JPWO2011158945A1 - ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液 - Google Patents

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Abstract

無機物の分散性等に優れ、充分な経時的な分散性を示し、色調の良好なポリ(メタ)アクリル酸系重合体を含む水溶液を提供する。本発明にかかる水溶液は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体を含む水溶液であって、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の全カルボキシル基100モル%に対して、30〜85モル%のカルボキシル基が、カルボキシル基のアルカリ金属塩であり、15〜70モル%のカルボキシル基が、酸型のカルボキシル基であり、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体はリン含有基を有し、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量は2000〜9000であり、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液に含まれる硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度が、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液に対して1000〜10000ppmであることを特徴とする水溶液である。

Description

本発明は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液に関する。より詳しくは、無機粒子の分散等に優れ、色調に優れるポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液に関するものである。
ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム等に代表されるカルボキシル基含有重合体は、洗剤ビルダー、顔料分散剤(無機粒子の分散剤)、水処理剤(スケール成分の付着防止剤)等の用途に、広く使用されている。これらの市場において、より高い性能を有する重合体が要求されている。
そのような要求に応える方法として、例えば特許文献1には、α、β−モノエチレン性不飽和カルボン酸の重合体等に対し、これらの100重量部当たり1〜70重量部の範囲でカルシウム等の金属を含む化合物を反応させ、pH4以上に維持した重合体等が開示されている。例えば特許文献2には、重合期間中の所定期間、連鎖移動剤を連続的に添加する水溶性重合体の製造方法であって、連鎖移動剤の単量体に対する添加速度を少なくとも一回変化させることを特徴とする水溶性重合体の製造方法が開示されている。例えば特許文献3には、モノカルボン酸(塩)モノエチレン性不飽和単量体等からなる単量体成分を、アルカリ物質の存在下で、重合触媒を使用しかつ高濃度で水溶液重合させる方法であって、前記重合触媒として過硫酸塩および過酸化水素を併用し、かつ、前記アルカリ性物質の全使用量は前記単量体成分の全酸基を中和するのに必要な量の99mol%以下とするとともに、前記過酸化水素の滴下を前記単量体成分の滴下終了時間よりも10分以上早く終了するようにすることを特徴とする、低分子量(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法が開示されている。
また、例えば特許文献4には、アクリル酸ポリマー及び/又はコポリマーから成る粉砕剤であり、少なくとも1つの一価官能基を有する中和剤少なくとも1種によって部分中和された前記ポリマー及び/又はコポリマーから成る顔料用粗粒無機物質の水性懸濁液の粉砕剤が開示されている。例えば特許文献5には、顔料として使用するのに好適な鉱物材料の分散物を製造する方法であって、(A)水と、粒子を含む粉砕される鉱物とを含む混合物であって、当該混合物の合計重量を基準にして少なくとも75重量%の固体含有量を有する混合物を製造する工程、(B)完全に中和された分散剤を、混合物中に存在する鉱物の乾燥重量を基準にして0.1〜0.5重量%の量で混合物に導入する工程、(C)混合物を粉砕して、水性分散物を生じさせる工程、(D)酸基の当量を基準にして少なくとも30%中和されている、部分的に中和された分散剤の少なくとも2つの割当て分を、粉砕の間に分散物に導入する工程、ただし当該割当て分の合計は混合物中に存在する鉱物の乾燥重量を基準にして0.2〜1.0重量%である、並びに、(E)鉱物粒子の95%以上が2ミクロン未満の最大寸法を有するまで、分散物を粉砕するのを継続する工程を含む方法が開示されている。
特開昭54−82416号公報 特開2005−139469号公報 特開2002−80502号公報 特開昭59−47265号公報 特開2009−242784号公報
上述のように、カルボキシル基含有重合体について種々検討が行われている。例えば、特許文献1の重合体等は、少量の添加で良好な顔料分散効果を示す、とされている。特許文献2の製造方法により得られる重合体は、残存単量体量を低減することができると共に、得られる重合体の分子量分布を狭くすることができ、更に良好な炭酸カルシウムの分散能を示す、とされている。特許文献3の製造方法により得られる重合体は、良好な顔料の分散能を示す、とされている。特許文献4の粉砕剤を用いることで、乾燥固形分濃度が高く同時に粉末度が大きく粘度が粉砕直後に小さくてしかも経時的に安定な顔料用水性懸濁液を得ることができる、とされている。また、特許文献5の方法によれば、低い初期粘度、高い固体含有量および時間の経過による最小の粘度増加の鉱物分散物を生じさせることが可能である、とされている。
しかしながら、例えば、近年の顔料塗工機の高度化、精密化に伴い、顔料分散能、とりわけ経時変化の少ない分散性能において、従来よりも高性能な重合体への要求が高まってきた。更に、例えば紙処理用顔料スラリーの分散剤用途に使用する場合、上記性能に加えて、紙の白色度に影響しないように、着色の少ない重合体組成物が要求されている。
そこで、本発明は、無機物の分散性等に優れ、充分な経時的な分散性を示し、優れた色調を有する重合体(水溶液)を提供することを目的とする。
本発明者等は、重合体(水溶液)について、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、特定のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を含む水溶液が、良好な無機物の分散性と、充分な経時安定性のある分散性とを発現することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明にかかる水溶液は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体を含む水溶液であって、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の全カルボキシル基100モル%に対して、30〜85モル%のカルボキシル基が、カルボキシル基のアルカリ金属塩であり、15〜70モル%のカルボキシル基が、酸型のカルボキシル基であり、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体はリン含有基を有し、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量は2000〜8000であり、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液に含まれる硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度が、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液に対して1000〜10000ppmであることを特徴とする水溶液である。
本発明の別の局面からは、無機粒子の分散剤が提供される。すなわち、本発明の無機粒子の分散剤は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体を含む無機粒子の分散剤であって、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の全カルボキシル基100モル%に対して、30〜85モル%のカルボキシル基が、カルボキシル基のアルカリ金属塩であり、15〜70モル%のカルボキシル基が、酸型のカルボキシル基であり、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体はリン含有基を有し、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量は2000〜8000であり、上記分散剤に含まれる硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度が、上記分散剤に対して1000〜10000ppmであることを特徴とする無機粒子の分散剤である。
本発明の別の局面からは、無機粒子スラリーが提供される。すなわち、本発明の無機粒子スラリーは、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体を含む無機粒子スラリーであって、当該無機スラリーは、無機粒子スラリー100質量%に対してポリ(メタ)アクリル酸系重合体を酸型換算で0.05〜10質量%含み、無機粒子を70質量%以上含むことを特徴とする無機粒子スラリーである。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を含む水溶液は、優れた色調を有し、優れた泥汚れや無機顔料等の無機粒子の分散性、経時的な分散力を発揮することができる。したがって、洗剤ビルダーや無機粒子の分散剤として使用したときに、優れた洗浄力や、経時的に安定な無機粒子の分散性を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ポリ(メタ)アクリル酸系重合体]
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液(本発明の重合体水溶液とも言う)は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体(本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体とも言う)を含む。
上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体とは、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造を含んでいる重合体を表し、該(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造とは、(メタ)アクリル酸(塩)がラジカル重合することにより形成される構造であって、−CHCR(COOM)−、で表される構造である。該構造中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Mは、水素原子、金属原子、アンモニウム塩、有機アミン塩を表す。上記金属原子としては、Li、Na、K等のアルカリ金属原子、Ca、Mg等のアルカリ土類金属原子等が例示される。
