JPWO2012008012A1 - 永久磁石型回転電機 - Google Patents

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Abstract

回転子鉄心6には、1極あたり3個の永久磁石を埋め込む磁石挿入穴7a〜7cが回転子5の外周面に向かって概略U字状に並べて設けられ、回転子鉄心6の外周部近傍には、磁極間の中心線を基準として対称形を成す一対の穴20a,20bが各磁極毎に設けられ、永久磁石による磁極の極対数をpとし、固定子3のスロット数をmとするとき、一対の穴は、無負荷誘起電圧の(m/p-1)次高調波成分と(m/p+1)次高調波成分との振幅和を極小とする位置もしくはその近傍位置に設けられる。

Description

本発明は、車両電動機などの回転電機に係り、特に、回転子の内部に永久磁石を配置した回転電機の回転子の構造に関する。
従来、回転子の界磁発生手段として、永久磁石を用いた永久磁石式モータが使用されていた。そして、永久磁石式モータの回転子の高速回転時の遠心力が永久磁石に作用することから、永久磁石を回転子の内部に埋め込んで耐遠心力性を高めた磁石保持構造を具備する磁石埋込型モータ(Interior Permanent Magnet Motor:以下「IPMモータ」と称する)が提案されている(例えば、下記特許文献1)。
この特許文献1に記載のIPMモータでは、回転子表面に溝を設けることが提案されており、この溝の角度を磁極の中心線から電気角44度〜53度に設定すると無負荷誘起電圧の高調波成分が小さくなり、溝の角度を磁極の中心線から電気角40度〜44度に設定するとトルクリップルが小さくなるということが記載されている。
特開2009−118731号公報
上記特許文献1に記載のIPMモータを含む従来のIPMモータでは、永久磁石の遠心力に対する保持力は、回転子表面方向にある回転子鉄心の強度のみで得る構造であるため、永久磁石の遠心力に対する強度保持という配慮が必要となる。このため、従来のIPMモータにおいて、特許文献1のように、回転子表面に溝を設ける構造を採用する場合、永久磁石を回転子の内側(中心部側)に設ける必要性が生じる。しかしながら、永久磁石を回転子の内側に設けた場合、永久磁石の両端部における漏れ磁束が大きくなって駆動トルクの低下を招くという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、遠心力に対する強度を保持しつつ、無負荷誘起電圧の低減を可能とする永久磁石型回転電機を提供することを目的とする。
また、本発明は、駆動トルクの低下を抑制可能とする永久磁石型回転電機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る永久磁石型回転電機は、スロットの内部に固定子コイルを収納する複数のスロットを有する固定子と、前記固定子に回転空隙を介して回転可能に配置される回転子鉄心を有し、この回転子鉄心の内部に1極あたり3個以上の永久磁石が埋め込まれる回転子と、を備え、前記回転子鉄心には前記永久磁石を埋め込む磁石挿入穴が回転子の外周面に向かって概略U字状に並べて設けられ、前記各磁石挿入穴に埋め込まれた永久磁石の側面部には空洞部が形成されると共に、前記回転子鉄心の外周部近傍には、磁極間の中心線を基準として対称形を成す一対の穴が各磁極毎に設けられ、前記永久磁石の極対数をpとし、当該極対数pの3以上の整数倍の値をとる前記固定子のスロット数をmとするとき、前記一対の穴は、前記回転子の回転によって前記固定子に発生する無負荷誘起電圧の(m/p−1)次高調波成分と、(m/p+1)次高調波成分との振幅和を極小とする位置もしくはその近傍位置に設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、遠心力に対する強度を保持しつつ、無負荷誘起電圧の低減が可能となるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる永久磁石型回転電機の一例である永久磁石型電動機の断面図である。 図2は、図1に示す永久磁石型電動機における回転子の構造を示す模式断面図である。 図3は、図2の回転子における破線部で示した部分の拡大図である。 図4は、永久磁石が挿入されている場合の図3に対応する部分の拡大図である。 図5は、図3に示す磁石挿入穴の周辺部を拡大した部分拡大図である。 図6は、実施の形態1における漏れ磁束の影響を説明する図である。 図7は、比較例としての従来例における漏れ磁束の影響を説明する図である。 図8は、穴の位置に応じて変化する無負荷誘起電圧のうちの(n−1)次高調波成分と(n+1)次高調波成分との振幅和に関するシミュレーション結果を示すグラフである。 図9は、穴の位置を表す電気角を説明する図である。 図10は、実施の形態3にかかる永久磁石型回転電機の回転子の構造の一部を示す模式断面図である。
