JPWO2011162344A1 - 燃料処理システム、排ガスの利用方法及び排ガス利用装置 - Google Patents

燃料処理システム、排ガスの利用方法及び排ガス利用装置 Download PDF

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Abstract

熱エネルギーの効率的な利用及び低品位燃料の積極的な利用を図る。燃料処理システム1は、データベース(DB)2、制御部3、調整手段4、乾燥処理設備300からなる。処理システム1は、熱ガス供給設備から供給される熱ガスの温度を、制御部3により制御される調整手段4にて調整する。制御部3での制御は、DB2に記憶されている燃料の水分量及び発火点温度の情報に基づいて行われる。温度調整された熱ガスは、乾燥処理設備300において燃料の乾燥処理に用いられる。

Description

本発明は、燃料処理システム、排ガスの利用方法及び排ガス利用装置に関する。
エネルギー需要の世界的な高まりに伴い、火力発電設備において利用される燃料として、水分含有率の高い低品位炭や、同様に水分含有率の高いバイオマスなどの低品位燃料を用いる必要性が高まっている。今後もこの傾向は更に強くなると予想されている。以下、低品位炭やバイオマスなどを総称して低品位燃料ということがある。
しかし、このような低品位燃料の利用は火力発電設備の燃料原単位を低下させる原因となる。特に、微粉炭を用いる石炭利用設備においては、石炭は燃焼用に乾燥粉砕された後に燃焼炉に導入される。従って、燃料としての石炭中の水分量の増加は燃料原単位の悪化に直結するだけでなく、粉砕機等の乾燥・粉砕能力の影響も受ける。このため、このような低品位燃料の使用量は制限せざるを得ない状況にある。
このような状況の脱却を図るものとして、例えば下記特許文献1に開示されている石炭の乾燥方法及び乾燥設備が知られている。この特許文献1の乾燥設備は、低品位燃料である高水分炭をエアヒーター等の排ガス減温装置通過後の燃焼排ガスを用いて80℃〜150℃の雰囲気中で乾燥させるものである。
また、石炭火力発電設備においては、微粉炭や重油、石油コークス等の燃料をボイラーなどの燃焼炉で燃焼させることにより蒸気タービンを駆動して、発電機にて発電を行っている。このため、これらの燃料に硫黄成分が含まれている場合、燃料を燃焼した後の排ガス中に二酸化硫黄(SO)が含まれることになり、その一部は酸化されて三酸化硫黄(SO)となる。以下において、二酸化硫黄(SO)と三酸化硫黄(SO)とを総称して「硫黄酸化物」又は「SOx」と呼ぶことがある。
燃焼炉からの排ガスは、通常は燃焼炉の後段に設けられた脱硝装置、熱回収装置、電気集塵機、及び脱硫装置等の排ガス処理設備にて処理される。この排ガス処理設備において排ガスの温度が低下して酸露点温度を下回ると、排ガス中のSOは硫酸として結露してしまい、煙道や各種設備や装置等を腐食させる原因となる。
このような排ガス中のSOを除去するものとして、超微粒子を用いた乾式脱硫法(例えば、下記特許文献2参照)や、排ガス中の硫黄酸化物の除去方法(例えば、下記特許文献3参照)が知られている。特許文献2に開示されている乾式脱硫法では、排ガスを発生する炉内及び/又は煙道内に酸化カルシウム(CaO)の超微粒子を吹き込み、硫黄酸化物を吸着させている。また、特許文献3に開示されている除去方法では、例えば排ガス処理設備の熱回収装置と電気集塵機との間にアンモニアを注入してSOを処理している。
特開平10−281443号公報 特開平5−269341号公報 特開平10−230130号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示されているような従来の乾燥方法では、他の設備からの熱エネルギーを利用して更なる熱効率の向上を図り、且つ地球温暖化への影響を与えるとされる要因を極力抑えつつ熱エネルギーの有効利用を図ることはできない構造或いは難しい構成となっている。
また、上記特許文献2に開示されている従来の乾式脱硫法では、燃焼炉に設けられた超微粒子吹込口から超微粒子を炉内に供給するが、吹込位置によっては効率良く酸性物質を除去することが困難であるという問題がある。また、上記特許文献3に開示されている従来の除去方法では、SOの処理に際してアンモニアを注入する必要があるため、より安価且つ容易に排ガス中のSOを除去することが困難であるという問題がある。更に、より効果的に排ガスの熱エネルギーの有効利用を図り、不具合が少なく効率の良い発電設備の操業を実現したいという要望も高まっている。
硫黄成分(S分)が高水分炭に含まれる。S分を含む高水分炭を燃焼炉で燃焼させると、SOを含む燃焼排ガスが発生し、燃焼炉から排出される。そうすると、燃焼炉の下流にあるエアヒーター通過後の燃焼排ガスの温度が低下して酸露点温度を下回ると、排ガス中のSOが硫酸として結露してしまう。このため、煙道や各種設備、装置等を腐食させる原因となってしまうことが懸念される。このような酸露点温度の問題によって、排ガスの熱回収が効率良く行えないという問題もある。ここで、酸露点温度とは、ガス中のSOと水分が反応して硫酸として結露し始める温度をいう。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、熱エネルギーの効率的な利用及び低品位燃料の積極的な利用技術の確立を図ることができる燃料処理システム、排ガスの利用方法及び排ガス利用装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、より安価且つ容易に排ガス中のSOを処理しつつより効果的に排ガスの熱エネルギーの有効利用を図り、不具合が少なく効率の良い発電設備の操業を行うことができる燃料処理システム、排ガスの利用方法及び排ガス利用装置を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料処理システムは、熱ガスを用いて燃料を乾燥させるための乾燥処理設備と、前記熱ガスの温度を調整して前記乾燥処理設備に供給する調整手段と、前記燃料の水分量及び発火点温度に関するデータに基づいて前記調整手段を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の一つの実施形態においては、燃料、脱硫剤及び酸素含有ガスを供給する供給口と前記燃料を前記酸素含有ガスで燃焼した後の排ガスを排出するための排出口とを備えたボイラーと、前記ボイラーから排出された前記排ガスと熱媒体との間で熱交換を実行し、前記熱媒体が前記排ガスにより加熱されるようにした第1熱交換手段と、前記ボイラーへ供給される水と前記熱交換された後の加熱された熱媒体との間で熱交換を実行し、前記水が前記熱媒体により加熱されるようにした第2熱交換手段と、前記熱媒体が流通すると共に前記第1熱交換手段と前記第2熱交換手段との間を循環する循環路とを備えて構成され得る。
前記調整手段は、例えば前記熱ガスの流量も併せて制御することも可能である。
また、前記調整手段は、例えば熱交換器により構成され得る。
前記熱交換器は、例えばボイラー給水加熱器により構成され得る。
前記調整手段は、例えば前記熱ガス供給設備から供給された熱ガスを前記熱交換器及びバイパス路に分配する分配手段と、前記熱交換器から排出された熱ガス及び前記バイパス路を通った熱ガスを混合する混合手段とを更に備えたものであっても良い。
前記乾燥処理設備を用いて乾燥させた前記燃料を燃焼させて発電を行う火力発電設備を更に備え、前記火力発電設備は、前記燃料を燃焼する燃焼炉と、前記燃焼炉に設けられる脱硫剤を注入する脱硫剤吹込手段とを有することが好ましい。
前記第1熱交換手段において前記排ガスと接触する前記循環路の表面温度は、前記排ガスの露点温度よりも高くされることが好ましい。なお、熱媒体の温度は、例えば前記第2熱交換手段をバイパスする熱媒体流量を調整することで制御される。
前記ボイラーは、燃料を燃焼させるための燃焼炉と、前記燃焼炉の上方に設けられて前記燃焼炉の空間を狭くするノーズ部とを備え、脱硫剤を供給する前記供給口は、前記ノーズ部近傍に位置するように構成することができる。
前記脱硫剤は、カルシウム化合物であり、前記カルシウム化合物は、炭酸カルシウム(CaCO)を含有するセメント工場ダストを含むことが好ましい。
本発明に係る排ガスの利用方法は、水分と硫黄成分を含む石炭を乾燥処理設備に供給し前記石炭を乾燥し、乾燥された石炭を燃焼炉に供給し石炭を燃焼し、燃焼後の排ガスの熱を利用する排ガスの利用方法であって、前記燃焼炉内に脱硫剤を供給し燃焼炉内において排ガスを脱硫し、前記脱硫後排ガスの熱を前記石炭の乾燥熱源として利用することを特徴とする。
本発明に係る排ガスの利用方法は、水分と硫黄成分を含む石炭を乾燥処理設備に供給し前記石炭を乾燥し、乾燥された石炭を燃焼炉に供給し石炭を燃焼し、燃焼後の灰分を含む排ガスの熱を利用する排ガスの利用方法であって、前記排ガスを排ガス減温手段によって冷却する工程と、前記冷却された排ガスとこれよりも温度の高い熱ガスとを混合して混合ガスを生成する工程と、前記混合ガスを前記乾燥処理設備に供給する工程とを備え、前記混合ガスは、酸素濃度が10容量%以下となるように生成されることを特徴とする。
本発明に係る排ガスの利用方法は、水分を含む石炭を乾燥処理設備に供給し前記石炭を乾燥し、乾燥された石炭を燃焼炉に供給し石炭を燃焼し、燃焼後の排ガスの熱を利用する排ガスの利用方法であって、前記燃焼炉以外の熱利用設備から排出された酸素を含有する熱ガスを、前記燃焼炉に燃焼用空気として供給する工程と、前記排ガスを前記乾燥処理設備に供給する工程とを備え、前記熱ガスは、酸素濃度が15容量%以上であり、温度が250℃以上であることを特徴とする。
前記脱硫後の排ガスを乾燥処理設備に供給し、排ガスの熱を前記石炭の乾燥熱源として利用する構成とすることができる。
前記脱硫後の排ガスと熱媒体との間で熱交換を実行し、前記排ガスによって加熱された熱媒体を前記乾燥処理設備に供給し、前記石炭の乾燥熱源として利用する構成とすることもできる。
前記脱硫後の排ガスを集塵手段に供給し排ガスに含まれる灰分を除去し、前記灰分が除去された排ガスの熱を前記石炭の乾燥熱源として利用する構成とすることもできる。
前記冷却された排ガスから集塵手段によって前記灰分を除去する工程を更に備え、前記混合ガスは、前記灰分が除去された排ガスと前記熱ガスとを混合して生成されるものであっても良い。
前記排ガスは、酸素濃度が10容量%以下であることが好ましい。
前記熱ガスは、セメント製造設備のクリンカクーラーから排出される熱ガスであることが好ましい。
前記燃焼炉内に脱硫剤を供給し燃焼炉内において排ガスを脱硫する工程を更に備えた構成とすることもできる。
前記燃焼炉は、その上方に燃焼炉の空間を狭くするノーズ部を有し、前記ノーズ部の近傍に前記脱硫剤を供給するように構成することができる。
本発明に係る排ガス利用装置は、石炭を乾燥させる乾燥手段と、乾燥された前記石炭を燃焼させる燃焼手段と、前記燃焼手段に対し脱硫剤を供給する脱硫剤供給手段とを備える排ガス利用装置であって、前記乾燥手段と前記燃焼手段とを接続する排ガス供給路を設け、前記排ガス供給路は、脱硫された排ガスを前記乾燥手段に供給し、前記乾燥手段は、前記排ガスの熱を用いて前記石炭を乾燥させることを特徴とする。
本発明によれば、熱エネルギーの効率的な利用及び低品位燃料の積極的な利用技術の確立を図ることができる。
また、本発明によれば、より安価且つ容易に排ガス中のSOを処理しつつより効果的に排ガスの熱エネルギーの有効利用を図り、不具合が少なく効率の良い発電設備の操業を行うことができる。
