JPH06205931A - 燃焼装置および排煙脱硫方法 - Google Patents
燃焼装置および排煙脱硫方法Info
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- JPH06205931A JPH06205931A JP5001427A JP142793A JPH06205931A JP H06205931 A JPH06205931 A JP H06205931A JP 5001427 A JP5001427 A JP 5001427A JP 142793 A JP142793 A JP 142793A JP H06205931 A JPH06205931 A JP H06205931A
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- fine powder
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 燃焼装置の負荷に応じて微粉体を最適な温度
領域に供給できる微粉体吹き込み装置を持った燃焼装置
と排煙脱硫方法を提供すること。 【構成】 ボイラの負荷が変化したり石炭の種類が変化
しても、搬送空気量を増加させることなく、ブースト空
気量を増加することにより最適な温度領域(1000〜
1200℃)に石灰石を供給でき、脱硫性能を高く維持
することができる。すなわち、ボイラの負荷が下がった
り、あるいは灰の融点が低い石炭を焚いた場合にはベー
ン21によりブースト空気22の導入角度を大きくし
て、火炉の上流側の高温域(1200℃付近)に脱硫剤
23を吹き込むことが可能となる。また火炉の温度が高
い場合では、複数ある脱硫剤供給管18の切替弁(図示
せず)を調整して下流側の供給管18を用いて、また、
ベーン21によりブースト空気22の導入角度を調整
し、最適な温度領域に供給することができる。
領域に供給できる微粉体吹き込み装置を持った燃焼装置
と排煙脱硫方法を提供すること。 【構成】 ボイラの負荷が変化したり石炭の種類が変化
しても、搬送空気量を増加させることなく、ブースト空
気量を増加することにより最適な温度領域(1000〜
1200℃)に石灰石を供給でき、脱硫性能を高く維持
することができる。すなわち、ボイラの負荷が下がった
り、あるいは灰の融点が低い石炭を焚いた場合にはベー
ン21によりブースト空気22の導入角度を大きくし
て、火炉の上流側の高温域(1200℃付近)に脱硫剤
23を吹き込むことが可能となる。また火炉の温度が高
い場合では、複数ある脱硫剤供給管18の切替弁(図示
せず)を調整して下流側の供給管18を用いて、また、
ベーン21によりブースト空気22の導入角度を調整
し、最適な温度領域に供給することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微粉体を最適温度領域の
火炉あるいは焼却炉の空塔部に供給するための燃焼装置
に関し、特に、燃焼装置からの排ガス中の酸性ガス等を
吸収除去する反応剤(アルカリ金属またはアルカリ土類
金属系脱硫剤等)を燃焼装置の火炉あるいは焼却炉の空
塔部に吹き込むことにより効率良く排ガス中の酸性ガス
等を除去する排煙脱硫装置に関するものである。
火炉あるいは焼却炉の空塔部に供給するための燃焼装置
に関し、特に、燃焼装置からの排ガス中の酸性ガス等を
吸収除去する反応剤(アルカリ金属またはアルカリ土類
金属系脱硫剤等)を燃焼装置の火炉あるいは焼却炉の空
塔部に吹き込むことにより効率良く排ガス中の酸性ガス
等を除去する排煙脱硫装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】廃棄物焼却炉または火力発電所における
重油焚、石炭焚ボイラから排出される排ガス中には、硫
黄化合物(SOx)やHCl、NOxなどの酸性有害物
質が含まれており、酸性雨や光化学スモッグの原因物質
とされるため、その効果的な処理手段が望まれている。
その対策として、例えば、火力発電所用ボイラにおいて
は従来から湿式法(例えば石灰石−石膏法)または乾式
法(活性炭法)が実施されている。湿式法は有害物質の
除去率が高い反面、廃水処理が困難で、煙突からの白煙
を防止するために排ガスを再加熱する必要があり、設備
費や運転費が高く、乾式法では高い除去率が得られない
という問題があった。このため、無排水の低コストプロ
セスで高い除去率が得られる脱硫方法の開発が望まれて
いる。
重油焚、石炭焚ボイラから排出される排ガス中には、硫
黄化合物(SOx)やHCl、NOxなどの酸性有害物
質が含まれており、酸性雨や光化学スモッグの原因物質
とされるため、その効果的な処理手段が望まれている。
その対策として、例えば、火力発電所用ボイラにおいて
は従来から湿式法(例えば石灰石−石膏法)または乾式
法(活性炭法)が実施されている。湿式法は有害物質の
除去率が高い反面、廃水処理が困難で、煙突からの白煙
を防止するために排ガスを再加熱する必要があり、設備
費や運転費が高く、乾式法では高い除去率が得られない
という問題があった。このため、無排水の低コストプロ
セスで高い除去率が得られる脱硫方法の開発が望まれて
いる。
【0003】ボイラなどの排ガスの脱硫法としては、上
記方法のほかに、消石灰やそのスラリを排ガス中に噴霧
する半乾式法や、火炉内あるいは煙道内の高温ガス中に
石灰石を直接供給して酸性有害物質を除去する乾式法が
提案されている。以上の方法は設備費が安いという特徴
を有しているが、いずれの方式も酸性有害物質の除去率
が低いという問題があった。
記方法のほかに、消石灰やそのスラリを排ガス中に噴霧
する半乾式法や、火炉内あるいは煙道内の高温ガス中に
石灰石を直接供給して酸性有害物質を除去する乾式法が
提案されている。以上の方法は設備費が安いという特徴
を有しているが、いずれの方式も酸性有害物質の除去率
が低いという問題があった。
【0004】これに対して、ボイラ火炉内あるいは煙道
内の高温ガス中に石灰石を直接供給して、排ガス中のS
O2ガスを除去し、さらに後続のエアヒータ出口部に低
温脱硫塔を設けて、水噴霧により加湿して未反応のSO
2ガスを除去する方法が提案されている(特開昭61−