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態にかかる永久磁石型回転電機について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる永久磁石型回転電機の一例である永久磁石型電動機の断面図であり、図2は、図1に示す永久磁石型電動機における回転子の構造を示す模式断面図であり、図3は、図2の回転子における破線部で示した部分の拡大図であり、図4は、永久磁石が挿入されている場合の図3に対応する部分の拡大図である。
実施の形態1にかかる永久磁石型電動機1は、固定子2および回転子5を備えている。固定子2は、円筒形状を成す固定子鉄心3を有し、この固定子鉄心3は、その内周部側に36個のティース3bを等角ピッチで、且つ、間欠的に形成することによって36個のスロット3aが形成されている。なお、スロット3aには、固定子コイル4が、ティース3bの所定数個分を内部に含むように巻装されて収納される。
回転子5は、例えば所定枚数の磁性鋼板を積層および一体化して作製され、外周面が円筒面を成し、18個の磁石挿入穴7(図2および図3参照)が等角ピッチで配列されるように形成された回転子鉄心6と、各磁石挿入穴7内にそれぞれ収納された永久磁石8(8a〜8c)と、を備え、固定子2に対し回転空隙18を介して回転可能となるように配置されている。
ここで、磁石挿入穴7の配置は、図3に示すように、1つの磁石挿入穴7bの両端部に2つの磁石挿入穴7a,7cがあり、回転子5の外周面(外周方向)に向かって開くように概略U字状に6組配置されている。そして、第1の永久磁石の組である永久磁石8a〜8cによる磁束の向きが回転子5の外周面に向かって収束する方向に着磁(磁化)される一方で、隣接する組(第2の永久磁石の組)の永久磁石16a〜16cは、磁束の向きが回転子5の中心部に向かって広がる方向に着磁されている。すなわち、実施の形態1の永久磁石型電動機における回転子では、永久磁石による磁束の向きが回転子の外周面に向かって収束する方向に着磁された永久磁石群と、回転子の中心部に向かって広がる方向に着磁された永久磁石群と、が交互に配列されるように構成されている。
また、磁石挿入穴7a〜7cに埋め込まれた永久磁石8a〜8cの両側面部には、図4に示すような空洞部9(永久磁石8aの両側面部には空洞部9a1,9a2、永久磁石8bの両側面部には空洞部9b1,9b2、永久磁石8cの両側面部には空洞部9c1,9c2)が形成されるようになっている。
さらに、磁石挿入穴7a〜7cのうち、両端部に位置する磁石挿入穴7a,7cの周辺部には、無負荷誘起電圧の低減を可能とする穴20(20a,20b)が設けられている。
なお、図1では、36個のスロット3aが固定子2の周方向に等角ピッチで配列されると共に、18個の永久磁石8が回転子5の周方向に埋め込まれる6極(極対数=3)の電動機(1極あたり6個のスロットおよび1極あたり3個の永久磁石)を一例として示しているが、電動機の極数やスロットの数および永久磁石の数等、図1の構成に限定されるものではなく、任意の数の選択が可能である。
また、永久磁石群による着磁方向を上記のように構成したのは、固定子コイルの誘起電圧を正弦波状にするためであり、固定子コイルの誘起電圧を正弦波状にする必要のない用途では、この限りではない。すなわち回転子の外周面に向かう方向または回転子の中心部に向かう方向に着磁された各永久磁石群の各着磁方向が平行であっても構わない。
つぎに、これらの穴20a,20bのより詳細な位置について、穴20aを例に図5を参照して説明する。図5は、図3に示す磁石挿入穴の周辺部を拡大した部分拡大図である。
図5には、回転子鉄心6の中心を通り、一の永久磁石群と他の永久磁石群とから等距離にある磁極間中心線30aが引かれている。穴20aは、磁石挿入穴7aと回転子鉄心6の外周端との間に形成されるブリッジ部11aよりも紙面右側、すなわちブリッジ部11aを基準に磁極間中心線30aの反対側に設けられている。この穴20aの位置は、機械的な観点と、電気的な観点とから、好ましい位置が存在する。