本発明の全体の実施形態に係る燃料処理システムの機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る燃料処理システムの全体概要を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料処理システムの全体概要を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料処理システムの全体概要を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料処理システムの全体概要を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料処理システムにおける火力発電設備の燃焼炉の構造を示す図である。 本発明の全体の実施形態に係る燃料処理システムの制御に関するフローチャートである。 本発明の第6の実施形態に係る燃料処理システムにおける火力発電設備の燃焼炉の構造を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る燃料処理システムの全体概要を示すブロック図である。 本発明の第7の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。 図10の詳細な構成を示す図である。 本発明の第8の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。 図12の詳細な構成を示す図である。 本発明の第9の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。 図14の詳細な構成を示す図である。 本発明の第10の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。 図16の詳細な構成を示す図である。 本発明の第11の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。 本発明の第12の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。 本発明の第13の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。 図20の詳細な構成を示す図である。 本発明の第14の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。 図22の詳細な構成を示す図である。 本発明の第15の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。 本発明の第16の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。 図25の詳細な構成を示す図である。 本発明の実施例の燃焼炉における0.8M上方及び0.4L下方の脱硫剤の吹込位置の水平断面図である。
以下に、添付の図面を参照して、本発明に係る燃料処理システム、排ガスの利用方法及び排ガス利用装置の実施の形態を詳細に説明する。
[燃料処理システムの全体構成]
図1は、本発明の全体の実施形態に係る燃料処理システムの機能ブロック図である。図1に示すように、燃料処理システム1は、データベース(DB)2、制御部3、調整手段4、及び乾燥処理設備300からなる。すなわち、処理システム1は、図示しない熱ガス供給設備から供給される熱ガスの温度を、調整手段4を用いて制御する。調整手段4の制御は、制御部3によって行われる。
制御部3は、周知のコンピュータにより構成され得る。具体的に制御部3は、DB2からの情報に基づいて調整手段4を制御し、図示しない熱ガス供給設備から供給される熱ガスの温度を調整する。温度調整後の熱ガスは、乾燥処理設備300において燃料の乾燥処理に用いられる。熱ガス供給設備や熱ガスの具体例としては、例えば、熱風発生炉、加熱炉排ガス、ボイラー排ガス、クリンカクーラー排ガスなどが挙げられる。この中で熱エネルギーの効率的な利用という観点から、ボイラー排ガス、クリンカクーラー排ガスが好ましく用いられる。
乾燥処理設備300にて乾燥される燃料は、例えば水分を含み、燃焼時における燃焼効率を高めるため、燃焼前に乾燥処理を必要とする燃料(石炭)である。典型的には、水分を多く含む高水分炭や高水分バイオマスなどのいわゆる低品位燃料である。
高水分炭としては、亜瀝青炭や褐炭が挙げられる。高水分炭の水分量は、例えば単位質量当たりの全水分が20〜60質量%である。高水分バイオマスとしては、木くず、籾殻、林地残材、パームカーネルシェルなどの木質系バイオマスや、汚泥、残渣、家畜糞尿などの廃棄物系バイオマスなどが挙げられる。高水分バイオマスの水分量は、例えば全水分が20〜70質量%である。以下では、低品位燃料を燃料として用いる場合を例にとって説明を進めるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、乾燥処理無しでも十分な燃焼効率の得られる燃料を用いる場合も、本発明の対象となり得る。
DB2には、これらの低品位燃料の種別毎に、その低品位燃料の水分量及び発火点温度IT(℃)の情報が記憶されている。必要に応じて、水分量、発火点温度IT以外の情報がDB2に記憶されていても良い。
なお、上記水分量の情報には、例えば低品位燃料の全水分TM(質量%)及び平衡水分EM(質量%)の情報が含まれ得る。全水分TMとは、例えば燃料を石炭とした場合、この石炭が乾燥処理される前に含んでいる水分のことである。また、平衡水分EMとは、石炭がある雰囲気中で平衡状態となる水分のことであり、これは雰囲気中の温度と湿度によって左右されるものである。
乾燥処理設備300では、低品位燃料が所定の水分量となるように乾燥されることが望ましい。具体的には、乾燥処理後の低品位燃料の水分DM(質量%)(以下、乾燥処理後水分DMという)が大気中での平衡水分EMを下回らず、且つ可能な限り低い水分となるように乾燥されれば良い。
一方、乾燥処理設備300では、使用される熱ガスの温度GTが乾燥処理の対象とされる燃料の発火点温度ITを若干下回るような温度となるよう、乾燥処理が実行される必要がある。発火点温度ITを上回る温度での乾燥処理は、乾燥処理設備300での燃料の発火に繋がるおそれがある。
このため、制御部3は、以下に示す操作を行うことにより調整手段4を制御する(後述の図7参照)。
(1)乾燥処理設備300を用いて乾燥する燃料の種別を特定する。
(2)上記(1)で特定された燃料の水分量及び発火点温度ITを、水分量及び発火点温度ITの情報を記憶するデータベース(DB)2から取得する。
(3)上記(2)で取得された発火点温度ITから、乾燥処理設備300にて用いる熱ガスの温度を決定する。
(4)乾燥後の燃料の水分量を決定する。
(5)上記(2)における乾燥前の燃料の水分量、及び上記(4)における乾燥後の燃料の水分量から、乾燥処理設備300において必要な熱量を決定する。
(6)上記(5)における必要な熱量、及び上記(3)における熱ガスの温度から、乾燥処理設備300に供給する熱ガスの量を決定する。
以下、制御部3と調整手段4について、より詳細に説明する。
制御部3は、乾燥処理設備300にて燃焼に供される燃料の種別を、図示しない入力手段を介してユーザが入力した入力情報、又は乾燥処理設備300が自動認識した情報に基づいて特定する。これと共に、その特定された燃料の水分量及び発火点温度ITの情報をDB2から取得する。そして、特定された当該燃料の水分量(例えば全水分TM、平衡水分EM)及び発火点温度ITに基づいて、乾燥処理設備300にて用いる熱ガスの温度GT(℃)、乾燥処理後水分DMを算出する。
熱ガスの温度GTは、GT=IT−α(αは所定の正の定数)により求めることができ、乾燥処理後水分DMは、DM=EM+β(βは所定の正の定数)により求めることができる。
また、単位時間当たりに乾燥処理すべき燃料の質量WC(t/h)の情報を、オペレータが入力した入力情報又は乾燥処理設備300が自動認識した情報に基づいて特定する。そして、この質量WCに基づき、乾燥処理設備300にて単位時間当たりに必要とされる熱量QD(MJ/h)及び単位時間当たりに必要とされる熱ガスの流量VD(m/h)を算出する。これに基づき、制御部3は調整手段4を制御する。
調整手段4は、例えば熱交換器により構成することができる。この場合、調整手段4は、図示しない熱ガス供給設備から供給される熱ガスの熱量QTと、上述の熱量QDとの差分(QT−QD)を、他の装置に供給するように構成することも可能である。
このように、本処理システム1では、乾燥処理設備300で導入する熱ガスの温度等を、使用される燃料の性状に関する情報を記憶したDB2の保持データに基づき決定することができる。これにより、調整手段4においては、熱ガスの温度が、燃料の発火点温度ITよりも低く且つ、平衡水分EMに対応した適切な水分量まで乾燥させることができる。
図7は、本発明の全体の実施形態に係る燃料処理システムの制御に関するフローチャートである。図7においては、前で述べた(1)から(6)の内容が記載されている。また、図7には、後で述べる好ましい実施形態が合わせて記載されている。すなわち、乾燥処理設備300において必要な熱ガスを取得した後の余剰の熱ガス(図7のQPに相当)をボイラー給水の予熱(加熱)に利用する形態である。これにより、熱エネルギーを、より一層効率的に利用することができる。また、ボイラーの効率が改善される。
このように構成された処理システム1によれば、熱ガス供給設備からの熱ガスの熱エネルギーの効率的な利用を実現し、低品位燃料の積極的な利用を図ることができる。次に、このような処理システム1の具体例について説明する。
[第1の実施形態]
図2は、本発明の第1の実施形態に係る燃料処理システムの全体概要を示すブロック図である。なお、ここでは低品位燃料として石炭を用いることを例に挙げて説明する。図2に示すように、処理システム1は、石炭火力発電所100と、熱ガス供給設備であるセメント製造設備200と、石炭の乾燥処理設備300とを備えて構成される。
石炭火力発電所100は、石炭を燃焼利用して発電を行う設備であって、公知の石炭火力発電設備と同様に構成され得る。すなわち、この石炭火力発電所100では、まず供給された石炭を竪型粉砕機などを用いた粉砕装置101にて所定の大きさに粉砕する。そして、ボイラー102にて例えば約1600℃の温度で燃焼する。石炭は、1種類又は複数種類の性状の異なるものを併用することができる。
そして、このボイラー102で発生した熱エネルギーによって蒸気タービンを駆動し、発電機103にて発電を行い、電力を供給する。なお、給水加熱器104では、蒸気タービンからの蒸気を用いて燃料燃焼ボイラーへの給水を加熱し、発電機103での熱効率の向上を図っている。
一方、ボイラー102で発生した排ガスは、脱硝装置105にて窒素酸化物を除去することができる。脱硝後の排ガスは、更に熱回収装置106にて、その温度を低下させられる。熱回収装置106で回収された熱は、例えばボイラー102に圧送される燃焼用空気の温度を上昇させるために用いられ得る。熱回収装置106を通過した排ガスは、電気集塵機107に供給される。電気集塵機107は、排ガス中に浮遊しているダストを集塵する。
電気集塵機107を通過した排ガスは、脱硫装置108にて硫黄酸化物を除去された後、排ガスとして大気中に排出される。このような工程を経て、第1の実施形態に係る処理システム1の石炭火力発電所100では発電が行われている。そして、この処理システム1では、粉砕装置101に石炭が供給される前に、石炭の乾燥処理設備300によって石炭が乾燥される。ここで乾燥される石炭の具体例としては、亜瀝青炭や褐炭などのいわゆる低品位炭などが挙げられる。これらの石炭は、上述したように乾燥処理後水分DMとなるように石炭の乾燥処理設備300にて乾燥される。
ここで、乾燥処理後水分DMとは、上述したように、その石炭の平衡水分EMを下回らず、且つ可能な限り低い水分である。また、ここでいう平衡水分EMとは、石炭が晒される雰囲気(乾燥処理設備出口や貯蔵サイロ、大気等)において平衡状態となる水分であり、これは雰囲気中の温度と湿度によって左右されるものである。なお、運用上としては、石炭の水分を除くほど高発熱量化が図れるため、乾燥処理後の石炭の水分は可能な限り低いことが望ましい。しかし、石炭の乾燥処理設備300から排出される石炭の水分が大気中での平衡水分EMを下回ると大気中の水分を吸湿してしまうこととなる。
