JPWO2012014750A1 - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、これらの従来技術の方法では、多量の吸水性樹脂を用いた場合、吸水時に分散媒由来の臭気が感知されることがあり、さらなる臭気の低減が求められていた。
項1.水溶性エチレン性不飽和単量体を石油系炭化水素分散媒中で逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造する方法であって、下記の工程:
(A)疎水性高分子系分散剤を加熱分散もしくは加熱溶解させた石油系炭化水素分散媒に、親水性高分子系分散剤を含有する水溶性エチレン不飽和単量体水溶液を攪拌下に添加して界面活性剤非存在下にて一次分散させ、
(B)一次分散後に得られた分散液に、界面活性剤を添加して更に二次分散させ、次いで
(C)ラジカル重合開始剤を用いて逆相懸濁重合を行うこと
を含むことを特徴とする、吸水性樹脂の製造方法。
項2.界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする項1に記載の吸水性樹脂の製造方法。
項3.疎水性高分子系分散剤が、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン共重合体、無水マレイン酸・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン・プロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレンおよび酸化型エチレン・プロピレン共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする項1〜2のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
項4.水溶性エチレン性不飽和単量体が、アクリル酸およびその塩、メタクリル酸およびその塩、ならびにアクリルアミドからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする項1〜3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
項5.石油系炭化水素分散媒が、炭素数6〜8の脂肪族炭化水素および脂環族炭化水素からなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
項6.親水性高分子系分散剤が、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
項7.項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られる吸水性樹脂。
本発明の吸水性樹脂の製造方法は、逆相懸濁重合を行うに際し、界面活性剤非存在かつ疎水性高分子系分散剤存在下に、水溶性ラジカル重合開始剤を含む水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を石油系炭化水素分散媒に一次分散させる際、その単量体水溶液中に親水性高分子系分散剤を存在させることで、O/W/O(油/水/油)型液滴の発生を従来よりも抑制させ、次いで界面活性剤を添加し更に二次分散させた後、水溶性ラジカル重合開始剤を用いて重合させることをひとつの特徴とする。O/W/O型液滴とは、(Oil in Water) in Oilの略記であり、油相の微細液滴が水相液滴中に分散しており、その水相液滴が更に油相に分散している状態をいう。つまり、最内油相、中間水相、最外油相より形成されており、本願では、分散媒中(油相)に存在する、単量体水溶液(水相)の液滴の中に、更に小さな分散媒(油相)の液滴が含まれている状態を示している。
工程(A):疎水性高分子系分散剤を加熱分散もしくは加熱溶解させた石油系炭化水素分散媒に、親水性高分子系分散剤を含有する水溶性エチレン不飽和単量体水溶液を攪拌下に添加して界面活性剤非存在下にて一次分散させ、
工程(B): 一次分散後に得られた分散液に、界面活性剤を添加して更に二次分散させ、次いで
工程(C):ラジカル重合開始剤を用いて逆相懸濁重合を行う。
これらの逆相懸濁重合工程を含む製造方法により、残存する石油系炭化水素分散媒量が低減された吸水性樹脂を得ることができる。なお、本発明において「残存する石油系炭化水素分散媒量」(残存分散媒量)とは、後述する測定方法により測定した値である。
水溶性エチレン性不飽和単量体が酸基を有する場合、酸基を中和して塩として用いてもよい。
酸基を有する単量体を中和して塩とする場合に用いられるアルカリ性化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム等の化合物が挙げられる。より詳しくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等が挙げられる。
酸基を有する単量体を中和する場合、その中和度は、水溶性エチレン性不飽和単量体の酸基の30〜90モル%であることが好ましい。中和度が30モル%より低い場合、酸基がイオン化されにくく、吸水能が低くなる可能性があるため好ましくない。中和度が90モル%を超えると、衛生材料として使用される場合、安全性等に問題が生ずる可能性があるため好ましくない。また、中和のタイミングは単量体状態で行うことが均一度の観点から一般的であるが、単量体重合後のポリマーに、上記アルカリ性化合物を添加して中和を行う、いわゆる後中和を併用しても構わない。
さらに、これらの炭化水素分散媒のなかでも、本発明におけるW/O型逆相懸濁の状態が良好で、好適な粒子径が得られやすく、工業的に入手が容易かつ品質が安定している観点から、n−ヘプタン、シクロヘキサンが好適に用いられる。また、上記炭化水素の混合物の例として、市販されているエクソールヘプタン(エクソンモービル社製:n−ヘプタンおよび異性体の炭化水素75〜85%含有)などを用いても好適な結果が得られる。