ここで、機械的な観点とは遠心力強度の観点であり、電気的な観点とは漏れ磁束および無負荷誘起電圧に関する観点である。穴20aを回転子鉄心6の外周端に近い側に設けた場合、回転子鉄心6の遠心力強度が低下する。したがって、回転子鉄心6の遠心力強度が問題になる場合、穴20aを、可能な限り、回転子鉄心6の中心部側に配置することが要請される。
図5に示す例は、磁石挿入穴7aの外周部に最も近い端部28aを通り、回転子鉄心6の外周端に並行且つ仮想的に引かれる曲線24aよりも中心部側に設ける場合の一例であり、好ましい実施態様の一つである。というのも、磁石挿入穴7aは、通常、遠心力強度を考慮して設計されると共に、穴20aの径は、例えば△△kW級のモータであっても○○mm程度であり、磁石挿入穴7aの大きさに比して非常に小さい。このため、磁石挿入穴7aを曲線24aよりも中心部側に配置する限りにおいては、遠心力強度低下の問題は生じない。なお、遠心力強度に余裕がある場合、穴20aの一部もしくは全部が遠心力強度の余裕度に応じて、曲線24aよりも外周部側に位置していたとしても構わないことは無論である。
図6および図7は、上記で触れた電気的な観点のうちの漏れ磁束に関する問題を説明する図であり、図6は、実施の形態1における漏れ磁束の影響を説明する図であり、図7は、比較例としての従来例における漏れ磁束の影響を説明する図である。
永久磁石8a〜8cで発生した磁束は、固定子鉄心3のコアバック部15(図1参照)を通った後に再び回転子鉄心6に戻ってくる(図示せず)。しかしながら、図6に示すように、一部の磁束は、コアバック部15に向かわずに永久磁石8に戻ってくるような、回転子鉄心6の内部に留まり、回転子鉄心6内でループとなる漏れ磁束12がある。この漏れ磁束12は、トルクに寄与することなく、また、鉄損の増加要因となるため、可能な限り抑制することが好ましい。
そこで、本実施の形態における回転子5では、概略U字状に配置する永久磁石群に関し、図4に示すように、磁石挿入穴7の両側面部側の空洞部が両側面部以外の空洞部よりも大きくなるようにしている。具体的な構成で見ると、磁石挿入穴7bに永久磁石8bを埋め込むことによって生じた空洞部9b1と9b2の大きさは概略等しく、磁石挿入穴7aに永久磁石8aを埋め込むことによって生じた空洞部9a1と9a2とでは、空洞部9a1の方が大きくなるように磁石挿入穴7aを形成し、磁石挿入穴7cに永久磁石8cを埋め込むことによって生じた空洞部9c1と9c2とでは、空洞部9c2の方が大きくなるように磁石挿入穴7cを形成している。
別言すれば、本実施の形態における回転子5では、回転子鉄心6の外周部側に形成される空洞部(例えば空洞部9a1)の方が、回転子鉄心6の中心部側に形成される空洞部(例えば空洞部9a2,9b1,…)よりも大きな空間となるように磁石挿入穴7の形状を形成している。このように構成された回転子鉄心6によれば、永久磁石8による漏れ磁束12は、永久磁石8a,8b間に形成されるブリッジ部10aと、永久磁石8b,8c間に形成されるブリッジ部10bと、永久磁石8a,8cと回転子鉄心6の外周面との間にそれぞれ形成されるブリッジ部11a,11bとが磁束の経路となる。したがって、これらの磁束経路を狭くすることにより、漏れ磁束12を低減することが可能となる。
ここで、ブリッジ部10a,10bおよび11a,11bのうち、特にブリッジ部11a,11bについては、遠心力強度とのトレードオフとなる。ところが、本実施の形態における回転子5では、永久磁石の個数を3個に分割して、1個あたりの永久磁石の重さを低減すると共に、これら3個の永久磁石を図示のように曲率を持たせて概略U字形状に並べて配置しているので、従来の構成に比して、ブリッジ部11a,11bの薄肉化が可能となり、これらのブリッジ部を通過する漏れ磁束の低減が可能となる。
