JPWO2011148465A1 - 波長板及び波長板の製造方法 - Google Patents

波長板及び波長板の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、複屈折量を増大させ、薄膜化することが可能な波長板及び波長板の製造方法を提供する。利用光の波長以下の周期的な凸部(21)及び凹部(22)が形成された基板(2)と、誘電体材料の2方向からの斜め蒸着により誘電体材料の微粒子が基板(2)の基板面に対して垂直方向であって、凸部(21)上に柱状に積層された柱状部(3)と、凹部(22)上に位置し、柱状部(3)間に設けられた間隙部(4)とを備える。誘電体材料の微粒子による複屈折と基板の凹凸による複屈折を利用することにより、複屈折量を増大させ、薄膜化することが可能となる。

Description

本発明は、斜め蒸着によって形成された複屈折膜を有する波長板及び波長板の製造方法に関する。
従来、波長板は、水晶などの無機光学単結晶や高分子延伸フィルムにより作られていることがほとんどであった。しかし、無機光学単結晶は、波長板として、性能、耐久性、信頼性に優れるものの、原材料費、加工コストが高い。また、高分子延伸フィルムは、熱やUV光線に対して劣化し易く、耐久性に難がある。
非特許文献1には、構造複屈折を利用した波長板について述べられており、構造複屈折の形状を有する金型をナノプリント法により樹脂材に転写することにより、波長板を作製することが提案されている。具体的には、樹脂材をマスク材としてドライエッチング法で基板をエッチングし、基板表面上に構造複屈折形状を転写することが記載されている。
しかしながら、この非特許文献1に記載の技術では、転写とエッチングを行うため、プロセスが複雑になり、且つ非常にアスペクト比の高い構造体を作る必要がある。このため、基板材に対して十分な選択比を得られる樹脂材を使うこと、エッチングの垂直性を高めることなど、硬度なエッチング技術が要求される。よって、この方法は、波長板の生産性に難がある。
また、特許文献1〜3には、基板に対して斜め方向から粒子を蒸着し、斜め柱状構造を形成し、基板面に垂直に入射する光線に対して複屈折性を有する光学素子が提案されている。この斜め柱状構造を持つ斜方蒸着膜(斜方蒸着波長板)は、原理的に膜厚を調製することによって任意の位相差を設定できる。また、大面積化が比較的容易であり、大量生産により低コスト化の可能性がある。
特に、特許文献1には、位相差において高波長分散を示す材料と低波長分散を示す材料とを斜め蒸着した、少なくとも2層からなる斜方蒸着膜を形成し、可視光線の広帯域において波長板として機能させることが記載されている。また、特許文献3には、周期的な凹凸形状を有する高屈折率媒質層と低屈折率媒質層との交互多層膜により、広い動作波長を設定することが記載されている。
しかしながら、上述したような従来の斜方蒸着膜では、所望の複屈折量を得るのに膜厚が厚くなってしまい、薄膜化することは困難であった。
特開平11−23840号公報 特開平11−250483号公報 WO2004/113974号公報
O.Masuda, H.Miyakoshi, M.Saito, M.Yamada, M.Yamada, KONICA MINOLTA TECHNOLOGY REPORT VOL.5, 101-106 (2008)
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、複屈折量を増大させ、薄膜化することが可能な波長板及び波長板の製造方法を提供すること目的とする。
本発明者らは、種々の検討を重ねた結果、利用光の波長以下の周期で凸部及び凹部が形成された基板上に2方向から斜め蒸着し、誘電体材料の微粒子を基板面に対して垂直方向に積層することにより、複屈折量を増大させ、薄膜化可能であることを見出した。
すなわち、本発明に係る波長板は、利用光の波長以下の周期的な凸部及び凹部が形成された基板と、誘電体材料の2方向からの斜め蒸着により誘電体材料の微粒子が基板の基板面に対して垂直方向であって、凸部上に柱状に積層された柱状部と、凹部上に位置し、柱状部間に設けられた間隙部とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る波長板の製造方法は、利用光の波長以下の周期的な凹部及び凸部が形成された基板上に誘電体材料を2方向から斜め蒸着し、誘電体材料の微粒子が基板の基板面に対して垂直方向であって、凸部上に柱状に積層された柱状部と、凹部上に位置し、柱状部間に設けられた間隙部とを有する複屈折膜を成膜することを特徴とする。