これらの中では無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン共重合体、無水マレイン酸・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン・プロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレンおよび酸化型エチレン・プロピレン共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
分散液滴径は、攪拌翼の種類、翼径、回転数等により調節することができる。
また、ポリビニルアルコールであれば、けん化度等は特に限定はされないが、残存分散媒量低減の観点から、けん化度は85%以上であることが好ましい。さらに、好適に用いられるポリビニルアルコールとしては、残存分散媒の低減効果の観点および溶解させて用いる観点から、重合度が100〜3000程度のものが使いやすい。
さらに、親水性高分子系分散剤の添加により、単量体水溶液が増粘し、大粒径の単粒子の吸水性樹脂が得られるという利点を有する。
工程(B)で添加される界面活性剤の形態は特に限定されないが、界面活性剤を予め少量の分散媒に希釈もしくは溶解して使用する方法が、短時間で分散安定化できるので好ましい。なお、工程(B)にて界面活性剤を添加した後、攪拌翼の攪拌回転数を増速することができる。増速後の攪拌回転数により、最終的な分散液滴径が決定され、1段目重合の粒子の大きさが決定される。工程(A)の一次分散の攪拌回転数を工程(B)での二次分散の攪拌回転数よりある程度低く設定することで、分散媒が単量体水溶液液滴に内包されるのを抑制することができ、結果として吸水性樹脂の残存分散媒量をより低減することができる。
なお、水溶性ラジカル重合開始剤は、亜硫酸塩、アスコルビン酸等の還元剤と併用してレドックス重合開始剤として用いてもよい。
水溶性ラジカル重合開始剤の添加時期は特に制限されないが、均一性の観点からあらかじめ水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液に添加しておくのが好ましい。
内部架橋剤は、あらかじめ水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液に添加しておくのが好ましい。
また、この重合を1段目重合とし、重合で得られた含水ゲルを含む分散媒とのスラリー対し、更に単量体水溶液を添加して、2段重合あるいは3段重合等の多段の重合を行っても構わない。
2段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体としては、1段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体として例示したものと同様なものが使用できるが、単量体の種類、中和度、中和塩および単量体水溶液濃度は、1段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体と同じであっても異なっていてもよい。
2段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液に添加される重合開始剤についても、1段目の重合に用いられる重合開始剤として例示したものから適宜選択して使用することができる。
また、2段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液にも、必要に応じて、内部架橋剤、連鎖移動剤等を添加してもよく、1段目の重合の際に例示したものから選択して使用することができる。
2段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体の添加量は、適度な凝集粒子を得る観点及び、残存分散媒量低減の観点から、1段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体量に対して、1.0〜2.0倍が好ましく、1.1〜1.8倍がより好ましい。1.0倍未満であると、取得量が減るため残存分散媒量の低減効果が薄く好ましくない。また2.0倍より多いと、1段目の重合粒子が2段目重合の単量体水溶液を吸収しきれず、微粉が発生し、適正な中位粒径を持つ凝集粒子が得られなくなるので好ましくない
なお、衛生材料用途に好適な凝集粒子の中位粒子径としては、200〜600μmが好ましく、250〜500μmがより好ましく、300〜450μmがさらに好ましい。
分散媒の追加の時期については特に限定はされず、脱水工程前ならばいつ追加してもよいが、1段目の重合終了後に界面活性剤の失活を目的に冷却を行う場合等は、冷却効果もかねて1段目重合終了時に低い温度の分散媒を追加することが好ましい。
使用される後架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリオール類;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールトリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物等の反応性官能基を2個以上有する化合物;3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−ブチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンエタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール、3−ブチル−3−オキセタンエタノール等のオキセタン化合物、1,2−エチレンビスオキサゾリン等のオキサゾリン化合物、エチレンカーボネート等のカーボネート化合物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、特許文献4に記載されている残存分散媒量については、残存分散媒量の絶対値が500ppm以下まで下がってきたこともあり、また、一次粒子を大きくすると充分抽出がなされない傾向が見られたことから、より吸水性樹脂から充分に抽出を行うため、その測定方法の改良を行った。
吸水性樹脂50gを、JIS標準篩の目開き250μmの篩を用いて通過させ、篩上に残る量がその50質量%以上の場合には<α>の篩の組み合わせを、50質量%未満の場合には<β>の篩の組み合わせを、用いて中位粒子径を測定した。