従って、制御部3により調整手段4を制御して石炭の乾燥処理設備300への熱ガスの温度GTを制御することで、所定の平衡水分EMを下回らない水分に乾燥することは、乾燥処理後の石炭の再吸湿を防ぎ乾燥効率を確保するために重要である。なお、平衡水分EMを下回らない水分とは、石炭の平衡水分EM以上で平衡水分の1.3倍以下、好ましくは平衡水分EM以上で平衡水分の1.2倍以下である。
具体的には、例えば全水分TM25質量%且つ平衡水分EM15質量%の亜瀝青炭を乾燥する場合は、乾燥処理後水分DMは15質量%を下回ることを回避しつつ、可能な限り低い水分、例えば15質量%から19.5質量%、好ましくは15質量%から18質量%である。
ここで、全水分TMとは、例えば燃料を石炭とした場合、この石炭が乾燥処理される前に含んでいる水分のことを指し、採取した石炭試料が含んでいる水分であり、JIS M8820(石炭類及びコークス類−ロットの全水分測定方法)に準拠して測定したものである。また、平衡水分EMは、乾燥処理後の石炭を試料として用い、例えばJIS A1475(建築材料の平衡含水率測定方法)に準じて測定したものである。この測定を行うことにより、乾燥処理後の石炭の平衡含水率曲線を得ることができる。
ここで得られる平衡含水率曲線と乾燥処理後の石炭が晒される上記各雰囲気での温度及び相対湿度の情報により、乾燥処理後の石炭の平衡含水率を求める。すると、求めた平衡含水率は乾燥後全質量基準の水質量百分率であるから、次式(1)により乾燥前全質量基準の水質量百分率に換算することで、乾燥処理後の石炭の平衡水分を求めることができる。
[数1]
平衡水分(質量%)=平衡含水率÷(100+平衡含水率)×100・・・(1)
第1の実施形態に係る処理システム1では、この石炭の乾燥処理設備300にセメント製造設備200内の排熱エネルギーを利用することで、熱エネルギーの効率的な利用を図っている。すなわち、セメント製造設備200は、公知のセメント製造設備と同様に構成され得る。
このセメント製造設備200は、例えば石灰石、粘土、ケイ石及び鉄原料などの原料を粉砕機201にて粉砕し、この粉砕後の石灰石、粘土、ケイ石及び鉄原料等の原料を焼成装置202にて石炭を燃料として例えば約1450℃の温度にて焼成する。これにより、セメントクリンカーを得る。その後、クリンカクーラー203において焼成されたセメントクリンカーが冷却され、その後、このセメントクリンカーは、混合粉砕機204にて石膏やその他の混合材などと混合粉砕され、粉末状のセメントとして仕上げられる。
約300℃程度の熱を有する排ガスがクリンカクーラー203から排出される。しかし、この排ガスの排熱はほとんどそのまま利用されることなく排出されていたのが現状である。本処理システム1では、既存の設備をほぼ改造することなく、この排ガスの未利用の排熱を石炭の乾燥処理設備300における乾燥処理に用いる熱ガスとして利用するように構成している。
具体的には、セメント製造設備200のクリンカクーラー203から排出された熱ガスを、調整手段4としての熱交換器4Aに導入して制御部3の制御により熱交換を行う。そして、上述したような所定の温度GTに調整した後に石炭の乾燥処理設備300に供給するようにしている。
制御部3は、DB2から乾燥処理すべき石炭の種別毎の水分量(全水分TM、平衡水分EM)及び発火点温度ITの情報を取得し、これらの情報に基づいて熱ガスの温度GT、及び乾燥処理後水分DMを決定する。制御部3は更に石炭の乾燥処理設備300に単位時間当たりに供給される石炭の質量WC(t/h)に基づいて、石炭の乾燥処理設備300にて単位時間当たりに必要とされる熱量QD(MJ/h)、及び単位時間当たりに必要とされる熱ガスの流量VD(m/h)を算出する。そして、制御部3は、算出された熱量QD及び流量VDが供給されるように熱交換器4Aを制御する。
ここで、発火点温度ITは、石炭が発火する温度であり、例えばJIS K7193(プラスチック−高温空気炉を用いた着火温度の試験方法)に準じて測定したものである。
なお、発火点温度ITを若干下回る温度とは、例えば、発火点温度ITを約80〜30℃下回る温度、好ましくは約50〜30℃下回る温度である。具体的には、例えば発火点温度ITが、230℃の亜瀝青炭を乾燥する場合、熱ガス温度GTは、約150〜200℃、好ましくは約180〜200℃に設定する。
従って、石炭の乾燥処理設備300において石炭が発火する危険性を皆無にしつつ効率的に石炭を乾燥させることができる温度GT及び流量VDの熱ガスが、熱交換器4Aから石炭の乾燥処理設備300に供給されこととなる。このように、本処理システム1によれば、未利用の排熱を石炭の乾燥処理設備300での低品位炭の乾燥処理に効果的に利用するようにしているので、熱エネルギーの効率的な利用及び低品位燃料の積極的な利用を図ることができる。
[第2の実施形態]
図3は、本発明の第2の実施形態に係る燃料処理システムの全体概要を示すブロック図である。なお、以降において、既に説明した部分と重複する箇所には同一の符号を附して説明を割愛する。図3に示すように、第2の実施形態に係る処理システム1は、第1の実施形態に係る処理システム1の熱交換器4Aに代えて、石炭火力発電所100の給水加熱器104を調整手段4として採用した点が相違している。
具体的には、セメント製造設備200のクリンカクーラー203から排出された熱ガスを、調整手段4としての給水加熱器104に導入する。そして、上述したように制御部3の制御によりこの給水加熱器104を制御し、熱ガスの温度GT及び流量VDに調整した後に石炭の乾燥処理設備300に供給する。このような構成によっても、第1の実施形態と同様に熱エネルギーの効率的な利用及び低品位燃料の積極的な利用を図ることができる。
[第3の実施形態]
図4は、本発明の第3の実施形態に係る燃料処理システムの全体概要を示すブロック図である。図4に示すように、第3の実施形態に係る処理システム1は、第2の実施形態に係る処理システム1の給水加熱器104を調整手段4として採用する点は同じである。しかし、この調整手段4が、更に分配手段111及び混合手段112を備える点が相違している。
具体的には、セメント製造設備200のクリンカクーラー203からの熱ガスを、分岐バルブ及び流路切替弁等を備えた分配手段111にて分配する。そして、1つは給水加熱器104に供給し、他方は給水加熱器104と並行して設けられたバイパス路(図示せず)とに分配する。そして、給水加熱器104で温度が下げられた熱ガスとバイパス路を通った熱ガスとを混合バルブ等の混合手段112にて混合し、石炭の乾燥処理設備300へ供給する。分配手段111及び混合手段112としては、分岐配管、例えばT字又はY字型の配管に制御弁が設置されているものが挙げられる。
この場合、制御部3は、混合後の熱ガスが安全な温度になるように、バイパス路と給水加熱器104への流量を分配手段111で分配制御する。その後、混合手段112を制御して高温ガスと低温ガスとを混合して石炭の乾燥処理設備300へ供給する熱ガスを所定の温度GT及び流量VDに制御する。このような構成によって、石炭の乾燥処理設備300と給水加熱器104の双方で熱利用が可能になり、第2の実施形態と同様に熱エネルギーの効率的な利用及び低品位燃料の積極的な利用を図ることができる。
[第4の実施形態]
図5は、本発明の第4の実施形態に係る燃料処理システムの全体概要を示すブロック図である。図5に示すように、第4の実施形態に係る処理システム1は、第1の実施形態に係る処理システムと同様に調整手段4として熱交換器4Aを用いる点は同じである。しかし、更に分配手段111を備える点が相違している。
具体的には、セメント製造設備200のクリンカクーラー203からの熱ガスを熱交換器4Aに導入して制御部3の制御により熱交換を行い所定の温度GTとする。これと共に、石炭の乾燥処理設備300及び給水加熱器104への必要な流量VDに基づき分配手段111を制御する。そして、温度制御した熱ガスを石炭の乾燥処理設備300及び給水加熱器104へそれぞれ分配して供給する。このような構成によっても、第1の実施形態と同様に熱エネルギーの効率的な利用及び低品位燃料の積極的な利用を図ることができる。
なお、図示は省略するが、石炭の乾燥処理設備300は、パドルによってガス分散板上の燃料を攪拌しながら乾燥するパドル攪拌式乾燥機を備えて構成されても良い。このパドル攪拌式乾燥機は、例えばガス分散板によって内部が上方の乾燥室と下方の空気室に区画されている。また、ガス分散板に多数のスリット状の開口を並置して設けると共に、乾燥室内に横架させたパドル軸を回転自在且つ可変速に設けて構成されている。
パドル軸には、パドル軸の軸方向において燃料の攪拌用のパドルが複数個取り付けられている。パドルは、パドルの軸方向に隣接し合うパドルの軸方向視の取付角度を互いに位相をズラした状態で取り付けられている。パドル自体はパドル軸に、パドル軸の軸線に対して燃料に軸線方向の攪拌力を付与すべく傾斜させてその傾斜角度を調整可能な状態で取り付けられる。これと共に、乾燥室のパドル軸の一端側と他端側にそれぞれ燃料の供給口と排出口とを設けている。そして、空気室には熱ガスを導入し、ガス分散板のスリット状の開口を通してこの熱ガスを高速で乾燥室内に噴射して燃料を流動化する構成としている。
[第5の実施形態]
また、上述した実施形態に係る処理システム1の石炭火力発電所100におけるボイラー102の燃焼炉の構成を次のようにして、石炭火力発電所100の排ガスを効果的に処理するようにしても良い。図6は、本発明の第5の実施形態に係る燃料処理システムにおける火力発電設備の燃焼炉の構造を示す図である。
脱硫剤を注入するための脱硫剤吹込手段が、燃料を燃焼する燃焼炉20に設けられる。脱硫剤は、単独で燃焼炉20の炉内に直接供給することができる。また、脱硫剤は、微粉炭と事前に混合して燃焼炉20の炉内に供給することができる。燃焼炉20における脱硫剤の吹込口は、SOをより好適に効率良く捕捉することができる位置に設けられる。脱硫剤の吹込口の好ましい形態を以下に説明する。
図6に示すように、脱硫剤は、燃焼炉20の壁部20aに設けられた脱硫剤吹込口14に接続された図示しない脱硫剤供給管を通して燃焼炉20内に注入される。脱硫剤吹込口14は、前記燃焼炉20の火炉の上方に設けられることが好ましい。更に、脱硫剤吹込口14は、燃焼炉20内の上方に形成されたノーズ部21(上方ノーズ部21と称することもある。)の近傍位置に脱硫剤15を吹き込めるように形成されていることが特に好ましい。これにより、燃焼炉内における脱硫(SOの除去)を効率よく行うことができる。脱硫剤15の供給位置は、これに限定されるものではなく、例えばノーズ部21が形成されていなくても適宜燃焼炉20内に脱硫剤15を吹き込めるように形成されていれば良い。
ノーズとは、火炉に設けた突起物を言い、燃焼ガスを迂回させることによって燃焼ガスが過熱器20bをショートパスして流れることを防止して、燃焼ガスの滞留時間を確保する機能を有する。ノーズ部21で燃焼炉内の燃焼ガスの流れが方向変換されることで燃焼ガスが激しく混合される。また、ノーズ部21の近傍位置とは、図6のH(L+M)で示した部分である。
すなわち、ノーズ部21の三角形の底辺がもたらす高さ方向の範囲を言い、且つその高さの範囲においてノーズ部21の上方からノーズ部21の空間に延びる過熱器20bがない燃焼炉20の空間を言う。そして、その空間に脱硫剤15を供給する。脱硫剤吹込口14の数については、1又は2以上である。この中で、脱硫剤15を燃焼炉20中で適切に分散させることを考慮すれば、2以上、特に4〜6であることが好ましい。なお、脱硫剤吹込口14の位置については、ノーズ部「H」の範囲であれば、高さ方向に複数設けても良い。
脱硫剤15としては、カルシウム化合物が好適であり、水酸化カルシウムや酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどが良好であるが、より好適には主成分が炭酸カルシウム(CaCO)からなるセメント工場ダストを用いることができる。セメント工場ダストは、例えばセメント原料を製造する工程の排気ガスから回収されるもので、粒子径は質量基準の平均粒子径が2μm程度のダストであり、非常に安価且つ大量に入手することができるものである。