287421号等)。この方法の代表的なフローシート
を図6に示す。ボイラ1には空気供給口2と原料供給口
3からそれぞれ空気と燃料原料が供給され、燃焼ガスは
二次スーパヒータ8、一次スーパヒータ9を加熱した
後、エアヒータ10で冷却され低温脱硫塔11に導かれ
る。石灰石などの脱硫剤はフィーダで一定量を供給管4
よりボイラ1の火炉に供給されて高温域で一次脱硫され
る。この場合、脱硫剤は脱炭酸反応により生石灰(Ca
O)となり、さらにSO2ガスと反応して硫酸カルシウ
ム(以下CaSO4と記す)が脱硫剤の表面付近に形成
される。反応脱硫剤と未反応のSO2ガスを含む排ガス
は、エアヒータ10で温度を下げられ、さらに後続の低
温脱硫塔11に導かれる。
内の高温ガス中に石灰石を直接供給して、排ガス中のS
O2ガスを除去し、さらに後続のエアヒータ出口部に低
温脱硫塔を設けて、水噴霧により加湿して未反応のSO
2ガスを除去する方法が提案されている(特開昭61−
287421号等)。この方法の代表的なフローシート
を図6に示す。ボイラ1には空気供給口2と原料供給口
3からそれぞれ空気と燃料原料が供給され、燃焼ガスは
二次スーパヒータ8、一次スーパヒータ9を加熱した
後、エアヒータ10で冷却され低温脱硫塔11に導かれ
る。石灰石などの脱硫剤はフィーダで一定量を供給管4
よりボイラ1の火炉に供給されて高温域で一次脱硫され
る。この場合、脱硫剤は脱炭酸反応により生石灰(Ca
O)となり、さらにSO2ガスと反応して硫酸カルシウ
ム(以下CaSO4と記す)が脱硫剤の表面付近に形成
される。反応脱硫剤と未反応のSO2ガスを含む排ガス
は、エアヒータ10で温度を下げられ、さらに後続の低
温脱硫塔11に導かれる。
【0005】低温脱硫塔11内には水供給管12に接続
している水スプレーノズル26から水が噴霧され、塔内
の排ガスの温度が下げられ、湿度が上げられる。この
際、脱硫剤表面の亜硫酸カルシウム(CaSO3)が水
を吸着して殻が破壊され、更に水分は脱硫剤内部の未反
応の生石灰(CaO)に吸着して消石灰(Ca(OH)
2)となる。該消石灰はSO2ガスと反応して亜硫酸カル
シウムになって、SO2ガスは除去される。反応した脱
硫剤は排ガスと共に集塵装置13に入って捕集され、廃
棄管14から廃棄される。また、浄化されたガスは煙突
15から大気中に排出される。
している水スプレーノズル26から水が噴霧され、塔内
の排ガスの温度が下げられ、湿度が上げられる。この
際、脱硫剤表面の亜硫酸カルシウム(CaSO3)が水
を吸着して殻が破壊され、更に水分は脱硫剤内部の未反
応の生石灰(CaO)に吸着して消石灰(Ca(OH)
2)となる。該消石灰はSO2ガスと反応して亜硫酸カル
シウムになって、SO2ガスは除去される。反応した脱
硫剤は排ガスと共に集塵装置13に入って捕集され、廃
棄管14から廃棄される。また、浄化されたガスは煙突
15から大気中に排出される。
【0006】前記した脱硫プロセス中の脱硫反応は以下
の式で示される。 ボイラ1における高温脱硫反応 CaCO3→CaO+CO2 (1) CaO+SO2+1/2O2→CaSO4 (2) 低温脱硫塔11における脱硫反応 CaSO4+2H2O→CaSO4・2H2O (3) CaO+H2O→Ca(OH)2 (4) Ca(OH)2+SO2→CaSO3・1/2H2O+1/2H2O (5) 通常、低温脱硫塔11での脱硫性能を上げるには、火炉
に石灰石を均一にしかも最適な温度領域に吹き込んで、
脱炭酸反応と同時に脱硫反応をさせる必要がある。ボイ
ラ火炉の幅は、大きいものでは10m前後になり石灰石
を均一に分散させないと脱硫性能が低下する。
の式で示される。 ボイラ1における高温脱硫反応 CaCO3→CaO+CO2 (1) CaO+SO2+1/2O2→CaSO4 (2) 低温脱硫塔11における脱硫反応 CaSO4+2H2O→CaSO4・2H2O (3) CaO+H2O→Ca(OH)2 (4) Ca(OH)2+SO2→CaSO3・1/2H2O+1/2H2O (5) 通常、低温脱硫塔11での脱硫性能を上げるには、火炉
に石灰石を均一にしかも最適な温度領域に吹き込んで、
脱炭酸反応と同時に脱硫反応をさせる必要がある。ボイ
ラ火炉の幅は、大きいものでは10m前後になり石灰石
を均一に分散させないと脱硫性能が低下する。
【0007】また、火炉に吹き込まれた石灰石は、一旦
脱炭酸反応により生石灰となり、SO2ガスと反応す
る。脱炭酸は温度が高いほど、また、滞留時間が長いほ
ど反応は進むが、温度が高すぎると生石灰の細孔がシタ
リングにより閉塞するので、脱硫反応は進みにくくな
る。ボイラ火炉の出口温度は石炭の性状により、またボ
イラ1の負荷により変化するので火炉の温度条件に応じ
て石灰石の吹き込む位置を変化させる必要がある。この
ため従来、脱硫用の均等分散装置を炉内に設けてノズル
の角度を変化できるようにした構造が提案されている
(特開平3−79905号、EPRI The 1991 SO2 Contro
l Symposium in Washington DC,Dec.3)。
脱炭酸反応により生石灰となり、SO2ガスと反応す
る。脱炭酸は温度が高いほど、また、滞留時間が長いほ
ど反応は進むが、温度が高すぎると生石灰の細孔がシタ
リングにより閉塞するので、脱硫反応は進みにくくな
る。ボイラ火炉の出口温度は石炭の性状により、またボ
イラ1の負荷により変化するので火炉の温度条件に応じ
て石灰石の吹き込む位置を変化させる必要がある。この
ため従来、脱硫用の均等分散装置を炉内に設けてノズル
の角度を変化できるようにした構造が提案されている
(特開平3−79905号、EPRI The 1991 SO2 Contro
l Symposium in Washington DC,Dec.3)。
【0008】しかし、ボイラ火炉の温度は1000℃以
上であり、脱硫剤供給機はこのような高温雰囲気でも十
分耐えるように水冷構造にする必要があり、このため装
置が複雑になりメンテナンス費も装置費も高くなる欠点
があった。また、ボイラ1の火炉の中央部まで石灰石を
均一に吹き込むためには、通常の固定式ノズルを用いた
場合、搬送ガス流速を増加する方法が採られているが、
ガス流速を上昇させると配管あるいはノズルの摩耗のト
ラブルが生じるのでそのため、ガス流速は通常50m/