<α>JIS標準篩を上から、目開き850μmの篩、目開き600μmの篩、目開き500μmの篩、目開き425μmの篩、目開き300μmの篩、目開き250μmの篩、目開き150μmの篩および受け皿の順に組み合わせた。
<β>JIS標準篩を上から、目開き425μmの篩、目開き250μmの篩、目開き180μmの篩、目開き150μmの篩、目開き106μmの篩、目開き75μmの篩、目開き45μmの篩および受け皿の順に組み合わせた。
組み合わせた最上の篩に、前記吸水性樹脂約50gを入れ、ロータップ式振とう器を用いて20分間振とうさせて分級した。
分級後、各篩上に残った吸水性樹脂の質量を全量に対する質量百分率として計算し、粒子径の大きい方から順に積算することにより、篩の目開きと篩上に残った吸水性樹脂の質量百分率の積算値との関係を対数確率紙にプロットした。確率紙上のプロットを直線で結ぶことにより、積算質量百分率50質量%に相当する粒子径を中位粒子径とした。
吸水性樹脂約2.5gをアルミカップに精秤し(Xg)、105℃の熱風乾燥機を用いて2時間乾燥後、乾燥した吸水性樹脂の質量(Yg)を測定して、下記式より水分率を算出した。なお、アルミカップの乾燥前後の風袋質量は一定とした。
水分率(%)=(X−Y)÷X×100
より低レベルでの残存分散媒量の測定を可能とするように、特許文献4等の従来測定方法に対し、サンプル瓶内に仕込んだ吸水性樹脂からの残存分散媒量をより充分に抽出するため、膨潤倍率を上げ、更にリン酸を加え膨潤ゲルが溶解しやすいように下記のように改良を行った。
残存分散媒を測定するサンプルの重合に使用した石油系炭化水素系分散媒(以後「分散媒」と表記)を10g程度スクリュー瓶等に入れ、氷水浴にて冷却した。同様に測定に使用するDMF(ジメチルフォルムアミド)60gと25質量%リン酸水溶液60gも氷水浴で冷却した。(仕込中の分散媒の蒸散抑制のため、充分冷却の後に仕込を行う。)
50ml容スクリュー瓶に上記分散媒を0.2g精秤し、そこに上記冷却したDMFを加え、合計20gにして精秤し、スターラチップで撹拌して標準試料液1とした。この標準試料液1も氷水浴により冷却をした。
次いで50ml容スクリュー瓶に上記標準試料液1を0.2g精秤し、そこに上記冷却したDMFを加え、合計20gにして精秤し、スターラチップで撹拌して標準試料液2とした。この標準試料液2も氷水浴により冷却をしておいた。
20ml容のバイアル瓶(マルエム社製、No.5)に上記標準試料液2より、0.02、0.05、0.1、0.5gおよび上記標準試料液1より0.02gをそれぞれ精秤し、そこに冷却したDMFを加え、各バイアル瓶の内容量を計3.8g(4mL)とした。更に各バイアルに上記冷却した25質量%リン酸水溶液5mLを加え、セプタムゴム、アルミキャップで栓をして締め付けた後、瓶を振って攪拌した。
なお、20ml容のバイアルへの試料の仕込から栓の締め付けまではすばやく行い、分散媒がバイアルから蒸散するのを極力防ぐように留意した。また、DMFと25質量%リン酸水溶液の混合時の発熱で分散媒が蒸散しないように、両試薬の冷却を充分行っておき、アルミキャップ等で密栓状態にしてから、充分混合を行うようにも留意した。
各バイアル瓶中の分散媒の仕込量を算出し、その仕込量とクロマトグラムのピーク面積より、検量線を作成した。(なお、分散媒として石油系炭化水素の混合物を用いた場合、複数のピークが表れるため、その面積の総和値と仕込量で検量線を作成した。)
測定するサンプル約2gをアルミカップに入れ、105℃の熱風乾燥機にて2時間乾燥させ、含有する水分量を調整した。
測定に使用するDMF(ジメチルフォルムアミド)と25質量%リン酸水溶液も必要量スクリュー瓶に入れ氷水浴で冷却した。
20ml容のバイアル瓶(マルエム社製、No.5)に上記サンプルを0.10g精秤し、バイアル瓶底部を氷浴に漬け、バイアル瓶と吸水性樹脂を冷却した。このバイアル瓶内に、前述の冷却したDMFを4mL加え、更に前述の冷却した25質量%リン酸水溶液5mLを加え、セプタムゴム、アルミキャップで栓をしてすばやく締め付けた後、軽くバイアル瓶を振り混合した。10分静置後、中の吸水性樹脂が膨潤していることを確認し、同バイアル瓶を激しく振り混ぜ内部を強撹拌した。このバイアル瓶を110℃で2時間事前加熱し、加熱後再度強攪拌を行った。
なお、20ml容のバイアルへの仕込から栓の締め付けまでは、すばやく行い、分散媒がバイアルから蒸散するのを極力防ぐように留意した。
得られたクロマトグラムのピーク面積を基に、先に作成した検量線から、仕込サンプル量(0.10gの実測値)に含まれる分散媒量を算出し、サンプル1gあたりに含まれる分散媒量[ppm]に換算した。
機種:島津製作所製 GC−14A+HSS2B(ヘッドスペースオートサンプラ)
充填剤:Squalane 25% Shimalite(NAW)(101)
80−100mesh
カラム:3.2mmφ×2.1m
カラム温度:80℃
注入口温度:180℃
検出器温度:180℃
検出器:FID
ガスキャリア:窒素ガス
バイアル瓶加熱温度:110℃
シリンジ設定温度:110℃
同一サンプルにつき残存分散媒量を測定した結果、本願の前記測定方法は、従来方法に比較してより高感度で残存分散媒量を測定できた。例えば、本願の参考例1につき、本願の測定方法では100ppmであるのに対し、従来方法では80ppmの残存分散媒量しか示さなかった。
界面活性剤等非存在下での単量体水溶液中に溶解する分散媒量を調べる目的で、下記の実験を行った。
[参考実験例]
単量体水溶液への分散媒の溶解量測定を下記の手順にて行った。
1)500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液46.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム51.1gを滴下して中和を行なった。これにイオン交換水21.9gを加え、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を調製した。(75mol%中和、38質量%濃度のアクリル酸中和液)
2)2段の50mmφ傾斜パドル翼を備えた攪拌機、温度計および冷却管を備えた2L容の五ツ口円筒形丸底セパラブルフラスコ(以後「丸底フラスコ」)に、石油系炭化水素分散媒としてn−ヘプタン171gを計量した。