このような脱硫剤15を燃焼炉20内の上方ノーズ部21の近傍位置に注入することで、注入された脱硫剤15が燃料の燃焼により発生するSOをより好適に効率良く捕捉する。セメント工場ダストとしては、セメント製造設備200の粉砕機201から回収されるダストや焼成装置202からの排ガスから回収されるダストが挙げられる。
具体的には、例えば脱硫剤15として炭酸カルシウムを用いた場合は、脱炭酸反応によりCaCO→CaOとなり、このCaOが脱硫反応によりSOと反応してCaO+SO+0.5O→CaSO(硫酸カルシウム)となる。また、脱炭酸反応後のCaOがSOを捕捉する。このような脱硫反応は、脱硫剤15を燃焼炉20の上方ノーズ部21の近傍位置に注入することにより最も活性化されることが本発明者により確認されている。
燃料に対する脱硫剤の供給量について、燃料中の硫黄分(S)に対する脱硫剤のカルシウム(Ca)のモル比(Ca/S)で0.5〜3、好ましくは1〜2.5が好ましい。モル比が3よりも大きくなると、ダストの量が増加してしまう。すなわち、本発明者が実施した試験によると、脱硫剤15を燃焼炉20の上方ノーズ部21よりも下部の位置に注入した場合は、炉内温度が高いため希にCaOが石炭灰の改質(セメント鉱物化反応)等に使用されたり、脱硫の逆反応なども起きてしまうことが判明した。また、脱硫剤15を燃焼炉20の上方ノーズ部21よりも上部の位置に注入した場合は、炉内温度が低いため脱炭酸反応が不十分になり希にSOの捕捉が十分ではなくなってしまうことが判明した。
これに対して、上述したように脱硫剤15を上方ノーズ部21の近傍位置に注入することで、CaOとSOの適度な接触時間を確保することができる。これと共に、激しく乱れたガス流れによってCaOが燃焼炉20内のガス層に効果的に分散してSOを捕捉するため、脱硫反応が活性化されると考えられる。
これにより、燃焼炉20内において局所的にSOの濃度が高くなって結露が生じ、硫酸が発生して付着箇所を腐食させてしまうことも防止することが可能となる。なお、脱硫剤15を注入する際の好適な燃焼炉20の炉内温度は、例えば1050℃〜1150℃の範囲内である。このような構成によって燃焼炉20内にてSOやSOを効果的に除去すれば、石炭火力発電所100の排ガスを効果的に処理することが可能となる。
[第6の実施形態]
図8は、本発明の第6の実施形態に係る燃料処理システムにおける火力発電設備の燃焼炉の構造を示す図である。図9は、本発明の第6の実施形態に係る燃料処理システムの全体概要を示すブロック図である。図8及び図9に示すように、本実施形態に係る燃料処理システム1は、石炭火力発電所100に適用される。
石炭火力発電所100は、一例として、燃料としての石炭を粉砕する粉砕装置101、石炭を燃焼させて外部から供給された水W4を蒸発させて水蒸気とするボイラー102、図示しない蒸気タービンを備えた発電機103、及びボイラー102に対して供給される水W3を加熱する給水加熱器104を備える。
ボイラー102は、例えば燃料、脱硫剤及び酸素含有ガスを供給する供給口と、前記燃料を前記酸素含有ガスで燃焼した後の排ガスを排出するための排出口とを備える。燃料は、炭素質であり、酸素で燃焼される。酸素含有ガスは、酸素を含有する気体である。具体例としては、空気、酸素などが挙げられる。燃料、脱硫剤及び酸素含有ガスを供給する供給口は、3つそれぞれ別々に供給口を設けることでも良い。また、酸素含有ガスの一部と燃料とをボイラー102の同じ供給口としても良い。
処理システム1は、ボイラー102の燃焼炉内に脱硫剤を供給する脱硫剤供給装置10と、脱硝装置105と、熱回収装置106と、間接熱交換機構110と、電気集塵機107とを備える。なお、脱硝装置105は任意の構成であるため、これを除いて処理システム1を構成するようにしても良い。また、電気集塵機107に代えてバグフィルター等の集塵装置を採用するようにしても良い。
まず、ボイラー102の燃焼炉20での脱硫処理(炉内脱硫)について説明する。図8に示すように、処理システム1において、脱硫剤供給装置10は、例えばトラック90等により搬送されてきた脱硫剤15を貯留しておく貯留タンク11と、この貯留タンク11に貯留された脱硫剤15を燃焼炉20に適宜供給する定量排出機構12及びブロア13とを備えている。
定量排出機構12及びブロア13により貯留タンク11から搬送された脱硫剤15は、例えば図示しない脱硫剤供給管を通して、燃焼炉20内に注入され供給される。
なお、上述した脱硫剤15を上方ノーズ部21の近傍位置に注入する際の好適な燃焼炉20の炉内温度は、約1050℃〜1150℃の範囲内である。そして、このようにして燃焼炉20内にてSOやSOが除去された排ガスは、煙道22を通って燃焼炉20から排出され、例えば上述した脱硝装置105を通って脱硝される。これと共に熱回収装置106を通って減温された(温度が下げられた)上で、間接熱交換機構110の第1熱交換手段であるガス−水熱交換器121に供給される。
ガス−水熱交換器121においては、循環路50から続く管路51内を循環通過する循環熱媒体W1により排ガスの熱を熱交換し、更にこの循環熱媒体W1の熱を第2熱交換手段である熱交換器122において水W2に与える。
なお、従来燃焼炉20から排出される排ガスにおいては、SOがSOの約1%程度の割合で含まれており、酸露点温度は約120℃〜130℃程度となっている。このため、排ガスからの熱回収は排ガスの温度が150℃程度となるまでが限度であった。これに対し、第6の実施形態に係る処理システム1においては、燃焼炉20内の上方ノーズ部21の近傍位置に注入される脱硫剤15により、予め排ガス中のSOを除去している。このため、酸露点温度を大幅に下げることが可能となった。これにより、具体的には、例えば排ガスの温度をガス−水熱交換器121において約100℃程度まで下げるように冷却することができ、この結果、熱回収量を増加してエネルギー効率を著しく改善できることが判明した。
回収した熱エネルギーは、ガス−水熱交換器121にて熱交換して昇温された約75℃程度の循環熱媒体W1を、循環路50を通して熱交換器122での水W2の予熱に利用してボイラー102のエネルギー効率を改善することができる。例えば、主蒸気量150t/h級の発電ボイラーにおいて、排ガス温度150℃から100℃まで熱回収した場合、熱効率は2〜3%向上する。また、原油削減量は1970Kl/年、CO2削減量は6800t/hになる。なお、ガス−水熱交換器121の管路51の表面には、排ガスが接触することとなるが、この表面の温度が排ガスの露点温度よりも下回っていると結露が生じることとなる。
この場合、管路51等を含むガス−水熱交換器121の装置内に石炭灰が付着してガス流路を閉塞させることが懸念される。このため、間接熱交換機構110においては、管路51の表面温度が排ガスの露点温度よりも下回らないように、循環路50を通って循環する循環熱媒体W1の温度管理、熱交換器122による熱交換設定、管路51の表面温度管理等を適切に行うことが望ましい。従って、熱交換器122においては、循環路50を循環する循環熱媒体W1の温度が熱交換器122にて下がり過ぎないように水W2との間で熱交換が行われると良い。
例えば、主蒸気量150t/h級の石炭発電ボイラーの場合、ガス−水熱交換器121に戻る循環熱媒体W1の温度が、排ガスの露点温度(例えば48℃)より高く(例えば55℃)なるように熱交換器122を通過する熱媒体量を調整するバイパスライン(図示せず)が設けられている。
バイパス量は、循環熱媒体量の0〜80%の範囲で調整されることが好ましい。また、このバイパス量は、外部から供給される水W2の温度によって異なる。例えば、水W2が48℃で供給される場合は、循環熱媒体W1のバイパス割合が0%(全量熱交換器122に通すこと)になり、水W2が25℃の時は循環熱媒体W1のバイパス割合は60%程度になる。
このようにすれば、ガス−水熱交換器121などの各装置を高価な耐食材料で構成する必要がなくなり、例えば管路51などの排ガスに接触する部位の材質を安価なカーボンスチール(炭素鋼)材とすることなどが可能となる。また、ガス流路の閉塞を防いでボイラーの安定運転が可能になる。なお、このように間接熱交換機構110によって燃焼炉20からの排ガスの温度を下げることは、次段の電気集塵機107の集塵性能の維持・向上にも大きく影響があることが分かっている。
すなわち、第6の実施形態に係る処理システム1では、燃焼炉20内にて排ガス中のSOを脱硫剤15によって除去することにより腐食等の問題に対しては一定の解決を見ている。しかし、排ガス中からSOを除去し過ぎてしまうと電気集塵機107の集塵性能が著しく低下することとなる。
一般的には、電気集塵機107の集塵性能は、(A)排ガスの温度、(B)排ガスの速度(流速)、(C)SOの濃度の各要素により決まり、(C)のSOの濃度は高い方が集塵性能は向上するとされている。第6の実施形態に係る処理システム1では、燃焼炉20内の上方ノーズ部21の近傍位置に注入された脱硫剤15により、SOを除去している。このため、SO濃度の低い状態の排ガスを電気集塵機107に供給した場合に、思うような集塵効果を得ることができなくなってしまうおそれがある。
そこで、燃焼炉20と電気集塵機107との間に熱回収装置106及び間接熱交換機構110を設け、燃焼炉20から排出される排ガスの温度を下げることで、排ガスの容積が小さくなると共に排ガスの流速が低下する。これにより、排ガス中のSOの濃度が電気集塵機107の集塵性能に影響を与えない程度となり、集塵性能を維持・向上させることが可能となる。なお、この電気集塵機107から排出された排ガスは、ブロア48により搬送されて煙突49を通して大気中に排出される。
また、図9に示すように、石炭火力発電所100で利用する石炭は、例えば石炭の乾燥処理設備300において乾燥処理を施されることが好ましい。また、第6の実施形態では、石炭火力発電所100は、セメント製造設備200を併設されている。セメント製造設備200は、後述するクリンカクーラー203から熱ガスを排出する。この熱ガスは、給水加熱器104においてボイラー102に供給される水W3を加熱するのに用いられる。これにより、総合的に排ガスの熱エネルギーの有効利用を図ることができる構成となっている。
熱ガスは、セメント製造設備200の他に、例えば熱風発生炉から排出されたものであっても良いし、加熱炉排ガスやボイラー排ガスなどであっても良い。これらの中で熱エネルギーの効率的な利用という観点から、ボイラー排ガスやクリンカクーラー排ガスが好ましく用いられる。ここで、石炭や低品位燃料は、含有する水分量によっては乾燥処理が不要な場合もあり得るので、そのような場合は石炭の乾燥処理設備300が省略された構成とすることもできる。
石炭火力発電所100では、例えば石炭の乾燥処理設備300から供給された乾燥後の石炭を粉砕装置101にて所定の大きさに粉砕し、この粉砕後の石炭をボイラー102の燃焼炉20(図8参照)にて燃焼する。
そして、熱エネルギーによって給水加熱器104から供給される水W4を蒸発させて水蒸気とすることにより発電機103にて発電を行い、電力を供給する。なお、給水加熱器104は、発電機103から余剰の水蒸気のフィードバックを受け、この水蒸気を用いてボイラー102に供給される水W3を加熱するように構成することも可能である。これにより、発電機103での熱効率の向上を図ることができる。
この給水加熱器104は、更にセメント製造設備200からの熱ガスを利用して水W3を加熱するように構成され得る。
一方、ボイラー102で発生した排ガスは、燃焼炉20内に脱硫剤供給装置10から脱硫剤が供給されることにより硫黄酸化物(SOx)を除去される。更に、例えば脱硝装置105にて窒素酸化物(NOx)を除去される。脱硫脱硝後の排ガスは、更に熱回収装置106にて、その温度を低下させられる。