上記(メタ)アクリル酸(塩)とは、アクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸、メタクリル酸塩を表し、これらの中でも、アクリル酸、アクリル酸塩が好ましい。これら(メタ)アクリル酸(塩)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記(メタ)アクリル酸(塩)における塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属塩が好ましく、より好ましくは、ナトリウム塩である。これら(メタ)アクリル酸(塩)における塩は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
ただし、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造として、(メタ)アクリル酸由来の構造と、(メタ)アクリル酸塩由来の構造とを必須として含むものであり、該(メタ)アクリル酸塩由来の構造として、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩由来の構造を必須として含むものである。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、当該ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の全カルボキシル基100モル%に対して、15〜70モル%のカルボキシル基が、酸型のカルボキシル基(未中和のカルボキシル基)である。酸型のカルボキシル基の割合として好ましくは20〜70モル%、より好ましくは30〜70モル%、更に好ましくは40〜70モル%である。上記範囲に設定することにより、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を無機粒子のスラリーに使用した場合に、スラリー粘度の経時的な安定性が向上し、更にポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の色調も良好なものとなる。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、当該ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の有するカルボキシル基が一部中和されている(部分中和)ところに特徴を有しており、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の全カルボキシル基100モル%に対して、30〜85モル%のカルボキシル基が、カルボキシル基のアルカリ金属塩である。カルボキシル基のアルカリ金属塩の割合として好ましくは30〜80モル%、より好ましくは30〜70モル%、更に好ましくは30〜60モル%である。上記範囲に設定することにより、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を無機粒子のスラリーに使用した場合に、スラリー粘度の経時的な安定性が向上する。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、当該ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の有する全単量体由来の構造(すなわち(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造と後述するその他の単量体由来の構造との合計)100モル%に対して、(メタ)アクリル酸由来の構造を15〜70モル%含有することが好ましく、20〜70モル%含有することがより好ましく、30〜70モル%含有することが更に好ましく、40〜70モル%含有することが特に好ましい。上記範囲に設定することにより、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を無機粒子のスラリーに使用した場合に、スラリー粘度の経時的な安定性がより向上し、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の色調もより良好なものとなる。
なお、上記(メタ)アクリル酸由来の構造とは、−CH(R)CH(COOH)−、で表される構造(Rは、H、CHを表す。)であり、カルボキシル基が塩である構造は含まない。本発明において、例えばアクリル酸を重合した後、当該カルボキシル基を中和した場合はアクリル酸塩由来の構造であり、アクリル酸由来の構造には含まない。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、当該ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の有する全単量体由来の構造100モル%に対して、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩由来の構造を30〜85モル%含有することが好ましく、30〜80モル%含有することがより好ましく、30〜70モル%含有することが更に好ましく、30〜60モル%含有することが特に好ましい。上記範囲に設定することにより、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を無機粒子のスラリーに使用した場合に、スラリー粘度の経時的な安定性がより向上する。
なお、上記(メタ)アクリル酸塩由来の構造とは、上記の通り(メタ)アクリル酸塩がラジカル重合することにより形成される構造であるが、実際に(メタ)アクリル酸塩が重合した構造に限られない。例えば、(メタ)アクリル酸を重合した後に、当該カルボキシル基((メタ)アクリル酸基)を適当な塩基で中和してカルボキシル基の塩とした場合の構造も、(メタ)アクリル酸塩由来の構造に含まれる。すなわち、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩由来の構造とは、原料、製法にかかわらず、−CH(R)CH(COOM)−、で表される構造(Rは、H、CH、MはLi、Na、K等のアルカリ金属原子)である。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩由来の構造以外の(メタ)アクリル酸塩由来の構造を含有していてもよい。本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体における、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩由来の構造以外の(メタ)アクリル酸塩由来の構造の含有量としては、当該ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の有する全単量体由来の構造100モル%に対して、0〜30モル%であることが好ましく、より好ましくは0〜20モル%であり、更に好ましくは0〜10モル%である。上記範囲に設定することにより、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を無機粒子のスラリーに使用した場合に、スラリー粘度の経時的な安定性がより向上する。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造のみを有していても構わないが、(メタ)アクリル酸(塩)と共重合可能なその他の単量体由来の構造を含んでいても構わない。
その他の単量体としては、具体的にはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、2−メチレングルタル酸、及びそれらの塩等の(メタ)アクリル酸以外のカルボキシル基含有単量体及びその塩;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアルキル基のエステルである、アルキル(メタ)アクリレート類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びその4級化物等のアミノ基含有アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド等のアミド基含有単量体類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;スチレン等の芳香族ビニル系単量体類;マレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体類;3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸基を有する単量体及びそれらの塩;ビニルホスホン酸、(メタ)アリルホスホン酸等のホスホン酸基を有する単量体;(メタ)アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル系単量体類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルピロリドン等のその他官能基含有単量体類;ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、モノアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコールにアルキレンオキシドが1〜300モル付加した構造を有する単量体等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;等が挙げられる。これらその他の単量体についても、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体に含まれる全単量体由来の構造(すなわち、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造とその他の単量体由来の構造との合計)100質量%に対して、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造を酸型換算で90質量%以上含むことが好ましい。90質量%以上であれば、本発明の重合体水溶液の経時的な無機粒子(顔料)の分散性能がより向上する傾向にある。
ここで、酸型換算とは、塩型の単量体を対応する酸型単量体として質量割合を計算することをいい、例えば(メタ)アクリル酸ナトリウム由来の構造であれば、(メタ)アクリル酸由来の構造として質量割合を計算する。その他の単量体も同様に酸型換算で計算する。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体に含まれる全単量体由来の構造100質量%に対する、その他の単量体由来の構造が0〜10質量%であることが好ましい。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、分子量分布を抑制し、経時的な分散力が向上することから、リン含有基を有する。好ましくは、重合体の主鎖にリン原子を有する。リン含有基は、例えば後述するとおり、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を製造する際に、連鎖移動剤として次亜リン酸(塩)等の含リン化合物を使用することにより分子中に導入することができる。リン含有基としては、ホスフィネート基、ホスホネート基、リン酸エステル基等が例示される。経時的な分散力が特に向上することから、ホスフィネート基が特に好ましい。