3)湯浴に前述の丸底フラスコを浸し、500rpmでn−ヘプタンを攪拌し内温40±1℃に保温した。
4)手順1)で調整したアクリル酸中和液を投入し、30分間500rpmで攪拌しながら内温40±1℃になるように湯浴の温度を調整して保温した。
5)30分間の攪拌後、攪拌機を停止し同じ湯浴温度にしたまま30分間静置した。
6)2層分離を混合しないように静かに下層の中和液層のみを回収した。
7)残存分散媒量の測定方法に準じ、20mL容バイアル瓶に回収した中和液約0.26gを精秤し(単量体量で約0.1g相当)、冷却したDMFとリン酸水溶液を加えた。
8)バイアルキャップを封鎖後、攪拌した後110℃で2時間加熱した上で、残存分散媒量の測定方法に準じて中和液中のn−ヘプタン量を測定した。
WO2009/025235(特許文献4)の実施例8を参考例1として実施した。なお、同例は、特許文献4の中で残存分散媒量が最も低い実施例である。
500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに過硫酸カリウム0.11gとエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg、イオン交換水43.6gを加え、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液(以後、「単量体水溶液」と表記)を調製した。
2段の50mmφ傾斜パドル翼を備えた攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた2L容の五ツ口円筒形丸底セパラブルフラスコ(以後「丸底フラスコ」)に、石油系炭化水素分散媒としてヘプタン334gを計量した。丸底フラスコ内に疎水性高分子系分散剤として酸化型エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、商品名:ハイワックス4052E)0.46gと無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、商品名:ハイワックス1105A)0.46gを加えて300rpmの攪拌下90℃の湯浴で83〜86℃に加温し溶解・分散させた後、内温61℃まで空冷した。先端の開口部が内径8mmφのSUS製ロートを用いて、300rpmで攪拌している上記ヘプタン中に、上記単量体水溶液を一括で投入した。単量体水溶液添加後、内温40℃にて10分間攪拌し一次分散させた。
次に、界面活性剤として、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、商品名:S−370)0.92gをヘプタン8.28gに60℃以上で別途加温溶解させた液を、前記丸底フラスコ内に漏斗を用いて添加し、次いで、攪拌速度を500rpmまで増速し、単量体水溶液を二次分散させた。
前記分散液を含む丸底フラスコの内温を40℃に保持しながら系内を充分に窒素置換した後、70℃の湯浴を用いて1時間加温し、ラジカル重合反応を行なった。
1段目重合終了後、撹拌速度を1000rpmに増速し、内温を室温付近まで冷却し、界面活性剤を少なくとも一部析出させた。
2段目の重合反応後、120℃の油浴を用いて加熱し、共沸蒸留により、ヘプタンをフラスコに還流しながら260gの水を系外に除去することによりヘプタンに分散された脱水重合体を得た。得られたヘプタン分散脱水重合体に、後架橋剤として2%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液8.2gを添加し、83℃で2時間、後架橋反応を行なった。
その後、120℃の油浴を用いて加熱し、ヘプタンと水を蒸留により系外へ除去後、窒素気流下で乾燥し、850μmの篩を通過させ、球状粒子が凝集した形状の吸水性樹脂235gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は356μmで、水分率は4.5%であった。
WO2009/025235(特許文献4)の実施例8の1段重合を終えた時点で脱水・後架橋・乾燥を行い、比較例1とした。
参考例1と同様に1段目の重合を実施し、1段重合終了後、1000rpmに攪拌を増速した後、120℃の油浴を用いて加熱し、共沸蒸留により、ヘプタンをフラスコに還流しながら125gの水を系外に除去することによりヘプタンに分散された脱水重合体を得た。得られたヘプタン分散脱水重合体に、後架橋剤として2%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液3.4gを添加し、83℃で2時間、後架橋反応を行なった。
その後、120℃の油浴を用いて加熱し、ヘプタンと水を蒸留により系外へ除去後、窒素気流下で乾燥し、850μmの篩を通過させ、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂89gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は61μmで、水分率は3.1%であった。
親水性高分子系分散剤としてポリビニールアルコール(以後「PVA」と略記)を単量体質量に対し0.7質量%添加して重合実験を行った。
単量体水溶液の調整に先立ちPVAとしてゴーセノールGH−17(日本合成化学工業株式会社:重合度1700・けん化度86.5−89.0mol%)を蒸留水に加温攪拌溶解後、室温まで放冷した5質量%水溶液100gを作製した。
500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに過硫酸カリウム0.073gとエチレングリコールジグリシジルエーテル10.1mg、前述の5質量%PVA水溶液を12.6g及びイオン交換水31.4gを加え、単量体水溶液を調製した。
次に、界面活性剤として、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、商品名:S−370)0.74gをヘプタン6.62gに60℃以上で別途加温溶解させた液を、前記丸底フラスコ内に漏斗を用いて添加し、次いで攪拌速度を500rpmまで増速し、単量体水溶液を二次分散させた。(工程(B))