本発明によれば、斜め蒸着による微粒子の複屈折と基板の微細構造による複屈折により、複屈折量が増大するため、波長板を薄膜化することができる。
図1は、誘電体材料の微粒子の形状異方性を説明するための図である。 図2は、本発明の一実施の形態における波長板の要部を示す断面図である。 図3A及び図3Bは、基板の構成例を示す図である。 図4は、本発明の一実施の形態における波長板の製造方法を示すフローチャートである。 図5は、斜め蒸着の概要を説明するための図である。 図6は、基板回転角と複屈折量△nの関係を示すグラフである。 図7は、一次元格子基板に対する入射方向を説明するための図である。 図8は、入射角と複屈折量△nの関係を示すグラフである。 図9は、基板面に対する入射角を説明するための図である。 図10は、リタデーション値と波長の関係を示すグラフである。 図11A乃至図11Cは、基板のあおり角を説明するための図である。 図12は、一次元格子基板を用いた波長板と平坦基板を用いた波長板との複屈折量の比較を示すグラフである。 図13は、一次元格子基板を用いた波長板の断面のSEM像である。 図14は、厚みを一定としたときの積層数と△nの関係を示すグラフである。 図15は、1.0μm×2層の複屈折膜を形成させた波長板の断面のSEM像である。 図16は、0.5μm×4層の複屈折膜を形成させた波長板の断面のSEM像である。 図17は、0.4μm×6層の複屈折膜を形成させた波長板の断面のSEM像である。 図18は、一次元格子基板を用いた場合の積層数と△nの関係を示すグラフである。 図19は、一次元格子基板上に700nm×1層の複屈折膜を形成させた波長板の断面のSEM像である。 図20は、一次元格子基板上に70nm×10層の複屈折膜を形成させた波長板の断面のSEM像である。 図21は、一次元格子基板上に7nm×100層の複屈折膜を形成させた波長板の断面のSEM像である。 図22は、平坦基板を用いた場合の積層数と△nの関係を示すグラフである。 図23は、平坦基板上に700nm×1層の複屈折膜を形成させた波長板の断面のSEM像である。 図24は、平坦基板上に70nm×10層の複屈折膜を形成させた波長板の断面のSEM像である。 図25は、平坦基板上に7nm×100層の複屈折膜を形成させた波長板の断面のSEM像である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.波長板
2.波長板の製造方法
3.実施例
<1.波長板>
本発明の一実施の形態として示す波長板は、斜め蒸着による微粒子の複屈折と、微細構造による複屈折とを利用し、複屈折量を増大させるものである。前者は、図1に示すように誘電体材料の微粒子の形状異方性によって、長軸方向n1と短軸方向n2とで屈折率に差が生じることにより、複屈折を発現させるものである。また、後者は、例えば、誘電体の基板上に形成された凹凸による形状異方性によって、複屈折を発現させるものである。
図2は、波長板の要部を示す断面図である。この波長板1は、利用光の波長以下の周期的な凸部21及び凹部22が形成された基板2と、誘電体材料の2方向からの斜め蒸着により凸部21上に柱状に形成され、誘電体材料の微粒子が基板2の基板面に対して垂直方向に積層された柱状部3と、凹部22上に位置し、柱状部3間に設けられた間隙部4とを備える。また、柱状部3及び間隙部4により複屈折膜5を構成している。
基板2としては、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板などの透明基板が用いられ、その中でも、可視光領域(波長範囲:380nm〜780nm)の吸収が少ない石英ガラス(SiO)基板が好適に用いられる。