ポリ(メタ)アクリル酸系重合体に導入されたリン含有基は、例えば31P−NMR分析により検出することができる。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量は、2,000〜9,000である。重量平均分子量として好ましくは2,500〜8,500であり、より好ましくは3,000〜8,000である。この重量平均分子量の値が大きすぎると、粘度が高くなり、取扱いが煩雑になるおそれがある。一方、この重量平均分子量の値が小さすぎると、クレーや無機粒子等の分散性が低下し、洗剤ビルダーや顔料(無機粒子)分散剤として充分な性能が発揮されなくなるおそれがある。
なお、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量の値としては、後述する実施例に記載の手法により測定される値を採用するものとする。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、1.1〜3.0であることが好ましく、より好ましくは、1.5〜2.8であり、更に好ましくは、1.8〜2.6である。
この分子量分布の値が小さすぎると、例えば、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を無機物の分散剤として使用した場合に、無機物を湿式粉砕した場合の粉砕直後のスラリー粘度が増加するおそれがあり、また、この分子量分布の値が大きすぎると、スラリーの経時粘度安定性が低下するおそれがある。
なお、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体の分子量分布の値としては、後述する実施例に記載の手法により測定される値を採用するものとする。
[ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液]
本発明の重合体水溶液中には、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体が必須に含まれる。このほか、未反応の(メタ)アクリル酸(塩)、未反応のその他の単量体、未反応の重合開始剤、重合開始剤分解物等が含まれうる。
なお、本明細書中、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体と、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液とを合わせた総称として、「本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)」との表記が用いられることもある。
上記重合体水溶液中に存在する未反応の単量体の含有量((メタ)アクリル酸(塩)とその他の単量体との合計の含有量)は、使用する単量体の種類によっても異なるが、重合体水溶液の固形分100質量%に対して1質量%未満が好ましい。より好ましくは0.5質量%未満であり、更に好ましくは0.1質量%未満である。
上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液は、特に制限されるものではないが、後述する水系溶媒中でポリ(メタ)アクリル酸系重合体を製造した後に、不純物除去等の精製工程を経て製造されるものであっても構わないが、生産効率性の観点から、好ましくは、精製工程を経ずに得られるものが好ましい。更に、水系溶媒中でポリ(メタ)アクリル酸系重合体を合成する重合工程の後に、得られた重合水溶液を、取扱いの便等のため、少量の水にて希釈(得られた重合体水溶液100質量%に対して1〜400質量%程度)したり、濃縮したりしたものも、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液に含まれる。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液は、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体の他、水を必須とする溶媒を含むことになる。その場合、溶媒の含有量は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体100質量%に対して、50〜500質量%が好ましく、60〜400質量%がより好ましく、80〜300質量%が更に好ましく、90〜200質量%が最も好ましい。
また、本発明の重合体水溶液における、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体の含有量は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液100質量%に対して、16〜66質量%が好ましく、20〜62質量%がより好ましく、25〜60質量%が更に好ましい。
後述するように、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の使用上の制限から、また、性能向上の観点から、本発明の重合体水溶液の有機溶剤の含有量は極力低減させることが好ましく、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液100質量%に対し、有機溶剤の含有量は10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液は、硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度が、本発明の重合体水溶液に対して1000〜10000ppmであることを特徴としている。硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度が10000ppmを超えると、重合体水溶液の経時的な無機粒子の分散性能が低下する傾向にある。硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度を1000ppm未満に設定すると、経時的な無機粒子の分散性能が優れた重合体水溶液を製造することが困難となる。
上記硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンとしては、硫酸イオン、亜硫酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、次亜リン酸イオン等が例示される。
上記重合体水溶液は、後述する有効成分値を35〜45%に調整したときの硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度が上記範囲になるようにすることが好ましい。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、次亜リン酸(塩)の存在下で重合して製造された場合、無機粒子の分散性が特に向上する為、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液はリン原子を含む無機の陰イオンを含むことが好ましく、例えばリン原子を含む無機の陰イオンを上記水溶液に対して1000〜6000ppm含むことが好ましい。リン原子を含む無機の陰イオンの濃度がこのような範囲であると、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液を用いて無機粒子スラリーを作製した場合の、乾燥後の無機粒子スラリーの色調が更に良好なものとなる。一方で、リン原子を含む無機の陰イオンの濃度が6000ppmを超えると、無機粒子の経時的な分散安定性が低下するおそれがある。上記水溶液に含まれる、リン原子を含む無機の陰イオンの濃度としてより好ましくは、上記水溶液に対して1500〜5500ppmであり、更に好ましくは、2000〜5000ppmであり、特に好ましくは、2500〜4500ppmである。
上記重合体水溶液は、後述する有効成分値を35〜45%に調整したときのリン原子を含む無機の陰イオンの濃度が上記範囲になるようにすることが好ましい。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液は、固形分(不揮発分)濃度を35〜70質量%に調整したときの粘度(25℃)が300〜1500mPa・sであることが好ましい。上記範囲に設定することにより、重合体水溶液の色調等の保存安定性が良好になり、また、例えば無機粒子の分散剤として使用したときに、スラリー製造設備上の操作性が向上する。ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の粘度は、使用する開始剤種や使用量、中和剤種やその使用量、中和度等で容易に調整できる。より好ましくは、350〜1300mPa・sであり、特に好ましくは400〜1000mPa・sである。
なお、粘度は、B型粘度計を使用し、測定条件としては、ローターNo.4、60rpm、5分間で測定した値をいう。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液は、固形分(不揮発分)濃度を35〜70質量%に調整したときのpHが4.0〜9.0であることが好ましい。上記範囲に設定することにより、重合体水溶液の色調等の保存安定性が良好になり、また、例えば無機粒子の分散剤として使用したときに、良好な分散性を発現することが可能となる。ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液のpHは、使用する開始剤種や使用量、中和剤種やその使用量、中和度等で容易に調整できる。より好ましくは、4.0〜8.0であり、特に好ましくは4.0〜6.0である。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液は、着色が少ないことが好ましく、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の色調として、日本電色工業社製の測色色差計SE2000型を用いて測定されるb値が、4.6以下であることが好ましい。より好ましくは、3.0以下、更に好ましくは2.8以下、特に好ましくは2.7以下である。後述する本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の製造方法によれば、重合体水溶液の着色を低く抑える(色調を良好とする)ことが可能である。着色が少ないと、例えば分散剤用途や洗剤ビルダー用途に好ましく使用することができる。
[ポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物]
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液は、乾燥、又は、その他の溶剤で置換・希釈して使用することもできる(ポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物という)。本発明のポリアクリル酸系重合体水溶液を乾燥後水に再溶解したり、乾燥後に他の任意な成分を添加したものも本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる。
なお、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる未反応の単量体の含有量、溶媒や有機溶剤の含有量、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体の含有量、硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度、粘度、pH、及びb値は、それぞれ上述した本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液と同様であることが好ましい。
[ポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)の製造方法]
<単量体組成>
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、(メタ)アクリル酸(塩)を必須として重合することにより製造されることが好ましい。本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、(メタ)アクリル酸(塩)に加えて、上述したその他の単量体を共重合することにより製造しても構わない。本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体の製造に用いる全単量体((メタ)アクリル酸(塩)とその他の単量体との合計をいう)100質量%に対する(メタ)アクリル酸(塩)の割合は、酸型換算で90質量%以上であることが好ましい。90質量%以上であれば、得られる重合体水溶液の経時的な無機粒子の分散性能が向上する傾向にある。
ここで、上記の通り、酸型換算とは、塩型の単量体を対応する酸型単量体として質量割合を計算することをいい、例えば(メタ)アクリル酸ナトリウムであれば、(メタ)アクリル酸として質量割合を計算する。その他の単量体も同様に酸型換算で計算する。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)の製造方法としては、(メタ)アクリル酸(塩)として、アクリル酸、アクリル酸塩を使用することが好ましい。
<中和工程>
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)は、酸型及び/又は部分中和型のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を含む水溶液を、アルカリ金属化合物で中和する工程(工程N)を含むことにより製造することが好ましい。該製造方法によれば、得られる重合体水溶液の色調等が特に良好になり、また、例えば無機粒子の分散剤として使用したときに、特に良好な分散性を発現する傾向にある。上記アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩が挙げられる。上記工程Nにおいては、上記アルカリ金属化合物以外の中和剤を使用することも可能であり、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、モノエタノールアミンやジエタノールアミン等のアミン、アンモニア等が例示される。
上記工程Nで使用されるアルカリ金属化合物の使用量は、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の全カルボキシル基に対するカルボキシル基のアルカリ金属塩の割合が上記に範囲になるように設定されるが、例えば上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の全カルボキシル基100モル%に対して、30〜85モル%である。
ただし、製造工程の簡略化を目的として、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩を必須として重合を行うことによって、中和工程を経ずにポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液を製造しても構わない。この場合、開始剤由来の構造を重合体分子中に取り込むことが困難になる傾向にある為、洗剤添加物や無機粒子の分散剤としては使用し難くなる場合がある。
<重合工程>
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)は、(メタ)アクリル酸(塩)を必須として重合して、酸型及び/又は部分中和型のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を含む水溶液を製造する工程を含んで、製造することが好ましい(工程Pという)。
本発明の製造方法が中和工程(工程N)を含む場合、工程Pにより製造される(工程P後の)酸型及び/又は部分中和型のポリ(メタ)アクリル酸系重合体の中和率(全酸基(中和及び未中和)に対する中和されている酸基の割合)としては、最終製品の中和率よりも低く設定されるが、経時的な無機粒子の分散性能や水溶液に色調が向上する傾向にあることから、0〜10%が好ましく、0〜7%がより好ましく、0〜5%が特に好ましい。
(重合開始剤)
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、(メタ)アクリル酸(塩)を必須として含む単量体組成物を、重合開始剤(開始剤とも言う)の存在下に重合して得ることができる。
上記重合開始剤としては、通常重合開始剤として用いられているものを使用することができ、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノパレリン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が好適である。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよいし、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。重合体の分子量分布が小さくなる傾向にあるので、1種のみを使用することが好ましい。
上記重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、全単量体成分1モルに対して、15g以下であることが好ましい。より好ましくは0.1〜12gである。
上記重合開始剤の中でも、得られるポリ(メタ)アクリル酸系重合体の無機粒子の分散性に大きな影響を及ぼさないものとして、過硫酸塩を使用することが特に好ましい。ただし、無機粒子の経時的な分散力が向上することから、過硫酸塩の使用量を全単量体1モルに対して、1.9g以下とすることが好ましく、1.6g以下とすることがより好ましく、1.2g以下とすることが更に好ましく、1.1g以下とすることが特に好ましい。過硫酸塩の使用量の下限としては、全単量体1モルに対して、0.1g以上が好ましく、0.5g以上がより好ましい。
上記重合開始剤の添加方法としては、特に限定はされないが、全使用量に対し、実質的に連続的に滴下する量が必要所定量の50質量%以上であることが好ましく、特に好ましくは80質量%以上であり、全量を滴下することが最も好ましい。このように重合開始剤は連続的に滴下するのが好ましいが、その滴下速度は適宜設定することができる。
上記重合開始剤を連続的に滴下して添加する場合の滴下時間についても、特には限定されないが、後述する重合温度、重合時のpHにおける条件下において、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等、比較的分解の早い開始剤を用いる場合には、単量体の滴下終了時間までは滴下することが好ましく、単量体滴下終了後から30分以内に終了することがより好ましく、単量体滴下後5分〜20分以内に終了することが特に好ましい。これにより、重合体における単量体の残量を著しく減じることができる。なお、単量体の滴下終了前に、これら開始剤の滴下を終了しても、重合に特に悪影響を及ぼすものではなく、得られた重合体中における単量体の残存量に応じて設定すれば良い。
上記比較的分解の早い開始剤について、滴下終了時間についてのみ好ましい範囲を述べたが、滴下開始時間は何ら限定されるものではなく、適宜設定すれば良い。例えば、場合によっては単量体の滴下開始前に開始剤の滴下を開始しても良いし、特に2種以上の開始剤を併用して用いる併用系の場合においては、一つの開始剤の滴下を開始し、一定の時間が経過してから、又は、終了してから、別の開始剤の滴下を開始しても良い。いずれも、開始剤の分解速度、単量体の反応性に応じて適宜設定すれば良い。
(連鎖移動剤)
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法においては、重合開始剤の他に、連鎖移動剤を使用することも可能である。この際使用できる連鎖移動剤としては、分子量の調節ができる化合物であれば特に制限されず、通常連鎖移動剤として用いられているものを使用することができる。具体的には、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルチオグリコレート等の、チオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等の、ハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の、第2級アルコール;亜リン酸、亜リン酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩、及びそれらの水和物等;亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及びそれらの塩(すなわち、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等の重亜硫酸塩)等の、低級酸化物及びそれらの塩等が挙げられる。上記連鎖移動剤は、単独で使用されてもよいし、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記連鎖移動剤の添加量は、特に制限されないが、全単量体成分1モルに対して、1〜20gであることが好ましい。より好ましくは2〜15gである。1g未満であると、分子量の制御ができないおそれがあり、逆に、20gを超えると、連鎖移動剤が残留したり、重合体純分が低下したりするおそれがある。
上記連鎖移動剤の中でも、得られるポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の無機粒子の分散力等が向上することから、次亜リン酸(塩)及び/又は重亜硫酸塩を使用することが好ましい。特に好ましくは、経時的な分散力が向上することから次亜リン酸(塩)を使用することが好ましい。ただし、無機粒子の経時的な分散力が向上することから、次亜リン酸(塩)及び/又は重亜硫酸塩(併用する場合はそれらの合計)は、その使用量を全単量体1モルに対して、5.0g以下とすることが好ましく、4.5g以下とすることがより好ましく、4.0g以下とすることが更に好ましく、使用量の下限は、全単量体1モルに対して、1.0g以上が好ましく、1.5g以上がより好ましい。
次亜リン酸(塩)及び/又は重亜硫酸塩の使用量が全単量体1モルに対して、上記上限を超えると、連鎖移動に寄与しない次亜リン酸(塩)及び/又は重亜硫酸塩(重合体末端に取り込まれない次亜リン酸(塩)及び/又は重亜硫酸塩)が増加し、無機陰イオン量が増加することに起因して、経時的な分散力が低下したり、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の色相が悪化したりするおそれがある。
なお、本明細書中、「次亜リン酸(塩)」とは、次亜リン酸と、次亜リン酸塩とを合わせた総称である。
(分解触媒、還元性化合物)
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法は、重合開始剤等の他に、重合開始剤の分解触媒や還元性化合物(反応促進剤ともいう)を使用(重合系に添加)してもよい。
上記重合開始剤の分解触媒や還元性化合物として作用する化合物としては、重金属イオン(又は重金属塩)が挙げられる。すなわち、本発明のポリアクリル酸系重合体の製造方法は、重合開始剤等の他に、重金属イオン(又は重金属塩)を使用(重合系に添加)してもよい。なお、本明細書中、重金属イオンとは、比重が4g/cm以上の金属を意味する。