前記分散液を含む丸底フラスコの内温を40℃に保持しながら系内を充分に窒素置換した後、70℃の湯浴を用いて1時間加温し、ラジカル重合反応を行なった。(工程(C))
その後、120℃の油浴を用いて加熱し、ヘプタンと水を蒸留により系外へ除去後、窒素気流下で乾燥し、850μmの篩を通過させ、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂90gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は69μmで、水分率は2.5%であった。
実施例1において、PVAをゴーセノールGH−17の代わりにゴーセノールGH−20(日本合成化学工業株式会社:重合度2000・けん化度86.5−89.0mol%)を1.0質量%用いた。
単量体水溶液の調整に先立ち上記PVA(GH−20)を蒸留水に加温攪拌溶解後、室温まで放冷した5質量%水溶液100gを作製した。
500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに過硫酸カリウム0.11gとエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg、前述の5質量%PVA水溶液を18.1g及びイオン交換水25.8gを加え、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を調製した。
以降、実施例1と同様にし、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂88gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は80μmで、水分率は3.4%であった。
実施例1において、PVAをゴーセノールGH−17の代わりにゴーセノールGH−23(日本合成化学工業株式会社:重合度2300・けん化度86.5−89.0mol%)を0.7質量%用いた。
単量体水溶液の調整に先立ち上記PVA(GH−23)を蒸留水に加温攪拌溶解後、室温まで放冷した5質量%水溶液100gを作製した。
500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに過硫酸カリウム0.11gとエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg、前述の5質量%PVA水溶液を12.6g及びイオン交換水31.4gを加え、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を調製した。
以降、実施例1と同様にし、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂87gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は88μmで、水分率は3.3%であった。
親水性高分子系分散剤として、PVAを単量体質量に対し2.0質量%を用いた。
500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに32.1gのイオン交換水を加え、更に親水性高分子系分散剤としてPVA:ポバール403(株式会社クラレ:重合度300・けん化度78−83mol%)を1.81g加え攪拌し溶解させた。これに過硫酸カリウム0.073gとエチレングリコールジグリシジルエーテル10.1mg及びイオン交換水10gを加え、単量体水溶液を調製した。
次に、界面活性剤として、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、商品名:S−370)0.74gをヘプタン6.62gに60℃以上で別途加温溶解させた液を、前記丸底フラスコ内に漏斗を用いて添加し、次いで攪拌速度を700rpmまで増速し、単量体水溶液を二次分散させた。(工程(B))
前記分散液を含む丸底フラスコの内温を40℃に保持しながら系内を充分に窒素置換した後、70℃の湯浴を用いて1時間加温し、ラジカル重合反応を行なった。(工程(C))
その後、120℃の油浴を用いて加熱し、ヘプタンと水を蒸留により系外へ除去後、窒素気流下で乾燥し、850μmの篩を通過させ、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂90gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は51μmで、水分率は3.0%であった。
比較例として増粘剤にヒドロキシエチルセルロース(以後「HEC」と略記)を単量体質量に対して0.3質量%用いて重合を行った。
500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに水32.1gを加え、更にHEC(住友精化株式会社:AW−15F)を0.272g加え攪拌して溶解させた。これに過硫酸カリウム0.073gとエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg、イオン交換水10gを加え、単量体水溶液を調製した。
2段の50mmφ傾斜パドル翼を備えた攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた2L容の五ツ口丸底フラスコに、石油系炭化水素分散媒としてヘプタン275gを計量した。丸底フラスコ内に疎水性高分子系分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、商品名:ハイワックス1105A)0.74gを加えて300rpmの攪拌下85℃の湯浴で75〜80℃に加温し溶解・分散させた後、内温61℃まで空冷した。先端の開口部が内径8mmφのSUS製ロートを用いて、300rpmで攪拌している上記ヘプタン中に、上記単量体水溶液を投入した。単量体水溶液添加後、内温40℃にて10分間攪拌し一次分散させた。