図3A及び図3Bは、それぞれ基板2の構成例を示す上面図及び断面図である。この基板2には、x、y、z直交座標におけるxy平面を基板面としたとき、x軸方向に利用光の波長以下の周期(ピッチ)で凸部21及び凹部22が形成されている。すなわち、基板2には、凹凸構造の行路差により長軸方向n1と短軸方向n2とで屈折率に差が生じる一次元格子(グリッド)が形成されている。
図2に戻って、柱状部3は、誘電体材料の斜め蒸着によって積層された微粒子から形成されている。誘電体材料としては、Ta、TiO、SiO、Al、Nb、MaFなどを含有する高屈折材料が用いられ、その中でも、屈折率が2.25のTaを含有する高屈折材料が好適に用いられる。
柱状部3は、x、y、z直交座標におけるxy平面を基板面としたとき、xy平面において180°異なる2方向から誘電体材料を斜め蒸着させることにより得られる。この斜め蒸着は、180°異なる2方向から交互にz軸に対して例えば60°〜80°の蒸着角度で行われ、z軸方向に微粒子の層を形成する。
ここで、柱状部3における各層の厚さは、50nm以下であることが好ましく、より好ましくは10nm以下である。このように各層の厚さを薄くすることにより、z軸方向に真っ直ぐに伸びた柱状形状を得ることができ、複屈折量を増大させることができる。
間隙部4は、柱状部3間に設けられた空気層である。この間隙部4は、誘電体材料の微粒子が斜め方向から飛来してくために誘電体材料が直接付着できない陰ができる、いわゆるセルフ・シャドーイング効果によって形成されたものである。
このように基板2の凸部21上に柱状部3が基板面に対して垂直方向に形成され、基板2の凹部22上に間隙部4が形成された波長板1によれば、誘電体材料の微粒子による複屈折と基板2の凹凸による複屈折により、複屈折量を増大させることができる。また、誘電体材料としてTaを含有する高屈折材料を用いることにより、可視光領域における複屈折量が、0.13以上である波長板1を得ることができる。また、可視光領域の任意の2波長における複屈折量の差が、0.02以下である優れた波長分散性(波長依存性)を有する波長板1を得ることができる。
なお、図2に示す波長板1の構成例は、説明を簡単にするため、斜め蒸着を4サイクル行うことにより8層の複屈折膜を形成させたものであるが、これに限られることなく、数百層の複屈折膜を形成させてもよい。また、また、波長板1の両面又は片面に反射防止膜(AR:Anti Reflection)を設けてもよい。
<2.波長板の製造方法>
次に、波長板の製造方法について説明する。なお、図2に示す波長板及び図3に示す基板と同様な構成については、同一符号を付し、ここでは説明を省略する。
図4は、波長板の製造方法の一例を示すフローチャートである。先ず、ステップS1において、基板2上に利用光の波長以下の周期的な凸部21及び凹部22のパターンを形成する。具体的には、x、y、z直交座標におけるxy平面を基板面としたとき、x軸方向に利用光の波長以下の周期(ピッチ)で凸部21及び凹部22が形成されている。すなわち、基板2には、凹凸により行路差が生じる一次元格子(グリッド)が形成されている。
基板2としては、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板などの透明基板が用いられ、その中でも、可視光領域(波長範囲:380nm〜780nm)の吸収が少ない石英ガラス(SiO)基板が好適に用いられる。また、片面に反射防止膜が成膜された基板を用いても構わない。
パターンの形成方法としては、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いることが可能であり、SiOを堆積し、フォトリソグラフィにより、フォトレジストピッチパターンを形成し、CFを反応性ガスとして用いた真空エッチングにより、SiO格子パターンを形成する。
ステップS2では、利用光の波長以下の周期的な凸部21及び凹部22が形成された基板2上に誘電体材料を2方向から斜め蒸着する。誘電体材料としては、Ta、TiO、SiO、Al、Nb、MaFなどを含有する高屈折材料が用いられ、その中でも、屈折率が2.25のTaを含有する高屈折材料が好適に用いられる。
図5は、斜め蒸着の概要を説明するための図である。斜め蒸着は、基板2面の法線方向に対して蒸着角度αの方向に蒸着源6を設置して行われ、蒸着角度αを変更することにより堆積される膜の複屈折量を制御する。例えば、誘電体材料としてTaを含有する高屈折材料を用いた場合、蒸着角度を60°〜80°に設定することにより、複屈折量を増大させることができる。