上記重金属イオンとしては、例えば、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等が好ましい。これらの重金属は1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、鉄がより好ましい。
上記重金属イオンのイオン価は特に限定されるものではなく、例えば、重金属として鉄が用いられる場合、開始剤における鉄イオンとしては、Fe2+であっても、Fe3+であってよく、これらが組み合わされていてもよい。
上記重金属イオンは、本発明においては、重金属塩(重金属化合物)を溶解してなる水溶液又は水性溶液を重合系に添加することにより、反応系に加えられる。その際に用いる重金属塩は、開始剤に含有することを所望する重金属イオンを含むものであればよく、用いる開始剤に応じて決定することができる。上記重金属イオンとして鉄を用いる場合、モール塩(Fe(NH(SO・6HO)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の重金属塩等を用いることが好ましい。また、重金属イオンとしてマンガンを用いる場合、塩化マンガン等を好適に用いることができる。これらの重金属塩を用いる場合においては、いずれも水溶性の化合物であるため、水溶液の形態として用いることができ、取扱い性に優れることになる。
なお、上記重金属塩を溶解してなる溶液の溶媒としては、水に限定されるものではなく、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)の製造において、重合反応を著しく妨げるものでなければ、重金属塩の溶解性を損ねない範囲で使用できる。
上記重金属イオンは、重金属塩の水溶液又は水性溶液として重合系に添加されるが、本発明の製造方法において、当該重金属塩は重合系内に供給する際に、重金属塩とカルボキシル基含有化合物とを含む水溶液として供給されることが好ましい。重金属塩は重合系内に供給する際に、重金属塩とカルボキシル基含有化合物とを含む水溶液として供給することにより、重金属イオンの効果を安定して発揮することができる為、得られる重合体の分子量のばらつきが少なく、所望の分子量の重合体を安定して製造することができるという効果を奏する。なお、「重合系」とは、重合反応が行われる、又は行われている反応容器の内部を意味し、通常は初期仕込みの重合溶媒、又は重合中の重合溶液内を意味する。上記重金属塩とカルボキシル基含有化合物とを含む場合における、重金属塩とカルボキシル基含有化合物との比率は、重金属塩100質量部に対し、カルボキシル基含有化合物が1〜100質量部であることが好ましく、10〜80質量部であることがより好ましい。
重合系に添加する際の重金属塩水溶液は、水溶液のpHが8以下になるように設定することが好ましく、7以下になるように設定することがより好ましく、6以下になるように設定することが特に好ましい。
上記カルボキシル基含有化合物としては、カルボキシル基を有する有機化合物であり、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蟻酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、グリオキシル酸等でも構わないが、不純物低減の観点から、重合性の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物が好ましく、そのような化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、2−メチレングルタル酸等及びそれらの無水物が例示される。
上記重金属イオンの含有量は、また、重合反応完結時における重合反応液の全質量に対して好ましくは0.1〜10ppmであることが好ましい。重金属イオンの含有量が0.1ppm未満であると、重金属イオンによる効果が充分に発現しないおそれがある。一方、重金属イオンの含有量が10ppmを超えると、得られる重合体の色調の悪化をきたすおそれがある。また、重金属イオンの含有量が多いと、生成物である重合体を例えば洗剤ビルダーとして用いる場合に、洗剤用ビルダーの汚れの原因となるおそれがある。
なお、上記重合反応完結時とは、重合反応液中において重合反応が実質的に完了し、所望する重合体が得られた時点を意味する。例えば、重合反応液中において重合された重合体を引き続きアルカリ成分で中和する場合には、中和した後の重合反応液の全質量を基準に、重金属イオンの含有量を算出する。2種以上の重金属イオンが含まれる場合には、重金属イオンの総量が上述の範囲であればよい。
重合系に添加する、重金属化合物を溶解してなる水溶液又は水性溶液中の重金属化合物の濃度は、0.1質量%〜10質量%とすることが好ましい。
重金属イオン(重金属塩)以外の、重合開始剤の分解触媒としては、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム等のハロゲン化金属;酸化チタン、二酸化ケイ素等の金属酸化物;塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸等の無機酸の金属塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、イソラク酸、安息香酸等のカルボン酸、それらのエステル及びそれらの金属塩;ピリジン、インドール、イミダゾール、カルバゾール等の複素環アミン及びそれらの誘導体等が挙げられる。これらの分解触媒は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、重金属イオン(重金属塩)以外の、還元性化合物としては、例えば、三フッ化ホウ素エーテル付加物、過塩素酸等の無機化合物;二酸化硫黄、亜硫酸塩、硫酸エステル、重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、スルホキシ酸塩、ベンゼンスルフィン酸とそれらの置換体、パラトルエンスルフィン酸等の環状スルフィン酸の同族体等の硫黄含有化合物;オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、α−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオプロピオン酸、α−チオプロピオン酸ナトリウムスルホプロピルエステル、α−チオプロピオン酸ナトリウムスルホエチルエステル等のメルカプト化合物;ヒドラジン、β−ヒドロキシエチルヒドラジン、ヒドロキシルアミン等の窒素含有化合物;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド等のアルデヒド類;アスコルビン酸等が挙げられる。これらの還元性化合物もまた、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。メルカプト化合物等の還元性化合物は、連鎖移動剤として添加してもよい。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)の製造方法は、上記重合開始剤、連鎖移動剤、反応促進剤の他にも、必要に応じてpH調節剤、緩衝剤等を用いることができる。
(重合溶液)
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、溶液重合で製造することが好ましい。この際使用できる溶媒は、全溶媒に対して50質量%が水である混合溶媒又は水であることが好ましい。水のみを使用する場合には、脱溶剤工程を省略できる点で好適である。また、上記連鎖移動剤を使用する場合には、連鎖移動効率を高め(連鎖移動剤を重合体末端により多く取り込む)、不純物である無機陰イオンを低減するために、溶剤自体は連鎖移動しにくいものが好ましい。その観点から、溶媒としては水のみを使用するか、有機溶剤を併用する場合にはその使用量を極力低減することが好ましい。
上記観点から、例えば、有機溶剤を使用する場合であっても、重合終了後の反応液100質量%に対して、10質量%以下にすることが好ましく、5質量%以下にすることがより好ましく、1質量%以下にすることが更に好ましい。
ここで重合の際、水とともに使用できる溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;グリセリン;ポリエチレングリコール;ジメチルホルムアルデヒド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合反応は、好ましくは、重合終了後の固形分濃度(溶液の内、不揮発分の濃度であり、後述する測定方法で測定される)が、重合溶液100質量%に対して10〜60質量%であり、15〜50質量%がより好ましく、20〜45質量%が更に好ましい。
(その他の製造条件)
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、回分式(バッチ式)、連続式、半連続式のいずれの重合方法も採用することができる。本発明のポリアクリル酸系重合体を製造する条件は、上記の方法の他、特に断りの無い限りは、重合方法として通常知られている方法又はそれを修飾した方法が使用できる。
重合の際の温度は好ましくは70℃以上であり、より好ましくは75〜110℃であり、更に好ましくは80〜105℃である。重合時の温度が上記範囲であれば、残存単量体成分が少なくなり、重合体の分散性が向上する傾向にある。なお、重合時の温度は、重合反応の進行中において、常に一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応の進行中に経時的に重合温度を変動(昇温又は降温)させてもよい。
反応系内の圧力としては、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよいが、得られる重合体の分子量の点では、常圧下、又は、反応系内を密閉し、加圧下で行うことが好ましい。また、加圧装置や減圧装置、耐圧性の反応容器や配管等の設備の点では、常圧(大気圧)下で行うことが好ましい。反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気でもよいが、不活性雰囲気とするのが好ましく、例えば、重合開始前に系内を窒素等の不活性ガスで置換することが好ましい。
[無機粒子スラリー]
本発明の無機粒子スラリーは、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体を無機粒子スラリー100質量%に対し、酸型換算で0.05〜10質量%含む。好ましくは0.1〜3.0質量、より好ましくは0.2〜2.0質量%である。上記範囲にあれば、本発明の無機粒子スラリーの粘度を低減することが可能となる。
なお、酸型換算とは、上記の通りであるが、カルボキシル基の100モル%が酸型(−COOH)であるとして計算することを表している。
本発明の無機粒子スラリーは、後述の通り、上記本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液を添加して、無機粒子を粉砕することにより(すなわち、上記本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液を添加して、無機粒子を粉砕する工程を含んで)製造したものであることが好ましい。上記により、無機粒子スラリーの粘性が、経時的に安定し、色調も良好なものとすることができる。