s以下に抑える必要があった。また、石灰石吹き込み用
ノズルに石炭灰が付着する問題点を解決しなければなら
ない。このように脱硫剤の吹き込み用ノズルが一系統で
あると、ボイラの負荷に応じて脱硫剤の供給領域を自由
に変化させることが困難となる。
上であり、脱硫剤供給機はこのような高温雰囲気でも十
分耐えるように水冷構造にする必要があり、このため装
置が複雑になりメンテナンス費も装置費も高くなる欠点
があった。また、ボイラ1の火炉の中央部まで石灰石を
均一に吹き込むためには、通常の固定式ノズルを用いた
場合、搬送ガス流速を増加する方法が採られているが、
ガス流速を上昇させると配管あるいはノズルの摩耗のト
ラブルが生じるのでそのため、ガス流速は通常50m/
s以下に抑える必要があった。また、石灰石吹き込み用
ノズルに石炭灰が付着する問題点を解決しなければなら
ない。このように脱硫剤の吹き込み用ノズルが一系統で
あると、ボイラの負荷に応じて脱硫剤の供給領域を自由
に変化させることが困難となる。
【0009】また、特開平3−161016号公報には
二重噴霧管の内噴霧管内に微粉と高圧ガスを供給し、内
噴霧管と外噴霧管の間には低圧ガスを供給する火炉への
微粉供給ノズルが記載されている。このノズルは、微粉
噴霧用の高圧ガスの噴霧量を上げることで微粉の噴霧領
域を広げるには設備費用等で限界があるので、その周囲
から低圧ガスを供給することにより広い範囲の噴霧領域
を形成するというものである。さらに、実開昭57−3
5733号公報には煙道内に開口する消石灰噴射ノズル
の近傍に排ガス中へ拡散させる消石灰の拡散領域を広げ
るための圧縮空気噴出ノズルを設けた消石灰吹き込み装
置が開示されている。
二重噴霧管の内噴霧管内に微粉と高圧ガスを供給し、内
噴霧管と外噴霧管の間には低圧ガスを供給する火炉への
微粉供給ノズルが記載されている。このノズルは、微粉
噴霧用の高圧ガスの噴霧量を上げることで微粉の噴霧領
域を広げるには設備費用等で限界があるので、その周囲
から低圧ガスを供給することにより広い範囲の噴霧領域
を形成するというものである。さらに、実開昭57−3
5733号公報には煙道内に開口する消石灰噴射ノズル
の近傍に排ガス中へ拡散させる消石灰の拡散領域を広げ
るための圧縮空気噴出ノズルを設けた消石灰吹き込み装
置が開示されている。
【0010】しかし、前記特開平3−161016号公
報および実開昭57−35733号公報に記載されたノ
ズルはいずれも脱硫剤等の微粉噴出管が炉壁内に突出し
て配置されており、高温ガスで微粉噴出管が焼損するお
それが多分にある。また、前記両公報記載の微粉噴出管
の近傍から噴出する低圧ガスまたは圧縮空気の噴出量ま
たは噴出方向をコントロールする機構を持っていないた
め、消石灰等の噴出領域を調整することができない。ま
た、都市ゴミの焼却炉等においても、焼却炉の空塔部に
脱硫剤あるいは脱塩剤(塩化水素除去)を供給する場合
も同様の課題がある。
報および実開昭57−35733号公報に記載されたノ
ズルはいずれも脱硫剤等の微粉噴出管が炉壁内に突出し
て配置されており、高温ガスで微粉噴出管が焼損するお
それが多分にある。また、前記両公報記載の微粉噴出管
の近傍から噴出する低圧ガスまたは圧縮空気の噴出量ま
たは噴出方向をコントロールする機構を持っていないた
め、消石灰等の噴出領域を調整することができない。ま
た、都市ゴミの焼却炉等においても、焼却炉の空塔部に
脱硫剤あるいは脱塩剤(塩化水素除去)を供給する場合
も同様の課題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、火
炉壁面に設ける微粉噴出用配管、ノズルの摩耗および火
炉壁面から突出したノズルの焼損のおそれがあり、ま
た、負荷に応じて脱硫剤等の供給領域を自由に変化させ
ることが困難であった。そこで、本発明の目的は、燃焼
装置の中に脱硫剤等の酸性ガス処理用の反応剤の微粉体
噴出用ノズルを配置しないで、しかも燃焼装置の負荷に
応じて微粉体を最適な温度領域に供給できる微粉体吹き
込み装置を持った燃焼装置および排煙脱硫方法を提供す
ることである。
炉壁面に設ける微粉噴出用配管、ノズルの摩耗および火
炉壁面から突出したノズルの焼損のおそれがあり、ま
た、負荷に応じて脱硫剤等の供給領域を自由に変化させ
ることが困難であった。そこで、本発明の目的は、燃焼
装置の中に脱硫剤等の酸性ガス処理用の反応剤の微粉体
噴出用ノズルを配置しないで、しかも燃焼装置の負荷に
応じて微粉体を最適な温度領域に供給できる微粉体吹き
込み装置を持った燃焼装置および排煙脱硫方法を提供す
ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下のよう
な方法により達成される。すなわち、燃焼装置の火炉あ
るいは焼却炉の空塔部に酸性ガス処理用の反応剤の微粉
体を供給するための微粉体供給管と、この微粉体供給管
の近傍にブースト空気の導入角度を可変できるベーンを
備えたブースト空気供給管とから成る微粉体供給ノズル
を少なくとも一段備えた燃焼装置である。ここで、前記
燃焼装置はその負荷に応じて多段の微粉体供給ノズルの
内の使用微粉体供給ノズルを選択することまたはベーン
によりブースト空気の導入角度を調整することの少なく
ともいずれかを制御可能な構造とすることができる。ま
た、前記燃焼装置の負荷は火炉内あるいは焼却炉の空塔
部内の温度の検出により行うことができる。好ましく
は、微粉体供給ノズルの断面形状を角形構造とし、中央
部に微粉体供給管を設け、この微粉体供給管の上下にブ
ースト空気の導入角度を可変できるベーンを備えたブー
スト空気供給管を設けた構造とする。また、微粉体供給
管の先端は火炉壁面あるいは焼却炉の空塔部壁面に突出
させない構造とすることが望ましい。前記燃焼装置とし
ては火力発電所等のボイラまたはゴミ焼却炉が好適であ
り、この場合は微粉体として一般的に知られているアル
カリ金属またはアルカリ土類金属系脱硫剤または脱塩
剤、例えば消石灰、ドロマイト等を用いる。
な方法により達成される。すなわち、燃焼装置の火炉あ
るいは焼却炉の空塔部に酸性ガス処理用の反応剤の微粉
体を供給するための微粉体供給管と、この微粉体供給管
の近傍にブースト空気の導入角度を可変できるベーンを