また、誘電体材料は、基板2上の周期的な凸部21及び凹部22のライン、すなわち一次元格子のラインに対して垂直方向から蒸着させることにより、複屈折量を増大させることができる。
また、複数層の蒸着の際は、x、y、z直交座標におけるxy平面を基板面としたとき、xy平面において180°異なる2方向から誘電体材料を斜め蒸着させる。例えば、一方の方向から斜め蒸着させた後、基板2を180°回転させることにより他方の方向から斜め蒸着させる蒸着サイクルを複数回行うことにより、2方向から蒸着された多層膜を得ることができる。
さらに、各層の厚さを50nm以下、より好ましくは10nm以下として蒸着サイクルを複数回行うことにより、z軸方向に真っ直ぐに伸びた柱状形状を得ることができ、複屈折量を増大させることができる。
ステップS3では、複屈折膜上にAR膜を成膜する。AR膜は、一般的に用いられる高屈折膜と低屈折膜とからなる多層薄膜を用いることができる。
ステップS4では、波長板を所望の大きさに切断する。切断には、ガラススクライパーなどの切断装置を用いる。
このように利用光の波長以下の周期的な凸部21及び凹部22が形成された基板を用い、斜め蒸着により凸部21上に柱状に積層された柱状部と、凹部上に位置し、柱状部間に設けられた間隙部とを有する複屈折膜を成膜することにより、誘電体材料の微粒子による複屈折と基板2の凹凸による複屈折により、複屈折量を増大させることができる。
なお、上述した例では、一次元格子を用いたが、利用光の波長以下であれば、ランダムパターンや、非特許文献1に記載のブロックコポリマーを用いたパターン形成方式、すなわち、ガラス基板上に上記と同様にSiOを成膜し、ブロックコポリマーによりパターン形成を行い、SiOにブロックコリマーのパターンを転写する。また、SiOを成膜しないで、ガラス上に直接パターン形成しても構わない。
<3.実施例>
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
基板としてガラス(SiO)基板を用い、この基板上にCVD法でSiOを100nm堆積し、フォトリソグラフィにより、フォトレジストピッチパターンを形成した。そして、CFを反応性ガスに用いた真空エッチングにより、ピッチ150nm、深さ50nmの一次元格子のパターンを形成した。
以下、一次元格子のパターンが形成された基板(以下、一次元格子基板とも呼ぶ。)を用い、斜め蒸着の蒸着条件、波長依存性、微細パターンの効果、及び複数層からなる複屈折膜について評価した。
〔蒸着条件〕
図6は、基板回転角と複屈折量△nの関係を示すグラフである。斜め蒸着は、図7に示すように一次元格子(グリッド)のラインに垂直な入射角度を0°としたとき、入射角度が3°、23°、及び43°の場合について1層のみの複屈折膜を形成した。誘電体材料としてはTaを用いた。また、基板面の法線方向に対する蒸着角度を70°とした。
図6から分かるように、基板上の一次元格子のラインに対して垂直方向から蒸着させることにより、複屈折量を増大させることが可能である。
図8は、入射角と複屈折量△nの関係を示すグラフである。斜め蒸着は、図9に示すように基板面の法線方向に対する蒸着角度を60°、70°、及び80°として1層のみの複屈折膜を形成した。また、グリッドラインに垂直な入射角度を3°とした。誘電体材料としてはTaを用い、複屈折膜の膜厚を356nmとした。
図8に示す結果より、基板面の法線方向に対する蒸着角度を60°〜80°とすることにより、複屈折量を増大させることが可能であることが分かった。
すなわち、Taの斜め蒸着は、一次元格子のラインと垂直方向、且つ、基板面の法線方向に対する蒸着角度を60°〜80°とすることにより、複屈折量を増大させることが可能であることが分かった。
〔波長依存性〕
次に、斜め蒸着による複屈折膜の波長依存性について評価した。斜め蒸着は、一次元格子のラインと垂直方向、且つ、基板面の法線方向に対する蒸着角度を70°とし、1層のみの複屈折膜を形成した。誘電体材料としてTaを用い、複屈折膜の膜厚を1.2μmとした。