一方、図7は、上記特許文献1に開示された回転子鉄心の図6に対応する部分を示しており、この回転子鉄心106では、永久磁石の組である永久磁石108a,108bが外周面に向かってV字形状に配置されている。ここで、特許文献1に開示された回転子鉄心では、2個の永久磁石を一組とするものであるため、同一の界磁力を得るためには、実施の形態1のものよりも1個あたりの重量は大きくなる。また、特許文献1では、回転子鉄心106の外周面に溝120を設けているため、遠心力強度は実施の形態1の回転子鉄心6よりも小さくなる。したがって、特許文献1の回転子鉄心における永久磁石108a,108bの位置は、実施の形態1のものよりも、より中心部側に設ける必要がある。このとき、対向する固定子鉄心に向かわずに回転子鉄心106の内部に留まって自身に戻ってくる漏れ磁束112は、図7に示すように本実施の形態による漏れ磁束12よりも大きくなる。漏れ磁束112が大きくなると、回転トルクが小さくなり、鉄損も増大するため、回転子鉄心106の外周面に溝120を設けることによる弊害も大きくなって行く。
つぎに、電気的な観点のうちの無負荷誘起電圧について説明する。図8は、穴20aの位置に応じて変化する無負荷誘起電圧のうちの(n−1)次高調波成分(図8の例では11次高調波成分)と、(n+1)次高調波成分(図8の例では13次高調波成分)との振幅和に関するシミュレーション結果を示すグラフである。ここで、この次数nは、固定子のスロット数をm、永久磁石群の極対数をpとするとき、n=m/pの式で表される整数である。本実施の形態の永久磁石型回転電機では、固定子のスロット数は36であり、永久磁石群の極対数は3であるため、n=(36/3)=12となり、図8の例では、11次高調波成分と13次高調波成分との振幅和を評価指標として示している。なお、図8には、永久磁石8a〜8cによって発生するトルク(マグネットトルク)に大きく関係する無負荷誘起電圧の基本波成分についても併せて示している。
図8において、横軸に示す角度θは、磁極間中心線30aを基準軸とする穴20aの位置を電気角にて表したものである(図9参照)。なお、図9には、隣接する磁極間中心線30bが図示されているが、磁極間中心線30a,30b間の電気角は180度であり、穴20aの対称位置には、磁極間中心線30bを基準軸とする穴20bが設けられるため、穴20aに関する電気角θの変域は、0〜90°の範囲となる。
図8の波形を参照すると、電気角θ=θ1,θ2,θ3(θ1<θ2<θ3)において、無負荷誘起電圧の高調波成分が極小値をとることが分かる。
ここで、穴20aが磁極間付近にある場合(θ=θ1)、無負荷誘起電圧の高調波成分は抑制され、且つ、基本波成分も大きいため、永久磁石で発生するマグネットトルクは殆ど低減しない。しかしながら、回転子鉄心6の表面の鋼の部分と固定子コイルとの間で生じた磁束によって発生するトルク(リラクタンストルク)は、穴20aによる空隙によって小さくなってしまう。このため、リラクタンストルクを損なうことなく、無負荷誘起電圧を抑えるためには、図9に示すように、穴20aの位置を表す電気角θを、θ>Aとする必要がある。なお、このAは、回転子鉄心6の外周側端部に対して最も近い位置にあり、且つ、磁極間中心線30aに対して最も遠い位置にある端部28aの磁極間中心線30aを基準とする電気角である。したがって、図8の例において、穴20aの好ましい位置は、電気角θ2,θ3もしくは、これら近傍の電気角位置である。
また、上述したように穴20bは、磁極間中心線30bを基準軸として穴20aの対称位置に設けられることになる。したがって、例えば磁極間中心線30aを基準とする電気角θ2もしくはその近傍位置に穴20aを設けた場合には、磁極間中心線30bを基準とする電気角−θ2もしくはその近傍位置に穴20bが設けられ、磁極間中心線30aを基準とする電気角θ3もしくはその近傍位置に穴20aを設けた場合には、磁極間中心線30bを基準とする電気角−θ3もしくはその近傍位置に穴20bが設けられることになる。
すなわち、穴20a,20bは、概略U字状に並べて配置される永久磁石8a〜8c(永久磁石群)と、回転子鉄心6の外周部との間であり、且つ、永久磁石の極対数をpとし、固定子のスロット数をmとするとき、無負荷誘起電圧の(m/p−1)次高調波成分と、(m/p+1)次高調波成分との振幅和を極小とする位置もしくはその近傍位置に配置される。なお、m/pの値は3以上の整数値をとり、この値が実数になることはない。
また、穴20a,20bに関する上記の配置位置は、リラクタンストルクを損なうことなく無負荷誘起電圧を抑えるための配置位置である。したがって、リラクタンストルクを多少犠牲にしてもよい用途では、無負荷誘起電圧が極小となる位置もしくは、その近傍位置であれば、概略U字状に並べて配置される永久磁石群の外側位置であっても構わない。