備えたブースト空気供給管とから成る微粉体供給ノズル
を少なくとも一段備えた燃焼装置である。ここで、前記
燃焼装置はその負荷に応じて多段の微粉体供給ノズルの
内の使用微粉体供給ノズルを選択することまたはベーン
によりブースト空気の導入角度を調整することの少なく
ともいずれかを制御可能な構造とすることができる。ま
た、前記燃焼装置の負荷は火炉内あるいは焼却炉の空塔
部内の温度の検出により行うことができる。好ましく
は、微粉体供給ノズルの断面形状を角形構造とし、中央
部に微粉体供給管を設け、この微粉体供給管の上下にブ
ースト空気の導入角度を可変できるベーンを備えたブー
スト空気供給管を設けた構造とする。また、微粉体供給
管の先端は火炉壁面あるいは焼却炉の空塔部壁面に突出
させない構造とすることが望ましい。前記燃焼装置とし
ては火力発電所等のボイラまたはゴミ焼却炉が好適であ
り、この場合は微粉体として一般的に知られているアル
カリ金属またはアルカリ土類金属系脱硫剤または脱塩
剤、例えば消石灰、ドロマイト等を用いる。
【0013】また、本発明の上記目的は、以下のような
方法によっても達成される。すなわち、燃焼装置の火炉
あるいは焼却炉の空塔部にカルシウム系脱硫剤を供給し
て排ガス中の硫黄酸化物を除去する排煙脱硫方法におい
て、燃焼装置の負荷に応じて火炉あるいは焼却炉の空塔
部の最適脱硫温度領域に脱硫剤を導入するために、脱硫
剤噴出流領域の調整と共に空気流の噴出方向を調整する
排煙脱硫方法、または、燃焼装置の火炉あるいは焼却炉
の空塔部にアルカリ金属またはアルカリ土類金属系脱硫
剤を供給して排ガス中の硫黄酸化物を除去する排煙脱硫
方法において、火炉内あるいは焼却炉の空塔部内で排ガ
スの脱硫反応を行った後、後続のダクトあるいは低温脱
硫反応器で水を噴霧して排ガス温度を下げて未反応の排
ガス中の硫黄酸化物を脱硫処理させる排煙脱硫方法であ
る。前記排煙脱硫方法では、空気流を燃焼装置の火炉あ
るいは焼却炉の空塔部の上流側に向けて導入することが
望ましい。このときの空気流の温度は好ましくは、15
0℃以下で導入する。また、燃焼装置の負荷は火炉内あ
るいは焼却炉の空塔部内の温度の検出に基づき行うこと
が好ましい。また、本発明の反応剤に用いるアルカリ金
属またはアルカリ土類金属化合物とは、例えばナトリウ
ム、カリ、カルシウム、マグネシウム等の金属系化合物
である。
方法によっても達成される。すなわち、燃焼装置の火炉
あるいは焼却炉の空塔部にカルシウム系脱硫剤を供給し
て排ガス中の硫黄酸化物を除去する排煙脱硫方法におい
て、燃焼装置の負荷に応じて火炉あるいは焼却炉の空塔
部の最適脱硫温度領域に脱硫剤を導入するために、脱硫
剤噴出流領域の調整と共に空気流の噴出方向を調整する
排煙脱硫方法、または、燃焼装置の火炉あるいは焼却炉
の空塔部にアルカリ金属またはアルカリ土類金属系脱硫
剤を供給して排ガス中の硫黄酸化物を除去する排煙脱硫
方法において、火炉内あるいは焼却炉の空塔部内で排ガ
スの脱硫反応を行った後、後続のダクトあるいは低温脱
硫反応器で水を噴霧して排ガス温度を下げて未反応の排
ガス中の硫黄酸化物を脱硫処理させる排煙脱硫方法であ
る。前記排煙脱硫方法では、空気流を燃焼装置の火炉あ
るいは焼却炉の空塔部の上流側に向けて導入することが
望ましい。このときの空気流の温度は好ましくは、15
0℃以下で導入する。また、燃焼装置の負荷は火炉内あ
るいは焼却炉の空塔部内の温度の検出に基づき行うこと
が好ましい。また、本発明の反応剤に用いるアルカリ金
属またはアルカリ土類金属化合物とは、例えばナトリウ
ム、カリ、カルシウム、マグネシウム等の金属系化合物
である。
【0014】
【作用】以下、本発明の典型例であるボイラ火炉へのカ
ルシウム系脱硫剤の供給について述べる。ボイラの負荷
が下がった場合、火炉の高温域に石灰石等の脱硫剤を供
給する必要がある。従来法では火炉の高温域まで脱硫剤
が到達せず、火炉の温度が低い領域、例えば1000℃
以下の領域に吹き込まれた場合は、前記(1)式の脱炭
酸反応が十分に進まずCaCO3が残るので低温での脱
硫性能が低下する。逆に火炉の温度が高い領域、例えば
1300℃以上の領域に吹き込まれた場合は、(1)式
の反応は十分に進むが温度が高すぎるので生成したCa
Oがシタリングし、(2)式の反応は進みにくくなり、
低温での(4)式の反応は進まないので全体の脱硫効率
は低下する。
ルシウム系脱硫剤の供給について述べる。ボイラの負荷
が下がった場合、火炉の高温域に石灰石等の脱硫剤を供
給する必要がある。従来法では火炉の高温域まで脱硫剤
が到達せず、火炉の温度が低い領域、例えば1000℃
以下の領域に吹き込まれた場合は、前記(1)式の脱炭
酸反応が十分に進まずCaCO3が残るので低温での脱
硫性能が低下する。逆に火炉の温度が高い領域、例えば
1300℃以上の領域に吹き込まれた場合は、(1)式
の反応は十分に進むが温度が高すぎるので生成したCa
Oがシタリングし、(2)式の反応は進みにくくなり、
低温での(4)式の反応は進まないので全体の脱硫効率
は低下する。
【0015】通常、ボイラ火炉における石灰石等の脱硫
剤供給の最適温度領域は1000〜1200℃と言われ
ている。本発明によればボイラの負荷が変化したり、燃
料石炭の種類が変化しても、搬送空気量を増加させるこ
となく、ブースト空気量を増加することにより、最適な
温度領域に脱硫剤を供給することが可能となり、脱硫性
能を高く維持することができる。
剤供給の最適温度領域は1000〜1200℃と言われ
ている。本発明によればボイラの負荷が変化したり、燃
料石炭の種類が変化しても、搬送空気量を増加させるこ
となく、ブースト空気量を増加することにより、最適な
温度領域に脱硫剤を供給することが可能となり、脱硫性
能を高く維持することができる。
【0016】すなわち、ボイラの負荷が下がったり、あ
るいは灰の融点が低い石炭を焚いた場合にはベーンによ
りブースト空気の導入角度を大きくして、火炉の上流側
の高温域(1200℃付近)に脱硫剤を吹き込むことが
可能となる。また火炉の温度が高い場合には、脱硫剤の
複数設置される供給管を切り替えて複数の脱硫剤ノズル
内より下流側の脱硫剤ノズルを用いて、ベーンによりブ
ースト空気の導入角度を調整し、最適な温度領域に供給