熱回収装置106で回収された熱は、例えばボイラー102に圧送される燃焼用空気の温度を上昇させるために用いられ得る。また、熱回収装置106で回収された熱は、粉砕装置101での石炭を乾燥処理するための乾燥用空気の温度を上昇させるために用いられ得る。熱回収装置106を通過した排ガスは、間接熱交換機構110のガス−水熱交換器121に供給される。
ガス−水熱交換器121では、熱回収装置106から供給された排ガスと、循環路50内を循環する循環熱媒体W1とを循環路50の管路51を介して間接的に接触させて熱交換を実行する。これにより、熱回収装置106から供給された排ガスを冷却するように構成されている。本発明でいう熱媒体とは、熱を他に伝達するための媒体をいう。なお、循環熱媒体W1としては、水やシリコン油、鉱物油等が採用され得る。この中で、伝熱を考慮すれば水が好ましい。間接熱交換機構110は、ガス−水熱交換器121と共に熱交換器122を備え、これらは循環路50を介して接続されている。
循環路50を循環する循環熱媒体W1は、ガス−水熱交換器121にて温められ、熱交換器122に導入される。熱交換器122は、ボイラー102に供給されるべく外部から供給される水(望ましくは純水)W2を循環路50に接触させ、これにより循環熱媒体W1の熱エネルギーを水W2に与え、水W2を加熱する。加熱後の水W3は、給水加熱器104に供給される。
このとき、ガス−水熱交換器121に戻る循環熱媒体W1の温度が、排ガスの露点温度(例えば48℃)より高く(例えば55℃)なるように熱交換器122を通過する熱媒体量を調整するバイパスライン(図示せず)が設けられている。バイパス量は、循環熱媒体量の0〜80%の範囲で調整されることが好ましい。また、このバイパス量は、外部から供給される水W2の温度によって異なる。
例えば、水W2が48℃で供給される場合は、循環熱媒体W1のバイパス割合が0%(全量熱交換器122に通すこと)になり、水W2が25℃の時は循環熱媒体W1のバイパス割合は60%程度になる。なお、ガス−水熱交換器121を通過した排ガスは、電気集塵機107に供給される。
電気集塵機107を通過した排ガスは、排ガスとして大気中に排出される。このような工程を経て、石炭火力発電所100では発電が行われている。
なお、第6の実施形態に係る処理システム1の石炭火力発電所100では、給水加熱器104における水W3の加熱に際し、併設されたセメント製造設備200から供給される熱ガスの熱エネルギーを利用するように構成し得るので、熱エネルギーの効率的な利用を図ることができる。
セメント製造設備200は、公知のセメント製造設備200と同様に構成され得る。クリンカクーラー203からは、例えば約300℃の熱を有する熱ガスが排出される。しかし、この熱ガスの熱エネルギーはほとんどそのまま利用されることなく排出されていたのが現状である。第6の実施形態に係る処理システム1では、既存の設備をほぼ改造することなく、この熱ガスを石炭火力発電所100における給水加熱処理に利用し得るように構成している。
具体的には、セメント製造設備200のクリンカクーラー203から排出された熱ガスを、給水加熱器104に導入して熱交換を行う。そして、間接熱交換機構110の熱交換器122によって加熱された水W3を更に加熱して水W4としてボイラー102へ供給するようにしている。従って、処理システム1によれば、熱エネルギーの効率的な利用を図ることができる。なお、給水加熱器104から排出される排ガスは、更に例えば石炭の乾燥処理設備300での乾燥処理に用いられても良い。
[第7の実施形態]
図10は、本発明の第7の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。図11は、図10の詳細な構成を示す図である。図10及び図11に示すように、第7の実施形態に係る排ガスの利用方法は、主に低品位燃料としての石炭を乾燥処理する乾燥手段としての乾燥処理設備300と、この乾燥処理設備300から供給される乾燥処理後の石炭を燃焼利用する石炭火力発電所100とにおいて適用される。
石炭火力発電所100は、一例として、粉砕装置101と、ボイラー102と、発電機103と、ボイラー102に対して給水される純水を加熱する給水加熱器104とを備える。また、石炭火力発電所100は、脱硫剤供給装置10と、燃焼炉20からの排ガスを分配する分配手段111と、脱硝装置105と、排ガス減温手段30と、電気集塵機107と、混合設備113とを備える。
なお、脱硝装置105や混合設備113は任意の構成であるため、これらを除いて石炭火力発電所100を構成するようにしても良い。乾燥処理設備300にて乾燥処理される燃料としての石炭は、例えば水分と硫黄成分とを含み、燃焼前に乾燥処理を必要とする石炭である。
一方、ボイラー102の燃焼炉20で発生した排ガスは、燃焼炉20内に脱硫剤供給装置10から脱硫剤15が供給されることにより、燃焼ガス中のSOが燃焼炉20内において除去された(炉内脱硫された)上で、例えば300℃〜400℃程度の温度で排出される。
排出された排ガスの熱は、石炭の乾燥熱源として利用される。利用形態は種々ある。図10は、脱硫後の排ガスを、燃焼手段としての燃焼炉と乾燥手段としての乾燥処理設備とを接続する排ガス供給路を通じて乾燥処理設備300に供給する形態である。排ガスの熱を前記石炭の乾燥熱源として利用する形態である。排ガス供給路は、脱硫された排ガスを乾燥処理設備300に供給する。乾燥処理設備300は、排ガスの熱を用いて石炭を乾燥させる。これにより、排ガスの熱エネルギーの有効利用を図ることができる構成となっている。
排出された排ガスは、必要に応じて冷却された後、乾燥処理設備300での石炭の乾燥に用いることが好ましい。また、排出された排ガスは、例えば分配管路や制御弁などを有する分配手段111に導入されて分配され、一部を乾燥処理設備300での石炭の乾燥に用いることができる。
また、分配手段111にて分配されたその他の排ガスは、例えば後段の脱硝装置105に導入されて窒素酸化物(NOx)を除去される。このような脱硫脱硝後の排ガスは、更に脱硝装置105の後段に配置された排ガス減温設備30に導入され、その温度を低下させられる。
排ガス減温設備30で回収された熱は、例えばボイラー102に圧送される燃焼用空気(酸素含有ガス)の温度を上昇させるために用いられ得る。また、排ガス減温設備30で回収された熱は、例えば粉砕装置101での石炭を乾燥処理するための乾燥用空気の温度を上昇させるために用いられ得る。こうして排ガス減温設備30を通過して温度が下げられた排ガスは、集塵手段としての電気集塵機107に供給される。
電気集塵機107は、排ガス中に浮遊しているダスト(灰分)を集塵する。そして、ダスト(灰分)が集塵除去され、電気集塵機107を通過した排ガスは、排ガスとして大気中に排出される。なお、電気集塵機107で集塵されたダストは、例えば混合設備113に供給される。混合設備113では、別途搬送された汚泥、残渣、家畜糞尿などの含水有機性廃棄物とダストとが混合される。
このように、ダスト(灰分)が多量の酸化カルシウム(CaO)を含む。ダストが含水有機性廃棄物と混合されることで、ダストが乾燥剤として作用するので、別途乾燥剤を用いたり乾燥処理を施さなくても含水有機性廃棄物の乾燥を行うことができる。このような工程を経て、石炭火力発電所100では発電が行われている。
なお、燃焼炉20内にてSOやSOが除去された排ガスは、煙道22を通って燃焼炉20から排出される。排出された排ガスは、一部が分配手段111を介して乾燥処理設備300に供給されると共にその他が排ガス減温設備30に供給される。
排ガス減温設備30は、例えばガスエアヒーター(GAH)31と、ガス−水熱交換器121又は水噴霧装置33とから構成される。ここで、排ガスの温度を下げる方法としては、(1)ガスエアヒーターの能力(性能)アップ、(2)間接的な冷却、(3)直接的な冷却の3通りの方法が考えられる。
しかし、(3)の直接的な冷却(すなわち、例えば排ガスに水を噴霧して冷却)の場合は、排ガスに含まれるダストが排ガス減温設備30の装置内に付着して詰まり等を起こす可能性がある。このため、第7の実施形態においては、(3)の直接的な冷却を採用することもできるが、好適には(2)の間接的な冷却を採用することとしている。
具体的には、排ガス減温設備30にて、ガスエアヒーター31の下流側に配置されたガス−水熱交換器121の循環熱媒体(例えば、水)で、排ガスの熱を燃焼炉20への給水の予熱に熱交換して利用することとしている。
第7の実施形態に係る排ガスの利用方法においては、ボイラー102の燃焼炉20内に注入される脱硫剤15、好ましくは燃焼炉20内の上方ノーズ部21の近傍位置に注入される脱硫剤15により、予め排ガス中のSOを除去している。このため、酸露点温度を大幅に下げることが可能となった。
これにより、具体的には、例えば排ガス減温設備30を介して排ガスの温度を約100℃程度まで下げるように冷却することができるようになった。この結果、熱回収量を増加してエネルギー効率を著しく改善できることが判明した。また、これに付随して排ガス減温設備30に備えられる各装置等を高価な耐食材料で構成する必要もなくなった。
例えば、排ガス減温設備30のガス−水熱交換器121の排ガスに接触する部位の材質を安価なカーボンスチール(炭素鋼)材とすることができる。第7の実施形態に係る石炭火力発電所100では、上述したようにボイラー102の燃焼炉20内に注入された脱硫剤15、好ましくは上方ノーズ部21の近傍位置に注入された脱硫剤15によりSOを除去している。そして、燃焼炉20と電気集塵機40との間に排ガス減温設備30を設けることとしている。
この排ガス減温設備30にて、燃焼炉20から排出され分配手段111にて分配された排ガスの温度を下げることで、排ガス中のSOの濃度が電気集塵機107の集塵性能に影響を与えない程度となり、集塵性能を維持・向上させることが可能となる。なお、この電気集塵機107にて排ガスから集塵されたダストは、混合設備113に供給されて別途混合設備113に搬送された含水有機性廃棄物の乾燥剤として利用される。
石炭は、燃焼炉で燃焼させる前に乾燥処理設備で事前乾燥される。乾燥処理設備300では、排ガスが乾燥用熱源として用いられる。なお、このときの排ガスの温度は、乾燥処理設備300での石炭の発火を防止できる程度の温度であって、且つできるだけ高い温度に設定されると良い。乾燥処理設備300では、上述したように亜瀝青炭や褐炭、或いは亜炭などのいわゆる低品位炭が、乾燥処理後に所定の水分となるように乾燥される。
なお、第7の実施形態に係る排ガスの利用方法では、石炭火力発電所100に供給する石炭の乾燥処理を行う乾燥処理設備300への乾燥用空気として、ボイラー102の燃焼炉20からの排ガスの熱エネルギーを利用するように構成し得るので、熱エネルギーの効率的な利用を図っている。乾燥処理設備300のパドル攪拌式乾燥機の空気室には、排ガスと共に他の熱ガスや乾燥用空気等を導入して乾燥を行うようにしても良い。
このように、第7の実施形態に係る排ガスの利用方法によれば、石炭火力発電所100の排熱を有効利用することができると共に、排ガス中のSOが除去されているので設備の耐久性を向上させることができ、系内の硫黄(S)分も低減することができる。これにより、熱エネルギーの効率的な利用や、低品位燃料の積極的な利用技術の確立などを図ることが可能となる。
[第8の実施形態]
図12は、本発明の第8の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。図13は、図12の詳細な構成を示す図である。図12及び図13に示すように、第8の実施形態に係る排ガスの利用方法は、乾燥処理設備300にて乾燥熱源として用いられる脱硫後の排ガスが、排ガス減温設備30及び電気集塵機107を通って温度が下げられた上にダスト(灰分)が除去され、更にその後段に設置された分配手段111から分配されたものである点が、第7の実施形態に係るものと相違している。
具体的には、ボイラー102からの排ガスを排ガス減温設備30にて減温した後、電気集塵機107に供給して排ガス中のダストを除去する。そして、この電気集塵機107からの排ガスの一部を分配手段111にて分配し、乾燥処理設備300に供給する。その他の排ガスは大気中に排出する。ダストが除去された排ガスを石炭の乾燥熱源として利用することにより、乾燥処理設備におけるダストの付着等がなく好ましい。このようにしても、第7の実施形態と同様に熱エネルギーの効率的な利用を図り、低品位燃料の積極的な利用技術の確立を図ることができる。