以上説明したように、実施の形態1の永久磁石型回転電機によれば、磁極間の中心線を基準として対称形を成す一対の穴を各磁極毎に設ける際、回転子鉄心の外周部近傍であり、且つ、永久磁石の極対数をpとし、固定子のスロット数をmとするときの無負荷誘起電圧の(m/p−1)次高調波成分と(m/p+1)次高調波成分との振幅和を極小とする位置もしくはその近傍位置に設けることとしたので、遠心力に対する強度を保持しつつ、無負荷誘起電圧の低減が可能となる。
なお、固定子鉄心3および回転子鉄心6を製作する場合、まず、固定子鉄心3を構成する磁性鋼板を打ち抜いた後、残余の部分を利用して回転子鉄心6を製作することが一般的である。この場合、回転子鉄心6を構成する磁性鋼板を固着一体化した後に、回転空隙18(図1参照)を形成するために回転子端部面を切削する作業が必要となる。よって、特許文献1のような溝を形成する場合、磁性鋼板に形成しておく溝は、予め回転子端部面を切削する際の削り代分を準備して置かねばならない。この点、実施の形態1の場合には、磁性鋼板を製作する段階で、穴の大きさを決定できると共に、回転子端部面の溝の形状等に留意する必要は全くないので、製造工程を簡素化することが可能となる。
また、実施の形態1の永久磁石型回転電機において、回転子鉄心上に設ける一対の穴の位置を概略U字状に並べて配置される永久磁石群と、回転子鉄心の外周部との間とすれば、リラクタンストルク低下の影響を小さくすることができ、駆動トルクの低下を抑制することが可能となる。
なお、上記説明では、穴20a,20bや、永久磁石8a〜8cが埋め込まれた磁石挿入穴7a〜7cにおける空洞部9a1,9a2,9b1,9b2,9c1,9c2は空隙として説明したが、これらの空隙に接着剤等の非磁性部材を流し込むようにしても構わない。接着剤等の非磁性部材を流し込むことにより、永久磁石8a〜8cをより強固に保持することが可能になると共に、回転子鉄心6の遠心力強度も高めることが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1では、回転子鉄心6の外周部近傍に無負荷誘起電圧の低減を可能とする穴20a,20bを設けるようにしているが、これらの穴20a,20bの部分をかしめ構造としてもよい。穴20a,20bの部分をかしめ構造とした場合、かしめ構造部分の磁気特性を空気に近づけることができるので、かしめ構造部分に穴を開けて空隙を設けたことと等価となり、無負荷誘起電圧の発生を低減することが可能となる。すなわち、穴20a,20bの部分をかしめ構造とすることにより、回転子鉄心6を構成する磁性鋼板を固着して一体化する作用と、無負荷誘起電圧の発生を低減する作用との、双方の作用を得ることができる。
なお、上述したかしめ構造は、任意であり、かしめ部分に穴を開ける抜きかしめ構造を採用してもよいし、かしめ部分に穴を開けないかしめ構造を採用しても構わない。
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3にかかる永久磁石型回転電機の回転子の構造の一部を示す模式断面図である。同図の永久磁石型回転電機では、図9に示した穴20a,20bに代え、回転子鉄心6の外周端に溝32a,32bを設けた構成としている。なお、その他の構成については、図9に示した実施の形態1の構成と同一または同等であり、共通の部位には、同一の符号を付して示している。
図10において、溝32a,32bの位置は、実施の形態1のときと同様であり、溝32aの位置に応じて変化する無負荷誘起電圧のうちの(m/p−1)次高調波成分と、(m/p+1)次高調波成分との振幅和が最小となる位置もしくは、その近傍位置に溝32aを設けると共に、磁極間中心線30bを基準軸とする溝32aの対称位置もしくは、その近傍位置に溝32bを設ければよい。
なお、溝32a,32bの形状は矩形とすることが好ましい。溝32a,32bの形状を矩形とすれば、回転子端部面を切削する際の削り代分の考慮が容易になると共に、切削後の溝の形状に関する対称性が容易に得られる。
また、以上の実施の形態1〜3に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
例えば、実施の形態1〜3では、1極あたり3個の永久磁石を有する回転子の構成を例示したが、1極あたり4個以上の永久磁石を有する回転子を構成しても構わない。