することができる。こうして、脱硫剤ノズルの摩耗の心
配もなくなり、また脱硫剤ノズルをボイラ火炉の側壁に
設置しているので焼損することはなく、石炭灰等の灰が
付着する問題点も同時に解決できる。
るいは灰の融点が低い石炭を焚いた場合にはベーンによ
りブースト空気の導入角度を大きくして、火炉の上流側
の高温域(1200℃付近)に脱硫剤を吹き込むことが
可能となる。また火炉の温度が高い場合には、脱硫剤の
複数設置される供給管を切り替えて複数の脱硫剤ノズル
内より下流側の脱硫剤ノズルを用いて、ベーンによりブ
ースト空気の導入角度を調整し、最適な温度領域に供給
することができる。こうして、脱硫剤ノズルの摩耗の心
配もなくなり、また脱硫剤ノズルをボイラ火炉の側壁に
設置しているので焼損することはなく、石炭灰等の灰が
付着する問題点も同時に解決できる。
【0017】
【実施例】本発明は、下記の実施例によって、さらに詳
細に説明されるが、下記の例で制限されるものではな
い。本発明の一実施例の脱硫装置のフローシートを図1
(a)に示す。図1(a)に示すように、ボイラ1にお
いて、原料供給口3から供給された燃料は空気供給口2
から供給される空気により燃焼され、燃料中の硫黄分は
SO2ガスになる。排ガス中のSO2ガスは、ボイラ1の
火炉と二次スーパヒータ8の間において、供給管4から
脱硫剤として用いる石灰石を供給して脱硫される。供給
管4は分岐した配管からなり、各々の配管に設けられた
切替弁5を介して火炉の炉壁7に開口した脱硫剤ノズル
6に接続している。
細に説明されるが、下記の例で制限されるものではな
い。本発明の一実施例の脱硫装置のフローシートを図1
(a)に示す。図1(a)に示すように、ボイラ1にお
いて、原料供給口3から供給された燃料は空気供給口2
から供給される空気により燃焼され、燃料中の硫黄分は
SO2ガスになる。排ガス中のSO2ガスは、ボイラ1の
火炉と二次スーパヒータ8の間において、供給管4から
脱硫剤として用いる石灰石を供給して脱硫される。供給
管4は分岐した配管からなり、各々の配管に設けられた
切替弁5を介して火炉の炉壁7に開口した脱硫剤ノズル
6に接続している。
【0018】火炉内では、脱硫剤ノズル6から吹き込ま
れる石灰石と排ガス中のSO2ガスは前記(2)式に示
した反応により、硫酸カルシウムとして固定化される。
反応した石灰石と排ガスは二次スーパヒータ8から一次
スーパヒータ9を通り排ガスダクトからエアヒータ10
に入る。ここでボイラ1に入る空気は予熱されて空気供
給口2からボイラ1に入り、一方ボイラ1の排ガスは1
50℃前後に冷却される。
れる石灰石と排ガス中のSO2ガスは前記(2)式に示
した反応により、硫酸カルシウムとして固定化される。
反応した石灰石と排ガスは二次スーパヒータ8から一次
スーパヒータ9を通り排ガスダクトからエアヒータ10
に入る。ここでボイラ1に入る空気は予熱されて空気供
給口2からボイラ1に入り、一方ボイラ1の排ガスは1
50℃前後に冷却される。
【0019】さらに未反応のSO2ガスと火炉に吹き込
まれた石灰石を脱硫反応させる場合には、低温脱硫塔1
1を設置する。低温脱硫塔11では水供給管12により
供給される水を水ノズル26から塔内に噴霧し、排ガス
の温度を150℃から脱硫反応に最適である60〜70
℃に増湿冷却する。高温での脱硫反応により脱硫剤表面
に生成した硫酸カルシウムは、低温脱硫塔11内で水を
吸着して膨潤し、殻が破壊され、脱硫剤内部の未反応の
生石灰に水分が吸着して反応性の高い消石灰となる
((4)式)。ついで未反応のSO2ガスと消石灰が反
応して亜硫酸カルシウム(CaSO3)が形成される
((5)式)。低温脱硫塔11で反応したガスは出口ダ
クトを通って脱塵装置13に導かれ、脱硫剤およびダス
トが回収され、廃棄管14から系外に排出される。排ガ
スは煙突15より大気に放出される。
まれた石灰石を脱硫反応させる場合には、低温脱硫塔1
1を設置する。低温脱硫塔11では水供給管12により
供給される水を水ノズル26から塔内に噴霧し、排ガス
の温度を150℃から脱硫反応に最適である60〜70
℃に増湿冷却する。高温での脱硫反応により脱硫剤表面
に生成した硫酸カルシウムは、低温脱硫塔11内で水を
吸着して膨潤し、殻が破壊され、脱硫剤内部の未反応の
生石灰に水分が吸着して反応性の高い消石灰となる
((4)式)。ついで未反応のSO2ガスと消石灰が反
応して亜硫酸カルシウム(CaSO3)が形成される
((5)式)。低温脱硫塔11で反応したガスは出口ダ
クトを通って脱塵装置13に導かれ、脱硫剤およびダス
トが回収され、廃棄管14から系外に排出される。排ガ
スは煙突15より大気に放出される。
【0020】ここで、ボイラ1に石灰石を吹き込んで脱
硫反応をさせる場合、ボイラ1の負荷変動に応じて、ま
たは石炭種により火炉出口温度が変化するので、最適温
度領域(通常1000〜1200℃)に常に石灰石を吹
き込む必要がある。このため脱硫剤供給法として、図1
(b)に示すような脱硫剤ノズル6が有効である。図1
(b)は図1(a)のボイラ1の火炉の炉壁7に取付け
られた脱硫剤ノズル6部分の拡大図である。脱硫剤ノズ
ル6は脱硫剤供給管18とブースト空気管16およびベ
ーン21から主に構成されている。脱硫剤である石灰石
は脱硫剤ノズル6の中央部の脱硫剤供給管18から搬送
ガスにより炉内に供給される。搬送ガスの流速は通常1
0〜20m/sである。炉内に供給された脱硫剤23を
火炉内に均一に分散させると共に、最適な温度領域に供
給するために脱硫剤供給管18の上下にはブースト空気
管16を設け、ブースト空気により炉内の最適な温度領
域に脱硫剤23を分散させる。ブースト空気管16の炉
壁7における開口部には炉内に導入するブースト空気2
2の導入角度を上下方向に変化できるベーン21が並列
状に設けられている。並列ベーン21はリンク20によ
り一体化され、調節器17により動かされる調節ロッド
19により上下方向にその向きを自由に変化できる。調
節器17はボイラ内の温度、例えば火炉出口温度、二次
スーパヒータ出口温度あるいは一次スーパヒータ出口温
度の検出信号に基づき調節ロッド19の調整量を決定す
る。こうして、ベーン21の角度を変えて脱硫剤23を
最適な温度領域に供給することが可能となる。ブースト