[第9の実施形態]
図14は、本発明の第9の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。図15は、図14の詳細な構成を示す図である。図14及び図15に示すように、第9の実施形態に係る排ガスの利用方法は、主に脱硫後の排ガスと熱媒体との間で熱交換を実行し、熱媒体を排ガスの熱により加熱して乾燥処理設備300の乾燥熱源として利用する点が、第7の実施形態に係るものと相違している。図14は、脱硫後の排ガスと熱媒体との間で熱交換を実行し、排ガスによって加熱された熱媒体を前記乾燥処理設備に供給し、石炭の乾燥熱源として利用する形態である。
すなわち、ガスエアヒーター31を通って減温された脱硫後の排ガスは、ガス−水熱交換器121に導入される。ガス−水熱交換器121と乾燥処理設備300との間には、循環路50が設けられており、この循環路50内を循環熱媒体W1が循環通過する。ガス−水熱交換器121内においては、循環路50から続く管路51内を通過する循環熱媒体W1により脱硫された排ガスとの間で熱交換が実行される。
循環熱媒体W1は、ガス−水熱交換器121内で排ガスの熱により加熱され、所定の温度に昇温された状態で循環路50を通って乾燥処理設備300に供給される。乾燥処理設備300では、乾燥用熱源(例えば空気)に代えて、或いは乾燥用空気と共に、この循環熱媒体W1の排ガスから回収された熱を乾燥熱源として利用し、上述したような石炭の乾燥処理が実行される。
なお、第9の実施形態においては、石炭火力発電所100は、例えばセメント製造設備200を併設された形態とすることができる。第9の実施形態に係る排ガスの利用方法においては、既存の設備をほぼ改造することなく、熱ガスを石炭火力発電所100における給水加熱処理に利用し得るように構成している。
具体的には、例えばセメント製造設備200のクリンカクーラー203から排出された排ガスを、給水加熱器104に導入して熱交換を行い、給水加熱器104に導入された水を加熱してボイラー102へ供給するようにしている。従って、第9の実施形態によれば、熱エネルギーの効率的な利用を図ることができる。
なお、給水加熱器104から排出される排ガスは、更に例えば乾燥処理設備300での乾燥処理に用いられても良い。第9の実施形態のように排ガスを利用しても、第7の実施形態と同様に熱エネルギーの効率的な利用を図り、低品位燃料の積極的な利用技術の確立を図ることができる。
第9の実施形態においては、脱硫後の排ガスと熱媒体との間で熱交換を実行し、熱交換された後の排ガスは、電気集塵機107を経由して大気に放出される。脱硫後の排ガスを予め集塵手段に供給し、排ガスに含まれる灰分を除去した後、熱媒体との間で熱交換を実行しても良い。
[第10の実施形態]
図16は、本発明の第10の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。図17は、図16の詳細な構成を示す図である。図16及び図17に示すように、第10の実施形態に係る排ガスの利用方法は、主に脱硫後の排ガスと熱媒体との間で熱交換を実行すると共に、この熱媒体の一部をボイラー102への水の加熱に利用する点が、第9の実施形態に係るものと相違している。
すなわち、脱硫後の排ガスは、ガスエアヒーター31を通って減温された上で、ガス−水熱交換器121及び熱交換器122を有する間接熱交換機構110に供給される。間接熱交換機構110においては、ガス−水熱交換器121にて、主循環路50A内を循環通過する循環熱媒体W1を間接的に排ガスと接触させて排ガスの熱を熱交換し、乾燥処理設備300へ供給する。これと共に、循環熱媒体W1の一部である循環熱媒体W1aを副循環路50Bを介して熱交換器122に供給し、水W2にその熱を与える。
熱交換器122は、ボイラー102に供給されるべく外部から供給される水(望ましくは純水)W2を副循環路50Bに接触させ、これにより循環熱媒体W1aの熱エネルギーを水W2に与え、水W2を加熱する。なお、加熱後の水W3は、給水加熱器104に供給される。
主循環路50A及び副循環路50Bは、ガス−水熱交換器121内において図示しないバルブ装置等により分岐可能に接続されている。従って、所定の制御の下で循環熱媒体W1,W1aがそれぞれ主循環路50A及び副循環路50Bを循環通過することができるように構成されている。
間接熱交換機構110にて回収した熱エネルギーは、例えばガス−水熱交換器121にて熱交換して昇温された約75℃程度の循環熱媒体W1の一部の循環熱媒体W1aを、副循環路50Bを通して熱交換器122での水W2の予熱に利用される。これにより、ボイラー102のエネルギー効率を改善することができる。なお、露点温度とは、ガス中の水分が結露し始める温度をいう。
この場合、管路等を含むガス−水熱交換器121の装置内に石炭灰が付着してガス流路を閉塞させることが懸念される。このため、間接熱交換機構110においては、管路の表面の温度が排ガスの露点温度よりも下回らないように、主循環路50Aを通って循環する循環熱媒体W1の温度管理、熱交換器122による熱交換設定、管路の表面温度管理等を適切に行うことが望ましい。
従って、間接熱交換機構110においては、主循環路50A及び副循環路50Bを循環する循環熱媒体W1,W1aの温度が、乾燥処理設備300や熱交換器122にて下がり過ぎないように乾燥処理が行われたり水W2との間で熱交換が行われたりすると良い。なお、上述したように熱交換器122で昇温された水W3は、例えば給水加熱器104に導入されて加熱され、水W4としてボイラー102に供給される。このように排ガスを利用しても、第9の実施形態と同様に熱エネルギーの効率的な利用を図り、低品位燃料の積極的な利用技術の確立を図ることができる。
第10の実施形態においては、脱硫後の排ガスと熱媒体との間で熱交換を実行し、熱交換された後の排ガスは、電気集塵機107を経由して大気に放出される。脱硫後の排ガスを予め集塵手段に供給し、排ガスに含まれる灰分を除去した後、熱媒体との間で熱交換を実行しても良い。
[第11の実施形態]
図18は、本発明の第11の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。図18に示すように、第11の実施形態に係る排ガスの利用方法は、主に低品位燃料としての石炭を乾燥処理する乾燥処理設備300と、この乾燥処理設備300から供給される乾燥処理後の石炭を燃焼利用する石炭火力発電所100とにおいて適用される。
石炭火力発電所100は、脱硝装置105と、熱回収装置106と、混合手段112と、電気集塵機107と、脱硫装置108とを備える。なお、第11の実施形態では、石炭火力発電所100は、セメント製造設備200が併設された構成となっている。熱ガスは、混合手段112においてボイラー102からの排ガスと混合され、乾燥処理設備300にて石炭を乾燥処理するのに用いられる。これにより、総合的に排ガスの熱エネルギーの有効利用を図ることができる構成となっている。
一方、ボイラー102で発生した排ガスは、例えば500℃〜1000℃程度の温度で排出された後に、後段の脱硝装置105にて窒素酸化物(NOx)を除去される。次いで、排ガス減温手段としてのガスエアヒーター(GAH)等の熱回収装置106にて、空気等と熱交換されその温度を低下させられる。
第11の実施形態においては、熱回収装置106を通過した後の排ガスは、混合手段112に供給される。このときの排ガスは、例えば温度が90℃程度で酸素濃度が5容量%程度となっている。また、混合手段112には、セメント製造設備200のクリンカクーラー203から排出された熱ガスも導入される。
このときの熱ガスは、例えば温度が300℃程度で酸素濃度が21容量%程度となっている。混合手段112は、ガスの混合を制御するための制御弁や制御装置、ガスの管路等の図示しない構成を有している。そして、混合手段112は、これらの排ガス及び熱ガスを混合して温度が150℃以上、好ましくは200℃以上で、酸素濃度が10容量%以下の混合ガスを生成し、生成された混合ガスを乾燥処理設備300に供給する。
具体的には、混合手段112は、例えば温度90℃で酸素濃度5容量%の排ガス68.7量(%)と、温度300℃で酸素濃度21容量%の熱ガス31.3量(%)とを混合する。これにより、温度156℃で酸素濃度10容量%の混合ガスを生成する。なお、乾燥処理設備300においては、乾燥用空気の温度が高すぎても(すなわち、乾燥用空気の温度が石炭の発火点温度を上回るようであっても)、酸素濃度が高すぎてもいずれも発火などの可能性が高くなる。
このため、混合手段112において石炭の乾燥処理に適切な温度及び酸素濃度の混合ガスを生成し、乾燥用空気として乾燥処理設備300に供給している。例えば、混合手段112にて温度156℃、酸素濃度10容量%以下で生成された混合ガスは、乾燥処理設備300に送られて石炭の乾燥処理に利用され、乾燥処理後のガスの温度は70℃程度となる。
このように、上記排ガス及び熱ガスの熱エネルギーを無駄に棄てることなく、有効利用することが可能となる。つまり、この混合ガスを乾燥処理に用いることにより、乾燥処理設備300における効率的な熱利用を実現し、乾燥処理設備300のサイズ低減やコスト削減を図ることが可能となる。
混合手段112にて熱ガスと混合されなかった一部の排ガスは、低低温電気集塵機(EP)などの電気集塵機107に供給される。そして、電気集塵機107を通過した排ガスは、脱硫装置108にて硫黄酸化物(SOx)が除去された上で排ガスとして大気中に排出される。このような工程を経て、石炭火力発電所100では発電が行われている。
なお、第11の実施形態に係る排ガスの利用方法では、石炭火力発電所100に供給する石炭の乾燥処理を行う乾燥処理設備300への乾燥用空気として、ボイラー102からの排ガスと、併設されたセメント製造設備200から供給される熱ガスの熱エネルギーとを利用するように構成し得るので、熱エネルギーの効率的な利用を図っている。
また、第11の実施形態に係る排ガスの利用方法では、クリンカクーラー203からの熱ガスとボイラー102からの排ガスとを乾燥処理設備300における乾燥処理に利用し得るように構成している。
具体的には、セメント製造設備200のクリンカクーラー203から排出された熱ガスを、石炭火力発電所100の混合手段112に導入してボイラー102からの排ガスと混合する。そして、酸素濃度が10容量%以下の混合ガスを生成して乾燥処理設備300へ供給するようにしている。従って、第11の実施形態に係る排ガスの利用方法によれば、熱エネルギーの効率的な利用を図り、低品位燃料の積極的な利用技術の確立を図ることができる。
[第12の実施形態]
図19は、本発明の第12の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。図19に示すように、第12の実施形態に係る排ガスの利用方法は、混合手段112にてクリンカクーラー203からの熱ガスと混合される排ガスが、熱回収装置106及び電気集塵機107を通って温度が下げられた上に灰分(ダスト)が除去されたものである点が、第11の実施形態に係るものと相違している。
具体的には、ボイラー102からの排ガスを熱回収装置106にて減温した後、電気集塵機107に供給して排ガス中の灰分を除去する。そして、この電気集塵機107からの排ガスとクリンカクーラー203からの熱ガスとを混合手段112に導入し、上述したように所定の温度及び酸素濃度となる混合ガスを生成して乾燥処理設備300へ供給する。このようにしても、第11の実施形態と同様に熱エネルギーの効率的な利用を図り、低品位燃料の積極的な利用技術の確立を図ることができる。また、このようにすれば、石炭火力発電所100における各装置及び各工程の運用の最適化を図ることができる。
[第13の実施形態]