図10は、リタデーション値と波長の関係を示すグラフである。図11A〜図11Cに示すように基板のあおり角を制御し、リタデーション(Re:Retardation)を測定した。
Re=△n・d(△n:複屈折量、d:膜厚)
図10に示す結果より、波長依存性についてはあおり角によって制御可能であることが分かった。例えば、波長550nmに対してλ/4波長板として機能させる場合、△n・d/λが0.25となればよいため、あおり角を0°とすればよい。
〔微細パターンの効果〕
次に、基板上に形成される微細パターンの効果について評価した。斜め蒸着は、一次元格子のラインと垂直方向、且つ、基板面の法線方向に対する蒸着角度を70°とし、1層のみの複屈折膜を形成した。誘電体材料としてTaを用い、複屈折膜の膜厚を1.2μmとした。また、これと同様にして、パターンが形成されていない平坦な基板(以下、平坦基板ともいう。)を用い、この平坦基板上に複屈折膜を形成した。
図12は、一次元格子基板を用いた波長板と平坦基板を用いた波長板との複屈折量の比較を示すグラフである。また、図13は、一次元格子基板を用いた波長板の断面のSEM(Scanning Electron Microscope)像である。
一次元格子基板を用いた波長板は、従来の平坦基板を用いた斜め蒸着に比べ複屈折量が2.8倍となった。これは、一次元格子基板上に成膜することにより、格子間に間隔ができ、構造複屈折の効果が加味されたものと考えられる。
このように一次元格子基板を用いた波長板によれば、所望の位相特性を得るのに従来よりも薄膜化することができる。また、薄膜化により、生産工程の高速化及び効率化、成膜に使用する材料費の抑制など、多くのメリットが生じる。
〔複数層からなる複屈折膜〕
次に、Taを2方向から斜め蒸着し、一次元格子基板上に複数層からなる複屈折膜を形成させた。斜め蒸着は、一次元格子のラインと垂直方向、且つ、基板面の法線方向に対する蒸着角度を70°とした2方向から行った。具体的には、一方の方向から斜め蒸着させた後、基板を180°回転させることにより他方の方向から斜め蒸着させる蒸着サイクルを複数回行い、複数層からなる複屈折膜を形成させた。
図14は、厚みを一定としたときの積層数と△nの関係を示すグラフである。また、図15〜図17は、それぞれ1.0μm×2層、0.5μm×4層、及び0.4μm×6層の複屈折膜を形成させた波長板の断面のSEM像である。
図14に示す結果より、複屈折膜の積層数を増やすことにより、波長依存性が向上することが分かった。
そこで、さらに積層数を増やし、一次元格子基板を用いた場合と平坦基板を用いた場合について波長依存性について評価した。
図18は、一次元格子基板を用いた場合の積層数と△nの関係を示すグラフである。また、図19〜図21は、一次元格子基板上にそれぞれ700nm×1層、70nm×10層、及び7nm×100層の複屈折膜を形成させた波長板の断面のSEM像である。
一方、図22は、平坦基板を用いた場合の積層数と△nの関係を示すグラフである。また、図23〜図25は、平坦基板上にそれぞれ700nm×1層、70nm×10層、及び7nm×100層の複屈折膜を形成させた波長板の断面のSEM像である。
図18に示すグラフと図22に示すグラフとを比較すれば分かるように、一次格子基板上に複数層からなる複屈折膜を設けた方が、平坦基板上に複数層からなる複屈折膜よりも複屈折量が大きい。これは、誘電体材料の微粒子による複屈折と基板の凹凸による複屈折によるものである。
また、図18に示す結果より、2方向から交互に斜め蒸着し、複数層を形成することにより、波長依存性(波長分散)を向上させることができることが分かった。これは、図23〜図25に示す波長板の断面のSEM像を見れば分かるように、Taが基板面に対して垂直方向であって、凸部上に柱状に積層されているためである。すなわち、各層の厚さを薄くすることにより、真っ直ぐに伸びた柱状形状を得ることができるため、各層の厚さは、50nm以下であることが好ましく、より好ましくは10nm以下である。これにより、波長依存性を向上させるとともに複屈折量を増大させることができ、波長板を薄型化することができる。さらに、図18に示す結果より、誘電体材料としてTaを含有する高屈折材料を用いることにより、可視光領域における複屈折量が、0.13以上である波長板を得ることができることが分かった。特に、各層の厚さを10nm以下とした7nm×100層の複屈折膜によれば、可視光領域の任意の2波長における複屈折量の差が、0.02以下である優れた波長分散性(波長依存性)を得ることができることが分かった。