空気22の流速を50〜150m/sにすることによ
り、炉内の中心部にまで均一に分散できる。また、ベー
ン21の角度調整によりブースト空気22、脱硫剤23
を火炉に対して下向きに供給すると、脱硫剤23の滞留
時間は増加し、脱炭酸反応と同時に脱硫反応を促進する
ことができる。
硫反応をさせる場合、ボイラ1の負荷変動に応じて、ま
たは石炭種により火炉出口温度が変化するので、最適温
度領域(通常1000〜1200℃)に常に石灰石を吹
き込む必要がある。このため脱硫剤供給法として、図1
(b)に示すような脱硫剤ノズル6が有効である。図1
(b)は図1(a)のボイラ1の火炉の炉壁7に取付け
られた脱硫剤ノズル6部分の拡大図である。脱硫剤ノズ
ル6は脱硫剤供給管18とブースト空気管16およびベ
ーン21から主に構成されている。脱硫剤である石灰石
は脱硫剤ノズル6の中央部の脱硫剤供給管18から搬送
ガスにより炉内に供給される。搬送ガスの流速は通常1
0〜20m/sである。炉内に供給された脱硫剤23を
火炉内に均一に分散させると共に、最適な温度領域に供
給するために脱硫剤供給管18の上下にはブースト空気
管16を設け、ブースト空気により炉内の最適な温度領
域に脱硫剤23を分散させる。ブースト空気管16の炉
壁7における開口部には炉内に導入するブースト空気2
2の導入角度を上下方向に変化できるベーン21が並列
状に設けられている。並列ベーン21はリンク20によ
り一体化され、調節器17により動かされる調節ロッド
19により上下方向にその向きを自由に変化できる。調
節器17はボイラ内の温度、例えば火炉出口温度、二次
スーパヒータ出口温度あるいは一次スーパヒータ出口温
度の検出信号に基づき調節ロッド19の調整量を決定す
る。こうして、ベーン21の角度を変えて脱硫剤23を
最適な温度領域に供給することが可能となる。ブースト
空気22の流速を50〜150m/sにすることによ
り、炉内の中心部にまで均一に分散できる。また、ベー
ン21の角度調整によりブースト空気22、脱硫剤23
を火炉に対して下向きに供給すると、脱硫剤23の滞留
時間は増加し、脱炭酸反応と同時に脱硫反応を促進する
ことができる。
【0021】図2に、本実施例の脱硫剤ノズル6の正面
図を示す。脱硫剤供給管18およびブースト空気管16
を角型の構造にすることにより、ブースト空気22をボ
イラ1の火炉の上流側に効率よく導入することが可能と
なる。
図を示す。脱硫剤供給管18およびブースト空気管16
を角型の構造にすることにより、ブースト空気22をボ
イラ1の火炉の上流側に効率よく導入することが可能と
なる。
【0022】図3に、排ガス量30,000Nm3/
h、火炉幅4m、高さ20mの燃焼設備を用いて、石灰
石を火炉に吹き込んだ場合の脱硫試験結果を示す。火炉
温度:1150〜1200℃、750ppmのSO2含
有ガスに対する石灰石のモル比:Ca/S=3、石灰石
(岡山県井倉地方産)の粒度:325メッシュパス95
%の条件で、ブースト空気温度を20〜300℃に変化
した結果、150℃までは脱硫率は40%以上である
が、ブースト空気温度を150℃以上にすると脱硫率は
次第に低下する。ブースト空気温度を上げると、ガスの
粘度は増加するが逆に密度が低下するために、炉内の高
温ガスとの混合性が良くなり、到達距離が下がる。この
ようにブースト空気温度を上げると炉内での脱硫剤の到
達距離が下がり、脱硫剤が炉内で均一に分散されなくな
るので、脱硫率が低下したと考えられる。
h、火炉幅4m、高さ20mの燃焼設備を用いて、石灰
石を火炉に吹き込んだ場合の脱硫試験結果を示す。火炉
温度:1150〜1200℃、750ppmのSO2含
有ガスに対する石灰石のモル比:Ca/S=3、石灰石
(岡山県井倉地方産)の粒度:325メッシュパス95
%の条件で、ブースト空気温度を20〜300℃に変化
した結果、150℃までは脱硫率は40%以上である
が、ブースト空気温度を150℃以上にすると脱硫率は
次第に低下する。ブースト空気温度を上げると、ガスの
粘度は増加するが逆に密度が低下するために、炉内の高
温ガスとの混合性が良くなり、到達距離が下がる。この
ようにブースト空気温度を上げると炉内での脱硫剤の到
達距離が下がり、脱硫剤が炉内で均一に分散されなくな
るので、脱硫率が低下したと考えられる。
【0023】図4に、火炉に脱硫剤を導入した後、さら
に後続の低温脱硫塔11で水を噴霧した場合の脱硫実験
結果を示す。SO2濃度:750ppm、Ca/S=
2、火炉温度:1150℃の条件で高温脱硫した後、さ
らに後続の低温脱硫塔11において水を噴霧して排ガス
温度を65℃まで下げ、相対湿度を75%にして脱硫し
た結果、従来法では100%のボイラ負荷の場合、脱硫
率は78%(火炉での高温脱硫率:27%、低温脱硫
率:51%)に対して60%のボイラ負荷では51%ま
で低下する。負荷が下がると火炉温度が低下するので、
それに応じて最適な温度領域に石灰石を吹き込まないと
火炉での脱硫性能は若干低下するが、それ以上に低温で
の脱硫性能が低下するので、全体の脱硫性能は大幅に低
下する。
に後続の低温脱硫塔11で水を噴霧した場合の脱硫実験
結果を示す。SO2濃度:750ppm、Ca/S=
2、火炉温度:1150℃の条件で高温脱硫した後、さ
らに後続の低温脱硫塔11において水を噴霧して排ガス
温度を65℃まで下げ、相対湿度を75%にして脱硫し
た結果、従来法では100%のボイラ負荷の場合、脱硫
率は78%(火炉での高温脱硫率:27%、低温脱硫
率:51%)に対して60%のボイラ負荷では51%ま
で低下する。負荷が下がると火炉温度が低下するので、
それに応じて最適な温度領域に石灰石を吹き込まないと
火炉での脱硫性能は若干低下するが、それ以上に低温で
の脱硫性能が低下するので、全体の脱硫性能は大幅に低
下する。
【0024】これに対して本実施例の場合、100%の
ボイラ負荷で脱硫率81%に対して負荷を60%に下げ
てもベーン21の角度を調整して最適な温度領域に石灰
石を吹き込むことにより、脱硫率は77%と大幅な低下
はなく、ほとんど負荷変動に対しても脱硫性能は変化し
ないことが分かる。また、本実施例の方法によると、脱
硫剤ノズル6の先端部はブースト空気で冷却されるので