図20は、本発明の第13の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。図21は、図20の詳細な構成を示す図である。図20及び図21に示すように、第13の実施形態に係る排ガスの利用方法は、石炭火力発電所100の脱硫装置108に代えて、脱硫剤供給装置10を設け、ボイラー102の燃焼炉20内にて排ガスの脱硫(炉内脱硫)を行う点が、第11の実施形態に係るものと相違している。後段に脱硫設備を設けても良い。
上述したように脱硫剤15を上方ノーズ部21の近傍位置に注入することで、燃焼炉20内での脱硫を効率的に行うことができると共に、脱硫剤15の使用量も減らすことが可能となる。このようにして燃焼炉20内にてSOやSOが除去された排ガスは、煙道22を通って燃焼炉20から排出される。そして、例えば上述した脱硝装置105を通って脱硝されると共に熱回収装置106を通って減温(温度が下げられた)上で、混合手段112に導入される。
第13の実施形態においては、好ましくは燃焼炉20内の上方ノーズ部21の近傍位置に注入される脱硫剤15により、予め排ガス中のSOを除去している。このため、排ガスの酸露点温度を大幅に下げることが可能となった。これにより、具体的には、例えば排ガスの温度を熱回収装置106において約90℃程度まで下げるように冷却することができ、この結果、熱回収量を増加してエネルギー効率を著しく改善できることが判明した。
また、このようにすれば、混合手段112等の各装置を高価な耐食材料で構成する必要がなくなり、例えば混合手段112内の制御弁や管路などの排ガスに接触する部位の材質を安価なカーボンスチール(炭素鋼)材とすることなどが可能となる。第13の実施形態に係る排ガスの利用方法では、燃焼炉20内の上方ノーズ部21の近傍位置に注入された脱硫剤15によりSOを除去している。
そして、燃焼炉20と集塵装置109との間に熱回収装置106を設け、燃焼炉20から排出される排ガスの温度を下げることで、排ガス中のSOの濃度が電気集塵機の集塵性能に影響を与えない程度となり、集塵性能を維持・向上させることが可能となる。
[第14の実施形態]
図22は、本発明の第14の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。図23は、図22の詳細な構成を示す図である。図22及び図23に示すように、第14の実施形態に係る排ガスの利用方法は、石炭火力発電所100の脱硫装置108に代えて、脱硫剤供給装置10を設け、ボイラー102の燃焼炉20内にて排ガスの炉内脱硫を行う点が、第12の実施形態に係るものと相違している。
なお、ボイラー102の燃焼炉20での排ガスの脱硫処理については、上記で説明したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。このようにしても、第12の実施形態と同様に熱エネルギーの効率的な利用を図り、低品位燃料の積極的な利用技術の確立を図ることができる。また、石炭火力発電所100における各装置及び各工程の運用の最適化を図ることができる。
[第15の実施形態]
図24は、本発明の第15の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。図24に示すように、第15の実施形態に係る排ガスの利用方法は、主に低品位燃料としての石炭を乾燥処理する乾燥処理設備300と、この乾燥処理設備300から供給される乾燥処理後の石炭を燃焼利用する石炭火力発電所100とにおいて適用される。
石炭火力発電所100は、脱硝装置105と、空気予熱器106aと、電気集塵機107と、脱硫装置108とを備える。脱硝装置105は任意に設置可能である。なお、第15の実施形態では、石炭火力発電所100は、セメント製造設備200が併設された構成となっている。熱ガスは、ボイラー102に燃焼用空気の一部として導入されて燃焼に利用される。この熱ガスのボイラー102に導入される燃焼用空気としての割合は、約10%〜25%程度であることが好ましい。
また、ボイラー102からの排ガスは、例えば分配手段111にて分配され、乾燥処理設備300での石炭を乾燥処理するのに用いられる。この排ガスは、粉砕装置101にて石炭を乾燥粉砕するのに用いられてもよい。これにより、総合的に熱ガスや排ガスの熱エネルギーの有効利用を図ることができる構成となっている。
なお、乾燥処理後の石炭の一部は、ボイラー102以外の熱利用設備(例えば、セメント製造設備200)において利用されても良い。粉砕後の石炭をボイラー102の燃焼炉20(例えば、図26参照)にて、酸素含有ガスや上記熱ガスと共に燃焼する。なお、ボイラー102に導入されるときの熱ガスは、例えば酸素濃度が15容量%以上であり、温度は250℃以上である。
一方、ボイラー102で発生した排ガスは、例えば300℃〜400℃程度の温度で排出された後に、後段の分配手段111にて分配される。分配手段111は、図示しない制御弁や管路を有し、排ガスの一部を乾燥処理設備300や粉砕装置101に分配して供給する。また、排ガスの他の一部は、脱硝装置105にて窒素酸化物(NOx)を除去される。
第15の実施形態においては、分配手段111にて分配されて乾燥処理設備300に供給された排ガスは、例えば酸素濃度が10容量%となっている。また、脱硝装置105を通過した後の排ガスは、空気予熱器106aに導入され、この空気予熱器106aにて空気を加熱するのに用いられた後、電気集塵機107に供給される。空気予熱器106aで加熱された空気は、ボイラー102に導入される。なお、乾燥処理設備300においては、乾燥用空気として用いられる排ガスの温度が高すぎても(すなわち、乾燥用空気の温度が石炭の発火点温度を上回るようであっても)、酸素濃度が高すぎてもいずれも発火などの可能性が高くなる。
このため、酸素濃度及び温度共に高いクリンカクーラー203からの熱ガスを直接乾燥処理設備300に導入せず、ボイラー102にて酸素濃度を低下させた上で排ガスとして排出し、その一部を乾燥用空気として乾燥処理設備300に供給している。例えば、分配手段111にて温度378℃、酸素濃度10容量%以下となった排ガスは、乾燥処理設備300に送られて石炭の乾燥処理に利用され、乾燥処理後のガスの温度は70℃程度となる。
このように、上記排ガス及び熱ガスの熱エネルギーを無駄に棄てることなく、有効利用することが可能となる。つまり、熱ガスを燃焼用空気の一部としてボイラー102での燃焼に用いることにより、別途熱回収装置を設けて外部の空気を昇温して燃焼用空気として利用する必要がなく、エネルギー効率を上げつつ設備コストを下げることができる。
また、ボイラー102での燃焼後の排ガスを乾燥処理設備300での乾燥処理に用いることにより、乾燥処理設備300における効率的な熱利用を実現し、同時に乾燥処理設備300のサイズ低減やコスト削減を図ることが可能となる。従って、第15の実施形態によれば、熱エネルギーの効率的な利用を図ることができる。なお、空気予熱器106aを通過した排ガスは、電気集塵機107に供給される。
なお、第15の実施形態に係る排ガスの利用方法では、石炭火力発電所100に供給する石炭の乾燥処理を行う乾燥処理設備300への乾燥用空気として、ボイラー102からの排ガスを利用している。また、ボイラー102への燃焼用空気として、併設されたセメント製造設備200から供給される熱ガスや空気予熱器106aからの加熱済み空気を利用するように構成し得るので、熱エネルギーの効率的な利用を図っている。
セメント製造設備200におけるクリンカクーラー203からは、上述したように250℃以上、例えば約300℃の熱を有し、酸素濃度が15容量%以上の熱ガスが排出される。しかし、この熱ガスの熱エネルギーは、上記のようにほとんどそのまま利用されることなく排出されていた。このため、第15の実施形態に係る排ガスの利用方法では、この熱ガスをボイラー102での燃焼処理に、及びボイラー102からの排ガスを乾燥処理設備300における乾燥処理に、それぞれ利用し得るように構成している。
具体的には、セメント製造設備200のクリンカクーラー203から排出された熱ガスを、石炭火力発電所100のボイラー102に導入して燃焼を行う。そして、酸素濃度が10容量%以下となったボイラー102からの排ガスを、分配手段111を介して乾燥処理設備300へ供給するようにしている。従って、第15の実施形態に係る排ガスの利用方法によれば、熱エネルギーの効率的な利用を図り、低品位燃料の積極的な利用技術の確立を図ることができる。
また、乾燥処理設備300に供給される排ガスは、ボイラー102の後段における脱硝装置105の後や、電気集塵機107の後或いは脱硫装置108の後など、適宜所望の箇所から分配され供給されるように構成しても良い。この場合は、分配手段111をそれぞれの装置の間に設置するようにすれば良い。
[第16の実施形態]
図25は、本発明の第16の実施形態に係る排ガスの利用方法の全体の流れを示すブロック図である。図26は、図25の詳細な構成を示す図である。図25及び図26に示すように、第16の実施形態に係る排ガスの利用方法は、石炭火力発電所100に脱硫剤供給装置10を設け、ボイラー102の燃焼炉20内にて排ガスの脱硫(炉内脱硫)を行う点が、第15の実施形態に係るものと相違している。
また、分配手段111を空気予熱器106aの後段に設け、この分配手段111の後段に熱回収装置106を設けた点も相違している。このようにすれば、第15の実施形態のものよりも石炭火力発電所100における各装置及び各工程の運用の最適化を図ることが可能となる。熱ガスの量に応じて燃焼用空気をこの熱ガスに全量まで転換可能であり、空気予熱器106a出口の排ガスの予熱を分配手段111を通過した後に熱回収装置106によって回収し、給水加熱器104にて全量給水加熱に利用することが可能になる。
燃焼炉20内にてSOやSOが除去された排ガスは、煙道22を通って燃焼炉20から排出される。そして、例えば上述した脱硝装置105を通って脱硝された上で空気予熱器106a後段の分配手段111によって一部が乾燥処理設備300に送られる。これと共に、他の一部が熱回収装置106を通って熱回収された上で電気集塵機107に送られる。
第16の実施形態においては、好ましくは燃焼炉20内の上方ノーズ部21の近傍位置に注入される脱硫剤15により、予め排ガス中のSOを除去している。このため、排ガスの酸露点温度を大幅に下げることが可能となり、この結果、熱回収量を増加してエネルギー効率を著しく改善できることが判明した。
また、このようにすれば、燃焼炉20の後段の各装置を高価な耐食材料で構成する必要がなくなり、例えば排ガスに接触する部位の材質を安価なカーボンスチール(炭素鋼)材とすることなどが可能となる。第16の実施形態に係る排ガスの利用方法では、燃焼炉20内の上方ノーズ部21の近傍位置に注入された脱硫剤15によりSOを除去している。
そこで、電気集塵機の集塵性能の上記(1)の要素である燃焼炉20から排出される排ガスの温度を下げれば、排ガスの容積を小さくすることができると共に排ガスの流速を低下させることができる。これにより、排ガス中のSOの濃度が電気集塵機の集塵性能に影響を与えない程度とすることができ、集塵性能を維持・向上させることが可能となる。なお、電気集塵機107から排出された排ガスは、必要であれば脱硫装置108にて再度脱硫された上でブロア48により搬送されて煙突49を通して大気中に排出される。
以下、実施例により排ガスの脱硫処理について具体的に説明する。実施例では、図8等に示す石炭火力発電所100でボイラー102が蒸気発生量80t/hボイラーである。石炭(微粉炭)を燃料として空気と共にボイラー102に供給した。
使用した脱硫剤15は、上述したセメント製造設備200の粉砕機201のサイクロン排ガスから回収したセメント工場ダストである。セメント工場ダストの化学組成は、蛍光X線分析により測定された。その結果は、CaOが60.6質量%、SiOが20.8質量%、Alが10.3質量%である。また、使用したセメント工場ダストの粒子径は質量基準の平均粒径が2μm程度であった。