次に、界面活性剤として、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、商品名:S−370)0.74gをヘプタン6.62gに60℃以上で別途加温溶解させた液を、前記丸底フラスコ内に漏斗を用いて添加し、次いで攪拌速度を500rpmまで増速し、単量体水溶液を二次分散させた。
前記分散液を含む丸底フラスコの内温を40℃に保持しながら系内を充分に窒素置換した後、70℃の湯浴を用いて1時間加温し、ラジカル重合反応を行なった。
その後、120℃の油浴を用いて加熱し、ヘプタンと水を蒸留により系外へ除去後、窒素気流下で乾燥し、850μmの篩を通過させ、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂87gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は87μmで、水分率は2.8%であった。
比較例2において、増粘剤としてHEC0.3質量%の代わりにキサンタンガム0.1質量%用いて重合を行った。
具体的には、500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに水32.3gを加え、更にキサンタンガム(三晶株式会社:ケルザン)を0.091g加え攪拌して溶解・分散させた。これに過硫酸カリウム0.11gとエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg、イオン交換水10gを加え、単量体水溶液を調製した。
以降、比較例2と同様にし、850μmの篩を通過させ、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂88gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は84μmで、水分率は2.9%であった。
比較例2において、増粘剤としてHEC0.3質量%の代わりにグアーガム0.5質量%用いて重合を行った。
具体的には、500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに水31.9gを加え、更にグアーガム(三晶株式会社:メイプログアー)を0.45g加え攪拌して溶解させた。これに過硫酸カリウム0.11gとエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg、イオン交換水10gを加え、単量体水溶液を調製した。
以降、比較例2と同様に重合を行ったところ、70℃の温浴につけて内温を上昇させている最中に、攪拌翼にポリマーが巻きつき異常重合が生じたので、その時点で実験を取りやめた。
比較例2において、増粘剤としてHEC0.3質量%の代わりにプルラン1.0質量%用いて重合を行った。
具体的には、500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに水31.5gを加え、更にプルラン(林原商事:プルラン PI−20)を0.905g加え攪拌して溶解させた。これに過硫酸カリウム0.11gとエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg、イオン交換水10gを加え、単量体水溶液を調製した。
以降、比較例2と同様にし、850μmの篩を通過させ、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂90gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は96μmで、水分率は3.1%であった。
重合時の攪拌速度を低速化して逆相懸濁重合を実施した。
500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに過硫酸カリウム0.11gとエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg、イオン交換水43.8gを加え、単量体水溶液を調製した。
2段の50mmφ傾斜パドル翼を備えた攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた2L容の五ツ口丸底フラスコに、石油系炭化水素分散媒としてヘプタン334gを計量した。丸底フラスコ内に疎水性高分子系分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、商品名:ハイワックス1105A)0.92gを加えて300rpmの攪拌下85℃の湯浴で75〜80℃に加温し溶解・分散させた後、内温61℃まで空冷した。先端の開口部が内径8mmφのSUS製ロートを用いて、300rpmで攪拌している上記ヘプタン中に、上記単量体水溶液を投入した。単量体水溶液添加後、内温40℃にて10分間攪拌し一次分散させた。
次に、界面活性剤として、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、商品名:S−370)0.92gをヘプタン8.28gに60℃以上で別途加温溶解させた液を、前記丸底フラスコ内に漏斗を用いて添加し、攪拌速度を300rpmのまま単量体水溶液を二次分散させた。
前記分散液を含む丸底フラスコの内温を40℃に保持しながら系内を充分に窒素置換した後、70℃の湯浴を用いて1時間加温し、ラジカル重合反応を行なった。
その後、120℃の油浴を用いて加熱し、ヘプタンと水を蒸留により系外へ除去後、窒素気流下で乾燥し、850μmの篩を通過させ、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂87gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は124μmで、水分率は3.2%であった。
比較例6に対し、更に重合時の攪拌速度を低速化して、粒子径の大きなサンプルの作製を試みた。
比較例6において、攪拌速度300rpmを250rpmへ変更した以外は同様に重合を実施した。その結果、70℃の温浴につけて内温を上昇させている最中に、攪拌翼にポリマーが巻きつき異常重合が生じたので、その時点で実験を取りやめた。
比較例6において増粘剤HECを単量体質量に対し0.3質量%添加することで、更に粒子径の大きなサンプルの作製を試みた。