本発明に用いられる無機粒子としては、特に制限はないが、例えばカオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、サチンホワイト、タルク、水酸化アルミニウム、プラスティックピグメント等が挙げられる。
本発明の無機粒子スラリーは、無機粒子スラリー100質量%に対し、無機粒子を70質量%以上含有しており、好ましくは73質量%であり、より好ましくは75質量%以上であり、更に好ましくは78質量%以上である。無機粒子スラリーの含まれる無機粒子が70質量%未満であれば、例えば紙塗工用顔料(無機粒子)スラリーとして使用した場合に、紙の生産性が低下する。また、無機粒子の含有量の上限は例えば85質量%である。
本発明の無機粒子スラリーは、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体を含むものであるが、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体としては、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を用いることが好ましい。すなわち、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液を含む無機粒子スラリーであって、上記無機粒子スラリーは、無機粒子スラリー100質量%に対して、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体を酸型換算で0.05〜10質量%含み、上記無機粒子スラリーは、無機粒子スラリー100質量%に対して、無機粒子を70質量%以上含む無機粒子スラリーもまた、本発明の1つである。
本発明の無機粒子スラリーは、固形分濃度が75質量%以上であることが好ましく、より好ましくは78質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上であり、特に好ましくは83質量%以上である。また、無機粒子スラリーの固形分濃度の上限は例えば90質量%である。
なお、固形分濃度は後述する測定方法により測定される値である。
本発明の無機粒子スラリーは、通常は水を含んでおり、その場合の水の含有量は25質量%以下であることが好ましく、より好ましくは22質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以下であり、特に好ましくは17質量%以下である。また、無機粒子スラリーにおける水の含有量の下限は例えば10質量%である。
本発明の無機粒子スラリーに含まれる無機粒子の平均粒径としては、好ましくは1.5μm以下、より好ましくは1.0μm以下である。なお、ここで言う平均粒径は、後述の実施例で用いられたような、レーザー粒度分布計にて計測された粒径である。また、本発明の無機粒子スラリーに含まれる無機粒子は、全無機粒子100質量%に対して、粒径が2μm以下の粒子が90〜100質量%含まれているものであることが好ましく、より好ましくは91〜100質量%である。粒径が上記範囲にあれば、本発明の無機粒子スラリーを例えば紙塗工用顔料分散剤として使用した場合に、紙の光沢や白色度が良好なものとなる。
本発明の無機粒子スラリーは、必要に応じて、有機溶媒や、他の配合剤として、縮合リン酸及びその塩、ホスホン酸及びその塩、ポリビニルアルコールを用いても良い。
本発明の無機粒子スラリーは、硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度が、本発明の無機粒子スラリーに対して100〜400ppmであることが好ましい。硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度が400ppmを超えると、無機粒子スラリーの経時的な粘度安定性が低下する傾向にある。硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度を100ppm未満に設定すると、経時的な無機物分散性能が優れた重合体水溶液を原料として用いることが困難となる為、無機粒子スラリーの経時的な粘度安定性が低下する傾向にある。
上記硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンとしては、硫酸イオン、亜硫酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、次亜リン酸イオン等が例示される。
本発明の無機粒子スラリーは、着色が少ないことが好ましく、特に乾燥後の着色が少ないことが好ましい。例えば、スラリー乾燥物表面の色として、日本電色工業社製の測色色差計SE2000型を用いて測定されるb値が、4.7以下であることが好ましい。b値がこのような範囲であると充分着色が少ないと言える。より好ましくは、4.5以下であり、更に好ましくは、4.0以下であり、特に好ましくは、3.5以下である。最も好ましくは、2.5以下である。着色が少ないと、例えば、分散剤用途、洗剤ビルダー用途、紙加工用途や紙塗工用途等に好ましく使用することができる。
[無機粒子スラリーの製造方法]
本発明の無機粒子スラリーの製造方法としては、無機粒子の製造方法として通常用いられる方法が適宜参照される、又は、組み合わされることにより行うことができるが、典型的には、一次分散を行い、それを湿式粉砕処理する方法が挙げられる。この方法は、低粘度であり、かつ分散安定性に優れた高濃度の無機粒子スラリーを得ることができる点で好適である。無論、本発明における無機粒子スラリー調整方法は、この湿式粉砕処理法に限定されるものではなく、湿式粉砕処理を施さない調整方法をとることもなんら制限されるものではない。上記無機粒子スラリーの調整方法において、一次分散の方法は特に制限されるものではないが、ミキサーで混合することが好ましく、例えば、高速ディスパー、ホモミキサー、ボールミル、コーレスミキサー、撹拌式ディスパー等の剪断力の高いものを用いることが好適である。
本発明の無機粒子スラリーの製造方法は、上記本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液と無機粒子とを混合する工程を含むことが好ましい。当該混合する工程においては、通常更に、水を使用することができる。
本発明の無機粒子スラリーの製造方法は、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液を添加して無機粒子を湿式粉砕する工程を含むことが好ましい。それにより、無機粒子スラリーに含まれる無機粒子の粒度を効率よく所望の範囲に設定することができる。この場合、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)は粉砕助剤としての役割も発揮する。
本発明の無機粒子スラリーの製造方法によれば、例えば低粘度で粘性の経時安定性を有し、かつ高濃度の製紙用顔料スラリーを提供することが可能となる。ひいては、該スラリーを用いて塗工した際に塗工欠陥を抑制し、良好な原紙被覆性、印刷光沢、耐ブリスター性、ムラのない印刷面感を与え、かつ顔料が本来持つ白色度、不透明度、インキ受理性の有意点を備えた印刷用塗工紙を提供することが可能となる。
本発明の無機粒子スラリーの製造方法としては、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)に加えて、更に、通常粉砕助剤として用いられるものを併用して用いてもよい。そのような粉砕助剤としては、例えば、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体以外のポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸とマレイン酸との共重合体及びその塩等が挙げられる。
[ポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)の用途]
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液(合わせて、「本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)」ともいう。)は、上記の通り、無機粒子の分散剤、無機粒子の粉砕助剤として好ましく使用される。無機粒子の分散剤や無機粒子の粉砕助剤として使用することにより、高濃度かつ低粘度で、経時的粘性の安定性、色調に優れた無機粒子スラリーを製造することが可能となる。
このような、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)を含む無機粒子の分散剤もまた、本発明の1つである。また、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)を分散剤として使用する使用方法もまた、本発明の1つである。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)は、水処理剤、繊維処理剤、分散剤、洗剤ビルダー(又は洗剤組成物)等として用いられうる。洗剤ビルダーとしては、衣料用、食器用、住居用、毛髪用、身体用、歯磨き用、及び自動車用等、様々な用途の洗剤に添加されて使用されうる。
<水処理剤>
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)は、水処理剤に用いることができる。該水処理剤には、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤を用いても良い。
上記水処理剤は、冷却水循環系、ボイラー水循環系、海水淡水化装置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜等でのスケール防止に有用である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでもよい。
<繊維処理剤>
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)は、繊維処理剤に用いることができる。該繊維処理剤は、染色剤、過酸化物及び界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つと、本発明の重合体を含む。
上記繊維処理剤における本発明の重合体の含有量は、繊維処理剤全体に対して、好ましくは1〜100質量%であり、より好ましくは5〜100質量%である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
以下に、より実施形態に近い、繊維処理剤の配合例を示す。この繊維処理剤は、繊維処理における精錬、染色、漂白、ソーピングの工程で使用することができる。染色剤、過酸化物及び界面活性剤としては繊維処理剤に通常使用されるものが挙げられる。
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)と、染色剤、過酸化物及び界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つとの配合比率は、例えば、繊維の白色度、色むら、染色けんろう度の向上のためには、繊維処理剤純分換算で、本発明の重合体1質量部に対して、染色剤、過酸化物及び界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つを0.1〜100質量部の割合で配合された組成物を繊維処理剤として用いることが好ましい。
上記繊維処理剤を使用できる繊維としては、任意の適切な繊維を採用し得る。例えば、木綿、麻等のセルロース系繊維、ナイロン、ポリエステル等の化学繊維、羊毛、絹糸等の動物性繊維、人絹等の半合成繊維、並びに、それらの織物及び混紡品が挙げられる。