下記に示す実施例1及び2における脱硫剤15の吹込位置は炉内α、実施例3における脱硫剤15の吹込位置は炉内βである。炉内αの吹込位置は、図27(a)に示すノーズ部21の頂点(図8等におけるノーズ部21の三角形の頂点)より0.8M上方の高さにA,B,C,Dの4箇所と、図27(b)に示すノーズ部21の頂点より0.4L下方の高さにE,F,Gの3箇所である(計7箇所)。
他方、炉内βの吹込位置は、図27(b)に示す頂点より0.4L下方の高さにE,F,Gの3箇所である。図27(a)において、脱硫剤15は過熱器20bが存在する位置を避けるように供給されている。図27(a)のB,Cは、側面の中心点と端点の中間に位置している。また、図27(b)のE,F,Gは、燃焼炉20の各側面の中心線部分に位置している。
実施例にて得られたSO測定結果を以下の表1に示す。なお、SOの測定は、電気集塵機107の入口で行った。
[表1]
Figure 2011162344
(実施例1)
実施例1においては、燃焼炉20内のSO+SOのSOx濃度が200ppmであり、Ca/Sのモル比が0.93になるようにセメント工場ダストを炉内に吹き込んだ。その結果、SO濃度は0.05ppm未満となった。
(実施例2)
実施例2においては、燃焼炉20内のSOx濃度が180ppmであり、炉内に吹き込んだセメント工場ダストのCa/Sのモル比が2.06であったときは、SO濃度は実施例1と同様に0.05ppm未満となった。
(実施例3)
実施例3においては、燃焼炉20内のSOx濃度が150ppmであり、炉内に吹き込んだセメント工場ダストのCa/Sのモル比が2.92であったときは、SO濃度は実施例1及び2と同様に0.05ppm未満となった。
なお、実施例1,2及び3において、セメント工場ダストを吹き込まない場合においては、燃焼炉20内のSOx濃度は、それぞれ脱硫前の濃度と同じであった。
以上のような結果から、熱収支の試算を行ったところ、上述した実施形態に係る燃料処理システム1及び排ガスの利用方法においては、排ガスの酸露点温度を約126℃から88℃以下にすることが可能であることが判明した。これにより、例えば図9に示す熱回収装置106の下流側における間接熱交換機構110の第1熱交換手段であるガス−水熱交換器121にて、熱回収装置106通過時に約150℃程度の温度を保つ排ガスから50℃相当の熱を回収し、この熱を第2熱交換手段である熱交換器122にてボイラー102への水W2の予熱源として利用したとしても、SOの結露による腐食を防止することが可能となることが判明した。また、例えば排ガスの熱を乾燥処理設備300で利用したりボイラー102への給水加熱に利用したりしたとしても、SOの結露による腐食を防止することが可能となることを確認した。また、例えば熱回収装置106の下流側にて混合手段112により混合ガスを生成して乾燥処理設備300で利用したとしても、SOの結露による腐食を防止することが可能となることが判明した。また、例えばボイラー102の下流側で排ガスの一部を乾燥処理設備300で利用したとしても、SOの結露による腐食を防止することが可能となることが判明した。
そこで、図8の間接熱交換機構110の熱交換処理を行った。熱媒体は純水を用いた。熱媒循環量は80t/h(主蒸気発生量80t/h級ボイラーの場合)であった。排ガスは、第1熱交換手段であるガス−水熱交換器121において150℃から100℃まで減温された。純水は、ガス−水熱交換器121において55℃から74℃まで温度上昇した。ガス−水熱交換器121において加熱された熱媒体としての純水は、第2熱交換手段である熱交換器122で、ボイラー給水W2を48℃から62.5℃まで昇温した。
以上述べたように、上述した実施形態に係る処理システム1によれば、熱エネルギーの効率的な利用及び低品位燃料の積極的な利用を図ることが可能となる。
また、上述した実施形態に係る処理システム1によれば、排ガス中のSOをより安価且つ容易に処理しつつ、より効果的に排ガスの熱エネルギーの有効利用を図り、設備の腐食等の不具合を少なくしつつも効率の良い発電設備の操業を行うことが可能となる。
1 処理システム
2 データベース(DB)
3 制御部
4 調整手段
10 脱硫剤供給装置
13,48 ブロア
14 脱硫剤吹込口
15 脱硫剤
20 燃焼炉
20a 壁部
20b 過熱器
21 ノーズ部(上方ノーズ部)
22 煙道
30 排ガス減温設備
31 ガスエアヒーター
33 水噴霧装置
49 煙突
50 循環路
50A 主循環路
50B 副循環路
51 管路
100 石炭火力発電所
101 粉砕装置
102 ボイラー
103 発電機
104 給水加熱器
105 脱硝装置
106 熱回収装置
107 電気集塵機
108 脱硫装置
110 間接熱交換機構
111 分配手段
112 混合手段
113 混合設備
121 ガス−水熱交換器
122 熱交換器
200 セメント製造設備
201 粉砕機
202 焼成装置
203 クリンカクーラー
204 混合粉砕機
300 乾燥処理設備

Claims (22)

  1. 熱ガスを用いて燃料を乾燥させるための乾燥処理設備と、
    前記熱ガスの温度を調整して前記乾燥処理設備に供給する調整手段と、
    前記燃料の水分量及び発火点温度に関するデータに基づいて前記調整手段を制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする燃料処理システム。
  2. 燃料、脱硫剤及び酸素含有ガスを供給する供給口と前記燃料を前記酸素含有ガスで燃焼した後の排ガスを排出するための排出口とを備えたボイラーと、
    前記ボイラーから排出された前記排ガスと熱媒体との間で熱交換を実行し、前記熱媒体が前記排ガスにより加熱されるようにした第1熱交換手段と、
    前記ボイラーへ供給される水と前記熱交換された後の加熱された熱媒体との間で熱交換を実行し、前記水が前記熱媒体により加熱されるようにした第2熱交換手段と、
    前記熱媒体が流通すると共に前記第1熱交換手段と前記第2熱交換手段との間を循環する循環路と
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の燃料処理システム。
  3. 前記調整手段は、前記熱ガスの温度に加え、前記熱ガスの流量を調整する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の燃料処理システム。
  4. 前記調整手段は、熱交換器である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料処理システム。
  5. 前記熱交換器は、ボイラー給水加熱器である
    ことを特徴とする請求項4記載の燃料処理システム。
  6. 前記調整手段は、前記熱ガスを前記熱交換器及びバイパス路に分配する分配手段と、前記熱交換器から排出された熱ガス及び前記バイパス路を通った熱ガスを混合する混合手段とを更に備える
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の燃料処理システム。
  7. 前記乾燥処理設備を用いて乾燥させた前記燃料を燃焼させて発電を行う火力発電設備を更に備え、
    前記火力発電設備は、
    前記燃料を燃焼する燃焼炉と、
    前記燃焼炉に設けられる脱硫剤を注入する脱硫剤吹込手段と
    を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の燃料処理システム。
  8. 前記第1熱交換手段において前記排ガスと接触する前記循環路の表面温度は、前記排ガスの露点温度よりも高い
    ことを特徴とする請求項2記載の燃料処理システム。
  9. 前記ボイラーは、
    燃料を燃焼させるための燃焼炉と、
    前記燃焼炉の上方に設けられて前記燃焼炉の空間を狭くするノーズ部と
    を備え、
    脱硫剤を供給する前記供給口は、前記ノーズ部近傍に位置する
    ことを特徴とする請求項2又は8記載の燃料処理システム。
  10. 前記脱硫剤は、カルシウム化合物であり、
    前記カルシウム化合物は、炭酸カルシウムを含有するセメント工場ダストを含む
    ことを特徴とする請求項2、8及び9のいずれか1項記載の燃料処理システム。
  11. 水分と硫黄成分を含む石炭を乾燥処理設備に供給し前記石炭を乾燥し、乾燥された石炭を燃焼炉に供給し石炭を燃焼し、燃焼後の排ガスの熱を利用する排ガスの利用方法であって、
    前記燃焼炉内に脱硫剤を供給し燃焼炉内において排ガスを脱硫し、
    前記脱硫後排ガスの熱を前記石炭の乾燥熱源として利用する
    ことを特徴とする排ガスの利用方法。
  12. 水分と硫黄成分を含む石炭を乾燥処理設備に供給し前記石炭を乾燥し、
    乾燥された石炭を燃焼炉に供給し石炭を燃焼し、燃焼後の灰分を含む排ガスの熱を利用する排ガスの利用方法であって、
    前記排ガスを排ガス減温手段によって冷却する工程と、
    前記冷却された排ガスとこれよりも温度の高い熱ガスとを混合して混合ガスを生成する工程と、
    前記混合ガスを前記乾燥処理設備に供給する工程と
    を備え、
    前記混合ガスは、酸素濃度が10容量%以下となるように生成される
    ことを特徴とする排ガスの利用方法。
  13. 水分を含む石炭を乾燥処理設備に供給し前記石炭を乾燥し、
    乾燥された石炭を燃焼炉に供給し石炭を燃焼し、燃焼後の排ガスの熱を利用する排ガスの利用方法であって、
    前記燃焼炉以外の熱利用設備から排出された酸素を含有する熱ガスを、前記燃焼炉に燃焼用空気として供給する工程と、
    前記排ガスを前記乾燥処理設備に供給する工程と
    を備え、
    前記熱ガスは、酸素濃度が15容量%以上であり、温度が250℃以上である
    ことを特徴とする排ガスの利用方法。
  14. 前記脱硫後の排ガスを乾燥処理設備に供給し、排ガスの熱を前記石炭の乾燥熱源として利用する請求項11記載の排ガスの利用方法。
  15. 前記脱硫後の排ガスと熱媒体との間で熱交換を実行し、前記排ガスによって加熱された熱媒体を前記乾燥処理設備に供給し、前記石炭の乾燥熱源として利用する請求項11記載の排ガスの利用方法。
  16. 前記脱硫後の排ガスを集塵手段に供給し排ガスに含まれる灰分を除去し、前記灰分が除去された排ガスの熱を前記石炭の乾燥熱源として利用する請求項11、14及び15のいずれか1項記載の排ガスの利用方法。
  17. 前記冷却された排ガスから集塵手段によって前記灰分を除去する工程を更に備え、
    前記混合ガスは、前記灰分が除去された排ガスと前記熱ガスとを混合して生成される
    ことを特徴とする請求項12記載の排ガスの利用方法。
  18. 前記排ガスは、酸素濃度が10容量%以下である
    ことを特徴とする請求項13記載の排ガスの利用方法。
  19. 前記熱ガスは、セメント製造設備のクリンカクーラーから排出される熱ガスである
    ことを特徴とする請求項12、13、17又は18記載の排ガスの利用方法。
  20. 前記燃焼炉内に脱硫剤を供給し燃焼炉内において排ガスを脱硫する工程を更に備えた
    ことを特徴とする請求項12、13、17〜19のいずれか1項記載の排ガスの利用方法。
  21. 前記燃焼炉は、その上方に燃焼炉の空間を狭くするノーズ部を有し、
    前記ノーズ部の近傍に前記脱硫剤を供給する請求項11〜20のいずれか1項記載の排ガスの利用方法。
  22. 石炭を乾燥させる乾燥手段と、
    乾燥された前記石炭を燃焼させる燃焼手段と、
    前記燃焼手段に対し脱硫剤を供給する脱硫剤供給手段と
    を備える排ガス利用装置であって、
    前記乾燥手段と前記燃焼手段とを接続する排ガス供給路を設け、
    前記排ガス供給路は、脱硫された排ガスを前記乾燥手段に供給し、
    前記乾燥手段は、前記排ガスの熱を用いて前記石炭を乾燥させる
    ことを特徴とする排ガス利用装置。
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