誘電体材料の微粒子による複屈折と基板の凹凸による複屈折を組み合わせることにより、従来よりも高性能且つ安価な高耐熱性を有する波長板を供給することができる。特に、液晶プロジェクタに用いた場合、高い光密度に対応することができるため、光学ユニット部の小型化も実現することができる。
1 波長板、 2 基板、 3 柱状部、 4 間隙部、 5 複屈折膜、 6 蒸着源、 21 凸部、 22 凹部
【0003】
凹部が格子状に形成された基板と、誘電体材料を180°異なる2方向から交互に斜め蒸着することにより前記誘電体材料の微粒子が前記基板の基板面に対して垂直方向であって、前記凸部上に柱状に積層された柱状部と、前記凹部上に位置し、前記柱状部間に設けられた間隙部とを備えることを特徴とする。
[0013]
また、本発明に係る波長板の製造方法は、利用光の波長以下の周期的な凹部及び凸部が格子状に形成された基板上に誘電体材料を180°異なる2方向から交互に斜め蒸着し、誘電体材料の微粒子が基板の基板面に対して垂直方向であって、凸部上に柱状に積層された柱状部と、凹部上に位置し、柱状部間に設けられた間隙部とを有する複屈折膜を成膜することを特徴とする。
発明の効果
[0014]
本発明によれば、斜め蒸着による微粒子の複屈折と基板の微細構造による複屈折により、複屈折量が増大するため、波長板を薄膜化することができる。
図面の簡単な説明
[0015]
[図1]図1は、誘電体材料の微粒子の形状異方性を説明するための図である。
[図2]図2は、本発明の一実施の形態における波長板の要部を示す断面図である。
[図3]図3A及び図3Bは、基板の構成例を示す図である。
[図4]図4は、本発明の一実施の形態における波長板の製造方法を示すフローチャートである。
[図5]図5は、斜め蒸着の概要を説明するための図である。
[図6]図6は、基板回転角と複屈折量△nの関係を示すグラフである。
[図7]図7は、一次元格子基板に対する入射方向を説明するための図である。
[図8]図8は、入射角と複屈折量△nの関係を示すグラフである。
[図9]図9は、基板面に対する入射角を説明するための図である。
[図10]図10は、リタデーション値と波長の関係を示すグラフである。
[図11]図11A乃至図11Cは、基板のあおり角を説明するための図である。

Claims (8)

  1. 利用光の波長以下の周期的な凸部及び凹部が形成された基板と、
    誘電体材料の2方向からの斜め蒸着により前記誘電体材料の微粒子が前記基板の基板面に対して垂直方向であって、前記凸部上に柱状に積層された柱状部と、
    前記凹部上に位置し、前記柱状部間に設けられた間隙部と
    を備える波長板。
  2. 前記柱状部における各層の厚さが、50nm以下である請求項1記載の波長板。
  3. 前記誘電体材料は、Taを含有し、
    可視光領域における複屈折量が、0.13以上である請求項1又は2記載の波長板。
  4. 可視光領域の任意の2波長における複屈折量の差が、0.02以下である請求項1乃至3にいずれかに記載の波長板。
  5. 利用光の波長以下の周期的な凹部及び凸部が形成された基板上に誘電体材料を2方向から斜め蒸着し、
    前記誘電体材料の微粒子が前記基板の基板面に対して垂直方向であって、前記凸部上に柱状に積層された柱状部と、前記凹部上に位置し、前記柱状部間に設けられた間隙部とを有する複屈折膜を成膜する波長板の製造方法。
  6. 前記柱状部における各層の厚さを、50nm以下とする請求項5記載の波長板の製造方法。
  7. 前記誘電体材料は、Taを含有する請求項5又は6記載の波長板の製造方法。
  8. 前記2方向からの斜め蒸着は、前記周期的な凸部及び凹部のラインと垂直方向、且つ、基板面の法線方向に対する蒸着角度を60°〜80°とする請求項5乃至7にいずれかに記載の波長板の製造方法。
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