焼損するおそれがない。以上述べたように、本実施例に
より原料として安価な石灰石を用いて、ボイラ1の火炉
に吹き込むことによりボイラ1での負荷変動に対して
も、排ガス中のSO2ガスを効率よく除去できる。
ボイラ負荷で脱硫率81%に対して負荷を60%に下げ
てもベーン21の角度を調整して最適な温度領域に石灰
石を吹き込むことにより、脱硫率は77%と大幅な低下
はなく、ほとんど負荷変動に対しても脱硫性能は変化し
ないことが分かる。また、本実施例の方法によると、脱
硫剤ノズル6の先端部はブースト空気で冷却されるので
焼損するおそれがない。以上述べたように、本実施例に
より原料として安価な石灰石を用いて、ボイラ1の火炉
に吹き込むことによりボイラ1での負荷変動に対して
も、排ガス中のSO2ガスを効率よく除去できる。
【0025】また、本発明の他の実施例を図5に示す。
脱硫剤ノズル6の構成は図1(b)に示したものと同様
であるがベーンの形式が異なる。すなわち、本実施例の
ベーンは複数のベーン片を一体構造的に備えた固定ベー
ン24と脱硫剤供給管18に支持される支持台25から
構成されている。固定ベーン24の中央部が支持台25
でピンにより支持されているので、調節器17により調
節ロッド19を動かして固定ベーン24の傾き角度を変
化させて、ブースト空気22の火炉への導入角度が調整
できる。ここではボイラ火炉に脱硫剤を供給する例を取
り上げて説明したが、都市ゴミ等の焼却炉にも同様に適
用できる。
脱硫剤ノズル6の構成は図1(b)に示したものと同様
であるがベーンの形式が異なる。すなわち、本実施例の
ベーンは複数のベーン片を一体構造的に備えた固定ベー
ン24と脱硫剤供給管18に支持される支持台25から
構成されている。固定ベーン24の中央部が支持台25
でピンにより支持されているので、調節器17により調
節ロッド19を動かして固定ベーン24の傾き角度を変
化させて、ブースト空気22の火炉への導入角度が調整
できる。ここではボイラ火炉に脱硫剤を供給する例を取
り上げて説明したが、都市ゴミ等の焼却炉にも同様に適
用できる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、排ガス中の酸性ガス処
理用反応剤の微粉体供給管の周りにブースト空気の導入
角度を自由に変化できるブースト空気供給管を設けてい
るので、燃焼装置の負荷が変わっても、火炉あるいは焼
却炉の空塔部の最適な温度領域に微粉体を均一に導入す
ることができるので、脱硫性能等の性能が低下すること
はない。
理用反応剤の微粉体供給管の周りにブースト空気の導入
角度を自由に変化できるブースト空気供給管を設けてい
るので、燃焼装置の負荷が変わっても、火炉あるいは焼
却炉の空塔部の最適な温度領域に微粉体を均一に導入す
ることができるので、脱硫性能等の性能が低下すること
はない。
【図1】 本発明の一実施例における脱硫装置のフロー
シートと火炉の脱硫剤ノズル構造を示す図である。
シートと火炉の脱硫剤ノズル構造を示す図である。
【図2】 図1の脱硫剤ノズル構造の正面図である。
【図3】 本発明の一実施例における火炉の脱硫剤ノズ
ル構造によるブースト空気温度と脱硫率との関係を示す
グラフの図である。
ル構造によるブースト空気温度と脱硫率との関係を示す
グラフの図である。
【図4】 本発明の一実施例における火炉に脱硫剤を導
入した後、低温脱硫塔で水を噴霧した場合の脱硫率と従
来技術の脱硫率との関係を示すグラフの図である。
入した後、低温脱硫塔で水を噴霧した場合の脱硫率と従
来技術の脱硫率との関係を示すグラフの図である。
【図5】 本発明の他の実施例の火炉の脱硫剤ノズル構
造を示す図である。
造を示す図である。
【図6】 従来技術の脱硫装置のフローシートの図であ
る。
る。
1…ボイラ、2…空気供給口、3…原料供給口、4…脱
硫剤供給管、5…切替弁、6…脱硫剤ノズル、7…炉
壁、11…低温脱硫塔、12…水供給管、13…脱塵装
置、16…ブースト空気管、17…調節器、18…脱硫
剤供給管、19…調節ロッド、21…ベーン、22…導
入空気、23…脱硫剤、24…固定ベーン、25…支持
台
硫剤供給管、5…切替弁、6…脱硫剤ノズル、7…炉
壁、11…低温脱硫塔、12…水供給管、13…脱塵装
置、16…ブースト空気管、17…調節器、18…脱硫
剤供給管、19…調節ロッド、21…ベーン、22…導
入空気、23…脱硫剤、24…固定ベーン、25…支持
台
フロントページの続き (72)発明者 野坂 浩之 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 橋本 泰樹 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 倉増 公治 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内
Claims (11)
- 【請求項1】 燃焼装置の火炉あるいは焼却炉の空塔部
に酸性ガス処理用反応剤の微粉体を供給するための微粉
体供給管と、この微粉体供給管の近傍にブースト空気の
導入角度を可変できるベーンを備えたブースト空気供給
管とから成る微粉体供給ノズルを少なくとも一段備えた
ことを特徴とする燃焼装置。 - 【請求項2】 燃焼装置の負荷に応じて多段の酸性ガス
処理用反応剤の微粉体供給ノズルの内の使用微粉体供給
ノズルを選択することまたはベーンによりブースト空気
の導入角度を調整することの少なくともいずれかを制御
可能な構造としたことを特徴とする請求項1記載の燃焼
装置。 - 【請求項3】 燃焼装置の負荷は火炉内あるいは焼却炉
の空塔部内の温度の検出により行う構造としたことを特
徴とする請求項1または2記載の燃焼装置。 - 【請求項4】 酸性ガス処理用反応剤の微粉体供給ノズ
ルの断面形状を角形構造とし、中央部に微粉体供給管を
設け、この微粉体供給管の上下にブースト空気の導入角
度を可変できるベーンを備えたブースト空気供給管を設
けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
燃焼装置。 - 【請求項5】 酸性ガス処理用反応剤の微粉体供給管の
先端は火炉壁面あるいは焼却炉の空塔部壁面に突出させ
