とアルカリ金属或はアルカリ金属酸化物などの混合物を用いてもよい。また、電子輸送材料と電子供与性材料の混合物を用いてもよい。もちろんこれらの材料に限られるわけではなく、また、これらの材料を2種以上併用しても差し支えない。
下部電極11としては、ITOを用いた。下部電極11に用いる陽極材料としては、透明性と高い仕事関数を有する材料であれば用いることができ、ITO,IZOなどの導電性酸化物や、薄いAgなどの仕事関数の大きい金属が適用できる。電極のパターン形成は、一般的にはガラス等の基板上にホトリソグラフィーなどを用いて行うことができる。
上部電極12としては、Alを用いた。この上部電極12に用いる陰極材料は、発光層3に電子を注入し、発光層3からの光を反射するための反射電極であり、具体的にはAlやMg:Ag合金,Agなどが好適に用いられる。
発光層塗液はホスト材料4,赤色ドーパント5,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7を適切な溶媒に溶解させたものである。青色ドーパントが存在しない場合、発光層塗液は、溶媒,ホスト材料,赤色ドーパント及び緑色ドーパントを有する。本実施例では、ホスト材料4,赤色ドーパント5,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7の重量比をそれぞれ100:1:5:1とした。固形分中のモル濃度であらわすと、赤色ドーパントが0.46%、緑色ドーパントが2.9%、青色ドーパントが0.5%である。溶媒には、テトラヒドロフラン(THF)を用いた。ここで用いる溶媒は、例えばトルエンなど芳香族炭化水素系溶媒,テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒,アルコール類,フッ素系溶媒など、各材料が溶解するものであればよい。また、各材料の溶解度や、乾燥速度の調整のために前述の溶媒を複数混合した混合溶媒でもかまわない。例えば、沸点の異なる溶媒を2種類(第一の溶媒及び第二の溶媒)用意し、そのうち高沸点である第二の溶媒を赤色ドーパント5に対し貧溶媒とすることで赤色ドーパント5の膜表面への移動を促進できる。
溶媒の溶解度は液体クロマトグラム法によって測定される。
発光層を成膜するための塗布法としては、本実施例では、スピンコート法を用いた。そのほか、キャスト法,ディップコート法,スプレーコート法,スクリーン印刷法,インクジェット印刷法などを用いることができる。
ここまでボトムエミッション型の素子構造を例示して説明してきたが、上部電極が陰極、下部電極が陽極であれば、上部電極を透明電極としたトップエミッション型の素子構造でも構わない。
本実施例の発光素子の下部電極側に+電位を、上部電極に−電位を印加したところ、青色,緑色及び赤色の3色からなる白色発光が得られた。本実施例の素子構造のエネルギーダイアグラムを図2に示した。
赤色ドーパント5及び青色ドーパント7が自発的に相分離した場合、図2に示したバンドダイアグラムとなる。図2において、青色ドーパント7の最低空軌道(LUMO)のエネルギーが、発光層3と下部電極11との間にあり、発光層3と隣接する層の最低空軌道のエネルギーと比べて低くなっている。最低空軌道のエネルギーは、吸収スペクトルからHOMO(最高被占軌道)−LUMOのエネルギー差を求め算出する方法や、逆光電子分光法によって直接測定する方法によって測定される。この場合、電子は電子輸送層8から発光層3に注入され、青色ドーパント7にトラップされる。一方、正孔は正孔輸送層2から青色ドーパント7に注入され、再結合発光する。一部の正孔は緑色ドーパント6,赤色ドーパント5に移動し、それぞれ電子輸送層8から注入される電子と再結合して発光する。このように、正孔輸送層2と青色ドーパント7との間に電子に対するエネルギーバリアが存在するため、青色の発光が効率よく起こる。
〔比較例1〕
赤色ドーパント5として下記の(化6)、青色ドーパント7として下記の(化7)を用いた以外は実施例1と同様に発光素子を作製したところ、青色及び緑色の発光が弱く赤色の強い発光しか得られなかった。これは、青色ドーパント7に緑色ドーパント6及び赤色ドーパント5が近接したため、青色ドーパント7及び緑色ドーパント6から赤色ドーパント5へのエネルギー移動が起こったためと考えられる。
発光層を構成する材料が、青色ドーパント7が(化7)であり、また、ホスト材料4,赤色ドーパント5,緑色ドーパント6及び青色ドーパント7の重量比をそれぞれ100:1:0.5:10とした以外は実施例1と同様に発光素子を作製した。固形分中のモル濃度であらわすと、赤色ドーパント5が0.45%、緑色ドーパント6が0.28%、青色ドーパント7が5.5%である。その結果、赤色,緑色及び青色の三色の発光からなる白色発光が得られた。
〔比較例2〕
赤色ドーパント5に(化6)を用いた以外は実施例2と同様に発光素子を作製したところ、青色及び緑色の発光が弱く、赤色の強い発光しか得られなかった。
発光層を構成する材料がホスト材料4として、mCP以外に下式(化8)であらわされる材料を含むこと以外は実施例1と同様に発光素子を作製した。
その結果、実施例1と比べて、効率が高い発光が得られた。
発光層を構成する材料がホスト材料4として、mCP以外に下式(化8)であらわされる材料を含む以外は実施例2と同様に発光素子を作製した。