500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに水32.1gを加え、更にHEC(住友精化株式会社:AW−15F)を0.276g加え攪拌して溶解させた。これに過硫酸カリウム0.11gとエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg、イオン交換水11.4gを加え、単量体水溶液を調製した。
2段の50mmφ傾斜パドル翼を備えた攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた2L容の五ツ口丸底フラスコに、石油系炭化水素分散媒としてヘプタン334gを計量した。丸底フラスコ内に疎水性高分子系分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、商品名:ハイワックス1105A)0.92gを加えて300rpmの攪拌下85℃の湯浴で75〜80℃に加温し溶解・分散させた後、内温61℃まで空冷した。先端の開口部が内径8mmφのSUS製ロートを用いて、300rpmで攪拌している上記ヘプタン中に、上記単量体水溶液を投入した。単量体水溶液添加後、内温40℃にて10分間攪拌し一次分散させた。
次に、界面活性剤として、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、商品名:S−370)0.92gをヘプタン8.28gに60℃以上で別途加温溶解させた液を、前記丸底フラスコ内に漏斗を用いて添加し、攪拌速度は300rpmのままで単量体水溶液を二次分散させた。
前記分散液を含む丸底フラスコの内温を40℃に保持しながら系内を充分に窒素置換した後、70℃の湯浴を用いて1時間加温し、ラジカル重合反応を行なった。その結果、重合が進み内温が81℃を超えた時点で、重合槽内のポリマー粒子が沈殿する様子が観察されたので、攪拌速度を600rpmまで増速した。
重合反応後、120℃の油浴を用いて加熱し、共沸蒸留により、ヘプタンをフラスコに還流しながら125gの水を系外に除去することによりヘプタンに分散された脱水重合体を得た。得られたヘプタン分散脱水重合体に、後架橋剤として2%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液3.4gを添加し、83℃で2時間、後架橋反応を行なった。
その後、120℃の油浴を用いて加熱し、ヘプタンと水を蒸留により系外へ除去後、窒素気流下で乾燥し、850μmの篩を通過させ、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂88gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は195μmで、水分率は3.2%であった。
比較例8において増粘剤HECを0.5質量%に増量し、系内を大きく攪拌できる格子状攪拌翼に変更して重合を行った。
500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに水33.4gを加え、更にHEC(住友精化株式会社:AW−15F)を0.46g加え攪拌して溶解させた。これに過硫酸カリウム0.11gとエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg、イオン交換水10gを加え、単量体水溶液を調製した。
幅58mm最大高さ104mmで縦方向に65mmのスリットが計4つある格子状翼を備えた攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた2L容の五ツ口丸底フラスコに、石油系炭化水素分散媒としてヘプタン334gを計量した。丸底フラスコ内に疎水性高分子系分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、商品名:ハイワックス1105A)0.92gを加えて200rpmの攪拌下85℃の湯浴で75〜80℃に加温し溶解・分散させた後、内温61℃まで空冷した。そこに滴下ロートを用いて、200rpmで攪拌している上記ヘプタン中に、上記単量体水溶液を滴下投入した。単量体水溶液添加後、内温40℃にて10分間攪拌し一次分散させた。
次に、界面活性剤として、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、商品名:S−370)0.92gをヘプタン8.28gに60℃以上で別途加温溶解させた液を、前記丸底フラスコ内に漏斗を用いて添加し、攪拌速度を300rpmに増速して単量体水溶液を二次分散させた。
前記分散液を含む丸底フラスコの内温を40℃に保持しながら系内を充分に窒素置換した後、70℃の湯浴を用いて1時間加温し、ラジカル重合反応を行なった。
重合反応後、120℃の油浴を用いて加熱し、共沸蒸留により、ヘプタンをフラスコに還流しながら125gの水を系外に除去することによりヘプタンに分散された脱水重合体を得た。得られたヘプタン分散脱水重合体に、後架橋剤として2%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液3.4gを添加し、83℃で2時間、後架橋反応を行なった。
その後、120℃の油浴を用いて加熱し、ヘプタンと水を蒸留により系外へ除去後、窒素気流下で乾燥し、850μmの篩を通過させ、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂88gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は168μmで、水分率は2.7%であった。
比較例9において、増粘剤HECの代わりに親水性高分子系分散剤のポリビニルピロリドン(以後「PVP」と略記)を単量体量に対し1.0質量%加えた。
単量体水溶液の調整に先立ち、PVP(アイエスピー・ジャパン株式会社:K−90)をイオン交換水に溶解し5%水溶液を100g作製した。500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに過硫酸カリウム0.11gとエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg、前述の5質量%PVP水溶液を18.1g及びイオン交換水25.8gを加え、単量体水溶液を調製した。