ない構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいず
れかに記載の燃焼装置。 - 【請求項6】 燃焼装置はボイラであり、微粉体はアル
カリ金属またはアルカリ土類金属からなる反応剤である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃焼
装置。 - 【請求項7】 燃焼装置の火炉あるいは焼却炉の空塔部
にカルシウム系脱硫剤を供給して排ガス中の硫黄酸化物
を除去する排煙脱硫方法において、燃焼装置の負荷に応
じて火炉あるいは焼却炉の空塔部の最適脱硫温度領域に
脱硫剤を導入するために、脱硫剤噴出流領域の調整と共
に空気流の噴出方向を調整することを特徴とする排煙脱
硫方法。 - 【請求項8】 空気流を燃焼装置の火炉あるいは焼却炉
の空塔部の上流側に向けて導入することを特徴とする請
求項7記載の排煙脱硫方法。 - 【請求項9】 空気流の温度を150℃以下で導入する
ことを特徴とする請求項7または8記載の排煙脱硫方
法。 - 【請求項10】 燃焼装置の負荷は火炉内あるいは焼却
炉の空塔部内の温度の検出に基づき行うことを特徴とす
る請求項7〜9のいずれかに記載の排煙脱硫方法。 - 【請求項11】 燃焼装置の火炉あるいは焼却炉の空塔
部にアルカリ金属またはアルカリ土類金属系脱硫剤を供
給して排ガス中の硫黄酸化物を除去する排煙脱硫方法に
おいて、火炉内あるいは焼却炉の空塔部内で排ガスの脱
硫反応を行った後、後続のダクトあるいは低温脱硫反応
器で水を噴霧して排ガス温度を下げて未反応の排ガス中
の硫黄酸化物を脱硫処理させることを特徴とする排煙脱
硫方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5001427A JPH06205931A (ja) | 1993-01-07 | 1993-01-07 | 燃焼装置および排煙脱硫方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5001427A JPH06205931A (ja) | 1993-01-07 | 1993-01-07 | 燃焼装置および排煙脱硫方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06205931A true JPH06205931A (ja) | 1994-07-26 |
Family
ID=11501163
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5001427A Pending JPH06205931A (ja) | 1993-01-07 | 1993-01-07 | 燃焼装置および排煙脱硫方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06205931A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100654532B1 (ko) * | 2006-04-28 | 2006-12-05 | 벽산엔지니어링주식회사 | 산성가스 처리장치용 안내깃 |
CN102597626A (zh) * | 2009-11-06 | 2012-07-18 | 宇部兴产株式会社 | 处理废气的方法和设备 |
CN103119366A (zh) * | 2010-06-25 | 2013-05-22 | 宇部兴产株式会社 | 燃料处理系统、排气利用方法和排气利用装置 |
WO2014084129A1 (ja) | 2012-11-28 | 2014-06-05 | 住友金属鉱山株式会社 | 中和処理方法及び中和剤 |
CN107837626A (zh) * | 2017-11-17 | 2018-03-27 | 安徽中科自动化股份有限公司 | 温度触发的手烧炉燃煤烤房除尘脱硫脱硝方法及装置 |
JP2020146624A (ja) * | 2019-03-13 | 2020-09-17 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 排ガス処理装置及び排ガス処理方法 |
-
1993
- 1993-01-07 JP JP5001427A patent/JPH06205931A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100654532B1 (ko) * | 2006-04-28 | 2006-12-05 | 벽산엔지니어링주식회사 | 산성가스 처리장치용 안내깃 |
CN102597626A (zh) * | 2009-11-06 | 2012-07-18 | 宇部兴产株式会社 | 处理废气的方法和设备 |
CN103119366A (zh) * | 2010-06-25 | 2013-05-22 | 宇部兴产株式会社 | 燃料处理系统、排气利用方法和排气利用装置 |
CN104748141A (zh) * | 2010-06-25 | 2015-07-01 | 宇部兴产株式会社 | 排气利用方法 |
CN104748141B (zh) * | 2010-06-25 | 2017-03-15 | 宇部兴产株式会社 | 排气利用方法 |
WO2014084129A1 (ja) | 2012-11-28 | 2014-06-05 | 住友金属鉱山株式会社 | 中和処理方法及び中和剤 |
CN107837626A (zh) * | 2017-11-17 | 2018-03-27 | 安徽中科自动化股份有限公司 | 温度触发的手烧炉燃煤烤房除尘脱硫脱硝方法及装置 |
CN107837626B (zh) * | 2017-11-17 | 2023-05-12 | 安徽中科自动化股份有限公司 | 温度触发的手烧炉燃煤烤房除尘脱硫脱硝方法及装置 |
JP2020146624A (ja) * | 2019-03-13 | 2020-09-17 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 排ガス処理装置及び排ガス処理方法 |
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