上記繊維処理剤を精錬工程に適用する場合は、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)と、アルカリ剤及び界面活性剤とを配合することが好ましい。漂白工程に適用する場合では、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)と、過酸化物と、アルカリ性漂白剤の分解抑制剤としての珪酸ナトリウム等の珪酸系薬剤とを配合することが好ましい。
<洗剤組成物>
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)は、洗剤組成物にも添加しうる。
洗剤組成物における本発明の重合体の含有量は特に制限されない。ただし、優れたビルダー性能を発揮しうるという観点からは、本発明の重合体の含有量は、洗剤組成物の全量に対して、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.3〜10質量%であり、更に好ましくは0.5〜5質量%である。
洗剤用途で用いられる洗剤組成物には、通常、洗剤に用いられる界面活性剤や添加剤が含まれる。これらの界面活性剤や添加剤の具体的な形態は特に制限されず、洗剤分野において通常知られている知見が適宜参照されうる。また、上記洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であってもよいし、液体洗剤組成物であってもよい。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤からなる群から選択される1種又は2種以上である。2種以上が併用される場合、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との合計量は、界面活性剤の全量に対して50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸又はエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステル又はその塩、アルケニルリン酸エステル又はその塩等が好適である。これらのアニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が好適である。これらのノニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。また、両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。これらのカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記界面活性剤の配合割合は、通常、洗剤組成物の全量に対して10〜60質量%であり、好ましくは15〜50質量%であり、更に好ましくは20〜45質量%であり、特に好ましくは25〜40質量%である。界面活性剤の配合割合が少なすぎると、充分な洗浄力を発揮できなくなるおそれがあり、界面活性剤の配合割合が多すぎると、経済性が低下するおそれがある。
添加剤としては、アルカリビルダー、キレートビルダー、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の汚染物質の再沈着を防止するための再付着防止剤、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等の汚れ抑制剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、pH調節のためのアルカリ性物質、香料、可溶化剤、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、漂白助剤、酵素、染料、溶媒等が好適である。また、粉末洗剤組成物の場合にはゼオライトを配合することが好ましい。
上記洗剤組成物は、本発明の重合体等に加えて、他の洗剤ビルダーを含んでもよい。他の洗剤ビルダーとしては、特に制限されないが、例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸塩等のアルカリビルダーや、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、ボウ硝、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、ゼオライト等のキレートビルダー、カルボキシメチルセルロース等の多糖類のカルボキシル誘導体等が挙げられる。上記ビルダーに用いられる対塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、アンモニウム、アミン等が挙げられる。
上記添加剤と他の洗剤用ビルダーの合計の配合割合は、通常、洗浄剤組成物100質量%に対して0.1〜50質量%が好ましい。より好ましくは0.2〜40質量%であり、更に好ましくは0.3〜35質量%であり、特に好ましくは0.4〜30質量%であり、最も好ましくは0.5〜20質量%以下である。添加剤/他の洗剤ビルダーの配合割合が0.1質量%未満であると、充分な洗剤性能を発揮できなくなるおそれがあり、50質量%を超えると経済性が低下するおそれがある。
なお、上記洗剤組成物の概念には、家庭用洗剤の合成洗剤、繊維工業その他の工業用洗剤、硬質表面洗浄剤のほか、その成分の1つの働きを高めた漂白洗剤等の特定の用途にのみ用いられる洗剤も含まれる。
上記洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、液体洗剤組成物に含まれる水分量は、通常、液体洗剤組成物の全量に対して0.1〜75質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜70質量%であり、更に好ましくは0.5〜65質量%であり、更により好ましくは0.7〜60質量%であり、特に好ましくは1〜55質量%であり、最も好ましくは1.5〜50質量%である。
上記洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、当該洗剤組成物は、カオリン濁度が200mg/L以下であることが好ましく、より好ましくは150mg/L以下であり、更に好ましくは120mg/L以下であり、特に好ましくは100mg/L以下であり、最も好ましくは50mg/L以下である。
また、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)を洗剤ビルダーとして液体洗剤組成物に添加する場合としない場合とでのカオリン濁度の変化(差)は、500mg/L以下であることが好ましく、より好ましくは400mg/L以下であり、更に好ましくは300mg/L以下であり、特に好ましくは200mg/L以下であり、最も好ましくは100mg/L以下である。カオリン濁度の値としては、以下の手法により測定される値を採用するものとする。
<カオリン濁度の測定方法>
厚さ10mmの50mm角セルに均一に攪拌した試料(液体洗剤)を仕込み、気泡を除いた後、日本電色工業社製NDH2000(商品名、濁度計)を用いて25℃でのTubidity(カオリン濁度:mg/L)を測定する。
上記洗浄剤組成物に配合することができる酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等が好適である。中でも、アルカリ洗浄液中で活性が高いプロテアーゼ、アルカリリパーゼ及びアルカリセルラーゼが好ましい。
上記酵素の添加量は、洗浄剤組成物100質量%に対して5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えると、洗浄力の向上が見られなくなり、経済性が低下するおそれがある。
上記洗剤組成物は、カルシウムイオンやマグネシウムイオンの濃度が高い硬水(例えば、100mg/L以上)の地域中で使用しても、塩の析出が少なく、優れた洗浄効果を有する。この効果は、洗剤組成物が、LASのようなアニオン界面活性剤を含む場合に特に顕著である。
[無機粒子スラリーの用途]
本発明の無機粒子スラリーは、紙塗工用、紙加工用、セラミック成型用、繊維処理用、エマルション塗料用等に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
また、本発明の重合体の重量平均分子量、数平均分子量、未反応の単量体の定量、重合体組成物及び重合体水溶液の固形分量、重合体水溶液の有効成分値は、下記の方法に従って測定した。
<重合体水溶液、重合体組成物の固形分測定方法>
窒素雰囲気下、110℃に加熱したオーブンで重合体組成物(重合体組成物1.0g+水3.0g)を2時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
<有効成分測定>
有効成分値は重合して得られたポリマーのカルボキシル基濃度として平沼産業社製自動滴定装置COM−1500にて測定、算出した。まず1N NaOH水溶液で完全にポリマー中のカルボン酸を中和した後、1N HCl水溶液にて滴定曲線を作成し、その曲線の第二変曲点と第一変曲点の差(1N HCl溶液量)から以下のように算出した。
有効成分値(%)=9.4×(第2変曲点での1N HCl量(質量)−第1変曲点での1N HCl量(質量))×HCl力価/分析物量(質量)。
なお、上記分析物量とは、分析したポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の質量を表す。
<ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の色調の測定条件>
装置:日本電色工業社製の測色色差計SE2000型を用いて、b値を透過率にて測定した。
<スラリー乾燥物の表面色測定条件>
装置:日本電色工業社製の測色色差計SE2000型を用いて、b値を反射率にて測定した。
<重量平均分子量及び数平均分子量の測定条件(GPC)>
重合体の重量平均分子量及び数平均分子量の測定は、下記条件で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて行った。
装置:日立製作所社製 L−7000シリーズ
検出器:HITACHI RI Detector L−2490
カラム:東ソー社製 TSK−GEL G3000PWXL
カラム温度:40℃
流速:0.5mL/min
検量線:創和科学社製 POLY SODIUM ACRYLATE STANDARD
溶離液:リン酸二水素ナトリウム12水和物/リン酸水素二ナトリウム2水和物(34.5g/46.2g)の混合物を純水にて5000gに希釈した溶液。
<重合体水溶液、重合体組成物中の単量体等の測定>
該単量体の測定は、下記条件にて液体クロマトグラフィーを用いて行った。
測定装置:日立製作所社製 L−7000シリーズ
検出器:日立製作所社製 UV検出器 L−7400
カラム:昭和電工社製 SHODEX RSpak DE−413
温度:40.0℃
溶離液:0.1%リン酸水溶液
流速:1.0ml/min
<陰イオン濃度分析(イオンクロマト分析)>
陰イオン濃度分析は、下記条件にてイオンクロマト分析を行った。
装置 :Metrohm社製(762 Interface)
検出器 :Metrohm社製 732 IC Detecter
イオン分析方式:サプレッサー法
カラム :Shodex IC SI−90 4E
ガードカラム :Shodex SI−90 G
カラム温度 :40℃
溶離液 :NaHCO水(2gを水で2000gに希釈)
流速 :1.0mL/min