次に、界面活性剤として、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、商品名:S−370)0.92gをヘプタン8.28gに60℃以上で別途加温溶解させた液を、前記丸底フラスコ内に漏斗を用いて添加し、攪拌速度を300rpmに増速して単量体水溶液を二次分散させた。
前記分散液を含む丸底フラスコの内温を40℃に保持しながら系内を充分に窒素置換した後、70℃の湯浴を用いて1時間加温し、ラジカル重合反応を行なった。
重合反応後、攪拌速度を500rpmにまで増速し、120℃の油浴を用いて加熱し、共沸蒸留により、ヘプタンをフラスコに還流しながら125gの水を系外に除去することによりヘプタンに分散された脱水重合体を得た。得られたヘプタン分散脱水重合体に、後架橋剤として2%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液3.4gを添加し、83℃で2時間、後架橋反応を行なった。
その後、120℃の油浴を用いて加熱し、ヘプタンと水を蒸留により系外へ除去後、窒素気流下で乾燥し、850μmの篩を通過させ、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂90gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は110μmで、水分率は3.0%であった。
実施例5に対し、PVPの添加量を2質量%まで増加した。
単量体水溶液の調整に先立ち、PVP(アイエスピー・ジャパン株式会社:K−90)をイオン交換水に溶解し5%水溶液を100g作製した。500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに過硫酸カリウム0.11gとエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg、前述の5質量%PVP水溶液を36.2g及びイオン交換水7.7gを加え、単量体水溶液を調製した。
以降、実施例5と同様にし、850μmの篩を通過させ、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂91gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は158μmで、水分率は3.3%であった。
比較例2において、増粘剤のHECを1.0質量%まで増量した。
具体的には500mL容の三角フラスコに、80質量%アクリル酸水溶液92.0gを仕込み、フラスコを外部から冷却しつつ、攪拌しながら30質量%水酸化ナトリウム102.2gを滴下して中和を行なった。これに水31.5gを加え、更にHEC(住友精化株式会社:AW−15F)を0.905g加え攪拌して溶解させた。これに過硫酸カリウム0.073gとエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg、イオン交換水10gを加え、単量体水溶液を調製した。
以降、比較例2と同様にし、850μmの篩を通過させ、球状形状(一部は球状が凝集した形状)の吸水性樹脂90gを得た。この吸水性樹脂の中位粒子径は215μmで、水分率は3.4%であった。
また、得られた吸水性樹脂の中位粒径の比較において、増粘剤を使用しない場合、攪拌速度の制御だけで得られる粒子は、中位粒径が120μm程度までであり(比較例1および6)、この問題を解消するため、逆相懸濁重合でよく知られた増粘剤のヒドロキシエチルセルロース(HEC)を使用した場合には、大粒径のものは得られるが、同時に残存分散媒量が多くなることが確認された(比較例2、8、9および10)。
一方、本願発明の製造方法により、150μm以上の粒子径をもつ球状の吸水性樹脂(実施例6)を得ることもでき、さらにそれらの参考例および比較例に比較して、有意に低減された残存分散媒量の吸水性樹脂を提供できた。
Claims (7)
- 水溶性エチレン性不飽和単量体を石油系炭化水素分散媒中で逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造する方法であって、下記の工程:
(A)疎水性高分子系分散剤を加熱分散もしくは加熱溶解させた石油系炭化水素分散媒に、親水性高分子系分散剤を含有する水溶性エチレン不飽和単量体水溶液を攪拌下に添加して界面活性剤非存在下にて一次分散させ、
(B)一次分散後に得られた分散液に、界面活性剤を添加して更に二次分散させ、次いで
(C)ラジカル重合開始剤を用いて逆相懸濁重合を行うこと
を含むことを特徴とする、吸水性樹脂の製造方法。 - 界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 疎水性高分子系分散剤が、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン共重合体、無水マレイン酸・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン・プロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレンおよび酸化型エチレン・プロピレン共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 水溶性エチレン性不飽和単量体が、アクリル酸およびその塩、メタクリル酸およびその塩、ならびにアクリルアミドからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 石油系炭化水素分散媒が、炭素数6〜8の脂肪族炭化水素および脂環族炭化水素からなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 親水性高分子系分散剤が、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られる吸水性樹脂。
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