その結果、実施例2と比べて効率の高い発光が得られた。
発光層を構成する材料が赤色ドーパント5として、下記の材料(化9)を用いた以外は、実施例1と同様に発光素子を作製した。その発光素子からは、青色,緑色及び赤色の3色からなる白色発光が得られた。
発光層を構成する材料が青色ドーパント7として、下式(化10)であらわされる材料であることと、発光層に直径約2nmのチタニア微粒子を含むこと以外は、実施例1と同様に発光素子を作製した。
この素子からは、赤色,緑色及び青色の3色からなる白色発光が得られた。
1 正孔注入層
2 正孔輸送層
3 発光層
4 ホスト材料
5 赤色ドーパント
6 緑色ドーパント
7 青色ドーパント
8 電子輸送層
9 電子注入層
10 基板
11 下部電極
12 上部電極

Claims (14)

  1. 第一の電極と、
    第二の電極と、
    前記第一の電極と前記第二の電極との間に配置された発光層とを有する有機発光素子で
    あって、
    前記発光層はホスト材料,赤色ドーパント及び緑色ドーパントを含み、
    前記赤色ドーパントは下記(化2)で表されるイリジウム錯体であることを特徴とする有機発光素子。
    式中X1はNを含む芳香族ヘテロ環を表し、X2は芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表す。また、Y1,Y2のいずれか一方はフルオロアルキル基(Cの数は3以上),パーフルオロアルキル基(Cの数は3以上)のうちの1つを表し、他方はフルオロアルキル基(Cの数は3以上),パーフルオロアルキル基(Cの数は3以上),アルキル基のうちの1つを表す。
  2. 請求項1に記載の有機発光素子において、
    前記赤色ドーパントが前記発光層内で濃度勾配を有していることを特徴とする有機発光素子。
  3. 請求項1に記載の有機発光素子において、
    前記赤色ドーパントが前記発光層内の前記第一の電極側に偏在していることを特徴とする有機発光素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機発光素子において、
    前記発光層は青色ドーパントを含み、
    前記青色ドーパントは、ヒドロキシ基,カルボシキル基,スルホ基,I,Br,Cl,F,SCN,CN,NH2,NO2,ビピリジル基のうちの1つを有することを特徴とする有機発光素子。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機発光素子において、
    前記第二の電極と前記発光層との間に正孔輸送層が配置され、
    前記発光層は青色ドーパントを含み、
    前記青色ドーパントは、アリールアミノ基,カルバゾール基,ヒドラゾン部位のうちの1つを有することを特徴とする有機発光素子。
  6. 請求項4または5に記載の有機発光素子において、
    前記青色ドーパントが前記発光層内で濃度勾配を有している有機発光素子。
  7. 請求項4または5に記載の有機発光素子において、
    前記青色ドーパントが前記発光層内の前記第二の電極側に偏在している有機発光素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機発光素子において、
    前記ホスト材料は、フルオロアルキル基,パーフルオロアルキル基,アルキル基(Cの数は10以上),パーフルオロポリエーテル基及びシロキシ基のうちの1つを有することを特徴とする有機発光素子。
  9. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機発光素子に用いられる発光層形成用塗液であって、
    前記発光層形成用塗液は、溶媒,ホスト材料,赤色ドーパント及び緑色ドーパントを含む発光層形成用塗液。
  10. 請求項4乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子に用いられる発光層形成用塗液であって、
    前記発光層形成用塗液は、溶媒,ホスト材料,赤色ドーパント,緑色ドーパント及び青色ドーパントを含むことを特徴とする発光層形成用塗液。
  11. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子において、
    前記発光層は金属酸化物微粒子を含むことを特徴とする有機発光素子。
  12. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機発光素子に用いられる発光層形成用材料であって、
    発光層形成用材料は、ホスト材料,赤色ドーパント及び緑色ドーパントを含むことを特徴とする発光層形成用材料。
  13. 請求項4乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子に用いられる発光層形成用材料であって、
    発光層形成用材料は、ホスト材料,赤色ドーパント,青色ドーパント及び緑色ドーパントを含むことを特徴とする発光層形成用材料。
  14. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子を備えることを特徴とする光源装置。
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