また、実施の形態1〜3では、磁石挿入穴7に埋め込む永久磁石8として、例えば図4に示すような概略矩形形状のものを例示したが、このような矩形形状に限定されるものではなく、例えば台形形状のものを用いてもよく、また、回転子鉄心6の外周部の形状に合わせて永久磁石8の外周部側の角部を面取りするようにしても構わない。
以上のように、本発明にかかる永久磁石型回転電機は、遠心力に対する強度を保持しつつ、無負荷誘起電圧の低減を可能とする発明として有用である。
1 永久磁石型電動機
2 固定子
3 固定子鉄心
3a スロット
3b ティース
4 固定子コイル
5 回転子
6,106 回転子鉄心
7,7a〜7c 磁石挿入穴
8,8a〜8c,16,16a〜16c,108a,108b 永久磁石
9,9a1,9a2,9b1,9b2,9c1,9c2 空洞部
10a,10b,11a,11b ブリッジ部
12,112 漏れ磁束
15 コアバック部
18 回転空隙
20,20a,20b 穴
24a 曲線
28a 端部
30a,30b 磁極間中心線
32a,32b,120 溝

Claims (4)

  1. スロットの内部に固定子コイルを収納する複数のスロットを有する固定子と、
    前記固定子に回転空隙を介して回転可能に配置される回転子鉄心を有し、この回転子鉄心の内部に1極あたり3個以上の永久磁石が埋め込まれる回転子と、
    を備え、
    前記回転子鉄心には前記永久磁石を埋め込む磁石挿入穴が回転子の外周面に向かって概略U字状に並べて設けられ、前記各磁石挿入穴に埋め込まれた永久磁石の側面部には空洞部が形成されると共に、
    前記回転子鉄心の外周部近傍には、磁極間の中心線を基準として対称形を成す一対の穴が各磁極毎に設けられ、
    前記永久磁石の極対数をpとし、当該極対数pの3以上の整数倍の値をとる前記固定子のスロット数をmとするとき、
    前記一対の穴は、前記回転子の回転によって前記固定子に発生する無負荷誘起電圧の(m/p−1)次高調波成分と、(m/p+1)次高調波成分との振幅和を極小とする位置もしくはその近傍位置に設けられている
    ことを特徴とする永久磁石型回転電機。
  2. スロットの内部に固定子コイルを収納する複数のスロットを有する固定子と、
    前記固定子に回転空隙を介して回転可能に配置される回転子鉄心を有し、この回転子鉄心の内部に1極あたり3個以上の永久磁石が埋め込まれる回転子と、
    を備え、
    前記回転子鉄心は、積層した電磁鋼板をかしめによって一体化する構造であり、
    前記回転子鉄心には前記永久磁石を埋め込む磁石挿入穴が回転子の外周面に向かって概略U字状に並べて設けられ、前記各磁石挿入穴に埋め込まれた永久磁石の側面部には空洞部が形成され、
    前記電磁鋼板に対するかしめ位置は、前記回転子鉄心の外周部近傍位置であり、且つ、前記回転子の回転によって前記固定子に発生する無負荷誘起電圧の(m/p−1)次高調波成分と、(m/p+1)次高調波成分との振幅和を極小とする位置もしくはその近傍位置である
    ことを特徴とする永久磁石型回転電機。
  3. スロットの内部に固定子コイルを収納する複数のスロットを有する固定子と、
    前記固定子に回転空隙を介して回転可能に配置される回転子鉄心を有し、この回転子鉄心の内部に1極あたり3個以上の永久磁石が埋め込まれる回転子と、
    を備え、
    前記回転子鉄心には前記永久磁石を埋め込む磁石挿入穴が回転子の外周面に向かって概略U字状に並べて設けられ、前記各磁石挿入穴に埋め込まれた永久磁石の側面部には空洞部が形成されると共に、
    前記回転子鉄心の外周端には、磁極間の中心線を基準として対称形を成す一対の溝が各磁極毎に形成され、
    前記永久磁石の極対数をpとし、当該極対数pの3以上の整数倍の値をとる前記固定子のスロット数をmとするとき、
    前記一対の溝は、前記回転子の回転によって前記固定子に発生する無負荷誘起電圧の(m/p−1)次高調波成分と、(m/p+1)次高調波成分との振幅和を極小とする位置もしくはその近傍位置に設けられている
    ことを特徴とする永久磁石型回転電機。
  4. 前記穴の位置、前記かしめ位置または前記溝の位置は、概略U字状に並べて配置されている永久磁石群と回転子鉄心の外周部との間であることを特徴とする請求項1または3に記載の永久磁石型回転電機。
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