下記実施例で得られた重合体水溶液を分析したところ、過硫酸ナトリウム由来の硫酸イオンと次亜リン酸ナトリウム由来の次亜リン酸イオンとが検出された。
<重合体の有するリン含有基の分析>
31P−NMR分析により重合体に導入されているリン原子を測定した。下記実施例で得られる重合体は、全てホスフィネート基に由来するピークが観測された。
31P−NMR分析は、NMR分析用DO 1gに、ポリマー原液を1g混合し、ポリマー濃度20〜35%程度の混合液を用いて行った。
<評価例>
市販の丸尾カルシウム社製、重質炭酸カルシウム粉体200質量部(スラリー液全仕込に対して76.9%)を500mlSUS316製容器に投入し、保温材を巻いたガラス製四つ口セパラブルフラスコの蓋上部の一番広い口に撹拌シールを取り付けたものに3段ピンを装着したSUS316製攪拌翼を装着、残りの口はシリコーンゴム栓で蓋をして、SUS316製容器とガラス製蓋上部を固定用の止め具で2箇所固定する。このSUS316製攪拌翼と強力な撹拌モーターを接続し、粉砕途中で緩まないように容器全体を支柱にしっかりと固定した。
続いて、四つ口セパラブルフラスコのシリコーンゴム栓の一つを開けて、ロートを差し込み、撹拌モーターを200〜300rpm程度の低速回転の状態で撹拌しながら、ここから、有効成分値10%に調整した(水で希釈又は濃縮等)ポリマー水溶液8質量部と純水46質量部を混合したものと、2mmセラミックビーズ500質量部を順に少しずつ投入していった。すべて投入後、一気に1000rpmまで回転数を上昇させ、ビーズの状態を確認後、更に1500rpmまで回転数をあげた。粉砕開始40分後に10%ポリマー水溶液を4質量部、更に70分後と90分後に2質量部ずつ投入した。この状態で2μm以下の粒径が90%以上に到達するまで粉砕を継続した。最終的には重質炭酸カルシウムに対し0.80質量%のポリマー添加量となった。粉砕後、内容物をセラミックと分離し、回収した。
粒径は日立製作所社製 レーザー式粒度分布測定装置LA−910にて分析した。
スラリーの粘度をB型粘度計で、回転子No.4、60rpm、5分後の粘度を測定し(直後のスラリー粘度)、比較した。なお、回収したスラリーは、測定直前まで25℃の環境下で保存した。
上記サンプルを1週間、25℃で保管したのち、B型粘度計で、回転子No.4、60rpm、5分後の粘度を測定した(1週間後のスラリー粘度)。
<実施例1>
バッチ型重合釜(SUS製、容積5m)と、当該重合釜に備えられた温度計、攪拌器(パドル翼)、外部留出物循環経路及び、ジャケット、供給経路(重合用組成物用及び中和剤用)、並びに、還流冷却装置を有する反応装置を用い、以下に示す重合処方・条件で重合を行った。まずイオン交換水345質量部を仕込んだ。その後、重合釜内の水溶液を撹拌しながら、常温下、外部ジャケットにより水溶液の温度を還流するまで昇温させた。
次に、80質量%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」とも称する)900質量部を180分間と、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」とも称する)49質量部を185分間、45質量%次亜リン酸ナトリウム水溶液(以下、「45%SHP」とも称する)17質量部を20分間と更に続いて70質量部を160分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。
その後、30分間還流条件下で加熱を維持した後、加熱を停止し、水185質量部を投入後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液417質量部(AA中和率50.0モル%分)をその供給経路を通じて先端ノズルより重合釜内に滴下して、重合体を中和した。以上のようにして、50モル%のカルボキシル基がカルボキシル基のナトリウム塩で、50モル%が酸型のカルボキシル基であるポリアクリル酸系重合体を含む水溶液(1)を得た。得られた水溶液(重合体水溶液(1)という)の固形分値は52.7%、有効成分値は44.7%であった。重合体水溶液(1)のブルックフィールド粘度は850mPa・s、重量平均分子量(Mw)は5200、分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は2.15であった。重合体水溶液(1)のb値は2.50であった。重合体水溶液(1)中の硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度(主として硫酸イオンと次亜リン酸イオンが検出された)の合計は、5100ppm(その内、リン原子を含む無機の陰イオンの濃度は3600ppm)であった。
重質炭酸カルシウムのスラリー粘度を上述の方法で評価したところ、粉砕終了1時間後のスラリー粘度は800mPa・sで、1週間後のスラリー粘度は1760mPa・sであった。またスラリー乾燥物表面の色はb値で2.10であった。
<実施例2>
重合条件を表1に記載の方法に変更する以外は、実施例1と同様にして70モル%のカルボキシル基がカルボキシル基のナトリウム塩で、30モル%が酸型のカルボキシル基であるポリアクリル酸系重合体を含む水溶液(2)を得た。得られた水溶液(重合体水溶液(2)という)の固形分値は59.0%、有効成分値は45.4%であった。また重合体水溶液(2)のブルックフィールド粘度は990mPa・s、重量平均分子量(Mw)は5400、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は2.14であった。重合体水溶液(2)のb値は2.88であった。重合体水溶液(2)中の硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度(主として硫酸イオンと次亜リン酸イオンが検出された)の合計は、4700ppm(その内、リン原子を含む無機の陰イオンの濃度は3300ppm)であった。
実施例1と同様に、重質炭酸カルシウムのスラリー粘度を上述の方法で評価したところ、粉砕直後のスラリー粘度は900mPa・sで、1週間後のスラリー粘度は3020mPa・sであった。またスラリー乾燥物表面の色はb値で2.25であった。
<実施例3>
重合条件を表1に記載の方法に変更する以外は、実施例1と同様にして75モル%のカルボキシル基がカルボキシル基のナトリウム塩で、25モル%が酸型のカルボキシル基であるポリアクリル酸系重合体を含む水溶液(3)を得た。得られた水溶液(重合体水溶液(3)という)の固形分値は52.4%、有効成分値は40.2%であった。また重合体水溶液(3)のブルックフィールド粘度は800mPa・s、重量平均分子量(Mw)は5500、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は2.15であった。重合体水溶液(3)のb値は4.56であった。重合体水溶液(3)中の硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度(主として硫酸イオンと次亜リン酸イオンが検出された)の合計は、4600ppm(その内、リン原子を含む無機の陰イオンの濃度は2800ppm)であった。
重質炭酸カルシウムのスラリー粘度を上述の方法で評価したところ、粉砕直後のスラリー粘度は910mPa・sで、1週間後のスラリー粘度は3140mPa・sであった。またスラリー乾燥物表面の色はb値で2.30であった。
<比較例1>
実施例1と同様に重合条件を表1に記載の方法に変更する以外は、実施例1と同様にして95.8モル%のカルボキシル基がカルボキシル基のナトリウム塩で、4.2モル%が酸型のカルボキシル基であるポリアクリル酸系重合体を含む水溶液(4)を得た。得られた水溶液(重合体水溶液(4)という)の固形分値は46.6%、有効成分値は44.5%であった。重合体水溶液(4)のブルックフィールド粘度は900mPa・s、重量平均分子量(Mw)5900、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は2.30であった。重合体水溶液(4)のb値は4.87であった。重合体水溶液(4)中の硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度(主として硫酸イオンと次亜リン酸イオンが検出された)の合計は、4200ppm(その内、リン原子を含む無機の陰イオンの濃度は2900ppm)であった。
実施例1と同様に、重質炭酸カルシウムのスラリー粘度を上述の方法で評価したところ、粉砕直後のスラリー粘度は1500mPa・sで、1週間後のスラリー粘度は5100mPa・sであった。またスラリー乾燥物表面の色はb値で2.90であった。
実施例1〜3及び比較例1における、重合処方及び重合体の分析結果を表1にまとめた。表1において、重合体水溶液に含まれる硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度をイオン濃度合計と記した。
Figure 2011158945
実施例1〜3及び比較例1における、無機粒子スラリーの評価結果を表2に示した。表2において、無機粒子スラリーに含まれる硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度をイオン濃度合計と記した。
Figure 2011158945
表2に示す結果から、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(水溶液)は従来の重合体と比較して、良好な初期の分散力と、経時的な分散力とを有することが明らかとなった。

Claims (3)

  1. ポリ(メタ)アクリル酸系重合体を含む水溶液であって、
    上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の全カルボキシル基100モル%に対して、30〜85モル%のカルボキシル基が、カルボキシル基のアルカリ金属塩であり、
    15〜70モル%のカルボキシル基が、酸型のカルボキシル基であり、
    上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体はリン含有基を有し、
    上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量は2000〜9000であり、
    上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液に含まれる硫黄原子又はリン原子を含む無機の陰イオンの濃度が、上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液に対して1000〜10000ppmであることを特徴とするポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液。
  2. 請求項1に記載のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液を含むことを特徴とする無機粒子の分散剤。
  3. 請求項1に記載のポリ(メタ)アクリル酸系重合体水溶液を含む無機粒子スラリーであって、
    該無機粒子スラリーは、無機粒子スラリー100質量%に対して、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体を酸型換算で0.05〜10質量%含み、
    該無機粒子スラリーは、無機粒子スラリー100質量%に対して、無機粒子を70質量%以上含むことを特徴とする無機粒子スラリー。

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